JP2016001513A - 磁気ディスク基板用研磨液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】一態様において、粗研磨後の基板表面の長周期欠陥を低減できる磁気ディスク基板用研磨液組成物を提供する。【解決手段】一態様において、非球状シリカ粒子、窒素含有化合物、及び水を含み、該非球状シリカ粒子が2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状であり、該窒素含有化合物が分子内にN原子を2又は3個有する有機アミン化合物である磁気ディスク基板用研磨液組成物に関する。該非球状シリカ粒子は、一又は複数の実施形態において、金平糖型のシリカ粒子A1、異形型のシリカ粒子A2、及び異形かつ金平糖型のシリカ粒子A3からなる群から選択される少なくとも1種類のシリカ粒子である。【選択図】なし

Description

本開示は、磁気ディスク基板用研磨液組成物、磁気ディスク基板の製造方法、磁気ディスク基板の研磨システム、及び磁気ディスク基板の研磨方法に関する。
近年、磁気ディスクドライブは小型化・大容量化が進み、高記録密度化が求められている。そこで、高記録密度磁気信号の検出感度を向上させる必要があり、磁気ヘッドの浮上高さをより低下し、単位記録面積を縮小する技術開発が進められている。磁気ディスク基板は、磁気ヘッドの低浮上化と記録面積の確保に対応するため、平滑性及び平坦性の向上(表面粗さ、うねり、端面ダレの低減)や表面欠陥低減(残留砥粒、スクラッチ、突起、ピット等の低減)が厳しく要求されている。
このような要求に対して、より平滑で、傷が少ないといった表面品質向上と生産性の向上を両立させる観点から、ハードディスク基板の製造方法においては、2段階以上の研磨工程を有する多段研磨方式が採用されることが多い。一般に、多段研磨方式の最終研磨工程、即ち、仕上げ研磨工程では、表面粗さの低減、スクラッチ、突起、ピット等の傷の低減という要求を満たすために、コロイダルシリカ粒子を含む仕上げ用研磨液組成物が使用され、仕上げ研磨工程より前の研磨工程(粗研磨工程ともいう)では、生産性向上の観点から、アルミナ粒子を含む研磨液組成物が使用される。しかしながら、アルミナ粒子を砥粒として使用した場合、アルミナ粒子の基板への突き刺さりによって、メディア・ドライブの欠陥を引き起こすことがある。
一般的にシリカ粒子を用いた場合、アルミナ粒子と比較して研磨速度が低いことが知られている。そこで、これまでにシリカ粒子による研磨速度向上の検討が行われてきた(例えば、特許文献1)。
さらに、アルミナ粒子を含まず、シリカ粒子を砥粒とした研磨液組成物を粗研磨工程に用いることで、基板への粒子の突き刺さりの低減を可能とする磁気ディスク基板の製造方法が提案されている(特許文献2及び3)。
一方で、Ni−Pめっきアルミニウム合金基板を用いた磁気ディスク基板の表面欠陥として、PED(polish-enhanced defects)がある(特許文献4)。PEDは、グラインド傷とともに磁気ディスク基板の「長周期欠陥」とも呼ばれる。
さらに、研磨液組成物の添加剤としてアミン化合物を添加することによる、絶縁膜に対する研磨抑制(特許文献5)、サファイア基板の研磨速度向上(特許文献6)、残留パーティクル低減(特許文献7)、タンタル基体の研磨抑制(特許文献8)も試みられている。
特開2009−91197号公報 特開2014−29754号公報 特開2014−29755号公報 特開2003−41377号公報 特開2001−89747号公報 特開2009−297818号公報 特開2012−12569号公報 特開2002−519475号公報
磁気ディスク基板の研磨工程においてアルミナ粒子を使用しない粗研磨工程及び仕上げ研磨工程を採用すれば、残留アルミナ(例えば、アルミナ付着、アルミナ突き刺さり)を無くすことができるから突起欠陥が低減する。しかし、アルミナ粒子に換えてシリカ粒子砥粒として粗研磨工程を行う場合、長周期欠陥が除去できないという問題が新たに発生することが見出された。アルミナ粒子を砥粒として粗研磨工程を行う場合には、一般に、長周期欠陥の問題は起らない。長周期欠陥の除去率は基板収率と相関性が高いため、粗研磨において長周期欠陥の除去率のより一層の向上が望まれる。
特許文献2及び3は、所定のパラメータで規定される非球状シリカ粒子を砥粒として粗研磨を行えば、研磨液組成物が実質的にアルミナ粒子を含まない場合であっても、粗研磨の研磨時間を大幅に長期化することなく粗研磨後の長波長うねりを低減できることを開示する。しかしながら、長周期欠陥については、より一層の除去率の向上が望まれる。
そこで、本開示は、一態様において、非球状シリカ粒子を砥粒とする粗研磨において、粗研磨における研磨速度を大きく損ねることなく、粗研磨後の基板表面の長周期欠陥を低減できる磁気ディスク基板用研磨液組成物を提供する。
本開示は、一態様において、非球状シリカ粒子、窒素含有化合物、及び水を含み、前記非球状シリカ粒子は、2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状であり、前記窒素含有化合物が、分子内にN原子を2又は3個有する有機アミン化合物である磁気ディスク基板用研磨液組成物に関する。
本開示は、その他の態様において、
(1)本開示にかかる研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、
(2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、
(3)シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて工程(2)で得られた基板の研磨対象面を研磨する工程を有し、
前記工程(1)と(3)は別の研磨機で行う、磁気ディスク基板の製造方法に関する。
本開示は、その他の態様において、本開示にかかる研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨する第一の研磨機と、前記第一研磨機で研磨した基板を洗浄する洗浄ユニットと、シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて洗浄後の基板を研磨する第二の研磨機とを備える磁気ディスク基板の研磨システムに関する。
本開示によれば、アルミナ粒子を使用しないから粗研磨後及び仕上げ研磨後の突起欠陥を大幅に低減できる。さらに、本開示によれば、一又は複数の実施形態において、粗研磨における研磨速度を大きく損ねることなく、粗研磨後の基板表面の長周期欠陥を低減できるという効果が奏されうる。
図1は、異形型コロイダルシリカ砥粒の電子顕微鏡(TEM)観察写真の一例である。 図2は、金平糖型コロイダルシリカ砥粒の電子顕微鏡(TEM)観察写真の一例である。 図3は、研磨システムの一実施形態を説明する図である。 図4は、長周期欠陥(PED)を有する基板表面を光干渉型表面形状測定機で計測した結果の一例である。
本開示は、所定の非球状シリカ粒子を砥粒として含有する研磨液組成物を用いた粗研磨工程において、該研磨液組成物に分子内の窒素(N)原子数が2又は3個の窒素含有化合物を添加すると、長周期欠陥の除去率が向上し、さらに、研磨速度を大きく損ねることがないという知見に基づく。一般に、磁気ディスク基板の製造において、長周期欠陥が低減できれば基板収率が向上する。よって、本開示によれば、一又は複数の実施形態において、磁気ディスク基板の製造において、生産性を維持しつつ、基板収率を向上できる。
所定の非球状シリカ粒子と分子内の窒素原子数が2又は3個の窒素含有化合物との組合せで長周期欠陥の除去率が向上するメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のように推察される。すなわち、所定の窒素含有化合物が、シリカ粒子と基板(Ni−Pめっきアルミニウム合金基板)の双方に結合し、シリカ粒子の基板への吸着性を向上させる。これにより、シリカ粒子の基板への接触頻度が上昇して研磨速度が向上し、長周期欠陥の除去率が向上すると考えられる。一方、窒素含有化合物の分子内の窒素原子数が4以上となると、シリカ粒子の凝集を招き、及び/又は、基板表面への該窒素含有化合物の吸着促進を招き基板表面が過剰に保護され、結果として研磨速度が低減すると考えられる。よって、分子内の窒素原子数が2又は3個の窒素含有化合物のバランスのとれたシリカ粒子及び基板表面への吸着性により、研磨速度の向上と長周期欠陥の除去率の向上がもたらされると考えられる。さらに、研磨パッドの圧縮率を高くすることで、研磨パッドが基板に追従し易くなるため、シリカ粒子の基板への接触頻度が上昇し、より長周期欠陥の除去率の向上がもたらされると考えられる。
但し、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
すなわち、本開示は一態様において、非球状シリカ粒子、窒素含有化合物、及び水を含み、前記非球状シリカ粒子は、2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状であり、前記窒素含有化合物が、分子内にN原子を2又は3個有する有機アミン化合物である磁気ディスク基板用研磨液組成物(以下、「本開示に係る研磨液組成物」ともいう)に関する。
本開示において「長周期欠陥」とは、Ni−Pめっきアルミニウム合金基板の製造工程で発生するグラインド傷及びPED(polish enhanced defect)を含む。グラインド傷は、めっき前のアルミニウム合金基板をグラインドする工程(グラインド工程)における砥石の削り痕をいう。PEDは、基板にめっき成膜する工程におけるアニール工程において基板表面に付着した水や異物に起因するアニール不足の部分をいい、研磨時に基板表面の浅い凹み状の欠陥として発生する。長周期欠陥は、一又は複数の実施形態において、実施例に記載の測定器を用いて測定できる。
[非球状シリカ粒子]
本開示に係る研磨液組成物は、非球状シリカ粒子を含有する。非球状シリカ粒子のシリカとしては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、表面修飾したシリカ等が挙げられる。研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、非球状シリカ粒子としては、コロイダルシリカが好ましく、下記の特定の形状をもったコロイダルシリカがより好ましい。そして、非球状シリカ粒子は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、火炎溶融法やゾルゲル法で製造されたものでも構わないが、水ガラス法で製造されたシリカ粒子であることが好ましい。
[非球状シリカ粒子の形状]
非球状シリカ粒子の形状は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、複数の粒子が凝集又は融着した形状である。非球状シリカ粒子は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、金平糖型のシリカ粒子A1、異形型のシリカ粒子A2、及び異形かつ金平糖型のシリカ粒子A3からなる群から選択される少なくとも1種類のシリカ粒子であることが好ましく、金平糖型のシリカ粒子A1及び異形型のシリカ粒子A2からなる群から選択される少なくとも1種類のシリカ粒子であることがより好ましく、異形型のシリカ粒子A2が更に好ましい。
本開示において、金平糖型のシリカ粒子A1は、一又は複数の実施形態において、球状の粒子表面に特異な疣状突起を有するシリカ粒子をいう。シリカ粒子A1は、一又は複数の実施形態において、最も小さいシリカ粒子の粒径を基準にして、粒径が5倍以上異なる2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状である。シリカ粒子A1は、好ましくは粒径が小さい粒子が粒径が大きな粒子に一部埋没した状態である。前記粒径は、電子顕微鏡(TEMなど)観察画像において1つの粒子内で測定される円相当径、すなわち、粒子の投影面積と同じ面積の等価円の長径として求められうる。シリカ粒子A2及びシリカ粒子A3における粒径も同様に求めることができる。
本開示において、異形型のシリカ粒子A2は、2つ以上の粒子、好ましくは2〜10個の粒子が凝集又は融着した形状のシリカ粒子をいう。シリカ粒子A2は、一又は複数の実施形態において、最も小さいシリカ粒子の粒径を基準にして、粒径が1.5倍以内の2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状である。
本開示において、異形かつ金平糖型のシリカ粒子A3は、2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状の粒子いう。シリカ粒子A3は、一又は複数の実施形態において、粒径が1.5倍以内の2つ以上の粒子が凝集又は融着した粒子に、さらに、凝集又は融着した前記粒子の最も小さいシリカ粒子の粒径を基準にして粒径が1/5以下の小さな粒子が凝集又は融着した形状である。
非球状シリカ粒子は、一又は複数の実施形態において、シリカ粒子A1、A2、A3のいずれか1つ、シリカ粒子A1、A2、A3のいずれか2つ、又は、シリカ粒子A1、A2、及びA3のすべてを含む。非球状シリカ粒子におけるシリカ粒子A1、A2、及びA3の合計の含有量は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上である。さらに、同様の観点から、シリカ粒子A1とシリカ粒子A2との合計の含有量が、非球状シリカ粒子中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。
