JP2015533156A - 大環状デプシペプチドを製造するための液相プロセスおよび新規中間体 - Google Patents

大環状デプシペプチドを製造するための液相プロセスおよび新規中間体 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)のデプシペプチド(式中、記号は本明細書で定義した意味を有する)の液相化学製造のための方法またはプロセス、新規中間体およびその製造、ならびに関連する発明の実施形態に関する。【化97】【選択図】 なし

Description

本発明は、液相ペプチド合成を含む大環状デプシペプチドを製造するための方法またはプロセス、新規中間体およびその製造、ならびに関連する発明の実施形態に関する。
環状デプシペプチドの有用性および用途の多くは、薬理学において公知である。一例として、国際公開第2009/024527号に開示されているデプシペプチドは、各種疾患の処置に有用である。
例えば、国際公開第2009/024527号に記載されている式Aの化合物

は、炎症性および/または過剰増殖性および掻痒性の皮膚疾患、例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬、膿疱性乾癬、酒さ、ケロイド、肥大型瘢痕、アクネ、ネザートン症候群または他の掻痒性皮膚疾患、例えば、結節性痒疹、高齢者の不特定の掻痒、ならびに、上皮バリア機能不全を伴う他の疾患、例えば、老化した皮膚などの処置および/または予防に有用である。この化合物は、以下「化合物A」ともいう。
以前は、シアノバクテリアのノストック属(Nostoc)から単離されていたBN920などの他の環状デプシペプチドは、ミクロキスティス属(Microcystis)からも単離された。ノストペプチン(BN920)は、31nMのIC50値でキモトリプシンを阻害した(J. Nat. Prod. 68(9), 1324-7 (2005)を参照)。これは、式B:

を有する。
これらの化合物は、発酵(例えば、粘液細菌であるコンドロミセス・クロカツス(Chondromyces croactus)を使用する)によって、いわゆるahp部分構造(ahp:3−アミノ−6−ヒドロキシ−ピペリジン−2−オン)と、本明細書では「脱水物」ともいう、対応するデヒドロ−ahp部分構造(デヒドロ−ahp:3−アミノ−3,4−ジヒドロ−1H−ピリジン−2−オン)をそれぞれ含む他のデプシペプチドと共に製造され得る。したがって、これらの化合物のいずれか1つに関する発酵の収率はこれまでかなり低く、未だに工業規模どころか、パイロット規模であっても十分な量を製造することはできない。
類似化合物が液相合成によって合成されているが、収率は低く、効率も悪い。
したがって、本発明は、言及した欠点を極力抑えるかまたは無くすことができる製造の新規方法を提供することを目的とする。
本発明は、いかなる固相合成ステップも必要としない、純粋な液相ペプチド合成によって式Iのデプシペプチドを製造するプロセスまたは方法に関する。
本発明は、高収率および/または良好な純度で、また工業生産に適切な量で、例えば、数キログラム、さらにはトンまでもの量で、こうした環状デプシペプチドを得ることができるプロセスまたは方法に関する。
多くの可能性のある異性体を有する複雑な分子の合成における、ラセミ化、互変異性化、中間体の脱保護時の切断または他の副反応など、合成において数多くのリスクがあるにもかかわらず、良好な収率、および/または必要な立体異性純度で、特にその両方があるように式Iの環状デプシペプチドを生産することができる製造プロセスであって、溶液中での反応を含むが、いかなる固相材料の使用も必要としない製造プロセスを今回見出すことができた。合成のこの新規方法によれば、大量の合成が可能となり、工業規模で製品を製造することができることが合理的に予測される。こうした副生成物、特にデヒドロ−ahp部分構造および/またはahpの代わりに5員環を有する所望のahp含有生成物の類似体を、所望の最終生成物に変換することにより、副生成物の量を減らし、しかも収率をさらに改善することが可能である。これにより、収率をさらに向上させることができる。特に、この合成は、シリカゲルおよび逆相材料などのクロマトグラフィー、例えば吸着クロマトグラフィーによる中間体の分離プロセスの簡素化を可能とする。
本反応は、他の合成方法、例えば、固相ペプチド合成と比べると、過剰量の少ない試薬(通常、固相材料上の基(gropus)に結合される過剰の物質が必要である固相合成とは対照的に、ほぼ化学量論的な量または化学量論的な量が可能である)と反応物質を使用する多目的反応器で実施することができる。これによって、前述のクロマトグラフィーのステップによる中間体の精製が可能となるだけでなく、様々なトン数(multi-ton amounts)のシクロペプチドを生産するための製造に対して融通性をもたらし、しかもスケールアップもすることができる。
特に、適切な保護基の手法を利用することが可能であった。
したがって、本発明は、第1の実施形態において、液相合成のみによって、式Iの環状デプシペプチド化合物

特に式IAの化合物あるいはその塩を調製するための方法またはプロセスであって、

[式中、
は、末端カルボキシ基またはカルバモイル基を有するアミノ酸、特にアスパラギンまたはグルタミンの(二価)部分であり、カルボニルを介して分子の残部に結合しているか;あるいはC1−8−アルカノイルまたはリン酸化ヒドロキシ−C1−8−アルカノイルであり;
Xは、AのNを介して結合しており、アシルであるか、あるいはAがC1−8−アルカノイルまたはリン酸化ヒドロキシ−C1−8−アルカノイルである場合には存在せず;
は、C1−8−アルキル、特にメチルであり;
は、アミノ酸、特にロイシン、イソロイシンまたはバリンの側鎖であり;
は、アミノ酸、好ましくはフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシンまたはバリンの側鎖であり;
は、ヒドロキシアミノ酸、特にチロシンの側鎖であり;
は、アミノ酸、好ましくはアミノ酸ロイシン、イソロイシンまたはバリンの側鎖であり;
Yは、水素またはC1−8−アルキルである]
前記方法が、
第1の態様(A)において、
式(II)の化合物

特に式IIAの化合物

[式中、
Yは、式Iの化合物について定義したとおりであり、X、A 、R 、R 、R 、R およびR は、それぞれ、式IにおけるX、A、R、R、R、RおよびRに対応するが、ただし、少なくともこれらの部分の反応性官能基が望ましくない副反応に関与し得る場合、保護された形態で存在する]
の遊離ヒドロキシル基を酸化条件下で反応させて、式IIIの化合物

特に式IIIAの化合物、

を形成することと、
残った保護基を除去して、(例えば、式XXIII−1(特にXXIII−1A)、XXIII−2(特にXXIII−2A)および/またはXXIII−3(特にXXIII−3A)の中間体あるいは式II、特にIIAの化合物の一部または全部の保護基を依然として有している類似体を介して)式Iの化合物あるいはその塩を得ることと、
所望により、式Iの遊離化合物をその塩に変換すること、式Iの化合物の塩を式Iの化合物の異なる塩または式Iの遊離化合物に変換すること、および/または式Iの化合物の脱水類似体を対応する式Iの化合物に変換することと
を含み、
ここで、式IIIの化合物が、式IVの化合物

特に式IVAの化合物

[式中、Y、R 、R 、R 、R およびR 、XおよびA は、式IIの化合物について定義したとおりである]
のマクロラクタム環化(macrolactamization)により(好ましくは)調製される、方法またはプロセスに関する。
式II、特に式IIAの化合物から、式III、特に式IIIAの化合物を調製するための酸化条件は、好ましくは、ヒドロキシル基が直接アルデヒド基に酸化される(および/または下記に示した式XXXIII−3の化合物のヘミアミナール異性体が形成される)ように選択する。酸化するための適切な酸化条件は、通常、IBXのDMSO溶液(J. Org. Chem. 1995, 60, 7272-7276);二クロム酸ピリジニウムまたはクロロクロム酸ピリジニウム(Tetrahedron Lett. 1979, 5, 399-402);塩化オキサリル、ジメチルスルホキシドおよび三級アミン(J. Peptide Sci. 2006, 12, 140-146)、オキソアンモニウム塩(J. Org. Chem. 1985, 50, 1332-1334);オキソアンモニウム塩により触媒される次亜塩素酸アルカリ(J Org. Chem. 1989, 54, 2970-2972);オキソアミニウム塩(Tetrahedron Lett. 1988, 29, 5671-5672)、RuCl(PPh(Tetrahedron Lett. 1981, 22, 1605-1608);次亜塩素酸ナトリウム存在下のTEMPO(1mol%)(Tetrahedron Lett. 1990, 31, 2177-2180);NaIO、TEMPO、NaBr(Tetrahedron 2006, 62, 8928-8932);SiO担持酸化バナジウム(IV)およびt−BuOOH(Advanced Synthesis & Catalysis 2007, 349, 846-848)を使用する。可能性のある酸化剤のうち、1−ヒドロキシ−1,2−ベンゾヨードキソール(benziodoxol)−3(1H)−オン−1−オキシド(IBX)が特に好ましい。反応は、好ましくは、適切な溶媒、例えば環状エーテル、例えばテトラヒドロフランもしくはジオキシン、ジ−(C−C−アルキル)スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド、またはそれらの混合物中で、例えば0〜50℃、好ましくは20〜25℃の温度にて行う。
溶液中のマクロラクタム環化は、通常、オリゴマー化および重合を回避するために、極めて低濃度の基質で行う。これは、反応の実施に多量の溶媒と非常に大型の反応器を必要とする。例えば、オリゴペプチドのマクロラクタム環化は、Yokokawa et al., Tetrahedron 2005, 61, 1459-1480の文献では、2mMols/リットルの濃度で行われる。この困難性は、三級塩基およびカップリング試薬を溶解し、この溶液にオリゴペプチド溶液を制御方式で添加することにより回避することができる。オリゴペプチド溶液を制御方式で添加、特に緩慢に添加すると、溶液中の活性化オリゴペプチドが永続的に低濃度であるようになり、それによって、オリゴマー化および重合が防止される。オリゴペプチド溶液の添加速度は、大環状化の反応速度によって調節することができる。つまり、大環状化が速い反応であるならば、オリゴペプチドの溶液は速く添加することができる。大環状化が遅いならば、溶液の添加を遅くして、活性化オリゴペプチドの低濃度が確実に永続的になるようにしなければならない。このため、オリゴペプチドの制御方式の添加によって、ごく少ない溶媒量で、かつ、活性化オリゴペプチドの濃度を10−3mM未満、例えば10−4〜10−6mMの範囲またはそれよりも依然として低く維持しながら処理することができる。オリゴペプチドをカップリング試薬溶液へ制御方式で添加するこの態様は、本発明の好ましい一実施形態の一部であり;
好ましくは、
さらなる実施形態において、上記の方法またはプロセスは、式Vの化合物

特に式VAの化合物

[式中、ProtAはカルボキシ保護基であり、Protはヒドロキシル保護基であり、Zは、式NHProt**(式中、Prot**は、好ましくは、少なくともpHがほぼ中性である条件下で除去することができるアミノ保護基である)である保護されたアミノ基であるか;または、Zは、式N(Prot(式中、それぞれのProtは、例えば触媒水素化によって除去することができるアミノ保護基であり、特に、それぞれはアリールアルキルアミノ保護基である)の保護されたアミノ基であり;Y、R 、R 、R 、R およびR 、XおよびA は、式IIの化合物について定義したとおりである]
から、保護基ProtA(保護されたアミノ基Zの保護基)および保護基Protを同時にまたは順次除去することによって、液相中で式IVの化合物を製造することをさらに含む。
またさらなる実施形態において、本発明は、式VIの化合物

特に式VIAの化合物

[式中、ProtAは、式Vの化合物について上記で定義したとおりであり、Y、R 、R 、R 、R およびR 、XおよびA は、式IIの化合物について上記で定義したとおりである]を、式VIIのアミノ酸、

特に式VIIAのアミノ酸、

[式中、ProtAおよびZ(好ましくはNHProt**である)は、式Vの化合物について上記で定義したとおりである]
またはその活性化誘導体とカップリングさせることによって、液相中で式Vの化合物を製造することをさらに含み(態様Aの終わり);
および/または、(並行して、好ましくは代替として)、態様(B)においては、
式IIの化合物

