JP2015526090A - グルコアミラーゼ活性を有する変異体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、例えば食料、飲料(例えばビール)、飼料、バイオケミカルまたはバイオ燃料の生産における使用に好適な、改善された特性を有するグルコアミラーゼ活性を有する変異体およびそれらの変異体を含む組成物に関する。変異体をコードするDNA構築物およびグルコアミラーゼを宿主細胞中で生産する方法も開示される。さらに、例えば醸造プロセスにおける本発明によるグルコアミラーゼに関する様々な方法および使用が開示される。

Description

配列表の参照
参照により全体として本明細書に援用される配列番号1〜31を含む配列表が付属される。
本発明は、例えば食料、飲料(例えばビール)、飼料、バイオケミカルまたはバイオ燃料の生産における使用に好適な、改善された特性を有するグルコアミラーゼ活性を有する変異体およびその変異体を含む組成物に関する。変異体をコードするDNA構築物およびグルコアミラーゼ変異体を宿主細胞中で生産する方法も開示される。さらに、例えば醸造プロセスにおける本発明によるグルコアミラーゼに関する様々な方法および使用が開示される。
グルコアミラーゼ(グルカン1,4−α−グルコヒドロラーゼ、EC3.2.1.3)は、デンプン加水分解エキソ作用型カルボヒドラーゼであり、デンプンまたは関連オリゴおよび多糖分子の非還元末端からの連続グルコース単位の除去を触媒する。グルコアミラーゼは、デンプンの直鎖および分枝鎖グルコシド結合(例えばアミロースおよびアミロペクチン)の両方を加水分解し得る。
グルコアミラーゼは、細菌、真菌、酵母および植物の多数の株により生産される。特に興味深く、商業的に重要なグルコアミラーゼは、例えばアスペルギルス属(Aspergillus)(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;特許文献1;特許文献2および3);タラロミセス属(Talaromyces)(特許文献4;特許文献5;および特許文献6);クモノスカビ属(Rhizopus)(非特許文献4;非特許文献5および特許文献7);フミコラ属(Humicola)(特許文献8および特許文献9);ならびにケカビ属(Mucor)(非特許文献6)の株から細胞外生産される真菌酵素である。これらの酵素をコードする遺伝子の多くは、酵母、真菌および/または細菌細胞中でクローニングおよび発現されてきた。商業的に、グルコアミラーゼは極めて重要な酵素であり、デンプンの加水分解を要求する多種多様の用途において使用されてきた(例えばデンプンからグルコースおよび他の単糖を生産するため)。グルコアミラーゼは、高フルクトースコーン甘味料を生産するために使用され、それらはアメリカ合衆国における甘味料市場の50%超を構成する。
一般に、グルコアミラーゼはアルファ−アミラーゼとともに、デンプンをデキストリンに、次いでグルコースに加水分解するためにデンプン加水分解プロセスにおいて使用することができ、および一般に使用されている。次いで、グルコースは、他の酵素(例えばグルコースイソメラーゼ)によりフルクトースに変換することができ;結晶化することができ;または多数の最終生産物(例えばエタノール、クエン酸、乳酸、スクシネート、アスコルビン酸中間体、グルタミン酸、グリセロールおよび1,3−プロパンジオール)を生産するために発酵において使用することができる。デンプンおよび/またはセルロース含有材料の発酵においてグルコアミラーゼを使用することにより生産されるエタノールは、燃料の供給源としてまたはアルコール消費に使用することができる。
高グルコースコーンシロップ(HGCS)および高フルクトースコーンシロップ(HFCS)生産に商業的に使用される高固体濃度において、グルコアミラーゼは、グルコースから縮合反応により二糖、三糖および四糖を合成する。これは、デンプン中のアルファ−(1−6)−D−グルコシド結合の緩慢な加水分解およびD−グルコースからの種々の蓄積縮合生産物、主にイソマルトースの形成のために生じる。したがって、多くの慣用プロセスにおけるグルコース収率は、理論収率の95%を超過しない。このプロセスにより世界的に生産されるシロップの量は、非常に多く、デンプン1トン当たりのグルコース収率の極めて小さい増加でさえ、商業的に重要である。
いくつかのグルコアミラーゼが、例えば特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15および特許文献16に記載されている。
デンプン由来炭水化物の加水分解におけるグルコアミラーゼの使用は、醸造産業において、特に高希薄化(低カロリーと称されることもある)ビールの生産において重要になってきている。グルコースは、酵母によりアルコールに即時変換され、それにより醸造業者が発酵から極めて高いアルコール収率を得、同時に、残留炭水化物が非常に少ないビールを得ることが可能になる。発酵体は、水により所望のアルコール%まで希釈され、最終ビールは、「ローカーボ」として販売される。生産物安定性および法律に関する理由のため、添加される酵素活性が最終ビール中で除去/不活化されることが重要である。残念ながら、この要求は、グルコアミラーゼが通常の供給源の例えばアスペルギルス属種(Aspergillus spp.)、例えばクロコウジカビ(A.niger)およびアワモリコウジカビ(A.awamori);フミコラ属種(Humicola spp.);タラロミセス属種(Talaromyces spp.)、例えばT.エメルソニイ(T.emersonii);アセリア属種(Athelia spp.)、例えばA.ロルフシイ(A.rolfsii);アオカビ属種(Penicillium spp.)、例えばアオカビ(P.chrysogenum)に由来し、酵素が醸造プロセスにおいて発酵容器(FV)中に添加される場合、酵素の熱安定性に起因して実行することが困難である。
グルコアミラーゼのマッシング容器への添加または麦汁沸騰前の任意の段階における添加はこの問題を回避し得るが、これにより他の実用面で困難性が生じる。特許文献17は、固体担体上で固定化されている醸造酵素グルコアミラーゼを含む反応器を用い、それにより酵素を生産物から回収することができる醸造プロセスを記載している。特許文献18は、組換えグルコアミラーゼを発現する遺伝子操作酵母を用い、酵素をその酵母により分泌させる醸造プロセスを記載している。
したがって、例えば慣用の装置を使用して発酵飲料、例えばビールを調製する慣用のプロセスの任意の段階に添加することができ、活性を最終生産物から安全に除去することができるグルコアミラーゼ活性を有する組成物の形態のグルコアミラーゼが依然として必要とされている。
例えば、組成物の形態の加水分解活性を有するグルコアミラーゼ変異体を、発酵飲料の調製において使用される発酵容器(FV)中に添加することが特に効率的である。利益は、例えばより低い酵素投入量、発酵性炭水化物へのデンプン変換率の増加および酵母ストレスの低減である。このアプローチが一般に使用されない理由は、この場合、上記のとおり不所望な最終生産物中で活性酵素が存在し得ることである。市販のグルコアミラーゼは、一般に熱安定であり、発酵飲料の低温殺菌の間に適用されるエネルギーは、酵素を不活化するために十分でない。したがって、発酵後の低温殺菌により不活化することができる熱不安定グルコアミラーゼがさらに必要とされている。
米国特許第5,024,941号明細書 米国特許第4,794,175号明細書 国際公開第88/09795号パンフレット 米国特許第4,247,637号明細書 米国特許第6,255,084号明細書 米国特許第6,620,924号明細書 米国特許第4,863,864号明細書 国際公開第05/052148号パンフレット 米国特許第4,618,579号明細書 国際公開第2008/045489号パンフレット 国際公開第2009/048488号パンフレット 国際公開第2009/048487号パンフレット 米国特許第8058033号明細書 国際公開第2011/022465号パンフレット 国際公開第2011/020852号パンフレット 国際公開第2012/001139号パンフレット 米国特許第4,666,718号明細書 米国特許第5,422,267A号明細書
Svensson et al.,Carlsberg Res.Commun.48:529−544(1983) Boel et al.,EMBO J.3:1097−1102(1984) Hayashida et al.,Agric.Biol.Chem.53:923−929(1989) Ashikari et al.,Agric.Biol.Chem.50:957−964(1986) Ashikari et al.,App.Microbio.Biotech.32:129−133(1989) Houghton−Larsen et al.,Appl.Microbiol.Biotechnol.62:210−217(2003)
本発明は、配列番号2の29、43、48、116および502または親グルコアミラーゼ中の等価位置における残基からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の97、98、147、175、483および484または親グルコアミラーゼ中の等価位置における残基からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を含むグルコアミラーゼ変異体に関する。
本発明はまた、本発明のグルコアミラーゼ変異体をコードし得る核酸に関する。
本発明はまた、本発明のグルコアミラーゼ変異体を発現し得る核酸に関する。本発明はさらに、その核酸を含み、または本発明のグルコアミラーゼ変異体を発現し得るプラスミドまたは発現ベクター、例えば組換え発現ベクターに関する。本発明はまた、本発明のグルコアミラーゼ変異体の異種発現を有する宿主細胞および上記定義のプラスミドまたは発現ベクターを含む宿主細胞に関する。
本発明はさらに、本発明のグルコアミラーゼ変異体を単離し、生産し、および/または発現させる方法に関する。
本発明はまた、本発明の1つ以上のグルコアミラーゼ変異体を含む組成物に関する。
本発明はまた、発酵における本発明のグルコアミラーゼ変異体または組成物の使用であって、前記グルコアミラーゼ変異体または組成物を、発酵工程前またはその間に添加する使用に関する。
本発明はまた、醸造プロセスの発酵工程における発酵性糖の生産を向上させるための、本発明の熱不安定グルコアミラーゼ変異体の使用に関する。
本発明はまた、本発明のグルコアミラーゼ変異体または組成物を、発酵工程前またはその間に添加することを含む方法に関する。
本発明はまた、本発明の方法により生産される発酵飲料に関する。
本発明はまた、食料、飼料または飲料生産物、例えばアルコールまたはノンアルコール飲料、例えば穀類または麦芽ベース飲料、例えばビールまたはウイスキー、例えばワイン、シードル、酢、日本酒、醤油またはジュースを生産する方法であって、デンプンおよび/または糖含有植物材料を、本発明のグルコアミラーゼ変異体または組成物により処理する工程を含む方法に関する。
本発明はまた、第1または第2世代バイオ燃料、例えばバイオエタノールを生産する方法であって、デンプンを含む材料を本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体により処理する工程を含む方法およびそのような方法により得られる生産物に関する。本発明はまた、バイオケミカル、例えばバイオベースドイソプレンを生産する方法であって、デンプンを含む材料を本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体により処理する工程を含む方法およびそのような方法により得られる生産物に関する。本発明はさらに、第1もしくは第2世代バイオ燃料、例えばバイオエタノール生産における、またはバイオケミカル、例えばバイオベースドイソプレンの生産における、本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体または組成物の使用に関する。
本発明はまた、本発明のグルコアミラーゼ変異体または組成物;および前記グルコアミラーゼ変異体または組成物の使用指示書を含むキットに関する。
したがって、本発明の目的は、本発明の範囲内にいかなる従来の公知の生産物も、その生産物の方法も、作製も、その生産物の使用方法も包含せず、したがって本出願人らは本権利を有し、いかなる従来の公知の生産物も作製方法も使用方法も本明細書において放棄を開示する。本発明は、本発明の範囲内に、米国特許商標局(米国特許法第112条第1項)または欧州特許庁(欧州特許条約第83条)の記述要件および実施可能要件を満たさないいかなる生産物も、その生産物の作製方法も、その生産物の使用方法も包含するものでなく、したがって本出願人らは本権利を有し、いかなる従来記載された生産物も、その生産物の作製方法も、その生産物の使用方法も本明細書において放棄を開示することにさらに留意されたい。
本開示において、特に特許請求の範囲および/または実施形態において、「含む(comprises)」、「含まれる(comprised)」、「含む(comprising)」などのような用語は、米国特許法に帰する意味を有し得;例えばそれらは、「含む(includes)」、「含まれる(included)」、「含む(including)」などを意味し得ること;ならびに「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」および「本質的に〜からなる(consists essentially of)」のような用語は、米国特許法におけるそれらに帰する意味を有し、例えばそれらは、明示されていない要素を許容するが、先行技術に見出されるまたは本発明の基本的もしくは新規特徴に影響を与える要素を排除することに留意されたい。
これらのおよび他の実施形態が開示され、または以下の詳細な説明から明らかであり、それにより包含される。
以下の詳細な説明は、例として挙げられるが、本発明を記載の具体的な実施形態にのみ限定するものではなく、添付の図面とともに最良に理解することができる。
エントリーベクター:A)pEntry−GA CS4およびB)pEntry−GA wtの略図である。 図1−1の続き。 発現ベクター:A)pTTT−pyrG13−GACS4およびB)pTTTpyr2−GACS4の略図である。 TrGA変異体のSDS−PAGE分析を示す。上図、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ変異体:R_C_1、R_C_2、R_C_5、R_C_12、R_C_7 R_D_2、R_D_3およびR_D_5;下図、変異体R_C_13、R_C_22、R_A_1、R_A_2、R_A_6、R_A_7およびTrGA(wt)。それぞれの変異体について、グルコアミラーゼ活性(GAU/mL)を括弧内に示す。 TrGA変異体のSDS−PAGE分析を示す。上図、示されるトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ変異体CPS3−B01〜CPS2−E08ならびに空ベクターおよびTrGA−CS4の発酵産物。それぞれの変異体について、グルコアミラーゼ活性(GAU/mL)を括弧内に示す。 精製TrGA変異体のSDS−PAGE分析を示す。左から:分子量マーカーおよび示される精製トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ変異体R_C_1およびR_C_2。 側面から見たトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ(黒色)(配列番号2)およびアワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)グルコアミラーゼ(灰色)(配列番号5)の三次元構造の比較を示す。側面は活性部位に関して定められ、活性部位入口は分子の「上面」に存在する。 側面から見たトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ(黒色)(配列番号2)の三次元構造を示す。側面は活性部位に関して定められ、活性部位入口は分子の「上面」に存在する。触媒ドメインとデンプン結合部位との間で界面領域を形成する残基を透明な球状物として示す(触媒ドメインからの残基を暗灰色で着色し、デンプン結合ドメインからの残基を淡灰色で着色する)。 上面から見たトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ(黒色)(配列番号2)およびアワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)グルコアミラーゼ(灰色)(配列番号5)の三次元構造の比較を示す。 結合部位1および2を示す側面から見たTrGA(配列番号2)およびAnGA(配列番号6)の三次元構造のアラインメントを示す。 TrGA構造中でのアカルボースの結合のモデルを示す。 アワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)(AaGA)(配列番号5);クロコウジカビ(Aspergillus niger)(AnGA)(配列番号6);ニホンコウジカビ(Aspergillus oryzae)(AoGA)(配列番号7);トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)(TrGA)(配列番号3);フミコラ・グリセア(Humicola grisea)(HgGA)(配列番号8);およびヒポクレア・ビノサ(Hypocrea vinosa)(HvGA)(配列番号9)からの親グルコアミラーゼの触媒ドメインのアラインメント比較を示す。同一アミノ酸をアスタリスク()により示す。 図10A−1の続き。 図10A−2の続き。 アワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)(AaGA)(配列番号5);クロコウジカビ(Aspergillus niger)(AnGA)(配列番号6);ニホンコウジカビ(Aspergillus oryzae)(AoGA)(配列番号7);トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)(TrGA)(配列番号3);フミコラ・グリセア(Humicola grisea)(HgGA)(配列番号8);およびヒポクレア・ビノサ(Hypocrea vinosa)(HvGA)(配列番号9)からの親グルコアミラーゼの触媒ドメインのアラインメント比較を示す。同一アミノ酸をアスタリスク()により示す。 図10B−1の続き。 タラロミセス属(Talaromyces)グルコアミラーゼ(TeGA)成熟タンパク質配列(配列番号23)を示す。 トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)(配列番号11);フミコラ・グリセア(Humicola grisea)(HgGA)(配列番号24);サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)(ThGA)(配列番号25);タラロミセス・エメルソニイ(Talaromyces emersonii)(TeGA)(配列番号26);クロコウジカビ(Aspergillus niger)(AnGA)(配列番号27);アワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)(AaGA)(配列番号28);およびチエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)(TtGA)(配列番号29)からの親グルコアミラーゼのデンプン結合ドメイン(SBD)を比較するアラインメントを示す。 図10D−1の続き。 トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)(配列番号11);フミコラ・グリセア(Humicola grisea)(HgGA)(配列番号24);サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)(ThGA)(配列番号25);タラロミセス・エメルソニイ(Talaromyces emersonii)(TeGA)(配列番号26);クロコウジカビ(Aspergillus niger)(AnGA)(配列番号27);アワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)(AaGA)(配列番号28);およびチエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)(TtGA)(配列番号29)からの親グルコアミラーゼのデンプン結合ドメイン(SBD)を比較するアラインメントを示す。 図10E−1の続き。
配列
実施例の部に続き、参照により全体として本明細書に援用される配列を示す。
配列番号1:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ、全長;シグナルペプチドを有する
配列番号2:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ、成熟タンパク質;シグナルペプチドを有さない
配列番号3:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ触媒ドメイン、成熟TrGAの1〜453、CD
配列番号4:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼcDNA
配列番号5:アワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)GA(AaGA);CD
配列番号6:クロコウジカビ(Aspergillus niger)(AnGA)、CD
配列番号7:ニホンコウジカビ(Aspergillus oryzae)(AoGA)、CD
配列番号8:フミコラ・グリセア(Humicola grisea)グルコアミラーゼ(HgGA);CD
配列番号9:ヒポクレア・ビノサ(Hypocrea vinosa)グルコアミラーゼ(HvGA);CD
配列番号10:TrGA、リンカー領域
配列番号11:TrGA、SBD
配列番号12:SVDDFI:TrGA成熟タンパク質の開始点
配列番号13:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼCS4変異体、成熟タンパク質;シグナルペプチドを有さない
配列番号14:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼR_A_1変異体、成熟タンパク質;シグナルペプチドを有さない
配列番号15:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼR_C_1変異体、成熟タンパク質;シグナルペプチドを有さない
配列番号16:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼR_A_6変異体、成熟タンパク質;シグナルペプチドを有さない
配列番号17:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼR_C_13変異体、成熟タンパク質;シグナルペプチドを有さない
配列番号18:アワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)グルコアミラーゼ(AaGA)、全長、シグナルペプチドを有する
配列番号19:クロコウジカビ(Aspergillus niger)グルコアミラーゼ(AnGA)、全長、シグナルペプチドを有する
配列番号20:ニホンコウジカビ(Aspergillus oryzae)グルコアミラーゼ(AoGA)、全長、シグナルペプチドを有する
配列番号21:フミコラ・グリセア(Humicola grisea)グルコアミラーゼ(HgGA)、全長、シグナルペプチドを有する
配列番号22:ヒポクレア・ビノサ(Hypocrea vinosa)グルコアミラーゼ(HvGA)、全長、シグナルペプチドを有する
配列番号23:タラロミセス属(Talaromyces)GA、成熟タンパク質
配列番号24:フミコラ・グリセア(Humicola grisea)GA、SBD
配列番号25:サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)GA、SBD
配列番号26:タラロミセス・エメルソニイ(Talaromyces emersonii)GA、SBD
配列番号27:クロコウジカビ(Aspergillus niger)GA、SBD
配列番号28:アワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)GA、SBD
配列番号29:チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)GA、SBD
配列番号30:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)wtグルコアミラーゼ最適化cDNA(pEntry−GA WT)
配列番号31:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)CS4変異体グルコアミラーゼ最適化cDNA(pEntry−GA CS4)
グルコアミラーゼは、デンプンの加水分解を要求する多種多様の用途において商業的に重要な酵素である。本出願人らは、親グルコアミラーゼのアミノ酸配列の特異的領域内の位置における変更を導入することにより、グルコアミラーゼ変異体が親グルコアミラーゼと比較して減少した熱安定性を、一部の実施形態においては糖化性能を減退させずに示すことを見出した。
グルコアミラーゼは、デンプンの加水分解を要求する多種多様の用途において商業的に重要な酵素である。本明細書において、デンプンの加水分解のための低減した熱安定性を有するグルコアミラーゼ変異体が開示される。これらのグルコアミラーゼ変異体は、触媒ドメインおよび/またはデンプン結合ドメイン内のアミノ酸置換を含有する。変異体は、変更された特性、例えば変更された熱安定性および/または変更された比活性を示す。
さらに、本明細書において、グルコアミラーゼ変異体のあるサブセットは、低温殺菌による不活化を可能とする酵素の好適な熱不安定性のため、例えばビール発酵の間の発酵容器中への添加に極めて有用であることが開示される。
低温殺菌実験をビールに対して実験室、パイロットおよびフルスケールで実施して醸造プロセスにおける本明細書に記載の変異体を不活化する能力を評価した。実験室スケール低温殺菌は、フルスケールトンネル型低温殺菌器中でグルコアミラーゼを有する瓶ビールに対して評価した(データ示さず)。本発明者らは、親グルコアミラーゼの多数の変異体を提供し、それらの変異体は一部の実施形態において発酵容器中で機能活性であり(高い糖化性能)、親グルコアミラーゼおよび/またはいくつかの他の試験グルコアミラーゼよりも顕著に熱不安定であることの両方が示された。これらのグルコアミラーゼ変異体は、16.8低温殺菌単位(PU)未満により完全に不活化することができ、それはビール低温殺菌に好ましい。
一部の実施形態において、糖化プロセスにおいて本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体の使用は、高グルコース割合を有するシロップを生産する。一部の実施形態において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体の使用は、醸造工程のマッシングおよび/または発酵工程における発酵性糖の向上した生産をもたらす。一部の実施形態において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体の使用は、向上した真正発酵度をもたらす。これらの変更された特性は、親グルコアミラーゼ中の選択位置におけるアミノ酸残基を突然変異させる、例えば置換することにより得られる。これを以下にさらに詳細に記載する。
一態様において、本明細書において、配列番号2の残基29、43、48、116および502または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の残基97、98、147、175、483および484または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を含むグルコアミラーゼ変異体が記載される。
一態様において、本明細書において、
a)配列番号2の502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換ならびに任意選択で配列番号2の残基29、43、48および116または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸からなる群から選択されるアミノ酸置換;
b)配列番号2の98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換ならびに任意選択で配列番号2の残基97、147、175、483および484または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸残基からなる群から選択される1つまたは2つのアミノ酸置換
を含み;
少なくとも前記界面アミノ酸の群または前記触媒コアアミノ酸残基の群から選択される1つのアミノ酸置換を有し;
配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有するグルコアミラーゼ変異体が記載される。
一態様において、本明細書において、
a)配列番号2の502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;
b)配列番号2の98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;および
c)配列番号2の48位もしくは親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換または配列番号2の147位もしくは親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換
を含み;
配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有するグルコアミラーゼ変異体が記載される。
一態様において、本明細書において、
a)配列番号2の502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;
b)配列番号2の98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;および
c)配列番号2の147位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換
を含み;
配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有するグルコアミラーゼ変異体が記載される。
一態様において、本明細書において記載されるのはグルコアミラーゼ変異体
a)配列番号2の502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;
b)配列番号2の98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;および
c)配列番号2の48位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換
を含み;
グルコアミラーゼ変異体は配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有する。
一態様において、本明細書において、配列番号2または13のアミノ酸置換H502S;配列番号2または13のアミノ酸置換L98E;および配列番号2もしくは13のアミノ酸置換Y48Vまたは配列番号2もしくは13のアミノ酸置換Y147Rを含み;配列番号2または13と少なくとも80%の配列同一性を有するグルコアミラーゼ変異体が記載される。
一態様において、本明細書において、デンプン結合ドメインおよび触媒ドメインを有し、配列番号2の残基29、43、48、116および502または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;および配列番号2の残基97、98、147、175、483および484または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を含むグルコアミラーゼ変異体が記載される。
一態様において、本明細書において、配列番号2の残基24、26、27、30、40、42、44、46、49、110、111、112、114、117、118、119、500、504、534、536、537、539、541、542、543、544、546、547、548、580、583、585、587、588、589、590、591、592、594および596または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換をさらに含むグルコアミラーゼ変異体が記載される。
さらなる態様において、本明細書において、配列番号2の1〜484位(24、26、27、29、30、40、42、43、44、46、48、49、97、98、110、111、112、114、116、117、118、119、147、175、483および484位を除く)または親グルコアミラーゼ中の等価位置における残基からなる触媒コアアミノ酸の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換をさらに含むグルコアミラーゼ変異体が記載される。
一態様において、本明細書において、配列番号2の残基24、26、27、29、30、40、42、43、44、46、48、49、110、111、112、114、116、117、118、119、500、502、504、534、536、537、539、541、542、543、544、546、547、548、580、583、585、587、588、589、590、591、592、594および596または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換を含むグルコアミラーゼ変異体が記載される。
さらなる態様において、本明細書において、配列番号2の1〜484位(24、26、27、29、30、40、42、43、44、46、48、49、110、111、112、114、116、117、118および119位を除く)または親グルコアミラーゼ中の等価位置における残基からなる触媒コアアミノ酸の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を含むグルコアミラーゼ変異体が記載される。
一態様において、本明細書において、アッセイおよび方法の部の「醸造」分析に記載のとおり麦汁1ml当たり0.058mgのGAにおいて投入された場合に少なくとも74.5%、例えば少なくとも75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85% 86%、87%、88%、89%または90%などのRDFを有するグルコアミラーゼ変異体が記載される。
一態様において、本発明は、低温殺菌により完全に不活化することができるビール中で十分に熱不安定であるTrGA変異体のセットを誘導し、同時に真正発酵度により評価されるビール発酵全体にわたる高性能を維持するために使用される構造−機能関連を記載する。さらなる態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の残基F29、I43、Y48、F116およびH502(I43における置換はI43Qであり、Y48における置換はY48Vである)または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の残基S97、L98、Y147、F175、G483およびT484(S97における置換はS97Mであり、G483における置換はG483Sであり、T484における置換はT484Wである)または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を含む。
一態様において、本明細書に記載の親グルコアミラーゼは、配列番号1、2、13、18、19、20、21または22である。さらなる態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性、例えば少なくとも85%、90%、95%または99.5%の配列同一性を有する。一態様において、本明細書に記載の親グルコアミラーゼは、配列番号1、2、3、5、6、7、8、9および/もしくは13と少なくとも80%、85%、90%、95%もしくは99.5%の配列同一性を有する触媒ドメインならびに/または配列番号11、24、25、26、27、28および/もしくは29と少なくとも80%、85%、90%、95%もしくは99.5%の配列同一性を有するデンプン結合ドメインを有する。
さらなる態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号1、2、13、18、19、20、21または22のアミノ酸の親配列からなり、アミノ酸の配列が、配列番号2の残基F29、I43、Y48、F116およびH502(I43における置換はI43Qであり、Y48における置換はY48Vである)または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の残基S97、L98、Y147、F175、G483およびT484(S97における置換はS97Mであり、G483における置換はG483Sであり、T484における置換はT484Wである)または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を有する。
さらなる態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2のアミノ酸の配列からなり、アミノ酸の配列が、配列番号2の残基F29、I43、Y48、F116およびH502(I43における置換はI43Qであり、Y48における置換はY48Vである)からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の残基S97、L98、Y147、F175、G483およびT484(S97における置換はS97Mであり、G483における置換はG483Sであり、T484における置換はT484Wである)からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を有する。
さらなる態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号13のアミノ酸の配列からなり、アミノ酸の配列が、配列番号13の残基F29、I43、Y48、F116およびH502(I43における置換はI43Qであり、Y48における置換はY48Vである)からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号13の残基S97、L98、Y147、F175、G483およびT484(S97における置換はS97Mであり、G483における置換はG483Sであり、T484における置換はT484Wである配列番号13)からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を有する。
一態様において、グルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼと比較して変更された熱安定性を示す。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼ、例えばそれが最大配列同一性を有する親グルコアミラーゼと比較して減少した熱安定性を示す。一態様において、グルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼ、例えばそれが最大配列同一性を有する親グルコアミラーゼと比較して変更された比活性を示す。一態様において、グルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼ、例えばそれが最大配列同一性を有する親グルコアミラーゼと比較して類似のまたは増加した比活性を示す。一態様において、グルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼ、例えばそれが最大配列同一性を有する親グルコアミラーゼと比較して減少した熱安定性および類似のまたは増加した比活性の両方を示す。
一態様において、グルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼと比較して変更された、真性発酵度(RDF)により計測されるFV中での糖化性能を示す。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼ、例えばそれが最大配列同一性を有する親グルコアミラーゼと比較して類似のまたは減少した醸造におけるRDF値を生産する。
さらなる態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、低温殺菌により、例えば16.8、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5または4低温殺菌単位(PU)未満を使用してビール中で不活化される。いっそうさらなる態様において、グルコアミラーゼ変異体は、0.05〜10GAU/mg、例えば0.1〜5GAU/mg、例えば0.5〜4GAU/mg、例えば0.7〜4GAU/mgまたは例えば2〜4GAU/mgのグルコアミラーゼ活性(GAU)を有する。
一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、その結晶形態である場合、主鎖原子の原子座標が等価主鎖原子のアラインメントに従ってTrGAの等価主鎖原子の原子座標(国際公開第2009/067218号パンフレットの表20に定義)から0.13nm未満の平均二乗偏差を有し、リンカー領域、デンプン結合ドメインおよび触媒ドメインを有する結晶構造を有する。
