JP2015524987A - 環境制御型semガス注入システム - Google Patents

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Abstract

ガス注入システムは、2次電子によってイオン化されて試料表面の電荷を中和するのに十分なガス濃度を有する局所領域を、試料表面に提供する。いくつかの実施形態では、ガス集中構造体が表面の近くにガスを集中する。ガス集中構造体の任意選択の穴が、シュラウド包囲領域の内側に荷電粒子ビームが衝撃することを可能にする。いくつかの実施形態では、表面の近くに配置された陽極が、加工物表面へ戻って電荷を中和するイオンの数を増加させる。いくつかの実施形態では陽極がガス注入システムの一部であり、いくつかの実施形態では陽極が別個の構造体である。

Description

本発明は荷電粒子ビーム・システムに関し、詳細には、ガス環境中で加工物を処理することを可能にする荷電粒子ビーム・システムに関する。
走査電子顕微鏡(「SEM」)では、調査対象の試料の領域上で1次電子ビームが走査される。電子が試料に衝撃した際に放出されるエネルギーによって、試料中の他の荷電粒子が解放される。これらの2次粒子の量およびエネルギーは、試料の性質、構造および組成に関する情報を提供する。用語「試料」は従来、荷電粒子ビーム・システム内で処理または観察されている任意の加工物を指すために使用されており、本明細書で使用されるとき、この用語は一切の加工物を含み、より大きな母集団を代表するものとして使用されている試料だけに限定されない。本明細書で使用されるとき、用語「2次電子」は、後方散乱した1次電子および試料から生じた電子を含む。2次電子を検出するため、SEMはしばしば、1つまたは複数の2次電子検出器を備える。
従来のSEMでは、ガス分子による1次電子ビームの散乱を防ぎ、2次電子の捕集を可能にするため、試料が高真空中に維持される。しかしながら、ビームが試料の非電導性領域を衝打すると、試料は電荷を蓄積する傾向を示し、この電荷が、1次ビームを偏向させ、検出器に到達する2次電子の数に影響を及ぼすことがある。蓄積する電荷の極性は、1次ビーム中の粒子のタイプおよびエネルギー、ならびに加工物材料に依存する。1次ビーム中の電子は負に帯電しているが、衝打するそれぞれの1次電子が2つ以上の2次電子を追い出し、正に帯電した試料を残すことがある。試料上に導電層を堆積させる技法、Gerlach他の「Through−the−lens neutralization for charged particle beam system」という名称の米国特許第6,683,320号明細書に記載されている、試料に向かって低エネルギー電子を導く技法、および半導体試料に向かって光を導いて光導電性を誘起し、それによって電荷を流出させる技法を含む、試料の帯電を低減させるいくつかの技法が提案されている。
別の解決策は、比較的高い圧力の下に試料を維持するものであり、これは例えば、Mancuso他の「Secondary Electron Detector for Use in a Gaseous Atmosphere」という名称の米国特許第4,785,182号明細書に記載されている。このようなデバイスは、高圧走査電子顕微鏡(high−pressure scanning electron microscope)(HPSEM)または環境制御型(environmental)走査電子顕微鏡としての方がよく知られている。一例が、FEI CompanyのQuanta 600 ESEM(登録商標)高圧SEMである。2次電子は陽極に向かって加速し、途中でガス粒子をイオン化する。イオン化されたガス粒子は、帯電した試料へ引き寄せられ、陽極からは遠ざかり、電荷を中和する。
HPSEMでは、調査対象の試料が、典型的には0.1トル(0.13ミリバール)から50トル(65ミリバール)の間、より典型的には1トル(1.3ミリバール)から30トル(40ミリバール)の間の圧力を有するガス雰囲気中に置かれ、それに対して、従来のSEMでは、試料が、これよりもかなり低い圧力、典型的には10−5トル(1.3×10−5ミリバール)未満の圧力の真空中に置かれる。電荷中和の他に、HPSEMは、生体試料などの湿った試料および従来のSEMの高真空条件下では画像化するのが難しいと思われる他の試料の電子光学画像を形成する可能性を提供する。HPSEMは、試料をその自然な状態に維持する可能性を提供する。従来のSEMを使用する研究では通常必要であり、試料を変化させる可能性がある不利な乾燥、凍結または真空コーティングに試料をさらす必要がない。
HPSEMでは、2次電子が通常、「ガス・イオン化カスケード増幅(gas ionization cascade amplification)」または「ガス・カスケード増幅」として知られるプロセスを使用して検出される。このプロセスでは、電場によって2次荷電粒子を加速させ、加速した2次荷電粒子は、画像化ガス中のガス分子と衝突して追加の荷電粒子を生成し、それらの追加の荷電粒子は、別のガス分子と衝突してさらに追加の荷電粒子を生み出す。このカスケードが継続すると、ついには、大幅に増加した荷電粒子が、検出器の陽極で電流として検出される。いくつかの実施形態では、試料表面からのそれぞれの2次電子が、ガス圧および電極構成に応じて、例えば20個超、100個超または1,000個超の追加の電子を発生させる。ガス・カスケード増幅検出器は通常、シンチレータと光電子増倍管の組合せを使用するエバーハート−ソーンリー(Everhart−Thornley)検出器などの従来の高真空検出器ほどには高い分解能または大きな増幅を提供しない。
