JP2016000026A - 保温性と透明性を有する温室および保温カバー - Google Patents

保温性と透明性を有する温室および保温カバー Download PDF

Info

Publication number
JP2016000026A
JP2016000026A JP2014222793A JP2014222793A JP2016000026A JP 2016000026 A JP2016000026 A JP 2016000026A JP 2014222793 A JP2014222793 A JP 2014222793A JP 2014222793 A JP2014222793 A JP 2014222793A JP 2016000026 A JP2016000026 A JP 2016000026A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
greenhouse
molar ratio
film
hydrotalcite compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014222793A
Other languages
English (en)
Inventor
秀士 六車
Shuji Muguruma
秀士 六車
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyowa Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from JP2015546271A external-priority patent/JPWO2015068312A1/ja
Application filed by Kyowa Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kyowa Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2014222793A priority Critical patent/JP2016000026A/ja
Publication of JP2016000026A publication Critical patent/JP2016000026A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Landscapes

  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】
光の利用性と保温性を兼備した温室および保温カバーを提供する。
【解決手段】
合成樹脂100重量部に対し、下記一般式(1)で表され、
MgAl(OH)2X+4(CO)・mHO (1)
(上記式のXは4.0<X≦6.5の範囲にあり、mは0または正数を表す。)
X線回折法による(110)面の2θより求められるモル比Rと化学分析より求められるモル比Rが|R−R|≦0.7を満たすハイドロタルサイト類化合物1〜20重量部を含有させたフィルムを用いることにより温室または保温カバーに透明性と保温性を兼備させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、フィルムの保温性と透明性を利用した温室および保温カバーに関する。
農作物や観葉植物などに供されるフィルムを設けた温室では、昼間の太陽光を取り込んで室内温度が上昇し、夜間に地表や植物体から放射される赤外線(熱線)が温室外へ拡散されることにより室内温度が低下する。したがって、植物を育成するための温室を覆うフィルムには、太陽光の取り込み性能の優れた透明性と、赤外線を室外へ透過拡散させにくくする保温性とを兼備することが要求されてきた。
例えば、フレームの側面内外を被覆するシートを備えた簡易温室(特許文献1)、透光性のカバーシートを備えた温室(特許文献2)等が提案されているが、シートの透明性や保温性については満足のいくものではなかった。
特開2009−95240号 特開2012−110295号
本発明の目的は、透明性と保温性を兼備するフィルムを温室に設けることにより、温室内における光の利用性および保温性を兼備した温室を提供する。さらに、透明性と保温性を兼備するフィルムをトンネル状に設立した支柱群の外側を被覆することにより、トンネル内において光の利用性および保温性を兼備した保温カバーを提供する。
合成樹脂100重量部に対し、下記一般式(1)で表され、
MgAl(OH)2X+4(CO)・mHO (1)
(上記式のXは4.0<X≦6.5の範囲にあり、mは0または正数を表す。)
X線回折法による(110)面の2θより求められるモル比Rと化学分析より求められるモル比Rが|R−R|≦0.7を満たすハイドロタルサイト類化合物を1〜20重量部含有する透明なフィルムを備えた温室または保温カバー。
但しモル比とはMg/Al比の値である。
本発明によれば、保温性と透明性を兼備した温室または保温カバーが提供される。例えば動植物等の生育に使用する場合には、生育に必要な温度と光量を確保することに寄与する。