一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2のF29位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換F29A/R/N/D/C/E/F/G/H/K/S/T/Q/I/L/M/P/Vまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換F29Vまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2のI43位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換I43Qまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2のY48位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換Y48Vまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2のF116位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換F116Mまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2のH502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換H502A/N/D/C/E/F/G/H/K/S/T/Q/I/L/M/P/V/W/Yまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換H502S/Eまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2のS97位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換S97Mまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2のL98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換L98A/R/N/E/G/H/K/S/T/Q/I/L/M/P/V/Yまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換L98Eまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2のY147位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換Y147Rまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2のF175位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換F175V/I/Lまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2のG483位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換G483Sまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2のT484位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2の以下のアミノ酸置換T484Wまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。
一態様において、配列番号2の残基24、26、27、29、30、40、42、43、44、46、48、49、110、111、112、114、116、117、118、119、500、502、504、534、536、537、539、541、542、543、544、546、547、548、580、583、585、587、588、589、590、591、592、594および596または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸残基の群におけるアミノ酸置換(1);ならびに配列番号2の1〜484位(24、26、27、29、30、40、42、43、44、46、48、49、110、111、112、114、116、117、118および119位を除く)または親グルコアミラーゼ中の等価位置におけるデンプン結合ドメインと直接接触しない残基からなる触媒コアアミノ酸残基の群におけるアミノ酸置換(2)の総数は、2、3または4つである。
一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号2または13の以下のアミノ酸置換F29V−G483S、Y48V−L98E−H502S、F116M−F175V、F175V−H502E、I43Q−F175I、I43Q−F175V−H502S、F29V−S97M−G483S−T484WまたはL98E−Y147R−H502Sまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、以下のアミノ酸置換L417V、T430A、Q511H、A539RおよびN563Iをさらに含む。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号14、15または16である。一態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号14、15または17である。さらなる態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号14、15または16を含む。さらなる態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号14、15または17を含む。
一態様において、親グルコアミラーゼは、トリコデルマ属種(Trichoderma spp.)、アスペルギルス属種(Aspergillus spp.)、フミコラ属種(Humicola spp.)、アオカビ属種(Penicillium spp.)、タラロミセセ属種(Talaromycese spp.)またはシゾサッカルミセス属種(Schizosaccharmyces spp.)から得られるグルコアミラーゼから選択される(図10C、DおよびE)。さらなる態様において、親グルコアミラーゼは、トリコデルマ属種(Trichoderma spp.)またはアスペルギルス属種(Aspergillus spp.)から得られる。
一態様において、あるアミノ酸配列の、別のアミノ酸配列とのまたはそれに対する同一性の割合は、タンパク質−タンパク質Blast検索(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov)、デフォルト設定:スコア行列:blosum62、非冗長タンパク質配列データベースおよびblastアルゴリズムの使用により決定される。
一態様において、グルコアミラーゼ変異体は、宿主細胞中での組換え発現により得られる。
一態様において、本発明は、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体をコードし得る核酸に関する。さらなる態様において、そのような核酸を含み、または本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体を発現し得る発現ベクターまたはプラスミドが開示される。一態様において、発現ベクターまたはプラスミドは、トリコデルマ属(Trichoderma)に由来するプロモーター、例えばT.リーゼイ(T.reesei)cbhI由来プロモーターを含む。さらなる態様において、発現ベクターまたはプラスミドは、トリコデルマ属(Trichoderma)に由来するターミネーター、例えばT.リーゼイ(T.reesei)cbhI由来ターミネーターを含む。いっそうさらなる態様において、発現ベクターまたはプラスミドは、1つ以上の選択マーカー、例えばアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)amdSおよびpyrGを含む。別の態様において、発現ベクターまたはプラスミドは、宿主細胞中での非染色体プラスミド維持を可能とする1つ以上のテロメア領域を含む。
一態様において、本発明は、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体の異種発現を有する宿主細胞に関する。さらなる態様において、それによる宿主細胞は真菌細胞である。いっそうさらなる態様において、真菌細胞は、トリコデルマ属(Trichoderma)のものである。いっそうさらなる態様において、真菌細胞は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)種のものまたはヒポクレア・ジェコリナ(Hypocrea jecorina)種のものである。別の態様において、宿主細胞は、本明細書に記載のプラスミドまたは発現ベクターを含み、好ましくはそれにより形質転換されている。
一態様において、本発明は、本明細書に定義のグルコアミラーゼ変異体を単離する方法であって、前記グルコアミラーゼ変異体の異種発現を有する本明細書に定義の宿主細胞中でのグルコアミラーゼ変異体の合成を誘導する工程および前記宿主細胞により分泌された細胞外タンパク質を回収する工程および任意選択でグルコアミラーゼ変異体を精製する工程を含む方法に関する。さらなる態様において、本発明は、本明細書に定義のグルコアミラーゼ変異体を生産する方法であって、前記グルコアミラーゼ変異体の異種発現を有する本明細書に定義の宿主細胞中でのグルコアミラーゼ変異体の合成を誘導する工程および任意選択でグルコアミラーゼ変異体を精製する工程を含む方法に関する。さらなる態様において、本発明は、本明細書に定義のグルコアミラーゼ変異体を発現させる方法であって、本明細書に定義の宿主細胞を得ることおよび前記宿主細胞からグルコアミラーゼ変異体を発現させることおよび任意選択でグルコアミラーゼ変異体を精製することを含む方法に関する。別の態様において、本明細書に定義のグルコアミラーゼ変異体は、優勢分泌タンパク質である。
一態様において、本発明は、本明細書に記載の1つ以上のグルコアミラーゼ変異体を含む組成物に関する。一態様において、組成物は、デンプン加水分解組成物、糖化組成物、洗浄組成物、アルコール発酵酵素組成物および動物飼料動物飼料組成物の中から選択される。さらなる態様において、組成物は、1つ以上のさらなる酵素を含む。いっそうさらなる態様において、1つ以上のさらなる酵素は、アルファ−アミラーゼ、ベータ−アミラーゼ、ペプチダーゼ(例えばプロテアーゼ、プロテイナーゼ、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ)、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼおよび関連ベータ−グルカン加水分解アクセサリー酵素、キシラナーゼおよびキシラナーゼアクセサリー酵素(例えばアラビノフラノシダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、キシランアセチルエステラーゼ)、アセトラクテートデカルボキシラーゼならびにグルコアミラーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択される。さらなる態様において、そのようなグルコアミラーゼ変異体および/または1つ以上のさらなる酵素は、低温殺菌により不活化される。いっそうさらなる態様において、グルコアミラーゼ変異体および/または1つ以上のさらなる酵素は、低温殺菌により、例えば50、45、40、35、30、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16または15低温殺菌単位(PU)未満を使用することによりビール中で不活化される。
一態様において、本発明は、発酵における本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体または本明細書に開示の組成物の使用であって、前記グルコアミラーゼ変異体または組成物を発酵工程前またはその間に添加する使用に関する。さらなる態様において、前記発酵工程および任意選択のビールろ過工程に、低温殺菌工程が続く。一態様において、前記発酵を、発酵飲料を作製する方法に含める。一態様において、前記発酵飲料を、ビール、例えば低アルコールビールまたは低カロリービールからなる群から選択する。一態様において、本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体または組成物を、1つ以上のさらなる酵素、例えばアルファ−アミラーゼ、ベータ−アミラーゼ、ペプチダーゼ(例えばプロテアーゼ、プロテイナーゼ、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ)、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼおよび関連ベータ−グルカン加水分解アクセサリー酵素、キシラナーゼおよびキシラナーゼアクセサリー酵素(例えばアラビノフラノシダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、キシランアセチルエステラーゼ)、アセトラクテートデカルボキシラーゼならびにグルコアミラーゼ(それらの任意の組合せを含む)との組合せで添加する。さらなる態様において、グルコアミラーゼ変異体または1つ以上のさらなる酵素を、低温殺菌工程において不活化する。一態様において、グルコアミラーゼ変異体を、例えば発酵麦汁1ml当たり0.01〜50mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.05〜25mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.1〜15mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.2〜10mg、例えば発酵麦汁1ml当たり1〜5mgの量で添加する。一態様において、本明細書において、醸造プロセスの発酵工程における発酵性糖の生産を向上させるための熱不安定グルコアミラーゼ変異体の使用であって、グルコアミラーゼ変異体が本明細書に開示のものである使用が記載される。
一態様において、本発明は、本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体または本明細書に開示の組成物を、発酵工程、例えば酵母を用いる発酵工程前またはその間に添加することを含む方法に関する。さらなる態様において、本方法は、発酵工程または任意選択のビールろ過工程後に低温殺菌工程を含む。さらなる態様において、前記発酵を、発酵飲料を作製する方法に含める。いっそうさらなる態様において、前記発酵飲料を、ビール、例えば低アルコールビール、低カロリービールからなる群から選択する。さらなる態様において、前記グルコアミラーゼ変異体または前記組成物を、1つ以上のさらなる酵素、例えばアルファ−アミラーゼ、ベータ−アミラーゼ、ペプチダーゼ(例えばプロテアーゼ、プロテイナーゼ、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ)、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼおよび関連ベータ−グルカン加水分解アクセサリー酵素、キシラナーゼおよびキシラナーゼアクセサリー酵素(例えばアラビノフラノシダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、キシランアセチルエステラーゼ)、アセトラクテートデカルボキシラーゼならびにグルコアミラーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択されるものとの組合せで添加する。別の態様において、グルコアミラーゼ変異体および/または1つ以上のさらなる酵素を、低温殺菌工程において不活化する。一態様において、グルコアミラーゼ変異体を、例えば発酵麦汁1ml当たり0.01〜50mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.05〜25mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.1〜15mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.2〜10mg、例えば発酵麦汁1ml当たり1〜5mgの量で添加する。いっそうさらなる態様において、発酵飲料の生産方法は、以下の工程:
a)マッシュを調製すること、
b)マッシュをろ過して麦汁を得ることおよび
c)麦汁を発酵させて発酵飲料を得ること
を含み、
本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体または本明細書に開示の組成物を、工程(a)のマッシュおよび/または工程(b)の麦汁および/または工程(c)の麦汁に添加する。
さらなる態様において、発酵飲料を低温殺菌工程(d)に供する。いっそうさらなる態様において、工程(a)におけるマッシュをグリストから得、例えばグリストは、麦芽化および/もしくは非麦芽化穀物または別の作物からのデンプンベース材料の1つ以上を含む。さらなる態様において、本方法は、工程(a)のマッシュを1つ以上のさらなる酵素と接触させることをさらに含み、例えば酵素を、デンプン枝切り酵素、R酵素、限界デキストリナーゼ、アルファ−アミラーゼ、ベータ−アミラーゼ、ペプチダーゼ(例えばプロテアーゼ、プロテイナーゼ、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ)、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼおよび関連ベータ−グルカン加水分解アクセサリー酵素、キシラナーゼおよびキシラナーゼアクセサリー酵素(例えばアラビノフラノシダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、キシランアセチルエステラーゼ)、アセトラクテートデカルボキシラーゼならびにグルコアミラーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択する。さらなる態様において、本方法は、工程(b)または(c)の麦汁を1つ以上のさらなる酵素と接触させることをさらに含み、酵素を、デンプン枝切り酵素、イソアミラーゼおよび限界デキストリナーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択する。
さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載の方法により生産される発酵飲料に関する。さらなる態様において、発酵飲料は、ビール、例えば低アルコールビールまたは低カロリービールである。
さらなる態様において、本発明は、食料、飼料または飲料生産物、例えばアルコールまたはノンアルコール飲料、例えば穀類または麦芽ベース飲料、例えばビールまたはウイスキー、例えばワイン、シードル、酢、日本酒、醤油またはジュースを生産する方法であって、デンプンおよび/または糖含有植物材料を、本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体または本明細書に開示の組成物により処理する工程を含む方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体または本明細書に開示の組成物;および前記グルコアミラーゼ変異体または組成物の使用指示書を含むキットに関する。
さらなる態様において、本発明は、第1または第2世代バイオ燃料、例えばバイオエタノールおよび/またはバイオブタノールの生産における、本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体または本明細書に開示の組成物の使用に関する。
さらなる態様において、本発明は、バイオケミカル、例えばバイオベースドイソプレンの生産における、本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体または本明細書に開示の組成物の使用に関する。
さらなる態様において、本発明は、第1または第2世代バイオ燃料、例えばバイオエタノールおよび/またはバイオブタノールを生産する方法であって、デンプンを含む材料を、本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体または本明細書に開示の組成物により処理する工程を含む方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、バイオケミカル、例えばバイオベースドイソプレンを生産する方法であって、デンプンを含む材料を、本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体または本明細書に開示の組成物により処理する工程を含む方法に関する。
さらなる態様において、本発明は、本発明による方法により得られる生産物に関する。
さらなる態様において、本発明は、例えば0.1〜99.9%の範囲である本発明による方法により得られる生産物を含む組成物に関する。
1.定義
別記されない限り、本明細書において使用される全ての技術および科学用語は、本開示が属する分野における当業者により一般に理解されるものと同一の意味を有する。Singleton et al.,Dictionary of Microbiology And Molecular Biology,2nd ed.,John Wiley and Sons,New York(1994)およびHale&Markham,The Harper Collins Dictionary Of Biology,Harper Perennial,N.Y.(1991)は、本明細書において使用される用語の多くの一般的な意味を当業者に提供する。さらにある用語は、明確性および参照の容易さのために以下に定義される。
本明細書において使用される用語「グルコアミラーゼ」(EC3.2.1.3)は、デンプンならびに関連オリゴ糖および多糖の非還元末端からのD−グルコースの放出を触媒する酵素を指す。
用語、「親」または「親配列」は、宿主細胞中の天然または天然存在の配列を指す。親グルコアミラーゼとしては、限定されるものではないが、配列番号1、2、13、18、19、20、21および22のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ配列ならびに配列番号2に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するグルコアミラーゼが挙げられる。
本明細書において使用される用語「親」または「親配列」は、TrGA(配列番号2)と比較してL417V−T430A−Q511H−A539R−N563Iを含む成熟TrGA変異体CS4(配列番号13)も指し得る。TrGA CS4の成熟形態は、配列番号13のアミノ酸配列を有する触媒ドメイン、リンカー領域およびデンプン結合ドメインを含む。TrGA CS4中のグルコアミラーゼアミノ酸のナンバリングはTrGAと類似しており、TrGA(配列番号2および/または3)とのグルコアミラーゼの配列アラインメントに基づく。TrGA CS4の三次元構造は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼの三次元構造と同一であると予測される(参照により本明細書に援用される国際公開第2009/067218号パンフレット(Danisco US Inc.,Genencor Division)94〜216ページの表20および参照により本明細書に援用される国際公開第2009/067218号パンフレット(Danisco US Inc.,Genencor Division)89〜93ページの実施例11を参照のこと)。
本明細書に使用される「等価位置」は、TrGA参照グルコアミラーゼアミノ酸配列(配列番号2または13)および三次元構造との、当該親グルコアミラーゼのアミノ酸配列のアライメントおよび当該親グルコアミラーゼの三次元構造のアライメントに基づく2つの親配列に共通する位置を意味する。したがって、配列アライメントまたは構造アライメントのいずれも、等価性を決定するために使用することもできる。
用語「TrGA」は、配列番号3に示される配列を有する触媒ドメインを含む、配列番号2に示される成熟タンパク質配列を有する親トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ配列を指す。TrGAの単離、クローニングおよび発現は、両方とも参照により本明細書に援用される国際公開第2006/060062号パンフレットおよび米国特許第7,413,887号明細書に記載されている。一部の実施形態において、親配列は、タンパク質エンジニアリングのための出発点であるグルコアミラーゼ配列を指す。本明細書におけるグルコアミラーゼアミノ酸のナンバリングは、TrGA(配列番号2および/または3)とのグルコアミラーゼの配列アライメントに基づく。
用語「TrGA CS4」または「CS4」は、TrGA(配列番号2)と比較してL417V−T430A−Q511H−A539R−N563Iを含む配列番号13に示される成熟タンパク質配列を有する親トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ変異体CS4配列を指す。
語句「変異体、タンパク質またはポリペプチドの成熟形態」は、変異体、タンパク質またはポリペプチドの最終機能形態を指す。例えば、グルコアミラーゼの成熟形態は、シグナルペプチドを欠き得る。例示するため、TrGA/−CS4の成熟形態は、配列番号2/13のアミノ酸配列を有する触媒ドメイン、リンカー領域およびデンプン結合ドメインを含む。
本明細書において使用される用語「グルコアミラーゼ変異体」および「変異体」は、親グルコアミラーゼ配列に対してある程度のアミノ酸配列同一性を有するグルコアミラーゼに関して使用される。変異体は、親配列に類似するが、その配列を親グルコアミラーゼと異なるものとする、そのアミノ酸配列中の少なくとも1つの置換、欠失または挿入を有する。一部の場合、変異体は、その配列を親と異なるものとする、そのアミノ酸配列中の少なくとも1つの置換、欠失または挿入を含むように操作および/または遺伝子操作されている。さらに、グルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼの機能的な特徴を保持し得、例えば親グルコアミラーゼのグルコアミラーゼ活性の少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%または約90%であるグルコアミラーゼ活性を維持する。それが選択されたものである場合、100%よりも高い活性も有し得る。
「変異体」は、比較のために最適にアライメントされた場合、親ポリペプチド配列に対して少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約88%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または約99.5%の配列同一性を有し得る。一部の実施形態において、グルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼの触媒ドメインに対して少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約88%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または約99.5%の配列同一性を有し得る。一部の実施形態において、グルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼのデンプン結合ドメインに対して少なくとも約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約88%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または約99.5%の配列同一性を有し得る。配列同一性は、親または変異体配列の全長にわたり計測することができる。
本明細書において使用される核酸またはポリペプチド配列に関する「相同配列」および「配列同一性」は、比較のために最適にアラインメントされた場合、核酸配列またはポリペプチド配列に対して少なくとも約100%、少なくとも約99%、少なくとも約98%、少なくとも約97%、少なくとも約96%、少なくとも約95%、少なくとも約94%、少なくとも約93%、少なくとも約92%、少なくとも約91%、少なくとも約90%、少なくとも約88%、少なくとも約85%、少なくとも約80%、少なくとも約75%、少なくとも約70%、少なくとも約65%、少なくとも約60%、少なくとも約55%、少なくとも約50%または少なくとも約45%の配列同一性を有し、候補核酸配列またはポリペプチド配列の機能が、候補相同配列が比較されている核酸配列またはポリペプチド配列と本質的に同一であることを意味する。一部の実施形態において、相同配列は、少なくとも約85%〜100%の配列同一性を有する一方、他の実施形態において、約90%〜100%の配列同一性が存在し、他の実施形態において、少なくとも約95%〜100%の配列同一性が存在する。
同一性の程度
2つのアミノ酸配列間または2つのヌクレオチド配列間の関連性は、パラメータ「同一性」により記載される。
一実施形態において、問い合わせ配列と参照配列との間の配列同一性の程度は、1)2つの配列を任意の好適なアラインメントプログラムによりデフォルトスコアリング行列およびデフォルトギャップペナルティを使用してアラインメントし、2)アラインメントプログラムがアラインメントにおける所与の位置上の2つのアラインメントされた配列中の同一アミノ酸またはヌクレオチドを同定した完全一致の数を同定し、3)完全一致の数を参照配列の長さにより除することにより決定される。
一実施形態において、問い合わせ配列と参照配列との間の配列同一性の程度は、1)2つの配列を任意の好適なアラインメントプログラムによりデフォルトスコアリング行列およびデフォルトギャップペナルティを使用してアラインメントし、2)アラインメントプログラムがアラインメントにおける所与の位置上の2つのアラインメントされた配列中の同一アミノ酸またはヌクレオチドを同定した完全一致の数を同定し、3)完全一致の数を2つの配列の長い方の長さにより除することにより決定される。
別の実施形態において、問い合わせ配列と参照配列との間の配列同一性の程度は、1)2つの配列を任意の好適なアラインメントプログラムによりデフォルトスコアリング行列およびデフォルトギャップペナルティを使用してアラインメントし、2)アラインメントプログラムがアラインメントにおける所与の位置上の2つのアラインメントされた配列中の同一アミノ酸またはヌクレオチドを同定した完全一致の数を同定し、3)完全一致の数を、配列のギャップおよび突出部分を含む全アラインメントの長さである「アラインメント長」により除することにより決定される。
配列同一性比較は、肉眼により、またはより通常、容易に利用可能な配列比較プログラムを用いて実施することができる。これらの市販のコンピュータプログラムは、複雑な比較アルゴリズムを使用して2つ以上の配列間の差異をもたらし得る進化イベントを最良に反映する2つ以上の配列をアラインメントする。したがって、これらのアルゴリズムは、同一または類似アミノ酸のアラインメントを加算し、ギャップの挿入、ギャップ伸長および非類似アミノ酸のアラインメントを減算するスコアリングシステムにより作動する。比較アルゴリズムのスコアリングシステムは、
i)ギャップが挿入されるごとのペナルティスコアの割り当て(ギャップペナルティスコア)、
ii)既存ギャップが追加位置とともに伸長されるごとのペナルティスコアの割り当て(伸長ペナルティスコア)、
iii)同一アミノ酸のアラインメント時の高スコアの割り当ておよび
iv)非同一アミノ酸のアラインメント時の変数スコアの割り当て
を含む。
ほとんどアラインメントプログラムは、ギャップペナルティの改変を可能とする。しかしながら、このようなソフトウェアを配列比較に使用する場合にはデフォルト値を使用することが好ましい。
非同一アミノ酸のアラインメントに付与されるスコアは、置換行列とも呼ばれるスコアリング行列に従って割り当てられる。このような置換行列において提供されるスコアは、あるアミノ酸が別のアミノ酸により進化の間に置換される確率が変動し、置換され得るアミノ酸の物理的/化学的性質に依存するという事実を反映している。例えば、極性アミノ酸が別の極性アミノ酸により置換される確率は、疎水性アミノ酸により置換される場合と比較して高い。したがって、スコアリング行列は、同一アミノ酸に最大スコアを、非同一であるが類似のアミノ酸により低いスコアを、非同一で非類似のアミノ酸にさらにより低いスコアを割り当てる。最も高頻度に使用されるスコアリング行列は、PAM行列(Dayhoff et al.(1978)、Jones et al.(1992))、BLOSUM行列(Henikoff and Henikoff(1992))およびGonnet行列(Gonnet et al.(1992))である。
このようなアラインメントを実施するための好適なコンピュータプログラムとしては、限定されるものではないが、Vector NTI(Invitrogen Corp.)ならびにClustalV、ClustalWおよびClustalW2プログラム(Higgins DG&Sharp PM(1988)、Higgins et al.(1992)、Thompson et al.(1994)、Larkin et al.(2007)が挙げられる。様々なアラインメントツールの選択は、www.expasy.orgにおけるExPASy Proteomicsサーバから入手可能である。配列アラインメントを実施し得るソフトウェアの別の例はBLAST(Basic Local Alignment Search Tool)であり、それは現在http://www.ncbi.nlm.nih.gov/において見出すことができるNational Center for Biotechnology Informationのウェブページから入手可能であり、最初にAltschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215;403−410により記載された。
本発明の一実施形態において、アラインメントプログラムは、アラインメントを配列の全長にわたり最適化するグローバルアラインメントプログラムを実施している。さらなる実施形態において、グローバルアラインメントプログラムは、Needleman−Wunschアルゴリズム(Needleman,Saul B.;and Wunsch,Christian D.(1970).“A general method applicable to the search for similarities in the amino acid sequence of two proteins”.Journal of Molecular Biology 48(3):443−53)に基づく。Needleman−Wunschアルゴリズムを使用してグローバルアラインメントを実施する現在のプログラムの例は、EMBOSS NeedleおよびEMBOSS Stretcherプログラムであり、それらは両方ともhttp://www.ebi.ac.uk/Tools/psa/において入手可能である。
EMBOSS Needleは、Needle−Wunschアラインメントアルゴリズムを使用して最適なグローバル配列アラインメントを実施して2つの配列のそれらの全長に沿った最適なアラインメント(ギャップを含む)を見出す。
EMBOSS Stretcherは、より長い配列のグローバルアラインメントを可能とするNeedle−Wunschアルゴリズムの改変版を使用する。
一実施形態において、配列は、グローバルアラインメントプログラムによりアラインメントされ、配列同一性は、そのプログラムにより同定された完全一致の数を同定し、配列のギャップおよび突出部分を含む全アラインメントの長さである「アラインメント長」により除することにより算出される。さらなる実施形態において、グローバルアラインメントプログラムは、Needle−Wunschアルゴリズムを使用し、配列同一性は、そのプログラムにより同定された完全一致の数を同定し、配列のギャップおよび突出部分を含む全アラインメントの長さである「アラインメント長」により除することにより算出される。
いっそうさらなる実施形態において、グローバルアラインメントプログラムは、EMBOSS NeedleおよびEMBOSS stretcherからなる群から選択され、配列同一性は、そのプログラムにより同定された完全一致の数を同定し、配列のギャップおよび突出部分を含む全アラインメントの長さである「アラインメント長」により除することにより算出される。
ソフトウェアがアラインメントを生成すると、類似性%および配列同一性%を算出することが可能である。ソフトウェアは、典型的には、配列比較の一部としてこれを行い、数値結果を生成する。
一実施形態において、配列アラインメントの実施にClustalWソフトウェアを使用することが好ましい。好ましくは、ClustalWによるアラインメントは、ペアワイズアラインメントのための以下のパラメータにより実施される。
ClustalW2は、例えばEuropean Bioinformatics InstituteによりEMBL−EBIウェブページwww.ebi.ac.ukにおいて、ツール−配列分析−ClustalW2のもとインターネット上で入手可能となっている。現在、ClustalW2ツールの正確なアドレスはwww.ebi.ac.uk/Tools/clustalw2である。
別の実施形態において、配列アラインメントの実施にVector NTI(Invitrogen)におけるプログラムAlign Xを使用することが好ましい。一実施形態において、Exp10をデフォルト設定で使用することができる。
ギャップ開始ペナルティ:10
ギャップ伸長ペナルティ:0.05
ギャップ分離ペナルティ範囲:8
別の実施形態において、あるアミノ酸配列の、別のアミノ酸配列とのまたはそれに対するアラインメントは、スコア行列:blosum62mt2およびVectorNTIペアワイズアラインメント設定の使用により決定される。
好ましい実施形態において、あるアミノ酸配列の、別のアミノ酸配列とのまたはそれに対する同一性の割合は、タンパク質−タンパク質Blast検索(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov)、デフォルト設定:スコア行列:ワードサイズ3、blosum62置換行列、非冗長タンパク質配列データベースおよびblastアルゴリズムの使用により決定される。
用語「最適なアライメント」は、最大の同一性パーセントスコアを与えるアライメントを指す。
相同性は、当技術分野において公知の標準的技術を使用して決定される(例えば、Smith and Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981);Needleman and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970);Pearson and Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444(1988);プログラム、例えばWisconsin Genetics Software Package(Genetics Computer Group,Madison,WI)中のGAP、BESTHT、FASTAおよびTFASTA;ならびにDevereux el al.,Nucleic Acid Res.,12:387−395(1984)を参照のこと)。
相同配列は、公知の配列アラインメント法により決定される。「配列同一性」は、配列アライメント法により本明細書において決定される。一般に使用されるアラインメント法は、Altschul et al.により記載されるBLASTである(Altschul et al.,J.Mol.Biol.215:403−410(1990);およびKarlin et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5787(1993))。特に有用なBLASTプログラムは、WU−BLAST−2プログラムである(Altschul et al,Meth.Enzymol.266:460−480(1996)を参照のこと)。WU−BLAST−2はいくつかの検索パラメータを使用するが、それらのほとんどはデフォルト値に設定される。調整可能なパラメータは、以下の値を用いて設定される:オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11。HSP SおよびHSP S2パラメータは、動的値であり、特定の配列の組成および関心対象の配列が検索される特定のデータベースの組成に応じてプログラム自体により確立される。しかしながら、値は、感度を増加させるように調整することができる。
配列のアラインメントには他の方法が使用される。有用なアルゴリズムの一例は、PILEUPである。PILEUPは、累進ペアワイズアラインメントを使用して関連配列の群から多重配列アラインメントを作出する。これは、アラインメントを作出するために使用されるクラスタ関係を示す系統樹もプロットし得る。PILEUPは、FengおよびDoolittleの累進アラインメント法の簡略版を使用する(Feng and Doolittle,J.Mol.Evol.35:351−360(1987))。本方法は、HigginsおよびSharp(Higgins and Sharp,CABIOS 5:151−153(1989))により記載のものと類似する。有用なPILEUPパラメータは、デフォルトギャップウエイト3.00、デフォルトギャップ長さウエイト0.10および加重終了ギャップを含む。
