JP2015533605A - 柑橘系果物からジュースを搾り出すための柑橘系果物圧搾装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
柑橘系果物圧搾装置は、柑橘系果物に圧搾活動を行うための2つの圧搾要素を有する。これら圧搾要素は、圧搾される柑橘系果物の異なる面に接するための面を持つ、並びに互いに対し2つの逆方向に、すなわち互いに近づく及び互いに離れるように移動可能である。その上、前記圧搾装置は、柑橘系果物に、この果物の皮を貫通する切断活動を行うための切断手段を有し、この切断手段は、圧搾要素30、40の面とは接していない側から、この果物に貫入するために配される。この切断手段は、圧搾要素30、40の面に対し側方位置に配される少なくとも1つのナイフを有する。
Description
本発明は、柑橘系果物に圧搾活動を行うための2つの圧搾要素及び柑橘系果物にこの果物の皮を貫通する切断活動を行うための切断手段を有する柑橘系果物圧搾装置に関し、これら圧搾要素は、圧搾される柑橘系果物の異なる側に接するための面を持つ、並びに互いに2つの逆方向に、すなわち互いに近づく及び互いに離れるように移動可能である。
本発明は、柑橘系果物からジュースを搾り出すための方法にも関し、互いに近づく及び互いに離れるように移動可能である2つの対向する圧搾面が設けられ、これら圧搾面の間に柑橘系果物が配され、この果物の皮を貫通する少なくとも1つの切断がこの果物に行われ、及び前記圧搾面を互いに近づくように移動させることにより、前記果物が全体として圧搾される。
柑橘系果物のよく知られる例は、オレンジ、レモン、ライム及びグレープフルーツである。柑橘系果物は、例えば生で食べられる、ジュースにするために搾られる又はマーマレードにされる。本発明は、柑橘系果物からジュースを搾り出す分野における解決法を提供する。様々な形式の柑橘系果物圧搾装置が知られており、これら装置は、事前に半分に切った柑橘系果物からジュースを受けるために、チャンネルにより包囲された凸状の圧搾面を有する手動の装置から、人が介入することなく柑橘系果物からジュースを抽出するために構成される全自動の装置までに及ぶ。
柑橘系果物を手で搾ることは、かなり煩わしい仕事である。この処理のさらなる欠点は、手動の装置のユーザが自分の手をきれいな状態に保つことが殆ど不可能なことである。さらに、この処理に用いられる装置は、特にこの装置の一部であり、前記チャンネルを覆い、果肉を受け取るのに用いられるリング形状のこし器(sieve)をきれいにすることがかなり難しい。柑橘系果物からのジュース、特にオレンジジュースは、消費者にすごく喜ばれているのが事実である。オレンジジュースは甘い味であり、健康によく、かなりの量のビタミンCを含んでいることが知られている。しかしながら、上述した欠点のせいで、人が実際にジュースを作りたいと思うとき、特に例えば仕事のある日の朝の朝食の場合の時間が無いとき、彼らはしばしばそれを止める決定をする。
半分の柑橘系果物を圧搾面で押す作業を容易にするために、半自動の柑橘系果物圧搾装置が開発されている。このような装置において、圧搾面を有する要素は、ユーザが半分の柑橘系果物をその要素に押し下げるとき自動的に回転する。結果として、柑橘系果物からジュースを作るのに必要なユーザの労力は減ったが、ユーザは依然として、半自動の装置の使用後、広範囲にわたる洗浄活動を含む様々な活動を行わざるを得ない。
全自動の装置は柑橘系果物全体を処理するために構成される。特に、これら装置は、柑橘系果物を半分に切り、この半分の柑橘系果物を圧搾面に押し付け、この方法で得られたジュースを集め、このジュースを例えばグラスのような容器に排出するために構成される。全自動の装置は、すごく使いやすいが、これら装置は、そのサイズが大きい故に家庭用には不向きであった。さらに、これら装置は、多くの部品を有し、洗浄するとなると多くの作業を必要とする。全自動の装置の一例は、英国特許公開番号GB 2 216 784 Aに見られる。
柑橘系果物に自動的な圧搾活動を行うために構成される及び普通の台所で使用するのに十分な小ささである装置は、国際出願公開番号WO2012/107771 A1から知られている。とりわけ、この既知の装置は、圧搾手段、送り込み(infeed)手段、ごみ容器及びモーターを有する。圧搾手段は、2つの部分、すなわちこの装置のハウジング内に互いに間隔を空けて置かれるラム部分及び抽出部分を含んでいる。ラム部分及び抽出部分は、同じ軸に沿って置かれるので、この装置の内部にある1つ以上の品物を押すことは、ラム部分と抽出部分との間にこの品物を位置決め、ラム部分を抽出部分に近づけさせることにより実現される。
ラム部分の移動は電気モーターにより駆動され、その電気モーターもハウジング内部に置かれる。抽出部分は、ジュースの排出口を設けるために品物を切るためのブレード手段、及び圧搾された品物から出たジュースを運ぶためのチャンネルを含んでいる。圧搾手段の力が通例、品物からジュースを出す。多数のチャンネルを持つために、多数のブレード手段が設けられてもよい。
比較的に小さい装置において柑橘系果物全体を押すことは、その油分がジュースの甘味を台無しにするので、ジュースと混ぜられるべきではない油分を柑橘系果物の皮が含むことが事実でないのであれば、それほど難問ではない。WO2012/107771 A1から知られる装置が実際に機能的に見えたとしても、ジュースの味が容認できないような量の油分がしばしば皮から放出されることが分かっている。この影響の理由は、圧搾活動のある段階において、ブレード手段により刺される皮は、柑橘系果物の変形及び皮に働く力によって、ブレード手段に近い様々な場所で破れ、その結果として、ジュースと混ざり、ブレード手段を通り、ジュースと一緒に排出される油分が放出されるという事実にみられる。