HPSEMは、圧力制限開口(pressure−limiting aperture)(PLA)を使用することによって、高ガス圧の領域を試料室だけに限定して、集束カラム内を高真空に維持する。ガス分子は1次電子ビームを散乱させる。そのため、圧力制限開口は、高圧領域内を1次電子ビームが移動する距離を最小化して1次ビームの散乱を低減させ、同時に2次電子信号を適切にガス・カスケード増幅するのに十分な、試料と検出器の間の移動距離を提供するように配置される。
米国特許第4,785,182号明細書に記載されているHPSEMは、圧力制限開口を有する真空エンベロープ(vacuum envelope)と、真空エンベロープ内に位置し、電子を発射することができる電子ビーム源と、真空エンベロープ内に位置し、電子源によって発射された電子ビームを圧力制限開口を通して導くことができる1つまたは複数の集束レンズと、真空エンベロープ内に位置し、電子ビームを走査することができるビーム偏向器と、この高真空エンベロープの外側に配置された試料プラットホームを含み、所望の圧力のガスで覆われた状態に試料を維持することができる試料室とを備える。
電子ビーム、イオン・ビームなどの荷電粒子ビームを使用して化学反応を誘起し、それによって試料をエッチングしまたは試料上に材料を堆積させることもできる。このようなプロセスは例えば、Musil他の「Electron Beam Processing」という名称の米国特許第6,753,538号明細書に記載されている。基板の存在下で荷電粒子ビームがプロセス・ガスと相互作用して化学反応を生み出すこのプロセスは、「ビーム・ケミストリ(beam chemistry)」と呼ばれる。
本出願の譲受人に譲渡された米国特許公開第2011/0031394号明細書は、HPSEM動作を可能にする環境制御型セル(environmental cell)のいくつかの構成を記載している。用語「環境制御型セル」は、試料を収容し、試料の周囲に、ある環境、通常は、環境制御型セルがその中に置かれた真空室内に存在する環境とは異なる環境を提供するエンクロージャ(enclosure)を意味するために使用される。環境制御型セルは、試料環境の制御を強化し、HPSEM処理中に存在するガス不純物の濃度を低下させ、HPSEMプロセス室の容積および内部表面積を低減させることによって、上記の問題のうちのいくつかの問題を解決することができる。しかしながら、環境制御型セルによるそれらの解決策は、高真空SEMと完全には両立しない。したがって、高真空SEM内にESEM環境を提供する方法およびシステムが求められている。
別の環境制御型セルが、米国特許公開第2012/0112062号明細書および米国特許第8,093,558号明細書に記載されている。高真空SEM内で使用するガス注入システムであって、シュラウド型集中器(shroud−type concentrator)を含むガス注入システムが、例えば米国特許第5,851,413号明細書に記載されている。
米国特許第6,683,320号明細書 米国特許第4,785,182号明細書 米国特許第6,753,538号明細書 米国特許公開第2011/0031394号明細書明細書 米国特許公開第2012/0112062号 米国特許第8,093,558号明細書 米国特許第5,851,413号明細書 米国特許第6,972,412号明細書
本発明の目的は、高真空SEMシステム内の試料の近くにガス領域を提供して、室またはセルの全体をガスで満たす必要をなくし、試料の処理を容易にすることにある。
本発明の好ましい一実施形態によれば、ガス環境中で試料表面の一部分を処理することを可能にするガス注入システム(gas injection system)(GIS)が提供される。一実施形態では、このGISが、試料の関心領域にガス流を導く針と、ビームによって衝打されるエリア内にガスを集中する構造体とを備える。いくつかの実施形態では、この構造体が、電子ビームを通す開口を含む。試料表面のそばでのガスのイオン化は、試料に引き寄せられて電荷蓄積を中和する荷電粒子を供給する。いくつかの実施形態では、正に帯電した粒子を試料に向かって導くように、および/または2次電子および/または後方散乱電子を検出する検出器の働きをするように、針または構造体の一部分が、試料に対して電気的にバイアスされる。針を試料から退けると、このシステムは、従来の高真空機器として動作することができる。この構造体によって集中するガスは、ビームの存在下で分解して加工物をエッチングしまたは加工物に堆積させる前駆体ガスとすることができる。
以上では、以下の本発明の詳細な説明をより十分に理解できるように、本発明の特徴および技術上の利点をかなり大まかに概説した。以下では、本発明の追加の特徴および利点を説明する。開示される着想および特定の実施形態を、本発明の目的と同じ目的を達成するために他の構造体を変更しまたは設計するベースとして容易に利用することができることを当業者は理解すべきである。さらに、このような等価の構造体は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨および範囲を逸脱しないことを当業者は理解すべきである。
