JP2015533089A - 重鎖および軽鎖ポリペプチドの対を定量化する方法 - Google Patents

重鎖および軽鎖ポリペプチドの対を定量化する方法 Download PDF

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Abstract

IgG重鎖および2つの固有IgG軽鎖が同時発現する場合に個別のIgG重鎖が特定のIgG軽鎖と選択的に対合する能力を定量的に決定する方法が、提供される。本方法は、妥当なスループットにより結果を提供し、堅固で正確である。同時発現した重鎖および軽鎖は、単離や精製される必要がなく、これによって、より効率的なスクリーニングが可能になる。

Description

相互参照
本出願は、本明細書に参照によってその全体があらゆる目的のために組み込まれる、2012年10月03日に出願された米国仮出願第61/744,911号の利益を主張する。
重鎖および軽鎖の同時発現の生成物を同定し、定量化する方法は、以前に記載されている。例えば、液体クロマトグラフィー質量分析(LC−MS)およびイオン交換クロマトグラフィー(IEX)が、二重特異性抗体構築物の純度を特徴付けるために使用されている(例えば、Strop et al.(2012)J.Mol.Biol.420:204−219(非特許文献1)を参照されたい)。活性に基づくサンドイッチELISAもまた、良好な純度を有する高収率の二重特異性抗体を分泌する安定した細胞系統を選択するためのハイスループットスクリーニングとして使用されている。(例えば、van der Neut Kolfschonten et al.(2007),Science317:1554−1557(非特許文献2)を参照されたい)。酵母を使用して抗体を提示する方法もまた、記載されている(例えば、Chao et al.,Nat Protoc.2006;1(2):755−68(非特許文献3)を参照されたい)。例えば、親和性クロマトグラフィーを使用して抗体を単離する、または精製する方法は、当該技術分野において既知であり、親和性精製カラムは商業的に入手可能である。
定量的免疫グロブリン重鎖/軽鎖イムノアッセイ、Hevylite(登録商標)(HLC,The Binding Site Group,Birmingham,UK)は、商業的に入手可能であり、IgGκ/IgGλ対を測定するステップを含む。このアッセイは、例えば、多発性骨髄腫などの疾患を有する患者におけるモノクローナル免疫グロブリンを定量化するために使用される。
Strop et al.(2012)J.Mol.Biol.420:204−219 van der Neut Kolfschonten et al.(2007),Science317:1554−1557 Chao et al.,Nat Protoc.2006;1(2):755−68
(野生型IgGに近い形式の)二重特異性IgGは、2つの固有抗体重鎖および2つの固有抗体軽鎖の細胞内随伴性発現によって典型的に形成される。抗体重鎖は、抗体軽鎖を比較的無差別な方法で結合するように発展しているため、この型の二重特異性形式を正確に形成することは、困難である。結果として、2つの固有抗体重鎖および2つの固有抗体軽鎖が同時発現する場合、複数の抗体分子が生成し、所望の二重特異性抗体は典型的に少量で形成される。この問題を回避する1つの方法は、所望の二重特異性抗体を形成するように選択的に対合する抗体重鎖および抗体軽鎖を使用することであろう。したがって、互いを選択的に対合するIgG重鎖およびIgG軽鎖の同定を可能にするスクリーニングアッセイに対する必要性が存在する。
特定の免疫グロブリン(例えば、IgG)重鎖が、特定の免疫グロブリン(例えば、IgG)軽鎖に選択的に結合するかどうかを決定するために有用な、アッセイおよび分析ツールが提供される。
少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性のハイスループットの定量化のための方法、アッセイ、システム、およびキットが、本明細書で提供される。競合重鎖または軽鎖ポリペプチド、またはこれらの組み合わせの存在下での、Fab含有構築物の選択的形成を決定するための方法、システム、およびキットもまた提供される。本明細書に記載されるアッセイを使用して二パラトープ抗体構築物を設計する、または製造する方法もまた提供される。抗体ヘテロ二量体形成を決定する方法もまた提供される。
少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法が提供され、本方法は、(a)VHおよびCH1領域を含む第1の重鎖ポリペプチド、第1のVLおよび第1のCL領域を含む第1の軽鎖ポリペプチド、ならびに第2のVLおよび第2のCL領域を含む第2の軽鎖ポリペプチド、の一連の構築物を同時発現させるステップであって、該重鎖ポリペプチドおよび該軽鎖ポリペプチドが、重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、(b)該第1または第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を、一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、(c)重鎖対合ポリペプチド生成物において、該第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および該第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を定量化するステップと、を含み、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を示す。
そのような方法の一実施形態において、第1または第2の重鎖ポリペプチドは、Fc領域を更に含む。そのような方法の別の実施形態において、第1および第2の重鎖ポリペプチドは、Fc領域を更に含む。そのような方法の更に別の実施形態において、第1または第2の重鎖ポリペプチドは、Fcおよび領域およびFv領域を含む。そのような方法の更に別の実施形態において、第1および第2の重鎖ポリペプチドは、Fc領域およびFv領域を含む。
この工程は、少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドを、少なくとも1つの第1の重鎖ポリペプチドおよび1つの第2の重鎖ポリペプチドと対合するために実施され得ることが理解されるであろう。
本方法の一実施形態において、ステップ(c)は、HC:LC1:LC2を捕捉する表面上に検出されるHC:LC1:LC2間の対合を定量化することを含み、本方法は、例えば、ELISA、SPRチップ、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせなどの捕捉および検出方法、ならびに該ユニットのうちの1つ以上と該環境との間の相互作用について該表面をスクリーニングすることを含む。
軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法が、本明細書で提供され、本方法は、(a)VLおよびCL領域を含む第1の軽鎖ポリペプチド、第1のVHおよび第1のCH1領域を含む第1の重鎖ポリペプチド、ならびに第2のVHおよび第2のCH1領域を含む第2の重鎖ポリペプチド、を含む一連の構築物を同時発現させるステップであって、該軽鎖ポリペプチドおよび該重鎖ポリペプチドが、軽鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、(b)該第1または第2の重鎖ポリペプチドと対合した軽鎖ポリペプチドを含む軽鎖対合ポリペプチド生成物を、一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、(c)軽鎖対合ポリペプチド生成物において、該第1の重鎖ポリペプチドと対合した軽鎖ポリペプチドの量、および該第2の重鎖ポリペプチドと対合した軽鎖ポリペプチドの量のステップと、を含み、該第1または第2の重鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した軽鎖ポリペプチドの、他方の重鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、該第1または第2の重鎖ポリペプチドとの対合についての軽鎖ポリペプチドの選択性を示す。
そのような方法の一実施形態において、第1または第2の重鎖ポリペプチドは、Fc領域を更に含む。そのような方法の別の実施形態において、第1および第2の重鎖ポリペプチドは、Fc領域を更に含む。そのような方法の別の実施形態において、第1または第2の重鎖ポリペプチドは、Fc領域およびFv領域を含む。そのような方法の更に別の実施形態において、第1および第2の重鎖ポリペプチドは、Fc領域およびFv領域を含む。
軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法が、本明細書で提供され、本方法は、(a)VH、CH1、CH2、およびCH3領域を含む第1の重鎖ポリペプチド、第1のVLおよび第1のCL領域を含む第1の軽鎖ポリペプチド、ならびに第2のVLおよび第2のCL領域を含む第2の軽鎖ポリペプチド、を含む一連の構築物を同時発現させるステップであって、該重鎖ポリペプチドおよび該軽鎖ポリペプチドが、重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、(b)該第1または第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を、一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、(c)重鎖対合ポリペプチド生成物において、該第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および該第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量のステップと、を含み、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を示す。
軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法が、本明細書で提供され、本方法は、(a)VH、CH1、CH2、およびCH3領域を含む完全長の重鎖ポリペプチド、CH2領域およびCH3領域を含む重鎖ポリペプチド、第1のVLおよび第1のCL領域を含む第1の軽鎖ポリペプチド、ならびに第2のVLおよび第2のCL領域を含む第2の軽鎖ポリペプチド、を含む一連の構築物を同時発現させるステップであって、該重鎖ポリペプチドおよび該軽鎖ポリペプチドが、完全長の重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、(b)該第1または第2の軽鎖ポリペプチドを有する、CH2領域およびCH3領域を含む重鎖ポリペプチドと対合した完全長の重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を、一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、(c)重鎖対合ポリペプチド生成物において、該第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および該第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量のステップと、を含み、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を示す。
対合は、検出可能な部分を定量化することによって検出され得る。検出可能な部分は、例えば、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または更なる検出可能な部分を含むタグであり得る。検出可能な部分の検出は、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含み得る。一実施形態において、HC:LC1:LC2を含む環境は、複合分子混合物、細胞上清、宿主細胞の細胞質、またはこれらの組み合わせである。特定の軽鎖タグを有する抗体の質量は、単離された重鎖画分の量によって正規化され得る。等価質量比は、対照抗体に対して評価され得る。2つの質量比の比率は、特定のタグを有する単離された抗体の百分率に等しい。
開示される方法の一実施形態において、本方法は、Hと対合するL1の相対対合傾向を、Hと対合するL2の相対対合傾向と比較して決定するステップを含む。
本方法は、HL2種よりも高いHL1種の相対量を生成する対合したポリペプチドを選択するステップを更に含み得る。比率を比較するステップは、以下の計算式に従って達成され得る:
Figure 2015533089
式中、Rは、2つのFab種の量の比率であり、SはRの対数であって、L1のHとの対合とL2のHとの対合の間の自由エネルギー差に比例し、P1およびP2は、
Figure 2015533089
であるような、それぞれ所望のおよび不所望の種の百分率である。
別の態様において、軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法が、本明細書で提供され、本方法は、(a)VH領域、CH1領域、および第1の検出可能な標識(タグ)を含む重鎖ポリペプチド、第1のVL、第1のCL領域、および第2の検出可能な標識を含む第1の軽鎖ポリペプチド、ならびに第2のVL、第2のCL領域、および第3の検出可能な標識を含む第2の軽鎖ポリペプチド、を含む一連の構築物を同時発現させるステップであって、該重鎖ポリペプチドおよび該軽鎖ポリペプチドが、完全長の重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、(b)該第1または第2の軽鎖ポリペプチドを有する重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を、一連のポリペプチド生成物から、重鎖ポリペプチド上の第1の検出可能な標識を使用して単離するステップと、(c)重鎖対合ポリペプチド生成物において、該第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および該第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を決定するステップと、を含み、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を示す。
一実施形態において、第1の検出可能な標識は、6×Hisタグである。別の実施形態において、第2の検出可能な標識は、該第3の検出可能な標識とは異なる。
決定は、ELISA、SPR、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせを含み得る。
検出可能な標識は、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または更なる検出可能な部分を含むタグであり得る。検出可能な標識の検出は、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含み得る。
別の態様において、重鎖ポリペプチドとの対合についての軽鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法が、本明細書で提供され、本方法は、(a)VL領域およびCL領域を含む軽鎖ポリペプチド、第1のVH、第1のCH1領域、および少なくとも1つの検出可能な標識を含む第1の重鎖ポリペプチド、ならびに第2のVH、第2のCH1領域、および少なくとも1つの検出可能な標識を含む第2の重鎖ポリペプチド、を含む一連の構築物を同時発現させるステップであって、該軽鎖ポリペプチドおよび該重鎖ポリペプチドが、軽鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、(b)該第1または第2の重鎖ポリペプチドを有する軽鎖ポリペプチドを含む軽鎖対合ポリペプチド生成物を、一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、(c)軽鎖対合ポリペプチド生成物において、該第1の重鎖ポリペプチドと対合した軽鎖ポリペプチドの量、および該第2の重鎖ポリペプチドと対合した軽鎖ポリペプチドの量を決定するステップと、を含み、該第1または第2の重鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した軽鎖ポリペプチドの、他方の重鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、該第1または第2の重鎖ポリペプチドとの対合についての軽鎖ポリペプチドの選択性を示す。
決定は、ELISA、SPR、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせを含み得る。
一実施形態において、第1の重鎖ポリペプチドは、2つの標識で標識されている。
別の実施形態において、第1の重鎖ポリペプチドは、6×Hisタグおよび第2の標識で標識されている。
別の実施形態において、第2の重鎖ポリペプチドは、2つの標識で標識されている。
別の実施形態において、第2の重鎖ポリペプチドは、6×Hisタグおよび第2の標識で標識されている。
検出可能な標識は、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または更なる検出可能な部分を含むタグであり得る。検出可能な標識の検出は、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含み得る。
別の態様において、軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法が、本明細書で提供され、本方法は、(a)VH、CH1、CH2、およびCH3領域を含む完全長の重鎖ポリペプチド、CH2領域およびCH3領域を含む重鎖ポリペプチド、第1のVL、第1のCL領域、および第1の検出可能な標識を含む第1の軽鎖ポリペプチド、ならびに第2のVL、第2のCL領域、および第2の検出可能な標識を含む第2の軽鎖ポリペプチド、を含む一連の構築物を同時発現させるステップであって、該重鎖ポリペプチドおよび該軽鎖ポリペプチドが、完全長の重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、(b)抗Fc抗体を有する重鎖対合ポリペプチド生成物を単離するステップと、(c)重鎖対合ポリペプチド生成物において、該第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および該第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を決定するステップと、を含み、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を示す。
決定は、ELISA、SPR、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせを含み得る。
一実施形態において、第1の検出可能な標識は、第2の検出可能な標識とは異なる。
検出可能な標識は、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または更なる検出可能な部分を含むタグであり得る。検出可能な標識の検出は、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含み得る。
別の態様において、軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法が、本明細書で提供され、本方法は、(a)VH、CH1、CH2、およびCH3領域を含む完全長の重鎖ポリペプチド、第1のVL、第1のCL領域、および第1の検出可能な標識を含む第1の軽鎖ポリペプチド、ならびに第2のVL、第2のCL領域、および第2の検出可能な標識を含む第2の軽鎖ポリペプチド、を含む一連の構築物を同時発現させるステップであって、該重鎖ポリペプチドおよび該軽鎖ポリペプチドが、完全長の重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、(b)抗Fc抗体を有する重鎖対合ポリペプチド生成物を単離するステップと、(c)重鎖対合ポリペプチド生成物において、該第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および該第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を決定するステップと、を含み、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を示す。
決定は、ELISA、SPR、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせを含み得る。
一実施形態において、第1の検出可能な標識は、第2の検出可能な標識とは異なる。
検出可能な標識は、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または更なる検出可能な部分を含むタグであり得る。検出可能な標識の検出は、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含み得る。
別の態様において、軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法が、本明細書で提供され、本方法は、(a)VH領域、CH1領域、および検出可能な標識を含む第1の重鎖ポリペプチド、VH領域、CH1領域、および検出可能な標識を含む第2の重鎖ポリペプチド、第1のVL、第1のCL領域、および検出可能な標識を含む第1の軽鎖ポリペプチド、ならびに第2のVL、第2のCL領域、および検出可能な標識を含む第2の軽鎖ポリペプチド、を含む一連の構築物を同時発現させるステップであって、該重鎖ポリペプチドおよび該軽鎖ポリペプチドが、重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、(b)該第1または第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を、一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、(c)重鎖対合ポリペプチド生成物において、該第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および該第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を決定するステップと、を含み、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を示す。
一実施形態において、該検出可能な標識のうちのそれぞれは固有である。
決定は、ELISA、SPR、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせを含み得る。
検出可能な標識は、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または更なる検出可能な部分を含むタグであり得る。検出可能な標識の検出は、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含み得る。
本方法によって取得されたデータは、汎用コンピュータに送信されてもよく、データの出力は、結果をデータ記憶媒体上に記憶することを含む。
本方法は、いくつかの例において、HC−LC結果を分析するステップを任意に含み得る。あるいは、または加えて、本方法は、対合した重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドのLCCAライブラリを構築するステップを更に含み得る。
記載される方法のうちのいずれかの特定の実施形態において、重鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドは、約0.25:1:1の所定の比率で発現する。選択された実施形態において、重鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドは、約1:2:2の所定の比率で発現する。いくつかの実施形態において、重鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドは、約1:3:3の所定の比率で発現する。特定の他の実施形態において、第1および第2の軽鎖は、異なる相対量で発現する。例えば、いくつかの実施形態において、重鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドは、約2:1:3、または約2:3:1の所定の比率で発現する。一実施形態において、重鎖ポリペプチド(HC)対第1の軽鎖ポリペプチド(LC1)および第2の軽鎖ポリペプチド(LC2)の遺伝子移入の比率、すなわち、HC:LC1:LC2は、いくつかの例において、LC1およびLC2が等しく発現するかどうかを決定するために、3:1:1である。他の比率が使用されてもよく、本明細書で意図されることが、理解されるであろう。非限定的な一例において、HC:LC1:LC2のLCCA用量検証比率は、(50:75:25、50:50:50、および50:25:75)または(50:40:60、50:50:50、および50:60:40)であり得る。
記載される方法のうちのいずれかの特定の実施形態において、軽鎖ポリペプチド、第1および第2の重鎖ポリペプチドは、約0.25:1:1の所定の比率で発現する。選択された実施形態において、軽鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の重鎖ポリペプチドは、約1:2:2の所定の比率で発現する。いくつかの実施形態において、軽鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の重鎖ポリペプチドは、約1:3:3の所定の比率で発現する。特定の他の実施形態において、第1および第2の重鎖は、異なる相対量で発現する。例えば、いくつかの実施形態において、軽鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の重鎖ポリペプチドは、約2:1:3、または約2:3:1の所定の比率で発現する。一実施形態において、軽鎖ポリペプチド(LC)対第1の重鎖ポリペプチド(HC1)および第2の重鎖ポリペプチド(HC2)の遺伝子移入の比率、すなわち、LC:HC1:HC2は、いくつかの例において、HC1およびHC2が等しく発現するかどうかを決定するために、3:1:1である。他の比率が使用されてもよく、本明細書で意図されることが、理解されるであろう。非限定的な例において、LC:HC1:HC2のLCCA用量検証比率は、(50:75:25、50:50:50、および50:25:75)または(50:40:60、50:50:50、および50:60:40)であり得る。
特定の実施形態において、同時発現は、宿主細胞内においてである。いくつかの実施形態において、同時発現は、インビトロ無細胞発現系内にある。
実施形態において、本明細書で提供される方法は、発現後に、発現したポリペプチドを発現培地から分離するステップを含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、遠心分離によって分離される。いくつかの更なる実施形態において、ポリペプチドは、精製カラムの使用によって分離される。
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態において、VHおよびCH1領域を含む第1の重鎖ポリペプチドは、CH3領域を更に含む。いくつかの実施形態において、本方法は、CH3領域を含む第2の重鎖ポリペプチドの同時発現を更に含む。特定の実施形態において、少なくとも1つの重鎖ポリペプチドは、CH2領域またはその断片を含む。
特定の実施形態において、本明細書に記載される方法は、定量的対照標準の使用を更に含む。一実施形態において、本方法は、該重鎖ポリペプチド、ならびに該第1および第2の軽鎖ポリペプチドのうちの1つを、少なくとも1つの宿主細胞内またはインビトロ系内で、他の軽鎖ポリペプチドの不在下で発現させるステップと、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を単離するステップと、該生成物の量を定量化するステップであって、該量が、該重鎖ポリペプチドの該軽鎖ポリペプチドとの最大の検出可能な結合のための対照標準としての役割を果たす、ステップと、を含む。いくつかの実施形態において、重鎖ポリペプチドおよび所望の軽鎖ポリペプチドを含む生成物は、陽性対照標準を提供する。実施形態において、重鎖ポリペプチドおよびあまり所望でない軽鎖ポリペプチドを含む生成物は、陰性対照標準を提供する。
本明細書に記載される方法はまた、いくつかの例において、全ての未結合のポリペプチドを、単離された構築物を含む混合物から除去するステップを含み得る。
少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化する方法が提供され、少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドは、検出可能な部分を含む。検出可能な部分は、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または更なる検出可能な部分を含むタグであり得る。特定の実施形態において、各軽鎖ポリペプチドは、異なる検出可能な部分を含む異なるタグで標識されている。いくつかの実施形態において、重鎖ポリペプチドは、タグで標識されている。一実施形態において、重鎖ポリペプチドを標識しているタグは、相互作用表面層を含む表面上に捕捉されかつ更に装置によって検出および定量化されることができる。装置は、該第1および第2の軽鎖ポリペプチドのうちの少なくとも1つ上の検出可能な部分を検出し、定量化するために使用され得る。いくつかの実施形態において、装置は、ハイスループットが可能である。検出可能な部分の検出は、ELISA、SPRチップ、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせを含むが、これに限定されない、標識を検出する任意の従来の手段を使用する測定を含み得る。いくつかの実施形態において、検出可能な部分の検出は、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含む。
競合重鎖または軽鎖ポリペプチドまたはこれらの組み合わせの存在下での、Fab含有構築物の選択的形成を決定するための方法が、特定の実施形態において提供され、本方法は、VHおよびCH1領域を含む第1の重鎖ポリペプチド、第1のVLおよび第1のCL領域を含む第1の軽鎖ポリペプチド、ならびに1つ以上の他の重鎖ポリペプチド、軽鎖ポリペプチド、またはこれらの組み合わせの一連の構築物を、インビトロまたは宿主細胞内で同時発現させるステップであって、該第1の軽鎖ポリペプチドが該重鎖ポリペプチドと選択的に結合して、所望のFab構築物を形成する、ステップと、該第1の重鎖ポリペプチドまたは第1の軽鎖ポリペプチドを含む各Fab構築物を単離するステップと、所望のFab構築物の量を、他のFab構築物と比較して検出するステップであって、所望のFab構築物のより多い量が、該Fab構築物のより高い選択性を示す、ステップと、を含む。いくつかの場合、第1の重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドは、異なる検出可能な部分を含むタグで標識されている。
合理的に設計されたFab構築物の、他の重鎖または軽鎖ポリペプチドの存在下で自己結合する能力を決定するための方法が提供され、本方法は、本明細書に記載される少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化する方法を含み、該第1の重鎖ポリペプチドおよび該第1の軽鎖ポリペプチドが結合して、設計されたFab構築物を形成する。
少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化する方法が提供され、該ポリペプチドは宿主細胞内で同時発現する。いくつかの実施形態において、宿主細胞は細菌細胞である。一実施形態において、宿主細胞は酵母細胞である。特定の実施形態において、宿主細胞は哺乳類細胞である。いくつかの実施形態において、哺乳類細胞は、COS、CHO、BHK、HEK−293、NSO、3T3細胞、およびこれらの派生物のうちの少なくとも1つである。
