JP2005289945A - シュードモナス・フロレッセンスによる菌核病防除剤およびその防除方法 - Google Patents

シュードモナス・フロレッセンスによる菌核病防除剤およびその防除方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、化学薬剤耐性菌の出現頻度の高い地上部病害防除分野であり且つ比較的低温でも蔓延する菌核病を防除対象に、比較的低温でも活躍できて且つ環境負荷の少ない微生物農薬を提供し、IPM(総合防除)に貢献できうる防除手段を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、天然土壌分離のシュードモナス・フロレッセンス細菌の菌体又は培養物を含むことを特徴とする防除剤を、植物の地上部に処理することにより、比較的低温でも菌核病を簡易に防除することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は植物の地上部に処理することにより、菌核病菌に起因する植物の地上部病害を簡易且つ効率的に防除する防除剤および防除方法に関するものである。防除対象植物は作物(野菜、果菜、果樹、豆類、イモ類)にとどまらず、食用及び鑑賞用の花卉、街路樹や生垣に利用されるかん木等のアメニティ植物を含む。
植物病害の主たる防除方法として、従来から数多くの化学薬剤が使用されて来ている。しかしながら、類似骨格を有する同作用系の化学薬剤の同種病害防除への頻繁な使用や過剰投与、撲滅効果の無い化学薬剤の中途半端な使用、多作用点を有する化学薬剤の欠如等、により化学薬剤に対する植物病原菌の耐性化問題が、話題にのぼらないことは過去20年にはなかった。菌核病菌においても、化学薬剤に耐性を持つ菌が出現してきている。
一方では昨今、化学薬剤の環境ホルモン的作用がにわかに疑問視され出し、消費者からの減又は無化学農薬作物へのニーズが高まり、有機農産物認証制度もその運用が正確化しかつ基準自体も厳格化してきている。このような状況下、以前から存在し続けたIPM(総合的病虫害防除)、すなわち化学薬剤による防除以外にも、物理化学的防除(太陽熱土壌消毒、紫外線カットフィルム、熱水土壌消毒、養液栽培での病原菌ろ過等)や、耕種的防除(輪作や病原菌クリーニングクロップや病害抵抗性品種の栽培、混植栽培等)や生物的防除(生物源天然物、天敵、拮抗微生物)等の組み合わせによる総合的病虫害管理への期待が再度高まりを見せている。なかでも生物的防除に対する期待度は大きくなってきている。
近年、農園芸植物を各種病害から保護する方法として、安全性、効果の持続性を考慮して、各種病害を引き起こす病原菌と拮抗する微生物を用いる病害防除方法が用いられてきている。
農園芸植物の病害を防除するのに用いられてきた微生物として、トリコデルマ属、グリオクラディウム属、アンペロマイセス属、コニンシリュウム属、フザリウム属、ピシウム属、タラロマイセス属、カンディダ属等のカビ、ストレプトマイセス属の放線菌、バチルス属、シュウドモナス属、アグロバクテリウム属、エルビニア属に属する細菌等が挙げられ、これまでに、これらの微生物を含有する農園芸用殺菌剤組成物も数多く研究はされて来てはいる。
しかしながら、その多くは化学農薬でも難防除の土壌病害対象であり、その処理方法は土壌混和、土壌かん注、土壌散布等の土壌処理や、種子粉衣、種子浸漬、種子コーティング等の種子処理、移植前の植物根のディッピング処理(バクテリゼーション)が多く、いわゆる作物地下部への処理が殆どであった。
