JP2016000384A - アルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽及び廃液処理方法 - Google Patents

アルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽及び廃液処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム材の表面処理や成形加工の工程で排出されるアルミン酸ソーダ含有廃液の処理に用いる単槽一体型の廃液処理槽において、特に分離部の内壁面への水酸化アルミニウムのクリンカー発生量を可及的に減少せしめてクリンカー付着に起因する問題を防止することができるアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽及びこれを用いてアルミン酸ソーダ含有廃液を処理し、水酸化ナトリウム溶液と水酸化アルミニウムとを回収するアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理方法を提供する。
【解決手段】析出部と分離部とが一体に構成された単槽一体型の廃液処理槽であって、槽本体の下方に位置する析出部に冷却手段が設けられていると共に、槽本体の上方に位置する分離部には加熱手段が設けられていることを特徴とするアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽である。
【選択図】図1

Description

この発明は、アルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽及びこれを用いた廃液処理方法に関するものであり、特に、槽本体の下方に位置する析出部でアルミン酸ソーダを加水分解し、また、槽本体の上方に位置する分離部で加水分解により生成した水酸化アルミニウムを固液分離する形式の、析出部と分離部とが一体に構成された廃液処理槽において、その槽壁面に水酸化アルミニウムのクリンカーが発生し付着するのを効果的に抑制することができるアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽及びこれを用いた廃液処理方法に関する。
アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材は、船舶、車両、機械等の種々の部品や、サッシ等の建築材料、その他電気製品、事務用品、家庭用品等の多くの分野で広範に利用されており、その際に、アルミニウム材は、所定の形状に加工され、その後、表面の清浄化、耐食性や意匠性の向上の付与等を目的として種々の表面処理が行われ、所望のアルミニウム製品として用いられている。
そして、このようなアルミニウム材を実際のアルミニウム製品として利用する際には、アルミニウム材に対して、所望の形状に成形する様々な成形加工や、耐食性や耐摩耗性の向上、装飾その他の機能の付加等を目的として行なわれる様々な表面処理が行われており、このアルミニウム材の加工処理や表面処理に際しては、これら加工処理や表面処理に伴って不可避的にアルミニウムを含む廃液が発生し、このアルミニウムを含む廃液の処理が必要になる。
すなわち、アルミニウム材の成形加工としては、例えば、ダイスを用いてアルミニウム材を所定の横断面形状に押し出し、アルミニウム型材を製造するダイス押出成形が行われているが、このダイス押出成形に際しては、押出操作終了後に高濃度の水酸化ナトリウム水溶液を洗浄液としてダイスの孔内部に残留したアルミニウム材を溶解し、除去することが行われている。そして、このようなダイスの洗浄液は繰り返し使用されるが、この洗浄液中にはアルミニウムが溶解し、アルミン酸ナトリウムとして次第に蓄積し、これに伴って洗浄液のアルミニウムに対する溶解性が低下するので、所定量の洗浄処理を経た後の、あるいは、所定時間の洗浄処理経過後の洗浄液については老化した洗浄液の廃液として処理する必要が生じる。
また、アルミニウム材の表面処理としては、例えば、硫酸水溶液を用いてアルミニウム材の表面に耐食性や耐摩耗性を付与する陽極酸化処理や、硝酸や塩酸の水溶液を用いてアルミニウム材の表面を電気化学的に粗面化する粗面化処理や、水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルミニウム材の表面を化学的にエッチングするエッチング処理等が広く行われており、また、上記の陽極酸化処理や粗面化処理においても、その前処理や後処理として水酸化ナトリウム溶液によるエッチング処理を行うことが一般的である。そして、このアルミニウム材の表面処理に際しては、処理液の水酸化ナトリウム水溶液中にアルミニウムが溶解し、アルミン酸ナトリウムとして次第に蓄積し、アルミニウムに対する溶解性が低下するので、所定量の、あるいは、所定時間の表面処理経過後の水酸化ナトリウム水溶液については老化した処理液の廃液として排出される。
