JP2015528296A - 植物の非生物的ストレス抵抗性を高める方法 - Google Patents

植物の非生物的ストレス抵抗性を高める方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、植物の土壌栄養を高める非生物的ストレス抵抗性を上昇させる方法であって、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)もしくはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)またはそれの突然変異体を含む組成物を、植物、植物の部分および/または植物もしくは植物部分周囲の区域に施用することを含む方法に関するものである。本発明はさらに、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)またはそれの突然変異体を含む組成物を土壌に施用することを含む、土壌栄養を高める方法に関するものである。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2012年8月31日出願の米国暫定特許出願第61/696,046号、2012年10月18日出願の米国暫定特許出願第61/715,780号、および2013年3月15日出願の米国暫定特許出願第61/792,355号に対する優先権を主張するものである。前記出願のそれぞれは、参照によってそれの全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、植物の非生物的ストレス抵抗性向上の技術分野、ならびに土壌内での栄養レベルの向上に関するものである。
植物の成長、発達および収量を促進するためには、無機および有機の両方の物質に基づく肥料が世界的に用いられている。植物の成長および生産性を制限するさらなる大きい要素は、干魃ストレス、塩ストレス、栄養欠乏、重金属による汚染、極端な温度または洪水などの非生物的ストレスである。例えば、塩ストレス、干魃条件または栄養欠乏に曝露されると、通常、植物材料、種子、果実および他の食用産物の収量低下が生じる。これらのストレスによって生じるイネ、トウモロコシ(コーン)およびコムギなどの主要作物ならびに森林樹木の作物損失および作物収量低下は、重大な経済的および政治的要素を代表するものであり、多くの開発途上国における食料不足の原因となっている。植物を、例えば、塩ストレス耐性および/または抵抗性とする方法の開発が、これらの問題の少なくとも一部を解決するかそれに介入する可能性を有する戦略である。さらに、土壌栄養を高め、有機材料から植物栄養素を放出させる方法が、植物の成長を高め、植物に対する環境ストレスを軽減することができると考えられる。
従って、植物を非生物的ストレスに対して耐性および/または抵抗性とする方法、ならびに植物が利用可能な土壌栄養を高める方法を提供することが現在もなお必要とされている。本発明の目的は、植物に非生物的ストレス耐性および/または抵抗性を与え、それを高め、土壌中の植物栄養素の利用性を高める方法を提供することにある。
本発明は、植物の非生物的ストレス抵抗性を高める方法を提供する。その方法は、植物、植物の一部、植物周囲の区域および植物部分周囲の区域のうちの少なくとも一つに組成物を施用することを含む。代表的にはその方法は、前記組成物を提供することを含む。その組成物はバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)を含む。一部の実施形態において、組成物に含まれるバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)の公知の株の突然変異体である。
ある種の実施形態において本発明は、植物の非生物的ストレス抵抗性を高める方法であって、植物、植物の部分および/または植物もしくは植物部分周囲の区域に植物の非生物的ストレス抵抗性を高める上で十分な量でバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)を含む組成物を施用することを含む方法を提供する。
一部の特定の実施形態によれば、当該バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)は、NRRL寄託番号B−21661として寄託されたバチルス・サブチリス(B. subtilis)QST713またはそれの突然変異体である。一部の実施形態において、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)は、それぞれ寄託番号NRRLB−50421およびNRRLB−50455として寄託されたバチルス・サブチリス(B. subtilis)株QST30002またはまたはそれらの突然変異体である。他の実施形態において、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)株は、寄託番号NRRLB−30087として寄託され、国際特許公開番号WO2000/058442に記載されているバチルス・プミルス(B. pumilus)2808である。一部の他の特定の実施形態によれば、前記非生物的ストレスは塩ストレスまたは栄養欠乏であることができる。塩ストレスには、高い塩濃度または干魃などがあり得る。栄養欠乏は。植物周囲の土壌区域におけるカリウム、リン酸または鉄などの土壌栄養素の欠乏であることができる。リン酸などの(土壌)栄養欠乏に対するストレス抵抗性の上昇は、土壌中で欠乏している栄養素の可溶化を高めることで提供することができる。植物または植物部分周囲の区域(果実周囲でもあり得る)は、植物が成長している場所またはその場所の一部であることができるか、それを含むことができる。植物または植物部分周囲の個々の区域は、例えば、植物または植物部分の近くにある土壌などの物であることができるか、それを含むことができる。果実周囲の個々の区域は、例えば、その果実が成長している植物の一部であることができるか、それを含むことができ、または果実を有する植物または植物部分の近くにある土壌などの物を含むことができる。一部の実施形態において、当該方法は、土壌に組成物を施用することを含む。組成物および土壌は、独立に植物と接触していても良い。一部の実施形態では、土壌を植物または植物部分と接触するようにしてから、組成物を施用する。一部の実施形態では、組成物を施用してから、植物または植物部分を土壌と接触するようにする。一部の実施形態では、組成物を施用しながら、植物または植物部分を土壌と接触するようにする。
組成物への曝露後に、塩ストレス抵抗性または栄養欠乏抵抗性などの非生物的ストレス抵抗性における上昇は、少なくとも約2週間にわたり有効である。一部の実施形態において、塩ストレス抵抗性は少なくとも約1ヶ月間上昇する。組成物に曝露された植物の塩ストレス抵抗性は実施形態において、少なくとも約2ヶ月間、例えば少なくとも約3ヶ月間、少なくとも約4ヶ月間、少なくとも約5ヶ月間、少なくとも約6ヶ月間、少なくとも約7ヶ月間、少なくとも約8ヶ月間、少なくとも約9ヶ月間、少なくとも約10ヶ月間または少なくとも約11ヶ月間上昇する。一部の実施形態において、個々の植物の塩ストレス抵抗性は、少なくとも約1年間、例えば施用後少なくとも約1.5年間またはそれ以上上昇する。
本発明の方法には、植物のライフサイクル中のいずれかの時点で、植物のライフサイクルの1以上の段階中、または植物のライフサイクルの一定間隔で、または植物の生涯を通じて連続的に組成物を施用することを含む。従って、組成物は必要に応じて施用することができる。組成物は例えば、成長中、開花前および/または開花中、および/または種子発生前または種子発生中に植物に施用することができる。例示的な例として、組成物は、ある場所から別の場所に、例えば温室もしくは温床から農地に植物を移植する前、移植中および/または移植直後に施用することができる。別の例では、組成物は、実生が土壌その他の成長培地(例えばバーミキュライト)から発生した直後に施用することができる。さらに別の例として、組成物は、水耕法で成長した植物にいずれかの時点で施用することができる。本発明による方法は、複数回、例えば所望の期間中の予め選択された回数、植物に、植物部分に、植物周囲の区域(植物に近接した区域を含む)に、果実におよび/または果実周囲の区域(近接区域を含む)に組成物を施用することを含むことができる。一部の実施形態において、個々の組成物を、所望の間隔で複数回植物に施用することができる。
本発明による方法では、組成物を、植物、植物部分、植物もしくは植物部分周囲の区域、果実、果実を有する植物および/または果実周囲の区画に施用する。果実、植物または植物部分周囲の区域は例えば、植物、植物部分または果実周辺約2メートル以内、約1メートル以内、約70cm以内、約50cm以内、約25cm以内、約10cm以内または約5cm以内の区域であることができる。
関連する態様において、本発明は、植物の塩ストレス抵抗性を高めるためのバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)の使用に関するものである。その使用は、植物、植物の一部、植物周囲の区域および植物部分周囲の区域のうちの少なくとも一つに組成物を施用することを含む。一部の実施形態において、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)が組成物に含まれる。
別の実施形態によれば、本発明は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)を含む組成物を土壌に施用することを含む、土壌栄養を高める方法に関する。その組成物は、プロテイナーゼ、セルラーゼおよびキシラナーゼから選択される加水分解酵素による有機材料の生物分解を促進することができる。1実施形態において、本発明は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)を含む組成物を土壌栄養を高める上で十分な量で土壌に施用することを含む、土壌栄養を高める方法を提供する。
関連する態様において本発明は、有機材料に加水分解酵素による有機材料の生物分解を促進する上で十分な量でバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)を施用することを含む、有機材料の生物分解の促進方法に関する。