少なくとも1つの重鎖または軽鎖ポリペプチドが、6×His、FLAG、HA、c−myc、s−FLAG、SBP、V5、およびABDから選択される少なくとも1つのタグを含む、本明細書に記載される方法が提供される。
ヘテロ多量体抗体構築物を設計する方法が提供され、本方法は、(a)第1の免疫グロブリン重鎖領域を含む第1の重鎖ポリペプチド、および第1の免疫グロブリン軽鎖領域を含む第1の軽鎖ポリペプチドの、一連の構築物を、インビトロまたは宿主細胞内で同時発現させるステップであって、該第1の軽鎖ポリペプチドが、該第1の重鎖ポリペプチドと結合して第1のFab構築物を形成することができ、第2の免疫グロブリン軽鎖領域を含む第2の軽鎖ポリペプチドが、第2の免疫グロブリン重鎖領域を含む第2の重鎖ポリペプチドと結合して第2のFab構築物を形成することができ、該第1および第2の重鎖ポリペプチドが、変異CH3領域を含むヘテロ多量体を形成することができる、ステップと、(b)該第1の重鎖ポリペプチドおよびいずれか1つの該軽鎖ポリペプチドを含む、形成されたFab構築物の量を検出するステップと、(c)該第2の重鎖ポリペプチド、第1の軽鎖ポリペプチド、および第2の軽鎖ポリペプチドを、宿主細胞内で発現させるステップと、(d)該第2の重鎖ポリペプチドおよびいずれか1つの該軽鎖ポリペプチドを含む、形成されたFab構築物の量を検出するステップと、を含み、他のFab構築物と比較した、ステップ(b)における第1のFab構築物のより多い量、およびステップ(d)における第2のFab構築物のより多い量が、ポリペプチドが自己集合してヘテロ多量体抗体構築物を形成し得ることを示す。
ヘテロ多量体抗体を設計するための、ポリペプチドのハイスループットスクリーニングの方法が提供され、本方法は、(a)第1の免疫グロブリン重鎖領域を含む第1の重鎖ポリペプチド、第1の免疫グロブリン軽鎖領域を含む第1の軽鎖ポリペプチド、および第2の免疫グロブリン重鎖領域を含む第2の重鎖ポリペプチドを取得するステップであって、該第1の軽鎖ポリペプチドが、該第1の重鎖ポリペプチドと結合して第1のFab構築物を形成することができ、該第1および第2の重鎖ポリペプチドが、変異CH3領域を含むヘテロ多量体を形成することができ、第2の免疫グロブリン軽鎖領域を含む第2の軽鎖ポリペプチドが、該第2の重鎖ポリペプチドと結合して第2のFab構築物を形成することができる、ステップと、(b)溶液中で、該第1の重鎖ポリペプチドを、該第1および第2の軽鎖ポリペプチドと接触させるステップと、(c)ステップ(b)の溶液中で、該第1の重鎖ポリペプチドおよびいずれか1つの該軽鎖ポリペプチドを含んで形成されたFab構築物の量を検出するステップと、(d)別の溶液中で、該第2の重鎖ポリペプチドを、該第1および第2の軽鎖ポリペプチドと接触させるステップと、(e)ステップ(d)の溶液中で、該第2の重鎖ポリペプチドおよびいずれか1つの該軽鎖ポリペプチドを含んで形成されたFab構築物の量を検出するステップと、を含み、他のFab構築物と比較した、ステップ(c)における第1のFab構築物のより多い量、およびステップ(e)における第2のFab構築物のより多い量が、ポリペプチドが自己集合してヘテロ多量体抗体構築物を形成し得ることを示す。
特定の実施形態において、各軽鎖ポリペプチドおよび各重鎖ポリペプチドは、異なる検出可能な部分を含む異なるタグで標識されている。いくつかの実施形態において、各重鎖タグは、相互作用表面層を含む装置によって捕捉されることができる。いくつかの実施形態において、装置は、各軽鎖ポリペプチド上のタグを定量的に認識することができる。特定の実施形態において、装置は、ハイスループットが可能である。一実施形態において、検出可能な部分は、ELISA、SPRチップ、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせによる測定によって、定量化可能に検出される。検出可能な部分は、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定によって、定量化可能に検出され得る。
少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を決定するハイスループット法が提供され、本方法は、免疫グロブリン重鎖領域を含む重鎖ポリペプチド、第1の免疫グロブリン軽鎖領域を含む第1の軽鎖ポリペプチド、および第2の免疫グロブリン軽鎖領域を含む少なくとも1つの第2の軽鎖ポリペプチドを取得するステップと、溶液中で、該重鎖ポリペプチドおよび該軽鎖ポリペプチドを、重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように、所定の比率で接触させるステップと、第1または第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を単離するステップと、該第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および該第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を定量化するステップと、を含み、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの1つと対合した重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を示す。
重鎖ポリペプチドの少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドとの選択的対合の、ハイスループットスクリーニングのためのシステムが提供され、本システムは、免疫グロブリン重鎖(HC)領域、および相互作用表面層を含む装置によって捕捉されることができるタグを含む、重鎖ポリペプチドと、第1の免疫グロブリン軽鎖領域を含む第1の軽鎖ポリペプチド(L1)と、第2の免疫グロブリン軽鎖領域を含む少なくとも1つの第2の軽鎖(L2)ポリペプチドと、を発現させるための、1つ以上の宿主細胞またはインビトロ機構であって、該重鎖ポリペプチドおよび該軽鎖ポリペプチドが、HC<(L1+L2)であるように、所定の比率で発現し、該第1および第2の軽鎖ポリペプチドが、検出可能な部分でタグ付けされる、宿主細胞またはインビトロ機構と、該重鎖ポリペプチドを捕捉することができる相互作用表面層を含む検出装置であって、該検出装置が各該軽鎖ポリペプチド上の検出可能な部分を検出することが更に可能であり、重鎖ポリペプチドおよび該第1または第2の軽鎖ポリペプチドを含む構築物が、該1つ以上の宿主細胞によって発現し、かつ該検出装置と接触し、該検出装置が、重鎖ポリペプチドおよび第1の軽鎖ポリペプチドを含む第1の構築物の量と、重鎖ポリペプチドおよび第2の軽鎖ポリペプチドを含む第2の構築物の量とを、第2の構築物と比較してより多い第1の構築物の量が、第2の軽鎖ポリペプチドと比較してより高い第1の軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を示すように検出するために有用である、検出装置と、を含む。
いくつかの実施形態において、システムは、該検出装置と接触させる前に、該構築物を該1つ以上の宿主細胞から単離するための機構を更に含む。一実施形態において、該重鎖ポリペプチドならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドの所定の比率は、約0.25:1:1である。一実施形態において、該重鎖ポリペプチドならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドの所定の比率は、約0.5:1:1である。いくつかの実施形態において、該重鎖ポリペプチドならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドの所定の比率は、約1:2:2である。特定の実施形態において、該重鎖ポリペプチドならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドの所定の比率は、約1:3:3である。特定の他の実施形態において、第1および第2の軽鎖は、異なる相対量で発現する。例えば、いくつかの実施形態において、重鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドは、約2:1:3、または約2:3:1の所定の比率で発現する。
本明細書に記載されるシステム、および使用説明書を含む、ヘテロ多量体抗体のハイスループット設計のためのキットが提供される。いくつかの実施形態において、キットは、1つ以上のバイアル、チューブ、容器、試薬、および/または緩衝剤を更に含む。特定の実施形態において、キットは、重鎖および軽鎖ポリペプチドを精製するための手段を更に含む。ポリペプチドを単離する、または精製するための手段は、当該技術分野において既知であり、以下に記載される。
発明の一態様において、以下のステップを含む、同時発現アッセイにおいて少なくとも1つの変更された重鎖が特定の変更された軽鎖に選択的に対合する能力を決定する方法が提供される:a.少なくとも1つの変更された重鎖および2つの異なる変更された軽鎖を、細胞内で、変更された重鎖が限定的な対合反応体となるような比率で同時発現させるステップであって、同時発現したタンパク質が、細胞から分泌される、ステップと、b.同時発現した分泌されたタンパク質を、細胞から任意で分離するステップと、c.変更された重鎖に結合する軽鎖ポリペプチドを、残りの分泌されたタンパク質から分離して、単離された重鎖対合画分を生成するステップと、d.単離された重鎖画分中の、各異なる変更された軽鎖の量を検出するステップと、e.単離された重鎖画分中の、各異なる変更された軽鎖の相対量を分析して、少なくとも1つの重鎖が、軽鎖のうちの1つと選択的に対合する能力を決定するステップ。
変異体を評価するためのアッセイ必要条件の流れ図を提供する。 軽鎖タグ付けされた群のSPR読み取りを使用する、アッセイの重要なステップの概略的記載を提供する。 図3Aおよび3Bは、例示的な軽鎖競合アッセイを図示し、図3AはSPRサンドイッチに基づくアッセイを図示し、図3Bは抗Hisタグ表面を図示する。 100%HC:LC−HAまたは100%HC:LC−FLAGの既知の比率が、所定の比率で混合される、ドーピング実験のプロットを描写する。抗タグ抗体の読み取りは、LC−FLAGまたはLC−HAの比率に対してプロットされる場合、およそ線形である。 同時発現におけるL1およびL2の相対量の関数としての、2つのFab種の相対量の理論的な依存性を示す。3つの異なる対合傾向の関係を示す。 同時発現におけるL1およびL2の相対量の関数としての、2つのFab種の相対量の理論的な依存性を示す。3つの異なる対合傾向の関係を示す。 5つの変異体が並行して実行され、最大5つの異なる二次抗体が使用され得る、LCCA内で典型的に使用されるSPRチップの概略表現を描写する。各細胞は、示されるように、2つの要素座標によって示される。 実用的LCCAライブラリの例示的な合理的設計を表す。まず、コンピュータ内で、設計(すなわち、設計1...設計N)の「LCCAライブラリ」を作成し(図8A)、ライブラリを、HCがLC2ではなくLC1と優先的に対合する(すなわち、HC−LC1>>HC−LC2)ように操作する。これらの設計を、その後インビトロで試験する。この目的のために、ライブラリ設計を、発現ベクターに個別にクローン化する(ステップ2を参照されたい、図8B)。 図8−1の続きの図である。次に、LCCA設計(例えば、HC、LC1、およびLC2...HC、LC1、およびLC2)を、哺乳類細胞(例えば、CHO、ステップ3を参照されたい、図8C)内で一時的に発現させる。遺伝子移入の7日後、CHO細胞上清を採取し、SPR読み取りを使用して、各LCCA設計のHC−LC1:HC−LC2群を定量化する(ステップ4、図8D)。その後、実用的設計を、設定基準(例えば、HC−LC1:HC−LC2>=75:25)に基づいて順位付けし、好結果の設計は、その後「実用的LCCAライブラリ」の一部となる。より大きいデータセットを扱う場合、任意のデータマイニングステップ(#5、図8E)が利用可能である。このステップ中、「HC−LC対合結果の大域分析」が行われる。このステップは、それがデータ内の非自明かつ非明白なパターン/傾向を認識することを潜在的に可能にするため、かなり有益であり得る。最後に、実用的LCCAライブラリをコンパイルする(図8F)。 HCが限定的である、例示的なLCCAの下絵描写を提供する。 LCが限定的である、例示的なHCCAの下絵描写を提供する。 完全長のHCポリペプチドが限定的である、例示的なLCCAの下絵描写を提供する。 完全長のHCポリペプチドが限定的である(HET_FC使用)、例示的なORCAの下絵描写を提供する。 軽鎖競合アッセイデータを表すためのグラフの一部を描写する。 17種の「Fab対設計」についてのLCCA Fab1(すなわち、HC1:LC1:LC2;x軸)およびFab2(すなわち、HC2:LC1:LC2;y軸)の結果を示す。両Fabアーム上で良好に稼動する(すなわち、高百分率の正確に対合したFabを示す)設計が、プロットの第1象限に見られ得る。あまり効果的に機能しない(例えば、1つのFabアームが良好に稼動していない)設計が、プロットの第3象限に示される。野生型形式におけるFab対設計の性能を、データ点の着色によって示す(凡例を参照されたい)。 LCCAの一実施形態(LCCA−1)において、本方法がどのように行われるのかの一例を描写する図を提供する。この図において、重鎖および軽鎖のうちのそれぞれは、固有にタグ付けされる(凡例を参照されたい)。 HCCAの一実施形態において、本方法がどのように行われるのかの一例を描写する図を提供する。この図において、重鎖のみが、固有にタグ付けされる(凡例を参照されたい)。 ORCAの一実施形態において、本方法がどのように行われるのかの一例を描写する図を提供する。この図において、軽鎖のみが、固有にタグ付けされる(凡例を参照されたい)。 LCCA−2の一実施形態において、本方法がどのように行われるのかの一例を描写する図を提供する。この図において、軽鎖のみが、固有にタグ付けされる(凡例を参照されたい)。
免疫グロブリン(IgG)重鎖または免疫グロブリン軽鎖が、特定のIgG軽鎖またはIgG重鎖とそれぞれ選択的に対合する能力を決定するための定量的方法が、本明細書で提供される。一実施形態において、本方法は、重鎖および固有軽鎖が同時発現する際、一特定のIgG重鎖が、2つの固有IgG軽鎖のうちのいずれか1つと選択的に対合するかどうかを決定するために使用される。アッセイは、同時発現するIgG重鎖および軽鎖が、「Fab」形式、または重鎖もまたFc領域を含む形式であり得るという点において、柔軟である。
本方法は、ハイスループットアッセイとして実行されることができ、IgG重鎖および軽鎖のアミノ酸配列における小さい変化の結果を測定するという点において、敏感である。本方法は、ほとんどの重鎖−軽鎖対合を大きく変更することなく定量化することができるという点において、汎用である。
一実施形態において、本方法は、特定の重鎖−軽鎖対合を駆動するために変更されている、合理的に設計されたIgGポリペプチドのライブラリをスクリーニングするために使用される。加えて、本方法が非野生型形式の、例えば、Fab形式のIgGポリペプチドを使用して行われる場合、選択的対合の定量化は、野生型形式のIgGポリペプチドの選択的対合を予測する。そのようなものとして、本方法は、二重特異性抗体の調製物において有用なFabモジュールを同定するために使用され得る。
更なる一実施形態において、それにより選択的対合を特に助長するIgG重鎖およびIgG軽鎖の組み合わせが発見される、より大きい一連の測定の分析の図示的方法が、本明細書で提供される。したがって、本分析方法は、アッセイデータのハイスループット生成から取得されたデータの効果的処理を可能にする。
本出願に従って、従来の分子生物学、微生物学、および組み換えDNA技術が、当該技術分野の範囲内で用いられ得る。そのような技術は、文献において十分に説明されている。例えば、そのそれぞれの全体が特に本明細書に参照によって組み込まれる、Sambrook et al,"Molecular Cloning:A Laboratory Manual"(1989);"Current Protocols in Molecular Biology"Volumes I−III[Ausubel,R.M.,ed.(1994)];"Cell Biology:A Laboratory Handbook"Volumes I−III[J.E.Celis,ed.(1994)];"Current Protocols in Immunology"Volumes I−III[Coligan,J.E.,ed.(1994)];"Oligonucleotide Synthesis"(M.J.Gait ed.1984);"Nucleic Acid Hybridization"[B.D.Hames&S.J.Higgins eds.(1985)];"Transcription And Translation"[B.D.Hames&S.J.Higgins,eds.(1984)];"Animal Cell Culture"[R.I.Freshney,ed.(1986)];"Immobilized Cells And Enzymes"[IRL Press,(1986)];B.Perbal,"A Practical Guide To Molecular Cloning"(1984)を参照されたい。
正確なアッセイスクリーニングの繰り返しを実行することができかつ抗体構築物を構築するために有用なFABモジュールを設計および同定するために非常に小さい容量で動作することができる、ハイスループットスクリーニング方法および装置が提供される。いくつかの実施形態において、構築される抗体構築物は二パラトープである。いくつかの抗体構築物は、二重特異性である。
抗体用語
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、天然にまたは部分的にもしくは完全に合成的に生成されるかに関わらず、免疫グロブリン(Ig)を指す。この用語はまた、抗原結合ドメインであるかまたはこれと相同である結合ドメインを有する、あらゆるポリペプチドまたはタンパク質を包含する。この用語は、「抗原結合断片」、および以下に記載されるような、同様の結合断片のための他の互換性のある用語を更に含む。相補性決定領域(CDR)移植抗体、および他のヒト化抗体(CDR変更および骨格領域変更を含む)もまた、この用語によって意図される。
天然抗体および天然免疫グロブリンは、通常、2つの同一の軽(L)鎖および2つの同一の重(H)鎖で構成される、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖に典型的に連結するが、ジスルフィド連結の数は、異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で変化する。各重鎖および軽鎖はまた、規則的間隔の鎖内ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、一端部に可変ドメイン(「VH」または「V」)を、続いて多数の定常ドメイン(「CH」または「C」)を有する。各軽鎖は、一端部に可変ドメイン(「VL」または「V」)、および他方の端部に定常ドメイン(「CL」または「C」)を有し、軽鎖の定常ドメインは重鎖の第1の定常ドメインと整列し、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインと整列する。特定のアミノ酸残基が、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインとの間に界面を形成することが、既知である。
「合成ポリヌクレオチド」、「合成遺伝子」、または「合成ポリペプチド」という用語は、本明細書で使用される場合、対応するポリヌクレオチド配列またはその部分、あるいはアミノ酸配列またはその部分を指し、等価の天然配列と比較して、設計されている、またはデノボ合成されている、または変更されている、配列に由来する。合成ポリヌクレオチド(抗体または抗原結合断片)または合成遺伝子は、核酸またはアミノ酸配列の化学合成を含むが、これに限定されない、当該技術分野において既知である方法によって調製され得る。合成遺伝子は、アミノ酸、またはポリヌクレオチドレベル(または両方)のいずれかで天然遺伝子と典型的に異なり、合成発現対照配列の文脈内で典型的に位置する。例えば、合成遺伝子配列は、例えば1つ以上のアミノ酸またはヌクレオチドの置換、欠失、または付加によって変更されているアミノ酸またはポリヌクレオチド配列を含むことができ、これにより、元の配列とは異なる抗体アミノ酸配列またはポリヌクレオチドコード配列を提供する。合成遺伝子ポリヌクレオチド配列は、天然遺伝子と比較して、必ずしも異なるアミノ酸を有するタンパク質をコードしなくてもよい。例えば、それらはまた、異なるコドン(しかしこれらは同一のアミノ酸をコードする(すなわち、ヌクレオチドの変化が、アミノ酸レベルでのサイレントな突然変異に相当する))を組み込んでいる、合成ポリヌクレオチド配列を包含し得る。
抗体に関して、「可変ドメイン」という用語は、各特定の抗体の、その特定の抗原のための結合および特異性において使用される抗体の可変ドメインを指す。しかしながら、可変性は、抗体の可変ドメインを通して均等に分布されていない。むしろ、それは、軽鎖および重鎖可変ドメインの両方の中の、超可変領域(別名CDR)と呼ばれる3つの部分内に集中する。可変ドメインのより高度に保存された部分は、「骨格領域」または「FR」と呼ばれる。未変更の重鎖および軽鎖の可変ドメインは、それぞれ4つのFR(FR1、FR2、FR3、およびFR4)を含有し、一般に、3つのCDRが散在するβシート構造をとっており、これらは、βシート構造の一部を接続するループを、およびいくつかの場合βシート構造を形成する。各鎖内のCDRは、FRによって共に近接して保持され、他の鎖からのCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に貢献する(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991),pages647−669を参照されたい)。
「超可変領域」および「CDR」という用語は、本明細書で使用される際、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基を指す。CDRは、相補的な方法で抗原に結合し、VHおよびVL鎖のそれぞれのCDR1、CDR2、およびCDR3として既知の、3つの配列領域からのアミノ酸残基を含む。Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)によると、軽鎖可変ドメインにおいて、CDRは、およそ残基24〜34(CDRL1)、50〜56(CDRL2)、および89〜97(CDRL3)に典型的に対応し、重鎖可変ドメインにおいて、CDRは、およそ残基31〜35(CDRH1)、50〜65(CDRH2)、および95〜102(CDRH3)に典型的に対応する。異なる抗体のCDRは、挿入を含有してもよく、したがって、アミノ酸番号付けが変化してもよいことが理解される。Kabat番号付けシステムは、そのような挿入を、異なる抗体間の番号付けにおけるあらゆる挿入を反映させるための、特定の残基に添付される文字(例えば、軽鎖内のCDRL1の27A、27B、27C、27D、27E、および27F)を利用する番号付けスキームで説明する。あるいは、Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.,196:901−917(1987)によると、軽鎖可変ドメインにおいて、CDRは、およそ残基26〜32(CDRL1)、50〜52(CDRL2)、および91〜96(CDRL3)に典型的に対応し、重鎖可変ドメインにおいて、CDRは、およそ残基26〜32(CDRH1)、53〜55(CDRH2)、および96〜101(CDRH3)に典型的に対応する。
本明細書で使用される場合、「骨格領域」または「FR」とは、抗原結合ポケットまたは溝の一部を形成する骨格アミノ酸残基を指す。いくつかの実施形態において、骨格残基は、抗原結合ポケットまたは溝の一部であるループを形成し、ループ内のアミノ酸残基は、抗原に接触しても、またはしなくてもよい。骨格領域は、CDR間領域を一般的に含む。Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)によると、軽鎖可変ドメインにおいて、FRは、およそ残基0〜23(FRL1)、35〜49(FRL2)、57〜88(FRL3)、および98〜109に典型的に対応し、重鎖可変ドメインにおいて、FRは、およそ残基0〜30(FRH1)、36〜49(FRH2)、66〜94(FRH3)、および103〜133に典型的に対応する。軽鎖のKabat番号付けと共に上記に説明されるように、重鎖も同様の方法で挿入を説明する(例えば、重鎖内のCDRH1の35A、35B)。あるいは、Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.,196:901−917(1987)によると、軽鎖可変ドメインにおいて、FRは、およそ残基0〜25(FRL1)、33〜49(FRL2)、53〜90(FRL3)、および97〜109(FRL4)に典型的に対応し、重鎖可変ドメインにおいて、FRは、およそ残基0〜25(FRH1)、33〜52(FRH2)、56〜95(FRH3)、および102〜113(FRH4)に典型的に対応する。
FRのループアミノ酸は、抗体重鎖および/または抗体軽鎖の三次元構造の検査によって評価され、決定され得る。三次元構造は、溶媒が接触可能なアミノ酸位置に関して分析され得る。なぜなら、そのような位置はループ形成しやすい、および/または抗体可変ドメインにおける抗原接触を提供しやすいからである。溶媒が接触可能な位置のうちのいくつかは、アミノ酸配列の多様性を許容することができ、他(例えば、構造的位置)は、一般的にあまり多様化しない。抗体可変ドメインの三次元構造は、結晶構造またはタンパク質モデリングに由来し得る。
抗体のFcドメインの定常ドメインは、抗体を抗原に結合することに直接的には関与せず、むしろ、例えば、Fc受容体(FcR)との相互作用を介した、抗体の抗体依存的細胞毒性への関与、などの様々なエフェクター機能を呈する。Fcドメインは、患者への投与に後続する循環における抗体の生物学的利用性を増加させ得る。
その重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラスに割り当てられ得る。5つの主要なクラスの免疫グロブリンであるIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMが存在し、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、およびIgAに更に分割され得る。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメイン(Fc)は、それぞれ、α、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造、および三次元構造が既知である。一実施形態において、本明細書に記載される抗体、または抗原結合断片は、例えば、亜型IgGまたはIgGなどのIgGアイソタイプである。重鎖は、本明細書で互換的に「IgG重鎖」、「IgG重鎖ポリペプチド」、または「重鎖ポリペプチド」と称される。重鎖はまた、本明細書で「HC」または「H」、例えば、HC1およびHC2、またはH1およびH2と略記される。
任意の脊椎動物種からの抗体の「軽鎖」(免疫グロブリン)は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(「κ」)およびラムダ(「λ」)と呼ばれる2つの明白に異なる型のうちの1つに割り当てられ得る。軽鎖は、本明細書で「IgG軽鎖」、「IgG軽鎖ポリペプチド」、または「軽鎖ポリペプチド」と互換的に称される。軽鎖はまた、本明細書で「LC」または「L」、例えば、LC1およびLC2、またはL1およびL2と略記される。
「抗体の抗原結合部分」、「抗原結合断片」、「抗原結合ドメイン」、「抗体断片」または「抗体の機能断片」という用語は、抗原に特異的に結合する能力を保持する、抗体の1つ以上の断片を指すために、本明細書で互換性に使用される。そのような用語内に含まれる抗体断片の非限定的な例は、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価の断片である、Fab断片と、(ii)ジスルフィド架橋によってヒンジ領域で連結した2つのFab断片を含有する二価の断片である、F(ab')断片と、(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片と、(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインを含有するFv断片と、(v)VHドメインを含有する、dAb断片(Ward et al.,(1989)Nature341:544 546)と、(vi)単離されたCDRと、を含むが、これに限定されない。単一重鎖および単一軽鎖を含む「2分の1」抗体がこの定義に更に含まれる。ダイアボディなどの単鎖抗体の他の形態もまた、本明細書で包含される。
「F(ab')」および「Fab'」部分は、ペプシンおよびパパインなどのタンパク質分解酵素でIgを処理することによって生成されることができ、2つの重鎖のそれぞれにおいてヒンジ領域間に存在するジスルフィド結合の近くの免疫グロブリンを消化することによって生じる抗体断片を含む。例えば、パパインは、2つの重鎖のそれぞれにおいてヒンジ領域間に存在するジスルフィド結合の上流のIgGを開裂して、VLおよびCLで構成される軽鎖(軽鎖定常領域)、ならびに重鎖の定常領域内のVHおよびCHγ1(γ1)領域で構成される重鎖断片が、ジスルフィド結合を通してそれらのC末端領域で接続される、2つの相同抗体断片を生じさせる。これらの2つの相同抗体断片のそれぞれは、Fab'と呼ばれる。ペプシンもまた、2つの重鎖のそれぞれにおいてヒンジ領域間に存在するジスルフィド結合の下流のIgGを開裂して、2つの上述のFab'がヒンジ領域で接続される断片よりもわずかに大きい抗体断片を生じさせる。この抗体断片は、F(ab')と呼ばれる。
Fab断片はまた、軽鎖の定常ドメイン、および重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)を含有する。Fab'断片は、抗体ヒンジ領域からの1つ以上のシステインを含む、重鎖CH1ドメインのカルボキシル末端におけるいくつかの残基の付加によってFab断片とは異なる。Fab'−SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を含有しているFab'のための、本明細書での表記である。F(ab')抗体断片は、本来は、それらの間にヒンジシステインを有するFab'断片の対として生成された。抗体断片の他の化学結合もまた、既知である。
「Fv」は、完全な抗原認識および抗原結合の部位を含有する抗体断片を指す。この領域は、緊密に非共有結合または共有結合する、1つの重鎖可変ドメインおよび1つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる(ジスルフィド連結されたFvは、当該技術分野において記載されている、Reiter et al.(1996)Nature Biotechnology14:1239−1245)。各可変ドメインの3つのCDRが相互作用して、VH−VL二量体の表面上の抗原結合部位を定義するのは、この構造においてである。集合的に、VHおよびVL鎖のそれぞれからの1つ以上のCDRの組み合わせは、抗原結合特異性を抗体に付与する。例えば、CDRH3およびCDRL3が、例えばレシピエント抗体またはその抗原結合断片のVHおよびVL鎖に移す場合、抗原結合特異性を抗体に付与するのに十分であり得ること、およびCDRのこの組み合わせが、本明細書に記載される技術のいずれかを使用して、結合、親和性などについて試験され得ることが、理解されるであろう。第2の可変ドメインと結合される際より低い親和性である可能性が高いものの、単一可変ドメイン(または、抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でさえも、抗原を認識し、結合する能力を有する。更に、Fv断片の2つのドメイン(VLおよびVH)は、別個の遺伝子によってコードされているが、それらは、それらが単一タンパク質鎖として製造されることを可能にする合成リンカーによる組み換え法を使用して結合され得、ここで、VLおよびVH領域が対合して一価の分子を形成する(単鎖Fv(scFv)として既知;Bird et al.(1988)Science242:423−426;Huston et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA85:5879−5883;およびOsbourn et al.(1998)Nat.Biotechnol.16:778)。そのようなscFvもまた、抗体の「抗原結合部分」という用語に含まれることが意図され、包含される。特定のscFvの任意のVHおよびVL配列は、完全なIg(例えば、IgG)分子、または他のアイソタイプをコードする発現ベクターを生じさせるために、Fc領域cDNA、またはゲノム配列に連結され得る。VHおよびVLはまた、タンパク質化学または組み換えDNA技術のいずれかを使用して、Fab、Fv、またはIgの他の断片の作製において使用され得る。