本明細書において使用される用語「グルコアミラーゼ変異体」または「変異体」は、親グルコアミラーゼ配列と類似するが、それらの配列を親グルコアミラーゼと異なるものとする、それらのアミノ酸配列中の少なくとも1つの置換、欠失または挿入を有するグルコアミラーゼに関して使用される。一部の場合、これらは、それらの配列を親グルコアミラーゼと異なるものとする、それらのアミノ酸配列中の少なくとも1つの置換、欠失または挿入を含むように操作および/または遺伝子操作されている。
本明細書において使用される用語「触媒ドメイン」は、基質加水分解の触媒のための活性部位を含有するポリペプチドの構造領域を指し、例えば以下のTrGAの規定領域を参照のこと。
トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)からのグルコアミラーゼ中の触媒コアドメインとデンプン結合ドメインとの間の界面領域は、巨大分子タンパク質界面の調査のためのPDBePISA相互作用ツール(http://www.ebi.ac.uk/msd−srv/prot_int/pistart.html)の使用により、データベース検索およびPDBエントリーパラメータ:2VN4(R.Bott et al.,(2008)Biochemistry 47:5746−5754)を使用し、分子内界面分析のために鎖のアイデンティティを鎖A、残基1〜453;触媒コアドメインおよび鎖B、残基491〜599により改変して決定された。界面検索は、界面分析のためのデフォルト設定で実施した。
検索は、2つのドメイン間の連結表面区域における以下のアミノ酸残基をもたらし、それらは配列番号2の24、26、27、29、30、40、42、43、44、46、48、49、110、111、112、114、116、117、118、119、500、502、504、534、536、537、539、541、542、543、544、546、547、548、580、583、585、587、588、589、590、591、592、594および596位に対応し、Pymol(The PyMOL Molecular Graphics System,Version 1.2r3pre,Schroedinger,LLC.)を使用して手作業による調査により評価した。
本文脈において、用語「1〜484位におけるデンプン結合ドメインと直接接触していない残基」は、デンプン結合ドメイン中のアミノ酸残基との直接的な静電相互作用も、極性相互作用も、疎水性相互作用も有さない配列番号2の1〜484位におけるアミノ酸残基を意味する。1〜484位における大多数の残基は、TrGA(PDB ID:2VN4)の構造から把握されるとおり、直接接触していない。相互作用および関与残基のアイデンティティは、PISA ePDBサーバにより定義することができ、疎水性相互作用(ファンデルワールス)、水素結合、側鎖または主鎖原子間の双極性または他の直接的な静電相互作用からなっていてよい。したがって、一態様において、配列番号2の1から484の全ての残基は、配列番号2の残基24、26、27、29、30、40、42、43、44、46、48、49、110、111、112、114、116、117、118および119を除き、デンプン結合ドメインと直接接触していない。
用語「リンカー」は、デンプン結合ドメインを含むアミノ酸配列を、触媒ドメインを含むアミノ酸配列と共有結合させる、3〜40アミノ酸残基を一般に有する短いアミノ酸配列を指す。
用語「デンプン結合ドメイン」(SBD)は、デンプン基質に優先的に結合するアミノ酸配列を指す。SBDをいかに同定するかは当業者に周知であり、SBDは、炭水化物結合モジュール(CBM)の一例であり、CBMは、配列ベースの分類体系(http://www.cazy.org/Carbohydrate−Binding−Modules.html)を使用してCBMファミリーに分類されている。さらに、生デンプンまたはベータ−シクロデキストリン親和性クロマトグラフィーを使用して例えばSBDを含有する材料を単離することは当業者に周知である(Hamilton et al.(2000)Enzyme and Microbial Technology 26 p561−567)。一態様において、SBDのドメイン定義は、Pfamデータベース(http://pfam.sanger.ac.uk/またはwww.sanger.ac.uk/resources/databases/pfam.html)から採用され、それらのタンパク質ドメインファミリーのデータベースは配列類似性から生成される。したがって、一態様において、SBDは、Pfamデータベースにおける炭水化物結合モジュール20ファミリーにより定義されるとおりである。
本明細書において使用される用語「断片」は、例えば配列番号2のポリペプチドのアミノおよび/またはカルボキシル末端から1つ以上(いくつか)のアミノ酸が欠失しており、グルコアミラーゼ活性を有する変異体として定義される。一態様において、断片は、配列番号2または13のアミノおよび/またはカルボキシ末端から1つ以上(いくつか)のアミノ酸が欠失している。
本明細書において使用される用語「トランケート」は、親グルコアミラーゼ(または別の変異体)と比較して完全翻訳長さを達成せず、したがって親グルコアミラーゼ中に存在するアミノ酸の一部を欠くポリペプチドを指す。トランケーションは、通常、早期終結突然変異により行われるが、別の機序、例えば翻訳後修飾またはプロテアーゼ開裂により引き起こすことができる。
本明細書において使用される用語「突然変異配列」および「突然変異遺伝子」は、同義に使用され、宿主細胞の親配列中で生じる少なくとも1つのコドンにおける変更を有するポリヌクレオチド配列を指す。突然変異配列の発現産物は、親グルコアミラーゼに対して変更されたアミノ酸配列を有する変異体タンパク質である。発現産物は、変更された機能的能力(例えば向上した酵素活性または低減した熱安定性)を有し得る。
本明細書において使用されるポリペプチドに関する用語「特性」またはその文法上の等価物は、選択または検出することができるポリペプチドの任意の特徴または属性を指す。これらの特性としては、限定されるものではないが、酸化安定性、基質特異性、触媒活性、熱安定性、pH活性プロファイル、タンパク分解に対する耐性、K、KCAT、KCAT/K比、タンパク質フォールディング、基質結合能および分泌能が挙げられる。
本明細書において使用される核酸の文脈における用語「特性」またはその文法上の等価物は、選択または検出することができる核酸の任意の特徴または属性を指す。これらの特性としては、限定されるものではないが、遺伝子転写に影響を与える特性(例えばプロモーター強度またはプロモーター認識)、RNAプロセシングに影響を与える特性(例えばRNAスプライシングおよびRNA安定性)、翻訳に影響を与える特性(例えば調節、リボソームタンパク質へのmRNAの結合)が挙げられる。
用語「熱的に安定」および「熱安定」は、デンプン基質の加水分解の間に適用される条件下での所与の期間にわたるある温度に対する曝露後、例えば変更される温度に曝露されながらも、規定量の酵素活性を保持する本開示のグルコアミラーゼ変異体を指す。
特性、例えば熱安定性に関する用語「向上した安定性」は、親グルコアミラーゼと比較してどのように計測されても経時的に高度に保持される触媒活性またはデンプン加水分解活性を指す。
用語「熱不安定グルコアミラーゼ」は、所与の期間にわたるある温度への曝露後に検出可能な加水分解酵素活性を損失する本開示のグルコアミラーゼを指す。一態様において、用語「熱不安定グルコアミラーゼ」は、醸造プロセスの生産物の低温殺菌の間に適用される条件下での所与の期間にわたるある温度への曝露後に検出可能な加水分解酵素活性を損失する本開示のグルコアミラーゼを指す。低温殺菌の正確な条件(例えば低温殺菌単位)は、醸造プロセスにより生産されるビールの種類に依存する。低温殺菌されるビール中の熱不安定グルコアミラーゼの検出可能な加水分解活性の損失は、本明細書に記載のグルコアミラーゼ酵素アッセイを使用して検出し、そのアッセイにより計測される活性の損失により定義することができる。一態様において、「減少した熱安定性」は、親グルコアミラーゼと比較した場合、「より熱不安定」と同義に使用される。
用語「比活性」は、グルコアミラーゼタンパク質1mg当たりの活性と定義される。一部の実施形態において、グルコアミラーゼについての活性は、pNP−β−マルトシド基質を用いる特異的比色グルコアミラーゼアッセイにより決定され、定義されるアッセイ条件下で1分当たりでその基質から生産されるp−ニトロフェノールの量として表現される。一部の実施形態において、タンパク質濃度はブラッドフォードアッセイを使用して測定することができる。
用語「活性」および「生物学的に活性」は、特定のタンパク質と関連する生物学的活性を指す。所与のタンパク質の生物学的活性は、当業者によりそのタンパク質に典型的に帰属される任意の生物学的活性を指すことになる。例えば、グルコアミラーゼと関連する酵素活性は加水分解であり、したがって活性グルコアミラーゼは加水分解活性を有する。
本明細書において使用される用語「グルコアミラーゼ活性」は、デンプンならびに関連オリゴおよび多糖の非還元末端からのD−グルコースの放出を触媒する酵素の活性を指す。特に、グルコアミラーゼ活性は、3,5−ジニトロサリチル酸(DNS)法によりアッセイすることができる(Goto et al.,Biosci.Biotechnol.Biochem.58:49−54(1994)を参照のこと)。
本明細書において同義に使用される用語「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのいずれかの任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。これらの用語は、限定されるものではないが、一、二もしくは三本鎖DNA、ゲノムDNA、cDNA、RNA、DNA−RNAハイブリッドまたはプリンおよびピリミジン塩基もしくは他の天然、化学的、生化学的修飾、非天然もしくは誘導体化ヌクレオチド塩基を含むポリマーを含む。
本明細書において使用される用語「DNA構築物」、「形質転換DNA」および「発現ベクター」は、宿主細胞または生物中に配列を導入するために使用されるDNAを指すために同義に使用される。DNAは、PCRまたは当業者に公知の任意の他の好適な技術によりインビトロで生成することができる。DNA構築物、形質転換DNAまたは組換え発現カセットは、プラスミド、染色体、ミトコンドリアDNA、色素体DNA、ウイルスまたは核酸断片中に取り込むことができる。典型的には、発現ベクター、DNA構築物または形質転換DNAの組換え発現カセット部分は、他の配列の中でも、転写されるべき核酸配列およびプロモーターを含む。一部の実施形態において、発現ベクターは、異種DNA断片を取り込み、宿主細胞中で発現する能力を有する。
本明細書において使用される用語「ベクター」は、1つ以上の細胞型中に核酸を導入するために設計されたポリヌクレオチド構築物を指す。ベクターとしては、クローニングベクター、発現ベクター、シャトルベクター、プラスミド、カセットなどが挙げられる。
細胞中への核酸配列の導入に関して本明細書において使用される用語「導入される」は、核酸配列を細胞中に移行させるために好適な任意の方法を指す。このような導入方法としては、限定されるものではないが、プロトプラスト融合、形質移入、形質転換、コンジュゲーションおよび形質導入が挙げられる。
本明細書において使用される用語「形質転換された」および「安定的に形質転換された」は、ゲノム中に組み込まれ、またはエピソームプラスミドとして少なくとも2世代維持される非天然(異種)ポリヌクレオチド配列を有する細胞を指す。
本明細書において使用される用語「選択可能マーカー」および「選択マーカー」は、ベクターを含有する宿主の選択を容易とする宿主細胞中で発現し得る核酸(例えば遺伝子)を指す。典型的には、選択可能マーカーは、宿主細胞に対して抗菌耐性または代謝的利点を付与して外因性DNAを含有する細胞が形質転換の間にいかなる外因性配列も受容しなかった細胞と区別されるのを可能とする遺伝子である。
本明細書において使用される用語「プロモーター」は、下流の遺伝子の転写を指向するように機能する核酸配列を指す。プロモーターは、他の転写および翻訳調節核酸配列(「制御配列」とも称される)と一緒に、所与の遺伝子を発現させるために必要である。一般に、転写および翻訳調節配列としては、限定されるものではないが、プロモーター配列、リボソーム結合部位、転写開始および停止配列、翻訳開始および停止配列ならびにエンハンサーまたはアクチベーター配列が挙げられる。
核酸は、それが別の核酸配列と機能的関係に置かれる場合、「作動可能に結合している」。例えば分泌リーダー(すなわちシグナルペプチド)をコードするDNAは、それがポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現される場合、ポリペプチドについてのDNAに作動可能に結合し得る。一般に、「作動可能に結合している」は、結合しているDNA配列が連続しており、分泌リーダーの場合、連続しており、リーディングフェーズ(reading phase)中に存在することを意味する。
本明細書において使用される用語「遺伝子」は、ポリペプチドをコードし、コード領域に先行および後続する領域ならびに個々のコードセグメント(エキソン)間の介在配列(イントロン)を含むポリヌクレオチド(例えばDNAセグメント)を指す。
本明細書において使用される用語「ハイブリダイゼーション」は、当技術分野において公知の、核酸の鎖が塩基対形成を通して相補鎖と結合するプロセスを指す。
核酸配列は、2つの配列が中程度から高ストリンジェンシーハイブリダイゼーションおよび洗浄条件下で互いに特異的にハイブリダイズする場合、参照核酸配列に「選択的にハイブリダイズ可能」とみなされる。ハイブリダイゼーション条件は、核酸結合複合体またはプローブの融解温度(Tm)に基づく。例えば、「最高のストリンジェンシー」は、典型的には、約Tm−5℃(プローブのTの5℃下)で生じ、「高ストリンジェンシー」は、Tmの約5〜10℃下で生じ、「中ストリンジェンシー」は、プローブのTmの約10〜20℃下で生じ、「低ストリンジェンシー」は、Tmの約20〜25℃下で生じる。実用的には、最高のストリンジェンシー条件は、ハイブリダイゼーションプローブと厳密な同一性またはほぼ厳密な同一性を有する配列を同定するために使用することができる一方、中または低ストリンジェンシーハイブリダイゼーションは、ポリヌクレオチド配列相同体を同定または検出するために使用することができる。
中程度および高ストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件は、当技術分野において周知である。高ストリンジェンシー条件の例は、50%のホルムアミド、5×SSC、5×デンハルト溶液、0.5%のSDS、および100μg/mlの変性担体DNA中での約42℃におけるハイブリダイゼーションと、それに続く2×SSCおよび0.5%のSDS中での室温における2回の洗浄ならびに0.1×SSCおよび0.5%のSDS中での42℃における追加の2回の洗浄を含む。中程度ストリンジェント条件の例は、20%のホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%の硫酸デキストランおよび20mg/mlの変性煎断サケ精子DNAを含む溶液中での37℃における一晩のインキュベーションと、それに続く1×SSC中での約37〜50℃におけるフィルターの洗浄を含む。当業者は、因子、例えばプローブ長などを順応させるために必要に応じて温度、イオン強度などを調整する方法を理解している。
本明細書において使用される「組換え」は、異種もしくは同種核酸配列の導入により改変された細胞もしくはベクター、またはそのように改変された細胞に由来する細胞に対する言及を含む。したがって、例えば組換え細胞は、細胞の天然(非組換え)形態内で同一の形態で見出されない遺伝子を発現し、または計画的なヒトの介入の結果として他の場合には異常発現され、低発現され、もしくは全く発現されない天然遺伝子を発現する。
一実施形態において、突然変異DNA配列は、少なくとも1つのコドンおよび/またはヌクレオチドにおける部位飽和突然変異誘発により生成される。別の実施形態において、部位飽和突然変異誘発は、2つ以上のコドンについて実施される。さらなる実施形態において、突然変異DNA配列は、グルコアミラーゼDNA配列と約50%超、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超または98%超の同一性を有する。代替の実施形態において、突然変異DNAは、任意の公知の突然変異誘発手順、例えば放射線照射、ニトロソグアニジンなどを使用してインビボで生成することができる。次いで、所望のDNA配列を単離し、本明細書において提供される方法において使用することができる。
本明細書において使用される「異種タンパク質」は、宿主細胞中で天然に存在しないタンパク質またはポリペプチドを指す。
酵素が対応する野生型細胞中で発現されるレベルよりも高いレベルにおいて宿主細胞中で発現される場合、その酵素は宿主細胞中で「過剰発現される」。
用語「タンパク質」および「ポリペプチド」は、本明細書において同義に使用される。本開示および特許請求の範囲において、アミノ酸残基についての慣用の一文字および三文字コードが使用される。三文字コードは、IUPAC−IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature(JCBN)に準拠して定義されるアミノ酸をコードする。ポリペプチドが遺伝子コードの縮重に起因して2つ以上のヌクレオチド配列によりコードされ得ることも理解される。
本開示の変異体は、以下の命名法により記載される:[元のアミノ酸残基/位置/置換アミノ酸残基]。置換に好適な位置が本明細書において規定のアミノ酸を示唆せずに同定される場合、任意のアミノ酸残基がその位置に存在するアミノ酸残基に代えて置換されてよいことを理解されたい。
「プロ配列」は、タンパク質の分泌に必要な、シグナル配列と成熟タンパク質との間のアミノ酸配列である。プロ配列の開裂は、成熟活性タンパク質をもたらす。
用語「シグナル配列」または「シグナルペプチド」は、タンパク質の成熟または前駆体形態の分泌に関与し得るヌクレオチドおよび/またはアミノ酸の任意の配列を指す。シグナル配列のこの定義は、機能的な定義であり、タンパク質の分泌の達成に関与するタンパク質遺伝子のN末端部分によりコードされる全てのアミノ酸配列を含むことを意味する。これらは、普遍的ではないが、タンパク質のN末端部分に、または前駆体タンパク質のN末端部分に結合していることが多い。シグナル配列は、内因性でも外因性でもよい。シグナル配列は、タンパク質(例えばグルコアミラーゼ)と通常関連するものであり得、または別の分泌タンパク質をコードする遺伝子からのものであり得る。
タンパク質またはペプチドの用語「前駆体」形態は、タンパク質のアミノまたはカルボニル末端に作動可能に結合しているプロ配列を有するタンパク質の成熟形態を指す。前駆体は、プロ配列のアミノ末端に作動可能に結合している「シグナル」配列も有し得る。前駆体は、翻訳後活性に関与する追加のポリヌクレオチド(例えばそれから開裂され、タンパク質またはペプチドの成熟形態を残すポリヌクレオチド)も有し得る。
「宿主株」または「宿主細胞」は、本開示によるDNAを含む発現ベクターに好適な宿主を指す。
用語「に由来する」および「から得られる」は、当該生物の株により生産され、または生産可能なグルコアミラーゼだけでなく、そのような株から単離されたDNA配列によりコードされ、そのようなDNA配列を含有する宿主生物中で生産されるグルコアミラーゼも指す。さらにこの用語は、合成のおよび/またはcDNA起源のDNA配列によりコードされ、当該グルコアミラーゼの同定特徴を有するグルコアミラーゼを指す。
この定義の範囲内の「誘導体」は、一般に、誘導体が野生型、天然または親形態と類似する目的に有用である程度まで、グルコアミラーゼにおいて観察される特徴的な加水分解活性を保持する。グルコアミラーゼの機能誘導体は、本開示のグルコアミラーゼの一般的な特徴を有し、天然存在、合成または組換え生産ペプチドまたはペプチド断片を包含する。
用語「単離された」は、それが天然に存在する場合、天然環境から取り出された材料を指す。「精製」タンパク質は、少なくとも部分的に均一に精製されたタンパク質を指す。一部の実施形態において、精製タンパク質は、SDS−PAGEにより決定して約10%超純粋、任意選択で約20%超純粋、任意選択で約30%超純粋であり得る。本開示のさらなる態様は、SDS−PAGEにより決定して高度に精製された形態(すなわち約40%超純粋、約60%超純粋、約80%超純粋、約90%超純粋、約95%超純粋、約97%超純粋、さらには約99%超純粋)のタンパク質を包含する。
本明細書において使用される用語、「コンビナトリアル突然変異誘発」は、出発配列の変異体のライブラリーを生成する方法を指す。これらのライブラリーにおいて、変異体は、突然変異の所定のセットから選択される1つまたはいくつかの突然変異を含有する。さらに、本方法は、突然変異の所定のセットのメンバーでなかったランダム突然変異を導入するための手段を提供する。一部の実施形態において、本方法は、参照により本明細書に援用される米国特許第6,582,914号明細書に記載のものを含む。代替の実施形態において、コンビナトリアル突然変異誘発法は、市販のキットを包含する(例えばQuikChange(登録商標)Multisite,Stratagene,San Diego,CA)。
本明細書において使用される用語「突然変異体のライブラリー」は、ゲノムのほとんどが同一であるが、1つ以上の遺伝子の異なる相同体を含む細胞の集団を指す。このようなライブラリーは、例えば改善された形質を有する遺伝子またはオペロンを同定するために使用することができる。
本明細書において使用される用語「乾燥固体含有率(DSまたはds)」は、乾燥重量基準の%でのスラリーの総固体を指す。
本明細書において使用される用語「イニシャルヒット(initial hit)」は、コンビナトリアルコンセンサス突然変異誘発ライブラリーをスクリーニングすることにより同定された変異体を指す。一部の実施形態において、イニシャルヒットは、出発遺伝子と比較して改善された性能特徴を有する。
本明細書において使用される用語「改善されたヒット(improved hit)」は、向上したコンビナトリアルコンセンサス突然変異誘発ライブラリーをスクリーニングすることにより同定された変異体を指す。
本明細書において使用される用語「標的特性」は、変更すべき出発遺伝子の特性を指す。本開示は、いかなる特定の標的特性にも限定されるものではない。しかしながら、一部の実施形態において、標的特性は、遺伝子産物の安定性(例えば変性、タンパク質分解または他の分解性因子に対する耐性)である一方、他の実施形態において、生産宿主における生産のレベルが変更される。実際に、出発遺伝子のあらゆる特性が本開示において使用されることが企図される。用語の他の定義は、本明細書の全体にわたり記載され得る。
本明細書において使用される用語「組成物」は、例えば本発明により調製される飲料、食料または飼料成分の形態の調製物に関し、使用および/または適用方式および/または施与方式に応じて溶液の形態で、または固体として存在し得る。固体形態は、乾燥酵素粉末または粒状酵素のいずれかとして存在し得る。組成物は、本発明による変異体、酵素担体ならびに任意選択で安定剤および/または保存剤を含み得る。酵素担体は、グリセロールまたは水からなる群から選択することができる。調製物は、安定剤および含み得る。安定剤は、無機塩、ポリオール、糖およびそれらの組合せからなる群から選択することができる。さらに、安定剤は、無機塩、例えば塩化カリウムであり得る。別の態様において、ポリオールは、グリセロール、プロピレングリコールまたはソルビトールである。糖は、小分子炭水化物、特にいくつかの甘味小分子炭水化物のいずれか、例えばグルコース、フルクトースおよびサッカロースである。いっそうさらなる態様において、調製物は、保存剤を含み得る。一態様において、保存剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンゾエート、ソルベートもしくは他の食料承認保存剤またはそれらの混合物である。
本文脈において、用語「発酵」は、微生物を培養物中で生育させることにより組成物、例えば発酵飲料および/または物質を提供することを指す。酵素(例えばグルコアミラーゼ)生産に関して、用語「発酵」は、微生物培養プロセスにおける酵素の生産を含むプロセスを指す。醸造に関して、用語「発酵」は、醸造酵母中の酵素による麦汁中の糖のエタノールおよび二酸化炭素への転換と他の発酵副生物の形成を指す。
本明細書において使用される「発酵飲料を生産する方法」、例えばビールを生産する方法は、一般に、例えばグリストをベースとするマッシュを調製し、マッシュをろ過して麦汁および使用済み穀物を得、麦汁を発酵させて発酵飲料を得る工程を含む。
本明細書において使用される用語「デンプンおよび/または糖含有植物材料」は、任意の植物および植物部分、例として塊茎、根、茎、葉および種子に由来し得るデンプンおよび/または糖含有植物材料を指す。「デンプンおよび/または糖含有植物材料」は、例えば1つ以上の穀類、例えばオオムギ、コムギ、トウモロコシ、ライムギ、ソルガム、キビまたはイネおよびそれらの任意の組合せであり得る。デンプンおよび/または糖含有植物材料は、加工、例えば製粉、麦芽化、部分麦芽化することができ、または非麦芽化であってよい。非麦芽化穀類は、「生穀物」とも呼ばれる。非穀類デンプン含有植物材料の例は、例えば塊茎を含む。
本明細書において使用される用語「グリスト」は、マッシングに好適な任意の加工デンプンおよび/または糖含有植物材料を指す。本明細書において企図される用語「グリスト」は、任意の植物および植物部分、例として塊茎、根、茎、葉および種子に由来し得る任意のデンプンおよび/または糖含有植物材料を含み得る。加工の例は、製粉および/または摩砕を含み、通常、粉ではなく粗い材料を提供する。本文脈に関して、グリストは、穀物、例えばオオムギ、コムギ、ライムギ、オートムギ、コーン(トウモロコシ)、イネ、ミロ、キビおよびソルガムからの穀物からの加工材料を含み得、より好ましくは、麦汁のグリストの少なくとも10%またはより好ましくは、少なくとも15%、いっそうより好ましくは、少なくとも25%または最も好ましくは、少なくとも35%、例えば少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%またはさらには100%(w/w)が穀物に由来する。一部の実施形態において、グリストは、キャッサバ[Manihot esculenta]の根から得られるデンプンおよび/または糖含有植物材料を含み得る。グリストは、麦芽化穀物、例えばオオムギ麦芽を含み得る。好ましくは、麦汁のグリストの少なくとも10%またはより好ましくは、少なくとも15%、いっそうより好ましくは、少なくとも25%または最も好ましくは、少なくとも35%、例えば少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%またはさらには100%(w/w)が麦芽化穀物に由来する。
本明細書において使用される用語「麦芽」は、任意の麦芽化穀物粒、例えば麦芽化オオムギまたはコムギとして理解される。
一態様において、ビールの生産に関して選択されたオオムギの品種から主として生産された麦芽を使用する場合、麦芽は、ビールの全体の特徴および品質に対して最大の効果を有する。第1に、麦芽は、ビールにおける主要な香味料である。第2に、麦芽は、発酵性糖の大部分を提供する。第3に、麦芽は、ビールの本体および発泡特徴に寄与するタンパク質を提供する。第4に、麦芽は、任意選択で外因性酵素の添加により補完されるマッシングの間の酵素活性を提供する。第5に、麦芽使用済み穀物は、典型的には、ロータリングまたはマッシュろ過によるマッシング後の麦汁の分離のためのろ過媒体を提供する。
本明細書において使用される用語「副原料」は、オオムギ麦芽でない任意のデンプンおよび/または糖含有植物材料を指す。副原料の例として、一般的なコーン(トウモロコシ)グリッツ、精製コーン(トウモロコシ)グリッツ、醸造製粉酵母、イネ、ソルガム、精製コーン(トウモロコシ)デンプン、オオムギ、オオムギデンプン、穀皮除去(dehusked)オオムギ、コムギ、コムギデンプン、半炭化穀類、穀類フレーク、ライムギ、オートムギ、ジャガイモ、タピオカおよびシロップ、例えばコーン(トウモロコシ)シロップ、サトウキビシロップ、転化糖シロップ、オオムギおよび/またはコムギシロップなどのような材料を挙げることができ、デンプンの供給源として使用することができる。デンプンは、最終的にはデキストリンおよび発酵性糖に変換される。一態様において、「副原料」は、キャッサバ[Manihot esculenta]の根から得られるデンプンおよび/または糖含有植物材料を含む。
本明細書において使用される用語「マッシュ」は、任意のデンプンおよび/または糖含有植物材料、例えばグリスト、例えば後に麦汁および使用済み穀物に分離すべき水と混合している破砕オオムギ麦芽、破砕オオムギおよび/もしくは他の副原料またはそれらの組合せを含むグリストの水性スラリーを指す。
本明細書において使用される用語「麦汁」は、マッシングの間にグリストを抽出した後の未発酵汁の流出液を指す。
本明細書において使用される用語「使用済み穀物」は、グリストが抽出され、麦汁がマッシュから分離されたときに残留する排出固体を指す。「使用済み穀物」は、例えば飼料として使用することができる。
本明細書において使用される麦汁における用語「抽出物回収率」は、乾物に基づく割合で表現される、グリスト(麦芽および/または副原料)から抽出される可溶性物質の合計を指す。
本明細書において使用される用語「ホップ」は、ビール品質、例として香味付けへの顕著な寄与におけるその使用を指す。特に、ホップ(またはホップ構成要素)は、所望の苦味物質をビールに添加する。さらに、ホップはタンパク質沈殿剤として作用、保存剤として定着し、泡形成および安定化を促進し得る。
本明細書において使用される用語「飲料」および「飲料生産物」は、ビール、例えばフルモルトビール(full malted beer)、「ビール純粋令」のもと醸造されたビール、エール、IPA、ラガー、ビター、発泡酒(第2のビール)、第3のビール、ドライビール、ニアビール、ライトビール、低アルコールビール、低カロリービール、ポーター、ボックビール、スタウト、モルトリカー、ノンアルコールビール、ノンアルコールモルトリカーなどを含む。用語「飲料」または「飲料生産物」は、代替穀類および麦芽飲料、例えば果実風味の麦芽飲料、例えば柑橘風味、例えばレモン、オレンジ、ライムもしくはベリー風味の麦芽飲料、リカー風味の麦芽飲料、例えばウォッカ、ラムもしくはテキーラ風味のモルトリカーまたはコーヒー風味の麦芽飲料、例えばカフェイン風味のモルトリカーなども含む。さらなる態様において、飲料または飲料生産物は、アルコールまたはノンアルコール飲料、例えば穀類または麦芽ベース飲料、例えばビールまたはウイスキー、例えばワイン、シードル、酢、日本酒、醤油またはジュースである。
本明細書において使用される用語「麦芽飲料」は、フルモルトビール、エール、IPA、ラガー、ビター、発泡酒(第2のビール)、第3のビール、ドライビール、ニアビール、ライトビール、低アルコールビール、低カロリービール、ポーター、ボックビール、スタウト、モルトリカー、ノンアルコールモルトリカーなどのような麦芽飲料を含む。用語「麦芽飲料」は、代替麦芽飲料、例えば果実風味の麦芽飲料、例えば柑橘風味、例えばレモン、オレンジ、ライムもしくはベリー風味の麦芽飲料、リカー風味の麦芽飲料、例えばウォッカ、ラムもしくはテキーラ風味のモルトリカーまたはコーヒー風味の麦芽飲料、例えばカフェイン風味のモルトリカーなども含む。
本発明に関して、用語「ビール」は、デンプン含有植物材料の発酵/醸造により生産される任意の発酵麦汁を含むことを意味し、したがって特にもっぱら麦芽もしくは副原料または麦芽および副原料の任意の組合せから生産されるビールも意味する。
ビールは、種々のデンプンおよび/または糖含有植物材料(穀物粒および/または麦芽であることが多い)から本質的に同一のプロセスにより作製することができる。穀物デンプンは、グルコース残基がアルファ−1,4−またはアルファ−1,6−結合により連結しており、前者が優勢なグルコースホモポリマーであると考えられる。
本明細書において使用される用語「ピルスナービール」は、通常、通常(例えばヘレス)のペールラガーよりも顕著なホップ特徴を有するペール下面発酵ラガー(ピルスナー麦芽から作製)を指す。
本明細書において使用される用語「ライトビール、低減カロリービールまたは低カロリービール」は、近年、特に米国市場において広く普及してきた醸造飲料を指す。米国において定義されるとおり、これらの高希薄化ビールは、製造業者の「通常の」ビール」よりも約30%少ないカロリーを有する。
本明細書において使用される用語「ノンアルコールビール」または「低アルコールビール」は、体積基準で最大0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%のアルコールを含有するビールを指す。ノンアルコールビールは、特別なアルコールを生産しない「酵母」を用いる特別な方法(発酵停止)により醸造することができ、または慣習的な方法によるが、醸造プロセスの仕上げ段階の間にアルコールを例えば水およびアルコールの異なる沸点を利用することにより真空蒸発により除去して醸造することができる。
本明細書において使用される用語「低カロリービール」または「低炭水化物含有量(ローカーボ)を有するビール」は、0.75g/100g以下の炭水化物含有量を有し、約90〜92%の発酵度を有するビールと定義される。
本明細書において使用される用語「低温殺菌」は、加熱による水溶液中の微生物の殺滅を意味する。醸造プロセスにおける低温殺菌の実行は、典型的には、フラッシュ低温殺菌器またはトンネル低温殺菌器(tunnel pasteuriser)の使用を通してのものである。本明細書において使用される用語「低温殺菌単位(pasteurisation unit)またはPU」は、低温殺菌の量的尺度を指す。ビールについての1低温殺菌単位(1PU)は、摂氏60度における1分間の熱保持として定義される。以下のとおり計算する。
PU=t×1.393(T−60)
t=低温殺菌器中の低温殺菌温度における時間(分)
T=低温殺菌器中の温度(摂氏度)
(T−60)は、(T−60)の指数を表す]
ビールの種類、原料および微生物汚染、醸造業者ならびにビールの風味に対する知覚効果に応じて様々な最小PUを使用することができる。典型的には、ビールの低温殺菌に14〜15PUが要求される。低温殺菌設備に応じて、低温殺菌温度は典型的には64〜72摂氏度の範囲であり、低温殺菌時間はそれに応じて算出される。さらなる情報は、“Technology Brewing and Malting”by Wolfgang Kunze of the Research and Teaching Institute of Brewing,Berlin(VLB),3rd completely updated edition,2004,ISBN 3−921690−49−8に見出すことができる。
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別記しない限り、その範囲の上限値および下限値の間の、下限値の単位の10分の1までのそれぞれの介在値も具体的に開示されることが理解される。任意の指定値または指定範囲における介在値および任意の他の指定値またはその指定範囲における介在値の間のそれぞれのより小さな範囲が、本開示内に包含される。これらのより小さな範囲の上限値および下限値は、その範囲中で独立して含まれても除外されてもよく、指定範囲における任意の具体的に除外された限界次第で、より小さな範囲においていずれかの限界が含まれ、いずれも含まれず、または両方とも含まれるそれぞれの範囲も本開示内に包含される。指定範囲が限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外する範囲も本開示に含まれる。
例示的な実施形態がより詳細に記載される前に、本開示は、記載される特定の実施形態に限定されず、したがって無論変動し得ることが理解されたい。本明細書に記載のものと類似のまたは等価な任意の方法および材料を、本開示の実施または試験において使用することができるが、目下、例示的な方法および材料が記載される。
本明細書においておよび添付の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に別記しない限り、複数の指示物を含む。したがって、例えば「遺伝子」への言及は、複数のそのような候補作用物質を含み、「細胞」への言及は、当業者に公知の1つ以上の細胞およびその均等物への言及を含む、などである。
本明細書において考察される刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示について提供されるにすぎない。本明細書において、本開示が先行発明によりそのような刊行物に先行する権利がないことが認められると解釈されるものは存在しない。
3.グルコアミラーゼポリペプチド
親グルコアミラーゼ
一部の実施形態において、本開示は、グルコアミラーゼ変異体を提供する。グルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼの変異体であり、それは触媒ドメインおよびデンプン結合ドメインの両方を含み得る。一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号1、2、3、5、6、7、8、9もしくは13において示されるアミノ酸配列を有し、または配列番号1、2、3、5、6、7、8、9もしくは13において示されるアミノ酸配列の1つ以上と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約99%もしくは約99.5%の配列同一性を示すアミノ酸配列を有する触媒ドメインを含む。さらに他の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号1、2または3のアミノ酸配列の1つを有するグルコアミラーゼの触媒ドメインをコードするDNAと中程度、高度またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA配列によりコードされる触媒ドメインを含む。
一態様において、本明細書に記載の変異体は、多くとも480、481、482、483、484、485、486、487、488、489、490、495、500、505、507、515、525、535、545、555、565または573アミノ酸残基を有する。
一態様において、本明細書に記載の変異体は、多くとも15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1のアミノ酸残基置換を有する。
一態様において、本明細書に記載の変異体は、多くとも20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1アミノ酸残基の長さが欠失している。
一態様において、本明細書に記載の変異体は、多くとも20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1アミノ酸残基の長さの挿入を有する。
一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号1、2、11、24、25、26、27、28もしくは29において示されるアミノ酸配列を有し、または配列番号1、2、11、24、25、26、27、28もしくは29において示されるアミノ酸配列の1つ以上と少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約99%もしくは約99.5%の配列同一性を示すアミノ酸配列を有するデンプン結合ドメインを含む。さらに他の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号1、2または11のアミノ酸配列の1つを有するグルコアミラーゼのデンプン結合ドメインをコードするDNAと中程度、高度またはストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA配列によりコードされるデンプン結合ドメインを含む。
グルコアミラーゼの予測構造および既知配列は、真菌種の中で保存されている(Coutinho et al.,1994,Protein Eng.,7:393−400およびCoutinho et al.,1994,Protein Eng.,7:749−760)。一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、糸状菌グルコアミラーゼである。一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、トリコデルマ属(Trichoderma)株(例えばT.リーゼイ(T.reesei)、T.ロンギブラキアタム(T.longibrachiatum)、T.ストリクチピリス(T.strictipilis)、T.アスペレルム(T.asperellum)、T.コニラングブラ(T.konilangbra)およびT.ハジアヌム(T.hazianum))、アスペルギルス属(Aspergillus)株(例えばクロコウジカビ(A.niger)、A.ニデュランス(A.nidulans)、カワチコウジカビ(A.kawachi)、アワモリコウジカビ(A.awamori)およびA.オルジアエ(A.orzyae))、タラロミセス属(Talaromyces)株(例えばT.エメルソニイ(T.emersonii)、T.サーモフィラス(T.thermophilus)およびT.デュポンティ(T.duponti))、ヒポクレア属(Hypocrea)株(例えばH.ゲラチノサ(H.gelatinosa)、H.オリエンタリス(H.orientalis)、H.ビノサ(H.vinosa)およびH.シトリナ(H.citrina))、フザリウム属(Fusarium)株(例えばF.オキシスポラム(F.oxysporum)、F.ロゼウム(F.roseum)およびF.ベネナタム(F.venenatum))、ニューロスポラ属(Neurospora)株(例えばアカパンカビ(N.crassa))ならびにフミコラ属(Humicola)株(例えばH.グリセア(H.grisea)、H.インソレンス(H.insolens)およびH.ラヌギノス(H.lanuginose))、アオカビ属(Penicillium)株(例えばP.ノタタム(P.notatum)またはアオカビ(P.chrysogenum))またはサッカロミコプシス属(Saccharomycopsis)株(例えばS.フィブリゲラ(S.fibuligera))から得られる。