非球状シリカ粒子がシリカ粒子A1及びA2を含む場合、シリカ粒子A1とシリカ粒子A2との質量比率A1/A2は、一又は複数の実施形態において、好ましくは5/95以上95/5以下の範囲である。研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、質量比率A1/A2は、より好ましくは20/80以上80/20以下であり、更に好ましくは20/80以上60/40以下であり、更により好ましくは20/80以上40/60以下であり、更により好ましくは20/80以上30/70以下である。
[非球状シリカ粒子の平均粒子径(D50)]
非球状シリカ粒子の平均粒子径(D50)は、レーザー光散乱法で測定した体積平均粒子径(D50)である。非球状シリカ粒子の平均粒子径(D50)は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、50nm以上が好ましく、より好ましくは60nm以上、更に好ましくは100nm以上、更により好ましくは110nm以上である。そして、非球状シリカ粒子の平均粒子径(D50)は、同様の観点から、500nm以下が好ましく、より好ましくは400nm以下、更に好ましくは300nm以下、更により好ましくは200nm以下、更により好ましくは170nm以下である。より具体的には、非球状シリカ粒子の平均粒子径(D50)は、同様の観点から、好ましくは50nm以上500nm以下であり、より好ましくは60nm以上400nm以下、更に好ましくは100nm以上300nm以下、更により好ましくは110nm以上200nm以下、更により好ましくは110nm以上170nm以下である。
[非球状シリカ粒子の絶対最大長]
本開示において、粒子の絶対最大長とは、粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離の最大値の長さをいう。非球状シリカ粒子の絶対最大長は、電子顕微鏡観察で得られる。非球状シリカ粒子の絶対最大長の平均値(以下、「平均絶対最大長」ともいう。)は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、好ましくは80nm以上であり、より好ましくは90nm以上、更に好ましくは100nm以上、更により好ましくは110nm以上、更により好ましくは120nm以上である。そして、非球状シリカ粒子の平均絶対最大長は、同様の観点から、好ましくは500nm以下であり、より好ましくは400nm以下、更に好ましくは350nm以下である。より具体的には、非球状シリカ粒子の平均絶対最大長は、同様の観点から、好ましくは80nm以上500nm以下であり、より好ましくは90nm以上400nm以下、更に好ましくは90nm以上350nm以下である。
[非球状シリカ粒子の面積率(b/a×100)]
本開示において、面積率(b/a×100)とは、粒子の絶対最大長を直径とする円の面積bを、電子顕微鏡観察で得られる該粒子の投影面積aで除して100を乗じた値(%)をいう。
非球状シリカ粒子は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、非球状シリカ粒子を構成する個々のシリカ粒子の面積率(b/a×100)が110%以上200%以下であるシリカ粒子を、全非球状シリカ粒子中に、30質量%以上含有し、好ましくは30質量%以上100質量%以下、より好ましくは50質量%以上100質量%以下、更に好ましくは70質量%以上100質量%以下、更により好ましくは80質量%以上100質量%以下、更により好ましくは90質量%以上100質量%以下含有する。個々のシリカ粒子の質量は、電子顕微鏡観察で得られる該粒子の投影面積aを球断面積として球に換算して体積を求め、さらにシリカ粒子の密度を2.2g/cm3として計算して得られる。
非球状シリカ粒子の面積率(b/a×100)の平均値は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、110%以上であることが好ましい。非球状シリカ粒子の面積率(b/a×100)の平均値は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、好ましくは110%以上200%以下であり、より好ましくは120%以上190%以下、更に好ましくは130%以上185%以下、更により好ましくは140%以上180%以下である。
[非球状シリカ粒子のBET比表面積]
非球状シリカ粒子のBET比表面積は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、10m2/g以上200m2/g以下が好ましく、より好ましくは20m2/g以上100m2/g以下、更に好ましくは30m2/g以上80m2/g以下である。
[非球状シリカ粒子の含有量]
本開示に係る研磨液組成物に含まれる非球状シリカ粒子の含有量は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、2質量%以上が更により好ましい。そして、該含有量は、経済性の観点から、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましく、15質量%以下が更により好ましい。したがって、非球状シリカ粒子の研磨液組成物中の含有量は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、並びに経済性の観点から、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、0.5質量%以上25質量%以下がより好ましく、1質量%以上20質量%以下が更に好ましく、2質量%以上15質量%以下が更により好ましい。
本開示に係る研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、非球状シリカ粒子の他に、球状シリカ等のその他のシリカ粒子を含有してもよい。その他のシリカ粒子の含有量は、一又は複数の実施形態において、研磨後の突起欠陥の低減及び/又は研磨速度及び/又は長周期欠陥の低減を大きく損なわない範囲である。その他のシリカ粒子としては、一又は複数の実施形態において、研磨速度の向上及び長周期欠陥を低減する観点から、球状シリカ粒子が好ましい。本開示に係る研磨液組成物が球状シリカ粒子を含有する場合、球状シリカ粒子と非球状シリカ粒子との質量比(球状シリカ/非球状シリカ)は、0を超え30/70以下、0を超え25/75以下、又は、0を超え20/80以下である。
[窒素含有化合物]
本開示に係る研磨液組成物は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、窒素含有化合物を含有する。窒素含有化合物は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、分子内にN原子を2又は3個有する有機アミン化合物である。有機アミン化合物は、一又は複数の実施形態において、同様の観点から、脂肪族アミン化合物、及び脂環式アミン化合物からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。よって、窒素含有化合物は、一又は複数の実施形態において、分子内にN原子を2又は3個有する脂肪族アミン化合物及び分子内にN原子を2又は3個有する脂環式アミン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。本開示に係る研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、2種類以上の脂肪族アミン化合物、又は、2種類以上の脂環式アミン化合物、又は、2種類以上の脂肪族アミン化合物及び脂環式アミン化合物を含有してもよい。本開示において、窒素含有化合物は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、第1級から3級までのいずれかのアミノ基を有する1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
窒素含有化合物の分子内の窒素原子数は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、2個又は3個であって、2個が好ましい。窒素含有化合物は、一又は複数の実施形態において、臭気及び/又は沸点を考慮した作業性の観点から、ヒドロキシ基を有してもよい。窒素含有化合物の分子量は、一又は複数の実施形態において、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、60以上500以下が好ましく、より好ましくは60以上300以下、更に好ましくは60以上150以下、更により好ましくは60以上135以下である。
脂肪族アミン化合物としては、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、エチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)ジエタノールアミン、N−アミノエチルイソプロパノールアミン、N−アミノエチル−N−メチルエタノールアミン、及びジエチレントリアミンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、エチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)ジエタノールアミン、N−アミノエチルイソプロパノールアミン、及びN−アミノエチル−N−メチルエタノールアミンからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、N−アミノエチルエタノールアミンが更に好ましい。
前記脂環式アミン化合物は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2、5−ジメチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、N−メチルピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン、及びピペラジン−1,4−ビスエタノールからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2、5−ジメチルピペラジン、N−メチルピペラジン、及びヒドロキシエチルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、ピペラジンが更に好ましい。
本開示に係る研磨液組成物における、窒素含有化合物の含有量は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、0.0025質量%以上が好ましく、0.0050質量%以上がより好ましく、0.010質量%以上が更に好ましい。そして、本開示に係る研磨液組成物における窒素含有化合物の含有量は、同様の観点から、1.0質量%以下が好ましく、0.30質量%以下がより好ましく、0.20質量%以下が更に好ましく、0.15質量%以下が更により好ましく、0.10質量%以下が更により好ましい。より具体的には、本開示に係る研磨液組成物における窒素含有化合物の含有量は、同様の観点から、0.0025質量%以上1.0質量%以下が好ましく、0.0025質量%以上0.20質量%以下がより好ましく、0.0050質量%以上0.15質量%以下が更に好ましく、0.0050質量%以上0.10質量%以下が更により好ましい。
本開示に係る研磨液組成物における、非球状シリカ粒子と窒素含有化合物との含有量比[非球状シリカ粒子の含有量(質量%)/窒素含有化合物の含有量(質量%)]は、一又は複数の実施形態において、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、0.1以上5000以下が好ましく、より好ましくは1以上4000以下、更に好ましくは5以上2400以下、更により好ましくは40以上1200以下、更により好ましくは60以上600以下である。
[酸]
本開示に係る研磨液組成物は、研磨速度の向上の観点から、酸を含有することが好ましい。本開示に係る研磨液組成物における酸の使用は、酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種の使用を含む。使用される酸としては、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等の有機ホスホン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、フィチン酸、グルタミン酸、ピコリン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、ニトロ酢酸、マレイン酸、カテコールジスルホン酸、オキサロ酢酸等のカルボン酸等が挙げられる。中でも、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、リン酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、カテコールジスルホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、硫酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種が更に好ましく、硫酸が更により好ましい。