これら水酸化ナトリウム水溶液からなる洗浄液や処理液が老化した廃液には、アルミニウム材由来のアルミニウム分がアルミン酸ソーダとして多量に蓄積しており、このようなアルミン酸ソーダを多量に含むアルミン酸ソーダ含有廃液については、廃液中に存在するナトリウム分やアルミニウム分等の有価物をできるだけ回収して有効利用するために、これまでに様々な試みが行われている。
例えば、特許文献1においては、アルミニウム材を水酸化ナトリウム水溶液でエッチング処理し、次いで硫酸水溶液で陽極酸化処理を行うに際し、陽極酸化処理工程から排出される廃硫酸をアルカリで中和し、その際に生成したゲル状水酸化アルミニウムを分離し、これに水酸化ナトリウムを作用させてアルミン酸ソーダ溶液とし、また、このアルミン酸ソーダ溶液をエッチング工程から排出される廃水酸化ナトリウム溶液と混合すると共に混合液中に種子として水酸化アルミニウムを添加し、混合液中のアルミニウム分を結晶性水酸化アルミニウムとして析出させると共に母液の水酸化ナトリウム水溶液をエッチング液として循環使用する方法が提案されている。
また、特許文献2においては、アルミン酸ソーダ溶液を含む処理液の一部からアルミニウムイオンを系外に分離して水酸化ナトリウム溶液を回収し、回収した水酸化ナトリウム溶液を処理液に混合して処理液中のアルミニウムイオン濃度を所定の濃度に維持し、アルミニウム板の表面エッチング処理を行うに際して、前記処理液の一部にアルミニウム板の表面処理工程から排出される廃酸、廃アルカリの中和時に発生するアルミニウムスラッジを混合し、この処理液の一部を過飽和のアルミン酸ソーダ溶液に調整し、結晶性水酸化アルミニウムを晶析させると共に水酸化ナトリウム溶液を回収する方法が提案されている。
更に、特許文献3においては、ダイスの孔内部に残留したアルミニウムを溶解した際に発生するダイス廃液の処理に際し、ダイス廃液に含まれている離型剤を予め吸着剤で除去し、離型剤除去後のダイス廃液(過飽和のアルミン酸ソーダ溶液)に水酸化アルミニウムを添加し、結晶性水酸化アルミニウムを析出させると共に苛性ソーダ水溶液をダイス溶解液として再利用する方法が提案されている。
すなわち、このようなアルミニウム材の表面処理や成形加工においては、一般に、これら表面処理や成形加工の工程から排出されて高い過飽和度を有するアルミン酸ソーダ含有廃液中に、種子として結晶性水酸化アルミニウムを添加し、更にその溶液温度を低下させてアルミニウム溶解度を低下させることにより過飽和度を更に高め、これによって廃液中のアルミン酸ソーダを加水分解して結晶性水酸化アルミニウムを析出させ、次いで加水分解後の低い過飽和度を有する処理済み液を固液分離し、結晶性水酸化アルミニウムを有価物として回収すると共に、濾液についてはこの濾液中に含まれる微粒水酸化アルミニウムをクラリファイヤー(clarifier)にて固液分離し、表面処理や成形加工の工程に循環し、加熱により過飽和度を更に低くして処理液や洗浄液等として再利用することが行われている。ここで、「過飽和度」とは、アルミン酸ソーダ溶液における「アルミニウム濃度/飽和アルミニウム濃度」で表される値である。
そして、この高い過飽和度のアルミン酸ソーダ含有廃液の処理に際して、その処理量が大量である場合には、アルミン酸ソーダ含有廃液中に結晶性水酸化アルミニウムを添加して加水分解させ、結晶性水酸化アルミニウムを析出させる析出槽と、この析出槽内で加水分解された後の処理済み液中の結晶性水酸化アルミニウムを固液分離するクラリファイヤーとが別々の槽で構成され、かつ、直列に接続された、いわゆる多槽分離型の廃液処理装置が用いられており、これに対して、その処理量が比較的少量である場合には、操作が容易であって設置面積が少なくて済み、しかも、イニシャルコストが安価であることから、通常は析出部(析出槽)と分離部(クラリファイヤー)とが一体に構成された、いわゆる単槽一体型の廃液処理槽が用いられている。