次に、本発明および本発明の利点のより完全な理解のため、添付図面に関して書かれた以下の説明を参照する。
本発明の一実施形態に基づく針およびシュラウドを示す図である。 図1の針およびシュラウドを含む荷電粒子ビーム・システムを示す図である。 半球形針構造体を備える本発明の別の実施形態を示す図である。 ガス注入針が試料表面を取り囲む、別個のシュラウドを持たない実施形態を示す図である。 針が追加の経路長を提供する別の実施形態を示す図である。 別個のシュラウドを持たないようにガス注入針が構成され、ガス注入針が試料を取り囲まない実施形態を示す図である。
添付図面は原寸に比例して示すことを意図していない。これらの図面では、さまざまな図に示されている同一の構成要素またはほぼ同一の構成要素が、同様の符号によって示されている。見やすくするため、全ての図面の全ての構成要素に符号が付けられているわけではない。
本発明のいくつかの実施形態は、ユーザが、加工物上に電荷を蓄積させることなく絶縁試料を処理することを可能にする。本発明のいくつかの実施形態は、試料表面の小さなエリアにガスを閉じ込めることによって、および従来の高真空顕微鏡操作を可能にするために試料から容易に遠ざけられることによって、高真空走査電子顕微鏡と両立する。本発明のいくつかの実施形態は、2次電子のガス・カスケード増幅を使用して試料を画像化すること、および湿った試料を低真空環境で処理することを可能にする。本発明のいくつかの実施形態は試料上の電荷を中和する。いくつかの実施形態はさらに、加工物を処理するためにビーム衝撃点の近くの領域に前駆体ガスを供給することができるガス注入システムを提供する。いくつかの実施形態は、ユーザが、例えばシンチレータ−光電子増倍管検出器を使用して高真空モードの高い分解能で試料の画像を形成し、次いでより低分解能のガス・カスケード増幅画像化に切り替えることを可能にする。
従来のSEMでは、絶縁試料を衝打した電子ビームが電荷を蓄積し、蓄積した電荷は、走査する点から電子ビームを偏向させる傾向がある電位を生成する。ビーム衝撃点の上方に局所的な高圧環境を提供することにより、2次電子がガス原子と衝突するため、試料表面の近くに正イオンが形成される。これらの正イオンは、帯電した試料に向かって引き寄せられる。または、これらの正イオンを電場によって試料に向かって導くこともできる。いくつかの実施形態では、針、またはビーム衝撃点の近くの局所領域にガスを集中しまたは封じ込める構造体が、正イオンを追いやって試料を中和する陽極の働きをするように、電気的にバイアスされる。
先行技術の高真空ガス注入システムは通常、試料の上方から試料表面の方向にガスを注入する。このガスは、真空室内で速やかに分散し、そのため、これらのシステムは、ビーム衝撃点の近傍の試料表面のガスを維持するために、比較的大きい一定のガス流を必要とする。このようなシステムは、実際的な電荷中和またはガス・カスケード増幅に十分なガス濃度を供給しない。ガスを集中する構造体を提供することによって、高濃度のイオンを局所的に発生させて、試料の帯電を中和することができる。GIS針を使用する先行技術のシステムでは通常、発生したイオンは分散して試料から離れる。米国特許第5,851,413号明細書などガスを集中する先行技術のシステムは、電荷中和または2次電子検出を提供しない。
バイアスされた陽極をガス送達場所の近くに提供すると、イオン収量が増大し、より良好な電荷制御が可能になる。いくつかの実施形態では、存在するガスがより効果的にイオン化され、試料の帯電した領域に送達されるため、必要なガスの量がより少なくて済む。中性のガス分子は、試料の帯電部分に引き寄せられないが、イオンは、電位差を「見て(see)」、帯電エリアへ移動する。高いガス濃度の近くでより多くのイオンを生成すると、電荷中和の効果が増大する。試料の近くで陽極を使用すると、低エネルギー電子が引き寄せられ、エネルギー勾配が提供される。このエネルギー勾配は、局所的近傍においてガス分子の雪崩イオン化(avalanche ionization)を生じさせる。さらに、後方散乱電子および1次ビーム電子もガスと相互作用して、ガス分子から低エネルギー電子を解放する。陽極によって引き寄せられると、これらの粒子は、雪崩型または電子カスケード型の反応によって、電子とイオンの両方の発生を増大させる。電気的にバイアスされた陽極が存在すると、それぞれのガス分子がイオン化する確率が増大し、それによってより多くのイオンが試料中和に関与する。陽極は、低エネルギー電子を集めることを可能にし、イオンの発生を指数関数的に増大させ、分析電流中で使用されるより大きな電流に対してさえも電荷を中和する。いくつかの実施形態では、シュラウドの全体または一部分にバイアス電圧が印加される。本明細書で使用されるとき、用語「シュラウド」は、試料表面の領域にガスを集中する任意の構造体を指す。形状は問わない。いくつかの実施形態では、GISシステムの部分ではない局所陽極にバイアス電圧が印加される。いくつかの実施形態では、陽極がGISとは別個であり、例えば試料の側方および上方に陽極を配置することができる。「局所」陽極は、試料のビームが導かれる部分の近くにある陽極である。いくつかの実施形態では、陽極と試料表面のこの部分との間の距離が10cm未満、5cm未満、2cm未満または1cm未満である。いくつかの実施形態では、陽極と試料表面の間の距離が、対物レンズの端と試料表面の間の距離の2/3未満、1/2未満または1/4未満である。