このうち国内でシュードモナス属に属する細菌については、例えば、特開昭60−186230号公報では、シュードモナス・ソラナセアルム種(M4S菌株)によるナス科植物青枯れ病防除例、特開昭63−190806号公報では、シュードモナス・フロレッセンス種(SCBNoの3菌株)によるウリ科野菜の苗立枯病防除例、特開昭63−246306号公報では、シュードモナス・グルメ種菌株によるナス科野菜の土壌病害防除例、特開平1−42410号公報では、シュードモナス・グラディオリ種(M−2196菌株)による土壌病害防除例、特開平1−193203号公報では、シュードモナス・フロレッセンス種(MD−4f菌株)によるバレイショそうか病防除例、特開平2−59504号公報では、シュードモナス・グルメ種菌株によるフザリウム病の防除例、特開平3−220108号公報では、シュードモナス・バンディー種(VA−1316菌株)によるフザリウム病の防除例、特開平7−25716号公報では、シュードモナス・セパシア種(AGF−158菌株)によるイネ苗床病害の防除例、特開平9−37771号公報では、シュードモナス・オーレオファシエンス種(TB−57菌株)による黒根病防除例、特開平9−37772号公報では、シュードモナス・フロレッセンス種(H−3982菌株)による黒根病防除例、特開平9−124427号公報では、シュードモナス属・エスピー(CAB02菌株)によるイネ苗立枯れ性病害、特開平9−124427号公報では、シュードモナス属エスピー(CAB02菌株)によるイネ苗立枯れ性病害、特開平9−255513号公報では、シュードモナス属エスピー(CGF−72菌株)によるフザリウム病、バーティシリウム病防除例等が報告されている。
地上部処理による地上部病害防除例は特開平2−149507号公報では、シュードモナス・フロレッセンス種とシーウドモナス・プチダ種の菌株による小麦の茎葉汚染病害(葉枯れ病、さび病)の防除例、特開平10−7515号公報では、キチン分解能力のあるシュードモナス属新種の細菌P68株によるセントポーリアうどんこ病防除例が報告されているが、土壌病害防除微生物資材に比べると圧倒的に少ない。
さらに、植物地上部に散布処理する簡便な方法により、低温時でも菌核病を防除可能な細菌による微生物殺菌剤は無いのが実情である。また化学薬剤のベンズイミダゾール系殺菌剤等に対して、薬剤耐性(MBC耐性菌)の菌核病菌が出現し、効果不足が起きている。
特開昭60−186230号公報 特開昭63−190806号公報 特開昭63−246306号公報 特開平1−42410号公報 特開平1−193203号公報 特開平2−59504号公報 特開平3−220108号公報 特開平7−25716号公報 特開平9−37771号公報 特開平9−37772号公報 特開平9−124427号公報 特開平2−149507号公報 特開平10−7515号公報
本発明者らはこのような状況を鑑み、化学薬剤耐性菌の出現頻度の高い地上部病害防除分野であり且つ比較的低温でも蔓延する菌核病を防除対象に、比較的低温でも活躍できて且つ環境負荷の少ない微生物農薬を提供し、IPM(総合防除)に貢献できる資材を提供することを課題とした。
本発明者らは、低温時でも防除活性があり且つ化学薬剤耐性菌にも効果が期待できる、未利用の微生物素材を提供すべく、天然土壌中から微生物を分離しながらアッセイを行い、鋭意検討を重ねた。その結果、シュードモナス・フロレッセンスに属する細菌の菌体又は培養物を含む防除剤を、植物地上部に処理することにより、菌核病を比較的簡便に防除することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下に示す菌核病防除剤及びその防除方法である。
(1)シュードモナス・フロレッセンス種に属する細菌の菌株、MCIB−9(FERM P−19144)、MCIB−10(FERM P−19145)、MCIB−11(FERM P−19146)の菌体又は培養物を含むことを特徴とする菌核病防除剤。(2)シュードモナス・フロレッセンス細菌の菌体が1×10の7乗個/g濃度以上、好ましくは1×10の8乗個/g〜1×10の11乗個/g含まれる請求項1記載の菌核病防除剤。(3)(1)〜(2)のいずれか一項に記載の菌核病防除剤を植物地上部に処理する、菌核病の防除方法である。