「単鎖Fv」または「scFv」抗体断片は、抗体のVHおよびVLドメインを含み、これらのドメインは、単一ポリペプチド鎖に存在する。いくつかの実施形態において、Fvポリペプチドは、VHおよびVLドメイン間にポリペプチドリンカーを更に含み、これは、scFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする。sFvの再考察については、例えば、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,Vol.113,Rosenburg and Moore eds.Springer−Verlag,New York,pp.269−315(1994)を参照されたい。
「AVIMER(商標)」という用語は、抗体および抗体断片には非関連でありかつAドメインと称される(クラスAモジュール、相補型リピート、またはLDL受容体クラスAドメインとも称される)いくつかの再利用可能なモジュラー結合ドメインで構成される、ヒト由来の治療用タンパク質のクラスを指す。それらは、インビトロでのエキソンシャッフリングおよびファージ提示によって、ヒト細胞外受容体ドメインから開発された(Silverman et al.,2005,Nat.Biotechnol.23:1493−1494;Silverman et al.,2006,Nat.Biotechnol.24:220)。得られるタンパク質は、単一エピトープ結合タンパク質と比較して、改良された親和性(いくつかの場合、ナノモル以下)および特異性を呈し得る、複数の独立した結合ドメインを含有し得る。例えば、これによりその全体が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2005/0221384号、同第2005/0164301号、同第2005/0053973号、および同第2005/0089932号、同第2005/0048512号、および同第2004/0175756号を参照されたい。
既知の217種のヒトAドメインのそれぞれは、約35アミノ酸(約4kDa)を含み、これらのドメインは、平均5アミノ酸長のリンカーによって隔てられている。天然Aドメインは、主にカルシウム結合およびジスルフィド形成によって媒介されて、均一で安定した構造に迅速かつ効率的に折り畳まれる。この共通構造のために必要なのは、わずか12アミノ酸の保存された骨格モチーフである。最終結果は、それぞれが別個の機能を表す複数のドメインを含有する、単一タンパク質鎖である。タンパク質の各ドメインは独立して結合し、各ドメインのエネルギー的な寄与は追加的である。これらのタンパク質は、結合活性のある多量体という「AVIMER(商標)」と呼ばれた。
「ダイアボディ」という用語は、2つの抗原結合部位を有する小さい抗体断片を指し、その断片が、同一のポリペプチド鎖(VH−VL)内の軽鎖可変ドメイン(VL)に接続された重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同一の鎖上の2つのドメイン間の対合を可能にするためには短すぎるリンカーを使用することで、ドメインは、別の鎖の相補的ドメインと対合し、2つの抗原結合部位を作成することを強制される。ダイアボディは、例えば、EP404,097;国際公開第93/11161号;およびHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:6444 6448(1993)においてより十分に記載される。
抗原結合ポリペプチドはまた、例えば、ラクダ科動物またはサメ由来の抗体などの重鎖二量体を含む。ラクダ科動物およびサメの抗体は、V様ドメインおよびC様ドメイン(どちらも軽鎖を有さない)の2つの鎖のホモ二量体対を含む。ラクダ科動物における重鎖二量体IgGのVH領域は、軽鎖と疎水性相互作用を行わなくてよいため、通常軽鎖に接触する重鎖内の領域は、ラクダ科動物において親水性アミノ酸残基に変更される。重鎖二量体IgGのVHドメインは、VHHドメインと呼ばれる。サメのIg−NARは、1つの可変ドメイン(V−NARドメインと称される)のホモ二量体、および5つのC様定常ドメイン(C−NARドメイン)を含む。ラクダ科動物において、抗体レパートリーの多様性は、VHまたはVHH領域内のCDR1、2、および3によって決定される。ラクダVHH領域内のCDR3は、平均すると16のアミノ酸になる、その比較的長い長さによって特徴付けられる(Muyldermans et al.,1994,Protein Engineering7(9):1129)。これは、多くの他の種の抗体のCDR3領域と対照的である。例えば、マウスVHのCDR3は、平均9のアミノ酸を有する。ラクダ科動物の可変領域のインビボ多様性を維持する、ラクダ科動物由来の抗体可変領域のライブラリは、例えば、米国特許出願番号第20050037421号に開示される方法によって製造され得る。
非ヒト(例えば、ネズミ)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒトIg由来の最小限の配列を含有するキメラ抗体を含む。大部分の場合、ヒト化抗体は、レシピエントの1つ以上のCDRが、所望の特異性、親和性、および結合機能を有する、マウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類などの非ヒト種抗体(ドナー抗体)からのCDRによって置換される、ヒトIg(レシピエント抗体)である。いくつかの例において、ヒトIgの1つ以上のFRアミノ酸残基は、対応する非ヒトアミノ酸残基によって置換される。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体内、またはドナー抗体内には見られない残基を含有し得る。これらの変更は、必要に応じて、抗体性能を改善するためになされ得る。ヒト化抗体は、超可変領域の全て、または実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのそれらに対応し、FRの全て、または実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のそれらである、少なくとも1つ、いくつかの場合2つの、可変ドメインのうちの実質的に全てを含み得る。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのそれの少なくとも一部を任意で含み得る。詳細については、Jones et al.,Nature321:522−525(1986);Reichmann et al.,Nature332:323−329(1988);およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593−596(1992)を参照されたい。
ヒト化抗体はまた、重鎖および軽鎖のCDRのうちの一部、または全てが非ヒトモノクローナル抗体に由来し、可変領域の実質的に全ての残り部分がヒト可変領域(重鎖および軽鎖両方)に由来し、定常領域がヒト定常領域に由来する、抗体を含む。一実施形態において、重鎖および軽鎖のCDR1、CDR2、およびCDR3領域は、非ヒト抗体に由来する。更に別の実施形態において、重鎖および軽鎖の少なくとも1つのCDR(例えば、CDR3)は、非ヒト抗体に由来する。CDR1、CDR2、およびCDR3の様々な組み合わせが、非ヒト抗体に由来することができ、本明細書で意図される。一非限定的な例において、重鎖および軽鎖のそれぞれのCDR1、CDR2、およびCDR3領域の1つ以上は、本明細書で提供される配列に由来する。
「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、実質的に均質な抗体の群から、すなわち、群を構成する個々の抗体が、少量存在し得る潜在的な天然の突然変異を除いて同一である群から取得される、抗体を指す。モノクローナル抗体は、単一の抗原部位に対して向けられ、高度に特異的である。更に、異なる決定基(エピトープ)に対して向けられ得る、異なる抗体を含み得る従来の(ポリクローナル)抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して向けられる。「モノクローナル」という修飾語は、抗体の実質的に均質な群から取得されるような抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の生成を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、モノクローナル抗体は、Kohler et al.,Nature256:495(1975)によって初めて記載された融合細胞腫法によって製造されてもよく、組み換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい)によって製造されてもよい。特定の実施形態において、モノクローナル抗体は、例えば、Clackson et al.,Nature352:624−628(1991)、およびMarks et al.,J.Mol.Biol.222:581−597(1991)に記載される技術を用いてファージ抗体ライブラリから単離され得る。
抗体は、飽和硫酸アンモニウム沈殿、ユーグロブリン沈殿法、カプロン酸法、カプリル酸法、イオン交換クロマトグラフィー(DEAEまたはDE52)、または以下により詳細に記載される抗IgカラムまたはプロテインA、G、またはLカラムを使用する親和性クロマトグラフィーによって上述の培養上清または腹水から単離され、精製され得る。
本明細書に記載される組成物および方法において使用する例示的な抗体は、例えばヒト化抗体もしくは抗原結合部位を含有するヒト化Ig分子の部分(すなわち、パラトープ)などの完全免疫グロブリン分子、または、単一重鎖および単一軽鎖、例えば、Fab、Fab'、F(ab)'、F(ab')、Fd、scFv、可変重ドメイン、可変軽ドメイン、可変NARドメイン、二重特異性scFv、二重特異性Fab2、三重特異性Fab、および、抗原結合断片も称される単鎖結合ポリペプチドなどの、当該技術分野において既知である部分である。免疫グロブリン分子またはその断片を構築する際、可変領域またはその部分は、1つ以上の定常領域またはその部分に融合、接続、または他の方法で結合されて、本明細書に記載される抗体またはその断片のいずれかを生成し得る。これは、分子クローン化技術、または分子をコードする核酸の直接合成を含むが、これに限定されない、当該技術分野において既知である様々な方法において達成され得る。これらの分子を構築する、例示的な非限定的な方法はまた、本明細書に記載される実施例にも見られる。
二重特異性または他の多重特異性抗体を製造する方法は、当該技術分野において既知であり、化学架橋、ロイシンジッパーの使用(Kostelny et al.,J.Immunol.148:1547−1553,1992)と、ディアボディ技術(Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:6444−48,1993)と、scFv二量体[Gruber et al.,J.Immunol.152:5368,1994]、線形抗体(Zapata et al.,Protein Eng.8:1057−62,1995)と、chelating recombinant antibodies(Neri et al.,J Mol Biol.246:367−73,1995)と、を含む。
「線形抗体」は、抗原結合領域の対を形成する直列Fd部分(VH−CH1−VH−CH1)の対を含む。線形抗体は、二重特異性または単一特異性であり得る(Zapata et al.Protein Eng.8:1057−62(1995))。
更に、本明細書に記載される抗体は、結合親和性、特異性、および/または血液中の増加した半減期を改良し得る、多価形態に折り畳めるように構築され得る。抗体の多価形態は、当該技術分野において既知である技術によって調製され得る。
二重特異性または多重特異性抗体は、架橋した、または「ヘテロ複合体」抗体を含む。例えば、ヘテロ複合体における抗体のうちの1つは、アビジンに結合することができ、他方はビオチンに結合することができる。ヘテロ複合体抗体は、任意の従来の架橋方法を使用して作製され得る。適切な架橋剤は、当該技術分野において既知であり、多数の架橋技術と共に米国特許出第4,676,980号に開示されている。別の方法が、ストレプトアビジンコード配列をscFvのC末端に付加することによって四量体を製造するために設計される。ストレプトアビジンは、4つのサブユニットで構成されるため、scFvストレプトアビジンが折り畳まれる際、4つのサブユニットが結合して、四量体を形成する(その開示の全体が、本明細書に参照によって組み込まれる、Kipriyanov et al.,Hum Antibodies Hybridomas,6(3):93−101(1995))。
本明細書で使用される場合、「マキシボディ」とは、免疫グロブリンのFc領域に共有結合的に添付された二価のscFvを指す。例えば、Fredericks et al.,Protein Engineering,Design&Selection,17:95−106(2004)およびPowers et al.,Journal of Immunological Methods,251:123−135(2001)を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「イントラボディ」とは、細胞内発現を示し、細胞内タンパク質機能を操作し得る、単鎖抗体を指す(Biocca,et al.,EMBO J.9:101−108,1990;Colby et al.,Proc Natl Acad Sci USA.101:17616−21,2004)。細胞内領域内で抗体構築物を保持する、細胞シグナル配列を含むイントラボディは、Mhashilkar et al.,(EMBO J14:1542−51,1995)およびWheeler et al.(FASEB J.17:1733−5.2003)に記載されるように生成され得る。トランスボディは、タンパク質形質導入ドメイン(PTD)が単鎖可変断片(scFv)抗体と融合される、細胞透過性抗体である、Heng et al.,(Med Hypotheses.64:1105−8,2005)。
標的タンパク質に特異的である、SMIPまたは結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質である抗体が本明細書で更に意図される。これらの構築物は、抗体エフェクター機能を行うために必要な、免疫グロブリンドメインに融合した抗原結合ドメインを含む単鎖ポリペプチドである。例えば、これにより参照によって組み込まれる、国際公開第03/041600号、米国特許公開第20030133939号、および米国特許公開第20030118592号を参照されたい。
抗体およびその抗原結合断片のヒト化は、当該技術分野において既知である、および本明細書に記載される様々な方法を介して達成され得る。同様に、ヒト化抗体の生成もまた、当該技術分野において既知である、および本明細書に記載される様々な方法を介して達成され得る。
例示的な一実施形態において、本出願は、本明細書に記載されるエピトープを結合し、任意に免疫グロブリンFc領域を有する、重鎖可変領域、および/または軽鎖可変領域を有する単鎖結合ポリペプチドを意図する。そのような分子は、免疫グロブリンFc領域の存在を通して、任意にエフェクター機能、または増加した半減期を有する単鎖可変断片(scFv)である。単鎖結合ポリペプチドを調製する方法は、当該技術分野において既知である(例えば、米国特許出願第2005/0238646号)。
抗体またはその抗原結合断片の結合親和性および/または結合活性は、骨格領域を変更することによって改良され得る。骨格領域の変更の方法は、当該技術分野において既知であり、本明細書で意図される。変更のための1つ以上の関連する骨格アミノ酸位置の選択は、様々な基準に依存する。変更のために関連する骨格アミノ酸を選択するための1つの基準は、供与分子と受容分子との間のアミノ酸骨格残基における相対差であり得る。この手法を使用した変更する関連する骨格位置の選択は、残基決定におけるあらゆる主観的な偏倚、および残基によるCDR結合親和性貢献におけるあらゆる偏倚を回避する利点を有する。
本明細書で使用される場合、「免疫反応性」とは、アミノ酸残基の配列に特異的な抗体またはその抗原結合断片(「結合部位」または「エピトープ」)を指す。「結合」という用語は、例えば、生理学的条件下での共有結合、静電気、疎水性、イオン性、および/または水素結合相互作用による、2つの分子間の直接結合を指し、塩架橋および水架橋ならびに任意の他の従来の結合手段などの相互作用を含む。「優先的に結合する」という用語は、結合剤が、それが非関連アミノ酸配列に結合するよりも大きい親和性で、結合部位に結合することを意味する。好適には、そのような親和性は、非関連アミノ酸配列に対する結合剤の親和性よりも、少なくとも1倍高い、少なくとも2倍高い、少なくとも3倍高い、少なくとも4倍高い、少なくとも5倍高い、少なくとも6倍高い、少なくとも7倍高い、少なくとも8倍高い、少なくとも9倍高い、10倍高い、少なくとも20倍高い、少なくとも30倍高い、少なくとも40倍高い、少なくとも50倍高い、少なくとも60倍高い、少なくとも70倍高い、少なくとも80倍高い、少なくとも90倍高い、少なくとも100倍高い、または少なくとも1000倍高い。「免疫反応性」および「優先的に結合する」という用語は、本明細書で互換的に使用される。
本明細書で使用される場合、「親和性」という用語は、2つの剤の可逆的結合のための平衡定常を指し、Kdと表される。一実施形態において、抗体、またはその抗原結合断片は、1×10−6M以下の範囲内の、または10−16M以下(例えば、約10−7、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12、10−13、10−14、10−15、10−16M以下)まで下がる範囲の、標的抗原のK(平衡解離定常)によって測定される結合親和性などの所望の特性を呈する。平衡解離定常は、溶液平衡アッセイにおいて、BIAcoreおよび/またはKinExAを使用して決定され得る。本明細書で使用される場合、「結合活性」という用語は、2つ以上の剤の複合体の、希釈後の解離に対する抵抗性を指す。見かけの親和性は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)または当業者に知られる任意の他の技術などの方法によって決定され得る。結合活性は、スッキャッチャード分析または当業者に知られる任意の他の技術などの方法によって決定され得る。
抗体の増加した親和性が所望である場合、転換された抗体のCDR内の残基が、従来既知の方法を使用して他のアミノ酸と更に置換され得る。典型的には、CDR内の4つ以下のアミノ酸残基が変更され、最も典型的には、最大10の残基が変更され得る重鎖CDR2以外を除いて、CDR内の2つ以下の残基が変更されるであろう。親和性における変化は、本明細書に記載されるものなどの従来の方法によって測定され得る(例えば、BIAcore)。変更された抗体の活性は、特定の標的抗原に基づく従来のアッセイを使用して決定され得る。
「エピトープ」は、抗体のポケットを結合する可変領域と結合相互作用を形成することができる、抗原または他の高分子のその部分を指す。そのような結合相互作用は、1つ以上のCDRの1つ以上のアミノ酸残基との分子間接触として現れ得る。抗原結合は、例えば、CDR3またはCDR3対、または、いくつかの場合、VHおよびVL鎖の最大全ての6つのCDRの相互作用に関与し得る。エピトープは、線形ペプチド配列(すなわち、「連続的」)であってもよく、または、非連続的アミノ酸配列(すなわち、「立体配座」または「非連続的」)で構成されてもよい。抗体は、1つ以上のアミノ酸配列を認識することができ、したがって、エピトープは2つ以上の異なるアミノ酸配列を定義することができる。抗体によって認識されるエピトープは、当業者に既知であるペプチドマッピングおよび配列分析技術によって決定され得る。結合相互作用は、CDRの1つ以上のアミノ酸残基との分子間接触として現れる。
「特異的」という用語は、抗体が、抗体によって認識されるエピトープを含有する抗原以外の、分子へのいかなる有意な結合をも示さない状況を指す。この用語はまた、例えば、抗原結合ドメインを含有している抗体またはその抗原結合断片が、エピトープを含有している様々な抗原に結合することができる、抗原結合ドメインが多数の抗原によって行われる特定のエピトープに特異的である場合、適用可能である。「優先的に結合する」または「特異的に結合する」という用語は、抗体またはその断片が、それが非関連アミノ酸配列に結合するよりも大きな親和性でエピトープに結合すること、および、該エピトープを含有する他のポリペプチドに対して交差反応性である場合、ヒトへの投与用途のために製剤化されるレベルでは非毒性であることを意味する。一態様において、そのような親和性は、抗体またはその断片の非関連アミノ酸配列についての親和性より少なくとも1倍高い、少なくとも2倍高い、少なくとも3倍高い、少なくとも4倍高い、少なくとも5倍高い、少なくとも6倍高い、少なくとも7倍高い、少なくとも8倍高い、少なくとも9倍高い、10倍高い、少なくとも20倍高い、少なくとも30倍高い、少なくとも40倍高い、少なくとも50倍高い、少なくとも60倍高い、少なくとも70倍高い、少なくとも80倍高い、少なくとも90倍高い、少なくとも100倍高い、または少なくとも1000倍高い。「免疫反応性」、「結合する」、「優先的に結合する」、および「特異的に結合する」は、本明細書で互換的に使用される。「結合」という用語は、例えば、生理学的条件下での共有結合、静電気、疎水性、イオン性、および/または水素結合相互作用による、2つの分子間の直接結合を指し、塩架橋および水架橋などの相互作用ならびに従来の結合手段を含む。
「重鎖ポリペプチドの、軽鎖ポリペプチドに対する選択性」という用語は、本明細書で使用される場合、重鎖ポリペプチドおよび2つの軽鎖ポリペプチドが同時発現し、重鎖が限定的である際の、重鎖ポリペプチドの2つの軽鎖ポリペプチドのうちの1つとの優先的対合を指す。本明細書に記載される方法の文脈において、重鎖ポリペプチドの、1つの軽鎖ポリペプチドに対する、もう一方を上回る選択性は、重鎖ポリペプチドおよび2つの軽鎖ポリペプチドが同時発現する場合、その軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの得られる量が、他の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの得られる量より多い際に、示される。一例において、軽鎖は等しく発現する。
同様に、「軽鎖ポリペプチドの、重鎖ポリペプチドに対する選択性」という用語は、本明細書で使用される場合、軽鎖ポリペプチドおよび2つの重鎖ポリペプチドが同時発現し、軽鎖が限定的である際の、軽鎖ポリペプチドの2つの重鎖ポリペプチドのうちの1つとの優先的対合を指す。本明細書に記載される方法の文脈において、軽鎖ポリペプチドの、1つの重鎖ポリペプチドに対する、もう一方を上回る選択性は、軽鎖ポリペプチドおよび2つの重鎖ポリペプチドが同時発現する場合、その重鎖ポリペプチドと対合した軽鎖ポリペプチドの得られる量が、他の重鎖ポリペプチドと対合した軽鎖ポリペプチドの得られる量より多い際に、示される。一例において、重鎖は等しく発現する。抗体は、例えば、その全体が本明細書に参照によって組み込まれる、Current Protocols in Molecular Biology(1999)John Wiley&Sons,NYに記載される、ゲルシフトアッセイ、ウェスタンブロット、放射線標識競合アッセイ、クロマトグラフィーによる共分画、共沈、架橋、ELISA、および同様物を含むが、これに限定されない、当該技術分野において既知である方法によって結合親和性についてスクリーニングされ得る。
標的抗原上の所望のエピトープに結合する抗体は、Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Ed Harlow and David Lane(1988)に記載されるような定期クロスブロッキングアッセイにおいてスクリーニングされることができ、実行されることができる。未知の抗体が、標的の、本発明の標的特異性抗体に対する結合を阻害するその能力によって特徴付けられる、定期競合結合アッセイもまた使用され得る。完全抗原、細胞外ドメインなどのその断片、または線形エピトープが使用され得る。エピトープマッピングは、Champe et al.,J.Biol.Chem.270:1388−1394(1995)に記載される。
抗体は、例えば、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、またはヒト化抗体であり得る。
一態様において、抗体またはその抗原結合断片が、本明細書で提供され、重鎖可変領域骨格領域および軽鎖可変領域骨格領域を含む。抗体またはその抗原結合断片は、CH2、CH2および/またはCH3領域のうちの1つ以上を更に含み得る。一実施形態において、重鎖ポリペプチドはVH領域およびCH1領域を含み、任意で、重鎖ポリペプチドはCH2領域を更に含んでもよい。任意で、重鎖ポリペプチドは、CH2領域およびCH3領域を更に含んでもよい。一実施形態において、VL領域およびCL領域を含む軽鎖ポリペプチド。
抗原結合断片は、例えば、Fab断片、Fab'断片、F(ab')断片、Fv断片、scFv断片、単鎖結合ポリペプチド、Fd断片、可変重鎖、可変軽鎖、またはdAb断片であり得る。抗原結合断片は、例えば、AVIMER、ダイアボディ、または重鎖二量体であり得る。重鎖二量体は、例えば、ラクダ科動物、またはサメ重鎖構築物であり得る。
本明細書に記載される、抗体またはその抗原結合断片をコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子もまた本明細書で提供される。制御対照配列に操作可能に連結された、核酸分子を含む発現ベクターもまた本明細書で提供される。本明細書で提供されるベクターまたは核酸分子を含む、宿主細胞もまた本明細書で提供される。核酸が発現して抗体を生成するような適切な条件下で、宿主細胞を培養することを含む、抗体を生成するために宿主細胞を使用する方法もまた本明細書で提供される。
重鎖ポリペプチドの、軽鎖ポリペプチドに対する選択性の定量化:
操作上、本明細書で使用される場合、HTSとは、自動化、例えば、高密度アレイ、液体取り扱い装置、検出器、および高データパケット処理を利用して、多数の化合物の生物学的または生化学的活性を迅速にアッセイする方法を指す。
表面プラズモン共鳴(SPR)およびELISAは、上記の要素が適用されるかどうかに応じて、高処理量または低処理量となり得る。評価されるパラメータもまた、考慮される。他のハイスループットアッセイ型は、本明細書の他の場所に記載され、本明細書に記載される方法で使用され得る。
一実施形態において、重鎖ポリペプチドの、少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドとの対合についての選択性を定量化するハイスループット法が提供され、本方法は、VHおよびCH1領域を含む第1の重鎖ポリペプチド、第1のVL領域および第1のCL領域を含む第1の軽鎖ポリペプチド、および第2のVL領域および第2のCL領域を含む第2の軽鎖ポリペプチドの一連の構築物を、インビトロまたは宿主細胞内で同時発現させるステップであって、該重鎖ポリペプチドおよび該軽鎖ポリペプチドが、重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を、一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、重鎖対合ポリペプチド構築物において、該第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および該第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を定量化するステップと、を含み、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を示す。
実施形態において、重鎖ポリペプチドの総量は限定的である。したがって、過剰な量の軽鎖ポリペプチドの存在下で、構築物はそれなくして形成され得ないため、形成される重鎖−軽鎖構築物の量は、重鎖ポリペプチドの量によって限定される。いくつかの実施形態において、重鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドは、約0.25:1:1の所定の比率で発現する。
いくつかの実施形態において、重鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドは、約0.5:1:1の所定の比率で発現する。一実施形態において、重鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドは、約1:2:2の所定の比率で発現する。更なる実施形態において、重鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドは、約1:3:3の所定の比率で発現する。
実施形態において、軽鎖ポリペプチドの総量は限定的である。したがって、過剰な量の重鎖ポリペプチドの存在下で、構築物はそれなくして形成され得ないため、形成される軽鎖−重鎖構築物の量は、軽鎖ポリペプチドの量によって限定される。いくつかの実施形態において、軽鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の重鎖ポリペプチドは、約0.25:1:1の所定の比率で発現する。
他の実施形態において、軽鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の重鎖ポリペプチドは、約0.5:1:1の所定の比率で発現する。選択された実施形態において、軽鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の重鎖ポリペプチドは、約1:2:2の所定の比率で発現する。いくつかの実施形態において、軽鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の重鎖ポリペプチドは、約1:3:3の所定の比率で発現する。
特定の実施形態において、定量化は、重鎖ポリペプチドの各軽鎖ポリペプチドとの相互作用のための対照標準の決定を更に含む。特定の実施形態において、対照標準の定量化は、該重鎖ポリペプチドならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドのうちの1つを、インビトロまたは宿主細胞内で、他の軽鎖ポリペプチドの不在下で同時発現させるステップと、重鎖ポリペプチドおよび該軽鎖ポリペプチドを含む構築物を単離するステップと、該構築物の量を定量的に検出するステップであって、該量が、該重鎖ポリペプチドの該軽鎖ポリペプチドとの最大の検出可能な結合のための対照標準としての役割を果たすステップ、を含む。
重鎖ポリペプチドおよび少なくとも2つの固有軽鎖ポリペプチドが同時発現する際の、個別のIgG重鎖ポリペプチドの、特定のIgG軽鎖ポリペプチドとの選択的対合を定量的に決定する方法が、本明細書で提供される。本方法は、同時発現したタンパク質の混合物内での、重鎖の特定の軽鎖との対合についての、定量的な分析を可能にする。一実施形態において、本方法は、重鎖および軽鎖が同時発現する場合、1つの特定のIgG重鎖が、2つのIgG軽鎖のうちのいずれか1つと結合するかどうかを決定するために使用され得る。別の実施形態において、本方法は、重鎖および軽鎖が同時発現する場合、2つの異なる重鎖のうちのそれぞれが、2つの軽鎖のうちの1つと選択的に対合するかどうかを決定するために使用され得る。
