JP2015535427A - ポリペプチドを高収量で発現するための最適化発現カセット - Google Patents

ポリペプチドを高収量で発現するための最適化発現カセット Download PDF

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Abstract

本発明は、関心対象のポリペプチドを発現するための発現カセットにおける特定の5’UTRポリヌクレオチド配列(配列番号1参照)とhCD33分泌リーダー配列の組み合わせが、先行技術の発現カセットと比較して、関心対象のポリペプチドの驚くほど良い発現レベルを生じるという所見に基づいている。この所見に基づいて、本発明は、とりわけ、関心対象のポリペプチドを高収量で産生するための、新規な発現カセット、発現ベクター、および方法を提供する。

Description

本発明は、とりわけ、関心対象のポリペプチドを発現するのに適した発現カセットであって、前記発現カセットが特定の5’UTRとhCD33分泌リーダー配列の組み合わせを含む、発現カセットに関する。驚くべきことに、この特定の遺伝子エレメントの組み合わせが、他の5’UTRの他の分泌リーダー配列との組み合わせと比較して、関心対象のポリペプチドの有意により良い発現レベルを生じることが見出された。したがって、この発現カセットを用いることは、関心対象のポリペプチドを高収量で産生するのに有利である。
関心対象のポリペプチドをクローニングして、大量に発現する能力は、ますます重要になってきている。高レベルのタンパク質を産生し、精製する能力は、ヒトの薬学および生物工学の分野(例えば、タンパク質医薬品を製造するために)、並びに、基礎研究上の設定(例えば、それらの3次元構造の決定を可能にするタンパク質の結晶化のために)において、特に重要である。別の状況では多量に得ることが困難であるタンパク質を、宿主細胞において過剰発現させ、その後に単離および精製することができる。
組換えタンパク質を生産するための発現系の選択は、細胞成長特性、関心対象のタンパク質の発現レベル、細胞内および細胞外発現、翻訳後修飾、並びに生物活性、並びに、治療用タンパク質の生産における規制上の問題や経済学的な検討事項を含む、多数の要因に左右される。細菌または酵母などの他の発現系を凌ぐ哺乳類細胞の主要な利点は、適切なタンパク質フォールディング、複雑なN結合型グリコシル化および真のO結合型グリコシル化、並びに、広範囲の他の翻訳後修飾を実行する能力である。記載された利点により、真核生物細胞、特に哺乳類細胞は、現在、モノクローナル抗体などの複雑な治療用タンパク質を産生させるための最適な発現系である。
高発現性宿主細胞(高産生細胞(high producer)とも呼ばれる)を得るための最も一般的なアプローチは、第1ステップとして、関心対象の産物を発現するための適切な発現ベクターを作製することである。発現ベクターは、宿主細胞において関心対象の産物をコードするポリヌクレオチドの発現を駆動し、通常、組換え細胞系を作るための少なくとも1つの選択マーカーを含む。宿主細胞においてポリペプチドを発現するために用いられる発現ベクターは、通常、発現カセットのエレメントとして、関心対象のタンパク質をコードするポリヌクレオチドの他に、例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、転写休止または終結シグナルなどの転写を駆動させるのに適した転写調節エレメントを含む。さらに、通常、適切な翻訳調節エレメントが、含まれ、発現されるポリヌクレオチドに作動可能に連結される(例えば、適切な5’UTRおよび3’UTRなどである)。
そのような発現系の効率を増加させるために、種々のエレメント、特に、転写および翻訳、タンパク質合成、ERにおける正しいフォールディング、並びにタンパク質分泌の効率に寄与するDNA配列が最適化される。最適化された翻訳および分泌コンポーネントを含まない高収量発現系は、mRNA不安定性、不十分なタンパク質分泌、および細胞サイトゾルまたは膜におけるミスフォールディングされた(不活性な)タンパク質の蓄積をもたらす可能性があり得る。したがって、正しくフォールディングされたタンパク質の安定かつ一貫した翻訳および細胞培地への分泌を可能にする発現系が特に目的とされる。そのような分泌系は、安定かつ効率的なmRNA翻訳、正しいタンパク質フォールディング、および効率的な分泌と、単純かつ速い産物精製手順、並びに、サイトゾル系と比較して収量の増加という利点を提供する。しかしながら、利用可能な分泌系の大部分の産物収量は、まだ十分には最適化されていない。生産性および分泌効率を向上させるために、1つの目標は、所望の高レベル発現を生じる遺伝子エレメントの組み合わせを得るために、分泌シグナル(本明細書では、シグナルペプチドまたは分泌リーダー配列とも呼ばれる)、並びに、それらの種々の5’UTR配列との組み合わせを最適化することである。
原核生物または真核生物のいずれか由来の分泌型および膜結合型タンパク質の大部分は、生合成中に新生前駆体タンパク質から切断されるアミノ末端リーダーペプチド(分泌リーダー配列またはシグナルペプチドとも呼ばれる)を有する。分泌リーダーペプチドは、通常、5〜60アミノ酸長である。この配列は、分泌にとって必要かつ十分である。多数のこれらの分泌リーダーペプチドの分析により、有意なアミノ酸配列相同性の非存在下で存在する共通の構造モチーフが明らかにされている(Von Heijne, 1981;Perlman et al, 1983)。一般的に、分泌リーダー配列は、正荷電アミノ末端(n)、疎水性コア(h)、およびシグナルペプチダーゼ切断部位を定義するより極性の強いカルボキシ末端(c)からなる。分泌リーダーペプチドの「n」領域は、約5〜8アミノ酸長であり、塩基性残基の存在により特徴づけられる。「h」領域は、平均37%ロイシン、15%アラニン、10%バリン、10%フェニルアラニン、7%イソロイシン、および21%の疎水性アミノ酸、例えば、グリシン、メチオニン、プロリン、またはトリプトファン(trytophane)において構成される8〜12個の非極性アミノ酸を含有する。この領域は、脂質二重層の内側との相互作用を促進し得る立体構造である、α−ヘリックスを形成する強い性向を有する。主として細菌タンパク質に基づいた、分泌リーダーペプチドの構造的特徴に関する研究により、「h」領域は、シグナル配列機能にとって不可欠であることが示唆されている(Gierasch, 1990)。疎水性残基の欠失または親水性もしくは帯電アミノ酸との置換によるh領域の破壊は、シグナル機能の喪失をもたらし、一方、「n」領域の変化はほとんど効果を生じない(Bird et al, 1990)。カルボキシ末端または切断領域は、典型的には、約6アミノ酸長である。この領域は、タンパク質の最後のフォールディングおよび分泌を達成するのに通常、必要とされる、シグナルペプチダーゼ認識および切断に関与する。
5’UTR(5’非翻訳領域)は、mRNAに転写されるが、タンパク質に翻訳されないDNA配列の一部である。5’UTRは、通常、転写開始点から始まり、開始コドンの1ヌクレオチド前で終わる。5’UTRは、翻訳効率またはmRNA安定性を制御する配列、タンパク質の結合部位、制御エレメント、および翻訳の開始を促進する配列を含有し得る。5’UTR配列は、長さが様々であり得、数十個のヌクレオチドから数百個、またはさらに数千個のヌクレオチドを含み得る。真核生物において、5’UTRの長さの中央値は、およそ100〜200ntである。5’UTRおよびそれのエレメントの特定の役割は、まだ完全には解明されておらず、一つには、その配列が機能性タンパク質に翻訳されないことが理由でもある。しかしながら、特定の5’UTRと特定の分泌リーダー配列の組み合わせが、産生系の翻訳および分泌効率を強力に向上させることができ、したがって、発現収量を増加させ得ることが知られている。しかし、大量の5’UTRおよび分泌リーダー配列が利用できるため、発現を実際に向上させる効率的な組み合わせを得ることは難題である。したがって、利用可能な発現カセットおよび発現ベクターが大量にあるにも関わらず、真核細胞において高収量でのロバストなポリペプチド/タンパク質産生を得ることは、やはり困難である。
それゆえに、発現カセットが宿主細胞に導入された場合、関心対象のポリペプチドの高収量での分泌を可能にする前記発現カセットを提供することが、本発明の目的である。さらに、関心対象のポリペプチドの高収量での発現を可能にする発現ベクターを提供することが本発明の目的である。さらに、関心対象のポリペプチドを高収量で発現するのに適した方法を提供することが本発明の目的である。
本発明は、発現カセットにおいて特定の5’UTRポリヌクレオチド配列(配列番号1を参照、それはまた、配列番号2、3、および4、並びにまた5、6、および7にも含有される)とヒトCD33分泌リーダー配列を組み合わせることが、前記発現カセットによりコードされる関心対象のポリペプチドの驚くほど高い発現を生じるという所見に基づいている。いくつかの例において、本発明による発現カセットは、発現収量が最高4倍まで増加することができるため、先行技術において知られた発現カセットより優れていることが示された。本発明による発現カセットの優れた性能は、関心対象の種々のポリペプチドが前記発現カセットから発現した多数の実験において確認された。したがって、本発明による発現カセットは、関心対象のポリペプチドを高収量で産生することに関して特に有利である。加えて、リーダー配列の正しいプロセシングが向上する可能性があることが見出された。ゆえに、この発現カセットの新規な設計により、関心対象のポリペプチドの発現がかなり向上されることから、本発明は当技術分野に貴重な貢献を与える。
第1の態様によれば、本発明は:
a)プロモーター
b)5’UTRポリヌクレオチド配列であって、
i)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
ii)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
iii)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
iv)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
v)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
vi)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
vii)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
viii)配列番号1、配列番号2、配列番号3、もしくは配列番号4、または配列番号5、配列番号6、もしくは配列番号7に示された配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含む5’UTRポリヌクレオチド配列
からなる群から選択される、5’UTRポリヌクレオチド配列;
c)hCD33分泌リーダー配列をコードするポリヌクレオチド;および
d)関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、または関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを挿入するための挿入部位
を含む、関心対象のポリペプチドを発現するための発現カセットを提供する。
第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による少なくとも1つの発現カセットを含む、関心対象のポリペプチドを発現するための発現ベクターを提供する。