いくつかの実施形態では、先行技術よりも小さな容積内にガスが局所的に送達される。関心エリアに向かってイオンを導くような形状に作られた陽極に、電気バイアスが供給されることが好ましい。
本発明のいくつかの実施形態は、ビーム衝撃点の近くにガスを集中する構造体を使用する。いくつかの実施形態では、ガス注入針自体が、ガスを集中する形状に作られ、ガスを集中するように配置される。いくつかの実施形態では、ガスを集中するために、シュラウドなどのガス集中構造体またはガス封じ込め構造体が針に取り付けられ、針によって支持される。この構造体は、GIS針と組み合わされて、ガスを供給し封じ込めて、ESEM画像化条件および/またはESEM処理条件を高真空SEM内に提供する。この構造体は、高真空SEMを損なうことなしに局所環境内にガスを維持することを可能にする。本発明の実施形態は、単にESEM GISを挿入することによって、高真空モードの高い分解能で画像化する能力、およびESEM環境で電荷制御または処理のために操作する能力を、ユーザに提供する。
この針または他の構造体は、電子ビームを通す開口を含むことができる。このガス集中の限局された態様は、ビーム衝撃点のところにESEMに似た環境を生み出すことを可能にし、室またはセルの全体を高圧ガスで満たす必要をなくす。一実施形態では、針の先端に対する「同軸針」型の幾何形状を有するGIS針が、ガス流を関心領域に局所的に導いてガス流を集中し、電荷中和および信号捕集を改善する。この針は、真空室の壁から針を電気的に分離して針または針に取り付けられた構造体を帯電させることができるようにする機構によって、真空室の壁に支持されることが好ましい。針は次いで、ガス源としてだけではなく、正イオンが試料へ戻る原動力として、およびESEM検出器としても機能する。この針を、ガス処理ハードウェアとESEM検出器用の接続とを収容した改変されたGISマウントによって支持することができる。
先行技術のESEMセルでは、試料全体がセル内に配置され、加工物表面全体がセル内のガスにさらされる。本発明のいくつかの実施形態では、加工物表面の一部分の上方にガス集中構造体が配置され、そのため、加工物のガス集中構造体に近い部分またはガス集中構造体の下の部分、すなわち「シュラウドで包囲された領域(shrouded region)」だけが高濃度のガスにさらされる。いくつかの実施形態では、シュラウドの底部が、加工物表面の近くにまたは加工物表面と接触して配置され、そのため、シュラウドの底部と加工物の間のガス・コンダクタンスが小さくなり、それによって、シュラウド包囲領域とシュラウドから離れた加工物真空室との間の少なくとも10倍の圧力差が提供される。電子ビーム用の穴が提供される場合には、その穴も、ガス・コンダクタンスを制限し、上記の圧力差を維持するために十分に小さい。
いくつかの実施形態では、加工物真空室内の加工物ステージ上に加工物が配置され、ガス集中エリアまたはシュラウド包囲領域が、試料ステージの面積の1/2未満である。ガス集中領域またはシュラウド包囲領域の直径が、ステージの面積の1/4未満または1/10未満であるとより好ましい。ガス集中領域またはシュラウド包囲領域は、3mm2未満であることが好ましく、2mm2未満であるとより好ましく、1mm2未満であるとより一層好ましい。
いくつかの実施形態では、ESEM GISが、2次電子の検出器としても機能し、または電荷中和のために追加のイオンを発生させるようにも機能する。ガス集中構造体または針の全体または一部分を帯電させて、2次電子を引き寄せ検出する陽極の働きをするようにすることができる。試料と陽極または検出器電極との間に局所的にガスを集中することによって、改良された検出が可能になる。1次電子ビームが試料を衝打した後、解放された2次電子が陽極に向かって移動し、2次電子の経路上のガス分子と衝突する。これらの衝突の結果、娘電子(daughter electron)として一般に知られている新たな電子が解放され、それらの電子も陽極の方向に移動する。これらの新たに解放された電子は、2次電子信号のガス増幅が起こるように、他のガス分子と再度衝突する。用語2次電子は、娘電子および反射された1次ビーム電子を含むように使用される。
2次電子が陽極まで移動する距離が長いほど、衝突の回数が増え、増幅の量が大きくなる。いくつかの実施形態は、それによって試料からの2次電子が、シュラウドへ向かう途上、螺旋形の経路をたどる磁場を含む。このようにすると2次電子が移動する距離が長くなり、その結果、衝突確率および増幅率(amplification factor)が増大する。1次ビームを焦束させる目的に使用されるレンズがこの磁場を提供してもよい。Scholtzの米国特許第6,972,412号明細書に記載されているとおり、磁気ペニング効果(magnetic Penning effec)もしくはマグネトロン効果またはその両方を使用して、2次電子および娘電子を軸方向振動もしくは半径方向振動またはその両方にかけて、経路長を長くし、衝突の回数およびガス増幅を増大させることによって、増幅を増大させるように、電場、磁場および開口を構成することができる。このように、本発明は、ESEM環境の利点、ならびに改良された検出手段および非導電性試料の中和能力を提供し、同時に、高真空SEMの高い分解能を維持する。