しかしながら、このような単槽一体型の廃液処理槽において、高い過飽和度のアルミン酸ソーダを加水分解させて結晶性水酸化アルミニウムを析出させる析出部においては種子の存在下に過飽和度を低下させるが、過飽和度が低下して結晶性水酸化アルミニウムが析出した後の処理済み液も依然として過飽和状態であり、しかも、溶液温度を低下させて結晶性水酸化アルミニウムを析出させる際に、飽和アルミニウム溶解度に達するまでに通常30〜40日を要することが知られており、工業的には1〜2日で急速に析出させているのが一般的であることから、析出部から分離部へと移動した加水分解処理後の処理済み液についても、低い過飽和度を有しているため水酸化アルミニウムが析出し、この析出した水酸化アルミニウムは析出部と異なって種子が存在しないため、特に分離部の内壁面等にクリンカー(clinker)として付着し、更にこの付着したクリンカーが種子効果を発揮するため水酸化アルミニウムの析出を加速させ、次第に分離部の容積を減少させる等の問題を引き起こす。このような分離部の内壁面等へのクリンカーの付着は、本発明者らの調査によれば、年間平均で分離部の容積の約15〜20%にも達する。
このため、従来においては、このような単槽一体型の分離部内壁面等へのクリンカー付着に起因する問題を未然に防止するため、1回/年程度の頻度で、操業を停止して槽内液を抜き出し、エアーピック等を用いてクリンカーを粉砕し、槽内を清掃するクリンカー除去作業(泥出作業)が行われており、本発明者らの調査によれば、このクリンカー除去作業には、年間平均で約15人の人工(作業人員×作業日数)を要し、また、槽内から抜き出された溶液を一時的に収容する廃液処理槽の容量以上の大きさの容積を持つ別の明替槽が必要になる等、操業者にとって経済的負担が大きい。
特公昭52-043,184号公報 特開平04-323,386号公報 WO 01/040123号公報
そこで、本発明者らは、単槽一体型の廃液処理槽で高い過飽和度のアルミン酸ソーダ含有廃液を処理する際、その分離部の内壁面等に付着する水酸化アルミニウムのクリンカー発生量を可及的に減少させる方法について鋭意検討した結果、槽本体の下方に位置する析出部に冷却手段を設けると共に、槽本体の上方に位置する分離部には加熱手段を設け、これによって、析出部内では水酸化アルミニウム種子の存在下に高い過飽和度の廃液の溶液温度を低下させ、廃液中のアルミン酸ソーダを加水分解させて結晶性水酸化アルミニウムを析出させた低い過飽和度のアルミン酸ソーダ溶液とした後、加水分解後の処理済み液を析出部から分離部へと移動させ、分離部内の処理済み液の溶液温度を前記廃液の溶液温度よりも所定の温度範囲内で上昇させ、この分離部内では処理済み液を飽和アルミニウム溶解度付近、あるいはそれ以下に保持することにより、分離部の内壁面等へのクリンカーの発生を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、アルミニウム材の表面処理や成形加工の工程で排出されるアルミン酸ソーダ含有廃液の処理に用いる単槽一体型の廃液処理槽において、特に分離部の内壁面への水酸化アルミニウムのクリンカー発生量を可及的に減少せしめてクリンカー付着に起因する問題を防止することができるアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽を提供することにある。
また、本発明の目的は、前記廃液処理槽を用いてアルミン酸ソーダ含有廃液を処理し、水酸化ナトリウム溶液と水酸化アルミニウムとを回収するアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、高い過飽和度でアルミン酸ソーダを含有する廃液に水酸化アルミニウムの種子を添加し、前記廃液中のアルミン酸ソーダを加水分解して水酸化アルミニウムを析出させる析出部と、前記廃液中のアルミン酸ソーダを加水分解させた後の処理済み液中に析出した水酸化アルミニウムを種子と共に固液分離する分離部とを備え、前記析出部が槽本体の下方に位置して前記分離部が槽本体の上方に位置するように、これら析出部と分離部とが互いに連通可能にかつ一体に構成されているアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽であって、前記析出部には前記廃液を冷却する冷却手段が設けられていると共に、前記分離部には前記処理済み液を加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とするアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽である。