上記の酸及びその塩は単独で又は2種以上を混合して用いてもよいが、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、2種以上を混合して用いることが好ましく、リン酸、硫酸、クエン酸、酒石酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、カテコールジスルホン酸、及びアミノトリ(メチレンホスホン酸)からなる群から選択される2種以上の酸を混合して用いることが更に好ましい。
上記の酸の塩としては、特に限定はなく、具体的には、上記の酸と、金属、アンモニウム及びアルキルアンモニウムからなる群から選択される少なくとも1種との塩が挙げられる。上記金属の具体例としては、周期律表(長周期型)の1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。これらの中でも、上記の酸の塩としては、研磨速度及びロールオフ特性の向上の観点から、上記の酸と、1A族に属する金属又はアンモニウムとの塩が好ましい。
本開示に係る研磨液組成物中における前記酸の含有量は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上4質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以上3質量%以下、更により好ましくは0.1質量%以上2質量%以下である。
[酸化剤]
本開示に係る研磨液組成物は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、酸化剤を含有することが好ましい。酸化剤としては、同様の観点から、過酸化物、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩等が挙げられる。これらの中でも、酸化剤としては、過酸化水素、硝酸鉄(III)、過酢酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、硫酸鉄(III)及び硫酸アンモニウム鉄(III)からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、研磨速度向上の観点、表面に金属イオンが付着せず汎用に使用され安価であるという観点から、過酸化水素がより好ましい。これらの酸化剤は、単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。
本開示に係る研磨液組成物中における前記酸化剤の含有量は、研磨速度向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、そして、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、好ましくは4質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。より具体的には、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、上記含有量は、好ましくは0.01質量%以上4質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以上1.5質量%以下である。
[その他の成分]
本開示に係る研磨液組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、研磨速度向上剤、界面活性剤、高分子化合物等が挙げられる。具体的な他の成分としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられるが、その限りではない。本開示に係る研磨液組成物中に上記他の任意成分は、本開示の効果を損なわない範囲で配合されることが好ましい。本開示に係る研磨液組成物中の他の任意成分の含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
[水]
本開示に係る研磨液組成物は、媒体として水を含有する。水としては、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水からなる群から選択される少なくとも1種が使用され得る。本開示に係る研磨液組成物中の水の含有量は、研磨液組成物の取扱いが容易になるため、61質量%以上99質量%以下が好ましく、より好ましくは70質量%以上98質量%以下、更に好ましくは80質量%以上97質量%以下、更により好ましくは85質量%以上97質量%以下である。
[アルミナ砥粒]
本開示に係る研磨液組成物は、突起欠陥低減の観点からアルミナ砥粒を実質的に含まないことが好ましい。本開示において「アルミナ砥粒を実質的に含まない」とは、一又は複数の実施形態において、アルミナ粒子を含まないこと、砥粒として機能する量のアルミナ粒子を含まないこと、又は、研磨結果に影響を与える量のアルミナ粒子を含まないこと、を含みうる。具体的なアルミナ粒子の研磨液組成物中の含有量は、特に限定されるわけではないが、砥粒全体として5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、実質的に0%であることが更により好ましい。
[pH]
本開示に係る研磨液組成物のpHは、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、前述の酸や公知のpH調整剤を用いて、pH0.5以上pH6.0以下に調整することが好ましく、より好ましくはpH0.7以上pH4.0以下、更に好ましくはpH0.9以上pH3.0以下、更により好ましくはpH1.0以上pH3.0以下、更により好ましくはpH1.0以上pH2.0以下である。上記のpHは、25℃における研磨液組成物のpHであり、pHメータを用いて測定でき、電極の研磨液組成物への浸漬後2分後の数値である。
[研磨液組成物の調製方法]
本開示に係る研磨液組成物は、例えば、非球状シリカ粒子、窒素含有化合物(有機アミン化合物)、及び水と、更に所望により、酸、酸化剤及び他の成分から選ばれる1種以上とを公知の方法で混合することにより調製できる。本開示において「研磨液組成物中における含有成分の含有量」とは、研磨液組成物を研磨に使用する時点での前記成分の含有量をいう。したがって、本開示の研磨液組成物が濃縮物として作製された場合には、前記成分の含有量はその濃縮分だけ高くなりうる。前記混合は、特に制限されず、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機及び湿式ボールミル等の撹拌機等を用いて行うことができる。
[被研磨基板]
本開示に係る研磨液組成物を用いて粗研磨される被研磨基板としては、磁気ディスク基板又は磁気ディスク基板に用いられる基板であり、例えば、Ni−Pめっきされたアルミニウム合金基板や、珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、結晶化ガラス、強化ガラス等のガラス基板が挙げられる。中でも、本開示で使用される被研磨基板としては、Ni−Pめっきアルミニウム合金基板が好ましい。上記被研磨基板の形状には特に制限はなく、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状であればよい。中でも、ディスク状の被研磨基板が適している。ディスク状の被研磨基板の場合、その外径は例えば2〜95mm程度であり、その厚みは例えば0.5〜2mm程度である。
[磁気ディスク基板の製造方法]
一般に、磁気ディスクは、精研削工程を経たガラス基板や、Ni−Pメッキ工程を経たアルミニウム合金基板が、粗研磨工程、仕上げ研磨工程を経て研磨され、記録部形成工程にて磁気ディスク化されて製造される。本開示に係る研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、下記(1)〜(3)の工程を有する磁気ディスク基板の研磨方法及び/又は製造方法に用いられうる。したがって、本開示は、一態様において、下記(1)〜(3)の工程を有する磁気ディスク基板の製造方法に関する。
(1)粗研磨工程:本開示に係る研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、
(2)洗浄工程:工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、
(3)仕上げ研磨工程:シリカ粒子を含有する研磨液組成物(以下、「研磨液組成物B」ともいう)を用いて工程(2)で得られた基板の研磨対象面を研磨する工程であって、前記工程(1)と(3)は別の研磨機で行う工程。
[工程(1):粗研磨工程]
工程(1)は、一又は複数の実施形態において、非球状シリカ粒子、窒素含有化合物、及び水を含む本開示に係る研磨液組成物を被研磨基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び前記被研磨基板の少なくとも一方を動かして前記研磨対象面を研磨する工程である。工程(1)で使用される研磨機としては、特に限定されず、磁気ディスク基板研磨用の公知の研磨機が使用できる。
[工程(1)の研磨パッドA]
本開示に係る製造方法の工程(1)に使用される研磨パッド(以下、「研磨パッドA」ともいう。)としては、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、ベース層と発泡した表面層とを有するスエードタイプの研磨パッドであり、前記表面層は、圧縮率が2.5%以上である。本開示において研磨パッドAの表面層は、同様の観点から、ポリウレタン製であることが好ましい。本開示において研磨パッドAの表面部材(表面層)は、同様の観点から、ポリウレタンエラストマーを含むことが好ましい。
<研磨パッドAの構造>
研磨パッドAの表面層である発泡層としては、一又は複数の実施形態において、独立発泡タイプと連続発泡タイプのものが使用できるが、研磨屑の排出性の観点から連続発泡タイプのものが好ましく使用される。連続発泡タイプの研磨パッドとしては、例えば、「CMP技術基礎実例講座シリーズ第2回メカノケミカルポリシング(CMP)の基礎と実例(ポリシングパッド編)1998年5月27日資料 グローバルネット株式会社編」、或いは「CMPのサイエンス 柏木正広編 株式会社サイエンスフォーラム 第4章」に記載されたような研磨パッドが使用できる。ここでスエードタイプとは、一又は複数の実施形態において、特開平11−335979号公報に記載されているような、ベース層とベース層に対して垂直な紡錘状気孔を有する発泡層とを有する構造のことをいう。
上記スエードタイプの研磨パッドは、一又は複数の実施形態において、以下の方法により製造される。ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるベース層上に、ジメチルホルムアミド(DMF)等の溶剤にポリウレタンエラストマーを溶解させた溶液を塗布し、これを水或いは水とポリウレタンエラストマー溶液の溶剤との混合溶液中に浸漬して湿式凝固を行い、脱溶剤のための水洗、乾燥を行なう。これにより、ベース層に対して垂直な紡錘状気孔を有する発泡層がベース層上に形成される。そして、得られた発泡層の表面をサンドペーパー等で研磨することによって、表面に気孔部を有し、かつ、ベース層に対して垂直な紡錘状気孔を有する発泡層を備えたスエードタイプ研磨パッドが得られる。
<研磨パッドAの材質>
研磨パッドAのベース層の材質としては、一又は複数の実施形態において、綿等の天然繊維や合成繊維からなる不織布、スチレンブタジエンゴム等のゴム状物質を充填して得られるベース層等が挙げられるが、微小うねり低減及び高硬度な樹脂フィルムが得られる観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエステルフィルムが好ましく、PETフィルムがより好ましい。研磨パッドAの発泡層(表面層)の材質としては、一又は複数の実施形態において、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、合成ゴム等が挙げられるが、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、ポリウレタンエラストマーが好ましい。
<研磨パッドAの圧縮率>
研磨パッドAの発砲層(表面層)の圧縮率は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、2.5%以上であって、好ましくは20.0%以下、より好ましくは15.0%以下、更に好ましくは10.0%以下、更により好ましくは7.0%以下、更により好ましくは5.0%以下である。
研磨パッドの圧縮率は、日本工業規格(JIS) L1096記載の圧縮率測定方法に基づき、圧縮試験機により測定することが出来る。即ち標準圧力(100g/cm2)の下で測定した研磨パッドの厚み(T0)から、1000g/cm2の下で測定した研磨パッドの厚み(T1)を引いた値をT0で除し、その値に100を乗じることによって求めることが出来る。研磨パッドの圧縮率は、例えば、発泡層の厚みや発泡層のベース層側の気孔径サイズ、あるいはベース層の材質等によって制御できる。
