JP2016001040A - 直動案内装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品精度を高精度とする必要がなく生産性に優れ低コストであるとともに、エンドキャップの厚さが小さくコンパクトな直動案内装置を提供する。【解決手段】保持器4は中央の直線部41と両端の曲部42を備え、スライダ2に非装着時の保持器4における直線部41と曲部42とがなす角度αは鋭角となっている。エンドキャップ2Bの外端面には、曲部42が収容される保持器収容溝21が形成され、保持器収容溝21の溝底部には案内レール1の幅方向外側に向かうに従って案内レール1の長手方向の内側に傾斜する傾斜面23が形成されており、傾斜面23と直線部41とがなす傾斜角度βは角度αよりも大きな鋭角である。前記長手方向の内側に向かう弾性力が生じるように、曲部42は前記長手方向の外側に拡げられて前記長手方向の外側に弾性的に付勢されつつ保持器収容溝21に係合されている。【選択図】図5

Description

本発明は直動案内装置に関する。
従来の直動案内装置としては、例えば下記のようなものがある。一直線状に延びる断面形状略矩形の案内レールの上に、スライダが案内レールの長手方向に移動可能に組み付けられている。スライダは凹部を有して断面形状略U字状をなしており、その凹部内に案内レールの上部を収容するようにして案内レールに組み付けられている。案内レールの両側面には、前記長手方向に延びる断面円弧状の凹溝からなる軌道面が形成されており、案内レールの側面に対向するスライダの内側面(凹部の内面)には、案内レールの軌道面に対向する断面円弧状の凹溝からなる軌道面が形成されている。
そして、案内レールの軌道面とスライダの軌道面との間に転動体であるボールが転動するための転動通路が形成されていて、この転動通路は前記長手方向に延びている。この転動通路内には複数のボールが転動自在に装填されていて、これら複数のボールの転動通路内での転動を介して、スライダが案内レールに案内されつつ前記長手方向に移動可能となっている。
また、スライダは、スライダ本体と、スライダ本体の両端部(前記長手方向の両端部であり、スライダの移動方向の両端部とも言える)に着脱可能に取り付けられたエンドキャップと、で構成されており、スライダの軌道面はスライダ本体の内側面に形成されている。さらに、スライダは、スライダ本体の内部に、転動通路と平行をなして前記長手方向に貫通する直線孔からなる戻し通路を備えている。
一方、エンドキャップの裏面(スライダ本体との当接面)には、円弧状に湾曲する方向転換路が形成されている。このエンドキャップをスライダ本体に取り付けると、方向転換路によって転動通路と戻し通路とが連通される。これら戻し通路と両端の方向転換路とで、ボールを転動通路の終点から始点へ搬送して循環させる転動体搬送路が構成され、転動通路と転動体搬送路とで、略環状の循環経路が構成される。
案内レールに組みつけられたスライダが案内レールに沿って前記長手方向に移動すると、転動通路内に装填されているボールは、転動通路内を転動しつつ案内レールに対してスライダと同方向に移動する。そして、ボールが転動通路の終点に達すると、エンドキャップに設けられたすくい上げ部によって転動通路からすくい上げられ方向転換路へ送られる。方向転換路に入ったボールはUターンして戻し通路に導入され、戻し通路を通って反対側の方向転換路に至る。ここで再びUターンして転動通路の始点に戻り、このような循環経路内の循環を無限に繰り返す。
このような直動案内装置においては、案内レールに組み付ける前など、案内レールに組み付けられていない状態のスライダからのボールの脱落を防止する必要があるため、ワイヤーで形成された保持器をスライダに装着して軌道面内のボールを保持している(特許文献1,2を参照)。保持器によりボールを保持した状態でスライダを案内レールに組み付けると、保持器は案内レールの軌道面の溝底部に形成された保持器用逃げ溝内に収容される。
転動体のすくい上げ部の強度や耐久性をより一層確保し、作動性や静粛性を向上させるために、すくい上げ部のタング先端部を案内レール側から覆うように保持器が配置された直動案内装置が提案されている(特許文献3を参照)。
