いくつかの実施態様では、本出願の特定の実施態様について記載し、主張するのに用いられる成分量、特性、例えば分子量、反応条件等を表す数字は、いくつかの事例において用語「約」により修飾されるものと理解される。したがって、いくつかの実施態様では、文書化された説明及び添付の特許請求の範囲に記載する数値パラメーターは近似値であり、特定の実施態様が得ようとする所望の特性に依存して変化し得る。いくつかの実施態様では、数値パラメーターは、報告するような有効数字を前提としており、また通常の丸め技法が適用されているものと解釈すべきである。本出願のいくつかの実施態様について、その幅広い範囲を記載する数値上の範囲及びパラメーターは近似値ではあるけれども、具体的事例に記載する数値は、実行可能な限り正確に報告されている。
本発明の実施態様は、液体サンプル中の標的分析物及び/又はその活性(例えば、1つ又は複数の酵素の活性)を検出するデバイス(バイオセンサー)及び方法に関し、前記標的分析物の作用機序は結合を開裂することである。いくつかの実施態様では、対象となる酵素(標的分析物)の作用は、標的分析物により特異的に開裂するリンカーの開裂により選択的に検出される。デバイス及び方法は、ポイントオブケアに適用するために、単純であり得る。
本明細書に開示する本発明のいくつかの実施態様は、ポイントオブケア又は検査室の試験デバイス又はシステムに適する、開裂作用機序を有する酵素(標的分析物)を検出する新規の方法及びデバイス(バイオセンサー)を含む。デバイスは、本明細書ではストリップ(バイオセンサー)と呼ぶ単回使用試験要素、及び本明細書ではメーターと呼ぶ再使用可能な(例えば電子的、光学的な)装置部分を含み得る。ストリップ(バイオセンサー)は、標的分析物、又はその一形態(例えば、活性な形態)が存在する場合には、遊離プローブ種を生成する化学反応を提供し得る;またメーターは、検出可能な種(例えば、遊離プローブ種又は検出可能な反応生成物)から検出可能なシグナルを生成するための刺激を提供することができ、及び/又は当該シグナルを測定する、及び/又は当該シグナルを分析する、及びその他のデバイスへの情報伝達を経由して、局所的若しくは遠隔的に試験結果を報告若しくは伝達することができる。
ストリップ(バイオセンサー)は、少なくとも2つのチャンバー、第1のチャンバー及び第2のチャンバーを備えることができる。使用に際し、液体サンプルは、第1のチャンバーを充填するように仕向けることが可能である。第1のチャンバー内では、標的分析物が存在すれば、その存在はラベル種(プローブ種)が液体サンプル内に遊離する原因となり得、当該ラベル種は直接検出可能である、又はさらに反応して第2のチャンバー内で検出可能な反応生成物をもたらし得る。遊離プロセスは、進行するままに放置することができる(例えば、所定の時間)。その後、遊離プローブ種を含有する反応した液体サンプルが第2のチャンバー内に移送可能であり、そこで検出シグナルが、ラベル種(遊離プローブ種)から直接、又は第2のチャンバー内でラベル種(プローブ種)が起こす反応(検出反応)により生成される反応生成物から読み取り可能である。第2のチャンバー内に存在するラベル(例えば、遊離プローブ種又は反応生成物)の量を定量することにより、サンプル中の標的分析物の活性が定量化又は半定量化可能である。
本明細書に記載する本発明のいくつかの実施態様では、デバイスは、液体サンプル中のフリーの又は遊離したプローブ種の存在及び/又は量が標的分析物による開裂に依存するように適合される。この点は、先行技術との顕著な相違を示すものと考えられる。単なる事例ではあるが、これは、結合反応に頼らない、対象となる種を検出する新しい及び/又は有利な方法に該当する。この方法は、例えば共有結合によるプローブ種の固定化又は遅延化は、プローブ種が標的分析物による開裂反応により遊離する前は非常に強固と考えられるので、低バックグラウンドシグナルを実現することができる。したがって、標的分析物が存在しない場合には、第1のチャンバー(例えば、反応チャンバー)内、及び/又は第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)内にフリー又は遊離のプローブ種を有する可能性は低い。
対照的に、結合反応、例えば競合的結合アッセイ法、置換結合アッセイ法等が関係する場合、結合種が利用可能であるが、結合パートナーに対する親和力は比較的低い。単なる事例ではあるが、置換測定法では、結合種及びプローブ(例えば、検出可能なプローブ)を含むレポーター複合体が、液体サンプル導入前に結合パートナーに結合するが、結合種の結合親和力は、標的分析物の結合パートナーに対する結合親和力よりも低い。結合種(及び標的分析物)と結合パートナーとして、抗原と抗体をそれぞれ挙げることができるが、またその逆も同様である。レポーター複合体は、液体サンプル中の標的分析物により置換可能であり、そしてフリーのレポーター複合体が測定可能である。レポーター複合体の結合パートナーに対する親和力が比較的低いことに起因して、標的分析物が存在しない場合には、レポーター複合体は結合パートナーから解離する可能性があり、したがって比較的高いバックグラウンドシグナル及び/又は比較的高い測定誤差が生じる。
さらに、代表的なポイントオブケア血液検査等の、小容積の液体中で結合反応が行われるデバイスでは、プローブ(例えば、検出可能なプローブ)を含む種(例えば、レポーター複合体)は、若干の距離拡散する必要があり得、したがってプローブ(例えば、検出可能なプローブ)を含む種(例えば、レポーター複合体)が有し得るサイズ、又は試験の迅速性に制限が生じる。本発明のいくつかの実施態様では、プローブ種は、液体サンプル導入前に、結合によりリンカーに連結する。液体サンプルに標的分析物が含まれる場合には、リンカーは、標的分析物により特異的に開裂し得る。開裂が生ずるのに、プローブ種が拡散する必要がなく、液体サンプルに移動する必要もない。したがって、プローブ種は、デバイスの機能性に影響を及ぼさずに非常に大型になり得る。例えば、プローブ種(リンカーに連結した)のコピーは、ポリマー状の酵素(すなわち、複数の互いに接合した又は連なった酵素のコピー)、又は複数の互いに接合した又は連なった光学的又は電気的に活性な分子のコピーを含み得る。かかる実施態様では、プローブ種の1つのコピーが遊離すると、検出可能な種(例えば、直接検出可能な光学的又は電気的に活性な分子の複数のコピー;又は複数の検出反応に関与することができ、こうして検出可能な反応生成物の複数のコピーを生成することができる酵素の複数のコピー)の複数のコピーが生じ得る。大型のプローブ種は、検出チャンバー内で高い活性を有することができ、したがってデバイスの感度及び/又は正確度を向上させることができるので、かかる大型のプローブ種(例えば、少なくとも1つの検出反応を触媒することができる酵素の複数のコピーを含むプローブ種のコピー、又は光学的及び/又は電気的に活性な分子の複数のコピー)を有することが、多くの場合有利であり得る。さらに、本明細書に開示するようなかかるデバイスを用いて測定を行うのに、検出可能なシグナルを生成するのに必要とされる標的分析物の量を抑えることができるので、液体サンプルの量も抑えることができる。
用語「デバイス」、「ストリップ」、及び「バイオセンサー」は、別途記載がなければ、本明細書では交換可能に用いられる。またプローブ種はラベル種とも呼ばれる。プローブ種又はラベル化された種は、バイオセンサー内で少なくとも2つの状態を有することができ、第1のチャンバー内でリンカーにより保持され、さもなければ遊離する。検出可能な種は、遊離プローブ種であり得、又はバイオセンサーの第2のチャンバー内で遊離プローブ種が起こす検出反応において生成された検出可能な反応生成物であり得る。