<研磨パッドAの平均気孔径>
研磨パッドAの表面の気孔部の平均気孔径は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、10μm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは15μm以上80μm以下、更に好ましくは20μm以上60μm以下、更により好ましくは25μm以上55μm以下である。
研磨パッド表面の気孔部の平均気孔径は、ポリウレタンエラストマー原料へ、カーボンブラック等の顔料や、発泡を促進させる親水性活性剤、あるいはポリウレタンエラストマーの湿式凝固を安定化させる疎水性活性剤等の添加剤を添加することにより制御することが出来る。また、上記平均気孔径は、以下の方法で求めることが出来る。先ず、研磨パッド表面を走査型電子顕微鏡で観察(好適には100〜300倍)して、画像をパーソナルコンピュータ(PC)に取り込む。そして、取り込んだ画像についてPCにて画像解析ソフトにより解析を行い、気孔部の円相当径の平均径として平均気孔径を求めることが出来る。上記画像解析ソフトとしては、例えばWinROOF(三谷商事)を用いることが出来る。
<研磨パッドAの厚み>
研磨パッドAの厚みは、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、0.7mm以上1.5mm以下が好ましく、より好ましくは0.8mm以上1.4mm以下、更に好ましくは0.8mm以上1.3mm以下、更により好ましくは0.9mm以上1.3mm以下である。
[工程(1):研磨荷重]
本開示において研磨荷重とは、研磨時に被研磨基板の研磨面に加えられる定盤の圧力を意味する。工程(1)における研磨荷重は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、30kPa以下が好ましく、より好ましくは25kPa以下、更に好ましくは20kPa以下、更により好ましくは18kPa以下、更により好ましくは16kPa以下、更により好ましくは14kPa以下である。そして、前記研磨荷重は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、3kPa以上が好ましく、より好ましくは5kPa以上、更に好ましくは7kPa以上、更により好ましくは8kPa以上、更により好ましくは9kPa以上である。より具体的には、前記研磨荷重は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、好ましくは3kPa以上30kPa以下、より好ましくは5kPa以上25kPa以下、更に好ましくは7kPa以上20kPa以下、更により好ましくは8kPa以上18kPa以下、更により好ましくは9kPa以上16kPa以下、更により好ましくは9kPa以上14kPa以下である。前記研磨荷重の調整は、定盤や基板等への空気圧や重りの負荷によって行うことができる。
[工程(1)の研磨量]
工程(1)における、被研磨基板の単位面積(1cm2)あたりの研磨量は、研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減する観点から、0.20mg以上が好ましく、より好ましくは0.30mg以上、更に好ましくは0.40mg以上である。そして、同様の観点から、2.50mg以下が好ましく、より好ましくは2.00mg以下、更に好ましくは1.60mg以下である。より具体的には、同様の観点から、前記研磨量は、好ましくは0.20mg以上2.50mg以下、より好ましくは0.30mg以上2.00mg以下、更に好ましくは0.40mg以上1.60mg以下である。
[工程(1):研磨速度低下率]
本明細書において「研磨速度低下率」とは、研磨液組成物が研磨パッドに保持される程度の尺度であって、研磨機内で研磨液組成物を4分間流した時の研磨速度を基準速度とし、4分経過以降は研磨液組成物の供給を停止させたまま研磨を継続して供給停止の1分後の研磨速度を停止後速度とし、前記基準速度と前記停止後速度の差を前記基準速度で除して100を乗じた値(%)である。具体的な研磨条件は、後述する実施例における工程(1)の研磨条件とすることができる。
本開示に係る研磨液組成物及び非球状シリカ粒子は、粗研磨の研磨時間を大幅に長期化することなく粗研磨後の長波長うねりを低減する観点から、研磨速度低下率が15.0%以下を満たすことが好ましく、より好ましくは12.0%以下、更に好ましくは8.0%以下、更により好ましくは5.0%以下である。
[工程(1)における本開示に係る研磨液組成物の供給速度]
工程(1)における本開示に係る研磨液組成物の供給速度は、経済性の観点から、被研磨基板1cm2あたり2.5mL/分以下が好ましく、より好ましくは2.0mL/分以下、更に好ましくは1.5mL/分以下、更により好ましくは1.0mL/分以下、更により好ましくは0.5mL/分以下、更により好ましくは0.2mL/分以下である。そして、前記供給速度は、研磨速度の向上の観点から、被研磨基板1cm2あたり0.01mL/分以上が好ましく、より好ましくは0.03mL/分以上、更に好ましくは0.05mL/分以上である。より具体的には、前記供給速度は、経済性の観点及び研磨速度の向上の観点から、被研磨基板1cm2あたり0.01mL/分以上2.5mL/分以下が好ましく、より好ましくは0.03mL/分以上2.0mL/分以下、更に好ましくは0.03mL/分以上1.5mL/分以下、更により好ましくは0.03mL/分以上1.0mL/分以下、更により好ましくは0.05mL/分以上0.5mL/分以下、更により好ましくは0.05mL/分以上0.2mL/分以下である。
[工程(1)における本開示に係る研磨液組成物を研磨機へ供給する方法]
本開示に係る研磨液組成物を研磨機へ供給する方法としては、例えばポンプ等を用いて連続的に供給を行う方法が挙げられる。本開示に係る研磨液組成物を研磨機へ供給する際は、全ての成分を含んだ1液で供給する方法の他、本開示に係る研磨液組成物の保存安定性等を考慮して、複数の配合用成分液に分け、2液以上で供給することもできる。後者の場合、例えば供給配管中又は被研磨基板上で、上記複数の配合用成分液が混合され、本開示に係る研磨液組成物となる。
本開示に係る製造方法は、一又は複数の実施形態において、更に、工程(2)及び(3)を含み、工程(1)と(3)を、互いに別の研磨機で行う。
(2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程(洗浄工程)。
(3)工程(2)で得られた基板をシリカ粒子Bを含有する研磨液組成物Bを用いて研磨対象面を研磨する工程。
工程(3)は、一又は複数の実施形態において、仕上げ研磨をする工程(仕上げ研磨工程)である。
[工程(2)]
工程(2)は、工程(1)で得られた基板を洗浄する工程である。工程(2)は、一又は複数の実施形態において、工程(1)の粗研磨が施された基板を、洗浄剤組成物を用いて洗浄する工程である。工程(2)における洗浄方法は、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、工程(1)で得られた基板を洗浄剤組成物に浸漬する方法(洗浄方法a)、及び、洗浄剤組成物を射出して工程(1)で得られた基板の表面上に洗浄剤組成物を供給する方法(洗浄方法b)が挙げられる。
[工程(2):洗浄方法a]
前記洗浄方法aにおいて、基板の洗浄剤組成物への浸漬条件としては、特に制限はないが、例えば、洗浄剤組成物の温度は、安全性及び操業性の観点から20〜100℃であることが好ましく、浸漬時間は、洗浄剤組成物による洗浄性と生産効率の観点から10秒〜30分間であることが好ましい。さらに、残留物の除去性及び残留物の分散性を高める観点から、洗浄剤組成物には超音波振動が付与されていると好ましい。超音波の周波数としては、好ましくは20kHz以上2000kHz以下、より好ましくは40kHz以上2000kHz以下、更に好ましくは40kHz以上1500kHz以下である。
[工程(2):洗浄方法b]
前記洗浄方法bでは、残留物の洗浄性や油分の溶解性を促進させる観点から、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出して、基板の表面に洗浄剤組成物を接触させて当該表面を洗浄するか、又は、洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に射出により供給し、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。更には、前記洗浄方法bとしては、超音波振動が与えられている洗浄剤組成物を射出により洗浄対象の表面に供給し、かつ、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。
洗浄剤組成物を被洗浄基板の表面上に供給する手段としては、スプレーノズル等の公知の手段を用いることができる。洗浄用ブラシとしては、特に制限はなく、例えばナイロンブラシやPVA(ポリビニルアルコール)スポンジブラシ等の公知のものを使用することができる。超音波の周波数としては、前記洗浄方法aで好ましく採用される値と同様であればよい。
工程(2)では、洗浄方法a及び/又は洗浄方法bに加えて、揺動洗浄、スピンナー等の回転を利用した洗浄、パドル洗浄、スクラブ洗浄等の公知の洗浄を用いる工程を1つ以上含んでもよい。
[工程(2):洗浄剤組成物]
工程(2)の洗浄剤組成物としては、一又は複数の実施形態において、アルカリ剤、水、及び必要に応じて各種添加剤を含有するものが使用できる。
[工程(2):洗浄剤組成物中のアルカリ剤]
前記洗浄剤組成物で使用されるアルカリ剤は、無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤のいずれであってもよい。無機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウム等が挙げられる。有機アルカリ剤としては、例えば、ヒドロキシアルキルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、及びコリンからなる群より選ばれる一種以上が挙げられる。これらのアルカリ剤は、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。洗浄剤組成物の基板上の残留物の分散性の向上、保存安定性の向上の観点から、前記アルカリ剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、及びアミノエチルエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
洗浄剤組成物中におけるアルカリ剤の含有量は、洗浄剤組成物の基板上の残留物に対する高い洗浄性を発現させ、かつ、取扱時の安全性を高める観点から、0.05質量%以上10質量%以下であると好ましく、0.08質量%以上5質量%以下であるとより好ましく、0.1質量%以上3質量%以下であると更に好ましい。
洗浄剤組成物のpHは、基板上の残留物の分散性を向上させる観点から、pH8以上pH14以下であることが好ましく、より好ましくはpH9以上pH13以下、更に好ましくはpH10以上pH13以下、更により好ましくはpH11以上pH13以下である。上記のpHは、25℃における洗浄剤組成物のpHであり、pHメータを用いて測定でき、電極の洗浄剤組成物への浸漬後2分後の数値である。
[工程(2):洗浄剤組成物中の各種添加剤]
洗浄剤組成物には、アルカリ剤以外に、非イオン界面活性剤、キレート剤、エーテルカルボキシレートもしくは脂肪酸、アニオン性界面活性剤、水溶性高分子、消泡剤(成分に該当する界面活性剤は除く。)、アルコール類、防腐剤、酸化防止剤等が含まれていてもよい。
洗浄剤組成物に含まれる水以外の成分の含有量は、作業性、経済性や保存安定性向上に対し充分な効果が発現される濃縮度である事と保存安定性向上との両立の観点から、水の含有量と水以外の成分の含有量の合計を100質量%とすると、好ましくは10質量%以上60質量%以下であり、より好ましくは15質量%以上50質量%以下であり、更に好ましくは15質量%以上40質量%以下である。
洗浄剤組成物は、希釈して用いられる。希釈倍率は、洗浄効率を考慮すると、好ましくは10倍以上500倍以下、より好ましくは20倍以上200倍以下、更に好ましくは50倍以上100倍以下である。希釈用の水は、前述の研磨液組成物と同様のものでよい。洗浄剤組成物は、前記希釈倍率を前提とした濃縮物とすることができる。よって、洗浄剤組成物が希釈倍率を前提とした濃縮物の場合には、洗浄剤組成物に含まれる水以外の成分の含有量は、水の含有量と水以外の成分の含有量の合計を100質量%とすると、好ましくは0.02質量%以上6質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上3質量%以下であり、更に好ましくは0.15質量%以上1質量%以下である。
[工程(3)]