図1は、ガス集中構造体内、この場合にはシュラウド106内のシュラウド包囲領域104にガスを供給する針102を含むGIS100を示す。シュラウド106は、シュラウド包囲領域内の電子ビーム108の衝撃点の近くにガスを集中し、試料110の全体および周囲の真空室112を高濃度のガスにさらさないことを可能にする。シュラウド106の開口114は、電子ビーム108が試料110に衝撃することを可能にする。開口114は、走査角度範囲全体にわたって電子ビームを通すには十分に大きいが、シュラウド包囲領域104からSEMの真空室112の残りの部分へのガス・コンダクタンスを制限するのに十分に小さい。開口を画定するシュラウドの部分は、イオン・ビームによる浸食(erosion)に耐える十分に厚いものであることが好ましい。シュラウド106は、シュラウドの底部と試料の間のガス・コンダクタンスが小さくなる、試料に十分に近い位置に置かれることが好ましい。いくつかの実施形態では、シュラウドが試料表面に触れることができる。シュラウド包囲領域104内にガスを集中すると、電荷を中和するためのイオンと画像化のための娘電子とを生成する、2次電子とガスの間の適切な相互作用が生じ、同時に、真空室の残りの部分のガス圧が低下する。
シュラウド包囲領域から真空室へのコンダクタンスは小さいため、シュラウド包囲領域104内の比較的高い圧力を維持するのに必要なガス流は少ない。試料真空室内の圧力を1×10−5から1×10−7ミリバールの間に維持するためには、シュラウド内の圧力が1×10−4ミリバール未満であることが好ましく、1×10−3ミリバール未満であるとより好ましく、1×10−2ミリバール未満であると最も好ましい。高真空SEM内の先行技術のGISでは、GISが動作しているときの試料室内の典型的なガス圧が、1×10−5から1×10−6ミリバールの間である。針102は、試料室の外側のガス源に接続されていることが好ましい。シュラウド内の領域に異なるガスを供給するため、針を、複数のガス源に選択的に接続することができる。電荷中和および画像化のための好ましいガスは、水、亜酸化窒素、アンモニア、酸素などである。このガスは容易にイオン化され、衝突カスケードによる良好な信号増幅を提供することが好ましい。堆積またはエッチングに関しては、加工物材料および所望の処理に応じた適当な前駆体ガスを選択するとこができる。
シュラウド106は、導体132を介して電圧源134に接続されていることが好ましい。電圧源134は、シュラウドが陽極の働きをするような所望の電圧にシュラウドをバイアスすることを可能にする。バイアスされているとき、シュラウドは陽極の働きをし、電子とガス原子との衝突によって生じた正イオンを試料表面に向かって下方へ追いやり、それによって試料電荷を中和する。いくつかの実施形態では、シュラウド全体が導電性であり、シュラウド全体がバイアスされる。他の実施形態では、シュラウドの一部分だけがバイアスされる。シュラウドは通常、使用されるガスおよび試料の組成に応じて10Vから10,000Vの間の電圧にバイアスされる。当業者は、試料上の電荷を観察することによって適切なバイアス電圧を容易に決定することができる。ある種の実施形態では、シュラウド106が、2次電子の検出器の働きもする。シュラウドがバイアスされて陽極の働きをしているときには、シュラウド106と試料110の間の電位差が、試料110から放出された2次電子をシュラウドに向かって加速させる。それらの2次イオンはガス分子と衝突し、それらのガス分子はイオン化されて追加の電子を解放し、解放された電子は加速し、より多くのガス分子をイオン化し、それによって衝突カスケードを介して2次電子信号を増幅する。シュラウド106は、導体132を介して画像化コントローラ142に接続されており、その結果、2次電子信号が検出される。このように、本出願の出願人は、ガス注入とESEM検出を組み合わせた新規のシステムを見出した。
図2は、荷電粒子ビーム・システム200内に配置された図1のGIS100を示す。荷電粒子ビーム・システム200は荷電粒子ビーム・カラム202を含み、荷電粒子ビーム・カラム202は、荷電粒子ビーム源204と、偏向器208と、極片212を含む対物レンズ210とを備え、これらは全て光軸214上で一直線に並んでいる。試料室112は、光軸に対する第1の平行移動軸または回転軸および第2の平行移動軸または回転軸を少なくとも有する試料運動ステージ224を含む。
図3は、試料の上方でのガスの封じ込めを針自体が提供する別の実施形態を示す。針302は、外殻318と同心の内殻316からなる中空半球形構造体314に接続している。ガス306は針302を通って流入し、次いで半球形構造体314の全体に流れて、小さな穿孔320を通して試料にガスを送達する。半球形構造体314は、試料の電荷中和を可能にするようにバイアスされる。
