JP2015531780A - 揮発性化合物の二重カプセル化のための組成物および方法 - Google Patents

揮発性化合物の二重カプセル化のための組成物および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015531780A
JP2015531780A JP2015531426A JP2015531426A JP2015531780A JP 2015531780 A JP2015531780 A JP 2015531780A JP 2015531426 A JP2015531426 A JP 2015531426A JP 2015531426 A JP2015531426 A JP 2015531426A JP 2015531780 A JP2015531780 A JP 2015531780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
resin
oil
particles
ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015531426A
Other languages
English (en)
Inventor
リホン ラオ,クリスティン
リホン ラオ,クリスティン
ジャン,シリング
ベッカー,クリスチャン
シャオイ パン,テイラー
シャオイ パン,テイラー
サン,トン
グレース ヤング,キシウハン
グレース ヤング,キシウハン
Original Assignee
アグロフレッシュ インコーポレイテッド
アグロフレッシュ インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from PCT/CN2012/081468 external-priority patent/WO2014040288A1/en
Application filed by アグロフレッシュ インコーポレイテッド, アグロフレッシュ インコーポレイテッド filed Critical アグロフレッシュ インコーポレイテッド
Publication of JP2015531780A publication Critical patent/JP2015531780A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N25/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
    • A01N25/26Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests in coated particulate form
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N25/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
    • A01N25/08Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests containing solids as carriers or diluents
    • A01N25/10Macromolecular compounds

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Fertilizers (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

シクロプロペンまたは他の活性成分を植物に送達するための、組成物、方法および材料が開示される。ろう様コーティングを有し、樹脂マトリックス中に埋め込まれている二重カプセル化粒子を含む組成物が提供される。このような二重カプセル化粒子は、ピッカーリング(Pickering)粒子でさらに被覆され、油中で懸濁される。二重カプセル化粒子は、活性成分として揮発性化合物(例えば1−MCP複合粉末)を含む。また、このような組成物を調製するための方法およびこのような組成物を使用するための方法も提供される。

Description

エチレンは、植物熟成、花の老化および落葉の関連過程に主に影響を及ぼす、植物の、生長、発生、老化および環境ストレスに対する重要な制御因子である。エチレンは通常、環境ストレス下での植物の生長中または植物の保存および送達中に大量に産生される。したがって、植物、例えば果実および作物などの収穫量は、収穫前の熱または干ばつストレス下で減少し得る。収穫後の、新鮮な植物、例えば野菜、果物および花などの市場価値は、果物の熟成、花の老化および早期落葉を加速する過剰なエチレンガスにより低下する。
エチレンの悪影響を防ぐため、エチレン受容体を塞ぎ、したがってエチレンの結合および作用発揮を阻害するために1−メチルシクロプロペン(1−MCP)が使用される。受容体に対する1−MCPの親和性は、受容体に対するエチレンの親和性よりもおよそ10倍大きい。1−MCPはまた、フィードバック阻害を通じていくつかの種において生合成に影響を与える。したがって、1−MCPは収穫後の鮮度保持および収穫前の植物保護のために広く使用される。
しかし、1−MCPは、化学活性の高い気体であるため取り扱いが困難である。この問題に対処するために、内部油相に溶解されている1−MCPガスとの水中油エマルジョンによって1−MCPガスをカプセル化することに成功しているが、最終製品中の1−MCP濃度は依然として低い(<50ppm)。
最新の農業応用で使用されるこの問題への別の対処法において、粉末を形成させるために1−MCPをシクロデキストリンと複合体化する。1−MCPは、粉末が水中で溶解される際に気体として複合体から放出され得る。粉末製品は、気体型の製品よりも極めて使用に好都合であるが、粉末は依然として次のものを含む欠点を有する:(1)野外または閉鎖空間で粉末を取り扱う際、使用者にとって扱いが容易ではない;(2)粉末型は水中で安定的におよび均一に懸濁され得ず、植物への1−MCPの送達が不均一になり、植物の熟成反応が一様でなくなるようになる;および(3)水との接触後、短時間のうちに1−MCPが完全に放出され、これは、多くの適用において所望されるものよりもかなり早く、1−MCPの一部または全てが周囲に逃げることになる。したがって、1−MCP粉末製品は、野外において植物成熟を遅延させるのに適切である水中での使用に対して適正に処方されない。
上記の問題を解決するためのある試みは、固形材料混合物を形成させるために1−MCP複合粉末を他の粉末と混合し、次いでその混合物を発泡性の錠剤の形態に加工するかまたは防水性容器中にその混合物を封入することを含む。しかし、このような修飾組成物は、依然として次のものを含む短所がある:(1)粉末の制限と同様に、これらは通常、1−MCPの均一な分布を確実にするために、野外適用で利用できない空気循環を必要とするので、依然として適用に制限がある;および(2)これらは、噴霧によって野外において適用され得ない。
したがって、上記および他の短所がない、シクロプロペンまたは他の植物生長制御因子を含む化合物の送達のための組成物のさらなる開発の必要が未だ残っている。本開示はこの必要性に対処する。
本発明は、シクロプロペンまたは他の活性成分を植物に送達するための、組成物、方法および材料に関する。ろう様コーティングを有し、樹脂マトリックス中に埋め込まれている、二重カプセル化粒子を含む組成物が提供される。このような二重カプセル化粒子は、ピッカーリング(Pickering)粒子でさらに被覆され、油中で懸濁される。二重カプセル化粒子は、活性成分として揮発性化合物(例えば1−MCP複合粉末)を含む。また、このような組成物を調製するための方法およびこのような組成物を使用するための方法も提供される。
一態様において、油媒体中で懸濁される二重カプセル化粒子の一群であって、二重カプセル化粒子のそれぞれが、(a)第一の融点を有する樹脂マトリックスと、(b)樹脂マトリックス中に埋め込まれている、第二の融点を有するろう様化合物中で被覆される分子複合体と、(c)ピッカーリング(Pickering)粒子を含むコーティングとを含むものが提供される。
一実施形態において、分子複合体は、揮発性化合物と分子カプセル化剤とを含む。さらなる実施形態において、揮発性化合物はシクロプロペンを含む。
様々な実施形態において、本組成物は、本明細書中下記に記載のより特定の特性の何れかを有する。一実施形態において、シクロプロペンは、式:

(式中、Rは、置換または未置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはナフチル基であり;置換基は、独立にハロゲン、アルコキシまたは置換もしくは未置換フェノキシである)
のものである。別の実施形態において、RはC1−8アルキルである。別の実施形態において、Rはメチルである。
別の実施形態において、シクロプロペンは、式:

(式中、Rは、置換または未置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはナフチル基であり;R、RおよびRは水素である)
のものである。別の実施形態において、シクロプロペンは、1−メチルシクロプロペン(1−MCP)を含む。
一実施形態において、上述の実施形態の何れかの分子カプセル化剤は、アルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリンまたはその組み合わせを含む。別の実施形態において、分子カプセル化剤は、アルファ−シクロデキストリンを含む。別の実施形態において、樹脂マトリックスは、ポリエステル樹脂を含む。別の実施形態において、樹脂マトリックスは、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ樹脂、イソシアネート、エチレン酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの組み合わせを含む。別の実施形態において、樹脂マトリックスは、ポリカプロラクトンポリオールを含む。さらなる実施形態において、ポリカプロラクトンポリオールは、1,000から200,000の分子量を有する。別の実施形態において、ポリカプロラクトンポリオールは、2,000から4,000の分子量を有する。一実施形態において、第一の融点は30℃から70℃である。別の実施形態において、第一の融点は50℃から60℃である。
一実施形態において、ろう様化合物は、カルナウバろう、カンデリラろう、ステアリン酸またはその組み合わせを含む。別の実施形態において、第二の融点は40℃から120℃である。別の実施形態において、第二の融点は75℃から120℃である。別の実施形態において、第二の融点は60℃から90℃である。別の実施形態において、第二の融点は80℃から90℃である。別の実施形態において、ピッカーリング(Pickering)粒子は、シリカ粒子、粘土、酸化物、ポリマー粒子またはそれらの組み合わせを含む。別の実施形態において、ピッカーリング(Pickering)粒子は、疎水性シリカを含む。さらなる実施形態において、疎水性シリカのシリカ面は、シランカップリング剤または有機ケイ素により修飾される。別の実施形態において、油は、C15からC40の範囲のアルカンの混合物を含む。
一実施形態において、二重カプセル化粒子と油との比率は、約2:1から約1:100である。別の実施形態において、二重カプセル化粒子と油との比率は、約1:1から約1:100である。別の実施形態において、分子複合体とろう状物質との比率は、約1:1から約1:100重量比である。別の実施形態において、分子複合体とろう状物質との比率は、約1:1.5から約1:100重量比である。別の実施形態において、ろう状物質と合わせた分子複合体と該樹脂との比率は、約1:1から約1:100重量比である。別の実施形態において、ろう状物質と合わせた分子複合体と樹脂との比率は、約1:1.5から約1:100重量比である。別の実施形態において、ピッカーリング(Pickering)粒子と油との比率は、約1:5から約1:25重量比である。別の実施形態において、ピッカーリング(Pickering)粒子と油との比率は、約1:10から約1:24重量比である。別の実施形態において、二重カプセル化粒子の平均粒径は、約1ミクロンから約200ミクロンである。別の実施形態において、二重カプセル化粒子の平均粒径は、約20ミクロンから約100ミクロンである。別の実施形態において、本組成物は、少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む。
別の態様において、組成物を調製するための方法が提供される。本方法は、(a)混和物を提供するように、分子複合体をろう状物質と、ろう状物質の融点よりも高い温度で混和すること;(b)樹脂をその融点より高い温度で溶融すること;(c)均一な分子複合体−ろう状物質−樹脂分散物を提供するように、工程(a)の混和物と工程(b)の溶融樹脂とを混合すること;(d)ピッカーリング(Pickering)粒子を油と混合すること;(e)工程(d)のピッカーリング(Pickering)粒子と油との混合物中に工程(c)の分子複合体−ろう状物質−樹脂分散物を分散させること;(f)樹脂の溶融温度よりも低い温度で組成物を凝固させることを含む。一実施形態において、本方法は、混和物を磨り潰して粉末にする工程をさらに含む。
別の実施形態において、混和は、該混和物にせん断力を適用することを含む。別の実施形態において、混合は、該混合物にせん断力を適用することを含む。別の実施形態において、分散は、該分散物にせん断力を適用することを含む。別の実施形態において、凝固は硬化を含まない。
別の実施形態において、油は、C15からC40のアルカンの混合物または石油の蒸留物を含む。別の実施形態において、油は、鉱物油、食用油およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーを含む。別の実施形態において、該樹脂の融点よりも低い温度は周囲温度である。別の実施形態において、分子複合体とろう状物質との比率は、約1:1から約1:100重量比である。別の実施形態において、分子複合体とろう状物質との比率は、約1:1.5から約1:100重量比である。別の実施形態において、ピッカーリング(Pickering)粒子と油との比率は、約1:5から約1:25重量比である。別の実施形態において、ピッカーリング(Pickering)粒子と油との比率は、約1:10から約1:24重量比である。
提供される方法の一実施形態において、分子複合体は、シクロプロペンと分子カプセル化剤とを含む。別の実施形態において、シクロプロペンは、式:

(式中、Rは、置換または未置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはナフチル基であり;置換基は独立にハロゲン、アルコキシまたは置換もしくは未置換フェノキシである)のものである。一実施形態において、RはC1−8アルキルである。別の実施形態において、Rはメチルである。
別の実施形態において、シクロプロペンは、式:

(式中、Rは、置換または未置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはナフチル基であり;R、RおよびRは水素である)のものである。別の実施形態において、シクロプロペンは1−メチルシクロプロペン(1−MCP)を含む。
一実施形態において、上述の実施形態の何れかの分子カプセル化剤は、アルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリンまたはそれらの組み合わせを含む。別の実施形態において、分子カプセル化剤は、アルファ−シクロデキストリンを含む。
一実施形態において、上述の実施形態の何れかの樹脂は、ポリエステル樹脂を含む。別の実施形態において、樹脂は、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ樹脂、イソシアネート、有機アミン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、天然または合成ろうおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される樹脂を含む。別の実施形態において、樹脂は、ポリカプロラクトンポリオールを含む。別の実施形態において、樹脂は、約2,000から約4,000の分子量を有するポリカプロラクトンポリオールを含む。別の実施形態において、樹脂は、約50℃から約60℃の融点を有するポリカプロラクトンポリオールを含む。別の実施形態において、ろう様化合物は、カルナウバろう、カンデリラろう、ステアリン酸またはそれらの組み合わせを含む。別の実施形態において、ろう様化合物は、約80℃から約90℃の融点を有する。
別の態様において、水媒体と、本明細書中に記載の組成物実施形態の何れかとを含むエマルジョンが提供される。別の態様において、本明細書中で開示されるエマルジョンを含む噴霧可能な徐放性処方物が提供される。
別の態様において、植物または植物の一部を処理する方法が提供される。本方法は、該植物または植物の一部を本明細書中に記載のようなエマルジョンと接触させることを含む。
図1は、本明細書中で開示されるHAIP分散物とともにカプセル化される代表的な概略二重マトリックスを示す。HAIPは、1−メチルシクロプロペン/アルファ−シクロデキストリン複合体を指す。
図2は、水との接触時のHAIP粉末からの1−メチルシクロプロペン(1−MCP)の代表的な放出プロファイルを示す。
図3は、実施例1に記載のような、試料1−1からの1−メチルシクロプロペン(1−MCP)の代表的な放出プロファイルを示す。
図4は、水で希釈した試料からの1−メチルシクロプロペン(1−MCP)の代表的な放出プロファイルを示し、図4(a)は、4時間以内の試料1−4(発明試料1から4は、試料1−1、1−2、1−3および1−4を指す)を示す。 図4は、水で希釈した試料からの1−メチルシクロプロペン(1−MCP)の代表的な放出プロファイルを示し、図4(b)は、5日間にわたる試料1−4放出速度を示す。
図5は、4時間以内の水での希釈時の試料1−5および試料1−6からの1−メチルシクロプロペン(1−MCP)の代表的な放出プロファイルを示す(発明試料5および6は試料1−5および1−6を指す)。
図6は、(a)HAIP粉末および(b)HAIP−カルナウバろうコア粒子(磨り潰し、100メッシュを通じてふるいにかけた後)、(a1、b1)表面形態;(a2、b2)横断面の形態の典型的なSEM画像を示す。
図7は、(a)試料1−2および(b)試料1−3からのカプセル化粒子の典型的なSEM画像を示す。(a1)および(b1)は全体的表面形態を示し、(a2)および(b2)は(a1)および(b1)の高倍率を示し、(a3)および(b3)は(a1)および(b1)の横断面形態を示し、(a4)および(b4)は対応する試料からの大きい粒子を示す。
エチレンは、エチレン受容体部位に結合し、熟成を引き起こす、クリマクテリック型果実および野菜の、熟成、老化および落葉に影響を及ぼす植物ホルモンとして周知である。未加工作物において、エチレンは通常、植物が環境ストレス下にあるときに生成されることが示されている。エチレンガスの効果は、多くの作物の収穫量および保存期間に負の影響を有し得る。
したがって、収穫高を向上させるために、収穫前の、作物に対するエチレンの悪影響を防ぐことが望ましい。気体1−メチルシクロプロペン(1−MCP)は、エチレン受容体結合過程を阻止する化学物質である。受容体に対する1−MCPの親和性は、エチレンの親和性よりも約10倍大きい。鮮度管理において、1−MCPは、ごく低濃度(約100ppb)でもエチレンを遮断するという点で有効である。しかし、1−MCPは、取り扱いおよび保存が困難な気体であり;これは13,300ppmの濃度以上で可燃性でもある。結果として、最新の農業応用において、1−MCPは通常、保存および輸送中の取り扱いを容易にするために、クラスレート、例えばα−シクロデキストリン(α−CD)などに安定化される。活性成分1−MCPは、α−CDおよび、高活性成分生成物(High Active Ingredient Product)(HAIP)と呼ばれる、得られる結晶性複合体中に閉じ込められる。HAIPは、一般的には100から150μm針状結晶から構成されるが、必要とされる場合、3から5μm微粉末にエアミル粉砕され得る。HAIP生成物は、周囲温度で1−MCPを喪失せずに、防湿層で裏打ちされる密閉容器内で最長で2年間にわたり保存され得る。本生成物が、1−MCPガスそのものよりも適用に対して好都合であるものの、依然としていくつかの短所がある:(1)これは、粉末の形態であり、したがって野外または閉鎖空間での取り扱いが困難である;および(2)水感受性であり、水と接触した際により短い期間内に完全に1−MCPガスを放出する。水と接触した場合、または湿気の場合でさえも、生成物が野外において噴霧される機会を得る前にタンクのヘッドスペース中で殆どの気体が失われるので、タンク使用と適合しない速度で1−MCPガスが急速に放出される。
一実施形態において、次のように行われ得る二重マトリックスカプセル化アプローチにより調製される1−MCPを含有する分散物が提供される:(1)HAIP粉末をコア物質、例えば溶融ろうと混和し、固形混合物を磨り潰して粉末にする;(2)コア混合物粉末をシェル物質、例えば溶融樹脂と混和する;および(3)油エマルジョン/分散物を得るために疎水性粒子を含有する油媒体中にろう粉末/溶融樹脂混和物を分散させる。
この工程において、ろうおよび樹脂マトリックスとともにコア−シェル構造中にHAIP粉末が埋め込まれる。疎水性粒子は、マトリックス球体を安定化させるために、ピッカーリング(Pickering)乳化剤として働く。疎水性粒子はまた、マトリックス球体周囲にさらなる層を形成し、したがって透水に対する防御のさらなる層を提供する役割も有する。このアプローチにより生成される球体の概略形態を図1で例示する。
開示される工程に基づいて調製される処方物/組成物は、次の長所のうち少なくとも1つを有し得る:(1)特有の二重カプセル化構造が希釈時に最初の透水を防ぎ、より長い期間にわたり放出速度を拡張する;(2)開示される工程が単純であり、環境に無害な化学物質に基づく:溶媒または従来の界面活性剤が使用されない;カプセル化がポリマー化なく行われ、全生成物がEPA承認物質またはEPA不活性成分リストに容易に付加される物質もしくはポリマーの何れかである;(3)先行する処方物と比較した場合、1−MCP喪失が最小限である;および(4)最終製品は、使用に好都合であると思われ、この処方物は保存および輸送が容易である。
生成物試料を水で希釈する場合、水は、それが第一の樹脂マトリックスに、次いで、埋め込まれたα−CD複合体と最終的に相互作用し得る内部コアワックスに浸透し得る前に、油媒体および疎水性粒子層を通過し、今度は1−MCPを放出する必要がある。したがって、純粋なα−CD複合粉末と比較して、提供される組成物/処方物は、水中での希釈時に1−MCPの徐放を可能にし得る。放出の減速は、タンク中の1−MCPの早すぎる放出を防ぎ、1−MCPの植物への均一な送達を可能にする。野外条件での効果的および一貫性のある送達により、植物生理の制御が顕著に改善し得る。
本発明において使用されるろう状物質としては、カルナウバろう、カンデリラろう、他のろう状物質(例えば、ステアリン酸、ポリグリセリンエステルおよびポリエステル樹脂)およびそれらの混合物が挙げられ得るが限定されない。HAIP粒子がろうマトリックス内に保持され得るように、ろうの少なくとも1つのコンポーネントは、HAIPと比較的強い親和性を有するべきである。好ましくは、ろうは、均一な混合物を得るためにHAIP粉末と混和され得るように、100℃以下の融点および10,000センチポアズ以下の粘度を有する。
本発明において使用される樹脂としては、化学構造が同一であり、分子量、融点または粘度が異なる純粋なポリマー樹脂が挙げられ得るが限定されない。樹脂はまた、いくつかの樹脂の混和物であり得る。樹脂カテゴリーには、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ樹脂、イソシアネート、エチレン酢酸ビニルコポリマー、天然または合成ろうおよびその混合物が含まれるが限定されない。樹脂の少なくとも1つのコンポーネントは、コア粒子が樹脂マトリックス内に保持され得るように、HAIP−ろうコアと比較的強い相互作用を有するべきである。