特に式IIAの化合物

[式中、アルデヒド保護基RkおよびRlは、互いに独立して、非置換アルキルまたは置換アルキルであり、あるいは、2個の結合しているO原子と2個のO原子が結合している炭素原子とが一緒になって、非置換または置換の環を形成し(次いで、RkおよびRlは、好ましくは、非置換または置換アルキレン架橋、特に、非置換または置換エチレン、例えば、−CH−CH−または−CH−CH−CH−を形成し)、Yは、式Iの化合物について定義したとおりであり、X、A 、R 、R 、R 、R およびR は、それぞれ、式IのX、A、R、R、R、RおよびRに対応するが、ただし、これらの部分の反応性官能基(例えば、アミノ、イミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、スルフヒドリル、アミジノ、グアニジノ、O−ホスホノ(−O−P(=O)(OH))は、少なくともそれらが望ましくない副反応に関与し得る場合、保護された形態で存在する]
を脱保護して、(例えば、式XXIII−1(特にXXIII−1A)、XXIII−2(特にXXIII−2A)および/またはXXIII−3(特にXXIII−3A)の中間体あるいは式II、特にIIAの化合物の一部または全部の保護基を依然として有している類似体を介して)式Iの化合物、特に式IAの化合物を得ることと;
所望により、式I、特にIAの遊離化合物をその塩に変換すること、式Iの化合物の塩を式I、特にIAの化合物の異なる塩、もしくは式I、特にIAの遊離化合物へ変換すること、および/または、式I、特にIAの化合物の脱水類似体(例えば、上記の式XXIII−2、特にXXIII−2Aの副生成物)および/または式I、特にIAの化合物の5員環類似体(例えば、上記の式XXIII−3、特にXXIII−3Aの副生成物)を対応する式Iまたは特にIAの化合物に変換することをさらに含む、上記の方法またはプロセスに関する。
また本発明のさらなる実施形態は、上記の式II、特に上記の式IIAの化合物を合成するために、N末端アミノ基およびC末端カルボキシ基を有する式II、特に式IIAの化合物の直鎖状前駆体ペプチドを、前記アミノ基および前記カルボキシ基からアミド結合を形成させることができる反応条件下で、液相化学を使用して、ラクタム環化(マクロラクタム環化)させることをさらに含む、前述の方法またはプロセスに関する。
本発明のさらなる実施形態において、前段落に記載の方法またはプロセスであって、直鎖状前駆体ペプチドが式IV

特にIVA

[式中、Rk、Rl、X、A 、R 、R 、R 、R およびR は、上記の式IIの化合物について定義したとおりである]
で表され、式IVの化合物は、保護されたアミノ基Zを脱保護することにより、式V

特にVA

[式中、Rk、Rl、X、A 、R 、R 、R 、R およびR は、上記の式IIの化合物について定義したとおりであり、Zは、上記の式Vの化合物について定義したとおりである]
の対応する化合物から脱保護によって得ることができる、方法またはプロセスに関する。
別の実施形態は、前段落に記載の方法またはプロセスであって、式V、特にVAの化合物を合成するために、式VIの化合物

特にVIAの化合物と

[式中、Rk、Rl、X、A 、R 、R 、R 、R およびR は、上記の式IIの化合物について定義したとおりであり、Prot−Aはカルボキシ保護基である]
式VIIのアミノ酸

特にVIIAのアミノ酸

[式中、RkおよびRlは、上記の式IIの化合物について定義したとおりであり、Zは、式Vの化合物について上記で定義したとおりである];
または前記アミノ酸の活性化誘導体とをカップリングさせることにより反応させて、式VIまたはVIAの前記化合物を得ること(態様(B)の終わり)をさらに含む、方法またはプロセスに関する。
また本発明のさらなる実施形態は、上記の方法またはプロセス(態様(A)または態様(B)のいずれかを含むが、例えば、並行して両者を使用することを除外しない)であって、式VIIIの化合物

特に式VIIIAの化合物

[式中、ProtAは、式Vの化合物について上記で定義したとおりであり、Y、R 、R 、R 、R 、およびXおよびA は、式IIの化合物について上記で定義したとおりである]
を、式IXのアミノ酸、

特に式IXAのアミノ酸、

[式中、Prot**は、Zの定義において式Vの化合物について定義したとおりであり、R は、式Vの化合物について上記で定義したとおりである]
または前記アミノ酸の反応性誘導体とカップリングさせることにより、液相中で、両態様で使用される式VIの化合物を製造することをさらに含む、方法またはプロセスに関する。
別の実施形態において、本発明は、上記方法またはプロセスであって、式Xの化合物

特に式XAの化合物

[式中、ProtAは、式Vの化合物について上記で定義したとおりであり、R 、R 、R 、XおよびA は、式IIの化合物について上記で定義したとおりである]
を、式XIのアミノ酸

特に式XIAのアミノ酸

[式中、Prot**およびR は、式Vの化合物について上記で定義したとおりであり、Yは、式Iの化合物について上記で定義したとおりである]
または前記アミノ酸の反応性誘導体とカップリングさせることによって、液相中で式VIIIの化合物を製造することをさらに含む、方法またはプロセスに関する。
さらなる発明の実施形態は、上記方法またはプロセスであって、式XIIの化合物

特に式XIIAの化合物

[式中、ProtAは、式Vの化合物について上記で定義したとおりであり、R 、R 、XおよびA は、式IIの化合物について上記で定義したとおりである]
を、式XIIIのアミノ酸

特に式XIIIAのアミノ酸

[式中、Prot**およびR は、式Vの化合物について上記で定義したとおりである]
または前記アミノ酸の反応性誘導体でエステル化することによって、液相中で式Xの化合物を製造することをさらに含む、方法またはプロセスに関する。
またさらなる実施形態において、本発明は、前述の方法またはプロセスであって、式XIVの化合物

特に式XIVAの化合物

[式中、ProtAは、式Vの化合物について上記で定義したとおりであり、R およびR は、式IIの化合物について上記で定義したとおりである]
を、式XVの酸

またはその反応性誘導体
[式中、X**はアミノ保護基であるか、またはXであり、XおよびA は、式IIの化合物について上記で定義したとおりである]
とカップリングさせることと;
**がアミノ保護基である場合、前記アミノ保護基X**を除去して、Xの代わりにHを得て、得られたアミノ酸を、対応する酸X−OH[式中、Xは、式IIの化合物について上記で定義したとおりである]またはその反応性誘導体を使用して、アシル基Xとカップリングさせること
によって、液相中で式XIIの化合物を製造することをさらに含む、方法またはプロセスに関する。
本発明の実施形態はまた、前述の方法またはプロセスであって、式XVIのアミノ酸

特に式XVIAのアミノ酸

[式中、ProtAは、式Vの化合物について上記で定義したとおりであり、R は、式IIの化合物について上記で定義したとおりである]
を、式XVIIのアミノ酸

特に式XVIIAのアミノ酸

[式中、Prot***は、保護基ProtAを除去せずに切断することができるアミノ保護基であり、R は、式IIの化合物について上記で定義したとおりである]
または前記アミノ酸の反応性誘導体とカップリングさせ、
アミノ保護基Prot***を除去することによって、式XVの化合物を製造することをさらに含む、方法またはプロセスに関する。
さらなる実施形態において、本発明は、上記の方法であって、式XVIIIの化合物中の遊離カルボキシル基

特に式XVIIIAの遊離カルボキシル基

[式中、ProtCはカルボキシル保護基であり、Prot**は、式Vの化合物について定義したとおりである]
を、式XIXの対応するアルコール

特に式XIXAの対応するアルコール

[式中、Prot**およびProtCは、上記で定義したとおりである]
に還元することと、
ヒドロキシル保護基Protを導入する試薬を用いて遊離ヒドロキシル基を保護して、式XXの化合物

特に式XXAの化合物

[式中、Prot**、ProtCおよびProtは、上記で定義したとおりである]
を得ることと、
保護基ProtCを除去して、式VIIの化合物を得ることと
によって、式VIIの化合物を製造することを含む、方法に関する。
本発明のさらなる実施形態は、上記で定義した置換基を含む式Iの化合物の脱水物[ここで、脱水物が、式XXI

特に式XXIA

(式中、Y、X、A、R、R、R、RおよびRは、式Iの化合物について上記で定義したとおりである)
を有する]
および/または、副生成物としても形成され得る、式XXII

特に式XXIIA

[式中、Y、X、A、R、R、R、RおよびRは、それぞれ、式Iの化合物について上記で定義したとおりである]
を有する、式Iのahp構造の代わりに5員環を有するその対応するヘミアミナール類似体を、対応する式Iの化合物に変換することを含む、式Iの化合物を製造するプロセスであって、
前記方法またはプロセスが、反応性溶媒として酸水溶液を使用して反応を促進させることを含む、方法またはプロセスに関する。
式II、特にIIA、またはII、特にIIAの化合物の反応は、例えば、式XXIII−1(一時的にのみ存在するアルデヒド化合物)、XXIII−2(脱水物)、およびXXIII−3(5員環ヘミアミナール)