第3の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による少なくとも1つの発現カセットおよび/または本発明の第2の態様による少なくとも1つの発現ベクターを含む、真核生物宿主細胞を提供する。
第4の態様によれば、本発明は、本発明の第3の態様による宿主細胞を作製するための方法であって、本発明の第2の態様による発現ベクターが、真核生物宿主細胞に導入される、方法を提供する。
第5の態様によれば、本発明は、関心対象のポリペプチドを産生するための方法であって、前記方法が、前記関心対象のポリペプチドの発現を可能にする条件下での細胞培養における、本発明の第3の態様による宿主細胞の培養を含む、方法を提供する。
第6の態様によれば、本発明は、関心対象のポリペプチドを高収量で発現カセットから発現するための、前記発現カセットにおけるhCD33分泌リーダー配列と組み合わせての5’UTR配列の使用であって、前記5’UTRポリヌクレオチド配列が、
i)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
ii)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
iii)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
iv)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
v)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
vi)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
vii)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
viii)配列番号1、配列番号2、配列番号3、もしくは配列番号4、または配列番号5、配列番号6、もしくは配列番号7に示された配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含む5’UTRポリヌクレオチド配列
からなる群から選択される、使用に関する。
本出願の他の目的、特徴、利点、および態様は、以下の説明および添付の特許請求の範囲から当業者に明らかになるであろう。しかしながら、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および特定の例は、本出願の好ましい実施形態を示しているが、例証としてのみ提供されていることは理解されるべきである。開示された本発明の精神および範囲内での様々な変化および改変が、以下の記載を解釈することから当業者には容易に明らかになるであろう。
本発明は、遺伝子エレメントの新規な組み合わせ、すなわち、特定の5’UTRポリヌクレオチド配列およびhCD33分泌リーダー配列を含む、関心対象のポリペプチドを発現するための発現カセットを提供する。遺伝子エレメントのこの特定の組み合わせは、結果として、関心対象のコードされたポリペプチドの発現効率の有意な増加を生じる。さらに、リーダー配列のプロセシングが、向上する可能性があり、それゆえに、リーダー配列の誤ったプロセシングによる望ましくない配列伸長または短縮(「クリッピング」としても知られる)が低下し得ることが見出された。
第1の態様によれば:
a)プロモーター
b)5’UTRポリヌクレオチド配列であって、
i)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
ii)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
iii)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
iv)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
v)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
vi)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
vii)配列
Figure 2015535427
を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
viii)配列番号1、配列番号2、配列番号3、もしくは配列番号4、または配列番号5、配列番号6、もしくは配列番号7に示された配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含む5’UTRポリヌクレオチド配列
からなる群から選択される、5’UTRポリヌクレオチド配列;
c)hCD33分泌リーダー配列をコードするポリヌクレオチド;および
d)関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、または関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを挿入するための挿入部位
を含む、関心対象のポリペプチドを発現するための発現カセットが提供される。
本明細書で用いられる場合、用語「発現カセット」は特に、前記発現カセットに組み入れられる関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現を適切な設定において駆動させる能力があるDNAセグメントを指す。宿主細胞に導入された場合、発現カセットは、とりわけ、関心対象のポリペプチドをコードする、組み入れられたポリヌクレオチドをRNAに転写し、その後、そのRNAは通常、さらにプロセシングされて、最後に関心対象のポリペプチドに翻訳されるように細胞の機構を方向づける能力がある。発現カセットは、下記でさらに詳細に記載されるように、発現ベクター内に含まれ得る。本発明による発現カセットの個々のエレメントは、後で、詳細に説明される。
本発明による発現カセットは、エレメントとして、a)プロモーターを含む。本明細書で用いられる場合、用語「プロモーター」は特に、プロモーターが作動可能に連結されているポリヌクレオチドの転写を促進するDNAエレメントを指す。プロモーターはまた、プロモーター/エンハンサーエレメントの部分を形成する場合がある。エレメント「プロモーター」と「エンハンサー」との間の物理的境界は、常に明らかとは限らないが、用語「プロモーター」は通常、RNAポリメラーゼおよび/または任意の関連因子が結合する核酸分子上の部位を指し、その部位で、転写が開始される。エンハンサーは、プロモーター活性を時間的に、並びに、空間的に増強する。広範囲の細胞型において転写活性がある多くのプロモーターが先行技術において知られている。プロモーターは、恒常的に機能するものと、誘導または抑制解除により制御されているものの2つのクラスに分けることができる。両方のクラスともタンパク質発現に適している。真核生物細胞、特に哺乳類細胞におけるポリペプチドの高レベル産生のために用いられるプロモーターは、強力であるべきであり、好ましくは、広範囲の細胞型において活性があるべきである。多くの細胞型において発現を駆動させる能力がある強力な恒常的プロモーターは、先行技術においてよく知られており、したがって、ここで詳細な説明は必要ない。好ましくは、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターが、本発明の教示に従って用いられる。ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)の最初期(IE)領域に由来したプロモーターまたはプロモーター/エンハンサーは、本発明による発現カセットにおけるプロモーターとして特に適している。ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)の最初期(IE)領域およびそれに由来した機能性発現促進断片および/または機能性発現増強断片は、例えば、EP0173177およびEP0323997に記載されており、また先行技術においてもよく知られている。したがって、hCMVの最初期(IE)領域のいくつかの断片は、プロモーターおよび/またはプロモーター/エンハンサーとして用いることができる。一実施形態によれば、ヒトCMVプロモーターが、本発明による発現カセットにおいて用いられる。本明細書で用いられる場合、用語「ヒトCMVプロモーター」は特に、hCMVの最初期(IE)領域に由来するプロモーターを指す。
一実施形態によれば、以下からなる群から選択されるヒトCMVプロモーターが用いられる:
a)配列
Figure 2015535427
を含むプロモーター、またはプロモーターとして機能するその機能性断片;
b)配列番号8に示された配列と少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは少なくとも99%同一である配列を含むプロモーター、またはプロモーターとして機能するその機能性断片。
%同一性は、参照配列の全長に対して計算されてもよい。
それぞれのプロモーターは、本発明によって教示されているように、上記の群から選択された特定の5’UTRポリヌクレオチド配列とhCD33シグナル配列を組み合わせて、特によく働くことが見出された。
本発明による発現カセットは、エレメントとして、b)特定の5’UTR(5プライム非翻訳領域)ポリヌクレオチド配列をさらに含む。本明細書で用いられる場合、用語「5’UTRポリヌクレオチド配列」は特に、mRNAに転写されるが、その後、ポリペプチドに翻訳されないDNA配列を指す。5’UTRポリヌクレオチド配列は、通常、転写開始部位から始まり、実際のコード領域の開始コドンの前で終わる。本発明による発現カセットにおいて、5’UTRポリヌクレオチド配列は、hCD33分泌リーダー配列をコードするポリヌクレオチドが始まる前で終わる。
本発明による発現カセットにおいて用いられる5’UTRポリヌクレオチド配列は、好ましくは、配列番号1に示された配列を含む。それぞれの5’UTRポリヌクレオチド配列は、WO2009/080720に記載されている。
一実施形態によれば、5’UTRポリヌクレオチド配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、および配列番号4の配列から選択される配列を含み、または配列番号5、配列番号6、もしくは配列番号7の配列から選択される配列を含む。配列番号1に示されている5’UTR配列は、配列番号2、3、および4として示された5’UTR配列内、並びに、配列番号5、6、および7として示された5’UTR配列にも含まれるコンセンサス配列である。好ましくは、配列番号3を含み、または配列番号3からなる5’UTR配列が、抗体の軽鎖またはその機能性断片を発現するために用いられ、配列番号1もしくは配列番号4を含み、または配列番号1もしくは配列番号4からなる5’UTR配列が、抗体の重鎖またはその機能性断片を発現するために用いられる。配列番号5を含み、または配列番号5からなる5’UTR配列は、一実施形態により、抗体の軽鎖またはその機能性断片を発現するために用いられる。配列番号5はまた、例えば、例示的な実施形態としてナノボディの発現のために用いられてもよい。配列番号6を含み、または配列番号6からなる5’UTR配列は、一実施形態により、抗体の重鎖またはその機能性断片を発現するために用いられる。配列番号7を含み、または配列番号7からなる5’UTR配列は、一実施形態により、抗体の重鎖またはその機能性断片を発現するために用いられる。その配列はまた、実施例においても試験された。