本発明の目的は、簡単に使用でき、簡単に洗える柑橘系果物圧搾装置を提供することであり、この装置は、所望する甘い味のジュースを確実にもたらすことが可能である、比較的にシンプルでにもかかわらず、頑丈なデザインである、及び普通の台所の上で使用するのに十分な小ささである。上述した目的は、柑橘系果物に圧搾活動を行うための2つの圧搾要素、及び柑橘系果物において、この柑橘系果物の皮を貫通する切断活動を行う切断手段を有する柑橘系果物圧搾装置を用いて達成され、前記圧搾要素は、圧搾される柑橘系果物の異なる側に接するための面を持つ、並びに互いに2つの逆方向に、すなわち互いに近づく及び互いに離れるように移動可能であり、前記切断手段は、前記圧搾要素の面とは接していない側から柑橘系果物に貫入するために配される。
本発明による装置において、上述した圧搾要素の面は、柑橘系果物全体に圧搾力をかけるのに使用されるように設計される。従って、これら面はこれ以降、圧搾面と呼ばれる。本発明のある注目すべき態様によれば、圧搾される柑橘系果物は、単に圧搾面ではない、又は全く圧搾面ではない位置で切られる。特に、この装置の切断手段は、圧搾面とは接していない側から柑橘系果物内に貫入するために配される。言い換えると、切断手段は、例えば互いの圧搾面の圧搾運動と同時に切断活動を達成するように配される。
柑橘系果物における切断手段の切断活動は、圧搾活動の結果として果物が横方向に広がる場所にナイフが置かれるので、圧搾面の間でこの果物が押されるとき自動的に行われる。上述したような切断手段の場所の利点は、一方では規定の切り口が柑橘系果物に作られる一方、圧搾活動中、どこかの場所で皮が破れる可能性を最小にすることである。圧搾面に接する場所で皮が弱くなるのではなく、圧搾活動中に大きな変形が予想される側で弱くなる。その上、圧搾面の外側に切断手段を持つことは、柑橘系果物における少なくとも1つの切り口からジュースを直接集める可能性を提供し、WO2012/107771 A1から知られるように、圧搾面の一方を通るチャンネルを作るための複雑な構成を必要としない。
本発明によれば、柑橘系果物全体からジュースを搾り出すことが利点であり、少なくとも1つのナイフが皮を貫通し前記果物に貫入するのに使用される。この点において、柑橘系果物は、多くの分離した部分に切られる必要が無いので、ナイフが果物に貫入するだけで十分であることを述べておく。上述したように、皮はジュースの味を台無しにする油分を含んでいる。しかしながら、皮が破れるとき放出される油分の量に反して、皮を貫通する規定の切り口が作られるとき、ジュースの味に目立った影響を与えない最小量の油分だけが放出される。故に、皮が破れるのを回避するための措置が取られるとき、ジュースが唯一規定の切り口の位置で皮を貫通するので、圧搾活動は甘いジュースが得られるのを常に成功することを保証する。
柑橘系果物全体を圧搾することに関し、上記処理の一般的な利点は、果肉が果物の中に保たれるので、前記圧搾装置は果肉を受けるための手段を有する必要がなく、これが設計の簡潔さに加わることを述べておく。
実用的な実施例において、本発明による前記装置は、圧搾される柑橘系果物を受けるための内部空間を持つ、概ね円筒形形状の圧搾チャンバを有し、この圧搾チャンバは、圧搾面により一部の境界が定められ、一方の圧搾面は、圧搾チャンバの一方の端面を構成し、もう一方の圧搾面は、圧搾チャンバの対向する端面を有し、及び前記切断手段は、圧搾チャンバの側面において、この圧搾チャンバの内側に配される少なくとも1つのナイフを有する。
好ましくは、前記切断手段は、前記装置の使用方位において底側である圧搾チャンバの側に置かれる。例えば、切断手段は、圧搾チャンバの下側半分に配される2つのナイフを有する。このように、柑橘系果物は底側に切り口を備えるので、圧搾活動が行われるとき、果物から搾られるジュースが直に又は略直にオレンジから滴る位置にあるので、ジュースが皮と接するのが可能とされる範囲が最小となることが達成される。その上、ジュースは単に圧搾チャンバの底側で受けられ、その結果として、圧搾チャンバからジュースを排出するための複雑な手段を必要としない。
前記切断手段の少なくとも1つのナイフが真っ直ぐな切断刃を有することが可能である。例えば果物の外面の半分の長さを持つ、皮及び皮の後ろにある柑橘系果物の果肉の部分を通る1、2又は3つの直線の切り口を作ることにより、果物の変形中に表皮が破れずに最大量のジュースが得られる程度に果物を圧搾することが可能である。実際の状況において、2つの直線の切り口は、圧搾空間の内側に配されるような柑橘系果物の下側半分に作られ、これら切り口は果物の外面に沿った異なる位置にある。ナイフがその長さに沿って一定の高さを持ってもよいが、これが本発明の構想内である必要はなく、ナイフの刃先がナイフのベース部に対し傾斜した方位を持つようにしてもよいことも述べておく。実際に、本発明の構想内において、ナイフは、所望する形状及び寸法の柑橘系果物に切り口を達成するために構成される如何なる設計とすることができる。例えば、ナイフは2つの部品を有し、これら部品の刃先は互いに直角に交わり、それにより、深い切り口が達成される。このようなナイフの実施例において、ナイフの部品の一方が圧搾面の一方に配されてもよい。
ナイフの切断刃は、圧搾要素が互いに移動可能である方向と略同じである方向に広がってもよい。このように、皮が破れるのを回避するような方法で皮にかかる圧力を解放することが可能である少なくとも1つの切り口が圧搾面の間で圧搾される柑橘系果物に作られることが保証される。圧搾活動が行われる方向に切り口が広がるとき、この切り口はそうすることに有効である。故に、皮に切り口があること基づいて、皮の弾力性を超えた状況が避けられるので、皮が破れるのが避けられる。とにかく実際の事例において皮が破ける可能性に関して、もし破れた場合、これは実際には全てのジュースが既に柑橘系果物から搾られたときである圧搾活動の終わりの近くでのみ起こる可能性があることを述べておく。故に、破れた場合、この破れは圧搾活動の終わり頃の段階で起こるという事実により、とにかく皮からの油分がジュースと混ざる状況は避けられる。