工程(3)は、シリカ粒子及び水を含有する研磨液組成物Bを工程(2)で得られた基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨基板を動かして前記研磨対象面を研磨する工程である。工程(3)で使用される研磨機は、突起欠陥低減の観点、及び、その他の表面欠陥を効率よく低減するため粗研磨とポア径の異なるパッドを使用する観点から、工程(1)で用いた研磨機とは別の研磨機である。工程(3)で使用される研磨液組成物を、本開示において研磨液組成物Bともいう。研磨液組成物Bに含有されるシリカ粒子を、本開示において、シリカ粒子Bともいう。
本態様の磁気ディスク基板の製造方法は、工程(1)の粗研磨工程、工程(2)の洗浄工程、及び、工程(3)の仕上げ研磨工程を含むことにより、粗研磨の研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥が低減され、仕上げ研磨後の突起欠陥が低減された基板を効率的に製造することができる。
[工程(3):研磨液組成物B]
工程(3)で使用される研磨液組成物Bは、仕上げ研磨後の突起欠陥低減の観点から、砥粒としてシリカ粒子Bを含有する。使用されるシリカ粒子Bは、仕上げ研磨後の長波長うねり低減の観点から、好ましくはコロイダルシリカである。研磨液組成物Bは、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、アルミナ砥粒を実質的に含まないことが好ましい。シリカ粒子Bは、一又は複数の実施形態において、球状である。
研磨液組成物Bに用いられるシリカ粒子Bの体積平均粒子径(D50)は、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、5nm以上50nm以下が好ましく、より好ましくは10nm以上45nm以下、更に好ましくは15nm以上40nm以下、更により好ましくは20nm以上35nm以下である。そして、シリカ粒子Bの体積平均粒子径(D50)は、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、工程(1)の研磨液組成物に含有される非球状シリカ粒子の体積平均粒子径(D50)より小さいことが好ましい。該体積平均粒子径は、実施例に記載の方法により求めることができる。
シリカ粒子Bの粒子径の標準偏差は、仕上げ研磨後の突起欠陥を低減する観点から、5nm以上40nm以下が好ましく、より好ましくは10nm以上35nm以下、更に好ましくは15nm以上30nm以下である。該標準偏差は実施例に記載の方法により求めることができる。
研磨液組成物Bに含まれるシリカ粒子Bの含有量は、仕上げ研磨後の長波長うねり及び突起欠陥を低減する観点から、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、1.0質量%以上15質量%以下がより好ましく、3.0質量%以上13質量%以下が更に好ましく、4.0質量%以上10質量%以下が更により好ましい。
研磨液組成物Bは、仕上げ研磨後の長波長うねり及び突起欠陥を低減する観点から、複素環芳香族化合物、多価アミン化合物、及びアニオン性基を有する高分子から選ばれる1種以上を含有することが好ましく、2種以上含有することがより好ましく、複素環芳香族化合物、多価アミン化合物、及びアニオン性基を有する高分子を含有することが更に好ましい。
研磨液組成物Bは、研磨速度を向上する観点から、酸及び酸化剤から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。酸、酸化剤の好ましい使用態様については、前述の本開示に係る研磨液組成物の場合と同様である。研磨液組成物Bに用いられる水、研磨液組成物BのpH、研磨液組成物Bの調製方法については、前述の本開示に係る研磨液組成物の場合と同様である。
[工程(3):研磨パッド]
工程(3)で使用される研磨パッドは、工程(1)で使用される研磨パッドAと同種の研磨パッドが使用されうる。工程(3)で使用される研磨パッドの表面の気孔部の平均気孔径は、仕上げ研磨後の長波長うねり及び突起欠陥を低減する観点から、1μm以上50μm以下が好ましく、より好ましくは2μm以上40μm以下、更に好ましくは3μm以上30μm以下である。
[工程(3):研磨荷重]
工程(3)における研磨荷重は、仕上げ研磨後の長波長うねり及び突起欠陥を低減する観点から、16kPa以下が好ましく、より好ましくは14kPa以下、更に好ましくは13kPa以下である。そして、仕上げ研磨後の長波長うねり及び突起欠陥を低減する観点から、7.5kPa以上が好ましく、より好ましくは8.5kPa以上、更に好ましくは9.5kPa以上である。より具体的には、前記研磨荷重は、仕上げ研磨後の長波長うねり及び突起欠陥を低減する観点から、7.5kPa以上16kPa以下が好ましく、より好ましくは8.5kPa以上14kPa以下、更に好ましくは9.5kPa以上13kPa以下である。
[工程(3):研磨量]
工程(3)における、被研磨基板の単位面積(1cm2)あたりかつ研磨時間1分あたりの研磨量は、仕上げ研磨後の長波長うねり及び突起欠陥を低減する観点から、0.02mg以上が好ましく、より好ましくは0.03mg以上、更に好ましくは0.04mg以上である。そして、生産性向上の観点からは、0.15mg以下が好ましく、より好ましくは0.12mg以下、更に好ましくは0.10mg以下である。したがって、前記研磨量は、前記と同様の観点から、0.02mg以上0.15mg以下が好ましく、より好ましくは0.03mg以上0.12mg以下、更に好ましくは0.04mg以上0.10mg以下である。
工程(3)における研磨液組成物Bの供給速度及び研磨液組成物Bを研磨機へ供給する方法については、前述の工程(1)における本開示に係る研磨液組成物の場合と同様である。
本開示の製造方法によれば、一又は複数の実施形態において、粗研磨において研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減できるから、突起欠陥が低減された磁気ディスク基板を高い基板収率で、生産性よく製造できるという効果が奏されうる。
[研磨方法]
本開示は、その他の態様として、上述した工程(1)、工程(2)、工程(3)を有する研磨方法に関する。本開示の研磨方法の工程(1)〜(3)における被研磨基板、本開示に係る研磨液組成物、非球状シリカ粒子、研磨液組成物B、シリカ粒子B、研磨方法及び条件、洗浄剤組成物、並びに洗浄方法については、上述の本開示に係る磁気ディスク基板の製造方法と同様とすることができる。本開示の研磨方法において、工程(1)と工程(3)とは別の研磨機で行うことが好ましい。
本開示は、更にその他の態様として、下記(1a)〜(3a)の工程を有し、下記工程(1a)と下記工程(3a)とは別の研磨機で行う磁気ディスク基板の研磨方法に関する。下記工程(1a)〜(3a)における被研磨基板、研磨パッド、本開示に係る研磨液組成物、研磨液組成物B、シリカ粒子B、研磨方法及び条件、洗浄剤組成物、並びに洗浄方法については、上述の本開示の磁気ディスク基板の製造方法と同様とすることができる。
(1a)本開示に係る研磨液組成物を用い、被研磨基板であるNi−Pめっきアルミニウム合金基板の研磨対象面を研磨する工程。
(2a)工程(1a)で得られた基板を洗浄する工程。
(3a)シリカ粒子B及び水を含有する研磨液組成物Bを工程(2a)で得られた基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び前記被研磨基板の少なくとも一方を動かして前記研磨対象面を研磨する工程。
本開示の研磨方法を使用することにより、一又は複数の実施形態において、粗研磨において研磨速度を大幅に損なうことなく長周期欠陥を低減できるから、突起欠陥が低減された磁気ディスク基板を高い基板収率で、生産性よく製造できるという効果が奏されうる。
本発明にかかる磁気ディスク基板の製造方法及び研磨方法は、一又は複数の実施形態において、図3に示すような、本開示に係る研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨する第一の研磨機と、前記第一研磨機で研磨した基板を洗浄する洗浄ユニットと、研磨液組成物Bを用いて洗浄後の基板を研磨する第二の研磨機とを備える磁気ディスク基板の研磨システムにより行うことができる。したがって、本発明は、一態様において、本開示に係る研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨する第一の研磨機と、前記第一研磨機で研磨した基板を洗浄する洗浄ユニットと、研磨液組成物Bを用いて洗浄後の基板を研磨する第二の研磨機とを備える磁気ディスク基板の研磨システムに関する。本開示に係る研磨液組成物及び研磨液組成物Bは前述のとおりであり、被研磨基板、各研磨機で使用される研磨パッド、研磨方法及び条件、洗浄剤組成物、並びに洗浄方法については、上述の本開示に係る磁気ディスク基板の製造方法と同様とすることができる。
本開示は更に以下の一又は複数の実施形態に関する。
<1> 非球状シリカ粒子、窒素含有化合物、及び水を含み、前記非球状シリカ粒子が2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状であり、前記窒素含有化合物が分子内にN原子を2又は3個有する有機アミン化合物である、磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<2> 前記非球状シリカ粒子は、金平糖型のシリカ粒子A1、異形型のシリカ粒子A2、及び異形かつ金平糖型のシリカ粒子A3からなる群から選択される少なくとも1種類のシリカ粒子であって、金平糖型のシリカ粒子A1は、最も小さいシリカ粒子の粒径を基準にして、粒径が5倍以上異なる2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状であり、異形型のシリカ粒子A2は、最も小さいシリカ粒子の粒径を基準にして、粒径が1.5倍以内の2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状であり、異形かつ金平糖型のシリカ粒子A3は、粒径が1.5倍以内の2つ以上の粒子が凝集又は融着した粒子に、更に、凝集又は融着した前記粒子の最も小さいシリカ粒子の粒径を基準にして粒径が1/5以下の小さな粒子が凝集又は融着した形状である、<1>記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<3> 非球状シリカ粒子におけるシリカ粒子A1、A2、及びA3の合計の含有量が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、更により好ましくは90質量%以上である、<2>記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<4> 非球状シリカ粒子が金平糖型のシリカ粒子A1及び異形型のシリカ粒子A2からなる群から選択される少なくとも1種を含み、シリカ粒子A1とシリカ粒子A2との合計の含有量が、非球状シリカ中、80質量%以上である、<2>又は<3>に記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<5> 非球状シリカ粒子の平均粒子径(D50)が、好ましくは50nm以上、より好ましくは60nm以上、更に好ましくは100nm以上、更により好ましくは110nm以上である、<1>から<4>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<6> 非球状シリカ粒子の平均粒子径(D50)が、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下、更に好ましくは300nm以下、更により好ましくは200nm以下、更により好ましくは170nm以下である、<1>から<5>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<7> 非球状シリカ粒子の平均粒子径(D50)が、好ましくは50nm以上500nm以下であり、より好ましくは60nm以上400nm以下、更に好ましくは100nm以上300nm以下、更により好ましくは110nm以上200nm以下、更により好ましくは110nm以上170nm以下である、<1>から<6>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<8> 非球状シリカ粒子の絶対最大長の平均値が、好ましくは80nm以上、より好ましくは90nm以上、更に好ましくは100nm以上、更により好ましくは110nm以上、更により好ましくは120nm以上である、<1>から<7>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<9> 非球状シリカ粒子の絶対最大長の平均値が、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下、更に好ましくは350nm以下である、<1>から<8>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<10> 非球状シリカ粒子の絶対最大長の平均値が、好ましくは80nm以上500nm以下であり、より好ましくは90nm以上400nm以下、更に好ましくは90nm以上350nm以下である、<1>から<9>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<11> 