JP2013229427A - 薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リーク源となるバリの発生を抑制できる薄膜太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】薄膜太陽電池の製造方法は、基板100上に直列接続された複数個の光電変換素子107を形成する工程と、直列接続された複数個の光電変換素子107にストリング分離溝150を形成して複数のストリングS2を形成する工程とを備える。光電変換素子107は、アモルファスシリコン層230と膜厚tが3μmを超える微結晶シリコン層330とを含む光電変換層103を有する。ストリングS2を形成する工程は、第2高調波レーザL2を用いて光電変換層103および裏面電極膜105を除去し、第一の幅w1を有する第一の溝30を形成する工程と、赤外線レーザL1を用いて第一の溝30の底部31の透明導電膜101を除去し、第一の幅w1よりも狭い第二の幅w2を有する第二の溝50を形成する工程と、をこの順に含む。
【選択図】図16

Description

本発明は、薄膜太陽電池の製造方法に関する。
薄膜太陽電池に関し、従来、絶縁基板の表面に、第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層されてなる複数のセルが互いに電気的に直列接続されたストリングが複数配置され、各ストリングはストリング分離溝により分離された太陽電池において、ストリング分離溝は、第1電極層を除去して形成された第1溝と、光電変換層および第2電極層を第1溝の幅よりも広い幅で除去して形成された第2溝とからなり、YAGレーザの基本波を用いて第1電極層、光電変換層および第2電極層を除去し第1溝を形成する第1段階と、YAGレーザの第二高調波を用いて光電変換層および第2電極層を除去し第2溝を形成する第2段階と、によって形成されることが開示されている(たとえば、特許文献1,2および3参照)。
特開2010−50213号公報 特開2010−62373号公報 特開2010−74071号公報
薄膜太陽電池では、高電圧を出力することを目的として集積型構造がとられており、複数のセルが直列接続されたストリングが形成される。透明基板上に複数のストリングが形成されることもある。複数のストリングは、セルの直列接続方向に延びるストリング分離溝によって、複数に分割される。この構成の薄膜太陽電池では、複数のストリングが、ストリング分離溝を挟んで隣り合うように並行して配置されることになる。このストリング分離溝は、透明基板上に形成された透明導電膜、光電変換層および裏面電極膜をレーザスクライブ加工することで形成される。ストリング分離溝により、各ストリング間の絶縁性が確保される。
従来の方法では、透光性絶縁基板上に第1電極層、光電変換層および第2電極層が順次積層された積層構造に対し、まず、YAGレーザの基本波(波長:1064nm)を透光性絶縁基板側から照射し、第1電極層、光電変換層および第2電極層を部分的に除去して第1溝を形成する。その後、第1導電層に対する透過性が高いYAGレーザの第2高調波を透光性絶縁基板側から照射し、光電変換層および第2電極層を第1溝の幅よりも広い幅で除去して第2溝を形成する。このようにしてストリング分離溝を形成する。この加工は、第1溝より幅広い第2溝を後から形成することにより、第1溝の形成によって飛散して溝内面に付着した導電材料を除去し、第1電極層と第2電極層との短絡を回避することを目的としている。
また、薄膜太陽電池の高効率化技術の一つに、太陽光スペクトルを複数個に分割して受光するように、それぞれの波長帯領域に適した材料を用いて作製した太陽電池を組み合わせた積層型太陽電池がある。短波長光から、長波長光までのエネルギーを有効に活用することが出来るので、高効率化を期待することができる。現在、アモルファスシリコン層と微結晶シリコン層の2層からなるタンデム太陽電池が一般的であるが、より高効率化の太陽電池の開発に向け、さらに3層、4層からなる積層型太陽電池の開発が進められている。
しかし、微結晶シリコンを含む積層型太陽電池のような、光電変換層が一定以上の膜厚を有する薄膜太陽電池では、従来のレーザスクライブ加工で形成されたストリング分離溝にバリ(未加工部分)が発生する場合があることがわかった。バリが発生すると、このバリがリーク源となって、各ストリング間の絶縁性が低下する問題となる。