さらには、安定的な温度や光条件を提供するばかりでなく、生育段階を早めることや、より暖かい地域の動植物等を育成することも可能となる。また、本発明は透明性に優れたフィルムを備えていることから、温室内部の視認性が高く動植物等の飼育、繁殖、養殖、栽培、観賞などにも適している。その具体的な例としては、魚類、両生類、爬虫類や昆虫、植物、菌類などが挙げられる。
本発明において使用される保温剤は、下記式(1)であらわされ、
MgAl(OH)2X+4(CO)・mHO (1)
(上記式のXは4.0<X≦6.5の範囲にあり、mは0または正数を表す。)
Xは4.0<X≦6.5の範囲、好ましくは4.3≦X≦6.3、より好ましくは4.5≦X≦6.0の範囲にある。mは0または正数を表す。mは好ましくは0〜5、より好ましくは0〜4である。
ハイドロタルサイト類化合物はブルーサイトの8面体構造の一部がAlの様な3価の金属イオンの組み合わせにより構成されている。このX線回折ピークパターンの(110)面より求められる単位格子aは8面体構造の金属元素半径により変化し、このaの距離を求めることでハイドロタルサイトのモル比を計算することが出来る。このMg−Alで構成されるハイドロタルサイトの場合、次式(2)であらわす事ができる。
3.147−a=0.33543y (2)
:XRDより求められる単位格子距離
y=Al/(Al+Mg)
上記式(2)を用いることでX線回折角度より計算されたaよりyを求める事が出来、yからモル比を求めることができる。
本発明者は、上記式(1)で表されるハイドロタルサイト類化合物でX線回折法による(110)面の2θより求めるモル比Rと化学分析より求められるモル比Rが0.05≦|R−R|≦0.7を満たすことが、合成樹脂に配合し、フィルムとした時にフィルムの保温性及び透明性を高めることを見出した。すなわち、モル比の差が0.05≦|R−R|≦0.7、好ましくは0.05≦|R−R|≦0.5、さらに好ましくは0.05≦|R−R|≦0.4であり、0.7より高い場合は、所望の透明性を得られない。
本発明のフィルムは、樹脂100重量部に対し保温剤として1〜20重量部、好ましくは1〜15重量部のハイドロタルサイト類化合物を含有する。保温剤の含有量が、1重量部より少ない場合は保温剤としての効果は少なく、20重量部より多い場合は、透明性が悪く、フィルムの物性も低下する。
本発明に用いるハイドロタルサイト類化合物粒子の平均二次粒子径は、好ましくは0.1〜3.0μm、より好ましくは0.2〜1.5μmである。保温材のBET法比表面積は、好ましくは5〜50m/g、より好ましくは5〜30m/gである。平均二次粒子径が0.1μmより小さい場合や比表面積が50m/gより大きい場合は、樹脂への分散が困難になる場合があり、平均二次粒子径が3.0μmより大きい場合は樹脂へ練り込んだ際、フィルムの透明性が悪くなる場合がある。
本発明者は、ハイドロタルサイト類化合物をLEDP樹脂に10重量%練り込んだ際にカイザー面積より求めた保温指数が60以上で、ヘイズ値が保温剤を含有しないフィルムより35%以上は高くならないものが優れた合成樹脂フィルムであることを見出し、さらにその目的に達する保温剤は、上記条件を満たしたハイドロタルサイト類化合物であることを見出した。
本発明に用いる保温剤は、ハイドロタルサイト類化合物粒子を200〜350℃で焼成し、脱結晶水をしたハイドロタルサイト類化合物粒子を使用してもよい。
本発明に用いるハイドロタルサイト類化合物粒子を配合する樹脂は、フィルムとして使用されるものであればよく、その例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、ポリブデン、ポリ・4−メチルペンテン−1等の如きC〜Cオレフィン(α−オレフィン)の重合体もしくは共重合体、これらオレフィンとジエンとの共重合体類、エチレン−アクリレート共重合体、ポリスチレン、ABS樹脂、AAS樹脂、AS樹脂、MBS樹脂、エチレン/塩ビ共重合樹脂、エチレン酢ビコポリマー樹脂、エチレン−塩ビ−酢ビグラフト重合樹脂、塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩ビプロピレン共重合体、酢酸ビニル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、メタクリル樹脂等の熱可塑性樹脂が例示できる。
これらの熱可塑性樹脂のうち好ましい例としては、ポリオレフィンまたはその共重合体であり、具体的には、ポリプロピレンホモポリマー、エチレンプロピレン共重合体の様なポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、EVA(エチレンビニルアセテート樹脂)、EEA(エチレンエチルアクリレート樹脂)、EMA(エチレンアクリル酸メチル共重合樹脂)、EAA(エチレンアクリル酸共重合樹脂)、超高分子量ポリエチレンの様なポリエチレン系樹脂、およびポリブテン、ポリ4−メチルペンテン−1等のC〜Cのオレフィン(α−エチレン)の重合体もしくは共重合体である。
ハイドロタルサイト類化合物粒子は表面処理をすることが好ましい。表面処理剤として、高級脂肪酸類、アニオン系界面活性剤、リン酸エステル類、カップリング剤(シラン系、チタネート系、アルミニウム系)および多価アルコールと脂肪酸のエステル類、アクリルポリマー、シリコーン処理剤等からなる群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