本発明中で使用されるピッカーリング(Pickering)粒子としては、シリカ粒子、粘土、酸化物、ポリマー粒子およびその混合物が挙げられ得るが限定されない。従来の界面活性剤は、油中での粒子の安定な懸濁物の形成を促すために自由選択である。適切な界面活性剤としては、例えば、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤およびその混合物が挙げられる。適切な陰イオン性界面活性剤としては、サルフェートおよびスルホネートが挙げられるが限定されない。適切な非イオン性界面活性剤としては、脂肪アルコールのエトキシレート、脂肪酸のエトキシレート、ポリオキシエチレンおよびポリオレフィンのブロックコポリマーおよびそれらの混合物が挙げられるが限定されない。
粒子を凝固する工程には、自然にまたは冷却補助装置を使用して周囲温度に冷却することが含まれ得るが限定されない。
HAIP−ろう混和物を磨り潰す工程には、乳鉢/乳棒による手作業での磨り潰しまたは粉砕器による磨り潰し(室温での磨り潰し、水冷却粉砕および凍結粉砕などを含む)が含まれ得るが限定されない。
本発明で使用される油としては、鉱物油、軽油、イソパー油(Isopar oil)、ユニパー油(Unipar oil)および他の炭化水素油、食用油およびそれらの混合物が挙げられ得るが限定されない。
適切な油媒体としては、鉱物油、食用油またはその混合物が挙げられ得る。一実施形態において、油媒体は、C15からC40の範囲のアルカンの軽混合物(light mixture)または石油の蒸留物を含み得る鉱物油を含む。使用され得る油のさらなる例としては、鉱物油、軽油、イソパー油(Isopar oil)、ユニパー油(Unipar oil)および他の炭化水素油、食用油およびその混合物が挙げられるが限定されない。
適切な界面活性剤としては、例えば、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤およびそれらの混合物が挙げられる。いくつかの適切な陰イオン性界面活性剤としては、サルフェートおよびスルホネートが挙げられるが限定されない。いくつかの適切な非イオン性界面活性剤としては、脂肪アルコールのエトキシレート、脂肪酸のエトキシレート、ポリオキシエチレンおよびポリオレフィンのブロックコポリマーおよびそれらの混合物が挙げられるが限定されない。
適切な樹脂は、同じ化学構造または同じ分子量のポリマー樹脂に限定されないが、2またはそれ以上の樹脂の混和物も含み得る。本明細書中で開示される方法および組成物における使用のための適切な樹脂としては、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ樹脂、イソシアネート、有機アミン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、天然または合成ろうおよびそれらの混合物が挙げられるが限定されない。一実施形態において、樹脂の少なくとも1つのコンポーネントは、引力、好ましくは、樹脂マトリックス内での複合粒子の拘束を助け得る、シクロプロペン分子複合体との、好ましくはHAIPとの、複合体粒子との比較的強い相互作用を有し得る。一実施形態において、樹脂は、100℃以下の融点および10,000センチポアズ以下の粘度を有する。
一実施形態において、樹脂はポリエステル樹脂を含む。適切なポリエステル樹脂の一例は、ポリカプロラクトンポリオール(「PCL」)である。様々な実施形態において、ポリカプロラクトンポリオールの分子量は、1,000から200,000;2,000から50,000;2,000から8,000;または2,000から4,000であり、これらの範囲内の全範囲を含む。様々な実施形態において、ポリカプロラクトンポリオールは、30℃から120℃;40℃から80℃;または50℃から60℃の融点を有し、これらの範囲内の全範囲を含む。例えば、分子量約120,000のPCLを含む樹脂は、融点約60℃を有し得る。一実施形態において、60℃融点のこの種類の樹脂は、開示される方法および組成物に有用である。1−メチルシクロプロペン/アルファ−シクロデキストリン複合体(本明細書中で「HAIP」と呼ばれる)は、顕著な活性喪失なく、短時間の間(例えば4分間)温度約100℃に耐えることが公知である。
一実施形態において、適切な樹脂は、55℃もしくはそれ以上の融点;65℃もしくはそれ以上;または70℃もしくはそれ以上の融点を有し得る。別の実施形態において、適切な樹脂は、100℃もしくはそれ以下;または90℃もしくはそれ以下の融点を有し得る。
脂肪化合物を評価する別の方法は、融点の開始温度である。開始温度を決定するために、融点変化に対するDSCにより生成される発熱曲線(熱流量対温度)を観察する。ベースラインを決定し、補正熱流量曲線は元の熱流量曲線からベースラインを差し引くことにより計算される。補正曲線の最大熱流量値(HFMAX)を決定する。開始温度は、補正曲線上の熱流量値が0.1*HFMAXと等しい最低温度である。適切な樹脂は、45℃もしくはそれ以上;または55℃もしくはそれ以上の開始温度を有し得る。
様々な実施形態において、固形粒子(本明細書中で「樹脂/複合体粒子」とも呼ばれる)と油との比率は、約1:5から約1:25;または約1:10から約1:24であり得、これらの範囲内の全範囲を含む。1またはそれ以上の界面活性剤を含む実施形態において、界面活性剤と油との比率は、約2:1から約1:20;または約1:1から約1:10であり得、これらの範囲内の全範囲を含む。HAIP粉末を含む様々な実施形態において、HAIP粉末と樹脂との比率は、約1:1から1:100;または約1:2:から約1:100であり得、これらの範囲内の全範囲を含む。様々な実施形態において、樹脂と油との比率は、約2:1から約1:100;または約1:1から約1:100であり得、これらの範囲内の全範囲を含む。
本明細書中で使用される場合、「樹脂」という用語は、「ポリマー」と同義であり、より小さい化学反復単位の反応生成物から構成される比較的大きい分子を指す。反復単位は、全て同一であってもよいし、または2もしくはそれ以上の異なる反復単位を含んでいてもよい。ポリマー分子は、直線状、分岐状、星型およびそれらの混合物を含む構造を有し得る。ポリマー分子量は、標準的な方法、例えばサイズ排除クロマトグラフィー(SEC、ゲル浸透クロマトグラフィーまたはGPCとも呼ばれる)など、によって測定され得る。ポリマーは、700を超える数平均分子量(Mn)を有する。「オリゴマー」は、本明細書中で使用される場合、モノマー単位と呼ばれるより小さい化学反復単位の反応生成物から構成される分子でもある。オリゴマーは700またはそれ以下の分子量を有する。
熱可塑性は、特異的な温度以上で柔軟になるかまたは成形可能になり、冷却時に固形状態に戻るポリマーである。構造の特徴に関して、これは、異なる分子間で化学物質が架橋しない、直線状、分岐状または星型であり得る。M.W.約120,000であるPCTのような樹脂もまた60℃で溶融する。このような樹脂は熱可塑性と呼ばれ得る。
本明細書中で使用される場合、物質は、25℃で水中で溶解され得るその物質の量が1グラム 物質またはそれ以下/100グラム 水である場合、水不溶性である。
本明細書中で使用される場合、粉末粒子の一群について述べられる場合、「粉末粒子の殆どまたは全て」という句は、粉末粒子の一群の総重量に対して、粉末粒子の50%から100重量%を意味する。
本明細書中で使用される場合、「溶媒化合物」は、1気圧で20℃から200℃の沸点を有し、20℃から30℃を含む温度範囲にわたり1気圧で液体である化合物である。「溶媒」は、溶媒化合物または溶媒の混合物であり得る。非水性溶媒は、水を含有しないかまたは溶媒重量に対して10重量%またはそれ以下の量の水を含有するかの何れかである溶媒であり得る。
本明細書中で使用される場合、「水媒体」という用語は、25℃で液体であり、水媒体の重量に対して75重量%またはそれ以上の水を含有する組成物を指す。水媒体中で溶解される成分は、水媒体の一部とみなされるが、水媒体中で溶解されない物質は、水媒体の一部とはみなされない。成分は、この成分の個々の分子が液体全体に分布し、液体の分子と密接に接触する場合、液体中で「溶解」されている。
本明細書中で使用される場合、何らかの比率がX:1またはそれ以上であると言われるとき、その比率は、YがXまたはそれ以上で、Y:1であるものとする。同様に、何らかの比率がR:1またはそれ以下であると言われる場合、その比率は、SがRまたはそれ以下で、S:1であるものとする。
本明細書中で使用される場合、固形粒子の「アスペクト比率」は、粒子の最長径と粒子の最短径との比率である。粒子の最長径は、粒子の質量中心を通過し、粒子表面上にその終点のそれぞれを有する最長の可能な線分(「セグメントL」)の長さである。この粒子の最短径は、粒子の質量中心を通過し、粒子表面上にその終点のそれぞれを有し、セグメントLに対する垂線である、最短の可能性のある線分(「セグメントS」)の長さである。アスペクト比率は、セグメントLの長さとセグメントSの長さとの比率である。
本明細書中で使用される場合、非球体粒子の「直径」は、その粒子のセグメントLおよびその粒子のセグメントSの長さの平均である。なお、粒子が球形である場合、この定義は、通常の意味の「直径」を与える。
本明細書中で使用される場合、粉末の特性が「中央」値を有するものとして述べられるとき、粉末粒子の総体積の半分が、中央値以上の値を有する特性を有する粒子からなり、粉末粒子の総体積の半分が、中央値以下の値を有する特性を有する粒子からなることが企図される。
本発明の実施は、1またはそれ以上のシクロプロペン化合物の使用を伴う。本明細書中で使用される場合、シクロプロペン化合物は、式