電子顕微鏡観察で得られる粒子の絶対最大長を直径とする円の面積bを電子顕微鏡観察で得られる該粒子の投影面積aで除して100を乗じた面積率(b/a×100)が110%以上200%以下であるシリカ粒子を全シリカ粒子に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは30質量%以上100質量%以下、更に好ましくは50質量%以上100質量%以下、更により好ましくは70質量%以上100質量%以下、更により好ましくは80質量%以上100質量%以下、更により好ましくは90質量%以上100質量%以下含有する、<1>から<10>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<12> 非球状シリカ粒子の、電子顕微鏡観察で得られる粒子の絶対最大長を直径とする円の面積bを電子顕微鏡観察で得られる該粒子の投影面積aで除して100を乗じた面積率(b/a×100)の平均値が、好ましくは110%以上200%以下であり、より好ましくは120%以上190%以下、更に好ましくは130%以上185%以下、更により好ましくは140%以上180%以下である、<1>から<11>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<13> 非球状シリカ粒子のBET比表面積が、好ましくは10m2/g以上200m2/g以下、より好ましくは20m2/g以上100m2/g以下、更に好ましくは30m2/g以上80m2/g以下である、<1>から<12>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<14> 前記研磨液組成物に含まれる非球状シリカ粒子の含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、更により好ましいは2質量%以上である、<1>から<13>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<15> 前記研磨液組成物に含まれる非球状シリカ粒子の含有量が、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましく20質量%以下、更により好ましく15質量%以下である、<1>から<14>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<16> 前記研磨液組成物に含まれる非球状シリカ粒子の含有量が、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上25質量%以下、更に好ましくは1質量%以上20質量%以下、更により好ましくは2質量%以上15質量%以下である、<1>から<15>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<17> 前記研磨液組成物がさらに球状シリカ粒子を含み、球状シリカ粒子と非球状シリカ粒子との質量比(球状シリカ/非球状シリカ)が、好ましくは0を超え30/70以下、より好ましくは0を超え25/75以下、更に好ましくは0を超え20/80以下である、<1>から<16>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<18> 前記窒素含有化合物が第1級から3級までのいずれかのアミノ基を有する1種又はそれらの混合物である、<1>から<17>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<19> 前記窒素含有化合物の分子量が、好ましくは60以上500以下、より好ましくは60以上300以下、更に好ましくは60以上150以下、更により好ましくは60以上135以下である、<1>から<18>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<20> 前記研磨液組成物に含まれる前記窒素含有化合物の含有量が、好ましくは0.0025質量%以上、より好ましくは0.0050質量%以上、更に好ましくは0.010質量%以上である、<1>から<19>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<21> 前記研磨液組成物に含まれる前記窒素含有化合物の含有量が、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.30質量%以下、更に好ましくは0.20質量%以下、更により好ましくは0.15質量%以下、更により好ましくは0.10質量%以下である、<1>から<20>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<22> 前記研磨液組成物に含まれる前記窒素含有化合物の含有量が、好ましくは0.0025質量%以上1.0質量%以下、より好ましくは0.0025質量%以上0.20質量%以下、更に好ましくは0.0050質量%以上0.15質量%以下、更により好ましくは0.0050質量%以上0.10質量%以下である、<1>から<21>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<23> 非球状シリカ粒子と窒素含有化合物との含有量比[シリカ粒子の含有量(質量%)/窒素含有化合物の含有量(質量%)]が、好ましくは0.1以上5000以下、より好ましくは1以上4000以下、更に好ましくは5以上2400以下、更により好ましくは40以上1200以下、更により好ましくは60以上600以下である、<1>から<22>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<24> 該研磨液組成物のpHが、好ましくはpH0.5以上pH6.0以下、より好ましくはpH0.7以上pH4.0以下、更に好ましくはpH0.9以上pH3.0以下、更により好ましくはpH1.0以上pH3.0以下、更により好ましくはpH1.0以上pH2.0以下である、<1>から<23>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<25> (1)研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、(2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、(3)シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて工程(2)で得られた基板の研磨対象面を研磨する工程を有し、前記工程(1)と(3)は別の研磨機で行う研磨方法における工程(1)の研磨に用いられる、<1>から<24>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<26> 工程(3)の研磨液組成物に含有されるシリカ粒子のレーザー光散乱法で測定した体積平均粒子径(D50)が、工程(1)の研磨液組成物に含有される非球状シリカ粒子のレーザー光散乱法で測定した体積平均粒子径(D50)より小さいシリカ粒子である、<1>から<25>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<27> 前記工程(1)における研磨パッドが、ベース層と発泡した表面層とを有し前記表面層の圧縮率が2.5%以上であり、かつ、スエードタイプである、<1>から<26>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<28> 磁気ディスク基板が、Ni−Pめっきアルミニウム合金基板である、<1>から<27>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<29> 前記研磨液組成物は、好ましくは酸及び酸化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含有する、<1>から<28>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<30> 前記酸は、好ましくは、リン酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、カテコールジスルホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種、より好ましくは硫酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種、更に好ましくは硫酸である、<29>に記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<31> 前記酸及びその塩として、2種以上を混合して用いることが好ましく、リン酸、硫酸、クエン酸、酒石酸及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、カテコールジスルホン酸、及びアミノトリ(メチレンホスホン酸)からなる群から選択される2種以上の酸を混合して用いることがより好ましい、<29>又は<30>に記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<32> 前記酸の塩としては、好ましくは前記酸と、金属、アンモニウム及びアルキルアンモニウムからなる群から選択される少なくとも1種との塩であり、より好ましくは前記酸と、1A族に属する金属又はアンモニウムとの塩である、<29>から<31>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<33> 前記酸の含有量は、研磨液組成物中、好ましくは0.001質量%以上5質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上4質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以上3質量%以下、更により好ましくは0.1質量%以上2質量%以下である、<29>から<32>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<34> 前記酸化剤としては、好ましくは過酸化水素、硝酸鉄(III)、過酢酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、硫酸鉄(III)及び硫酸アンモニウム鉄(III)からなる群から選択される少なくとも1種であり、より好ましくは過酸化水素である、<29>から<33>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<35> 前記酸化剤の含有量は、研磨液組成物中、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である、<29>から<34>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<36> 前記酸化剤の含有量は、研磨液組成物中、好ましくは4質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である、<29>から<35>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<37> 前記酸化剤の含有量は、研磨液組成物中、好ましくは0.01質量%以上4質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以上1.5質量%以下である、<29>から<36>のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
<38> (1)<1>から<37>のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、(2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、(3)シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて工程(2)で得られた基板の研磨対象面を研磨する工程を有し、前記工程(1)と(3)は別の研磨機で行う、磁気ディスク基板の製造方法。
<39> 前記工程(1)における研磨パッドが、ベース層と発泡した表面層とを有し前記表面層の圧縮率が2.5%以上であり、かつ、スエードタイプである、<38>記載の磁気ディスク基板の製造方法。
<40> <1>から<37>のいずれかに記載の研磨液組成物、及び、ベース層と発泡した表面層とを有し前記表面層の圧縮率が2.5%以上であるスエードタイプの研磨パッドを用いて被研磨基板であるNi−Pめっきアルミニウム合金基板の研磨対象面を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法。
<41> 前記研磨パッドの圧縮率が、好ましくは20.0%以下、より好ましくは15.0%以下、更に好ましくは10.0%以下、更により好ましくは7.0%以下、更により好ましくは5.0%以下である、<39>又は<40>に記載の磁気ディスク基板の製造方法。
<42> 前記研磨パッドの表面層がポリウレタン製である、<39>から<41>のいずれかに記載の磁気ディスク基板の製造方法。