標的分析物は、活性な形態及び不活性な形態を有し得る。標的分析物は、その不活性な形態では、正常な開裂機能を有さず、したがってリンカーを開裂してプローブ種を遊離させることはできない。本明細書で用いる場合、用語、標的分析物は、別途記載がなければその活性な形態を表す。
本発明のいくつかの実施態様は、液体サンプル中の標的分析物を検出するバイオセンサーを含む。バイオセンサーは、少なくとも第1のチャンバーと第2のチャンバーとを備えることができ、第1のチャンバーと第2のチャンバーとは、流体連通することができ、第1のチャンバーは、プローブ種を含むことができ、前記プローブ種は第1のチャンバー内でリンカーにより保持され、標的分析物は前記リンカーを開裂させて、第1のチャンバー内の液体サンプル中に前記プローブ種を遊離させる能力を有し得るものであり、前記バイオセンサーは、前記液体サンプル(該当する場合には、遊離プローブ種を含む)が第1のチャンバーから第2のチャンバーに移動するように構成され、そして前記遊離プローブ種(液体サンプル中存在する場合)は、第2のチャンバー内で検出機構により検出可能である。
いくつかの実施態様では、バイオセンサーは、第1のチャンバーと第2のチャンバーとを備えることができる。いくつかの実施態様では、第1のチャンバーは、反応チャンバーを備えることができ、また第2のチャンバーは、検出チャンバーを備えることができる。第1のチャンバーと第2のチャンバーとは流体連通することができる。
いくつかの実施態様では、第1のチャンバーはプローブ種を含み得る。プローブ種は、第1のチャンバー内でリンカーにより保持可能である。液体サンプル中に標的分析物が存在する場合には、標的分析物は、リンカーを開裂させてプローブ種を遊離させることができ、その結果プローブ種はフリーとなって液体サンプルと共に移動する。開裂が生じるように、第1のチャンバー内である時間(例えば、所定の時間)放置した後、反応した液体サンプルは、第2のチャンバーに移送可能であり、これと共に遊離プローブ種も移動するが、第1のチャンバー内の未反応の(すなわち、開裂が生じなかった)リンカーに連結するプローブ種はその場に残る。開裂反応は特異的であり得る。液体サンプル中に標的分析物が存在しない(例えば、その濃度又は量が検出可能な濃度未満である)、又は標的分析物が活性又は機能を有さない場合には、開裂反応が生ずることはなく、プローブ種は第1のチャンバー内に保持可能である。
いくつかの実施態様では、プローブ種は、任意の適する方法により、バイオセンサー(ストリップ)の第1のチャンバー(例えば、反応チャンバー)内でリンカーにより保持可能である(例えば、固定化又は遅延化)。単なる事例ではあるが、リンカーは、第1のチャンバーの1つ又は複数の内面に直接吸収、繋ぎ止め、又は支持可能である;又はリンカーは、分離した支持体表面上に繋ぎ止め又は支持可能であり、この場合、前記支持体が第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)に進入するのを阻止又は遅延可能である。標的分析物が存在しない場合、平衡状態では液体サンプル中に解離型のプローブ種がほんのわずかしか存在しないように、十分に安定な結合を実現できる任意の方法により、リンカーは表面(例えば、第1のチャンバーの1つ又は複数の内面、分離した支持体の表面等)に結合(吸収、繋ぎ止め、支持等)可能である。本明細書で用いる場合、少量の解離型プローブ種とは、デバイス又はシステムの検出下限濃度未満の量を表す。適する方法として、例えば、表面(例えば、第1のチャンバーの1つ又は複数の内面、分離した支持体の表面等)に位置する1つ又は複数の基への共有結合、かかる表面に位置する1つ又は複数の基への高親和性非共有結合等を挙げることができる。高親和性非共有結合として、例えば、ストレプトアビジン/ビオチン結合、チオール/金結合等を挙げることができる。
いくつかの実施態様では、分離した支持体として、ビーズを挙げることができる。ビーズは磁性であり得、またビーズに結合したプローブ種+リンカー構築物は、磁力により第1のチャンバー内で保持可能である。バイオセンサーは、磁力を発生させることができる例えばマグネット等を含み得る。単なる事例ではあるが、構築物は、本明細書において出展明示により援用される、「バイオセンサー装置及び使用方法」と題する米国特許出願公開第20060134713号に開示されている分離した支持体上に繋ぎ止め又は支持可能である。例えば、いくつかの実施態様では、構築物は、ポリマーコーティングされた磁性コアビーズ、例えばBANGS LABORATORIES,Inc.製のPROMAG若しくはBIOMAGビーズ、又はSPHEROTECH,INC.製のSPHEROTECHビーズ等に繋ぎ止めることができる。構築物を分離した支持体に結合させる(繋ぎ止める、支持する等)利点として、例えば組立てがより容易であることを挙げることができる。例えば、構築物は、主要なストリップ組立てプロセスとは独立に、支持体に結合可能であり、こうして結合を実施する際の条件及びスキームの選択を広げることが可能となり、また非結合性の構築物及び/又はその構成成分(例えば、リンカー及び/又はプローブ種)を除去するための洗浄をより容易にすることができる。さらなる利点として、支持体は、結合用のより広い表面積も提供することができ、第1のチャンバー(例えば、反応チャンバー)における構築物の実現可能な負荷量を増加させることを挙げることができる。
いくつかの実施態様では、プローブ種は、結合によりリンカーに結合可能である。結合は、例えば共有結合、非共有結合等からなる群から選択される、少なくとも1つの結合を含み得る。代表的な非共有結合として、例えばファンデルワールス相互作用、例えば水素結合、静電結合等に起因する結合を挙げることができる。
いくつかの実施態様では、バイオセンサーは、液体サンプル中の標的分析物を検出するのに適し得る。液体サンプルは、例えば全血、血漿、血清、粘液、尿、液体状態の組織調製物であり得る。サンプルをデバイスと共に使用する準備が整う前に、1つ又は複数の調製ステップがサンプルに実施されてもよい。実施されるステップは、サンプル中の標的分析物の種類及び入手可能性に依存し得る。例えば、標的分析物がサンプル中の細胞内に含まれる場合には、例えば細胞溶解等により、標的分析物を利用可能にせしめる、少なくとも1つの調製ステップが含まれ得る。
本明細書に開示されている実施態様では、標的分析物は、リンカーを開裂させてプローブ種を遊離させることができる。開裂は標的分析物に特異的であり得る。標的分析物の存在下、第1のチャンバー(例えば、反応チャンバー)内でプローブ種を特異的に遊離させるために、第1のチャンバー(例えば、反応チャンバー)内でプローブ種を表面(例えば、第1のチャンバーの1つ又は複数の内面、分離した支持体の表面等)に係留するリンカーは、標的分析物により特異的に開裂可能であるが、但し試験液体サンプル中に存在すると予想され得るその他の種によっては有意な割合で開裂しないように選択され得る。リンカーは、開裂可能である、標的分析物に対する天然の基質を含み得る。リンカーは、標的分析物に対する天然の基質の合成バージョン又は類似体を含んでもよい。