水またはSERENADE SOIL(登録商標)で処理し、60mMの塩で14日間灌水したイネ植物を示す図である。 水またはSERENADE SOIL(登録商標)で処理し、60mMの塩で14日間灌水したイネ植物の根を示す図である(64オンス/エーカーは0.448g/mに等しい)。 水またはSONATA(登録商標)で処理し、60mMの塩で14日間灌水したイネ植物を示す図である。 水またはSERENADE SOIL(登録商標)またはSONATA(登録商標)で処理し、60mMの塩で14日間灌水したイネ植物の根を示す図である(64オンス/エーカーは0.448g/mに等しい)。 SERENADEASO(登録商標)で処理した植物および水で処理した植物のmg単位での根および苗条の乾燥重を示す図である。 ブランク培地と比較した、NBRIY培地で増殖させたバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)株AQ30002(図6A)およびAQ713(図6B)の培養によって生じる可溶性リン酸のレベルを示す図である。 ブランク培地と比較した、NBRIY培地で増殖させたバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)株AQ30002(図6A)およびAQ713(図6B)の培養によって生じる可溶性リン酸のレベルを示す図である。 予測swrA転写物を包含する各種swrAゲノムDNAのアラインメントを示す図である(Bsub_168=バチルス・サブチリス(B. subtilis)株168;Bsub_3610=バチルス・サブチリス(B. subtilis)株3610;QST713=QST713野生型;AQ30002およびAQ30004=本発明の代表的な株;Bamy_FZB42=バチルス・アミロリクエファシエンス(B. amyloliquefaciens)株FZB42;Bpum_SAFR−032=バチルス・プミルス(B. pumilus)株SAFR−032;およびBlic_14580=バチルス・リチェニフォルミス(B. licheniformis)株14580)。 予測swrA転写物を包含する各種swrAゲノムDNAのアラインメントを示す図である(Bsub_168=バチルス・サブチリス(B. subtilis)株168;Bsub_3610=バチルス・サブチリス(B. subtilis)株3610;QST713=QST713野生型;AQ30002およびAQ30004=本発明の代表的な株;Bamy_FZB42=バチルス・アミロリクエファシエンス(B. amyloliquefaciens)株FZB42;Bpum_SAFR−032=バチルス・プミルス(B. pumilus)株SAFR−032;およびBlic_14580=バチルス・リチェニフォルミス(B. licheniformis)株14580)。 予測swrA転写物を包含する各種swrAゲノムDNAのアラインメントを示す図である(略称は、図7におけるものと同じswrAの意味を有し、Batr_1942=バチルス・アトロファエウス(B. atrophaeus)株1942およびBpum_2808=バチルス・プミルス(B. pumilus)株2808である。)。 予測swrA転写物を包含する各種swrAゲノムDNAのアラインメントを示す図である(略称は、図7におけるものと同じswrAの意味を有し、Batr_1942=バチルス・アトロファエウス(B. atrophaeus)株1942およびBpum_2808=バチルス・プミルス(B. pumilus)株2808である。)。 予測swrA転写物から得られる各種タンパク質のアラインメントを示す図である(略称は、図7および8におけるものと同じ意味を有し、Bpum_7061=バチルス・プミルス(B. pumilus)7061である。)。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が業界の通常の技術を有する者が一般に理解するものと同じ意味を有する。
本明細書で使用される場合、「植物」という用語は、植物界に属する生命体を指す(すなわち、植物界におけるあらゆる属/属種)。これには、樹木、草本、低木、イネ科草本、つる植物、シダ類、コケ類および緑藻類など(これらに限定されるものではない)の一般的な生物などがある。その用語は、単子葉類とも称される単子葉植物および双子葉類とも称される双子葉植物の両方を指す。その植物は、一部の実施形態において経済的に重要なものである。一部の実施形態において、その植物は人が育てる植物、例えば栽培植物であり、それは農業植物、農業、林業または園芸植物であることができる。特定の植物の例には、いくつか例を挙げると、トウモロコシ、ジャガイモ、バラ、リンゴの木、ヒマワリ、コムギ、イネ、バナナ、トマト、ヒョウタン(opo)、カボチャ、トウナス、レタス、キャベツ、オークの木、グズマニア、ゼラニウム、ハイビスカス、クレマチス、ポインセチア、サトウキビ、タロイモ、ウキクサ、マツの木、ケンタッキーブルーグラス、ノシバ、ココヤシの木、アブラナ科葉菜類(例:ブロッコリー、ブロッコリー・ラーブ、芽キャベツ、キャベツ、ハクサイ(チンゲン菜およびナパ)、カリフラワー、カバロ(cavalo)、コラード、ケール、コールラビ、カラシナ、青菜および他のアブラナ科葉菜作物)、鱗茎菜類(例:ニンニク、セイヨウネギ、タマネギ(ドライバルブ(dry bulb)タマネギ、ネギおよびネブカ)、エシャロットおよび他の鱗茎菜作物)、柑橘果実(例:グレープフルーツ、レオン、ライム、オレンジ、タンジェリン、柑橘交配種、ザボンおよび他の柑橘果実作物)、ウリ科野菜(例:キュウリ、シトロンメロン、食用ウリ類、ガーキン、マスクメロン類(メロンの交配種および/または栽培品種を含む)、スイカ、カンタロープおよび他のウリ科野菜作物)、果菜類(ナス、ホオズキ、ペピーノ、コショウ、トマト、トマティロおよび他の果菜作物など)、ブドウ、葉菜類(例:ロメイン・レタス)、根/塊茎および球茎野菜(例:ジャガイモ)およびナッツ類(アーモンド、ペカン、ピスタチオおよびクルミ)、ベリー類(例:トマト、メギ、スグリ、エルダーベリー、グーズベリー、ハニーサックル、アメリカハッカクレン、ナニーベリー、ヒイラギナンテン、サジー、エノキの実、ベアベリー、コケモモ、イチゴ、ハマベブドウ、ラックベリー(lackberries)、クラウドベリー、ローガンベリー、ラズベリー、サーモンベリー、クロミキイチゴおよびワインベリー)、穀物(例:トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、モロコシ、キビ、カラスムギ、ライムギ、ライコムギ、ソバ、フォニオおよびキヌア)、ナシ状果(例:リンゴ、ナシ)、ナシ状果(例:コーヒー、ナツメ、マンゴー、オリーブ、ココナツ、油やし、ピスタチオ、アーモンド、アプリコット、サクランボ、ダムソン、ネクタリン、モモおよびプラム)、ブドウの木(例:テーブル用ブドウ、ワイン用ブドウ)、繊維作物(例:アサ、ワタ)、観賞植物などがあるが、これらに限定されるものではない。植物は一部の実施形態において、室内/家庭用植物、温室植物、農業植物または園芸植物であることができる。上記ですでに示したように、一部の実施形態において、植物はアカシア、ユーカリ、シデ、ブナノキ、マホガニー、クルミ、オーク、セイヨウトネリコ、ヤナギ、ヒッコリー、カバノキ、クリ、ポプラ、ハンの木、カエデ、セイヨウカジカエデ、イチョウ、ヤシの木およびモミジバフウのうちの一つなどの広葉樹であることができる。一部の実施形態において、植物は、イトスギ、ベイマツ、モミ、セコイア、アメリカツガ、ヒマラヤスギ、セイヨウネズ、カラマツ、マツ、アメリカスギ、エゾマツおよびイチイなどの針葉樹であることができる。一部の実施形態において植物は、リンゴ、プラム、ナシ、バナナ、オレンジ、キウイ、レモン、サクランボ、ブドウ、パパイア、ラッカセイおよびイチジクなどの結果木本植物であることができる。一部の実施形態において植物は、ワタ、タケおよびインドゴムノキなどの木本植物であることができる。植物は一部の実施形態において、農業植物、林業植物および/または観賞植物、すなわち園芸で、例えば公園、庭園およびベランダで一般に使用される植物であることができる。例としては、非常に多数の観賞植物の中でほんの数例を挙げると、芝生、ゼラニウム、テンジクアオイ、ペチュニア、ベゴニアおよびフクシアがある。「植物」という用語は、あらゆる植物珠芽を含むものでもある。
「植物」という用語は、1以上の育種、突然変異誘発および遺伝子操作によって修飾された植物を含むものである。遺伝子操作とは、組換えDNA技術を用いることを指す。組換えDNA技術によって、自然環境下での交雑育種、突然変異または自然の組換えによって容易に得ることができない修飾が可能となる。一部の実施形態において、遺伝子操作によって得られる植物はトランスジェニック植物であることができる。
本明細書で使用される場合、「植物部分」という用語は、苗条、根、茎、種子、托葉、葉、花弁、花、胚珠、苞葉、枝、葉柄、節間、樹皮、木部、塊茎、軟毛、ひこばえ、根茎、葉状体、葉身、花粉、雄しべ、小胞子、果実および種子など(これらに限定されるものではない)の植物の部分を指す。土壌などの当業界で使用される代表的な培地で成長する植物の主要な二つの部分は、多くの場合、「苗条」とも称されることが多い「地上」部および「根」と称される場合も多い「地下」部と称される。
本発明による方法では、組成物は、植物を成長させるのに用いられるあらゆる種類の培地(例:土壌、バーミキュライト、細断ボール紙および水)で成長する植物または植物の部分に施用することができるか、ランもしくはビカクシダなどの空中で成長する植物または植物の部分に施用することができる。組成物は例えば、噴霧、霧化、気化、散布、散粉、灌水、噴射、散水または注入によって施用することができる。上記ですでに示したように、農業、園芸、森林、大農園、果樹園、苗床、有機栽培作物、芝生および都市環境などの、対象の植物がある所望の場所で施用を行うことができる。
本発明は、植物の塩ストレス抵抗性を高めるための、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)および/またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)および/またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)の醗酵産物、またはバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)および/またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)の無細胞抽出物を含む組成物の使用方法を提供する。バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)およびバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)は、植物根圏で見られることが多いグラム陽性土壌細菌である。バチルス・サブチリス(B. subtilis)は、多くの細菌種のように、二つの異なる増殖形態、すなわち自由遊泳性プランクトン増殖形態および細胞集合体が互いにおよび/または表面に付着する細胞外基質を分泌する固着バイオフィルム形態を示すことができる。バイオフィルムを構築するのにバチルス・サブチリス(B. subtilis)などの細菌が使用する経路は極めて多様であり、異なる菌種内もしくは菌種間で、そして異なる環境条件下で大きく変わる。バチルス・サブチリス(B. subtilis)、バチルス・プミルス(B. pumilus)および関連する菌種の特定の株によるバイオフィルム形成が、植物病原体によって生じる感染を防除する上で役立ち得ることが最近確認されている。
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)および/またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)を含む組成物は、液剤、スラリー、水和剤、粒剤、フロアブル(乾式であっても水系であっても)または好適な培地中のマイクロカプセルであることができる。
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)およびバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)は、胞子(休眠中)として、栄養細胞(成長中)として、移行状態細胞(増殖相から胞子形成相への移行中)として、またはこれらの種類の細胞の全ての組み合わせとして、本発明で使用される組成物中に存在し得る。一部の実施形態において、個々の組成物は、主に胞子を含み、例えば本質的にそれからなるものであったり、それからなるものである。他の実施形態において、組成物は、胞子形成する前の醗酵中に細胞が産生する代謝物を含む。