特にXXIII−1A

特にXXIII−2A

および/またはXXIII−3

特にXXIII−3A

[式中、記載した化合物XXIII−1−、−2−もしくは−3−、または記載した好ましい態様のそれぞれにおける部分は、次の意味を有する:
は、末端カルボキシ基またはカルバモイル基を有するアミノ酸、特にアスパラギンまたはグルタミンの二価部分であり、カルボニルを介して分子の残部に結合しているか;あるいはC1−8−アルカノイルまたはリン酸化ヒドロキシ−C1−8−アルカノイルであり;
XはAのNを介して結合しており、アシルであるか、あるいはAがC1−8−アルカノイルまたはリン酸化ヒドロキシ−C1−8−アルカノイルである場合には存在せず;
は、C1−8−アルキル、特にメチルであり;
は、アミノ酸、特にロイシン、イソロイシンまたはバリンの側鎖であり;
は、アミノ酸、好ましくはフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシンまたはバリンの側鎖であり;
は、ヒドロキシアミノ酸、特にチロシンの側鎖であり;
は、アミノ酸、好ましくはアミノ酸ロイシン、イソロイシンまたはバリンの側鎖であり;
Yは、水素またはC1−8−アルキルである]
で表わされる1つ以上の化合物を含む化合物混合物によって実施することができ、ここで、化合物はまた、それぞれ、塩の形態を取り得る。
さらなる実施形態において、本発明は、例として挙げられる次の化合物:化合物3、化合物4、化合物5、化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、化合物10、化合物12、化合物13、化合物14、化合物18、化合物21、またはそれらの塩からなる群から選択される新規化合物に関し、この場合、それぞれ、塩形成基が存在する。
本発明の特定の実施形態は、上記および下記の反応ステップにおいて、それぞれの置換基を有する出発物質が使用されることを特徴とする、製造または化合物B、特に化合物Bに関する。
以下の定義(または既に上に記載した定義も含む)は、本発明のさらなる実施形態を定義するために、上記および下記の本発明の実施形態で使用されるより一般的な用語を、こうした発明の実施形態を定義するためにより具体的な用語によって置き換えることが可能な1個、2個以上、またはすべての一般的な用語のいずれかと置き換えることができる。
末端カルボキシまたはカルバモイル基を有するアミノ酸の二価部分は、好ましくはアルファ−カルバモイルまたはカルボキシル−C1−8置換アミノ酸、特にアスパラギンまたはグルタミンの二価部分であり、式Iにおけるその右手側で、カルボニル(好ましくは、そのα−カルボキシル基のカルボニル)を介して分子の残部に結合している。
1−8−アルカノイルまたはリン酸化ヒドロキシ−C1−8−アルカノイル(ヒドロキシル基およびホスホノ(−O−P(=O)(OH))基の両基を有するC1−8−アルカノイル)であるAは、例えば、2,3−ジヒドロキシ−プロパノイル(好ましくはS型)または2−ヒドロキシ−3−ホスホノ−プロパノイル(好ましくはS型)である。
およびR は、いずれの記載においても、C1−8−アルキル、特にメチルである。
は、アミノ酸、特に天然アミノ酸の側鎖である。好ましくは、分枝鎖であっても直鎖であってもよいC1−8アルキルである。最も具体的には、C1−8アルキルはn−(2−メチル)プロピル(イソブチル)、n−(1−メチルプロピル(sec−ブチル)またはメチルであり、すなわち、これらの部分を有するアミノ酸は、ロイシン(好ましい)、イソロイシンまたはバリンである。
は、反応へ関与することが妨げられなければならない官能基が存在する場合、保護された形態の対応する側鎖である。好ましくは、特に前段落で定義したような、分枝鎖であっても直鎖であってもよいC1−8アルキルである。
「アミノ酸の側鎖」は、任意の部分、例えば、最大20個の炭素原子を有し、基本構造においてN、OおよびSから独立して選択される0から5個のヘテロ原子が対応する番号の炭素原子を置換している、例えば、単環もしくは多環、直鎖、飽和、不飽和(例えば、共役二重結合を有するもの)または部分飽和の有機部分から選択されてもよく、アミノ、イミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバモイル、スルフヒドリル、アミジノ、グアニジノ、O−ホスホノ(−O−P(=O)(OH))から選択される最大3個の部分で置換されてもよい。好ましくは、側鎖は、20種の標準アルファ−アミノ酸のアルギニン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、バリンおよびさらにプロリン(この場合、アルファ−アミノ基を含む分子内環化を有するもの)のものから選択される。
アミノ酸については、下記の表に従い、本開示ではその名称または慣用の三文字表記を使用する。
はアミノ酸、好ましくは標準アミノ酸の側鎖である。好ましくは、分枝鎖であっても直鎖であってもよいC1−8アルキルであり、非置換であるか、フェニルで置換されている。最も具体的には、ベンジル、n−(2−メチル)プロピル、イソブチルまたはメチルであり、すなわち、これらの部分を有するアミノ酸は、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン(好ましい)またはバリンである。
は、ヒドロキシアミノ酸、特にチロシンの側鎖である。
は、アミノ酸、特に天然アミノ酸の側鎖である。好ましくは、分枝鎖であっても直鎖であってもよいC1−8アルキルである。最も具体的には、n−(2−メチル)プロピル(イソブチル)、n−(1−メチル)プロピル(sec−ブチル)またはメチルであり、すなわち、これらの部分を有するアミノ酸はロイシン、イソロイシン(好ましい)またはバリンである。
1−8−アルキルは、直鎖であっても、一カ所以上分枝していてもよく;例えば、n−(2−メチル)プロピル、n−(1−メチル)プロピルまたはメチルであり得る。
すべての化合物は、塩形成基、例えば塩基性基、例えばアミノもしくはイミノ、または酸性基、例えばカルボキシルもしくはフェノール性ヒドロキシルが存在する場合、遊離形態で、または塩として、あるいは塩と遊離形態の混合物として使用できる。このため、化合物が記載される場合はいずれも、これはこれらの態様のすべてを含む。例えば、塩基性基は酸、例えばハロゲン化水素酸、例えばHCl、硫酸または有機酸、例えば酢酸などと塩を形成することができ、一方、酸性基は、陽イオン、例えばアンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカリまたはアルカリ土類金属塩カチオン、例えばCa、Mg、Na、KまたはLiカチオンなどと塩を形成することができる。
「など」または「等」とは、本開示で使用する場合はいずれも、このような用語の前に記載されている用語に対する他の選択肢が当業者に知られており、かつ具体的に記載されている用語に追加され得ることを意味する。他の実施形態において、「など」および「等」は、本発明の実施形態の1つ以上または全部から削除することもできる。
本明細書および特許請求の範囲を通して記載されている、保護基のProt、Prot、Prot**、Prot***、ProtAおよびProtC、ならびに部分A、R 、R 、R 、R 、R 、Xに存在するあらゆるさらなる保護基は、オルトゴナルな保護を可能にするように選択される。
保護基Protは、好ましくは、フッ素イオン(特に無水条件下)、例えばBu(また、インサイチュで生成するとすれば、例えばBuClとKF・HO、KFと18−クラウン−6、LiBrと18−クラウン−6、BF・ジエチルエーテル、ピリジン−HF、HFの尿素溶液、EtN(HF)(式中、Etはエチルである)などを使用して)で除去ができるように選択され、この場合、溶媒は、例えば、N、N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、クロロホルムおよびテトラヒドロフランからなる群から選択される。
好ましくは、Protは、シリル部分が、炭素を介して(場合によりさらにSi原子を介して)結合される最大3個の有機部分を有するシリル保護基、例えば、tert−ブチルジフェニルシリル、トリメチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、ti−tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルメトキシフェニルシリル、トリス(トリメチルシリル)シリルなどからなる群から特に選択されるエーテル保護基である。
ProtおよびProt**は、それぞれ、存在する他の保護基に影響を及ぼすことなく、選択的に切断することができる保護基である。これらは、好ましくは、フッ素イオン(特に無水条件下)、例えばBu(また、インサイチュで生成するとすれば、例えば、BuClとKF・HO、KFと18−クラウン−6、LiBrと18−クラウン−6、BF・ジエチルエーテル、ピリジン−HF、HFの尿素溶液、EtN(HF)(式中、Etはエチルである)などを使用し、この場合、溶媒が、例えば、N、N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、クロロホルムおよびテトラヒドロフランからなる群から選択される、除去可能な保護基であり、および/または、金属ハイドライドまたは他の還元剤、例えば、(PHP)Pdもしくはそのジハロゲン化物(例えば、PdCl(PPH)の存在下、好ましくはジ−n−ブチルスズヒドライドまたはトリ−n−ブチルスズヒドライド、フェニルシラン、水素化ホウ素ナトリウムまたはジメドンと組み合わせて、適切な溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で、特定のトリフェニルホスフィン錯体により除去可能である保護基であり、好ましくは、保護基Prot**を除去することができる条件下で切断されず;例えば、Prot**およびProtは、C−Cアルク−2−エニルオキシカルボニル部分、例えば、アリルオキシカルボニル(Alloc)(好ましくは;例えば、パラジウム触媒の存在下で触媒水素化によって除去することができるもの)、1−イソプロピルアリルオキシカルボニル、4−ニトロシンナミルオキシカルボニル、および3−(3'−ピリジル)プロパ−2−エニルオキシカルボニル;あるいは、フルオレン−9−イルメトキシカルボニル(Fmoc)(好ましい)、2−(2’または4’−ピリジル)エトキシカルボニルまたは2,2−ビス(4’ニトロフェニル)エトキシカルボニルからなる群から選択される。Protは、好ましくは、1−アリール−アルキル基、例えば、ベンジル、9−フルオレニルメチルまたは1−(p−メトキシフェニル)−エチルなどである)。
Prot***は、好ましくは、酸、例えばトリフルオロ酢酸を添加することによって除去することができ、これは、例えば、トリ−(1−(C−C)−アルキル)−アルコキシカルボニル、特にtert−ブトキシカルボニルである。
カルボキシル(−COOH)保護基のProtAは、保護基Prot**およびProtの除去に使用される試薬の脱保護に対して安定していることが好ましい。カルボキシ保護基は、同様に除去可能であるのが好ましい。
カルボキシル保護基のProtAおよびProtCは、水の非存在下または存在下において、アルコールなどの適切な溶媒、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど、またはその2種以上の混合物中で、触媒水素化、例えば、固体担体材料、例えば炭素または硫酸バリウム(BaSO)などの不溶性塩類上のパラジウムまたは白金などの貴金属触媒の存在下での水素添加によって除去できることが好ましい。
カルボキシル保護基のProtAおよびProtCは、好ましくは、[1−(C−C−アルキルまたはC−C12−アリール)−(C−C−アルキル)]オキシメチル基、例えば、メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、特に1−アリール−アルキル基、例えばベンジル(特に好ましい)、9−フルオレニルメチルまたはp−メトキシフェニル−エチルからなる群から選択される。
存在する他の保護基は、好ましくは、ProtおよびProt**を除去できる条件下で除去することができず、例えば、Aにおいて、カルバモイルは、例えばトリチル(トリフェニルメチル)(これは、酸、例えば、トリフルオロ酢酸(TFA)で切断)でN保護されてもよく;R において、チロシンヒドロキシは、(tert−ブトキシとして)保護されているtert−ブチルであってもよく、または、tert−ブチルジメチルシリル、メトキシメチル、もしくは酢酸アリール(これは酸、例えば、TFAで切断)により保護されていてもよい。
RkおよびRlは、アセタールを形成するアルデヒド保護基であるのが好ましく、例えば、それぞれ、非置換アルキルまたは置換アルキルまたは両方の形態であり、あるいは、2個の結合しているO原子と2個のO原子が結合している炭素原子とが一緒になって、非置換または置換の環を形成する。
RkおよびRlが、それぞれ、互いに独立して、非置換アルキルまたは置換アルキルである場合、これは特にC−Cアルキル、特に1−アラルキル、例えば1−(C−C12アリール)−C−Cアルキル、さらに特にベンジルを意味する。