このように保持器を配置する場合は、エンドキャップの厚さ(前記長手方向の長さ)に制約があるため保持器のコスト上昇となるもののエンドキャップの厚さを小さくすることを優先して平板部材を折り曲げた保持器を使用したり(特許文献4を参照)、転動体の保持性は低下するもののワイヤーで形成された保持器の径を小さくしたりしていた。そのため、前記のような保持器の配置を小型の直動案内装置に対して適用することは難しいという問題があった。
このような事情から、弾性を有する線状素材で形成した保持器の弾性を利用して保持器をスライダに装着した直動案内装置が提案されている(特許文献5を参照)。すなわち、保持器の両端を内側へ湾曲させて、その湾曲させた両端の湾曲部を、スライダ本体の前記長手方向の両端面に形成した係止凹部に係止することにより、保持器がスライダに取り付けられている。この係止凹部の内面形状は、保持器の湾曲部と合致する湾曲形状とされている。
特開平10−231839号公報 実公平5−27693号公報 特許第3314549号公報 実公昭63−26577号公報 特許第2649745号公報
しかしながら、特許文献5に開示の直動案内装置においては、係止凹部の内面形状が保持器両端の湾曲部と合致する湾曲形状とされているため、保持器及び係止凹部を高精度に仕上げ且つ高精度に位置合わせして係止しないと、保持器両端の湾曲部が前記長手方向の外側に開放するように変形して保持器の固定力が低下する場合があった。
また、スライダ本体又は保持器の前記長手方向の寸法に誤差が生じた場合(保持器の前記長手方向の長さが両係止凹部間の長さよりも小さい場合等)には、保持器両端の湾曲部の根元部分が前記長手方向の外側に押され、湾曲部がより一層開放するように変形して、保持器の固定力の大幅な低下が生じたり、保持器の湾曲部が係止部から外れたりするおそれがあった。
よって、特許文献5に開示の直動案内装置は、スライダ本体や保持器の部品精度を高精度とする必要があるため、生産性が低くなり且つ製造コストが高くなるおそれがあるという問題があった。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、部品精度を高精度とする必要がなく生産性に優れ低コストであるとともに、エンドキャップの厚さが小さくコンパクトな直動案内装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の一態様に係る直動案内装置は、案内レールと、スライダと、複数の転動体と、を有し、前記案内レール及び前記スライダは、互いに対向する位置に、前記転動体の転動通路を形成する軌道面をそれぞれ有し、前記両軌道面は前記案内レールの長手方向に延び、前記転動体は前記転動通路に配置され、前記転動通路内での前記転動体の転動を介して、前記スライダが前記案内レールに案内されて前記長手方向に移動可能となっており、前記案内レールに組み付けられていない状態の前記スライダから前記転動体が脱落することを防止する保持器を備える直動案内装置において、前記スライダは、前記スライダの軌道面が形成されたスライダ本体と、前記スライダ本体の前記長手方向の両端部に着脱可能に固定されたエンドキャップと、を備えるとともに、前記スライダの軌道面に略平行な前記転動体の戻し通路を備え、前記エンドキャップに形成されたすくい上げ部で前記転動通路の終点の前記転動体をすくい上げて、前記エンドキャップに形成され且つ前記転動通路と前記戻し通路とを連通する方向転換路に送り、すくい上げた前記転動体を前記方向転換路と前記戻し通路で前記転動通路の始点へ搬送して循環させるようになっており、前記保持器は、直線状素材の両端部を曲げて形成したものであり、前記スライダの軌道面に沿い前記転動体を保持する中央の直線部と、前記直線部の両端から前記案内レールの幅方向外側に曲がって延び前記スライダに固定される両端の曲部と、を備え、前記スライダに非装着時の前記保持器における前記直線部と前記曲部とがなす角度αは鋭角となっており、前記直線部が前記すくい上げ部を前記案内レール側から覆うように前記保持器が前記スライダに装着されており、前記エンドキャップの前記長手方向の外端面には、前記曲部が収容される保持器収容溝が形成されており、この保持器収容溝の溝底部には前記幅方向外側に向かうに従って前記長手方向の内側に傾斜する傾斜面が形成されており、この傾斜面と前記直線部とがなす傾斜角度βは前記角度αよりも大きな鋭角であり、前記保持器収容溝に収容された前記曲部の先端部は前記傾斜面上又は前記傾斜面の前記幅方向外側に位置し、前記長手方向の内側に向かう弾性力が生じるように、前記曲部は前記長手方向の外側に拡げられて前記長手方向の外側に弾性的に付勢されつつ前記保持器収容溝に係合されていることを特徴とする。