本発明の、シュードモナス・フロレッセンス細菌の菌体又は培養物を含む防除剤は、植物の地上部(花部や地際部を含む茎葉部)に処理することにより、化学薬剤耐性菌の出現する菌核病菌を、比較的簡便に防除することができ、化学薬剤耐性菌をも防除することが可能である。また自然土壌から分離した微生物であることから環境にもやさしい薬剤であり、IPM(総合防除)資材として貢献しうる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<1>本発明に用いる微生物
先ず本発明に用いた微生物であるシュードモナス・フロレッセンス(Pseudomonas fluorescens)菌株は、MCIB−9菌株、MCIB−10菌株,MCIB−11菌株であり、全て自然土壌から分離したものである。これらの菌株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番1 中央第6)に、各々、FERM P−19144、FERM P−19145、FERM P−19146の受託番号で平成14年12月9日から寄託されている。これら菌株の同定時の分類学的諸性質を第1表、第2表に示す。
Figure 2005289945
Figure 2005289945
<2>本発明に使用する微生物の培養方法
本発明の細菌の培養は、例えば、往復式振盪培養、ロータリー培養、ジャーファメンター培養、培養タンク培養等の液体培養やシュードモナスに属する細菌の通常の培養方法に準じて行うことができる。
培養に用いる培地は、生育しやすい培地であれば何でもよく、例えば炭素源としてグルコース、デンプン、デキストリン、シュークロース、糖蜜等の糖類、窒素源としては酵母エキス、コーン・スティープ・リーカー、肉エキス、小麦胚芽、ペプトン類、バレイショエキス、大豆粉等の有機窒素源が好ましいが、塩安,硝安、硫安等の無機塩も利用できる。また、無機塩としてリン酸、カリウム、カルシウム、マンガン、マグネシウム、鉄等の塩類、例えば、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マンガン、硫酸第一鉄などを配合することができる。また、必要に応じて消泡剤、バッファー等の種々の添加剤を用いることも可能である。
培養の条件は特に限定されるものではないが、培養は液体培養では通気撹拌や振盪培養等の好気的条件下で行うことが好ましく、温度は15〜30℃、好ましくは25〜30℃、pHは6〜9、より好ましくは6〜8の範囲で行う。
<3>本発明の菌核病防除剤
本発明のシュードモナス・フロレッセンス細菌株の「菌体又は培養物」の「培養物」とは、上記で説明したような培養で得られた菌体を含む全てのものを意味する。すなわち「菌体又は培養物」を含む防除剤は、(菌体含有培養物)をそのまま使用することができるし、培養物から菌体を除いた培養液を使用することもできるし、菌体のみでも使用できる。この培養物(又は培養液)は、適宜希釈または濃縮して使用することができる。菌体を液体培地で培養して得た培養物は、水懸濁液の状態で植物の葉や茎に散布することができるため、植物の葉や茎や花等の地上部処理に好ましい。
植物の地上部に散布する際には、長期的に防除効果を得るためには、菌体を多数含む処理剤を散布するのが好ましい。好ましい処理時の菌体濃度は1×10の5乗個/g濃度以上で、更に好ましくは1×10の6乗個/g〜1×10の9乗個/g濃度にして散布するのが好ましい。水和剤の例で示すと1×10の8乗個/g〜1×10の11乗個/gの防除剤を水で100倍以上に適宜希釈し、上記濃度で散布するのが好ましい。
本発明の菌核病防除剤は、通常の化学農薬製剤や微生物製剤で一般的(他社権利範囲外)に利用されて来た製造方法に従って、シュードモナス・フロレッセンス細菌の「菌体又は培養物」を、必要に応じて各種任意成分と共に、粉剤、水和剤、顆粒水和剤、乳剤、液剤、フロアブル、塗布剤等として使用できる。
