JP2015536964A - B−raf阻害剤とヒストン脱アセチル化酵素阻害剤を含む医薬組合せおよび増殖性疾患の治療におけるそれらの使用 - Google Patents
B−raf阻害剤とヒストン脱アセチル化酵素阻害剤を含む医薬組合せおよび増殖性疾患の治療におけるそれらの使用 Download PDFInfo
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Abstract
医薬組合せを含む(a)B−Raf阻害剤および(b)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤;増殖性疾患の治療におけるこれらの組合せの使用;および治療的有効量のこれらの組合せを投与することを含む増殖性疾患に罹患した対象の治療方法。
Description
増殖性疾患の治療に使用する、B−Rafキナーゼ阻害剤およびヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の組合せである。本発明は、また、増殖性疾患の治療におけるこの組合せの使用;薬剤を組合せた医薬組成物、およびこの組合せの治療的有効量を対象に投与することを含む増殖性疾患罹患対象の治療方法に関する。
プロテインキナーゼは大きなタンパク質ファミリーであり、多種多様な細胞プロセスの調節および細胞機能の制御の維持において中心的役割を担っている。良性や悪性の増殖性障害などの多くの疾病ならびに免疫系および神経系の不適切な活性化に起因する疾患において、異常なキナーゼ活性が認められている。
Ras−Raf−MEK−ERKシグナル伝達経路は、細胞表面の受容体から核へシグナルを伝達し、細胞の増殖や生存に不可欠である。ヒトの癌の10〜20%に発癌性Ras変異が見られ、また多くのヒトの癌が活性化した増殖因子受容体を有しているので、この経路は介入するのに理想的な標的である。
セリン/スレオニンキナーゼのRafファミリーにはC−Raf(またはRaf−1)、B−RafおよびA−Rafの3メンバーが含まれる。B−Rafの対立遺伝子の活性化が、黒色腫の70%、甲状腺乳頭癌の40%、卵巣低悪性度腫瘍の30%、および大腸癌の10%において同定されている。B−Raf変異のほとんどはキナーゼドメイン内で見つかっており、一置換(V600E)によるものが80%を占めている。変異したB−Rafタンパク質はMEKに対する高いキナーゼ活性またはC−Rafの活性化によりRaf−MEK−ERK経路を活性化させる。本願の組合せ療法でのB−Raf阻害剤は、B−Rafキナーゼがこれらの癌細胞のシグナル伝達カスケードを遮断し、最終的に細胞のうっ血および/または死を誘導することにより細胞プロセスを抑制する。
ヒストンの可逆的アセチル化は、転写因子のDNAへのアクセシビリティを変えることにより作用する、遺伝子発現の主要制御因子である。正常な細胞では、ヒストン脱アセチル化酵素(HDA)とヒストンアセチル基転移酵素とが一緒にになってバランスを保つべくヒストンのアセチル化レベルを制御する。ヒストン脱アセチル化酵素を阻害すると高アセチル化したヒストンが蓄積し、それにより細胞応答がさまざまに変化する。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の癌細胞に対する治療効果の研究が行われている。最近のヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の研究分野における開発により、きわめて有効かつ安定であり、増殖性疾患の治療に好適な活性化合物が提供されている。
本発明は、B−Raf阻害剤による治療にヒストン脱アセチル化酵素阻害剤による治療を組合せると、B−Rafが阻害されたことに起因する細胞周期の抑制やアポトーシスが増強されるという発見に基づくものである。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は黒色腫細胞、さらにはB−Raf阻害剤に対する抵抗性をそれまでに獲得していた細胞においても、B−Raf誘導による細胞死に対する感受性を高める。
本発明は、増殖性疾患の治療または予防のためにそれを必要とする対象に個別に、同時に、または順次に投与するのに有用な(a)B−Raf阻害剤と(b)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤とを含む、治療的組合せに関する。