この直動案内装置においては、前記曲部が収容された前記保持器収容溝内に押え蓋部材を締り嵌めで嵌合し、前記曲部のうち少なくとも先端部を前記押え蓋部材で前記長手方向の外側から押さえて固定してもよい。
本発明の直動案内装置は、部品精度を高精度とする必要がなく生産性に優れ低コストであるとともに、エンドキャップの厚さが小さくコンパクトである。
本発明の一実施形態に係る直動案内装置の構造を示す平面図である。 図1の直動案内装置の側面図である。 図1の直動案内装置を案内レールの長手方向から見た正面図である。 図1の直動案内装置を案内レールの長手方向から見た正面図である。ただし、右側半分は、サイドシールを省略して図示した正面図であり、左側半分は、案内レールの長手方向に直交する仮想平面で切断した場合の断面図である。 図1の直動案内装置を案内レールの長手方向に沿う仮想水平面で切断した要部拡大断面図である。 装着する前の保持器とスライダを示す図である。 第一の変形例を説明する図であり、直動案内装置を案内レールの長手方向に沿う仮想水平面で切断した要部拡大断面図である。 第二の変形例を説明する図であり、(a)は直動案内装置を案内レールの長手方向に沿う仮想水平面で切断した要部拡大断面図であり、(b)は保持器の曲部及び押え蓋部材の近傍部分を案内レールの長手方向の外側から見た図である(サイドシールの図示は省略してある)。 第三の変形例を説明する図であり、直動案内装置を案内レールの長手方向に沿う仮想水平面で切断した要部拡大断面図である。 第三の変形例を説明する図であり、装着する前の保持器とスライダを示す図である。
本発明に係る直動案内装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、これ以降の説明で参照する各図においては、同一又は相当する部分には同一の符号を付してある。また、これ以降の説明において「断面」と記した場合は、特に断りがない限り、案内レールの長手方向に直交する仮想平面で切断した場合の断面を意味する。さらに、これ以降の説明における「上」,「下」,「左」,「右」等の方向を示す用語は、特に断りがない限り、説明の便宜上、図3及び図4におけるそれぞれの方向を意味するものである。
図1〜4に示すように、一直線状に延びる断面形状略矩形の案内レール1の上に、断面形状略U字状のスライダ2が、案内レール1の長手方向(以下「前記長手方向」と記す)に移動可能に組み付けられている。この案内レール1の幅方向左右両側面1a,1aの上下方向略中央部には、前記長手方向に延びる断面ほぼ半円形の凹溝からなる軌道面10,10が形成されている。
そして、軌道面10,10の溝底部には、保持器4の一部(後述する直線部41)を収容して保持器4と案内レール1との干渉を防ぐ保持器用逃げ溝10a(ワイヤー溝)が、スライダ2の移動領域の両端間(例えば、案内レール1の前記長手方向の両端間)にわたって前記長手方向に沿って形成されている。保持器用逃げ溝10aの断面形状は例えば略三角形状、略矩形状である。
また、スライダ2は、案内レール1の上面1bに対向する平板状の胴部7と、胴部7の左右両側部からそれぞれ下方に延び側面1aに対向する2つの脚部6,6とからなり、胴部7と脚部6,6とのなす角度は略直角であるため、スライダ2の断面形状は略U字状をなしている。そして、スライダ2は、両脚部6,6の間に案内レール1を挟むようにして、案内レール1に移動可能に取り付けられている。
このようなスライダ2は、スライダ本体2Aと、スライダ本体2Aの両端部(前記長手方向の両端部であり、スライダ2の移動方向の両端部とも言える)に着脱可能に取り付けられたエンドキャップ2B,2Bと、を備えている。さらに、スライダ2の両端部(各エンドキャップ2Bの前記長手方向の外側)には、案内レール1の外面(上面1b及び側面1a,1a)に摺接して案内レール1とスライダ2との間の隙間の開口のうち前記長手方向の端面側に面する部分を密封するサイドシール5,5が装着されており、スライダ2の下部には、案内レール1とスライダ2との間の隙間の開口のうちスライダ2の下面側に面する部分を密封するアンダーシール(図示せず)が装着されている。これらサイドシール5,5及びアンダーシールにより、外部から前記隙間への異物の侵入や、前記隙間から外部への潤滑剤の漏出が防止されている。