実際の事例において、圧搾要素が互いに移動可能である方向は、円筒形状の圧搾チャンバの長軸が延在している方向と一致することを述べておく。圧搾チャンバは、円形の外面を持つ真っ直ぐな円筒のような形状でもよく、この円筒形の寸法は圧搾される柑橘系果物の一般的な直径に適合し、円筒形の長さも圧搾される柑橘系果物の一般的な直径に適合しているので、前記圧搾チャンバは圧搾活動の前に、柑橘系果物を自由に受けることが可能である。圧搾活動の開始時に、圧搾チャンバの対向する端面間の距離は最大であるのに対し、圧搾活動の終了時には、上述した距離は大幅に小さくなっている。圧搾要素の少なくとも一方は圧搾要素がナイフの上を移動するのを可能にするための少なくとも1つの窪みを有するので、ナイフがあることにより圧搾要素の相互運動が妨げられない一方、ある地点でナイフを格納することを目的とする方法のような、比較的複雑な方法は必要ない。
圧搾要素が互いに移動可能である方向において、圧搾要素の一方の位置が固定される場合、それは実用的であり、切断手段の少なくとも1つのナイフが配される面は、圧搾要素の圧搾面の部分である。このような場合、柑橘系果物に圧搾活動を行うのに使用される圧搾面の相対的な移動は、一方の圧搾要素だけを移動させることにより達成され、これは、2つの移動可能であるように配される圧搾要素を持ち、両方の圧搾要素を移動させることよりも複雑ではない。
本発明による柑橘系果物圧搾装置の自動化機能を持つために、この装置は、圧搾要素の少なくとも一方と係合し、稼働するとき、圧搾要素間に存在するような空間の大きさを変更する方向に前記圧搾要素の少なくとも一方を移動させるための駆動手段を有することが実用的である。例えば、前記駆動手段は、電気モーターと、前記圧搾要素の少なくとも一方を前記電気モーターの出力シャフト(outgoing shaft)に接続するためのスピンドル(spindle)ドライブのような手段とを有する。
前記圧搾要素の一方は、柑橘系果物を圧搾要素の外側から圧搾要素の内側、すなわち圧搾チャンバの内側に、又はその反対に移すことを可能にするための開口部を持ち、圧搾要素はさらに前記装置に回転可能なように配されてもよい。実際の状況において、当の圧搾要素にある開口は、圧搾面が互いに移動可能である方向に凡そ垂直である方向において、圧搾チャンバへのアクセスを提供するような方法で置かれる。特に、圧搾要素が互いに移動可能である方向と略同じである方向に延在している軸の周りを圧搾要素が回転可能である場合、それは有利である。好ましくは、上述したように、圧搾要素が互いに移動可能である方向において、圧搾要素の一方の位置が固定される場合、圧搾要素のその一方は、柑橘系果物を受けるための開口部を持ち、前記装置に回転可能なように配される圧搾要素の一方でもある。
柑橘系果物を圧搾要素にある開口部を介して圧搾チャンバに与えるための供給管のような適切な供給手段が圧搾チャンバより上の高さで配されるので、柑橘系果物の供給は重力の影響を受けて簡単に行うことができる。圧搾要素を回転可能で配置する場合、開口部が供給手段の端部にあるので、柑橘系果物は圧搾チャンバに落ちることが可能である圧搾要素の第1の位置と、開口部が底側にあるので、圧搾活動を受けた柑橘系果物が重力の影響を受けて圧搾チャンバから出ていくことを可能にする圧搾要素の第2の位置とを持つことが可能である。任意で、もう1つの柑橘系果物が前記開口部を通り、圧搾チャンバに入ってくることも防ぐために、圧搾される柑橘系果物が圧搾チャンバに供給された後に短い角距離に沿って圧搾要素を回転することも可能である。もう1つのオプションは、開口部をブロック及びアンブロックするための個別の手段を開口部に持つことである。
本発明による柑橘系果物圧搾装置が上述したような回転するように配される圧搾要素を備える場合、この圧搾要素と係合し、稼働するとき、この圧搾要素を回転させる個別の駆動手段を持つことが好ましい。これら個別の駆動手段は、圧搾活動に必要とされる力に比べ、圧搾要素を回転させるのに殆ど力を伴わないので、低電力モーターを有してもよい。故に、個別の駆動手段の費用はかなり低くすることができる。
圧搾チャンバからジュースの排出を促すために、前記装置の使用方位において底側である圧搾チャンバの側にある圧搾チャンバの面が前記装置の使用方位における水平に対し傾斜した方位を持つ場合に有利である。その場合、ジュースは重力の影響を受けて自動的に圧搾チャンバの規定の場所に流れる。言うまでもなく、圧搾チャンバがその場所に吐出口を設けることが最も実用的である。
柑橘系果物の皮が圧搾活動中に変形する程度を制限するために、圧搾面が相補的な湾曲形状を持つことが好ましい。有利なことに、圧搾面の一方は概ねへこんだ形状を持つのに対し、圧搾面のもう一方は概ね凸形状を持つ。圧搾面のこれら形状は、圧搾活動中、柑橘系果物の皮が破れるのを防ぐもう1つの要因である。前記圧搾面が上述したようにへこんでいる及び凸形状であるとき、果物が一般的に丸い/出っ張った形状を持つという事実を考慮して、へこんだ面がこの果物全体を完全に支持するのに使用される一方、凸形状の面は、果物の反対側を支持される側の方向に押すのに使用される。このような場合、皮の変形は、例えばこの柑橘系果物が2つの平坦面間で押された場合よりもはるかに少ない。実際、柑橘系果物は言わば本質的に自分自身に押し込まれるので、皮が直径方向に広がる必要な全くない。
本発明の構想内において、上述したような概ね凸形状であり、へこんだ中心部を持つ一方の圧搾面を持つこと、及び上述したような概ねへこんだ形状であり、凸状の中心部を持つもう一方の圧搾面を持つことが提案される。このように、前記面の湾曲は中心部において反転され、これが圧搾される柑橘系果物の2つの側の間における大きな湾曲長の差が防がれるので、厚い皮が破れるのを防ぐのに役立つ。