また、本発明は、前記アルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽を用いてアルミン酸ソーダ含有廃液を処理するアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理方法であり、前記廃液処理槽の槽本体下方に位置する析出部に高い過飽和度のアルミン酸ソーダ含有廃液を導入すると共に水酸化アルミニウムの種子を添加し、この析出部で撹拌下に前記廃液中のアルミン酸ソーダを加水分解させ、次いで、加水分解後の処理済み液を槽本体上方の分離部で固液分離して水酸化ナトリウム溶液と水酸化アルミニウムとを回収するに際し、前記析出部に設けた冷却手段によりこの析出部内の廃液の温度を40〜65℃の範囲内に維持すると共に、前記分離部に設けた加熱手段によりこの分離部内の処理済み液の温度を前記廃液の温度よりも10〜50℃の範囲内で高い温度に維持することを特徴とするアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理方法である。
本発明において、アルミン酸ソーダ含有廃液を処理する廃液処理槽は、その槽本体の下方の位置に析出部が設けられ、また、槽本体の上方の位置に分離部が析出部と一体に設けられており、これら析出部と分離部とは互いに連通可能に構成されている。そして、前記析出部内に導入された廃液は、この析出部内において、水酸化アルミニウム種子の存在下に冷却され、これによって廃液中のアルミン酸ソーダが加水分解されて水酸化アルミニウムが結晶として析出し、また、このアルミン酸ソーダを加水分解させた後の処理済み液は、そのゆっくりとした流れの中で、生成した水酸化アルミニウムの結晶と水酸化ナトリウム溶液とに徐々に固液分離されながら前記分離部へと上昇し、析出部内に導入された低い過飽和度のアルミン酸ソーダ含有溶液として分離部の上部から廃液処理槽の外部へと排出されるようになっている。
また、本発明において、前記析出部には、この析出部に導入された高い過飽和度のアルミン酸ソーダ含有廃液の溶液温度を水酸化アルミニウム種子の存在下に水酸化アルミニウムの結晶を析出させ、低い過飽和度のアルミン酸ソーダ含有廃液へ低下させて、更に低い過飽和度のアルミン酸ソーダ含有廃液にさせるための冷却手段が設けられている。この冷却手段としては、例えば、冷却ジャケット、冷却蛇管、プレート式熱交換器等を例示することができ、廃液を冷却することができれば析出部の内部に設けても、また、析出部の外部(外壁面)に設けてもよいが、クリンカーを除去するメンテナンス等の容易さから、好ましくは析出部の外壁面にこの外壁面を取り囲むようにして配設するのがよく、また、槽本体内でその上部と下部との間に温度勾配を形成するために、好ましくは槽本体側面の中央より下方部分に設けるのがよい。この冷却手段によりアルミン酸ソーダ含有廃液を冷却する温度は、この析出部に導入される廃液の種類によっても異なるが、通常40〜65℃である。
本発明において、前記分離部においては、アルミン酸ソーダの加水分解により生成した水酸化アルミニウムの結晶と水酸化ナトリウム溶液とが最終的に固液分離され、水酸化アルミニウムの結晶は分離部内から析出部を経て更にその下部へと沈降し、また、水酸化ナトリウム溶液は分離部の周壁部上端の外周部に形成された例えばV字状のノッチからラウンダーへと溢れ出て槽本体の外部へと排出される。そして、この分離部としては、クラリファイヤーとしての機能を効果的に発現させるために、好ましくは上方に向けて拡開する周壁部を備えた逆円錐台形状に形成するのがよく、これによって水酸化アルミニウムの結晶を沈降させるための時間をより長くすることができるほか、沈降した水酸化アルミニウムの結晶をこの周壁部に沿って下方の析出部へ導くことができる。この逆円錐台形状の周壁部については、水平面に対する周壁内面の傾斜角度が60°以上80°以下、好ましくは65°以上75°以下であるのがよく、この傾斜角度が60°より小さいと、水酸化アルミニウムの滑り性が悪く堆積し易くなり、やがてクリンカーになるという問題があり、また、80°より大きくなると水面積(槽上部水平面積)を広く取れないという問題が生じる。
本発明においては、前記分離部に前記処理済み液を加熱するための加熱手段を設け、前記析出部に設けられた廃液を冷却するための冷却手段と相俟って、この分離部内の処理済み液の温度が前記析出部内の廃液の温度よりも10℃以上50℃以下、好ましくは15℃以上40℃以下の範囲で高くなるように維持する。そして、前記加熱手段としては、例えば加熱ジャケット、加熱蛇管、プレート式熱交換器等を例示することができ、また、この加熱手段の取付位置については、分離部内の処理済み液を所定の温度に加熱することができれば特に制限されるものではなく、例えば、分離部の周壁部や、分離部内での処理済み液の回転を防止して処理済み液を静止させる目的で分離部内をその円周方向に2〜8の部屋に区画する仕切壁が設けられている場合にはこの仕切壁等を例示することができる。