本発明に従って用いられる5’UTRが、いくつかのエレメントで構成され、かつイントロン隣接領域5’配列、イントロン、およびイントロン隣接領域3’配列を含むことが見出された。前記5’UTR内に含まれるイントロンおよびイントロン隣接領域は、マウスIgG重鎖が起源である(例えば、Eaton et al., 1986, Biochemistry 25, 8343-8347、Neuberger et al., 1983, EMBO J. 2(8), 1373-1378参照;それは、pRK−5ベクター(BD PharMingen)から得ることができる)。以下の表は、本発明に従って用いることができる5’UTR内に含まれる前記エレメントの推定境界を示す:
Figure 2015535427
さらに、配列番号1、2、3、もしくは4に示された配列、または配列番号5、配列番号6、もしくは配列番号7に示された配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは少なくとも99%同一である配列を含む、5’UTRポリヌクレオチド配列を用いることができる。同一性は、参照5’UTR配列の全長に対して計算されてもよい。
多数の実験において、本発明者らは、前記特別な5’UTRポリヌクレオチド配列が、hCD33シグナル配列と組み合わせて、先行技術の発現カセットと比較して実質的に増加しているという、発現収量への上記の有利な効果を生じることを見出した。
本発明による発現カセットは、エレメントとして、c)hCD33分泌リーダー配列をコードするポリヌクレオチドをさらに含む。ヒトCD33は、シアル酸結合性免疫グロブリン様レクチン抑制性受容体のメンバーである。CD33は、67kDaの膜貫通型糖タンパク質であり、骨髄細胞系列において特異的に発現している。本明細書で用いられる場合、用語「hCD33分泌リーダー配列をコードするポリヌクレオチド」は特に、hCD33分泌リーダー配列を含む分泌リーダー配列をコードするポリヌクレオチドを指す。したがって、転写およびその後の翻訳で、hCD33分泌リーダー配列を含み、好ましくはhCD33分泌リーダー配列からなる分泌リーダー配列が、得られる。前記分泌リーダー配列は、それに融合した関心対象のポリペプチドが宿主細胞から効率的に分泌されるという効果を生じる。分泌リーダー配列は、生合成中に切断される。驚くべきことに、上記で論じられているように、上記の5’UTRポリヌクレオチド配列のhCD33分泌リーダー配列との特定の組み合わせが、結果として、ポリペプチド発現の著しい増加を生じることが、本発明者らによって見出された。したがって、本発明による組み合わせは、hCD33分泌リーダー配列を含まない他の分泌リーダー配列、例えば、WO2009/080720に記載されているような免疫グロブリン分泌リーダー配列と共に同じ5’UTRを用いる他の組み合わせより優れている。一実施形態によれば、本発明による発現カセットに用いられるhCD33分泌リーダー配列は以下のアミノ酸配列を含む:
Figure 2015535427
hCD33分泌リーダー配列についての文献において種々のアミノ酸配列が記載されている。たいていの文書は、以下のアミノ酸配列からなるようなhCD33分泌リーダー配列を記載している:
Figure 2015535427
明らかになっているように、配列番号13は、配列番号12と比較して3’末端に2個の追加のアミノ酸を含む。一実施形態によれば、hCD33分泌リーダー配列をコードするポリヌクレオチドは、配列番号12または配列番号13に示されたアミノ酸配列からなる分泌リーダー配列をコードする。しかしながら、配列番号12に示されたより短いhCD33分泌リーダー配列を用いることが好ましい。よりわずかに短いシグナル配列は、正しいペプチダーゼ切断の確率を高め、正しいプロセシングを可能にし、それにより産物品質を保証すると想定される。配列番号13に示されたより長いCD33分泌リーダー配列を用いることは、分泌リーダー配列が切断された後に、関心対象のポリペプチドがそれらのN末端に追加のアミノ酸を保有する(特に医薬ポリペプチドを発現する場合、容認できないこと)リスクを課し得る。このリスクは、配列番号12に示されたhCD33分泌リーダー配列を用いる場合、回避される。さらに、より短い配列は、明らかに、特に本発明による5’UTRポリヌクレオチド配列と組み合わせて用いられる場合、より良い電荷分布により、分泌についてより効率的である。したがって、好ましくは、ポリヌクレオチドは、配列番号12に示されたアミノ酸配列からなるhCD33分泌リーダー配列をコードする。
発現カセットにおいて、プロモーター(エレメントa))は、5’UTRポリヌクレオチド配列(エレメントb)の5’側に配置され、その5’UTRポリヌクレオチド配列は、次に、hCD33分泌リーダー配列をコードするポリヌクレオチド(エレメントc))の5’側に配置されている。関心対象のそれぞれのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが発現カセット内に挿入されたならば、関心対象のポリペプチドの効率的な発現を可能にするために、前記エレメントは前記発現カセットにおいて作動可能に連結される。
本発明による発現カセットは、「関心対象のポリペプチドを発現するのに適している」。この用語は特に、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが前記発現カセットに挿入された場合には、前記ポリペプチドが前記発現カセットから発現することを記載する。したがって、一実施形態によれば、本発明による発現カセットは、エレメントとして、d)関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。したがって、前記ポリヌクレオチドは、関心対象のポリペプチドのコード領域を含む。好ましくは、前記ポリヌクレオチドは、cDNAであり、またはcDNA由来である。好ましくは、前記ポリヌクレオチドは、追加の分泌リーダー配列を含まない。前記関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、発現により、hCD33分泌リーダー配列と関心対象のポリペプチドを含む融合ポリペプチドが得られるように、hCD33分泌リーダー配列をコードするポリヌクレオチドの3’側に位置する。本発明による発現カセットに用いられる5’UTRおよび分泌リーダー配列は、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと異種性であり、すなわち、それらは、前記ポリヌクレオチドと天然では関連していない。関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現は、前記5’UTRの転写後調節下にあり、前記分泌リーダー配列は、hCD33リーダー配列を含み、好ましくはhCD33リーダー配列からなる。
代替の実施形態によれば、発現カセットは、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを挿入するための挿入部位を含むが、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをまだ含まない。前記挿入部位は、hCD33分泌リーダー配列をコードするポリヌクレオチドの3’側に位置する。この目的のために、発現カセットは、例えば、全てのリーディングフレームにおいて用いることができる、例えば、多重クローニング部位(MCS)を含んでもよい。挿入部位を含むそれぞれの「空の」発現カセットは、関心対象の所望のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを挿入するために用いることができる。これは、カスタマーが、所望のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを前記挿入部位に挿入し、それにより、発現カセットを完成することができるという利点を有する。発現により、本発明による分泌リーダー配列に融合した所望のポリペプチドが、前記完成された発現カセットから発現し、分泌される。したがって、それぞれの「空の」発現カセットは、単純に、関心対象の所望のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを挿入部位に挿入することにより、意図された使用に容易に適応することができるため、関心対象の種々のポリペプチドを発現するための有用なツールを提供する。
さらに、発現カセットは、適切な転写終結点を含んでもよい。転写終結点は、先行技術においてよく特徴づけられており、発現カセット内のそれらの組入れは、遺伝子発現に複数の有益な効果を生じることが示されている。下記でさらに詳細に記載されるように、本発明による発現カセットは、特に、真核生物宿主細胞において関心対象のポリペプチドを発現することを意図される。たいていの真核生物新生mRNAは、一次転写産物の切断および共役ポリアデニル化反応を含む複雑な過程の間に付加される、ポリAテールをそれらの3’末端に有する。ポリAテールはとりわけ、mRNA安定性にとって有利である。ゆえに、発現カセットは、好ましくは、転写終結およびポリアデニル化に適したポリアデニル化部位をそれぞれ、含む。真核細胞における発現を意図される発現カセットに用いることができるいくつかの効率的なポリAシグナルがあり、それには、ウシ成長ホルモン(bgh)、マウスβ−グロビン、SV40初期転写ユニット、および単純ヘルペス(Herpes simplex)ウイルスチミジンキナーゼ遺伝子に由来のものが挙げられる。しかしながら、合成ポリアデニル化部位もまた知られている(例えば、Levitt el al, 1989, Genes Dev. 3, (7): 1019-1025に基づいているPromegaのpCI−neo発現ベクターを参照)。したがって、本発明による発現カセットに用いられるポリアデニル化部位は、SV40後期および初期ポリA部位などのSV40ポリA部位(例えば、Subramani et al, 1981, Mol.Cell. Biol. 854-864に記載されているようなプラスミドpSV2−DHFR参照)、合成ポリA部位(例えば、Levitt el al, 1989, Genes Dev. 3, (7): 1019-1025に基づいているPromegaのpCI−neo発現ベクター参照)、およびbghポリA部位(ウシ成長ホルモン)からなる群から選択することができる。転写終結点は、発現カセットにおいて、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと一緒に提供することができ、または別個のエレメントとして提供することができる。
したがって、一実施形態によれば、発現カセットは、エレメントとして、e)3’UTR配列をさらに含む。3プライム非翻訳領域(3’UTR)は、コード領域の後に続き、制御エレメントを含む。前記3’UTR内に含まれ得るエレメントには、miRNAなどのRNAiを誘導するタンパク質および/または分子のための結合部位が挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態によれば、以下の配列を含む3’UTRが用いられる:
Figure 2015535427
さらに、発現カセットは、エレメントとして、f)ポリアデニル化シグナルを含んでもよい。適切なポリアデニル化部位は上で記載されている。一実施形態によれば、以下の配列を含むポリA部位が用いられる:
Figure 2015535427
好ましい実施形態によれば、発現カセットは、以下のエレメントを含む:
a)プロモーター、好ましくは、ヒトCMVプロモーター、またはヒトCMVプロモーター由来のプロモーター;