図4は、別個のシュラウドを持たないガス注入針402が、試料110の表面に高濃度のガスを供給するように構成された、GISの別の実施形態400を示す。電子ビーム108は、針402の開口404を通過する。針402は、試料110と接触しているかまたは試料110のすぐ近くに位置する。ガス406は導管412を通って針に入る。針402は、ビーム108が導かれる試料表面のシュラウド包囲領域414を取り囲む。この針の形状がガスの集中を提供し、ガス増幅領域416からのガス・コンダクタンスを制限して、ガスのイオン化および電荷中和を補助する。この実施形態では、針402の内部のガス増幅領域408から真空室122(図2)へのガス・コンダクタンスを低減させるために、針402の端が、テーパ、好ましくは針の端が試料表面に対して平行になるようなテーパを有する。いくつかの実施形態では、針402が、加工物110の表面に触れて、電子ビームの衝撃点から電荷を流出させる導電性経路を提供することができ、その一方で、ガスは、衝撃点の電荷および衝撃点のすぐ周辺の領域の電荷を中和する。ガス増幅領域416の端に配置された陽極420が、針402の内部領域を通して2次電子を引き寄せる。針402の内部領域は、ガス増幅のための比較的長い経路長を提供する。2次電子を管に沿って引き上げ、それらの2次電子が陽極420上で捕集されるように、陽極420は電気的にバイアスされ、針402はバイアスされない。針420は電気絶縁材料からなることができ、または、針420が導電性である場合には、針420が、陽極420から電気的に分離される。ガス増幅領域416は、2次電子信号を適切に増幅するのに十分なガス・カスケードを提供する十分な長さ、例えば2mmの長さを有する。針402は、陽極420から電気的に絶縁することができる。
図5は、針506を有するガスGISの別の実施形態502を示す。針506は、図4の針402に似ているが、試料表面に対して平行になるようなテーパを針506の端が持たないため、ガスの封じ込めの程度は小さい。ガス504は、導管510を通って針506に入る。針506は、試料110と陽極512の間に、ガス・カスケード増幅のための長いガス増幅領域508を提供する。陽極512は、管に沿って2次電子を引き上げるように電気的にバイアスされている。
図6に示された別の実施形態では、別個のシュラウドを持たないようにガス注入針602が構成され、ガス注入針602が試料を取り囲まない。この針は、約60ミクロンの開口部604を有し、針の底面は、針の縦軸に対して15度の角度に研削されている。針端の底面が加工物表面に対して平行になったことをオペレータが知ることができるように、針の上面に平面を研削して、針の底面の角度に対する基準角を提供することができる。ビーム衝撃点に近い試料表面に開口部604が近接していることにより、局所的な高いガス集中が提供される。図6の実施形態は、ガスが封じ込められておらず絶えまなく消散するため、以前の実施形態よりも大きなガス流を必要とする。
上記の実施形態では、本発明を使用して、非導電性加工物上の電荷を中和することを説明したが、生体材料などの湿った試料を見るためまたは堆積もしくはエッチングを誘起するためなど、試料においてガスが存在することが望ましい任意の用途で、本発明の実施形態を使用することができる。
本発明は、発明の多数の態様および幅広い適用可能性を有し、上記の例において説明し示した多くの利点を提供することができる。本発明の実施形態は、具体的な用途によって大きく異なる。全ての実施形態が、これらの全ての利点を提供するわけではなく、全ての実施形態が、本発明によって達成可能な全ての目的を達成するわけでもない。本明細書に添付された特許請求の範囲の一部または手続き遂行中に補正された特許請求の範囲の一部が、記載された本発明の全てではない一部の実施形態をカバーすることがある。
本発明および本発明の利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に、さまざまな変更、置換および改変を加えることができることを理解すべきである。例えば、上記の実施形態では電子ビームの使用を説明したが、他の実施形態は、電子ビームまたはイオン・ビームを使用することができる。上記の実施形態は、中空シュラウド支持体の内側のガス導管を使用するが、シュラウド支持体の外側にガス導管を置くこともできる。同様に、シュラウドをバイアスするための電気接触および/または増幅された2次粒子電流を検出するための電気接触は、シュラウド支持体自体によって実施し、または別個の導体によって実施することができる。
本発明のいくつかの実施形態は、真空室内の加工物表面にガスを供給する装置であって、
加工物のシュラウド包囲領域にガスを集中するガス集中構造体であり、加工物へ向かうビームを通す開口を有し、シュラウド包囲領域が加工物の全体よりも小さく、開口が、開口を通したガス・コンダクタンスを制限するのに十分に小さいガス集中構造体と、
ガス集中構造体を支持するガス集中構造体支持部材であり、加工物上の関心領域の近くにガスを集中するようにガス集中構造体を配置するために移動可能なガス集中構造体支持部材と、
ガス集中構造体内の空間にガスを供給するガス導管と、
集中したガスのイオン化を引き起こすための電気バイアスを提供する陽極と
を備える装置を含む。
いくつかの実施形態では、陽極が、ガス集中構造体の一部分または全体を含む。
いくつかの実施形態では、陽極が、ガス集中構造体とは別個の電極を含む。
いくつかの実施形態では、導管が、ガス集中構造体内の空洞(hollow)を含む。
いくつかの実施形態では、ガス集中構造体支持部材が、使用しないときにシュラウドを加工物から退ける長手軸に沿った運動を提供するガス集中構造体支持部材駆動機構を備える。
いくつかの実施形態は、シュラウドを衝打している電子を検出する回路を含み、それらの電子が検出器信号を構成する。
いくつかの実施形態では、ガス集中構造体の形状が、錐体の一部分、球体の一部分または円柱の少なくとも一部分を含む。