一部の実施形態において、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)はバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)株QST713である。バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)株QST713は、胴枯れ病、赤カビ病、灰色かび病およびいくつかの種類のうどん粉病などの植物病害を防除するのに用いることができる天然の広く存在する細菌である。米国および欧州における規制当局は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)QST713を、ヒトまたは環境に対する副作用を全く示さないものと分類している。細菌バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)は土壌において、土壌において支配的であり、世界中の多様な生息地で認められている。バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)のQST713株は、多くの真菌植物病原体に対して拮抗性であることが知られている。
野生型バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)QST713、それの突然変異体、それの上清およびそれのリポペプチド代謝物ならびに植物病原体および昆虫を防除するためのそれらの使用方法が、米国特許第6,060,051号;同6,103,228号;同6,291,426号;同6,417,163号;および同6,638,910号(これらはそれぞれ、参照によって、記載の全ての内容について具体的かつ完全に本明細書に組み込まれる。)に十分に記載されている。これらの米国特許において、その株はAQ713と称され、それはQST713と同義である。本明細書においてQST713への言及は、NRRL寄託番号B21661下に寄託された、またはSERENADE(登録商標)製品の製造を模倣する条件下でバイオリアクターで製造されるSERENADE(登録商標)製品中に存在するバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)QST713(akaAQ713)について言及するものである。
上記の特許に相当する1998年における米国特許出願第09/074,870号出願の時点で、当該株は、旧来の生物学的、生化学的および形態学的方法に基づいてバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)と称されていた。それ以降、バチルス属種の分類学が、特に遺伝学および配列決定技術における進歩を踏まえて発達してきたことから、属種の呼称は1998年に使用された方法ではなく多くはDNA配列に基づいたものである。バチルス・アミロリクエファシエンス(B. amyloliquefaciens)FZB42、バチルス・サブチリス(B. subtilis)168およびQST713からのタンパク質配列をアラインメントした後、バチルス・アミロリクエファシエンス(B. amyloliquefaciens)FZB42で認められるタンパク質の約95%はQST713で認められるタンパク質と85%以上同一であり、バチルス・サブチリス(B. subtilis)168におけるタンパク質の35%のみがQST713におけるタンパク質と85%以上同一である。しかしながら、遺伝学への依存が大きくなっても、関連する科学文献および規定文書にはなお分類学的曖昧さがあり、過去15年間にわたるバチルス分類学についての理解の向上を反映している。例えば、FZB42と同様にQST713に非常に近接しているバチルス・サブチリス(B. subtilis)株FZB24に基づく農薬製品は、米国EPAの文書でバチルス・サブチリス(B. subtilis)var.アミロリクエファシエンス(amyloliquefaciens)と分類されている。命名におけるこれらの複雑さのため、この特定のバチルス属種には、文書により、バチルス・サブチリス(B. subtilis)、バチルス・アミロリクエファシエンス(B. amyloliquefaciens)およびバチルス・サブチリス(B. subtilis)var.アミロリクエファシエンス(amyloliquefaciens)と多様な呼称がある。従って、本発明者らは、配列比較および推定分類学のみに基づいて現在予想されるように、バチルス・アミロリクエファシエンス(B. amyloliquefaciens)に変えるのではなく、QST713というバチルス・サブチリス(B. subtilis)の呼称を変わらず使っている。
バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)株QST713は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約の条項下に、寄託番号B21661下で1997年5月7日にNRRLに寄託されている。NRRLは、住所がNational Center for Agricultural Utilization Research, Agricultural Research Service, U.S. Department of Agriculture, 1815 North University Street, Peroira, Illinois 61604 USAである特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約下での微生物株寄託に関する国際寄託当局であるAgricultural Research Service Culture Collectionの略称である。バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)株QST713の好適な製剤は、バイエル・クロップサイエンス(Bayer CropScience LP,North Carolina,U.S.A.)からの商品名SERENADE(登録商標)、SERENADE(登録商標)ASO、SERENADE SOIL(登録商標)およびSERENADE(登録商標)MAX下に市販されている。
SERENADE(登録商標)製品(米国EPA登録番号69592−12)は、特許取得されたバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)の株(株QST713)および相乗的に作用して病害の病原を破壊し、優れた抗菌活性を提供する多くの異なるリポペプチドを含む。SERENADE(登録商標)製品は、火傷病、ボトリチス病、白かび病、サビ病、菌核病、ウドンコ病、斑点細菌病および白かび病などの病害に対して野菜、果実、ナッツおよびブドウ作物などの植物を保護するのに用いられる。SERENADE(登録商標)製品は、茎葉処理および/または土壌処理として施用可能な液体製剤または乾式製剤として利用可能である。SERENADE(登録商標)ASO、SERENADE(登録商標)MAXおよびSERENADE SOIL(登録商標)などのSERENADE(登録商標)製品の米国EPAマスターラベルのコピーが、米国農薬情報検索システム(National Pesticide Information Retrieval System)(NPIRSv)のUSEPA/OPP農薬製品ラベルシステム(PPLS)から公的に入手可能である。
SERENADE(登録商標)ASO(水系懸濁液−有機)は、有効成分としての1.34%の乾燥QST713および98.66%の他の成分を含む。SERENADE(登録商標)ASOは最小量1×10cfu/gのQST713を含むように製剤され、QST713の最大量は3.3×1010cfu/gであると決定されている。SERENADE(登録商標)ASOについてのべつの商品名には、SERENADE(登録商標)BIOFUNGICIDE、SERENADE SOIL(登録商標)およびSERENADE GARDEN(登録商標)DISEASEなどがある。さらなる情報については、2010年1月4日付けのSERENADE(登録商標)ASOおよびSERENADE SOIL(登録商標)の米国EPAマスターラベルを参照する(それらのそれぞれは、参照によって全体が本明細書に組み込まれる。)。
SERENADE(登録商標)MAXは、有効成分としての14.6%の乾燥QST713および85.4%の他の成分を含む。SERENADE(登録商標)MAXは最小量7.3×10cfu/gのQST713を含むように製剤され、QST713の最大量は7.9×1010cfu/gであると決定されている。さらなる情報については、SERENADE(登録商標)MAXの米国EPAマスターラベルを参照する(それらのそれぞれは、参照によって全体が本明細書に組み込まれる。)。
国際特許出願WO2012/087980に詳細に説明されているように、バチルス・サブチリス(B. subtilis)QST713の培養物は、実際には、野生型細胞および比較的小さいパーセントのコロニーの形態に基づいて「サンドペーパー(sandpaper)細胞と称された変異細胞型の混合物である.従って、SERENADE(登録商標)製品で認められるまたはバイオリアクターで増殖したQST713細胞で認められるQST713は、SERENADE(登録商標)製品で認められる同じ比率または同様の比率での野生型細胞およびこれらのサンドペーパー細胞の混合群からなる。これらのサンドペーパー細胞は、形態学的におよび生理的に、非常に圧縮された、疎水性で、扁平な、乾燥した、非常に「砕けやすい」ように見え、寒天からの取り出しが非常に困難な栄養寒天上のコロニーを形成する。細胞接着は、定性的に観察することができるか、結晶紫色染色によって測定することができる。栄養寒天上のこの明瞭なコロニー形態に加えて、サンドペーパー細胞は、根などの表面上に高密度でコンパクトなバイオフィルム(またはより堅牢なバイオフィルム)を形成する。上記の開示によれば、国際特許公開番号WO2012/087980に記載の寄託番号NRRL B−50421およびNRRL B−50455として寄託されたバチルス・サブチリス(B. subtilis)株AQ30002(akaQST30002)またはAQ30004(akaQST30004)またはバチルス・サブチリス(B. subtilis)株AQ30002(akaQST30002)またはAQ30004(akaQST30004)の全ての生理的および形態的特徴を有するこれらバチルス・サブチリス(B. subtilis)株の突然変異体も、単独でまたはバチルス・サブチリス(B. subtilis)QST713などの他のバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)株との混合物で、本発明の方法で用いることができる。
「野生型」とは、自然界で発生する状態で、および/または「野生型」と称されている既知の単離形態で発生する状態で、属種の代表的形態の表現型を指す。本明細書で認識される「野生型(wild type)」の同義語には、「野生型(wildtype)」、「野生型(wild−type)」、「」および「wt」などがある。野生型は通常、非標準の「突然変異」または「変異」対立遺伝子によって産生されるものとは対照的に、1以上の座にある特定の遺伝子の標準的な「正常」対立遺伝子の産生物と概念化される。概して、および本明細書で使用される場合、特定のバチルス株または分離株の最も優勢な対立遺伝子(すなわち遺伝子頻度が最も高い対立遺伝子)が野生型とされるものである。本明細書で使用される場合、「QST713野生型」または「QST713野生型swrA」およびその同義語(例えば、「QST713swrA」、「QST野生型」、「QST713wt」など)は、コードされたswrAタンパク質を発現することができる機能性swrA遺伝子(すなわちswrA)を有するバチルス・サブチリス(B. subtilis)QST713を指す。従って、これらの用語は、100%swrAであるクローンの野生型QST713細胞を指す。