RkおよびRlが、2個の結合しているO原子と2個のO原子が結合していると炭素原子とが一緒になって、非置換または置換の環を形成する場合、RkおよびRlは、非置換または置換アルキレン架橋、特に非置換または置換エチレン架橋、例えば−CH−CH−などを形成するのが好ましく、ここで、置換基は、好ましくは、C−Cアルキル、特に2つのこうした置換基、例えば、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルなどから選択することができる。
アルデヒド保護基のRkおよびRl(結合しているO原子とそれらを結合している炭素とが一緒になって保護されているアルデヒド基(アセタール)を形成しているもの)は、酸触媒、特にアルファ−ハロ置換アルカン酸、例えば、トリフルオロ酢酸またはトリクロロ酢酸などによって、水の存在下で除去することができる。
したがって、保護基のProt、Prot、Prot**、ProtA、ProtCおよび他の保護基は、前述のものに限定されるものではない−むしろ、それらは、例えば、上記または下記で記載されているように、オルトゴナルな保護に適切なものとなる条件を満たすものとする。
適切な保護基は当分野では公知であり、その導入方法および除去方法も同様に公知である。例えば、保護基、その導入方法および除去方法は、標準の参考書、例えば「Protective Groups in Organic Synthesis」, 3rd ed., T.W. Green and P.G.M. Wuts (Eds.). J. Wiley & Sons, Inc., New York etc. 1999に記載されているものから選択することができる。
酸、特にアミノ酸、またはペプチド(例えばジペプチド)の反応性誘導体が記載されている場合、それらは、インサイチュで形成され得るか、そのまま使用することができる。
そのまま使用される反応性(または活性)誘導体には、反応させる酸のカルボキシ基のハロゲン化物、例えば、塩化物、またはニトロフェニルエステル、例えば、2,4−ジニトロフェニルエステル、または酸無水物(対称型または例えば酢酸とのもの)が含まれる。
インサイチュ形成については、慣用のカップリング試薬を適用することができる。こうした反応剤は当業者には公知であり、多くの供給元、例えば、Aldrich ChemFiles - Peptide Synthesis (Aldrich Chemical Co., Inc., Sigma-Aldrich Corporation, Milwaukee, WI, USA) Vol. 7 No. 2, 2007(http://www.sigmaaldrich.com/etc/medialib/docs/Aldrich/Brochure/al_chemfile_v7_n2.Par.0001.File.tmp/al_chemfile_v7_n2.pdfを参照)から導き出すことができる。アミドおよびエステル結合合成について可能性のあるカップリング試薬のうち、次のものを挙げることができる。
トリアゾール類、ウロニウムまたはヘキサフルオロホスホニウム誘導体、例えば、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBt)、1−ヒドロキシ−7−アザ−ベンゾトリアゾール(HOAt)、2−シアノ−2−(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル、2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム(HATU;特に好ましい);ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、1−(メシチレン−2−スルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール(MSNT)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−ヘキサフルオロボラート(TBTU)、2−スクシンイミド−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−テトラフルオロボラート(TSTU)、2−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミド)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−テトラフルオロボラート(TNTU)、O−[(シアノ(エトキシカルボニル)メチリデン)アミノ]−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム−テトラフルオロボラート(TOTU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,3−ジメチル−1,3−ジメチレンウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBMDU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−ビス(テトラメチレン)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBPyU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−ビス(ペンタメチレン)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBPipU)、3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HODhbt)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールおよびその対応するウロニウムまたはホスホニウム塩、指定したHAPyUおよびAOP、1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ−ジメチルアミノ−モルホリノ−カルベニウムヘキサフルオロホスフェート(COMU)、クロロトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyCloP)など;
カルボジイミド類、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド=EDC;特に好ましい)、1−tert−ブチル−3−エチルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−2−モルホリノエチル)カルボジイミド、もしくはジイソプロピルカルボジイミド(特にカルボン酸基のO−アシル尿素形成を介するエステル形成に関して);または
活性エステル形成剤、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール(2−MBT)、
アジド形成剤、例えば、ジフェニルホスホリルアジド、
酸無水物、例えば、プロパンホスホン酸無水物、
酸ハロゲン化剤、例えば、1−クロロ−N,N,2−トリメチル−1−プロペニルアミン、クロロ−N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)ホルムアミジニウムテトラフルオロボラートもしくはヘキサフルオロホスフェート、クロロ−N,N,N’,N’−テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート、フルオロ−N,N,N’,N’−テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート、フルオロ−N,N,N’,N’−ビス(テトラメチレン)ホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート
など、またはこうした薬剤の2種以上の混合物。
本反応は、適切である場合、マイルドな塩基(例えば、N−メチルモルホリン、トリアルキルアミン、例えばエチルジイソプロピルアミン、ジ−(アルキル)アミノピリジン、例えばN,N−ジメチルアミノピリジンなど)の存在下で(本条件は、式Iの化合物の前駆体に存在するエステル基、例えばデプシペプチドエステル基の加水分解を起こすほど塩基性であってはらないことに注意されたい)、適切である場合または必要な場合、適切な溶媒または溶媒混合物、例えば、N,N−ジアルキルホルムアミド、例えばジメチルホルムアミド、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、N−アルキルピロリドン、例えばN−メチルピロリドン、ニトリル類、例えばアセトニトリル、またはさらに芳香族炭化水素、例えばトルエン、または2種以上の混合物の存在下で行うことができるが、この場合、過剰のカップリング試薬が存在するならば、水も存在し得る。温度は周囲温度であるか、それよりも低温または高温、例えば−20℃〜50℃の範囲であり得る。
式IX、IXA、XI、XIA、XIII、XIIIA、XVI、XVIA、XVII、XVIIAのアミノ酸は公知であるか、当分野で公知の方法によって合成できるか、市販されており、および/または当分野で公知の方法に準じて合成することができる。
また、残っている出発物質、例えば、式XVまたはXVIIIまたはXVIIIAの酸は公知であるか、当分野で公知の方法で合成できるか、市販されており、および/または実施例に記載されている方法に準じて合成することができる。
例えば、式VIIのシントンは、実施例1(これは本発明の特定の実施形態である)に記載のとおり、またはそれに準じて、またはTetrahedron 61, 1459-1480 (2005)に記載されているように調製することができる。
ジペプチドのカップリング反応は、遊離形態または活性化形態のアミノ酸の対応するカルボン酸基を利用する。
特定の温度範囲が上記および特許請求の範囲で示した反応に関して記載されていない場合、温度は、当業者に慣例のように、例えば、−20から+50℃までの範囲で、例えば、室温(例えば、23±2℃)で使用される。
溶媒が上記および下記に示した反応に関して記載されていない場合、有用な溶媒または混合溶媒(クロマトグラフィー用などの溶離剤を含む)は、当分野で慣用のものから選択され、例えば、実施例で使用されているものから選択される。
本プロセスの利点は、上記および下記のステップで示した出発物質が、多くの場合、化学量論的な量またはほぼ化学量論的な量(使用される化合物の1つに関する化学量論的な量から±20%の許容差)で使用され得ることである。
中間体は、必要に応じて、精製可能であり、または後続のステップで直接使用することができ、このことは、当業者には公知である。中間体および最終生成物の精製には、特に、(例えば、シリカゲルおよび/または逆相物質、例えばシリカベースの逆相物質を使用する)クロマトグラフィー法、溶媒分配方法および析出法(結晶化法を含む)などを使用することができ、対応する方法は当業者には公知であり、例えば、それらの方法は実施例に記載のものに準じる。
以下の実施例により本発明を説明するが、範囲を限定するものではない。特段の記載のない限り、反応は、好ましくは室温(約23℃)で実施する。
略語
aq. 水性
Alloc アリルオキシカルボニル
Boc/BOC tert−ブトキシカルボニル
ブライン(brine) 水に溶解した塩化ナトリウム溶液(RTで飽和)
Bu ブチル
BzlまたはBz. ベンジル
COMU 1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ−ジメチルアミノ−モルホリノ−カルベニウムヘキサフルオロホスフェート
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EDIPA エチルジイソプロピルアミン
Et エチル
Fmoc/FMOC 9−フルオレニルメトキシカルボニル
HATU 2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HR−MS 高分解能質量分析
IBX 1−ヒドロキシ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン1−オキシド
IPC インプロセス管理
IR 赤外線分光法
IT 内部温度
Kaiser test SPPSで脱保護をモニターするためのニンヒドリン系試験(E. Kaiser, R. L. Colescott, C. D. Bossinger, P. I. Cook, Analytical Biochemistry 34 595 (1970)を参照);OKであると記載されている場合、これは脱保護が成功していることを意味する。
Me,Me メチル
MS 質量分析
MSNT 1−(メシチレン−2−スルホニル)−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾール
NMR 核磁気共鳴スペクトル測定法
PPH トリフェニルホスフィン
PyBOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
RP 逆相
RT/rt 室温
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
TBDPS tert−ブチル−ジフェニル−シリル
TFA トリフルオロ酢酸
Trityl トリフェニルメチル
以下の実施例ではその範囲に影響を及ぼすことなく本発明を説明するが、好ましい態様を記載した。
以下においては、本発明による化合物Aの製造は、最初に、反応スキームおよび簡単な説明の観点から記載されている。その後、詳細を実験の部分で追加している。