いくつかの実施態様では、プローブ種は、第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)内で検出可能である種を含み得る。検出では、例えば光学的方法、電気化学的方法等を使用することができる。いくつかの実施態様では、プローブ種は、例えば光学的に活性な分子、酵素、電気的に活性な分子等からなる群から選択される少なくとも1つの種を含み得る。例えば、光学的に活性な分子として、光を吸収し、励起したときに光を放射し得る分子、例えば蛍光分子、リン光発光分子、化学発光分子等を挙げることができる。より代表的なプローブ種は、例えば、「免疫センサー」と題するPCT特許出願公開、国際公開第2002/008763号、及び「増感型免疫アッセイセンサー」と題する国際公開第2010/004436号;及び「直接免疫センサーアッセイ法」と題する米国特許出願公開第20030180814号及び「バイオセンサー装置及び使用方法」と題する、米国特許第20060134713号に見出すことができ、それぞれを本明細書において出展明示により援用する。
いくつかの実施態様では、バイオセンサーは、標的分析物によるリンカーの化学結合の開裂作用(簡潔にするために開裂化(cleaving)又は開裂(cleavage)と呼ぶ)と、この作用によるプローブ種の遊離によって、標的分析物を検出するのに適すると考えられる。標的分析物として、酵素を挙げることができる。プローブ種を遊離させる開裂は標的分析物に特異的であり得る。適する酵素の例として、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、イソペプチダーゼ、トロンビン、ラクターゼ、マルターゼ、スクラーゼ、アミラーゼ、パッパリシン−2、リゾチーム、プロテアーゼ、及びマトリックスメタロプロテイナーゼ等を挙げることができる。
遊離プローブ種は、第2のチャンバーに(反応した)液体サンプルと共に移動可能であり、また第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)内で検出可能である。いくつかの実施態様では、プローブ種は、第2のチャンバー内で検出機構により直接検出可能である。単なる事例ではあるが、プローブ種として、光学的に活性な分子、電気的に活性な分子等を挙げることができる。かかる遊離プローブ種の存在及び/又は量は、第2のチャンバー内で直接検出可能である。
いくつかの実施態様では、遊離プローブは、第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)内で間接的に検出可能である。例えば、遊離プローブは、第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)内で試薬と反応(例えば、検出反応)を起こして、検出機構により検出可能である反応生成物を生成することができる。いくつかの実施態様では、検出反応は、少なくとも1つの中間反応を含むことができ、及び/又は少なくとも1つの中間反応生成物を生成することができる。いくつかの実施態様では、第2のチャンバーは、1つ又は複数の試薬を含み得る。遊離プローブ種の存在下で、試薬(複数可)が検出反応又は少なくとも1つの中間反応(複数可)に関与して、検出可能な反応生成物を生成することができる。試薬として、例えば基質、メディエーター、補助因子、バッファー、電気化学種等からなる群から選択される少なくとも1つの試薬を挙げることができる。補助因子として、例えばピロロキノリンキノン、フラビンアデニンジヌクレオチド、フラビンモノヌクレオチド、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド等を挙げることができる。バッファーとして、例えばホスフェート、メリタート等を挙げることができる。メディエーターとして、例えばジクロロフェノールインドフェノール、遷移金属と含窒素ヘテロ原子種の間の複合体、フェリシアン化物等を挙げることができる。電気化学種として、例えばAg/AgCl酸化還元対、Zn/ZnCl2等を挙げることができる。第2のチャンバーは、複数の試薬を含み得る。基質として、酵素基質を挙げることができる。デバイスの感度及び/又は正確度を向上させるために、標的分析物のコピー1つにつき、検出可能な反応生成物又はシグナルのコピーを複数生成及び検出できるのが望ましいと考えられる。いくつかの実施態様では、1つのリンカーは、複数の酵素(検出反応又は1つ又は複数の中間反応を触媒し得る)のコピー又は光学的若しくは電気的に活性な分子を含むプローブ種に連結可能である。いくつかの実施態様では、1つのプローブ種のコピーは、検出可能である種の複数のコピー、最も好ましくは多数のコピーを生成することができる。例えば、プローブ種は酵素を含むことができる、さもなければ酵素作用を有することができ、この場合、プローブ種は1つ又は複数のその他試薬と検出チャンバー内で反応して、デバイス又はシステムにより検出可能な1つ又は複数の反応生成物のコピーを生成することができる。適する酵素の種類は検出機構に依存し得る。例えば、光学的検出法の場合、遊離プローブ種の酵素作用による反応生成物は、検出可能な光学的特性を有し得る。例えば、光の吸収が検出シグナルである場合には、該当する波長において光を吸収することができる反応生成物が生成され得る。かかる実施態様では、例えばグルコースオキシダーゼ等の酵素が、検出チャンバー中に存在するグルコースと反応してとりわけ過酸化水素を生成するように採用され得るが、過酸化水素は西洋ワサビペルオキシダーゼ及び色素とさらに反応して発色種を生成することができる。化学発光顕微鏡検査法が用いられる場合、例えばルシフェラーゼ等の酵素が、液体サンプルの化学発光に変化を生じさせるのに利用可能である。電位差法、電量測定法、電流測定法等が用いられる場合には、例えばグルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ等の酵素が利用可能であり、当該酵素は、検出チャンバー内の基質及びメディエーターと反応して、電極において酸化又は還元され得る酸化還元種を生成する。本発明のいくつかの実施態様では、プローブ種は、第2のチャンバー内で基質と反応して検出可能な種を形成し得る酵素そのものであり得る。第1のチャンバー内で標的分析物により遊離した1つのプローブ種は、第2のチャンバー内において検出可能な種の多数のコピーを生成させることができ、したがって検出アッセイ法の感度及び/又はスピードを高める。その理由として、遊離プローブ種が酵素の場合、それは反応で消費されず、第2のチャンバー内でより多くの反応を触媒するようにリサイクル可能であることを挙げることができる。
いくつかの実施態様では、検出機構は、例えば反射分光法、透過分光法、蛍光分析法、比濁法、化学発光顕微鏡検査法、電量分析法、電流測定法、電位差測定法等からなる群から選択される少なくとも1つの機構を含むことができる。いくつかの実施態様では、電流測定法が、小型の電子デバイスへの導入が比較的単純であり、全血サンプルにおける検出に適することから有利であり得る。代表的な検出機構は、例えば「免疫センサー」と題するPCT特許出願公開、国際公開第2002/008763号、及び「増感型免疫アッセイセンサー」と題する国際公開第2010/004436号;及び「直接免疫センサーアッセイ法」と題する米国特許出願公開第20030180814号、及び「バイオセンサー装置及び使用方法」と題する米国特許第20060134713号に見出すことができ、それぞれを本明細書において出展明示により援用する。単なる事例ではあるが、「バイオセンサー装置及び使用方法」と題する米国特許出願公開第20060134713号では、例えば抗体又は抗原等の種の結合を用いた、種の選択的検出に関する2チャンバー型ストリップについて記載する。第1のチャンバーでは、対象とする分析物の存在に依存する結合反応が生じ、液体が第2のチャンバーに移送されたら、そこでプローブ種が検出可能である。