(式中、各R、R、RおよびRは、Hおよび式:
−(L)−Z
(式中、nは0から12の整数である)の化学基からなる群から独立に選択される)
を有する何らかの化合物である。各Lは2価基である。適切なL基としては、例えば、H、B、C、N、O、P、S、Siまたはその混合物から選択される1またはそれ以上の原子を含有する基が挙げられる。L基内の原子は、単結合、二重結合、三重結合またはその混合物により互いに連結され得る。各L基は、直線状、分岐状、環状またはそれらの組み合わせであり得る。何らかのあるR基(すなわちR、R、RおよびRのうち何れか1つ)において、ヘテロ原子(すなわちHまたはCの何れでもない原子)の総数は、0から6である。独立に、ある1つのR基において、非水素原子の総数は50またはそれ以下である。各Zは1価基である。各Zは、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロラト(chlorato)、ブロマト(bromato)、イオダト(iodate)、イソシアナト(isocyanato)、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオおよび化学基G(式中、Gは3から14員環系である)からなる群から独立に選択される。
、R、RおよびR基は、適切な基から独立に選択される。R、R、RおよびRのうち1またはそれ以上としての使用のために適切である基の中には、例えば、脂肪族基、脂肪族−オキシ基、アルキルホスホナート基、シクロ脂肪族基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シリル基、他の基およびそれらの混合物および組み合わせがある。R、R、RおよびRのうち1またはそれ以上としての使用に適切である基は、置換または未置換であり得る。
適切なR、R、RおよびR基の中には、例えば脂肪族基がある。いくつかの適切な脂肪族基としては、例えば、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基が挙げられる。適切な脂肪族基は、直線状、分岐状、環状またはそれらの組み合わせであり得る。独立に、適切な脂肪族基は、置換または未置換であり得る。
本明細書中で使用される場合、関心のある化学基は、関心のある化学基の1またはそれ以上の水素原子が置換基により置き換えられる場合、「置換される」と言われる。
また適切なR、R、RおよびR基の中には、例えば、介在オキシ基、アミノ基、カルボニル基またはスルホニル基を通じてシクロプロペン化合物に連結される置換および未置換ヘテロシクリル基もあり;このようなR、R、RおよびR基の例は、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ジヘテロシクリルアミノおよびジヘテロシクリルアミノスルホニルである。
また、適切なR、R、RおよびR基の中には、例えば、介在オキシ基、アミノ基、カルボニル基、スルホニル基、チオアルキル基またはアミノスルホニル基を通じてシクロプロペン化合物に連結される、置換および未置換の複素環基もあり;このようなR、R、RおよびR基の例は、ジヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールチオアルキルおよびジヘテロアリールアミノスルホニルである。
また、適切なR、R、RおよびR基の中には、例えば、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロラト(chlorato)、ブロマト(bromato)、イオダト(iodato)、イソシアナト(isocyanato)、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ;アセトキシ、カルボエトキシ、シアナト、ニトラト、ニトリト、パークロラト(perchlorato)、アレニル、ブチルメルカプト、ジエチルホスホナト、ジメチルフェニルシリル、イソキノリル、メルカプト、ナフチル、フェノキシ、フェニル、ピペリジノ、ピリジル、キノリル、トリエチルシリル、トリメチルシリル;およびそれらの置換類似体もある。
本明細書中で使用される場合、化学基Gは、3から14員環系である。化学基Gとして適切な環系は、置換されているかまたは未置換であり得;これらは、芳香族(例えばフェニルおよびナフチルを含む)または脂肪族(不飽和脂肪族、部分的飽和脂肪族または飽和脂肪族を含む)であり得;これらは炭素環または複素環であり得る。複素環G基の中で、いくつかの適切なヘテロ原子は、例えば、窒素、イオウ、酸素およびそれらの組み合わせである。化学基Gとして適切な環系は、単環式、二環式、三環式、多環式、スピロまたは融合であり得;二環式、三環式または融合環である適切な化学基G環系の中で、1個の化学基G中の様々な環は、全て同じタイプであってもよいし、または2もしくはそれ以上のタイプのものであってもよい(例えば、芳香環は脂肪族環と融合され得る)。
一実施形態において、R、R、RおよびRのうち1またはそれ以上は、水素または(C−C10)アルキルである。別の実施形態において、R、R、RおよびRのそれぞれは、水素または(C−C)アルキルである。別の実施形態において、R、R、RおよびRのそれぞれは、水素または(C−C)アルキルである。別の実施形態において、R、R、RおよびRのそれぞれは、水素またはメチルである。別の実施形態において、Rは(C−C)アルキルであり、R、RおよびRのそれぞれが水素である。別の実施形態において、Rはメチルであり、R、RおよびRのそれぞれが水素であり、シクロプロペン化合物は、本明細書中で1−メチルシクロプロペンまたは「1−MCP」として公知である。
一実施形態において、1気圧で50℃もしくはそれ以下;25℃もしくはそれ以下;または15℃もしくはそれ以下の沸点を有するシクロプロペン化合物が使用され得る。別の実施形態において、1気圧で−100℃もしくはそれ以上;−50℃もしくはそれ以上;−25℃もしくはそれ以上;または0℃もしくはそれ以上の沸点を有するシクロプロペン化合物が使用され得る。
本明細書中で開示される組成物は、少なくとも1つの分子カプセル化剤を含む。好ましい実施形態において、少なくとも1つの分子カプセル化剤は、1もしくはそれ以上のシクロプロペン化合物または1もしくはそれ以上のシクロプロペン化合物の一部をカプセル化する。分子カプセル化剤の分子中にカプセル化されるシクロプロペン化合物分子またはシクロプロペン化合物分子の一部を含む複合体は、本明細書中で「シクロプロペン化合物複合体」または「シクロプロペン分子複合体」として公知である。
一実施形態において、包接錯体である少なくとも1つのシクロプロペン化合物複合体が存在する。このような包接錯体に対するさらなる実施形態において、分子カプセル化剤は空洞を形成し、シクロプロペン化合物またはシクロプロペン化合物の一部はその空洞内に位置する。
このような包接錯体に対する別の実施形態において、分子カプセル化剤の空洞の内部は、実質的に無極性または疎水性またはその両方であり、シクロプロペン化合物(またはその空洞内に位置するシクロプロペン化合物の一部)もまた実質的に無極性または疎水性またはその両方である。本発明が何らかの特定の理論または機構に限定されない一方で、このような無極性のシクロプロペン化合物複合体において、ファンデルワールス力または疎水性相互作用またはその両方によって、シクロプロペン化合物分子またはその一部が分子カプセル化剤の空洞内に留まるようになることが企図される。
分子カプセル化剤の量は、通常、分子カプセル化剤のモル数の、シクロプロペン化合物のモル数に対する比率を特徴とし得る。一実施形態において、分子カプセル化剤のモル数の、シクロプロペン化合物のモル数に対する比率は、0.1もしくはそれ以上;0.2もしくはそれ以上;0.5もしくはそれ以上;または0.9もしくはそれ以上であり得る。別の実施形態において、分子カプセル化剤のモル数の、シクロプロペン化合物のモル数に対する比率は、10もしくはそれ以下;5もしくはそれ以下;2もしくはそれ以下;または1.5もしくはそれ以下であり得る。
適切な分子カプセル化剤としては、例えば、有機および無機分子カプセル化剤が挙げられる。適切な有機分子カプセル化剤としては、例えば、置換シクロデキストリン、未置換シクロデキストリンおよびクラウンエーテルが挙げられる。適切な無機分子カプセル化剤としては、例えばゼオライトが挙げられる。適切な分子カプセル化剤の混合物も適切である。一実施形態において、分子カプセル化剤は、アルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリンまたはその組み合わせを含む。さらなる実施形態において、分子カプセル化剤は、アルファ−シクロデキストリンを含む。
一実施形態において、複合粉末は、100マイクロメートルもしくはそれ以下;75マイクロメートルもしくはそれ以下;50マイクロメートルもしくはそれ以下;または25マイクロメートルもしくはそれ以下の中央粒子直径を有し得る。別の実施形態において、複合粉末は、10マイクロメートルもしくはそれ以下;7マイクロメートルもしくはそれ以下;または5マイクロメートルもしくはそれ以下の中央粒子直径を有し得る。別の実施形態において、複合粉末は、0.1マイクロメートルもしくはそれ以上;または0.3マイクロメートルもしくはそれ以上の中央粒子直径を有し得る。中央粒子直径は、市販の機器、例えばHoriba Co.またはMalvern Instrumentsにより製造されたものなどを用いて光散乱によって測定され得る。
別の実施形態において、複合粉末は、5:1もしくはそれ以下;3:1もしくはそれ以下;または2:1もしくはそれ以下の中央アスペクト比率を有し得る。不必要に高い中央アスペクト比率を有する複合粉末が得られる場合、中央アスペクト比率を望ましい値まで低下させるために、機械的手段、例えばミル粉砕を使用し得る。
本発明の実施において、1またはそれ以上の油が使用される。本明細書中で使用される場合、「油」という句は、25℃および1気圧で液体であり、1気圧で30℃またはそれ以上の沸点を有する化合物を指す。本明細書中で使用される場合、「油」は、水を含まず、界面活性剤を含まず、分散剤を含まない。
いくつかの実施形態において、使用され得る1またはそれ以上の油は、50℃もしくはそれ以上;または75℃もしくはそれ以上;または100℃もしくはそれ以上の沸点を有する。いくつかの実施形態において、使用される全ての油は、50℃またはそれ以上の沸点を有する。いくつかの実施形態において、使用される全ての油は、75℃またはそれ以上の沸点を有する。いくつかの実施形態において、使用される全ての油は、100℃またはそれ以上の沸点を有する。独立に、油を使用する実施形態の一部において、100もしくはそれ以上;または200もしくはそれ以上;または500もしくはそれ以上の平均分子量を有する1またはそれ以上の油が使用され得る。いくつかの実施形態において、使用される全ての油は、100またはそれ以上の平均分子量を有する。いくつかの実施形態において、使用される全ての油は、200またはそれ以上の平均分子量を有する。いくつかの実施形態において、使用される全ての油は、500またはそれ以上の平均分子量を有する。
油は、炭化水素油(すなわち、その分子が炭素および水素の原子のみを含有する油)または非炭化水素油(すなわちその分子が、炭素でも水素でもない少なくとも少なくとも1つの原子を含有する油)の何れかであり得る。
いくつかの適切な炭化水素油は、例えば、6またはそれ以上の炭素原子を有する、直線状、分岐状または環状アルカン化合物である。一部の他の適切な炭化水素油は、例えば、互いに組み合わせられる可能性があり、および/または1またはそれ以上のアルカン基と組み合わせられる、1もしくはそれ以上の炭素−炭素二重結合、1もしくはそれ以上の炭素−炭素三重結合または1もしくはそれ以上の芳香環を有する。一部の適切な炭化水素油は石油蒸留から得られ、一部のケースでは不純物とともに化合物の混合物を含有する。石油蒸留物から得られる炭化水素油は、組成物の比較的幅広い混合物を含有していてもよいし、または比較的純粋な組成物を含有していてもよい。いくつかの実施形態において、6またはそれ以上の炭素原子を含有する炭化水素油が使用される。いくつかの実施形態において、18またはそれ以下の炭素原子を含有する炭化水素油が使用される。いくつかの実施形態において、使用される全ての炭化水素油は、18またはそれ以下の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、使用される全ての炭化水素油は、6またはそれ以上の炭素原子を含有する。一部の適切な炭化水素油としては、例えば、ヘキサン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、ディーゼル油、精製パラフィン系油(例えばSun CompanyからのUltrafine(商標)噴霧油)およびそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、使用される全ての油は炭化水素油である。
非炭化水素油を使用する実施形態の中で、いくつかの適切な非炭化水素油は、例えば脂肪非炭化水素油である。「脂肪」は、本明細書中で、脂肪酸の1またはそれ以上の残基を含有する何らかの化合物を意味する。脂肪酸は、少なくとも4炭素原子の鎖長を有する長鎖カルボン酸である。典型的な脂肪酸は、4から18個の炭素原子の鎖長を有するが、一部はより長い鎖を有する。直線状、分岐状または環状脂肪族基は、長鎖に連結され得る。脂肪酸残基は飽和していてもよいし、または不飽和でもよく、これらは、例えば、自然に生じるかまたは付加されているかの何れかの、アルキル基、エポキシド基、ハロゲン、スルホネート基またはヒドロキシル基を含む官能基を含有し得る。一部の適切な脂肪非炭化水素油は、例えば、脂肪酸;脂肪酸のエステル;脂肪酸のアミド;その二量体、三量体、オリゴマーまたはポリマー;およびそれらの混合物である。
適切な脂肪非−炭化水素油の一部は、例えば脂肪酸のエステルである。このようなエステルとしては、例えば脂肪酸のグリセリドが挙げられる。グリセリドは、グリセロールとの脂肪酸のエステルであり、これらはモノ−、ジ−またはトリグリセリドであり得る。様々なトリグリセリドは天然で見出される。天然のトリグリセリドの殆どは、いくつかの異なる長さおよび/または組成の脂肪酸の残基を含有する。いくつかの適切なトリグリセリドは、動物起源、例えば乳製品、動物脂肪または魚類中で見出される。適切なトリグリセリドのさらなる例は、植物中、例えばココナツ、パーム、綿実、オリーブ、トール、ピーナツ、ベニバナ、ヒマワリ、トウモロコシ、ダイズ、亜麻仁、キリ、ヒマシ、キャノーラ、柑橘類種子、カカオ、オート、パーム、パーム核、コメ糠、クフェアまたはナタネ油などの中で見出される油である。
適切なトリグリセリドの中には、それらがどこで見出されるかとは独立に、例えば、14またはそれ以上の炭素原子を有する少なくとも1つの脂肪酸残基を含有するものがある。一部の適切なトリグリセリドは、残基の重量に対して、50重量%またはそれ以上の、14もしくはそれ以上の炭素原子または16もしくはそれ以上の炭素原子または18もしくはそれ以上の炭素原子を有する脂肪酸残基を含有する脂肪酸残基を有する。適切なトリグリセリドの一例はダイズ油である。
適切な脂肪非炭化水素油は、合成または天然または天然油の修飾物またはそれらの組み合わせもしくは混合物であり得る。天然油の適切な修飾の中には、例えばアルキル化、水素付加、ヒドロキシル化、アルキルヒドロキシル化、アルコール分解、加水分解、エポキシ化、ハロゲン化、スルホン化、酸化、ポリマー化およびそれらの組み合わせがある。いくつかの実施形態において、アルキル化(例えば、メチル化およびエチル化を含む)油が使用される。ある適切な修飾天然油はメチル化ダイズ油である。
適切な脂肪非炭化水素油の中には、脂肪酸の自己乳化エステルもある。
適切な非炭化水素油の別の群は、シリコーンオイルの群である。シリコーンオイルは、−−Si−−O−−結合から部分的にまたは完全に構成されているバックボーンを有するオリゴマーまたはポリマーである。シリコーンオイルとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン油が挙げられる。ポリジメチルシロキサン油は、形態