一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは細菌グルコアミラーゼであり得る。例えば、ポリペプチドは、グラム陽性細菌株、例えばバシラス属(Bacillus)株(例えばB.アルカロフィラス(B.alkalophilus)、B.アミロリクエファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.レンタス(B.lentus)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)、枯草菌(B.subtilis)およびB.チューリンゲンシス(B.thuringiensis))またはストレプトミセス属(Streptomyces)株(例えばS.リビダンス(S.lividans))から得ることができる。
一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号3のTrGAアミノ酸配列の触媒ドメインと少なくとも約80%、約85%、約90%、約93%、約95%、約97%、約98%または約99%の配列同一性を有する触媒ドメインを含む。
他の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号5または配列番号6のアスペルギルス属(Aspergillus)親グルコアミラーゼの触媒ドメインと少なくとも約90%、約93%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の配列同一性を有する触媒ドメインを含む。
さらに他の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号8のフミコラ・グリセア(Humicola grisea)(HgGA)親グルコアミラーゼの触媒ドメインと少なくとも約90%、約95%、約97%または約99%の配列同一性を有する触媒ドメインを含む。
一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号1、2または11のTrGAアミノ酸配列のデンプン結合ドメインと少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約97%または約98%の配列同一性を有するデンプン結合ドメインを含む。
他の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号24のフミコラ・グリセア(Humicola grisea)(HgGA)グルコアミラーゼの触媒ドメインと少なくとも約90%、約95%、約97%または約99%の配列同一性を有するデンプン結合ドメインを含む。
他の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号29のチエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)(TtGA)グルコアミラーゼの触媒ドメインと少なくとも約90%、約95%、約97%または約99%の配列同一性を有するデンプン結合ドメインを含み、図10Dおよび10Eにおけるアラインメントも参照のこと。
他の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号25のサーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)(ThGA)グルコアミラーゼの触媒ドメインと少なくとも約90%、約95%、約97%または約99%の配列同一性を有するデンプン結合ドメインを含む(図10Dおよび10E)。
他の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号26のタラロミセス・エメルソニイト(Talaromyces emersoniit)(TeGA)グルコアミラーゼの触媒ドメインと少なくとも約90%、約95%、約97%または約99%の配列同一性を有するデンプン結合ドメインを含む。
さらに他の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号27または配列番号28のアスペルギルス属(Aspergillus)親グルコアミラーゼのデンプン結合ドメインと少なくとも約90%、約93%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の配列同一性を有するデンプン結合ドメインを含む。
一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号1または2のTrGAアミノ酸配列と少なくとも約80%、約85%、約88%、約90%、約93%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の配列同一性を有する。
さらなる実施形態において、トリコデルマ属(Trichoderma)グルコアミラーゼ相同体は、トリコデルマ属(Trichoderma)株またはヒポクレア属(Hypocrea)株から得られる。一部の典型的なトリコデルマ属(Trichoderma)グルコアミラーゼ相同体は、米国特許第7,413,887号明細書に記載されており、具体的にはこの参考文献の配列番号17〜22および43〜47に記載のアミノ酸配列が参照される。
一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号2のアミノ酸配列を含むTrGAまたはTrGA配列(配列番号2)に対して少なくとも約80%、約85%、約88%、約90%、約93%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%の配列同一性を有するトリコデルマ属(Trichoderma)グルコアミラーゼ相同体である。
親グルコアミラーゼは、標準的な組換えDNA技術を使用して単離および/または同定することができる。当業者に公知の任意の標準的技術を使用することができる。例えば、グルコアミラーゼの保存領域に特異的なプローブおよび/またはプライマーを使用して細菌または真菌細胞中の相同体(触媒ドメイン、活性部位など)を同定することができる。あるいは、縮重PCRを使用して細菌または真菌細胞中の相同体を同定することができる。一部の場合、例えばデータベース中の既知配列を、既知グルコアミラーゼ、例として配列番号2または既知デンプン結合ドメイン、例として配列番号11の1つに対する配列および/または構造的同一性について分析することができる。機能アッセイを使用して細菌または真菌細胞中のグルコアミラーゼ活性を同定することもできる。グルコアミラーゼ活性を有するタンパク質を単離および逆配列決定(reverse sequence)して対応するDNA配列を単離することができる。このような方法は、当業者に公知である。
グルコアミラーゼ構造的相同性
分子生物学のセントラルドグマは、特定の酵素についての遺伝子をコードするDNAの配列がタンパク質のアミノ酸配列を決定し、この配列は次に酵素の三次元フォールディングを決定する、というものである。このフォールディングにより、触媒中心および基質結合表面を作出する異なる残基が集められ、これにより当該酵素の高い特異性および活性がもたらされる。
グルコアミラーゼは、3つもの区別される構造ドメイン、全てのグルコアミラーゼにおいて構造的に保存される約450残基の触媒ドメイン、一般に、それに続く約100残基のデンプン結合ドメインに連結している30〜80残基からなるリンカー領域からなる。インタクトな3つ全ての領域を有するトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼの構造は、本明細書において1.8オングストロームの分解能まで決定された(参照により本明細書に援用される国際公開第2009/067218号パンフレット(Danisco US Inc.,Genencor Division)94〜216ページの表20および参照により本明細書に援用される国際公開第2009/067218号パンフレット(Danisco US Inc.,Genencor Division)89〜93ページの実施例11を参照のこと)。座標(参照により本明細書に援用される国際公開第2009/067218号パンフレット(Danisco US Inc.,Genencor Division)94〜216ページの表20を参照のこと)を使用して、構造を既に決定されたアワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)株X100からのグルコアミラーゼの触媒ドメインの座標(Aleshin,A.E.,Hoffman,C.,Firsov,L.M.,and Honzatko,R.B.Refined crystal structures of glucoamylase from Aspergillus awamori var.X100.J.Mol.Biol.238:575−591(1994))とアライメントした。アワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)結晶構造は、触媒ドメインのみを含んだ。図6Aおよび7において把握されるとおり、触媒ドメインの構造は、極めて密接に重複し、この構造的な重ね合せに基づき等価残基を同定することが可能である。全てのグルコアミラーゼは図6Aおよび7に示される基本構造を共有すると考えられる。
したがって、TrGAの触媒ドメインは、約450残基、例えばTrGA配列番号2の残基1〜453を有し、12ヘリックス二重バレルドメインである。触媒ドメインのヘリックスおよびループは、それらを形成する配列番号2を有するTrGAの残基に関して定義することができる。
リンカードメインは、30〜80残基、例えば配列番号2を有するTrGAの残基454〜490を有する。
TrGAのデンプン結合ドメインは、約100残基、例えば2つのねじれ三本鎖シートから構成されるベータサンドイッチからなる配列番号2を有するTrGAの残基496〜596を有する。デンプン結合ドメインのシート、ヘリックスおよびループは、それらを形成する配列番号2を有するTrGAの残基に関して定義することができる。
デンプン結合ドメインの表面に対するTrGA中の触媒ドメインの位置決めは、2つのドメイン間における界面領域を残す。この連結表面区域は、TrGA(配列番号2)中の以下の位置に対応する:24、26、27、29、30、40、42、43、44、46、48、49、110、111、112、114、116、117、118、119、500、502、504、534、536、537、539、541、542、543、544、546、547、548、580、583、585、587、588、589、590、591、592、594および596。TrGAの三次元構造中のこれらの残基の位置を図6Bに示す。
以下にさらに詳細に記載されるとおり、他のグルコアミラーゼ中の構造的な重ね合せに基づき等価残基を同定することが可能である。
図6Aは、側面から見た配列番号2のトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ(黒色)およびアスペルギルス・アワモリイ(Aspergillus awamorii)グルコアミラーゼ(灰色)の三次元構造の比較である。この見方において、触媒ドメインとリンカー領域とデンプン結合ドメインとの間の関係を把握することができる。
図6Bは、側面から見たトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ(黒色)(配列番号2)の三次元構造を示し、触媒ドメインとデンプン結合ドメインとの間で界面領域を形成する残基を強調する(暗灰色の触媒ドメインからの残基および淡灰色のデンプン結合ドメインからの残基)。
図7は、上面から見た配列番号2のトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ(黒色)およびアスペルギルス・アワモリイ(Aspergillus awamorii)グルコアミラーゼ(灰色)の三次元構造の比較である。本明細書に示されるグルコアミラーゼおよび実際、現在までに公知の全てのグルコアミラーゼは、この構造的相同性を共有する。構造の保存は、全てのグルコアミラーゼについての活性の保存および作用機序の保存と相関する。この高い相同性を考慮すると、変更された機能をもたらすトリコデルマ属(Trichoderma)グルコアミラーゼの部位特異的変異体から生じる変化は、他のグルコアミラーゼにおいて類似する構造的な、したがって機能的な結果も有する。したがって、変異体が所望の利益をもたらす本教示は、他のグルコアミラーゼに適用することができる。
さらなる結晶構造は、デンプン結合ドメイン(SBD)について、参照により本明細書に援用される国際公開第2009/067218号パンフレット(Danisco US Inc.,Genencor Division)94〜216ページの表20中の座標を使用して生成した。TrGAについてのSBDを、クロコウジカビ(A.niger)についてのSBDとアライメントした。図8に示されるとおり、クロコウジカビ(A.niger)およびTrGAのSBDの構造は、極めて密接に重複する。全てのデンプン結合ドメインは、図8に示される基本構造の少なくとも一部を共有する一方、一部のSBDは、他のものよりも構造的に類似していると考えられる。例えば、TrGA SBDは、CAZYデータベース(cazy.org)内の炭水化物結合モジュール20ファミリー内として分類することができる。CAZYデータベースは、グリコシド結合を分解、改変または作出する酵素の構造的に関連する触媒および炭水化物結合モジュール(または機能ドメイン)のファミリーを記載している。高い構造的相同性を考慮すると、変更された機能をもたらすTrGA SBDの部位特異的変異体は、TrGA SBD、特に炭水化物結合モジュール20ファミリー内に分類されるものと類似する構造を有するSBDを有する他のグルコアミラーゼにおいて類似する構造的な、したがって機能的な結果も有する。したがって、変異体が所望の利益をもたらす本教示は、構造的類似性を有する他のSBDに適用することができる。
したがって、本明細書において考察されるアミノ酸位置番号は、配列番号2を有する成熟トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ配列に割り当てられるものを指す。しかしながら、本開示は、トリコデルマ属(Trichoderma)グルコアミラーゼの変異体に限定されるものではなく、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ(配列番号2)中の特定の同定残基と「等価な」位置においてアミノ酸残基を含有するグルコアミラーゼまで及ぶ。本開示の一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、タラロミセス属(Talaromyces)GAであり、置換は、本明細書に記載のもののとおり、タラロミセス属(Talaromyces)グルコアミラーゼ(例えば配列番号23を参照のこと)中の等価アミノ酸残基位置においてなされる。他の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号1、2、13、18、19、20、21および22を含む。
「構造的同一性」は、アミノ酸残基が等価かどうかを決定する。2つの構造(三次元およびアミノ酸構造)がアライメントされる場合、構造的同一性は、相関的なトポロジー的等価性である。グルコアミラーゼのある残基(アミノ酸)位置は、それが(化学的に結合し、反応し、相互作用する同一または類似の機能的能力を有する)T.リーゼイ(T.reesei)グルコアミラーゼ中の特異的残基またはその残基の一部と相同(すなわち一次または三次構造のいずれかにおける位置において対応する)または相似である場合、T.リーゼイ(T.reesei)グルコアミラーゼの残基と「等価である」。
一次構造に対する同一性を確立するため、グルコアミラーゼのアミノ酸配列は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ一次配列と、特に、配列が既知グルコアミラーゼ中で不変であることが既知の残基のセットと直接比較することができる。例えば、本明細書における図10Aおよび10Bは、グルコアミラーゼ間の保存残基を示す。図10Dおよび10Eは、種々のグルコアミラーゼからのデンプン結合ドメインのアライメントを示す。保存残基をアライメントし、アライメントを維持するために必要な挿入および欠失を考慮に入れた(すなわち、任意の欠失および挿入を通して保存残基の排除を回避した)後、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼの一次配列中の特定のアミノ酸と等価な残基が定義される。保存残基のアライメントは、典型的には、そのような残基の100%を保存するはずである。しかしながら、保存残基の約75%超または約50%ほどのアライメントも、等価残基を定義するために適切である。さらに、構造的同一性を配列同一性との組合せで使用して等価残基を同定することができる。
例えば、図10Aおよび10Bにおいて、6種の生物からのグルコアミラーゼの触媒ドメインをアラインメントしてアミノ酸配列間の相同性の最大値を提供する。これらの配列の比較は、アスタリスクにより示されるとおり、それぞれの配列中に含有される多くの保存残基が存在することを示す。したがって、これらの保存残基を使用して他のグルコアミラーゼ、例えばクロコウジカビ(Aspergillus niger)からのグルコアミラーゼ中の、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼの対応する等価アミノ酸残基を定義することができる。同様に、図10Dおよび10Eは、等価残基を同定するためにアライメントされた7種の生物からのグルコアミラーゼのデンプン結合ドメインを示す。
構造的同一性は、2つの構造間の等価残基の同定を含む。「等価残基」は、三次構造がX線結晶解析により決定された酵素について、三次構造のレベルにおける相同性(構造的同一性)を決定することにより定義することができる。等価残基は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼの特定のアミノ酸残基の主鎖原子の2つ以上の原子座標(N対N、CA対CA、C対CおよびO対O)が、アライメント後に0.13nm、任意選択で0.1nm以内に存在するものとして定義される。一態様において、少なくとも4つの考えられる主鎖原子の2または3つが、アライメント後に0.1nm以内に存在する。アライメントは、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼに対して当該グルコアミラーゼの非水素タンパク質原子の原子座標の最大重複を与えるように最良のモデルが配向および位置決めされた後に達成される。最良のモデルは、利用可能な最大分解能における実験回折データについて最小のRファクターを与える結晶学的モデルである。
トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼの特異的残基と機能的に相似する等価残基は、それらがトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼの特異的残基に対して定義され、それに帰属される様式で、タンパク質構造、基質結合または触媒作用を変更、改変またはそれに寄与するように立体配座を採り得る酵素のアミノ酸として定義される。さらに、それらは、所与の残基の主鎖原子が相似位置の占有に基づく等価性の基準を満たさなくてもよいが、残基の側鎖原子の少なくとも2つの原子座標が、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼの対応する側鎖原子から0.13nmに存在する程度まで相似位置を占有する(三次構造がX線結晶解析により得られた)酵素の残基である。トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼの三次元構造の座標は、参照により本明細書に援用される国際公開第2009/067218号パンフレット(Danisco US Inc.,Genencor Division)94〜216ページの表20に記載されており、上記概説のとおり使用して三次構造のレベルでの等価残基を決定することができる。
置換のために同定された残基の一部は保存残基である一方、他のものはそうではない。保存されていない残基の場合、1つ以上のアミノ酸の置換は、天然で見出されるものに対応しないアミノ酸配列を有する変異体を生産する置換に限定される。保存残基の場合、このような置換は、天然存在の配列をもたらさないはずである。
グルコアミラーゼ変異体
本開示による変異体は、変異体の配列を親グルコアミラーゼと異なるものとする、親グルコアミラーゼのアミノ酸配列中の少なくとも1つの置換、欠失または挿入を含む。一部の実施形態において、本開示の変異体は、TrGA(配列番号2)、TrGA(配列番号2)に対して少なくとも80%の配列同一性を有する親グルコアミラーゼのグルコアミラーゼ活性の少なくとも約20%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約95%、約97%または約100%のグルコアミラーゼ活性を有する。一部の実施形態において、本開示による変異体は、親TrGA(配列番号2)の少なくとも1つのアミノ酸位置における、またはTrGA配列(配列番号2)に対して少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約98%もしくは約99%の配列同一性を有する別の親グルコアミラーゼの配列中の等価位置における置換、欠失または挿入を含む。
他の実施形態において、本開示による変異体は、TrGA配列の触媒ドメイン(配列番号3)を含む親TrGAの断片の少なくとも1つのアミノ酸位置における、または配列番号3、5、6、7、8もしくは9の触媒ドメイン含有断片に対して少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約98%もしくは約99%の配列同一性を有する親グルコアミラーゼの触媒ドメインを含む断片中の等価位置における置換、欠失または挿入を含む。一部の実施形態において、断片は、TrGA触媒ドメイン(配列番号3)の少なくとも約400、約425、約450または約500アミノ酸残基を含む。
他の実施形態において、本開示による変異体は、TrGA配列のデンプン結合ドメイン(配列番号11)を含む親TrGAの断片の少なくとも1つのアミノ酸位置における、または配列番号11、24、25、26、27、28および/もしくは29のデンプン結合ドメイン含有断片に対して少なくとも約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約98%もしくは約99%の配列同一性を有する親グルコアミラーゼのデンプン結合ドメインを含む断片中の等価位置における置換、欠失または挿入を含む。一部の実施形態において、断片は、TrGAデンプン結合ドメイン(配列番号11)の少なくとも約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100または約109アミノ酸残基を含む。
一部の実施形態において、親グルコアミラーゼが触媒ドメイン、リンカー領域およびデンプン結合ドメインを含む場合、変異体は、リンカー領域の一部を含む断片の少なくとも1つのアミノ酸位置における置換、欠失または挿入を含む。一部の実施形態において、変異体は、TrGA配列(配列番号2)の断片のアミノ酸配列における置換、欠失または挿入を含む。
アミノ酸置換に関する構造的同一性は、相同グルコアミラーゼまたは親グルコアミラーゼ中の等価アミノ酸位置において置換が生じることを意味する。等価位置という用語は、TrGA参照グルコアミラーゼアミノ酸配列および三次元配列との、当該親グルコアミラーゼのアミノ酸配列のアライメントおよび当該親グルコアミラーゼの三次元構造のアライメントに基づく2つの親配列に共通する位置を意味する。例えば、図10Aに関して、TrGA(配列番号2または3)中の24位はD24であり、クロコウジカビ(Aspergillus niger)(配列番号6)についての等価位置はD25位であり、アスペルギルス・オリゼア(Aspergillus oryzea)(配列番号7)についての等価位置はD26位である。三次元配列の例示的なアライメントについては、図6Aおよび7参照のこと。
したがって、一態様において、結晶形態である場合、主鎖原子の原子座標が等価主鎖原子のアライメントに従ってTrGAの等価主鎖原子の原子座標(国際公開第2009/067218号パンフレットにおける表20に定義)から0.13nm未満の平均二乗偏差を有し、リンカー領域、デンプン結合ドメインおよび触媒ドメインを有する結晶構造を有するグルコアミラーゼ変異体であって、デンプン結合ドメインの相互連結ループ2’ならびに/または触媒ドメインのループ1および/もしくはヘリックス2および/もしくはループ11および/もしくはヘリックス12における親グルコアミラーゼのアミノ酸配列に対する2つ以上のアミノ酸置換を含むグルコアミラーゼ変異体が記載される。さらなる態様において、TrGAの等価主鎖原子の原子座標(国際公開第2009/067218号パンフレットにおける表20に定義)からの平均二乗偏差は、0.12nm未満、例えば0.11未満または例えば0.10未満である。
さらなる態様において、グルコアミラーゼ変異体は、配列番号1、2、11、13、24、25、26、27、28または29のデンプン結合ドメインと少なくとも96%、97%、98%、99%または99.5%の配列同一性を有するデンプン結合ドメインを有する。さらなる態様において、グルコアミラーゼ変異体は、配列番号1、2、3、5、6、7、8、9または13の触媒ドメインと少なくとも80%、85%、90%、95%または99.5%の配列同一性を有する触媒ドメインを有する。
さらなる態様において、親グルコアミラーゼは、真菌グルコアミラーゼである。
さらなる態様において、親グルコアミラーゼは、トリコデルマ属種(Trichoderma spp.)、アスペルギルス属種(Aspergillus spp.)、フミコラ属種(Humicola spp.)、アオカビ属種(Penicillium spp.)、タラロミセセ属種(Talaromycese spp.)またはシゾサッカルミセス属種(Schizosaccharmyces spp.)から得られるグルコアミラーゼから選択される。
さらなる態様において、親グルコアミラーゼは、トリコデルマ属種(Trichoderma spp.)またはアスペルギルス属種(Aspergillus spp.)から得られる。
さらなる態様において、グルコアミラーゼは精製されている。本開示のグルコアミラーゼは、当技術分野において公知の種々の手順、例として遠心分離、ろ過、抽出、沈殿などにより培養培地から回収または精製することができる。
一部の実施形態において、グルコアミラーゼ変異体は、親のアミノ酸配列中の少なくとも2つの置換を含む。一部の実施形態において、グルコアミラーゼ変異体は、親、例えば配列番号2または13のアミノ酸配列中の少なくとも2、3または4つの置換を含む。一部の実施形態において、グルコアミラーゼ変異体は、親、例えば配列番号2または13のアミノ酸配列中の多くとも2、3または4つの置換を含む。さらなる実施形態において、変異体は、3つ以上の置換を有し得る。例えば、変異体は、対応する親グルコアミラーゼと比較して2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20または25のアミノ酸の置換、欠失または挿入を有し得る。
一部の実施形態において、グルコアミラーゼ変異体は、図10A、10B、10Dおよび10Eに説明されるとおり、非保存アミノ酸の領域に対応する位置における少なくとも1つのアミノ酸位置(例えば図10A、10B、10Dおよび10Eにおいて「」により示されない位置に対応するアミノ酸位置)における置換、欠失または挿入、典型的には置換を含む。
一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号2または配列番号13と少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%の配列同一性を有する。他の実施形態において、親グルコアミラーゼは、トリコデルマ属(Trichoderma)グルコアミラーゼ相同体である。一部の実施形態において、変異体は、変更された特性を有する。一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号2または配列番号13のグルコアミラーゼと構造的同一性を有する。
一部の実施形態において、グルコアミラーゼ変異体は、規定の位置においてのみ親グルコアミラーゼと異なっていてよい。
親グルコアミラーゼは、配列番号1、2、11、13、24、25、26、27、28または29と少なくとも95%の配列同一性を有するデンプン結合ドメインを含み得る。親グルコアミラーゼは、配列番号1または2と少なくとも80%の配列同一性を有し得;例えばそれは配列番号1または2を含み得る。任意選択で、親グルコアミラーゼは、配列番号1、2または13からなっていてよい。
本開示のグルコアミラーゼ変異体は、例えばあるグルコアミラーゼからのデンプン結合ドメイン(SBD)ならびに別のグルコアミラーゼからの触媒ドメインおよびリンカーを有するキメラまたはハイブリッドグルコアミラーゼも含み得る。例えば、ハイブリッドグルコアミラーゼは、AnGA(配列番号6)からのSBDをTrGA(配列番号2)からのSBDとスワップすることにより作製し、AnGAのSBDならびにTrGAの触媒ドメインおよびリンカーを有するハイブリッドを作製することができる。あるいは、AnGAからのSBDおよびリンカーをTrGAのSBDおよびリンカーに代えてスワップすることができる。
一部の態様において、変異体グルコアミラーゼは、親グルコアミラーゼと比較して変更された熱安定性を示す。一部の態様において、変更された熱安定性は、親グルコアミラーゼと比較して減少した熱安定性であり得る。一部の実施形態において、変更された特性は、親グルコアミラーゼと比較して変更された比活性である。一部の実施形態において、比活性は、親グルコアミラーゼと比較して類似のまたは増加したものであり得る。一部の実施形態において、変更された特性は、親グルコアミラーゼと比較して低い温度において減少した熱安定性である。一部の実施形態において、変更された特性は、親グルコアミラーゼと比較して類似のまたは増加した比活性および減少した熱安定性の両方である。
多数の親グルコアミラーゼをTrGAのアミノ酸配列とアライメントした。図10Aおよび10Bは、以下の親グルコアミラーゼ、アワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)(AaGA)(配列番号5);クロコウジカビ(Aspergillus niger)(AnGA)(配列番号6);アスペルギルス・オルジアエ(Aspergillus orzyae)(AoGA)(配列番号7);フミコラ・グリセア(Humicola grisea)(HgGA)(配列番号8);およびヒポクレア・ビノサ(Hypocrea vinosa)(HvGA)(配列番号9)の触媒ドメインを含む。触媒ドメインの同一性%を以下の表Aに表す。
一部の実施形態において、例えば変異体グルコアミラーゼは、アスペルギルス属(Aspergillus)グルコアミラーゼ、フミコラ属(Humicola)グルコアミラーゼまたはヒポクレア属(Hypocrea)グルコアミラーゼである親グルコアミラーゼに由来する。
一態様において、本明細書において企図される変異体は、宿主細胞中での組換え発現により得られる。
一態様において、本明細書に記載の変異体は、少なくとも0.05GAU/mg、0.1GAU/mg、0.2GAU/mg、0.3GAU/mg、0.4GAU/mg、0.5GAU/mg、0.6GAU/mg、0.7GAU/mg、0.8GAU/mg、0.9GAU/mg、1GAU/mg、2GAU/mg、3GAU/mg、5GAU/mgまたは10GAU/mgのグルコアミラーゼ活性(GAU)を有する。
別の態様において、本明細書に記載の変異体は、0.05〜10GAU/mg、例えば0.1〜5GAU/mg、例えば0.5〜4GAU/mg、例えば0.7〜4GAU/mg、例えば2〜4GAU/mgのグルコアミラーゼ活性(GAU)を有する。
いっそうさらなる態様において、本明細書に記載のグルコアミラーゼ変異体は、配列番号14、15または16の変異体を含み、またはそれからなる。
変異体グルコアミラーゼの特徴付け
本開示はまた、親グルコアミラーゼ、特にTrGAと比較して少なくとも1つの変更された特性(例えば改善された特性)を有するグルコアミラーゼ変異体を提供する。一部の実施形態において、少なくとも1つの変更された特性(例えば改善された特性)は、GAU活性、真正発酵度、発現レベル、熱安定性および比活性からなる群から選択される。典型的には、変更された特性は、低減した熱安定性、向上した真正発酵度および/または増加した比活性である。低減した熱安定性は、典型的には、より高い温度におけるものである。
本開示のグルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼと比較して低い基質濃度におけるより高い速度のデンプン加水分解も提供し得る。変異体は、同一条件下で試験された場合、親グルコアミラーゼよりも高いVmaxまたは低いKを有し得る。例えば、変異体グルコアミラーゼは、約25℃〜約40℃(例えば約25℃〜約35℃;約30℃〜約35℃)の温度範囲におけるより高いVmaxを有し得る。ミカエリス−メンテン定数、KおよびVmax値は、標準的な公知の手順を使用して容易に決定することができる。別の態様において、グルコアミラーゼは、親グルコアミラーゼ、例えばTrGAまたはT
rGA CS4と比較して5%以下、10%以下または15%以下低減したデンプン加水分解活性の低減も示し得る。
変更された熱安定性を有する変異体グルコアミラーゼ
一部の態様において、本開示は、親(野生型)と比較して変更された熱安定性を有する変異体グルコアミラーゼに関する。変更された熱安定性は、増加した温度または減少した温度におけるものであり得る。熱安定性は、NaAc緩衝液pH4.5またはレギュラーピルスナービール中72℃における最大100秒間のインキュベーション後の残留活性%として計測され、TrGAはこれらの条件におけるインキュベーション前の初期活性と比較して24%の残留活性を有する。これらの条件下でのTrGAの残留活性は、インキュベーション前の初期活性と比較して約15%の残留活性を残す、NaAc緩衝液pH4.5中64℃における1時間の酵素のインキュベーションと同等である。したがって、一部の実施形態において、減少した熱安定性(すなわちより熱不安定)を有する変異体は、インキュベーション前の初期活性と比較して親よりも少なくとも約50%〜少なくとも約100%低い残留活性(レギュラーピルスナービールpH4.5中72℃における100秒間のインキュベーション後)、例として約51%、約52% 約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%および約100%低い残留活性を有する。例えば、親の残留活性が24%である場合、減少した熱安定性を有する変異体は、約2%〜約3%の残留活性を有し得る。一部の実施形態において、グルコアミラーゼ変異体は、例えば72℃における少なくとも約50秒間、約60秒間、約70秒間、約100秒間または約150秒間の所与の期間にわたる変更温度への曝露後に、少なくとも約0%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%または約20%の酵素活性を保持する減少した熱安定性を有する。一部の実施形態において、変異体は、約40℃〜約80℃の範囲の選択温度において、さらには約50℃〜約75℃の範囲において、および約60℃〜約70℃の範囲においてならびに約4.0〜約6.0のpH範囲において、親グルコアミラーゼと比較して減少した熱安定性を有する。一部の実施形態において、熱安定性は、アッセイおよび方法に記載のとおり決定される。その方法は、他の温度における熱安定性を計測するために適切となるように適合させることができる。あるいは、熱安定性は、そこに記載のとおり64℃において決定することができる。一部の実施形態において、変異体は、約20℃〜約50℃の範囲、例として約35℃〜約45℃および約30℃〜約40℃における選択温度において親グルコアミラーゼと比較して低い温度における減少した熱安定性を有する。
一部の実施形態において、減少した熱安定性を有する変異体は、配列番号2に記載のアミノ酸配列中の以下の位置における1つ以上の欠失、置換または挿入、特に置換を含む:配列番号2の残基29、43、48、116および502または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の残基97、98、147、175、483および484または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換。一部の実施形態において、減少した熱安定性を有する変異体は、配列番号2または13に記載のアミノ酸配列中の以下の位置における1つ以上の欠失、置換または挿入、特に置換を含む:配列番号2または13の残基29、43、48、116および502からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2または13の残基97、98、147、175、483および484からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換。一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、トリコデルマ属(Trichoderma)グルコアミラーゼ相同体であり、さらなる実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号2または13に対して少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約98%の配列同一性を有する。一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号2に対して構造的同一性も有する。一部の実施形態において、減少した熱安定性を有する変異体は、配列番号2または13の以下の置換:F29V、F29Q、I43Q、Y48V、F116M、H502S、H502EまたはH502Wの1つまたは2つを有し、以下の置換:S97M、L98E Y147R、F175V、F175L、F175I、G483SまたはT484Wの1つ、2つまたは3つを有する。一部の実施形態において、減少した熱安定性を有する変異体は、配列番号2または13の以下の置換:F29V、I43Q、Y48V、F116M、H502SまたはH502Eの1つまたは2つを有し、以下の置換S97M、L98E Y147R、F175V、F175L、F175I、G483SまたはT484Wの1つ、2つまたは3つを有する。
変更された比活性を有する変異体グルコアミラーゼ
本明細書において使用される比活性は、タンパク質1mg当たりのグルコアミラーゼの活性である。活性は、比色pNP−β−マルトシド基質を使用するグルコアミラーゼアッセイを使用して決定した。スクリーニングは、親TrGAのPIと比較して性能指数(PI)>1.0または(PI)=1.0を有する変異体を同定した。PIは、野生型(WT)および変異体酵素の比活性(酵素1mg当たりの活性)から算出される。それは、指数「変異体比活性/WT比活性」であり、変異体の比活性の増加尺度であり得る。約2のPIは、WTよりも約2倍良好であるはずである。一部の態様において、本開示は、親または野生型グルコアミラーゼと比較して変更された比活性を有する変異体グルコアミラーゼに関する。一部の実施形態において、変更された比活性は、増加した比活性である。増加した比活性は、1を超える、例として約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9および約2以上の増加した性能指数として定義することができる。一部の実施形態において、増加した比活性は、約1.0〜約5.0、例として約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、約4.0、約4.1、約4.2、約4.3、約4.4、約4.5、約4.6、約4.7、約4.8および約4.9である。一部の実施形態において、変異体は、親グルコアミラーゼよりも少なくとも約1.0倍高い、例として少なくとも約1.1倍、約1.2倍、約1.3倍、約1.4倍、約1.5倍、約1.6倍、約1.7倍、約1.8倍、約1.9倍、約2.0倍、約2.2倍、約2.5倍、約2.7倍、約2.9倍、約3.0倍、約4.0倍および約5.0倍高い比活性を有する。一部の実施形態において、比活性は、親と類似または同等である。したがって、類似の比活性は、親の1.0よりも0.1大きい、それと同等またはそれよりも0.1小さい性能指数、例として1.0よりも約0.02大きく、または小さい、例として1.0よりも約0.04大きく、または小さい、例として1.0よりも約0.06大きく、または小さい、例として1.0よりも約0.08大きく、または小さい、および例として1.0よりも約0.1大きく、または小さい性能指数として定義することができる。