第2のチャンバーは、第1のチャンバーに対して遠位であり得る。第1のチャンバーは、1つ又は複数の壁を備え、1つ又は複数の内面を備えるチャンバーを形成し得る。第2のチャンバーは、1つ又は複数の壁を備え、1つ又は複数の内面を備えるチャンバーを形成し得る。第2のチャンバーは、所望の検出機構に適するように構成される。所望の検出機構が光学的検出法であるいくつかの実施態様では、第2のチャンバーの1つ又は複数の壁は、光学的刺激に対して透明であり得、そして生成した光学的シグナルが検出を実現する。
所望の検出機構が電気化学的検出法であるいくつかの実施態様では、第2のチャンバーは、少なくとも2つの電極を備えることができる。第2のチャンバーの1つ又は複数の内面は、導電性材料でコーティング可能である。第2のチャンバーの少なくとも1つの内面上では、導電性材料は、導電性材料がコーティングされる第2のチャンバーの内面と同一の面積を有することができる。第2のチャンバーの少なくとも1つの内面上では、導電性材料は、導電性材料がコーティングされる第2のチャンバーの内面の面積よりも小さい面積を被覆することができる。2つ以上の電極は、第2のチャンバーの同一内面に位置することができる。2つ以上の電極は、第2のチャンバーの異なる内面に位置することができる。2つ以上の電極は、互いに電気的に絶縁し得る。第2のチャンバーは、第2のチャンバー内で電極の少なくとも1つの端部を規定するように機能し得る断絶部を、導電性の層内に備え得る。少なくとも1つの電極は、炭素、金、パラジウム、白金、イリジウム等、又はその合金、例えば酸化スズ、酸化インジウム、及び混合型酸化インジウム/酸化スズ等を含み得る。
バイオセンサーは、3つ以上のチャンバーを備えることができる。単なる事例ではあるが、バイオセンサーは充填チャンバー又は通路を備えることができる。充填チャンバー又は通路は、液体サンプルが充填ポートから第1のチャンバーに移送されるように、第1のチャンバーと流体連通することができる。充填チャンバー又は通路は、第1のチャンバーに近接し得るが、一方第2のチャンバーは、第1のチャンバーに対して遠位であり得る。充填チャンバー又は通路は、1つ又は複数の壁を備え、1つ又は複数の内面を備えるチャンバーを形成し得る。
第1のチャンバーは、近位端部に充填ポートを備えることができる。第1のチャンバーは、液体サンプルによる充填を測定及び/又はシグナル化するための機構を備えることができる。いくつかの代表的な実施態様では、第1のチャンバーの1つ又は複数の壁は、可視光に対して透明であり得る。液体サンプルが、望ましい程度にまで第1のチャンバー内に進行するのを、ユーザーは目視可能である。いくつかの代表的な実施態様では、液体サンプルが、バイオセンサーの第1のチャンバー内に進行するのを、光学検出法を用いて確認することができる。例えば、液体サンプルが第1のチャンバー内の望ましい位置に到達する前後で、光学パラメーター(例えば、光吸収又は偏差)が変化すると、それはシグナル(例えば、ユーザーに警告を発するための可聴的シグナル及び/又は可視的シグナル)又はコントロールシグナルを生じさせる契機となり得る。いくつかの代表的な実施態様では、第1のチャンバーは、第1のチャンバーが液体サンプルにより望ましい程度まで満たされると、電気シグナルを生成することができるような回路を備え得る。電気シグナルは、ユーザーに警告を発するためのシグナル(例えば、可聴的シグナル及び/又は可視的シグナル)又はコントロールシグナルに変換され得る。充填チャンバー及び/又は第2のチャンバーは、液体サンプルによる充填を測定及び/又はシグナル化するための機構を備えることができる。
バイオセンサーは、液体サンプルが毛管作用により移動するように構成され得る。バイオセンサーは、液体サンプルが毛管作用により第1のチャンバーから第2のチャンバーに移動するように構成され得る。バイオセンサー内の液体サンプルの移動を推進する、第1のチャンバー及び/又は第2のチャンバーが発生させ得る毛管力は、例えば第2のチャンバーの寸法と比較したときの第1のチャンバーの寸法、1つ又は複数の第2のチャンバー内面上の界面活性剤と比較したときの1つ又は複数の第1のチャンバー内面上の界面活性剤により影響を受け得る。単なる事例ではあるが、第1のチャンバーは第1の高さを有し、また第2のチャンバーは第1の高さよりも低い第2の高さを有し、こうして第1のチャンバーにより発生する毛管力と比較してより大きな毛管力が発生し、液体サンプルは第2のチャンバーに引き込まれる。液体サンプルにより第1のチャンバーが満たされると、これによりバイオセンサー内にトラップされた空気が圧縮されると考えられ、こうして、例えば第2のチャンバー内の通気口が開口することによりアクティベーションされて、トラップされた空気、したがって背圧が開放されるまで、液体サンプルが検出チャンバーにさらに進行するのを防止する背圧が発生する。通気口は、第2のチャンバーの遠位端部に位置し得る。アクティベーションは、第1のチャンバー及び第2のチャンバーの構成に応じて、液体サンプルに対して外部の力(例えば、陽圧、遠心力)を加え、液体サンプルの表面張力を破壊することにより達成可能である。その他の構造的な特徴が、バイオセンサーにおいて、管理された方法でバイオセンサーの充填を実現するのに利用可能である。かかる特徴の開示は、例えば、「免疫センサー」と題するPCT特許出願公開、国際公開第2002/008763号、「液体移送機構」と題する国際公開第2007/096730号、及び「増感型免疫アッセイセンサー」と題する国際公開第2010/004436号;「直接免疫センサーアッセイ法」と題する米国特許出願公開第20030180814号、及び「バイオセンサー装置及び使用方法」と題する米国特許第20060134713号;及び「ゾーンの間に圧力作動型コントロール手段を有するマルチゾーン型反応槽」と題する米国特許第4426451号、及び「毛細管流動デバイス」と題する同第4863498号に見出すことができ、それぞれを本明細書において出展明示により援用する。
いくつかの実施態様では、本明細書に開示されているバイオセンサーは、液体サンプル中の標的分析物の存在、液体サンプル中の標的分析物の量、液体サンプル中のある形態の標的分析物の存在、及び液体サンプル中の標的分析物の量を求める、少なくとも1つの測定に利用可能である。標的分析物の形態は、活性な形態、不活性な形態、又は欠陥のある形態を含む。
本明細書に記載するバイオセンサーのいくつかの代表的な実施態様を、図1及び2で説明する。ストリップ10は、入口12、反応チャンバー14、検出チャンバー16、及び反応チャンバー14と検出チャンバー16の間の流体接続18を備えることができる。入口12は、入口12の開口部にはみ出し部13を備えることができる。反応チャンバー14内に位置するものとして、リンカー22及びプローブ種24が結合する支持体20を挙げることができる。図1及び2に示す代表的な実施態様では、支持体20は磁性ビーズを備えることができ、また反応チャンバー14内に位置する;リンカー22は反応チャンバー14に位置する支持体20に結合する(例えば、繋ぎ止める、支持する等)ことができる。ストリップは、その他のチャンバー(図示せず)を備えることができる。例えば、液体サンプル32を充填ポート(入口12)から反応チャンバー14に移送するために、充填チャンバー又は通路を含めることができる。
