JP2005033006A - 集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法 - Google Patents
集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】太陽電池のサイドリークを防止し、モジュール効率を向上することが可能な集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法を提供する。
【解決手段】基板2と基板2上に設けられ直列接続された複数の発電セル8とを具備する集積型タンデム接合太陽電池を用いる。発電セル8は、第1電極層4と第1発電層11と第2発電層21と第2電極層6とをこの順に積層して基板2上に設けられる。第2発電層21は、第1半導体層22と第2半導体層24と第3半導体層26とを含む。電極溝31と第1溝32と第2溝34と第3溝36とを備える。電極溝31は第1電極層4の表面から基板2へ、第1溝32は第1半導体層22から第1電極層4へ、第2溝34は第3半導体層26から第1電極層4へ、第3溝3は第2電極層6から第1電極層4へそれぞれ延びる。第2電極層6が、第2溝34を介して第1電極層4と接続される。
【選択図】 図1
【解決手段】基板2と基板2上に設けられ直列接続された複数の発電セル8とを具備する集積型タンデム接合太陽電池を用いる。発電セル8は、第1電極層4と第1発電層11と第2発電層21と第2電極層6とをこの順に積層して基板2上に設けられる。第2発電層21は、第1半導体層22と第2半導体層24と第3半導体層26とを含む。電極溝31と第1溝32と第2溝34と第3溝36とを備える。電極溝31は第1電極層4の表面から基板2へ、第1溝32は第1半導体層22から第1電極層4へ、第2溝34は第3半導体層26から第1電極層4へ、第3溝3は第2電極層6から第1電極層4へそれぞれ延びる。第2電極層6が、第2溝34を介して第1電極層4と接続される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法に関し、特に、太陽電池の効率を向上することが可能な集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
一般に、薄膜太陽電池は、2つの電極で半導体膜を挟んだ構造をしている。2つの電極のうち光の入射する側に透明電極が、また他方に金属の裏面電極が用いられる。この裏面電極には、低抵抗のAlやAgが用いられる。一方、透明電極には、SnO2(酸化錫)、ITO(インジウム・錫酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)のような透明導電膜が用いられる。ただし、透明導電膜は、電気抵抗率が約5×10−4Ω・cmと金属膜より2桁程大きい。そのため、発生した電流が透明電極を流れる間に電力損失が生じる。その電力損失は、基板面積が大きくなるほど顕著となり、外部へ取り出せる電力を減少させる。そのため、損失を小さくするための構造として集積化太陽電池がある。これは上記構造膜からなる太陽電池(単位セル)を1枚の基板上に複数個作成しそれぞれを直列接続したものである。
【0004】
半導体膜としては、pin(p型−i型−n型半導体を用いる)構成を有する非晶質シリコン薄膜を使用したシングル接合太陽電池、及び、pin構成の非晶質シリコン薄膜とpin構成の結晶質シリコン薄膜とを積層した構造を有するタンデム接合太陽電池が一般に知られている。ここで、結晶質シリコン薄膜は、非晶質シリコン相に微結晶シリコン相を含有したものが一般的である。通常、シリコン薄膜を用いた太陽電池では、太陽光が入射する側からpinの順の各層が配置される。
【0005】
図17は、従来のシリコン薄膜を用いた集積型タンデム接合集積化太陽電池の構造を示す断面図(直列接続部分)である。
同図の集積型タンデム接合集積化太陽電池は、スーパーストレート型と称し、ガラス基102板側から太陽光が入射する。そして、ガラス基板102上に、第1電極である透明電極膜104,非晶質シリコン膜からなる第1発電層111がp層112、i層114、n層116の順に積層されている。さらに、その上に結晶質シリコン膜からなる第2発電層121がp層122、i層124、n層126の順に積層されている。このとき、発電効率を向上させるために第1発電層111と第2発電層121との間に透明導電膜からなる中間層110を挿入することがある。これは、第1発電層111で吸収されなかった比較的短波長の光を第1発電層111側に反射して発電に寄与させるためである。さらに、第2発電層121の上に第2電極である金属裏面電極膜106が積層されている。左側セル108−iの金属裏面電極膜106の一部と右側セル108−i+1の透明電極膜104の一部とがそれぞれ延在し、互いに第2開溝134位置で重畳接続されている。第1開溝132は透明電極膜104の分離、第3開溝136は金属裏面電極膜106の分離のために設けれている。直列接続方向に垂直方向(紙面に垂直方向)にレーザスクライブによって形成される。
【0006】
従来技術として、特開平9−129903号公報(特許文献1)及び特開2002−261308号公報(特許文献2)に、太陽電池の技術が開示されている。シリコン薄膜を用いたタンデム接合集積化太陽電池では、第1発電層(図17における111、以下、従来の技術の項において同じ)のうちの低抵抗層や透明導電膜からなる低抵抗の中間層(110)が、第2開溝(接続溝)(134)の側壁にて第2電極物質の金属裏面電極膜(106)と接触する。そのため、左側セルの第1発電層(111)から電流リークが生じてモジュール効率が低下することが指摘されている。すなわち、通常、第1発電層(111)から第2発電層(121)へ電子が流れるべきであるが、低抵抗層の存在によって一部電流経路のバイパスが生じる。それに対処するために、特開平9−129903号公報では、第1開溝(132)の形成時に透明電極膜(104)及び第1発電層(111)を同時に分離することが記されている。また、特開2002−261308号公報では、第1発電層(111)及び中間層(110)を同時に分離した溝を設けることが記されている。
【0007】
しかし、透明電極膜(104)及び第1発電層(111)を同時に分離する第1開溝(132)を設ける方法でモジュールを作製しても、モジュール効率の向上は不充分であった。これは、第1発電層(111)のn層(116)と同様に、第2発電層(121)のp層(122)にも低抵抗の微結晶膜を使用するため、第2発電層(121)のp層(122)によるサイドリークが生じていたためである。サイドリークを防止する技術が望まれている。プロセスの変更が少なく、低コストでサイドリークを防止し、モジュール効率を向上することが可能な技術が望まれている。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−129903号公報
【特許文献2】
特開2002−261308号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、太陽電池のサイドリークを防止することが可能な集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、モジュール効率を向上することが可能な集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、プロセスの変更が少なく、サイドリークの防止及びモジュール効率の向上を低コストで行うことが可能な集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲] の記載と[発明の実施の形態] との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲] に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0013】
従って、上記課題を解決するために、本発明の集積型タンデム接合太陽電池は、基板(2、42)と、基板(2、42)上に設けられ、互いに直列に接続された複数の発電セル(8、48)とを具備する。複数の発電セル(8、48)の各々は、第1電極層(4、44)と第1発電層(11、51)と、第2発電層(21、61)と、第2電極層(6、46)とを備える。第1電極層(4、44)は、基板(2、42)上に設けられている。第1発電層(11、51)は、第1電極層(4、44)上に設けられ、光により発電する。第2発電層(21、61)は、第1発電層(11、51)上に設けられ、光により発電する。第2電極層(6、46)は、第2発電層(21、61)上に設けられている。第2発電層(21、61)は、第1半導体層(22、62)と、第2半導体層(24、64)と、第3半導体層(26、66)とを含む。第1半導体層(22、62)は、第1発電層(11、51)上に設けられている。第2半導体層(24、64)は、第1半導体層(22、62)上に設けられている。第3半導体層(26、66)は、第2半導体層(24、64)上に設けられている。
そして、電極溝(31、71)と、第1溝(32、72)と、第2溝(34、74)と、第3溝(36、76)とを備える。電極溝(31、71)は、第1電極層(4、44)の表面から基板(2、42)へ延びる。第1溝(32、72)は、第1半導体層(22、62)の表面から第1電極層(4、44)へ延びる。第2溝(34、74)は、第3半導体層(26、66)の表面から第1電極層(4、44)へ延びる。第3溝(36、76)は、第2電極層(6、46)の表面から第1電極層(4、44)へ延びる。第2溝(34、74)は、電極溝(31、71)に対して第1溝(32、72)と同じ側にある。第3溝(36、76)は、電極溝(31、71)に対して第2溝(34、74)と同じ側に第2溝(34、74)よりも離れてある。第2電極層(6、46)が、複数の発電セル(8、48)のうちの隣接する他の一つに直列接続するように、第2溝(34、74)を介して第1電極層(4、44)と接続されている。
【0014】
上記の集積型タンデム接合太陽電池において、第1溝(32、72)は、電極溝(31、71)上に設けられている。
【0015】
上記の集積型タンデム接合太陽電池において、第2溝(34、74)は、第2溝(34、74)の一部が第1溝(32、72)に重なるようにして設けられている。
【0016】
上記の集積型タンデム接合太陽電池において、第1発電層(11、51)は、第2発電層(21、61)と接する側に設けられた導電性の中間層(10、50)を備える。
【0017】
上記の集積型タンデム接合太陽電池において、第1半導体層(22、62)は、p型及びn型のうちのいずれか一方の導電型を有する低抵抗層である。
【0018】
上記の集積型タンデム接合太陽電池において、第1半導体層(22、62)は、微結晶シリコンを含む。
【0019】
上記の集積型タンデム接合太陽電池において、第2半導体層(24、64)は、イントリンシック(真性)型を有する層である。第3半導体層(26、66)は、p型及びn型のうちの第1半導体層(22、62)とは異なる導電型を有する層である。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法は、(a)から(g)ステップを具備する。(a)ステップは、基板(42)上に設けられた第1電極層(44)の表面から基板(42)へ延びる電極溝(71)を形成する。(b)ステップは、第1電極層(44)上に、光により発電する第1発電層(51)と、光により発電する第2発電層(61)のうちの第1半導体層(62)とを、この順に積層する。(c)ステップは、第1半導体層(62)の表面から第1電極層(44)へ延びる第1溝(72)を形成する。(d)ステップは、第1半導体層(62)及び第1溝(72)の上に、第2発電層(61)のうちの第2半導体層(64)及び第3半導体層(66)を形成する。(e)ステップは、第3半導体層(66)の表面から第1電極層(44)へ延びる第2溝(74)を形成する。(f)ステップは、第3半導体層(66)及び第2溝(74)の上に、第2電極層(46)を形成する。(g)ステップは、第2電極層(46)の表面から第1電極層(44)へ延びる第3溝(76)を形成する。そして、第2溝(74)は、電極溝(71)に対して第1溝(72)と同じ側にある。第3溝(76)は、電極溝(71)に対して第2溝(74)と同じ側に第2溝(74)よりも離れてある。第2電極層(46)は、一方の発電セル(48−i)が第3溝(76)で分離された隣接する他の発電セル(48−i+1)に直列接続するように、第2溝(74)を介して第1電極層(44)と接続されている。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法は、(h)から(m)ステップを具備する。(h)ステップは、基板上(2)に、第1電極層(4)、光により発電する第1発電層(11)、及び、光により発電する第2発電層(21)のうちの第1半導体層(22)を、この順に積層する。(i)ステップは、第1半導体層(22)の表面から基板(2)へ延びる第1溝(31+32)を形成する。(j)ステップは、第1半導体層(22)及び第1溝(31+32)の上に、第2発電層(21)のうちの第2半導体層(24)及び第3半導体層(26)を形成する。(k)ステップは、第3半導体層(26)の表面から第1電極層(4)へ延びる第2溝(34)を形成する。(l)ステップは、第3半導体層(26)及び第2溝(34)の上に、第2電極層(6)を形成する。(m)ステップは、第2電極層(6)の表面から第1電極層(4)へ延びる第3溝(36)を形成する。そして、第3溝(36)は、第1溝(31+32)に対して第2溝(34)と同じ側に第2溝(34)よりも離れてある。第2電極層(6)は、一方の発電セル(8−i)が第3溝(36)で分離された隣接する他の発電セル(8−i+1)に直列接続するように、第2溝(34)を介して第1電極層(4)と接続されている。