本発明の上述した及び他の態様は、オレンジを圧搾するのに使用するのに特に適した圧搾装置、この圧搾装置の構成要素及びこれら構成要素の機構の以下の詳細な説明から明瞭であり、これら説明を参照して明らかにされる。
本発明は、図面を参照してより詳細に説明され、これら図面において同様の又は類似する部分は同じ参照符号により示される。
図1及び2は、本発明による圧搾装置1を示し、この装置は特に、オレンジ2からジュースを得るためにオレンジ2を圧搾するのに適している。圧搾装置1は、後で説明されるような装置1の動作中、圧搾活動を行うのに携わる装置1の構成要素を収容するためのハウジング10を有する。図示されるような装置1の方位である、装置1の通常の使用方位において上側である装置1の側に存在しているハウジング10の部分11は、図1に示されるような閉じた位置及び図2に示されるような開いた位置の一方をとるために、ヒンジ形式で配される蓋11を構成する。蓋11が開いた位置にあるとき、図3及び4に示されるように、圧搾装置1の内部が見えている。完全を期すために、この文章における圧搾装置1の構成要素の方位及び/又は場所に関する全ての言及は、この圧縮装置1の動作する方位に照らして理解されるべきであることに注意されたい。
圧搾装置1は、蓋11の上に置かれる多数のオレンジ2を保持するためのホルダー12を有する。ホルダー12があることにより、圧搾装置1のユーザがオレンジ2を1つずつ供給することなく、多数のオレンジ2を次々に圧搾することが可能である。好ましくは、ホルダー12は、水平に対し傾斜した方位を持つので、オレンジ2の供給は重力の影響を受けて自動的に行われる。本発明による圧搾装置1が特に家庭用であるという事実から見て、これは有利であり、それは寸法が小さいだけでなく、シンプルで信頼性のある構造を持つことも好ましい。ホルダー12の最下端は、オレンジ2が圧搾装置1の内部に移動させることを可能にするためにハウジング10にある開口部13の上の場所にある。
示される例において、ハウジング10は、圧搾装置1からオレンジジュースを受けるためのグラス20又はもう1つの容器を一部収容するための窪み部分14を備える。この窪み部分14の上面に、圧搾装置1の内部から圧搾装置1の外部にジュースが流れることを可能にする圧搾装置1の排出口が存在している。
その上、圧搾装置1は、装置1のユーザがこの装置1の動作を制御すること可能にするための手段、例えばオン/オフスイッチ、装置1により作られるジュースの量を設定するためのボタン等を有する。さらに、圧搾装置1の内部において、圧搾活動を受けたオレンジ2の残部を受ける及び収容するための、図8に示されるようなごみ容器25が存在し、この容器は、例えばハウジング10において移動できるように配される一種の引き出しであるように設計されてもよい。
基本的に、圧搾装置1の動作は以下の態様を有する。最初に、圧搾装置1のユーザは、適切な数のオレンジ2がホルダー12にあること、及びグラス20又はもう1つの適切な容器が装置1の排出口の下の適切な位置に置かれていることに気を付け、グラス20の正しい位置を見つける際にハウジング10の窪み部分14の形状がユーザを誘導する。次いで、ユーザは圧搾装置1を稼働させ、その結果として、最初のオレンジ2は、そのオレンジ2が全体として、すなわち最初に別々の片に切られることなく圧搾活動を受ける圧搾装置1の内部に挿入することを可能にする。圧搾活動中、圧搾装置1の排出口からジュースが流れる。圧搾活動の終わりに、オレンジ2の残部がごみ容器25内に落ちることを可能にする。この処理は、所望する量のジュースとなるために、オレンジ2を好きなだけ繰り返されてもよい。
時々、ユーザは、圧搾装置1からごみ容器25を取り外し、ごみ容器25を空にすることになるので、新しいオレンジ2の残部のための部屋がある。さらに、ユーザは、蓋11を開いた位置にすることにより、掃除するために圧搾装置1の内部に配されるような構成要素を取り出すことができる。
原則として、圧搾装置1は、2つの対向する面の間にオレンジ2を位置決め、これら面を互いに近づけることにより、オレンジ2全体に圧搾活動を行うように構成される。設計の簡潔さを持つために、この処理において、前記面の一方のみが動くのに対し、前記面のもう一方は固定した位置に保たれることも好ましい。その上、オレンジ2の皮を貫通するジュースの排出口を持つため、及び圧搾活動中にオレンジ2が破れるのを防ぐために、オレンジ2に少なくとも1つの切り口を作るように構成されるので、ジュースの味は、そうしないと外皮から放出され、ジュースと混ざってしまう苦い油分により損なわれることはない。
圧搾装置1は、対向する面でオレンジ2と接し、このオレンジ2を圧搾するための圧搾面31、41を有する、図3に見られるような2つの圧搾要素30、40を有する。これら圧搾要素30、40の一方は、一般的にディスクのような形状であり、図5に切り離して示される。明瞭性のために、この圧搾要素は以後、圧搾板30と呼ばれる。圧搾要素30、40のもう一方は、一般的に中空の円筒のような形状であり、図6に切り離して示される。明瞭性のために、この処理要素は以後、圧搾シリンダー40と呼ばれる。この圧搾シリンダー40の圧搾面41は、このシリンダー40の閉じた端部42の内面の主要部分である。圧搾板30の寸法は、この圧搾板30が圧搾シリンダー40の内側でぴったり合うように選択され、この圧搾板30の外周は、圧搾シリンダー40の内面の部分によりしっかりと包囲されている。圧搾板30は、圧搾シリンダー40の長軸43が延在している方向において、この圧搾シリンダー40の圧搾面41に近づく及び離れる方向に移動可能であり、このシリンダー40の圧搾面41と対抗する圧搾板30の面の主要部分が圧搾板30の圧搾面31を構成している。圧搾活動中、前記圧搾板30だけが動いている一方、圧搾シリンダー40は固定した位置に保たれる。