上記任意成分としては、固体担体として、ベントナイト、モンモリロナイト、珪藻土、酸性白土、タルク類、パーライト、バーミキュライト等の鉱物質微粉末、硫酸塩、尿素、塩化塩、硝酸塩等の無機塩、フスマ、キチン、多糖類、米糠、小麦粉等の有機物微粉末等を、また、補助剤として、カゼイン、ゼラチン、アラビアガム、アルギン酸、糖類、合成高分子(ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸類等)、ベントナイト等の固着剤や分散剤、その他の成分として、プロピレングリコール、エチレングリコール等の凍結防止剤、キサンタンガム等の天然多糖類、ポリアクリル酸類等の増粘剤、また展着剤、乳化剤、着色剤等を添加することができる。
この様にして得られる本発明の菌核病防除剤の地上部防除対象植物は、作物(野菜、果菜、果樹、豆類、イモ類)にとどまらず、食用及び鑑賞用の花卉、街路樹や生垣に利用されるかん木等のアメニティ植物を含む。防除対象病原菌は菌核病菌類(Sclerotinia属)であり、「種」は主にS.sclerotiorumであるが、S.alli、S.borealis、S.bulborum、S.gladioli、S.homoeocarpa、S.intermedia、S.minor、S.miyabeanaをも含む。以下に本発明が対象とする、具体的植物例と病害例を示す。
<野菜類・果菜類>
例えば、トマト、ナス、ピーマン、トウガラシ等のナス科作物、キュウリ、メロン、スイカ等のウリ科作物、ハクサイ、キャベツ、カブ等のアブラナ科作物、タマネギ、レタス、フキ、イチゴ、セルリー、ミツバ、ウド等の菌核病、タマネギ、ネギの小菌核病、トマト、レタスの小粒菌核病
<果樹>
例えば、カンキツ類、ブドウ、ナシ、モモ、ウメ、イチジク等の菌核病、
<イモ類、豆類、特用作物、ムギ類、シバ類、牧草類>
例えば、ジャガイモ、サツマイモ、ダイズ、アズキ、インゲン、エンドウ、ササゲ、ソラマメ、タバコ、テンサイ、クワ、ナタネ等の菌核病、オオムギ、コムギの雪腐大粒菌核病、ナタネ雪腐菌核病、西洋シバのダラースポット病、サツマイモの小粒菌核病、ラッカセイの大菌核病
<花卉類・かん木・街路樹・アメニティ植物等>
例えば、カーネーション、キク、トルコギキョウ、スイートピー、キンギョソウ、シャクヤク、チューリップ、ダリア、カスミソウ、ガーベラ、キンセンカ、ストック、デージー、ヒマワリ、ペチュニア、ルピナス、ヤグルマソウ、カンパニュラ、アネモネ、ツツジ、レンギョウ、ジンチョウゲ等の菌核病、グラジオラスの硬化病、クロッカス、スイセンの菌核病等が挙げられる。
<4>本発明の菌核病防除方法
本発明の病害防除法においては、上記の様な各種栽培植物の菌核病を防除する目的で、上記本発明の病害防除剤を栽培植物の地上部(花部、地際部を含む茎葉部)に施用する。
施用の方法としては、剤型等の使用形態、作物や病害によって適宜選択され、例えば、地上液剤散布、地上固形散布、空中液剤散布、空中固形散布、施設内施用等の茎葉花部への散布処理や、その他の単花処理、栽培植物の傷口箇所、剪定部への塗布処理等の方法を挙げることができる。
また、栽培植物への施用に際して、殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺菌剤、植物生長調節剤、液肥、葉面散布剤等を混合施用、あるいは混合せずに交互施用、または同時施用することも可能である。
本発明の防除剤施用量は、病害の種類、適用植物の種類、防除剤の剤型等によって異なるため一概には規定できないが、例えば、水和性の剤を水で希釈して地上部散布する場合には、その施用時の菌体濃度は、通常約1×10の5乗個/mL以上であり、好ましくは約1×10の6乗個/mL〜1×10の9乗個/mLであり、施用量は、好ましくは50〜500L/10aである。
以下実施例により、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明は実施例にのみ限定されるものではない。
<培養製造例>
(培養製造例1)イーストエキス(DIFCO社)5gとポリペプトン(日本製薬社)10gと塩化ナトリウム5gを蒸留水1L当りに添加し、PH7.0前後に調整したイーストペプトン培養液を、500mlの振とう用フラスコに100ml入れ滅菌後、供試微生物菌株を無菌的に移植し、30℃、120rpmの条件で2日間ロータリー培養した。フラスコの培養本数は適宜増やした。