第2高調波レーザを用いたレーザ加工時には、光電変換層に含まれるアモルファスシリコン層でレーザ光を吸収し、アモルファスシリコン層が蒸発する際のエネルギーで微結晶シリコン層および裏面電極膜を同時に吹き飛ばして加工している。そのため微結晶シリコン層が厚くなればなるほど、アモルファスシリコン層での吸収するエネルギー量を増やす必要がある。微結晶シリコン層の膜厚が3μmを超える厚膜の場合、従来の方法で第1電極層(透明導電膜)、光電変換層および第2電極層(裏面電極膜)の積層構造を赤外線レーザで一括にレーザ加工して第1溝を形成すると、その後の第2溝の形成時に、レーザ照射面積当りにおいて微結晶シリコン層を吹き飛ばすための十分なアモルファスシリコン層が存在せず、アモルファスシリコン層が蒸発する際に発生する微結晶シリコン層を吹き飛ばすための十分なエネルギー量が得られない。そのため、吹き飛ばされずに微結晶シリコン層と裏面電極層が残ってしまい、これがバリの発生の原因と考えられる。微結晶シリコン層の厚みが大きくなればなるほど、微結晶シリコン層を吹き飛ばすためにより大きなエネルギー量が必要となり、アモルファスシリコン層により大きなエネルギーを吸収させることが必要となるため、スクライブ加工がますます困難になる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、リーク源となるバリの発生を抑制し、高効率の薄膜太陽電池を高品質に実現できる、薄膜太陽電池の製造方法を提供することである。
本発明に係る薄膜太陽電池の製造方法は、基板上に、直列接続された複数個の光電変換素子を形成する工程と、直列接続された複数個の光電変換素子にストリング分離溝を形成することによって、複数のストリングを形成する工程と、を備える。光電変換素子は、透明導電膜と、アモルファスシリコン層と膜厚が3μmを超える微結晶シリコン層とを含む光電変換層と、裏面電極膜と、をこの順に有する。ストリングを形成する工程は、第2高調波レーザを用いて光電変換層および裏面電極膜を除去し、第一の幅を有する第一の溝を形成する工程と、赤外線レーザを用いて第一の溝の底部の透明導電膜を除去し、第一の幅よりも狭い第二の幅を有する第二の溝を形成する工程と、をこの順に含む。
上記薄膜太陽電池の製造方法において、第一の溝の側壁と第二の溝の側壁との距離は、第二の幅の1/2以上が望ましい。
上記薄膜太陽電池の製造方法において、第一の溝は、第一の溝の延びる方向に第2高調波レーザを複数回走査して形成されており、第n回目(nは1以上の整数)の第2高調波レーザの走査によって第2高調波レーザ加工溝が形成され、第(n+1)回目の第2高調波レーザの走査時に、第2高調波レーザのビーム径の40%以上が第2高調波レーザ加工溝の外部に照射されるのが望ましい。
上記薄膜太陽電池の製造方法において、第2高調波レーザの走査時にアモルファスシリコン層に照射される第2高調波レーザ(L2)の照射面積は0.012mm以上であることが望ましい。
上記薄膜太陽電池の製造方法において、第2高調波レーザの波長は、507nm以上557nm以下であってもよい。
上記薄膜太陽電池の製造方法において、赤外線レーザの波長は、1014nm以上1114nm以下であってもよい。
本発明の薄膜太陽電池の製造方法によると、リーク源となるバリの発生を抑制でき、要求される絶縁性を確保できるので、高効率の薄膜太陽電池を高品質に実現することができる。
本発明の実施の形態における薄膜太陽電池の製造方法が適用される薄膜太陽電池モジュールの模式背面図である。 図1中に示すII−II線に沿った模式断面図である。 図1中に示すIII−III線に沿った模式断面図である。 光電変換層の一例の詳細を示す断面図である。 光電変換層の他の例の詳細を示す断面図である。 本発明の実施の形態における薄膜太陽電池モジュールの製造方法を示すフローチャートである。 図6に示すストリング分離溝を形成する工程の詳細を示すフローチャートである。 図7に示す第一の溝を形成する工程の詳細を示すフローチャートである。 図7に示す第二の溝を形成する工程の詳細を示すフローチャートである。 薄膜太陽電池の積層構造を示す模式断面図である。 第2高調波レーザにより形成される加工溝を示す模式断面図である。 第2高調波レーザの重なりを示す模式断面図である。 第一の溝の形成後の模式断面図である。 赤外線により形成される加工溝を示す模式断面図である。 赤外線レーザの重なりを示す模式断面図である。 第二の溝の形成後の模式断面図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態における薄膜太陽電池の製造方法が適用される薄膜太陽電池モジュール1の模式背面図である。図2は、図1中に示すII−II線に沿った模式断面図である。図3は、図1中に示すIII−III線に沿った模式断面図である。図1ないし図3を参照して、本発明の実施の形態における薄膜太陽電池の製造方法が適用される薄膜太陽電池モジュール1について説明する。
この薄膜太陽電池モジュール1は、四角形のガラス基板100と、ガラス基板100の表面に透明導電膜101、光電変換層103および裏面電極膜105が順次積層されてなる薄膜光電変換素子(セル)107が複数互いに電気的に直列接続されたストリングS2と、ストリングS2における直列接続方向Aの一端側のセル107aの裏面電極膜105上にろう材を介して電気的に接合された2本の第1集電電極111および他端側のセル107bの裏面電極膜105上にろう材を介して電気的に接合された2本の第2集電電極112とを備える。第1および第2集電電極111,112としては、例えば銅線、アルミ線等が用いられる。
さらに、この薄膜太陽電池モジュール1は、ストリングS2が、同一のガラス基板100上に、直列接続方向Aに延びる複数(この場合7本)のストリング分離溝150を挟んで直列接続方向と直交する方向Bに複数(この場合8個)並列して配置されており、1組の第1集電電極111と第2集電電極112とによって隣接する4つのストリングS2を並列接続している。これにより、この薄膜太陽電池モジュール1は、4つのストリングS2が並列接続されたグループを2組備える。一方のグループは、第1集積セルストリング110を形成する。他方のグループは、第2集積セルストリング120を形成する。