【0022】
上記の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、第2溝(34、74)は、第2溝(34、74)の一部が第1溝(32、72)に重なるようにして設けられている。
【0023】
上記の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、第1発電層(11、51)は、第2発電層(21、61)と接する側に設けられた導電性の中間層(10、50)を備える。
【0024】
上記の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、第1半導体層(22、62)は、p型及びn型のうちのいずれか一方の導電型を有する低抵抗層である。
【0025】
上記の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、第1半導体層(22、62)は、微結晶シリコンを含む。
【0026】
上記の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、第2半導体層(24、64)は、イントリンシック(真性)型を有する層である。第3半導体層(26、66)は、p型及びn型のうちの第1半導体層(22、62)とは異なる導電型を有する層である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
【0028】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第1の実施の形態の構成について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第1の実施の形態の構成を示す断面図である。集積型タンデム接合太陽電池は、基板2と、複数の発電セル8とを具備する。
【0029】
基板2は、ガラスのような透光性を有する。複数の発電セル8−i(i=1〜n、nは自然数で発電セルの数)の各々は、基板2上に設けられ、互いに直列に電気的に接続されている。第1電極層4、第1発電層11、第2発電層21及び第2電極層6を備える。
【0030】
第1電極層4は、基板2を覆うように設けられている。熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタ法のような成膜法で形成された透明導電膜である。透明導電膜としては、SnO2(酸化錫)、ITO(インジウム・錫酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)が例示される。本実施の形態では、膜厚0.3〜1μm厚のSnO2である。
【0031】
第1発電層11は、第1電極層4上に設けられ、基板2及び第1電極層4を透過した光により発電を行う。太陽光が入射する側からp層12、i層14、n層16を備える非晶質シリコン薄膜である。
【0032】
p層12は、第1電極層4上に設けられている。PCVD(Plasma enhanced CVD)法のような成膜法で形成されたp型非晶質半導体膜である。本実施の形態では、p型非晶質半導体膜として、p型a−SiC(非晶質炭化シリコン)、膜厚5〜20nmを用いる。
i層14は、p層12上に設けられている。PCVD法のような成膜法で形成されたi型非晶質半導体膜である。本実施の形態では、i型非晶質半導体膜として、i型a−Si(非晶質シリコン)、膜厚150〜400nmを用いる。
n層16は、i層14上に設けられている。PCVD法のような成膜法で形成されたn型微結晶半導体膜である。本実施の形態では、n型微結晶半導体膜として、n型μc−Si(微結晶シリコン)、膜厚15〜100nmを用いる。
【0033】
第2発電層21は、第1発電層11上に設けられ、基板2、第1電極層4及び第1発電層11を透過した光により発電を行う。太陽光が入射する側からp層22、i層24、n層26を備える結晶質シリコン薄膜である。
【0034】
第1半導体層としてのp層22は、第1発電層11上に設けられている。PCVD法のような成膜法で形成されたp型微結晶半導体膜である。本実施の形態では、p型微結晶半導体膜として、p型μc−Si、膜厚5〜50nmを用いる。
第2半導体層としてのi層24は、p層22の表面を覆い、且つ、第1開溝32(後述)及び電極用開溝31(後述)の内面を覆う(又は内面を埋める)ように設けられている。PCVD法のような成膜法で形成されたi型微結晶半導体膜である。本実施の形態では、i型微結晶半導体膜として、i型μc−Si、膜厚1〜5μmを用いる。
第3半導体層としてのn層26は、i層24上に設けられている。PCVD法のような成膜法で形成されたn型微結晶半導体膜である。本実施の形態では、n型微結晶半導体膜として、n型μc−Si、膜厚15〜100nmを用いる。
【0035】
第2電極層6は、第2発電層21の表面を覆い、且つ、第2開溝34(後述)の内面を覆う(又は内面を埋める)ように設けられている。スパッタ法のような成膜法で形成された導電膜である。第2電極層6は、隣接する他の発電セル8に直列接続するように、第2開溝を介して前記第1電極層と接続されている導電膜としては、SnO2(酸化錫)、ITO(インジウム・錫酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)のような透明導電膜、Ag(銀)やAl(アルミニウム)のような金属膜、又はそれらの組合せが例示される。本実施の形態では、膜厚50〜150nm厚のZnOと、膜厚0.2〜0.4μm厚のAgとの積層膜である。
【0036】
各層には、以下のように、電極用開溝31、第1開溝32、第2開溝34及び第3開溝36が設けられている。各開溝は、発電セル8の直列接続方向に対して垂直方向(図面に垂直な方向)に、レーザスクライブによって形成される。
【0037】
電極溝としての電極用開溝31は、第1電極層4の表面から基板2へ延び、第1電極層4を貫通している。第1電極層4について、隣接する発電セル8同士を分離する。
第1溝としての第1開溝32は、p層22の表面から第1電極層4へ延び、p層22及び第1発電層11を貫通している。第1開溝32は、電極用開溝31上に設けられている。低抵抗層(第1発電層11の低抵抗層及び第2発電層21のp層12)における電流の横走り(基板の表面と平行な方向への電流のリーク)を遮断する。
第2溝としての第2開溝34は、第2発電層21の表面から第1電極層4へ延び、第2発電層21及び第1発電層11を貫通している。第2開溝34は、電極用開溝31に対して、隣接する他の発電セル8の側にある。第2電極層6を、隣接する他の発電セル8の第1電極層4へ接続するために用いる。
第3溝としての第3開溝36は、第2電極層6の表面から第1電極層4へ延び、第2電極層6、第2発電層21及び第1発電層11を貫通している。第3開溝36は、電極用開溝31に対して、第2開溝34と同じ側に、第2開溝34よりも離れて設けられている。隣り合う発電セル8間で第2電極層を分離する目的で設けられる。
【0038】
次に、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第1の実施の形態の動作について説明する。
図1を参照して、単一の発電セル8において、基板2の側から入射した光により、第1発電層11及び第2発電層21において、正孔−電子対が生成する。正孔は、第1電極層4へ向かい、電子は、第2電極層6側へ向かう。これらが、電力として外部に取り出される。集積型タンデム接合太陽電池では、単一の発電セル8が複数個直列に接続された構造となっている。すなわち、一方の発電セル8の第2電極層6は、隣接する他の発電セル8の第1電極層4と接続している。所望の電圧に応じて直列にする発電セル8の数が設定されている。
【0039】
本発明の集積型タンデム接合太陽電池は、第1開溝31を、第1発電層11の上部表面からではなく、第2発電層21のp層22の上部表面から設けることにより、第1発電層11の低抵抗層における電流の横走りだけでなく、第2発電層21のp層22における電流の横走りを遮断することが可能となる。これにより、発電セル8における短絡電流Iscや曲線因子FFが改善される。そして、発電セル8の効率が向上し、それにより、集積型タンデム接合太陽電池のモジュール効率を向上することが可能となる。
【0040】
次に、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第1の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。図2から図3は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第1の製造方法の実施の形態を示す断面図である。
【0041】
図2(a)に示すように、基板2上に、基板2を覆うように第1電極層4としての膜厚0.5μmのSnO2を熱CVD法で形成する。続いて、第1電極層4を覆うように、第1発電層11のp層12/i層14/n層16としてのp型a−SiC/i型a−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ10nm/300nm/50nmである。そして、第1発電層11を覆うように第2発電層21のp層22としての膜厚30nmのp型μc−SiをPCVD法で形成する。
【0042】
図2(a)の状態において、波長532nm(第2高調波)又は波長1064nm(基本波)のYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板2の側から照射する。それにより、第1電極層4、第1発電層11及びp層22の積層膜に対して、一度に電極用開溝31及び第1開溝32を形成する。電極用開溝31は、第1電極層4を貫通している。第1開溝32は、p層22及び第1発電層11を貫通している。レーザの照射は、p層22の側から照射しても良い。電極用開溝31及び第1開溝32により、低抵抗層であるn層16及びp層22から第2開溝34への電流経路を断つことが可能となる。この状態が図2(b)である。第1開溝32の幅と電極用溝31と幅が一致せずに階段状になっている理由は次のようである。透明導電性酸化物からなる第1電極層4の除去に必要なレーザエネルギー密度は、シリコンからなる第1発電層11及びp層22の積層膜の除去に必要なレーザエネルギー密度より大きい。ガウス分布状のエネルギー密度を有するレーザビームを照射する場合、レーザビームの周辺部はレーザエネルギー密度が低いので、開溝の端部の第1電極層4は除去されないためである。
【0043】
図2(b)の状態において、p層22の表面を覆い、且つ、電極用開溝31及び第1開溝32の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2発電層21のi層24/n層26としてのi型μc−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ2μm/50nmである。この状態が、図2(c)である。
【0044】
図2(c)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板2の側から照射する。それにより、第1発電層11及び第2発電層21の積層膜に対して、第2開溝34を形成する。第2開溝34は、第2発電層21及び第1発電層11を貫通している。第2開溝34は、電極用開溝31に対して、隣接する他の発電セル8の側にある。レーザの照射は、第2発電層21の側から照射しても良い。この状態が図3(a)である。
【0045】
図3(a)の状態において、第2発電層21の表面を覆い、且つ、第2開溝34の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2電極層6としてのZnO/Agの積層膜をこの順にスパッタ法で形成する。各膜の膜厚は、それぞれ膜厚100nm/0.3μmである。これにより、第2開溝34において、第2電極層6と、隣接する他の発電セル8の第1電極層4とが電気的に接続される。この状態が図3(b)である。
【0046】
図3(b)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板2の側から照射する。それにより、第1発電層11、第2発電層21及び第2電極層6の積層膜に対して、第3開溝36を形成する。第3開溝36は、第2電極層6、第2発電層21及び第1発電層11を貫通している。第3開溝36は、電極用開溝31に対して、第2開溝34と同じ側に、第2開溝34よりも離れて設けられている。この状態が図3(c)(=図1)である。
【0047】
第1開溝31を、p層22の上部表面から設けることにより、第1発電層11及びp層12における電流の横走りを遮断することが可能となる。これにより、集積型タンデム接合太陽電池のモジュール効率を向上することが可能となる。
【0048】
第1開溝31に、比較的高抵抗のi層24(i型μc−Si)を充填することで、第1発電層11の低抵抗層及び第2発電層21のp層22から第1開溝32に露出した第1電極層4への電流漏れを大幅に改善することが出来る。
【0049】
また、大気中でレーザ照射により第1開溝31を形成するので、p層22の表面が大気に触れることになる。それにより、その表面が改質され、発電効率を向上させることが可能となる。
その理由は以下の通りである。
p層22の表面が大気に触れることにより、p層22の表面の全面又は一部(大気曝露の状態に依存)に非常に薄い酸化シリコン層が形成される。それにより、i層24(i型μc−Si)の製膜時に、非晶質シリコンの成長が抑制され、所望の微結晶シリコンを選択的に成長させることができる。従って、発電効率を向上することが可能となる。p層22上の酸化シリコン層は極めて薄く、i層24製膜後に酸化シリコン層が残留していたとしても、トンネル電流が容易に流れる程度に薄い。従って、電荷の移動を妨げることは無い。