少なくとも1つの重鎖および2つの異なる軽鎖を、細胞内で、重鎖が限定的な対合反応体となるような比率で同時発現させるステップと、分泌されたタンパク質を、細胞から任意で分離するステップと、重鎖に結合する軽鎖ポリペプチドを残りの分泌されたタンパク質から分離して、単離された重鎖対合画分を生成するステップと、単離された重鎖画分内の各異なる軽鎖の量を検出するステップと、単離された重鎖画分内の各異なる軽鎖の相対量を分析して、少なくとも1つの重鎖の、軽鎖のうちの1つと選択的に対合する能力を決定するステップと、を含む方法が、特定の実施形態である。
重鎖ポリペプチドの、少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドとの対合についての選択性を決定するハイスループット法が提供され、本方法は、免疫グロブリン重鎖領域を含む重鎖ポリペプチド、第1の免疫グロブリン軽鎖領域を含む第1の軽鎖ポリペプチド、および第2の免疫グロブリン軽鎖領域を含む少なくとも1つの第2の軽鎖ポリペプチドを取得するステップと、溶液中で、該重鎖ポリペプチドおよび該軽鎖ポリペプチドを、重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように、所定の比率で接触させるステップと、第1または第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を、一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、該第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および該第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を定量化するステップと、を含み、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した重鎖ポリペプチドの、他の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、該第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を示す。
本明細書で提供される方法およびアッセイの特定の実施形態において、重鎖ポリペプチドは、CH3領域を更に含む。いくつかの実施形態において、重鎖ポリペプチドはまた、CH2領域またはその断片を含む。いくつかの実施形態において、CH2およびCH3領域のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのアミノ酸突然変異を含む。特定の実施形態において、CH3領域は、CH3領域が、CH3領域を含む別の重鎖ポリペプチドとヘテロ二量体を優先的に形成するような、少なくとも1つのアミノ酸突然変異を含む。
本明細書で提供される方法およびアッセイの特定の実施形態は、CH3領域を含む第2の重鎖ポリペプチドの同時発現を更に含む。いくつかの実施形態において、第2の重鎖ポリペプチドはまた、CH2領域またはその断片を含む。いくつかの実施形態において、該CH2およびCH3領域のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのアミノ酸突然変異を含む。特定の実施形態において、CH3領域は、CH3領域が、CH3領域を含む第1の重鎖ポリペプチドとヘテロ二量体を優先的に形成するような、少なくとも1つのアミノ酸突然変異を含む。少なくとも1つのアミノ酸突然変異を含む適切なCH3ドメインが、当該技術分野において既知であり、例えば、国際特許公開第2012/058768号、および米国特許第5,821,333号、および同第7,695,936号に記載されるものを含む。第1の重鎖の第2の重鎖との優先的な形成を促進する、CH3領域内の追加的なアミノ酸突然変異は、国際特許公開第96/027011号(knobs into holes)に、Gunasekaran et al.((2010)J Biol Chem.285,19637−46,electrostatic design to achieve selective heterodimerization)に、Davis et al.((2010)Prot Eng Des Sel;23(4):195−202,strand exchange engineered domain(SEED)technology)に、およびMoore et al.,(2011)Mabs3:6,546−557に記載される。
Fab含有構築物の選択的形成のアッセイ
競合する重鎖または軽鎖ポリペプチドまたはこれらの組み合わせの存在下での、Fab含有構築物の選択的形成を決定するためのアッセイおよび方法が提供され、本方法は、VHおよびCH1領域を含む第1の重鎖ポリペプチド、第1のVLおよび第1のCL領域を含む第1の軽鎖ポリペプチド、ならびに1つ以上の他の重鎖ポリペプチド、軽鎖ポリペプチド、またはこれらの組み合わせの一連の構築物を、インビトロまたは宿主細胞内で同時発現させるステップであって、該第1の軽鎖ポリペプチドが該重鎖ポリペプチドと選択的に結合して、所望のFab構築物を形成する、ステップと、該第1の重鎖ポリペプチドまたは第1の軽鎖ポリペプチドを含む各Fab構築物を単離するステップと、所望のFab構築物の量を、他のFab構築物と比較して検出するステップであって、所望のFab構築物のより多い量が、該Fab構築物のより高い選択性を示す、ステップと、を含む。特定の実施形態において、本方法は、合理的に設計されたFab構築物の、他の重鎖または軽鎖ポリペプチドの存在下での自己結合を試験するのに有用である。
ポリペプチドの変更
特定の実施形態において、本明細書に記載される方法、アッセイ、およびシステムは、検出可能な部分(標識)を含むタグの付加によって変更されている重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドを使用する。本明細書に記載される方法は、タンパク質ドメインおよびタグが非特異的な方法で相互作用しない限り、標準的な抗体Fabの軽鎖および重鎖の対に高度に移転可能である。したがって、本明細書で提供される方法は、それが、重鎖または軽鎖の機能または安定性と干渉せずにタグ付けされ得るという条件で、あらゆる重鎖または軽鎖と共に使用され得る。言い換えると、タグの付加は、重鎖が軽鎖と結合する能力と干渉するべきではなく、例えば、細胞内でのその発現、またはそこからの分泌に影響を与えるべきでもない。同様に、タグの付加は、軽鎖が重鎖と結合する能力と干渉するべきではなく、細胞内でのその発現、またはそこからの分泌に影響を与えるべきでもない。
一実施形態において、同時発現した重鎖および軽鎖ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、タンパク質の混合物内の重鎖または軽鎖検出および/または精製を可能にするタグの付加によって変更される。いくつかの実施形態において、同時発現した重鎖および軽鎖ポリペプチドのうちのそれぞれは、他の同時発現した重鎖および軽鎖のそれとは異なるタグを含む。各軽鎖がその検出を可能にする検出部分を含むタグを含みながら、重鎖および重鎖に結合するポリペプチドが、ポリペプチドの混合物から精製されることを可能にするタグを含むIgG重鎖ポリペプチドが、一実施形態である。
タグおよび/または検出部分は、タグおよび/または検出部分が検出されることができ、タグおよび/または検出部分の位置が、重鎖または軽鎖の機能および/または安定性を干渉しないという条件で、アミノまたはカルボキシ末端部に付加され得る。例えば、重鎖はアミノ末端でタグ付けされることができ、軽鎖はカルボキシ末端でタグ付けされることができ、またはその逆でもよい。タグは、試験される1つの重鎖および2つの異なる軽鎖の固有マーカとして機能する。タグは、1つの重鎖および2つの異なる軽鎖上の1つが全て固有である限り、互換的に用いられ得る。重鎖および軽鎖の適切なタグの例は、6×His、FLAG、HA、c−myc、sFLAG、V5、SBP(ストレプトアビジン結合ペプチド)を含むが、これに限定されない。
重鎖と軽鎖との間のサイズにおける差が重鎖と軽鎖との間の区別のために重要である、特定の実施形態において、例えば、重鎖の断片が軽鎖と同時発現する実施形態において、鎖のうちの1つはそのサイズを増加させるタグで変更され得る。例示的な一実施形態において、適切なタグはアルブミン結合ドメインである。いくつかの実施形態において、重鎖またはその部分は、そのサイズを増加させるタグの付加によって変更される。
重鎖および軽鎖ポリペプチドの発現
本明細書に記載されるポリペプチドは、既知の方法に従って容易に調製され得る。例えば、組み換えDNA技術を使用して、重鎖ポリペプチドおよび/または軽鎖ポリペプチドをタグ付けする方法が既知である。加えて、抗体ポリペプチドを宿主細胞内で発現させる、および同時発現させる方法もまた既知である。重鎖および軽鎖ポリペプチドの発現に適切な発現ベクターおよび宿主細胞が、本明細書で提供される。
重鎖および軽鎖ポリペプチド組み換え発現は、本明細書に記載される重鎖または軽鎖ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する、発現ベクターの構築を必要とする。重鎖または軽鎖をコードするポリヌクレオチドが取得されると、重鎖または軽鎖ポリペプチドの生成物のためのベクターが、組み換えDNA技術によって生成され得る。したがって、重鎖または軽鎖ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチドを発現させることによってタンパク質を調製する方法が、本明細書に記載される。当業者に既知である方法が、重鎖または軽鎖ポリペプチドをコードする配列ならびに適切な転写および翻訳制御シグナルを含有する発現ベクターを構築するために、使用され得る。これらの方法は、例えば、インビトロ組み換えDNA技術、合成技術、およびインビボ遺伝子組み換えを含む。促進因子に操作可能に連結された、重鎖または軽鎖ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む複製可能なベクターが、本明細書で提供される。
発現ベクターは従来の技術によって宿主細胞に転移され、その後遺伝子移入された細胞は従来の技術によって培養されて、本発明の方法において使用される重鎖または軽鎖ポリペプチドを生成する。特定の実施形態において、本方法において使用される重鎖および軽鎖ポリペプチドは、以下に詳述されるように、宿主細胞内で同時発現する。
様々な宿主−発現ベクター系が、本明細書で提供される重鎖および軽鎖ポリペプチドを発現させるために利用され得る。そのような宿主−発現系は、それにより関心対象のコード配列が生成され、続いて精製され得るビヒクルを意味するが、適切なヌクレオチドコード配列で変換または遺伝子移入されると、変更された重鎖および軽鎖をインサイチューで発現させ得る、細胞もまた意味する。これらは、例えば、変更された重鎖および軽鎖コード配列を含有する、組み換え細菌性ファージDNA、プラスミドDNA、またはコスミドDNA発現ベクターで変換された、大腸菌、枯草菌などであるが、これに制限されない細菌などの微生物と、例えば、重鎖および軽鎖ポリペプチドコード配列を含有する、組み換え酵母発現ベクターで変換されたサッカロミセス・ピキア(Saccharomyces Pichia)などであるが、これに制限されない酵母と、例えば、重鎖および軽鎖ポリペプチドコード配列を含有する、バキュロウイルスなどであるが、これに制限されない組み換えウイルス発現ベクターに感染した昆虫細胞系と、例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV、タバコモザイクウイルス、TMV、または重鎖および軽鎖ポリペプチドコード配列を含有する組み換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で変換されたものなどであるが、これに制限されない組み換えウイルス発現ベクターに感染した植物細胞系と、哺乳類細胞のゲノム(例えば、メタロチオネイン促進因子)、または哺乳類ウイルス(例えば、アデノウイルス後期促進因子、ワクシニアウイルス7.5K促進因子)に由来する促進因子を含有する、組み換え発現構築物を匿う、例えば、COS、CHO、BHK、HEK−293、NSO、3T3細胞、ならびにその組み合わせおよび変異体などの哺乳類細胞系と、を含むが、これに限定されない。特定の実施形態において、大腸菌または真核細胞などの細菌細胞が、重鎖および軽鎖ポリペプチドの同時発現のために使用される。いくつかの実施形態において、ヒトサイトメガロウイルスからの主要中間初期遺伝子促進因子要素などのベクターと併用される、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)などの哺乳類細胞は、本明細書に記載される軽鎖および重鎖ポリペプチドの同時発現にとって効果的な発現系である(Foecking et al.,1986,Gene45:101、およびCockett et al.,1990,Bio/Technology8:2)。特定の一実施形態において、重鎖および軽鎖ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の発現は、構成促進因子、誘発性促進因子、または組織特異性促進因子によって制御される。
哺乳類宿主細胞において、多数のウイルスに基づいた発現系が利用され得る。アデノウイルスが発現ベクターとして使用される場合、関心対象の重鎖および軽鎖ポリペプチドコード配列は、アデノウイルス転写/翻訳制御複合体、例えば、後期促進因子および3部分リーダー配列に結合され得る。その後このキメラ遺伝子は、アデノウイルスゲノム内に、インビトロまたはインビボ組み換えによって挿入され得る。ウイルスゲノムの非必須領域(例えば、領域E1またはE3)内の挿入は、成長可能で、重鎖および軽鎖ポリペプチドを感染宿主内で発現させることができる組み換えウイルスをもたらすであろう(例えば、Logan&Shenk,1984,Proc.Natl.Acad.Sci.USA81:355−359を参照されたい)。特定の開始シグナルは、挿入された抗体コード配列の効率的な翻訳のためにもまた必要であり得る。これらのシグナルには、ATG開始コドンおよび隣接配列が含まれる。更に、開始コドンは、挿入物全体の翻訳を確実にするため、所望のコード配列の読み枠と位相があっていなければならない。これらの外因性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然および合成の両方の、様々な由来のものであり得る。発現の効率は、適切な転写促進剤要素、転写停止剤、などの封入によって促進され得る(例えば、Bittner et al.,1987,Methods in Enzymol.153:516−544を参照されたい)。
本明細書に記載される重鎖および軽鎖ポリペプチドの発現は、当該技術分野において既知である任意の促進因子または促進剤要素によって制御され得る。重鎖および軽鎖ポリペプチドをコードする遺伝子の発現を制御するために使用され得る促進因子は、SV40初期促進因子領域(Bernoist and Chambon,1981,Nature290:304−310)、ラウス肉腫ウイルスの3'長末端リピートに含有される促進因子(Yamamoto,et al.,1980,Cell22:787−797)と、ヘルペスチミジンキナーゼ促進因子(Wagner et al.,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78.1441−1445)と、メタロチオネイン遺伝子の制御配列(Brinster et al.,1982,Nature296:39−42)と、テトラサイクリン(Tet)促進因子(Gossen et al.,1995,Proc.Nat.Acad.Sci.USA89:5547−5551)と、βラクタマーゼ促進因子(Villa−Kamaroff et al,1978,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.75:3727−3731)、またはtac促進因子(DeBoer et al.,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.80:21−25、"Useful proteins from recombinant bacteria"in Scientific American,1980,242:74−94をもまた参照されたい)などの原核発現ベクターと、ノパリン合成酵素促進因子領域(Herrera−Estrella et al.,Nature303:209−213)、またはカリフラワーモザイクウイルス35S RNA促進因子(Gardner et al.,1981,Nucl.Acids Res.9:2871)、および光合成酵素リブロース二リン酸カルボキシラーゼの促進因子(Herrera−Estrella et al.,1984,Nature310:115−120)を含む植物発現ベクターと、酵母、またはGal4促進因子、ADC(アルコール脱水素酵素)促進因子、PGK(ホスホグリセロールキナーゼ)促進因子、アルカリホスファターゼ促進因子などの他の菌類、および組織特異性を呈し、遺伝子導入動物に利用されている、後続する動物転写制御領域、すなわち膵腺房細胞内で活性であるエラスターゼI遺伝子制御領域からの促進因子要素(Swift et al.,1984,Cell38:639−646;Ornitz et al.,1986,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.50:399−409;MacDonald,1987,Hepatology7:425−515)と、膵ベータ細胞内で活性であるインスリン遺伝子制御領域(Hanahan,1985,Nature315:115−122)、リンパ系細胞内で活性である免疫グロブリン遺伝子制御領域(Grosschedl et al.,1984,Cell38:647−658;Adames et al.,1985,Nature318:533−538;Alexander et al.,1987,Mol.Cell.Biol.7:1436−1444)、精巣、乳腺、リンパ系、および肥満細胞内で活性であるマウス乳腺腫瘍ウイルス制御領域(Leder et al.,1986,Cell45:485−495)、肝臓内で活性であるアルブミン遺伝子制御領域(Pinkert et al.,1987,Genes and Devel.1:268−276)、肝臓内で活性であるアルファ胎児性タンパク質遺伝子制御領域(Krumlauf et al.,1985,Mol.Cell.Biol.5:1639−1648;Hammer et al.,1987,Science235:53−58と、肝臓内で活性であるアルファ1抗トリプシン遺伝子制御領域(Kelsey et al.,1987,Genes and Devel.1:161−171)、骨髄細胞内で活性であるベータグロビン遺伝子制御領域(Mogram et al.,1985,Nature315:338−340;Kollias et al.,1986,Cell46:89−94と、脳内の乏突起神経膠細胞内で活性であるミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域(Readhead et al.,1987,Cell48:703−712)と、骨格筋内で活性であるミオシン軽鎖2遺伝子制御領域(Sani,1985,Nature314:283−286)と、神経細胞内で活性である神経特異性エノラーゼ(NSE)(Morelli et al.,1999,Gen.Virol.80:571−83)と、神経細胞内で活性である脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子制御領域(Tabuchi et al.,1998,Biochem.Biophysic.Res.Com.253:818−823)と、星状細胞内で活性であるグリア細胞繊維性酸性タンパク質(GFAP)促進因子(Gomes et al.,1999,Braz J Med Biol Res32(5):619−631;Morelli et al.,1999,Gen.Virol.80:571−83)、および視床下部内で活性である性腺刺激放出ホルモン遺伝子制御領域(Mason et al.,1986,Science234:1372−1378)を含むが、これに限定されない。
加えて、宿主細胞株は、挿入配列の発現を調節する、または所望の特定の様式で遺伝子生成物を変更し、処理するように選択され得る。特定の促進因子による発現は、特定の誘発因子の存在により高められることができ、したがって遺伝子操作融合タンパク質の発現が制御され得る。更に、異なる宿主細胞は、翻訳および後翻訳処理および変更のための特性および特定の機構を有する(例えば、タンパク質のグリコシル化、リン酸化)。適切な細胞系統または宿主系は、発現された外来性タンパク質の所望の変更および処理を確実にするために選択され得る。例えば、細菌系における発現は、非グリコシル化生成物を産生し、酵母における発現は、グリコシル化生成物を産生する。遺伝子生成物の一次転写物(例えば、グリコシル化およびリン酸化)の適切な処理のための細胞機構を有する、真核宿主細胞が使用され得る。そのような哺乳類宿主細胞は、CHO、VERY、BHK、Hela、COS、MDCK、HEK−293、3T3、WI38、NSO、および特に、例えば、SK−N−AS、SK−N−FI、SK−N−DZヒト神経芽腫(Sugimoto et al.,1984,J.Natl.Cancer Inst.73:51−57)、SK−N−SHヒト神経芽腫(Biochim.Biophys.Acta,1982,704:450−460)、Daoyヒト小脳髄芽腫(He et al.,1992,Cancer Res.52:1144−1148)、DBTRG−05MG神経膠芽腫細胞(Kruse et al.,1992,In Vitro Cell.Dev.Biol.28A:609−614)、IMR−32ヒト神経芽腫(Cancer Res.,1970,30:2110−2118)、1321N1ヒト星状細胞腫(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1977,74:4816)、MOG−G−CCMヒト星状細胞腫(Br.J.Cancer,1984,49:269)、U87MGヒト神経膠芽腫−星状細胞腫(Acta Pathol.Microbiol.Scand.,1968,74:465−486)、A172ヒト神経膠芽腫(Olopade et al.,1992,Cancer Res.52:2523−2529)、C6ラット神経膠腫細胞(Benda et al.,1968,Science161:370−371)、Neuro−2aマウス神経芽腫(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1970,65:129−136)、NB41A3マウス神経芽腫(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1962,48:1184−1190)、SCPヒツジ脈絡叢(Bolin et al.,1994,J.Virol.Methods48:211−221)、G355−5、PG−4ネコ正常星状細胞(Haapala et al.,1985,J.Virol.53:827−833)、Mpfフェレット脳(Trowbridge et al.,1982,In Vitro18:952−960)、ならびに、例えば、CRL7030およびHs578Bstなどの、例えば、CTX TNA2ラット正常脳皮質(Radany et al.,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:6467−6471)などの、正常細胞系統などの神経細胞系統を含むが、これに限定されない。更に、異なるベクター/発現系は、異なる程度で処理反応を実施し得る。
重鎖および軽鎖ポリペプチドの長期的で、高収率な生成のために、安定した発現系が使用され得る。例えば、本明細書に記載される重鎖および軽鎖ポリペプチドを安定して発現させる細胞系統が設計され得る。複製のウイルス由来を含有する発現ベクターを使用するよりもむしろ、宿主細胞は、適切な発現制御要素(例えば、促進因子、促進剤、配列、転写停止剤、ポリアデニル化部位など)および選択可能なマーカによって制御されるDNAによって変換され得る。外来性DNAの導入の後、操作された細胞は、濃縮培地において1〜2日間増殖することが可能であり得、次に選択培地に交換される。組み換えプラスミドにおける選択可能なマーカは、選択に対して抵抗性を付与し、細胞がプラスミドを染色体に安定して組み込み、増殖して、次には細胞系統にクローンおよび展開され得る増殖巣を形成することを可能にする。
単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wigler et al.,1977,Cell11:223)、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska&Szybalski,1962,Proc.Natl.Acad.Sci.USA48:2026)を含むが、これに限定されない、多数の選択系が使用されてもよく、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy et al.,1980,Cell22:817)遺伝子がtk−、hgprt−、またはaprt−細胞においてそれぞれ用いられてもよい。また、代謝拮抗抵抗性が、メトトレキセートに対する抵抗性を付与するdhfr(Wigler et al.,1980,Proc.Natl.Acad.Sci.USA77:3567;O'Hare et al.,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.USA78:1527)、ミコフェノール酸に対する抵抗性を付与するgpt(Mulligan&Berg,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.USA78:2072)、アミノグリコシドG−418に対する抵抗性を付与するneo(Colberre−Garapin et al.,1981,J.Mol.Biol.150:1)、ハイグロマイシンに対する抵抗性を付与するhygro(Santerre et al.,1984,Gene30:147)遺伝子の選択の根拠として使用され得る。
特定の実施形態において、無細胞タンパク質発現系が、生細胞を使用せずに、重鎖および軽鎖ポリペプチドを同時発現させるために利用される。代わりに、DNAをRNAに転写し、RNAをタンパク質に翻訳するために必要な全ての成分(例えば、リボソーム、tRNA、酵素、余因子、アミノ酸)は、インビトロでの使用のために溶液中に提供される。特定の実施形態において、インビトロ発現は、(1)重鎖および軽鎖ポリペプチドをコードする遺伝子鋳型(mRNAまたはDNA)、ならびに(2)必要な転写および翻訳分子機構含有する反応溶液を必要とする。特定の実施形態において、細胞抽出物は、反応溶液の成分、例えば、mRNA転写のためのRNAポリメラーゼ、ポリペプチド翻訳のためのリボソーム、適切なタンパク質折り畳みのために必須なtRNA、アミノ酸、酵素余因子、エネルギー供給源、および細胞成分を実質的に供給する。無細胞タンパク質発現系は、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、植物細胞、哺乳類細胞、ヒト細胞、またはこれらの組み合わせに由来する溶解物を使用して調製され得る。そのような細胞溶解物は、酵素の正確な組成物および比、ならびに翻訳に必要である構築ブロックを提供する。いくつかの実施形態において、細胞の細胞質および細胞小器官成分のみを残すために、細胞膜は除去される。
いくつかの無細胞タンパク質発現系が、Carlson et al.(2012)Biotechnol.Adv.30:1185−1194に再考察されるように、当該技術分野において既知である。例えば、無細胞タンパク質発現系は、原核または真核細胞に基づいて利用可能である。原核無細胞発現系の例は、大腸菌を含む。真核無細胞タンパク質発現系は、ウサギ網赤血球、コムギ胚、および昆虫細胞からの抽出物に基づいて、利用可能である。そのような原核および真核無細胞タンパク質発現系は、Roche、Invitrogen、Qiagen、およびNovagenなどの会社から商業的に入手可能である。当業者は、互いに対合することができる重鎖および軽鎖ポリペプチドを生成する適切な無細胞タンパク質発現系を容易に選択することができるであろう。更に、無細胞タンパク質発現系はまた、IgG折り畳みの効率性を改良するために、シャペロン(例えば、BiP)および異性化酵素(例えば、ジスルフィド異性化酵素)で補完され得る。
いくつかの実施形態において、無細胞発現系は、重鎖および軽鎖ポリペプチドをDNA鋳型(転写および翻訳)またはmRNA鋳型(翻訳のみ)から同時発現させるために利用される。
一実施形態において、本方法は、標準的なジスルフィド架橋を介して連結される重鎖および軽鎖で行われ得る。他の実施形態において、本方法は、標準的なジスルフィド架橋を介して連結されない重鎖および軽鎖ポリペプチドで行われ得る。
重鎖および軽鎖ポリペプチドの同時発現
試験される重鎖および軽鎖ポリペプチドをコードする、一連の構築物は、宿主細胞内で、または無細胞タンパク質発現系内で同時発現し、培養または反応培地から回収される。一連の構築物の同時発現は、一連のポリペプチド生成物をもたらす。特定の実施形態において、細胞から分泌される一連のポリペプチド生成物は、軽鎖ならびに軽鎖単量体および二量体と対合した重鎖を含み得る。
本明細書で提供される特定の実施形態において、重鎖をコードするDNAの量は限定的である一方で、宿主細胞は、2つの軽鎖をコードする化学量論的量のDNAで遺伝子移入される。LCCA比率は、スクリーニングによって決定され得る。一実施形態において、重鎖ポリペプチド(HC)対第1の軽鎖ポリペプチド(LC1)および第2の軽鎖ポリペプチド(LC2)の遺伝子移入の比率、すなわち、HC:LC1:LC2は、1:1:1である。一実施形態において、重鎖ポリペプチド(HC)対第1の軽鎖ポリペプチド(LC1)および第2の軽鎖ポリペプチド(LC2)の遺伝子移入の比率、すなわち、HC:LC1:LC2は、いくつかの例において、LC1およびLC2が等しく発現するかどうかを決定するために、3:1:1である。別の実施形態において、重鎖ポリペプチド(HC)対第1の軽鎖ポリペプチド(LC1)および第2の軽鎖ポリペプチド(LC2)の遺伝子移入の比率、すなわち、HC:LC1:LC2は、0.5:1:1である。いくつかの実施形態において、重鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドは、約1:2:2の所定の比率で発現する。一実施形態において、重鎖ポリペプチドならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドの比率は、約1:3:3の所定の比率で発現する。他の比率が使用されてもよく、本明細書で意図されることが、理解されるであろう。非限定的な一例において、HC:LC1:LC2のLCCA用量検証比率は、(50:75:25、50:50:50、および50:25:75)または(50:40:60、50:50:50、および50:60:40)であり得る。
一連の構築物が無細胞タンパク質発現系内で同時発現する、特定の実施形態において、2つの軽鎖および重鎖をコードするDNAの比率は、一連の構築物が宿主細胞内で同時発現する場合と同様である。
本明細書で提供される特定の実施形態において、軽鎖をコードするDNAの量は限定的である一方で、宿主細胞は、2つの重鎖をコードする化学量論的量のDNAで遺伝子移入される。一実施形態において、軽鎖ポリペプチド(LC)対第1の重鎖ポリペプチド(HC1)および第2の重鎖ポリペプチド(HC2)の遺伝子移入の比率、すなわち、LC:HC1:HC2は、1:1:1である。別の実施形態において、軽鎖ポリペプチド(LC)対第1の重鎖ポリペプチド(HC1)および第2の重鎖ポリペプチド(HC2)の遺伝子移入の比率、すなわち、LC:HC1:HC2は、0.5:1:1である。いくつかの実施形態において、軽鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の重鎖ポリペプチドは、約1:2:2の所定の比率で発現する。一実施形態において、軽鎖ポリペプチドならびに第1および第2の重鎖ポリペプチドの比率は、約1:3:3の所定の比率で発現する。
一連の構築物が無細胞タンパク質発現系内で同時発現する、特定の実施形態において、2つの重鎖および1つの軽鎖をコードするDNAの比率は、一連の構築物が宿主細胞内で同時発現する場合と同様である。