高級脂肪酸として、ステアリン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘニン酸等の炭素数10以上の高級脂肪酸類が挙げられる。また前記高級脂肪酸のアルカリ金属塩が挙げられる。アニオン系界面活性剤として、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールの硫酸エステル塩、ポリエチレングリコールエーテルの硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エステル結合硫酸エステル塩、エステル結合スルホネート、アミド結合スルホン酸塩、エーテル結合スルホン酸塩、エーテル結合アルキルアリールスルホン酸塩、エステル結合アルキルアリールスルホン酸塩、アミド結合アルキルアリールスルホン酸塩等が挙げられる。リン酸エステル類として、オルトリン酸とオレイルアルコール、ステアリルアルコール等のモノまたはジエステルまたは両者の混合物であって、それらの酸型またはアルカリ金属塩またはアミン塩等が挙げられる。シラン系カップリング剤として、ビニルエトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシ−エトキシ)シラン、ガンマ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ベーター(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。チタネート系カップリング剤として、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート等が挙げられる。多価アルコールと脂肪酸のエステルとして、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤類、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート等が挙げられる。
表面処理剤を使用して、ハイドロタルサイト類化合物粒子の表面コーティング処理をするには、それ自体公知の湿式または乾式法により実施できる。例えば湿式法としては、ハイドロタルサイトのスラリーに表面処理剤を液状またはエマルジョン状で加え、約100℃までの温度で機械的に十分混合すればよい。乾式法としては、ハイドロタルサイトの粉末をヘンシェルミキサー等の混合機により、十分攪拌下で表面処理剤を液状、エマルジョン状、固形状で加え、加熱または非加熱下で十分に混合すればよい。表面処理剤の添加量は、適宜選択できるが、本発明に使用の保温剤の重量に基づいて、約10重量%以下とするのが好ましい。
保温剤の耐酸性を上げるために、ハイドロタルサイト類化合物粒子の表面に耐酸性を有する無機化合物により表面被覆を行う事が出来る。耐酸性を有する無機化合物としては、例えばケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニア、亜鉛、ホウ素の群から選ばれる1種以上の元素の酸化物か水酸化物である。これらの耐酸性被覆剤は保温剤に対し、2重量%以下が好ましい。
この表面被覆された本発明の保温剤の表面を、必要に応じ、上記表面処理剤の1種以上で表面処理をすることが出来る。
表面処理をした保温剤は、必要により、例えば水洗、脱水、造粒、乾燥、粉砕、分級等の手段を適宜選択して用いることができる。
本発明に用いられる合成樹脂フィルムの透明性は、後述の測定方法に従って測定したヘイズ値で評価される。ヘイズ値は、7.0以下が好ましく、より好ましくは6.0以下である。
本発明に用いられる合成樹脂フィルムの保温指数は、後述する測定法に従って測定した保温性指数で評価される。保温指数は、60以上が好ましく、より好ましくは65以上である。
本発明の温室に用いられるフレームに用いられる素材およびサイズは、温室内に格納する物の重量を支持できる十分な強度があればよい。その具体例としては、木材、樹脂または金属からなるフレームが挙げられる。木材は吸湿の点で好ましく、樹脂は軽量である点で好ましく、金属は堅牢性の点で好ましい。
本発明の温室に用いられる棚は地上部と水平になるように1段以上設けて、棚どうしの間隔は入光に差支えない程度に間隔を設ける。棚として用いられる板または網の材質は、格納する物の重量を支持できる十分な強度があればよい。その具体例としては、木材、樹脂または金属材が挙げられる。棚は平板状でもよいが、効率よく光を利用できる網状が好ましい。
本発明の温室の天井部は、効率よく外部からの光を取り込むことができればよいため、水平面と平行である必要はない。例えば天井面を水平面に対して0°から30°傾斜させることで、外部からの光の流入量を多くすることができる。さらには、半球状、ドーム状またはその他の立体形状とすることができる。
本発明に用いられる保温カバーの支柱として用いられる素材およびサイズは、支柱群によって形成されるトンネル形状を維持できる十分な強度があればよい。その具体例としては、木材、樹脂または金属からなる支柱が挙げられる。木材は吸湿の点で好ましく、樹脂は軽量である点で好ましく、金属は堅牢性の点で好ましい。また、植物の育苗用に用いる場合には、植物の成長に応じて支柱の長さが調節できる機構を備えていると好ましい。