増殖性疾患治療のためのB−Raf阻害剤とその使用は当業者には既知である。ベムラフェニブ(PLX4032)は、腫瘍にBRAF V600Eと呼ばれる遺伝子突然変異を発現している黒色腫患者の治療用にFDAが承認したBRAF阻害剤である。米国特許US7,482,367には、ベンゾイミダゾリルピリジルエーテルが開示されており、ここにその全体を引用して援用するが、同特許には本願組合せに有用なB−Raf阻害剤もまた開示されている。また、WO2011/025927にはピラゾールピリミジンが開示されており、ここにその全体を引用して援用するが、これも本願組合せのために有用なB−Raf阻害剤の一種である。
ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤もまた当業者には既知である。このような化合物としては、ベリノスタット(Belinostat)、パノビノスタット(Panobinostat)、トリコスタチン(Trichostatin)A、BL−1521、PX−118490、CUDC−101、Pracinostat、ボリノスタット(Vorinostat)、ONO−4817、トセドスタット(Tosedostat)、ピロキシアミド(Pyroxamide)、バチマスタット(Batimastat)、Tefinostatおよびブフェキサマク(Bufexamac)がある。
本発明は、個別に、同時に、または順次に投与するための(a)B−Raf阻害剤および(b)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤を含む、治療的組合せに関する。
本発明の本態様が対象とする有用な組合せは、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤がベリノスタット(Belinostat)、パノビノスタット、トリコスタチン(Trichostatin)A、BL−1521、PX−118490、CUDC−101、Pracinostat、ボリノスタット(Vorinostat)、ONO−4817、トセドスタット(Tosedostat)、ピロキシアミド(Pyroxamide)、バチマスタット(Batimastat)、Tefinostatまたはブフェキサマク(Bufexamac)である組合せを含む。
本発明はさらに(a)B−Raf阻害剤と、
(b)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤パノビノスタット、またはその薬理学的に許容される塩とを含む医薬組合せに関する。
(b)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤パノビノスタット、またはその薬理学的に許容される塩とを含む医薬組合せに関する。
本発明の本態様が対象とする有用な組合せは、B−Raf阻害剤がベムラフェニブ、RAF265または式(I)の化合物である組合せを含む。
本発明は具体的には、
(a)式(I)
のB−Raf阻害剤またはその薬理学的に許容される塩と、
(b)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤パノビノスタットまたはその薬理学的に許容される塩とを含む医薬組合せに関する。
(a)式(I)
(b)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤パノビノスタットまたはその薬理学的に許容される塩とを含む医薬組合せに関する。
以下、B−Raf阻害剤とヒストン脱アセチル化酵素阻害剤との組合せ、式(I)のB−Raf阻害剤とヒストン脱アセチル化酵素阻害剤との組合せ、B−Raf阻害剤とヒストン脱アセチル化酵素阻害剤パノビノスタットとの組合せ、および式(I)のB−Raf阻害剤とヒストン脱アセチル化酵素阻害剤パノビノスタットとの組合せを、個々別々におよび集合的に本発明の組合せと呼ぶことにする。
本発明は特に、増殖性疾患の治療または予防のためにそれを必要とする対象に個別に、同時に、または順次に投与するのに有用な本発明の組合せに関する。
本発明はまた、増殖性疾患の治療または予防を、それを必要とする対象に行うための医薬組成物または薬物の調製に有用な本発明の組合せに関する。
本発明はさらに、増殖性疾患の治療または予防のための医薬組成物または薬物を調製するために本発明の組合せを使用することに関する。
本発明は、本発明の組合せを、増殖性疾患に対して共同して治療的に有効な量で増殖性疾患に罹患した対象に投与することを含む、増殖性疾患に罹患した対象の治療方法に関する。
本発明はさらに、治療剤としての本発明の組合せを、増殖性疾患の進行遅延または治療に使用するためにその治療剤を同時に、個別に、または順次に投与するための説明書とともに含む、商業用パッケージを提供する。
本明細書で使用する一般用語を、特に断らない限り、以下の意味をもって定義する:
本明細書で使用する「含む(comprising)」および「含む(including)」という用語は、特に断りのない限りオープン・エンドで非制限的な意味である。
本発明を説明する文脈(特に以下の請求項の文脈において)において「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」および同様の指示語は、本明細書中で特に明記したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数および複数の両方に及ぶと解釈するものとする。化合物、塩などに複数形が使用されている箇所では、単数の化合物、塩なども意味するものとする。
本明細書で使用する「組合せ」、「治療的組合せ」または「医薬組合せ」という用語は、1つの投与単位形態にした固定配合物、または個々の組合せ相手(a)および(b)を、協同的な、例えば、相乗的な効果を示すことができるような時間間隔内に同時あるいは個別に、独立して投与してよい、組合せ投与用のキット・オブ・パーツ(kit of parts)を意味する。
本明細書では、用語「医薬組成物」は、対象、例えば、哺乳動物あるいはヒトに投与すべき治療剤を、その哺乳類に影響を及ぼす特定の疾患や病態の予防または治療を目的として、少なくとも1種含有する混合物または溶液をいうとして定義する。
本明細書中では、用語「薬理学的に許容される」は、信頼できる医学的判断の範囲内で、過渡の毒性、刺激、アレルギー反応などの問題を併発することなく対象、例えば、哺乳動物あるいはヒトの組織に接触させるのに好適であり、妥当な利益/リスクの度合いに見合った、化合物、物質、組成物および/または剤形をいうとして定義する。
本明細書中で用語「組合せ調製」は、特に「キット・オブ・パーツ(kit of parts)」をいい、上記で定義した組合せ相手(a)および(b)をそれぞれ独立に、または組合せ相手(a)および(b)の量が明確なさまざまな固定配合物を使用して投与できる、すなわち、同時または異なる時点で投与できるものと定義する。また、キット・オブ・パーツ(kit of parts)のパーツは、例えば、同時または時間的にずらして投与することが可能で、つまり、キット・オブ・パーツ(kit of parts)の任意のパーツを異なる時点で、しかも等しいまたは異なる時間間隔で投与することが可能である。組合せ調製において投与する組合せ相手(a)対(b)の総量比は、例えば、治療対象の患者亜集団のニーズや1人の患者のニーズに応じてさまざまである。
本明細書で使用する「併用投与」または「組合せ投与」という用語は、選択した治療剤を1人の患者に投与することを包含するとともに、治療剤の投与経路や投与時間が必ずしも同じではない治療計画を含むことを意図している。
本明細書で使用する「治療する(treating)」または「治療(treatment)」という用語は、対象の少なくとも1つの症状を解消、軽減あるいは緩和させる、または疾患の進行を遅らせる作用のある治療を含む。例えば、癌などの障害の1つ以上の症状を弱めること、または根治でありうる。本発明の意味の範囲内で、用語「治療する(treat)」は、また、発症(すなわち、疾患の臨床症状発現までの期間)を停止、遅延させること、および/または疾患が発生あるいは悪化するリスクを低下させることを意味する。本明細書で用語「保護する」を使用する場合、対象における疾患の、すべての発生あるいは継続あるいは悪化(該当するケースにより)を予防、遅延あるいは治療することを意味する。
「共同して治療的に活性である」または「共同的治療効果」という用語は、治療剤を、治療すべき温血動物、特にヒトに、(好ましくは相乗的な)相互作用(共同的治療効果)を示すような時間間隔で個別に(時間的にずらして、特に順序特異的に)投与できることを意味する。これが該当する症例かどうかの判断は、特に、少なくとも特定の時間間隔の間に両化合物が治療すべきヒトの血液中に存在しているかどうか、血中濃度を調べて行う。
治療剤の組合せの「薬理学的に有効な量」または「臨床的に有効な量」または「治療的に有効な量」という用語は、治療剤の組合せを使用して治療する障害について、臨床上観察可能な徴候や症状のベースラインと比して観察可能な改善を提供するのに十分な量をいう。
本明細書で使用する「対象」または「患者」という用語は、癌に直接的または間接的に関与する癌またはあらゆる障害にかかる対象となりうる、または罹患しうる動物を含む。対象の例として、哺乳類、例えばヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラット、およびヒト以外のトランスジェニック動物等が挙げられる。好ましい実施形態において、対象はヒト、例えば、癌に罹患しているヒト、癌に罹患するリスクのあるヒト、または癌に罹患する可能性の高いヒトである。