あるいは、上記のシントン化合物11を使用する代わりに、アセタール−シントン(次のスキームにおける化合物17)を使用することができる:

標準のカップリング条件(HATU/EDIPA)を使用して、保護されたアルデヒドシントン(アセタールシントン、化合物17)を化合物10とカップリングし(スキーム2)、化合物18を収率91%で得た。チャコール担持パラジウムで化合物18の水素添加を行い、ベンジル保護基をすべて一ステップで除去し、化合物19を粗収率94%で得た。活性化試薬としてHATUを使用し、三級塩基としてDMAPを使用して、粗製化合物19のマクロラクタム環化を行い、収率64%、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによる精製後の純度が約98a%である大環状化合物20を得た(スキーム3)。最後に、化合物20の脱保護/平衡化、およびシリカゲルクロマトグラフィーによる生成物の精製を行い、収率75%および純度97a%の所望の化合物Aを得た。生成物は、NMR、HR−MSおよびIRによって特性決定した。スペクトルにより構造を確認したところ、天然物およびTBDPS−シントンを使用するこれまでの溶液合成から得られた生成物(化合物11)のスペクトルと同一であった。
本明細書に記載の反応は最適化されていなかったという記載に注意されたい。例えば、大環状化はSPPSからの化合物19を使用してわずかに改善され、生成物の化合物20が収率81%で得られた。したがって、この手法では改善される可能性が高い。
Fmoc保護基が化合物Aの液相合成に有効的であり得ることが分かったが、他の保護基も必要に応じて使用することができる。例えば、化合物4はAlloc−Ile−OHでエステル化され、化合物21が得られた(スキーム3)。alloc−保護基のパラジウム触媒切断とその後のFmoc−N−メチル−チロシンとのカップリングにより、2ステップで収率85%の化合物7が得られた。
TBDPS−シントン(化合物11)は、3ステップで、市販のFmoc−Glu−OBzlから開始して調製した(スキーム4)。
アセタール−シントン(化合物17)は、M. Rodriguez, M. Taddei, Synthesis 2005, 3, 493-495に記載されている文献の手順に従って、L−グルタミン酸から調製することができる化合物24から開始して合成した(スキーム5)。
実験
BOC−Thr−Leu−OBzl(化合物1)の合成
N−Boc−Thr−OH(15.0g、68.4mmol)をアセトニトリル(90mL)に溶解させた。HATU(26.0g、68.4mmol)を数回に分けて加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。この混合物に、H−Leu−OBz.HCl(17.6g、68.4mmol)およびN,N−ジイソプロピル−エチルアミン(17.7g、136.8mmol)のアセトニトリル(90mL)溶液を15分以内に加えた。得られた反応混合物を90分間、室温で撹拌し、その後、混濁溶液を透明になるよう濾過した。溶媒を部分的に蒸発させ、78.5gの高粘性粗生成物を得た。移動相として酢酸エチル/ヘキサン(1:1v/v)を使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、78.53gの生成物(化合物1)を得た。収率:96.1%。
H−NMRおよびIRによって提案の構造を確認した。
HR−MS:C2234に対する計算値(M+H):423.24896;(M+Na):445.23091。実測値(M+H):423.24884;(M+Na):445.23083。
Thr−Leu−OBzl(化合物2)の合成
前ステップから得た化合物1(27.5g、65.084mmol)をジクロロメタン(215mL)に溶解させ、この溶液を、5分以内に加えたトリフルオロ酢酸(149.9g)で処理した。反応混合物を室温でさらに25分間撹拌し、反応を終了させた。後処理については、溶液をジクロロメタン(300mL)で希釈し、半飽和NaCO水溶液(660mL)でゆっくりと処理した。この2相性混合物を15分間激しく撹拌し、相を分離させた。水性相をジクロロメタン(300mL)で抽出し、有機相を合わせた。合わせた有機相を水(300mL)で洗浄し、溶媒を40〜45℃の減圧下で蒸発させ、泡状物として21.72gの粗生成物Thr−Leu−OBzl(粗収率100%)を得た。粗生成物(化合物2)は、さらなる精製を行うことなく次のステップで使用するのに十分なほど純粋であった。
H−NMRおよびIRにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C1726に対する計算値(M+H):323.19653;(M+Na):345.17848。実測値(M+H):323.19656;(M+Na):345.17834。
イソブチリル−Gln(Trt)−OH(化合物3)の合成
トリチル−リンカー樹脂(78g、1%ジビニルベンゼンおよび4−(ジフェニルヒドロキシメチル)安息香酸と架橋結合させたアミノメチル−ポリスチレン樹脂から調製したもの)をトルエン(300mL)で膨潤させ、塩化アセチル(34mL)を加えた。室温で3時間撹拌した後、混合物を吸着させ、その手順を繰り返した。次いで、リンカー樹脂をトルエンで、またジクロロメタンで順次5回洗浄した。ジクロロメタン(200mL)中のFmoc−Gln(Trt)−OH(97.6g)およびN−メチルモルホリン(15mL)の混合物をリンカー樹脂に加え、混合物を一晩撹拌した。次いで、溶媒を濾過によって除去し、樹脂をジクロロメタンおよびジメチルホルムアミドで数回に分けて洗浄した。Fmoc−保護基の切断については、ピペリジン溶液(ジメチルホルムアミド中の20%溶液、300mL)を加え、混合物を室温で10分間撹拌した。樹脂を濾過によって分離させ、ピペリジンによる処理を繰り返した。樹脂をジメチルホルムアミドおよびイソプロパノールで洗浄し、最後にジメチルホルムアミドで洗浄し、イソブチリル化の調製を行った。PyBop(99.0g)をジメチルホルムアミド(300mL)に溶解し、イソ酪酸(17.6mL)を加え、続いてEDIPA(67mL)を加えた。混合物を5分間撹拌し、樹脂に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。樹脂を濾過によって分離させ、ジメチルホルムアミドおよびジクロロメタンで続けて洗浄し、3時間真空で乾燥させた。乾燥樹脂を、酢酸(475mL)および水(25mL)の混合物中に懸濁させ、混合物を室温で4時間撹拌した。樹脂を濾過によって分離させ、濾液を含有している生成物を保存した。樹脂を、酢酸(475mL)および水(25mL)の混合物に再度加え、混合物を室温で一晩撹拌した。濾過後、合わせた濾液を約200mLの最終容量になるまで部分的に蒸発させ、水(600mL)をゆっくりと加えた。生成物が沈殿した。混合物を室温でさらに20分間撹拌し、生成物を濾過によって分離させた。濾過ケーキを水(100mL)で数回に分けて洗浄し、10mbarおよび室温で一晩乾燥させ、26.82gの化合物3を得た。この化合物は、また、純粋な液相合成による代替方法を使用して調製することができることに注意されたい。
アミノ酸分析により、D−エナンチオマーの存在が0.2%未満であることが明らかとなった。
HR−MS:C2830に対する計算値(M+H):459.2284;実測値(M+H):459.2285。
イソブチリル−Gln(Trt)−Thr−Leu−OBzl(化合物4)の合成
前ステップから得たThr−Leu−OBzl(化合物2)(13.36g、41.44mmol)をジクロロメタン(380mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。第2の4つ口丸底フラスコ中で、N−イソブチリル−Gln(Trt)−OH(化合物3);(19.0g、41.43mmol)をジクロロメタン(380mL)に溶解させ、その溶液を0℃に冷却した。EDIPA(5.06g、41.43mmol)およびHATU(15.91g、41.425mmol)を激しい撹拌下で0℃にて加え、形成された混濁懸濁液を、温度を0℃に維持しながらThr−Leu−OBzlの冷却溶液に加えた。反応混合物を0℃でさらに90分間撹拌し、変換を終えた。後処理については、反応混合物を、半飽和NaHCO水溶液(650mL)、1NのHCl(650mL)、半飽和NaHCO水溶液(650mL)および半飽和NaCl溶液(650mL)により順次抽出した。水性相をジクロロメタン(250mL)で抽出し、ジクロロメタン相を合わせた。ジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させて、29.2gの粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、ジクロロメタン/ヘキサンから結晶化させ、23.44gのイソブチリル−Gln(Trt)−Thr−Leu−OBzl(化合物4)を得た。収率:74.1%。
H−NMRにより提案の構造を確認した。
LC−MS:(M+H):763;(M−H):761。
イソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Fmoc)−Leu−OBzl(化合物5)の合成
イソブチリル−Gln(Trt)−Thr−Leu−OBzl(化合物4)(10.0g、13.107mmol)、Fmoc−Ile−OH(6.95g、19.66mmol)およびDMAP(0.24g、1.97mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解させ、溶液を0℃に冷却した。EDC.HCl(3.85g t.q、3.769g 100%、19.66mmol)を0℃で溶液に加え、温度を室温まで上昇させた。反応混合物を室温で4.5時間撹拌し、その後、反応混合物を水(300mL)に注ぎ入れた。混合物を激しく撹拌し、相を分離させた。有機相は、1NのHCl(300mL)、飽和NaHCO水溶液(300mL)およびブライン(300mL)により順次抽出した。水性相をジクロロメタン(100mL)で抽出し、有機層を合わせた。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、21.65gの粗生成物を得た。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによる精製を行い、11.22gのイソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Fmoc)−Leu−OBzl(化合物5)を得た。収率:77.7%。さらなる2.76gの生成物(収率19.2%;HPLC純度89.3area%)をサイドフラクションから単離した。
H−NMRにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C667510に対する計算値(M+H):1098.55867;(M+NH:1115.58522;(M+Na):1120.54062。実測値(M+H):1098.55865;(M+NH:1115.58498;(M+Na):1120.53988。
イソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−H)−Leu−OBzl(化合物6)の合成
イソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Fmoc)−Leu−OBzl(化合物5;10.0g、9.11mmol)をDMF(100mL)に溶解させ、その溶液をTBAF×3HO(5.93g t.q.、5.75g 100%、18.22mmol)で処理した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、水(300mL)を加えた。生成物を酢酸イソプロピル(800mL)で抽出し、酢酸イソプロピル相を飽和NaHCO水溶液(2×400mL)および水(400mL)で順次洗浄した。水性相を酢酸イソプロピル(400mL)で抽出し、有機相を合わせた。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、9.31gの粗生成物を得た。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによる粗生成物の精製を行い、7.45gのイソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−H)−Leu−OBzl(化合物6)を得た。収率:93.4%。
H−NMRにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C5165に対する計算値(M+H):876.49059;(M+Na):898.47254。実測値(M+H):876.49036;(M+Na):898.47211。
イソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−Fmoc)−Leu−OBzl(化合物7)の合成
N−Fmoc−N−メチル−チロシン−t−ブチルエーテル(4.03g、8.51mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解させ、その溶液を0℃に冷却した。EDIPA(2.2g、17.02mmol)を加え、続いてHATU(3.268g t.q.、3.236g 100%、8.51mmol)を加えた。この溶液に、ジクロロメタン(200mL)中のイソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−H)−Leu−OBzl(化合物6;7.45g、8.51mmol)予冷却溶液を加え、反応混合物を2時間15分、0℃で撹拌し、その後、IPCによって変換が完全であることが示された。次いで、反応混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、ジクロロメタン溶液を半飽和NaHCO水溶液(400mL)、1NのHCl(400mL)、半飽和NaHCO水溶液および半飽和NaCl水溶液で順次抽出した。水相をジクロロメタン(200mL)で抽出し、有機相を合わせた。無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて、色がほとんどない泡状物として12.29gの粗製イソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−Fmoc)−Leu−OBzl(化合物7)を得た。これを定量的収率を推定して、精製することなく次のステップに使用した。
精製した分析試料のH−NMRにより提案の構造を確認した。
LC−MS:(M+H):1331.7;(M+NH:1348.7。
イソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−H)−Leu−OBzl(化合物8)の合成
イソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−Fmoc)−Leu−Obzl(前ステップから得た12.29gの粗製化合物7;8.51mmol)をDMF(113mL)に溶解し、その溶液をTBAF×3HO(5.53g、17.01mmol)で処理した。反応混合物をRTで2時間撹拌し、変換を完了した。次いで、反応混合物を水(400mL)で希釈し、生成物を酢酸イソプロピル(800mL)で抽出した。酢酸イソプロピル相を半飽和NaHCO水溶液(2×400mL)および水(400mL)で順次洗浄した。水性相を酢酸イソプロピル(400mL)で抽出し、有機相を合わせた。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、11.19gの粗生成物を得た。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによる粗生成物の精製によって、無色の泡状物として9.74gのイソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−H)−Leu−OBzl(化合物8)を得た。生成物は少量の溶媒を含んでいた。定量的収率もこのステップで推定する。
生成物のH−NMRにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C658410に対する計算値(M+H):1109.63217;(M+Na):1131.61412。実測値(M+H):1109.63230;(M+Na):1131.61318。
イソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−Ile−Fmoc)−Leu−Obzl(化合物9)の合成
前ステップからのイソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−H)−Leu−OBzl(9.73g、9.42gの純粋化合物8に対応するHPLC純度96.8a%;8.49mmol)をジクロロメタン(118mL)に溶解させた。Fmoc−Ile−OH(6.01g、17.0mmol)を加え、続いてEDIPA(4.394g、34mmol)を加えた。溶液をHATU(6.53g、17mmol)で処理し、18.5時間撹拌し、その後、HATU(1.63g、4.2mmol)の第2部を加えた。反応混合物をさらに2時間撹拌し、ジクロロメタン(120mL)で希釈した。希薄溶液は、飽和NaHCO水溶液(240mL)、1MのHCl(240mL)、飽和NaHCO水溶液(240mL)およびブライン(240mL)で順次抽出した。水性相をジクロロメタン(100mL)で抽出し、ジクロロメタン相を合わせた。合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、泡状物として19.6gの粗生成物を得た。溶離剤として酢酸エチル/ヘキサン(6:4)を使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、泡状物としてイソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−Ile−Fmoc)−Leu−OBzl(化合物9)を得た。収率:11.01g(89.6%)。
H−NMRにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C8610513に対する計算値(M+H):1444.78431;(M+NH:1461.81086。実測値(M+H):1444.78503;(M+NH:1461.81055。
イソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−Ile−H)−Leu−OBzl(化合物10)の合成
前ステップからのイソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−Ile−Fmoc)−Leu−OBzl(化合物9)(11.01g、7.626mmol)をDMF(110mL)に溶解させ、TBAF×3HO(4.81g、15.25mmol)を加えた。混合物を1.5時間撹拌し、脱塩水(300mL)を加え、続いて酢酸イソプロピル(600mL)を加えた。混合物を10分間撹拌し、相を分離させた。有機相を半飽和NaHCO水溶液(2×300mL)および脱塩水(300mL)で順次洗浄した。水性相を酢酸イソプロピル(300mL)で抽出し、有機層を合わせた。合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、15.15gの固形物を得た。これを溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(100/0〜95/5)を使用するシリカゲルでの濾過によって精製した。収率:8.55g(91.8%)のイソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−Ile−H)−Leu−OBzl(化合物10)。
生成物のH−NMRにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C719511に対する計算値(M+H):1222.71623;(M+Na):1244.69818。実測値(M+H):1222.71624;(M+Na):1244.69743。
(2S)−5−{[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ}ペンタン酸(=化合物11=TBDPS−シントン)の合成
化合物23(合成についてはさらに下記を参照)(66g、96.6mmol)をエタノール/イソプロピルアルコール/水(89:5:6;3000mL)に懸濁し、この懸濁液をIT45℃に加熱し、溶液を得た。この溶液をIT30℃まで冷却した。アルゴンで不活性化した後、パラジウム触媒(硫酸バリウム担持10%;6.6g)をアルゴン流下で溶液に加えた。次いで、30〜35℃で大気圧をわずかに上回る水素圧力下で生成物を水素化した。水素添加を、HPLCによって1.5時間後に終えた。反応混合物をセルロース系濾過助剤(Cellflock40;セルロース系濾過助剤)で濾過し、濾過助剤をエタノール/イソプロパノール/水(89:5:6;600mL)で洗浄した。45〜50℃の減圧下で溶媒を蒸発させ、粗生成物として59.58gの泡状物を得た。粗生成物を、移動相としてジクロロメタン/メタノール95:5〜80:20を使用する、2回(2×1kgシリカゲル60)のシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製した。収率:52g(90.6%)のTBDPS−シントン(化合物11)。
生成物のH−NMRにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C3639NOSiに対する計算値[M+H]:594.26703;[M+NH:611.29358;[M+Na]:616.24897;実測値:[M+H]:594.26743;[M+NH:611.29385;[M+Na]:616.24900。
イソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−Ile−シントン(TBDPS)−fmoc)−Leu−OBzl(化合物12)=ベンジルN−(2−メチルプロパノイル)−N−(トリフェニルメチル)−L−グルタミニル−O−{N−[(2S)−5[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ}ペンタノイル]−L−イソロイシル−O−(tert−ブチル)−N−メチル−L−チロシル−L−イソロイシル}−L−トレオニル−L−ロイシナートの合成
前ステップからのイソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−Ile−H)−Leu−OBzl(化合物10)(8.55g、6.99mmol)をジクロロメタン(170mL)に溶解させ、TBDPS−シントン(化合物11;4.98g、8.39mmol)を室温で加えた。EDIPA(2.17g、16.78mmol)およびHATU(3.19g、8.39mmol)を加え、反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。後処理については、反応混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、希薄溶液をNaHCO水溶液(400mL)、1MのHCl(400mL)、NaHCO水溶液(400mL)およびNaCl溶液(400mL)で順次抽出した。水性相をジクロロメタン(200mL)で抽出し、ジクロロメタン相を合わせた。ジクロロメタン溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物として14.76gの泡状物を得た。溶離剤として酢酸エチル/ヘキサンを使用する、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより粗生成物の精製を行い、所望のイソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−Ile−シントン(TBDPS)−fmoc)−Leu−OBzl(化合物12)を得た。収率:12.46g(99%)。
生成物のH−NMRにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C10713215Siに対する計算値(M+H):1797.96542;(M+NH:1814.99197;(M+Na):1819.94737。実測値(M+H):1797.96565;(M+NH:1814.99245;(M+Na):1819.94629。
ベンジルN−(2−メチルプロパノイル)−N−(トリフェニルメチル)−L−グルタミニル−O−{N−[(2S)−2−アミノ−5−ヒドロキシペンタノイル]−L−イソロイシル−O−(tert−ブチル)−N−メチル−L−チロシル−L−イソロイシル}−L−トレオニル−L−ロイシナート(化合物13)の合成
上記ステップからのイソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−Tyr(tBu)Me−Ile−シントン(TBDPS)−fmoc)−Leu−OBzl(化合物12)(12.46g、6.93mmol)をDMF(125mL)に溶解し、TBAF×3HO(6.56g、20.79mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、脱塩水(350mL)で希釈した。水性混合物を酢酸イソプロピル(700mL)で抽出し、有機相をNaHCO水溶液(2×350mL)および脱塩水(350mL)で順次洗浄した。水相を酢酸イソプロピル(350mL)で抽出し、有機相を合わせた。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(95:5、90:10に)を使用する、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって粗生成物(12.65g)を精製し、化合物13を得た。収率:8.34g(90%)。
生成物のH−NMRにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C7610413に対する計算値(M+H):1337.77956;(M+Na):1359.76151。実測値(M+H):1337.77942;(M+Na):1359.76147。
−(2−メチルプロパノイル)−N−(トリフェニルメチル)−L−グルタミニル−O−{N−[(2S)−2−アミノ−5−ヒドロキシペンタノイル]−L−イソロイシル−O−(tert−ブチル)−N−メチル−L−チロシル−L−イソロイシル}−L−トレオニル−L−ロイシン(化合物14)の合成
前ステップからの化合物13(8.34g、6.23mmol)をエタノール/水(95:5;85mL)に溶解し、硫酸バリウム担持10%パラジウム(1.67g)を加えた。その懸濁液を室温で、水素雰囲気下で75分間撹拌した。後処理については、反応フラスコを窒素でパージし、その懸濁液をcellflock層で濾過した。濾過残留物をエタノール/水(95:5;400mL)で数回に分けて洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(9:1〜8:2)を使用する、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって粗生成物(8.6g)を精製し、化合物14を得た。収率:7.6g(97.7%)。
生成物のH−NMRにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C699813に対する計算値(M+H):1247.73261;(M+Na):1269.71456。実測値(M+H):1247.73281;(M+Na):1269.71433。
(2S)−N−[(3S,6S,9S,12S,15S,18S,19R)−3,9−ジ[(2S)−ブタン−2−イル]−6{[4−(tert−ブトキシ)フェニル]メチル}−12−(3−ヒドロキシプロピル)−7,19−ジメチル−15−(2−メチルプロピル)−2,5,8,11,14,17−ヘキサオキソ−1−オキサ−4,7,10,13,16−ペンタアザシクロノナデカン−18−イル]−2−(2−メチルプロパンアミド)−N’−(トリフェニルメチル)ペンタンジアミド(化合物15)の合成
前ステップからの化合物14(7.0g、5.61mmol)をアセトニトリル(350mL)に溶解し、EDIPA(0.87g)を加えた。溶液が形成された。この溶液をHATU(2.56g、6.73mmol)およびEDIPA(0.87g)のアセトニトリル(350mL)溶液に15分以内に加えた。反応混合物を室温でさらに15分間撹拌し、反応を終えた。次いで、反応混合物をブライン(1.4L)および酢酸イソプロピル(1.4L)で処理した。相を分離させ、有機相をブライン(1.4L)で再度洗浄した。層が分離され、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。溶離剤として酢酸エチル/メタノール(95:5)を使用する、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって粗生成物(8.95g)を精製し、化合物15を得た。収率:6.58g(95.4%)。
生成物のH−NMRにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C699612に対する計算値(M+H):1229.72205;(M+NH:1246.74860;(M+Na):1251.70399。実測値(M+H):1229.72205;(M+NH:1246.74756;(M+Na):1251.70325。
(2S)−N−[(3S,6S,9S,12S,15S,18S,19R)−3,9−ジ[(2S)−ブタン−2−イル]−6{[4−(tert−ブトキシ)フェニル]メチル}−7,19−ジメチル−15−(2−メチルプロピル)−2,5,8,11,14,17−ヘキサオキソ−12−(3−オキソプロピル)−1−オキサ−4,7,10,13,16−ペンタアザシクロノナデカン−18−イル]−2−(2−メチルプロパンアミド)−N’−(トリフェニルメチル)ペンタンジアミド(化合物16)の合成
前ステップからの化合物15(5.5g、4.47mmol)をテトラヒドロフラン(600mL)に溶解し、DMSO(200mL)を加えた。この溶液をIBXで処理した(100%IBXの5.01gに対応する、45%g/g試料の11.13g、17.89mmol)。反応混合物を室温で4時間撹拌し、NaHCO水溶液(1250mL)を加え、続いてジクロロメタン(650mL)を加えた。層を分離させ、水層をジクロロメタン(650mL)で再度抽出した。ジクロロメタン相を合わせ、脱塩水(2×650mL)で洗浄した。ジクロロメタン相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。溶離剤として酢酸エチル/イソプロパノール(95:5)を使用する、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって粗生成物(7.2g)を精製し、化合物16を得た。収率:5.136g(93.5%)。
精製化合物16は、所望のアルデヒドと対応する5員環および6員環のヘミアミナール混合物である。
HR−MS:C699412に対する計算値(M+H):1227.70640;(M+NH:1244.73295;(M+Na):1249.68834。実測値(M+H):1227.70679;(M+NH:1244.73315;(M+Na):1249.68762。
(2S)−4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸(=アセタール−シントン=化合物17)の合成
化合物25(26.8g;60.15mmol)をジオキサン(250mL)に溶解した。LiOH(10.1g;241.05mmol)および水(150mL)を加え、混合物を室温で72時間撹拌した。形成された懸濁液を水(200mL)および酢酸(32g)で処理し、透明な2相を得た。2相性混合物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、相を分離させた。水性相を分離し、酢酸エチル(300mL)で抽出した。有機相を合わせ、水(300mL)で洗浄した。減圧下で溶媒を蒸発させ、粘性液体として29gの粗生成物を得た。溶離剤としてジクロロメタン/イソプロパノール(9:1)を使用する、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによって粗生成物は精製し、H−NMRにより約10mol%イソプロパノールを含む17.3gの生成物を得た。残存しているイソプロパノールは、酢酸イソプロピル(200mL)に溶解させ、水(3×50mL)で酢酸イソプロピル溶液を抽出することにより生成物から取り除いた。最後に、溶媒を減圧下で除去し、生成物を70℃の真空下で乾燥させ、化合物17を得た(16g;収率74.8%)。
生成物のH−および13C−NMRスペクトルにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C2125NOに対する計算値[M+H]:356.18564;[M+Na]:378.16758。実測値:[M+H]:356.18586;[M+Na]:378.16748。
ベンジルN−(2−メチルプロパノイル)−N−(トリフェニルメチル)−L−グルタミニル−O−{N[(2S)−2−(ジベンジルアミノ)−4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ブタノイル]−L−イソロイシル−O−(tert−ブチル)−N−メチル−L−チロシル−L−イソロイシル}−L−トレオニル−L−ロイシナート(化合物18)の合成
化合物10(1.83g、1.497mmol)をジクロロメタン(35mL)に溶解した。この溶液に、アセタール−シントン(化合物11)(0.638g、1.795mmol)、EDIPA(0.464g、3.590mmol)およびHATU(0.683g、1.796mmol)を加え、反応混合物を室温で75分間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(40mL)で希釈し、NaHCO水溶液(80mL)、1MのHCl(80mL)、NaHCO水溶液(80mL)および半飽和sole(80mL)で順次抽出した。水性相をジクロロメタン(40mL)で抽出し、ジクロロメタン相を合わせた。ジクロロメタン相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させた。酢酸エチル/ヘキサン(6:4〜7:3)を使用する、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーによる粗生成物(3.23g)の精製を行い、化合物18を得た。収率:2.13g(91.2%)。
生成物のH−NMRスペクトルにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C9211814に対する計算値[M+H]:1559.88403;[M+Na]:1581.86597。実測値:[M+H]:1559.88318;[M+Na]:1581.86572。
−(2−メチルプロパノイル)−N−(トリフェニルメチル)−L−グルタミニル−O−{N−[(2S)−2−アミノ−4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ブタノイル]−L−イソロイシル−O−(tert−ブチル)−N−メチル−L−チロシニル−L−イソロイシル}−L−トレオニル−L−ロイシン(化合物19)の合成
化合物18(2.10g、1.282mmol)をイソプロパノール/水(95:5;60mL)に溶解し、溶液を入れたフラスコをアルゴン流で不活性化した。この溶液を10%チャコール担持パラジウム/水(1:1)(2.0g)で処理した。この反応器をアルゴンで再度不活性化し、水素でパージした。溶液を7時間40分、40℃の大気水素圧力下で撹拌した。次いで、懸濁液を濾過し、濾過残留物をイソプロパノールで洗浄した。溶媒を減圧下の45℃で蒸発させ、粗製化合物19を得た。粗収率:1.55g(93.8%)。
粗製化合物19は、それ以上精製することなく、化合物20に変換させた。
精製した分析試料のH−NMRスペクトルにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C7110014に対する計算値[M+H]:1289.74318;[M+Na]:1311.72512。実測値:[M+H]:1289.74243;[M+Na]:1311.72485。