本発明のアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽によれば、析出部と分離部とが一体に構成された廃液処理槽において、加水分解後の処理済み液が接する槽本体の内壁面、特にクラリファイヤーとして機能する分離部の内壁面に水酸化アルミニウムのクリンカーが発生し付着するのを効果的に抑制することができる。
また、本発明の廃液処理槽を用いた廃液処理方法によれば、ダイス押出成形や陽極酸化処理等の際に排出されたアルミン酸ソーダ含有廃液を分離部内でのクリンカー発生を抑制しつつ処理し、水酸化ナトリウム溶液と水酸化アルミニウムとを回収することができる。
図1は、本発明の実施例に係るアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽を説明するための断面概念図である。 図2は、図1のA−A線に沿って示す平面概念図である。 図3は、図2のB−B線に沿って示す断面概念図である。 図4は、図2のC−C線に沿って示す断面概念図である。 図5は、本発明の検討例1に係るエッチング廃液の廃液処理方法を示すフローチャートである。
以下、添付図面に示す実施例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1〜図4は、本発明の実施例に係るアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽を示している。図1〜図4において、廃液処理槽の槽本体1はその全体的な形状が上端開口円筒状に形成されており、また、この槽本体1の下部には加水分解される前の高い過飽和度のアルミン酸ソーダ含有廃液(処理前廃液L1)が導入される析出部2が設けられていると共に、上部には加水分解された後の低い過飽和度の処理済液L2を静置して固液分離するための分離部3が設けられており、更に、この分離部3の上方部分には、上方に向けて拡開し、水平面に対して周壁内面が70°の傾斜角度を有する逆円錐台形状の周壁部3aが形成されている。
この実施例において、前記槽本体1には、前記分離部3の中心部をその上方から下方へと貫通し、上端には加水分解される前の処理前廃液L1の導入口4aを有すると共に下端には下方に向けて拡開するスカート部4bを有し、また、このスカート部4bの下端が前記析出部2に達する上部円筒4が配設されており、そして、この上部円筒4の下方位置には、上端部が前記上部円筒4のスカート部4b内に位置し、また、下端部が槽本体1の底部1aの近くにまで延びるドラフトチューブ5が配設されており、更に、これら上部円筒4及びドラフトチューブ5内には、撹拌翼6aが前記ドラフトチューブ5内に位置し、また、撹拌軸6bがこの撹拌翼6aから前記上部円筒4内を貫通して上部円筒4の上方に延びる攪拌装置6が設けられている。なお、この実施例では、槽本体1において、上部円筒4のスカート部4bの下端位置より下方部分が析出部2と観念され、また、このスカート部4bの下端位置より上方部分が処理済み液L2のみの分離部3と観念される。
また、この実施例において、前記分離部3には、一端が前記周壁部3aに固定され、また、他端が前記上部円筒4に固定され、周壁部3aで囲まれた領域をその円周方向に4つの部屋に区画する4つの仕切壁7が設けられている。これらの仕切壁7は、前記ドラフトチューブ5内の撹拌翼6aの回転により回転しながら下方に向かう処理前廃液L1の流れがそのまま回転を伴いながら処理済み液L2となって上昇し、分離部3内で回転し続けるのを防止するものであり、分離部3内の処理済み液L2を静止させるものである。
この実施例において、前記分離部3内の処理済み液L2を加熱する加熱手段としては、分離部3の周壁外面に加熱ジャケット9が設けられていると共に、前記仕切壁7自体が加熱ジャケットとして機能するように形成されており(以下、この仕切壁を「仕切ジャケット」と称する。)、そして、この仕切ジャケット(仕切壁)7はその内部が3つの仕切板7aで上下方向に4つの部屋7bに仕切られ、また、上方の仕切板7aと下方の仕切板7aにはその上部円筒4側に、中間の仕切板7aには周壁部3a側にそれぞれ上下の部屋間を互いに連通する連通孔7cが形成されており、更に、前記最下部の部屋7bと前記加熱ジャケット9との間にも連通孔7dが形成されている。更に、前記分離部3にはその周壁外面の加熱ジャケット9の上方位置と仕切ジャケット7の最上部の部屋7bに通じる熱媒の導入口9aが設けられていると共に、周壁外面の加熱ジャケット9の下方位置に熱媒の排出口9bが設けられている。