示される例において、圧搾シリンダー40は、真っ直ぐなシリンダーであり、このシリンダーの側面は、円形の断面を持つ湾曲した内面及び外面を有する。故に、圧搾板30の外周も同様に円形形状である。実際に、圧搾板30は、言わば圧搾シリンダー40の可動する端部として機能する。圧搾板30及び圧搾シリンダー40の組立体は、圧搾板30の配置が移動するので、可変の大きさを持つ概ね円筒形状の圧搾チャンバ50を規定する。特に、圧搾板30の圧搾面31は、圧搾チャンバ50の一方の端面として働き、圧搾シリンダー40の圧搾面41は、圧搾チャンバ50の対向する端面として働き、圧搾シリンダー40の側面44は、圧搾チャンバ50の側面として働き、及び圧搾シリンダー40の長軸43は、圧搾チャンバ50の長軸として働く。
上述したように、圧搾シリンダー40は閉じた端部42を有する。その上、圧搾シリンダー40は、圧搾板30が圧搾シリンダー40の外側から圧搾シリンダー40に入れることを可能にするため、及び後述されるように、駆動手段が圧搾板30と係合することを可能にするために、開いた端部45を有する。さらに、入口開口部46が圧搾シリンダー40の側面にある。この入口開口部46は、ホルダー12の最下端において、ハウジング10にある開口部13を通り圧搾シリンダー40の内部にオレンジ2が移動することを可能にする。圧搾シリンダー40の内部において、この入口開口部46の向かい側にあるシリンダー40の側面の位置に、2つのナイフ51、52が圧搾シリンダー40の内面上に配される。本発明の構想内において、ナイフ51、52の数は必ずしも2つである必要はなく、例えば1つ又は3つでもよい。示される例において、ナイフ51、52は、真っ直ぐな切断刃を有し、これら切断刃は、圧搾シリンダー40の長軸43が延在している方向に略平行に延在している。圧搾板30は、圧搾活動又は後退活動中に圧搾板30がナイフ51、52の上を動くことを可能にするために2つの窪み32、33を備える。
圧搾板30を駆動させ、圧搾活動中に必要とされる圧搾力を発揮させるために、圧搾装置1は適切な駆動手段を有する。示される例において、駆動手段は、図7及び8に見られるように、出力シャフト61を持つ電気モーター60を有する。その上、前記駆動手段は、スピンドルドライブ62を有する。電気モーター60の出力シャフト61が回転するとき、スピンドルドライブ62のスピンドル63が伸びたり又は戻ったりする。圧搾板30は、スピンドル63の端部において取り外しできるように結合されるので、圧搾板30はモーター60の影響を受けて圧搾シリンダー40内深くに移されるか又は圧搾シリンダー40から後退する。この圧搾板30の所望する運動が達成される限り、本発明の構想内において、他の形式の駆動手段が実現可能であると理解される。図4は、その端部に結合装置64を備えるスピンドル63の一部が圧搾装置1の内部の内側をどのように延在するかを説明し、圧搾装置1におけるスピンドル63の多くの起こり得る位置の1つである。
そのように、圧搾シリンダー40の側面にある入口開口部46が上を向いているので、オレンジ2が圧搾シリンダー40の内部で受け取られる位置と、この入口開口部46が下を向いているので、オレンジ2がごみ容器25に放出される位置との間で圧搾シリンダー40を移動させることが可能であることであるので、圧搾シリンダー40が長軸43の周りを回転可能にすることが有利であり、このゴミ容器は、圧搾板30及び圧搾シリンダー40を収容するための圧搾装置の空間の真下に好ましくは配される。さらに、入口開口部46がこの入口開口部46が上を向いている位置に対して幾分かずれているので、ホルダー12からの後続するオレンジ2がシリンダー40の内部に入ることを防ぎ、シリンダー40に収容されているオレンジ2の圧搾活動の妨げとならない位置に圧搾シリンダー40を移動させることも可能である。代替案として、開口部13をブロック及びアンブロックするために、ハウジング10の開口部13に別個の手段を持つことも可能である。
例えば回転運動を行うために圧搾シリンダー40を駆動させる様々な方法が本発明の構想内において実現可能である。示される例において、圧搾シリンダー40は、このシリンダーの開いた端部45にギアリング71を備え、圧搾装置1は、このギアリング71と係合するためのギア72及びこのギア72を駆動させる電気モーター(図示せず)を備え、圧搾活動中に必要とされる圧搾力は、圧搾シリンダー40を回転させるのに必要とされる力よりもかなり大きいので、この電気モーターは、圧搾板30を駆動させる電気モーター60よりもかなり小さい。
オレンジ2の圧搾活動中、ジュースがオレンジ2から流れ、入口開口部46の反対側の部分である、圧搾シリンダー40の側面の部分、特に底部の位置にある部分を介して流れる。好ましくは、ナイフ51、52の間にあるような、圧搾シリンダー40の最も低い領域にジュースが移動することを可能にするために、ナイフ51、52のベース部は開口部53を備える。図7及び8は、圧搾板30、圧搾シリンダー40及び圧搾板30を駆動させる手段30の組立体が水平に対し傾斜した位置を持つことが好ましいので、圧搾シリンダー40の閉じた端部42に向かってジュースが流れることが補償されるという事実を明瞭に説明している。閉じた端部42が圧搾シリンダー40の最も低い領域に接続されている位置に、吐出口47及びこの吐出口47の位置で圧搾シリンダー40に接続される吐出管48が設けられる。完全性のために、特に他で示されない限り、圧搾活動のために圧搾シリンダー40のデフォルト位置、すなわち様々な図面に示されるような位置は、入口開口部46が上を向いていると仮定されることを述べておく。目の粗いフィルタ又は狭窄等は、起こり得る種がジュースと一緒にグラス20に流れるのを止めるために吐出口47に設けられてもよい。オレンジ2の残部をごみ容器25に排出するために圧搾活動の最後に圧搾シリンダー40が回転するとき、種もごみ容器25に落ちることが達成される。