さらに、スライダ本体2Aの左右両脚部6,6の内側面の上下方向略中央部には、案内レール1の軌道面10,10に対向する断面ほぼ半円形の凹溝からなる軌道面11,11が形成されている。そして、案内レール1の軌道面10,10とスライダ2の軌道面11,11との間に、断面ほぼ円形の転動通路13,13がそれぞれ形成されていて、これらの転動通路13,13は前記長手方向に延びている(図4,5を参照)。
これらの転動通路13内には複数の転動体3(ボール)が転動自在に装填されていて、転動通路13内でのこれらの転動体3の転動を介して、スライダ2が案内レール1に案内されて前記長手方向に移動可能となっている。保持器4は例えばワイヤーで形成されており、例えば案内レール1に組み付ける前など、案内レール1に組み付けられていない状態のスライダ2からの転動体3の脱落を防止するために、転動体3を保持する。
なお、転動体3の種類はボールに限定されるものではなく、ころであってもよい。また、案内レール1及びスライダ2が備える軌道面10,11の数は片側一列に限らず、例えば片側二列以上であってもよい。また、軌道面10,11の断面形状は、前述したように単一の円弧からなる円弧状でもよいが、曲率中心の異なる2つの円弧を組合せてなる略V字状(ゴシックアーク形状溝)でもよい。
さらに、スライダ2は、スライダ本体2Aの左右両脚部6,6に、転動通路13,13と平行をなして前記長手方向に貫通する断面形状略円形の貫通孔からなる戻し通路14,14を備えている(図4,5を参照)。
一方、エンドキャップ2Bは、例えば樹脂材料の成形品からなり、断面形状が略U字状に形成されている。また、エンドキャップ2Bの裏面(スライダ本体2Aとの当接面)の左右両側には、断面形状円形で円弧状に湾曲する方向転換路15が形成されている(図5を参照)。このエンドキャップ2Bをねじ等の締結部材でスライダ本体2Aに取り付けると、方向転換路15によって転動通路13と戻し通路14とが連通される。なお、方向転換路15の断面形状は、方向転換路15の連続方向に直交する仮想平面で切断した場合の断面形状である。
これら戻し通路14と両端の方向転換路15,15とで、転動体3を転動通路13の終点から始点に搬送して循環させる転動体搬送路16が構成され(転動体搬送路16は転動通路13と同数設けられている)、転動通路13と転動体搬送路16とで、略環状の循環経路が構成される。そして、この略環状の循環経路は、案内レール1を挟んで左右両側に形成される。
案内レール1に組みつけられたスライダ2が案内レール1に沿って前記長手方向に移動すると、転動通路13内に装填されている転動体3は、転動通路13内を転動しつつ案内レール1に対してスライダ2と同方向に移動する。そして、転動体3が転動通路13の終点に達すると、エンドキャップ2Bに設けられたすくい上げ部18によって転動通路13からすくい上げられ方向転換路15へ送られる。方向転換路15に入った転動体3はUターンして戻し通路14に導入され、戻し通路14を通って反対側の方向転換路15に至る。ここで再びUターンして転動通路13の始点に戻り、このような循環経路内の循環を無限に繰り返す。
ここで、保持器4について、図5,6を参照しながら詳細に説明する。保持器4は、図示しない鋼製の直線状素材(例えばワイヤー)の両端部を湾曲させて略U字状に形成したものである。なお、前記直線状素材の断面形状(前記直線状素材の長手方向に直交する仮想平面で切断した断面の形状)は略円形であるが、例えば略矩形でもよい。また、前記直線状素材の材質は鋼に限定されるものではなく、保持器に必要な弾性、強度等の特性を有するならば、他の金属材料や樹脂材料を採用することも可能である。
これにより得られた保持器4は、案内レール1に組み付けられていない状態(例えば、案内レール1に組み付ける前)のスライダ2からの転動体3の脱落を防止するためにスライダ2の軌道面11に沿って配され転動体3を保持する直線部41をその中央に備え、直線部41の両端から案内レール1の幅方向(以下「前記幅方向」と記す)の外側に湾曲して延び保持器4をスライダ2に装着するためにエンドキャップ2Bに固定される曲部42をその両端に備える構成となる。