(2S)−N−[(3S,6S,9S,12S,15S,18S,19R)−3,9−ジ[(2S)−ブタン−2−イル]−6−{[4−(tert−ブトキシ)フェニル]メチル}−12−[2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル]−7,19−ジメチル−15−(2−メチルプロピル)−2,5,8,11,14,17−ヘキサオキソ−1−オキサ−4,7,10,13,16−ペンタアザシクロノナデカン−18−イル]−2−(2−メチルプロパンアミド)−N’−(トリフェニルメチル)ペンタンジアミド(化合物20)の合成
4−DMAP(0.284g、2.325mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解し、HATU(0.590g、1.552mmol)を加えた。混濁懸濁液を0℃まで冷却した。この懸濁液に、粗製化合物19(1.0g、0.775mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液を、温度を0〜4℃に維持しながら30分かけて加えた。反応混合物はさらに30分間0〜4℃で撹拌した。反応はsole/水(1:1、200mL)に添加することによりクエンチングし、相を分離させた。有機相をsole/水(1:1、200mL)で再度洗浄し、相を分離させた。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、粗製化合物20(1.31g)を得た。溶離剤として酢酸エチルを使用するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、HPLCにより97.7a%純度の化合物20を得た。収率:0.634g(2ステップで64.3%)。
生成物のH−および13C−NMRスペクトルにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C719813に対する計算値(M+H):1271.73261;(M+NH:1288.75916;(M+Na):1293.71456。実測値(M+H):1271.73267;(M+NH:1288.75867;(M+Na):1293.71472。
イソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−alloc)−Leu−OBzl(化合物21)の合成
Alloc−Ile−OH(6.2g、28.8mmol)のジクロロメタン(300mL)溶液に、化合物4(10g、13.11mmol)およびDMAP(0.16g、1.3mmol)を加えた。混合物を、溶液が形成されるまで室温で撹拌した。EDC.HCl(5.53g、28.8mmol)を撹拌溶液に分けて加え、反応混合物を室温で24時間撹拌した。後処理について、ジクロロメタン中の反応混合物は、脱塩水(300mL)、1MのHCl(300mL)、NaHCO水溶液(300mL)およびブライン(300mL)で順次抽出した。ジクロロメタン相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、粗製化合物21を得た。溶離剤としてジクロロメタン/メタノールを使用するシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより粗生成物(17.24g)を精製し、化合物21を得た。収率:11.23g(89.2%)。
生成物のH−NMRにより提案の構造を確認した。またスペクトルからは、エステル化の際のAlloc−Ile−OHに対する約10%のラセミ化が示された。
イソブチリル−Gln(Trt)−Thr(Ile−H)−Leu−OBzl(化合物6)の合成
化合物21(2.0g、2.083mmol)をジクロロメタンに溶解し、溶液を0℃まで冷却した。PdCl(PPh(0.073g、0.104mmol)を溶液に加え、続いて酢酸(0.188g、2.083mmol)を加えた。最後に、BuSnH(1.213g、4.166mmol)を加え、この溶液を0℃でさらに75分間撹拌した。ジクロロメタン溶液を脱塩水(2×200mL)、NaHCO水溶液(2×100mL)および脱塩水(100mL)で順次洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、2.37gの粗製化合物6を得た。分析試料を、酢酸エチル/ヘキサン(1:9)中に懸濁し、濾過によって沈殿物を分離させることにより精製した。
精製生成物のH−NMRにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C5165に対する計算値(M+H):876.49059;(M+Na):898.47254。実測値(M+H):876.49048;(M+Na):898.47199。
この実験から得た粗製化合物6を、化合物6を化合物7へ変換するため、上記の手順を使用して、両ステップで85%の全収率で化合物7に順調に変換させた。
ベンジル(2S)−5−{[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ}ペンタノアート(化合物23)のワンポット合成
Fmoc−Glu−OBzl(60g、130.579mmol)をテトラヒドロフラン(550mL)に溶解し、トリエチルアミン(40.8g、403.202mmol)を加えた。混濁溶液が若干の沈殿物を伴って得られた。この混濁溶液/懸濁液を滴下漏斗へ移し、−35〜−30℃で、添加中はこの温度を維持しながら、4.5L反応器に入れたテトラヒドロフラン(300mL)中のイソブチル−クロロホルメート(54.96g、402.41mmol)の予冷溶液に加えた。滴下漏斗内の残留物はさらなるテトラヒドロフラン(50mL)で洗浄し、反応混合物をさらに2時間、−35〜−30℃で撹拌した。水(960mL)を45分以内にこの反応混合物に加え、温度を0℃まで上昇させた。懸濁液が形成された。水素化ホウ素ナトリウム(14.4g、380.625mmol)を0℃で1時間以内に20回に分けて加え、反応混合物を0℃さらに1時間撹拌した。水素ガスが発生するので注意して行った。
懸濁液をt−ブチル−メチルエーテル(600mL)に注ぎ入れ、反応フラスコを水(600mL)で洗浄し、これを生成物混合物(2相)に加えた。相が分離され、水相をt−ブチル−メチルエーテル(600mL)で抽出し、有機相を合わせた。有機相を水(2×600mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム(200g)で乾燥させ、最終容量が1Lに達するまで、溶媒を減圧下で除去した。溶液をジメチル−ホルムアミド(600g)で希釈し、最終容量が400mLに達するまで、溶媒を減圧下で蒸発させた。こうして得られた化合物22の溶液を丸底フラスコへ移した。イミダゾール(14.4g、211.524mmol)を得られた化合物22(ベンジル(2S)−2−{[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]アミノ}−5−ヒドロキシペンタノアート)のDMF溶液に加え、この混合物を室温で5分間撹拌した。最後に、TBDPS−Cl(39.6g、144.07mmol)を20分間、20〜25℃で滴下添加し、反応混合物をこの温度でさらに1時間撹拌した。
次いで、反応混合物を酢酸エチル(1200mL)に注ぎ入れ、混合物を水(700mL)で抽出した。層が分離され、有機層を水(3×300mL)で洗浄した。減圧下で溶媒を蒸発させることにより106gの粗生成物を得た。
粗生成物(106g)を40〜50℃でエタノール/イソプロパノール/水(89:5:6;1200mL)に溶解させ、種晶(0.5gの化合物23)を加えた(種晶は、冷蔵庫で化合物23(粘性油状物)の精製試料を保存し、結晶を生じさせ、次いで、ヘキサン/酢酸イソプロピル9:1から化合物23を結晶化させるための種晶としてこれを使用し、結晶化用の種晶としてここで使用する結晶を生じさせることによって得られる)。この混合物を室温まで冷却し、室温で17時間撹拌した。懸濁液を−20℃まで冷却し、−20℃で2時間撹拌した。生成物を濾過によって単離させ、濾過ケーキを混合溶媒のエタノール/イソプロパノール/水(89:5:6;3×200mL)で洗浄し、減圧下で40℃で乾燥させ、66.5gの化合物23を得た(2ステップで収率74.6%)。HPLCは、生成物に対して>99a%の純度であることを示した。
HR−MS:C4345NOSiに対する計算値:[M+H]:684.31398;[M+NH:701.34053;[M+Na]:706.29592。実測値:[M+H]:684.31430;[M+NH:701.34073;[M+Na]:706.29577。
さらなる生成物は母液から単離することができ(溶媒の蒸発後に34g)、これはHPLCによれば約30a%の化合物23を含有する。
ベンジル(2S)−2−(ジベンジルアミノ)−4−(1,3−ジオキソラン−2−イル)ブタノエート(化合物25)の合成
ジクロロメタン(700mL)中の化合物24(29g;72.23mmol)の溶液に、エチレングリコール(133g、2.14moles)、p−トルエンスルホン酸一水和物(15g;78.86mmol)およびモレキュラーシーブ(3Angstrom、40g)を順次加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。モレキュラーシーブを濾過によって除去し、濾過ケーキを酢酸エチルで洗浄し、濾液を減圧下で蒸発させた。残留物を酢酸エチル(1L)に溶解し、水(3×300mL)で抽出し、有機相を減圧下で蒸発させ、33.3gの粗生成物を得た。粗生成物は酢酸エチル/ヘキサン(4:6)を使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製し、28.0gの純粋な化合物25を得た(収率87%)。
生成物のH−NMRにより提案の構造を確認した。
HR−MS:C2831NOに対する計算値[M+H]=446.23259。実測値:446.23248。
化合物Aの化合物16からの合成
化合物A=(2S)−N−[(2S,5S,8S,11R,12S,15S,18S,21R)−2,8−ジ[(2S)−ブタン−2−イル]−21−ヒドロキシ−5−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4,11−ジメチル−15−(2−メチルプロピル)−3,6,9,13,16,22−ヘキサオキソ−10−オキサ−1,4,7,14,17−ペンタアザビシクロ[16.3.1]ドコサン−12−イル]−2−(2−メチルプロパンアミド)ペンタンジアミド(代替名称:(S)−N−((2S,5S,8S,11R,12S,15S,18S,21R)−2,8−ジ−(S)−sec−ブチル−21−ヒドロキシ−5−(4−ヒドロキシベンジル)−15−イソブチル−4,11−ジメチル−3,6,9,13,16,22−ヘキサオキソ−10−オキサ−1,4,7,14,17−ペンタアザビシクロ[16.3.1]ドコサン−12−イル)−2−イソブチルアミドペンタンジアミド):
化合物16(2.0g、1.63mmol)をジクロロメタン(400mL)に溶解し、この溶液を0℃に冷却した。TFA(115.9g)を0〜4℃で溶液に加え、反応混合物をこの温度で4時間撹拌した。ジクロロメタン(400mL)を反応混合物に加え、続いて脱塩水(20mL)を加えた。反応混合物を室温まで加熱し、この温度でさらに5時間撹拌した。反応混合物を、脱塩水(800mL)中のNaOAc(165.1g)溶液に注ぎ入れた。酢酸エチル(400mL)を混合物に加え、層を分離させた。有機相を脱塩水(2×200mL)で洗浄し、水性相を酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機相を合わせ、得られた溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、粗生成物(2.183g)を、RP Silica Kromasil 100−10−C8カラム(Eka Chemicals AB, Bohus, Sweden)のRP−クロマトグラフィーによって、アセトニトリル/水の勾配で精製した。主要生成物を含有する画分を回収し、有機溶媒(アセトニトリル)を減圧下で蒸発させ、酢酸エチルを形成された懸濁液に加えた。層を分離させ、有機層の溶媒を減圧下で蒸発させ、精製化合物Aを得た。収率:0.895g(59.1%)。
生成物の13C−およびH−NMRにより提案の構造を確認し、化合物20から調製した化合物Aのスペクトルと比較した。以下を参照。
HR−MS:C467212に対する計算値[M+H]:929.53425;[M+NH:946.56080;[M+Na]:951.51619。実測値:[M+H]:929.53460;[M+NH:946.56090;[M+Na]:951.51643。
化合物Aの化合物20からの合成
化合物A=(2S)−N−[(2S,5S,8S,11R,12S,15S,18S,21R)−2,8−ジ[(2S)−ブタン−2−イル]−21−ヒドロキシ−5−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4,11−ジメチル−15−(2−メチルプロピル)−3,6,9,13,16,22−ヘキサオキソ−10−オキサ−1,4,7,14,17−ペンタアザビシクロ[16.3.1]ドコサン−12−イル]−2−(2−メチルプロパンアミド)ペンタンジアミド
化合物20(0.400g、0.315mmol)をジクロロメタン(80mL)に溶解させ、この溶液を0〜5℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(23.06g)を激しく撹拌しながら加え、反応混合物をこの温度でさらに3.5時間撹拌した。次いで、溶液をジクロロメタン(80mL)で希釈し、脱塩水(4.0g)で処理した。反応混合物を室温まで温め、室温でさらに19.5時間撹拌した。後処理については、反応混合物を脱塩水(160mL)中の酢酸ナトリウム(32.6g)溶液に注ぎ入れ、酢酸エチル(80mL)を加えた。相を分離させ、下部有機相を脱塩水(2×40mL)で洗浄した。水性相を酢酸エチル(80mL)で抽出し、有機相を合わせた。合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、粗製化合物Aを得た。移動相として酢酸エチル/イソプロパノール(9:1)を使用するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製した。生成物画分を回収し、減圧下で溶媒を蒸発させて化合物Aを得た。収率:0.22g(75.3%)。
生成物のH−および13C−NMRスペクトルにより提案の構造を確認し、化合物16から得た化合物Aのスペクトルと比較した。
13C (150MHz, d6-DMSO): δ (ppm): 10.36, CH3; 11.21, CH3; 13.88, CH3; 16.02, CH3; 17.71, CH3; 19.53, CH3; 19.53, CH3; 20.92, CH3; 21.77, CH2; 23.32, CH3; 23.77, CH2; 24.24, CH; 24.52, CH2; 27.36, CH2; 29.81, CH2; 30.11, CH3; 31.51, CH2; 33.21, CH; 33.27, CH2; 33.80, CH; 37.41, CH; 39.23, CH2; 48.89, CH; 50.76, CH; 52.15, CH; 54.21, CH; 54.74, CH; 55.36, CH; 60.70, CH; 71.93, CH; 74.01, CH; 115.36, CH; 115.36, CH; 127.37, Cq; 130.38, CH; 130.38, CH; 156.32, Cq; 169.18, Cq; 169.35, Cq; 169.41, Cq; 169.83, Cq; 170.70, Cq; 172.42, Cq; 172.58, Cq; 173.96, Cq; 176.45, Cq.
1H (600MHz, d6-DMSO): δ (ppm): -0.11, (3H, d, J=6.2Hz); 0.63, (3H, m); 0.63, (1H, m); 0.77, (3H, d, J=6.2Hz); 0.80, (3H, t, J=7.5Hz); 0.84, (3H, d, J=7.0Hz); 0.88, (3H, d, J=6.6Hz); 1.02, (3H, d, J=6.7Hz); 1.02, (1H, m); 1.03, (3H, d, J=6.7Hz); 1.09, (1H, m); 1.20, (3H, d, J=6.2Hz); 1.24, (1H, m); 1.39, (1H, m); 1.51, (1H, m); 1.72, (1H, m); 1.73, (2H, m); 1.75, (1H, m); 1.76, (1H, m); 1.78, (1H, m); 1.83, (1H, m); 1.92, (1H, m); 2.13, (2H, m); 2.47, (1H, q); 2.58, (1H, m); 2.67, (1H, dd, J=14.2, 11.4Hz); 2.70, (3H, s); 3.16, (1H, d, J=14.2Hz); 4.30, (1H, m); 4.34, (1H, m); 4.42, (1H, d, J=10.6Hz); 4.45, (1H, m); 4.61, (1H, d, J=9.2Hz); 4.70, (1H, dd, J=9.5, 5.5Hz); 4.93, (1H, s); 5.05, (1H, dd, J=11.4, 2.6Hz); 5.48, (1H, m); 6.08, (1H, d, J=2.6Hz); 6.64, (1H, d, J=8.4Hz); 6.64, (1H, d, J=8.4Hz); 6.72, (1H, s); 6.99, (1H, d, J=8.4Hz); 6.99, (1H, d, J=8.4Hz); 7.26, (1H, s); 7.36, (1H, d, J=9.2Hz); 7.65, (1H, d, J=9.5Hz); 7.72, (1H, d, J=9.2Hz); 8.02, (1H, d, J=7.7Hz); 8.42, (1H, d, J=8.8Hz); 9.18, (1H, s).
HR−MS:C467212に対する計算値[M+H]:929.53425;[M+NH:946.56080;[M+Na]:951.51619。実測値:[M+H]:929.53379;[M+NH:946.56036;[M+Na]:951.51537。