そして、一方のグループの第2集電電極112と他方のグループの第1集電電極111とがリード線によって電気的に接続されることにより2つのグループが直列接続され、一方のグループの第1集電電極111がリード線によって電気的に接続され、他方のグループの第2集電電極112がリード線によって電気的に接続されることにより、直列接続された2つのグループにより発電された高電圧の電流が取り出される。なお、図1において、符号Eは電流が流れる方向(電流方向)を表している。
図2および図3に示すように、薄膜太陽電池モジュール1は、前面(受光面)側に位置するガラス基板100と、ガラス基板100の背面側に形成された透明導電膜(表面側電極層)101と、透明導電膜101の背面側に形成された光電変換層103と、光電変換層103の背面側に形成された裏面電極膜105とを含んでいる。裏面電極膜105は、その背面側に設けられた封止材160によって覆われている。
図2に示すように、透明導電膜101、光電変換層103および裏面電極膜105には、一括して直列接続方向A(図1中における横方向)に沿って延びるストリング分離溝150が設けられている。当該ストリング分離溝150は、上述した複数のストリングS2を分断するものであり、当該ストリング分離溝150を挟んで複数のストリングS2が並行して配置されている。第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120とを分断するストリング分離溝150は、複数のストリングS2を4つのストリングS2が並列接続された2組のグループに二分するものであり、特に中央分離溝と称される。
複数のストリングS2は、ガラス基板100の外周端面(四辺の端面)よりも内側に形成されている。つまり、ガラス基板100の表面の外周領域は、透明導電膜101、光電変換層103および裏面電極膜105が形成されていない非導電性表面領域108とされており、その幅は太陽電池の出力電圧に応じた寸法範囲に設定されている。
図3に示すように、第1集積セルストリング110に含まれる透明導電膜101、光電変換層103および裏面電極膜105は、それぞれ所定の形状にパターニングされている。透明導電膜101、光電変換層103および裏面電極膜105のそれぞれには、図1中に示す方向Bに沿って延びる第1分離溝102、第2分離溝104および第3分離溝106が設けられている。
透明導電膜101に設けられた第1分離溝102は、光電変換層103によって埋め込まれている。光電変換層103に設けられた第2分離溝104は、裏面電極膜105によって埋め込まれている。また、裏面電極膜105に設けられた第3分離溝106は、封止材160によって埋め込まれている。
第2分離溝104によって分断された個々の光電変換層103は、第1分離溝102によって分断された個々の透明導電膜101と、第3分離溝106によって分断された個々の裏面電極膜105とによって挟まれた状態にある。透明導電膜101とこれに隣り合う裏面電極膜105とは、光電変換層103を分断する第2分離溝104を埋め込むように構成された部分の裏面電極膜105(当該部分の裏面電極膜105は、特にコンタクトラインと称される)を介して接続されている。
これにより、個々の光電変換層103が、裏面電極膜105および透明導電膜101を介して相互に接続された状態となり、一つのストリングS2に含まれる複数個のセル107が、直列に接続されることになる。
図4は、光電変換層103の一例の詳細を示す断面図である。図4に示す光電変換層103は、タンデム型光電変換層と称され、第1の光電変換層230および第2の光電変換層330を有する。第1の光電変換層230においては、ガラス基板100側から順にp型半導体層231、i型半導体層232およびn型半導体層233が積層されて、pin接合が構成されている。第2の光電変換層330においては、ガラス基板100側から順にp型半導体層331、i型半導体層332およびn型半導体層333が積層されて、pin接合が構成されている。
タンデム型薄膜シリコン系太陽電池においては、光入射側から最も近いpin接合はトップセル、光入射側から最も遠いpin接合はボトムセルと称される。光電変換層103は、透明導電膜101側から、アモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層およびn層をこの順に積層したトップセル(第1の光電変換層230)と、トップセル上に、微結晶シリコン薄膜からなるp層、i層およびn層をこの順に積層したボトムセル(第2の光電変換層330)とを、たとえばプラズマCVD法により積層したものを用いてもよい。微結晶シリコン層である第2の光電変換層330は、膜厚tを有する。