反応チャンバー14は、1つ又は複数のスペーサー、例えば中間シート30により間隔を置いて分離した第1の密封シート26と第2の密封シート28、及び支持層35と37の間に形成可能である。検出チャンバー16は、1つ又は複数のスペーサー、代表的な実施態様では中間シート30により間隔を置いて分離し得る第1の密封シート26と第2の密封シート28、及び支持層35と37の間に形成可能である。所望の形状に応じて、複数の中間シート30を含めることができるものと理解される。電極36及び38を形成するために、1つ又は複数の導電性材料が支持層35及び37上にそれぞれ支持可能である。導電性材料は、支持層35及び37それぞれに対して同一の広がりを有し得る。少なくとも1つの導電性材料が、支持層35及び37の面積それぞれよりも小さな面積を被覆することができる。1つ又は複数のスペーサー30、支持層35及び37、第1の密封層26、及び第2の密封層28は、電気的に絶縁し得る。
図1は、液体サンプル32が反応チャンバー14の入口12を満たした状態を示す。例えば、入口12の開口部のはみ出し部13に液体サンプル32が滴下できるように準備が整ったら、液体サンプルは、毛管作用により充填ポート(入口12)から反応チャンバー14に輸送され得る。任意選択的に、サンプルリザーバーとして機能する入口12の進入部(例えば、はみ出し部13)に追加のサンプル32を配置することができる。サンプル32は、検出可能である標的分析物34を含む。リンカー22は、基質20に結合し、プローブ種24と連結する。図1及び2に示す代表的な実施態様では、プローブ種24は、反応チャンバー14内でリンカー22により保持され、標的分析物はリンカー22を開裂させ、したがってプローブ種24を遊離させることができる。図1では、リンカー22を開裂させて液体サンプル32中にプローブ種24を遊離させる標的分析物34について示す。図2では、検出チャンバー16の遠位端部に位置する通気口40が開口し、反応した液体サンプル32は、反応チャンバー14から検出チャンバー16にすでに移動している。遊離プローブ種24は、下記に示すようにサンプル32と共に検出チャンバー16に移動して遊離プローブ種24を検出チャンバー16内に配置することができる。開裂による遊離が起こらず、したがってリンカー22に連結したままのプローブ種24は、反応チャンバー14内に保持されると考えられる。支持層35及び37上それぞれに位置する電極36及び38は、検出チャンバー16の壁を形成し、使用の際には、検出チャンバー16に電位差を提供するため電源と電気的に導通する、又は検出チャンバー16の電位差を測定することができる。いくつかの実施態様では、使用の際には、電極は、電源並びに適用すべき電位差のタイミング及び量を決定するコンピューターを有するメーターに接続され得る。
本発明のいくつかの実施態様では、液体サンプル中の標的分析物を検出するシステムを備える。システムは、本明細書に記載するバイオセンサーを備え得る。システムは、メーターも備え得る。メーターは、遊離プローブ種の直接的な検出、又はその間接的な検出(遊離したプローブが第2のチャンバー内で起こす検出反応により生成された反応生成物の検出を通じて)を促進する刺激を生成することができる。
いくつかの実施態様では、システムは検出反応のための刺激を生成することができる。刺激として、例えば電気的刺激、光学的刺激等からなる群から選択される少なくとも1つの刺激を挙げることができる。電気的刺激として、例えば電流、電圧等からなる群から選択される少なくとも1つの刺激を挙げることができる。光学的刺激として、1つ又は複数の波長を含む光を挙げることができる。いくつかの実施態様では、刺激は経時的に一定であり得る。いくつかの実施態様では、刺激は経時的に変化し得る。いくつかの実施態様では、刺激はメーターにより生じ得る。
いくつかの実施態様では、ストリップ(バイオセンサー)の第1のチャンバー(例えば、反応チャンバー)及び/又は第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)をコントロールされた温度で維持するのが有利であり得る。標的分析物がリンカーを開裂させる反応速度は温度依存性であり得る。標的分析物の量及び/又は活性の定量化をしやすくするために、公知の関係を用いて、開裂反応速度を標的分析物の活性と関連付けることができるのが望ましいと考えられる。第1のチャンバー(例えば、反応チャンバー)内の温度をコントロールすれば、標的分析物の活性を開裂速度から推測する際の変動要因としての温度を取り除くことができる。いくつかの実施態様では、第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)では、測定されるシグナルは、例えば検出が酵素を含むプローブ種が関係する検出反応の速度に基づく場合、温度依存性であり得る。第1のチャンバー(例えば、反応チャンバー)及び/又は第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)の温度は、任意の適する方法によりコントロール可能である。1つの適する方法として、メーター内にストリップ又はバイオセンサーを、所望の温度を維持するように加熱がコントロールされたヒーター又は加熱要素と接触するように配置することが挙げられる。所望の温度は、一定温度、又は可変温度であり得る。
いくつかの実施態様では、システムは温度コントロール装置を備えることができる。温度コントロール装置は、例えばヒーター、加熱要素、冷却要素等を備えることができる。温度は、開裂反応が生ずるのに適する温度、及び/又は検出反応が生ずるのに適する温度に維持され得る。例えば、温度は、100℃未満、又は80℃未満、又は60℃未満、又は50℃未満、又は45℃未満、又は42℃未満、又は40℃未満、又は38℃未満、又は37℃未満、又は35℃未満、又は30℃未満、又は25℃未満であり得る。いくつかの実施態様では、システムは温度測定装置を備えることができる。温度測定装置は、例えば温度計等を備えることができる。システムは、システム内の温度をシグナル化する温度シグナリング装置を備えることができる。いくつかの実施態様では、温度シグナリング装置は、システム内の温度が標的分析物を検出するのに適する場合にシグナルを生成することができる。いくつかの実施態様では、温度シグナリング装置は、システム内の温度が標的分析物を検出するのに適さない場合にシグナルを生成することができる。シグナルとして可聴的シグナル又は可視的シグナルを挙げることができる。システムは、1つ又は複数の本明細書に記載する温度コントロール装置、温度測定装置、温度シグナリング装置等を備えることができる。1つ又は複数の本明細書に記載する温度コントロール装置、温度測定装置、温度シグナリング装置等、はメーター内に位置し得る。