支柱を合成樹脂フィルムで覆う際、支柱先端の一部を残して覆うこともできる。残した先端部は地面に差し込むことで保温カバーを固定することができる。保温カバーを鉢植え等に設置する場合には、支柱の先端部を直接植木鉢に固定してもよい。
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。実施例中、ハイドロタルサイト類化合物粒子の(a)平均二次粒子径、(b)BET法比表面積、(c)化学分析によるモル比、(d)X線回折法によるモル比、及び合成樹脂フィルムの(e)保温指数、(f)ヘイズ値、は以下に記載する測定方法によって測定した。
(a)平均二次粒子径:MICROTRAC粒度分析計(NIKKISO社製、MT3000IIシリーズ)を用いて測定した。試料粉末700mgを70mLの水に加えて、超音波(NISSEI社製、MODEL US‐300、電流280μA)で3分間分散処理した後、その分散液の2〜4mLを採って、250mLの脱気水を収容した上記粒度分析計の試料室に加え、分析計を作動させて2分間その懸濁液を循環した後、粒度分布を測定した。合計2回の測定を行い、それぞれの測定について得られた50%累積二次粒子径の算術平均値を算出して、試料の平均二次粒子径とした。
(b)BET法比表面積:窒素吸着法により測定した。
(c)化学分析によるモル比:試料を酸に溶解し、溶液中のMg、Al含量をキレート滴定にて測定した。
(d)X線回折法によるモル比:ハイドロタルサイトのXRDパターンより(110)面の角度を読み取り、2θよりハイドロタルサイトのモル比を算出した。
(e)保温指数:100μm厚のフィルムを作成し、FT−IRで吸収パターンを測定し、2000cm‐1から400cm‐1までの吸収強度より算出した。
(f)ヘイズ値:日本電色製ヘイズメータを用い、100μm厚のフィルムのヘイズを測定した。
(合成例1)
塩化マグネシウム1.5mol/L水溶液240mLと液体塩化アルミニウム1mol/L水溶液120mLをガラスビーカーに準備し、それらが同時になくなるように、また水酸化ナトリウム8mol/L水溶液120mLと炭酸ナトリウム1mol/L水溶液60mLを混合した混合溶液を、あらかじめ少量の水を張っている1L容積の反応槽の中に撹拌下pH9.5になるように同時注加して反応物を得た。得られた反応物700mLを130℃で6時間水熱処理した。冷却後全量取り出し80℃に加熱し予め用意していたステアリン酸ナトリウム1.55gの80℃水溶液を撹拌下に徐々に加え30分間維持した。その後ヌッチェにより固液分離しイオン交換水800mL で水洗し得られたケーキを105℃で18時間乾燥した。得られた乾燥物をハンマーミルで粉砕し150ミクロンのフィルターで篩過した。得られたハイドロタルサイト類化合物の化学式はMg5.9Al(CO)(OH)15.9・4.0HOであった。
このハイドロタルサイト類化合物の平均二次粒子径は0.26μmであり、BET法比表面積は17m/gであった。さらに、この物質のX線回折法による(110)面の2θより求めるモル比は6.03であり、化学分析によるモル比は5.93であったことから、これらの差は0.10であった。
ここで得られたハイドロタルサイト類化合物粒子4gと住友化学製LDPE36gを、ブラベンダー社製プラストミルを用いて130℃で混練りした後、油圧式圧縮成型機を用い160℃で製膜した。その結果、得られたフィルムの保温指数は69.33及びヘイズ値は5.7であった。
温室のフレームとして、直径20mmのスチール製のパイプを、幅700mm、奥行400mmおよび高さ1200mmの直方体状に組み、この天井面および側面を合成例1で得られたフィルムによって覆い、当該フィルムの700mm×1200mmの一側面の鉛直方向に全長1200mmの開閉部を設け、温室を作製した。このようにすることで、温室内に収容される植物等の手入れを容易にすることができる。さらに直方体状の枠内部には地上から30mm、400mm、800mmの高さに水平にスチール製の網棚を設けた。
(比較合成例1)
塩化マグネシウム1.5mol/L水溶液154mLと液体塩化アルミニウム1mol/L水溶液120mLをガラスビーカーに準備し、それらが同時になくなるように、また水酸化ナトリウム8mol/L水溶液88mL、炭酸ナトリウム1mol/L水溶液60mLを混合した混合溶液を、あらかじめ少量の水を張っている1L容積の反応槽の中に撹拌下pH9.5になるように同時注加して反応物を得た。得られた反応物700mLを170℃で6時間水熱処理した。冷却後全量取り出し80℃に加熱し予め用意していたステアリン酸ナトリウム0.55gの80℃水溶液を撹拌下に徐々に加え30分間維持した。その後ヌッチェにより固液分離しイオン交換水800mLで水洗し得られたケーキを105℃で18時間乾燥した。得られた乾燥物をハンマーミルで粉砕し150ミクロンのフィルターで篩過した。得られたハイドロタルサイト類化合物の化学式はMg3.9Al(CO)(OH)11.7・2.9HOであった。
このハイドロタルサイト類化合物の平均二次粒径は0.85μmであり、BET法比表面積は11m/gであった。さらに、この物質のX線回折法による(110)面の2θより求めるモル比は4.74であり、化学分析によるモル比は3.85であったことから、これらの差は0.89であった。