<43> 前記研磨パッドは、連続発泡タイプの研磨パッドである、<39>から<42>のいずれかに記載の磁気ディスク基板の製造方法。
<44> 前記研磨パッドの表面部材は、ポリウレタンエラストマーを含む、<39>から<43>のいずれかに記載の磁気ディスク基板の製造方法。
<45> <1>から<37>のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨する第一の研磨機と、前記第一研磨機で研磨した基板を洗浄する洗浄ユニットと、シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて洗浄後の基板を研磨する第二の研磨機とを備える磁気ディスク基板の研磨システム。
<46> 前記第一の研磨機における研磨パッドが、ベース層と発泡した表面層とを有し前記表面層の圧縮率が2.5%以上であり、かつ、スエードタイプである、<45>記載の磁気ディスク基板の研磨システム。
<47> 前記研磨パッドの表面層がポリウレタン製である、<46>に記載の磁気ディスク基板の研磨システム。
<48> 前記研磨パッドは、連続発泡タイプの研磨パッドである、<46>又は<47>に記載の磁気ディスク基板の研磨システム。
<49> 前記研磨パッドの表面部材は、ポリウレタンエラストマーを含む、<46>から<48>のいずれかに記載の磁気ディスク基板の研磨システム。
<50> (1)<1>から<37>のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、(2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、(3)シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて工程(2)で得られた基板の研磨対象面を研磨する工程を有し、前記工程(1)と(3)は別の研磨機で行う、磁気ディスク基板の研磨方法。
<51> 前記工程(1)における研磨パッドが、ベース層と発泡した表面層とを有し前記表面層の圧縮率が2.5%以上であり、かつ、スエードタイプである、<50>記載の磁気ディスク基板の研磨方法。
<52> 前記研磨パッドの圧縮率が、好ましくは20.0%以下、より好ましくは15.0%以下、更に好ましくは10.0%以下、更により好ましくは7.0%以下、更により好ましくは5.0%以下である、<51>に記載の磁気ディスク基板の製造方法。
<53> 前記研磨パッドの表面層がポリウレタン製である、<51>又は<52>に記載の磁気ディスク基板の研磨方法。
<54> 前記研磨パッドは、連続発泡タイプの研磨パッドである、<51>から<53>のいずれかに記載の磁気ディスク基板の研磨方法。
<55> 前記研磨パッドの表面部材は、ポリウレタンエラストマーを含む、<51>から<54>のいずれかに記載の磁気ディスク基板の研磨方法。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
下記のとおりに工程(1)に用いる本開示に係る研磨液組成物及び工程(3)に用いる研磨液組成物Bを調製し、工程(1)〜(3)を含む下記の条件の被研磨基板の研磨を行った。研磨液組成物の調製方法、使用した添加剤、各パラメータの測定方法、研磨条件(研磨方法)及び評価方法は以下のとおりである。
1.研磨液組成物の調製
[工程(1)に用いる本開示に係る研磨液組成物の調製]
表1のシリカ砥粒(コロイダルシリカ粒子)、下記添加剤(有機アミン化合物)、酸(硫酸、又は、硫酸とリン酸との混合物)、酸化剤(過酸化水素)、及び水を用い、工程(1)に用いる本開示に係る研磨液組成物を調製した(実施例1〜44、参考例1〜8、13及び比較例9〜12)(表3〜8)。本開示に係る研磨液組成物における各成分の含有量は、コロイダルシリカ粒子:6質量%、添加剤:0.0025−0.15質量%、過酸化水素:0.5質量%とした。酸として硫酸のみを用いた場合、硫酸の研磨液組成物中の含有量は、0.5質量%とした。酸として硫酸とリン酸との混合物を用いた場合、硫酸の研磨液組成物中の含有量は0.2質量%とし、リン酸の研磨液組成物中の含有量は1.5質量%とした。本開示に係る研磨液組成物のpHは1.4であった。表1のシリカ砥粒のコロイダルシリカ粒子は水ガラス法で製造されたものである。表1のシリカ砥粒5には、砥粒4と砥粒cとの混合物(砥粒4/砥粒c=90/10)を使用した(表1)。pHは、pHメータを用いて測定し、電極を研磨液組成物へ浸漬して2分後の数値を採用した(以下、同様)。
表1のシリカ砥粒のタイプは、一又は複数の実施形態において、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察写真及びそれを用いた分析で判別されうる分類である。
「異形型シリカ粒子」とは、2つ以上の粒子が凝集又は融着したような形状の非球状シリカ粒子をいう。異形型シリカ粒子は、一又は複数の実施形態において、粒径が1.5倍以内の2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状の粒子をいう。
「金平糖型シリカ粒子」とは、球状の粒子表面に特異な疣状突起を有する非球状シリカ粒子をいう。金平糖型シリカ粒子は、一又は複数の実施形態において、粒径が5倍以上異なる2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状の粒子をいう。
異形型コロイダルシリカ砥粒の電子顕微鏡(TEM)観察写真の一例を図1に、金平糖型コロイダルシリカ砥粒の電子顕微鏡(TEM)観察写真の一例を図2に示す。
「球状シリカ粒子」とは、真球に近い球形状の粒子(一般的に市販されているコロイダルシリカ)をいう。
シリカ粒子の粒径は、電子顕微鏡(TEM)観察画像において1つの粒子内で測定される円相当径、すなわち、粒子の投影面積と同じ面積の等価円の長径として求められる粒径である。
本開示に係る研磨液組成物に使用した添加剤である有機アミン化合物は以下のとおり。
AEA:N−(β―アミノエチル)エタノールアミン(分子量104.5、窒素原子数2):実施例1、6〜19、比較例10、12
エチレンジアミン(分子量60.11、窒素原子数2):実施例2
HEP:N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(分子量130.19、窒素原子数2):実施例3
ピペラジン(分子量86.14、窒素原子数2):実施例4、20〜44
DETA:ジエチレントリアミン(分子量103.17、窒素原子数3):実施例5
エチルアミン(分子量45.08、窒素原子数1):参考例2
TETA:トリエチレンテトラミン(分子量146.23、窒素原子数4):参考例3
TEPA:テトラエチレンペンタミン(分子量189.3、窒素原子数5):参考例4
PEHA:ペンタエチレンヘキサミン(分子量232.37、窒素原子数6):参考例5
ポリエチレンイミン(分子量600):参考例6
ポリアリルアミン(分子量1000):参考例7
DADMAC:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(分子量4000):参考例8
添加アミンなし:参考例1、13、比較例9、11
[工程(3)に用いる研磨液組成物Bの調製]
表2のコロイダルシリカ粒子(砥粒d)、硫酸、過酸化水素、及び水を用い、研磨液組成物Bを調製した。研磨液組成物Bにおける各成分の含有量は、コロイダルシリカ粒子:5.0質量%、硫酸:0.5質量%、過酸化水素:0.5質量%とした。研磨液組成物BのpHは1.4であった。この研磨液組成物Bを実施例1〜44、参考例1〜8、13及び比較例9〜12の研磨における工程(3)で使用した。
2.各パラメータの測定方法
[シリカ砥粒の体積平均粒子径]
シリカ砥粒をイオン交換水で希釈し、シリカ砥粒を1質量%含有する分散液を作製し、該分散液を下記測定装置内に投入し、平均粒子径を測定した。
測定機器 :マルバーン ゼータサイザー ナノ「Nano S」
測定条件 :サンプル量 1.5mL
:レーザー He―Ne、3.0mW、633nm
:散乱光検出角 173°
得られた体積分布粒径の累積体積頻度が10%、50%及び90%となる粒径を、それぞれ、D10、D50(体積平均粒子径)、及びD90とした。
[シリカ砥粒の形状及び面積率の測定方法]
シリカ砥粒を日本電子製透過型電子顕微鏡(TEM)(商品名「JEM−2000FX」、80kV、1〜5万倍)で観察した写真をパソコンにスキャナで画像データとして取込み、解析ソフト「WinROOF(Ver.3.6)」(販売元:三谷商事)を用いて1000〜2000個のシリカ粒子データについて個々のシリカ粒子の絶対最大長を求め、絶対最大長の平均値(平均絶対最大長)を得た。絶対最大長を直径とする円の面積bを電子顕微鏡観察で得られる該粒子の投影面積aで除し100を乗じて、面積率(b/a×100)(%)を算出した。そして、面積率(b/a×100)が110〜200%である粒子のシリカ砥粒に対する割合を算出した。さらに、平均絶対最大長の円面積bを前記投影面積aの平均値で除し100を乗じた値を平均面積率(b/a×100)として算出した。
[アルミナ粒子の平均二次粒子径の測定]
ポイズ530(花王社製、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)を0.5質量%含有する水溶液を分散媒として、下記測定装置内に投入し、続いて透過率が75〜95%になるようにサンプルを投入し、その後、5分間超音波を掛けた後、粒径を測定した。
測定機器 :堀場製作所製 レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置 LA920
循環強度 :4
超音波強度:4
3.研磨条件
被研磨基板の研磨を工程(1)〜(3)に従い行った。各工程の条件を以下に示す。工程(3)は、工程(1)で使用した研磨機とは別個の研磨機で行った。
[被研磨基板]
被研磨基板は、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板を用いた。この被研磨基板は、厚み1.27mm、直径95mmであった。
[工程(1):粗研磨]
研磨機:両面研磨機(9B型両面研磨機、スピードファム社製)
研磨液:研磨液組成物
研磨パッド:スエードタイプ(発泡層:ポリウレタンエラストマー)、
厚み0.82−1.26mm
平均気孔径20−30μm (Filwel、Fujibo社製)
表面層の圧縮率:2.5〜15.7%
(実施例1−16,19,20,25,30,35,44,参考例1〜8,13比較例9〜12:2.5%)
(実施例24,29,34,39,43:3.0%)
(実施例23,28,33,38,42:3.7%)
(実施例22,27,32,37,41:8.5%)
(実施例17,21,26,31,36,40:10.2%)
(実施例18:15.7%)
定盤回転数:35rpm
研磨荷重:9.8kPa(設定値)
研磨液供給量:100mL/分(0.076mL/(cm2・分))
研磨時間:6分
研磨量:0.1〜1.6mg/cm2
投入した基板の枚数:10枚
[工程(2):洗浄]
工程(1)で得られた基板を、下記条件で洗浄した。
1. 0.1質量%のKOH水溶液からなるpH12のアルカリ性洗浄剤組成物の入った槽内に、工程(1)で得られた基板を5分間浸漬する。
2. 浸漬後の基板を、イオン交換水で20秒間すすぎを行う。
3. すすぎ後の基板を洗浄ブラシがセットされたスクラブ洗浄ユニットに移送し洗浄する。
[工程(3):仕上げ研磨]
研磨機:両面研磨機(9B型両面研磨機、スピードファム社製)、工程(1)で使用した研磨機とは別個の研磨機
研磨液:研磨液組成物B
研磨パッド:スエードタイプ(発泡層:ポリウレタンエラストマー)、厚み0.9mm、平均気孔径5μm、表面層の圧縮率:10.2%(Fujibo社製)
定盤回転数:40rpm
研磨荷重:9.8kPa
研磨液供給量:100mL/分(0.076mL/(cm2・分))
研磨時間:2分
研磨量:0.04〜0.10mg/(cm2・分)
投入した基板の枚数:10枚
工程(3)後に、洗浄を行った。洗浄条件は、前記工程(2)と同条件で行った。
4.評価方法
[工程(1)の研磨速度の測定方法及び評価]
研磨前後の各基板の重さを計り(Sartorius社製、「BP−210S」)を用いて測定し、下記式に導入することにより研磨量を求め、参考例1を100とした研磨速度の相対値を算出した。その結果を、表3〜8に示す。
重量減少量(g)={研磨前の重量(g)−研磨後の重量(g)}
研磨量(μm)=重量減少量(g)/基板片面面積(mm2)/2/Ni−Pメッキ密度(g/cm3)×106
(基板片面面積は、6597mm2、Ni−Pメッキ密度8.4g/cm3として算出)
研磨速度を下記基準で4段階評価した。その結果を、表3〜8に示す。
[評価基準]
研磨速度(相対値):評価
105以上 :「A:研磨速度に優れ、更なる基板収率向上が期待できる」
95以上105未満:「B:研磨速度が良好で、基板収率向上が期待できる」
80以上95未満 :「C:実生産には改良が必要」
80未満 :「D:基板収率が大幅に低下する」
[工程(1)後の基板表面の長周期欠陥(PED)の評価方法]
工程(1)の研磨後の10枚の基板の両面(計20点)について、下記の条件で測定し