図5は、光電変換層103の他の例の詳細を示す断面図である。図5に示す光電変換層103は、図4に示す第1の光電変換層230および第2の光電変換層330に加え、第3の光電変換層430を有する。第3の光電変換層430においては、ガラス基板100側から順にp型半導体層431、i型半導体層432およびn型半導体層433が積層されて、pin接合が構成されている。
3つ以上のpin接合を有する積層型光電変換装置においては、トップセルとボトムセルの間に位置するpin接合はミドルセルと称される。光電変換層103の他の例は、透明導電膜101側から、アモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層およびn層をこの順に積層したトップセル(第1の光電変換層230)と、トップセル上に、微結晶シリコン薄膜からなるp層、i層およびn層をこの順に積層したミドルセル(第3の光電変換層430)と、ミドルセル上に、微結晶シリコン薄膜からなるp層、i層およびn層をこの順に積層したボトムセル(第2の光電変換層330)とを、たとえばプラズマCVD法により積層したものを用いてもよい。微結晶シリコン層である第3の光電変換層430および第2の光電変換層330は、膜厚tを有する。なお、光電変換層の数を3つ以上とすることもできる。
光電変換層230,330,430としては、半導体光電変換層を用いることができる。複数の光電変換層を設ける場合、各光電変換層は、全て同種のシリコン系半導体から構成されていてもよく、または、互いに異なる種類のシリコン系半導体から構成されていてもよい。第1の光電変換層230、第2の光電変換層330および第3の光電変換層430の各光電変換層は、それぞれ、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層を含んでおり、各半導体層は、シリコン系半導体から構成されていてもよい。
光電変換層に含まれる各半導体層は、全て同種のシリコン系半導体から構成されていてもよく、または、互いに異なる種類のシリコン系半導体から構成されていてもよい。たとえば、p型半導体層とi型半導体層とを非晶質シリコンで形成し、n型半導体層を微結晶シリコンで形成してもよい。また、たとえば、p型半導体層とn型半導体層とをシリコンカーバイドまたはシリコンゲルマニウムで形成し、i型半導体層をシリコンで形成してもよい。なお、本明細書において、「非晶質シリコン」は「水素化非晶質シリコン」を含む概念であり、「微結晶シリコン」は「水素化微結晶シリコン」を含む概念である。
さらに、p型、i型およびn型の各半導体層は、単層構造であっても複数層構造であってもよい。複数層構造である場合、各層は、互いに異なる種類のシリコン系半導体から構成されていてもよい。
図6は、本発明の実施の形態における薄膜太陽電池モジュール1の製造方法を示すフローチャートである。本実施の形態における薄膜太陽電池モジュール1の製造方法では、まず工程(S10)において、基板100を準備する。基板100としては、透明性および絶縁性を有するものであればよい。たとえば、板状のガラスが好適に使用できる。次に工程(S20)において、たとえば熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて成膜することにより、基板100上に透明導電膜101を形成する。透明導電膜101としては、たとえばSnO(酸化錫)膜やITO(インジウム錫酸化)膜などが好適に使用できる。
次に工程(S30)において、たとえばレーザスクライブ法などを用いて透明導電膜101の一部を除去することで、複数の第1分離溝102を形成する。これにより透明導電膜101が複数個に分断される。使用するレーザ光としては、たとえばYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザの基本波(波長1064nm)などが好適に利用できる。
次に工程(S40)において、たとえばプラズマCVD法などを用いて成膜することにより、透明導電膜101上に光電変換層103を形成する。光電変換層103は、アモルファスシリコンからなるi層を含む光電変換層230と微結晶シリコンからなるi層を含む光電変換層330を備える。たとえば、光電変換層103は、アモルファスシリコン薄膜からなるp層、i層およびn層をこの順に積層した第1の光電変換層230と、微結晶シリコン薄膜からなるp層、i層およびn層をこの順に積層した第2の光電変換層330との積層を含む。このとき、第1分離溝102は、光電変換層103によって埋め込まれることになる。
次に工程(S50)において、たとえばレーザスクライブ法などを用いて光電変換層103の一部を除去することで、複数の第2分離溝104を形成する。これにより光電変換層103が複数個に分断される。使用するレーザ光としては、たとえばYAGレーザの第2高調波(532nm)などが好適に利用できる。
次に工程(S60)において、たとえばマグネトロンスパッタ法あるいは電子ビーム蒸着法などを用いて成膜することにより、光電変換層103上に裏面電極膜105を形成する。裏面電極膜105としては、たとえばZnO(酸化亜鉛)膜/Ag(銀)膜やZnO膜/Al(アルミニウム)膜、ITO膜/Ag膜、SnO膜/Ag膜などが好適に利用できる。また、その際、第2分離溝104は、裏面電極膜105によって埋め込まれることになり、これにより上述したコンタクトラインが形成される。