図9を参照すると、圧搾面31、41は、圧搾されるオレンジ2の皮が破れるのを防ぐのを目的とする特別な形状を有する。図9は、圧搾面31、41を通る中心部の側面図を示し、この図において、圧搾面31、41は、相補的な湾曲形状を持つことが分かる。特に、圧搾板30の圧搾面31は、凸状の中心部34を持つ概ねへこんだ形状を持つのに対し、圧搾シリンダー40の圧搾面41は、へこんだ中心部49を持つ概ね凸形状を持つ。原則的に、圧搾板30の圧搾面31がへこんだ中心部を持つ概ね凸形状を持つこと、及び圧搾シリンダー40の圧搾面41が凸状の中心部を持つ概ねへこんだ形状を持つことも可能であるとも理解される。その上、圧搾面31、41が夫々全体的に凸形状及び全体的にへこんだ形状を単に持ってもよいが、圧搾されるオレンジ2の対向する面の間における曲線長の違いの影響を減らすので、逆の形状を持つ中心部34、49の存在がもっと厚い皮が破れるのを防ぐのに役立つことが分かるので、このような中心部34、49を持つことが好ましい。
圧搾装置1がジュースを作るために用いられるとき、この処理において圧搾されるオレンジ2は、装置1を通る経路を進み、以下に説明されるような方法で圧搾活動を受ける。最初に、オレンジ2は、ホルダー12の最下端において、ハウジング10にある開口部13及びシリンダー40の入口開口部46を通り圧搾シリンダー40の内部に落ちることを可能にする。これは、圧搾板30が引っ込んだ位置にあり、圧搾シリンダー40は入口開口部46が上を向いた位置にあることにより行われるので、オレンジ2のための空の通路が存在する。オレンジ2が圧搾シリンダー40の適切な位置にあるとすぐに、ハウジング10にある開口部13はブロックされるので、後続するオレンジ2がオレンジ2をすぐに追いかけるのを防ぐ。
オレンジ2が圧搾シリンダー40内に落ちるとき、オレンジ2は、ナイフ51、52で止まる。好ましくは、ナイフ51、52はこの処理において既にオレンジ2の皮及びオレンジ2の一部の果肉に突き刺さっている。そうでないなら、オレンジ2が圧搾面31、41の間で圧搾され、それによりナイフ51、52の方向に広がらせるとき、圧搾活動中に切断活動が行われる。
オレンジ2が圧搾シリンダー40内の適切な位置にあるとき、スピンドルドライブ62を介して圧搾板30を駆動させるための電気モーター60が稼働し、その結果として、圧搾板30がシリンダー40の閉じた端部42の方向に移動する。圧搾板30がオレンジ2と接するとすぐに、実際の圧搾活動が始まり、ここで、圧搾板30の移動が続くにつれて、一方の側にある圧搾板30の圧搾面31と、他方の側にある圧搾シリンダー40の圧搾面41との間でオレンジ2が搾られる。この処理において、以下に説明されるように、オレンジ2が圧搾シリンダー40に挿入されたとき、切り口がまだ作られていない場合、このオレンジ2の底側に2つの切り口が作られる。圧搾活動の結果として、オレンジ2が変形することは事実であり、オレンジ2はナイフ51、52の方向に広がるので、言わば圧搾活動中に実施している圧搾力の影響を受けて、オレンジ2がナイフ51、52に押し付けられる。
オレンジ2が変形するという事実は圧搾活動の一つの影響である。圧搾活動のもう一つの影響は、ジュースがオレンジ2から抽出されるという事実であり、オレンジ2の切り口は、オレンジ2の皮を貫通する排出口として役立つ。ナイフ51、52が圧搾シリンダー40の底部に位置決められるので、オレンジ2から圧搾シリンダー40の内面にジュースが直に落ちるので、ジュースが皮の表面を流れることを防ぐことが達成される。ジュースと皮との接触は、ジュースの味が損なわれていないことを保証するために極力抑える。ジュースは切り口の位置で皮と唯一接し、これはジュースの味に害を与えない。圧搾活動中、オレンジ2から放出されるジュースは、重力の影響を受けて圧搾シリンダー40の内面に沿って、及び圧搾シリンダー40の吐出口47及び吐出管48を通り、グラス20に向けて直接流れる。
上述したように、圧搾面31、41の形状は、圧搾処理中にオレンジ2の皮が破れるのを防ぐ役割を担う。皮は幾らか弾力性を持つことが知られ、皮が切断及び変形される方法を制御することにより、1つ以上の場所で皮が破けるほど、皮に働く力は高くはない状況が作り出される。これらの措置の全てがとられたにもかかわらず、どこかで皮が破れている場合、これは、オレンジ2及びその皮の変形が最大である、ジュースが全部既にオレンジ2から取り除かれている、及び皮からの油分がジュースと一緒に皮から流れ出る危険性がないという、圧搾活動の終了時の近くでのみ生じる可能性が高い。
圧搾板30が圧搾シリンダー40の閉じた端部42に十分近い距離にあるとき、電気モーター60の動作は反転し、その結果として、圧搾板30が後退する。圧搾板30がシリンダー40から出たとき、入口開口部46が底側にある位置に圧搾シリンダー40を動かすために、圧搾シリンダー40がその長軸43の周りを回転するので、変形したオレンジ2の残部がナイフ51、52から外れ、入口開口部46を通りごみ容器25に落ちることを可能にする。任意で、圧搾装置1は、例えばオレンジ2がナイフ51、52から解放されることを保証するために、オレンジ2を下向きに押すための手段を有してもよい。
有利なことに、圧搾板30は、スピンドル63から容易に切り離せるので、この圧搾板30は、圧搾装置1から容易に取り外すことができる。例えば、圧搾板30とスピンドル63との間の結合は単に、圧搾板30が重力に基づいてスピンドル63から懸架されている結合である。故に、圧搾板30の取り外しを所望するとき、圧搾板30をその位置から持ち上げるだけでよい。その上、圧搾シリンダー40は、圧搾装置1の内面に如何なる留め具も用いることなく、その内面により支持されるので、シリンダー40は、所望するとき簡単に装置1から出される。圧搾板30及び圧搾シリンダー40の簡単な取り外しは、掃除を目的に考えると有利である。圧搾板30及び圧搾シリンダー40はすすぐだけでよい。圧搾装置1を用いて行われるような圧搾活動は、果肉がオレンジ2の内部に留まっているという事実を考えると比較的きれいな活動である。