b)配列番号1を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、配列番号2を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、配列番号3を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、配列番号4を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、配列番号5を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、配列番号6を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、配列番号7を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、および配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、または配列番号7に示された配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含む5’UTRポリヌクレオチド配列からなる群から選択される5’UTRポリヌクレオチド配列;
c)hCD33分泌リーダー配列をコードするポリヌクレオチド;
d)関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、または関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを挿入するための挿入部位;
e)3’UTRポリヌクレオチド配列;並びに
f)ポリA部位。
記載されているように、%同一性は、参照配列の全長に対して計算されてもよい。上記で論じられているように、および実施例に示されているように、本発明による発現カセットは、結果として、関心対象のポリペプチドの発現の増加を生じる。「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって一緒に連結されたアミノ酸のポリマーを含む分子を指す。ポリペプチドには、(例えば、50個より多いアミノ酸を有する)タンパク質、および(例えば、2〜49個のアミノ酸を有する)ペプチドを含む、任意の長さのポリペプチドが挙げられる。ポリペプチドには、任意の活性または生理活性をもつタンパク質および/またはペプチドが挙げられる。産生されることになっているポリペプチドは、薬学的もしくは治療的な活性のある化合物、またはアッセイなどに利用される研究ツールであり得る。したがって、ポリペプチドは、任意の特別なポリペプチド、またはポリペプチド群に限定されず、それどころか、本明細書に記載された方法によって選択し、および/または発現させることを望む、任意のサイズ、機能、または起源の任意のポリペプチドであってもよい。したがって、関心対象のいくつかの異なるポリペプチドが、本発明による発現カセットおよび/または本発明による宿主細胞から発現してもよい。上記で概説されているように、ポリペプチドという用語は、任意の活性または生理活性をもつタンパク質および/またはペプチドを含み、それには、例えば、酵素タンパク質またはペプチド(例えば、プロテアーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ)、受容体タンパク質またはペプチド、輸送体タンパク質またはペプチド、殺菌性および/または内毒素結合性タンパク質、構造タンパク質またはペプチド、免疫ポリペプチド、免疫グロブリン、毒素、抗生物質、ホルモン、成長因子、ワクチンなどの生理活性ポリペプチドが挙げられる。前記ポリペプチドは、ペプチドホルモン、インターロイキン、組織プラスミノーゲンアクチベーター、サイトカイン、免疫グロブリン、特に、抗体またはその機能性断片もしくは誘導体、およびナノボディとも呼ばれる単一ドメイン抗体からなる群から選択されてもよい。一実施形態によれば、関心対象のポリペプチドはグリコシル化される。本発明による発現カセットから発現する関心対象のポリペプチドはまた、例えば、抗体の重鎖もしくは軽鎖、またはその機能性断片もしくは誘導体などの、前述のポリペプチドのうちの1つのサブユニットまたはドメインであってもよい。好ましい実施形態において、関心対象のポリペプチドは、免疫グロブリン分子、より好ましくは抗体、または、例えば、抗体の重鎖もしくは軽鎖などのそのサブユニットもしくはドメイン、または単一ドメイン抗体である。例えば、抗体の重鎖もしくは軽鎖、またはその機能性断片もしくは誘導体などの、前述の機能性断片もしくは誘導体、または前述のサブユニットもしくはドメインもまた含まれる。一実施形態によれば、関心対象のポリペプチドはhCD33ではない。
本明細書で用いられる場合、用語「抗体」は特に、ジスルフィド結合によって連結された少なくとも2つの重鎖および2つの軽鎖を含むタンパク質を指す。用語「抗体」は、天然に存在する抗体、並びに、抗体の全ての組換え型、例えば、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、およびキメラ抗体を含む。各重鎖は、通常、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域(CH)で構成される。各軽鎖は、通常、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域(CL)で構成される。重鎖定常領域は、3個または4個(IgM型もしくはIgE型の抗体の場合)の重鎖定常ドメイン(CH1、CH2、CH3、およびCH4)を含み、第1の定常ドメインCH1は、可変領域に隣接しており、ヒンジ領域によって第2の定常ドメインCH2に連結される場合がある。軽鎖定常領域は、ただ1つの定常ドメインだけからなる。可変領域は、フレームワーク領域(FR)と名付けられたより保存されている領域と共に散在する、相補性決定領域(CDR)と名付けられた超可変性の領域にさらに細分化され得、各可変領域は、3つのCDRおよび4つのFRを含む。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的な補体系の第1コンポーネント(C1q)を含む宿主組織または因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。しかしながら、本発明による「抗体」という用語はまた、重鎖抗体、すなわち、1個以上、特に2個の重鎖でのみ構成される抗体、およびナノボディ、すなわち、単一の単量体の可変ドメインでのみ構成される抗体などの、抗体の他の型および変種も含む。そのようなナノボディはまた、連結されて、多価構造を形成する場合もある。好ましくは、抗体は、適切な宿主細胞における発現で、グリコシル化される。上記で論じられているように、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはまた、関心対象のポリペプチドとして、抗体の1つまたは複数のサブユニットまたはドメイン、例えば、重鎖もしくは軽鎖、または機能性断片もしくは誘導体をコードしてもよい。
ナノボディとも呼ばれる、単一ドメイン抗体は、単一の単量体の可変抗体ドメインからなる抗体断片である。それは、抗体全体のように、特定の抗原に選択的に結合することができる。わずか12〜15kDaの分子量をもつ、単一ドメイン抗体は、2つの重鎖タンパク質および2つの軽鎖で構成される一般的な抗体(150〜160kDa)よりはるかに小さく、さらに、Fab断片および一本鎖可変断片よりも小さい。最初の単一ドメイン抗体は、ラクダ(camelids)において見出された重鎖抗体(これらはVH断片と呼ばれる)から操作された。重鎖抗体はまた他の種においても見出されている。代替のアプローチは、ヒトまたはマウス由来の一般的な免疫グロブリンG(IgG)からの二量体可変ドメインを単量体に分割することである。単一ドメイン抗体へのほとんどの研究は、現在、重鎖可変ドメインに基づいているが、軽鎖に由来したナノボディもまた、標的エピトープに特異的に結合することが示されている。ラマ種(アルパカ(Lama paccos)、ラマ(Lama glama)、およびビクーニャ(Lama vicugna))などの新世界メンバーを含むラクダおよびヒトコブラクダ科のメンバー(フタコブラクダ(Camelus bactrianus)およびヒトコブラクダ(Camelus dromaderius))から得られる抗体タンパク質は、サイズ、構造複雑性、およびヒト対象に対する抗原性に関して特徴づけられている。天然で見出される場合のこの科の哺乳類由来の特定のIgG抗体は、軽鎖を欠き、したがって、他の動物由来の抗体についての2つの重鎖および2つの軽鎖を有する典型的な4本鎖の4要素からなる構造とは構造的に異なる(WO94/04678参照)。VHHと同定された小さい単一可変ドメインであるラクダ抗体の領域は、標的に対して高い親和性を有する低分子タンパク質を生じるような遺伝子操作によって得ることができ、結果として、「ラクダナノボディ」として知られた低分子量抗体由来タンパク質を生じる(US5,759,808;Stijlemans, B. et al., 2004 J Biol Chem 279: 1256-1261;Dumoulin, M. et al., 2003 Nature 424: 783-788;Pleschberger, M. et al. 2003 Bioconjugate Chem 14: 440-448;Cortez-Retamozo, V. et al. 2002 Int J Cancer 89: 456-62;および Lauwereys, M. et al. 1998 EMBO J 17: 3512-3520参照)。ラクダ抗体および抗体断片の操作されたライブラリーは、市販されている。非ヒト起源の他の抗体のように、ラクダ抗体のアミノ酸配列は、より密接にヒト配列に似ている配列を得るように組換えで変化させることができ、すなわち、ナノボディは「ヒト化」することができる。それぞれの単一ドメイン抗体はまた、本発明の教示を用いて発現することができる。さらに、記載されているように、単一ドメイン抗体をまた、多価構造を形成するように連結させてもよい。それぞれの多量体ナノボディもまた、本発明の教示を用いて発現させてもよい。一実施形態によれば、多量体ナノボディは、単一の発現カセットから発現する。
抗体の「機能性断片または誘導体」は特に、抗体に由来し、かつ抗体と同じ抗原、特に同じエピトープに結合する能力があるタンパク質または糖タンパク質を指す。同じことは、変更すべきことは変更して、免疫グロブリン分子、重鎖、または軽鎖の断片または誘導体について当てはまる。抗体の抗原結合機能が、完全長抗体の断片またはその誘導体により実行され得ることは示されている。抗体の断片または誘導体の例には、(i)重鎖および軽鎖それぞれの可変領域と第1の定常ドメインからなる一価断片である、Fab断片;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片である、F(ab)断片;(iii)重鎖の可変領域と第1の定常ドメインCH1からなるFd断片;(iv)抗体の単一アームの重鎖および軽鎖可変領域からなるFv断片;(v)単一のポリペプチド鎖からなるFv断片である、scFv断片;(vi)一緒に共有結合した2つのFv断片からなる(Fv)断片;(vii)重鎖可変ドメイン;並びに(viii)重鎖可変領域と軽鎖可変領域の会合が分子間でのみ起こることができ、分子内では起こらないような様式で一緒に共有結合した重鎖可変領域と軽鎖可変領域からなるマルチボディが挙げられる。これらの抗体断片および誘導体は、当業者に知られた通常の技術を用いて得ることができる。