そして、スライダ2に非装着時の保持器4においては、直線部41と曲部42とがなす角度αは鋭角となっている。角度αの大きさは特に限定されるものではないが、例えば75°とすることができる。なお、曲部42は、図5,6に示すように略直線状でもよいが、例えば円弧状に湾曲していてもよい。また、曲部42は、図5,6に示すように、直線部41と曲部42との境界部が略円弧状となるように、直線部41の端部から湾曲していてもよいが、直線部41と曲部42との境界部が角部となるように、直線部41の端部から屈曲していてもよい。
一方、スライダ2には、保持器4を装着するための機構が設けられている。すなわち、保持器4の装着機構として、図5,6に示すように、エンドキャップ2Bの前記長手方向の外端面には、保持器4の曲部42を固定するための保持器収容溝21が設けられている。保持器収容溝21は、前記幅方向に延び且つその溝幅が曲部42の径と略同一の凹溝からなり、保持器4の装着時には曲部42が収容される。
また、この保持器収容溝21の溝底部には、前記幅方向外側に向かうに従って前記長手方向の内側に傾斜する傾斜面23が形成されており、この傾斜面23と直線部41とがなす傾斜角度βは、鋭角且つ角度αよりも大きな角度となっている。傾斜角度βの大きさは特に限定されるものではないが、例えば85°とすることができる。
そして、保持器4に装着された状態において保持器収容溝21に収容された曲部42の先端部は、傾斜面23上(傾斜面23の前記幅方向外側でもよい)に位置しているため、保持器4が前記幅方向内側に抜け落ちることが防止される。また、曲部42は、前記長手方向の外側に拡げられて前記長手方向の外側に弾性的に付勢された状態で、保持器収容溝21に係合されている。
このとき、図5から分かるように、曲部42の先端部が保持器収容溝21の傾斜面23に接し、直線部41に近い基部と傾斜面23との間には、逃げとなる隙間が形成される。また、前記長手方向の外側に拡げられた曲部42と直線部41とがなす角度γ(図5,6を参照。図6の破線は、前記長手方向の外側に拡げられた曲部42を示す。)は、角度αよりも大きく且つ傾斜面23の傾斜角度βよりも小さい。角度γの大きさは特に限定されるものではないが、例えば80°とすることができる。
そのため、両曲部42,42には前記長手方向の内側に向かう弾性力が生じ、保持器4は、両曲部42,42でスライダ2を前記長手方向の両側から挟み込むようにして、締め代Lを有する締り嵌めで固定されることとなる(曲部42が前記長手方向の外側に拡げられた分(γ−α)だけ締り嵌めとなる)。よって、保持器4が装着されたスライダ2を案内レール1に組み付ける際などにおいて、曲部42が保持器収容溝21から外れて保持器4がスライダ2から脱落するおそれはほとんどない。
次に、スライダ2に保持器4を装着する方法について説明する。スライダ本体2Aにエンドキャップ2B,2Bを取り付けたスライダ2に対して、直線部41が軌道面11と対向し曲部42が保持器収容溝21に対向するように、保持器4を配置する。そして、曲部42,42を前記長手方向の外側に拡げた状態で保持器4を前記幅方向外側に向かって移動させ、曲部42,42を溝底部に係合させつつ保持器収容溝21内に収容する。
すると、曲部42が前記長手方向の外側に弾性的に付勢された状態で保持器収容溝21に係合されるので、前記長手方向の内側に向かう弾性力により両曲部42,42がスライダ2を前記長手方向の両側から挟み込み、保持器4がスライダ2に締め代Lを有する締り嵌めで固定される。これにより、曲部42がスライダ2に強固に固定されて、保持器4のスライダ2への装着が完了する。その後に、エンドキャップ2Bの前記長手方向の外端面にサイドシール5を取り付ける。
このようにして装着された保持器4の直線部41は、スライダ本体2Aの軌道面11と平行をなすように配され、スライダ2が案内レール1に組み付けられていない状態においては、転動体3を前記幅方向の内側から押さえる。また、保持器4の直線部41はすくい上げ部18を案内レール1側(前記幅方向の内側)から覆うように配されるので、転動体3のすくい上げ部18の強度や耐久性がより一層確保されるとともに、すくい上げ部18をスライダ本体2Aの前記長手方向の端面に向かって可及的に延伸することができるので、直動案内装置の作動性や静粛性も優れたものとなる。