の単位(式中、その単位のうち少なくとも1つはX1=CHを有する)を含有するオリゴマーまたはポリマーである。他の単位において、X1は、例えば、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルキルポリアルコキシル、その置換型またはそれらの組み合わせを含む、Siに連結可能な何らかの他の基であり得る。置換基としては、例えば、ヒドロキシル、アルコキシル、ポリエトキシル、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、他の置換基またはそれらの何らかの組み合わせが挙げられ得る。いくつかの実施形態において、使用される全ての油はシリコーンオイルである。
一部の適切なポリジメチルシロキサン油において、全X1基が、親水性ではない基である。一部の適切なポリジメチルシロキサン油において、全X1基がアルキル基である。一部の適切なポリジメチルシロキサン油において、全X1基がメチルである。いくつかの実施形態において、全シリコーンオイルは、全X1基がメチルであるポリジメチルシロキサン油である。一部の適切なポリジメチルシロキサンにおいて、少なくとも1つの単位が、メチルではないX1基を有し;複数の非メチルX1単位が存在する場合、非メチルX1単位は互いに同じであってもよいし、または2もしくはそれ以上の異なる非メチルX1単位が存在してもよい。ポリジメチルシロキサン油は、例えば、水素、メチル、他のアルキルまたは何らかのそれらの組み合わせを含め、多岐にわたる化学基の何れかで末端をキャッピングされ得る。環状ポリジメチルシロキサン油もまた企図される。適切な油の混合物もまた適切である。
本開示の担体組成物は、何らかの方法で植物または植物の一部を処理するために使用され得る。例えば、担体組成物は、他の物質と混合され得るかまたは直接使用され得る。
別の態様において、本開示は、水性スラリーの形成のために、本明細書中で記載のような担体組成物を使用する方法を提供する。提供される組成物が水媒体と混合される場合、水性スラリーが形成され得る。このようなスラリーを形成させるために、担体組成物と水媒体を直接混合し得る。担体組成物の樹脂/複合体粒子は、スラリー中でインタクトのままであると予想される。樹脂/複合体粒子の殆どまたは全てがスラリー中でその凝集体としてではなく個々の粒子として分散されることも企図される。樹脂/複合体粒子は、水媒体中で懸濁状態のままにするために機械的な撹拌を必要とし得るか、またはこれらは撹拌なしで懸濁状態のままであり得る。
スラリー中で提供される担体組成物の量は、スラリー中のシクロプロペン化合物の濃度を特徴とし得る。一実施形態において、適切なスラリーは、ミリグラムのシクロプロペン化合物/Lスラリーの単位で2もしくはそれ以上;5もしくはそれ以上;または10もしくはそれ以上のシクロプロペン化合物濃度を有し得る。別の実施形態において、適切なスラリーは、シクロプロペン化合物ミリグラム/スラリーLの単位で1000もしくはそれ以下;500もしくはそれ以下;または200もしくはそれ以下のシクロプロペン化合物濃度を有し得る。
スラリー中で使用される水媒体中の水の量は、水媒体の重量に対して80重量%もしくはそれ以上;90重量%もしくはそれ以上;または95重量%もしくはそれ以上であり得る。
スラリーは、場合によっては1またはそれ以上のアジュバント、例えば1またはそれ以上の金属錯化剤、アルコール、増量剤、色素、フィラー、結合剤、可塑剤、滑沢剤、湿潤剤、拡散剤、分散剤、展着剤、粘着剤、消泡剤、増粘剤、輸送剤、乳化剤またはそれらの混合物であるが限定されないものを含み得る。当分野で一般的に使用されるこのようなアジュバントのうち一部は、John W. McCutcheon, Inc. publication Detergents and Emulsifiers, Annual, Allured Publishing Company, Ridgewood, N.J., U.S.A.で見出され得る。使用される場合、金属錯化剤の例としてはキレート剤が挙げられる。使用される場合、アルコールの例としては、4またはそれ以下の炭素原子のアルキルアルコールが挙げられる。
植物または植物の一部とスラリーを接触させることによって植物を処理する方法も提供される。このような接触は、内部の密閉空間(例えば容器、部屋または建物)または密閉空間の外側を含め、何らかの位置で行われ得る。一実施形態において、このような接触は、何らかの密閉空間の外側で行われる。本明細書中で使用される場合、「何らかの密閉空間の外側」は、何らかの建物または、野外雰囲気と通気される部屋または建物中の囲いなどの外側を意味する。別の実施形態において、このような接触は、何らかの建物または囲いの外側で行われる。さらなる実施形態において、このような接触は、屋外の田畑または小区画地で行われる。
本開示のスラリーは、当分野で公知の方法によって植物または植物の一部と接触させ得る。方法の例は、植物の一部をスラリー中に浸漬することおよび、噴霧、発泡、ブラシでの塗布によって、スラリーを植物または植物の一部に適用することまたはその組み合わせを含む。他の例は、スラリーを植物または植物の一部の上に噴霧することおよび植物の一部をスラリー中に浸漬することを含む。さらなる例は、植物または植物の一部の上にスラリーを噴霧することを含む。
本発明の実施において植物または植物の一部を処理し得る。一例は植物全体の処理であり;別の例は、有用な植物の一部の収穫前に土壌に植えられている間に植物全体を処理することである。
本発明の実施において、有用な植物の一部を提供する何らかの植物を処理し得る。例としては、果物、野菜および穀物を提供する植物が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「植物」という句は、双子葉植物および単子葉植物を含む。双子葉植物の例としては、タバコ、シロイヌナズナ(Arabidopsis)、ダイズ、トマト、パパイヤ、キャノーラ、ヒマワリ、綿、アルファルファ、ジャガイモ、ブドウ、キマメ、エンドウマメ、アブラナ属(Brassica)、ヒヨコマメ、サトウダイコン、アブラナ、スイカ、メロン、コショウ、ピーナツ、ペポカボチャ、ダイコン、ホウレンソウ、カボチャ、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハクサイ、キュウリ、ナスおよびレタスが挙げられる。単子葉植物の例としては、トウモロコシ、コメ、コムギ、サトウキビ、オオムギ、ライムギ、ソルガム、ラン、タケ、バナナ、ガマ、ユリ、カラスムギ、タマネギ、アワおよびライコムギが挙げられる。果物の例としては、パパイヤ、バナナ、パイナップル、オレンジ、ブドウ、グレープフルーツ、スイカ、メロン、リンゴ、モモ、ナシ、キウイフルーツ、マンゴー、ネクタリン、グアバ、カキ、アボカド、レモン、イチジクおよびベリー類が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「植物生長制御因子」という句は、エチレン、シクロプロペン、グリホサート、グルホシネートおよび2,4−Dを含むが限定されない。他の適切な植物生長制御因子は、その全体において参照により組み込まれる、国際公開第2008/071714号で開示されている。
実施例1−試料調製および試験
水で希釈された試料中の1−MCPの放出速度を次のように調べる:せん断下で25mL バイアル中で約3グラムの試料(下記)および0.5グラムの界面活性剤を混合する。約0.6グラムの混合物を250mL ガラス瓶に測りとり、次いで2mL millli Q水および0.25mL シス−2−ブテンを添加する。試料が水により湿り、水によって希釈されることを確実にするために、この瓶を一定の穏やかな振盪下の多目的ローテーター上に置き、乳様エマルジョンを生じさせる。ガラス瓶中の処方物により放出される1−MCPガスを4時間まで定期的に追跡する。ガスクロマトグラフィー(0.25mL 注入)によって1−MCP濃度の分析を行う。4時間後、1時間にわたり、1−MCPを完全に遊離させるために、ろう物質の融点よりも僅かに高い温度まで水浴中でこの瓶を加熱する。1−MCPの測定濃度、試験される試料の量および試料加熱後に放出される1−MCPの全体濃度から、各時点で1−MCPの放出%を計算することが可能になる。
試料からの1−MCPの放出プロファイルをHAIP粉末からの1−MCPの放出と比較する。HAIPからの1−MCPの放出を測定するために、2mL millli Q水および0.25mL シス−2−ブテンを添加した後、約20mg HAIP粉末を250mL ガラス瓶中に密封する。ガスクロマトグラフィー分析を用いて1−MCPを測定する。
この実施例において様々な試料を調製し、表1で列挙する。各試料の調製を以下で示す。
試料1−1:(1)29.108グラムのカルナウバろうを容器中に入れ、その融点90℃まで加熱する。ろうの溶融後、10.034グラムのHAIP粉末をせん断下(1500rpmで10分間)で徐々に添加し、続いて、さらに10分間混合して、粘性のある均一なHAIP−ろう分散物を得る(HAIP負荷量25.6349%)。次に、分散物をガラス皿に注ぎ出し、冷却することによって硬くする。次いで、得られた凝固HAIP−ろう混和物を粉々に砕き、粉末になるように磨り潰し、48から75μm(200から300メッシュ)になるようにふるいにかける。
(2)2.6707グラムのポリエステル樹脂(PCL 230B)を容器に添加し、その融点よりも僅かに高い温度、60℃にして溶融させる。樹脂溶融後、0.1553グラムのHAIP−ろう粉末(1)を添加し、混合物を600rpmで5分間にわたり完全に混合して、均一なHAIP−ろう−樹脂分散物を得る。
(3)0.4204グラムのシリカ粉末(AEROSIL(登録商標)R202)および6.5866グラムの鉱物油を容器中に添加する。12,000rpmの高速せん断によって混合物を完全に混合し、続いて60℃に加熱する。
(4)1000rpmの撹拌下で10分間にわたり、60℃でシリカ−油混合物(3)とHAIP−ろう−樹脂分散物(2)を混和して、HAIPが埋め込まれている粒子を形成させる。次に、HAIP−ろう−樹脂/シリカ−油エマルジョンを冷却して、乳化粒子を凝固させる。
試料1−2:(1)5.018グラムのカルナウバろうを容器に添加し、その融点90℃まで加熱する。ろうの溶融後、1.250グラムのHAIP粉末を10分間にわたり1500rpmのせん断下で徐々に添加し、次いで、さらに10分間混合して、粘性のある均一なHAIP−ろう分散物を得る(HAIP負荷量19.9489%)。次に、分散物をガラス皿に注ぎ出し、冷却により凝固させる。次いで、得られた凝固HAIP−ろう混和物を粉々に砕き、粉末になるように磨り潰し、75から150μm(100から200メッシュ)になるようにふるいにかける。
(2)2.7560グラムのポリエステル樹脂(PCL230B)を容器に添加し、その融点よりも僅かに高い温度、60℃にして溶融させる。樹脂溶融後、0.3060グラムのHAIP−ろう粉末(1)を添加する。5分間にわたり600rpmのせん断により混合物を完全に混合して、均一なHAIP−ろう−樹脂分散物を得る。