特定の実施形態において、本明細書に記載される重鎖ポリペプチドの、少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドとの対合についての選択性を定量化する方法は、データの分析を可能にするために、少なくとも2つの対照試料の発現を含む。いくつかの実施形態において、対照試料を取得し、定量化する方法は、重鎖ポリペプチドならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドのうちの1つを、他の軽鎖ポリペプチドの不在下で同時発現させるステップと、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドを含む任意の構築物を単離するステップと、該構築物の量を定量化するステップであって、該量が、該重鎖ポリペプチドの該軽鎖ポリペプチドとの最大の検出可能な結合のための対照標準としての役割を果たす、ステップと、を含む。特定の実施形態において、対照とは、標識に使用される2つの軽鎖タグのうちの1つを有する軽鎖と共に重鎖が発現する、抗体である。これらの対照発現は、異なるタグを有する軽鎖の比率が、重鎖と軽鎖との間の物理的な相互作用ではなく実験によって制御される、タンパク質混合物を生成する。
重鎖、軽鎖、および対照試料が細胞から同時発現し、分泌されると、それらは、以下に記載される培養中の細胞から任意で分離され得る。
分泌されたタンパク質の細胞からの分離
本明細書に記載される方法およびアッセイの特定の実施形態は、細胞から同時発現する重鎖および軽鎖ポリペプチドを使用する。アッセイの形式に応じて、分泌されたタンパク質を、それらが発現した細胞から分離する任意のステップが含まれ得る。特定の実施形態において、表面プラズモン共鳴(SPR)またはFACSを利用するアッセイについて、分泌されたタンパク質を細胞から分離する任意のステップが含まれ得る。特定の実施形態において、例えば、二分子蛍光補完を使用する形式において、分泌されたタンパク質を細胞から分離するステップを含むことは必要でなくてもよい。
分泌されたタンパク質を細胞から分離する方法は、当該技術分野において既知である。一実施形態において、分泌されたタンパク質を細胞から分離するために、遠心分離が使用される。代替の実施形態において、分泌されたタンパク質を細胞から分離するために、カラム精製が使用される。
分泌されたタンパク質は、後続して単離された重鎖画分を調製するために使用される。
アッセイの設計に応じて、一連の対合したポリペプチド生成物内の生成物の組成物は、変動するであろう。図9は、一連の構築物が1つの重鎖および2つの固有軽鎖を含む実施形態において、一連の構築物が全細胞内に同時発現する際に、培地中に分泌される、予想される生成物のうちのいくつかを描写する。図10は、一連の構築物が2つの固有重鎖および1つの軽鎖を含む実施形態において、一連の構築物が全細胞内に同時発現する際に、培地中に分泌される、予想される生成物のうちのいくつかを描写する。図11は、一連の構築物が1つの完全長の重鎖および2つの固有軽鎖を含む実施形態において、一連の構築物が全細胞内に同時発現する際に、培地中に分泌される、予想される生成物のうちのいくつかを描写する。図12は、一連の構築物が1つの完全長の重鎖、CH2領域およびCH3領域を含む重鎖断片、ならびに2つの固有軽鎖を含む実施形態において、一連の構築物が全細胞内に同時発現する際に、培地中に分泌される、予想される生成物のうちのいくつかを描写する。
単離された重鎖対合ポリペプチド生成物の調製物
重鎖対合ポリペプチド生成物は、一連のポリペプチド生成物から単離される。本明細書で使用される場合、「重鎖対合ポリペプチド生成物」という用語は、重鎖と対合した発現したポリペプチド、例えば、第1の軽鎖ポリペプチドと、または第2の軽鎖ポリペプチドと対合した第1の重鎖ポリペプチドを指す。一連の構築物が1つの重鎖ならびに第1および第2の軽鎖を含む、一実施形態において、パートナー軽鎖ポリペプチドに結合した重鎖ポリペプチドは、特定のタンパク質分離位相に対する重鎖上のタグ上の認識部分の親和性を利用することによって単離され得る。あるいは、重鎖対合ポリペプチド生成物は、重鎖を特異的に認識する抗体を使用して単離され得る。そのような抗体は、当該技術分野において既知であり、例えば、重鎖ポリペプチドのCH1領域に向けられる抗体を含む。単離された重鎖対合ポリペプチド生成物は、それに結合する重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドを有するであろう。特定の非限定的な例として、重鎖が6×Hisタグでタグ付けされる場合、重鎖を混合物内の他のタンパク質から分離するために、ニッケルが使用され得る。ニッケルは、例えば、カラムまたはチップなどの支持体に結合され得る。
重鎖対合ポリペプチド生成物が単離されると、重鎖ポリペプチドに結合した特定の軽鎖ポリペプチドが検出され得る。
軽鎖ポリペプチドの検出
いくつかの実施形態において、当該技術分野において既知である方法に従って、重鎖ポリペプチドに対合する軽鎖ポリペプチドの検出は、各軽鎖に付加されるタグ内の検出部分に基づいて行われる。例えば、軽鎖がFLAGでタグ付けされる場合、軽鎖は抗FLAG抗体で検出され得る。いくつかの実施形態において、軽鎖ポリペプチド自体は、軽鎖ポリペプチド上のアミノ酸配列に対して高い親和性を有するタンパク質の使用によって検出される。いくつかの実施形態において、軽鎖ポリペプチドは、蛍光、消光、放射活性、および化学発光のうちの1つ以上の使用によって検出される。
アッセイ形式
単離された重鎖画分の調製物について、様々な形式が意図される。例えば、単離された重鎖対合ポリペプチド生成物は、ELISA、SPRチップ、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、およびAlphaScreen(登録商標)を含むが、これに限定されない方法によって単離され得る。
表面プラズモン共鳴(SPR)
特定の実施形態において、本明細書に記載される方法、アッセイ、およびシステムは、表面プラズモン共鳴を利用して、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの選択的対合を定量的に決定する。表面プラズモン共鳴(SPR)は、表面プラズモンが、金属材料および誘電材料の界面に入射する電磁放射による励起時に共鳴する、ハイスループット法を提供する。表面プラズモン共鳴は、重鎖ポリペプチドと軽鎖ポリペプチドとの間の相互作用などの、生体分子相互作用の検出に有用である。本明細書に記載される特定の実施形態において、センサーチップを含むセンサーチップを含む、重鎖および軽鎖ポリペプチドの選択的対合の定量的決定のためにSPRを利用するための装置が提供される。いくつかの実施形態において、センサーチップは、重鎖ポリペプチド上の検出可能な部分(標識)などの、タグを捕捉することができる相互作用表面層を含む。一実施形態において、重鎖は、6×Hisタグでタグ付けされ、単離された重鎖対合ポリペプチド生成物は、分泌されたタンパク質をSPR−ニッケルチップ上を通過させることによって単離される。この実施形態において、パートナー軽鎖に結合した重鎖を含む、単離された重鎖対合ポリペプチド生成物は、SPRチップに結合するであろう。代替の実施形態において、単離された重鎖対合ポリペプチド生成物は、ニッケルチップの代わりに抗hisタグ抗体チップを有するSPRを使用して単離される。
特定の実施形態において、センサーチップは、ヒスチジンでタグ付けされた重鎖ポリペプチドを結合するように設計された表面層を含む。
いくつかの実施形態において、表面層は、NTAキレートニッケル原子を含む。ヒスチジンの重鎖ポリペプチド上の結合は、NTAキレートニッケル原子に依存する。この相互作用の親和性
Figure 2015533089
は、重鎖−軽鎖結合の詳細な分析を可能にするのに一般的に十分に高い。Hisタグを介した固定化はまた、リガンド分子を均質な方法で配向し、固定化が、結合手順中に、pHまたはイオン強度の有意な変更なく行われることを可能にするという利点を有する。
しかしながら、多くの他の親和性タグ(例えば、ビオチンおよび抗原エピトープ)と同様に、親和性は、Hisタグに隣接する部分によって作成される微小環境によって変動し得る。親和性はまた、緩衝剤環境、例えば、pHおよびイオン強度によって影響を受け得る。重鎖ポリペプチドの表面上のシステイン、チロシン、トリプトファン、およびリシンの側鎖は、キレート材料への結合に関与し得るものの、これらの相互作用の親和性は、ヒスチジンタグで一般的に取得されるそれより典型的に有意に低い。いくつかの実施形態において、重鎖ポリペプチド濃度は、少なくとも約10nMである。特定の実施形態において、重鎖ポリペプチド濃度は、少なくとも約50nMである。特定の実施形態において、重鎖ポリペプチド濃度は、少なくとも約100nMである。特定の実施形態において、重鎖ポリペプチド濃度は、少なくとも約150nMである。特定の実施形態において、重鎖ポリペプチド濃度は、約200nM未満である。
酵素連結免疫吸着型アッセイ(ELISA)
本明細書で使用される場合、「ELISA」とは、検出事象が抗体および酵素に基づく検出を使用する手段を指すが、この用語はまた、親和性試薬が抗体でない場合、または検出試薬が酵素でない場合でも、試薬の平板結合検出を記載するためにも使用される。ELISA型アッセイは、多くの方法で設計され得る。表面結合タンパク質の捕捉は、プラスチック平板への受動吸着によって、吸着された抗体での捕捉によって、またはビオチン化およびアビジン捕捉によって起こり得る。第2のタンパク質の検出は、タンパク質をシグナル産生酵素で直接標識することによって、酵素標識抗体の結合によって、非標識一次抗体および引き続く標識二次抗体の結合によって、または、ビオチン化および引き続く酵素連結アビジンによって、起こり得る。検出酵素は、比色、蛍光、または発光原反応を含み得る。これらのようなアッセイは、当該技術分野において既知であり、ArkinらによるAssay Guidance Manual(Sittampalam et al.,Eds.,Inhibition of Protein−Protein Interactions:Non−Cellular Assay Formats)に説明されるものを含むが、これに限定されない免疫学的および細胞プロトコルの書籍において入手可能である。
ELISAは、該重鎖ポリペプチド上の認識部分との相互作用によって重鎖ポリペプチドを固定化するために有用な、相互作用表面層を含む装置を利用する。重鎖ポリペプチドに結合した軽鎖ポリペプチドは、酵素に連結された抗体の結合によって検出される。基質が添加されると、酵素は、軽鎖ポリペプチドの量に定量的に連結される測定可能な読み取りを生成する。ELISAは、読み取りが酵素を使用することによって増幅されるため、非常に敏感であり得る。特定の実施形態において、二次抗体などの複数の層を使用することによって、更なる増幅が達成される。
ELISAは、検出事象が抗体および酵素に基づく検出を使用することを技術的には意味するものの、いくつかの実施形態において、親和性試薬は抗体ではないか、または検出試薬は酵素ではない。いくつかの実施形態において、非酵素形式は、解離増感ランタニド蛍光イムノアッセイ(DELFIA)と呼ばれる。DELFIAにおいて、検出シグナルは、ランタニドイオン、例えば、ユーロピウムの時間分解蛍光である。ランタニドイオンは、化学連結を通して親和性試薬に結合し、独自の洗剤混合物を添加すると、ユーロピウムは蛍光を発し、結合軽鎖ポリペプチドの濃度の高感度の測定を提供する。ランタニド蛍光の3つの特徴、a)長い発光寿命(ミリ秒)は、測定がポリペプチドの蛍光が減衰した後に開始することを可能にすることと、b)発光は、ほとんどの生物学的材料が光を吸収または発光しない、約600nmで生じることと、c)ランタニドの狭い発光スペクトルは、それらが多重化されることを可能にすることと、が高感度かつ選択的アッセイをもたらす。
DELFIA(登録商標)
DELFIA(登録商標)(解離増感ランタニド蛍光イムノアッセイ)は、それを従来のELISAに対する優れた代替手段とする利益の組み合わせを提供する、非酵素の、堅固で高性能な免疫検出プラットフォームである。DELFIA(登録商標)(解離増感ランタニド蛍光イムノアッセイ)は、時間分解蛍光(TRF)強度技術である。アッセイは、ランタニドキレート標識試薬を使用して、洗浄ステップを使用して未結合試薬を分離して、化合物または生体分子の存在を検出するように設計される。本技術は、ランタニドキレートの蛍光(例えば、ユーロピウム、サマリウム、およびテルビウム)に基づく。これらのランタニドキレート標識の蛍光減衰時間は、従来の蛍光色素分子より長く、自家蛍光バックグラウンドの低減のための時間分解能の効率的な使用を可能にする。感度は、ランタニドキレートが解離され、新しい高度蛍光キレートが保護ミセル溶液内に形成されるという、解離増感原理のため増加する。DELFIAランタニドキレートは、蛍光のためのこの解離/増感ステップ(特定のランタニドキレートに適切なDELFIA増感溶液、DELFIA促進因子、およびDELFIA促進剤の添加によって誘発される)を必要とする。DELFIAアッセイのためのキットは、例えば、Perkin Elmerから商業的に入手可能である。
AlphaScreen(登録商標)
AlphaScreen(登録商標)タンパク質間相互作用アッセイは、柔軟かつ敏感で、最大サイズで200nmの大きいタンパク質相互作用および複合体の測定に有用な均質なアッセイである。ビーズに基づく近接アッセイ、AlphaScreen(登録商標)アッセイは、商業的に入手可能で、アッセイ生物学的相互作用に対する融合タグ検出のための解決策を提供するビーズに基づく近接アッセイである。この技術は、タンパク質の混合物を標識するための広範囲のビーズの柔軟性を提供する。
他の蛍光法
蛍光イムノアッセイ法のうちのいくつかは、単純蛍光標識法、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、時間分解蛍光(TRF)、および走査型プローブ顕微鏡(SPM)を含む。単純蛍光標識法は、受容体−リガンド結合、適切な蛍光の使用による酵素活性のため、およびpH、イオン濃度、および電圧などの様々なインビボ生理学的変化の蛍光指標として使用され得る。TRFは、他の蛍光分子の発光が終了した後の、ランタニド系の蛍光を選択的に測定する方法である。TRFは、FRETと共に使用されてもよく、ランタニド系は、供与体または受容体となり得る。
蛍光偏光/異方性(FP)において、蛍光強度は、試料中の特定の蛍光色素分子の存在(および場合により量も)の指標を提供するために使用され得る。蛍光異方性は、蛍光放射が非ランダムに偏光する角度、すなわち、1つの偏光配向がその直交する偏光配向に対する優位を占める角度の測定を提供し得る。高度に異方性のシグナルは、高度に偏光する(例えば、直線偏光する)。高度に等方性のシグナルは、ランダム偏光に接近する。従来の一手法において、異方性(r)は、以下の等式を使用して計算される:
Figure 2015533089
式中、IVHおよびIVVは、(垂直に偏光する励起光に対して)水平および垂直偏光であり、Gは、蛍光を検出するために使用される光学機器の偏光偏倚を補正する。
アッセイ設計
本方法は、合理的に設計された重鎖および軽鎖対、天然重鎖および軽鎖、本方法を使用する際にスクリーニングされ得る重鎖および軽鎖対の選択性を決定するために使用されることができ、ポリペプチド設計方法論によって限定されない。
宿主細胞内、またはインビトロで同時発現する一連の構築物の組成物は、変動し得る。本方法のための例示的な設計変更を、表1に示す。
(表1)
Figure 2015533089
LCCA:軽鎖競合アッセイ、HCCA:重鎖競合アッセイ、ORCA:1アーム軽鎖競合アッセイ
2つのセットの群は、独立して定量化される。
タグは、特定の例において使用され得る。
表1はまた、一連のポリペプチド生成物内でどの群が定量化されるか、方法が互いと優先的にヘテロ二量体化するFc領域を使用するかどうか、およびタグの有無で群がどのように定量化されるかに関連する詳細などの、各設計の様々な特徴を要約する。
一実施形態において、本方法は、軽鎖競合アッセイ(LCCA)として設定される。この実施形態において、一連の構築物は、1つのHCに加えて少なくとも2つの固有LCを含む。HCおよび2つの固有LCはFab形式であり、すなわち、HCがVH領域およびCH1領域を含む一方で、各LCはVL領域およびCL領域を含む。一連の構築物は、HCが限定的であるように同時発現する。一連の構築物は、全細胞内、または無細胞発現系内のいずれかで同時発現する。以上に示すように、一連の構築物が全細胞内で同時発現する場合、重鎖生成物は、それらが軽鎖と対合しない限り、細胞から分泌されないことが想定される。図15は、LCCAの一実施形態(LCCA−1)において、本方法がどのように行われるのかの一例を描写する図を提供する。図15に示す実施形態において、重鎖および軽鎖のうちのそれぞれは、固有にタグ付けされる。ステップ1において、HC−LC対合群(重鎖対合ポリペプチド生成物)は、重鎖上のタグを使用して親和性精製によって単離される。ステップ2において、各HC−LC対の群が定量化される。使用される検出方法に応じて、ステップ1および2が組み合わせられ得ることが意図される。例えば、SPR形式がアッセイに使用される場合、ステップ1および2は組み合わせられ得る。
別の実施形態において、本方法は、重鎖競合アッセイ(HCCA)として設定される。この実施形態において、一連の構築物は、1つのLCに加えて少なくとも2つの固有HCを含む。LCおよび2つの固有HCはFab形式であり、すなわち、HCがVH領域およびCH1領域を含む一方で、各LCはVL領域およびCL領域を含む。一連の構築物は、LCが限定的であるように同時発現する。一連の構築物は、全細胞内、または無細胞発現系内のいずれかで同時発現する。一連の構築物が全細胞内で同時発現する場合、重鎖生成物は、それらが軽鎖と対合しない限り、細胞から分泌されないことが想定される。図16は、HCCAの一実施形態において、本方法がどのように行われるのかの一例を描写する図を提供する。図16に示す実施形態において、重鎖のみが固有にタグ付けされる。ステップ1において、HC−LC対合群(重鎖対合ポリペプチド生成物)は、重鎖上のタグを使用して親和性精製によって単離される。ステップ2において、各HC−LC対の群が定量化される。この実施形態において、HC−LC対を定量化する方法に応じて、ステップ1および2を組み合わせることもまた可能である。
別の実施形態において、本方法は、1アーム軽鎖競合アッセイ(ORCA)として設定される。この実施形態において、一連の構築物は、VH領域、CH1領域、CH2領域、およびCH3領域を含む第1のHCと、CH2領域およびCH3領域を含む第2のHCと、それぞれがVL領域およびCL領域を含む2つの固有LCと、を含む。この実施形態において、CH3領域は、第1および第2のHCが優先的にヘテロ二量体化することを可能にする、少なくとも1つの変更を含む。一連の構築物は、完全長のHCが限定的であるという条件下で、全細胞内、または無細胞発現系内のいずれかで同時発現する。一連の構築物が全細胞内で同時発現する場合、重鎖生成物は、それらが軽鎖と対合しない限り、細胞から分泌されないことが想定される。図17は、ORCAの一実施形態において、本方法がどのように行われるのかの一例を描写する図を提供する。図17に示す実施形態において、軽鎖のみが固有にタグ付けされる。この実施形態において、ステップ1において、HC−LC対合群(重鎖対合ポリペプチド生成物)は、抗Fc抗体を使用して親和性精製によって単離される。ステップ2において、各HC−LC対の群が定量化される。この実施形態において、HC−LC対を定量化する方法に応じて、ステップ1および2を組み合わせることもまた可能である。
更に別の実施形態において、本方法は、LCCA−1実施形態の変化形(LCCA−2)として設定される。この実施形態において、一連の構築物は、LCCA−1と同様に、1つのHCに加えて少なくとも2つの固有LCを含むが、ただしHCがVH領域、CH1領域、CH2領域、およびCH3領域を含む一方で各LCがVL領域およびCL領域を含む。一連の構築物は、HCが限定的であるように同時発現する。一連の構築物は、全細胞内、または無細胞発現系内のいずれかで同時発現する。以上に示すように、一連の構築物が全細胞内で同時発現する場合、重鎖生成物は、それらが軽鎖と対合しない限り、細胞から分泌されないことが想定される。図18は、LCCA−2の一実施形態において、本方法がどのように行われるのかの一例を描写する図を提供する。図18に示す実施形態において、軽鎖のみが固有にタグ付けされる。ステップ1において、HC−LC対合群(重鎖対合ポリペプチド生成物)は、抗Fc抗体を使用して親和性精製によって単離される。ステップ2において、各HC−LC対の群が定量化される。使用される検出方法に応じて、ステップ1および2が組み合わせられ得ることが意図される。
更に別の実施形態において、アッセイは、LCCAの別の変化形(LCCA−3)として設定される。この実施形態において、一連の構築物は、2つの固有LCに加えて2つの固有HCを含む。LCおよびHCは、両方Fab形式であり、すなわち、HCがVH領域およびCH1領域を含む一方で、各LCはVL領域およびCL領域を含む。特定の例において、一連の構築物は、HCが限定的であるように同時発現し得る。一連の構築物は、全細胞内、または無細胞発現系内のいずれかで同時発現する。以上に示すように、一連の構築物が全細胞内で同時発現する場合、重鎖生成物は、それらが軽鎖と対合しない限り、細胞から分泌されないことが想定される。この実施形態において、重鎖および軽鎖のうちのそれぞれは、固有にタグ付けされる。ステップ1において、HC1−LCおよびHC2−LC対合群(重鎖対合ポリペプチド生成物)は、親和性精製によって別個に単離される。ステップ2において、HC−LC1およびHC−LC2群は、それぞれ異なるHC1またはHC2群について定量化される。使用される検出方法に応じて、ステップ1および2が組み合わせられ得ることが意図される。
図8に示すように、本明細書に記載される方法の様々な実施形態は、一実施形態において、実用的LCCAライブラリを開発するために使用され得る。簡潔には、図8は、実用的LCCAライブラリの例示的な合理的設計におけるステップを図示する。まず、コンピュータ内で設計の「LCCAライブラリ」(すなわち、設計1...設計N)を作成し(図8A)、ライブラリを、HCがLC2ではなくLC1と優先的に対合するように操作する(すなわち、HC−LC1>>HC−LC2)。これらの設計を、その後インビトロで試験する。この目的のために、本明細書の他の部分に記載されるように、当該技術分野において既知であるクローン化方法を使用して、ライブラリ設計を、発現ベクターに個別にクローン化する(ステップ2を参照されたい、図8B)。クローン化のためのキットもまた、例えば、Life Technologiesから商業的に入手可能であり、使用に関して本明細書で意図される。次に、LCCA設計(例えば、HC、LC1、およびLC2...HC、LC1、およびLC2)を哺乳類細胞内(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ステップ3を参照されたい、図8C)で一時的に発現する。本明細書の他の部分に記載されるように、遺伝子移入の7日後、CHO細胞上清を採取し、SPR読み取りを使用して、各LCCA設計のHC−LC1:HC−LC2群を定量化した(ステップ4、図8D)。その後、実用的設計を、設定基準(例えば、HC−LC1:HC−LC2>=75:25)に基づいて順位付けし、好結果の設計は、その後「実用的LCCAライブラリ」の一部となる。より大きいデータセットを扱う場合、任意のデータマイニングステップ(#5、図8E)が利用可能である。このステップ中、「HC−LC対合結果の大域分析」が任意で行われ得る。このステップは、それがデータ内の非自明かつ非明白なパターン/傾向を認識することを潜在的に可能にするため、かなり有益であり得る。最後に、実用的LCCAライブラリをコンパイルする(図8F)。
結果の分析
結果が分析され得るいくつかの方法が存在する。以下に記載される方法は、分析の非限定的な例を表し、本出願の実施形態は、以下に記載に制限されることが意図されない。
特定の実施形態において、特定の軽鎖検出可能な部分を有する免疫グロブリン構築物の測定された質量を、単離された重鎖画分の量によって正規化する。等価質量比は、対応する対照試料について評価される(上記を参照されたい)。これらの2つの質量比の比率は、特定の認識部分を有する単離された免疫グロブリン構築物の百分率に等しい。他の軽鎖タグについて同一の計算が繰り返される。所与の変異についてこのように取得される百分率は、他の軽鎖(L2)の重鎖(H1)に対するよりも、軽鎖(L1)の重鎖(H1)に対する対合の特異性を反映する。pH1−L1およびpH1−L2と示される。
いくつかの実施形態において、HC1:LC2またはHC2:LC1を形成するための鎖の架橋対合が回避される、HC1:LC1およびHC2:LC2対のセットなどの重鎖および軽鎖セットの固有かつ選択的な対を認識することは、二パラトープ抗体構築物の設計および合成に有用である。いくつかの実施形態において、二パラトープ構築物は二重特異性構築物である。一実施形態において、HC1:LC1の対合に由来するFabが抗原Aを標的とし得る一方で、HC2:LC2の対合に由来するFabは抗原Bを標的とし得る。重鎖および軽鎖対の選択的形成対の同定は、二重特異性抗体を形成するヘテロ二量体重鎖対を有する、2つの固有軽鎖、LC1およびLC2の同時発現を可能にする。
重鎖および軽鎖対の多数の対に対して導かれる対合特異性データは、図示的に、および異なるデータマイニング技術を使用して分析され得る。例えば、図13は、軽鎖競合アッセイデータを表す二部グラフの一部を描写する。各正方形の節点は、特定の重鎖変異を表す。各円形の節点は、軽鎖変異の特定の対を表す。エッジで接続される2つのそのような節点は、軽鎖競合アッセイの1つの実験を表す。
エッジの様式は、実験の結果の関数である。実線の黒線は、重鎖が、対応する節点において、2つの軽鎖変異のうちの第1のものと対合するより高い傾向を有することを意味する。破線は、重鎖が、対応する節点において、2つの軽鎖変異のうちの第2のものと対合するより高い傾向を有することを意味する。節点の幅は、上記で定義された、Sの絶対値によって決定される:
Figure 2015533089
式中、競合種の測定された百分率が軽鎖競合アッセイによって測定される。2つの百分率間の差が大きいほど、エッジの幅は大きくなるであろう。
一方では太い実線エッジが添付され、他方では太い破線エッジが添付される、円形の節点を含有するグラフの一部は、それらが同時発現する際に所望の生成物を形成しやすい、重鎖および軽鎖変異の組み合わせを表す。そのような節点のサブグラフは、容易に抽出され、認識するのが視覚的に容易である。加えて、高度に無差別な変異は、それらは1つの型の複数の太いエッジと結合するため、容易に同定される。例えば、図13において、軽鎖変異KおよびLを含有する接点は、全てのアッセイにおいて、鎖Kの重鎖との優先的対合を生成した軽鎖の対を表す。これは、例えば、鎖Lの不良な特性、または鎖Kの非常に良好な特性によって引き起こされ得る。データ点の数が非常に大きくなると、図示表現により、異常値データの迅速な同定、および良好または不良な特性のいずれかを有するアッセイの共通設計要素の探索が可能になる。
一態様は、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの選択的対合を可視化する方法を提供する。本方法は、1つ以上の処理装置と、方法を実行するために1つ以上の処理装置によって実行される1つ以上のプログラムを記憶する記憶装置とを含む、コンピュータシステム上で、以下のステップを実行することを含む。競合アッセイデータを取得する。競合アッセイデータは、複数の結合アッセイを含む。複数の結合アッセイのうちの各それぞれの結合アッセイが、溶液中で、複数の重鎖ポリペプチド構築物から選択される1つ以上の対応する重鎖ポリペプチドの第1の量を、複数の軽鎖ポリペプチド構築物から選択される1つ以上の対応する軽鎖ポリペプチドの第2の量に、溶液中の対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドまたは対応する1つ以上の軽鎖ポリペプチドのいずれかを限定する条件下で、曝露することを含む。対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドが限定的である場合、1つ以上の重鎖ポリペプチドが単一重鎖ポリペプチド構築物からなり、かつ1つ以上の軽鎖ポリペプチドが複数の軽鎖ポリペプチド構築物からなる。対応する1つ以上の軽鎖ポリペプチドが限定的である場合、1つ以上の軽鎖ポリペプチドが単一軽鎖ポリペプチド構築物からなり、かつ1つ以上の重鎖ポリペプチドが複数の重鎖ポリペプチド構築物からなる。
本方法において、グラフは複数の接点を含んで構築される。複数の節点は、節点の第1のサブセット、および接点の第2のサブセットを含む。接点の第1のサブセットにおける各それぞれの節点は、第1の図示形式で表示され、複数の結合アッセイのうちの1つ以上の結合アッセイにおける1つ以上の対応する重鎖ポリペプチドを固有に表す。接点の第2のサブセットにおける各それぞれの節点は、第2の図示形式で表示され、複数の結合アッセイのうちの1つ以上の結合アッセイにおける1つ以上の対応する軽鎖ポリペプチドを固有に表す。節点の第1のサブセットは、複数の結合アッセイにおいて使用された重鎖ポリペプチドの全てを集合的に表す。接点の第2のサブセットは、複数の結合アッセイにおいて使用された軽鎖ポリペプチドの全てを集合的に表す。
本方法において、グラフに複数のエッジを設定する。複数のエッジにおける各それぞれのエッジは、複数の結合アッセイにおける対応する結合アッセイを表し、かつ対応する結合アッセイにおける1つ以上の重鎖ポリペプチドを表す接点の第1のサブセット中の第1の節点を、対応する結合アッセイにおける1つ以上の軽鎖ポリペプチドを表す接点の第2のサブセット中の第2の接点と接続する。複数のエッジにおける各エッジの第1の図示様式は、対応する結合アッセイにおける限定的ポリペプチドが、対応する結合アッセイにおける非限定的ポリペプチドのうちの1つに対して選好を有するかどうかを示す。
いくつかの実施形態において、複数のエッジにおける各エッジの第2の図示様式は、対応する結合アッセイにおける限定的ポリペプチドが対応する結合アッセイにおける非限定的ポリペプチドのうちの1つに対して選好を有する量によって、決定される。いくつかの実施形態において、第1の図示様式は点線であり、第2の図示様式は線幅である。いくつかの実施形態において、複数のエッジにおける1つのエッジの線幅は、対応する結合アッセイにおける限定的ポリペプチドが対応する結合アッセイにおける非限定的ポリペプチドのうちの1つに対する選好を有する量によって、決定され、対応する結合アッセイにおける限定的ポリペプチドが、対応する結合アッセイにおける非限定的ポリペプチドのうちの1つに対する選好を有する量が多ければ多いほど、エッジの線幅は大きくなる。
いくつかの実施形態において、第1の図示形式は、第1の二次元閉形式の形状であり、第2の図示形式は、第1の二次元閉形式の形状以外の第2の二次元閉形式の形状である。いくつかの実施形態において、第1の図示形式は、第1の二次元地理的形状であり、第2の図示形式は、第1の二次元地理的形状以外の第2の二次元地理的形状である。例えば、いくつかの実施形態において、第1の二次元地理的形状または第2の二次元地理的形状は、nが3以上の整数であるn角形、円、または楕円からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、複数の結合アッセイのうちの各結合アッセイにおける対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドは、VH領域およびCH1領域を含む単一重鎖ポリペプチド構築物からなる。更に、複数の結合アッセイのうちの各結合アッセイにおける1つ以上の軽鎖ポリペプチドは、第1の軽鎖ポリペプチド構築物および第2の軽鎖ポリペプチド構築物からなり、第1の軽鎖ポリペプチド構築物は、第1のVL領域および第1のCL領域からなり、第2の軽鎖ポリペプチド構築物は、第2のVL領域および第2のCL領域を含む。そのような実施形態において、複数のエッジにおける各エッジの線幅(W)は、対応する結合アッセイにおける単一重鎖ポリペプチド構築物が第1の軽鎖ポリペプチド構築物または第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対する選好を有する量によって、決定される。この量は、下記式によって決定される:
Figure 2015533089