【0050】
(第2の実施の形態)
まず、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第2の実施の形態の構成について、添付図面を参照して説明する。図4は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第2の実施の形態の構成を示す断面図である。本実施の形態は、第1発電層11が中間層10を更に備える点で第1の実施の形態と異なる。
【0051】
中間層10は、第1発電層11のn層16を覆うように設けられている。イオンプレーティング法やスパッタ法のような成膜法で形成された透明導電膜である。透明導電膜としては、SnO2(酸化錫)、ITO(インジウム・錫酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)が例示される。本実施の形態では、膜厚30〜200nm厚のZnOである。
【0052】
中間層10は、第1発電層11において吸収されずに透過する光を、第1発電層11の側へ反射する。そして、再度i層14においてその光を吸収させて発電に寄与させる働きがある。非晶質シリコンは光劣化しやすく、膜厚が大きいほど劣化が大きい。中間層10を設けることで、反射により電流発生量が増加するので、その分非晶質シリコンの膜厚を薄くすることが出来る。それにより、非晶質シリコンの光劣化を抑制できる。さらに、中間層10が無い場合、第1発電層11のn層16と第2発電層21のp層22とが接合することになる。その場合、np接合による逆電位が生じるので、発電電圧が僅からながら減少する。高導電率の中間層10を挟むことにより、接合部の逆電位の発生を抑制することが出来る。
【0053】
その他の構成については、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0054】
本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第2の実施の形態の動作についても、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0055】
次に、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第2の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。図5から図6は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第2の実施の形態を示す断面図である。
【0056】
集積型タンデム接合太陽電池の製造方法についても、中間層10を設けるプロセスが加わるほかは、第1の実施の形態と同様である。すなわち、以下のようである。
図5(a)に示すように、基板2上に、基板2を覆うように第1電極層4としてのSnO2を熱CVD法で形成する。続いて、第1電極層4を覆うように、第1発電層11のp層12/i層14/n層16としてのp型a−SiC/i型a−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。更に、n型μc−Siを覆うように中間層10としてのZnOをスパッタ法で形成する。そして、中間層10を覆うように第2発電層21のp層22としてのp型μc−SiをPCVD法で形成する。各膜の膜厚は、それぞれ0.5μm/5nm/200nm/20nm/100nm/30nmのである。
【0057】
図5(a)の状態において、波長532nm又は波長1064nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板2の側から照射する。それにより、一度に電極用開溝31及び第1開溝32を形成する。電極用開溝31は第1電極層4を貫通し、第1開溝32はp層22及び第1発電層11を貫通している。レーザの照射は、p層22の側から照射しても良い。電極用開溝31及び第1開溝32により、低抵抗層であるn層16及びp層22から第2開溝34への電流経路を断つことが可能となる。この状態が図5(b)である。
【0058】
図5(b)の状態において、p層22の表面を覆い、且つ、電極用開溝31及び第1開溝32の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2発電層21のi層24/n層26としてのi型μc−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ2μm/50nmである。この状態が、図5(c)である。
【0059】
図5(c)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板2の側から照射する。それにより、第2開溝34を形成する。第2開溝34は、第2発電層21及び第1発電層11を貫通している。第2開溝34は、電極用開溝31に対して、隣接する他の発電セル8の側にある。レーザの照射は、第2発電層21の側から照射しても良い。この状態が図6(a)である。
【0060】
図6(a)の状態において、第2発電層21の表面を覆い、且つ、第2開溝34の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2電極層6としてのZnO/Agの積層膜をこの順にスパッタ法で形成する。各膜の膜厚は、それぞれ膜厚100nm/0.3μmである。これにより、第2開溝34において、第2電極層6と、隣接する他の発電セルの第1電極層4とが電気的に接続される。この状態が図6(b)である。
【0061】
図6(b)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板2の側から照射する。それにより、第第3開溝36を形成する。第3開溝36は、第2電極層6、第2発電層21及び第1発電層11を貫通している。第3開溝36は、電極用開溝31に対して、第2開溝34と同じ側に、第2開溝34よりも離れて設けられている。この状態が図6(c)(=図4)である。
【0062】
本実施の形態により、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。また、低抵抗な中間層10における電流の横走りを遮断することが可能となる。これにより、集積型タンデム接合太陽電池のモジュール効率を向上することが可能となる。
【0063】
(第3の実施の形態)
まず、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第3の実施の形態の構成について、添付図面を参照して説明する。図7は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第3の実施の形態の構成を示す断面図である。集積型タンデム接合太陽電池は、基板24と、複数の発電セル48−i(i=1〜n、nは自然数で発電セルの数)とを具備する。
【0064】
本実施の形態は、電極用開溝71と第1開溝72とが異なる位置に形成されている点で、第1の実施の形態と異なる。そして、第2開溝74は、電極用開溝71に対して、第1開溝と同じ側に、第1開溝よりも離れて設けられている。それ以外は第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0065】
ただし、基板42、複数の発電セル48−i、第1電極層44、第1発電層51、p層52、i層54、n層56、第2発電層61、p層62、i層64、n層66、第2電極層46、電極用開溝71、第1開溝72、第2開溝74及び第3開溝76は、それぞれ第1の実施の形態における基板2、複数の発電セル8−i、第1電極層4、第1発電層11、p層12、i層14、n層16、第2発電層21、p層22、i層24、n層26、第2電極層6、電極用開溝31、第1開溝32、第2開溝34及び第3開溝36に対応する。
【0066】
次に、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第3の実施の形態の動作については、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0067】
本発明の集積型タンデム接合太陽電池は、第1の実施の形態と同様に、第1開溝72を、第1発電層51の上部表面からではなく、第2発電層61のp層62の上部表面から設けることにより、第1発電層51の低抵抗層における電流の横走りだけでなく、第2発電層61のp層62における電流の横走りを遮断することが可能となる。これにより、発電セル48における短絡電流Iscや曲線因子FFが改善される。そして、発電セル48の効率が向上し、それにより、集積型タンデム接合太陽電池のモジュール効率を向上することが可能となる。
【0068】
それに加えて、電極用開溝71と第1開溝72とを別のプロセスで形成するので、一つの開溝を形成する際に出る飛散物(レーザにより除去された膜及びその分解物)の量が少ない。第1開溝72周辺の膜上に付着する飛散物が少ないので、第2発電層61のp層62とi層64との密着性がより良くなる。
【0069】
次に、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第3の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。図8から図10は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第3の実施の形態を示す断面図である。
【0070】
図8(a)に示すように、基板42上に、基板42を覆うように第1電極層44としての膜厚0.5μmのSnO2を熱CVD法で形成する。
【0071】
図8(a)の状態において、波長532nm(第2高調波)又は波長1064nm(基本波)のYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1電極層44に対して、電極用開溝71を形成する。電極用開溝71は、第1電極層44を貫通している。レーザの照射は、第1電極層44の側から照射しても良い。この状態が図8(b)である。
【0072】
図8(b)の状態において、第1電極層44の表面を覆い、且つ、電極用開溝71の内面を覆う(又は電極用開溝71の内面を埋める)ように、第1発電層51のp層52/i層54/n層56としてのp型a−SiC/i型a−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ10nm/300nm/50nmである。この状態が図8(c)である。
【0073】
図8(c)の状態において、第1発電層51を覆うように第2発電層61のp層62としての膜厚30nmのp型μc−SiをPCVD法で形成する。この状態が図9(a)である。
【0074】
図9(a)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1発電層51及びp層62の積層膜に対して、第1開溝72を形成する。第1開溝72は、p層62及び第1発電層51を貫通している。レーザの照射は、p層62の側から照射しても良い。第1開溝72により、低抵抗層であるn層56及びp層62から第2開溝74への電流経路を断つことが可能となる。この状態が図9(b)である。
【0075】
図9(b)の状態において、p層62の表面を覆い、且つ、第1開溝72の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2発電層61のi層64/n層66としてのi型μc−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ2μm/50nmである。この状態が、図9(c)である。
【0076】
図9(c)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1発電層51及び第2発電層61の積層膜に対して、第2開溝74を形成する。第2開溝74は、第2発電層61及び第1発電層51を貫通している。第2開溝74は、電極用開溝71に対して、第1開溝72と同じ側に、第1開溝72よりも離れて設けられている。レーザの照射は、第2発電層61の側から照射しても良い。この状態が図10(a)である。
【0077】
図10(a)の状態において、第2発電層61の表面を覆い、且つ、第2開溝74の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2電極層46としてのZnO/Agの積層膜をこの順にスパッタ法で形成する。各膜の膜厚は、それぞれ膜厚100nm/0.3μmである。これにより、第2開溝74において、第2電極層46と、隣接する他の発電セルの第1電極層44とが電気的に接続される。この状態が図10(b)である。
【0078】
図10(b)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1発電層51、第2発電層61及び第2電極層46の積層膜に対して、第3開溝76を形成する。第3開溝76は、第2電極層46、第2発電層61及び第1発電層51を貫通している。第3開溝76は、電極用開溝71に対して、第2開溝74と同じ側に、第2開溝74よりも離れて設けられている。この状態が図10(c)(=図7)である。
【0079】
本実施の形態により、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
それに加えて、電極用開溝71と第1開溝72とを別のプロセスで形成するので、第1開溝72周辺における第2発電層61のi層64の密着性がより良くなる。
【0080】