一部の実施形態において、比活性の改善を有する変異体は、配列番号2に記載のアミノ酸配列中の以下の位置における1つ以上の欠失、置換または挿入、特に置換を含む:配列番号2の残基29、43、48、116および502または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の残基97、98、147、175、483および484または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換。一部の実施形態において、比活性の改善を有する変異体は、配列番号2または13に記載のアミノ酸配列中の以下の位置における1つ以上の欠失、置換または挿入、特に置換を含む:配列番号2または13の残基29、43、48、116および502からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2または13の残基97、98、147、175、483および484からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換。一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、トリコデルマ属(Trichoderma)グルコアミラーゼ相同体であり、さらなる実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号2または13に対して少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約98%の配列同一性を有する。一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号2に対して構造的同一性も有する。一部の実施形態において、比活性の改善を有する変異体は、配列番号2または13の以下の置換:F29V、F29Q、I43Q、Y48V、F116M、H502S、H502EまたはH502Wの1つまたは2つを有し、以下の置換:S97M、L98E Y147R、F175V、F175L、F175I、G483SまたはT484Wの1つ、2つまたは3つを有する。
一部の実施形態において、変異体と比較した親の比活性は、アッセイおよび方法に記載のとおり決定される。
変更された糖化性能を有する変異体グルコアミラーゼ
本明細書において使用される、発酵容器(FV)中のデンプン糖化を容易にするグルコアミラーゼの性能は、真正発酵度により間接的に決定した。真正発酵度は、麦芽−副原料醸造実験において、GAU活性または定義された条件セットのもとでのタンパク質のいずれかに基づき投入されるグルコアミラーゼ変異体を用いて決定した。真正発酵度(RDF、割合の形態で表現される真正希薄度)は、最終発酵麦汁(ビール)について発酵前、その間およびその後の麦汁の比重として算出し、比重計またはAnton−Paar密度計(例えばDMA4100M)を使用して計測した。真正希薄度は、Ensmingerにより列記された式に従ってRDFとして割合の形態として算出および表現した(http://hbd.org/ensmingr/“Beer data:Alcohol,Calorie,and Attenuation Levels of Beer”を参照のこと)。
一部の態様において、本開示は、親または野生型グルコアミラーゼと比較して変更されたRDF性能を有する変異体グルコアミラーゼに関する。一部の実施形態において、変更されたRDF性能は、親と類似し、または等しい。TrGAは、麦汁1ml当たり0.058mgのGAで投入した場合、75.04%のRDF性能を有する。したがって、類似のRDF性能は、記載の条件セットおよび麦汁1ml当たり0.058mgのGAの投入のもとで得られる、75.04%よりも0.5%大きく、それと等しく、またはそれよりも0.5%小さいRDF値、例として75.04%よりも約0.1%大きく、もしくは小さい、75.04%よりも約0.2%大きく、もしくは小さい、75.04%よりも約0.3%大きく、もしくは小さい、75.04%よりも約0.4%大きく、もしくは小さいまたは75.04%よりも約0.5%大きく、もしくは小さいRDF値と定義することができる。
一部の実施形態において、親グルコアミラーゼ、例えばTrGAと比較して類似の真正発酵度を有する変異体は、配列番号2に記載のアミノ酸配列中の以下の位置における1つ以上の欠失、置換または挿入、特に置換を含む:配列番号2の残基29、43、48、116および502または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の残基97、98、147、175、483および484または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換。一部の実施形態において、改善されたRDF性能を有する本開示の変異体は、配列番号2または13に記載のアミノ酸配列中の以下の位置における1つ以上の欠失、置換または挿入、特に置換を含む:配列番号2または13の残基29、43、48、116および502からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2または13の残基97、98、147、175、483および484からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換。一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、トリコデルマ属(Trichoderma)グルコアミラーゼ相同体であり、さらなる実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号2または13に対して少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約98%の配列同一性を有する。一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号2に対して構造的同一性も有する。一部の実施形態において、改善されたRDF性能を有する本開示の変異体は、配列番号2または13の以下の置換:F29V、F29Q、I43Q、Y48V、F116M、H502S、H502EまたはH502Wの1つまたは2つを有し、以下の置換:S97M、L98E Y147R、F175V、F175L、F175I、G483SまたはT484Wの1つ、2つまたは3つを有する。
一部の実施形態において、変異体と比較した親のRDF性能は、アッセイおよび方法に記載のとおり決定される。
親グルコアミラーゼと比較して減少した熱安定性および類似の糖化性能を有する変異体グルコアミラーゼ
一部の態様において、本開示は、親(例えば野生型)と比較して変更された熱安定性および類似の糖化(RDF)性能を有する変異体グルコアミラーゼに関する。一部の実施形態において、変更された熱安定性は、減少した熱安定性、例えばより熱不安定な変異体である。一部の実施形態において、RDF性能は、親グルコアミラーゼと比較して類似のRDF性能である。
一部の実施形態において、減少した熱安定性および類似のRDF性能を有する変異体は、配列番号2に記載のアミノ酸配列中の以下の位置における1つ以上の欠失、置換または挿入、特に置換を含む:配列番号2の残基29、43、48、116および502または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の残基97、98、147、175、483および484または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換。一部の実施形態において、減少した熱安定性および類似のRDF性能を有する変異体は、配列番号2または13に記載のアミノ酸配列中の以下の位置における1つ以上の欠失、置換または挿入、特に置換を含む:配列番号2または13の残基29、43、48、116および502からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2または13の残基97、98、147、175、483および484からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換。一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、トリコデルマ属(Trichoderma)グルコアミラーゼ相同体であり、さらなる実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号2または13に対して少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約98%の配列同一性を有する。一部の実施形態において、親グルコアミラーゼは、配列番号2に対して構造的な同一性も有する。一部の実施形態において、減少した熱安定性および類似のRDF性能を有する変異体は、配列番号2または13の以下の置換:F29V、F29Q、I43Q、Y48V、F116M、H502S、H502EまたはH502Wの1つまたは2つを有し、以下の置換:S97M、L98E Y147R、F175V、F175L、F175I、G483SまたはT484Wの1つ、2つまたは3つを有する。
発酵性糖を生産する変異体グルコアミラーゼ
さらなる態様において、グルコアミラーゼは、親グルコアミラーゼ、例えばTrGAと比較して向上した発酵性糖の生産を示す。さらなる態様において、グルコアミラーゼは、親グルコアミラーゼ、例えばTrGAと比較して向上した醸造プロセスのマッシング工程における発酵性糖の生産を示す。さらなる態様において、グルコアミラーゼは、親グルコアミラーゼ、例えばTrGAと比較して向上した醸造プロセスの発酵工程における発酵性糖の生産を示す。さらなる態様において、発酵性糖は、グルコースである。当業者は、例えばHPLC技術により発酵性糖の生産を測定することができる。
4.グルコアミラーゼをコードするポリヌクレオチド
本開示はまた、変異体グルコアミラーゼをコードする単離ポリヌクレオチドに関する。ポリヌクレオチドは、当技術分野において公知の確立された技術により調製することができる。ポリヌクレオチドは、例えば自動DNA合成装置により合成により調製することができる。DNA配列は、断片を一緒にライゲートすることにより調製された混合ゲノム(またはcDNA)および合成起源のものであり得る。ポリヌクレオチドは、特異的プライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により調製することもできる。一般に、Minshull J.et al.,Methods 32(4):416−427(2004)が参照される。DNAは、多数の営利会社、例えばGeneart AG,Regensburg,Germanyにより合成することもできる。
本開示はまた、(i)配列番号4に対して少なくとも約50%、例として少なくとも約60%、約70%、約80%、約90%、約95%および約99%の同一性を有し、または(ii)中から高ストリンジェンシーの条件下で、配列番号4に記載のヌクレオチド配列に由来するプローブにハイブリダイズし得、または(iii)配列番号4に記載の配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチドを提供する。本開示による有用なプローブは、少なくとも約50、約100、約150、約200、約250、約300以上の配列番号4の連続ヌクレオチドを含み得る。一部の実施形態において、コードされる変異体は、配列番号2に対して構造的同一性も有する。
本開示は、配列番号2または配列番号13に対して少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約93%、約95%、約97%、約98%または約99%のアミノ酸配列同一性を含むアミノ酸配列を含む変異体グルコアミラーゼをコードする単離ポリヌクレオチドをさらに提供する。さらに、本開示は、上記に提供されるポリヌクレオチドのいずれかを含む発現ベクターを提供する。本開示はまた、本明細書において提供される変異体グルコアミラーゼをコードするDNAの断片(すなわち一部)を提供する。これらの断片は、糸状菌細胞(例えばトリコデルマ属(Trichoderma)、アスペルギルス属(Aspergillus)、フザリウム属(Fusarium)、アオカビ属(Penicillium)およびフミコラ属(Humicola))からの本明細書に記載の成熟グルコアミラーゼ酵素をコードするポリヌクレオチドまたはグルコアミラーゼ活性を有するそのセグメントを単離または同定するために使用され得る部分長のDNA断片を得るのに使用される。一部の実施形態において、DNAの断片は、少なくとも約50、約100、約150、約200、約250、約300以上の連続ヌクレオチドを含み得る。一部の実施形態において、配列番号4において提供されるDNAの部分を使用して他の種、例えばグルコアミラーゼをコードする糸状菌から親グルコアミラーゼ、特にトリコデルマ属(Trichoderma)グルコアミラーゼ相同体を得ることができる。
5.グルコアミラーゼの生産
DNA構築物およびベクター
本開示の一実施形態によれば、本開示により包含される変異体グルコアミラーゼをコードし、プロモーター配列に作動可能に結合している上記のポリヌクレオチドを含むDNA構築物をアセンブルして宿主細胞中に移行させる。一態様において、本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体をコードするポリヌクレオチドが提供される。
DNA構築物は、ベクターを使用して宿主細胞中に導入することができる。一態様において、本明細書に開示のポリヌクレオチドを含み、または本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体を発現し得るベクターが提供される。ベクターは、宿主細胞中に導入される場合、安定的に導入される任意のベクターであり得る。一部の実施形態において、ベクターは、宿主細胞ゲノム中に組み込まれ、複製される。ベクターとしては、クローニングベクター、発現ベクター、シャトルベクター、プラスミド、ファージ粒子、カセットなどが挙げられる。一部の実施形態において、ベクターは、グルコアミラーゼコード配列に作動可能に結合している調節配列を含む発現ベクターである。
好適な発現および/または組込みベクターの例は、Sambrook et al.(1989)前掲およびAusubel(1987)前掲およびvan den Hondel et al.(1991)in Bennett and Lasure(Eds.)More Gene Manipulations In Fungi,Academic Press pp.396−428ならびに米国特許第5,874,276号明細書に提供されている。ベクターの列記については、Fungal Genetics Stock Center Catalogue of Strains(FGSC,http://www.fgsc.net)も参照される。特に有用なベクターとしては、例えばInvitrogenおよびPromegaから入手されるベクターが挙げられる。
細菌細胞における使用に好適なプラスミドとしては、大腸菌(E.coli)中での複製を可能とするpBR322およびpUC19ならびに例えばバシラス属(Bacillus)中での複製を可能とするpE194が挙げられる。大腸菌(E.coli)宿主細胞における使用に好適な他の特異的ベクターとしては、pFB6、pBR322、pUC18、pUC100、pDONR(商標)201、10pDONR(商標)221、pENTR(商標)、pGEM(登録商標)3ZおよびpGEM(登録商標)4Zのようなベクターが挙げられる。
真菌細胞における使用に好適な特異的ベクターとしてはpRAXが挙げられ、アスペルギルス属(Aspergillus)において有用な汎用性発現ベクターである、glaAプロモーターを有するpRAX、ヒポクレア属(Hypocrea)/トリコデルマ属(Trichoderma)においてはcbh1プロモーターを有するpTrex3gが挙げられる。
一部の実施形態において、細菌または真菌宿主細胞中で転写活性を示すプロモーターは、宿主細胞に対して同種または異種のいずれかであるタンパク質をコードする遺伝子に由来し得る。プロモーターは、突然変異、トランケートおよび/またはハイブリッドプロモーターであり得る。上記プロモーターは、当技術分野において公知である。真菌細胞、特に糸状菌細胞、例えばトリコデルマ属(Trichoderma)またはアスペルギルス属(Aspergillus)細胞において有用な好適なプロモーターの例としては、T.リーゼイ(T.reesei)プロモーターcbh1、cbh2、egl1、egl2、eg5、xln1およびxln2のような例示的なプロモーターが挙げられる。有用なプロモーターの他の例としては、アワモリコウジカビ(A.awamori)およびクロコウジカビ(A.niger)グルコアミラーゼ遺伝子(glaA)からのプロモーター(Nunberg et al.,Mol.Cell Biol.4:2306−2315(1984)およびBoel et al.,EMBO J.3:1581−1585(1984)を参照のこと)、ニホンコウジカビ(A.oryzae)TAKAアミラーゼプロモーター、出芽酵母(S.cerevisiae)からのTPI(トリオースリン酸イソメラーゼ)プロモーター、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)アセトアミダーゼ遺伝子およびリゾムコル・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ遺伝子からのプロモーターが挙げられる。細菌細胞において有用な好適なプロモーターの例としては、大腸菌(E.coli)lacオペロン;バシラス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)アルファ−アミラーゼ遺伝子(amyL)、B.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)アミラーゼ遺伝子(amyS);枯草菌(Bacillus subtilis)xylAおよびxylB遺伝子、ベータ−ラクタマーゼ遺伝子から得られるものならびにtacプロモーターが挙げられる。一部の実施形態において、プロモーターは、宿主細胞由来のものである。例えば、T.リーゼイ(T.reesei)が宿主である場合、プロモーターは、天然T.リーゼイ(T.reesei)プロモーターである。他の実施形態において、プロモーターは、真菌宿主細胞に対して異種のものである。一部の実施形態において、プロモーターは、親グルコアミラーゼのプロモーター(例えばTrGAプロモーター)である。
一部の実施形態において、DNA構築物は、シグナル配列、すなわちコードされるポリペプチドを細胞の分泌経路に指向するポリペプチドのアミノ末端に結合しているアミノ酸配列をコードする核酸を含む。核酸配列のコード配列の5’末端は、分泌されるグルコアミラーゼをコードするグルコアミラーゼコード配列のセグメントと翻訳リーディングフレーム中で天然に結合しているシグナルペプチドコード領域を天然で含み得、または核酸配列のコード配列の5’末端は、コード配列に対して外来性のシグナルペプチドを含み得る。一部の実施形態において、DNA構築物は、変異体グルコアミラーゼが得られた親グルコアミラーゼ遺伝子と天然に関連するシグナル配列を含む。一部の実施形態において、シグナル配列は、配列番号1において示される配列またはそれに対して少なくとも約90%、約94もしくは約98%の配列同一性を有する配列である。有効なシグナル配列としては、他の糸状菌酵素、例えばトリコデルマ属(Trichoderma)(T.リーゼイ(T.reesei)グルコアミラーゼ、セロビオヒドロラーゼI、セロビオヒドロラーゼII、エンドグルカナーゼI、エンドグルカナーゼII、エンドグルカナーゼIIまたは分泌プロテイナーゼ、例えばアスパラギン酸プロテイナーゼ)、フミコラ属(Humicola)(H.インソレンス(H.insolens)セロビオヒドロラーゼもしくはエンドグルカナーゼまたはH.グリセア(H.grisea)グルコアミラーゼ)またはアスペルギルス属(Aspergillus)(クロコウジカビ(A.niger)グルコアミラーゼおよびニホンコウジカビ(A.oryzae)TAKAアミラーゼ)からのものから得られるシグナル配列を挙げることができる。
追加の実施形態において、宿主細胞中に導入すべきシグナル配列およびプロモーター配列を含むDNA構築物またはベクターは、同一供給源に由来する。一部の実施形態において、トリコデルマ属(Trichoderma)グルコアミラーゼ相同体の天然グルコアミラーゼシグナル配列、例えばヒポクレア属(Hypocrea)株からのシグナル配列を使用することができる。
一部の実施形態において、発現ベクターは終結配列も含む。宿主細胞中で機能的な任意の終結配列を、本開示において使用することができる。一部の実施形態において、終結配列およびプロモーター配列は、同一供給源に由来する。別の実施形態において、終結配列は、宿主細胞に対して同種である。有用な終止配列としては、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)cbl1;クロコウジカビ(A.niger)もしくはアワモリコウジカビ(A.awamori)グルコアミラーゼ(Nunberg et al.(1984)前掲およびBoel et al.,(1984)前掲)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)アントラニル酸シンターゼ、ニホンコウジカビ(Aspergillus oryzae)TAKAアミラーゼまたはA.ニデュランス(A.nidulans)trpC(Punt et al.,Gene 56:117−124(1987))の遺伝子から得られる終止配列が挙げられる。
一部の実施形態において、発現ベクターは、選択可能マーカーを含む。選択可能マーカーの例としては、抗菌耐性を付与するもの(例えばハイグロマイシンおよびフレオマイシン)が挙げられる。栄養選択マーカー、例として当技術分野において公知のマーカー、例えばamdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)およびpyrG(オロチジン−5’リン酸デカルボキシラーゼ)も本開示において使用される。トリコデルマ属(Trichoderma)の形質転換のためのベクター系において有用なマーカーが、当技術分野において公知である(例えばFinkelstein,Chapter 6 in Biotechnology Of Filamentous Fungi,Finkelstein et al.(1992)Eds.Butterworth−Heinemann,Boston,MA;Kinghorn et al.(1992)Applied Molecular Genetics Of Filamentous Fungi,Blackie Academic and Professional,Chapman and Hall,London;Berges and Barreau,Curr.Genet.19:359−365(1991);およびvan Hartingsveldt et al.,Mol.Gen.Genet.206:71−75(1987)を参照のこと)。一部の実施形態において、選択マーカーは、酵素アセトアミダーゼをコードし、形質転換細胞が窒素源としてのアセトアミド上で生育することを可能とするamdS遺伝子である。選択マーカーとしてのA.ニデュランス(A.nidulans)amdS遺伝子の使用は、Kelley et al.,EMBO J.4:475−479(1985)およびPenttila et al.,Gene 61:155−164(1987)に記載されている。
変異体グルコアミラーゼ、プロモーター、終結および他の配列をコードする核酸配列を含むDNA構築物をライゲートし、好適なベクター中にそれらを挿入するために使用される方法は、当技術分野において周知である。結合は、一般に簡便な制限部位におけるライゲーションにより達成される。このような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドリンカーが慣用の実施に従って使用される(Sambrook et al.(1989)前掲およびBennett and Lasure,More Gene Manipulations In Fungi,Academic Press,San Diego(1991)pp70−76を参照のこと)。さらに、ベクターは、公知の組換え技術(例えばInvitrogen Life Technologies,Gateway Technology)を使用して構築することができる。
宿主細胞および宿主細胞の形質転換
本開示はまた、本開示の変異体グルコアミラーゼをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関する。一部の実施形態において、宿主細胞は、細菌、真菌、植物および酵母細胞から選択される。宿主細胞という用語は、本開示による変異体グルコアミラーゼを生産するために使用される細胞、その細胞の子孫およびその細胞から作出されるプロトプラストの両方を含む。一態様において、ベクターを含み、好ましくはベクターにより形質転換されている宿主細胞が開示される。さらなる態様において、グルコアミラーゼ変異体を発現し得る細胞が提供される。さらなる態様において、宿主細胞は、プロテアーゼ欠損および/またはキシラナーゼ欠損および/またはグルカナーゼ欠損宿主細胞である。プロテアーゼ欠損および/またはキシラナーゼ欠損および/または天然グルカナーゼ欠損宿主細胞は、上記酵素をコードする遺伝子を欠失またはサイレンシングさせることにより得ることができる。結果として、GA変異体を含有する宿主細胞は、上記酵素を発現しない。
一部の実施形態において、宿主細胞は真菌細胞であり、所望により糸状菌宿主細胞である。用語「糸状菌」は、ユーミコティナ(Eumycotina)亜門の全ての糸状性形態を指す(Alexopoulos,C.J.(1962),Introductory Mycology,Wiley,New Yorkを参照のこと)。これらの真菌は、キチン、セルロースおよび他の複合多糖から構成される細胞壁を有する栄養菌糸により特徴付けられる。本開示の糸状菌は、酵母とは形態学的に、生理学的におよび遺伝学的に区別される。糸状菌による栄養生育は、菌糸伸長によるものであり、炭素異化は絶対好気性である。本開示において、糸状菌親細胞は、限定されるものではないが、トリコデルマ属(Trichoderma)(例えばトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、以前にT.ロンギブラキアタム(T.longibrachiatum)として分類されたヒポクレア・ジェコリナ(Hypocrea jecorina)の無性的なモルフ、トリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)、トリコデルマ・コニンギイ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ハルジアヌム(Trichoderma harzianum))(Sheir−Neirs et al.,Appl.Microbiol.Biotechnol.20:46−53(1984);ATCC番号56765およびATCC番号26921)、ペニシリウルン属種(Penicilliurn sp.)、フミコラ属種(Humicola sp.)(例えばH.インソレンス(H.insolens)、H.ラヌギノサ(H.lanuginosa)およびH.グリセア(H.grisea))、クリソスポリウム属種(Chrysosporium sp.)(例えばC.ルックノウエンス(C.lucknowense))、グリオクラジウム属種(Gliocladium sp.)、アスペルギルス属種(Aspergillus sp.)(例えばニホンコウジカビ(A.oryzae)、クロコウジカビ(A.niger)、ショウユコウジカビ(A sojae)、A.ジャポニクス(A.japonicus)、A.ニデュランス(A.nidulans)およびアワモリコウジカビ(A.awamori))(Ward et al.,Appl.Microbiol.Biotechnol.39:738−743(1993)およびGoedegebuur et al.,Curr.Genet.41:89−98(2002))、フザリウム属種(Fusarium sp.)(例えばF.ロゼウム(F.roseum)、F.グラミナム(F.graminum)、F.セレアリス(F.cerealis)、F.オキシスポラム(F.oxysporum)およびF.ベネナタム(F.venenatum))、ニューロスポラ属種(Neurospora sp.)(アカパンカビ(N.crassa))、ヒポクレア属種(Hypocrea sp.)、ケカビ属種(Mucor sp.)(M.ミーヘイ(M.miehei))、クモノスカビ属種(Rhizopus sp.)ならびにエメリセラ属種(Emericella sp.)(Innis et al.,Science 228:21−26(1985)も参照のこと)の種の細胞であり得る。用語「トリコデルマ属(Trichoderma)」または「トリコデルマ属種(Trichoderma sp.)」または「トリコデルマ属種(Trichoderma spp.)」は、以前にまたは現在トリコデルマ属(Trichoderma)として分類されている任意の真菌属を指す。
一部の実施形態において、宿主細胞はグラム陽性細菌細胞である。非限定的な例としては、ストレプトミセス属(Streptomyces)(例えばS.リビダンス(S.lividans)、S.コエリコロル(S.coelicolor)およびS.グリセウス(S.griseus))ならびにバシラス属(Bacillus)の株が挙げられる。本明細書において使用される「バシラス属(Bacillus)」としては、当業者に公知の「バシラス属(Bacillus)」内の全ての種、例として、限定されるものではないが、枯草菌(B.subtilis)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.レンタス(B.lentus)、B.ブレビス(B.brevis)、B.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)、B.アルカロフィラス(B.alkalophilus)、B.アミロリクエファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.クラウシイ(B.clausii)、B.ハロデュランス(B.halodurans)、B.メガテリウム(B.megaterium)、B.コアグランス(B.coagulans)、B.サーキュランス(B.circulans)、B.ラウタス(B.lautus)およびB.チューリンゲンシス(B.thuringiensis)が挙げられる。バシラス属(Bacillus)が分類学的な再編成を受け続けることが認識される。したがって、この属としては、再分類された種、例として、限定されるものではないが、目下「ゲオバシラス・テアロサーモフィラス(Geobacillus tearothermophilus)」と命名されているB.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)のような生物が挙げられることが意図される。
一部の実施形態において、宿主細胞はグラム陰性細菌株、例えば大腸菌(E.coli)またはシュードモナス属種(Pseudomonas sp.)である。他の実施形態において、宿主細胞は、酵母細胞、例えばサッカロミセス属種(Saccharomyces sp.)、シゾサッカロミセス属種(Schizosaccharomyces sp.)、ピキア属種(Pichia sp.)またはカンジダ属種(Candida sp.)であり得る。他の実施形態において、宿主細胞は、天然遺伝子が例えば細菌または真菌細胞における欠失により不活化された遺伝子操作宿主細胞である。1つ以上の不活化遺伝子を有する真菌宿主細胞を得ることが望ましい場合、公知の方法を使用することができる(例えば米国特許第5,246,853号明細書、米国特許第5,475,101号明細書および国際公開第92/06209号パンフレットに開示の方法)。遺伝子不活化は、完全もしくは部分欠失により、挿入不活化により、または遺伝子をその意図される目的のために非機能性とする任意の他の手段により達成することができる(遺伝子の機能タンパク質の発現が妨害されるように)。一部の実施形態において、宿主細胞がトリコデルマ属(Trichoderma)細胞、特にT.リーゼイ(T.reesei)宿主細胞である場合、cbh1、cbh2、egl1およびegl2遺伝子が不活化および/または欠失される。四重欠失タンパク質を有する例示的なトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)宿主細胞は、米国特許第5,847,276号明細書および国際公開第05/001036号パンフレットに記載および説明されている。他の実施形態において、宿主細胞は、プロテアーゼ欠損株またはプロテアーゼマイナス株である。
宿主細胞の中へのDNA構築物またはベクターの導入としては、形質転換;エレクトロポレーション;核マイクロインジェクション;形質導入;形質移入(例えばリポフェクション媒介性およびDEAE−デキストリン媒介性形質移入);リン酸カルシウムDNA沈殿物を用いるインキュベーション;DNAコートマイクロプロジェクティルを用いる高速ボンバードメント(high velocity bombardment with DNA−coated microprojectiles);およびプロトプラスト融合のような技術が挙げられる。一般的な形質転換技術は、当技術分野において公知である(例えばAusubel et al.(1987)前掲、chapter 9;およびSambrook et al.(1989)前掲およびCampbell et al.,Curr.Genet.16:53−56(1989)を参照のこと)。
バシラス属(Bacillus)についての形質転換法は、多数の参考文献、例としてAnagnostopoulos C.and J.Spizizen,J.Bacteriol.81:741−746(1961)および国際公開第02/14490号パンフレットに開示されている。
アスペルギルス属(Aspergillus)についての形質転換法は、Yelton et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:1470−1474(1984);Berka et al.,(1991)in Applications of Enzyme Biotechnology,Eds.Kelly and Baldwin,Plenum Press(NY);Cao et al.,Protein Sci.9:991−1001(2000);Campbell et al.,Curr.Genet.16:53−56(1989)および欧州特許第238023号明細書に記載されている。トリコデルマ属(Trichoderma)中での異種タンパク質の発現は、米国特許第6,022,725号明細書;米国特許第6,268,328号明細書;Harkki et al.Enzyme Microb.Technol.13:227−233(1991);Harkki et al.,BioTechnol.7:596−603(1989);欧州特許第244,234号明細書;欧州特許第215,594号明細書;およびNevalainen et al.,“The Molecular Biology of Trichoderma and its Application to the Expression of Both Homologous and Heterologous Genes”,in Molecular Industrial Mycology,Eds.Leong and Berka,Marcel Dekker Inc.,NY(1992)pp.129−148)に記載されている。フザリウム属(Fusarium)株の形質転換については国際公開第96/00787号パンフレットおよびBajar et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8202−8212(1991)も参照される。
1つの具体的な実施形態において、形質転換のためのトリコデルマ属種(Trichoderma sp.)の調製は、真菌菌糸からのプロトプラストの調製を含む(Campbell et al.,Curr.Genet.16:53−56(1989);Pentilla et al.,Gene 61:155−164(1987)を参照のこと)。糸状菌の根頭癌腫病菌(Agrobacterium tumefaciens)媒介性の形質転換が公知である(de Groot et al.,Nat.Biotechnol.16:839−842(1998)を参照のこと)。糸状菌宿主を用いて使用される形質転換手順については、米国特許第6,022,725号明細書および米国特許第6,268,328号明細書も参照される。
一部の実施形態において、遺伝的に安定した形質転換体は、ベクター系を用いて構築され、それにより変異体グルコアミラーゼをコードする核酸は、宿主株染色体中に安定的に組み込まれる。次いで、形質転換体は、公知技術により精製される。
一部のさらなる実施形態において、宿主細胞は、植物細胞、例えば単子葉植物(例えばコーン(トウモロコシ)、コムギおよびソルガム)からの細胞または双子葉植物(例えばダイズ)からの細胞である。植物の形質転換において有用なDNA構築物を作製する方法および植物形質転換の方法は、公知である。これらの方法の一部としては、根頭癌腫病菌(Agrobacterium tumefaciens)媒介性の遺伝子移行;マイクロプロジェクティルボンバードメント、プロトプラストのPEG媒介性形質転換、エレクトロポレーションなどが挙げられる。米国特許第6,803,499号明細書、米国特許第6,777,589号明細書;Fromm et al.,BioTechnol.8:833−839(1990);Potrykus et al.,Mol.Gen.Genet.199:169−177(1985)が参照される。
グルコアミラーゼの生産
本開示はさらに、変異体グルコアミラーゼを生産する方法であって、本開示による変異体グルコアミラーゼをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターにより宿主細胞を形質転換すること、変異体グルコアミラーゼの発現および生産に好適な条件下で宿主細胞を培養することならびに任意選択で変異体グルコアミラーゼを回収することを含む方法に関する。一態様において、本開示による変異体グルコアミラーゼを発現させる方法であって、本明細書に開示の宿主細胞または細胞を得ること、細胞または宿主細胞からグルコアミラーゼ変異体を発現させることおよび任意選択でグルコアミラーゼ変異体を精製することを含む方法が提供される。一態様において、グルコアミラーゼ変異体を精製する。
本開示の発現および生産の方法において、宿主細胞は、生理学的塩および栄養素を含有する好適な培地を有する実験または工業用発酵槽中で、振とうフラスコ培養、スモールスケールまたはラージスケール発酵(連続、回分および流加発酵を含む)において好適な条件下で培養する(例えばPourquie,J.et al.,Biochemistry And Genetics Of Cellulose Degradation,eds.Aubert,J.P.et al.,Academic Press,pp.71−86,1988およびIlmen,M.et al.,Appl.Environ.Microbiol.63:1298−1306(1997)を参照のこと)。一般的な商業的に調製された培地(例えば酵母麦芽エキス(YM)ブロス、ルリアベルターニ(LB)ブロスおよびサブローデキストロース(SD)ブロス)を、本開示において使用する。細菌および糸状菌細胞についての培養条件は、当技術分野において公知であり、科学文献においておよび/または真菌の供給源、例えばAmerican Type Culture CollectionおよびFungal Genetics Stock Centerから見出すことができる。グルコアミラーゼコード配列が誘導性プロモーターの制御下にある場合、誘導剤(例えば糖、金属塩または抗菌薬)を、グルコアミラーゼ発現を誘導するために有効な濃度において培地に添加する。
一部の実施形態において、本開示は、植物宿主中で変異体グルコアミラーゼを生産する方法であって、本開示によるグルコアミラーゼ変異体をコードするポリヌクレオチドを含むベクターにより植物細胞を形質転換することならびに変異体の発現および生産に好適な条件下で植物細胞を生育させることを含む方法に関する。
一部の実施形態において、本開示により包含される変異体グルコアミラーゼをコードするポリヌクレオチドにより形質転換された細胞系による変異体グルコアミラーゼの発現を評価するためにアッセイを実施する。アッセイは、タンパク質レベルにおいて、RNAレベルにおいて、ならびに/またはグルコアミラーゼ活性および/もしくは生産に固有の機能バイオアッセイの使用により実施することができる。これらのアッセイの一部としては、ノザンブロッティング、ドットブロッティング(DNAまたはRNA分析)、RT−PCR(逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応)、適切に標識されたプローブを使用するインサイチュハイブリダイゼーション(核酸コード配列に基づく)および慣用のサザンブロッティングならびにオートラジオグラフィーが挙げられる。
さらに、変異体グルコアミラーゼの生産および/または発現は、例えば培養培地中の還元糖、例えばグルコースを直接計測するアッセイにより、ならびにグルコアミラーゼ活性、発現および/または生産を測定するためのアッセイにより、試料中で直接計測することができる。特に、グルコアミラーゼ活性は、3,5−ジニトロサリチル酸(DNS)法によりアッセイすることができる(Goto et al.,Biosci.Biotechnol.Biochem.58:49−54(1994)を参照のこと)。追加の実施形態において、タンパク質発現は、免疫学的方法、例えば細胞、組織切片の免疫組織化学染色または組織培養培地のイムノアッセイ(例えばウェスタンブロットまたはELISAによる)により評価する。このようなイムノアッセイを使用してグルコアミラーゼの発現を定性および定量的に評価することができる。このような方法の詳細は当業者に公知であり、そのような方法を実施するための多くの試薬が市販されている。
本開示のグルコアミラーゼは、当技術分野において公知の種々の手順、例として遠心分離、ろ過、抽出、沈殿などにより培養培地から回収または精製することができる。