式中、fは、線形または非線形関数であり、P1は、(i)第1の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した単一重鎖ポリペプチド構築物の量と、(ii)第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した単一重鎖ポリペプチド構築物の量との組み合わせによって正規化された、第1の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した単一重鎖ポリペプチド構築物の量であり、P2は、(i)第1の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した単一重鎖ポリペプチド構築物の量と、(ii)第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した単一重鎖ポリペプチド構築物の量との合計量によって正規化された、第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した単一重鎖ポリペプチド構築物の量である。
いくつかのそのような実施形態において、fは対数または指数関数である。いくつかのそのような実施形態において、単一重鎖ポリペプチド構築物が第1の軽鎖ポリペプチド構築物に優先的に結合する場合、第1の図示様式は実線であり、単一の重鎖ポリペプチド構築物が第2の軽鎖ポリペプチド構築物に優先的に結合する場合、第1の図示様式は破線である。
いくつかの実施形態において、複数の結合アッセイのうちの各結合アッセイにおける対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドは、第1のVHおよび第1のCH1領域を含む第1の重鎖ポリペプチド構築物、ならびに第2のVHおよび第2のCH1領域を含む第2の重鎖ポリペプチド構築物からなる。そのような実施形態において、複数の結合アッセイのうちの各結合アッセイにおける1つ以上の軽鎖ポリペプチドは、VLおよびCL領域を含む軽鎖ポリペプチド構築物からなる。いくつかのそのような実施形態において、複数のエッジにおける各エッジの線幅(W)は、対応する結合アッセイにおける単一軽鎖ポリペプチド構築物が第1の重鎖ポリペプチド構築物または第2の重鎖ポリペプチド構築物に対する選好を有する量によって、決定され、量は、下記式によって決定される:
Figure 2015533089
式中、fは、線形または非線形関数であり、P1は、(i)第1の重鎖ポリペプチド構築物に対合した単一軽鎖ポリペプチド構築物の量と、(ii)第2の重鎖ポリペプチド構築物に対合した単一軽鎖ポリペプチド構築物の量との組み合わせによって正規化された、第1の重鎖ポリペプチド構築物に対合した単一軽鎖ポリペプチド構築物の量であり、P2は、(i)第1の重鎖ポリペプチド構築物に対合した単一軽鎖ポリペプチド構築物の量と、および(ii)第2の重鎖ポリペプチド構築物に対合した単一軽鎖ポリペプチド構築物の量との合計量によって正規化された、第2の重鎖ポリペプチド構築物に対合した単一軽鎖ポリペプチド構築物の量である。
いくつかのそのような実施形態において、fは対数または指数関数である。いくつかのそのような実施形態において、単一軽鎖ポリペプチド構築物が第1の重鎖ポリペプチド構築物に優先的に結合する場合、第1の図示様式は実線であり、単一の軽鎖ポリペプチド構築物が第2の重鎖ポリペプチド構築物に優先的に結合する場合、第1の図示様式は破線である。いくつかのそのような実施形態において、
いくつかの実施形態において、複数の結合アッセイのうちの各結合アッセイにおける対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドは、VH領域、CH1領域、CH2領域、およびCH3領域を含む単一重鎖ポリペプチド構築物からなる。更に、複数の結合アッセイのうちの各結合アッセイにおける1つ以上の軽鎖ポリペプチドは、第1の軽鎖ポリペプチド構築物および第2の軽鎖ポリペプチド構築物からなり、第1の軽鎖ポリペプチド構築物は、第1のVLおよび第1のCL領域を含み、第2の軽鎖ポリペプチド構築物は、第2のVLおよび第2のCL領域を含む。いくつかのそのような実施形態において、複数の結合アッセイにおける各結合アッセイは、溶液中に、CH2領域およびCH3領域からなる追加の分子実体を更に含む。いくつかのそのような実施形態において、複数のエッジにおける各エッジの線幅(W)は、対応する結合アッセイにおける単一重鎖ポリペプチド構築物が第1の軽鎖ポリペプチド構築物または第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対する選好を有する量によって、決定され、量は、下記式によって決定される:
Figure 2015533089
式中、fは、線形または非線形関数であり、P1は、(i)第1の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した単一重鎖ポリペプチド構築物の量と、(ii)第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した単一重鎖ポリペプチド構築物の量との組み合わせによって正規化された、第1の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した単一重鎖ポリペプチド構築物の量であり、P2は、(i)第1の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した単一重鎖ポリペプチド構築物の量と、(ii)第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した単一重鎖ポリペプチド構築物の量との合計量によって正規化された、第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した単一重鎖ポリペプチド構築物の量である。
いくつかのそのような実施形態において、fは対数または指数関数である。いくつかのそのような実施形態において、単一重鎖ポリペプチド構築物が第1の軽鎖ポリペプチド構築物に優先的に結合する場合、第1の図示様式は実線であり、単一の重鎖ポリペプチド構築物が第2の軽鎖ポリペプチド構築物に優先的に結合する場合、第1の図示様式は破線である。
いくつかの実施形態において、複数の結合アッセイのうちの1つの結合アッセイにおける曝露することは、1つ以上の対応する重鎖ポリペプチドおよび1つ以上の対応する軽鎖ポリペプチドの同時発現によって実行される。
ハイスループット
ハイスループットとは、本明細書で使用される場合、本明細書に記載される方法およびアッセイの、大規模および/または迅速な性能を指す。特定の実施形態において、本明細書に記載されるシステムは、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの選択的対合のハイスループットスクリーニングにとって適切である。特定の実施形態において、本明細書に記載される方法およびアッセイにおいて有用な装置は、1週間当たり、少なくとも50の異なる選択的重鎖−軽鎖対を処理することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法およびアッセイにおいて有用な装置は、1週間当たり、最大500の異なる選択的重鎖−軽鎖対を処理することができる。1週間当たり、少なくとも50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、または1000の異なる選択的重鎖−軽鎖対を処理することができる装置もまた提供される。
特定の実施形態において、ハイスループットを有する方法およびアッセイが提供される。いくつかの場合、本明細書に記載される方法またはアッセイは、1週間当たり、1装置当たり、少なくとも50の異なる選択的対のスクリーニングに有用である。いくつかの場合、本明細書に記載される方法またはアッセイは、1週間当たり、1装置当たり、少なくとも100の異なる選択的対のスクリーニングに有用である。いくつかの場合、方法またはアッセイは、1週間当たり、1装置当たり、少なくとも150の異なる選択的対のスクリーニングに有用である。いくつかの場合、方法またはアッセイは、1週間当たり、1装置当たり、少なくとも200の異なる選択的対のスクリーニングに有用である。本明細書に記載されるいくつかの方法は、1週間当たり、1装置当たり、少なくとも300の異なる選択的対のスクリーニングに有用である。
本明細書に記載されるハイスループット法、アッセイ、およびシステムは、堅固である。特定の実施形態において、本明細書に記載される方法、アッセイ、およびシステムは、可変流量を許容する。特定の実施形態において、本明細書に記載される方法およびアッセイは、流量における5%の変化を許容する。いくつかの実施形態において、方法およびアッセイは、流量における10%の変化を許容する。流量における15%の変化を許容する方法およびシステムが、いくつかの実施形態である。流量における20%の変化を許容する方法およびアッセイもまた提供される。流量における25%の変化を許容する方法およびアッセイもまた提供される。
タンパク質配列における小さい変化の効果を測定し得るアッセイが提供される。大きい表面積上の無差別なタンパク質間、ドメイン間、鎖間の相互作用は、通常、選択性を導入するために、複数の突然変異(スワップ)を必要とする。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、抗体構築物の単離または更なる精製を必要とせず、これにより、より効率的なスクリーニングを可能にする。本明細書に記載されるアッセイは敏感であり、すなわち、アッセイは、例えば、特定の例において、フェムトグラム/ウェル程度低くあり得る感度でHC:LC対を検出し得る。
システムおよびキット:
本明細書に記載される方法を行うためのシステムおよびキットが提供される。重鎖および軽鎖ポリペプチドの選択的結合のハイスループットスクリーニングのための装置を含むキットが、いくつかの実施形態である。いくつかの実施形態において、キットは、本明細書に記載されるアッセイにとって有用な試薬を含む。いくつかの実施形態において、試薬は凍結乾燥される。本明細書に記載される重鎖および軽鎖ポリペプチドのための発現系を提供するキットおよびシステムが、いくつかの実施形態である。
免疫グロブリン重鎖領域、および相互作用表面層を含む装置によって捕捉されることができるタグを含む、重鎖ポリペプチドと、第1の免疫グロブリン軽鎖領域を含む第1の軽鎖ポリペプチドと、第2の免疫グロブリン軽鎖領域を含む少なくとも1つの第2の軽鎖ポリペプチドと、を発現させるための、1つ以上の宿主細胞であって、該重鎖ポリペプチドおよび該軽鎖ポリペプチドが、重鎖ポリペプチドの量が限定的であるように、所定の比率で発現し、該第1および第2の軽鎖ポリペプチドが、検出可能な部分でタグ付けされる、宿主細胞と、該重鎖ポリペプチドを捕捉することができる相互作用表面層を含む検出装置であって、該検出装置が各該軽鎖ポリペプチド上の検出可能な部分を検出することが更に可能であり、重鎖ポリペプチドおよび該第1または第2の軽鎖ポリペプチドを含む構築物が、該1つ以上の宿主細胞によって発現し、かつ該検出装置と接触し、該検出装置が、重鎖ポリペプチドおよび第1の軽鎖ポリペプチドを含む第1の構築物の量と、重鎖ポリペプチドおよび第2の軽鎖ポリペプチドを含む第2の構築物の量とを、第2の構築物と比較してより多い第1の構築物の量が第2の軽鎖ポリペプチドと比較してより高い第1の軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を示すように検出するために有用である、検出装置と、を含む、重鎖ポリペプチドの、少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドとのハイスループットスクリーニングのためのシステムが提供される。
下記の実施例は、本発明の実施を例示するために提示される。これらは、本発明の全範囲を限定または定義することを意図しない。
実施例1: 軽鎖競合アッセイ(LCCA)
図1は、二重特異性Mab(モノクローナル抗体)を形成するための操作必要条件、および重鎖軽鎖対を定量化するために必要なアッセイ必要条件の高レベル概略図を図示する。高純度(すなわち、誤対合H−L結合がほとんどまたは全くない)の二重特異性Mabを作製するという設計目標は、(特定のアミノ酸突然変異の導入を介して)2つの固有重鎖の、それらの固有同種軽鎖に対する優先的対合を合理的に操作することによって、達成され得る。この工程は、概略的に示され、ここで、H1はL2ではなくL1と優先的に対合するように操作されている。同様に、H2は、L1ではなくL2と優先的に対合するように操作されている。二重特異性Mab設計の実験的スクリーニングは、H1−L1:H1−L2およびH2−L2:H2−L1を同時に定量化することができるアッセイを必要とする。これらのアッセイ必要条件は、各二重特異性Fabアームが独立的に作製され得ると仮定することによって、簡易化され得る。この場合、アッセイは、両方を同時にではなく、H1−L1:H1−L2またはH2−L2:H2−L1のみを定量化する必要がある。
以下のプロトコルは、軽鎖タグ付けされた群のSPR読み取りを使用する、アッセイの重要なステップの記載を提供する。図2は、例示的な全細胞発現:軽鎖競合アッセイを図示する。
軽鎖競合アッセイ:
Figure 2015533089
HC限定的:HC限定的。H:L1:L2=1:1:1。軽鎖は重鎖について競合する。
初期変異体において、H−Lジスルフィド結合は観察されなかった。
軽鎖競合アッセイは、1つの重鎖の、少なくとも2つの固有軽鎖に対する相対的対合を定量化する。アッセイおよび前ステップは、以下のように要約され得る。1.重鎖が限定的である量(例えば、HC:LC1:LC2=1:1:1)での、重鎖および軽鎖の随伴性発現、2.hisタグプルダウンを介して重鎖をSPRチップに結合することによって達成される、HC−LC複合体の単離、ならびに3.相対的HC−LC群の定量化(すなわち、H1−L1:H1−L2)。SPR形式において、固有軽鎖タグ付けされた群に特異的な抗体が、定量化に使用される。このアッセイは、H−Lジスルフィドの有無に関わらず行われ得ることに留意すること。
図3Aおよび3Bは、アッセイがSPRチップ上にいかに設定されるか、加えて、各軽鎖タグ付けされた群の百分率がいかに計算されるかの方法についての概略的記載の例を提供する。
SPRサンドイッチに基づくアッセイ(図3A)が利用される:
1. Fabを捕捉する(Hisタグ捕捉)−定量化する
2. 対照Fabを捕捉する(WT HC+100%WT FLAG−LCまたは100%WT HA−LC)−定量化する
3. 抗タグAbを捕捉する−定量化する
4. 100RU結合Fab当たりの、抗タグAb捕捉を正規化する
抗タグFab群を計算する(%)。
計算:
1. (標準抗Flag Ab RU/標準抗FLAG Ab RU[対照])×100=%抗FLAG Fab。
2. (標準抗HA Ab RU/標準抗FLAG Ab RU(対照))×100=%抗HA Fab。
図3Aにおいて、ProteOn XPR36チップの概略を示す。各チップは、各細胞が結合反応を監視することができる、6×6格子の細胞で構成される。LCCAにおいて、変異体および対照は、チップを横切る垂直方向に注入され、抗hisタグAbを介してチップに結合する(更なる詳細については図3Bおよび実施例5を参照されたい)。洗浄ステップの後、(別個の細胞内で)チップを横切って水平に抗LCタグAbを注入する。捕捉される各抗LCタグAbの量は、(100%LC1またはLC2のみを有する)適切なFab対照に対して、HC−LC1およびHC−LC2の相対的群が各変異体について計算されることを可能にする。上述の群を計算するために必要なステップは、計算に関して上述されている。
図4は、100%HC:HA−LCまたは100%HC:FLAG−LCの既知の比率が、所定の比率で混合される、ドーピング実験のプロットを図示する。精製されたHC:HA−LCおよびHC:FLAG−LCを既知の比率で混合する。Fab混合物をSPRチップ上にロードし、HAおよびFLAGについてシグナルを読み取る。抗タグ抗体の読み取りは、LC−FLAGまたはLC−HAの比率に対してプロットされる場合、およそ線形である。シグナル対LC群が線形の特性を有することは、HC−LC1群:HC−LC2群を定量化するための容易な手段を提供する。
実施例2:軽鎖競合アッセイの理論
反応定義および平衡挙動
1つの重鎖H、ならびに2つの軽鎖L1およびL2の同時発現では、以下の反応が可能である。
Figure 2015533089
これらの反応のそれぞれに対して、結合および解離速度定数が存在し、後者の反応は前者よりも遅いことが予想される。
アッセイのための所望の特性は、L2のHとの対合に対するL1のHとの対合についての相対傾向である。HL2種よりも高いHL1種の相対量を生成する設計は、所望の特性を有する設計である。したがって、中央量は、以下の比率である。
Figure 2015533089
Rは、2つのFab種の量の比率である。SはRの対数であり、L1のHとの対合とL2のHとの対合の間の自由エネルギー差に比例する。P1およびP2は、それぞれ、所望のおよび不所望の種の百分率である。この論述から、これは以下に従う。
Figure 2015533089
上記で定義した比率が所与の設計の関心対象の物理的特性を表すようにするために、発現におけるL1およびL2の量は、Hの量に対して過剰である必要がある。そのような条件下で、対合は競合となり、HL2の量に対するHL1の量は、それぞれHと対合したL1、およびHと対合したL2の、相対的適合または適合性を反映することが予想される。
実験的出力をいかに解釈するかを理解するために、上記の比率は、結合および解離速度定数に異なる値を割り当てること、ならびに、そのように定義された化学反応速度の問題を解決することによって、理論的に演算される。この問題を解決するために、定常状態の反応速度が有効であると想定する。これは、結合および解離速度定数間の比率、言い換えると、平衡定数のみが、形成される種の量に影響を与えるということを意味する。
まず、Fabを形成する最初の2つを除き、全ての反応が、ゼロの確率を有すると想定する。同時発現における、L1およびL2の相対量の関数としての、HL1およびHL2の相対量間の関係を演算し、図5に示す。関係は単純であり、縦軸との交点は、対合傾向の比率の対数に等しい。データを表示するための代替方法は、関係を、L1の百分率をx軸上に、およびHL1の百分率をy軸上に変換することである。この関係を、図5と同じ対合傾向比率が使用される、図6に示す。見られるように、傾向は異なって見え、特に対合傾向における差が大きいほど、同一量のL1について得られるHL1の量は多く、全ての曲線は下限および上限における同一点に接近する。
軽鎖二量体もまた非ゼロ確率で形成する条件下では、用量スケーリング曲線はわずかに変化する。例えば、軽鎖二量体を形成する対合傾向が、L1およびL2について等しい場合、傾きは低減するが、定量的傾向は保存されるということが示され得る。
実施例3:LCCAの設定の分析
他の部分に記載されるように、LCCAにおいて、異なってタグ付けされたHL1およびHL2は、まずチップ上で捕捉され、その後、捕捉される二次抗タグ抗体の量の、光学シグナルへの変換による、2つのFab種の定量化が後続する。典型的なSPRチップを図7に図示し、以下の分析において細胞に対して使用される標識もまた同様に紹介する。
続いて、LCCAを実行するために以下のステップを採る。(1)変異DNAで遺伝子移入された細胞から排出された物質を、図7の図において、チップの底部の入り口から上部まで流す。これが行われる際、水平チャネルは閉鎖される。(2)垂直チャネルを閉鎖する。(3)それぞれの細胞上にロードされた物質の質量を、単位RUにおいて評価する。(4)水平チャネルを開放する。(5)_抗HA、抗FLAG、およびFabの溶解性抗原などの様々な二次抗体を、図7の図において左の入り口から右に流す。質量の追加を、単位RUにおいて評価する。
Figure 2015533089
は、変異体v1の細胞から排出された物質におけるFabの総量を示す。
Figure 2015533089
は、Fabの数とFabの質量との間の変換係数を示す。実験の正確性において、全てのFabは、同一の変換係数を有する。d^i_verticalは、図7における縦の流れに沿って、第i列と供給源溶液中の濃度との間で、分子濃度がどれだけ異なるかを定量化する、係数を示す。SPRチップ上の流れが完全に平衡化されている場合、この係数は全ての細胞について値が1である。したがって、以下の関係が成り立つ。
Figure 2015533089
Figure 2015533089
は、種HL1のものである変異体v1のFabの画分を示す。
Figure 2015533089
は、HL2の対応する量を示す。
水平の流れについては、垂直の流れと同様の量が導入され、以下の関係が定式化される:
Figure 2015533089
式中、以下の量が導入される。
Figure 2015533089
は細胞jと、挿入される溶液との間で、二次抗体の濃度がどれだけ異なるかを定量化する係数を示し、ns1は二次抗体の数であり、ρs1は二次抗体の密度である。捕捉Fabの量への依存性は、二次がFabにのみ結合することに由来する。二次抗体s1がHL1のタグに結合するという任意の割り当ても同様に行われた。
SPRで、
Figure 2015533089
の量に直接比例するシグナルが、SPR機械の不正確さに由来する特定の誤差を伴って測定される。機械誤差であるe(σ)は、正規分布し、ゼロを中心とし、何らかの標準偏差σであると想定される。
2つの質量の比率は、
Figure 2015533089
であり、式中、誤差は、分母内で無視できるほど小さいと想定され、Cは定数である。
対照試料は、HL1の量が100%である、言い換えると
Figure 2015533089
であることが既知の場合に、流される。対応する質量比をRS1,100%と表す。したがって、質量比の比率は、以下の通りである。
Figure 2015533089
二次抗体の分布が、水平寸法に沿ってほぼ均一である限り、二次抗体の濃度は、変異体を含有するチャネルおよび対照を含有するチャネルについてほぼ同一であり、この比率は、所与の試料のHL1の画分である関心対象の量を返す。本想定が妥当でなく対照変異体は常に同一チャネル内を流れるとしても、以下の関係が得られる。
Figure 2015533089
本実験の誤差内で、右側の量は濃度の分数
Figure 2015533089
に等しく、したがって、これは、反応定義について前の節に記載した、量の演算を可能にする。
実施例で用いられる試薬は、商業的に入手可能であるか、または商業的に入手可能な、当該技術分野において既知である、器具、方法、または試薬を使用して調製され得る。前述の実施例は、本発明の様々な態様および本発明の方法の実施を図示する。実施例は、本発明の多くの実施形態の網羅的な記載を提供することを意図しない。したがって、前述の発明は、理解を明確にする目的で例示および例により幾らか詳細に記載されてきたが、当業者は、多くの変更および修正を、添付の特許請求の範囲の精神および範囲を逸脱することなく実施できることを容易に理解する。
実施例4: D3H44IGG重鎖およびD3H44IgG軽鎖をコードする構築物の調製
本明細書に記載される方法における使用のための、抗組織因子抗体D3H44の重鎖および軽鎖を、以下の通りに調製した。D3H44Fab軽鎖(AJ308087.1)および重鎖(AJ308086.1)配列を、GenBank(www.ncbi.nlm.nih.gov/genbank/)から取得した。1つの重鎖および2つの異なる軽鎖を含む同時発現セットを、該重鎖の、該軽鎖のうちの1つとの選択的対合を駆動するために、重鎖および軽鎖配列のFab領域において少なくとも1つの突然変異を起こすことにより設計した。
同時発現セットを、哺乳類発現のために、遺伝子合成し、コドン最適化した。5'−EcoRI切断部位−HLA−Aシグナルペプチド−HAまたはFLAGタグ−軽鎖クローン−TGA終止−BamH1切断部位−3'からなる、軽鎖ベクター挿入物を、pTT5ベクターにライゲーションした(Durocher Y et al.,Nucl.Acids Res.2002;30,No.2e9)。得られたベクター+挿入物を、続いて、コードDNAの正確な読み枠および配列を確認するために配列決定に供した。同様に、5'−EcoR1切断部位−HLA−Aシグナルペプチド−重鎖クローン−ABD2−His6タグ−TGA終止−BamH1切断部位−3'からなる重鎖ベクター挿入物を、pTT5ベクター(ABD;アルブミン結合ドメイン)にライゲーションした。得られたベクター+挿入物もまた、続いて、コードDNAの正確な読み枠および配列を確認するために配列決定に供した。
実施例5:D3H44IgG軽鎖および/または重鎖における変更を含む同時発現セットにおける、ヘテロ二量体の優先的対合の評価
実施例4に従って調製された、変更されたFabドメインを有するD3H44重鎖および軽鎖を含む同時発現セットにおいて、ヘテロ二量体が優先的に対合する能力を決定し、結果を図5に示す。2つの固有D3H44軽鎖構築物と共に相対軽鎖対合特異性(例えば、H1_L1:H1_L2)を有して同時発現する1つのD3H44重鎖構築物をそれぞれ含む、15種の同時発現セットを試験した。いくつかの例において、ヒットが取得されることを確認するため、および設計の堅固性の評価を提供するために、任意で検証ステップが方法に含まれ得る。重鎖(HC)は、競合アッセイスクリーニングおよび検証の両方について、限定的な量(すなわち、HC<L1+L2)に保持された。方法は、以下のように行われた。
遺伝子移入方法
実施例4に記載するように調製された、1つの重鎖および2つの軽鎖構築物を含む同時発現セットを、以下のように、CHO−3E7細胞内に遺伝子移入した。CHO−3E7細胞を、4mMのグルタミンおよび0.1%のPluronic F−68(Invitrogenカタログ番号24040−032)を補ったFreeStyle TM F17培地(Invitrogenカタログ番号A−1383501)内で、37℃で培養した。2mlの増殖培地内の200万個の細胞(CHO−3E7)を、1:2.5のDNA:PEI比率でPEI−pro(Polyplusカタログ番号115−010)を使用して、合計2μgのDNAで遺伝子移入した。DNA−PEI混合物の添加の24時間後、細胞を、32℃に移した。7日目に、非還元SDS−PAGE分析によって上清を発現について試験し、続いて、バンドを視覚化するためにクマシーブリリアントブルー染色を行った。HC:LC比率は、表2に示す通りである。LCCAスクリーニングおよび検証のため、HC:LC1:LC2比率の例を使用した。それぞれの2mlのCHO/HEK細胞培養を遺伝子移入するために使用されるDNAの相対量もまた提供される。注:「遺伝子移入に使用されるDNA量」は、ベクターならびに挿入物(例えばHC)を含む。
(表2)
Figure 2015533089
HC:重鎖、L1:軽鎖1、L2:軽鎖2
^スタッファーDNA:DNA挿入を有さないTT5ベクター。
競合アッセイSPR法
同時発現セットにおける、D3H44重鎖に対する優先的D3H44軽鎖対合の程度を、各軽鎖のN末端に位置する固有エピトープタグのSPRに基づく読み取りを使用して、評価した。
表面プラズモン共鳴(SPR)供給。GLMセンサーチップ、Biorad ProteOnアミン結合キット(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、N−ヒドロキシスルホスクシンイミド(sNHS)およびエタノールアミン)、並びに、10mMの酢酸ナトリウム緩衝剤を、Bio−Rad Laboratories(Canada)Ltd.(Mississauga,ON)から購入した。組み換えHer−2タンパク質を、eBioscience(San Diego,CA)から購入した。4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)緩衝剤、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、およびNaClを、Sigma−Aldrich(Oakville,ON)から購入した。10%のTween20溶液を、Teknova(Hollister,CA)から購入した。
SPRバイオセンサーアッセイ。全ての表面プラズモン共鳴アッセイは、BioRad ProteOn XPR36装置(Bio−Rad Laboratories(Canada)Ltd.(Mississauga,ON))をPBSTランニング緩衝剤(0.05%のTween20を有するPBS Teknova Inc)と共に25℃で使用して、行った。抗ペンタHis捕捉表面はGLMセンサーチップを使用して生成し、分析物(水平)方向に100μL/分で140秒間注入された標準BioRad sNHS/EDC溶液の1:5希釈によって活性化させた。活性化の直後、10mMのNaOAc、pH4.5内の抗ペンタHis抗体(Qiagen Inc.)の25μg/mL溶液を、約3000の共鳴ユニット(RU)が固定化されるまで、分析物(垂直)方向に、25μL/分の流量で注入した。残存する活性基を、1Mのエタノールアミンの分析物方向での100μL/分での140秒間の注入によって急冷し、これもまた、疑似活性化したインタースポットがブランク参照のために作成されるということを確実にする。
抗FLAG(Sigma Inc.)および抗HA(Roche Inc.)モノクローナル抗体に対する結合についての、ヘテロ二量体のスクリーニングは、リガンド方向でのヘテロ二量体の抗ペンタHis表面上への間接捕捉に続く、分析物方向での抗FLAGおよび抗HAの注入という、2つのステップで行った。まず、リガンド方向での、100μL/分での30秒間の1回の緩衝剤注入が、ベースラインを安定化させるために使用された。各ヘテロ二量体捕捉について、細胞培養培地内の未精製ヘテロ二量体を、PBST内で4%まで希釈した。1〜5種のヘテロ二量体または対照(すなわち、100%HA軽鎖または100%FLAG軽鎖のいずれかを含有する対照)を、240秒間、25μL/分の流れで、個別のリガンドチャネルに同時に注入した。これは、抗ペンタHis表面上への、約300〜400RUの飽和ヘテロ二量体捕捉をもたらした。第1のリガンドチャネルは、必要であればブランク対照として使用するために、ブランクのままにした。このヘテロ二量体捕捉ステップの直後に、ベースラインを安定化させるための、分析物方向での2回の緩衝剤注入が続き、その後、180秒間の解離期を伴って、5nMの抗FLAGおよび5nMの抗HAを50μL/分で120秒間、二つ組でそれぞれ注入し、捕捉されたヘテロ二量体のそれぞれに対する緩衝剤基準を有する、一連の結合センサーグラムをもたらした。可能な場合、ヘテロ二量体が結合する抗原は、活性対照として最後に残存する分析物チャネルを介してもまた注入され得る。ヘテロ二量体を、次の注入周期のための抗ペンタHis表面を調製するために、18秒間、100μL/分での0.85%のリン酸の18秒間のパルスによって再生した。センサーグラムを緩衝剤ブランク注入およびインタースポットを使用して整列および二重基準化し、得られたセンサーグラムを、ProteOn Managerソフトウェアv3.0を使用して分析した。
SPRから取得されたデータを、実施例2および3に記載されるように分析した。
処理されたデータは、表3に示すように、SPRに基づくアッセイから取得され得る。H1またはH2+LaおよびL2両方を有する、軽鎖競合アッセイの結果の選択が提供される。優先的H1−L1およびH2−L2結合が達成された。
(表3)静電気/立体に基づく設計
Figure 2015533089
理論的には、L1およびL2の合計の百分率は、合計100%になるべきである。実際には、いくつかの変異体について、L1およびL2の総量が100%を大きく下回ることが観察された。合計軽鎖百分率におけるこの相違は、一部には、SPRチップ上での初期ヘテロ二量体捕捉の際の、可変非特異性結合の生成によるものであると考えられる。
1台のProteOn XPR36機械上でのLCCA処理量は、典型的には、1日当たり60の変異体、または1週間当たり300の変異体である。SPR機械は、1週間当たり4または5日間動作し得るということが理解されるべきである。更に、より高い処理量のスクリーニング速度は、資材の増加(例えば、2台のProteOn XPR36機械の使用)によって、または、より高い処理量のSPR機械への交換によって、達成され得る。
実施例6:スクリーニングアッセイの結果は「野生型形式」における選択的対合を予測する
「Fab対設計」(実用的なH1−L1+H2−L2設計の組み合わせ)のLCCA結果は、対応する2つの完全長の重鎖が2つの固有軽鎖構築物(野生型形式)と同時発現される際に取得される結果と、正の相関を示す。重鎖ポリペプチドが互いと優先的にヘテロ二量体化するように、CH3領域内に突然変異を有する2つの該重鎖を使用して、「野生型形式」における対合を試験するためのアッセイを以下の通り行った。