また、エンドキャップ2Bに係合される曲部42は、直線状素材を曲げてなる簡易な構成であり、エンドキャップ2Bへの固定力を確保しつつ曲部42の長さを可及的に短くすることにより、保持器収容溝21に大きなスペースを割く必要がない。よって、エンドキャップ2Bの厚さ(前記長手方向の長さ)を大きくする必要がないので、エンドキャップ2Bの厚さが小さくコンパクトな直動案内装置となる。
さらに、エンドキャップ2Bやスライダ2の前記長手方向の寸法を小さく抑えることができるので、スペース確保を優先して保持器4の厚さを小さくする必要がない。よって、保持器4による転動体3の保持性を十分に確保することができる。さらにまた、保持器4の曲部42が複雑形状ではないため、保持器4の生産性が優れ且つ低コストである。
さらに、ばね剛性を有する保持器4の直線部41と曲部42とがなす角度を変化させることにより、保持器4の固定力が得られるとともに、スライダ2(スライダ本体2A及びエンドキャップ2B)や保持器4の製造時における前記長手方向の寸法誤差を吸収することができるので、スライダ2や保持器4等の部品の前記長手方向の寸法を高精度に管理する必要がない。よって、スライダ2や保持器4等の部品の生産性が優れ且つ低コストである。また、スライダ2に保持器4を装着する際に、スライダ2や保持器4等の部品を高精度に位置合わせする必要がない。
さらに、直線部41と曲部42とがなす角度αと傾斜面23の傾斜角度βの角度差を、保持器4が有する弾性変形内としたので、保持器4の着脱によって保持器4の固定力(前記長手方向の内側に向かう弾性力)が低下することがない。
さらに、曲部42の基部ではなく先端部を前記長手方向の外側に拡げて保持器収容溝21に係合する構成としたので、保持器4やスライダ2(スライダ本体2A及びエンドキャップ2B)等の部品に寸法誤差が生じた場合でも、前記長手方向の外側に拡げた際の曲部42の角度変化が最も緩くなり、締め代の低下を可及的に抑えることができる。よって、エンドキャップ2Bへの保持器4の固定において有利となる。
このような本実施形態の直動案内装置は、半導体製造装置、液晶製造装置、実装機等に適用可能である。特に、本実施形態の保持器の装着機構は、小型の直動案内装置に対して好適である。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、図7に示す第一の変形例のように、前記長手方向の外側に突出する突起25を傾斜面23に設けてもよい。すなわち、傾斜面23における前記幅方向内側の端部近傍であり且つ曲部42の基部に対向する部分に、前記長手方向の外側に突出する突起25を設けてもよい。
曲部42の先端部が保持器収容溝21の傾斜面23に接するとともに、曲部42の先端部を前記長手方向の外側に拡げることができるように、曲部42の基部と突起25との間に隙間を設けている。
このような構成により、第一の変形例は前記実施形態よりも締め代Lが増加するため、スライダ2への保持器4の固定力がより一層強固となる。一方で、突起25を設けた分だけ、曲部42を前記長手方向の外側に拡げることによる曲部42と直線部41とがなす角度の変化量は、傾斜角度βよりも小さくなるため、前記寸法誤差の吸収可能量は低下することとなる。
また、図8(a),(b)に示す第二の変形例のように、押え蓋部材27を用いて曲部42の先端部を押さえて固定してもよい。すなわち、保持器4の曲部42を保持器収容溝21内に収容した後に、前記長手方向の外側から押え蓋部材27を保持器収容溝21内の空きスペースに締り嵌めで嵌め込み、曲部42のうち少なくとも先端部を押え蓋部材27で前記長手方向の外側から押さえて固定してもよい。
押え蓋部材27の曲部42に対向する面には、曲部42に対応する形状の凹部が形成されており、この凹部内に曲部42の先端部を収容するようにして、押え蓋部材27を保持器収容溝21内に嵌合することができる。そして、押え蓋部材27を嵌め込んだ後に、エンドキャップ2Bの前記長手方向の外端面にサイドシール5をビス止め等により取り付ける。このような構成であれば、部品点数は増えるものの、スライダ2に保持器4をより強固に固定することができる。