一部の実施形態において、グルコアミラーゼ変異体は、2つ以上のアミノ酸置換を有する。例えば、変異体は、親グルコアミラーゼと比較して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20または25のアミノ酸置換、欠失または挿入を有し得る。一部の実施形態において、グルコアミラーゼ変異体は、非保存アミノ酸の領域に対応する位置における少なくとも1つのアミノ酸位置における置換、欠失または挿入を含む。本明細書において企図されるグルコアミラーゼ変異体は、成熟タンパク質配列中の任意の位置における置換、欠失または挿入を有し得る。
本明細書において企図される、グルコアミラーゼまたはグルコアミラーゼ変異体をコードするDNA配列は、典型的には、プロモーター、オペレーター、リボソーム結合部位、翻訳開始シグナルをコードする制御配列および任意選択で抑制遺伝子または種々のアクチベーター遺伝子を含む発現ベクターを使用して酵素形態で発現させることができる。本明細書において企図されるグルコアミラーゼをコードするDNA配列を担持する組換え発現ベクターは、組換えDNA手順に簡便に供することができる任意のベクターであり得る。ベクターは、親グルコアミラーゼ中に導入される場合、ゲノム中に組み込まれ、それが組み込まれた染色体と一緒に複製されるものであり得る。例えば、真菌細胞は、グルコアミラーゼをコードするDNA構築物により形質転換することができ、DNA構築物は1つ以上のコピーで宿主染色体中で組み込まれる。この組込みは、DNA配列が安定的に維持される可能性がより高いため、一般に有利であるとみなされる。DNA構築物の宿主染色体中への組込みは、慣用の方法に従って、例えば相同または非相同組換えにより実施することができる。
ベクターの使用を取り込む一実施形態において、DNA配列は、好適なプロモーター配列に作動可能に連結すべきである。プロモーターは、親グルコアミラーゼ中で転写活性を示す任意のDNA配列であり得、親グルコアミラーゼに対して同種または異種のいずれかであるタンパク質をコードする遺伝子に由来し得る。グルコアミラーゼ変異体をコードするDNA配列の転写を指向する好適なプロモーターの例は、非限定的な例にすぎないが、ニホンコウジカビ(A.oryzae)TAKAアミラーゼ、T.リーゼイ(T.reesei)セロビオヒドロラーゼI、リゾムコル・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼ、クロコウジカビ(A.niger)中性α−アミラーゼ、クロコウジカビ(A.niger)酸安定α−アミラーゼ、クロコウジカビ(A.niger)グルコアミラーゼ、リゾムコル・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ、ニホンコウジカビ(A.oryzae)アルカリプロテアーゼまたはA.ニデュランス(A.nidulans)グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼAをコードする遺伝子に由来するものである。企図される任意の発現ベクターは、グルコアミラーゼまたは変異体をコードするDNA配列に作動可能に連結している好適な転写ターミネーターおよびポリアデニル化配列も含み得る。終結およびポリアデニル化配列は、好適にはプロモーターと同一の供給源に由来し得る。ベクターは、真菌宿主中でのベクターの複製を可能とし、またはもたらす任意のDNA配列をさらに含み得る。ベクターは、産物が真菌宿主中の欠損を補完し得る追加の遺伝子も含み得る。例えば、選択可能マーカーを取り込んで薬物耐性を提供することができる。本明細書において企図される、グルコアミラーゼ、プロモーター、ターミネーターおよび他のエレメントをそれぞれコードするDNA構築物をライゲートするため、ならびに複製に必要な情報を含有する好適なベクター中にそれらを挿入するために使用される全ての手順は、当業者により理解され得るものである。
一態様において、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドの異種発現を有する宿主細胞、例えば真菌細胞、例えばトリコデルマ属(Trichoderma)、例えばトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)に関する。別の態様において、真菌細胞は、ヒポクレア・ジェコリナ(Hypocrea jecorina)種のものである。
一態様において、宿主細胞は、プラスミドまたは発現ベクターを含み、または好ましくは、それにより形質転換されており、したがって本明細書において企図されるポリペプチドを発現し得る。一態様において、発現ベクターは核酸を含み、本明細書において企図される発現ベクターまたはプラスミドは、トリコデルマ属種(Trichoderma)に由来するプロモーター、例えばT.リーゼイ(T.reesei)cbhI由来プロモーターならびに/またはトリコデルマ属種(Trichoderma)に由来するターミネーター、例えばT.リーゼイ(T.reesei)cbhI由来ターミネーターならびに/または1つ以上の選択マーカー、例えばアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)amdSおよびpyrGならびに/または宿主細胞中での非染色体プラスミド維持を可能とする1つ以上のテロメア領域を含み得る。
6.組成物および使用
本明細書において企図されるグルコアミラーゼは、組成物、例として、限定されるものではないが、例えばデンプン加水分解組成物およびデンプン糖化組成物、清浄組成物および界面活性剤組成物(例えば洗濯用界面活性剤、食器洗浄用界面活性剤および硬表面清浄組成物)、アルコール発酵組成物において、ならびに動物飼料組成物において使用することができる。さらに、これらのグルコアミラーゼは、ベーキング用途、例えばパンおよびケーキ製造、醸造、ヘルスケア、織物、環境廃棄物変換プロセス、バイオパルプ加工ならびにバイオマス変換用途において使用することができる。
一部の実施形態において、本明細書において企図されるグルコアミラーゼを含む組成物は、任意選択で以下の酵素−アルファアミラーゼ、ベータ−アミラーゼ、ペプチダーゼ(プロテアーゼ、プロテイナーゼ、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ)、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、エンドグルカナーゼおよび関連ベータ−グルカン加水分解アクセサリー酵素、キシラナーゼおよびキシラナーゼアクセサリー酵素、アセトラクテートデカルボキシラーゼ、シクロデキストリングリコトランスフェラーゼ、リパーゼ、フィターゼ、ラッカーゼ、オキシダーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、粒状デンプン加水分解酵素ならびに他のグルコアミラーゼのいずれか1つまたは任意の組合せとの組合せで使用される。
一部の実施形態において、組成物は、1つ以上のさらなる酵素を含む。一部の実施形態において、組成物は、アルファ−アミラーゼ、ベータ−アミラーゼ、ペプチダーゼ(例えばプロテアーゼ、プロテイナーゼ、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ)、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼおよび関連ベータ−グルカン加水分解アクセサリー酵素、キシラナーゼおよびキシラナーゼアクセサリー酵素(例えばアラビノフラノシダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、キシランアセチルエステラーゼ)、アセトラクテートデカルボキシラーゼならびにグルコアミラーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択される1つ以上のさらなる酵素を含む。
別の実施形態において、本明細書において企図される変異体および/または1つ以上のさらなる酵素は、低温殺菌により、例えば50、45、40、35、30、25、20、19、18、17、16または15低温殺菌単位(PU)未満を使用することによりビール、例えばピルスナービール中で不活化される。
一部の実施形態において、組成物は、アルファアミラーゼ、例えば真菌アルファアミラーゼ(例えばアスペルギルス属種(Aspergillus sp.))または細菌アルファアミラーゼ(例えばバシラス属種(Bacillus sp.)、例えばB.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)、(ゲオバシラス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus))、B.アミロリクエファシエンス(B.amyloliquefaciens)およびB.リケニフォルミス(B.licheniformis))ならびにそれらの変異体およびハイブリッドを含む。一部の実施形態において、アルファアミラーゼは、酸安定アルファアミラーゼである。一部の実施形態において、アルファアミラーゼは、カワチコウジカビ(Aspergillus kawachi)アルファアミラーゼ(AkAA)であり、米国特許第7,037,704号明細書を参照のこと。本開示の組成物における使用に企図される市販のアルファアミラーゼが公知であり、GZYME(登録商標)G997、SPEZYME(登録商標)FRED、SPEZYME(登録商標)XTRA(Danisco US,Inc,Genencor Division)、TERMAMYL(登録商標)120−LおよびSUPRA(登録商標)(Novozymes,Biotech.)が挙げられる。
一部の実施形態において、組成物は、酸性真菌プロテアーゼを含む。さらなる実施形態において、組成物は、2007年9月13日公開の国際公開第2007/101888号パンフレットに開示のプロリン残基のカルボキシル部位においてペプチドを加水分解する微生物クロコウジカビ(Aspergillus niger)の変異体を供給源とするエンドプロテアーゼ(EC3.4.21.26)を含む。さらなる実施形態において、酸性真菌プロテアーゼは、トリコデルマ属種(Trichoderma sp)に由来し、参照により本明細書に援用される2006年7月13日公開の米国特許出願公開第2006/0154353号明細書に開示のプロテアーゼのいずれか1つであり得る。さらなる実施形態において、組成物は、ブチアウキシエラ属種(Buttiauxiella spp.)からのフィターゼを含む(例えばBP−17、PCT特許出願公開の国際公開第2006/043178号パンフレットに開示の変異体も参照のこと)。さらなる実施形態において、組成物は、例えばバシラス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)からのまたは1986年10月14日公開の米国特許第4,617,273号明細書に開示の枯草菌(Bacillus subtilis)の改変株中で発現されるバシラス・ブレビス(Bacillus brevis)のALDC遺伝子からのアセトラクテートデカルボキシラーゼ(ALDC)EC4.1.1.5を含む。
他の実施形態において、本明細書において企図されるグルコアミラーゼは、他のそのようなグルコアミラーゼと組み合わせることができる。一部の実施形態において、そのようなグルコアミラーゼは、他の種々の株またはモナスカス・カオリアング(Monascus kaoliang)の変種またはアスペルギルス属(Aspergillus)の株もしくはその変種、例えばニホンコウジカビ(A.oryzae)、クロコウジカビ(A.niger)、カワチコウジカビ(A.kawachi)およびアワモリコウジカビ(A.awamori)に由来する1つ以上のグルコアミラーゼ;フミコラ属(Humicola)の株もしくはその変種に由来するグルコアミラーゼ;タラロミセス属(Talaromyces)の株もしくはその変種、例えばT.エメルソニイ(T.emersonii)に由来するグルコアミラーゼ;アセリア属(Athelia)の株もしくはその変種、例えばA.ロルフシイ(A.rolfsii)に由来するグルコアミラーゼ;またはアオカビ属(Penicillium)の株、例えばアオカビ(P.chrysogenum)に由来するグルコアミラーゼなどと組み合わせられる。
特に、本明細書において企図されるグルコアミラーゼは、デンプン変換プロセスに、特にフルクトースシロップ、特殊糖用のデキストロースの生産ならびにデンプン含有基質の発酵からのアルコールおよび他の最終生産物(例えば有機酸、アスコルビン酸およびアミノ酸)の生産において使用することができる(G.M.A.van Beynum et al.,Eds.(1985)STARCH CONVERSION TECHNOLOGY,Marcel Dekker Inc.NY)。本開示の変異体グルコアミラーゼ組成物を使用して生産されるデキストリンは、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%および少なくとも95%のグルコース収率をもたらし得る。本明細書において企図されるグルコアミラーゼを使用するデンプン基質の発酵からのアルコールの生産は、アルコール燃料または飲用アルコールの生産を含み得る。一部の実施形態において、変異体グルコアミラーゼが親または野生型グルコアミラーゼと同一条件下で使用される場合、アルコールの生産は、より大きくなる。一部の実施形態において、アルコールの生産は、親または野生型グルコアミラーゼよりも約0.5%〜2.5%良好であり、例として、限定されるものではないが、アルコールが0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%および2.4%多い。
一部の実施形態において、本明細書において企図されるグルコアミラーゼは、アルコール生産に使用される種々の植物ベースの基質、通常デンプンおよび/または糖含有植物材料からのデンプンの加水分解において使用される。一部の実施形態において、植物ベースの基質としては、コーン(トウモロコシ)、コムギ、オオムギ、ライムギ、ミロ、イネ、サトウキビ、ジャガイモ、キャッサバおよびそれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態において、植物ベースの基質は、分別された植物材料、例えば繊維、胚、タンパク質およびデンプン(内胚乳)のような構成成分に分別された例えば穀物粒、例えばコーン(トウモロコシ)である(米国特許第6,254,914号明細書および米国特許第6,899,910号明細書)。アルコール発酵の方法は、THE ALCOHOL TEXTBOOK,A REFERENCE FOR THE BEVERAGE,FUEL AND INDUSTRIAL ALCOHOL INDUSTRIES,3rd Ed.,Eds K.A.Jacques et al.,1999,Nottingham University Press,UKに記載されている。ある実施形態において、アルコールは、エタノールである。特に、アルコール発酵生産プロセスは、湿式製粉プロセスまたは乾式製粉プロセスとして特徴付けられる。一部の実施形態において、グルコアミラーゼは、湿式製粉発酵プロセスにおいて使用され、他の実施形態において、グルコアミラーゼは、乾式製粉プロセスにおいて使用される。
乾式穀物製粉は、多数の基本的な工程を含み、それらは一般にアルコールおよび他の副生物を生産するための摩砕、クッキング、液化、糖化、発酵ならびに液体および固体の分離を含む。植物材料、特に穀物粒全体、例えばコーン(トウモロコシ)、コムギまたはライムギが摩砕される。一部の場合、穀物は、最初に構成成分の部分に分別することができる。摩砕された植物材料を製粉して粗または微粒子を得ることができる。摩砕された植物材料は、スラリータンク中で液体(例えば水および/またはシンスティレージ)と混合することができる。スラリーは、液化酵素(例えばアルファアミラーゼ)とともにジェットクッカー中で高温(例えば約90℃〜約105℃以上)に供して穀物中のデンプンを可溶化し、デキストリンに加水分解する。混合物を冷却し、さらに糖化酵素、例えば本開示により包含されるグルコアミラーゼにより処理してグルコースを生産することができる。次いで、グルコースを含有するマッシュは、発酵微生物、例えばエタノール生産微生物、特に酵母(サッカロミセス属種(Saccharomyces spp.))の存在下で約24〜120時間発酵させることができる。マッシュ中の固体を液相から分離し、アルコール、例えばエタノールおよび有用な副生物、例えばジスチラーズグレインを得る。
一部の実施形態において、糖化工程および発酵工程は組み合わせられ、そのプロセスは並行複発酵または同時糖化、酵母増殖および発酵と称される。一態様において、本明細書に開示のグルコアミラーゼ変異体は、セルロース分解酵素および発酵用微生物を組み合わせる、セルロース系バイオマスをアルコールに変換する一工程プロセスにおいて使用される。このプロセスにおいて、酵素作用により放出される糖を微生物発酵によりアルコールに同時に変換することができる。
他の実施形態において、これらのグルコアミラーゼは、デンプン加水分解のためのプロセスにおいて使用することができ、そのプロセスの温度は25℃〜50℃であり、一部の実施形態において30℃〜40℃である。一部の実施形態において、グルコアミラーゼは、約3.0〜約6.5のpHにおけるデンプン加水分解のためのプロセスにおいて使用することができる。一部の実施形態における発酵プロセスは、穀物粒または分別された穀物を製粉し、摩砕された穀物粒と液体とを組み合わせてスラリーを形成し、次いでそれを単一容器中で本開示によるグルコアミラーゼならびに任意選択で他の酵素、例えば、限定されるものではないが、アルファアミラーゼ、他のグルコアミラーゼ、フィターゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼまたは粒状デンプン加水分解活性を有する他の酵素ならびに酵母と混合してエタノールおよび他の副生物を生産することを含む(例えば米国特許第4,514,496号明細書、国際公開第04/081193号パンフレットおよび国際公開第04/080923号パンフレットを参照のこと)。
一部の実施形態において、本開示は、液体デンプン溶液を糖化する方法であって、本明細書において企図される1つ以上のグルコアミラーゼを使用する酵素糖化工程を含む方法に関する。
一部の実施形態において、本開示は、醸造において使用すべきゼラチン化および液化(典型的には)グリストデンプンを加水分解および糖化する方法であって、本明細書において企図される1つ以上のグルコアミラーゼを含む組成物を使用してデンプンから得られる醸造酵母発酵性糖の量を向上させる方法に関する。醸造プロセスは、飲用生産物、ビールを生産するために使用され、発酵性糖は、醸造酵母を用いる発酵によりエタノールおよびCOに変換される。発酵性糖は、従来より、穀物粒中のデンプンに由来し、任意選択で発酵性糖供給源、例えばグルコースおよびマルトースシロップおよび甘蔗糖が補給される。手短に述べると、当技術分野において周知のビール生産は、典型的には、麦芽化、マッシングおよび発酵の工程を含む。
歴史的に、ビール生産における第1の工程は、穀物粒(例えばオオムギ)の麦芽化−浸漬、発芽および乾燥である。麦芽化の間、酵素が発芽穀類(例えばオオムギ)の穀物粒中で生産され、その化学構成要素のある変化(溶けとして公知)、例としてデンプン、タンパク質およびベータ−グルカンのいくらかの分解が存在する。
麦芽化穀類を製粉してグリストを生じさせ、それを製粉された副原料(例えば非発芽穀物粒)と混合して混合グリストを生じさせる。グリストは、主として副原料またはそれのみからなっていてもよい。グリストを水と混合し、マッシングに供し;既にクッキングされた(ゼラチン化および液化された)副原料(「副原料クッキング」の結果)をマッシュに添加することができる。マッシングプロセスを、種々の温度においてある期間にわたり実施して穀類タンパク質を加水分解し、ベータ−グルカンを分解し、デンプンを可溶化および加水分解する。従来のマッシングにおける麦芽および副原料中のグリストデンプンの加水分解は、麦芽化オオムギに対して内因性の2つの主な酵素により触媒されると考えられる。アルファ−アミラーゼは、デンプン分子の内部におけるアルファ−1,4結合をランダムに開裂させ、それらをより小さいデキストリンに断片化する。ベータ−アミラーゼは、それらのデキストリンの非還元末端からアルファ−1,4結合を連続的に開裂させ、主にマルトースを生産する。アルファ−およびベータ−アミラーゼの両方は、デンプン分子中でデンプン鎖の分枝点を形成するアルファ−1,6結合を加水分解し得ず、それはマッシュ中での限界デキストリンの蓄積をもたらす。麦芽は、酵素の限界デキストリナーゼを含有し、それはアルファ−1,6結合の加水分解を触媒するが、その熱不安定性に起因してマッシング温度において弱い活性を示すにすぎない。マッシング後、液体抽出物(麦汁)は、使用済み穀物固体(すなわちグリストの一部を形成する不溶性穀物および殻材料)から分離される。麦汁分離の目的としては、・良好な抽出物回収率を得ること、・良好なろ過性を得ること、および・澄明な麦汁を生産することが挙げられる。麦汁の抽出物回収率およびろ過性は、醸造プロセスの経済性において重要である。
麦汁の組成は、原料、マッシングプロセスおよびプロファイルならびに他の可変要素に依存する。典型的な麦汁は、65〜80%の発酵性糖(グルコース、マルトースおよびマルトトリオースならびに20〜35%の非発酵性限界デキストリン(マルトトリオースよりも高い重合度を有する糖)を含む。高レベルの副原料非麦芽化穀類グリストとともに醸造する場合、マッシングの間のデンプン加水分解酵素が不十分であり得る。したがって、マッシングプロセスの間に発酵性糖を生産し得る外因性酵素の供給源が必要とされる。さらに、そのような外因性酵素は、麦汁中の非発酵性糖のレベルを低減させ、それに対応して発酵性糖を増加させて低炭水化物含有量を有する高希薄化ビールを醸造するためにも必要である。マッシュに添加し、または醸造プロセスのマッシングプロセスにおいて使用してデンプングリスト中のアルファ−1,4結合および/またはアルファ−1,6結合を開裂させ、それにより麦汁の発酵性糖の含有量を増加させ、完成ビール中の非発酵性糖の残留物を低減させることができる、本明細書において企図される少なくとも1つのグルコアミラーゼを含むデンプンの加水分解のための酵素組成物が本明細書において開示される。さらに、そのように生産された麦汁を乾燥(例えば噴霧乾燥により)または濃縮(例えば煮沸および蒸発)させてシロップまたは粉末を提供することができる。
本明細書において企図されるグリストは、上記のとおり任意の植物ならびに植物部分、例として、例えば塊茎、根、茎、葉および種子に由来し得る任意のデンプンおよび/または糖含有植物材料を含み得る。好ましくは、グリストは、穀物、例えばオオムギ、コムギ、ライムギ、カラスムギ、コーン(トウモロコシ)、イネ、ミロ、キビおよびソルガムからの穀物を含み、より好ましくは、麦汁のグリストの少なくとも10%もしくはより好ましくは少なくとも15%、いっそうより好ましくは少なくとも25%または最も好ましくは少なくとも35%、例えば少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%またはさらに100%(w/w)は、穀物に由来する。最も好ましくは、グリストは、麦芽化穀物、例えばオオムギ麦芽を含む。麦汁のグリストの好ましくは少なくとも10%またはより好ましくは少なくとも15%、いっそうより好ましくは少なくとも25%または最も好ましくは少なくとも35%、例えば少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%またはさらには100%(w/w)は、麦芽化穀物に由来する。好ましくは、グリストは、副原料、例えばオオムギ、コムギ、ライムギ、カラスムギ、コーン(トウモロコシ)、イネ、ミロ、キビおよびソルガムからの非麦芽化穀物を含み、麦汁のグリストのより好ましくは少なくとも10%またはより好ましくは少なくとも15%、いっそうより好ましくは少なくとも25%または最も好ましくは少なくとも35%、例えば少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%またはさらには100%(w/w)は、非麦芽化穀物または他の副原料に由来する。即時発酵性の炭水化物、例えば糖またはシロップを含む副原料は、本発明のマッシングプロセスの前、その間またはその後に麦芽マッシュに添加することができるが、好ましくは、マッシングプロセス後に添加される。副原料の一部は、マッシュに添加される前にアルファ−アミラーゼおよび/もしくはエンドペプチダーゼ(プロテアーゼ)および/もしくはエンドグルカナーゼにより処理ならびに/または熱処理することができる。本明細書において企図されるデンプンの加水分解のための酵素組成物は、追加の酵素、好ましくは、アルファ−アミラーゼ、ベータ−アミラーゼ、ペプチダーゼ(プロテアーゼ、プロテイナーゼ、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ)、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼおよび関連ベータ−グルカン加水分解アクセサリー酵素、キシラナーゼおよびキシラナーゼアクセサリー酵素(例えばアラビノフラノシダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、キシランアセチルエステラーゼ)、アセトラクテートデカルボキシラーゼならびにグルコアミラーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択される酵素を含み得る。マッシングプロセスの間、グリストから抽出されるデンプンは、発酵性糖およびより小さいデキストリンに徐々に加水分解される。好ましくは、マッシュは、麦汁分離前のヨウ素試験に対して陰性のデンプンである。
マッシング後、麦汁(液体抽出麦汁)は、使用済み穀物固体からロータリングまたはマッシュろ過のプロセスにより分離される。麦芽ろ過の目的としては、良好な抽出物回収率;良好なろ過性および澄明な麦汁が挙げられる(さらなる情報は、“Technology Brewing and Malting”by Wolfgang Kunze of the Research and Teaching Institute of Brewing,Berlin(VLB),3rd completely updated edition,2004,ISBN 3−921690−49−8に見出すことができる)。
醸造プロセスの第3の工程である発酵前、麦汁を典型的には醸造釜に移し、50〜60分間激しく煮沸する。多数の重要なプロセス、例として内因性の麦芽酵素およびマッシュまたは副原料に添加される任意の外因性酵素の不活化を麦汁煮沸の間に行う(さらなる情報は、“Technology Brewing and Malting”by Wolfgang Kunze of the Research and Teaching Institute of Brewing,Berlin(VLB),3rd completely updated edition,2004,ISBN 3−921690−49−8に見出すことができる)。次いで、煮沸された麦汁を冷却し、醸造酵母をピッチングし、8〜16℃の範囲の温度において発酵させて発酵性糖をエタノールに変換する。低アルコールビールは、アルコールを選択的に除去するように機能する真空蒸発のプロセスにより最終ビールから生産することができる。さらに、ホップを麦汁に添加することができる。
一態様において、本発明は、発酵における本明細書において企図されるグルコアミラーゼ変異体または組成物の使用であって、前記変異体または組成物を発酵工程前またはその間に添加する使用に関する。さらなる態様において、前記発酵工程に、低温殺菌工程が続く。一態様において、前記発酵飲料を、ビール、例えば低アルコールビールまたは低カロリービールからなる群から選択する。別の態様において、前記変異体または前記組成物を、例えばアルファ−アミラーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼ、キシラナーゼ、アラビノフラノシダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、キシランアセチルエステラーゼおよびグルコアミラーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択される1つ以上のさらなる酵素との組合せで添加する。いっそうさらなる態様において、変異体または1つ以上のさらなる酵素を、低温殺菌工程において不活化する。
一態様において、本明細書において企図される変異体を、例えば発酵麦汁1ml当たり0.01〜50mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.05〜25mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.1〜15mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.2〜10mg、例えば発酵麦汁1ml当たり1〜5mgの量で添加する。
一態様において、本明細書において企図される変異体を、例えば発酵麦汁1ml当たり少なくとも0.001、0.01、0.05、0.10、0.200、0.300、0.500、0.800、0.100、0.500または1.000mgの量で添加する。
一態様において、本明細書において企図される変異体を、例えば発酵麦汁1ml当たり0.01〜20GAU、例えば発酵麦汁1ml当たり0.02〜10GAU、例えば発酵麦汁1ml当たり0.05〜5GAU、例えば発酵麦汁1ml当たり0.08〜2GAU、例えば発酵麦汁1ml当たり0.1〜1GAUの量で添加する。
一態様において、本明細書において企図される変異体を、例えば発酵麦汁1ml当たり少なくとも0.010、0.050、0.100、0.150、0.300、0.500、0.800、1.00、5.00または10.0GAUの量で添加する。
代替の実施形態において、本発明は、例えば発酵を発酵飲料を作製する方法に含める方法において、例えば発酵工程または任意選択のビールろ過工程後に低温殺菌工程を含む方法において本明細書に記載の変異体または組成物を発酵工程前またはその間に添加することを含む方法に関する。
一態様において、本発明は、発酵飲料を生産する方法であって、以下の工程:
a)例えばグリストから得られるマッシュを調製する工程(前記グリストは、例えば麦芽化および/もしくは非麦芽化穀物または別の作物からのデンプンベース材料の1つ以上を含み、この工程は、任意選択で前記マッシュを1つ以上のさらなる酵素と接触させることをさらに含む)、
b)マッシュをろ過して麦汁を得ることおよび
c)麦汁を発酵させて発酵飲料を得ること
ならびに任意選択で低温殺菌工程(d)
を含み、
本明細書に記載の変異体または組成物を
i.工程(a)のマッシュおよび/または
ii.工程(b)の麦汁および/または
iii.工程(c)の麦汁
に添加する方法に関する。
一態様において、工程において任意選択で添加される1つ以上の酵素は、デンプン枝切り酵素、R酵素、限界デキストリナーゼ、アルファ−アミラーゼ、ベータ−アミラーゼ、ペプチダーゼ(プロテアーゼ、プロテイナーゼ、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ)、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼおよび関連ベータ−グルカン加水分解アクセサリー酵素、キシラナーゼおよびキシラナーゼアクセサリー酵素(例えばアラビノフラノシダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、キシランアセチルエステラーゼ)、アセトラクテートデカルボキシラーゼおよびグルコアミラーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択することができる。別の態様において、1つ以上の酵素は、工程(b)または(c)の麦汁を1つ以上のさらなる酵素と接触させることにより添加することもでき、酵素を、デンプン枝切り酵素、イソアミラーゼおよび限界デキストリナーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択する。
代替の実施形態において、本開示は、本明細書において企図される1つ以上のグルコアミラーゼ(例えば熱不安定グルコアミラーゼ)を含む組成物を使用して麦汁中の発酵性糖の量を向上させる方法であって、1つ以上のグルコアミラーゼが発酵工程の間に活性になるように麦汁を煮沸した後に組成物を麦汁に添加する方法に関する。組成物は、麦汁に醸造酵母をピッチングする前、それと同時に、またはその後に、煮沸された麦汁に添加することができる。発酵および熟成工程の終了時、ビールを任意選択で真空蒸発に供して低アルコールビールを生産することができ、次いで任意選択でろ過および/または低温殺菌する。この方法の固有の利点は、約6〜15日間である(ピッチング率、発酵、温度などに応じて)発酵プロセスの期間にあり、これにより、短いマッシング工程(2〜4時間の期間)と比較して非発酵性糖の酵素的開裂に、より多くの時間が与えられる。この方法のさらなる利点は、非発酵性糖の所望の減少(および発酵性糖の増加)を達成するために必要とされる組成物の量にあり、それは類似の非発酵性糖の減少を達成するためにマッシュに添加される必要があるものよりも顕著に低い数の酵素活性の単位(例えばグルコアミラーゼ活性の単位)に対応する。さらに、これにより高い投入率のグルコアミラーゼがマッシュ中に添加される場合、特にロータリングによる麦汁分離の間に見られることが多い困難性が除去される。グルコアミラーゼ酵素の代替供給源と対照的に、驚くべきことに、本明細書において企図されるグルコアミラーゼは十分に温度感受性であること、完成ビールの最終熱処理工程(標準的な低温殺菌条件)がその触媒活性の不活化に十分であることが見出された。したがって、本明細書において企図される1つ以上のグルコアミラーゼを含む組成物の重要な利点は、それを使用して醸造の発酵工程の間に麦汁中の非発酵性糖の量を低減させ、低炭水化物含有量を有する高希薄化ビールを醸造することができ、組成物の触媒活性は、ビール低温殺菌の間の熱処理により不活化を受けやすく、それにより固定化酵素反応器の出費または遺伝子操作醸造酵母の使用が回避されることである。
本開示はまた、食料、飼料または飲料生産物、例えばアルコールまたはノンアルコール飲料、例えば穀類または麦芽ベース飲料、例えばビールまたはウイスキー、例えばワイン、シードル、酢、日本酒、醤油またはジュースを生産する方法であって、デンプンおよび/または糖含有植物材料を本明細書に記載の変異体または組成物により処理する工程を含む方法を提供する。別の態様において、本発明はまた、本明細書において企図される変異体または組成物;および前記変異体または組成物の使用指示書を含むキットに関する。本発明はまた、本明細書に記載の方法により生産される発酵飲料に関する。
本開示はまた、本明細書において企図される少なくとも1つのグルコアミラーゼを含む動物飼料組成物または配合物を提供する。デンプンを含む飼料の生産においてグルコアミラーゼ酵素を使用する方法は、例えば国際公開第03/049550号パンフレット(参照により全体として本明細書に援用される)に提供されている。手短に述べると、グルコアミラーゼを、デンプンを含む飼料と混合する。グルコアミラーゼは、動物による使用のために抵抗性デンプンを分解し得る。
本開示の他の目的および利点は、本明細書から明らかである。
6.本発明によるさらなる実施形態番号:
実施形態1
配列番号2の残基29、43、48、116および502または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の残基97、98、147、175、483および484または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を含むグルコアミラーゼ変異体。
実施形態2
a)配列番号2の502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換ならびに任意選択で配列番号2の残基29、43、48および116または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群から選択されるアミノ酸置換;
b)配列番号2の98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換ならびに任意選択で配列番号2の残基97、147、175、483および484または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸残基の群から選択される1つまたは2つのアミノ酸置換
を含み;
少なくとも前記界面アミノ酸の群または前記触媒コアアミノ酸残基の群から選択される1つのアミノ酸置換を有し;
配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有するグルコアミラーゼ変異体。
実施形態3
a)配列番号2の502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;
b)配列番号2の98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;および
c)配列番号2の48位もしくは親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換または配列番号2の147位もしくは親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換
を含み;
配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有するグルコアミラーゼ変異体。
実施形態4
a)配列番号2の502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;
b)配列番号2の98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;および
c)配列番号2の147位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換
を含み;
配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有するグルコアミラーゼ変異体。
実施形態5
a)配列番号2の502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;
b)配列番号2の98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;および
c)配列番号2の48位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換
を含み;
配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有するグルコアミラーゼ変異体。
実施形態6
配列番号2または13のアミノ酸置換H502S;配列番号2または13のアミノ酸置換L98E;および配列番号2もしくは13のアミノ酸置換Y48Vまたは配列番号2もしくは13のアミノ酸置換Y147Rを含み;配列番号2または13と少なくとも80%の配列同一性を有するグルコアミラーゼ変異体。
実施形態7
前記親グルコアミラーゼが、配列番号1、2、13、18、19、20、21または22である、実施形態1〜5のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態8
前記親グルコアミラーゼが、配列番号2または13である、実施形態1〜7のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態9
配列番号2の残基24、26、27、29、30、40、42、43、44、46、48、49、110、111、112、114、116、117、118、119、500、502、504、534、536、537、539、541、542、543、544、546、547、548、580、583、585、587、588、589、590、591、592、594および596または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換を含む、実施形態1〜8のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態10
配列番号2の1〜484位(24、26、27、29、30、40、42、43、44、46、48、49、110、111、112、114、116、117、118および119位を除く)におけるデンプン結合ドメインと直接接触しない残基または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を含む、実施形態1〜9のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態11
少なくとも74.5%のRDFを有する、実施形態1〜10のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態12
配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有する、実施形態1〜11のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態13
配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも85%の配列同一性を有する、実施形態1〜12のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態14
配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも90%の配列同一性を有する、実施形態1〜13のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態15
配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも95%の配列同一性を有する、実施形態1〜14のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態16