2つの固有完全長の重鎖構築物が、2つの固有軽鎖構築物と同時発現し、10の可能性のある抗体種:H1_L1:H1_L1、H1_L2:H1_L2、H1_L1:H1_L2、H2_L1:H2_L1、H2_L2:H2_L2、H2_L1:H2_L2、H1_L1:H2_L1、H1_L2:H2_L2、H1_L2:H2_L1、およびH1_L1:H2_L2をもたらした。H1_L1:H2_L2種は、正確に対合したヘテロ二量体である。好適な種H1_L1:H2_L2の量対他の量に関する相対的対合特異性を、プロテインA(pA)精製の後に、LC−MSを使用して決定された。不均質性および質量分析からの結果を混同する危険性を低減するために、C末端LYSを、重鎖から除去した。可能である限りタグを除外し;混合物内の可能性のある種のうちのいずれかの間の質量の差が50Da未満であった場合、1つまたは両方の軽鎖を、N末端HAタグ融合および/またはFLAGタグ融合を伴って設計した。重鎖(HC)を、限定的な量に保持した(すなわち、HC<L1+L2)。
図14は、17種の「Fab対設計」についての、LCCA Fab1(すなわち、HC1:LC1:LC2;x軸)およびFab2(すなわち、HC1:LC1:LC2;y軸)の結果を示す。両方のFabアーム上で良好に稼働する(すなわち正確に対合したFabの高い百分率を示す)設計が、プロットの第1象限において見られる。あまる効果的に機能しない(例えば、1つのFabアームが良好に稼動していない)設計が、プロットの第3象限に示される。野生型形式におけるFab対設計の性能を、データ点の着色によって示す(凡例を参照されたい)。正の相関が明白に見られ、良好に機能するLCCA Fab対設計は、野生型形式に良好につながる(すなわち、正確に対合したFabの百分率が高い)。同様に、不良に稼働するLCCA Fab対設計は、野生型形式において比較的不良に機能する。注:混合LCCAの結果は、D3H44およびPertuzumabの混合物から取得した。例えば、Fab1 LCCAは、Pertuzumab HC、Pertuzumab LC1、およびD3H44LC2であり得る。
本明細書に記述された全ての公報、特許、および特許出願は、まるでそれぞれ個別の公報、特許、および特許出願が特定的および個別に参照として組み込まれるように示されているかのように、同一程度で、参照として本明細書に組み込まれる。

Claims (134)

  1. 軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法であって、
    (a)VHおよびCH1領域を含む第1の重鎖ポリペプチドと、
    第1のVLおよび第1のCL領域を含む第1の軽鎖ポリペプチドと、
    第2のVLおよび第2のCL領域を含む第2の軽鎖ポリペプチドと
    を含む、一連の構築物を同時発現させるステップであって、前記重鎖ポリペプチドおよび前記軽鎖ポリペプチドが、前記重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、前記一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、
    (b)前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドと対合した前記重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を、前記一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、
    (c)前記重鎖対合ポリペプチド生成物において、前記第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および前記第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量のステップと
    を含み、
    前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した前記重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての前記重鎖ポリペプチドの選択性を示す、方法。
  2. 前記重鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドが、約0.25:1:1の所定の比率で発現する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記重鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドが、約1:2:2の所定の比率で発現する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記重鎖ポリペプチド、ならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドが、約1:3:3の所定の比率で発現する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記同時発現が、宿主細胞内においてである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記同時発現が、インビトロ無細胞発現系においてである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 発現後に、発現したポリペプチドを発現培地から分離するステップを更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ポリペプチドが、遠心分離によって分離される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ポリペプチドが、精製カラムの使用によって分離される、請求項7に記載の方法。
  10. VHおよびCH1領域を含む前記第1の重鎖ポリペプチドが、CH3領域を更に含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 第2の重鎖ポリペプチドの同時発現を更に含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 少なくとも1つの重鎖ポリペプチドが、CH2領域またはその断片を含む、請求項10〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記重鎖ポリペプチド、ならびに前記第1および第2の軽鎖ポリペプチドのうちの1つを、少なくとも1つの宿主細胞内で、他の軽鎖ポリペプチドの不在下で発現させるステップと、
    前記重鎖ポリペプチドおよび前記軽鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を単離するステップと、
    前記生成物の量を定量化するステップであって、前記量が、前記重鎖ポリペプチドの前記軽鎖ポリペプチドとの最大の検出可能な結合のための対照標準としての役割を果たす、ステップと
    を更に含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記重鎖ポリペプチドおよび所望の軽鎖ポリペプチドを含む生成物が、陽性対照標準を提供する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記重鎖ポリペプチドおよびあまり所望でない軽鎖ポリペプチドを含む生成物が、陰性対照標準を提供する、請求項13に記載の方法。
  16. 全ての未結合のポリペプチドを、単離された構築物から除去するステップを更に含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドが、検出可能な部分を含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 検出可能な部分が、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または、更なる検出可能な部分を含むタグである、請求項16に記載の方法。
  19. 各軽鎖ポリペプチドが、異なる検出可能な部分を含む異なるタグで標識されている、請求項18に記載の方法。
  20. 少なくとも1つの軽鎖ポリペプチドが、相互作用表面層を含む表面上に捕捉されかつ更に装置によって検出および定量化されることができる、タグを含む、請求項17〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記重鎖ポリペプチドが、タグで標識されている、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記重鎖ポリペプチドを標識している前記タグが、相互作用表面層を含む表面上に捕捉されかつ更に装置によって検出および定量化されることができる、請求項21に記載の方法。
  23. 前記装置が、前記第1および第2の軽鎖ポリペプチドのうちの少なくとも1つにおける前記検出可能な部分を検出および定量化することができる、請求項20および22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記装置が、ハイスループットが可能である、請求項20、22〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 検出可能な部分の前記検出が、ELISA、SPRチップ、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせによる測定を含む、請求項17〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記検出可能な部分の前記検出が、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含む、請求項17〜24のいずれか一項に記載の方法。
  27. 競合する重鎖もしくは軽鎖ポリペプチド、またはそれらの組み合わせの存在下でのFab含有構築物の選択的形成を決定する方法であって、
    VHおよびCH1領域を含む第1の重鎖ポリペプチド、ならびに
    第1のVLおよび第1のCL領域を含む第1の軽鎖ポリペプチド、
    1つ以上の他の重鎖ポリペプチド、軽鎖ポリペプチド、またはこれらの組み合わせ
    を同時発現させるステップであって、前記第1の軽鎖ポリペプチドが、選択的に前記重鎖ポリペプチドと結合して、所望のFab構築物を形成する、ステップと、
    前記第1の重鎖ポリペプチドまたは前記第1の軽鎖ポリペプチドを含む各Fab構築物を単離するステップと、
    所望のFab構築物の量を、他のFab構築物と比較して検出するステップであって、前記所望のFab構築物のより多い量が、前記Fab構築物の形成のより高い選択性を示す、ステップと
    を含む、方法。
  28. 前記第1の重鎖ポリペプチド、および前記軽鎖ポリペプチドが、異なる検出可能な部分を含むタグで標識されている、請求項27に記載の方法。
  29. 合理的に設計されたFab構築物の、他の重鎖または軽鎖ポリペプチドの存在下で自己結合する能力を決定する方法であって、請求項27〜28のいずれか一項に記載の方法を含み、前記第1の重鎖ポリペプチドおよび前記第1の軽鎖ポリペプチドが結合して、前記設計されたFab構築物を形成する、方法。
  30. 前記同時発現が、細菌細胞である宿主細胞内においてである、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記同時発現が、酵母細胞である宿主細胞内においてである、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記同時発現が、哺乳類細胞である宿主細胞内においてである、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記哺乳類細胞が、COS、CHO、BHK、HEK−293、NSO、3T3細胞、およびこれらの派生物のうちの少なくとも1つである、請求項32に記載の方法。
  34. 6×His、FLAG、HA、c−myc、s−FLAG、SBP、V5、およびABDから選択される、前記重鎖および軽鎖ポリペプチドのうちの少なくとも1つのための少なくとも1つのタグを含む、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 二パラトープ抗体構築物を形成するためのFab構築物の選択における、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法の使用。
  36. 前記二パラトープ抗体構築物が、二重特異性抗体構築物である、請求項30に記載の使用。
  37. 前記二パラトープ抗体構築物が、同一の抗原上の2つの異なる部位を結合する、請求項30に記載の使用。
  38. (a)第1の免疫グロブリン重鎖領域を含む第1の重鎖ポリペプチドと、
    前記第1の重鎖ポリペプチドと結合して第1のFab構築物を形成することができる、第1の免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む第1の軽鎖ポリペプチドと、
    第2の免疫グロブリン重鎖可変領域を含む第2の重鎖ポリペプチドと結合して第2のFab構築物を形成することができる、第2の免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む第2の軽鎖ポリペプチドと
    を同時発現させるステップであって、前記第1および第2の重鎖ポリペプチドが、前記重鎖ポリペプチドが互いと優先的にヘテロ二量体化するように、変異CH3領域を含む、ステップと、
    (b)前記第1の重鎖ポリペプチドおよびいずれか1つの前記軽鎖ポリペプチドを含んで形成されたFab構築物の量を検出するステップと、
    (c)前記第2の重鎖ポリペプチド、第1の軽鎖ポリペプチド、および第2の軽鎖ポリペプチドを宿主細胞において発現させるステップと、
    (d)前記第2の重鎖ポリペプチドおよびいずれか1つの前記軽鎖ポリペプチドを含んで形成されたFab構築物の量を検出するステップと
    を含み、
    他のFab構築物と比較した、ステップ(b)における前記第1のFab構築物のより多い量、およびステップ(d)における前記第2のFab構築物のより多い量が、前記ポリペプチドが自己集合してヘテロ多量体抗体構築物を形成し得ることを示す、前記ヘテロ多量体抗体構築物を設計するための、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  39. ヘテロ多量体抗体を設計するための、ポリペプチドのハイスループットスクリーニング方法であって、
    (a)第1の免疫グロブリン重鎖可変領域を含む第1の重鎖ポリペプチドと、
    前記第1の重鎖ポリペプチドと結合して第1のFab構築物を形成することができる、第1の免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む第1の軽鎖ポリペプチドと、
    第2の免疫グロブリン重鎖可変領域を含む第2の重鎖ポリペプチドであって、前記第1および第2の重鎖ポリペプチドは変異CH3可変領域を含むヘテロ多量体を形成することができる、第2の重鎖ポリペプチドと、
    前記第2の重鎖ポリペプチドと結合して第2のFab構築物を形成することができる、第2の免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む第2の軽鎖ポリペプチドと
    を取得するステップと、
    (b)溶液中で、前記第1の重鎖ポリペプチドを、前記第1および第2の軽鎖ポリペプチドと接触させるステップと、
    (c)ステップ(b)の前記溶液中で、前記第1の重鎖ポリペプチドおよびいずれか1つの前記軽鎖ポリペプチドを含んで形成されたFab構築物の量を検出するステップと、
    (d)別の溶液中で、前記第2の重鎖ポリペプチドを、前記第1および第2の軽鎖ポリペプチドと接触させるステップと、
    (e)ステップ(d)の前記溶液中で、前記第2の重鎖ポリペプチドおよびいずれか1つの前記軽鎖ポリペプチドを含んで形成されたFab構築物の量を検出するステップと
    を含み、
    他のFab構築物と比較した、ステップ(c)における前記第1のFab構築物のより多い量、およびステップ(e)における前記第2のFab構築物のより多い量が、前記ポリペプチドが自己集合してヘテロ多量体抗体構築物を形成し得ることを示す、方法。
  40. 各軽鎖ポリペプチドおよび各重鎖ポリペプチドが、異なる検出可能な部分を含む異なるタグで標識されている、請求項38〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 各重鎖タグが、相互作用表面層を含む装置によって捕捉されることができる、請求項40に記載の方法。
  42. 前記装置が、各軽鎖ポリペプチド上の前記タグを定量的に認識することができる、請求項41に記載の方法。
  43. 前記装置が、ハイスループットが可能である、請求項41〜42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記検出可能な部分が、ELISA、SPRチップ、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせによる測定によって、定量化可能に検出される、請求項43に記載の方法。
  45. 前記検出可能な部分が、蛍光、消光、放射活性、または化学発光による測定によって、定量化可能に検出される、請求項40に記載の方法。
  46. 軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を決定するハイスループット法であって、
    免疫グロブリン重鎖可変領域を含む重鎖ポリペプチドと、
    第1の免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む第1の軽鎖ポリペプチドと、
    第2の免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む少なくとも1つの第2の軽鎖ポリペプチドと
    を取得するステップと、
    溶液中で、前記重鎖ポリペプチドおよび前記軽鎖ポリペプチドを、前記重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように、所定の比率で接触させるステップと、
    前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドと対合した前記重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を単離するステップと、
    前記第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および前記第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を定量化するステップと
    を含み、
    前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した前記重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての前記重鎖ポリペプチドの選択性を示す、方法。
  47. 重鎖ポリペプチドの軽鎖ポリペプチドとの選択的対合についてのハイスループットスクリーニングのシステムであって、
    免疫グロブリン重鎖可変領域、および相互作用表面層を含む装置によって捕捉されることができるタグを含む、重鎖ポリペプチドと、
    第1の免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む第1の軽鎖ポリペプチドと、
    第2の免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む少なくとも1つの第2の軽鎖ポリペプチドと
    を発現させるための、1つ以上の宿主細胞、またはインビトロ機構であって、
    前記重鎖ポリペプチドおよび前記軽鎖ポリペプチドが、重鎖の量が前記第1および第2の軽鎖ポリペプチドの合計より多くなるように、所定の比率で発現し、前記第1および第2の軽鎖ポリペプチドが、検出可能な部分でタグ付けされる、宿主細胞、またはインビトロ機構と、
    前記重鎖ポリペプチドを捕捉することができる相互作用表面層を含む検出装置であって、前記検出装置が各前記軽鎖ポリペプチド上の前記検出可能な部分を検出することが更に可能であり、
    前記重鎖ポリペプチドおよび第1または第2の軽鎖ポリペプチドを含む構築物が、前記1つ以上の宿主細胞によって発現し、かつ前記検出装置と接触し、
    前記検出装置が、前記重鎖ポリペプチドおよび第1の軽鎖ポリペプチドを含む第1の構築物の量と、前記重鎖ポリペプチドおよび第2の軽鎖ポリペプチドを含む第2の構築物の量とを、前記第2の構築物と比較してより多い前記第1の構築物の量が前記第2の軽鎖ポリペプチドと比較してより高い前記第1の軽鎖ポリペプチドとの対合についての前記重鎖ポリペプチドの選択性を示すように検出するために有用である、検出装置と
    を含む、システム。
  48. 前記検出装置と接触させる前に、前記構築物を前記1つ以上の宿主細胞から単離するための機構を更に含む、請求項47に記載のシステム。
  49. 前記重鎖ポリペプチドならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドの前記所定の比率が、約0.25:1:1である、請求項47〜48のいずれか一項に記載のシステム。
  50. 前記重鎖ポリペプチドならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドの前記所定の比率が、約1:2:2である、請求項47〜48のいずれか一項に記載のシステム。
  51. 前記重鎖ポリペプチドならびに第1および第2の軽鎖ポリペプチドの前記所定の比率が、約1:3:3である、請求項47〜48のいずれか一項に記載のシステム。
  52. 請求項47〜52のいずれか一項に記載のシステム、および使用説明書を含む、重鎖ポリペプチドの軽鎖ポリペプチドとの選択的対合のハイスループットスクリーニングのためのキット。
  53. 試薬および緩衝剤を更に含む、請求項52に記載のキット。
  54. 前記重鎖および軽鎖ポリペプチドを精製するための機構を更に含む、請求項52に記載のキット。
  55. (c)が、HC:LC1:LC2を捕捉する表面上で検出されるHC:LC1:LC2間の対合を定量化することを含み、前記方法が、ELISA、SPRチップ、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせ、ならびに前記ユニットのうちの1つ以上と前記環境との間の相互作用について前記表面をスクリーニングすることを含む、請求項1に記載の方法。
  56. 前記対合が、検出可能な部分を定量化することによって検出される、請求項55に記載の方法。
  57. 前記検出可能な部分が、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または更なる検出可能な部分を含むタグである、請求項56に記載の方法。
  58. 前記検出可能な部分の検出が、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含む、請求項56または57に記載の方法。
  59. 前記HC:LC1:LC2を含む環境が、複合分子混合物、細胞上清、宿主細胞の細胞質、またはこれらの組み合わせである、請求項55に記載の方法。
  60. 特定の軽鎖タグを有する抗体の質量が、単離された重鎖画分の量によって正規化される、請求項1に記載の方法。
  61. 等価質量比が対照抗体に対して評価される、請求項60に記載の方法。
  62. 2つの質量比の比率が、特定のタグを有する単離された抗体の百分率に等しい、請求項61に記載の方法。
  63. 前記方法によって取得されたデータが汎用コンピュータに送信され、前記データを出力することが、前記結果をデータ記憶媒体上に記憶することを含む、請求項55〜62のいずれか一項に記載の方法。
  64. HC−LC結果を分析するステップを任意に含む、請求項63に記載の方法。
  65. 対合された重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドのLCCAライブラリを構築するステップを更に含む、請求項64に記載の方法。
  66. 軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法であって、
    (a)VLおよびCL領域を含む第1の軽鎖ポリペプチドと、
    第1のVHおよび第1のCH1領域を含む第1の重鎖ポリペプチドと、
    第2のVHおよび第2のCH1領域を含む第2の重鎖ポリペプチドと
    を含む、一連の構築物を同時発現させるステップであって、前記軽鎖ポリペプチドおよび前記重鎖ポリペプチドが、前記軽鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、前記一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、
    (b)前記第1または第2の重鎖ポリペプチドと対合した前記軽鎖ポリペプチドを含む軽鎖対合ポリペプチド生成物を、前記一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、
    (c)前記軽鎖対合ポリペプチド生成物において、前記第1の重鎖ポリペプチドと対合した軽鎖ポリペプチドの量、および前記第2の重鎖ポリペプチドと対合した軽鎖ポリペプチドの量のステップと
    を含み、
    前記第1または第2の重鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した前記軽鎖ポリペプチドの、他方の重鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、前記第1または第2の重鎖ポリペプチドとの対合についての前記軽鎖ポリペプチドの選択性を示す、方法。
  67. 前記第1または前記第2の重鎖ポリペプチドが、Fc領域を更に含む、請求項1に記載の方法。
  68. 前記第1および前記第2の重鎖ポリペプチドが、Fc領域を更に含む、請求項1に記載の方法。
  69. 前記第1または前記第2の重鎖ポリペプチドが、Fcおよび領域およびFv領域を含む、請求項1に記載の方法。
  70. 前記第1および前記第2の重鎖ポリペプチドが、Fc領域およびFv領域を含む、請求項1に記載の方法。
  71. 前記第1または前記第2の重鎖ポリペプチドが、Fc領域を更に含む、請求項66に記載の方法。
  72. 前記第1および前記第2の重鎖ポリペプチドが、Fc領域を更に含む、請求項66に記載の方法。
  73. 前記第1または前記第2の重鎖ポリペプチドが、Fc領域およびFv領域を含む、請求項66に記載の方法。
  74. 前記第1および前記第2の重鎖ポリペプチドが、Fc領域およびFv領域を含む、請求項66に記載の方法。
  75. 軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法であって、
    (a)VH、CH1、CH2、およびCH3領域を含む第1の重鎖ポリペプチドと、
    第1のVLおよび第1のCL領域を含む第1の軽鎖ポリペプチドと、
    第2のVLおよび第2のCL領域を含む第2の軽鎖ポリペプチドと
    を含む、一連の構築物を同時発現させるステップであって、前記重鎖ポリペプチドおよび前記軽鎖ポリペプチドが、前記重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、前記一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、
    (b)前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドと対合した前記重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を、前記一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、
    (c)前記重鎖対合ポリペプチド生成物において、前記第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および前記第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量のステップと
    を含み、
    前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した前記重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての前記重鎖ポリペプチドの選択性を示す、方法。
  76. 軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法であって、
    (a)VH、CH1、CH2、およびCH3領域を含む完全長の重鎖ポリペプチドと、
    CH2領域およびCH3領域を含む重鎖ポリペプチドと、
    第1のVLおよび第1のCL領域を含む第1の軽鎖ポリペプチドと、
    第2のVLおよび第2のCL領域を含む第2の軽鎖ポリペプチドと
    を含む一連の構築物を同時発現させるステップであって、前記重鎖ポリペプチドおよび前記軽鎖ポリペプチドが、前記完全長の重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、前記一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、
    (b)前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドを有する、CH2領域およびCH3領域を含む前記重鎖ポリペプチドと対合した前記完全長の重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を、前記一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、
    (c)前記重鎖対合ポリペプチド生成物において、前記第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および前記第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を決定するステップと
    を含み、
    前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した前記重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての前記重鎖ポリペプチドの選択性を示す、方法。
  77. Hと対合するL1の相対対合傾向を、Hと対合するL2の相対対合傾向と比較して決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  78. HL2種よりも高いHL1種の相対量を生成する対合したポリペプチドを選択するステップを更に含む、請求項77に記載の方法。
  79. 以下の計算式に従って比率を比較するステップを含み、
    Figure 2015533089
    式中、Rは、前記2つのFab種の量の比率であり、SはRの対数であって、L1のHとの対合とL2のHとの対合の間の自由エネルギー差に比例し、P1およびP2は、
    Figure 2015533089
    であるような、それぞれ所望のおよび不所望の種の百分率である、請求項78に記載の方法。
  80. 軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法であって、
    (a)VH領域、CH1領域、および第1の検出可能な標識(タグ)を含む重鎖ポリペプチドと、
    第1のVL、第1のCL領域、および第2の検出可能な標識を含む第1の軽鎖ポリペプチドと、
    第2のVL、第2のCL領域、および第3の検出可能な標識を含む第2の軽鎖ポリペプチドと
    を含む、一連の構築物を同時発現させるステップであって、前記重鎖ポリペプチドおよび前記軽鎖ポリペプチドが、前記完全長の重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、前記一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、