圧搾装置1の設計の簡単さに寄与する要因は、オレンジ2が全体として圧搾されるので、オレンジ2を一切れずつ切ること、これら一切れを運ぶこと等の手段を持つ必要はないという事実により構成される。さらに、オレンジ2の果肉がオレンジ2の内部に留まっているので、こし器等によるジュースの濾過は必要とされない。圧搾活動中、少なくとも1つの固定して配されるナイフ51、52を用いて自動的な方法でオレンジ2に少なくとも1つの切り口が作られるので、複雑な切断運動が避けられる。その上、圧搾されるオレンジ2は、圧搾活動を受けた後、圧搾装置1の上にあるホルダー12から重力の影響を受けて圧搾装置1を通りごみ容器25への通路を自動的に辿る。ジュースも重力の影響を受けて自動的にオレンジ2から容器、例えばグラス20に流れる。
本発明の範囲は上述した実施例に限定されるのではなく、本発明の幾つかの修正案及び変更案も付随する請求項に定められる本発明の範囲から外れることなく可能であることは、当業者には明白である。本発明が図面及び明細書において詳細に説明及び開示されているのに対し、このような説明及び開示は単に説明的又は例示的であり、制限的ではないと考えるべきである。本発明は開示される実施例に限定されない。
開示される実施例の変形例は、図面、明細書及び付随する特許請求の範囲を学ぶことにより、請求される本発明を実施する当業者により理解及びもたらされることができる。請求項において、"有する"という言葉は、その他のステップ又は要素を排除せず、複数あることを言わなくてもそれらが複数あることを排除しない。ある方法が互いに異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの方法の組み合わせが有利には用いられないことを示しているのではない。請求項における如何なる符号も本発明を制限すると考えるべきではない。
示される圧搾板30及び圧搾シリンダー40は、本発明による柑橘系果物圧搾装置1の相対的に移動可能である圧搾要素のほんの例示であると理解されるべきである。ホルダー12及びハウジング10の窪み部分14のような様相は、本発明の基本概念とは関係なく、省略又は他のものと置き換えられてもよい。圧搾チャンバ50の円筒形状は必ずしも円形の外周を持つ必要はなく、本発明の構想内において他の形状の外周も実現可能である。
本発明は、上述したような家庭環境に利用されることに非常によく適している。本発明による圧搾装置1は、上述したような圧搾板30を駆動させる手段を備えてもよいが、本発明の構想内において前記装置1が手動により駆動することも可能である。このような場合、ユーザが圧搾板30を操作して、圧搾活動を行う場所に必要な力を与えることを可能にするためのレバー構造等が用いられる。本発明のもう1つの可能な応用は、工業環境における利用であり、ここで圧搾装置1は、異なる大きさの柑橘系果物に適応している。この点において、本発明は、柑橘系果物圧搾装置1に関するだけでなく、柑橘系果物2からジュースを搾り出すための方法にも関する。
特に、本発明によれば、柑橘系果物2からジュースを搾り出すための方法は、互いに近づく及び互いに離れるように移動可能である2つの対向する圧搾面31、41を設けるステップ、前記圧搾面31、41の間に果物2を配するステップ、前記圧搾面31、41とは接していない果物2の領域に、果物2の皮を貫通する少なくとも1つの切り口を果物2に作るステップ、前記圧搾面31、41を互いに近づくように移動することにより、果物2を全体として圧搾するステップ、を有する。上述したように、ジュースが柑橘系果物から出てくることを可能にする及び変形中に果物2の皮の張力(tension)を減らすために、果物2に少なくとも1つの切り口が作られ、ここで圧搾面31、41に接している領域以外の他の領域に前記切り口が作られ、その結果として、圧搾活動中に皮に広がる張力が減少されるので皮が破れるのを回避する。
好ましくは、果物2が圧搾面31、41の間に配置する際の底側であるこの果物2の側において、果物2に切り口が作られる。このように、そうしなければ苦い油分が放出され、ジュースと混ざってしまう皮の破れが避けられるという有利な事実に加え、上述したように、ジュースと皮との間の接触が極力抑えられることを達成する。
有利なことに、少なくとも1つのナイフ51、52は、柑橘系果物2に少なくとも1つの切り口を作るのに利用され、ナイフ51、51と果物2との間の接触は、果物2が押されるために維持され、ナイフ51、52は、果物2の変形の結果としてこの果物2が広がる場所に保たれる。その上、圧搾板31、41の一方を有する圧搾要素40、及び圧搾要素40の外側から、圧搾要素40の内側に柑橘系果物2を移すことを可能にするための開口部46を備えることが実用的である。その場合、柑橘系果物2は圧搾要素40に供給され、ここで果物2が押されるために、果物2は圧搾要素40内に保持され、果物2が重力の影響を受けて圧搾要素40から落ちることを可能にするように、その開口部46を底位置に持ってくるために、圧搾が行われた後に圧搾要素は回転される。故に、圧搾要素40から果物2を排出するための別個の手段を利用することを必要せずに、果物2が適切なごみ容器25に落ちることを簡単に可能にすることができる。
本発明は以下の通りに要約されることができる。柑橘系果物圧搾装置1は、柑橘系果物2に圧搾活動を行うための2つの圧搾要素30、40を有し、これら圧搾要素30、40は、圧搾される柑橘系果物2の異なる側に接するための面31、41を持つ、並びに互いに2つの逆方向に、すなわち互いに近づく及び互いに離れるように移動可能である。その上、圧搾装置1は、柑橘系果物2に、この果物2の皮を貫通する切断活動を行うための切断手段を有し、この切断手段は、圧搾要素30、40の面31、41とは接していない側から果物2に貫入するために配される。