また、この実施例において、前記析出部2内の処理前廃液L1を冷却する冷却手段として、析出部2の周壁外面に冷却ジャケット8が設けられており、この冷却ジャケット8は下方位置に冷媒の導入口8aが設けられていると共に上方位置に冷媒の排出口8bが設けられている。
なお、図1において、符号10は前記槽本体1の上端部に設けられて前記上部円筒4及び攪拌装置6を支持する支持部であり、また、符号11は分離部3の周壁部3aの上端から溢れ出た静置分離後の処理済み液(水酸化ナトリウム溶液)を集めるラウンダーであり、また、符号12はこの周壁部3aの上端から溢れ出る静置分離後の処理済み液(水酸化ナトリウム溶液)をラウンダー11内に案内するVノッチであり、更に、符号13はこのラウンダー11内の処理済み液(水酸化ナトリウム溶液)を槽本体1の外部に抜き出す液出口である。また、前記ドラフトチューブ5は図示外の支持金具等の手段により槽本体1内に支持されている。
従って、この実施例においては、通常40〜65℃に冷却された更に高い過飽和度の処理前廃液L1が上部円筒4の上端に設けられた導入口4aからこの上部円筒4内に導入され、攪拌装置6の撹拌翼6aの回転により下方に向けて流下し〔図1の二重矢印(⇒)参照〕、ドラフトチューブ5内を通過して水酸化アルミニウム種子が存在する析出部2内の下部に入り、この析出部2内でその周壁外面に設けられた冷却ジャケット8で更に40〜65℃まで冷却され、アルミン酸ソーダの過飽和溶液になると共に加水分解され、処理済み液L2となって水酸化アルミニウムの結晶が析出する。
また、前記析出部2内で加水分解された後の処理済み液L2は、前記ドラフトチューブ5の外側を上昇し〔図1、図3及び図4の二重矢印(⇒)参照〕、その一部が前記上部円筒4のスカート部4bとドラフトチューブ5の上端との間の隙間を通って上部円筒4内へと入り、この上部円筒4内の処理前廃液L1の流れに合流して再びドラフトチューブ5内を下降し、また、別の一部が前記上部円筒4のスカート部4bと析出部2の上方に位置する分離部3内へと入る。そして、この分離部3内へと入った処理済み液L2は、分離部3内の各仕切ジャケット7によりその回転方向の動きが静止され、また、逆円錐台形状の周壁部に3aで囲まれた領域において上昇する流れが更にゆっくりとなり、処理済み液L2中の水酸化アルミニウムの結晶が可及的に静置分離され、下方へと沈降する。更に、水酸化アルミニウムの結晶が分離された後の処理済み液(水酸化ナトリウム溶液)L2は、この分離部3の周壁部3a上端に形成されたVノッチ12からラウンダー11内を経て液出口13から槽本体1の外部に抜き出され、必要により再びアルミニウム濃度が低下した水酸化ナトリウム溶液として利用される。
ここで、この分離部3内に入った処理済み液L2は、分離部3の周壁外面に設けられた加熱ジャケット9と、分離部3の周壁部3aで囲まれた領域を4つの部屋に区画すると共に加熱ジャケットとして機能するように形成されている4つの仕切ジャケット7により、前記析出部2内の処理前廃液L1の温度より10〜50℃の範囲で高い温度まで加熱される。ここで、この実施例においては、前記冷却ジャケット8にはその冷媒の導入口8aが冷却ジャケット8の下方位置に、また、冷媒の排出口8bが上方位置にそれぞれ設けられていて、冷媒が冷却ジャケット8の下方から上方へと流れるようになっており〔図1の矢印(→)参照〕、また、前記加熱ジャケット9にはその熱媒の排出口9bが下方位置に、また、熱媒の導入口9aが上方位置にそれぞれ設けられていると共に、各仕切ジャケット7の最上部の部屋7bに通じる熱媒の導入口9aが設けられていて、熱媒がこれら加熱ジャケット9及び各仕切ジャケット7内をその上方から下方へと流れるようになっており〔図1、図3及び図4の矢印(→)参照〕、槽本体1内の析出部2下端側から分離部3上端側に向けて、温度が次第に高くなるように設定されている。
この実施例において、分離部3内の低い過飽和度の処理済み液L2は、析出部2内の処理前廃液L1の温度よりも高くなっているので、更に低い過飽和度又は未飽和になり、それだけ水酸化アルミニウムの結晶を析出する能力(結晶析出力)が低下し、この分離部3内でのクリンカーの発生を可及的に抑制することができる。