いくつかの実施態様では、システムはタイミング機構を備えることができる。タイミング機構は、バイオセンサーの第1のチャンバー内における反応の開始を記録する機構を備えることができる。いくつかの代表的な実施態様では、液体サンプルが、望ましい程度までバイオセンサーの第1のチャンバー内に進行するのを、ユーザーは目視可能である。いくつかの代表的な実施態様では、液体サンプルが、バイオセンサーの第1のチャンバー内に進行するのを、光学検出法を用いて確認することができる。例えば、液体サンプルが第1のチャンバー内の望ましい位置に到達する前後で、光学パラメーター(例えば、光吸収又は偏差)が変化すると、それはシグナル(例えば、ユーザーに警告を発するための可聴的シグナル及び/又は可視的シグナル)を生じさせる契機となり得る;又は光学パラメーターのかかる変化は、システムに対するコントロールシグナル(例えば、メーターに対するコントロールシグナル)を生じさせる契機となり得る。いくつかの代表的な実施態様では、第1のチャンバーは、第1のチャンバーが液体サンプルにより望ましい程度まで満たされると、電気シグナルを生成し得るような回路を備えることができる。電気シグナルは、ユーザーに警告を発するためのシグナル(例えば、可聴的シグナル及び/又は可視的シグナル)又はシステムに対するコントロールシグナル(例えば、メーターに対するコントロールシグナル)に変換され得る。いくつかの実施態様では、シグナルを取得したら、ユーザーは、手作業により液体サンプルが第1のチャンバーを望ましい程度まで満たす時刻及び開裂反応が第1のチャンバー内で開始する時刻を記録することができる。いくつかの実施態様では、コントロールシグナルは、液体サンプルが第1のチャンバーを望ましい程度まで満たす時刻及び開裂反応が第1のチャンバー内で開始する時刻を自動記録する契機となり得る。
いくつかの実施態様では、タイミング機構は、開裂反応が第1のチャンバー内で生ずる時間及び反応した液体サンプルが第2のチャンバーに進行し得る時刻をコントロールする機構を備えることができる。機構は、例えばタイマーを備えることができる。第1のチャンバーにおける開裂反応が、所定の時間進んだ後に、タイマーは、ユーザーに警告を発するためのシグナル(例えば、可聴的シグナル及び/又は可視的シグナル)、又はシステムに対するコントロールシグナル(例えば、メーターに対するコントロールシグナル)を生成することができる。いくつかの実施態様では、シグナルを取得したら、ユーザーは、反応した液体サンプルが第2のチャンバーに進行するのを手作業によりアクティベーションすることができる。いくつかの実施態様では、コントロールシグナルは、反応した液体サンプルが第2のチャンバーに進行するのを自動的にアクティベーションする契機となり得る。いくつかの実施態様では、アクティベーションとして、例えば、第2のチャンバーの遠位端部にある通気口の開口、液体サンプルに対する外部の力(例えば、陽圧、遠心力)の負荷、液体サンプルの表面張力の破壊等からなる群から選択される少なくとも1つの機構を挙げることができる。バイオセンサー内の液体サンプルの流れを一時的に停止及び再開する代表的な方法は、例えば、「免疫センサー」と題するPCT特許出願公開、国際公開第2002/008763号、「液体移送機構」と題する国際公開第2007/096730号、及び「増感型免疫アッセイセンサー」と題する国際公開第2010/004436号;「直接免疫センサーアッセイ法」と題する米国特許出願公開第20030180814号、及び「バイオセンサー装置及び使用方法」と題する米国特許第20060134713号;及び「ゾーンの間に圧力作動型コントロール手段を有するマルチゾーン型反応槽」と題する米国特許第4426451号、及び「毛細管流動デバイス」と題する米国特許第4863498号に見出すことができ、それぞれを本明細書において出展明示により援用する。システムとして、1つ又は複数の本明細書に記載するタイミング機構等を挙げることができる。1つ又は複数の本明細書に記載するタイミング機構等は、メーター内に位置し得る。
いくつかの実施態様では、システムは、所望のフォーマットの結果を導出するために、検出されたシグナルを処理する機構を備えることができる。例えば、所望のフォーマットとして、例えば標的分析物がサンプル中に存在するかどうか、その有無に関する定性的結果、サンプル中の標的分析物の近似的な濃度範囲が得られる半定量的結果、サンプル中の標的分析物の定量的濃度見積り等を挙げることができる。システムは、例えば所望のフォーマットの結果を報告又は伝達するためのスピーカー、スクリーン、又はプリンター等を含む、1つ又は複数の機構を備えることができる。所望のフォーマットの結果を導出するために、検出したシグナルを処理する機構、及び/又は所望のフォーマットの結果を報告又は伝達する機構は、メーター内に位置し得る。
単なる事例ではあるが、液体サンプル中の標的分析物を検出するシステムは、2つ以上の電極を備え、当該2つ以上の電極のうち少なくとも2つの電極それぞれは、接触パッドと電気的に接続し、前記接触パッドは、メーターと電気的に接続可能である。電極及び/又は接触パッドの代表的な構成は、例えば「免疫センサー」と題するPCT特許出願公開、国際公開第2002/008763号、「液体移送機構」と題する国際公開第2007/096730号、及び「増感型免疫アッセイセンサー」と題する国際公開第2010/004436号;及び「直接免疫センサーアッセイ法」と題する米国特許出願公開第20030180814号、及び「バイオセンサー装置及び使用方法」と題する米国特許第20060134713号、及び「電気化学分析のため方法及び装置」と題する米国特許第20060266644号;及び「電気化学分析のための方法及び装置」と題する米国特許第8192599号に見出すことができ、それぞれを本明細書において出展明示により援用する。システムは、1つ又は複数の本明細書に記載する温度コントロール装置、温度測定装置、温度シグナリング装置等を備えることができる。システムは、1つ又は複数の本明細書に記載するタイミング機構を備えることができる。システムは、第2のチャンバー内の検出においても類似したタイミング機構を備えることができる。システムは、所望のフォーマットの結果を報告又は伝達するために、例えばスピーカー、スクリーン、又はプリンター等を含む、1つ又は複数の方法又は装置を備えることができる。
本発明のいくつかの実施態様は、単回使用するように意図されたストリップ、例えば図1及び2に示すようなストリップ10と、複数の試験を実施するために多数回用いられるように意図されたメーター(図示せず)とを備え得るシステムを備える。ストリップはメーターに導入され、またサンプルはストリップに導入可能である。ストリップは、必要とされる化学反応を実施するのに要する一部又はすべての試薬を含むことができる。メーターは、任意の外部刺激をストリップに適用して、ストリップに由来するアウトプットシグナルを測定し、シグナルから結果を導出し、そして結果を提示することに関与し得る。
いくつかの実施態様では、ストリップは、少なくとも2つのチャンバーを備えることができる。第1のチャンバーでは、液体サンプル中に標的分析物(1つ又は複数)が存在すると、液体サンプル中で移動可能となるように、プローブ種の遊離を引き起こし得る1つ又は複数の反応が生じ得る。この反応は、ある時間(例えば、所定の時間)進行せしめることができる。このチャンバーは、反応チャンバーと呼ばれる。その後、任意の遊離プローブ種を含有する反応チャンバーに由来の反応した液体サンプルは、検出チャンバー呼ばれる第2のチャンバーに移送可能である。このチャンバー内では、遊離プローブ種は、メーターにより検出可能若しくは読み取り可能であり得るシグナルを生成することができる、又は1つ若しくは複数のその他の試薬と反応して、メーターにより検出可能若しくは読み取り可能な1つ若しくは複数の反応生成物を生成することができる。反応した液体サンプルを反応チャンバーから検出チャンバーに移送することにより、遊離プローブ種を検出チャンバーに搬送することができる。遊離プローブ種が、1つ又は複数のさらなる反応生成物の検出を通じて間接的に検出される場合には、遊離プローブ種と反応し、1つ又は複数の反応生成物を生成する試薬は、ストリップ製造期間中に検出チャンバー内に乾燥可能である。いくつかの実施態様では、試薬(複数可)は、液体の形態でチャンバーに塗布され、次に乾燥され得る。いくつかの実施態様では、試薬(複数可)は、乾燥することがなく、反応期間中反応チャンバー内に留まり得る形態、例えばゲル状であり得る。