さらに、図9,10に示す第三の変形例のように、曲部42が変曲点を有する形状であってもよい。すなわち、曲部42は、前記実施形態等とは異なり直線状ではなく、途中に変曲点を有している。変曲点よりも直線部41に近い側の第一線状部44は、直線部41の端部から鋭角をなして曲がって延び、変曲点よりも先端部側の第二線状部45は、第一線状部44から曲がって前記幅方向に沿って延びている。
保持器4の装着時において保持器収容溝21に収容された曲部42は、前記長手方向の外側に拡げられて前記長手方向の外側に弾性的に付勢された状態で、保持器収容溝21に係合されている。このとき、図9から分かるように、曲部42の第二線状部45が保持器収容溝21の溝底部に接し、直線部41に近い第一線状部44と傾斜面23との間には、逃げとなる隙間が形成される。
また、前記長手方向の外側に拡げられた曲部42と直線部41とがなす角度γ(図10を参照。図10の破線は、前記長手方向の外側に拡げられた曲部42を示す。)は、角度αよりも大きく且つ傾斜面23の傾斜角度βよりも小さい。
このような構成であれば、前記実施形態よりも曲部42の基部から離れた位置で保持器収容溝21に係合することとなるため、寸法誤差の吸収性の面で有利となる。
1 案内レール
2 スライダ
2A スライダ本体
2B エンドキャップ
3 転動体
4 保持器
10 軌道面
11 軌道面
13 転動通路
14 戻し通路
15 方向転換路
18 すくい上げ部
21 保持器収容溝
23 傾斜面
27 押え蓋部材
41 直線部
42 曲部
44 第一線状部
45 第二線状部

Claims (2)

  1. 案内レールと、スライダと、複数の転動体と、を有し、
    前記案内レール及び前記スライダは、互いに対向する位置に、前記転動体の転動通路を形成する軌道面をそれぞれ有し、
    前記両軌道面は前記案内レールの長手方向に延び、
    前記転動体は前記転動通路に配置され、
    前記転動通路内での前記転動体の転動を介して、前記スライダが前記案内レールに案内されて前記長手方向に移動可能となっており、
    前記案内レールに組み付けられていない状態の前記スライダから前記転動体が脱落することを防止する保持器を備える直動案内装置において、
    前記スライダは、前記スライダの軌道面が形成されたスライダ本体と、前記スライダ本体の前記長手方向の両端部に着脱可能に固定されたエンドキャップと、を備えるとともに、前記スライダの軌道面に略平行な前記転動体の戻し通路を備え、前記エンドキャップに形成されたすくい上げ部で前記転動通路の終点の前記転動体をすくい上げて、前記エンドキャップに形成され且つ前記転動通路と前記戻し通路とを連通する方向転換路に送り、すくい上げた前記転動体を前記方向転換路と前記戻し通路で前記転動通路の始点へ搬送して循環させるようになっており、
    前記保持器は、直線状素材の両端部を曲げて形成したものであり、前記スライダの軌道面に沿い前記転動体を保持する中央の直線部と、前記直線部の両端から前記案内レールの幅方向外側に曲がって延び前記スライダに固定される両端の曲部と、を備え、前記スライダに非装着時の前記保持器における前記直線部と前記曲部とがなす角度αは鋭角となっており、前記直線部が前記すくい上げ部を前記案内レール側から覆うように前記保持器が前記スライダに装着されており、
    前記エンドキャップの前記長手方向の外端面には、前記曲部が収容される保持器収容溝が形成されており、この保持器収容溝の溝底部には前記幅方向外側に向かうに従って前記長手方向の内側に傾斜する傾斜面が形成されており、この傾斜面と前記直線部とがなす傾斜角度βは前記角度αよりも大きな鋭角であり、
    前記保持器収容溝に収容された前記曲部の先端部は前記傾斜面上又は前記傾斜面の前記幅方向外側に位置し、前記長手方向の内側に向かう弾性力が生じるように、前記曲部は前記長手方向の外側に拡げられて前記長手方向の外側に弾性的に付勢されつつ前記保持器収容溝に係合されていることを特徴とする直動案内装置。
  2. 前記曲部が収容された前記保持器収容溝内に押え蓋部材を締り嵌めで嵌合し、前記曲部のうち少なくとも先端部を前記押え蓋部材で前記長手方向の外側から押さえて固定した請求項1に記載の直動案内装置。
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