実用的な実施例において、柑橘系果物圧搾装置1は、圧搾される柑橘系果物2を受けるための内部空間を持つ概ね円筒形状の圧搾チャンバ50を有し、この圧搾チャンバは圧搾要素30、40の面31、41により一部の境界が定められている。特に、一方の圧搾要素30の面31は、圧搾チャンバ50の一方の端面31を構成し、もう一方の圧搾要素40の面41は、圧搾チャンバ50の対向する端面41を構成している。圧搾チャンバ50の大きさは、前記圧搾要素30、40を互いに移動させることにより変化し、前記面31、41が互いに近づくように移動するにつれて、圧搾要素30、40の前記面31、41の間にある柑橘系果物2は搾られる。その上、切断手段は、圧搾チャンバ50内にある柑橘系果物2に切断活動を行うように構成され、従って圧搾チャンバ50の側面44において、圧搾チャンバ50の内側に配される少なくとも1つのナイフ51、52を有する。
柑橘系果物圧搾装置1における圧搾要素30、40及び少なくとも1つのナイフ51、52の利用に基づいて、この圧搾装置1のコンパクト及びシンプルな設計が達成されるので、この圧搾装置1は、信頼性のある方法で動作することが可能である。さらに、圧搾活動中に圧搾面としての機能を果たす前記面31、41に対して、少なくとも1つのナイフ51、52を側面位置に配することにより、この少なくとも1つのナイフは圧搾される柑橘系果物2に切り口を作り、これは、果物2からジュースが流れることを可能にする機能だけでなく、果物2の皮が破れるのを防ぐ機能も持っているので、果物2から得られるジュースの甘い味が保たれる。
Claims (12)
- 柑橘系果物に圧搾活動を行うための2つの圧搾要素であり、圧搾される柑橘系果物の異なる側に接するための面を持つ、並びに互いに2つの逆方向に、すなわち互いに近づく及び互いに離れるように移動可能である、2つの圧搾要素、並びに
柑橘系果物に前記柑橘系果物の皮を貫通する切断活動を行うための切断手段であり、前記圧搾要素の面とは接していない側から前記柑橘系果物に貫入するために配される、切断手段
を有する柑橘系果物圧搾装置において、
圧搾される柑橘系果物を受けるための内部空間を持つ概ね円筒形状の圧搾チャンバをさらに有し、前記圧搾チャンバは、前記圧搾要素の面により一部の境界が定められ、一方の前記圧搾要素の面は、前記圧搾チャンバの一方の端面を構成し、もう一方の前記圧搾要素の面は、前記圧搾チャンバの対向する端面を有し、前記切断手段は、前記圧搾チャンバの側面上において前記圧搾チャンバの内側に配される少なくとも1つのナイフを有し、
前記圧搾要素の一方は、柑橘系果物が当該圧搾要素の外側から当該圧搾要素の内側、すなわち圧搾チャンバの内側に、及びその反対に移ることを可能にする開口部を持ち、並びに
前記圧搾要素は前記圧搾装置に回転可能なように配される、
柑橘系果物圧搾装置。 - 前記切断手段は、前記圧搾装置の使用方位において底側である前記圧搾チャンバの側に置かれる、請求項1に記載の装置。
- 前記切断手段の少なくとも1つのナイフは、真っ直ぐな切断刃を有する請求項1に記載の装置。
- 前記ナイフの切断刃は、前記圧搾要素が互いに移動可能である方向と略同じである方向に延在している、請求項3に記載の装置。
- 前記圧搾要素の少なくとも一方は、当該圧搾要素が前記ナイフの上を移動することを可能にするために少なくとも1つの窪みを有する、請求項4に記載の装置。
- 前記圧搾要素が互いに移動可能である方向において、前記圧搾要素の一方の位置が固定される、及び前記切断手段の少なくとも1つのナイフが配される前記面は、前記圧搾要素の前記一方の部分である、請求項1に記載の装置。
- 前記圧搾要素は、当該圧搾要素が互いに移動可能である方向と略同じである方向に延在している軸の周りを回転可能である、請求項1に記載の装置。
- 前記圧搾装置の使用方位において底側である前記圧搾チャンバの側にある前記圧搾チャンバの面は、前記圧搾装置の使用方位における水平に対して傾斜した方位を持つ、請求項1に記載の装置。
- 前記圧搾チャンバの前記端面の一方は、へこんだ中心部を持つ概ね凸形状を持つ、及び前記圧搾チャンバの前記端面のもう一方は、凸状の中心部を持つ概ねへこんだ形状を持つ、請求項1に記載の装置。
- 柑橘系果物からジュースを圧搾する方法であり、
互いに近づく及び互いに離れるように移動可能である2つの対向する圧搾面が設けられる、
柑橘系果物が前記圧搾面の間に配される、
前記圧搾面とは接していない前記柑橘系果物の領域において、前記柑橘系果物の皮を貫通する少なくとも1つの切り口が前記柑橘系果物に作られる、及び
前記圧搾面を互いに近づくように移動させることにより、前記柑橘系果物は全体として圧搾される、並びに
前記圧搾面の一方及び前記柑橘系果物が圧搾要素の外側から前記圧搾要素の内側に移ることを可能にする開口部を有する前記圧搾要素が設けられる、
前記柑橘系果物が前記圧搾要素に供給される、
前記柑橘系果物が圧搾されるように前記柑橘系果物は前記圧搾要素内に保持される、及び
前記柑橘系果物が重力の影響を受けて前記圧搾要素から落ちることを可能にするように前記開口部を底側の位置に持って行くために、前記圧搾要素は圧搾が行われた後に回転する、
方法。 - 前記圧搾面の間にある前記柑橘系果物の配置において底側である前記柑橘系果物の側において、前記切り口が前記柑橘系果物に作られる、請求項10に記載の方法。
- 前記柑橘系果物に前記少なくとも1つの切り口を作るために少なくとも1つのナイフが利用される、
前記柑橘系果物が圧搾されるように前記ナイフと前記柑橘系果物との間の接触が維持される、及び
前記ナイフは、前記柑橘系果物の変形の結果として前記柑橘系果物が広がる場所に保されている、請求項10に記載の方法。
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