JP2015523344A - 加水分解触媒およびプロセス - Google Patents

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Abstract

繊維金属触媒のための単座、二座または三座のリンをベースとする亜リン酸エステル配位子または配位子ブレンドを加水分解する方法であって、配位子または配位子ブレンドと、式(R11X11)nP(OH)3-n(式中、nは、0、1または2である)の加水分解触媒とを接触させることを含み、配位子または配位子ブレンドは、(i)式(III)の二座ビホスフィット配位子(R12−X12)(R13−X13)P−X14−Y−X24−P(X22−R22)−(X23−R23)、(ii)式(IIIA)の三座トリホスフィット配位子(R12−X12)(R13−X13)P−X14−Y−X32−P(X34−R34)−(X33−Y2−K24−P(X23−R23)−(X22−R22)、または(iii)式(IV)の単座ホスフィット配位子P(X1−R1)(X2−R2)(X3−R3)(式中、各Xは、酸素または結合であり、各Yは、任意選択で置換されているC6〜C20アリーレンである)の1つまたは複数を含み、それに続いて配位子加水分解生成物を分離する、方法。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年6月1日に出願した米国特許仮出願第61/654,554号に基づく優先権の利益を主張するものである。本出願は、参考の為に、この仮出願の全体に開示された事項を本明細書に全て包含する。
本発明は、3−ペンテンニトリルおよび他の不飽和ニトリルを生成するために1,3−ブタジエンのヒドロシアノ化反応における触媒成分として利用されるものなどの、液体ホスフィットブレンドの組成物の調整に関する。より詳細には、本発明は、ニッケルおよび少なくとも1種の二座ホスフェート配位子から構成されるヒドロシアノ化触媒の一部として使用される配位子の処置のプロセスパラメーターの調節に関する。
米国特許第6,169,198号は、アジポニトリル(ADN)を調製するためのブタジエン(BD)のヒドロシアノ化(HCNとの反応)のプロセスを記載しており、このプロセスは一般に3つのステップに分割することができることを説明している。第1に、HCNを他のニトリルと共にBDと反応させることによって、モノニトリル、例えば3−ペンテンニトリル(3−PN)を形成する。他のニトリルは、最終生成物として所望の直鎖ADNを達成するために、それに続くステップにおいて異性化しなくてはならない異性体を含む。第2は、種、例えば2−メチル−3−ブテンニトリル(2M3BN)の異性化である。第3は、所望のADNを生じさせるためのペンテンニトリルの第2のヒドロシアノ化である。
米国特許第5,981,722号は、ヒドロシアノ化および異性化のためのジホスフィットニッケル錯体の使用によるこのような転換のための新規な種類の触媒を記載し例示している。この種類の触媒は、より大きな触媒活性、およびHCNに由来する分解反応への耐性によって特徴付けられる。
米国特許第7,470,805号は、遷移金属ならびに単座および多座の有機リン配位子を含む触媒系の存在下での、ジオレフィンのヒドロシアノ化のプロセスを記載している。これによると、2種の配位子である単座ならびに多座(二座および/または三座)の混合物の使用は、多座配位子が反応環境において保存されることを可能とする。
それぞれ式(7)および(8)および(3)として示される単座および二座のリンをベースとする配位子は、米国特許第7,629,484号に構造が示されているものであり、ヒドロシアノ化などの反応のための遷移金属−有機リン触媒の調製において使用することができる。
USPN7,629,484の単座配位子の例
USPN7,629,484の二座配位子の例
米国特許第7,659,422号には、i)2−ペンテンニトリルと全ての不飽和ニトリルとの全体的な供給物モル比、およびii)HCNと全ての不飽和ニトリルとの全体的な供給物モル比の制御を伴う、BDからADNを生成するヒドロシアノ化プロセスが記載されている。一例は、ルイス酸促進剤(FeCl2)および二座配位子Bを含む反応混合物として提示されており、示されている二座配位子Bは、上記の化合物(3)と同一である。
米国特許第7,977,502号は、反応ゾーンにおいて供給物流を接触させることと、滞留時間を維持してHCNの約95%以上を変換させることと、蒸留して様々な流れを生じさせることを含むプロセスによる、3−PNの生成、3−PNのリファイニングおよび2M3BNのリファイニングのための統合された連続プロセスを記載している。
米国特許出願公開第2011/0196168号は、ニッケル金属錯体の形成において単座および二座のリン含有配位子の両方と高度に反応性である、塩基性炭酸ニッケル(BNC)に由来するニッケル金属を含むニッケル含有固体を記載しており、このニッケル金属錯体はヒドロシアノ化によるペンテンニトリルおよびジニトリルを生成するためのものであり得る。
本発明は、二座および三座配位子に対する単座配位子の相対的割合を制御するための、配位子ブレンドまたは混合物における特定のリンをベースとする配位子(リン系配位子)の選択的加水分解を使用したプロセスを含むことができる。配位子ブレンドを使用して、有機反応、例えば、1,3−ブタジエンなどのオレフィンからニトリルを提供するヒドロシアノ化反応の触媒作用に有用な、遷移金属錯体、例えばニッケル錯体を形成することができる。配位子加水分解反応は、ごく微量または制御された量の水が存在するヒドロシアノ化反応環境において形成される配位子加水分解生成物によって自己触媒され得る。