本発明のいくつかの実施態様は、液体サンプル中の標的分析物を検出するために、本明細書に記載のシステムを用いる方法を含む。システムは、本明細書に記載のバイオセンサーを備えることができる。バイオセンサーは、第1のチャンバーと第2のチャンバーとを備えることができる。第1のチャンバーはプローブ種を含むことができ、当該プローブ種は、第1のチャンバー内でリンカーにより保持可能であり、標的分析物はリンカーを開裂させて、第1のチャンバー内の液体サンプル中にプローブ種を遊離させることができ、当該液体サンプル中の遊離プローブ種は、第2のチャンバーに移送可能であり、そして当該遊離プローブ種は、第2のチャンバー内で検出機構により検出可能である。また、システムはメーターも備えることができる。メーターは、遊離プローブ種の直接的な検出、又はその間接的な検出(遊離したプローブが第2のチャンバー内で起こす検出反応により生成された反応生成物の検出を通じて)をしやすくする刺激を生成することができる。方法は、標的分析物がサンプル中に存在するかどうか、その有無に関する定性的結果、サンプル中の標的分析物の近似的な濃度範囲が得られる半定量的結果、液体サンプル中の標的分析物の定量的濃度見積り等を生成することができる。方法は、液体サンプルを提供すること;バイオセンサーの第1のチャンバー内に液体サンプルを留め、反応した液体サンプルの生成を可能にすること;反応した液体サンプルをバイオセンサーの第2のチャンバーに進行させること;そしてバイオセンサーの第2のチャンバー内で検出可能なシグナルを測定することを含み得る。液体サンプルが標的分析物を含む場合には、標的分析物は、リンカーを開裂させてプローブ種を第1のチャンバー内の液体サンプル中に遊離させることができる。反応した液体サンプルが第2のチャンバーに進行すれば、液体サンプル中の遊離プローブ種も、直接又は間接検出するための第2のチャンバーに移動させることができる。開裂反応は、ある時間、例えば所定の時間、進行可能である。所定の時間は、システムが採用する開裂反応に依存し得る。所定の時間は、10分未満、又は8分未満、又は6分未満、又は4分未満、又は2分未満、又は1分未満、又は40秒未満、又は30秒未満、又は20秒未満であり得る。方法は、バイオセンサーの第1のチャンバーを液体サンプルで充填することをさらに含み得る。方法は、所望のフォーマットの結果を検出可能なシグナルから導出することをさらに含み得る。
単なる事例ではあるが、システムを用いた方法について、図1及び2に示す代表的な実施態様を参照しながら記載する。乾燥試薬を含有するストリップ10は、メーター(図示せず)内に配置可能であり、またストリップは所望の温度まで加温放置される。例えば、入口12の開口部のはみ出し部13に液体サンプル32が滴下できるように準備が整ったら、液体サンプルは、毛管作用により充填ポート(入口12)から反応チャンバー14に輸送され得る。反応チャンバー14が充填されたら、メーター(図示せず)は、サンプルが負荷されたこと、及びタイマーを起動可能であることを自動的に認識することができる。例えば、ユーザーは、サンプルが添加されたことを示すために、メーター上のボタンを押すことができる。サンプルは、検出チャンバー16内にトラップされた空気により、検出チャンバー16に実質的に進入するのを阻止され得る。反応チャンバー14内に進入したら、サンプルは、反応チャンバー14内に位置する試薬を溶解又は移動させる。活性な標的分析物34が存在する場合には、同分析物は、プローブ種24を表面、例えば支持体20の表面等に係留するリンカー22を開裂させることができる。この反応は、所定の時間、進行するまま放置することができ、その後メーターは、反応した液体サンプル32を反応チャンバー14から検出チャンバー16に移送する機構を、例えば、検出チャンバー16内にトラップされた空気が通気するのを可能にする開口部40を密封シート28に、又は同様の開口部を密封シート26に設けることによりアクティベーションすることができ、毛管作用を用いて反応した液体サンプル32が検出チャンバー16に進入するのを可能にする。反応した液体サンプル32が反応チャンバー14から検出チャンバー16に移送されたら、遊離プローブ種24は反応した液体サンプル32と共に、検出チャンバー16に移動可能であるが、但し反応で遊離しなかったプローブ種24は反応チャンバー14内に留まることができる。反応した液体サンプル32が検出チャンバー16に進入したら、検出チャンバー16内のあらゆる試薬(複数可)、例えば検出試薬は溶解可能となり、検出反応が進み、例えば光学的方法、電気化学的方法等により検出可能な1つ又は複数の反応生成物の生成が可能となる。いくつかの実施態様では、遊離プローブ種24は、直接検出可能である。図1及び2では、プローブ種の電気化学的検出法を示しており、この場合、支持層37及び35上の導電性の層38及び36を示す。検出チャンバー16内の層38及び36の部分は、遊離プローブ種24の反応により生成した電気活性種を検出することができる電極として作用する。そして、かかる検出に起因するシグナルは、所望のフォーマットの結果、例えば標的分析物がサンプル中に存在するかどうか、その有無に関する定性的結果、サンプル中の標的分析物の近似的な濃度範囲が得られる半定量的結果、液体サンプル中の標的分析物の定量的濃度見積り等を導出するアルゴリズムにより処理可能である。
本発明のいくつかの実施態様は、本明細書に開示されているバイオセンサーを製造する方法を含む。バイオセンサーを製造する代表的な方法は、例えば、「免疫センサー」と題するPCT特許出願公開、国際公開第2002/008763号、「液体移送機構」と題する国際公開第2007/096730号、及び「増感型免疫アッセイセンサー」と題する国際公開第2010/004436号;及び「直接免疫センサーアッセイ法」と題する米国特許出願公開第20030180814号、及び「バイオセンサー装置及び使用方法」と題する米国特許第20060134713号、及び「電気化学分析のため方法及び装置」と題する米国特許第20060266644号;及び「電気化学分析のための方法及び装置」と題する米国特許第8192599号に見出すことができ、それぞれを本明細書において出展明示により援用する。
単なる事例ではあるが、分離した支持体(例えば、ビーズ、磁性ビーズ等)に結合した(例えば、繋ぎ止められた、支持された等)リンカーに関して、リンカーに連結したプローブ種の構築物が支持体に結合して修飾された支持体を形成した後、修飾された支持体は、製造後、ストリップが用いられるまで乾燥形態であるように製造期間中にストリップの第1のチャンバー(例えば、反応チャンバー)内に堆積可能である。液体サンプルが、試験期間中に第1のチャンバー(例えば、反応チャンバー)から第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)に移送されても、支持体が、第1のチャンバー(例えば、反応チャンバー)から第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)に流出するのは実質的に阻止される。これは、例えば、支持体を第1のチャンバー(例えば、反応チャンバー)等の1つ又は複数の内面に物理吸着、化学吸着させることにより、例えば支持体を第1のチャンバー(例えば、反応チャンバー)の1つ又は複数の内面に共有結合させる、又は液が移送される際に、支持体が第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)に進入するのを遅延させることができる場を適用することにより実現可能である。磁性ビーズを用いる場合には、磁性ビーズが第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)に進入するのを遅延させる力を作り出すように、磁場が適用に適する場である。