なお、図10(a)において、第2開溝74は、電極用開溝71に対して、第1開溝72と同じ側に、第1開溝72よりも離れて設けられている。しかし、第2開溝74を第1開溝72の中に設けることも可能である。それを示したのが、図11である。図11(a)は、第2開溝74を第1開溝72の中に含まれるように設けている。また、図11(b)は、第2開溝74を第1開溝72の一部に重なるように設けている。いずれの場合にも、少なくとも第1開溝72内におけるi層64を残している。すなわち、高抵抗なi層64を残すことにより、第1発電層51の低抵抗層やp層62の電流の横走りを抑制することが可能となる。図11のような構造は、各開溝を設ける領域が少ない場合に有効である。また、接続に要する領域が少なくなり、発電に寄与する領域を増やすことが出来るので、モジュール全体としての効率を向上させることが出来る。
【0081】
図11のような構成は、図示しないが、第1の実施の形態においても同様に適用することが可能である。
【0082】
(第4の実施の形態)
まず、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第4の実施の形態の構成について、添付図面を参照して説明する。図12は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第4の実施の形態の構成を示す断面図である。本実施の形態は、第1発電層51が中間層50を更に備える点で第3の実施の形態と異なる。
【0083】
中間層50は、第1発電層51のn層56を覆うように設けられている。イオンプレーティング法やスパッタ法のような成膜法で形成された透明導電膜である。透明導電膜としては、SnO2(酸化錫)、ITO(インジウム・錫酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)が例示される。本実施の形態では、膜厚30〜200nm厚のZnOである。
【0084】
中間層50の働き及びその効果は、第2の実施の形態における中間層10と同様であるので、その説明を省略する。
【0085】
その他の構成については、第3の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0086】
本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第4の実施の形態の動作についても、第3の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0087】
次に、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第4の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。図13から図15は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第4の実施の形態を示す断面図である。
【0088】
集積型タンデム接合太陽電池の製造方法についても、中間層50を設けるプロセスが加わるほかは、第3の実施の形態と同様である。すなわち、以下のようである。
図13(a)に示すように、基板42上に、基板42を覆うように第1電極層44としての膜厚0.5μmのSnO2を熱CVD法で形成する。
【0089】
図13(a)の状態において、波長532nm又は波長1064nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1電極層44に対して、電極用開溝71を形成する。電極用開溝71は、第1電極層44を貫通している。レーザの照射は、第1電極層44の側から照射しても良い。この状態が図13(b)である。
【0090】
図13(b)の状態において、第1電極層44の表面を覆い、且つ、電極用開溝71の内面を覆う(又は電極用開溝71の内面を埋める)ように、第1発電層51のp層52/i層54/n層56としてのp型a−SiC/i型a−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ10nm/200nm/50nmである。この状態が図13(c)である。
【0091】
図13(c)の状態において、n層56を覆うように中間層50としての膜厚100nmのZnOをスパッタ法で形成する。そして、第1発電層51を覆うように第2発電層61のp層62としての膜厚30nmのp型μc−SiをPCVD法で形成する。この状態が図14(a)である。
【0092】
図14(a)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1発電層51及びp層62の積層膜に対して、第1開溝72を形成する。第1開溝72は、p層62及び第1発電層51を貫通している。レーザの照射は、p層62の側から照射しても良い。第1開溝72により、低抵抗層であるn層56及びp層62から第2開溝74への電流経路を断つことが可能となる。この状態が図14(b)である。
【0093】
図14(b)の状態において、p層62の表面を覆い、且つ、第1開溝72の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2発電層61のi層64/n層66としてのi型μc−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ2μm/50nmである。この状態が、図14(c)である。
【0094】
図14(c)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1発電層51及び第2発電層61の積層膜に対して、第2開溝74を形成する。第2開溝74は、第2発電層61及び第1発電層51を貫通している。第2開溝74は、電極用開溝71に対して、第1開溝72と同じ側に、第1開溝72よりも離れて設けられている。レーザの照射は、第2発電層61の側から照射しても良い。この状態が図15(a)である。
【0095】
図15(a)の状態において、第2発電層61の表面を覆い、且つ、第2開溝74の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2電極層46としてのZnO/Agの積層膜をこの順にスパッタ法で形成する。各膜の膜厚は、それぞれ膜厚100nm/0.3μmである。これにより、第2開溝74において、第2電極層46と、隣接する他の発電セルの第1電極層44とが電気的に接続される。この状態が図15(b)である。
【0096】
図15(b)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1発電層51、第2発電層61及び第2電極層46の積層膜に対して、第3開溝76を形成する。第3開溝76は、第2電極層46、第2発電層61及び第1発電層51を貫通している。第3開溝76は、電極用開溝71に対して、第2開溝74と同じ側に、第2開溝74よりも離れて設けられている。この状態が図15(c)(=図12)である。
【0097】
本実施の形態により、第3の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
また、低抵抗な中間層50における電流の横走りを遮断することが可能となる。これにより、集積型タンデム接合太陽電池のモジュール効率を向上することが可能となる。
【0098】
なお、図15(a)において、第2開溝74は、電極用開溝71に対して、第1開溝72と同じ側に、第1開溝72よりも離れて設けられている。しかし、第2開溝74を第1開溝72の中に設けることも可能である。それを示したのが、図16である。図16(a)は、第2開溝74を第1開溝72の中に含まれるように設けている。また、図16(b)は、第2開溝74を第1開溝72の一部に重なるように設けている。いずれの場合にも、少なくとも第1開溝72内におけるi層64を残している。すなわち、高抵抗なi層64を残すことにより、第1発電層51の低抵抗層やp層62の電流の横走りを抑制することが可能となる。図16のような構造は、各開溝を設ける領域が少ない場合に有効である。また、接続に要する領域が少なくなり、発電に寄与する領域を増やすことが出来るので、モジュール全体としての効率を向上させることが出来る。
【0099】
図16のような構成は、図示しないが、第2の実施の形態においても同様に適用することが可能である。
【0100】
【発明の効果】
本発明により、太陽電池のサイドリークを防止し、モジュール効率を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第1の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図2】図2(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第2の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図6】図6(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第3の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図8】図8(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図9】図9(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図10】図10(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図11】図11(a)〜(b)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第3の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図12】図12は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第4の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図13】図13(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第4の実施の形態を示す断面図である。
【図14】図14(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第4の実施の形態を示す断面図である。
【図15】図15(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第4の実施の形態を示す断面図である。
【図16】図16(a)〜(b)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第4の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図17】図17は、従来のシリコン薄膜を用いた集積型タンデム接合集積化太陽電池の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 集積型タンデム接合太陽電池
2 基板
4 第1電極層
6 第2電極層
8(−i:i=1〜n、nは自然数で発電セルの数) 発電セル
10、50 中間層
11、51 第1発電層
12、22、52、62 p層
14、24、54、64 i層
16、26、56、66 n層
21、61 第2発電層
31、71 電極用開溝
32、72 第1開溝
34、74 第2開溝
36、76 第3開溝
102 ガラス基板
104 透明電極膜
106 金属裏面電極膜
110 中間層
111 第1発電層
112、122 p層
114、124 i層
116、126 n層
121 第2発電層
132 第1開溝
134 第2開溝
136 第3開溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法に関し、特に、太陽電池の効率を向上することが可能な集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
一般に、薄膜太陽電池は、2つの電極で半導体膜を挟んだ構造をしている。2つの電極のうち光の入射する側に透明電極が、また他方に金属の裏面電極が用いられる。この裏面電極には、低抵抗のAlやAgが用いられる。一方、透明電極には、SnO2(酸化錫)、ITO(インジウム・錫酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)のような透明導電膜が用いられる。ただし、透明導電膜は、電気抵抗率が約5×10−4Ω・cmと金属膜より2桁程大きい。そのため、発生した電流が透明電極を流れる間に電力損失が生じる。その電力損失は、基板面積が大きくなるほど顕著となり、外部へ取り出せる電力を減少させる。そのため、損失を小さくするための構造として集積化太陽電池がある。これは上記構造膜からなる太陽電池(単位セル)を1枚の基板上に複数個作成しそれぞれを直列接続したものである。
【0004】
半導体膜としては、pin(p型−i型−n型半導体を用いる)構成を有する非晶質シリコン薄膜を使用したシングル接合太陽電池、及び、pin構成の非晶質シリコン薄膜とpin構成の結晶質シリコン薄膜とを積層した構造を有するタンデム接合太陽電池が一般に知られている。ここで、結晶質シリコン薄膜は、非晶質シリコン相に微結晶シリコン相を含有したものが一般的である。通常、シリコン薄膜を用いた太陽電池では、太陽光が入射する側からpinの順の各層が配置される。
【0005】
図17は、従来のシリコン薄膜を用いた集積型タンデム接合集積化太陽電池の構造を示す断面図(直列接続部分)である。