(3)0.4217グラムのシリカ粉末(AEROSIL(登録商標)R202)および6.6073グラムの鉱物油を容器に添加する。12,000rpmの高速せん断により混合物を完全に混合し、続いて60℃に加熱する。
(4)10分間にわたり、1000rpmの撹拌下で60℃でHAIP−ろう−樹脂分散物(2)をシリカ−油混合物(3)と混和して、HAIPが埋め込まれている粒子を形成させる。次いで、HAIP−ろう−樹脂/シリカ−油エマルジョンを冷却して、乳化粒子を凝固させる。
試料1−3:(1)59.1120グラムのカルナウバろうを容器に入れ、その融点90℃まで加熱する。ろうの溶融後、40.064グラムのHAIP粉末を10分間にわたり1500rpmのせん断下で徐々に添加し、次いで、さらに10分間混合して、粘性のある均一なHAIP−ろう分散物を得る(HAIP負荷量40.3969%)。次に、分散物をガラス皿に注ぎ出し、冷却により凝固させる。次いで、得られた凝固HAIP−ろう混和物を粉々に砕き、粉末になるように磨り潰し、48から75μm(200から300メッシュ)になるようにふるいにかける。
(2)2.4508g ポリエステル樹脂(PCL 230B)を容器に添加し、その融点よりも僅かに高い温度、60℃で溶融させる。樹脂溶融後、0.6032グラムのHAIP−ろう粉末(1)を添加する。5分間にわたり600rpmのせん断により混合物を完全に混合して、均一なHAIP−ろう−樹脂分散物を得る。
(3)0.4220グラムのシリカ粉末(AEROSIL(登録商標)R202)および6.6120グラムの鉱物油を容器に添加し、12,000rpmの高速せん断により混合物を完全に混合し、続いて60℃に加熱する。
(4)10分間にわたり、1000rpmの撹拌下で60℃でHAIP−ろう−樹脂分散物(2)をシリカ−油混合物(3)と混和して、HAIPが埋め込まれている粒子を形成させる。次いで、HAIP−ろう−樹脂/シリカ−油エマルジョンを冷却して、乳化粒子を凝固させる。
試料1−4:(1)1.8014グラムのポリエステル樹脂(PCL 230B)を容器に添加し、その融点よりも僅かに高い温度、60℃にして溶融させる。樹脂溶融後、1.1866g HAIP−ろう粉末(試料1−3の(1)と同じ)を添加し、5分間にわたり600rpmのせん断により混合物を完全に混合して、均一なHAIP−ろう−樹脂分散物を得る。
(2)0.4245グラムのシリカ粉末(AEROSIL(登録商標)R202)および6.6505グラムの鉱物油を容器に添加し、12,000rpmの高速せん断により混合物を完全に混合し、続いて60℃に加熱する。
(3)10分間にわたり、1000rpmの撹拌下で60℃でHAIP−ろう−樹脂分散物(2)をシリカ−油混合物(3)と混和して、HAIPが埋め込まれている粒子を形成させる。次いで、HAIP−ろう−樹脂/シリカ−油エマルジョンを冷却して、乳化粒子を凝固させる。
試料1−5:(1)59.124グラムのカンデリラろうを容器に入れ、その融点、90℃まで加熱する。ろうの溶融後、40.433グラムのHAIP粉末を1500rpmのせん断下で10分以内に徐々に添加し、次いで、さらに10分間混合して、粘性のある均一なHAIP−ろう分散物を得る(HAIP負荷量40.6129%)。次に、分散物をガラス皿に注ぎ出し、冷却により凝固させる。次いで、得られた凝固HAIP−ろう混和物を粉々に砕き、粉末になるように磨り潰し、48から75μm(200から300メッシュ)になるようにふるいにかける。
(2)2.3186グラムのポリエステル樹脂(PCL 230B)を容器に添加し、その融点よりも僅かに高い温度、60℃で溶融させる。樹脂溶融後、0.5664グラムのHAIP−ろう粉末(1)を添加する。5分間にわたり600rpmのせん断により混合物を完全に混合して、均一なHAIP−ろう−樹脂分散物を得る。
(3)0.4215グラムのシリカ粉末(AEROSIL(登録商標)R202)および6.6035グラムの鉱物油を容器に添加し、12,000rpmの高速せん断により混合物を完全に混合し、続いて60℃に加熱する。
(4)10分間にわたり、1000rpmの撹拌下で60℃でHAIP−ろう−樹脂分散物(2)をシリカ−油混合物(3)と混和して、HAIPが埋め込まれている粒子を形成させる。次いで、HAIP−ろう−樹脂/シリカ−油エマルジョンを冷却して、乳化粒子を凝固させる。
試料1−6:(1)15.00g ステアリン酸を容器に入れ、その融点90℃まで加熱する。ろうの溶融後、3.75g HAIP粉末を1500rpmのせん断下で10分以内に徐々に添加し、次いで、さらに10分間混合して、粘性のある均一なHAIP−ろう分散物を得る(HAIP負荷量20.00%)。次に、分散物をガラス皿に注ぎ出し、冷却により凝固させる。次いで、得られた凝固HAIP−ろう混和物を粉々に砕き、粉末になるように磨り潰し、75から150μm(100から200メッシュ)になるようにふるいにかける。
(2)3.1500グラムのポリエステル樹脂(PCL 230B)を容器に添加し、その融点よりも僅かに高い温度、60℃で溶融させる。樹脂溶融後、0.0641グラムのHAIP−ステアリン酸粉末(1)を添加する。5分間にわたり600rpmのせん断により混合物を完全に混合して、均一なHAIP−ろう−樹脂分散物を得る。
(3)0.4222グラムのシリカ粉末(AEROSIL(登録商標)R202)および6.6148グラムの鉱物油を容器に加え、12,000rpmの高速せん断により混合物を完全に混合し、続いて60℃に加熱した。
(4)10分間にわたり、1000rpmの撹拌下で60℃でHAIP−ステアリン酸−樹脂分散物(2)をシリカ−油混合物(3)と混和して、HAIPが埋め込まれている粒子を形成させる。次いで、HAIP−ろう−樹脂/シリカ−油エマルジョンを冷却して、乳化粒子を凝固させる。
対照(HAIP粉末):図2は、水との接触時のHAIP粉末からの1−MCPの放出プロファイルを示す。およそ10分後、HAIPから1−MCPガスが急速におよび完全に放出される。
試料1−1から1−6(HAIP分散物):図3は、希釈試料1−1(HAIP負荷量0.4049%)からの1−MCPの代表的な放出プロファイルを示す。1時間後、放出率は僅か約14%であり、(図2と比較した場合)これは純粋な1−MCP複合体製品(HAIP粉末)よりもかなり遅い。4時間後、試料1−1は、1−MCPのうち約28%を放出し、このことから、カプセル化HAIP分散物が初期の1−MCP放出を遅延させ得ることが示唆される。試料1−1を1時間にわたりカルナウバろうの融点を上回る温度、90℃で最終的に加熱する場合、放出される1−MCPの総量は、約98%に到達し得、これは予想される理論値に近く、このことから、二重カプセル化工程中に失われる1−MCPは最小量となることが示唆される。各時間点で正規化放出率に基づき、より完全な放出速度曲線を決定し得る(図4a参照)。異なる処方物の放出速度プロファイルを比較するためのこの好都合な方法が本明細書中で提供される。
試料1−1から1−4において放出される1−MCPの量は少ない(水との接触後の最初の1時間内に6から14%の間)。試料1−1から1−4は、同様の傾向で1−MCPを徐々に放出し、4時間後に1−MCPの21から29%に到達し、これによって、被覆されていないHAIP粉末と比較して、カルナウバろうおよび/またはポリカプロラクトン(PCL)を用いて調製されている場合の、処方物に対する1−MCPの遅延放出が示される。
図4bは、水とのその最初の接触後の、最長で数日間の長期間にわたる試料1−4に対する1−MCPの代表的な放出を示す。グラフは5日間にわたり75%1−MCPが放出されることを示す。
図5は、水中での希釈後4時間の、試料1−5および1−6からの1−MCPの放出プロファイルを示し、これは、コア粒子物質としてのカンデリラろう(試料1−5)および/またはステアリン酸(試料1−6)および1−MCPの初期の放出遅延を可能にするためのシェルとしてのPCLの使用を示す。試料1−5および試料1−6に対して、水との接触後1時間でそれぞれ約79%および約44%の放出が得られる。
上記の結果を考慮して、本発明の二重マトリックスカプセル化工程は、噴霧タンク適用に有用であり得る。この実施例において、HAIP粒子はろうコアおよび樹脂シェルによって二重カプセル化される。ピッカーリング(Pickering)系を用いて乳化を行う。設計された構造は、非保護HAIP粉末と比較した場合(10分間で約100%)、初期の1−MCP放出(水中で4時間後約25%)を遅延させることにおいて顕著な改善をもたらす。最終的にHAIPと相互作用し、今度は1−MCPを放出するために、油媒体、疎水性粒子、樹脂マトリックスおよびろうの連続層を通り抜ける際に透水が妨げられると考えられる。したがって、水を含有する噴霧タンク中で使用しようと設計される処方物に対して、1−MCPの持続放出を達成し得、開示される処方物によって容易な保存および輸送が可能となる。
実施例2−試料の画像
図6は、HAIPエアミル製品およびHAIP−カルナウバろう混和粒子のSEM画像を示す(磨り潰し、100メッシュを通じてふるいにかけた後)。一般的には、HAIPは3から5μmの粒径を有するが、より大きい粒子の凝集体が幾分観察され得る(図6a1および図6a2の矢印参照)。図6a2で示されるように、HAIP粒子の横断面には多くの均一な微細孔があり、これは、試料切断SEM調製中にHAIPが除去される結果生じるアーチファクトであり得る。ろうが脆性であるので、手作業によってまたは粉砕器を使用することによって、HAIPおよびカルナウバろうの混和物の大きさを縮小し得る。しかし、それらの粒径は、図6b1で示されるように、主に100から200メッシュ(75から150μm)の間で一定のままである。混和粒子の内部構造(図6b2)はHAIPの場合と同様であり(図6a2)、それによってHAIP粒子がろうマトリックス中に均一に埋め込まれていることが示される。
図7は、試料1−3および1−3からのカプセル化粒子のSEM画像を示す。ピッカーリング(Pickering)エマルジョンに基づくPCLカプセル化後、得られる懸濁粒子が、20から100ミクロン前後の粒径を有することが見出される(図7a1および7b1参照)。疎水性シリカナノ粒子によって全粒子が被覆される(図7a2および7b2)。横断面形態(図7a3および7b3)はHAIP−ろう混和粒子とは僅かに異なる(図6b2)。この最後の写真において、HAIP−ろう混和物は、PCLマトリックス粒子中で非均一に分布し、一部の領域は樹脂マトリックスのみを含有する状態となる。この樹脂分布は、図1に記載の二重カプセル化コアシェル構造設計と一致し、HAIPと相互作用可能となる前に、水が油、コーティングおよび樹脂の多層に浸透しなければならないので、このような分布は1−MCPの徐放のための鍵である。なお、直径が100ミクロンの単位である一部の大きい粒子(図7a4および7b4)がこの処方物中に存在する。これは、この特定の調製物に対して最初のコアHAIP−ろう粒子が幾分大きい(100または200メッシュ)という事実による。