本発明は、遷移金属触媒のためのリンをベースとする配位子を加水分解する方法であって、配位子は、少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含み、
i)水、および任意選択で1種または複数種の有機液体の存在下で、加水分解生成物を提供するための少なくとも1つの亜リン酸エステル結合の加水分解をもたらすのに十分な時間、温度および濃度の条件下で、
式(I)の加水分解触媒
(R1111nP(OH)3-n (I)
[式中、nは、0、1または2であり、各X11は、独立に、酸素または結合であり、
それぞれの独立に選択されたR11は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合している]と、
式(III)の二座のリンをベースとする配位子
式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子
[式(III)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23またはX24の少なくとも1つは、酸素であり、式(IIIA)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33またはX34の少なくとも1つは、酸素であり、
式(III)の配位子について、R12、R13、R22およびR23、ならびに式(IIIA)の配位子について、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R12、R13、R22、R23またはR34の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒にそれぞれの環を形成するように、ペアR12およびR13またはR22およびR23の1つまたは複数は、相互に直接結合しており、
式(III)の配位子について、基Y、ならびに式(IIIA)の配位子について、基Y1およびY2は、独立に、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されている]、
および式(IV)の単座のリンをベースとする配位子
P(X11)(X22)(X33) (IV)
[式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素または結合であり、ただし、X1、X2またはX3の少なくとも1つは、酸素であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R1、R2またはR3の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R11、R22およびR33基の任意のペアが、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、R1、R2またはR3の任意の2つは、互いに直接結合している]、ならびにこれらの混合物
からなる群から選択される1つまたは複数のリンをベースとする配位子とを接触させることと、
ii)液−液抽出によって、配位子から加水分解触媒および加水分解生成物を分離することと
を含む、方法を含むことができる。
本発明は、遷移金属触媒のための2種のリンをベースとする配位子の相対比を修正する方法であって、少なくとも2種のリンをベースとする配位子を含む配位子ブレンド中で、ブレンドにおける各配位子が、少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含み、ブレンドの第1の成分は、式(III)の二座のリンをベースとする配位子および式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子
式(III)の二座のリンをベースとする配位子
式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子
[式(III)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23またはX24の少なくとも1つは、酸素であり、式(IIIA)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33またはX34の少なくとも1つは、酸素であり、
式(III)の配位子について、R12、R13、R22およびR23、ならびに式(IIIA)の配位子について、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R12、R13、R22、R23またはR34の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒にそれぞれの環を形成するように、ペアR12およびR13またはR22およびR23の1つまたは複数は、相互に直接結合しており、
式(III)の配位子について、基Y、および式(IIIA)の配位子について、基Y1およびY2は、独立に、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されている]、ならびにこれらの混合物
からなる群から選択され、
ブレンドの第2の成分は、式(IV)の単座のリンをベースとする配位子であり
P(X11)(X22)(X33) (IV)
[式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素または結合であり、ただし、X1、X2またはX3の少なくとも1つは、酸素であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R1、R2またはR3の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R11、R22およびR33基の任意のペアが、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、R1、R2またはR3の任意の2つは、互いに直接結合している];