ここで得られたハイドロタルサイト類化合物粒子4gと住友化学製LDPE36gをブラベンダー社製プラストミルによって130℃で混練りした後、油圧式圧縮成型機を用い160℃でフィルム化した。その結果、保温指数は63.82、及びヘイズ値は10.1であった。
(比較例1)
合成例1のフィルムを比較合成例1のフィルムに置き換え、それ以外は実施例1と同じ温室を作製した。
実施例1で作製した温室と比較例1で作製した温室を、2014年5月7日に香川県坂出市林田町協和化学工業株式会社敷地内の屋外環境に設置し、それぞれの温室内の気温を2014年5月8日0時から24時まで1時間間隔で測定した。
その結果、実施例1で作製した温室内の気温は、比較例1で作製した温室内の気温と比べて常に同等かそれ以上であった(表1)。
Figure 2016000026
(合成例2)
塩化マグネシウム1.5mol/L水溶液192mLと液体塩化アルミニウム1mol/L水溶液120mLをガラスビーカーに準備し、それらが同時になくなるように、また水酸化ナトリウム8mol/L水溶液85mLと炭酸ナトリウム1mol/L水溶液60mLを混合した混合溶液を、あらかじめ少量の水を張っている1L容積の反応槽の中に撹拌下pH9.5になるように同時注加して反応物を得た。得られた反応物700mLを130℃で6時間水熱処理した。冷却後全量取り出し80℃に加熱し予め用意していたステアリン酸ナトリウム1.36gの80℃水溶液を撹拌下に徐々に加え30分間維持した。その後ヌッチェにより固液分離しイオン交換水800mLで水洗し得られたケーキを105℃で18時間乾燥した。得られた乾燥物をハンマーミルで粉砕し150ミクロンのフィルターで篩過した。得られたハイドロタルサイト類化合物の化学式はMg4.8Al(CO)(OH)13.6・3.4HOであった。
このハイドロタルサイト類化合物の平均二次粒子径は0.28μmであり、BET法比表面積は21m/gであった。
さらに、この物質のX線回折法による(110)面の2θより求めるモル比は5.10であり、化学分析によるモル比は4.79であったことから、これらの差は0.31であった。
ここで得られたハイドロタルサイト類化合物粒子4gと住友化学製LDPE36gをブラベンダー社製プラストミルによって130℃で混練りした後、油圧式圧縮成型機を用い160℃でフィルム化した。その結果、保温指数は65.72、及びヘイズ値は6.2であった。
樹脂で被覆された全長1000mmのスチール線を、両先端部間の幅が300mmかつ湾曲部が円弧になるようにU字に湾曲させた支柱を、並行かつトンネル状に3本35cm間隔で配置し、これを合成例2で得られたフィルムで覆って保温カバーを作製した。
(比較合成例2)
塩化マグネシウム1.5mol/L水溶液160mLと液体塩化アルミニウム1mol/L水溶液120mLをガラスビーカーに準備し、それらが同時になくなるように、また水酸化ナトリウム8mol/L水溶液90mL、炭酸ナトリウム1mol/L水溶液60mLを混合した混合溶液を、あらかじめ少量の水を張っている1L容積の反応槽の中に撹拌下pH9.5になるように同時注加して反応物を得た。得られた反応物700mLを170℃で13時間水熱処理した。冷却後全量取り出し80℃に加熱し予め用意していたステアリン酸ナトリウム0.55gの80℃水溶液を撹拌下に徐々に加え30分間維持した。その後ヌッチェにより固液分離しイオン交換水800mL で水洗し得られたケーキを105℃で18時間乾燥した。得られた乾燥物をハンマーミルで粉砕し150ミクロンのフィルターで篩過した。得られたハイドロタルサイト類化合物の化学式はMg4.0Al(CO)(OH)12.1・3.0HOであった。
このハイドロタルサイト類化合物の平均二次粒径は0.56μmであり、BET法比表面積は8.2m/gであった。さらに、この物質のX線回折法による(110)面の2θより求めるモル比は4.85であり、化学分析によるモル比は4.04であったことから、これらの差は0.81であった。
ここで得られたハイドロタルサイト類化合物粒子4gと住友化学製LDPE36gをブラベンダー社製プラストミルによって130℃で混練りした後、油圧式圧縮成型機を用い160℃でフィルム化した。その結果、保温指数は64.37、及びヘイズ値は11.0であった。
(比較例2)
合成例2のフィルムを比較合成例2のフィルムに置き換え、それ以外は実施例2と同じ保温カバーを作製した。
実施例2作製した保温カバーと比較例2で作製した保温カバーを、土を入れた個別のプランターの土表面を覆うように設置し、該プランターを2014年5月3日に香川県坂出市林田町協和化学工業株式会社敷地内の屋外環境に設置し、それぞれ保温カバー内の気温を2014年5月4日0時から24時まで1時間間隔で測定した。
その結果、実施例2で作製した保温カバー内の気温は、比較例2で作製した保温カバー内の気温と比べて常に同等かそれ以上であった(表2)。
Figure 2016000026
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例の構造のみに限定されるものではない。例えば、温室の外形状やサイズ、温室内の棚数、保温カバーに用いられるフレームの長さや数は、任意に変更して実施することが可能である。