ここで、水酸化ナトリウム水溶液に対するアルミニウムの溶解度について検討してみると、例えば全水酸化ナトリウム(Total-NaOH)濃度:100.0g/L、遊離水酸化ナトリウム(Free-NaOH)濃度:73.3g/L、アルミニウム濃度:18.0g/L、及び全水酸化ナトリウム(Total-NaOH)中のアルミニウムの割合(重量比:wr):0.180の組成を有する溶液(アルミン酸ソーダ含有廃液)において、溶液の温度(45℃)と、アルミニウム溶解度(10.7g/L)と、析出残〔析出残は、水酸化ナトリウム溶液中に溶解しているアルミニウムの量で、溶液中のアルミニウム濃度(18g/L)とアルミニウム溶解度(10.7g/L)との差(7.3g/L)で表される。〕との関係は表1に示す通りであり、温度の上昇に伴いアルミニウムの溶解度が増加することから、析出残アルミニウム濃度は減少することから(過飽和度が減少)、析出する速度が減少すると云える。従って、前記析出残をアルミニウム溶解度で除した値は、析出する能力の強さを示す値であって、結晶析出力の指標として用いることができる。
Figure 2016000384
〔検討例1〕
図1〜4に示す本発明の実施例に係るアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽を用い、陽極酸化処理工場において、図5に示すフローに従って、水酸化ナトリウム溶液からなるエッチング液でアルミニウム材を処理するエッチング工程から排出されるエッチング廃液(アルミン酸ソーダ含有廃液)を処理し、水酸化ナトリウム溶液を回収する場合について説明する。
図5において、エッチング工程Eでは100g/L濃度の水酸化ナトリウム溶液からなるエッチング液中に45〜55℃でアルミニウム材を浸漬するエッチング処理が行われ、このエッチング工程Eからは水酸化ナトリウム溶液中にアルミニウムが溶解されたエッチング廃液(アルミン酸ソーダ含有廃液)が排出される。このエッチング廃液は、廃液処理槽Dに移送され、その移送過程で溶液温度が50℃まで低下し、水酸化アルミニウムが高い過飽和度で溶解したエッチング廃液L1(アルミン酸ソーダ含有廃液;処理前廃液)となり、廃液処理槽の槽本体下部の析出部内に装入され、この析出部内で水酸化アルミニウム種子の存在下に更に45℃まで冷却され、一部のアルミン酸ソーダが加水分解されて水酸化アルミニウムの結晶と水酸化ナトリウム(水酸化ナトリウム溶液)となる。そして、この析出部内で加水分解された後の処理済み液L2は水酸化アルミニウムの結晶と水酸化ナトリウム溶液とに徐々に分離されながら、水酸化ナトリウム溶液は、70℃に保持された槽本体上部の分離部内へと上昇し、最終的には分離部の周壁部上端からその周辺部の排出溝を経て槽外に排出され、また、水酸化アルミニウムの結晶は、析出部の下部において次第にその濃度を増加させ、廃液処理槽の槽本体下部から抜き出される。このようにして、槽本体下部から抜き出された水酸化アルミニウムの結晶は、遠心分離器Cでろ過されて有価物である結晶性水酸化アルミニウムAとして利用され、また、槽外に排出された水酸化ナトリウム溶液は、一旦その回収槽S内に移送され、そこで成分調整されて再びエッチング液としてエッチング工程Eで再利用される。
ここで、上記のエッチング工程Eから排出されて廃液処理槽Dの析出部内に入る50℃の処理前廃液L1の組成が例えば全水酸化ナトリウム(Total-NaOH)濃度:100g/L、アルミニウム濃度:25g/L、及び全水酸化ナトリウム(Total-NaOH)中のアルミニウムの割合(wr):0.25である場合、この処理前廃液L1は、廃液処理槽の槽本体下部の析出部内で水酸化アルミニウム種子の存在下に45℃にまで冷却され、そこでアルミン酸ソーダが加水分解され、その組成が全水酸化ナトリウム(Total-NaOH)濃度:100g/L、アルミニウム濃度:18g/L、及び全水酸化ナトリウム(Total-NaOH)中のアルミニウムの割合(重量比:wr):0.18となる。この処理済み液L2は、アルミニウム濃度(18g/L)が45℃でのアルミニウム溶解度(10.7g/L)よりも高くて依然として過飽和状態であるが、分離部内にまで上昇した際には70℃まで加熱され、そのアルミニウム溶解度が18g/L以上にまで上昇してこの分離部内での水酸化アルミニウムの析出が防止され、この分離部の内壁面へのクリンカーの付着が未然に防止される。
〔検討例2〕
図1〜4に示す本発明の実施例に係るアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽を用い、アルミニウム型材製造工場において、使用済みのダイスを水酸化ナトリウム溶液からなるダイス洗浄液で洗浄するダイス洗浄工程から排出されるダイス廃液(アルミン酸ソーダ含有廃液)を処理し、水酸化ナトリウム溶液を回収する場合について説明する。