「約」または「およそ」という用語は、与えられた値または範囲の10%以内を意味し、さらに好ましくは5%以内を意味する。
組合せ相手(a)および(b)は、遊離の形態でまたは薬理学的に許容される塩の形態で投与してよい。
本明細書で使用する「薬理学的に許容される塩」には、特に明記しない限り、本発明の化合物に存在しうる酸性基や塩基性基の塩等が含まれる。本発明の化合物は塩基性の性質を有し、さまざまな無機酸・有機酸とともに多種多様な塩を形成することができる。本発明のそのような塩基性化合物の薬理学的に許容される酸付加塩を調製するために使用できる酸は、非毒性の酸付加塩を形成する酸である。非毒性の酸付加塩とは、すなわち、酢酸塩、安息香酸塩、臭化塩、塩化物、クエン酸塩、フマル酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、および酒石酸塩など、薬理学的に許容される陰イオンを含有する塩である。パノビノスタットは特にパノビノスタット乳酸塩の形で投与する。式(I)のB−Raf阻害剤は特に固体分散体またはマイクロエマルジョン製剤にして遊離塩基の形で投与する。
特に明記したり、本文で明示したりしない限り、本発明の組合せに有用な治療剤というとき、化合物の遊離塩基、およびその化合物の薬理学的に許容されるすべての塩が含まれる。
本発明はまた、本発明の組合せを含む組合せ調製または医薬組成物などの組合せに関し、特に、(a)式(I)
のB−Raf阻害剤またはその薬理学的に許容される塩と、
(b)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤パノビノスタットまたはその薬理学的に許容される塩と、を含む組合せ調製または医薬組成物の組合せに関する。
(b)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤パノビノスタットまたはその薬理学的に許容される塩と、を含む組合せ調製または医薬組成物の組合せに関する。
本発明は特に、それを必要とする対象の増殖性疾患の治療または予防に有用な本発明の組合せに関する。本発明のこの実施形態では、本発明の組合せを、例えば、有効量の式IのB−Raf阻害剤とパノビノスタットとを含む組合せ療法で対象に投与することを含む、増殖性疾患の治療または予防に使用する。好ましくは、これらの阻害剤を、組合せた場合に有益な効果が得られる治療的有効用量で投与する。投与は、個別、同時または順次に行ってよい。
ある実施形態では、増殖性疾患は癌である。本明細書で使用する用語「癌」は、広範囲の腫瘍を意味し、すべての固形腫瘍および血液学的悪性腫瘍を含む。このような腫瘍の例として、脳、肺腫瘍(特に小細胞肺癌および非小細胞肺癌)、扁平上皮細胞、膀胱、胃、膵臓、乳房、頭頸部、腎、腎臓、尿管、卵巣、前立腺、大腸、食道、精巣、婦人科領域(例えば、子宮肉腫、卵管癌腫、子宮内膜、子宮頚部、膣または外陰)、甲状腺、膵臓、骨、皮膚、黒色腫、子宮、卵巣、直腸、肛門、結腸、精巣、ホジキン病、食道、小腸、内分泌系(例えば、甲状腺、副甲状腺、または副腎)、軟部組織肉腫、尿道、陰茎、白血病、リンパ腫、中枢神経系新生物、肉腫、骨髄腫、胆管、肝臓、神経線維腫症、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、およびカポジ肉腫、の良性または悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本発明のさらなる実施形態では、増殖性疾患は黒色腫、肺癌(非小細胞肺癌(NSCLC)を含む)、大腸癌(CRC)、乳癌、腎臓癌(例えば、腎細胞腫(RCC)など)、肝癌、子宮内膜癌、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、甲状腺癌、特に甲状腺乳頭癌、膵臓癌、神経線維腫症または肝細胞癌である。
本発明のさらなる実施形態では、増殖性疾患は固形腫瘍である。用語「固形腫瘍」は、特に、黒色腫、乳癌、卵巣癌、大腸癌、および広くは、消化管、子宮頚部癌、肺癌(小細胞肺癌および非小細胞肺癌を含む)、頭頸部癌、膀胱癌、前立腺癌またはカポジ肉腫を意味する。本願の組合せは、固形腫瘍の成長のほか液性腫瘍の成長も抑制する。さらに、腫瘍タイプや使用する特定の組合せにより、腫瘍体積を減少させることができる。本明細書に開示する本発明の組合せは、また、腫瘍の転移性の広がり、および微小転移の成長や発生の予防にも適している。本明細書に開示する本発明の組合せは、予後不良の患者、特に転移性の黒色腫、大腸癌または膵臓癌に罹患した予後不良の患者の治療に好適である。本発明の組合せは、それまでにB−Raf阻害剤治療に対する抵抗性を獲得している患者の治療に特に有用である。