同図の集積型タンデム接合集積化太陽電池は、スーパーストレート型と称し、ガラス基102板側から太陽光が入射する。そして、ガラス基板102上に、第1電極である透明電極膜104,非晶質シリコン膜からなる第1発電層111がp層112、i層114、n層116の順に積層されている。さらに、その上に結晶質シリコン膜からなる第2発電層121がp層122、i層124、n層126の順に積層されている。このとき、発電効率を向上させるために第1発電層111と第2発電層121との間に透明導電膜からなる中間層110を挿入することがある。これは、第1発電層111で吸収されなかった比較的短波長の光を第1発電層111側に反射して発電に寄与させるためである。さらに、第2発電層121の上に第2電極である金属裏面電極膜106が積層されている。左側セル108−iの金属裏面電極膜106の一部と右側セル108−i+1の透明電極膜104の一部とがそれぞれ延在し、互いに第2開溝134位置で重畳接続されている。第1開溝132は透明電極膜104の分離、第3開溝136は金属裏面電極膜106の分離のために設けれている。直列接続方向に垂直方向(紙面に垂直方向)にレーザスクライブによって形成される。
【0006】
従来技術として、特開平9−129903号公報(特許文献1)及び特開2002−261308号公報(特許文献2)に、太陽電池の技術が開示されている。シリコン薄膜を用いたタンデム接合集積化太陽電池では、第1発電層(図17における111、以下、従来の技術の項において同じ)のうちの低抵抗層や透明導電膜からなる低抵抗の中間層(110)が、第2開溝(接続溝)(134)の側壁にて第2電極物質の金属裏面電極膜(106)と接触する。そのため、左側セルの第1発電層(111)から電流リークが生じてモジュール効率が低下することが指摘されている。すなわち、通常、第1発電層(111)から第2発電層(121)へ電子が流れるべきであるが、低抵抗層の存在によって一部電流経路のバイパスが生じる。それに対処するために、特開平9−129903号公報では、第1開溝(132)の形成時に透明電極膜(104)及び第1発電層(111)を同時に分離することが記されている。また、特開2002−261308号公報では、第1発電層(111)及び中間層(110)を同時に分離した溝を設けることが記されている。
【0007】
しかし、透明電極膜(104)及び第1発電層(111)を同時に分離する第1開溝(132)を設ける方法でモジュールを作製しても、モジュール効率の向上は不充分であった。これは、第1発電層(111)のn層(116)と同様に、第2発電層(121)のp層(122)にも低抵抗の微結晶膜を使用するため、第2発電層(121)のp層(122)によるサイドリークが生じていたためである。サイドリークを防止する技術が望まれている。プロセスの変更が少なく、低コストでサイドリークを防止し、モジュール効率を向上することが可能な技術が望まれている。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−129903号公報
【特許文献2】
特開2002−261308号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、太陽電池のサイドリークを防止することが可能な集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、モジュール効率を向上することが可能な集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、プロセスの変更が少なく、サイドリークの防止及びモジュール効率の向上を低コストで行うことが可能な集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲] の記載と[発明の実施の形態] との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲] に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0013】
従って、上記課題を解決するために、本発明の集積型タンデム接合太陽電池は、基板(2、42)と、基板(2、42)上に設けられ、互いに直列に接続された複数の発電セル(8、48)とを具備する。複数の発電セル(8、48)の各々は、第1電極層(4、44)と第1発電層(11、51)と、第2発電層(21、61)と、第2電極層(6、46)とを備える。第1電極層(4、44)は、基板(2、42)上に設けられている。第1発電層(11、51)は、第1電極層(4、44)上に設けられ、光により発電する。第2発電層(21、61)は、第1発電層(11、51)上に設けられ、光により発電する。第2電極層(6、46)は、第2発電層(21、61)上に設けられている。第2発電層(21、61)は、第1半導体層(22、62)と、第2半導体層(24、64)と、第3半導体層(26、66)とを含む。第1半導体層(22、62)は、第1発電層(11、51)上に設けられている。第2半導体層(24、64)は、第1半導体層(22、62)上に設けられている。第3半導体層(26、66)は、第2半導体層(24、64)上に設けられている。
そして、電極溝(31、71)と、第1溝(32、72)と、第2溝(34、74)と、第3溝(36、76)とを備える。電極溝(31、71)は、第1電極層(4、44)の表面から基板(2、42)へ延びる。第1溝(32、72)は、第1半導体層(22、62)の表面から第1電極層(4、44)へ延びる。第2溝(34、74)は、第3半導体層(26、66)の表面から第1電極層(4、44)へ延びる。第3溝(36、76)は、第2電極層(6、46)の表面から第1電極層(4、44)へ延びる。第2溝(34、74)は、電極溝(31、71)に対して第1溝(32、72)と同じ側にある。第3溝(36、76)は、電極溝(31、71)に対して第2溝(34、74)と同じ側に第2溝(34、74)よりも離れてある。第2電極層(6、46)が、複数の発電セル(8、48)のうちの隣接する他の一つに直列接続するように、第2溝(34、74)を介して第1電極層(4、44)と接続されている。
【0014】
上記の集積型タンデム接合太陽電池において、第1溝(32、72)は、電極溝(31、71)上に設けられている。
【0015】
上記の集積型タンデム接合太陽電池において、第2溝(34、74)は、第2溝(34、74)の一部が第1溝(32、72)に重なるようにして設けられている。
【0016】
上記の集積型タンデム接合太陽電池において、第1発電層(11、51)は、第2発電層(21、61)と接する側に設けられた導電性の中間層(10、50)を備える。
【0017】
上記の集積型タンデム接合太陽電池において、第1半導体層(22、62)は、p型及びn型のうちのいずれか一方の導電型を有する低抵抗層である。
【0018】
上記の集積型タンデム接合太陽電池において、第1半導体層(22、62)は、微結晶シリコンを含む。
【0019】
上記の集積型タンデム接合太陽電池において、第2半導体層(24、64)は、イントリンシック(真性)型を有する層である。第3半導体層(26、66)は、p型及びn型のうちの第1半導体層(22、62)とは異なる導電型を有する層である。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法は、(a)から(g)ステップを具備する。(a)ステップは、基板(42)上に設けられた第1電極層(44)の表面から基板(42)へ延びる電極溝(71)を形成する。(b)ステップは、第1電極層(44)上に、光により発電する第1発電層(51)と、光により発電する第2発電層(61)のうちの第1半導体層(62)とを、この順に積層する。(c)ステップは、第1半導体層(62)の表面から第1電極層(44)へ延びる第1溝(72)を形成する。(d)ステップは、第1半導体層(62)及び第1溝(72)の上に、第2発電層(61)のうちの第2半導体層(64)及び第3半導体層(66)を形成する。(e)ステップは、第3半導体層(66)の表面から第1電極層(44)へ延びる第2溝(74)を形成する。(f)ステップは、第3半導体層(66)及び第2溝(74)の上に、第2電極層(46)を形成する。(g)ステップは、第2電極層(46)の表面から第1電極層(44)へ延びる第3溝(76)を形成する。そして、第2溝(74)は、電極溝(71)に対して第1溝(72)と同じ側にある。第3溝(76)は、電極溝(71)に対して第2溝(74)と同じ側に第2溝(74)よりも離れてある。第2電極層(46)は、一方の発電セル(48−i)が第3溝(76)で分離された隣接する他の発電セル(48−i+1)に直列接続するように、第2溝(74)を介して第1電極層(44)と接続されている。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法は、(h)から(m)ステップを具備する。(h)ステップは、基板上(2)に、第1電極層(4)、光により発電する第1発電層(11)、及び、光により発電する第2発電層(21)のうちの第1半導体層(22)を、この順に積層する。(i)ステップは、第1半導体層(22)の表面から基板(2)へ延びる第1溝(31+32)を形成する。(j)ステップは、第1半導体層(22)及び第1溝(31+32)の上に、第2発電層(21)のうちの第2半導体層(24)及び第3半導体層(26)を形成する。(k)ステップは、第3半導体層(26)の表面から第1電極層(4)へ延びる第2溝(34)を形成する。(l)ステップは、第3半導体層(26)及び第2溝(34)の上に、第2電極層(6)を形成する。(m)ステップは、第2電極層(6)の表面から第1電極層(4)へ延びる第3溝(36)を形成する。そして、第3溝(36)は、第1溝(31+32)に対して第2溝(34)と同じ側に第2溝(34)よりも離れてある。第2電極層(6)は、一方の発電セル(8−i)が第3溝(36)で分離された隣接する他の発電セル(8−i+1)に直列接続するように、第2溝(34)を介して第1電極層(4)と接続されている。
【0022】
上記の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、第2溝(34、74)は、第2溝(34、74)の一部が第1溝(32、72)に重なるようにして設けられている。
【0023】
上記の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、第1発電層(11、51)は、第2発電層(21、61)と接する側に設けられた導電性の中間層(10、50)を備える。
【0024】
上記の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、第1半導体層(22、62)は、p型及びn型のうちのいずれか一方の導電型を有する低抵抗層である。
【0025】
上記の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、第1半導体層(22、62)は、微結晶シリコンを含む。
【0026】
上記の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、第2半導体層(24、64)は、イントリンシック(真性)型を有する層である。第3半導体層(26、66)は、p型及びn型のうちの第1半導体層(22、62)とは異なる導電型を有する層である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の集積型タンデム接合太陽電池及び集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
【0028】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第1の実施の形態の構成について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第1の実施の形態の構成を示す断面図である。集積型タンデム接合太陽電池は、基板2と、複数の発電セル8とを具備する。
【0029】
基板2は、ガラスのような透光性を有する。複数の発電セル8−i(i=1〜n、nは自然数で発電セルの数)の各々は、基板2上に設けられ、互いに直列に電気的に接続されている。第1電極層4、第1発電層11、第2発電層21及び第2電極層6を備える。
【0030】
第1電極層4は、基板2を覆うように設けられている。熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタ法のような成膜法で形成された透明導電膜である。透明導電膜としては、SnO2(酸化錫)、ITO(インジウム・錫酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)が例示される。本実施の形態では、膜厚0.3〜1μm厚のSnO2である。
【0031】
第1発電層11は、第1電極層4上に設けられ、基板2及び第1電極層4を透過した光により発電を行う。太陽光が入射する側からp層12、i層14、n層16を備える非晶質シリコン薄膜である。
【0032】
p層12は、第1電極層4上に設けられている。PCVD(Plasma enhanced CVD)法のような成膜法で形成されたp型非晶質半導体膜である。本実施の形態では、p型非晶質半導体膜として、p型a−SiC(非晶質炭化シリコン)、膜厚5〜20nmを用いる。
i層14は、p層12上に設けられている。PCVD法のような成膜法で形成されたi型非晶質半導体膜である。本実施の形態では、i型非晶質半導体膜として、i型a−Si(非晶質シリコン)、膜厚150〜400nmを用いる。
n層16は、i層14上に設けられている。PCVD法のような成膜法で形成されたn型微結晶半導体膜である。本実施の形態では、n型微結晶半導体膜として、n型μc−Si(微結晶シリコン)、膜厚15〜100nmを用いる。
【0033】
第2発電層21は、第1発電層11上に設けられ、基板2、第1電極層4及び第1発電層11を透過した光により発電を行う。太陽光が入射する側からp層22、i層24、n層26を備える結晶質シリコン薄膜である。
【0034】