次に工程(S70)において、たとえばレーザスクライブ法などを用いて裏面電極膜105の一部を除去することで、複数の第3分離溝106を形成する。これにより裏面電極膜105が複数個に分断される。使用するレーザ光としては、たとえばYAGレーザの第2高調波(532nm)などが好適に利用できる。
次に工程(S80)において、レーザスクライブ法を用いて直列接続方向Aに沿ってストリング分離溝150が形成される。これにより、基板100上には、直列接続された複数個のセル107からなるストリングS2が形成される。形成されたこれらストリングS2は、当該ストリング分離溝150によって分断されている。
次に工程(S90)において、たとえばレーザスクライブ法あるいはブラスト加工法などを用いて、基板100の周縁に沿って透明導電膜101、光電変換層103および裏面電極膜105の一部を除去することで、周縁分離溝を形成する。なお、レーザスクライブ法を使用する場合のレーザ光としては、たとえばYAGレーザの基本波(1064nm)などが好適に利用できる。
次に工程(S100)において、電気検査を実施する。当該電気検査には、ストリングS2内において隣り合うセル107間に分離不良および導通不良が発生していないかという検査や、第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120との間に分離不良が発生していないかといった検査、ソーラシミュレータなどを用いた第1集積セルストリング110および第2集積セルストリング120の交流微弱白色電流−直流電圧特性(いわゆるIV特性)が所望のものとなっているかといった検査などが含まれる。
当該電気検査を実施することにより、仕掛品に不良品が混入することを防止できる。なお、不良品については、場合によってはリペアなどを行なってその修復を行なうことも可能である。
以上の工程(S10)〜(S100)が終了した後、モジュール化工程が実施され、図1ないし図3に示す薄膜太陽電池モジュール1の製造が完了する。
図7は、図6に示すストリング分離溝150を形成する工程(S80)の詳細を示すフローチャートである。図8は、図7に示す第一の溝30を形成する工程(S190)の詳細を示すフローチャートである。図9は、図7に示す第二の溝50を形成する工程(S290)の詳細を示すフローチャートである。以下、これら図7ないし図9および図10ないし図16を参照して、本実施の形態におけるストリング分離溝150の形成について、詳細に説明する。
図10は、薄膜太陽電池の積層構造を示す模式断面図である。図10には、図6に示す工程(S70)終了後の薄膜太陽電池の、ストリング分離溝150が形成されるべき領域付近が、拡大して示されている。図10に示すように、薄膜太陽電池は、ガラス基板100上に透明導電膜101、光電変換層103および裏面電極膜105が積層されて形成されている。光電変換層103として、アモルファスシリコンと微結晶シリコンとの積層型太陽電池を用いている。
図4に示す光電変換層103の一例に用いた微結晶シリコン層としての第2の光電変換層330の膜厚tは、3μm超、好ましくは3.5μm以上である。図5に示す光電変換層103の他の例に用いた微結晶シリコン層としての第2の光電変換層330および第3の光電変換層430の合計の膜厚tは、3μm超、好ましくは3.5μm以上である。このように微結晶シリコンの膜厚が比較的大きい場合、ストリング分離溝150の形成の際に、バリが発生しやすくなる。本実施の形態の製造方法は、微結晶シリコンの膜厚の大きい薄膜太陽電池にストリング分離溝150を形成する際のバリの発生を抑制可能とするものである。
図10に示す薄膜太陽電池の積層構造に対し、図7に示す工程(S190)において、第一の溝30を形成する。具体的には、図8に示す工程(S191)において、薄膜太陽電池の積層構造に対し裏面電極膜105側から第2高調波レーザL2を走査する。図11は、第2高調波レーザL2により形成される加工溝20を示す模式断面図である。図11に示すように、レーザ光源11で発生する赤外線レーザL1が非線形光学結晶12を通過することにより、波長が半分になり、第2高調波レーザL2になる。第2高調波レーザL2は、レーザ光源11で発生する赤外線レーザL1の波長を半分にしたものである。同一の励起源であるレーザ光源11からの光路を切り替えることにより、単一のレーザ光源11から赤外線レーザL1と第2高調波レーザL2との両方を取り出すことができる。
レーザ光源11としては、LD(Laser Diode)励起のNd(ネオジム):YAGレーザが好適に利用できる。または、YV04(イットリウム・バナデート)、YLF(リチウム・イットリウム・フロライド)などの他のレーザ光源を利用してもよい。これらのレーザ光源11からは、波長1064nm±50nmの赤外線レーザL1が発生する。赤外線レーザL1の波長は、1014nm以上1114nm以下である。赤外線レーザL1が非線形光学結晶12を通過すると、波長が半分の532nm±25nmである第2高調波レーザL2となる。第2高調波レーザL2の波長は、507nm以上557nm以下である。