配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも99.5%の配列同一性を有する、実施形態1〜15のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態17
配列番号2または13と少なくとも80%の配列同一性、例えば少なくとも85%、90%、95%または99.5%の配列同一性を有する、実施形態1〜16のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態18
配列番号1、2、13、18、19、20、21または22のアミノ酸の親配列からなり、アミノ酸の配列が、配列番号2の残基F29、I43、Y48、F116およびH502(I43における置換はI43Qであり、Y48における置換はY48Vである)または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の残基S97、L98、Y147、F175、G483およびT484(S97における置換はS97Mであり、G483における置換はG483Sであり、T484における置換はT484Wである)または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を有する、実施形態1〜17のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態19
配列番号2のアミノ酸の配列からなり、アミノ酸の配列が、配列番号2の残基F29、I43、Y48、F116およびH502(I43における置換はI43Qであり、Y48における置換はY48Vである)からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の残基S97、L98、Y147、F175、G483およびT484(S97における置換はS97Mであり、G483における置換はG483Sであり、T484における置換はT484Wである)からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を有する、実施形態1〜18のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態20
配列番号13のアミノ酸の配列からなり、アミノ酸の配列が、配列番号13の残基F29、I43、Y48、F116およびH502(I43における置換はI43Qであり、Y48における置換はY48Vである)からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号13の残基S97、L98、Y147、F175、G483およびT484(S97における置換はS97Mであり、G483における置換はG483Sであり、T484における置換はT484Wである配列番号13)からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を有する、実施形態1〜19のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態21
前記親グルコアミラーゼと比較して減少した熱安定性を示す、実施形態1〜20のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態22
低温殺菌により、例えば16.8、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5または4低温殺菌単位(PU)未満を使用してビール中で不活化される、実施形態1〜21のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態23
結晶形態である場合、主鎖原子の原子座標が等価主鎖原子のアラインメントに従ってTrGAの等価主鎖原子の原子座標(国際公開第2009/067218号パンフレットの表20に定義)から0.13nm未満の平均二乗偏差を有し、リンカー領域、デンプン結合ドメインおよび触媒ドメインを有する結晶構造を有する、実施形態1〜22のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態24
配列番号2の残基F29、I43、Y48、F116およびH502(I43における置換はI43Qであり、Y48における置換はY48Vである)または前記親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の残基S97、L98、Y147、F175、G483およびT484(S97における置換はS97Mであり、G483における置換はG483Sであり、T484における置換はT484Wである)または前記親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を含む、実施形態1〜23のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態25
配列番号2のF29位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む、実施形態1〜24のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態26
配列番号2の以下のアミノ酸置換F29A/R/N/D/C/E/F/G/H/K/S/T/Q/I/L/M/P/Vまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜25のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態27
配列番号2の以下のアミノ酸置換F29Vまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜26のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態28
配列番号2のI43位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む、実施形態1〜27のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態29
配列番号2の以下のアミノ酸置換I43Qまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜28のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態30
配列番号2のY48位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む、実施形態1〜29のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態31
配列番号2の以下のアミノ酸置換Y48Vまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜30のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態32
配列番号2のF116位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む、実施形態1〜31のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態33
配列番号2の以下のアミノ酸置換F116Mまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜32のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態34
配列番号2のH502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む、実施形態1〜33のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態35
配列番号2の以下のアミノ酸置換H502A/N/D/C/E/F/G/H/K/S/T/Q/I/L/M/P/V/W/Yまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜34のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態36
配列番号2の以下のアミノ酸置換H502S/Eまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜35のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態37
配列番号2のS97位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む、実施形態1〜36のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態38
配列番号2の以下のアミノ酸置換S97Mまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜37のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態39
配列番号2のL98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む、実施形態1〜38のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態40
配列番号2の以下のアミノ酸置換L98A/R/N/E/G/H/K/S/T/Q/I/L/M/P/V/Yまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜39のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態41
配列番号2の以下のアミノ酸置換L98Eまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜40のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態42
配列番号2のY147位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む、実施形態1〜41のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態43
配列番号2の以下のアミノ酸置換Y147Rまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜42のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態44
配列番号2のF175位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む、実施形態1〜43のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態45
配列番号2の以下のアミノ酸置換F175V/I/Lまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜44のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態46
配列番号2のG483位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む、実施形態1〜45のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態47
配列番号2の以下のアミノ酸置換G483Sまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜46のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態48
配列番号2のT484位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換を含む、実施形態1〜47のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態49
配列番号2の以下のアミノ酸置換T484Wまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜48のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態50
(1)配列番号2の残基24、26、27、29、30、40、42、43、44、46、48、49、110、111、112、114、116、117、118、119、500、502、504、534、536、537、539、541、542、543、544、546、547、548、580、583、585、587、588、589、590、591、592、594および596または親グルコアミラーゼ中の等価位置からなる界面アミノ酸残基の群におけるアミノ酸置換;ならびに
(2)配列番号2の1〜484位(24、26、27、29、30、40、42、43、44、46、48、49、110、111、112、114、116、117、118および119位を除く)または親グルコアミラーゼ中の等価位置におけるデンプン結合ドメインと直接接触しない残基からなる触媒コアアミノ酸の群におけるアミノ酸置換の総数が、2、3または4つである、実施形態1〜49のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態51
配列番号2の以下のアミノ酸置換F29V−G483S、Y48V−L98E−H502S、F116M−F175V、F175V−H502E、I43Q−F175I−H502S、I43Q−F175I、F29V−S97M−G483S−T484WまたはL98E−Y147R−H502Sまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、実施形態1〜50のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態52
以下のアミノ酸置換L417V、T430A、Q511H、A539RおよびN563Iをさらに含む、実施形態1〜51のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態53
配列番号14からなる、実施形態1〜52のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態54
配列番号15からなる、実施形態1〜52のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態55
配列番号16からなる、実施形態1〜52のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態56
配列番号17からなる、実施形態1〜52のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態57
前記親グルコアミラーゼが、配列番号1、2、13、18、19、20、21および/または22と少なくとも80%の配列同一性を有する触媒ドメインを有する、実施形態1〜56のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態58
前記親グルコアミラーゼが、配列番号11、24、25、26、27、28および/または29と少なくとも80%の配列同一性を有するデンプン結合ドメインを有する、実施形態1〜57のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態59
前記親グルコアミラーゼが、トリコデルマ属種(Trichoderma spp.)、アスペルギルス属種(Aspergillus spp.)、フミコラ属種(Humicola spp.)、アオカビ属種(Penicillium spp.)、タラロミセス属種(Talaromyces spp.)またはシゾサッカルミセス属種(Schizosaccharmyces spp.)から得られるグルコアミラーゼから選択される、実施形態1〜58のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態60
前記親グルコアミラーゼが、トリコデルマ属種(Trichoderma spp.)またはアスペルギルス属種(Aspergillus spp.)から得られる、実施形態59に記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態61
前記親グルコアミラーゼと比較して変更された熱安定性を示す、実施形態1〜60のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態62
前記変更された熱安定性が、減少した熱安定性である、実施形態61に記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態63
前記親グルコアミラーゼと比較して変更された比活性を示す、実施形態1〜62のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態64
前記変更された比活性が、類似のまたは増加した比活性である、実施形態63に記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態65
前記親グルコアミラーゼと比較して減少した熱安定性および類似のまたは増加した比活性の両方を示す、実施形態1〜64のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態66
あるアミノ酸配列の、別のアミノ酸配列とのまたはそれに対する同一性の割合が、タンパク質−タンパク質Blast検索(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov)、デフォルト設定:スコア行列:blosum62、非冗長タンパク質配列データベースおよびblastアルゴリズムの使用により決定される、実施形態1〜65のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態67
低温殺菌により、例えば16.8、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5または4低温殺菌単位(PU)未満を使用してビール中で不活化される、実施形態1〜66のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態68
0.05〜10GAU/mg、例えば0.1〜5GAU/mg、例えば0.5〜4GAU/mg、例えば0.7〜4GAU/mgまたは例えば2〜4GAU/mgのグルコアミラーゼ活性(GAU)を有する、実施形態1〜67のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態69
宿主細胞中での組換え発現により得られる、実施形態1〜68のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体。
実施形態70
実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体をコードし得る核酸。
実施形態71
実施形態70に記載の核酸を含み、または実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体を発現し得る発現ベクターまたはプラスミド。
実施形態72
トリコデルマ属(Trichoderma)に由来するプロモーター、例えばT.リーゼイ(T.reesei)cbhI由来プロモーターを含む、実施形態71に記載の発現ベクターまたはプラスミド。
実施形態73
トリコデルマ属(Trichoderma)に由来するターミネーター、例えばT.リーゼイ(T.reesei)cbhI由来ターミネーターを含む、実施形態71〜72のいずれか1つに記載の発現ベクターまたはプラスミド。
実施形態74
1つ以上の選択マーカー、例えばアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)amdSおよびpyrGを含む、実施形態71〜73のいずれか1つに記載の発現ベクターまたはプラスミド。
実施形態75
宿主細胞中での非染色体プラスミド維持を可能とする1つ以上のテロメア領域を含む、実施形態71〜74のいずれか1つに記載の発現ベクターまたはプラスミド。
実施形態76
実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体の異種発現を有する宿主細胞。
実施形態77
真菌細胞である、実施形態76に記載の宿主細胞。
実施形態78
前記真菌細胞が、トリコデルマ属(Trichoderma)のものである、実施形態77に記載の宿主細胞。
実施形態79
前記真菌細胞が、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)種のものである、実施形態78に記載の宿主細胞。
実施形態80
前記真菌細胞が、ヒポクレア・ジェコリナ(Hypocrea jecorina)種のものである、実施形態77に記載の宿主細胞。
実施形態81
実施形態71〜75のいずれか1つに記載のプラスミドまたは発現ベクターを含み、好ましくは、それにより形質転換されている宿主細胞。
実施形態82
実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体を単離する方法であって、前記グルコアミラーゼ変異体の異種発現を有する実施形態76〜81のいずれか1つに記載の宿主細胞中での前記グルコアミラーゼ変異体の合成を誘導する工程および前記宿主細胞により分泌された細胞外タンパク質を回収する工程および任意選択で前記グルコアミラーゼ変異体を精製する工程を含む方法。
実施形態83
実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体を生産する方法であって、前記グルコアミラーゼ変異体の異種発現を有する実施形態76〜81のいずれか1つに記載の宿主細胞中での前記グルコアミラーゼ変異体の合成を誘導する工程および任意選択で前記グルコアミラーゼ変異体を精製する工程を含む方法。
実施形態84
実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体を発現させる方法であって、実施形態76〜81のいずれか1つに記載の宿主細胞を得ることおよび前記宿主細胞から前記グルコアミラーゼ変異体を発現させることおよび任意選択で前記グルコアミラーゼ変異体を精製することを含む方法。
実施形態85
実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体は、優勢分泌タンパク質である、実施形態82〜84のいずれか1つに記載の方法。
実施形態86
実施形態1〜69のいずれか1つに記載の1つ以上のグルコアミラーゼ変異体を含む組成物。
実施形態87
デンプン加水分解組成物、糖化組成物、洗浄組成物、アルコール発酵酵素組成物および動物飼料動物飼料組成物の中から選択される、実施形態86に記載の組成物。
実施形態88
1つ以上のさらなる酵素を含む、実施形態86〜87のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態89
前記1つ以上のさらなる酵素が、アルファ−アミラーゼ、ベータ−アミラーゼ、ペプチダーゼ(例えばプロテアーゼ、プロテイナーゼ、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ)、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼおよび関連ベータ−グルカン加水分解アクセサリー酵素、キシラナーゼおよびキシラナーゼアクセサリー酵素(例えばアラビノフラノシダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、キシランアセチルエステラーゼ)、アセトラクテートデカルボキシラーゼならびにグルコアミラーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択される、実施形態88に記載の組成物。
実施形態90
グルコアミラーゼ変異体および/または1つ以上のさらなる酵素が、低温殺菌により不活化される、実施形態86〜89のいずれか1つに記載の組成物。
実施形態91
前記グルコアミラーゼ変異体および/または前記1つ以上のさらなる酵素が、低温殺菌により、例えば50、45、40、35、30、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16または15低温殺菌単位(PU)未満を使用することによりビール中で不活化される、実施形態90に記載の組成物。
実施形態92
発酵における実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体または実施形態86〜91のいずれか1つに記載の組成物の使用であって、前記グルコアミラーゼ変異体または組成物を、発酵工程前またはその間に添加する使用。
実施形態93
前記発酵工程および任意選択のビールろ過工程に、低温殺菌工程が続く、実施形態92に記載の使用。
実施形態94
前記発酵を、発酵飲料を作製する方法に含める、実施形態92〜93のいずれか1つに記載の使用。
実施形態95
前記発酵飲料を、ビール、例えば低アルコールビールまたは低カロリービールからなる群から選択する、実施形態92〜94のいずれか1つに記載の使用。
実施形態96
前記グルコアミラーゼ変異体または前記組成物を、1つ以上のさらなる酵素との組合せで添加する、実施形態92〜95のいずれか1つに記載の使用。
実施形態97
前記1つ以上のさらなる酵素を、アルファ−アミラーゼ、ベータ−アミラーゼ、ペプチダーゼ(例えばプロテアーゼ、プロテイナーゼ、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ)、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼおよび関連ベータ−グルカン加水分解アクセサリー酵素、キシラナーゼおよびキシラナーゼアクセサリー酵素(例えばアラビノフラノシダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、キシランアセチルエステラーゼ)、アセトラクテートデカルボキシラーゼならびにグルコアミラーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択する、実施形態96に記載の使用。
実施形態98
前記グルコアミラーゼ変異体または前記1つ以上のさらなる酵素を、低温殺菌工程において不活化する、実施形態92〜97のいずれか1つに記載の使用。
実施形態99
前記グルコアミラーゼ変異体を、例えば発酵麦汁1ml当たり0.01〜50mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.05〜25mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.1〜15mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.2〜10mg、例えば発酵麦汁1ml当たり1〜5mgの量で添加する、実施形態92〜98のいずれか1つに記載の使用。
実施形態100
醸造プロセスの発酵工程における発酵性糖の生産を向上させるための熱不安定グルコアミラーゼ変異体の使用であって、前記グルコアミラーゼ変異体が、実施形態1〜69のいずれか1つに記載のものである使用。
実施形態101
実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体または実施形態86〜91のいずれか1つに記載の組成物を、発酵工程、例えば酵母を用いる発酵工程前またはその間に添加することを含む方法。
実施形態102
前記発酵工程または任意選択のビールろ過工程後に低温殺菌工程を含む、実施形態101に記載の方法。
実施形態103
前記発酵を、発酵飲料を作製する方法に含める、実施形態101〜102のいずれか1つに記載の方法。
実施形態104
前記発酵飲料を、ビール、例えば低アルコールビール、低カロリービールからなる群から選択する、実施形態101〜103のいずれか1つに記載の方法。
実施形態105
前記グルコアミラーゼ変異体または前記組成物を、1つ以上のさらなる酵素との組合せで添加する、実施形態101〜104のいずれか1つに記載の方法。
実施形態106
前記1つ以上のさらなる酵素を、アルファ−アミラーゼ、ベータ−アミラーゼ、ペプチダーゼ(例えばプロテアーゼ、プロテイナーゼ、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ)、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼおよび関連ベータ−グルカン加水分解アクセサリー酵素、キシラナーゼおよびキシラナーゼアクセサリー酵素(例えばアラビノフラノシダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、キシランアセチルエステラーゼ)、アセトラクテートデカルボキシラーゼならびにグルコアミラーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択する、実施形態105に記載の方法。
実施形態107
前記グルコアミラーゼ変異体および/または前記1つ以上のさらなる酵素を、前記低温殺菌工程において不活化する、実施形態101〜106のいずれか1つに記載の方法。
実施形態108
前記グルコアミラーゼ変異体を、例えば発酵麦汁1ml当たり0.01〜50mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.05〜25mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.1〜15mg、例えば発酵麦汁1ml当たり0.2〜10mg、例えば発酵麦汁1ml当たり1〜5mgの量で添加する、実施形態101〜107のいずれか1つに記載の方法。
実施形態109
以下の工程:
a)マッシュを調製すること、
b)前記マッシュをろ過して麦汁を得ることおよび
c)前記麦汁を発酵させて発酵飲料を得ること
を含む、発酵飲料の生産のための、実施形態101〜108のいずれか1つに記載の方法。
実施形態110
実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体または実施形態86〜91のいずれか1つに記載の組成物を、
工程(a)の前記マッシュおよび/または
工程(b)の前記麦汁および/または
工程(c)の前記麦汁
に添加する、実施形態109に記載の方法。
実施形態111
前記発酵飲料を低温殺菌工程(d)に供する、実施形態109または110に記載の方法。
実施形態112
工程(a)における前記マッシュを、グリストから得る、実施形態109〜111のいずれか1つに記載の方法。
実施形態113
前記グリストが、麦芽化および/もしくは非麦芽化穀物または別の作物からのデンプンベース材料の1つ以上を含む、実施形態112に記載の方法。
実施形態114
工程(a)の前記マッシュを、1つ以上のさらなる酵素と接触させることをさらに含む、実施形態109〜113のいずれか1つに記載の方法。
実施形態115
前記酵素を、デンプン枝切り酵素、R酵素、限界デキストリナーゼ、アルファ−アミラーゼ、ベータ−アミラーゼ、ペプチダーゼ(例えばプロテアーゼ、プロテイナーゼ、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ)、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼおよび関連ベータ−グルカン加水分解アクセサリー酵素、キシラナーゼおよびキシラナーゼアクセサリー酵素(例えばアラビノフラノシダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、キシランアセチルエステラーゼ)、アセトラクテートデカルボキシラーゼならびにグルコアミラーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択する、実施形態114に記載の方法。
実施形態116
工程(b)または(c)の前記麦汁を1つ以上のさらなる酵素と接触させることをさらに含み、前記酵素を、デンプン枝切り酵素、イソアミラーゼおよび限界デキストリナーゼ(それらの任意の組合せを含む)の中から選択する、実施形態109〜115のいずれか1つに記載の方法。
実施形態117
実施形態109〜116のいずれか1つに記載の方法により生産される発酵飲料。
実施形態118
ビール、例えば低アルコールビールまたは低カロリービールである、実施形態117に記載の発酵飲料。
実施形態119
食料、飼料または飲料生産物、例えばアルコールまたはノンアルコール飲料、例えば穀類または麦芽ベース飲料、例えばビールまたはウイスキー、例えばワイン、シードル、酢、日本酒、醤油またはジュースを生産する方法であって、デンプンおよび/または糖含有植物材料を実施形態1〜69に記載のグルコアミラーゼ変異体または実施形態86〜91のいずれか1つに記載の組成物により処理する工程を含む方法。
実施形態120
実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体または実施形態86〜91のいずれか1つに記載の組成物;および前記グルコアミラーゼ変異体または組成物の使用指示書を含むキット。
実施形態121
第1または第2世代バイオ燃料、例えばバイオエタノールおよび/またはバイオブタノールの生産における、実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体または実施形態86〜91および117〜118のいずれか1つに記載の組成物の使用。
実施形態122
バイオケミカル、例えばバイオベースドイソプレンの生産における、実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体または実施形態86〜91および117〜118のいずれか1つに記載の組成物の使用。
実施形態123
第1または第2世代バイオ燃料、例えばバイオエタノールおよび/またはバイオブタノールを生産する方法であって、デンプンを含む材料を実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体または実施形態86〜91および117〜118のいずれか1つに記載の組成物により処理する工程を含む方法。
実施形態124
バイオケミカル、例えばバイオベースドイソプレンを生産する方法であって、デンプンを含む材料を実施形態1〜69のいずれか1つに記載のグルコアミラーゼ変異体または実施形態86〜91および117〜118のいずれか1つに記載の組成物により処理する工程を含む方法。
実施形態125
実施形態82〜85のいずれか1つに記載の方法により得られるグルコアミラーゼ変異体。
実施形態126
例えば0.1〜99.9%の範囲である、実施形態125に記載の生産物を含む組成物。
以下の実施例を提供し、考察される実施形態の趣旨から逸脱せずに種々の改変をなすことができることを理解されたい。
アッセイおよび方法
以下のアッセイおよび方法を、以下に提供される実施例において使用する。変異体を提供するために使用される方法を以下に記載する。しかしながら、親酵素の変異体を提供するために様々な方法を使用することができ、本発明は、実施例において使用される方法に限定されないことに留意されたい。変異体の作製および変異体の選択のための任意の好適な手段を使用することができることが意図される。
発酵によるGAの生産
400×微量元素溶液:1000mlの脱塩水中で希釈する:無水クエン酸(175g)、FeSO 7HO(200g)、ZnSO 7HO(16g)、CuSO 5HO(3.2g)、MnSO O(1.4g)、HBO(0.8g)。これを酸性化して全ての構成成分を溶液で得ることが有益であり得る。溶液をろ過および滅菌した。
LD培地:約800mlの脱塩水に添加する:カザミノ酸(9g)、MgSO 7HO(1g)、(NHSO(5g)、KHPO(4.5g)、CaCl
2HO(1g)、ピペラジン−1,4−ビス−プロパンスルホン酸(PIPPS)緩衝液(33g)、400×T.リーゼイ(T.reesei)微量元素(2.5ml)、NaOH 4NによりpHを5.5に調整する。最終容量を920mlに調整する。
2×AmdS基礎培地寒天(1リットル):KHPO(30g)、1Mのアセトアミド(20ml)、1MのCsCl(20ml)、20%のMgSO4.7HO(6ml)、20%のCaCl.2HO(6ml)、T.リーゼイ(T.reesei)胞子元素400×(2ml)、50%のグルコース.HO(80ml)を混合する。4NのNaOHによりpHを4.5に調整する。1Lにメークアップし、フィルター滅菌する。4℃において貯蔵する。
初期培養:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)株を、AmdS基礎培地寒天プレート上で生育させた。寒天プレートを生産するため、最小培地寒天を煮沸し、約50℃に冷却した後、それを2×AmdS基礎培地により1:1に希釈し、ペトリ皿上に注いだ。胞子形成後(約6〜7日)、プレートを2mlの生理食塩水、0.015%のTween80によりスクレーピングした。約1mlを、500〜600μlの35%グリセロールを含有するグリセロールチューブに添加し、−80℃において貯蔵した。前培養発酵をこの胞子懸濁液から直接開始させた。
前培養:2.5%のグルコースをLD培地に添加し、続いて1Lにメークアップすることにより培地を作製する。バイオマスを生産するため、50μlの胞子懸濁液を100mlの培地(500mlの振とうフラスコ中で滅菌)に添加する。フラスコをロータリーシェーカー上で30℃、180rpmにおいて2日間インキュベートし、次いで10mlの懸濁液を使用して新たなバッフル付振とうフラスコに接種し、それを類似の条件下で1日間インキュベートする。このフラスコの含有物を使用して発酵槽に接種する。あるいは、前培養の発酵は、T.リーゼイ(T.reesei)を有する新たなPDAプレートの一片(約1cm)単位で開始させた。
主培養:1Lの培地を作製するため、40mlのグルコース/ソホロース混合物(Danisco,Jamsa,Finland)をLD培地に添加し、1Lにメークアップした。4Lの培地を含有する6Lの発酵槽に前培養物を接種し、CER/OUR(二酸化炭素排出速度/酸素利用速度(Carbondioxide Excretion Rate/Oxygen Uptake Rate))が降下し始めるまでpH3.5において34℃において約16時間生育させた。次いで、温度を28℃に低下させ、pHを5.5に上昇させ、発酵を約80時間継続させた。細胞培養物を収集し、培地を遠心分離(25分間における4000rpm)およびろ過(VacuCap 90、0.2μm)により澄明化した。次いで、発酵体を濃縮し、−20℃において貯蔵した。
TrGA変異体の精製
発現したTrGA変異体の培養上清を、BioRAD DUO−Flow FPLCシステム(BioRAD,U.S.)を使用する親和性クロマトグラフィーにより一工程で精製した。クロマトグラフィーは、手動によりBioRAD FPLCシステム上で実施した。β−シクロデキストリン(Sigma−Aldrich Zwijndrecht,The Netherlands;CAS番号:68168−23−0)をエポキシ活性化Sepharose(商標)6B(GE Healthcare,Diegem,Belgium;ロット:10021987)上で固定化することにより15mlのβ−シクロデキストリンカラムを作製した。このβ−CDカラムを緩衝液Aにより2ml/分の流速において平衡化した。この流速を精製全体にわたり維持した。500GAU単位を含有する試料を注入チューブに通してカラム上にロードし、10mlの分画を精製全体にわたり回収した。フロースルーを廃棄し、緩衝液Aによる広域の洗浄によるベースラインの安定化後に緩衝液を100%の緩衝液B(25mMの酢酸Na pH4.3中10mMのα−シクロデキストリン(Sigma,28705))に切り替えた。結合したTrGA変異体をカラムから溶出させ、全てのタンパク質を溶出させた後に緩衝液を最終的に緩衝液Aに切り替えて戻した。溶出したタンパク質を脱塩してα−シクロデキストリンを除去し、グルコアミラーゼ活性について、およびドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)により分析した。
精製TrGA変異体のタンパク質定量
総タンパク質定量には、ブラッドフォードアッセイを使用した。試薬溶液はブラッドフォードQuikstart作業溶液(BioRadカタログ番号500−0205)であった。100μlの上清を新たな96ウェル平底プレート中に装入した。それぞれのウェルに200UIの試薬を添加し、室温において5分間インキュベートした。吸光度をMTPリーダー(Molecular Devices Spectramax 190)中で595nmにおいて計測した。タンパク質濃度は、ウシ血清アルブミン(BSA)(0〜50Ug/ml)標準曲線に従って算出した。
ゲル電気泳動分析
全てのドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)は、Invitrogen NuPAGE(登録商標)Novex 4−12%ビストリスゲル1.0mm、12ウェル(カタログ番号NP0321box)、Novex See−Blue(登録商標)Plus2プレステインドスタンダード(カタログ番号LC5925)、Invitrogen Simply Blue Safestain(カタログ番号LC6060)およびNuPAGE(登録商標)MES SDSランニング緩衝液(カタログ番号NP0002)を用いて、製造業者のプロトコルに従って実行した。