上記のように、一部の実施形態において、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)株はバチルス・サブチリス(B. subtilis)AQ30002またはバチルス・サブチリス(B. subtilis)AQ30004である。他の実施形態において、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)株はバチルス・サブチリス(B. subtilis)3610である。一部の実施形態において、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)株はバチルス・プミルス(B. pumilus)SAFR−032である。一部の実施形態において、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)株は、寄託番号NRRLB−30087として寄託され、米国特許第6,245,551号および同6,586,231号ならびに国際特許公開番号WO2000/058442に記載のバチルス・プミルス(B. pumilus)2808である。バチルス・プミリス(Bacillus pumilis)株2808の好適な製剤は、Bayer CropScience LP, North Carolina, U.S.Aから商標名SONATA(登録商標)で入手可能である。
一般的に言えば、本発明で使用される組成物は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)またはそれの突然変異体の醗酵肉汁であることができる。本明細書で使用される「醗酵肉汁」(「全肉汁培養物」または「全肉汁」とも称することができる)という用語は、微生物の醗酵後に得られる培養液を指し、特には、本明細書で使用される微生物(すなわち、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)またはそれらの突然変異体)ならびにそれの構成部分、未使用原料および醗酵時に微生物によって産生される代謝物を包含する。バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)およびバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)はいずれも、胞子形成細菌である。従って、1態様において、これらの醗酵肉汁には、胞子形成細菌細胞、それらの代謝物および残留醗酵肉汁が含まれる。他の態様において、醗酵肉汁の胞子形成細菌細胞は、ほとんどが胞子である。別の態様において、醗酵肉汁を含む組成物はさらに、製剤不活性物および製剤成分を含む。一部の実施形態において、醗酵肉汁を、例えばダイアフィルトレーションプロセスを介して洗浄して、残留醗酵肉汁および代謝物を除去することで、醗酵産物がほとんど胞子となる。醗酵から得られる培養液中の細菌細胞、胞子および代謝物は、直接用いることができるか、遠心、接線流濾過、深層濾過および蒸発などの従来の工業的方法によって濃縮することができる。別の実施形態において、醗酵肉汁または濃縮醗酵肉汁を、噴霧乾燥、凍結乾燥、トレイ乾燥、流動床乾燥、ドラム乾燥または蒸発などの従来の乾燥プロセスまたは方法を用いて乾燥して醗酵固体を作る。本明細書で使用される「醗酵産物」という用語は、全肉汁、肉汁濃縮物および/または醗酵固体を指す。
一部の実施形態において、組成物は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)QST713またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)QST2808などのバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)の特定の株の突然変異体を含む。「突然変異体」という用語は、QST713またはQST2808由来の遺伝変異体を指す。1実施形態において、突然変異体は、QST713またはQST2808などの親株の1以上または全ての識別(機能)特性を有する。別の実施形態において、突然変異体またはそれの醗酵産物は、少なくともある植物(識別機能特性として)ならびに親株の非生物的ストレス抵抗性を高める。そのような突然変異体は、親株と約85%を超える、約90%を超える、約95%を超える、約98%を超える、または99%を超える配列同一性を有するゲノム配列を有する遺伝変異体であることができる。突然変異体は、親株細胞を化学物質もしくは放射線照射で処理するか、親株細胞の群からの自然突然変異体(ファージ抵抗性または抗生物質抵抗性突然変異体など)を選択することで、または当業者には公知の他の手段によって得ることができる。
一部の実施形態において、組成物は、国際特許公開番号WO2012/087980に記載のものなどのswrA遺伝子に突然変異を有するバチルス細胞(すなわち、swrA細胞)を含む。国際特許公開番号WO2012/087980にも、バチルス細胞においてswrA細胞を発生させるいくつかの方法が記載されている。1実施形態において、swrA遺伝子における突然変異は、配列番号1と記載されるswrA遺伝子の位置26から34のうちの1以上に相当する位置に、または配列番号1と記載されるswrA遺伝子の位置1から3のうちの1以上に相当する位置にある。1変形形態において、突然変異は、挿入または欠失である。
本願で提供される配列リストは、各種のバチルス属種および株からのswrA遺伝子についての配列を提供するものであり、それは7、8および9にも示してある。下記の表1は、配列番号を株と関連づけるものである。アミノ酸配列である配列番号2を除き、全ての配列がヌクレオチド配列である。
表1
Figure 2015528296
一部の実施形態において、swrA活性は、swrA遺伝子の突然変異以外の手段によって低下されている。swrA活性は、小分子、医薬、化学物質、化合物、siRNA、リボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、swrA阻害抗体、swrA阻害ペプチド、アプタマーまたは鏡像アプタマーなどの各種作用体によって低下させることができる。1実施形態において、swrA細胞におけるswrA遺伝子での突然変異は、配列番号1と記載されているswrA遺伝子の位置26から34のうちの1以上に相当する位置または配列番号1と記載されるswrA遺伝子の位置1から3のうちの1以上に相当する位置でのものである。1変形形態において、突然変異は、挿入または欠失である。別の態様において、swrA細胞は、swrA遺伝子のノックアウトの結果である。
1実施形態において、本発明の胞子形成細菌細胞は、swrA遺伝子に突然変異を有するバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)QST713細菌細胞およびそれの組成物である。1態様において、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)QST713細菌細胞は、開始コドンにおける少なくとも一つの核酸塩基対変化および/またはswrA遺伝子における少なくとも一つの核酸塩基対挿入もしくは欠失を含む。他の態様において、swrA遺伝子での挿入または欠失は、配列番号1の位置26から34における塩基対の1以上で起こる。さらに別の態様において、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)QST713のswrA細胞は、それぞれ寄託番号NRRL B−50421およびNRRL B−50455で寄託されている株AQ30002(akaQST30002)および株AQ30004(akaQST30004)からなる群から選択される。本発明のさらに別の態様において、swrA遺伝子に突然変異を有するバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)QST713は、epsC、sfpおよびdegQについて野生型である。別の態様において、その突然変異を有するバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)QST713は、他のところは、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)QST713と同質遺伝子系である。
ある種の実施形態において、swrA細胞は、組成物中の全細胞の少なくとも約3.5%を含み、swrA細胞の少なくとも70%が胞子である。本発明はさらに、swrA細胞が組成物中の全細胞の少なくとも10%を含み、または組成物中の全細胞の少なくとも50%を含み、または組成物中の全細胞の100%を含むそのような組成物を提供する。本発明はさらに、組成物中のswrA細胞および/または全細胞の少なくとも約80%、少なくとも約85%または少なくとも約90%が胞子であるそのような組成物を提供する。
一部の実施形態において、本発明の組成物および方法における全細胞中のswrA細胞のパーセントは、少なくとも3.5%または少なくとも3.6%または少なくとも3.7%または少なくとも3.8%または少なくとも3.9%または少なくとも4%または少なくとも5%または少なくとも6%または少なくとも7%または少なくとも8%または少なくとも9%または少なくとも10%または少なくとも15%または少なくとも20%または少なくとも25%または少なくとも30%または少なくとも35%または少なくとも40%または少なくとも45%または少なくとも50%または少なくとも55%または少なくとも60%または少なくとも65%または少なくとも70%または少なくとも75%または少なくとも80%または少なくとも85%または少なくとも90%または少なくとも95%または少なくとも98%または少なくとも99%または100%となる。本発明の一部の実施形態において、特定の組成物中に存在するか、特定の方法で使用される細胞の全てが、全てswrA細胞である(すなわち、100%swrA細胞)。
一部の実施形態において、本発明の組成物および方法における全細胞中のswrA細胞のパーセントは、約3.5%から約99.9%となる。別の実施形態において、そのパーセントは約5%から約99%となる。別の実施形態において、そのパーセントは約10%から約99%となる。
一部の実施形態において、本発明の組成物および方法におけるswrA細胞1グラム(「g」)当たりのコロニー形成単位数(「cfu」)は、少なくとも1×10cfu/gまたは少なくとも1×10cfu/gまたは少なくとも1×10cfu/gまたは少なくとも2×10cfu/gまたは少なくとも3×10cfu/gまたは少なくとも4×10cfu/gまたは少なくとも5×10cfu/gまたは少なくとも6×10cfu/gまたは少なくとも7×10cfu/gまたは少なくとも8×1010cfu/gまたは少なくとも8.5×1010cfu/gまたは少なくとも9×1010cfu/gまたは少なくとも9.5×1010cfu/gまたは少なくとも1×1011cfu/gまたは少なくとも2×1011cfu/gまたは少なくとも3×1011cfu/gまたは少なくとも4×1011cfu/gまたは少なくとも5×1011cfu/gまたは少なくとも6×1011cfu/gまたは少なくとも7×1011cfu/gまたは少なくとも8×1011cfu/gまたは少なくとも9×1011cfu/gまたは少なくとも1×1012cfu/gまたは少なくとも1×1013cfu/gまたは少なくとも1×1014cfu/gとなる。
他の実施形態において、本発明の組成物および方法におけるswrA細胞の合計量は、組成物全体におけるswrA細胞の相対的または実際の乾燥重量基準に基づいたものである。一部の実施形態において、本発明の組成物および方法におけるswrA細胞の合計量は、組成物中のswrA細胞のcfu/gに基づいたものである。