第2高調波レーザL2の加工点出力は、0.5W以上が好ましく、望ましくは2Wである。0.5W以上では、スクライブ加工するのに十分なエネルギー量を得ることができる。Q−スイッチ周波数は5kHzから30kHzの範囲内であり、望ましくは10kHzから25kHzがよい。第2高調波レーザL2は、図11に示す紙面垂直方向に走査され、光電変換層103および裏面電極膜105をスクライブ加工により除去して、第2高調波レーザ加工溝としての加工溝20を形成する。加工溝20の幅p1は、たとえば、175μmである。ここで、加工溝20の幅とは、第2高調波レーザL2の照射により形成される加工溝20の側壁22,22間の間隔であり、加工溝20が延びる方向に直交する方向に測定した加工溝20の幅を指す。
第1回目の第2高調波レーザL2の走査が終了すると、図8に示す工程(S192)において、現時点で形成された加工溝20の幅p1が、第一の溝30の幅として設定された幅w1と等しいかどうかが判断される。加工溝20の幅p1が第一の溝30の幅w1よりも小さく、加工溝20の幅p1が第一の溝30の幅w1と等しくなければ、工程(S191)に戻り、第2回目の第2高調波レーザL2の走査が実施される。第一の溝30は、第一の溝30の延びる方向に第2高調波レーザL2を複数回走査して形成される。第一の溝30の幅とは、後述する図13に示す第一の溝30の側壁32,32間の間隔であり、第一の溝30が延びる方向に直交する方向に測定した第一の溝30の幅を指す。
図12は、第2高調波レーザL2の重なりを示す模式断面図である。最終的に要求される第一の溝30の幅w1を確保するために、第2回目の第2高調波レーザL2の走査においては、加工溝20から第2高調波レーザL2が加工溝20の幅方向にずらされる。第2回目以降の第2高調波レーザL2は、一部が加工溝20の内部に照射され、残りの一部が光電変換層103および裏面電極膜105のスクライブ加工に利用される。このとき、第2高調波レーザL2のビーム径d2の40%以上が、加工溝20の外部に照射されることが好ましい。図12に示す寸法aは、第2高調波レーザL2が照射される側の加工溝20の側壁22と、第2高調波レーザL2の周縁部との間の距離である。第2高調波レーザL2のビーム径d2と寸法aとの間には、a≦0.6×d2の関係が成立することが好ましい。
第2高調波レーザL2が、レーザ光の中心において最も光の強度が大きく、レーザ光の中心から端部へ向かって光の強度が小さくなる、ガウシアン型のレーザである場合、寸法aが大きくなると、レーザ光の強度の小さい部分で第2回目の光電変換層103および裏面電極膜105のスクライブ加工が行なわれることになる。寸法aを大きくすると、第(n+1)回目(nは1以上の整数)の第2高調波レーザL2の走査時に、レーザ光の強度の大きい部分は、第n回目までの第2高調波レーザL2の走査によって形成された加工溝20の内部に照射されることになり、レーザ光の吸収層であるアモルファスシリコン層に十分にエネルギーを吸収させられなくなる。第2高調波レーザL2の重なりが60%以下であると、第(n+1)回目のスクライブ加工を実施するために加工溝20の外部に照射されるレーザ光の強度が小さくなく、レーザ光の吸収層であるアモルファスシリコン層に十分にエネルギーを吸収させられる。重なりが大きい場合、微結晶シリコン層の膜厚が大きいと、第(n+1)回目のスクライブ加工時に求める加工形状が得られない可能性がある。
そこで、第2高調波レーザL2のビーム径d2と寸法aとの間に上述した関係が成立するように第2高調波レーザL2の照射位置を規定することにより、第(n+1)回目のスクライブ加工時に光電変換層103のアモルファスシリコン層に吸収される第2高調波レーザL2の強度を十分に大きくできる。したがって、第(n+1)回目のスクライブ加工時に所望の加工溝20の加工形状を得ることができ、レーザスクライブ加工の加工精度を向上することができる。
また、スクライブ加工に利用される第2高調波レーザL2の照射面積は、0.012mm以上であることが好ましい。そのため、第2回目以降の第2高調波レーザL2の照射の際に、アモルファスシリコン層に照射される第2高調波レーザL2の照射面積を0.012mm以上にすることが好ましい。たとえば照射面積を0.01225mmとしてもよい。これだけの照射面積があると、アモルファスシリコン層に十分にエネルギーを吸収させることができるので、アモルファスシリコン層が蒸発する際のエネルギーで微結晶シリコン層をより確実に吹き飛ばすことができ、レーザスクライブ加工を良好に実施することができる。
第2回目の第2高調波レーザL2の走査が終了すると、図8に示す工程(S192)における、加工溝20の幅p1と第一の溝30の幅w1とを比較する判断が再度行なわれる。加工溝20の幅p1が第一の溝の幅w1と等しくなったと判断されれば、図7に示す工程(S190)の第一の溝30の加工が終了する。
図13は、第一の溝30の形成後の模式断面図である。図13に示すように、光電変換層103と裏面電極膜105とが裏面電極膜105側からレーザスクライブ加工されることにより、幅w1を有する第一の溝30が形成される。第一の溝30は、図13の紙面垂直方向に延びている。第一の溝30は、底部31と、一対の側壁32,32とを有する。第一の溝30の底部31は、透明導電膜101の表面に形成されている。