第1半導体層としてのp層22は、第1発電層11上に設けられている。PCVD法のような成膜法で形成されたp型微結晶半導体膜である。本実施の形態では、p型微結晶半導体膜として、p型μc−Si、膜厚5〜50nmを用いる。
第2半導体層としてのi層24は、p層22の表面を覆い、且つ、第1開溝32(後述)及び電極用開溝31(後述)の内面を覆う(又は内面を埋める)ように設けられている。PCVD法のような成膜法で形成されたi型微結晶半導体膜である。本実施の形態では、i型微結晶半導体膜として、i型μc−Si、膜厚1〜5μmを用いる。
第3半導体層としてのn層26は、i層24上に設けられている。PCVD法のような成膜法で形成されたn型微結晶半導体膜である。本実施の形態では、n型微結晶半導体膜として、n型μc−Si、膜厚15〜100nmを用いる。
【0035】
第2電極層6は、第2発電層21の表面を覆い、且つ、第2開溝34(後述)の内面を覆う(又は内面を埋める)ように設けられている。スパッタ法のような成膜法で形成された導電膜である。第2電極層6は、隣接する他の発電セル8に直列接続するように、第2開溝を介して前記第1電極層と接続されている導電膜としては、SnO2(酸化錫)、ITO(インジウム・錫酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)のような透明導電膜、Ag(銀)やAl(アルミニウム)のような金属膜、又はそれらの組合せが例示される。本実施の形態では、膜厚50〜150nm厚のZnOと、膜厚0.2〜0.4μm厚のAgとの積層膜である。
【0036】
各層には、以下のように、電極用開溝31、第1開溝32、第2開溝34及び第3開溝36が設けられている。各開溝は、発電セル8の直列接続方向に対して垂直方向(図面に垂直な方向)に、レーザスクライブによって形成される。
【0037】
電極溝としての電極用開溝31は、第1電極層4の表面から基板2へ延び、第1電極層4を貫通している。第1電極層4について、隣接する発電セル8同士を分離する。
第1溝としての第1開溝32は、p層22の表面から第1電極層4へ延び、p層22及び第1発電層11を貫通している。第1開溝32は、電極用開溝31上に設けられている。低抵抗層(第1発電層11の低抵抗層及び第2発電層21のp層12)における電流の横走り(基板の表面と平行な方向への電流のリーク)を遮断する。
第2溝としての第2開溝34は、第2発電層21の表面から第1電極層4へ延び、第2発電層21及び第1発電層11を貫通している。第2開溝34は、電極用開溝31に対して、隣接する他の発電セル8の側にある。第2電極層6を、隣接する他の発電セル8の第1電極層4へ接続するために用いる。
第3溝としての第3開溝36は、第2電極層6の表面から第1電極層4へ延び、第2電極層6、第2発電層21及び第1発電層11を貫通している。第3開溝36は、電極用開溝31に対して、第2開溝34と同じ側に、第2開溝34よりも離れて設けられている。隣り合う発電セル8間で第2電極層を分離する目的で設けられる。
【0038】
次に、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第1の実施の形態の動作について説明する。
図1を参照して、単一の発電セル8において、基板2の側から入射した光により、第1発電層11及び第2発電層21において、正孔−電子対が生成する。正孔は、第1電極層4へ向かい、電子は、第2電極層6側へ向かう。これらが、電力として外部に取り出される。集積型タンデム接合太陽電池では、単一の発電セル8が複数個直列に接続された構造となっている。すなわち、一方の発電セル8の第2電極層6は、隣接する他の発電セル8の第1電極層4と接続している。所望の電圧に応じて直列にする発電セル8の数が設定されている。
【0039】
本発明の集積型タンデム接合太陽電池は、第1開溝31を、第1発電層11の上部表面からではなく、第2発電層21のp層22の上部表面から設けることにより、第1発電層11の低抵抗層における電流の横走りだけでなく、第2発電層21のp層22における電流の横走りを遮断することが可能となる。これにより、発電セル8における短絡電流Iscや曲線因子FFが改善される。そして、発電セル8の効率が向上し、それにより、集積型タンデム接合太陽電池のモジュール効率を向上することが可能となる。
【0040】
次に、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第1の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。図2から図3は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第1の製造方法の実施の形態を示す断面図である。
【0041】
図2(a)に示すように、基板2上に、基板2を覆うように第1電極層4としての膜厚0.5μmのSnO2を熱CVD法で形成する。続いて、第1電極層4を覆うように、第1発電層11のp層12/i層14/n層16としてのp型a−SiC/i型a−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ10nm/300nm/50nmである。そして、第1発電層11を覆うように第2発電層21のp層22としての膜厚30nmのp型μc−SiをPCVD法で形成する。
【0042】
図2(a)の状態において、波長532nm(第2高調波)又は波長1064nm(基本波)のYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板2の側から照射する。それにより、第1電極層4、第1発電層11及びp層22の積層膜に対して、一度に電極用開溝31及び第1開溝32を形成する。電極用開溝31は、第1電極層4を貫通している。第1開溝32は、p層22及び第1発電層11を貫通している。レーザの照射は、p層22の側から照射しても良い。電極用開溝31及び第1開溝32により、低抵抗層であるn層16及びp層22から第2開溝34への電流経路を断つことが可能となる。この状態が図2(b)である。第1開溝32の幅と電極用溝31と幅が一致せずに階段状になっている理由は次のようである。透明導電性酸化物からなる第1電極層4の除去に必要なレーザエネルギー密度は、シリコンからなる第1発電層11及びp層22の積層膜の除去に必要なレーザエネルギー密度より大きい。ガウス分布状のエネルギー密度を有するレーザビームを照射する場合、レーザビームの周辺部はレーザエネルギー密度が低いので、開溝の端部の第1電極層4は除去されないためである。
【0043】
図2(b)の状態において、p層22の表面を覆い、且つ、電極用開溝31及び第1開溝32の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2発電層21のi層24/n層26としてのi型μc−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ2μm/50nmである。この状態が、図2(c)である。
【0044】
図2(c)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板2の側から照射する。それにより、第1発電層11及び第2発電層21の積層膜に対して、第2開溝34を形成する。第2開溝34は、第2発電層21及び第1発電層11を貫通している。第2開溝34は、電極用開溝31に対して、隣接する他の発電セル8の側にある。レーザの照射は、第2発電層21の側から照射しても良い。この状態が図3(a)である。
【0045】
図3(a)の状態において、第2発電層21の表面を覆い、且つ、第2開溝34の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2電極層6としてのZnO/Agの積層膜をこの順にスパッタ法で形成する。各膜の膜厚は、それぞれ膜厚100nm/0.3μmである。これにより、第2開溝34において、第2電極層6と、隣接する他の発電セル8の第1電極層4とが電気的に接続される。この状態が図3(b)である。
【0046】
図3(b)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板2の側から照射する。それにより、第1発電層11、第2発電層21及び第2電極層6の積層膜に対して、第3開溝36を形成する。第3開溝36は、第2電極層6、第2発電層21及び第1発電層11を貫通している。第3開溝36は、電極用開溝31に対して、第2開溝34と同じ側に、第2開溝34よりも離れて設けられている。この状態が図3(c)(=図1)である。
【0047】
第1開溝31を、p層22の上部表面から設けることにより、第1発電層11及びp層12における電流の横走りを遮断することが可能となる。これにより、集積型タンデム接合太陽電池のモジュール効率を向上することが可能となる。
【0048】
第1開溝31に、比較的高抵抗のi層24(i型μc−Si)を充填することで、第1発電層11の低抵抗層及び第2発電層21のp層22から第1開溝32に露出した第1電極層4への電流漏れを大幅に改善することが出来る。
【0049】
また、大気中でレーザ照射により第1開溝31を形成するので、p層22の表面が大気に触れることになる。それにより、その表面が改質され、発電効率を向上させることが可能となる。
その理由は以下の通りである。
p層22の表面が大気に触れることにより、p層22の表面の全面又は一部(大気曝露の状態に依存)に非常に薄い酸化シリコン層が形成される。それにより、i層24(i型μc−Si)の製膜時に、非晶質シリコンの成長が抑制され、所望の微結晶シリコンを選択的に成長させることができる。従って、発電効率を向上することが可能となる。p層22上の酸化シリコン層は極めて薄く、i層24製膜後に酸化シリコン層が残留していたとしても、トンネル電流が容易に流れる程度に薄い。従って、電荷の移動を妨げることは無い。
【0050】
(第2の実施の形態)
まず、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第2の実施の形態の構成について、添付図面を参照して説明する。図4は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第2の実施の形態の構成を示す断面図である。本実施の形態は、第1発電層11が中間層10を更に備える点で第1の実施の形態と異なる。
【0051】
中間層10は、第1発電層11のn層16を覆うように設けられている。イオンプレーティング法やスパッタ法のような成膜法で形成された透明導電膜である。透明導電膜としては、SnO2(酸化錫)、ITO(インジウム・錫酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)が例示される。本実施の形態では、膜厚30〜200nm厚のZnOである。
【0052】
中間層10は、第1発電層11において吸収されずに透過する光を、第1発電層11の側へ反射する。そして、再度i層14においてその光を吸収させて発電に寄与させる働きがある。非晶質シリコンは光劣化しやすく、膜厚が大きいほど劣化が大きい。中間層10を設けることで、反射により電流発生量が増加するので、その分非晶質シリコンの膜厚を薄くすることが出来る。それにより、非晶質シリコンの光劣化を抑制できる。さらに、中間層10が無い場合、第1発電層11のn層16と第2発電層21のp層22とが接合することになる。その場合、np接合による逆電位が生じるので、発電電圧が僅からながら減少する。高導電率の中間層10を挟むことにより、接合部の逆電位の発生を抑制することが出来る。
【0053】
その他の構成については、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0054】
本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第2の実施の形態の動作についても、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0055】
次に、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第2の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。図5から図6は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第2の実施の形態を示す断面図である。
【0056】
集積型タンデム接合太陽電池の製造方法についても、中間層10を設けるプロセスが加わるほかは、第1の実施の形態と同様である。すなわち、以下のようである。
図5(a)に示すように、基板2上に、基板2を覆うように第1電極層4としてのSnO2を熱CVD法で形成する。続いて、第1電極層4を覆うように、第1発電層11のp層12/i層14/n層16としてのp型a−SiC/i型a−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。更に、n型μc−Siを覆うように中間層10としてのZnOをスパッタ法で形成する。そして、中間層10を覆うように第2発電層21のp層22としてのp型μc−SiをPCVD法で形成する。各膜の膜厚は、それぞれ0.5μm/5nm/200nm/20nm/100nm/30nmのである。
【0057】
図5(a)の状態において、波長532nm又は波長1064nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板2の側から照射する。それにより、一度に電極用開溝31及び第1開溝32を形成する。電極用開溝31は第1電極層4を貫通し、第1開溝32はp層22及び第1発電層11を貫通している。レーザの照射は、p層22の側から照射しても良い。電極用開溝31及び第1開溝32により、低抵抗層であるn層16及びp層22から第2開溝34への電流経路を断つことが可能となる。この状態が図5(b)である。