発生率(%)を求めた。図4に示す様に基板表面に確認できる小さな斑点がPEDであり、基板表面にそれが1点でも目視で確認できた場合、その面は長周期欠陥有りとみなした。
長周期欠陥発生率(%)
=(長周期欠陥が発生している基板面の数/20)×100
長周期欠陥発生率を下記基準で6段階評価した。すなわち、値が大きいほど長周期欠陥の発生率が低いことを意味する。その結果を、表3〜8に示す。
[評価基準]
長周期欠陥発生率:評価
5%以下 :「6:極めて発生が抑制され、更なる基板収率向上が期待できる」
5%超10%以下 :「5:極めて発生が抑制され、基板収率向上が期待できる」
10%越20%以下:「4:実生産可能」
20%越30%以下:「3:実生産には改良が必要」
30%越50%以下:「2:基板収率が大幅に低下する」
50%以上 :「1:実生産には程遠い(一般的なシリカ砥粒を用いた場合と同じレベル)」
[測定機器]
光干渉型表面形状測定機:OptiFLATIII(KLA Tencor社製)
Radius Inside/Out:14.87mm/47.83mm
Center X/Y:55.44mm/53.38mm
Low Cutoff:2.5mm
Inner Mask:18.50mm、Outer Mask:45.5mm
Long Period:2.5mm、Wa Correction:0.9、Rn Correction:1.0
No Zernike Terms:8
[工程(3)後の突起欠陥の評価方法]
測定機器:OSA7100(KLA Tencor社製)
評価:研磨液組成物Bを用いて研磨を行い、その後、無作為に4枚を選択し、各々の基板を10000rpmにてレーザーを照射して砥粒突き刺さり数を測定した。その4枚の基板の各々両面にある砥粒突き刺さり数(個)の合計を8で除して、基板面当たりの砥粒突き刺さり数(突起欠陥数)(参考例1を100とした相対値)を算出した。突起欠陥数の相対値、及び、突起欠陥数を下記基準で評価した結果を、表3〜8に示す。
[評価基準]
突起欠陥数(相対値):評価
105以下 :「A:極めて発生が抑制され、基板収率向上が期待できる」
105超120以下:「B:実生産可能」
120超160以下:「C:実生産には改良が必要」
160越 :「D:基板収率が大幅に低下する」
5.結果
実施例1〜5、参考例1〜8、比較例9〜12の結果を表3に、実施例1及び実施例6〜11の結果を表4に、実施例1及び実施例12〜16の結果を表5に、実施例15、17、18及び参考例13の結果を表6に示す。実施例1、4及び実施例19〜20の結果を表7に示す。実施例4、実施例21〜44及び参考例1の結果を表8に示す。
表3〜6に示すとおり、実施例1〜18では、参考例1〜8、13及び比較例9〜12に比べて、工程(1)における粗研磨の研磨速度を大きく損ねることなく、そして、工程(3)の仕上げ研磨後の基板の突起欠陥数を悪化させることなく、工程(1)における粗研磨後の長周期欠陥(PED)を低減できた。
非球状シリカ粒子と球状シリカ粒子を含む砥粒5を使用した実施例15では、工程(1)における粗研磨後の長周期欠陥(PED)を低減できたことに加え、実施例1〜14、16と比較して、工程(1)における粗研磨の研磨速度が高く、そして、工程(3)の仕上げ研磨後の基板の突起欠陥数が低減された。
さらに、表6からは以下のことが分かる。すなわち、実施例15と実施例17では、実施例17の研磨速度が15%低く、かつ、研磨時間が固定されているため、研磨量は少ない。しかしながら、研磨パッドの圧縮率が高いため、少ない研磨量にも関わらず、長周期欠陥を低減することが可能となったことが分かる。
表7に示すとおり、工程(1)における研磨液組成物に使用される酸が二種である実施例19〜20では、工程(1)における研磨液組成物に使用される酸が一種のみである実施例1、4に比べて、工程(1)における粗研磨後の長周期欠陥(PED)が更に低減された。したがって、工程(1)における研磨液組成物に使用される酸としては、2種以上を混合して用いることが好ましいことが分かる。
表8に示すとおり、砥粒1を使用した実施例21〜25、砥粒2を使用した実施例26〜30、砥粒3を使用した実施例31〜35、砥粒4を使用した実施例36〜39及び実施例4、非球状シリカ粒子と球状シリカ粒子を含む砥粒5を使用した実施例40〜44では、いずれも工程(1)における研磨パッドの表面層の圧縮率が大きくなると、工程(1)の粗研磨後の長周期欠陥(PED)がより低減された。一方、工程(1)における研磨パッドの表面層の圧縮率が小さい方が、研磨速度が良好であった。
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、研磨速度を維持しつつ長周期欠陥を低減できるから、磁気ディスク基板製造の生産性を維持しつつ基板収率を向上できる。本開示は、一又は複数の実施形態において、磁気ディスク基板の製造に好適に用いることができる。

Claims (24)

  1. 非球状シリカ粒子、窒素含有化合物、及び水を含み、
    前記非球状シリカ粒子が2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状であり、
    前記窒素含有化合物が分子内にN原子を2又は3個有する有機アミン化合物である、磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  2. 前記非球状シリカ粒子は、金平糖型のシリカ粒子A1、異形型のシリカ粒子A2、及び異形かつ金平糖型のシリカ粒子A3からなる群から選択される少なくとも1種類のシリカ粒子であって、
    金平糖型のシリカ粒子A1は、最も小さいシリカ粒子の粒径を基準にして、粒径が5倍以上異なる2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状であり、
    異形型のシリカ粒子A2は、最も小さいシリカ粒子の粒径を基準にして、粒径が1.5倍以内の2つ以上の粒子が凝集又は融着した形状であり、
    異形かつ金平糖型のシリカ粒子A3は、粒径が1.5倍以内の2つ以上の粒子が凝集又は融着した粒子に、さらに、凝集又は融着した前記粒子の最も小さいシリカ粒子の粒径を基準にして粒径が1/5以下の小さな粒子が凝集又は融着した形状である、請求項1記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  3. 前記非球状シリカ粒子の電子顕微鏡観察で得られる粒子の絶対最大長の平均が、80.0nm以上500.0nm以下である、請求項1又は2に記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  4. 電子顕微鏡観察で得られる粒子の絶対最大長を直径とする円の面積bを電子顕微鏡観察で得られる該粒子の投影面積aで除して100を乗じた面積率(b/a×100)が110%以上200%以下であるシリカ粒子を全シリカ粒子に対して30質量%以上含有する、請求項1から3のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  5. 前記窒素含有化合物の含有量が0.0025質量%以上0.20質量%以下である、請求項1から4のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  6. 前記窒素含有化合物が第1級から3級までのいずれかのアミノ基を有する1種又は2種以上の化合物である、請求項1から5のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  7. 前記窒素含有化合物の分子量が、60以上500以下である、請求項1から6のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  8. レーザー光散乱法で測定した非球状シリカ粒子の体積平均粒子径(D50)が、50nm以上500nm以下である、請求項1から7のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  9. 非球状シリカ粒子が金平糖型のシリカ粒子A1及び異形型のシリカ粒子A2からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、シリカ粒子A1とシリカ粒子A2との合計の含有量が、非球状シリカ粒子中、80質量%以上である、請求項2から8のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  10. 該研磨液組成物のpHが0.5以上6.0以下である、請求項1から9のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  11. (1)研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、(2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、(3)シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて工程(2)で得られた基板の研磨対象面を研磨する工程を有し、前記工程(1)と(3)は別の研磨機で行う研磨方法における工程(1)の研磨に用いられる、請求項1から10のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  12. 工程(3)の研磨液組成物に含有されるシリカ粒子のレーザー光散乱法で測定した体積平均粒子径(D50)が、工程(1)の研磨液組成物に含有される非球状シリカ粒子のレーザー光散乱法で測定した体積平均粒子径(D50)より小さいシリカ粒子である、請求項11記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  13. 前記工程(1)に使用される研磨パッドが、ベース層と発泡した表面層とを有し前記表面層の圧縮率が2.5%以上であり、かつ、スエードタイプである、請求項11又は12に記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  14. 磁気ディスク基板が、Ni−Pめっきアルミニウム合金基板である、請求項1から13のいずれかに記載の磁気ディスク基板用研磨液組成物。
  15. (1)請求項1から14のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、
    (2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、
    (3)シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて工程(2)で得られた基板の研磨対象面を研磨する工程を有し、
    前記工程(1)と(3)は別の研磨機で行う、磁気ディスク基板の製造方法。
  16. 前記工程(1)に使用される研磨パッドが、ベース層と発泡した表面層とを有し前記表面層の圧縮率が2.5%以上であり、かつ、スエードタイプである、請求項15記載の磁気ディスク基板の製造方法。
  17. 請求項1から14のいずれかに記載の研磨液組成物、及び、ベース層と発泡した表面層とを有し前記表面層の圧縮率が2.5%以上であるスエードタイプの研磨パッドを用いて被研磨基板であるNi−Pめっきアルミニウム合金基板の研磨対象面を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法。
  18. 前記研磨パッドの表面層がポリウレタン製である、請求項16又は17に記載の磁気ディスク基板の製造方法。
  19. 前記研磨パッドは、連続発泡タイプの研磨パッドである、請求項16から18のいずれかに記載の磁気ディスク基板の製造方法。
  20. 前記研磨パッドの表面部材は、ポリウレタンエラストマーを含む、請求項16から19のいずれかに記載の磁気ディスク基板の製造方法。
  21. 請求項1から14のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨する第一の研磨機と、
    前記第一研磨機で研磨した基板を洗浄する洗浄ユニットと、
    シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて洗浄後の基板を研磨する第二の研磨機とを備える磁気ディスク基板の研磨システム。
  22. 前記第一の研磨機における研磨パッドが、ベース層と発泡した表面層とを有し前記表面層の圧縮率が2.5%以上であり、かつ、スエードタイプである、請求項21記載の磁気ディスク基板の研磨システム。
  23. (1)請求項1から14のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨基板の研磨対象面を研磨する工程、
    (2)工程(1)で得られた基板を洗浄する工程、及び、
    (3)シリカ粒子を含有する研磨液組成物を用いて工程(2)で得られた基板の研磨対象面を研磨する工程を有し、
    前記工程(1)と(3)は別の研磨機で行う、磁気ディスク基板の研磨方法。
  24. 前記工程(1)における研磨パッドが、ベース層と発泡した表面層とを有し前記表面層の圧縮率が2.5%以上であり、かつ、スエードタイプである、請求項23記載の磁気ディスク基板の研磨方法。
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