単なる事例ではあるが、検出チャンバーは、用いられる検出方法又は機構にふさわしいと考えられる材料から構築可能である。例えば、光学的方法が用いられる場合には、検出チャンバーは、刺激(存在する場合)に対して透明なエリア、及び光がチャンバーを出て検出されるのを可能にする検出波長を含むことができる。適する材料の例として、ガラス、ポリマー、例えばポリスチレン、ポリカーボネート、及びポリエステル等を挙げることができる。電気化学的検出方法が用いられる場合、第2のチャンバー(例えば、検出チャンバー)は、電極として作用可能な1つ又は複数の導電性材料を含むことができる。少なくとも2つの電極、すなわち作用電極と対電極又は複合型の対電極/参照電極を含めることができる。所望の場合には、第三の参照電極及びその他の電極も含めることができる。適する導電性材料として、例えば炭素、金、パラジウム、白金、イリジウム等、又はその合金、例えば酸化スズ、酸化インジウム、及び混合型酸化インジウム物/酸化スズ等を挙げることができる。電気化学的検出に適する方法は、例えば「免疫センサー」と題するPCT特許出願公開、国際公開第2002/008763号、「液体移送機構」と題する国際公開第2007/096730号、及び「増感型免疫アッセイセンサー」と題する国際公開第2010/004436号;及び「直接免疫センサーアッセイ法」と題する米国特許出願公開第20030180814号、及び「バイオセンサー装置及び使用方法」と題する米国特許第20060134713号、及び「電気化学分析のため方法及び装置」と題する米国特許第20060266644号;及び「電気化学分析のための方法及び装置」と題する米国特許第8192599号に見出すことができ、それぞれを本明細書において出展明示により援用する。導電性材料は、支持層上で支持して機械強度を高めることができる。この支持層は電気的に導通性であっても、また絶縁性であってもよい。電極は、互いに電気的に孤立し得る。作用電極及び対電極が同一の支持層上にある場合には、直接接触し得ない、さもなければ支持層が導電性の場合には、支持層と電気的に接続し得ない。いくつかの実施態様では、支持層は電気的に絶縁性の材料、例えばポリマー、ガラス、セラミック等からなり得る。いくつかの実施態様では、ポリマー、例えば不活性及び可撓性であるポリエステル、ポリイミド等が有益であり得る。
上記のような様々な方法及び技法は、本出願を実施するためのいくつかの手段を提供する。もちろん、記載する目的又は長所のすべてが、本明細書に記載する任意の特定の実施態様に基づき実現可能であるとは必ずしも限らないと理解される。したがって、例えば、当業者は、方法は、本明細書で教示又は示唆するその他の目的又は長所を必ずしも実現しなくても、本明細書で教示する1つの長所又は一群の長所を実現する又は最適化するように実施可能と認識する。様々な代替法が本明細書に記載されている。いくつかの好ましい実施態様は、1つの、別の、又はいくつかの特徴を特に含み、一方その他の実施態様は、1つの、別の、又はいくつかの特徴を特に除外し、一方なおもその他の実施態様は、1つの、別の、又はいくつかの有利な特徴を含めることにより特定の特徴を緩和するものと理解される。
さらに、当業者は、異なる実施態様に由来する様々な特徴について、その適用可能性を認識する。同様に、本明細書でこれまでに議論した様々な要素、特徴、及びステップ、並びにかかる各要素、特徴、又はステップに関するその他の公知の同等物は、本明細書に記載する原則に沿った方法を実施するために、当業者により様々に組み合わせて採用可能である。様々な要素、特徴、及びステップのうち、その一部は、多様な実施態様において特別に含まれ、その他は特別に除外される。
本出願は、特定の実施態様及び例の文脈において開示されているが、本出願の実施態様は、特別に開示された実施態様を超えて、その他の代替的実施態様及び/又はその使用及び修正態様及び同等態様にまで及ぶことが、当業者により理解される。
いくつかの実施態様では、本出願の特定の実施態様を記載する文脈(特に、以下に記載の特定の特許請求の範囲の文脈)において用いられる用語「a」及び「an」及び「the」及び類似の引用は、単数形及び複数形の両方を含むものと解釈可能である。本明細書では一連の数値を列挙しているが、それは単に範囲内に該当する個々の数値を個別に引用する簡便な方法として役に立つように意図したに過ぎない。本明細書で別途明示しない限り、個々の数値は、本明細書に個別に列挙したかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載するすべての方法は、本明細書に別途明示しない限り、さもなければ文脈から明らかに矛盾しない限り、任意の適する順番で実施可能である。本明細書の特定の実施態様において記載する、あらゆる(any)及びすべて(all)という事例、又は事例的な言語(例えば、「等(such as)」)を使用する場合、それは本出願をより適切に説明するように、また別途主張されなければ、本出願の範囲に制限を設けないように意図したに過ぎない。本明細書の言語は、いずれも本出願の実践に必要不可欠な何らかの請求外の要素を示すものと解釈すべきでない。
本出願を実施するために、発明者にとって既知の最良の方式を含め、本出願の好ましい実施態様を本明細書に記載する。上記説明を閲読すれば、そのような好ましい実施態様の変形態様が、当業者にとって明白となるであろう。当業者は必要に応じてかかる変形態様を採用することができ、また本出願は本明細書に特に記載する以外のやり方で実践可能であると考えられる。したがって、本出願の多くの実施態様は、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙する主題について、該当する法令により許可されるようなすべての修正態様及び同等態様を含む。さらに、上記要素のあらゆる考え得る変形態様に含まれるその任意の組み合わせは、本明細書で別途明示しない限り、さもなければ文脈から明確に矛盾しない限り本出願に含まれる。
本明細書で参照するすべての特許、特許出願、特許出願公開、及びその他の資料、例えば記事、書物、仕様書、公表文献、文書、事物等は、本明細書において本参照により、すべての目的のために本明細書にそのまま組み込まれるが、但し、参照資料そのものと関連したあらゆる訴追履歴、本文書と整合しない若しくは矛盾する参照資料そのものの任意の部分、又は本文書と現在若しくは将来的に関連する特許請求の範囲の最大範囲に制限的な影響を有し得る参照資料そのものの任意の部分を除く。事例として、組み込まれた任意の資料と関連する記載内容、定義、及び/又は用語の使用と、本文書と関連する記載内容、定義、及び/又は用語の使用との間で、何らかの不整合又は矛盾が存在する場合には、本文書内の記載内容、定義、及び/又は用語の使用が優先されなければならない。
最後に、本明細書に開示する本出願の実施態様は、本出願の実施態様の原理について、実例を示すものと理解される。採用可能なその他の修正態様も本出願の範囲内と考えられる。したがって、事例として、但し非限定的に、本出願の実施態様の代替的構成は、本明細書の教示に基づき利用可能である。したがって、本出願の実施態様は、提示及び記載される通りのものに限定されない。