本発明の教示に従って発現することができるポリペプチドの上記の例から明らかになるように、宿主細胞によって産生され、かつ分泌されることになっている最終ポリペプチドはまた、二量体または多量体のタンパク質であり得る。それぞれのタンパク質の好ましい例は免疫グロブリン分子、特に、例えば重鎖および軽鎖を含む抗体である。それぞれの二量体または多量体タンパク質を産生するためのいくつかの選択肢がある。
一実施形態によれば、前記二量体または多量体タンパク質の2つ以上のサブユニットまたはドメインは、本発明による1つの発現カセットから発現する。この実施形態において、1つの長い転写産物が、二量体または多量体タンパク質の個々のサブユニットまたはドメインのコード領域を含むそれぞれの発現カセットから得られる。一実施形態によれば、少なくとも1つのIRESエレメント(配列内リボソーム進入部位)は、個々のサブユニットまたはドメインのコード領域の間に機能的に位置し、各コード領域は、上記のようなhCD33分泌リーダー配列に先行される。それにより、別々の翻訳産物が、前記転写産物から得られること、および最終の二量体または多量体タンパク質が正しく構築されて、分泌され得ることが保証される。さらに、多量体ナノボディもまた、単一の発現カセットから発現することができる。
それもまた一方で、本発明の範囲内であり、いくつかの実施形態については、種々の発現カセットから二量体または多量体タンパク質の個々のサブユニットまたはドメインを発現することが好ましくさえある。一実施形態によれば、本発明による発現カセットは、モノシストロニックな発現カセットである。この実施形態において、各発現カセットは、関心対象のポリペプチドとして二量体または多量体タンパク質の1つのサブユニットまたはドメインをコードするポリヌクレオチドを含む。一実施形態によれば、これらの発現カセットの全部が、本発明の教示に従って設計される。しかしながら、種々の発現カセットについて異なる設計を用いることもまた本発明の範囲内である。個々の発現カセットからの個々のサブユニット/ドメインの発現後、最終の二量体または多量体タンパク質が、構築され、宿主細胞から分泌される。この実施形態は、本発明による発現ベクターと共により詳細に説明される。
好ましい実施形態によれば、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、関心対象のポリペプチドとして、抗体分子の重鎖もしくは軽鎖、またはその機能性断片もしくは誘導体をコードする。
一実施形態によれば、本発明による発現カセットは、免疫グロブリン分子の定常領域の少なくとも部分をコードするポリヌクレオチドをすでに含む。その後、免疫グロブリン分子の対応する可変部分をコードするポリヌクレオチドを、発現カセットを完成させるために適切なクローニング戦略を用いることによりユーザー/カスタマーが発現カセットに挿入することができる。
発現カセットは、高発現性宿主細胞の選択を軽減し、および/または向上させるために用いることができる追加のエレメントを含んでもよい。関心対象のポリペプチドを高収量で発現する宿主細胞を選択するための先行技術において知られた1つの確立された選択方法は、フローサイトメトリー、特に蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)の使用に基づいている。フローサイトメトリーを用いる選択方法は、多数の細胞を迅速にスクリーニングすることができるという利点をもつ。高産生性細胞クローンを同定するのに特に有用である1つの選択方法において、関心対象の産物、例えば抗体の部分は、膜結合型融合ポリペプチドとして発現する。それにより、産物の部分は、細胞表面上に融合ポリペプチドとしてディスプレイされる。産生される融合ポリペプチドの量は、全体的な発現量と相関するため、宿主細胞は、細胞表面上にディスプレイされた融合ポリペプチドの量に基づいてフローサイトメトリーによって選択することができる。これは、高産生性宿主細胞の迅速な選択を可能にする。本発明による発現カセットは、有利には、フローサイトメトリーの使用に基づいているそれぞれの選択方法において用いることができるように適応させることができる。フローサイトメトリー、好ましくはFACSを用いる効率的な選択を可能にするために、関心対象のポリペプチドを発現するための特別な発現カセットを用いてもよい。したがって、一実施形態によれば、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現するための発現カセットは、関心対象の発現したポリペプチドの部分、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満、またはさらに2.5%未満が、膜貫通アンカーを含むように設計される。その結果を達成するためのいくつかの選択肢が存在する。
一実施形態によれば、前記発現カセットは、さらに、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの下流に少なくとも1つの終止コドン、並びに終止コドンの下流に膜アンカーおよび/または膜アンカーのシグナルをコードするさらなるポリヌクレオチドを含む。それぞれのエレメントは作動可能に連結されている。発現カセットのこの設計は、翻訳のリードスループロセス(終止コドンが「リーキー」である)を通して、関心対象のポリペプチドの部分が、膜アンカーを含む融合ポリペプチドとして産生されるという効果を生じる。結果として、この融合ポリペプチドが、細胞表面上にディスプレイされ、高レベルの膜アンカー型融合ポリペプチドをディスプレイする細胞を、フローサイトメトリー、好ましくはFACSによって選択することができる。それにより、高発現量を有する宿主細胞が選択される。この終止コドンに基づいたテクノロジーの詳細および好ましい実施形態は、WO2005/073375およびWO2010/022961に記載されている。この開示を参照されたい。
代替の実施形態によれば、前記発現カセットは、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの下流に、少なくとも、5’スプライスドナー部位および3’スプライスアクセプター部位を含み、かつインフレームの翻訳終止コドンおよびポリアデニル化シグナルを含むイントロン、並びに前記イントロンの下流に、膜アンカーおよび/または膜アンカーのシグナルをコードするポリヌクレオチドを含む。それぞれのエレメントは作動可能に連結されている。発現カセットのこの設計は、転写および転写産物プロセシングを通して少なくとも2つの異なる成熟mRNA(mRNA−POI)および(mRNA−POI−ANCHOR)が発現カセットから得られるという効果を生じる。mRNA−POIの翻訳は、関心対象の産物を生じる。mRNA−POI−ANCHORの翻訳は、関心対象の産物と膜アンカーを含む融合ポリペプチドを生じる。結果として、この融合ポリペプチドは、先と同様に、細胞表面上にディスプレイされ、高レベルの膜アンカー型融合ポリペプチドをディスプレイする細胞を、フローサイトメトリー、好ましくはFACSによって選択することができる。それにより、高発現量を有する宿主細胞が選択される。このイントロンに基づいたテクノロジーの詳細および好ましい実施形態は、WO2007/131774に記載されている。この開示を参照されたい。
関心対象の産物として抗体の発現に特に有用である好ましい実施形態によれば、膜アンカーは免疫グロブリン膜貫通アンカーである。他の適切な膜アンカーおよび免疫グロブリン膜貫通アンカーの好ましい実施形態は、WO2007/131774、WO2005/073375、およびWO2010/022961に記載されている。それぞれの開示を参照されたい。
第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様による少なくとも1つの発現カセットを含む、関心対象のポリペプチドを発現するための発現ベクターを提供する。前記発現カセットは、上記で詳細に記載され、したがって、上記の開示を参照されたい。
本発明による「発現ベクター」は特に、少なくとも1つの外来核酸断片を保有する能力があるポリヌクレオチドを指す。ベクターは、分子担体のように機能し、それぞれポリヌクレオチドである核酸の断片を宿主細胞に送達する。ベクターは、ベクターに組み入れられた関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを適切に発現するための必要な制御配列を含む、本発明の第1の態様による少なくとも1つの発現カセットを含む。
一実施形態によれば、発現ベクターは、選択マーカーをコードするポリヌクレオチドを含む少なくとも1つの発現カセットをさらに含む。前記発現カセットは、それに組み入れられた選択マーカーをコードするポリヌクレオチドを適切に発現するために必要な制御配列を含む。選択マーカーには、抗生物質、特にアミノグリコシド抗生物質などの毒性物質または薬物に対する抵抗性を有する真核生物宿主細胞を提供する選択マーカー、例えば、ネオマイシン選択マーカーが挙げられる。選択マーカーにはまた、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)およびグルタミンシンセターゼ(GS)などの真核生物選択マーカーが挙げられるが、それらに限定されない。葉酸受容体などの他の適切な選択マーカーが、WO2009/080759およびWO2010/097240に記載されている。好ましくは、発現ベクターは、増幅可能な選択マーカーをコードするポリヌクレオチドを含む少なくとも1つの発現カセットを含む。増幅可能な選択マーカーは、ベクター含有真核生物宿主細胞の選択、並びに、遺伝子増幅を可能にする。増幅可能な哺乳類選択マーカー遺伝子についての非限定的例は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)遺伝子である。現在使われている他の系は、数ある中でも、グルタミンシンセターゼ(gs)系(Bebbington et al., 1992)およびヒスチジノール駆動型選択系(Hartmann and Mulligan, 1988)である。これらの増幅可能なマーカーもまた選択マーカーであり、したがって、そのベクターを得た細胞を選択するために用いることができる。DHFRおよびグルタミンシンセターゼによって、良好な結果が得られている。両方の場合においても、選択は、通常、適切な代謝産物(DHFRの場合はヒポキサンチンおよびチミジン、GSの場合はグルタミン)の非存在下で起こり、それにより、非形質転換細胞の成長を阻止する。DHFR系などの増幅可能な系に関して、組換えタンパク質の発現は、DHFR系の場合、葉酸代謝拮抗剤(例えば、メトトレキセート(MTX))などの遺伝子増幅を促進するある特定の作用物質に細胞を曝すことにより、増加させることができる。遺伝子増幅を促進するGSの適切な阻害剤は、メチオニンスルホキシミン(MSX)である。MSXへの曝露もまた、遺伝子増幅を生じる。好ましい実施形態によれば、発現ベクターは、選択マーカーとしてジヒドロ葉酸レダクターゼ酵素(DHFR)をコードするポリヌクレオチドを含む発現カセットを含む。
さらに、発現ベクターはまた、原核生物選択マーカーをコードするポリヌクレオチドを含む発現カセットを含んでもよい。「原核生物選択マーカー」は、適切な選択条件下で原核生物宿主細胞における選択を可能にする選択マーカーである。それぞれの原核生物選択マーカーの例は、例えば、アンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、および/またはクロラムフェニコールなどの抗生物質に対する抵抗性を提供するマーカーである。発現ベクター内に原核生物選択マーカーを含むことは、発現ベクターが、原核生物宿主細胞において容易に増殖することができるという利点をもつ。