i)水、および任意選択で1種または複数種の有機液体の存在下、加水分解生成物を提供するための第2の成分の少なくとも1つの亜リン酸エステル結合の加水分解をもたらすのに十分な時間、温度および濃度の条件下で、
ブレンドと、式(I)の加水分解触媒
(R1111nP(OH)3-n (I)
[式中、nは、0、1または2であり、各X11は、独立に、酸素または結合であり、
それぞれの独立に選択されたR11は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R11の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合している]
とを接触させることによって、配位子ブレンドの第1の成分の亜リン酸エステル基に対して、配位子ブレンドの第2の成分の亜リン酸エステル基を選択的に加水分解することと、
ii)液−液抽出によって、配位子ブレンドから加水分解触媒および加水分解生成物を分離することと
を含む、方法を提供することができる。
本発明は、リンをベースとする二座配位子もしくはリンをベースとする三座配位子または両方の濃度を、水および少なくとも1種の有機液体を含むヒドロシアノ化反応環境における遷移金属触媒錯体のための、単座のリンをベースとする配位子をさらに含むリンをベースとする配位子ブレンドにおいて、濃度範囲内に維持する方法であって、ブレンドにおけるそれぞれのリンをベースとする配位子は、少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含み、配位子ブレンドは、少なくとも2種のリンをベースとする配位子を含み、配位子ブレンドの第1の成分は、式(III)の二座のリンをベースとする配位子または式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子であり、
式(III)の二座のリンをベースとする配位子
式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子
[式(III)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23またはX24の少なくとも1つは、酸素であり、式(IIIA)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33またはX34の少なくとも1つは、酸素であり、
式(III)の配位子について、R12、R13、R22およびR23、ならびに式(IIIA)の配位子について、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R12、R13、R22、R23、またはR34の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒にそれぞれの環を形成するように、ペアR12およびR13またはR22およびR23の1つまたは複数は、相互に直接結合しており、
式(III)の配位子について、基Y、ならびに式(IIIA)の配位子について、基Y1およびY2は、独立に、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されている]、
ブレンドの第2の成分は、式(IV)の単座のリンをベースとする配位子を含む配位子であり
P(X11)(X22)(X33) (IV)
[式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素または結合であり、ただし、X1、X2またはX3の少なくとも1つは、酸素であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R1、R2またはR3の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R11、R22、およびR33基の任意のペアが、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、R1、R2またはR3の任意の2つは、互いに直接結合している];
i)配位子ブレンドにおける式(III)の二座配位子または式(IIIA)の三座配位子の亜リン酸エステル基の加水分解に対して、配位子ブレンドにおける式(IV)の単座配位子の亜リン酸エステル基の選択的加水分解が起こり、加水分解生成物を提供するように、
ヒドロシアノ化反応環境における配位子ブレンドと、式(I)の加水分解触媒とを接触させることと
(R1111nP(OH)3-n (I)
[式中、nは、0、1または2であり、各X11は、独立に、酸素または結合であり、
それぞれの独立に選択されたR11は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R11の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合している]、
ii)二座配位子の濃度が、濃度範囲内に維持されるように、液−液抽出によって配位子ブレンドから加水分解触媒および加水分解生成物を分離することと
を含む、方法を提供することができる。