ダイス洗浄工程からは、例えば、全水酸化ナトリウム(Total-NaOH)濃度:200g/L、アルミニウム濃度:70g/L、全水酸化ナトリウム(Total-NaOH)中のアルミニウムの割合(重量比:wr):0.35の組成を有するダイス廃液が排出され、廃液処理槽には100℃のダイス廃液(過飽和状態のアルミン酸ソーダ含有廃液;処理前廃液)がその析出部に導入され、そこで水酸化アルミニウム種子の存在下に50℃まで冷却され、アルミン酸ソーダが加水分解された後の処理済み液は、全水酸化ナトリウム(Total-NaOH)濃度:200g/L、アルミニウム濃度:50g/L、全水酸化ナトリウム(Total-NaOH)中のアルミニウムの割合(重量比:wr):0.25となる。この処理済み液は、アルミニウム濃度(50g/L)が50℃でのアルミニウム溶解度(31.3g/L)よりも高くて依然として過飽和状態であるが、分離部内にまで上昇した際には75℃まで加熱されるようになっており、そのアルミニウム飽和溶解度が52.4g/Lにまで上昇するため未飽和溶液となり、この分離部内での水酸化アルミニウムの析出が防止され、この分離部の内壁面へのクリンカーの付着が未然に防止される。
1…槽本体、1a…底部、2…析出部、3…分離部、3a…周壁部、4…上部円筒、4a…導入口、4b…スカート部、5…ドラフトチューブ、6…撹拌装置、6a…撹拌翼、6b…撹拌軸、7…仕切ジャケット(仕切壁)、7a…仕切板、7b…部屋、7c…連通孔、7d…連通孔、8…冷却ジャケット、8a…冷媒の導入口、8b…冷媒の排出口、9…加熱ジャケット、9a…熱媒の導入口、9b…熱媒の排出口、10…支持部、11…ラウンダー、12…Vノッチ、13…液出口、L1…処理前廃液、L2…処理済液、D…廃液処理槽、C…遠心分離機、A…結晶性水酸化アルミニウム、T…水酸化ナトリウム溶液回収槽、E…エッチング工程。

Claims (5)

  1. 高い過飽和度でアルミン酸ソーダを含有する廃液に水酸化アルミニウムの種子を添加し、前記廃液中のアルミン酸ソーダを加水分解して水酸化アルミニウムを析出させる析出部と、前記廃液中のアルミン酸ソーダを加水分解させた後の処理済み液中に析出した水酸化アルミニウムを種子と共に固液分離する分離部とを備え、前記析出部が槽本体の下方に位置して前記分離部が槽本体の上方に位置するように、これら析出部と分離部とが互いに連通可能にかつ一体に構成されているアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽であって、
    前記析出部には前記廃液を冷却する冷却手段が設けられていると共に、前記分離部には前記処理済み液を加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とするアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽。
  2. 前記分離部が上方に向けて拡開する周壁部を備えた逆円錐台形状に形成されており、前記加熱手段が前記周壁部に設けられている請求項1に記載のアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽。
  3. 前記周壁部の傾斜角度が水平に対して60°以上80°以下である請求項2に記載のアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽。
  4. 前記槽本体には、前記分離部の中心部をその上方から下方に向けて貫通し、下端が前記析出部に達する上部円筒が設けられており、また、前記分離部の周壁部と前記上部円筒との間には、これら周壁部と上部円筒とで区画される分離部の内部をその円周方向に複数の領域に分割する仕切壁が設けられており、この仕切壁に前記加熱手段が設けられている請求項1〜3のいずれかに記載のアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理槽を用いてアルミン酸ソーダ含有廃液を処理するアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理方法であり、前記廃液処理槽の槽本体下方に位置する析出部に高い過飽和度のアルミン酸ソーダ含有廃液を導入すると共に水酸化アルミニウムの種子を添加し、この析出部で撹拌下に前記廃液中のアルミン酸ソーダを加水分解させ、次いで、加水分解後の処理済み液を槽本体上方の分離部で固液分離して水酸化ナトリウム溶液と水酸化アルミニウムとを回収するに際し、前記析出部に設けた冷却手段によりこの析出部内の廃液の温度を40〜65℃の範囲内に維持すると共に、前記分離部に設けた加熱手段によりこの分離部内の処理済み液の温度を前記廃液の温度よりも10〜50℃の範囲内で高い温度に維持することを特徴とするアルミン酸ソーダ含有廃液の廃液処理方法。
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