Claims (14)

  1. 液相合成のみによって、式Iの環状デプシペプチド化合物またはその塩を調製する方法またはプロセスであって、

    [式中、
    は、末端カルボキシ基またはカルバモイル基を有するアミノ酸、特にアスパラギンまたはグルタミンの二価部分であり、式Iにおいてカルボニルを介して分子の残部に結合しているか;あるいはC1−8−アルカノイルまたはリン酸化ヒドロキシ−C1−8−アルカノイルであり;
    Xは、AのNを介して結合しており、アシルであるか、あるいはAがC1−8−アルカノイルまたはリン酸化ヒドロキシ−C1−8−アルカノイルである場合には存在せず;
    は、C1−8−アルキル、特にメチルであり;
    は、アミノ酸、特にロイシン、イソロイシンまたはバリンの側鎖であり;
    は、アミノ酸、好ましくはフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシンまたはバリンの側鎖であり;
    は、ヒドロキシアミノ酸、特にチロシンの側鎖であり;
    は、アミノ酸、好ましくはアミノ酸ロイシン、イソロイシンまたはバリンの側鎖であり;
    Yは、水素またはC1−8−アルキルである]
    前記方法が、
    第1の態様(A)において、
    式(II)の化合物

    [式中、Yは、式Iの化合物について定義したとおりであり、X、A 、R 、R 、R 、R およびR は、それぞれ、式IにおけるX、A、R、R、R、RおよびRに対応するが、ただし、少なくともこれらの部分の反応性官能基が望ましくない副反応に関与し得る場合、これらは保護された形態で存在する]
    の遊離ヒドロキシル基を酸化条件下で反応させて、式IIIの化合物

    を形成し、残った保護基を除去して、式Iの化合物またはその塩を得ることと、
    所望により、式Iの遊離化合物をその塩に変換すること、式Iの化合物の塩を式Iの化合物の異なる塩もしくは式Iの遊離化合物に変換すること、および/または副生成物として形成される式Iの化合物の脱水類似体および/または5員環類似体を対応する式Iの化合物に変換することと
    を含み、
    ここで、式IIIの化合物が、式IVの化合物のマクロラクタム環化により調製され、

    [式中、Y、R 、R 、R 、R およびR 、XおよびA は、式IIの化合物について定義したとおりである]
    ここで、さらなる実施形態において、上記の方法またはプロセスは、式Vの化合物から、保護基ProtA、保護されたアミノ基Zの保護基および保護基Protを同時にまたは順次除去することによって、液相中で式IVの化合物を製造することをさらに含み、

    [式中、ProtAはカルボキシ保護基であり、Protはヒドロキシル保護基であり、Zは、式NHProt**(式中、Prot**はアミノ保護基である)である保護されたアミノ基であるか;または、Zは、式N(Prot(式中、それぞれのProtはアミノ保護基である)の保護されたアミノ基であり;Y、R 、R 、R 、R およびR 、XおよびA は、式IIの化合物について定義したとおりである];
    上記の方法またはプロセスが、好ましくは、式VIの化合物

    [式中、ProtAは、式Vの化合物について上記で定義したとおりであり、Y、R 、R 、R 、R およびR 、XおよびA は、式IIの化合物について上記で定義したとおりである]
    を、式VIIのアミノ酸、

    [式中、ProtAおよびZ(これは好ましくはProt**である)は、式Vの化合物について上記で定義したとおりである]
    またはその活性化誘導体とカップリングさせることによって、液相中で式Vの化合物を製造することをさらに含み(態様Aの終わり);

    および/または、並行して、または代替として、前記方法は、態様(B)において、
    式IIの化合物を脱保護して、式Iの化合物、特に式IAの化合物を得ることと、

    [式中、アルデヒド保護基RkおよびRlは、互いに独立して、非置換アルキルまたは置換アルキルであり、あるいは、2個の結合しているO原子と2個のO原子が結合している炭素原子とが一緒になって、非置換または置換の環を形成し、Yは、式Iの化合物について定義したとおりであり、X、A 、R 、R 、R 、R およびR は、それぞれ、式IのX、A、R、R、R、RおよびRに対応するが、ただし、これらの部分の反応性官能基は、少なくともそれらが望ましくない副反応に関与し得る場合、保護された形態で存在する];
    所望により、式I、特にIAの遊離化合物をその塩に変換すること、式Iの化合物の塩を式I、特にIAの化合物の異なる塩、もしくは式I、特にIAの遊離化合物へ変換すること、および/または、副生成物として形成される式Iの化合物の脱水類似体および/または5員環類似体を対応する式I、特にIAの化合物に変換することと
    を含む、方法またはプロセス。
  2. 式IIの化合物を合成するために、N末端アミノ基およびC末端カルボキシ基を有する式IIの化合物の直鎖状前駆体ペプチドを、前記アミノ基および前記カルボキシ基からアミド結合を形成させることができる反応条件下で、液相化学を使用して、ラクタム環化することをさらに含む、請求項1の態様(B)に記載の方法またはプロセスであって、
    ここで、前記直鎖状前駆体ペプチドが、式IVで表され、

    [式中、Rk、Rl、X、A 、R 、R 、R 、R およびR は、上記の式IIの化合物について定義したとおりである]
    式IVの化合物は、式Vの対応する化合物から保護されたアミノ基Zを脱保護することにより得ることができ、

    [式中、Rk、Rl、X、A 、R 、R 、R 、R およびR は上記の式IIの化合物について定義したとおりであり、Zは請求項1で式Vの化合物について定義したとおりである]
    前記方法またはプロセスは、好ましくは、式Vの化合物を合成するために、式VIの化合物と

    [式中、Rk、Rl、X、A 、R 、R 、R 、R およびR は式IIの化合物について定義したとおりであり、Prot−Aはカルボキシ保護基である]
    式VIIのアミノ酸または前記アミノ酸の活性化誘導体とをカップリングさせることにより反応させて、

    [式中、RkおよびRlは式IIの化合物について定義したとおりであり、Zは請求項1で式Vの化合物について定義したとおりである]
    式VIまたはVIAの前記化合物を得ること(態様(B)の終わり)をさらに含む、方法またはプロセス。
  3. 態様(A)または態様(B)のいずれかを包含するが、両者を使用することを除外しない請求項1または請求項2に記載の方法またはプロセスであって、
    式VIIIの化合物

    [式中、ProtAは請求項1で式Vの化合物について上記で定義したとおりであり、Y、R 、R 、R 、R 、およびXおよびA は請求項1で式IIの化合物について上記で定義したとおりである]
    を、式IXのアミノ酸、

    [式中、Prot**は請求項1でZの定義において式Vの化合物について定義したとおりであり、R は請求項1で式Vの化合物について定義したとおりである]
    または前記アミノ酸の反応性誘導体とカップリングさせることにより、液相中で、両態様で使用される式VIの化合物を製造することをさらに含む、
    方法またはプロセス。
  4. 式Xの化合物

    [式中、ProtAは請求項1で式Vの化合物について定義したとおりであり、R 、R 、R 、XおよびA は請求項1で式IIの化合物について定義したとおりである]
    を、式XIのアミノ酸

    [式中、Prot**およびR は請求項1で式Vの化合物について定義したとおりであり、Yは請求項1で式Iの化合物について定義したとおりである]
    または前記アミノ酸の反応性誘導体とカップリングさせることによって、液相中で式VIIIの化合物を製造することをさらに含む、請求項3に記載の方法またはプロセス。
  5. 式XIIの化合物

    [式中、ProtAは請求項1で式Vの化合物について定義したとおりであり、R 、R 、XおよびA は請求項1で式IIの化合物について定義したとおりである]
    を、式XIIIのアミノ酸

    [式中、Prot**およびR は、請求項1で式Vの化合物について定義したとおりである]
    または前記アミノ酸の反応性誘導体でエステル化することによって、液相中で式Xの化合物を製造することをさらに含む、請求項4に記載の方法またはプロセス。
  6. 式XIVの化合物

    [式中、ProtAは、式Vの化合物について上記で定義したとおりであり、R およびR は、請求項1で式IIの化合物について定義したとおりである]
    を、式XVの酸

    またはその反応性誘導体
    [式中、X**はアミノ保護基であるか、またはXであり、XおよびA は、式IIの化合物について上記で定義したとおりである]
    とカップリングさせることと;
    **がアミノ保護基である場合、前記アミノ保護基X**を除去して、Xの代わりにHを得て、得られたアミノ基を、対応する酸X−OH[式中、Xは、請求項1で式IIの化合物について定義したとおりである]またはその反応性誘導体を使用して、アシル基Xとカップリングさせること
    によって、液相中で式XIIの化合物を製造することをさらに含む、請求項5に記載の方法またはプロセス。
  7. 式XVIのアミノ酸

    [式中、ProtAは、式Vの化合物について上記で定義したとおりであり、R は、式IIの化合物について上記で定義したとおりである]
    を、式XVIIのアミノ酸

    [式中、Prot***は、保護基ProtAを除去せずに切断することができるアミノ保護基であり、R は、式IIの化合物について上記で定義したとおりである]
    または前記アミノ酸の反応性誘導体とカップリングさせ、アミノ保護基Prot***を除去することによって、式XVの化合物を製造することをさらに含む、請求項6に記載の方法またはプロセス。
  8. 式XVIIIの化合物中の遊離カルボキシル基

    [式中、ProtCはカルボキシル保護基であり、Prot**は、請求項1で式Vの化合物について定義したとおりである]
    を、式XIXの対応するアルコール

    [式中、Prot**およびProtCは、上記で定義したとおりである]
    に還元することと、
    ヒドロキシル保護基Protを導入する試薬を用いて遊離ヒドロキシル基を保護して、式XXの化合物

    [式中、Prot**、ProtCおよびProtは、上記で定義したとおりである]
    を得ることと、
    保護基ProtCを除去して、式VIIの化合物を得ることと
    によって、式VIIの化合物を製造することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 式Iの化合物を製造するためのプロセスまたは方法であって、
    式Iの化合物の脱水物(特に請求項1で記載したもの、または請求項10で定義した置換基を有するもの)[ここで、前記脱水物は、式XXI

    (式中、Y、X、A、R、R、R、RおよびRは、請求項1で式Iの化合物について定義したとおりである)
    を有する];
    および/または、副生成物として形成され得る、式XXII

    [式中、Y、X、A、R、R、R、RおよびRは、それぞれ、請求項1で式Iの化合物について定義したとおりである]
    を有する、式Iのahp構造の代わりに5員環を有するその対応するヘミアミナール類似体を、式Iの対応する化合物に変換することを含み、
    前記方法またはプロセスが、反応性溶媒として酸水溶液を使用して反応を促進させることを含む、
    プロセスまたは方法。
  10. 存在する場合、記号A、R、R、R、R、R、XおよびYまたは対応する保護されていないもしくは保護された部分R 、R 、R 、R 、R 、XおよびYは、得られる式Iの化合物またはその塩において、
    は、そのα−カルボキシル基のカルボニルを介して式Iにおけるアミノ基に結合し、そのα−アミノ基を介してXに結合しているL−グルタミンの二価部分であるか、または2S−(2−ヒドロキシ−3−ホスホノオキシ)−プロピオニルであり;
    はメチルであり;
    はイソプロピル、イソブチルまたはベンジルであり;
    はsec−ブチルまたはベンジルであり;
    は4−ヒドロキシベンジルであり;
    はイソプロピルまたはsec−ブチルであり;
    Xは、アセチルまたはイソブチリルであるか、またはAが2S−(2−ヒドロキシ−3−ホスホノオキシ)−プロピオニルである場合には存在せず、
    Yはメチルである
    ように選択される、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 存在する場合、記号A、R、R、R、R、R、XおよびYまたは対応する保護されていないもしくは保護された部分R 、R 、R 、R 、R 、XおよびYは、得られる式Iの化合物またはその塩において、
    が、そのα−カルボキシル基のカルボニルを介して式IにおけるAの右側のアミノ基に結合し、そのα−アミノ基を介してXに結合しているL−グルタミンの部分であり;
    がメチルであり;
    がイソブチルであり;
    がsec−ブチルであり;
    が4−ヒドロキシベンジルであり;
    がsec−ブチルであり;
    Xがイソブチリルであり;
    Yがメチルである
    ように選択される、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法またはプロセス。
  12. 態様Aまたは態様B後の反応が、式XXIII−1、XXIII−2およびXXIII−3

    および/またはXXIII−3

    [式中、記号A、R、R、R、R、R、XおよびYは、請求項1で式Iの化合物について定義した意味を有する]
    で表わされる1つ以上の化合物を含む化合物または化合物混合物を介して進む、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法またはプロセス。
  13. それぞれの中間体が、他のものとは独立して、遊離形態または塩形態で使用されるまたは存在する、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法またはプロセス。
  14. 以下の式を有する化合物からなる群から選択される化合物、またはその塩:





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