このとき、第一の溝30の側壁32には、バリは観測されない。第2高調波レーザL2を用いたレーザスクライブ加工後の第一の溝30の側壁32には、リーク源となるバリは観察されず、加工形状は良好である。
続いて図7に示す工程(S290)において、第二の溝50を形成する。具体的には、図9に示す工程(S291)において、第一の溝30の内部の透明導電膜101に対し裏面電極膜105側から赤外線レーザL1を照射し、第一の溝30の底部31に対し赤外線レーザL1を走査する。図14は、赤外線レーザL1により形成される加工溝40を示す模式断面図である。
赤外線レーザL1の加工点出力は10W以上が好ましく、望ましくは14Wがよい。10W以上では、透明導電膜101を完全に取り除くための十分なエネルギーを得ることができる。Q−スイッチ周波数は50kHzから150kHzの範囲内であり、望ましくは100kHzがよい。赤外線レーザL1は、図14に示す紙面垂直方向に走査され、第一の溝30の底部31の透明導電膜101をスクライブ加工により除去して、赤外線レーザ加工溝としての加工溝40を形成する。加工溝40の幅p2は、たとえば、52μmである。ここで、加工溝40の幅とは、赤外線レーザL1の照射により形成される加工溝40の側壁42,42間の間隔であり、加工溝40が延びる方向に直交する方向に測定した加工溝40の幅を指す。
第1回目の赤外線レーザL1の走査が終了すると、図9に示す工程(S292)において、現時点で形成された加工溝40の幅p2が、第二の溝50の幅として設定された幅w2と等しいかどうかが判断される。加工溝40の幅p2が第二の溝50の幅w2よりも小さく、加工溝40の幅p2が第二の溝50の幅w2と等しくなければ、工程(S291)に戻り、第2回目の赤外線レーザL1の走査が実施される。第二の溝50は、第二の溝50の延びる方向に赤外線レーザL1を複数回走査して形成される。第二の溝50の幅とは、後述する図16に示す第二の溝50の側壁52,52間の間隔であり、第二の溝50が延びる方向に直交する方向に測定した第二の溝50の幅を指す。
図15は、赤外線レーザL1の重なりを示す模式断面図である。最終的に要求される第二の溝50の幅w2を確保するために、第2回目の赤外線レーザL1の走査においては、加工溝40から赤外線レーザL1が加工溝40の幅方向にずらされる。
第2回目の赤外線レーザL1の走査が終了すると、図9に示す工程(S292)における、加工溝40の幅p2と第二の溝50の幅w2とを比較する判断が再度行なわれる。加工溝40の幅p2が第二の溝の幅w2と等しくなったと判断されれば、図7に示す工程(S290)の第二の溝50の加工が終了する。このようにして、第一の溝30の内部に第一の溝30の幅w1よりも狭い幅w2を有する第二の溝50が形成され、ストリング分離溝150の形成が完了する。
図16は、第二の溝50の形成後の模式断面図である。図16に示すように、透明導電膜101が裏面電極膜105側からレーザスクライブ加工されることにより、第一の溝30の内側に幅w2を有する第二の溝50が形成される。第二の溝50は、図16の紙面垂直方向に延びている。第二の溝50は、底部と、一対の側壁52,52とを有する。第二の溝50の底部は、基板100の表面に形成されている。
このようにして形成された第一の溝30の側壁32には、バリは観測されない。赤外線レーザL1を用いたレーザスクライブ加工後の第一の溝30の側壁32には、リーク源となるバリは全く観察されず、加工形状は良好である。
このとき、図16に示す第一の溝30の側壁32と第二の溝50の側壁52との距離rが第二の溝50の幅w2の1/2の長さ以上であるように、溝の幅w1、w2および第一の溝30の内部における第二の溝50が配置されることが好ましい。このとき、第二の溝50の幅w2と距離rとの間には、r≧0.5×w2の関係が成立する。距離rを十分に大きくすることにより、赤外線レーザL1で透明導電膜101をレーザスクライブ加工する際に昇華する透明導電膜101の形成材料が光電変換層103の側壁32に再付着してリーク源となる不具合の発生を抑制することができる。
さらに、本実施の形態の製造方法によりストリング分離溝150を形成することで、第一の溝30および第二の溝50を、それぞれ所望の幅w1、w2を有するように形成することができる。ストリング分離溝150の加工精度を向上することにより、絶縁性を確保できるとともに、薄膜太陽電池モジュール1の発電効率をより向上することができる。
なお、以上の工程を経て形成されたストリング分離溝150によって第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120とが電気的に十分に絶縁されているか否かの分離不良検査は、第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120との間の絶縁抵抗値を測定することで行なわれる。