(培養製造例2)グルコース(和光純薬工業)10gとポリペプトン(日本製薬社)10gと硫酸マグネシウム七水和物(和光純薬工業)1.5g、リン酸水素ニカリウム(和光純薬工業)1.5gを蒸留水1L当りに添加し、PH7.0前後に調整した培養液を、500mlの振とう用フラスコに100ml入れ滅菌後、供試微生物菌株を無菌的に移植し、30℃、120rpmの条件でロータリー培養した。得られた培養物約100mLを前記同培地5Lの入った10L容の発酵槽に植菌し、好気的条件下で30℃で40時間培養して培養液を得た。得られた約5Lの培養液を常法に従って遠心分離(6000rpm、20分間)濃縮して菌体培養物の濃縮物(約150g)を得た。この菌体培養濃縮物を減圧下で乾燥して粉砕すれば菌体培養濃縮物の乾燥物とすることができる。また、直ぐに使用しない場合は乾燥前に凍結貯蔵することもできる。得られた菌体培養濃縮物又はその乾燥物の一部を製剤に使用した。
<製剤例>
(製剤例1)前記(培養製造例1)で培養して得られた菌体培養濃縮物に、キサンタンガムを混ぜ、1×10の11乗個/mlになるようにして、簡易液剤を調整した。
(製剤例2)前記(培養製造例2)で培養して得られた菌体培養濃縮物50部、グルコース30%水溶液50部を加え、凍結乾燥し、混合解砕後、約5×10の10乗個/gの簡易水和剤を得た(生存率の高い細菌保存法として、一般的に利用されてきている凍結乾燥方法を用いた)。
(製剤例3)前記(製剤例2)で得られた菌体乾燥物75部、ラジオライト10部、リグニンスルホン酸ナトリウム1部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、ホワイトカーボン13部を混合解砕し、水和剤100部を得た。得られた剤中の菌体濃度を測定したところ約3×10の10乗個/gであった。
<病害防除試験例>
(試験例1)インゲン菌核病防除試験
温室内にて直径7.5cmのプラスチックポットに子葉期まで生育させたインゲン(品種:グリーントップ)に製剤例1に準じて調整した製剤を水で1500倍に希釈し、3ポットあたり30mlづつスプレーガンにて散布した。薬液が乾いた後に、インゲン葉を切り取りシャーレ湿室内に入れた。この葉上に予めPDA培地上で生育させておいた菌核病菌(MBC耐性)の菌叢ディスク(直径5mm)を置床接種した。このシャーレを恒温室のコンテナ湿室内(約20℃)に5日間保った後、調査を実施した。調査は病原菌の菌叢ディスクから広がる褐色病斑の面積を測定して行い、無処理区と各処理区の平均病斑面積から下記の計算式により防除価を算出した。対照として菌核病に登録のある化学農薬市販剤(T剤)についても同様の試験を行い、結果は第3表に示した。
防除価=[(1−処理区の病斑面積)/(無処理区の病斑面積)]×100
Figure 2005289945
(試験例2)キュウリ菌核病防除試験
温室内にて直径7.5cmのプラスチックポットに3葉期まで生育させたキュウリ(品種:相模半白)に製剤例2に準じて調整した製剤を水で1000倍に希釈し、4ポットあたり50mlづつスプレーガンにて散布した。薬液が乾いた後に、キュウリ葉を切り取りシャーレ湿室内に入れた。この葉上に予めPDA培地上で生育させておいた菌核病菌(MBC耐性)の菌叢ディスク(直径5mm)を置床接種した。このシャーレを恒温室のコンテナ湿室内(約20℃)に5日間保った後、調査を実施した。調査は病原菌の菌叢ディスクから広がる褐色病斑の面積を測定して行い、無処理区と各処理区の平均病斑面積から下記の計算式により防除価を算出した。対照として菌核病に登録のある化学農薬市販剤(T剤)についても同様の試験を行い、結果は第4表に示した。
防除価=[(1−処理区の病斑面積)/(無処理区の病斑面積)]×100
Figure 2005289945
(試験例3)インゲン開花後期の菌核病防除試験