96ウェルマイクロタイタープレートについてのpNPGグルコアミラーゼ活性アッセイ
試薬溶液は、NaAc緩衝液:200mMの酢酸ナトリウム緩衝液pH4.5;基質:NaAc緩衝液中50mMのp−ニトロフェニル−α−D−グルコピラノシド(Sigma N−1377)(0.3g/20ml)および停止溶液:800mMのグリシン−NaOH緩衝液pH10であった。30μlのろ過上清を新たな96ウェル平底マイクロタイタープレート(MTP)中に装入した。それぞれのウェルに50μlのNaAc緩衝液および120μlの基質を添加し、50℃において30分間インキュベートした(Thermolab systems iEMSインキュベーター/シェーカーHT)。反応を100μlの停止溶液の添加により終結させた。吸光度をMTPリーダー(Molecular Devices Spectramax 384 plus)中で405nmにおいて計測し、0.011μM/cmのモル吸光係数を使用して活性を算出した。
96ウェルマイクロタイタープレート中のGAU活性の測定
pNP−β−マルトシド基質を用い、p−ニトロフェノールの量として表現される特異的比色グルコアミラーゼアッセイが、定義されるアッセイ条件下でその基質から生産される。特異的基質p−ニトロフェニル−β−マルトシドはα−アミラーゼ、α−グルコシダーゼおよびトランスグルコシダーゼにより加水分解されず、それは市販のグルコアミラーゼ調製物中で汚染物質として出現し得る。
基質:p−ニトロフェニル−β−マルトシド(4mM)と熱安定β−グルコシダーゼ(5U/ml)(アッセイR−AMGR3 05/04から;Megazyme International Wicklow,Ireland)を新たに調製した。
緩衝液:200mMの酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)。
酵素試料は、酢酸ナトリウム緩衝液中で少なくとも10倍だけ希釈した。96ウェルプレート中で:20μLの基質を20μLの酵素溶液と混合し、撹拌しながら40℃において10分間インキュベートした。300μLの2%Trizma塩基を添加して反応を終結させ、発色させた。400nmにおける吸光度を、試薬ブランクに対して計測した。
ブランクは、300μLのTrizma塩基溶液(2%)を20μLの基質に激しく撹拌しながら添加し、次いで酵素溶液(20μL)を添加することにより調製した。活性は、以下のとおり算出した:
GAU=酵素活性の国際単位。1単位は、定義されるpHおよび温度において毎分、基質から1μモルのp−ニトロフェノールを放出する酵素の量である。ΔA400=吸光度(反応)−吸光度(ブランク)。10=インキュベーション時間(分)。340=最終反応容量(μL)。20=アッセイされた酵素の容量(μL)。18.1=400nmにおける2%trizma塩基(pH約8.5)中のp−ニトロフェノールのEmM(単位:μM−1*cm−1)。0.88=光路(cm)。
熱安定性アッセイ
グルコアミラーゼ活性の相対損失を、実験室スケールの低温殺菌アッセイにおいてガス抜きビールまたは酢酸Na緩衝液pH4.5中で測定した。試料をビールまたは緩衝液中で1:10に希釈し、薄型ガラスキュベットに移し、72℃における水浴中に装入し、時間および温度を計測した。試料を経時的に(0〜100秒)抜き取り、氷上で保持してから残留GAU活性を測定した。希釈および混合をBiomek 3000(Beckman Coulter)上で96ウェルELISAプレート中で実施した。本実験において使用される条件下で酵素熱安定性を計測するため、GAU活性を酵素のインキュベーション前後に測定した。グルコアミラーゼを有さないビールまたは緩衝液をブランクとして使用した。蓄積エネルギー投入量を、エネルギー等価指数の低温殺菌単位(PU)に下記の式により変換した。
低温殺菌単位またはPUは、低温殺菌の定量的尺度を指す。ビールについての1低温殺菌単位(1PU)は、60摂氏度における1分間の熱保持と定義する。以下のとおり計算する。
PU=t×1.393(T−60):
t=低温殺菌器中の低温殺菌温度における時間(分)
T=低温殺菌器中の温度(摂氏度)
(T−60)は、(T−60)の指数を表す]
熱安定性は、TrGA変異体についてレギュラーガス抜きピルスナー(Royal Export Pilsner)pH(4.5)中で測定した。データを以下のとおり相対活性%として算出する。
真正発酵度(RDF)の測定を有する醸造分析
純粋麦芽醸造分析
340gのMunton’s麦芽エキスを1500mlの熱水中で溶解させた。このスラリーに5つのペレットのHopfenveredlung,St.Johann製のビターホップ(16.0%のアルファ含有率(EBC7.70規定のHPLC分析)、HSOによりpHを5.2に調整)を添加し、1時間煮沸してから121℃において15分間オートクレーブ処理していかなる残留グルコアミラーゼ活性および微生物汚染も破壊した。マッシングの終了時、マッシュを冷却し、350gにメークアップし、ろ過した。濾液用量を30分後に計測し、ろ過された麦汁を比重測定のために試料採取した。最終麦汁は、1058.6の初期比重(すなわち14.41°Plato)を有していた。60mlの麦汁をそれぞれの100mlフラスコ(発酵容器;FV)に添加し、次いで18℃に冷却した。酵素を類似量のタンパク質(麦汁1mL当たり0.058mgのGA)または類似のβ−D−マルトシド活性(麦汁1mL当たり0.16GAU)に基づき投入した。
以下の添加をフラスコに行った:
− 陰性対照フラスコは2mlの滅菌水を受容した;
− 陽性対照フラスコは、Genencor Internationalにより供給される2mlの希釈DIAZYME(登録商標)X4(クロコウジカビ(Aspergillus niger)の株に由来する濃縮グルコアミラーゼ);トリコデルマ・リーゼイ(Trichorderma reesei)(TrGA wt)ろ過発酵ブロスからの2mlの希釈野生型グルコアミラーゼ;およびトリコデルマ・リーゼイ(Trichorderma reesei)(TrGA CS4)ろ過発酵ブロスからの2mlの希釈CS4グルコアミラーゼ変異体を受容した。
− 試験フラスコは、2mlの3.5mg→2mlの熱不安定グルコアミラーゼ変異体の希釈物を受容し、それはピッチング麦汁1hl当たりで添加されるグルコアミラーゼの量(mg)に関して陽性対照においてDIAZYME(登録商標)X4について使用されるものと同一の添加率に相当した。
それぞれのコニカルフラスコに新たに生産された酵母W34/70(Weihenstephan)を麦汁100mL当たり0.6gの投入率において投入し、発酵を標準化実験室試験条件下で進行させた(18.5℃の上昇温度、150rpmの穏やかな撹拌、オービタルインキュベーター中、最大88時間)。それぞれのフラスコを重量損失および比重に関して計画的な間隔において分析した一方、真正発酵度(RDF、これは割合の形態で表現される真正希薄度)を最終発酵麦汁(ビール)について算出した。発酵前、その間およびその後の麦汁の比重は、比重計またはAnton−Paar密度計(例えばDMA4100M)を使用して計測し、真正希薄度はEnsmingerにより列記された式に従ってRDFとして割合の形態で算出および表現した(http://hbd.org/ensmingr/“Beer data:Alcohol,Calorie,and Attenuation Levels of Beer”を参照のこと)。発酵の間の重量損失のモニタリングは、CO2進化およびしたがってエタノール形成の間接的尺度を提供する。
残留活性は、発酵前後で計測した。エタノールの生産は、発酵物の重量損失により間接的に計測した。アルコールはAnton−Paar上で計測した。
麦芽−副原料醸造分析
副原料としてコーン(トウモロコシ)グリストを使用する改変デコクションマッシングを用いた。醸造プロトコルは、米国特許出願公開第2009014247号明細書から改変した。麦芽の40%を、12.6%の含水率を有するコーン(トウモロコシ)グリスト(Benntag Nordic;Nordgetreide GmBH Luebec,Germany)により置換した。全てのコーン(トウモロコシ)グリストを、54%の水および5%の麦芽(溶けが十分なピルスナー麦芽;Fuglsang Denmark)と一緒に100℃に2℃/分において加熱した。5分間のレストを72℃および80℃において保持し、10分間のレストを100℃において保持した。その後、副原料を64℃に冷却し、同様に64℃において主マッシュと合わせた。この段階において酵素を添加し、64℃のレストを250分間に拡張した。発酵後、RDF値を決定した。
真正発酵度(RDF)値は、以下の式に従って算出することができる:
RE=真正エキス=(0.1808×°P初期)+(0.8192×°P最終)、°P初期は発酵前の標準化麦汁の比重であり、°P最終は発酵麦汁の比重であり、plato度で表現する。
本文脈に関して、真正発酵度(RDF)は、比重およびアルコール濃度から決定した。
比重およびアルコール濃度は、発酵物に対してBeer Alcolyzer PlusおよびDMA 5000密度計(両方ともAnton Paar,Gratz,Austria製)を使用して測定した。これらの計測値に基づき、真正発酵度(RDF)値を以下の式に従って算出した:
E(r)は、Plato度(°P)での真正エキスであり、OEは、°Pでの原麦汁エキスである。
実施例1
トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)中での発現のためのpTTTベクター中でのTrGA変異体の構築
(米国特許出願公開第20110020899号明細書、米国特許出願公開第20110014681号明細書)に記載のとおり、TrGA wtおよびTrGA CS4変異体(配列番号2および配列番号13)をコードするヒポクレア・ジェコリナ(Hypocrea jecorina)(アナモルフはトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei))最適化cDNA配列(配列番号30および配列番号31)を、pDONR(商標)201中にGateway(登録商標)BP組換え反応(Invitrogen,Carlsbad,CA,USA)を介してクローニングし、エントリーベクターpEntry−CS4およびpEntry−GA(図1)をもたらした。H.ジェコリナ(H.jecorina)中でのタンパク質の発現を可能とするため、TrGA CS4/GA wtコード配列をGateway適合性デスティネーションベクターpTTT−pyrG13またはpTTT−pyr2中にGateway(登録商標)LR組換え反応を介してクローニングした。
pTTT−pyrG13ベクターは、国際公開第2010141779A1号パンフレットに記載された。このベクターは、関心対象の遺伝子の強力な誘導性発現を可能とするT.リーゼイ(T.reesei)cbhI由来プロモーターおよびターミネーター領域、ウリジン不存在下で唯一の窒素源としてのアセトアミド上での形質転換体の生育を付与するアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)amdSおよびpyrG選択マーカーならびに真菌細胞中での非染色体プラスミド維持を可能とするT.リーゼイ(T.reesei)テロメア領域を含有する。cbhIプロモーターおよびターミネーター領域は、バクテリオファージラムダに基づく特異的組換え部位attR1、attR2によりフランキングされているクロラムフェニコール耐性遺伝子Cmおよび致死性大腸菌(E.coli)遺伝子ccdBにより離隔されている。このような構成は、Gateway(登録商標)LR組換え反応を介して右向きにおけるcbhI調節エレメントの制御下でTrGA遺伝子を含有する組換え体の直接的な選択を可能とする。pTTT−pyr2デスティネーションベクターは、pyrGがH.ウリジンの不存在下で生育するジェコリナ(H.jecorina)ウリジン栄養要求能を付与するH.ジェコリナ(H.jecorina)pry2遺伝子により置き換えられたpTTT−pyrG13の誘導体である。最終発現ベクターpTTT−pyrG13−GACS4およびpTTTpyr2−GACS4を図2に示す。
pEntry−CS4およびpEntry−GA wtプラスミドを、BASEClear(Leiden,The Netherlands)により構築された組換え突然変異誘発のためのテンプレートとして使用した。成熟TrGA wt(配列番号2)および成熟TrGA CS4変異体(配列番号13)における特異的単一およびコンビナトリアル変異体の生成のため、表1に示されるとおり販売会社に要求した。TrGA−CS4変異体は、TrGA(wt)と比較して以下の突然変異L417V−T430A−Q511H−A539R−N563Iを含む。
実施例2
トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)中へのTrGA変異体の形質転換
PEGプロトプラスト法を使用してTrGA変異体をT.リーゼイ(T.reesei)中に形質転換した。配列分析により確認されたプラスミドDNAをBASEClear(Leiden,The Netherlands)により提供し、以下の改変を有するPEG−プロトプラスト法(Penttilae et al.(1987)Gene 61:155−164)を使用して4つの遺伝子欠失(Δcbh1、Δcbh2、Δegl1、Δegl2、すなわち「四重欠失」;米国特許第5,847,276号明細書、国際公開第92/06184号パンフレットおよび国際公開第05/001036号パンフレットを参照のこと)を担持するRL−P37に由来するT.リーゼイ(T.reesei)宿主株中に個々に形質転換した。
プロトプラスト調製のため、胞子をトリコデルマ属(Trichoderma)最小培地(MM)(20g/Lのグルコース、15g/LのKHPO、pH4.5、5g/Lの(NHSO、0.6g/LのMgSO・7HO、0.6g/LのCaCl・2HO、1mlの1000×T.リーゼイ(T.reesei)微量元素溶液{5g/LのFeSO・7HO、1.4g/LのZnSO・7HO、1.6g/LのMnSO・HO、3.7g/LのCoCl・6HO})中で150rpmにおいて振とうさせながら24℃において16〜24時間生育させた。発芽胞子を遠心分離により収集し、15mg/mlのβ−D−グルカナーゼ−G(Interspex−商品番号0439−1)溶液により処理して真菌細胞壁を溶解させた。プロトプラストのさらなる調製は、Penttilae et al.(1987前掲)により記載される標準的方法により実施した。
形質転換法は、10分の1にスケールダウンさせた。一般に、25μlの総容量で最大600ngのDNAおよび1〜5×10個のプロトプラストを含有する形質転換混合物は、200mlの25%PEG溶液により処理し、2容量の1.2Mソルビトール溶液により希釈し、アセトアミドを有する3%選択的上層アガロースMMと混合し(上記と同一の最小培地であるが、(NHSOを20mMのアセトアミドと置換した)、24ウェルマイクロタイタープレートまたは48ウェルに分割された20×20cmのQ−tray中でアセトアミドを有する2%選択アガロース上に注いだ。プレートを28℃において5〜8日間インキュベートした。それぞれの個々のウェル上で再生成された形質転換体の全集団からの胞子は、0.85%のNaCl、0.015%のTween 80の溶液を使用してプレートから収集した。胞子懸濁液を使用して96ウェルMTP中で発酵物に接種した。24ウェルMTPの場合、選択アセトアミドMMを有する新たな24ウェルMTP上での追加の平板培養工程を導入して胞子数を高めた。
実施例3
トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)からのグルコアミラーゼ変異体(TrGA)の発酵ブロス中の酵素活性の分析
アッセイおよび方法の部に上記のとおり形質転換体を発酵させ、発現した変異体TrGAタンパク質を含有する上清を種々の特性について試験した。
手短に述べると、菌糸体を培養試料から遠心分離により除去し、アッセイおよび方法の部に上記のとおり上清を総タンパク質含有率(BCAタンパク質アッセイキット、Pierceカタログ番号23225)およびGA活性について分析した。
全ブロス試料のタンパク質プロファイルは、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE電気泳動)により決定した。培養上清の試料を、還元剤を有する等容量の5×試料ローディング緩衝液と混合し、10分間煮沸し、NUPAGE(登録商標)Novex 4−12%ビストリスゲル上でMES SDSランニング緩衝液(Invitrogen,Carlsbad,CA,USA)を用いて分離した。ポリペプチドバンドをSDSゲル中でSIMPLYBLUE SafeStain(Invitrogen,Carlsbad,CA,USA)を用いて製造業者のプロトコルに従って可視化した。図3、4および5に示されるとおり、TrGA(wt)およびTrGA−CS4骨格(CS4はTrGA(wt)野生型と比較してL417V−T430A−Q511H−A539R−N563Iを含む)の両方からのトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)変異体の発酵ブロスを分析した。トリコデルマ・リーゼイ(Trichorderma reesei)変異体の発酵ブロスのグルコアミラーゼ活性を計測し、表2に示す。
ほとんどのトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)変異体の発酵ブロスは、TrGA(wt)グルコアミラーゼのサイズ(64kDa)において濃いタンパク質バンドを示した。しかしながら、様々な変異体の発現レベルおよびさらには計測されたGAU活性の大きい変動が発酵ブロス間で見られた。発酵ブロスの総GAU活性と、総タンパク質含有率とを比較すると、見かけの比活性は、最大の比活性を有する変異体から最小の比活性を有する変異体まで52倍変動することがわかった。したがって、ある部位を含む突然変異のいくつかの組合せは、発現性またはGAU活性のいずれかに関して破壊的であり、醸造分析を除外した。
一工程β−シクロデキストリンクロマトグラフィーからの精製R_C_1およびR_C_2変異体のSDS−PAGE分析を、図5に示す。全ての精製変異体を、25mMの酢酸Na pH4.3(Sigma,28705)により平衡化されたPD−10カラム(GE Healthcare、カタログ番号17−0851−01)上で脱塩して残留α−シクロデキストリンのいかなる阻害も回避した。
実施例4
トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)からのグルコアミラーゼ変異体(TrGA)の熱安定性アッセイ
熱安定性は、上記アッセイ「熱安定性アッセイ」に従って計測した。
熱安定性アッセイの結果を、ラージスケールの発現および発酵についての初期スクリーンから選択された変異体:CPS3−B01、CPS2−F07、CPS2−A12、CPS2−F05、CPS2−D11、CPS2−F09、CPS2−E08、R_A_1、R_A_2、R_A_6、R_A_7、R_C_1、R_C_2、R_C_5、R_C_7、R_C_12、R_C_13、R_C_22、R_D_2、R_D_3およびR_D_5についての残留活性により表3に示す。親分子(TrGA−wtおよびTrGA−CS4)は、記載の条件下で100秒間の低温殺菌後にそれぞれ24および38%の残留活性を示した。クロコウジカビ(Aspergillus niger)からのグルコアミラーゼDIAZYME(登録商標)X4をベンチマークのために含め、それは100秒間のインキュベーション後に45%の残留活性を示した。使用材料は、精製脱塩タンパク質であった(25mMの酢酸Na pH4.3)。残留活性は、72℃におけるレギュラーガス抜きピルスナー(Royal Export Pilsner)pH(4.5)中での増加(最大100秒間)インキュベーション前後のGAU活性(pNP−β−マルトシド基質)に基づき算出した。残留活性をインキュベーション時間:0、10、20、30、40、50、70および100秒間および対応する低温殺菌単位:0.0、0.0、0.0、0.2、1.6、4.0、16.8および42.6PUの関数として示す。FV適用のための関連変異体の選択は、16.8PUにより完全に不活化された変異体のセットと定義した。これは以下の関心対象の14種の変異体を残した:CPS3−B01、CPS2−F07、CPS2−A12、CPS2−F05、CPS2−D11、R_A_1、R_A_6、R_C_1、R_C_2、R_C_5、R_C_7、R_C_13およびR_C_22。
ビールの種類、原料および微生物汚染、醸造業者およびビール風味に対する知覚効果に応じて様々な最小PUを使用することができる。典型的には、ビール低温殺菌に14〜16PUが要求される。低温殺菌装置に応じて、低温殺菌温度は典型的には64〜72摂氏度の範囲であり、低温殺菌時間はそれに応じて算出される。さらなる情報は、“Technology Brewing and Malting“by Wolfgang Kunze of the Research and Teaching Institute of Brewing,Berlin(VLB),3rd completely updated edition,2004,ISBN 3−921690−49−8に見出すことができる。
比較において、熱安定性を、上記のとおりレギュラーガス抜きピルスナー(Royal Export Pilsner)pH(4.5)中でMkGA I、MkGA II、DIAZYME(登録商標)X4(AnGA)、TrGA(wt)およびTrGA−CS4について決定した。SDBを欠くトランケートグルコアミラーゼMkGA Iは、26低温殺菌単位(PU)未満により72℃の低温殺菌温度を使用して完全に不活化され(欧州特許第12151285.9号明細書に既に記載)、MkGA IIは不活化に100PUを要求し、AnGAおよびTrGAは200PU超を必要とした。
実施例5
醸造の発酵工程における発酵ブロスからのトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ変異体の使用
醸造分析:
麦汁炭水化物を糖化し、エタノール発酵を支持するためのM.カオリアング(M.kaoliang)グルコアミラーゼの使用を、クロコウジカビ(Aspergillus niger)からのグルコアミラーゼ(AnGA)を含むDIAZYME(登録商標)X4、トリコデルマ・リーゼイ(Trichorderma reesei)からの野生型グルコアミラーゼ(TrGA wt)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichorderma reesei)からのCS4グルコアミラーゼ変異体(TrGA CS4)および醸造における適用について既に調査されたモナスカス・カオリング(Monascus kaoling)からの2つのグルコアミラーゼ(MkGAIおよびMkGAII)(欧州特許第12151285.9号明細書)と比較した。発酵試験は、アッセイおよび方法の部に記載のとおりMunto’s麦芽エキスから調製された麦汁を使用して実施した。発酵前、その間およびその後の麦汁の比重を、比重計またはAnton−Paar密度計(例えばDMA4100M)を使用して計測し、真正希薄度をEnsmingerにより列記された式に従ってRDFとして割合の形態で算出および表現した(http://hbd.org/ensmingr/“Beer data:Alcohol,Calorie,and Attenuation Levels of Beer”を参照のこと)。酵素をタンパク質1mgに基づき投入した場合(麦汁1ml当たり0.058mgのGA)に得られたRDF値を表4に示す。
いくつかの変異体は、参照(TrGA(wt)、TrGA(CS4)およびDiaxyme(登録商標)X4)と標準誤差内で類似の性能を示したが、コンビナトリアル変異体の一部については有意差も見られた。特に、多数のコンビナトリアル変異体は、顕著に減少した性能(減少したRDF%)を示し、それらの性能はGAU活性に基づき投入された場合にも低下したため、それは基質特異性の変化に従い得る(CPS3 B01、CPS2 E08、CPS2 F09、R_A_2、R_A_7、R_C_2、R_C_5、R_C_7およびR_C_12)。残りの9種のGA(CPS2−A12、CPS2−F05、CPS2−D11、CPS2−F07、R_A_1、R_A_6、R_C_1、R_C_13およびR_C_22)は、参照(TrGA wt、TrGA CS4およびDiaxyme(登録商標)X4)により得られたものと同等/類似のRDF値を生産した。試験されたコンビナトリアル変異体のいずれも、参照(TrGA(wt)、TrGA−CS4およびDiaxyme(登録商標)X4)およびさらにはモナスカス・カオリアング(Monascus kaoliang)からのグルコアミラーゼ(MkGAIおよびMkGAII)により得られたRDFと比較してRDF値を顕著に増加させなかった。FV適用のための関連変異体の選択は、麦汁1ml当たり0.058mgのGAにおいて投入された場合に最小でも74.5のRDF値を生産する変異体のセットと定義した。これは、以下の9種の関心対象の変異体を残す:CPS2−A12、CPS2−F05、CPS2−D11、CPS2−F07、R_A_1、R_A_6、R_C_1、R_C_13およびR_C_22。
FV中で機能的であるこの9種の変異体のセットは、それら全てが上記の「熱安定性アッセイ」による熱不安定性に関して興味深いものであった。それぞれの変異体は、16.8PUにより完全に不活化することができ、所与の条件セット下でFV中で麦汁1ml当たり0.058mgのGAにおいて投入された場合に最小でも74.5のRDF値を生産する。
これらの9種の変異体は、熱不安定性および糖化性能の両方のスクリーニングにおけるいわゆるウイナーヒット(winner hit)であった。
配列
参照により全体として本明細書に援用される配列を以下に示す。
配列番号1:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ、全長;シグナルペプチドを有する
配列番号2:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ、成熟タンパク質;シグナルペプチドを有さない
配列番号3:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼ触媒ドメイン、成熟TrGAの1−453、CD
配列番号4:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼcDNA
配列番号5:アワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)GA(AaGA);CD
配列番号6:クロコウジカビ(Aspergillus niger)(AnGA)、CD
配列番号7:ニホンコウジカビ(Aspergillus oryzae)(AoGA)、CD
配列番号8:フミコラ・グリセア(Humicola grisea)グルコアミラーゼ(HgGA);CD
配列番号9:ヒポクレア・ビノサ(Hypocrea vinosa)グルコアミラーゼ(HvGA);CD
配列番号10:TrGA、リンカー領域
配列番号11:TrGA、SBD
配列番号12 SVDDFI:TrGA成熟タンパク質の開始点
配列番号13:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼCS4変異体、成熟タンパク質;シグナルペプチドを有さない
配列番号14:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼR_A_1変異体、成熟タンパク質;シグナルペプチドを有さない
配列番号15:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼR_C_1変異体、成熟タンパク質;シグナルペプチドを有さない
配列番号16:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼR_A_6変異体、成熟タンパク質;シグナルペプチドを有さない
配列番号17:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)グルコアミラーゼR_C_13変異体、成熟タンパク質;シグナルペプチドを有さない
配列番号18:アワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)グルコアミラーゼ(AaGA)、成熟全長、シグナルペプチドを有さない
配列番号19:クロコウジカビ(Aspergillus niger)グルコアミラーゼ(AnGA)、成熟全長、シグナルペプチドを有さない
配列番号20:ニホンコウジカビ(Aspergillus oryzae)グルコアミラーゼ(AoGA)、成熟全長、シグナルペプチドを有さない
配列番号21:フミコラ・グリセア(Humicola grisea)グルコアミラーゼ(HgGA)、成熟全長、シグナルペプチドを有さない
配列番号22:ヒポクレア・ビノサ(Hypocrea vinosa)グルコアミラー
ゼ(HvGA)、成熟全長、シグナルペプチドを有さない
配列番号23:タラロミセス属(Talaromyces)GA、成熟タンパク質
配列番号24:フミコラ・グリセア(Humicola grisea)GA、SBD
配列番号25:サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)GA、SBD
配列番号26:タラロミセス・エメルソニイ(Talaromyces emersonii)GA、SBD
配列番号27:クロコウジカビ(Aspergillus niger)GA、SBD
配列番号28:アワモリコウジカビ(Aspergillus awamori)GA、SBD
配列番号29:チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)GA、SBD
配列番号30:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)wtグルコアミラーゼ最適化cDNA(2535bp−4433bp、ダイレクト)1899bp(pEntry−GA WT)
配列番号31:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)CS4変異体グルコアミラーゼ最適化cDNA(2535bp−4433bp、ダイレクト)1899bp(pEntry−GA CS4)
上記の出願およびそこで引用されまたはその審査中に引用される全ての文献(「出願引用文献」)ならびに出願引用文献に引用または参照される全ての文献ならびに本明細書において引用または参照される全ての文献(「本明細書引用文献」)ならびに本明細書引用文献において引用または参照される全ての文献は、本明細書または参照により本明細書に援用される任意の文献において挙げられる任意の生産物についての任意の製造業者の指示書、説明書、生産物明細および生産物シートと一緒に、参照により本明細書に援用され、本発明の実施において用いることができる。
記載される実施形態の種々の改変形態および変形形態は、それらの実施形態の範囲および趣旨から逸脱することなく当業者に明らかである。特許請求される主題は、そのような具体的な実施形態に不当に限定されるべきでないことが理解されたい。実際、当業者に明白な実施形態を実施するために記載される方式の種々の改変形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。

Claims (25)

  1. 配列番号2の502、29、43、48および116または親グルコアミラーゼ中の等価位置における残基からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換;ならびに配列番号2の98、97、147、175、483および484または親グルコアミラーゼ中の等価位置における残基からなる触媒コアアミノ酸残基の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換を含み、配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有するグルコアミラーゼ変異体。
  2. a)配列番号2の502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換ならびに任意選択で配列番号2の29、43、48および116または親グルコアミラーゼ中の等価位置における残基からなる界面アミノ酸の群から選択されるアミノ酸置換;
    b)配列番号2の98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換ならびに任意選択で配列番号2の97、147、175、483および484または親グルコアミラーゼ中の等価位置における残基からなる触媒コアアミノ酸残基の群から選択される1つまたは2つのアミノ酸置換
    を含み;
    少なくとも前記界面アミノ酸の群または前記触媒コアアミノ酸残基の群から選択される1つのアミノ酸置換を有し;
    配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項1に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  3. a)配列番号2の502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換、
    b)配列番号2の98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;および
    c)配列番号2の48位もしくは親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換または配列番号2の147位もしくは親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換
    を含み;
    配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項1または2に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  4. a)配列番号2の502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;
    b)配列番号2の98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;および
    c)配列番号2の147位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換
    を含み;
    配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  5. a)配列番号2の502位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;
    b)配列番号2の98位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換;および
    c)配列番号2の48位または親グルコアミラーゼ中の等価位置に対応する残基におけるアミノ酸置換
    を含み;
    配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  6. 配列番号2の以下のアミノ酸置換H502Sまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  7. 配列番号2の以下のアミノ酸置換L98Eまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  8. 配列番号2の以下のアミノ酸置換Y48Vまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  9. 配列番号2の以下のアミノ酸置換Y147Rまたは親グルコアミラーゼ中の等価位置の置換を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  10. 配列番号2または13のアミノ酸置換H502S;配列番号2または13のアミノ酸置換L98E;および配列番号2もしくは13のアミノ酸置換Y48Vまたは配列番号2もしくは13のアミノ酸置換Y147Rを含み;配列番号2または13と少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  11. 前記親グルコアミラーゼが、配列番号1、2、13、18、19、20、21または22である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  12. 前記親グルコアミラーゼが、配列番号2または13である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  13. 配列番号2の24、26、27、30、40、42、44、46、49、110、111、112、114、117、118、119、500、504、534、536、537、539、541、542、543、544、546、547、548、580、583、585、587、588、589、590、591、592、594および596または親グルコアミラーゼ中の等価位置における残基からなる界面アミノ酸の群における1つまたは2つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  14. 配列番号2の、24、26、27、29、30、40、42、43、44、46、48、49、97、98、110、111、112、114、116、117、118、119、147、175、483および484を除く、1〜484位または親グルコアミラーゼ中の等価位置における残基からなる触媒コアアミノ酸の群における1つ、2つまたは3つのアミノ酸置換をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  15. 少なくとも74.5%のRDFを示す、請求項1〜14のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  16. 配列番号1、2、13、18、19、20、21または22と少なくとも85%の配列同一性を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  17. 配列番号2または13と少なくとも80%の配列同一性、例えば少なくとも85%、90%、95%または99.5%の配列同一性を有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  18. 前記親グルコアミラーゼと比較して減少した熱安定性を示す、請求項1〜17のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  19. 低温殺菌により、例えば16.8、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5または4低温殺菌単位(PU)未満を使用してビール中で不活化される、請求項1〜18のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  20. 配列番号14、15または17からなる、請求項1〜19のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体。
  21. 請求項1〜20のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体を生産する方法であって、前記グルコアミラーゼ変異体の異種発現を有する宿主細胞中での前記グルコアミラーゼ変異体の合成を誘導する工程および任意選択で前記グルコアミラーゼ変異体を精製する工程を含む方法。
  22. 任意選択で、アルファ−アミラーゼ、ベータ−アミラーゼ、ペプチダーゼ(例えばプロテアーゼ、プロテイナーゼ、エンドペプチダーゼ、エキソペプチダーゼ)、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ、エンドグルカナーゼおよび関連ベータ−グルカン加水分解アクセサリー酵素、キシラナーゼおよびキシラナーゼアクセサリー酵素(例えばアラビノフラノシダーゼ、フェルラ酸エステラーゼ、キシランアセチルエステラーゼ)、アセトラクテートデカルボキシラーゼならびにグルコアミラーゼの中から、それらの任意の組合せを含み、選択される1つ以上のさらなる酵素を含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の1つ以上のグルコアミラーゼ変異体を含む組成物、例えばアルコール発酵酵素組成物。
  23. 発酵における請求項1〜20のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体または請求項22に記載の組成物の使用であって、前記グルコアミラーゼ変異体または組成物を、発酵工程前またはその間に添加し、任意選択で前記発酵工程に低温殺菌工程が続き、例えば前記発酵を、発酵飲料を作製する方法に含める使用。
  24. 請求項1〜20のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体または請求項22に記載の組成物を、任意選択で低温殺菌工程が続く発酵工程前またはその間に添加することを含む方法。
  25. 以下の工程:
    a)マッシュを調製すること、
    b)前記マッシュをろ過して麦汁を得ること、および
    c)前記麦汁を発酵させて発酵飲料を得ること
    を含み、
    請求項1〜20のいずれか一項に記載のグルコアミラーゼ変異体または請求項22に記載の組成物を、
    i.工程(a)の前記マッシュおよび/または
    ii.工程(b)の前記麦汁および/または
    iii.工程(c)の前記麦汁
    に添加する、発酵飲料を生産する方法。
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