【0058】
図5(b)の状態において、p層22の表面を覆い、且つ、電極用開溝31及び第1開溝32の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2発電層21のi層24/n層26としてのi型μc−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ2μm/50nmである。この状態が、図5(c)である。
【0059】
図5(c)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板2の側から照射する。それにより、第2開溝34を形成する。第2開溝34は、第2発電層21及び第1発電層11を貫通している。第2開溝34は、電極用開溝31に対して、隣接する他の発電セル8の側にある。レーザの照射は、第2発電層21の側から照射しても良い。この状態が図6(a)である。
【0060】
図6(a)の状態において、第2発電層21の表面を覆い、且つ、第2開溝34の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2電極層6としてのZnO/Agの積層膜をこの順にスパッタ法で形成する。各膜の膜厚は、それぞれ膜厚100nm/0.3μmである。これにより、第2開溝34において、第2電極層6と、隣接する他の発電セルの第1電極層4とが電気的に接続される。この状態が図6(b)である。
【0061】
図6(b)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板2の側から照射する。それにより、第第3開溝36を形成する。第3開溝36は、第2電極層6、第2発電層21及び第1発電層11を貫通している。第3開溝36は、電極用開溝31に対して、第2開溝34と同じ側に、第2開溝34よりも離れて設けられている。この状態が図6(c)(=図4)である。
【0062】
本実施の形態により、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。また、低抵抗な中間層10における電流の横走りを遮断することが可能となる。これにより、集積型タンデム接合太陽電池のモジュール効率を向上することが可能となる。
【0063】
(第3の実施の形態)
まず、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第3の実施の形態の構成について、添付図面を参照して説明する。図7は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第3の実施の形態の構成を示す断面図である。集積型タンデム接合太陽電池は、基板24と、複数の発電セル48−i(i=1〜n、nは自然数で発電セルの数)とを具備する。
【0064】
本実施の形態は、電極用開溝71と第1開溝72とが異なる位置に形成されている点で、第1の実施の形態と異なる。そして、第2開溝74は、電極用開溝71に対して、第1開溝と同じ側に、第1開溝よりも離れて設けられている。それ以外は第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0065】
ただし、基板42、複数の発電セル48−i、第1電極層44、第1発電層51、p層52、i層54、n層56、第2発電層61、p層62、i層64、n層66、第2電極層46、電極用開溝71、第1開溝72、第2開溝74及び第3開溝76は、それぞれ第1の実施の形態における基板2、複数の発電セル8−i、第1電極層4、第1発電層11、p層12、i層14、n層16、第2発電層21、p層22、i層24、n層26、第2電極層6、電極用開溝31、第1開溝32、第2開溝34及び第3開溝36に対応する。
【0066】
次に、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第3の実施の形態の動作については、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0067】
本発明の集積型タンデム接合太陽電池は、第1の実施の形態と同様に、第1開溝72を、第1発電層51の上部表面からではなく、第2発電層61のp層62の上部表面から設けることにより、第1発電層51の低抵抗層における電流の横走りだけでなく、第2発電層61のp層62における電流の横走りを遮断することが可能となる。これにより、発電セル48における短絡電流Iscや曲線因子FFが改善される。そして、発電セル48の効率が向上し、それにより、集積型タンデム接合太陽電池のモジュール効率を向上することが可能となる。
【0068】
それに加えて、電極用開溝71と第1開溝72とを別のプロセスで形成するので、一つの開溝を形成する際に出る飛散物(レーザにより除去された膜及びその分解物)の量が少ない。第1開溝72周辺の膜上に付着する飛散物が少ないので、第2発電層61のp層62とi層64との密着性がより良くなる。
【0069】
次に、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第3の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。図8から図10は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第3の実施の形態を示す断面図である。
【0070】
図8(a)に示すように、基板42上に、基板42を覆うように第1電極層44としての膜厚0.5μmのSnO2を熱CVD法で形成する。
【0071】
図8(a)の状態において、波長532nm(第2高調波)又は波長1064nm(基本波)のYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1電極層44に対して、電極用開溝71を形成する。電極用開溝71は、第1電極層44を貫通している。レーザの照射は、第1電極層44の側から照射しても良い。この状態が図8(b)である。
【0072】
図8(b)の状態において、第1電極層44の表面を覆い、且つ、電極用開溝71の内面を覆う(又は電極用開溝71の内面を埋める)ように、第1発電層51のp層52/i層54/n層56としてのp型a−SiC/i型a−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ10nm/300nm/50nmである。この状態が図8(c)である。
【0073】
図8(c)の状態において、第1発電層51を覆うように第2発電層61のp層62としての膜厚30nmのp型μc−SiをPCVD法で形成する。この状態が図9(a)である。
【0074】
図9(a)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1発電層51及びp層62の積層膜に対して、第1開溝72を形成する。第1開溝72は、p層62及び第1発電層51を貫通している。レーザの照射は、p層62の側から照射しても良い。第1開溝72により、低抵抗層であるn層56及びp層62から第2開溝74への電流経路を断つことが可能となる。この状態が図9(b)である。
【0075】
図9(b)の状態において、p層62の表面を覆い、且つ、第1開溝72の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2発電層61のi層64/n層66としてのi型μc−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ2μm/50nmである。この状態が、図9(c)である。
【0076】
図9(c)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1発電層51及び第2発電層61の積層膜に対して、第2開溝74を形成する。第2開溝74は、第2発電層61及び第1発電層51を貫通している。第2開溝74は、電極用開溝71に対して、第1開溝72と同じ側に、第1開溝72よりも離れて設けられている。レーザの照射は、第2発電層61の側から照射しても良い。この状態が図10(a)である。
【0077】
図10(a)の状態において、第2発電層61の表面を覆い、且つ、第2開溝74の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2電極層46としてのZnO/Agの積層膜をこの順にスパッタ法で形成する。各膜の膜厚は、それぞれ膜厚100nm/0.3μmである。これにより、第2開溝74において、第2電極層46と、隣接する他の発電セルの第1電極層44とが電気的に接続される。この状態が図10(b)である。
【0078】
図10(b)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1発電層51、第2発電層61及び第2電極層46の積層膜に対して、第3開溝76を形成する。第3開溝76は、第2電極層46、第2発電層61及び第1発電層51を貫通している。第3開溝76は、電極用開溝71に対して、第2開溝74と同じ側に、第2開溝74よりも離れて設けられている。この状態が図10(c)(=図7)である。
【0079】
本実施の形態により、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
それに加えて、電極用開溝71と第1開溝72とを別のプロセスで形成するので、第1開溝72周辺における第2発電層61のi層64の密着性がより良くなる。
【0080】
なお、図10(a)において、第2開溝74は、電極用開溝71に対して、第1開溝72と同じ側に、第1開溝72よりも離れて設けられている。しかし、第2開溝74を第1開溝72の中に設けることも可能である。それを示したのが、図11である。図11(a)は、第2開溝74を第1開溝72の中に含まれるように設けている。また、図11(b)は、第2開溝74を第1開溝72の一部に重なるように設けている。いずれの場合にも、少なくとも第1開溝72内におけるi層64を残している。すなわち、高抵抗なi層64を残すことにより、第1発電層51の低抵抗層やp層62の電流の横走りを抑制することが可能となる。図11のような構造は、各開溝を設ける領域が少ない場合に有効である。また、接続に要する領域が少なくなり、発電に寄与する領域を増やすことが出来るので、モジュール全体としての効率を向上させることが出来る。
【0081】
図11のような構成は、図示しないが、第1の実施の形態においても同様に適用することが可能である。
【0082】
(第4の実施の形態)
まず、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第4の実施の形態の構成について、添付図面を参照して説明する。図12は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第4の実施の形態の構成を示す断面図である。本実施の形態は、第1発電層51が中間層50を更に備える点で第3の実施の形態と異なる。
【0083】
中間層50は、第1発電層51のn層56を覆うように設けられている。イオンプレーティング法やスパッタ法のような成膜法で形成された透明導電膜である。透明導電膜としては、SnO2(酸化錫)、ITO(インジウム・錫酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)が例示される。本実施の形態では、膜厚30〜200nm厚のZnOである。
【0084】
中間層50の働き及びその効果は、第2の実施の形態における中間層10と同様であるので、その説明を省略する。
【0085】
その他の構成については、第3の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0086】
本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第4の実施の形態の動作についても、第3の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
【0087】
次に、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第4の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。図13から図15は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第4の実施の形態を示す断面図である。
【0088】
集積型タンデム接合太陽電池の製造方法についても、中間層50を設けるプロセスが加わるほかは、第3の実施の形態と同様である。すなわち、以下のようである。
図13(a)に示すように、基板42上に、基板42を覆うように第1電極層44としての膜厚0.5μmのSnO2を熱CVD法で形成する。
【0089】
図13(a)の状態において、波長532nm又は波長1064nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1電極層44に対して、電極用開溝71を形成する。電極用開溝71は、第1電極層44を貫通している。レーザの照射は、第1電極層44の側から照射しても良い。この状態が図13(b)である。
【0090】
図13(b)の状態において、第1電極層44の表面を覆い、且つ、電極用開溝71の内面を覆う(又は電極用開溝71の内面を埋める)ように、第1発電層51のp層52/i層54/n層56としてのp型a−SiC/i型a−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ10nm/200nm/50nmである。この状態が図13(c)である。
【0091】