さらなる実施形態において、増殖性疾患は黒色腫または大腸癌、特にB−Raf阻害剤治療に対する抵抗性を獲得している黒色腫または大腸癌である。
本発明の組合せは、RAS/RAF/MEKシグナル伝達経路において、例えば、B−Raf変異や遺伝子増幅などのように遺伝子が変異している癌の治療に特に有用である。
重要な実施形態において、治療対象となる癌はB−Raf変異を特徴とする癌であり、例えば、B−Raf遺伝子が変異した大腸癌および黒色腫、特に、B−Raf阻害剤治療に対する抵抗性のある黒色腫または大腸癌である。特に、B−Raf変異とはV600の変異で、例えばV600E、V600KまたはV600Gの変異である。
増殖性疾患の性質は多数の因子による。ある状況下では、作用機序の異なる薬品を組合せてよい。ただし、作用の仕方が異なる治療剤を任意に組合せただけでは、必ずしも有利に作用する組合せになるわけではない。
本発明の医薬組合せの投与により、例えば症状の緩和、進行遅延、または抑制に関する相乗的な治療効果といった有益な効果が得られるだけではなく、例えば、副作用の減少、反応時間の延長、生活の質の向上または罹患率の低下といった、本発明の組合せで使用する薬理学的治療剤のうちの一剤だけを投与する単独療法と比較して、さらに驚くべき有益な効果が得られる。
さらなる利益は、本発明の組合せの治療剤を、より低用量で使用できることである。例えば、用量がより少なくてすむことが多いばかりではなく、投与頻度をより少なくできる。または、組合せ相手の1剤の単剤使用で認められた副作用の発生率を低下させる目的で使用できることである。これは、治療を受ける患者の諸々の希望や要求にかなっている。
本発明の組合せが本明細書で先に記載した有益な効果をもたらすことは確立された試験モデルで示すことができる。当業者は、こうした有益な効果を証明する関連試験モデルを十分に選択することができる。本発明の組合せの薬理活性は、例えば、本明細書で以降に記載する細胞株の試験で示すことができる。
さらなる態様にしたがい、本発明は、各成分の用量範囲が好適なインビトロ腫瘍モデルまたは臨床試験で示唆された相乗的範囲に対応した、式IのB−Raf阻害剤とパノビノスタットとを含む、ヒトに投与するための相乗的組合せを提供する。一般に、式IのB−Raf阻害剤を1日あたり10mg〜450mgの範囲の用量で投与し、具体的には1日あたり50〜350mg、例えば1日あたり100、200または300mgで投与し、パノビノスタットを連日100〜1,500mgの範囲、例えば1日あたり200、400、500、600、800、900または1,000mgなど1日あたり200〜1,000mgの用量で投与し、用量を単回または2回に分けて連日投与する。
本発明の1つの目的は、増殖性疾患に対して共同して治療的に有効な本発明の組合せを含む医薬組成物を提供することである。この組成物において、組合せ相手(a)および(b)は、単一製剤あるいは単位剤形での投与、同時に個別の投与、または順次投与のいずれでも、任意の好適な経路で投与が可能である。単位剤形は固定配合物であってもよい。
両組合せ相手を個別に投与したり、固定配合物、すなわち本発明の組合せを含む単一生薬組成物で投与したりするための医薬組成物は、それ自体が公知の方法で調製されてよく、また、これらの組成物は、治療的有効量の少なくとも1つの薬理学的に活性な組合せ相手を、例えば上記で示したように、単剤または1つ以上の薬理学的に許容される担体、特に経腸投与または非経口投与に好適な担体との組合せで含む、ヒトを含めた哺乳類(温血動組成物)への経口あるいは直腸投与といった経腸投与および非経口投与に好適な医薬組成物である。
新規な医薬組成物は、約0.1%〜約99.9%、好ましくは約1%〜約60%の治療剤(単数または複数)を含有してよい。
経腸または非経口で投与する組合せ療法に好適な医薬組成物は、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセル剤あるいは坐剤などの単位剤形形態、またはアンプルである。特に指示がない限り、これらはそれ自体公知の方法、例えば従来のさまざまな混合、粉砕、直接打錠、造粒、糖衣、溶解、凍結乾燥プロセス、溶融造粒、または当業者に明らかな製造技術により調製する。必要有効量は投与単位の複数投与により達成できるので、それぞれの剤形の個々の用量に含有される、組合せ相手の単位含有量がそれ自体で有効量を構成する必要のないことは認識されよう。