Claims (5)

  1. 合成樹脂100重量部に対し、下記一般式(1)で表され、

    MgAl(OH)2X+4(CO)・mHO (1)
    (上記式のXは4.0<X≦6.5の範囲にあり、mは0または正数を表す。)

    X線回折法による(110)面の2θより求められるモル比Rと化学分析より求められるモル比Rが|R−R|≦0.7を満たすハイドロタルサイト類化合物を1〜20重量部含有する透明なフィルムを備えた温室または保温カバー。但しモル比とはMg/Al比の値である。
  2. フレームとこれを被覆するフィルムからなる温室において、直方体にフレームを組み、該フレーム群により形成される天井面および/または側面にフィルムを備えた請求項1に記載の温室。
  3. 天井面を水平面に対して0°から30°傾斜させた請求項1または請求項2に記載の温室。
  4. 地上部と水平な棚を1段以上有する請求項1から3のいずれかに記載の温室。
  5. 観葉植物または野菜等を栽培する畝または植木鉢もしくはプランターの地表部を覆うように設立された支柱群と、該支柱群の外側を被覆するフィルムから構成される請求項1記載の保温カバー。
JP2014222793A 2013-11-06 2014-10-31 保温性と透明性を有する温室および保温カバー Pending JP2016000026A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014222793A JP2016000026A (ja) 2013-11-06 2014-10-31 保温性と透明性を有する温室および保温カバー

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015546271 2013-11-06
JP2015546271A JPWO2015068312A1 (ja) 2013-11-06 2013-11-06 樹脂組成物および農業用フィルム
JP2014222793A JP2016000026A (ja) 2013-11-06 2014-10-31 保温性と透明性を有する温室および保温カバー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016000026A true JP2016000026A (ja) 2016-01-07

Family

ID=55077676

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014222793A Pending JP2016000026A (ja) 2013-11-06 2014-10-31 保温性と透明性を有する温室および保温カバー
JP2014222776A Pending JP2016054732A (ja) 2013-11-06 2014-10-31 保温性と透明性を有する農業用マルチフィルム