例えば、少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含むリンをベースとする配位子は、リンをベースとする配位子ブレンドの成分でよく、配位子は、遷移金属、例えばニッケルの存在下で、オレフィンのヒドロシアノ化反応の触媒作用のために使用される少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含有する。例えば、配位子ブレンドは、アジポニトリルの合成における重要な中間体であるペンテンニトリル、例えば3−ペンテンニトリルを生じさせる1,3−ブタジエンのヒドロシアノ化のためにニッケルと併せて使用することができ、または様々なナイロンポリマーの製造において有用なアジポニトリルを生じさせるペンテンニトリルのさらなるヒドロシアノ化において使用することができる。本発明は、プロセスを提供することができ、それによって、それぞれが少なくとも1つの加水分解性の亜リン酸エステル基を含有するリンをベースとする配位子の液体ブレンド(混合物)(ブレンドは、少なくとも1つの(例えば式(IV)の)単座配位子、および少なくとも1つの(例えば式(III)の)二座配位子または(例えば式(IIIA)の)三座配位子を含む)は、(例えば式(I)の)加水分解触媒の濃度をモニターして、かつ例えば、二座および/または三座配位子の存在下で、選択的に加水分解された単座配位子を選択的に加水分解および分離することによって、配位子の相対的含量を調節することができる。加水分解触媒は、ブレンドの1種または複数種の配位子成分のインサイチュでの加水分解によって生成される配位子加水分解生成物でよい。また、加水分解触媒を、適切な場合、配位子ブレンドに加え、それによって特定のホスフィット、例えば単座配位子を、二座または三座配位子に対して優先的に加水分解することができる。配位子ブレンドは、ヒドロシアノ化反応環境において存在することができ、触媒維持サブプロセスの一部として、特定の配位子ブレンド成分のこの選択的加水分解および分離によって相対的な配位子濃度を調節することができる。
したがって、本発明は、例えば、ヒドロシアノ化反応がごく微量または制御された量の水の存在下で行われるとき、ヒドロシアノ化反応のための遷移金属錯体において使用するための配位子ブレンドにおけるリンをベースとする配位子の割合を調整する問題への技術的解決策を提供することができる。ヒドロシアノ化反応における使用のための好ましい特性を有する触媒、例えば、ブレンドの配位子を伴うニッケル錯体の形成を可能とする、配位子ブレンドにおける二座および/または三座に対する単座のリンをベースとする配位子のレベルの調整の解決策を提供する。少なくとも1つの亜リン酸エステル結合を含有する二座および/または三座配位子の存在下で、少なくとも1つの亜リン酸エステル結合を含有する単座配位子を選択的に加水分解することができる、単座のリンをベースとする配位子の加水分解に由来することができる加水分解触媒を提供する。このように、単座配位子の酸性加水分解生成物を、例えば、配位子ブレンドからの極性および無極性溶媒を使用した液−液抽出によって抽出し、それによって好ましい二座/三座配位子のより高い相対濃度を維持することができる。
明細書および添付の特許請求の範囲において使用するように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈によって明らかにそれ以外のことの指示がない限り、複数の参照対象を含む。
「約」という用語は、本明細書において使用する場合、数値または範囲に言及するとき、値または範囲における一定の可変性、例えば、規定された値または規定された範囲の限度の10%以内または5%以内であることが可能となる。
全ての組成物のパーセントは、特に明記しない限り、重量−百分率として示す。
本開示の態様は、他に示さない限り、当分野の技術の範囲内の化学の技術などを用いる。このような技術は、文献において十分に説明されている。他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、この開示が属する技術分野の当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様または等しい任意の方法および材料をまた、本開示の実施または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料をこれから記載する。
例えば、「実現するのに適した条件下で」または「生じさせるのに十分な条件下で」などの語句は、合成の方法との関連において本明細書において使用する場合、反応生成物の有用な量または収率を実現する、変動する実験者の通常の技量の範囲内である、反応条件、例えば、時間、温度、溶媒、反応物濃度などを指す。所望の反応生成物が唯一の反応生成物であり、または出発材料が完全に消費されることは必要とされないが、ただし、所望の反応生成物は単離またはその他の点でさらに使用することができる。
「化学的に実現可能」とは、有機構造の一般に理解されるルールが破られない結合配置または化合物を意味する。例えば、特定の状況において天然で存在しない五価の炭素原子を含有する特許請求の範囲の定義内の構造は、特許請求の範囲内でないと理解される。本明細書において開示されている構造は、「化学的に実現可能」な構造のみを含むことを意図し、化学的に実現可能ではない任意の記載された構造、例えば、可変の原子または基と共に示される構造は、本明細書において開示または特許請求されることを意図しない。
置換基が特定の独自性の原子(複数可)、すなわち「または結合」であると特定されるとき、構成体は、特定の置換基に直ちに隣接する基が、化学的に実現可能な結合構成体内で互いに直接接続する、置換基が「結合」である場合を意味する。