図13(c)の状態において、n層56を覆うように中間層50としての膜厚100nmのZnOをスパッタ法で形成する。そして、第1発電層51を覆うように第2発電層61のp層62としての膜厚30nmのp型μc−SiをPCVD法で形成する。この状態が図14(a)である。
【0092】
図14(a)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1発電層51及びp層62の積層膜に対して、第1開溝72を形成する。第1開溝72は、p層62及び第1発電層51を貫通している。レーザの照射は、p層62の側から照射しても良い。第1開溝72により、低抵抗層であるn層56及びp層62から第2開溝74への電流経路を断つことが可能となる。この状態が図14(b)である。
【0093】
図14(b)の状態において、p層62の表面を覆い、且つ、第1開溝72の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2発電層61のi層64/n層66としてのi型μc−Si/n型μc−Siをこの順にPCVD法で積層する。各膜の膜厚は、それぞれ2μm/50nmである。この状態が、図14(c)である。
【0094】
図14(c)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1発電層51及び第2発電層61の積層膜に対して、第2開溝74を形成する。第2開溝74は、第2発電層61及び第1発電層51を貫通している。第2開溝74は、電極用開溝71に対して、第1開溝72と同じ側に、第1開溝72よりも離れて設けられている。レーザの照射は、第2発電層61の側から照射しても良い。この状態が図15(a)である。
【0095】
図15(a)の状態において、第2発電層61の表面を覆い、且つ、第2開溝74の内面を覆う(又は内面を埋める)ように、第2電極層46としてのZnO/Agの積層膜をこの順にスパッタ法で形成する。各膜の膜厚は、それぞれ膜厚100nm/0.3μmである。これにより、第2開溝74において、第2電極層46と、隣接する他の発電セルの第1電極層44とが電気的に接続される。この状態が図15(b)である。
【0096】
図15(b)の状態において、波長532nmのYAGレーザ又はYVO4レーザを用いて、大気中で、レーザを基板42の側から照射する。それにより、第1発電層51、第2発電層61及び第2電極層46の積層膜に対して、第3開溝76を形成する。第3開溝76は、第2電極層46、第2発電層61及び第1発電層51を貫通している。第3開溝76は、電極用開溝71に対して、第2開溝74と同じ側に、第2開溝74よりも離れて設けられている。この状態が図15(c)(=図12)である。
【0097】
本実施の形態により、第3の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
また、低抵抗な中間層50における電流の横走りを遮断することが可能となる。これにより、集積型タンデム接合太陽電池のモジュール効率を向上することが可能となる。
【0098】
なお、図15(a)において、第2開溝74は、電極用開溝71に対して、第1開溝72と同じ側に、第1開溝72よりも離れて設けられている。しかし、第2開溝74を第1開溝72の中に設けることも可能である。それを示したのが、図16である。図16(a)は、第2開溝74を第1開溝72の中に含まれるように設けている。また、図16(b)は、第2開溝74を第1開溝72の一部に重なるように設けている。いずれの場合にも、少なくとも第1開溝72内におけるi層64を残している。すなわち、高抵抗なi層64を残すことにより、第1発電層51の低抵抗層やp層62の電流の横走りを抑制することが可能となる。図16のような構造は、各開溝を設ける領域が少ない場合に有効である。また、接続に要する領域が少なくなり、発電に寄与する領域を増やすことが出来るので、モジュール全体としての効率を向上させることが出来る。
【0099】
図16のような構成は、図示しないが、第2の実施の形態においても同様に適用することが可能である。
【0100】
【発明の効果】
本発明により、太陽電池のサイドリークを防止し、モジュール効率を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第1の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図2】図2(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第2の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図6】図6(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第3の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図8】図8(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図9】図9(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図10】図10(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図11】図11(a)〜(b)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第3の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図12】図12は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の第4の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図13】図13(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第4の実施の形態を示す断面図である。
【図14】図14(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第4の実施の形態を示す断面図である。
【図15】図15(a)〜(c)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第4の実施の形態を示す断面図である。
【図16】図16(a)〜(b)は、本発明の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法の第4の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図17】図17は、従来のシリコン薄膜を用いた集積型タンデム接合集積化太陽電池の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 集積型タンデム接合太陽電池
2 基板
4 第1電極層
6 第2電極層
8(−i:i=1〜n、nは自然数で発電セルの数) 発電セル
10、50 中間層
11、51 第1発電層
12、22、52、62 p層
14、24、54、64 i層
16、26、56、66 n層
21、61 第2発電層
31、71 電極用開溝
32、72 第1開溝
34、74 第2開溝
36、76 第3開溝
102 ガラス基板
104 透明電極膜
106 金属裏面電極膜
110 中間層
111 第1発電層
112、122 p層
114、124 i層
116、126 n層
121 第2発電層
132 第1開溝
134 第2開溝
136 第3開溝
Claims (14)
- 基板と、
前記基板上に設けられ、互いに直列に接続された複数の発電セルと
を具備し、
前記複数の発電セルの各々は、
前記基板上に設けられた第1電極層と、
前記第1電極層上に設けられ、光により発電する第1発電層と、
前記第1発電層上に設けられ、光により発電する第2発電層と、
前記第2発電層上に設けられた第2電極層と
を備え、
前記第2発電層は、
前記第1発電層上に設けられた第1半導体層と、
前記第1半導体層上に設けられた第2半導体層と、
前記第2半導体層上に設けられた第3半導体層と
を含み、
前記第1電極層の表面から前記基板へ延びる電極溝と、前記第1半導体層の表面から前記第1電極層へ延びる第1溝と、前記第3半導体層の表面から前記第1電極層へ延びる第2溝と、前記第2電極層の表面から前記第1電極層へ延びる第3溝とを備え、
前記第2溝は、前記電極溝に対して前記第1溝と同じ側にあり、前記第3溝は、前記電極溝に対して前記第2溝と同じ側に前記第2溝よりも離れてあり、
前記第2電極層が、前記複数の発電セルのうちの隣接する他の一つに直列接続するように、前記第2溝を介して前記第1電極層と接続されている
集積型タンデム接合太陽電池。 - 請求項1に記載の集積型タンデム接合太陽電池において、
前記第1溝は、前記電極溝上に設けられている
集積型タンデム接合太陽電池。 - 請求項1又は2に記載の集積型タンデム接合太陽電池において、
前記第2溝は、前記第2溝の一部が前記第1溝に重なるようにして設けられている
集積型タンデム接合太陽電池。 - 請求項1乃至3に記載の集積型タンデム接合太陽電池において、
前記第1発電層は、前記第2発電層と接する側に設けられた導電性の中間層を備える
集積型タンデム接合太陽電池。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の集積型タンデム接合太陽電池において、
前記第1半導体層は、p型及びn型のうちのいずれか一方の導電型を有する低抵抗層である
集積型タンデム接合太陽電池。 - 請求項5に記載の集積型タンデム接合太陽電池において、
前記第1半導体層は、微結晶シリコンを含む
集積型タンデム接合太陽電池。 - 請求項5又は6に記載の集積型タンデム接合太陽電池において、
前記第2半導体層は、イントリンシック型を有する層であり、
前記第3半導体層は、p型及びn型のうちの前記第1半導体層とは異なる導電型を有する層である
集積型タンデム接合太陽電池。 - (a)基板上に設けられた第1電極層の表面から前記基板へ延びる電極溝を形成するステップと、
(b)前記第1電極層上に、光により発電する第1発電層と、光により発電する第2発電層のうちの第1半導体層とを、この順に積層するステップと、
(c)前記第1半導体層の表面から前記第1電極層へ延びる第1溝を形成するステップと、
(d)前記第1半導体層及び前記第1溝の上に、前記第2発電層のうちの第2半導体層及び第3半導体層を形成するステップと、
(e)前記第3半導体層の表面から前記第1電極層へ延びる第2溝を形成するステップと、
(f)前記第3半導体層及び第2溝の上に、第2電極層を形成するステップと、
(g)前記第2電極層の表面から前記第1電極層へ延びる第3溝を形成するステップと
を具備し、
前記第2溝は、前記電極溝に対して前記第1溝と同じ側にあり、前記第3溝は、前記電極溝に対して前記第2溝と同じ側に前記第2溝よりも離れてあり、
前記第2電極層は、一方の発電セルが前記第3溝で分離された隣接する他の発電セルに直列接続するように、前記第2溝を介して前記第1電極層と接続されている
集積型タンデム接合太陽電池の製造方法。 - (h)基板上に、第1電極層、光により発電する第1発電層、及び、光により発電する第2発電層のうちの第1半導体層を、この順に積層するステップと、
(i)前記第1半導体層の表面から前記基板へ延びる第1溝を形成するステップと、
(j)前記第1半導体層及び前記第1溝の上に、前記第2発電層のうちの第2半導体層及び第3半導体層を形成するステップと、
(k)前記第3半導体層の表面から前記第1電極層へ延びる第2溝を形成するステップと、
(l)前記第3半導体層及び第2溝の上に、第2電極層を形成するステップと、
(m)前記第2電極層の表面から前記第1電極層へ延びる第3溝を形成するステップと
を具備し、
前記第3溝は、前記第1溝に対して前記第2溝と同じ側に前記第2溝よりも離れてあり、
前記第2電極層は、一方の発電セルが前記第3溝で分離された隣接する他の発電セルに直列接続するように、前記第2溝を介して前記第1電極層と接続されている
集積型タンデム接合太陽電池の製造方法。 - 請求項8又は9に記載の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、
前記第2溝は、前記第2溝の一部が前記第1溝に重なるようにして設けられている
集積型タンデム接合太陽電池の製造方法。 - 請求項8乃至9のいずれか一項に記載の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、
前記第1発電層は、前記第2発電層と接する側に設けられた導電性の中間層を備える
集積型タンデム接合太陽電池の製造方法。 - 請求項8乃至11のいずれか一項に記載の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、
前記第1半導体層は、p型及びn型のうちのいずれか一方の導電型を有する低抵抗層である
集積型タンデム接合太陽電池の製造方法。 - 請求項12に記載の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、
前記第1半導体層は、微結晶シリコンを含む
集積型タンデム接合太陽電池の製造方法。 - 請求項12又は13に記載の集積型タンデム接合太陽電池の製造方法において、
前記第2半導体層は、イントリンシック型を有する層であり、
前記第3半導体層は、p型及びn型のうちの前記第1半導体層とは異なる導電型を有する層である
集積型タンデム接合太陽電池の製造方法。
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-
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