一部の実施形態において、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)またはそれの突然変異体を含む組成物で植物を処理することで向上する非生物的ストレス抵抗性は、栄養欠乏である。栄養欠乏の1例は、カリウム、リン酸または鉄などの土壌栄養素の欠乏である。
「非生物的ストレス」という用語は、本明細書において、特定の環境における生命体に対する非生物因子の悪影響としてのそれの通常の意味で用いられることから、植物に関しては、特定の環境での植物に対する非生物因子の悪影響を意味する。非生物因子(可変)は、通常の変動範囲を超えて環境に影響を与えることで、植物群の成績または植物の個々の生理に重大な悪影響を与える。生物的ストレスには真菌もしくは有害昆虫などの生物障害などがあるが、非生物的ストレス因子は、自然のものであったり、人為的なものであることができ、温度、土壌乾燥、浸透圧ストレス、干魃、塩または栄養欠乏などがあり、これらはいずれも影響を受ける区域における植物に害を及ぼし得る(参照:例えば、Bianco Carmen and Defez Roberto (2011). Soil Bacteria Support and Protect Plants Against Abiotic Stresses, Abotic Stress in Plants − Mechanisms and Adaptations, Prof. Arun Shanker (Ed.)の表2、ISBN:978−953−307−394−1, InTech、http://www.intechopen.com/books/abiotic−stress−in−plants−mechanisms−andadaptations/soil−bacteria−support−and−protect−plants−against−abiotic−stressesから入手可能)。この文脈では、一部の実施形態において、非生物的ストレスを引き起こすストレス因子から、重金属毒性は除外される。
本明細書で使用される「栄養欠乏」という用語は、栄養素欠乏条件下で成長した場合に植物の栄養飢餓を生じる栄養欠乏を指す。従って、「栄養欠乏に対する抵抗性上昇」という用語は、本明細書で想到される細菌(またはこの細菌を含む組成物)が植物への栄養素を提供することで、栄養素の欠乏を減らしたり、なくすことによって、非生物的ストレスを軽減または除外する能力を指す(参照:Lunde et al, Climate Change: Global Risks, Challenges and Decisions, IOP Conf. Series: Earth and Environmental Science 6(2009) 372029、doi:10.1088/1755−1307/6/7/372029、IOP出版)。栄養欠乏によって引き起こされるストレスに対する抵抗性上昇は、細菌がカリウム、リン酸または鉄などの土壌栄養素を可溶化してそれらを植物取り込みに利用可能とする能力によって生じるものである。鉄利用能向上の場合、それの利用能向上は、本発明で使用される細菌によるシデロホアの産生があり、次にそれが鉄を錯化することで、それを植物による取り込みに利用できるようにすることで生じると考えられている。植物取り込みについてのそのような利用能は、本明細書において、「生物学的利用能」とも称される。本発明によれば、「生物学的利用能向上」は、1以上の土壌栄養素の取り込みが、同じ条件下で生産されるが、本発明の組成物の施用を受けない植物による同じ栄養素の取り込みより、測定可能かつ知覚可能な量だけ増加または向上することを意味する。取り込みは、植物組織を収穫および分析することで測定することができる。本発明によれば、適切な対照と比較した場合に、生物学的利用能が少なくとも0.5%または少なくとも1%または少なくとも2%または少なくとも4%または少なくとも5%または少なくとも10%上昇することが好ましい。
一部の実施形態において、本発明で使用される菌株および組成物は、植え付け前に施用され、土壌接種物と称することができる。植え付け前施用は、土壌栄養素の生物学的利用能を向上させ、および/または前処理された土壌に植え付けられる植物の収量および/または成長および/または活力を高めるものである。具体的な実施形態において、菌株および組成物を、土壌または鉢植え培地に、植え付けの少なくとも約1日前または植え付けの少なくとも約2日前または植え付けの少なくとも約3日前または植え付けの少なくとも約4日前または植え付けの少なくとも約5日前または植え付けの少なくとも約6日前または植え付けの少なくとも約7日前または植え付けの少なくとも約8日前または植え付けの少なくとも約9日前または植え付けの少なくとも約10日前または植え付けの少なくとも約11日前または植え付けの少なくとも約12日前または植え付けの少なくとも約13日前または植え付けの少なくとも約14日前または植え付けの少なくとも約2.5週前または植え付けの少なくとも約3週間前に施用する。
一部の実施形態において、本発明で使用される菌株および組成物は土壌栄養を高める。本明細書で使用される「土壌栄養」という用語は、土壌が含む利用可能な植物栄養素のレベルに関する土壌の条件を指す。土壌栄養を高めることで、本発明は、これらの植物栄養素の利用能を高めるものである。植物栄養素には、窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、硫黄(S)、マグネシウム(Mg)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、塩素(Cl)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、セレン(Se)およびナトリウム(Na)などがある。
土壌に戻った場合に有機材料は、土壌栄養および有機炭素を提供する。この有機炭素は、土壌および作物植物の健康性を高めるものである。有機材料中に存在する植物栄養素を利用するため、生物分解は、より簡単な化合物へとそれらの材料を小さくする必要がある。1実施形態において、土壌に施用された時に、本発明の菌株および組成物によって生物分解のプロセスが利用される。有機材料のこの生物分解プロセスおよび土壌中での有機炭素の豊富化によっても、土壌に水保持安定性がもたらされる。
1実施形態において、本発明の菌株および組成物は、加水分解酵素による有機材料の生物分解を利用する。加水分解酵素は、プロテイナーゼ、セルラーゼまたはキシラナーゼであることができ、それらはそれぞれタンパク質、セルロースおよびキシランの加水分解を触媒する。一部の実施形態において、セルラーゼはエンドグルカナーゼであり、キシラナーゼはエンドキシラナーゼである。エンドグルカナーゼおよびエンドキシラナーゼは、それぞれセルロースおよびキシラン多糖類内の内部結合を開裂させ、エキソグルカナーゼおよびエキソキシラナーゼは、多糖類の露出した末端付近の結合(例:末端から2から4単位)を開裂させる。
ある種の実施形態において、当該土壌栄養の向上方法はさらに、有機材料に土壌に施用することを含む。有機材料は堆肥、動物排泄物またはいずれか他の有機炭素源の形態であることができる。
一部の他の実施形態において、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)またはそれらの突然変異体を含む組成物で植物を処理することによって高められる非生物的ストレス抵抗性は、塩ストレス抵抗性である。塩ストレスの例は、塩耐性または干魃抵抗性である。
「塩耐性」という用語は本明細書において、塩濃度に対する植物の抵抗性を指すようなそれの通常の意味で用いられる。従って、「植物の塩耐性抵抗性の上昇」は、植物にとって生理的に許容される塩濃度より高い塩濃度に植物が曝露された場合に、植物が塩濃度(土壌または水でのような植物の環境で)に抵抗または耐容する能力が上昇/向上することを意味する。
「干魃耐性」という用語も本明細書において、植物が干魃条件に曝露されたとしても好ましい水分バランスおよび膨張を維持することで、ストレスおよびそれの結果を回避する能力というそれの通常の意味で使用される。従って、植物の「干魃抵抗性上昇」は、植物が水分バランスおよび膨張を維持するのに通常必要な量の水を受けない干魃条件に曝された時より、植物が好ましい水分バランスおよび膨張を維持する能力が上昇/向上することを意味する。
「塩ストレス」という用語は、個々の植物について至適なイオン強度から逸脱したイオン強度への植物の曝露を指す。代表的にはそのイオン強度は、個々の植物に至適なイオン強度より約1.2倍以上高いまたは低いという程度に至適イオン強度から逸脱している。一部の実施形態において、そのイオン強度は、個々の植物に至適なイオン強度より約1.5倍以上高いまたは低いという程度に個々の植物に至適なイオン強度から逸脱している。一部の実施形態において、そのイオン強度は、倍数2、例えば倍数2.5だけ至適イオン強度から逸脱している。一部の実施形態において、そのイオン強度は、個々の植物に至適なイオン強度より約3倍以上高いまたは低い。一部の実施形態において、そのイオン強度は、倍数3.5、例えば倍数4だけ至適イオン強度から逸脱している。一部の実施形態において、そのイオン強度は、個々の植物に至適なイオン強度より約5倍以上高いまたは低い。塩ストレスは、個々の塩の至適濃度から倍数約1.5以上逸脱している、NaCl、KCl、LiCl、MgClおよびCaClのうちの1以上の濃度によって引き起こされ得る。
一部の実施形態において、NaCl、KCl、LiCl、MgCl、および/またはCaClの濃度は、個々の塩についての個々の植物の至適濃度から、倍数約1.5倍逸脱している。一部の実施形態において、NaCl、KCl、LiCl、MgCl、および/またはCaClの濃度は、倍数約2以上、例えば倍数2.5または倍数3だけ、個々の塩についての個々の植物の至適濃度から逸脱している。一部の実施形態において、NaCl、KCl、LiCl、MgCl、および/またはCaClの濃度は、倍数約4倍以上、個々の塩についての個々の植物の至適濃度から逸脱している。
一部の実施形態において、至適イオン強度は、所定の植物が至適な活力、成長、バイオマス産生または下記の他のいずれか好適なパラメータを示す、公知のイオン強度範囲によって定義される。同様に、NaCl、KCl、LiCl、MgClおよびCaClの1以上の至適濃度は、所定の植物が至適な活力、成長、バイオマス産生または下記の他のいずれか好適なパラメータを示す一定の範囲によって定義されることが知られている。塩ストレスは、そのような実施形態において、倍数約1.2倍以上、そのような範囲の上限を超えるか、個々の範囲の下限より低いイオン強度によって定義され得る。至適なイオン強度または塩濃度に関して言及された上記内容は、他の点については、変更すべきところを変更して適用される。塩抵抗性は、一部の実施形態において、対象植物を塩濃度の高い水に曝露することで検証することができる(実施例セクションも参照)。土壌を灌水する水の塩濃度は通常、水中の溶解塩の百万分率(重量基準)として表すことができる。新鮮な水は代表的には、1,000ppm未満の塩を有し;やや塩性の水は代表的には1,000ppmから3,000ppmを有し;中等度に塩性の水は代表的には3,000ppmから10,000ppmを有し;高塩性の水は代表的には10,000ppmから35,000ppmを有し;一方で海水は代表的には35,000ppmの塩を有する。
植物の塩ストレス抵抗性(すなわち、塩耐性または干魃抵抗性)上昇は、当業界で利用可能ないずれか所望の方法によって分析することができる。代表的には
対象植物の特徴を、基準と比較する。そのような基準は、植物がバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)を含む組成物に対する曝露を受けていない以外は、同一または同等の条件下に維持された相当する植物であることができる。一部の実施形態において、さらに別の基準を、塩ストレスの効果を説明するのに用いることができる。そのようなさらなる基準は、植物が塩ストレスを誘発する条件に曝露されていない以外、同一または同等の条件下に維持されている、対象植物に相当する植物であることができる。従って、そのようなさらなる基準として用いられる植物は代表的には、個々の植物種によって良好に耐容されることが知られている塩レベルに植物が曝露される条件に維持される。