温室内にて直径15cmのプラスチックポットに開花後期(花と幼莢が混在)まで生育させたインゲン(品種:グリーントップ)に製剤例3に準じて調整した製剤を水で1000倍に希釈し、4ポットあたり200mlづつスプレーガンにて散布した。散布2日後と5日後にインゲンの花部中心に、予め菌核病菌(MBC耐性)の菌核由来子のう盤から回収した子のう胞子懸濁液(2×10の4乗個/ml)を、希釈したPDブロースと共に噴霧接種(2回)した。散布後、温室内恒温室(16〜24℃)にいれ、過湿を行いながら14日間保った後、調査を実施した。調査は莢のみの調査で行い、全莢に対する発病莢の割合(発病莢率)を調査した。比較対照薬剤例として、生物農薬のB剤と化学薬剤のT剤についても同様に試験を実施した。処理区と各処理区の平均発病莢率から下記の計算式により防除価を算出した。結果は第5表に示した。
防除価=[(1−処理区の発病莢率)/(無処理区の発病莢率)]×100
Figure 2005289945
(試験例4)カーネーション菌核病防除試験
カーネーション市販切花を購入しトールビーカーに挿し、製剤例3に準じて調整した製剤を水で1000倍に希釈し、7本あたり30mlづつスプレーガンにて散布した。薬液が乾いた後に、花部を切り取り直径10cmのアイスクリームカップ湿室内に個別に入れた。次に、予め菌核病菌の菌核由来子のう盤から回収した子のう胞子懸濁液(3×10の4乗個/ml)を、希釈したPDブロースと共に噴霧接種した。このカップを恒温室のコンテナ湿室内(20℃)に5日間保った後、調査を実施した。調査は1花部当りに占める病斑面積を下記の指数に従って調査し、各処理区および無処理区の平均値を発病度とした。防除価は以下の様に各処理区の発病度から下記の計算式により算出した。結果は第6表に示した。
発病度指数 0:病斑無し
1:病斑面積が 5%以下
2:病斑面積が 6〜25%
3:病斑面積が 2〜50%
4:病斑面積が 51%以上
防除価=[(1−処理区の発病度)/(無処理区の発病度)]×100
Figure 2005289945
(試験例5)トマト小粒菌核病防除試験
温室内で直径15cmのプラスチックポットに、トマト(品種:世界一)を15本立て1葉期まで生育させた。次に、予め罹病枯死トマトの茎から採取し冷蔵庫保管しておいたトマト小粒菌核病菌の菌核をポット土表に埋め込み接種し(30粒/ポット)、散水しながら4日経過後に、製剤例3に準じて調整した製剤を水で1000倍に希釈し、3ポットあたり30mlづつスプレーガンにて地際部を含むトマト幼苗全体に散布した。その後、温室内恒温室(18〜23℃)に移し、加湿器にて加湿しながら、10日経過後に調査を行った。調査はトマト幼苗の地際部茎の発病を調べ、ポット全株あたりの発病株の割合である発病株率を調べた。各処理区および無処理区の平均値を発病株率とした。防除価は以下の様に算出した。結果は第7表に示した。
防除価=[(1−処理区の発病株率)/(無処理区の発病株率)]×100
Figure 2005289945

Claims (3)

  1. シュードモナス・フロレッセンス種に属する細菌の菌株、MCIB−9(FERM P−19144)、MCIB−10(FERM P−19145)、MCIB−11(FERM P−19146)の菌体又は培養物を含むことを特徴とする、菌核病防除剤。
  2. シュードモナス・フロレッセンス細菌の菌体が1×10の7乗個/g濃度以上、好ましくは1×10の8乗個/g〜1×10の11乗個/g含まれる請求項1記載の菌核病防除剤。
  3. 請求項1〜2のいずれか一項に記載の菌核病防除剤を植物地上部に処理する、菌核病の防除方法。
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WO2013169092A1 (en) * 2012-05-08 2013-11-14 Agribolics Technology Sdn Bhd Product and method for managing ganoderma disease in oil palm

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