Claims (64)

  1. 油媒体中で懸濁される二重カプセル化粒子の一群を含む組成物であって、
    前記二重カプセル化粒子のそれぞれが、
    (a)第一の融点を有する樹脂マトリックスと、
    (b)第二の融点を有するろう様化合物中で被覆される分子複合体であって、前記被覆分子複合体が前記樹脂マトリックス中に埋め込まれる分子複合体と、
    (c)ピッカーリング(Pickering)粒子を含むコーティングと
    を含む、組成物。
  2. 前記分子複合体が、揮発性化合物と、分子カプセル化剤とを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記揮発性化合物がシクロプロペンを含む、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記シクロプロペンが、式:

    (式中、Rは、置換または未置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはナフチル基であり;前記置換基は、独立にハロゲン、アルコキシまたは置換もしくは未置換フェノキシである)
    のものである、請求項3に記載の組成物。
  5. RがC1−8アルキルである、請求項4に記載の組成物。
  6. Rがメチルである、請求項4に記載の組成物。
  7. 前記シクロプロペンが、式:

    (式中、Rは、置換または未置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはナフチル基であり;R、RおよびRは水素である)
    のものである、請求項3に記載の組成物。
  8. 前記シクロプロペンが1−メチルシクロプロペン(1−MCP)を含む、請求項3に記載の組成物。
  9. 前記分子カプセル化剤が、アルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリンまたはそれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の組成物。
  10. 前記分子カプセル化剤が、アルファ−シクロデキストリンを含む、請求項2に記載の組成物。
  11. 前記樹脂マトリックスがポリエステル樹脂を含む、請求項1に記載の組成物。
  12. 前記樹脂マトリックスが、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ樹脂、イソシアネート、エチレン酢酸ビニルコポリマーまたはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
  13. 前記樹脂マトリックスが、ポリカプロラクトンポリオールを含む、請求項1に記載の組成物。
  14. 前記ポリカプロラクトンポリオールが、1,000から200,000の分子量を有する、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記第一の融点が30℃から70℃である、請求項1に記載の組成物。
  16. 前記第一の融点が50℃から60℃である、請求項1に記載の組成物。
  17. 前記ろう様化合物が、カルナウバろう、カンデリラろう、ステアリン酸またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
  18. 前記第二の融点が75℃から120℃である、請求項1に記載の組成物。
  19. 前記第二の融点が80℃から90℃である、請求項1に記載の組成物。
  20. 前記ピッカーリング(Pickering)粒子が、シリカ粒子、粘土、酸化物、ポリマー粒子またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
  21. 前記ピッカーリング(Pickering)粒子が疎水性シリカを含む、請求項1に記載の組成物。
  22. 前記疎水性シリカのシリカ面が、シランカップリング剤または有機ケイ素により修飾される、請求項21に記載の組成物。
  23. 前記油が、C15からC40の範囲のアルカンの混合物を含む、請求項1に記載の組成物。
  24. 前記二重カプセル化粒子と前記油との比率が約2:1から約1:100である、請求項1に記載の組成物。
  25. 前記二重カプセル化粒子と前記油との比率が約1:1から約1:100である、請求項1に記載の組成物。
  26. 前記分子複合体と前記ろう状物質との比率が約1:1から約1:100重量比である、請求項1に記載の組成物。
  27. 前記分子複合体と前記ろう状物質との比率が約1:1.5から約1:100重量比である、請求項1に記載の組成物。
  28. 前記ろう状物質と合わせた前記分子複合体と、前記樹脂との比率が約1:1から約1:100重量比である、請求項1に記載の組成物。
  29. 前記ろう状物質と合わせた前記分子複合体と、前記樹脂との比率が約1:1.5から約1:100重量比である、請求項1に記載の組成物。
  30. 前記ピッカーリング(Pickering)粒子と前記油との比率が約1:5から約1:25重量比である、請求項1に記載の組成物。
  31. 前記ピッカーリング(Pickering)粒子と前記油との比率が約1:10から約1:24重量比である、請求項1に記載の組成物。
  32. 前記二重カプセル化粒子の平均粒径が約1ミクロンから約200ミクロンである、請求項1に記載の組成物。
  33. 前記二重カプセル化粒子の平均粒径が約20ミクロンから約100ミクロンである、請求項1に記載の組成物。
  34. 少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  35. 組成物を調製するための方法であって、
    (a)混和物を提供するように、分子複合体をろう状物質と、前記ろう状物質の融点より高い温度で混和すること;
    (b)樹脂をその融点より高い温度で溶融すること;
    (c)均一な分子複合体−ろう状物質−樹脂分散物を提供するように、工程(a)の混和物と工程(b)の溶融樹脂とを混合すること;
    (d)ピッカーリング(Pickering)粒子を油と混合すること;
    (e)工程(d)のピッカーリング(Pickering)粒子と油との混合物中に工程(c)の分子複合体−ろう状物質−樹脂分散物を分散させること;
    (f)前記樹脂の溶融温度よりも低い温度で前記組成物を凝固させること
    を含む、方法。
  36. 前記混和が、前記混和物にせん断力を適用することを含む、請求項35に記載の方法。
  37. 前記混合が、前記混合物にせん断力を適用することを含む、請求項35に記載の方法。
  38. 前記分散が、前記分散物にせん断力を適用することを含む、請求項35に記載の方法。
  39. 前記凝固が硬化を含まない、請求項35に記載の方法。
  40. 前記油が、C15からC40のアルカンの混合物または石油の蒸留物を含む、請求項35に記載の方法。
  41. 前記油が、鉱物油、食用油およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーを含む、請求項35に記載の方法。
  42. 前記樹脂の融点よりも低い温度が周囲温度である、請求項35に記載の方法。
  43. 前記分子複合体と前記ろう状物質との比率が約1:1から約1:100重量比である、請求項35に記載の方法。
  44. 前記分子複合体と前記ろう状物質との比率が約1:1.5から約1:100重量比である、請求項35に記載の方法。
  45. 前記ピッカーリング(Pickering)粒子と前記油との比率が約1:5から約1:25重量比である、請求項35に記載の方法。
  46. 前記ピッカーリング(Pickering)粒子と前記油との比率が約1:10から約1:24重量比である、請求項35に記載の方法。
  47. 前記分子複合体が、シクロプロペンと分子カプセル化剤とを含む、請求項35に記載の方法。
  48. 前記シクロプロペンが、式:

    (式中、Rは、置換または未置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはナフチル基であり;前記置換基は独立にハロゲン、アルコキシまたは置換もしくは未置換フェノキシである)
    のものである、請求項47に記載の方法。
  49. RがC1−8アルキルである、請求項48に記載の方法。
  50. Rがメチルである、請求項48に記載の方法。
  51. 前記シクロプロペンが、式:

    (式中、Rは、置換または未置換C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはナフチル基であり;R、RおよびRは水素である)
    のものである、請求項47に記載の方法。
  52. 前記シクロプロペンが1−メチルシクロプロペン(1−MCP)を含む、請求項47に記載の方法。
  53. 前記分子カプセル化剤が、アルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリンまたはその組み合わせを含む、請求項47に記載の方法。
  54. 前記分子カプセル化剤が、アルファ−シクロデキストリンを含む、請求項47に記載の方法。
  55. 前記樹脂がポリエステル樹脂を含む、請求項35に記載の方法。
  56. 前記樹脂が、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ樹脂、イソシアネート、有機アミン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、天然または合成ろうおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される樹脂を含む、請求項35に記載の方法。
  57. 前記樹脂がポリカプロラクトンポリオールを含む、請求項35に記載の方法。
  58. 前記樹脂が、約2,000から約4,000の分子量を有するポリカプロラクトンポリオールを含む、請求項35に記載の方法。
  59. 前記樹脂が、約50℃から約60℃の融点を有するポリカプロラクトンポリオールを含む、請求項35に記載の方法。
  60. 前記ろう様化合物が、カルナウバろう、カンデリラろう、ステアリン酸またはそれらの組み合わせを含む、請求項35に記載の方法。
  61. 前記ろう様化合物が、約80℃から約90℃の融点を有する、請求項35に記載の方法。
  62. (a)水媒体と、
    (b)請求項1から34の何れか一項に記載の組成物と
    を含む、エマルジョン。
  63. 請求項62に記載のエマルジョンを含む、噴霧可能な徐放性処方物。
  64. 植物または植物の一部を請求項62に記載のエマルジョンと接触させることを含む、植物または植物の一部を処理する方法。
JP2015531426A 2012-09-17 2013-02-05 揮発性化合物の二重カプセル化のための組成物および方法 Pending JP2015531780A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/CN2012/081468 WO2014040288A1 (en) 2012-09-17 2012-09-17 Compositions with hot melt resin matrix
CNPCT/CN2012/081468 2012-09-17
US201261713924P 2012-10-15 2012-10-15
US61/713,924 2012-10-15
PCT/CN2013/071362 WO2014040402A1 (en) 2012-09-17 2013-02-05 Compositions and methods for double encapsulation of a volatile compound

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015531780A true JP2015531780A (ja) 2015-11-05

Family

ID=50275064

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015531426A Pending JP2015531780A (ja) 2012-09-17 2013-02-05 揮発性化合物の二重カプセル化のための組成物および方法
JP2015531425A Pending JP2015529671A (ja) 2012-09-17 2013-02-05 樹脂マトリックス中に分散したシクロプロペン複合体を含む粒子の懸濁液

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015531425A Pending JP2015529671A (ja) 2012-09-17 2013-02-05 樹脂マトリックス中に分散したシクロプロペン複合体を含む粒子の懸濁液

Country Status (16)

Country Link
US (1) US20140080710A1 (ja)
EP (2) EP2895543A4 (ja)
JP (2) JP2015531780A (ja)
KR (2) KR20150058331A (ja)
AU (2) AU2013314957B2 (ja)
BR (2) BR112015005287A2 (ja)
CA (2) CA2884076A1 (ja)
CL (2) CL2015000651A1 (ja)
CR (2) CR20150138A (ja)
IL (2) IL237288A0 (ja)
IN (2) IN2015DN01782A (ja)
MX (2) MX2015003420A (ja)
PH (2) PH12015500572A1 (ja)
RU (2) RU2015114260A (ja)
SG (2) SG11201501759YA (ja)
WO (2) WO2014040401A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016509608A (ja) * 2013-02-08 2016-03-31 アグロフレッシュ インコーポレイテッド 乾式溶融被覆方法および揮発性化合物のための製剤
TW201446144A (zh) * 2013-03-14 2014-12-16 Agrofresh Inc 經外塗粉末粒子
US9394216B2 (en) 2014-11-10 2016-07-19 Mirtech, Inc. Complexes of 1-methylcyclopropene with metal coordination polymer networks
AU2016258623A1 (en) * 2015-05-06 2017-11-16 Agrofresh Inc. Stable emulsion formulations of encapsulated volatile compounds
ES2820879R1 (es) 2016-02-19 2021-06-21 Hazel Tech Inc Composiciones para la liberación controlada de ingredientes activos y métodos de preparación de las mismas
IL304085A (en) 2018-04-27 2023-08-01 Fresh Inset S A Preparations and items containing complexes of 1-methylcyclopropane and alpha-cyclodextrin
KR102133837B1 (ko) * 2018-06-20 2020-07-14 코스맥스바이오 주식회사 슬러리 연질캡슐 제제용 현탁화제 및 이를 포함하는 슬러리 연질캡슐
CN109350060B (zh) * 2018-10-17 2023-12-05 四川大学华西医院 一种核磁共振踝关节线圈装置
RU2717300C1 (ru) * 2019-04-02 2020-03-19 Мария Ивановна Иванова Способ получения модифицированного порошкового препарата для обработки растений
US11306046B2 (en) * 2019-11-16 2022-04-19 Nazir Mir Generators for 1-methylcyclopropene release from carrier complex
WO2021156722A1 (en) 2020-02-03 2021-08-12 Fresh Inset S.A. Stable 1-methylcyclopropene compositions and uses thereof
US20210331990A1 (en) * 2020-04-27 2021-10-28 Cellresin Technologies, Llc Compositions and Methods for Differential Release of 1-Methylcyclopropene
WO2023225459A2 (en) 2022-05-14 2023-11-23 Novozymes A/S Compositions and methods for preventing, treating, supressing and/or eliminating phytopathogenic infestations and infections
WO2023288294A1 (en) 2021-07-16 2023-01-19 Novozymes A/S Compositions and methods for improving the rainfastness of proteins on plant surfaces

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06504716A (ja) * 1990-10-02 1994-06-02 ウォラス テクノロジーズ,インコーポレイテッド 有効なマイクロカプセルの製造および使用方法
WO2011109144A1 (en) * 2010-03-01 2011-09-09 Rohm And Haas Company Oil formulations comprising cylcopropene compounds
WO2011156388A1 (en) * 2010-06-07 2011-12-15 Syngenta Participations Ag Cyclopropene compositions

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL145476A (en) * 2000-09-29 2006-07-05 Rohm & Haas Cyclopropene release systems that require less water
CA2565427A1 (en) * 2005-11-08 2007-05-08 Rohm And Haas Company Compositions with cyclopropenes and non-hydrocarbon oils
WO2008089140A1 (en) * 2007-01-17 2008-07-24 Dow Agrosciences Llc Delivery of ethylene blocking and/or promoting agents
JP5128392B2 (ja) * 2007-08-03 2013-01-23 ローム アンド ハース カンパニー 油配合物
RS55276B1 (sr) * 2009-01-09 2017-02-28 Syngenta Participations Ag Stabilizovana agrohemijska kompozicija
CA2743758C (en) * 2010-07-02 2013-01-08 Rohm And Haas Company Coated powder particles
JP5562992B2 (ja) * 2011-04-05 2014-07-30 ローム アンド ハース カンパニー 制御放出組成物
CN102217671B (zh) * 2011-04-27 2013-07-03 武汉双奇科技发展有限公司 1-甲基环丙烯缓释剂及其制备方法
MX2015003422A (es) * 2012-09-17 2015-10-22 Rohm & Haas Composiciones con matriz de resina fundida en caliente.

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06504716A (ja) * 1990-10-02 1994-06-02 ウォラス テクノロジーズ,インコーポレイテッド 有効なマイクロカプセルの製造および使用方法
WO2011109144A1 (en) * 2010-03-01 2011-09-09 Rohm And Haas Company Oil formulations comprising cylcopropene compounds
WO2011156388A1 (en) * 2010-06-07 2011-12-15 Syngenta Participations Ag Cyclopropene compositions

Also Published As

Publication number Publication date
KR20150058330A (ko) 2015-05-28
WO2014040402A1 (en) 2014-03-20
IL237288A0 (en) 2015-04-30
JP2015529671A (ja) 2015-10-08
AU2013314956A1 (en) 2015-03-12
BR112015005287A2 (pt) 2017-07-04
EP2895542A4 (en) 2016-01-27
CA2884076A1 (en) 2014-03-20
CL2015000652A1 (es) 2015-08-28
IN2015DN01782A (ja) 2015-05-29
AU2013314956A2 (en) 2015-04-02
CA2883429A1 (en) 2014-03-20
SG11201501763WA (en) 2015-04-29
KR20150058331A (ko) 2015-05-28
EP2895543A4 (en) 2016-03-23
RU2015114138A (ru) 2016-11-10
EP2895542A1 (en) 2015-07-22
AU2013314957B2 (en) 2016-06-09
MX2015003420A (es) 2015-11-13
WO2014040401A1 (en) 2014-03-20
CR20150138A (es) 2015-06-30
IL237412A0 (en) 2015-04-30
RU2015114260A (ru) 2016-11-10
AU2013314957A1 (en) 2015-03-12
CL2015000651A1 (es) 2015-06-12
PH12015500573A1 (en) 2015-05-11
CR20150137A (es) 2015-06-30
MX2015003421A (es) 2016-02-09
EP2895543A1 (en) 2015-07-22
US20140080710A1 (en) 2014-03-20
IN2015DN01612A (ja) 2015-07-03
SG11201501759YA (en) 2015-04-29
BR112015005278A2 (pt) 2017-07-04
PH12015500572A1 (en) 2015-05-11
AU2013314956B2 (en) 2016-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015531780A (ja) 揮発性化合物の二重カプセル化のための組成物および方法
US10091993B2 (en) Coated powder particles
TWI536907B (zh) 含環丙烯化合物的油製劑
US10863739B2 (en) Stable emulsion formulations of encapsulated volatile compounds
TW201739348A (zh) 穩定乳液配製物之製備及分散
JP2015531417A (ja) ホットメルト樹脂マトリックスを有する組成物
CN104822750A (zh) 用于将挥发性化合物双重封装的组合物和方法
KR20150033651A (ko) 입자 크기 감소

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160726

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170307