塩ストレスは代表的には、浸透圧ストレスとして現れ、植物の細胞における恒常性およびイオン分布の破壊を生じる。そのような塩性または干魃ストレスは機能タンパク質および構造タンパク質の変性を引き起こし得る。結果的に、細胞ストレスシグナル伝達経路および細胞ストレス応答が活性化され得て、それにはストレスタンパク質の産生、抗酸化物質の上昇、適合溶質の蓄積および成長停止などがある。
植物の塩ストレス抵抗性または他の非生物的ストレス抵抗性(栄養欠乏抵抗性など)の指標の1例は、植物の成長速度である。植物の成長速度は、例えば、植物高さ、根の長さまたは一定期間かけての植物の苗条の長さをモニタリングすることで評価することができる。植物の非生物的ストレス抵抗性の指標のさらに別の例は、植物の発達である。この点において、例えば、植物が各種発達段階に到達するのに要する時間を評価することができる。この点については概して、植物の非生物的ストレス抵抗性の指標の1例は、植物活力である。植物活力は、いくつかの側面でも明らかになり、そのうちのいくつかを挙げると、見た目、例えば葉の色、果実の色および外見、枯れた根出葉の量および/または葉身の広さ、植物重量、植物高さ、植物の倒れ(verse)(倒伏)の程度、分げつの数、強さおよび生産力、穂の長さ、根系の広がり、根の強さ、根粒形成の程度、特には根粒菌による根粒形成の程度、発芽、出芽、開花、穀物成熟および/または老化の時点、タンパク質含有量、糖含有量、穀粒1000個重量、発芽パーセント、出芽パーセント、実生成長、実生高さ、根長さまたは根および苗条のバイオマスである(根または苗条(shouts)の大きさおよび重量を用いて、イネ植物の塩ストレス抵抗性を評価した実施例セクションも参照)。本明細書で使用される「バイオマス」という用語は、植物の総重量を指す。バイオマスの定義の範囲内で、植物の1以上の部分のバイオマス間で区別を設けることができ、それには苗条バイオマス、種子バイオマスおよび葉バイオマスなど(これらに限定されるものではない)の地上部分;苗条バイオマス、種子バイオマスおよび葉バイオマスなど(これらに限定されるものではない)の地上収穫可能部分;根バイオマスなど(これに限定されるものではない)の地下部分;根バイオマスまたは苗条バイオマスなどの生長性バイオマス;生殖器官;および種子などの珠芽のうちの1以上などがあり得る。
植物の非生物的ストレス抵抗性の指標の別の例は、作物収量である。「作物」および「果実」は、収穫後にさらに利用される植物産物と理解すべきであり、例えば、適切な意味での果実、野菜、ナッツ、穀物、種子、木材(例えば、林業植物の場合)または花(例えば、園芸植物、観賞植物の場合)。一般的に、作物および果実は、植物が産生する経済的価値のあるものであることができる。植物の非生物的ストレス抵抗性の指標のさらに別の例は、生物的ストレス因子に対する植物の耐性または抵抗性である。一部の実施形態において、実生生存率が、植物の非生物的ストレス抵抗性の指標のさらなる例として役立ち得る。所望の場合、単独であるかいくつかの指標を互いに組み合わせるかを問わず、植物の非生物的ストレス抵抗性のそのようないかなる指標も分析することができる。
これに関して、農業、林業および/または観賞植物などの植物の「収量増加」は、個々の植物の産物の収量が、干魃または栄養欠乏などの非生物的ストレスへの同じ曝露下にあるが本発明の組成物の施用を受けずに産生された植物の同じ産物の収量と比較して、測定可能な量だけ増加することを意味する。一部の実施形態において、非生物的ストレス抵抗性が高まった植物の収量は、同様もしくは同一の非生物的ストレス条件下での未処理の相当する植物と比較した場合に、約0.5%以上増える。一部の実施形態において、非生物的ストレス抵抗性が高まった植物の収量は、非生物的ストレス条件下で少なくとも約1%増える。一部の実施形態において、その収量は、非生物的ストレス条件下で少なくとも約2%、例えば少なくとも約4%増える。一部の実施形態において、その収量は、非生物的ストレス条件下で少なくとも約5%増える。一部の実施形態において、その収量は、非生物的ストレス条件下で好適な対照と比較した場合に、少なくとも約10%増加する。
対象植物の干魃抵抗性(従って、同一条件下で栽培した対照植物と比較したそれの干魃抵抗性上昇)も、好適な期間にわたり植物をバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)の組成物で処理し、次に散水を減らし、どちらの植物が、すなわちバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)もしくはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)の組成物で処理した植物と対照のどちらが最後に衰弱するかを確認することで決定することができる。あるいは、干魃抵抗性は、水ストレス(すなわち、植物の灌水をしない)と十分な水の繰り返しサイクルにより植物のサイクルを行い、どちらの植物が最後に衰弱するかを評価することで決定することができる。
上記で説明したように、本発明の方法において、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)および/またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)を含む組成物は、非常に多様な農作物および/または園芸作物、種子、生産、造園用に成長させるものおよび種子生産用に成長させるものなどに施用することができる。組成物を施用することができる代表的な植物には、アブラナ属、鱗茎菜類、穀物、柑橘類、ワタ、カボチャ属、結果野菜、葉菜類、マメ科植物、油料種子作物、落花生、ナシ状果、根菜類、塊茎野菜、球茎野菜、核果、タバコ、イチゴおよび他のベリー類および各種観賞植物などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明の文脈で使用される組成物は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)および/またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)それぞれを少なくとも実質的に生存した形で維持する形態で使用および/または提供することができる。当該組成物は、植物の表面に、植物の部分の表面に、果実に、植物周辺に、果実の周辺に、植物もしくは果実を含む区域に、または植物部分を含む区域に施用することができる。
当該組成物は、葉面散布として、種子/根/塊茎/根茎/球根/球茎/挿し枝処理として、および/または土壌処理として投与することができる。当該組成物は、植え付け前、植え付け時、または植え付け後に種子/根/塊茎/根茎/球根/球茎/挿し枝に施用することができる。種子処理として使用される場合、本発明の組成物は、種子の大きさに応じて約1×10から約1×1010コロニー形成単位(「cfu」)/種子の施用量で施用される。一部の実施形態において、本発明の組成物は、種子の大きさに応じて約1×10から約1×10cfu/種子の施用量で施用される。一部の実施形態において、本発明の組成物は、種子の大きさに応じて約1×10から約1×10cfu/種子の施用量で施用される。一部の実施形態において、本発明の組成物は、種子の大きさに応じて約1×10から約1×10cfu/種子の施用量で施用される。一部の実施形態において、施用量は、種子の大きさに応じて約1×10から約1×10cfu/種子である。一部の実施形態において、施用量は、種子の大きさに応じて約1×10から約1×10cfu/種子である。一部の実施形態において、施用量は、種子の大きさに応じて約1×10から約1×10cfu/種子である。一部の実施形態において、施用量は、種子の大きさに応じて約1×10から約1×10cfu/種子である。土壌処理として使用される場合、本発明の組成物は、土壌表面灌注、シャンク−イン(shanked−in)、注入および/または畝間施用または灌水用水との混合物によって施用することができる。植え付けで、播種時もしくは播種後、または移植後および植物成長のいずれかの段階で施用することができる灌注土壌処理のための施用量は、約4×10から約8×1014cfu/エーカーまたは約4×10から約8×1013cfu/エーカーまたは約4×1011から約8×1012cfu/エーカーまたは約2×1012から約6×1013cfu/エーカーまたは約2×1012から約3×1013cfu/エーカーである。一部の実施形態において、施用量は、約1×1012から約6×1012cfu/エーカーまたは約1×1013から約6×1013cfu/エーカーである。一部の実施形態において、植え付けで、播種時もしくは播種後、または移植後および植物成長のいずれかの段階で施用することができる灌注土壌処理における施用量は、代表的には約4×1011から約8×1012cfu/エーカーである。他の実施形態において、施用量は約1×1012から約6×1012cfu/エーカーである。さらに他の実施形態において、施用量は約6×1012から約8×1012cfu/エーカーである。他の実施形態において、施用量は少なくとも約1×10cfu/エーカー、少なくとも約1×10cfu/エーカー、少なくとも約1×1010cfu/エーカー、少なくとも約1×1011cfu/エーカー、少なくとも約1×1012cfu/エーカーまたは少なくとも約1×1013cfu/エーカーである。植え付けで施用される畝間処理における施用量は、約2.5×1010から約5×1011cfu/1000条フィートである。一部の実施形態において、施用量は約6×1010から約4×1011cfu/1000条フィートである。他の実施形態において、施用量は約3.5×1011cfu/1000条フィートから約5×1011cfu/1000条フィートである。さらに他の実施形態において、植え付けで施用される畝間処理における施用量は、少なくとも約1×10cfu/1000条フィート、少なくとも約1×1010cfu/1000条フィート、少なくとも約1×1011cfu/1000条フィートまたは少なくとも約1×1012cfu/1000条フィートである。
当該組成物は、屋外施用と屋内施用の両方での、例えば温室、動物の納屋もしくは小屋、ヒト住居および他の建造物などの閉鎖環境での燻蒸剤としての施用用に調製することもできる。当業者であれば、例えば煙霧濃厚液および発煙剤としてそのような燻蒸剤を調製する各種方法は明らかであろう。煙霧濃厚液は通常、煙霧機によって、閉鎖環境および/または開放環境全体に分布し得る霧状ミストを作る施用のための液体製剤である。そのような煙霧濃厚液は、煙霧機による施用を可能とする公知の技術を用いて製造することができる。発煙剤は、燃えて燻蒸剤煙を生じる粉末製剤である。そのような発煙剤は、公知の技術を用いて製造することもできる。
本発明による方法では、組成物は多くの異なる方法で施用することができる。小規模施用の場合、背負い式タンク、手持ち式の棒、噴霧ボトルまたはエアロゾル缶を利用することができる。やや大規模な施用の場合、トラクター牽引式ブーム付き装備、トラクター牽引式ミスト送風機、噴霧もしくは煙霧噴霧器を取り付けた飛行機またはヘリコプターを全て用いることができる。固体製剤の小規模施用は、多くの異なる方法で行うことができ、その例としては、容器から直接の製品の振盪または人力肥料散布機による重力施用などがある。固体製剤の大規模施用は、重力送りトラクター牽引式施用器または類似の装置によって行うことができる。