好ましくは、発現ベクターは、本発明の第1の態様による少なくとも1つの発現カセット、アミノグリコシド抗生物質に対する抵抗性を与える真核生物選択マーカー、好ましくはneo選択マーカーをコードするポリヌクレオチドを含む発現カセット、および増幅可能な選択マーカー、好ましくはDHFRをコードするポリヌクレオチドを含む発現カセットを含む。
本発明による発現ベクターは、関心対象のポリペプチドを発現するための1つより多い発現カセットを含むことができる。したがって、一実施形態によれば、関心対象の同じまたは異なるポリペプチドを発現するためのいくつかの発現カセットが、本発明による発現ベクター上に配置される。ゆえに、本発明はまた、1つより多い発現カセットを含む発現ベクターであって、各発現カセットが、例えば、二量体またはそれより高いオーダーの多量体タンパク質のサブユニットまたはドメインをコードする、発現ベクターを提供する。多量体タンパク質の異なるサブユニットをコードする発現カセットであって、各サブユニットが異なる発現カセット内に組み入れられている発現カセットは、例えば、お互いに隣接して、配置することができる。少なくとも2つの別個の遺伝子によりコードされる多量体タンパク質(例として、抗体の軽鎖および重鎖またはその機能性断片もしくは誘導体)について、所望のサブユニットまたはドメインをコードするポリヌクレオチドは、関心対象のポリペプチドとして異なる発現カセットに挿入される。関心対象のポリペプチドとして二量体または多量体タンパク質の個々のサブユニットまたはドメインを発現するために少なくとも2つの別個の発現カセットを用いるそれぞれの実施形態は、例えば、抗体などの免疫グロブリン分子を発現するために特に有利である。宿主細胞において、二量体または多量体タンパク質、例えば、抗体が構築され、分泌される。一実施形態によれば、本開示による発現カセット設計は、抗体の重鎖を発現するために用いられる。軽鎖の発現カセットは、実施形態において、異なる設計を有してもよく、例えば、Igリーダー配列などの異なる分泌リーダー配列を含んでもよい。一実施形態によれば、どちらの発現カセットも、本開示の教示に従って設計される。
したがって、一実施形態によれば、発現ベクターは、本発明の第1の態様による少なくとも2つの発現カセットを含む。前記発現カセットのうちの1つに含まれるポリヌクレオチドは、関心対象のポリペプチドとして免疫グロブリン分子の重鎖またはその機能性断片もしくは誘導体をコードし、他の発現カセット内に含まれるポリヌクレオチドは、関心対象のポリペプチドとして免疫グロブリン分子の軽鎖またはその機能性断片もしくは誘導体をコードする。宿主細胞における前記発現カセットからの軽鎖および重鎖の発現により、機能性免疫グロブリン分子(好ましくは抗体である)が、構築され、宿主細胞から分泌される。一実施形態によれば、軽鎖またはその機能性断片もしくは誘導体についての5’UTRは、配列番号3を含み、または配列番号3からなる。一実施形態によれば、重鎖またはその機能性断片もしくは誘導体についての5’UTRは、配列番号1もしくは配列番号4を含み、または配列番号1もしくは配列番号4からなる。一実施形態によれば、軽鎖またはその機能性断片もしくは誘導体についての5’UTRは、配列番号5を含み、または配列番号5からなる。一実施形態によれば、重鎖またはその機能性断片もしくは誘導体についての5’UTRは、配列番号6もしくは配列番号7を含み、または配列番号6もしくは配列番号7からなる。
本発明と共に用いることができる適切な発現ベクターは、WO2009/080720に記載されているが、本発明の教示においては、WO2009/080720により教示される免疫グロブリン分泌リーダー配列が、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現カセットにおいてhCD33分泌リーダー配列に置き換えられている。記載されているように、1つより多い発現カセットが発現ベクター内に存在する場合、1つの発現カセットが本明細書に記載されているように設計されるので十分である。
第3の態様によれば、本発明の第1の態様による少なくとも1つの発現カセットを含み、および/または本発明の第2の態様による少なくとも1つの発現ベクターを含む、真核生物宿主細胞が提供される。本発明による発現カセットおよび発現ベクターは、上記で詳細に記載され、ここでもまた適用される上記の開示を参照されたい。好ましくは、発現カセットは、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。好ましくは発現ベクター内に含まれるそれぞれの発現カセットは、トランスフェクションによって宿主細胞に導入することができる。
一実施形態によれば、真核生物宿主細胞は、本発明による少なくとも2つの発現カセットを含む。一実施形態によれば、前記発現カセットのそれぞれは、関心対象のポリペプチドとして二量体または多量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットまたはドメインをコードするポリヌクレオチドを含む。この実施形態は、免疫グロブリン分子を発現するのに特に適している。好ましい実施形態によれば、宿主細胞は、関心対象のポリペプチドとして免疫グロブリン分子の重鎖またはその機能性断片もしくは誘導体をコードするポリヌクレオチドを含む本発明の第1の態様による第1の発現カセット、および関心対象のポリペプチドとして免疫グロブリン分子の軽鎖またはその機能性断片もしくは誘導体をコードするポリヌクレオチドを含む本発明の第1の態様による第2の発現カセットを含む。上記で論じられているように、好ましくは、軽鎖を発現するための発現カセット内で用いられる5’UTRは、配列番号3を含み、または配列番号3からなり、重鎖を発現するための発現カセット内で用いられる5’UTRは、配列番号1もしくは配列番号4を含み、または配列番号1もしくは配列番号4からなる。一実施形態によれば、軽鎖を発現するための発現カセット内で用いられる5’UTRは、配列番号5を含み、または配列番号5からなり、重鎖を発現するための発現カセット内で用いられる5’UTRは、配列番号6もしくは配列番号7を含み、または配列番号6もしくは配列番号7からなる。前記発現カセットは、上記のように、1つまたは複数の適切な発現ベクターを用いることにより宿主細胞に導入することができる。一実施形態によれば、第1の発現カセットは、1つの発現ベクターによって導入され、第2の発現カセットは、第2の発現ベクターによって導入された。しかしながら、両方の発現カセットが、両方の発現カセットを保有する1つの発現ベクターを用いることにより導入されたことが好ましい。
一実施形態によれば、真核生物宿主細胞は、抗体の重鎖を発現するための、第1の態様による少なくとも1つの発現カセットを含む。記載されているように、例えば、配列番号1、4、6、もしくは7を含み、または配列番号1、4、6、もしくは7からなる5’UTRがこの目的のために用いられてもよい。
基本的に、任意の真核生物宿主細胞が、それら細胞が本発明による発現カセットからのポリペプチドの効率的な発現を可能にする限り、本発明と共に用いることができる。好ましくは、真核生物宿主細胞は哺乳類細胞である。前記哺乳類細胞は、好ましくは、齧歯類細胞、ヒト細胞、およびサル細胞からなる群から選択される。特に好ましいのは、齧歯類細胞、好ましくは、CHO細胞、BHK細胞、NS0細胞、マウス3T3線維芽細胞、およびSP2/0細胞からなる群から選択される齧歯類細胞の使用である。特に好ましいのは、宿主細胞としてのCHO細胞の使用である。ヒト細胞は、例えば、HEK293細胞、MCF−7細胞、PerC6細胞、およびHeLa細胞からなる群から選択することができる。サル細胞は、例えば、COS細胞およびVero細胞から選択することができる。本発明による発現ベクターは、DHFR CHO細胞またはDHFR CHO細胞を含むCHO細胞などの齧歯類細胞においてポリペプチドを産生するのに特に適している。好ましくは、宿主細胞はCHO細胞である。
第4の態様によれば、本発明の第3の態様による宿主細胞を作製するための方法であって、本発明の第2の態様による発現ベクターが、真核生物宿主細胞に導入され、その真核生物宿主細胞が好ましくは哺乳類宿主細胞である、方法が提供される。それにより、好ましくは関心対象のポリペプチドを発現するためのポリヌクレオチドを含む、第1の態様による発現カセットが、宿主細胞に導入される。
導入は、例えば、本発明の第2の態様による発現ベクターをトランスフェクションすることにより、達成されてもよい。一実施形態によれば、発現ベクターが宿主細胞のゲノムに統合される(安定的トランスフェクション)。本発明の第1の態様による発現カセットの宿主細胞への導入を可能にする適切な発現ベクターは、本発明による第2の態様と共に上記で詳細に記載されている。導入される発現カセットがゲノムに挿入されない場合には(一過性トランスフェクション)、そのカセットは細胞が有糸分裂を起こすときなどの後の段階に喪失され得る。適切な発現ベクターはまた、ゲノムに統合されることなく、例えばエピソーム複製により、宿主細胞において維持される場合がある。発現ベクターを、哺乳類宿主細胞を含む真核生物宿主細胞に、特にトランスフェクションにより、導入するための、先行技術において知られたいくつかの適切な方法がある。それぞれの方法には、リン酸カルシウムトランスフェクション、エレクトロポレーション、リポフェクション、微粒子銃およびポリマー媒介性遺伝子移入が挙げられるが、それらに限定されない。伝統的なランダムな組込みに基づいた方法の他にも、組換え媒介性アプローチもまた用いることができる。そのような組換え方法は、導入遺伝子の直接的挿入を媒介することができる、Cre、Flp、またはΦC31のような部位特異的リコンビナーゼの使用を含んでもよい(例えば、Oumard et al, Cytotechnology (2006) 50: 93 −108参照)。あるいは、相同組換えの機構が、本発明による発現カセットを挿入するために用いられてもよい(Sorrell et al, Biotechnology Advances 23 (2005) 431 − 469に概説されている)。組換えに基づいた遺伝子挿入は、宿主細胞に導入される発現ベクターに含まれるべきエレメントの数を最小限にすることを可能にする。本発明による適切な発現ベクターまたは発現ベクターの組み合わせ、並びに、適切な宿主細胞の実施形態は、上記で詳細に記載されている;上記の開示を参照されたい。その実施形態と共に上記で論じられているように、免疫グロブリン分子の重鎖および軽鎖、またはその機能性断片もしくは誘導体をコードするポリヌクレオチドを含む発現カセットは、少なくとも2つの発現ベクターの組み合わせが宿主細胞をトランスフェクションするために用いられる場合、同じ、または異なる発現ベクター上に位置してもよい。
第5の態様によれば、関心対象のポリペプチドを産生するための方法であって、前記方法が、前記関心対象のポリペプチドの発現を可能にする条件下での細胞培養において本発明の第3の態様による宿主細胞を培養することを含む、方法が提供される。宿主細胞培養の2つの主要な形式、すなわち、接着細胞の培養と懸濁培養がある。懸濁培養の使用が好ましい。一実施形態によれば、前記宿主細胞は無血清条件下で培養される。
関心対象のポリペプチドは、本発明による発現カセットから発現し、宿主細胞から、例えば培地に分泌され、それから分泌されたポリペプチドを得ることができる。1つより多い発現カセットが宿主細胞内に存在する場合、例えば、二量体または多量体タンパク質が発現する時(上記参照)、二量体または多量体タンパク質は、細胞内で構築され、その後、宿主細胞から分泌される。本発明による新規な5’UTR/分泌リーダー配列の組み合わせを用いることにより達成される並外れた発現により、ポリペプチドは、高収量で発現し、分泌され得る。分泌されたポリペプチドをまた、例えば、精製および/または修飾ステップなどのさらなる処理ステップに供してもよい。したがって、関心対象のポリペプチドを産生するための方法は、以下のステップの少なくとも1つを含んでもよい:
− 関心対象のポリペプチドを前記細胞培地から単離するステップ;および/または
− 単離された関心対象のポリペプチドを処理するステップ。
したがって、本発明に従って産生されるポリペプチドは、当技術分野において知られた方法により、回収され、場合によりさらに処理され、例えば、さらに精製され、単離され、および/または修飾されてもよい。例えば、ポリペプチドは、通常の手順により栄養培地から回収されてもよく、その通常の手順には、遠心分離、濾過、限外濾過、抽出、または沈殿が挙げられるが、それらに限定されない。精製は、当技術分野において知られた様々な手順によって実施されてもよく、その手順には、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー、疎水性、クロマトフォーカシング、およびサイズ排除)、電気泳動手順(例えば、調製用等電点分離法)、溶解度の差(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、または抽出が挙げられるが、それらに限定されない。
上記で論じられているように、関心対象のポリペプチドは、好ましくは、免疫グロブリン分子またはその機能性断片もしくは誘導体、より好ましくは、抗体またはその機能性断片もしくは誘導体である。
第6の態様によれば、本発明は、関心対象のポリペプチドを高収量で発現カセットから発現するための、前記発現カセットにおけるhCD33分泌リーダー配列と組み合わせての5’UTR配列の使用であって、前記5’UTRポリヌクレオチド配列が、配列番号1を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、配列番号2を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、配列番号3を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、配列番号4を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、および配列番号1、配列番号2、配列番号3、もしくは配列番号4に示された配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含む5’UTRポリヌクレオチド配列からなる群から選択され、または前記5’UTRポリヌクレオチド配列が、配列番号5を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、配列番号6を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、配列番号7を含む5’UTRポリヌクレオチド配列、および配列番号5、配列番号6、もしくは配列番号7に示された配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含む5’UTRポリヌクレオチド配列からなる群から選択される、使用に関する。同一性は、参照配列の全長に対して計算されてもよい。
5’UTRポリヌクレオチド配列およびhCD33分泌リーダー配列のそれぞれの組み合わせの利点、適切かつ好ましい実施形態、並びに、発現カセットおよび関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの適切かつ好ましい実施形態は、上で詳細に記載されている。ここでも適用される上記の開示を参照されたい。
好ましくは、発現カセットは、本発明の第1の態様と共に上で記載されている発現カセットの設計を有する。上記開示を参照されたい。一実施形態によれば、発現カセットは、以下の特性のうちの1つまたは複数を有する:
a)それはプロモーターを含む;
b)それは、上記のような5’UTRポリヌクレオチド配列を含む;
c)それは、配列
Figure 2015535427
を含み、好ましくは当該配列からなるhCD33分泌リーダー配列を含む;
d)それは、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、もしくは関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを挿入するための挿入部位を含む;
e)それは3’UTR配列を含む、および/または
f)それはポリA部位を含む。
個々のエレメント並びに好ましい実施形態および組み合わせに関する詳細は、本発明の第1の態様と共に上で記載されている。上記開示を参照されたい。
一実施形態によれば、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、関心対象のポリペプチドとして、二量体または多量体タンパク質の2つ以上のサブユニットまたはドメインをコードし、少なくとも1つのIRESエレメントが、個々のサブユニットまたはドメインのコード領域の間に位置し、各コード領域が、hCD33分泌リーダー配列に先行される。しかしながら、モノシストロニックな発現カセットの使用が、本発明の文脈においては好ましい。
代替の実施形態によれば、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、関心対象のポリペプチドとして、二量体または多量体タンパク質のサブユニットまたはドメインをコードする。好ましくは、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、関心対象のポリペプチドとして、抗体分子の重鎖もしくは軽鎖、またはその機能性断片もしくは誘導体をコードする。一実施形態によれば、本開示による発現カセット設計は、抗体の重鎖を発現するために用いられる。ここで、軽鎖を発現するための発現カセットは、異なる設計を有してもよく、例えば、異なるリーダー配列、例えば、Igリーダー配列を含んでもよいし、または本発明の教示に従って設計されてもよい。一実施形態によれば、本開示による発現カセット設計は、抗体の軽鎖を発現するために用いられる。ここで、重鎖を発現するための発現カセットは、異なる設計を有してもよく、例えば、異なるリーダー配列、例えば、Igリーダー配列を含んでもよいし、または本発明の教示に従って設計されてもよい。
一実施形態によれば、ある特定のエレメントを含むと本明細書に記載された対象物はまた、それぞれのエレメントからなる対象物を指す。特に、ある特定の配列を含むと本明細書に記載された5’ UTRはまた、それぞれの配列からなってもよい。
本明細書に記載された好ましい実施形態を選択し、かつ組み合わせることは好ましく、好ましい実施形態のそれぞれの組み合わせから生じる特定の対象物もまた、本開示に属する。
本明細書に言及されているようなテキストおよび文書の全内容は、参照により本明細書に組み入れられており、したがって、本開示の部分を形成する。
以下の実施例は、本発明を例証する役割を果たし、その範囲をいかなる点でも限定することはない。特に、実施例は、本発明の好ましい実施形態に関する。
実施例を、以下のプロトコールに従って実施した。
[実施例A]
I.材料および方法
宿主細胞
宿主細胞として、CHO−K1細胞に由来したCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞を用いる。
発現ベクター
標準対照として、WO2009/080720(特に、実施例6参照)に記載されているような設計を有する発現ベクターを用い、そのベクターは抗体軽鎖および重鎖を発現するための発現カセットにおいてIg分泌リーダー配列を利用するものである。CMVプロモーターは配列番号8を含んだ。配列番号3を、軽鎖を発現するための5’UTRとして用い、配列番号4を、重鎖を発現するための5’UTRとして用いた。前記対照ベクターから、既存の軽鎖および重鎖免疫グロブリン分泌リーダー配列を以下のhCD33分泌リーダー配列に置き換えることにより、本発明の教示による発現ベクターを得る:
Figure 2015535427
前記発現ベクターを、抗体分子を発現するために用いる。対応するベクター設計をまた、関心対象のポリペプチドとしてナノボディを発現するために用いるが、ここでは配列番号5による5’UTRを用いた。しかしながら、ここで、1つの発現カセットだけが必要とされる。対照ベクターは同じ設計を有したが、この場合もやはり、Igリーダー配列を用いた。
細胞培養、トランスフェクション、および選択
細胞を、専用の自家製細胞培地を用いて培養し、本研究を通して対数成長期に維持されるように週に2〜3回、定期的に継代した。細胞を、標準のヌクレオフェクション(nucleofection)法を用いてトランスフェクションする。5E6細胞/ヌクレオフェクションインパルスを遠心分離し、トランスフェクション緩衝液中に再懸濁した。関心対象のポリペプチドをコードする3ugのベクターDNAを加え、ヌクレオフェクションを実施する。トランスフェクションされた細胞を、125mlの振盪フラスコ内に移し、振盪条件下で24〜48時間、培養する。G−418での第1の選択ステップを、WO2009/080720に以前に記載されているように、実施する。さらなる選択を、2回の追加のメトトレキセート(MTX)選択ステップ、すなわち、500nM MTXおよび1000nM MTXを用いて実施する。抵抗性で、大部分は良い産生細胞で構成される選択されたプールを、密度0.5〜1細胞/ウェルで、限界希釈によるか、またはFACSシステムを用いるかのいずれかでクローニングする。得られたクローンについて、クローン生産性および成長を、種々のスクリーニング型式で分析する。
II.結果
Ig分泌リーダー配列を含む先行技術による発現ベクター(対照発現ベクター)、およびhCD33分泌リーダー配列を含む本発明による発現ベクターで得られた実験データにより、本発明による特定の5’UTRおよびhCD33分泌リーダー配列の新規な組み合わせを用いる場合、産生された抗体価が著しく増加することが実証されている。関心対象のタンパク質として、IgG抗体を発現させた。プールレベルにおける観察される生産性増加は、本発明による発現ベクターを用いる場合、平均して2.88倍であった。本発明による発現ベクターを用いる場合(対照発現ベクターで得られた最良の対照クローンと、本発明による発現ベクターで得られた最良クローンを比較したとき)、結果をクローンレベルにおいてさらに向上することができ、4.1倍の生産性増加を得ることができた。
関心対象のタンパク質としてナノボディを発現する場合、本発明による発現ベクターを用いるとき、最良クローンの比較により1.1倍の生産性増加が示され、6つの最良クローンを比較したとき、平均して1.6倍の生産性増加が得られた。これは、以下の表によって例証されている:
Figure 2015535427
Figure 2015535427
Figure 2015535427
[実施例B]
発現ベクター
標準対照として、WO2009/080720(特に、実施例6参照)に記載されているような基本的設計を有する発現ベクターを用い、そのベクターは抗体軽鎖および重鎖を発現するための発現カセットにおいてIg分泌リーダー配列を利用するものである。重鎖についての発現カセットを、FACS選択を容易にするために、WO2010/022961に記載されたリーキーな終止コドンテクノロジーを用いて、改変した。CMVプロモーターは配列番号8を含んだ。配列番号5を、軽鎖を発現するための5’UTRとして用い、配列番号7を、重鎖を発現するための5’UTRとして用いた。前記対照ベクターから、既存の重鎖免疫グロブリン分泌リーダー配列を以下のhCD33分泌リーダー配列に置き換えることにより、本発明の教示による発現ベクターを得る:
Figure 2015535427
前記発現ベクターを、種々の抗体分子を発現するために用いる。
3個の異なる抗体について、IgG発現、および重鎖カセットに関する正しいシグナルペプチド(リーダー配列)プロセシングに取り組むために評価を実施した。リーダー配列の正しいプロセシング、すなわち、シグナルペプチダーゼによるリーダー配列切断は、関心対象のポリペプチドのそれのN末端における予想される配列、およびそれに従って、予想される品質をもつ機能性分子を得るために必須である。先行技術設計を用いた一部の場合において、シグナルペプチドのプロセシングが不正確であり、例えば、N末端に1つまたは複数の追加のアミノ酸を有する重鎖または軽鎖を生じたことが以前に言及された。N末端に間違って残存する1つまたは複数のアミノ酸次第で、リーダー配列の残存する1つまたは複数のアミノ酸によるアミノ酸配列のこの伸長は、例えば、分子の凝集の性向を増加させ、またはジスルフィド結合形成を誘導し得る。したがって、それにより、産物品質に深刻な影響が及ぶ可能性がある。さらに、不正確なシグナルペプチドプロセシングは、抗体産物などの関心対象のポリペプチドが、N末端における推定の切断部位の下流でプロテアーゼによって切断される(クリッピングとも呼ばれる)リスクを課すことが見出された。これは短縮した産物を生じ、それもまた、分子品質に深刻な影響を及ぼす可能性がある。
表5は、対照と比較した、本開示のテクノロジーで得られたシグナルペプチド(リーダー配列)プロセシング結果を示す。表からわかるように、本発明のテクノロジーを用いることは、望ましくないシグナルペプチドプロセシングを有意に低減し、それに従って、品質を向上させた。
Figure 2015535427

Claims (15)

  1. 関心対象のポリペプチドを発現するのに適した発現カセットであって:
    a)プロモーター
    b)5’UTRポリヌクレオチド配列であって、
    i)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    ii)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    iii)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    iv)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    v)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    vi)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    vii)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    viii)配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、または配列番号7に示された配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含む5’UTRポリヌクレオチド配列
    からなる群から選択される、5’UTRポリヌクレオチド配列;
    c)hCD33分泌リーダー配列をコードするポリヌクレオチド;および
    d)関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、または関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを挿入するための挿入部位
    を含む発現カセット。
  2. hCD33分泌リーダー配列が配列
    Figure 2015535427
    からなる、請求項1に記載の発現カセット。
  3. 前記発現カセットが
    e)3’UTR配列および/または
    f)ポリAシグナル
    をさらに含む、請求項1または2に記載の発現カセット。
  4. 以下の特性のうちの1つまたは複数を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発現カセット:
    i)関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、関心対象のポリペプチドとして、二量体または多量体タンパク質の2つ以上のサブユニットまたはドメインをコードし、少なくとも1つのIRESエレメントが、個々のサブユニットまたはドメインのコード領域の間に位置し、各コード領域がhCD33分泌リーダー配列に先行される;
    ii)関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、関心対象のポリペプチドとして、二量体または多量体タンパク質のサブユニットまたはドメインをコードする;
    iii)関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、関心対象のポリペプチドとして、抗体分子の重鎖もしくは軽鎖、またはその機能性断片もしくは誘導体をコードする;
    iv)5’UTRポリヌクレオチド配列が、配列番号3を含み、または配列番号3からなり、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、関心対象のポリペプチドとして、抗体分子の軽鎖、またはその機能性断片もしくは誘導体をコードする;
    v)5’UTRポリヌクレオチド配列が、配列番号1もしくは配列番号4を含み、または配列番号1もしくは配列番号4からなり、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、関心対象のポリペプチドとして、抗体分子の重鎖、またはその機能性断片もしくは誘導体をコードする;
    vi)5’UTRポリヌクレオチド配列が、配列番号5を含み、または配列番号5からなり、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、関心対象のポリペプチドとして、抗体分子の軽鎖、またはその機能性断片もしくは誘導体をコードする;
    vii)5’UTRポリヌクレオチド配列が、配列番号6もしくは配列番号7を含み、または配列番号6もしくは配列番号7からなり、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、関心対象のポリペプチドとして、抗体分子の重鎖、またはその機能性断片もしくは誘導体をコードする;
    viii)発現カセットがモノシストロニックな発現カセットである;
    ix)発現カセットに含まれるプロモーターが:
    aa)配列
    Figure 2015535427
    を含むプロモーター、またはプロモーターとして機能するその機能性断片;
    bb)配列番号8に示された配列と少なくとも80%同一である配列を含むプロモーター、またはプロモーターとして機能するその機能性断片
    からなる群から選択されるヒトCMVプロモーターである。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の少なくとも1つの発現カセットを含む、関心対象のポリペプチドを発現するための発現ベクター。
  6. a)選択マーカーをコードするポリヌクレオチドを含む、少なくとも1つの発現カセット;
    b)関心対象のポリペプチドを発現するための少なくとも1つの第2の発現カセット
    のエレメントのうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項5に記載の発現ベクター。
  7. 少なくとも2つの発現カセットを含み、各発現カセットが、関心対象のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、1つの発現カセット内に含まれるポリヌクレオチドが、免疫グロブリン分子の重鎖またはその機能性断片もしくは誘導体をコードし、その他の発現カセット内に含まれるポリヌクレオチドが、免疫グロブリン分子の軽鎖またはその機能性断片もしくは誘導体をコードする、請求項6に記載の発現ベクター。
  8. 免疫グロブリン分子の重鎖またはその機能性断片もしくは誘導体をコードする発現カセットの5’UTRポリヌクレオチド配列が、配列番号1もしくは配列番号4を含み、または配列番号1もしくは配列番号4からなり、免疫グロブリン分子の軽鎖またはその機能性断片もしくは誘導体をコードする発現カセットの5’UTRポリヌクレオチド配列が、配列番号3を含み、または配列番号3からなる、請求項7に記載の発現ベクター。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の少なくとも1つの発現カセットおよび/または請求項5〜8のいずれか一項に記載の少なくとも1つの発現ベクターを含む真核生物宿主細胞。
  10. 齧歯類細胞、霊長類細胞、およびヒト細胞からなる群から選択され、前記宿主細胞が好ましくはCHO細胞である、請求項9に記載の宿主細胞。
  11. 請求項5〜8のいずれか一項に記載の発現ベクターが真核生物宿主細胞に導入される、請求項9または10に記載の宿主細胞を作製するための方法。
  12. 関心対象のポリペプチドを産生するための方法であって、前記関心対象のポリペプチドの発現を可能にする条件下での細胞培養において請求項9または10に記載の宿主細胞を培養するステップを含む、方法。
  13. 前記関心対象のポリペプチドが細胞培地に分泌され、細胞培地から単離され、単離されたポリペプチドが場合によりさらに処理される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記ポリペプチドが免疫グロブリン分子またはその断片である、請求項12または13に記載の方法。
  15. 関心対象のポリペプチドを高収量で発現カセットから発現するための、発現カセットにおけるhCD33分泌リーダー配列と組み合わせての5’UTR配列の使用であって、前記5’UTRポリヌクレオチド配列が:
    i)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    ii)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    iii)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    iv)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    v)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    vi)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    vii)配列
    Figure 2015535427
    を含む5’UTRポリヌクレオチド配列;
    viii)配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、または配列番号7に示された配列と少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%同一である配列を含む5’UTRポリヌクレオチド配列
    からなる群から選択される、使用。
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