ある実施形態では、本発明はまた、増殖性疾患の治療または予防を、それを必要とする対象に行うための医薬組成物または薬物の調製に使用するための本発明の組合せに関する。
本発明によれば、本発明の組合せの組合せ相手それぞれを治療的有効量、同時または順次に任意の順序で投与してよく、その成分を個別に、または固定配合物として投与してよい。例えば、本発明の増殖性疾患の治療方法は、(i)薬剤(a)の遊離形態あるいは薬理学的に許容される塩の形態での投与、および(ii)薬剤(b)の遊離形態あるいは薬理学的に許容される塩の形態での投与を、同時または順次に任意の順序で、共同して治療的に有効な量、好ましくは相乗的に有効な量、例えば本明細書に記載の量に対応する連日あるいは間欠的投与量で行うことを含んでよい。本発明の組合せの個々の組合せ相手を、治療期間中の異なる時間に個別に、あるいは同時に、分割して、あるいは単一の組合せ形態で投与してよい。したがって、本発明は、同時または交互の治療計画すべてを包含するものと理解され、用語「投与する(administering)」はそれに応じて解釈されるべきである。
本発明の組合せで使用する組合せ相手それぞれの有効用量は、使用する特定の化合物あるいは医薬組成物、投与方法、治療する病態、および治療する病態の重症度に応じ異なってよい。したがって、本発明の組合せの投与計画は、投与経路および患者の腎機能や肝機能など多種多様な因子に基づいて選択される。当業の臨床医または医師なら、病態を緩和し、それに対抗し、あるいは病態の進行を停止させるために必要な、有効量の一治療剤を容易に判断し、処方することが可能である。
本発明の組合せの組合せ相手(a)と(b)が毒性なしに有効性をもたらす最適比、個々の用量と組合せ用量、および濃度は、治療剤の標的部位までの利用能の動態に基づいており、当業者に周知の方法を用いて決定する。
組合せ相手それぞれの有効用量により、組合せ中のある化合物(単数または複数)がほかの化合物(単数または複数)に比して頻回投与を要する場合がある。したがって、適切な投与ができるよう、包装された医薬品が、化合物組合せを含有する1以上の剤形と、化合物組合せのうち1つを含有する1以上の剤形とを含んでよいが、その組合せのそれ以外の化合物(単数または複数)を含むことはできない。
本発明の組合せに使用する各種の組合せ相手を、単一薬品として市販されているような形態で適用する場合、これら組合せ相手の投与量および投与方法は、本明細書中で特に言及しない限り、それぞれの市販薬の添付文書で提供された情報にしたがって行うことができる。
増殖性疾患治療のための各組合せ相手の最適用量は、公知の方法を用いて各個人について経験的に決定でき、非限定的に、疾患の進行度;年齢、体重、全体的健康状態、性および個人の食生活;投与の時間と経路;および他に服用中の薬物など多様な因子に左右されることになる。
最適用量は、当業者には周知のルーチンの検査や方法を用いて設定してよい。
最適用量は、当業者には周知のルーチンの検査や方法を用いて設定してよい。
担体物質と組合せて単一剤形を製造するための各組合せ相手の量は、治療を受ける個人および特定の投与方法によりさまざまである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するような薬剤の組合せを含有する単位剤形には、組合せの各薬剤が、それを単剤投与する場合の一般的な量で含有されることになる。
投与頻度は、使用化合物、および治療または予防する特定の病態に応じ異なってよい。一般に、有効な治療を提供するのに十分な最小用量の使用が好ましい。一般に、治療または予防する病態に好適な試験法を用いて治療的有効性について患者をモニタリングするが、その方法は当業者には馴染みとなるであろう。
本発明は、本発明の組合せを、増殖性疾患に対して共同して治療的に有効な量で増殖性疾患に罹患した対象に投与することを含む、増殖性疾患の対象の治療方法に関する。特に、本発明の組合せで治療すべく増殖性疾患は、黒色腫あるいは大腸癌、特にB−Rafが変異した黒色腫あるいは大腸癌、例えば、V600 B−Rafが変異した黒色腫あるいは大腸癌、特に、ベムラフェニブあるいは式Iの化合物などのB−Raf阻害剤による治療に抵抗性のあるB−Raf変異した黒色腫あるいは大腸癌である。さらに、治療には外科手術または放射線治療を含んでよい。
本発明はさらに増殖性疾患、特に癌の治療で使用するための本発明の組合せに関する。
本発明はさらに、治療剤としての本発明の組合せと、増殖性疾患の進行遅延または治療においてそれを必要とする対象に使用するために、同時投与、個別投与または順次投与を行うための説明書とを共に含む、商業用パッケージを提供する。