一部の実施形態において、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)および/またはバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)を含む組成物は、植物をある場所から別の場所に移植、例えば温室もしくは温床から圃場に移植する前、移植時および/または移植直後に施用することができる。別の例では、組成物は、実生が土壌または他の成長培地(例:バーミキュライト)から出芽した直後に施用することができる。さらに別の例では、組成物は、水耕法で成長する植物にいずれの時点でも施用することができる。従って、本発明の方法によれば、組成物は、植物のライフサイクル中のいずれか所望の時点で施用することができる。一部の他の実施形態において、本発明の組成物は、いずれか所望の発達段階中、約1時間、約5時間、約10時間、約24時間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約1週間、約10日間、約2週間、約3週間、約1ヶ月またはそれ以上の期間で2回、植物および/または植物部分に施用する。一部の実施形態において、本発明の組成物は、2回より多く、例えば、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回またはそれ以上、いずれか所望の発達段階中、約1時間、約5時間、約10時間、約24時間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約1週間、約10日間、約2週間、約3週間、約1ヶ月またはそれ以上の期間で植物および/または植物部分に施用される。各施用間の間隔は、所望の場合は変えることができる。
本発明はさらに、swrA細胞に加えて少なくとも一つの他の有効成分または作用剤をさらに含む本発明の組成物を提供する。そのような他の有効成分または作用剤は、化学薬剤または別の細菌株であることができる。好適な有効成分または作用剤の例には、除草剤、殺菌剤、殺細菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、植物成長調節剤、植物成長刺激剤、肥料およびこれらの組み合わせなどがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明はさらに、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)などの胞子形成細菌または多糖類(デンプン、マルトデキストリン、メチルセルロース、タンパク質、例えば乳漿タンパク質、ペプチド、ガム)、糖類(乳糖、トレハロース、ショ糖)、脂質(レシチン、植物油、鉱油)、塩類(塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム)およびケイ酸塩類(クレー類、非晶質シリカ、ヒュームド/沈降シリカ、ケイ酸塩)などの製剤不活性成分その他の製剤成分をさらに含む本発明の組成物を提供する。組成物を土壌に施用するものなどの一部の実施形態において、本発明の組成物は、組成物の土壌への取り込みを促進する水または無機材料または有機材料(例えばピート)などの担体を含む。組成物を種子処理にまたは根浸漬として用いるものなどの一部の実施形態において、担体は、組成物の種子または根への付着を促進する結合剤または粘着剤である。組成物を種子処理として用いる別の実施形態では、製剤成分は着色剤である。他の組成物において、製剤成分は保存剤である。
本発明の組成物は、効力、安定性および有用性を改善し、および/または加工、包装および最終使用を容易にするために細胞、無細胞製剤または代謝物を含む組成物に加えられる製剤不活性物を含むことができる。そのような製剤不活性物および成分は、個々のまたは組み合わせて加えることができる担体、安定化剤、栄養素または物性改良剤を含むことができる。一部の実施形態において、担体には、水、オイルおよび他の有機もしくは無機溶媒などの液体材料および無機物、ポリマーまたは生物由来または化学合成によるポリマー複合体などの固体材料などがあり得る。一部の実施形態において、担体は、組成物の植物部分、例えば種子または根への付着を促進する結合剤または接着剤である。例えば、Taylor, A.G., et al., ″Concepts and Technologies of Selected Seed Treatments″ Annu. Rev. Phytopathol. 28: 321−339(1990)を参照する。安定化剤には、凝固阻止剤、抗酸化剤、乾燥剤、保護剤または保存剤などがあり得る。栄養素には、糖類、多糖類、オイル、タンパク質、アミノ酸、脂肪酸およびリン酸塩などの炭素、窒素およびリン源などがあり得る。物理特性改良剤には、増量剤、湿展剤、増粘剤、pH改良剤、レオロジー改良剤、分散剤、補助剤、界面活性剤、凍結防止剤または着色剤などがあり得る。一部の実施形態において、細胞、無細胞製剤または醗酵によって産生される代謝物を含む組成物は、他の製剤なしに希釈剤として水を用いて、または水を用いずに直接用いることができる。一部の実施形態において、製剤不活性物は、醗酵肉汁濃縮後および乾燥時および/または乾燥後に加える。
本明細書における既報文書の列記または議論は、当該文書が最新技術の一部であり、共通の一般知識であることを確認するものと必ずしも理解すべきではない。
本明細書で例示的に記載された本発明は、本明細書で具体的に開示されていない要素もしくは複数要素、限定もしくは複数限定なしに好適に実施することができる。従って、例えば、「有する」、「包含する」、「含む」などの用語は、広く、限定なしに読むべきである。「一つ」、「1個」または「その」などの単数形は、文脈が他の形態を明瞭に示していない限り、複数形を含むものである。別段の断りがない限り、一連の要素に先行する「少なくとも」という用語は、その一連のものにおけるあらゆる要素を指すものと理解すべきである。「少なくとも一つ」および「少なくとも一つの」という用語は、例えば、1個、2個、3個、4個または5個またはそれ以上の要素を含むものである。上記範囲より若干上または下に変えることで、その範囲内の値と実質的に同じ結果が得られる可能性がある。やはり、別段の断りがない限り、範囲の開示は、最小値と最大値の間にあるあらゆる値を含む連続範囲を意図したものである。
さらに、本明細書で用いられる用語および表現は、説明の条件として用いてきたものであって、限定的ではなく、示した特徴および記載の特徴またはそれらの部分に相当するものを除外することのそのような用語および表現の使用におけるものを意図したものではないが、特許請求されている本発明の範囲内で各種改変が可能であることは明らかである。従って、理解すべき点として、例示的な実施形態および適宜の特徴によって、本発明を具体的に開示してきたが、本明細書に開示の具体化された本発明の変更および改変を当業者が行うことが可能であり、そのような変更および改変は本発明の範囲に包含されると考えられる。
本明細書においては、本発明を広範かつ概括的に説明してきた。概括的開示の範囲に包含される比較的狭い種および下位概念分類のそれぞれも、本発明の一部を形成している。これは、切り取られたものが本明細書で具体的に記載されているか否かを問わず、その属からのいずれかの対象を除く条件または消極的限定を設けた本発明の一般的説明を含むものである。
他の実施形態は添付の特許請求の範囲内である。さらに、本発明の特徴または態様がマーカッシュ群で記載されている場合、本発明がそれにより、マーカッシュ群の個々の構成員または構成員の下位群でも記載されることは、当業者には明らかであろう。
本発明を容易に理解し、実際に実行するために、純粋に例示を目的として提供される下記の非限定的実施例によって、以下に特定の実施形態を説明する。
実施例1:バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)による塩ストレス抵抗性上昇
塩で灌水した場合に、SERENADE(登録商標)で灌注したイネ実生で植物成長促進が認められるか否かを分析するために、第1の試験を実施した。
手順:
イネ種子、品種RM401 3粒を、Profile Greens Gradeを入れた2.5インチポットに蒔いた。各種子に、(本明細書で使用される醗酵産物/組成物の例として)64オンス/エーカーの市販のSERENADE(登録商標)2mL(総体積100mLから11.2%)または水を与えた。ポットを灌注処理群によって穴のない薄い木箱に入れ、温室で成長させた。その植物について、実験期間にわたり100ppmNでの20−20−20肥料による灌水を行い、灌水レベルはポット高さの約1/2に維持した。播種から14日後、各灌注処理群のポット10個(HOまたはSERENADE(登録商標)64オンス/エーカー)に、灌水により60mM塩の塩濃縮液を与えた。木箱中の水は週に2回交換し、塩処理開始から14日後に植物の評定を行った。植物を収穫し、乾燥させた。根および苗条の重量を得た。
結果:
SERENADE SOIL(登録商標)で処理し、60mMの塩で14日間灌水したイネ植物は、塩ストレス下に水で処理した植物より高いように見えた(図1)。SERENADE SOIL(登録商標)処理し、および60mMの塩で14日間灌水したイネ植物の根は、塩ストレス下に水で処理した植物より長いように見えた(図2)。上記と同じように実施した別個の実験では、SERENADE ASO(登録商標)で処理し、60mMの塩で14日間灌水した植物の根および苗条重量は、水で処理した植物の重量より有意に高かった(図5参照)。従って、この結果は、バチルス・サブチリス(B. subtilis)QST713の組成物/醗酵産物が植物の塩ストレス抵抗性(塩ストレス耐性)を高めることを示している。
実施例2:バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)による塩ストレス抵抗性の上昇
塩で灌水した場合に、SONATA(登録商標)で灌注したイネ実生で植物成長促進が認められるか否かを分析するために、第2の試験を実施した。この試験では、SONATA(登録商標)による処理の効力も、SERENADE(登録商標)による植物の処理と比較した。
手順:
イネ種子、品種RM401 3粒を、Profile Greens Gradeを入れた2.5インチポットに蒔いた。各種子に、(本明細書で使用される醗酵産物/組成物の例として)64オンス/エーカーの市販のSONATA(登録商標)またはSERENADE(登録商標)2mL(cfu/植物によって正規化した総体積100mLから11.2%)または水を与えた。ポットを灌注処理群によって穴のない薄い木箱に入れ、温室で成長させた。その植物について、実験期間にわたり100ppmNでの20−20−20肥料による灌水を行い、灌水レベルはポット高さの約1/2に維持した。播種から14日後、各灌注処理群のポット10個(HOまたはSERENADE(登録商標)64オンス/エーカー)に、灌水により60mM塩の塩濃縮液を与えた。木箱中の水は週に2回交換し、塩処理開始から14日後に植物の評定を行った。植物を収穫し、乾燥させた。根および苗条の重量を得た。
結果:
SONATA(登録商標)で処理し、60mMの塩で14日間灌水したイネ植物は、塩ストレス下に水で処理した植物より高いように見えた(図3)。それぞれSONATA(登録商標)およびSERENADE SOIL(登録商標)で処理し、60mMの塩で14日間灌水したイネ植物の根が、塩ストレス下に水で処理した植物により長いように見えた(図4)。図5には、SERENADE ASO(登録商標)で処理した植物および水で処理した植物のmg単位での根および苗条の乾燥重を示している。苗条乾燥重および根乾燥重のいずれも、水処理植物よりSERENADE ASO(登録商標)処理植物において有意に高い。従って、この結果は、バチルス・プミリス(B. pumilis)QST2808の組成物/醗酵産物が植物の塩ストレス抵抗性(塩ストレス耐性)を高めることを示している。