当該分離不良検査においては、測定された絶縁抵抗値と予め定めた閾値とを比較することにより、ストリング分離溝150によって第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120とが電気的に十分に絶縁されているか否かの判別が行なわれる。より具体的には、たとえば測定された絶縁抵抗値が予め定めた閾値以上である場合に、当該仕掛品が良品であると判別し、測定された絶縁抵抗値が予め定めた閾値未満である場合に、当該仕掛品が不良品であると判別する。
上記分離不良検査を実施することにより、ストリング分離溝150の分離不良に起因する不良モードのうち、製造段階において既に短絡が顕在化している不良モードのみならず、製造段階において短絡が未だ顕在化しておらず、製品出荷後の使用段階において短絡が顕在化する不良モードについても、これをより確実に判別することが可能になる。そのため、製品としての薄膜太陽電池モジュールに当該分離不良を含むものが混入することをより確実に防止できる。なお、不良品については、場合によってはリペアなどを行なってその修復を行なうことも可能である。
予め定める閾値の大きさとしては、製造する薄膜太陽電池モジュールの仕様や、分離不良検査の際に印加する電圧の大きさ、実機での不具合の状態と絶縁抵抗値との関係などを考慮して適宜設定すればよい。一例として、印加する電圧の大きさを250Vとした場合に、上記を考慮して絶縁抵抗値の閾値を100MΩ(すなわち、電流値が0A以上2.5μA以下)とすれば、分離不良の判別を高い精度で行なえることが確認されている。
上記分離不良検査においては、第1集積セルストリング110に接続された一対の引き出し用端子のうちから選択された一方の極性の端子と、第2集積セルストリング120に接続された一対の引き出し用端子のうちから選択された上記一方の極性とは異なる極性の端子との間に電圧が印加されればよい。
隣接するストリングS2同士が電気的に接続されているストリングS2については、両端の電極層が分離されない形態も存在し、絶縁分離の精度はそれほど要求されない。しかし、第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120とを分離するストリング分離溝150(中央分離溝)は、第1集積セルストリング110と第2集積セルストリング120とを確実に電気的に分離する必要がある。そのため、本実施の形態のストリング分離溝150は、より絶縁分離の精度が求められる中央分離溝として、特に有利に適用され得る。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 薄膜太陽電池モジュール、11 レーザ光源、20,40 加工溝、22,42 側壁、30 第一の溝、31 底部、32 側壁、50 第二の溝、52 側壁、100 ガラス基板、101 透明導電膜、103 光電変換層、105 裏面電極膜、110,120 集積セルストリング、150 ストリング分離溝、L1 赤外線レーザ、L2 第2高調波レーザ、S2 ストリング。

Claims (6)

  1. 基板上に、直列接続された複数個の光電変換素子を形成する工程と、
    直列接続された複数個の前記光電変換素子にストリング分離溝を形成することによって、複数のストリングを形成する工程と、を備え、
    前記光電変換素子は、透明導電膜と、アモルファスシリコン層と膜厚が3μmを超える微結晶シリコン層とを含む光電変換層と、裏面電極膜と、をこの順に有し、
    前記ストリングを形成する工程は、第2高調波レーザを用いて前記光電変換層および前記裏面電極膜を除去し、第一の幅を有する第一の溝を形成する工程と、赤外線レーザを用いて前記第一の溝の底部の前記透明導電膜を除去し、前記第一の幅よりも狭い第二の幅を有する第二の溝を形成する工程と、をこの順に含む、薄膜太陽電池の製造方法。
  2. 前記第一の溝の側壁と前記第二の溝の側壁との距離は、前記第二の幅の1/2以上である、請求項1に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  3. 前記第一の溝は、前記第一の溝の延びる方向に前記第2高調波レーザを複数回走査して形成されており、
    第n回目(nは1以上の整数)の前記第2高調波レーザの走査によって第2高調波レーザ加工溝が形成され、
    第(n+1)回目の前記第2高調波レーザの走査時に、前記第2高調波レーザのビーム径の40%以上が前記第2高調波レーザ加工溝の外部に照射される、請求項1または請求項2に記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  4. 前記第2高調波レーザの走査時に前記アモルファスシリコン層に照射される前記第2高調波レーザの照射面積は0.012mm以上である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  5. 前記第2高調波レーザの波長は、507nm以上557nm以下である、請求項1から請求項4のいずれかに記載の薄膜太陽電池の製造方法。
  6. 前記赤外線レーザの波長は、1014nm以上1114nm以下である、請求項1から請求項5のいずれかに記載の薄膜太陽電池の製造方法。
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