以下の実施例により、上記の本発明を説明する。ただし、これらは、いかなる形でも本発明の範囲を限定することを意図しない。本発明の医薬組合せの有益な効果は、関連分野の当業者に公知のほかの試験モデルで測定することもできる。
結果:
細胞株:Mel−PX−PreおよびMel−PX−postはそれぞれ患者X由来のベムラフェニブ治療前(pre)の細胞株と治療後(post)の細胞株を表す。
治療剤:B−Rafは式IのB−Raf阻害剤であり、HDAIはパノビノスタットである
SDは標準偏差である
細胞株:Mel−PX−PreおよびMel−PX−postはそれぞれ患者X由来のベムラフェニブ治療前(pre)の細胞株と治療後(post)の細胞株を表す。
治療剤:B−Rafは式IのB−Raf阻害剤であり、HDAIはパノビノスタットである
SDは標準偏差である
式(I)のB−Raf阻害剤を、ベムラフェニブ治療患者の治療前と治療後で樹立した、preとpostにマッチする細胞株で試験した。式(I)のB−Raf阻害剤は、Baf変異黒色腫で強力なG1停止および細胞株依存的なアポトーシスを引き起こした。Mel−P3黒色腫細胞株では、式(I)のB−Raf阻害剤により「pre」細胞株に強力なG1停止および弱いアポトーシスが起こったが、「post」細胞株では、より弱いG1停止が起こり、アポトーシスは見られない。パノビノスタットと式(I)のB−Raf阻害剤と組合せると、黒色腫株のアポトーシスが相乗的に増加した。アポトーシスの増加は、それまでにB−Raf阻害剤ベムラフェニブに対する耐性を獲得していた「post」細胞株でも認められた。このことから、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は、黒色腫におけるB−Raf阻害に対する既得抵抗性を逆転させることができるとともに、B−Rafの阻害で耐性株にアポトーシスを誘導できることが示唆される。数多くの異なるマッチした細胞株を試験し、感受性はさまざまであるものの、パノビノスタットおよび式(I)のB−Raf阻害剤はアポトーシスを相乗的に増加させる作用があった(Chou and Talalay method)。メラノサイトは、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤パノビノスタット;式(I)のB−Raf阻害剤、または両剤を組合せた治療に応答して死ぬことはなかった。
ベムラフェニブ抵抗性黒色腫細胞を式(I)のB−Raf阻害剤とパノビノスタットとの組合せ治療による細胞死に関連した細胞事象についても調べた。B−Raf阻害単独に応答してアポトーシスに至ることのないMel−P3−post細胞が、主目的となる。式(I)のB−Raf阻害剤とパノビノスタットの組合せにより、カスパーゼが活性化した細胞数は増加し、細胞のミトコンドリア外膜の膜電位が消失した。さらに、薬品の組合せで治療した細胞にPARP切断が認められた。PARP切断はMel−P3−pre細胞でも認められ、B−Raf阻害剤で誘導されるアポトーシスに至り、それはパノビノスタットにより相乗的に増大する。これらの観察結果から、ミトコンドリアの脱分極が関与する古典的なアポトーシスカスケードが活性化されていることが示唆される。
ヒストン脱アセチル化酵素の阻害が、黒色腫細胞のB−Raf阻害に対する感受性をどのようにして高めるのかを検討するため、B−Raf阻害剤単剤による治療前後の「pre」、「post」両細胞に遺伝子発現解析を実施し、結果をB−Raf阻害剤とヒストン脱アセチル化酵素阻害剤との組合せで治療した細胞のものと比較した。多数の遺伝子がヒストン脱アセチル化酵素阻害剤に応答して細胞株特異的に変化したので、我々はヒストン脱アセチル化酵素阻害剤治療の重要な標的となりうる細胞経路の同定を試みた。各細胞株について、Gene Set Enrichment Analysis(GSEA:遺伝子セットを使った発現情報の解析)を実施し、B−Raf阻害のみの場合と組合せの場合とを比較した。GenePatternソフトウェアおよびC5細胞プロセス遺伝子セットを使用するmetaGSEAを用いて全細胞株の結果を組合せた。
ヒストン脱アセチル化酵素治療による上方制御:
膜融合
MAPKカスケードの制御
脂肪酸代謝過程
アミノ酸誘導体代謝過程
炭水化物輸送
ステロイド代謝過程
細胞外刺激に対する反応
イオン恒常性
細胞膜貫通型受容体タンパク質チロシンキナーゼのシグナル伝達経路
モノカルボン酸代謝過程
膜融合
MAPKカスケードの制御
脂肪酸代謝過程
アミノ酸誘導体代謝過程
炭水化物輸送
ステロイド代謝過程
細胞外刺激に対する反応
イオン恒常性