    (b)前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドと共に前記重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を、前記一連のポリペプチド生成物から、前記重鎖ポリペプチド上の前記第1の検出可能な標識を使用して単離するステップと、
    (c)前記重鎖対合ポリペプチド生成物において、前記第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および前記第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を決定するステップと
    を含み、
    前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した前記重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての前記重鎖ポリペプチドの選択性を示す、方法。
  81. 前記第1の検出可能な標識が、6×Hisタグである、請求項80に記載の方法。
  82. 前記第2の検出可能な標識が、前記第3の検出可能な標識とは異なる、請求項80に記載の方法。
  83. (c)の決定するステップが、ELISA、SPR、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせを含む、請求項80に記載の方法。
  84. 前記検出可能な標識が、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または更なる検出可能な部分を含むタグである、請求項80に記載の方法。
  85. 前記検出可能な標識の検出が、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含む、請求項84に記載の方法。
  86. 重鎖ポリペプチドとの対合についての軽鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法であって、
    (a)VL領域およびCL領域を含む軽鎖ポリペプチドと、
    第1のVH、第1のCH1領域、および少なくとも1つの検出可能な標識を含む第1の重鎖ポリペプチドと、
    第2のVH、第2のCH1領域、および少なくとも1つの検出可能な標識を含む第2の重鎖ポリペプチドと
    を含む、一連の構築物を同時発現させるステップであって、前記軽鎖ポリペプチドおよび前記重鎖ポリペプチドが、前記軽鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、前記一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、
    (b)前記第1または第2の重鎖ポリペプチドと共に前記軽鎖ポリペプチドを含む軽鎖対合ポリペプチド生成物を、前記一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、
    (c)前記軽鎖対合ポリペプチド生成物において、前記第1の重鎖ポリペプチドと対合した軽鎖ポリペプチドの量、および前記第2の重鎖ポリペプチドと対合した軽鎖ポリペプチドの量を決定するステップと
    を含み、
    前記第1または第2の重鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した前記軽鎖ポリペプチドの、他方の重鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、前記第1または第2の重鎖ポリペプチドとの対合についての前記軽鎖ポリペプチドの選択性を示す、方法。
  87. (c)の決定するステップが、ELISA、SPR、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせを含む、請求項86に記載の方法。
  88. 前記第1の重鎖ポリペプチドが、2つの標識で標識されている、請求項86に記載の方法。
  89. 前記第1の重鎖ポリペプチドが、6×Hisタグおよび第2の標識で標識されている、請求項86に記載の方法。
  90. 前記第2の重鎖ポリペプチドが、2つの標識で標識されている、請求項86に記載の方法。
  91. 前記第2の重鎖ポリペプチドが、6×Hisタグおよび第2の標識で標識されている、請求項86に記載の方法。
  92. 前記検出可能な標識が、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または更なる検出可能な部分を含むタグである、請求項86に記載の方法。
  93. 前記検出可能な標識の検出が、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含む、請求項92に記載の方法。
  94. 軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法であって、
    (a)VH、CH1、CH2、およびCH3領域を含む完全長の重鎖ポリペプチドと、
    CH2領域およびCH3領域を含む重鎖ポリペプチドと、
    第1のVL、第1のCL領域、および第1の検出可能な標識を含む第1の軽鎖ポリペプチドと、
    第2のVL、第2のCL領域、および第2の検出可能な標識を含む第2の軽鎖ポリペプチドと
    を含む、一連の構築物を同時発現させるステップであって、前記重鎖ポリペプチドおよび前記軽鎖ポリペプチドが、前記完全長の重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、前記一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、
    (b)重鎖対合ポリペプチド生成物を抗Fc抗体で単離するステップと、
    (c)前記重鎖対合ポリペプチド生成物において、前記第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および前記第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を決定するステップと
    を含み、
    前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した前記重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての前記重鎖ポリペプチドの選択性を示す、方法。
  95. (c)の決定するステップが、ELISA、SPR、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせを含む、請求項94に記載の方法。
  96. 前記第1の検出可能な標識が、前記第2の検出可能な標識とは異なる、請求項94に記載の方法。
  97. 前記検出可能な標識が、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または更なる検出可能な部分を含むタグである、請求項94に記載の方法。
  98. 前記検出可能な標識の検出が、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含む、請求項97に記載の方法。
  99. 軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法であって、
    (a)VH、CH1、CH2、およびCH3領域を含む完全長の重鎖ポリペプチドと、
    第1のVL、第1のCL領域、および第1の検出可能な標識を含む第1の軽鎖ポリペプチドと、
    第2のVL、第2のCL領域、および第2の検出可能な標識を含む第2の軽鎖ポリペプチドと
    を含む、一連の構築物を同時発現させるステップであって、前記重鎖ポリペプチドおよび前記軽鎖ポリペプチドが、前記完全長の重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、前記一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、
    (b)重鎖対合ポリペプチド生成物を抗Fc抗体で単離するステップと、
    (c)前記重鎖対合ポリペプチド生成物において、前記第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および前記第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を決定するステップと
    を含み、
    前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した前記重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての前記重鎖ポリペプチドの選択性を示す、方法。
  100. (c)の決定するステップが、ELISA、SPR、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせを含む、請求項99に記載の方法。
  101. 前記第1の検出可能な標識が、前記第2の検出可能な標識とは異なる、請求項99に記載の方法。
  102. 前記検出可能な標識が、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または更なる検出可能な部分を含むタグである、請求項99に記載の方法。
  103. 前記検出可能な標識の検出が、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含む、請求項102に記載の方法。
  104. 軽鎖ポリペプチドとの対合についての重鎖ポリペプチドの選択性を定量化するハイスループット法であって、
    (a)VH領域、CH1領域、および検出可能な標識を含む第1の重鎖ポリペプチドと、
    VH領域、CH1領域、および検出可能な標識を含む第2の重鎖ポリペプチドと、
    第1のVL、第1のCL領域、および検出可能な標識を含む第1の軽鎖ポリペプチドと、
    第2のVL、第2のCL領域、および検出可能な標識を含む第2の軽鎖ポリペプチドと
    を含む、一連の構築物を同時発現させるステップであって、前記重鎖ポリペプチドおよび前記軽鎖ポリペプチドが、前記重鎖ポリペプチドの総量が限定的であるように発現し、かつ、前記一連の構築物を同時発現させるステップが一連のポリペプチド生成物をもたらす、ステップと、
    (b)前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドと対合した前記重鎖ポリペプチドを含む重鎖対合ポリペプチド生成物を、前記一連のポリペプチド生成物から単離するステップと、
    (c)前記重鎖対合ポリペプチド生成物において、前記第1の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量、および前記第2の軽鎖ポリペプチドと対合した重鎖ポリペプチドの量を決定するステップと
    を含み、
    前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドのうちの一方と対合した前記重鎖ポリペプチドの、他方の軽鎖ポリペプチドと比較してより多い量が、前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての前記重鎖ポリペプチドの選択性を示す、方法。
  105. 前記検出可能な標識のうちのそれぞれが固有である、請求項104に記載の方法。
  106. (c)の決定するステップが、ELISA、SPR、二分子蛍光補完読み取り、蛍光活性化細胞選別(FACS)、DELFIA(登録商標)、蛍光偏光/異方性(FP)、蛍光/フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET、TR−FRET、HTRF)、AlphaScreen(登録商標)、またはこれらの組み合わせを含む、請求項104に記載の方法。
  107. 前記検出可能な標識が、タンパク質結合部位、リガンド結合部位、または更なる検出可能な部分を含むタグである、請求項104に記載の方法。
  108. 前記検出可能な標識の検出が、蛍光、消光、放射活性、または化学発光の測定を含む、請求項107に記載の方法。
  109. 重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの選択的対合を可視化する方法であって、
    1つ以上の処理装置と、前記方法を実行するために前記1つ以上の処理装置によって実行される1つ以上のプログラムを記憶する記憶装置とを含む、コンピュータシステム上での、
    (a)複数の結合アッセイを含む競合アッセイデータを取得するステップであって、前記複数の結合アッセイのうちの各それぞれの結合アッセイが、溶液中で、複数の重鎖ポリペプチド構築物から選択される1つ以上の対応する重鎖ポリペプチドの第1の量を、複数の軽鎖ポリペプチド構築物から選択される1つ以上の対応する軽鎖ポリペプチドの第2の量に、溶液中の前記対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドまたは前記対応する1つ以上の軽鎖ポリペプチドのいずれかを限定する条件下で、曝露することを含み、
    前記対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドが限定的である場合、前記1つ以上の重鎖ポリペプチドが単一重鎖ポリペプチド構築物からなり、かつ前記1つ以上の軽鎖ポリペプチドが複数の軽鎖ポリペプチド構築物からなり、
    前記対応する1つ以上の軽鎖ポリペプチドが限定的である場合、前記1つ以上の軽鎖ポリペプチドが単一軽鎖ポリペプチド構築物からなり、かつ前記1つ以上の重鎖ポリペプチドが複数の重鎖ポリペプチド構築物からなる、ステップと、
    (b)複数の節点を含むグラフを構築するステップであって、
    前記複数の節点が、節点の第1のサブセット、および節点の第2のサブセットを含み、
    節点の前記第1のサブセットにおける各それぞれの節点が、第1の図示形式で表示され、前記複数の結合アッセイのうちの1つ以上の結合アッセイにおける1つ以上の対応する重鎖ポリペプチドを一意的に表し、
    節点の前記第2のサブセットにおける各それぞれの節点が、第2の図示形式で表示され、前記複数の結合アッセイのうちの1つ以上の結合アッセイにおける1つ以上の対応する軽鎖ポリペプチドを一意的に表し、
    節点の前記第1のサブセットが、前記複数の結合アッセイにおいて使用された前記重鎖ポリペプチドの全てを集合的に表し、
    節点の前記第2のサブセットが、前記複数の結合アッセイにおいて使用された前記軽鎖ポリペプチドの全てを集合的に表す、ステップと、
    (c)前記グラフに、複数のエッジを設定するステップであって、
    前記複数のエッジにおける各それぞれのエッジが、前記複数の結合アッセイにおける対応する結合アッセイを表し、かつ前記対応する結合アッセイにおける前記1つ以上の重鎖ポリペプチドを表す節点の前記第1のサブセット中の第1の節点を、前記対応する結合アッセイにおける前記1つ以上の軽鎖ポリペプチドを表す節点の前記第2のサブセット中の第2の節点と接続し、
    前記複数のエッジにおける各エッジの第1の図示様式は、前記対応する結合アッセイにおける前記限定的ポリペプチドが、前記対応する結合アッセイにおける前記非限定的ポリペプチドのうちの1つに対して選好を有するかどうかを示す、ステップと
    を含む、方法。
  110. 前記複数のエッジにおける各エッジの第2の図示様式が、前記対応する結合アッセイにおける前記限定的ポリペプチドが前記対応する結合アッセイにおける前記非限定的ポリペプチドのうちの1つに対して選好を有する量によって、決定される、請求項109に記載の方法。
  111. 前記第1の図示様式が点線であり、前記第2の図示様式が線幅である、請求項110に記載の方法。
  112. 前記複数のエッジにおける1つのエッジの前記線幅が、前記対応する結合アッセイにおける前記限定的ポリペプチドが前記対応する結合アッセイにおける前記非限定的ポリペプチドのうちの1つに対する選好を有する量によって、決定され、前記対応する結合アッセイにおける前記限定的ポリペプチドが前記対応する結合アッセイにおける前記非限定的ポリペプチドのうちの1つに対する選好を有する量が多ければ多いほど、前記エッジの前記線幅が大きくなる、請求項111に記載の方法。
  113. 前記第1の図示形式が、第1の二次元閉形式の形状であり、前記第2の図示形式が、前記第1の二次元閉形式の形状以外の第2の二次元閉形式の形状である、請求項109に記載の方法。
  114. 前記第1の図示形式が、第1の二次元地理的形状であり、前記第2の図示形式が、前記第1の二次元地理的形状以外の第2の二次元地理的形状である、請求項109に記載の方法。
  115. 前記第1の二次元地理的形状または前記第2の二次元地理的形状が、nが3以上の整数であるn角形、円、または楕円からなる群から選択される、請求項114に記載の方法。
  116. 前記複数の結合アッセイのうちの各結合アッセイにおける前記対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドが、VH領域およびCH1領域を含む単一重鎖ポリペプチド構築物からなり、
    前記複数の結合アッセイのうちの各結合アッセイにおける前記1つ以上の軽鎖ポリペプチドが、第1の軽鎖ポリペプチド構築物および第2の軽鎖ポリペプチド構築物からなり、前記第1の軽鎖ポリペプチド構築物が、第1のVL領域および第1のCL領域からなり、前記第2の軽鎖ポリペプチド構築物が、第2のVL領域および第2のCL領域を含む、請求項109に記載の方法。
  117. 前記複数のエッジにおける各エッジの線幅(W)が、前記対応する結合アッセイにおける前記単一重鎖ポリペプチド構築物が前記第1の軽鎖ポリペプチド構築物または前記第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対する選好を有する量によって、決定され、前記量が、下記式によって決定され、
    Figure 2015533089
    式中、
    fは、線形または非線形関数であり、
    P1は、(i)前記第1の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一重鎖ポリペプチド構築物の量と、(ii)前記第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一重鎖ポリペプチド構築物の量との組み合わせによって正規化された、前記第1の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一重鎖ポリペプチド構築物の量であり、
    P2は、(i)前記第1の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一重鎖ポリペプチド構築物の量と、(ii)前記第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一重鎖ポリペプチド構築物の量との組み合わせによって正規化された、前記第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一重鎖ポリペプチド構築物の量である、請求項116に記載の方法。
  118. fが対数関数である、請求項117に記載の方法。
  119. 前記単一重鎖ポリペプチド構築物が前記第1の軽鎖ポリペプチド構築物に優先的に結合する場合、前記第1の図示様式が実線であり、
    前記単一重鎖ポリペプチド構築物が前記第2の軽鎖ポリペプチド構築物に優先的に結合する場合、前記第1の図示様式が破線である、請求項117に記載の方法。
  120. 前記複数の結合アッセイのうちの各結合アッセイにおける前記対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドが、第1のVHおよび第1のCH1領域を含む第1の重鎖ポリペプチド構築物、ならびに第2のVHおよび第2のCH1領域を含む第2の重鎖ポリペプチド構築物からなり、
    前記複数の結合アッセイのうちの各結合アッセイにおける前記1つ以上の軽鎖ポリペプチドが、VLおよびCL領域を含む軽鎖ポリペプチド構築物からなる、請求項109に記載の方法。
  121. 前記複数のエッジにおける各エッジの線幅(W)が、前記対応する結合アッセイにおける前記単一軽鎖ポリペプチド構築物が前記第1の重鎖ポリペプチド構築物または前記第2の重鎖ポリペプチド構築物に対する選好を有する量によって、決定され、前記量が、下記式によって決定され、
    Figure 2015533089
    式中、
    fは、線形または非線形関数であり、
    P1は、(i)前記第1の重鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一軽鎖ポリペプチド構築物の量と、(ii)前記第2の重鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一軽鎖ポリペプチド構築物の量との組み合わせによって正規化された、前記第1の重鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一軽鎖ポリペプチド構築物の量であり、
    P2は、(i)前記第1の重鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一軽鎖ポリペプチド構築物の量と、(ii)前記第2の重鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一軽鎖ポリペプチド構築物の量との組み合わせによって正規化された、前記第2の重鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一軽鎖ポリペプチド構築物の量である、請求項120に記載の方法。
  122. fが対数関数である、請求項121に記載の方法。
  123. 前記単一軽鎖ポリペプチド構築物が前記第1の重鎖ポリペプチド構築物に優先的に結合する場合、前記第1の図示様式が実線であり、
    前記単一軽鎖ポリペプチド構築物が前記第2の重鎖ポリペプチド構築物に優先的に結合する場合、前記第1の図示様式が破線である、請求項121に記載の方法。
  124. 前記複数の結合アッセイのうちの各結合アッセイにおける前記対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドが、VH領域、CH1領域、CH2領域、およびCH3領域を含む単一重鎖ポリペプチド構築物からなり、
    前記複数の結合アッセイのうちの各結合アッセイにおける前記1つ以上の軽鎖ポリペプチドが、第1の軽鎖ポリペプチド構築物および第2の軽鎖ポリペプチド構築物からなり、前記第1の軽鎖ポリペプチド構築物が、第1のVLおよび第1のCL領域を含み、前記第2の軽鎖ポリペプチド構築物が、第2のVLおよび第2のCL領域を含む、請求項109に記載の方法。
  125. 前記複数の結合アッセイにおける各結合アッセイが、溶液中に、CH2領域およびCH3領域からなる追加の分子実体を更に含む、請求項124に記載の方法。
  126. 前記複数のエッジにおける各エッジの線幅(W)が、前記対応する結合アッセイにおける前記単一重鎖ポリペプチド構築物が前記第1の軽鎖ポリペプチド構築物または前記第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対する選好を有する量によって、決定され、前記量が、下記式によって決定され、
    Figure 2015533089
    式中、
    fは、線形または非線形関数であり、
    P1は、(i)前記第1の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一重鎖ポリペプチド構築物の量と、(ii)前記第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一重鎖ポリペプチド構築物の量との組み合わせによって正規化された、前記第1の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一重鎖ポリペプチド構築物の量であり、
    P2は、(i)前記第1の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一重鎖ポリペプチド構築物の量と、(ii)前記第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一重鎖ポリペプチド構築物の量との合計量によって正規化された、前記第2の軽鎖ポリペプチド構築物に対合した前記単一重鎖ポリペプチド構築物の量である、請求項124に記載の方法。
  127. fが対数関数である、請求項126に記載の方法。
  128. 前記単一重鎖ポリペプチド構築物が前記第1の軽鎖ポリペプチド構築物に優先的に結合する場合、前記第1の図示様式が実線であり、
    前記単一重鎖ポリペプチド構築物が前記第2の軽鎖ポリペプチド構築物に優先的に結合する場合、前記第1の図示様式が破線である、請求項124に記載の方法。
  129. 前記複数の結合アッセイのうちの1つの結合アッセイにおける前記曝露することが、前記1つ以上の対応する重鎖ポリペプチドおよび前記1つ以上の対応する軽鎖ポリペプチドの同時発現によって実行される、請求項109に記載の方法。
  130. 前記第1の図示様式が線色であり、前記第2の図示様式が線幅である、請求項110または111に記載の方法。
  131. 前記第1の図示様式が線色および点線の組み合わせであり、前記第2の図示様式が線幅である、請求項110または111に記載の方法。
  132. 重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの選択的対合を可視化するためのシステムであって、
    1つ以上の処理装置と、
    前記1つ以上の処理装置によって実行される1つ以上のプログラムを記憶する記憶装置と
    を含み、前記1つ以上のプログラムが、
    (a)複数の結合アッセイを含む競合アッセイデータを取得する命令であって、前記複数の結合アッセイのうちの各それぞれの結合アッセイが、溶液中で、複数の重鎖ポリペプチド構築物から選択される1つ以上の対応する重鎖ポリペプチドの第1の量を、複数の軽鎖ポリペプチド構築物から選択される1つ以上の対応する軽鎖ポリペプチドの第2の量に、溶液中の前記対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドまたは前記対応する1つ以上の軽鎖ポリペプチドのいずれかを限定する条件下で、曝露することを含み、
    前記対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドが限定的である場合、前記1つ以上の重鎖ポリペプチドが単一重鎖ポリペプチド構築物からなり、かつ前記1つ以上の軽鎖ポリペプチドが複数の軽鎖ポリペプチド構築物からなり、
    前記対応する1つ以上の軽鎖ポリペプチドが限定的である場合、前記1つ以上の軽鎖ポリペプチドが単一軽鎖ポリペプチド構築物からなり、かつ前記1つ以上の重鎖ポリペプチドが複数の重鎖ポリペプチド構築物からなる、命令と、
    (b)複数の節点を含むグラフを構築する命令であって、
    前記複数の節点が、節点の第1のサブセット、および節点の第2のサブセットを含み、
    節点の前記第1のサブセットにおける各それぞれの節点が、第1の図示形式で表示され、前記複数の結合アッセイのうちの1つ以上の結合アッセイにおける1つ以上の対応する重鎖ポリペプチドを一意的に表し、
    節点の前記第2のサブセットにおける各それぞれの節点が、第2の図示形式で表示され、前記複数の結合アッセイのうちの1つ以上の結合アッセイにおける1つ以上の対応する軽鎖ポリペプチドを一意的に表し、
    節点の前記第1のサブセットが、前記複数の結合アッセイにおいて使用された前記重鎖ポリペプチドの全てを集合的に表し、
    節点の前記第2のサブセットが、前記複数の結合アッセイにおいて使用された前記軽鎖ポリペプチドの全てを集合的に表す、命令と、
    (c)前記グラフに、複数のエッジを設定する命令であって、
    前記複数のエッジにおける各それぞれのエッジが、前記複数の結合アッセイにおける対応する結合アッセイを表し、かつ前記対応する結合アッセイにおける前記1つ以上の重鎖ポリペプチドを表す節点の前記第1のサブセット中の第1の節点を、前記対応する結合アッセイにおける前記1つ以上の軽鎖ポリペプチドを表す節点の前記第2のサブセット中の第2の節点と接続し、
    前記複数のエッジにおける各エッジの第1の図示様式は、前記対応する結合アッセイにおける前記限定的ポリペプチドが、前記対応する結合アッセイにおける前記非限定的ポリペプチドのうちの1つに対して選好を有するかどうかを示す、命令と
    を含む、システム。
  133. 重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの選択的対合を可視化するためのコンピュータシステムによる実行のための1つ以上のコンピュータプログラムを記憶する、非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記1つ以上のコンピュータプログラムが、
    (a)複数の結合アッセイを含む競合アッセイデータを取得する命令であって、前記複数の結合アッセイのうちの各それぞれの結合アッセイが、溶液中で、複数の重鎖ポリペプチド構築物から選択される1つ以上の対応する重鎖ポリペプチドの第1の量を、複数の軽鎖ポリペプチド構築物から選択される1つ以上の対応する軽鎖ポリペプチドの第2の量に、溶液中の前記対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドまたは前記対応する1つ以上の軽鎖ポリペプチドのいずれかを限定する条件下で、曝露することを含み、
    前記対応する1つ以上の重鎖ポリペプチドが限定的である場合、前記1つ以上の重鎖ポリペプチドが単一重鎖ポリペプチド構築物からなり、かつ前記1つ以上の軽鎖ポリペプチドが複数の軽鎖ポリペプチド構築物からなり、
    前記対応する1つ以上の軽鎖ポリペプチドが限定的である場合、前記1つ以上の軽鎖ポリペプチドが単一軽鎖ポリペプチド構築物からなり、かつ前記1つ以上の重鎖ポリペプチドが複数の重鎖ポリペプチド構築物からなる、命令と、
    (b)複数の節点を含むグラフを構築する命令であって、
    前記複数の節点が、節点の第1のサブセット、および節点の第2のサブセットを含み、
    節点の前記第1のサブセットにおける各それぞれの節点が、第1の図示形式で表示され、前記複数の結合アッセイのうちの1つ以上の結合アッセイにおける1つ以上の対応する重鎖ポリペプチドを一意的に表し、
    節点の前記第2のサブセットにおける各それぞれの節点が、第2の図示形式で表示され、前記複数の結合アッセイのうちの1つ以上の結合アッセイにおける1つ以上の対応する軽鎖ポリペプチドを一意的に表し、
    節点の前記第1のサブセットが、前記複数の結合アッセイにおいて使用された前記重鎖ポリペプチドの全てを集合的に表し、
    節点の前記第2のサブセットが、前記複数の結合アッセイにおいて使用された前記軽鎖ポリペプチドの全てを集合的に表す、命令と、
    (c)前記グラフに、複数のエッジを設定する命令であって、
    前記複数のエッジにおける各それぞれのエッジが、前記複数の結合アッセイにおける対応する結合アッセイを表し、かつ前記対応する結合アッセイにおける前記1つ以上の重鎖ポリペプチドを表す節点の前記第1のサブセット中の第1の節点を、前記対応する結合アッセイにおける前記1つ以上の軽鎖ポリペプチドを表す節点の前記第2のサブセット中の第2の節点と接続し、
    前記複数のエッジにおける各エッジの第1の図示様式は、前記対応する結合アッセイにおける前記限定的ポリペプチドが、前記対応する結合アッセイにおける前記非限定的ポリペプチドのうちの1つに対して選好を有するかどうかを示す、命令と
    を含む、コンピュータプログラム。
  134. 前記第1または第2の軽鎖ポリペプチドとの対合についての前記重鎖ポリペプチドの選択性が、請求項109〜133のいずれか一項に記載の方法によって可視化される、請求項1に記載の方法。
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