いくつかの実施形態では、ガス集中構造体の少なくとも一部分が中空であり、ガス導管からのガスを加工物に向かって導くために導管と連通している。
本発明のいくつかの実施形態は、
荷電粒子源と、
加工物真空室と、
荷電粒子源からの荷電粒子を、加工物真空室内の加工物に焦束させる集束レンズと
を備える荷電粒子ビーム・システムを含む。
いくつかの実施形態は、真空室内の試料表面にガスを供給する上記段落のいずれかに基づく装置を含む。
いくつかの実施形態では、この荷電粒子ビーム・システムが電子源を備える。
いくつかの実施形態では、シュラウド内のより高い圧力を維持するために、シュラウドと加工物の表面との間に、ガスの流れが制限された領域を提供するように、加工物の表面の上方に配置されるようシュラウドが適合されている。
いくつかの実施形態では、この荷電粒子ビーム・システムが、ステージ直径を有する試料ステージを含み、加工物に最も近づくように適合されたシュラウドの部分が、加工物のシュラウド包囲領域の直径に一致するシュラウド直径を有し、シュラウド直径が、ステージ直径の半分よりも小さい。
本発明のいくつかの実施形態は、荷電粒子ビーム・システムを動作させて試料真空室内の加工物を処理する方法であって、
加工物表面全体よりも小さい加工物表面の一部分に、試料真空室内の他の位置のガス集中よりも高いガス集中を提供すること、および
加工物に向かって荷電粒子ビームを導くこと
を含み、この荷電粒子ビームが集中したガス中を通過し、この方法がさらに、
荷電粒子ビームの衝撃によって発生した2次電子を陽極に向かって引き寄せること
を含み、これらの2次電子が、集中したガス中にイオン化カスケード電流を生じさせ、この方法がさらに、
このイオン化カスケード電流を陽極において検出して、画像を形成すること
を含む方法を含む。
いくつかの実施形態では、加工物表面全体よりも小さい加工物表面の一部分に、試料真空室内の他の位置のガスの集中よりも高いガスの集中を提供することを含む方法が、ガスを集中するシュラウドを提供することを含み、このシュラウドが、荷電粒子ビームを通す開口を有する。
いくつかの実施形態では、この方法が、イオン化によるイオン化されたガスまたは電子を使用して、加工物の非導電性部分上の電荷を中和することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、この方法が、加工物の一部分の上方にシュラウドを、シュラウドと加工物の間のガス流が、シュラウドの内部と加工物から離れた加工物真空室との間の10倍の圧力差を維持するのに十分に小さくなるように配置することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、シュラウドが加工物と接触する。
いくつかの実施形態では、シュラウドで包囲された領域内から加工物真空室の残りの部分へのガス・コンダクタンスを制限するため、シュラウドが、加工物から上方へ0.5mm未満のところに配置される。
本発明のいくつかの実施形態は、真空室内の加工物表面にガスの集中を提供する装置であって、
真空室内の加工物表面の一部分にガスの集中を提供するガス集中器であり、それらの部分が表面全体よりも小さいガス集中器と、
ガス集中器にガスを供給するガス導管と、
試料表面に対する電気バイアスを提供する陽極であり、電子を加速させて、集中したガス中でガス・カスケード増幅を提供する陽極と
を備える装置を含む。
いくつかの実施形態では、陽極が、ガス集中器の一部分を含む。
いくつかの実施形態では、陽極が、ガス集中器とは別個の電極を含む。
いくつかの実施形態では、ガス集中器が、1次ビームを通す開口を有するシュラウドを含む。
いくつかの実施形態では、ガス集中器がシュラウドを含まない。
さらに、本出願の範囲が、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者なら本発明の開示から容易に理解するように、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行し、または実質的に同じ結果を達成する既存のまたは今後開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを、本発明に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを含むことが意図されている。

Claims (25)

  1. 真空室内の加工物表面にガスを供給する装置であって、
    前記加工物のシュラウド包囲領域に前記ガスを集中するガス集中構造体であり、前記加工物へ向かうビームを通す開口を有し、前記シュラウド包囲領域が前記加工物の全体よりも小さく、前記開口が、前記開口を通したガス・コンダクタンスを制限するのに十分に小さい、ガス集中構造体と、
    前記ガス集中構造体を支持するガス集中構造体支持部材であり、前記加工物上の関心領域の近くに前記ガスを集中するように前記ガス集中構造体を配置するために移動可能なガス集中構造体支持部材と、
    前記ガス集中構造体内の空間にガスを供給するガス導管と、
    集中した前記ガスのイオン化を引き起こすための電気バイアスを提供する陽極と
    を備える装置。
  2. 前記陽極が、前記ガス集中構造体の一部分または全体を含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記陽極が、前記ガス集中構造体とは別個の電極を含む、請求項1に記載の装置。