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014222776A Pending JP2016054732A (ja) 2013-11-06 2014-10-31 保温性と透明性を有する農業用マルチフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2016000026A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5696634A (en) * 1979-12-27 1981-08-04 Toyo Boseki Horticulture house
JPH069439U (ja) * 1992-02-05 1994-02-08 千年春 野口 小型温室装置
JPH0664441U (ja) * 1993-02-27 1994-09-13 みのる産業株式会社 壁面を遮光板とした温室
JP2004041223A (ja) * 1994-12-09 2004-02-12 Sumika Plastech Co Ltd ポリオレフィン系樹脂被覆フィルムおよび植物の栽培方法
JP2004244512A (ja) * 2003-02-14 2004-09-02 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂組成物およびその用途
JP2007166993A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Mkv Platech Co Ltd ポリオレフィン系農業用フィルム
JP2012125211A (ja) * 2010-12-16 2012-07-05 Zenkoku Nogyo Kyodo Kumiai Rengokai 園芸温室栽培用の水タンク及びそれを用いた植物の育成方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6274222A (ja) * 1985-09-27 1987-04-06 みかど化工株式会社 アルミニウムマルチフイルム
WO2014115811A1 (ja) * 2013-01-28 2014-07-31 三菱樹脂アグリドリーム株式会社 農業用フィルム

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5696634A (en) * 1979-12-27 1981-08-04 Toyo Boseki Horticulture house
JPH069439U (ja) * 1992-02-05 1994-02-08 千年春 野口 小型温室装置
JPH0664441U (ja) * 1993-02-27 1994-09-13 みのる産業株式会社 壁面を遮光板とした温室
JP2004041223A (ja) * 1994-12-09 2004-02-12 Sumika Plastech Co Ltd ポリオレフィン系樹脂被覆フィルムおよび植物の栽培方法
JP2004244512A (ja) * 2003-02-14 2004-09-02 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂組成物およびその用途
JP2007166993A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Mkv Platech Co Ltd ポリオレフィン系農業用フィルム
JP2012125211A (ja) * 2010-12-16 2012-07-05 Zenkoku Nogyo Kyodo Kumiai Rengokai 園芸温室栽培用の水タンク及びそれを用いた植物の育成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016054732A (ja) 2016-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4054144B2 (ja) 層間のアニオンとしてその一部または全部が珪素系、燐系及び硼素系多量体酸素酸イオンの少なくとも一種のアニオンとそれ以外のアニオンとを保持したハイドロタルサイト系化合物、その製法、農業用フィルム用赤外線吸収剤及び該赤外線吸収剤を含有する農業用フィルム
CA1255092A (en) Agricultural film of thermoplastic resin and hydrotalcite powder
CN101781431B (zh) 一种抗老化转光薄膜及其制备方法
JPS61500264A (ja) 温室形成用重合体材料
CN102482109A (zh) 水滑石型颗粒粉末、农膜用保温剂、农膜用母炼胶和农业用膜
WO1997000828A1 (fr) Nouveau composite hydroxyde/silicates condenses, procede de production de ce composite, absorbeur d'infrarouge et film pour l'agriculture
KR20160068821A (ko) 근적외선의 투과를 감소시키기 위한 미립자 이산화티타늄의 사용
CN107383574B (zh) 一种具有紫外近红外吸收热屏蔽聚烯烃共挤薄膜及制备方法
JP2011115073A (ja) 農業用ポリオレフィン系フィルム及びそれを用いた植物栽培方法
CN210137659U (zh) 纯天然自换气恒温温室薄膜及大棚
WO2015068312A1 (ja) 樹脂組成物および農業用フィルム
JP2016000026A (ja) 保温性と透明性を有する温室および保温カバー
Zhang et al. Highly distorted Cr3+-doped fluoroantimonate with high absorption efficiency for multifunctional near-infrared spectroscopy applications
KR101436149B1 (ko) 식물 재배온실
JP2001172608A (ja) 極遠赤外乃至遠赤外線吸収複合金属多塩基性塩
CN102767305A (zh) 立体模式的农业生产方法及建筑
JP6709782B2 (ja) ハイドロタルサイト粒子を用いた透明合成樹脂成形品の製造法
CN202108276U (zh) 农业复合楼房
CN208657476U (zh) 寒地日光田园温室
JP5522026B2 (ja) 保温剤とその利用
CN205648557U (zh) 一种山樱花树苗智能培育室
TW201518363A (zh) 樹脂組成物及農業用薄膜
CN110199866A (zh) 一种琼枝麒麟菜附着基水泥框及其应用
CN105961084B (zh) 保温花盆
JP6952364B2 (ja) 農業用フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20160122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160223

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160310

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160310

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160310

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160412

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160707

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160714

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20160805

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170825