細胞膜貫通型受容体タンパク質チロシンキナーゼのシグナル伝達経路
モノカルボン酸代謝過程
ヒストン脱アセチル化酵素治療による下方制御:
サイトカイン分泌
JNK作用の活性化
JNK作用の正の調節
ウイルスのゲノム複製
JNK作用の調節
核酸塩基ヌクレオシドおよびヌクレオチドの代謝過程
液性免疫応答
ヌクレオチド代謝過程
ヌクレオチド生合成過程
tRNA代謝過程
サイトカイン分泌
JNK作用の活性化
JNK作用の正の調節
ウイルスのゲノム複製
JNK作用の調節
核酸塩基ヌクレオシドおよびヌクレオチドの代謝過程
液性免疫応答
ヌクレオチド代謝過程
ヌクレオチド生合成過程
tRNA代謝過程
結論:
ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は、B−Raf阻害剤との組合せ治療に有望であることを示している。その組合せは、第一選択治療として、また、B−Raf阻害剤単剤での初期治療に失敗した患者にとっても有効である可能性がある。
ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は、B−Raf阻害剤との組合せ治療に有望であることを示している。その組合せは、第一選択治療として、また、B−Raf阻害剤単剤での初期治療に失敗した患者にとっても有効である可能性がある。
式(I)のB−Raf阻害剤は、強力な細胞周期抑制および細胞株依存性アポトーシスを示し、それがヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の付加により増強することが示された。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は、黒色腫細胞の、しかもそれまでにBRAF阻害剤に対する抵抗性を獲得していた細胞株においても、B−Raf阻害剤の誘導による細胞死に対する感受性を高めることができた。
Claims (20)
- (a)B−Raf阻害剤と、
(b)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤と、
を含む、同時、個別、または順次に投与するための医薬組合せ。 - (a)B−Raf阻害剤と、
(b)前記ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であるパノビノスタットまたはその薬理学的に許容される塩と、
を含む、請求項1に記載の医薬組合せ。 - 増殖性疾患の治療を必要とする対象においてその治療で使用するための、請求項1〜4のいずれかに記載の医薬組合せ。
- 増殖性疾患治療用の薬物の調製に使用するための、請求項1〜4のいずれかに記載の医薬組合せ。
- 前記増殖性疾患が癌である、請求項6に記載の医薬組合せ。
- 前記増殖性疾患が黒色腫、肺癌(非小細胞肺癌(NSCLC)を含む)、大腸癌(CRC)、乳癌、腎臓癌、腎細胞腫(RCC)、肝癌、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、甲状腺癌、膵臓癌、神経線維腫症または肝細胞癌である、請求項7に記載の医薬組合せ。
- 増殖性疾患治療用の薬物を製造するための、請求項1〜4のいずれかに記載の組合せの使用。
- 治療的有効量の
(a)B−Raf阻害剤と、
(b)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤とを、
増殖性疾患に罹患した患者に、同時に、個別に、または順次に投与することを含む、ヒト患者の増殖性疾患の治療方法。 - 前記ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤がパノビノスタットである、請求項10に記載の方法。
- 前記ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤がパノビノスタットである、請求項11に記載の方法。
- 前記増殖性疾患が黒色腫、肺癌、大腸癌(CRC)、乳癌、腎臓癌、腎細胞腫(RCC)、肝癌、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、非小細胞肺癌(NSCLC)、甲状腺癌、膵臓癌、神経線維腫症または肝細胞癌である、請求項10〜13のいずれかに記載の方法。
- 前記増殖性疾患がB−Raf変異を特徴とする、請求項14に記載の方法。
- 前記増殖性疾患がB−Raf V600変異を特徴とする、請求項15に記載の方法。
- 前記増殖性疾患が黒色腫である、請求項10に記載の方法。
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