  4. 前記導管が、前記ガス集中構造体内の空洞を含む、請求項1に記載の装置。
  5. 前記ガス集中構造体支持部材が、使用しないときに前記シュラウドを前記加工物から退ける長手軸に沿った運動を提供するガス集中構造体支持部材駆動機構を備える、請求項1に記載の装置。
  6. 前記シュラウドを衝打している電子を検出する回路をさらに備え、前記電子が検出器信号を構成する、請求項1に記載の装置。
  7. 前記ガス集中構造体の形状が、錐体の一部分、球体の一部分または円柱の少なくとも一部分を含む、請求項1に記載の装置。
  8. 前記ガス集中構造体の少なくとも一部分が中空であり、前記導管からのガスを前記加工物に向かって導くために前記導管と連通している、請求項1に記載の装置。
  9. 荷電粒子源と、
    加工物真空室と、
    前記荷電粒子源からの荷電粒子を、前記加工物真空室内の加工物に焦束させる集束レンズと、
    真空室内の試料表面にガスを供給する請求項1に記載の装置と
    を備える荷電粒子ビーム・システム。
  10. 前記荷電粒子源が電子源を含む、請求項9に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  11. 前記シュラウド内のより高い圧力を維持するために、前記シュラウドと前記加工物の表面との間に、ガスの流れが制限された領域を提供するように、前記加工物の表面の上方に配置されるよう前記シュラウドが適合されている、請求項9に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  12. ステージ直径を有する試料ステージをさらに備え、前記加工物に最も近づくように適合された前記シュラウドの部分が、前記加工物の前記シュラウド包囲領域の直径に一致するシュラウド直径を有し、前記シュラウド直径が、前記ステージ直径の半分よりも小さい、請求項9に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  13. 前記ガス集中器が、前記荷電粒子ビームを通す開口を含む、請求項9に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  14. 前記ガス集中器が、前記荷電粒子ビームを遮断しないように配置された、請求項9に記載の荷電粒子ビーム・システム。
  15. 真空室内の加工物表面にガスの集中を提供する装置であって、
    真空室内の加工物表面の一部分にガスの集中を提供するガス集中器であり、前記部分が前記表面全体よりも小さい、ガス集中器と、
    前記ガス集中器にガスを供給するガス導管と、
    試料表面に対する電気バイアスを提供する陽極であり、電子を加速させて、集中した前記ガス中でガス・カスケード増幅を提供する陽極と
    を備える装置。
  16. 前記陽極が、前記ガス集中器の一部分を含む、請求項15に記載の装置。
  17. 前記陽極が、前記ガス集中器とは別個の電極を含む、請求項15に記載の装置。
  18. 前記ガス集中器が、1次ビームを通す開口を有するシュラウドを含む、請求項15に記載の装置。
  19. 前記ガス集中器がシュラウドを含まない、請求項15に記載の装置。
  20. 荷電粒子ビーム・システムを動作させて試料真空室内の加工物を処理する方法であって、
    加工物表面全体よりも小さい加工物表面の一部分に、前記試料真空室内の他の位置のガスの集中よりも高いガスの集中を提供すること、
    前記加工物に向かって荷電粒子ビームを導き、前記荷電粒子ビームが集中した前記ガス中を通過すること、
    前記荷電粒子ビームの衝撃によって発生した2次電子を陽極に向かって引き寄せることであり、前記2次電子が、集中した前記ガス中にイオン化カスケード電流を生じさせること、および
    前記イオン化カスケード電流を前記陽極において検出して、画像を形成すること
    を含む方法。
  21. 前記加工物表面全体よりも小さい加工物表面の一部分に、前記試料真空室内の他の位置のガスの集中よりも高いガスの集中を提供することが、前記ガスを集中するシュラウドを提供することを含み、前記シュラウドが、前記荷電粒子ビームを通す開口を有する、請求項20に記載の方法。
  22. 前記イオン化によるイオン化されたガスまたは電子を使用して、前記加工物の非導電性部分上の電荷を中和することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  23. 前記加工物の一部分の上方にシュラウドを、前記シュラウドと前記加工物の間のガス流が、前記シュラウドの内部と前記加工物から離れた前記加工物真空室との間の10倍の圧力差を維持するのに十分に小さくなるように配置することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  24. 前記シュラウドが前記加工物と接触する、請求項23に記載の方法。
  25. シュラウドで包囲された領域内から前記加工物真空室の残りの部分へのガス・コンダクタンスを制限するため、前記シュラウドが、前記加工物から上方へ0.5mm未満のところに配置された、請求項23に記載の方法。
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