実施例3:干魃ストレス抵抗性の上昇
塩耐性は通常、干魃耐性に似ることが認められていることから、塩耐性を示す植物も干魃耐性でもあるという結論を得ることができる。従って、上記の実験は、バチルス・サブチリス(B. subtilis)QST713およびバチルス・プミリス(B. pumilis)QST2808も植物の干魃抵抗性を高めることも示している。
干魃抵抗性は下記のように決定することもできる。
イネ種子、品種RM401などの植物を、Profile Greens Gradeを入れた2.5インチポットに蒔く。各種子に、64オンス/エーカーの市販のSONATA(登録商標)またはSERENADE(登録商標)2mL(総体積100mLから11.2%)または水を与える。ポットを灌注処理群によって穴のない薄い木箱に入れ、温室で成長させる。その植物について、実験期間にわたり100ppmNでの20−20−20肥料による灌水を行い、灌水レベルはポット高さの約1/2に維持する。播種から14日後、各灌注処理群のポット10個(HOまたはSERENADE(登録商標)64オンス/エーカー)灌水を停止または低減し、どの植物が最後に衰弱するかを決定する。上記の結果に基づいて、SONATA(登録商標)またはSERENADE(登録商標)で処理した植物が、水のみを与えられた植物の後に衰弱することが予想される。
干魃耐性を確認するのに用いることができる別の代表的なプロトコールは、水ストレス(すなわち、植物を灌水しない)および十分な水の繰り返しサイクルにより植物をサイクルさせて、どの植物が最後に衰弱するかを評価するものである。例えば、SONATA(登録商標)およびSERENADE(登録商標)処理植物が苦痛の徴候を示すまで水を停止し、その時点で植物を再度灌水する。どの植物が最後に衰弱するか、または実験終了後により健康に見えるかに関して評価を行う。上記の結果に基づいて、SONATA(登録商標)またはSERENADE(登録商標)で処理した植物は、水のみを与えられた植物より後に衰弱するか、または水のみで処理した植物と比較して実験終了後により健康に見えることも予想される。
実施例4:バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)によるリン酸可溶化の栄養素可溶化特性を求めるためのアッセイ
細菌株(AQ30002およびAQ713)の新鮮な培養物を、NBRIY培地(グルコース10g/L、Ca(PO 5g/L(NHSO 0.1g/L、NaCl 0.2g/L、MgSO・7HO 0.25g/L、KCl 0.2g/L、MgCl・6HO 5g/L、FeSO・7HO 0.002g/Lの入った振盪器フラスコ中で増殖させた。フラスコを、14日間にわたり200rpmで振盪しながら30℃でインキュベートした。対照としてブランク培地を用い、660nmで分光光度計を用いる比色分析によって7日後および14日後に、培養肉汁の上清中の可溶性カリウムの濃度を測定した。図6からわかるように、両方の菌株が、ブランク培地と比較して、NBRIY培地で有意に高い可溶性リン酸レベルを与える(図6A:AQ713によるリン酸可溶化、図6B:AQ30002によるリン酸可溶化)。
実施例5:バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)Aの栄養素可溶化特性を求めるためのアッセイ−鉄利用能向上のためのシデロホア産生
細菌株(AQ30002およびAQ713)の新鮮な培養物を、ペレズ−ミランダら(Perez−Miranda et al. O−CAS, a fast and universal method for siderophore detection. J. Microbiol. Methods 70:127−131, 2007)による重層CAS寒天法を用いるクロムアズロールS(CAS)寒天プレートでインキュベートした。プレートを7日間にわたり30℃でインキュベートした。青色から橙赤色への色変化についてプレートを肉眼で調べたところ、シデロホア産生が示された。AQ30002およびAQ713コロニーによって色変化が生じ、それは、両方の菌株が鉄利用能向上を提供するのに十分なシデロホア産生を提供する土壌接種物としての用途を有することを示している。
実施例6:土壌栄養レベルを高めるためのエンドグルカナーゼ、エンドキシラナーゼおよびプロテイナーゼ活性を求めるアッセイ
1%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、1%キシランおよび1%AZO−カゼインをそれぞれ補充した栄養寒天を用いて、エンドグルカナーゼ、エンドキシラナーゼおよびタンパク質分解活性を測定した。AQ30002およびAQ713細菌株を最初に、30℃で終夜インキュベートしたHardy Diagnosticsからの栄養寒天プレートで増殖させた。次に、一つのコロニーを、基質(CMC−Na、キシラン、AZO−カゼイン)を補充したプレートの中央に移した。次に、プレートを30℃で2から7日間インキュベートした。インキュベーション期間終了後に透明ゾーン(clearing zone)が肉眼で認められた場合、酵素活性を陽性と記録した。
基質を補充したプレートでのAQ30002およびAQ713コロニーのインキュベーションによって、各基質で透明ゾーン(clearing zone)が生じた。エンドグルカナーゼおよびエンドキシラナーゼはそれぞれ、いずれも植物細胞壁に存在する多糖類であるセルロースおよびキシランを加水分解する。これらの加水分解活性とプロテイナーゼ活性とにより、AQ713およびAQ30002は、土壌中に存在する有機材料の、植物の成長によって利用可能な栄養素への変換を促進することができる。
植物の根も、根表面上に多くの有機材料を滲出する(extrude)。いずれかの理論に拘束されるものではないが、AQ713およびAQ30002のような根生着菌は、滲出物(extrudate)をエネルギー源として用いて、根に沿って増殖し、同時に、酵素活動により有機材料から無機物を放出して植物が取り込めるようにすることができる。

Claims (24)

  1. バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)またはバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)を含む組成物を、植物、植物の一部および/または植物もしくは植物部分の周囲の区域に施用することを含む、植物の非生物的ストレス抵抗性を高める方法。
  2. 前記非生物的ストレス抵抗性が塩ストレス抵抗性または栄養欠乏に対する抵抗性である請求項1に記載の方法。
  3. 前記塩ストレス抵抗性が、塩耐性または干魃抵抗性のうちの一つである請求項2に記載の方法。
  4. 植物または植物部分周囲の区域における土壌での植物の栄養素可溶化またはシデロホア産生刺激によって、栄養欠乏に対する抵抗性を高める、請求項2に記載の方法。
  5. 前記栄養素可溶化によって、栄養素の生物学的利用能が少なくとも約5%向上する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記栄養素可溶化が、カリウム可溶化、リン酸可溶化またはシデロホア結合によって生じる鉄可溶化およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  7. カリウム、リン酸および鉄からなる群から選択される1以上の土壌栄養素の濃度が土壌において低いことを確認してから前記施用を行う請求項6に記載の方法。
  8. 前記バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)がバチルス・プミルス(Bacillus pumilus)QST2808であり、またはサブチリス(subtilis)が、バチルス・サブチリス(B. subtilis)QST713、バチルス・サブチリス(B. subtilis)QST30002、バチルス・サブチリス(B. subtilis)QST30004、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)QST2808の突然変異体、バチルス・サブチリス(B. subtilis)QST713、バチルス・サブチリス(B. subtilis)QST30002の突然変異体、バチルス・サブチリス(B. subtilis)QST30004の突然変異体およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記組成物がswrA遺伝子に突然変異を有するバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)QST713細胞を含み、前記突然変異を有する前記細胞が前記組成物中の合計細菌細胞の少なくとも3.5%を含む請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記突然変異を有する前記細胞が、開始コドンに少なくとも一つの核酸塩基対変化および/または前記swrA遺伝子に少なくとも一つの核酸塩基対挿入もしくは欠失を含む請求項9に記載の方法。
  11. 前記swrA遺伝子における前記挿入または欠失が配列番号1の位置26から34における1以上の塩基対で生じる請求項10に記載の方法。
  12. 前記突然変異を有する前記細胞が、それぞれ寄託番号NRRLB−50421およびNRRLB−50455として寄託された株QST30002および株QST30004からなる群から選択される請求項9に記載の方法。
  13. 前記組成物がさらに、少なくとも一つの担体を含む前記請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
  14. 少なくとも一つの他の有効成分を前記組成物に加えることをさらに含む前記請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記有効成分が化学物質または細菌の別の株である請求項14に記載の方法。
  16. 前記有効成分が、植物成長調節剤、植物成長刺激剤、肥料およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項14に記載の方法。
  17. 前記植物部分が、種子、果実、根、球茎、塊茎、球根および根茎からなる群から選択される前記請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記方法が、前記組成物を土壌に施用することを含む前記請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記組成物を、植物または植物部分を土壌と接触させる前、接触させる時、または接触させた後に施用する請求項18に記載の方法。
  20. 植え付けの少なくとも約5日前に前記組成物を施用する請求項19に記載の方法。
  21. 前記組成物が、液体、水和剤、粒剤、フロアブル剤およびマイクロカプセルからなる群から選択されるものである前記請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記植物が、樹木、草本、低木、イネ科草本、つる植物、シダ類、コケ類、緑藻類、単子葉植物および双子葉植物からなる群から選択される前記請求項のうちのいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記組成物を少なくとも約1×10cfu/種子の施用量で種子に施用する請求項17に記載の方法。
  24. 前記組成物を約4×10から約8×1014cfu/エーカーの施用量で施用する請求項18に記載の方法。
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