特定の立体化学配置または異性体の形態が特に示されない限り、構造の全てのキラル形態、ジアストレオマー形態、ラセミ体が意図される。いくつかの場合において、個々の立体異性体が特に特許請求した化合物の中で記載されているが、立体化学的名称は、代替の異性体の形態がより好ましくなく、望ましくなく、または特許請求されないことを意味しない。本発明において使用される化合物は、表示から明らかなように、任意の程度の濃縮で、任意または全ての不斉原子において濃縮または分割された光学異性体を含むことができる。ラセミ混合物およびジアステレオマー混合物の両方、ならびに個々の光学異性体は、これらのエナンチオマーまたはジアステレオマーパートナーが実質的に非含有であるように単離または合成することができ、これらは全て本発明の範囲内である。
本明細書において使用する場合、「安定的な化合物」および「安定的な構造」という用語は、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離、および効果的な治療剤への製剤化を耐えるのに十分に強固な化合物を示すことを意味する。安定的な化合物のみが、本明細書において意図される。
「有機ラジカル」または「有機基」は、この用語が本明細書において使用されるように、別の原子に結合することができるポーションまたはフラグメントまたは部分を指し、基は炭素をベースとしている。「炭素をベースとする」とは、基の少なくともポーションが、当技術分野で周知のように、共有結合をすることができる他の原子、例えば、水素、窒素、酸素、ハロゲン、硫黄、リンなどに共有結合することができる少なくとも1個の炭素原子を含むことを意味する。
基、例えば、「アルキル」基または「アリール」基が、基における原子の数に対する限定を伴わずに言及されるとき、特許請求の範囲は、アルキル基のサイズに関して、定義によって(すなわち、基、例えばアルキル基が有するサイズ(炭素原子の数)は、有限数であり、分子的実体について妥当である基のサイズに関する当業者の理解によって制限される);および官能性によって(すなわち、基、例えばアルキル基のサイズは、水性媒体または有機液体媒体における溶解度などの、基を含有する分子に基が与える機能特性によって制限される)の両方で限定および制限されることが理解される。したがって、「アルキル」または他の化学基もしくは部分を記載する特許請求の範囲は、限定および制限される。
化学基についての標準的な略語、例えば、当技術分野で周知のものを、本明細書において使用することができ、これらは通常の知識の範囲内である。例えば、Me=メチル、Et=エチル、i−Pr=イソプロピル、Bu=ブチル、t−Bu=tert−ブチル、Ph=フェニル、Bn=ベンジル、Ac=アセチル、Bz=ベンゾイルなど。
一般に、「置換されている」は、その中に含有される水素原子への1つまたは複数の結合が、これらに限定されないが、ハロゲン(すなわち、F、Cl、BrおよびI);基、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、オキソ(カルボニル)基、カルボン酸、カルボン酸塩、およびカルボン酸エステルを含めたカルボキシル基における酸素原子;基、例えば、チオール基、アルキルおよびアリールスルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニル基ならびにスルホンアミド基における硫黄原子;基、例えば、アミン、ヒドロキシルアミン、ニトリル、ニトロ基、N−オキシド、ヒドラジド、アジドおよびエナミンにおける窒素原子;ならびに様々な他の基における他のヘテロ原子などの非水素原子への1つまたは複数の結合で置き換えられている、本明細書に定義されているような有機基を指す。置換炭素(または他の)原子に結合することができる置換基Jの非限定的例には、F、Cl、Br、I、OR’、OC(O)N(R’)2、CN、NO、NO2、ONO2、アジド、CF3、OCF3、R’、O(オキソ)、S(チオノ)、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、N(R’)2、SR’、SOR’、SO2R’、SO2N(R’)2、SO3R’、C(O)R’、C(O)C(O)R’、C(O)CH2C(O)R’、C(S)R’、C(O)OR’、OC(O)R’、C(O)N(R’)2、OC(O)N(R’)2、C(S)N(R’)2、(CH20-2N(R’)C(O)R’、(CH20-2N(R’)N(R’)2、N(R’)N(R’)C(O)R’、N(R’)N(R’)C(O)OR’、N(R’)N(R’)CON(R’)2、N(R’)SO2R’、N(R’)SO2N(R’)2、N(R’)C(O)OR’、N(R’)C(O)R’、N(R’)C(S)R’、N(R’)C(O)N(R’)2、N(R’)C(S)N(R’)2、N(COR’)COR’、N(OR’)R’、C(=NH)N(R’)2、C(O)N(OR’)R’、またはC(=NOR’)R’が含まれ、式中、R’は、水素または炭素をベースとする部分でよく、炭素をベースとする部分は、それ自体がさらに置換されていることができ、例えば、R’は、水素、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルでよく、任意のアルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキルまたはR’は、独立に、Jで一置換または多置換されていてもよく、あるいは窒素原子または隣接する窒素原子に結合している2つのR’基は、窒素原子(複数可)と一緒に、Jで一置換または独立に多置換することができるヘテロシクリルを形成することができる。
置換基Jは、独立に、ハロ、ニトロ、シアノ、OR、NR2もしくはRでよく、またはC(O)OR、C(O)NR2、OC(O)OR、OC(O)NR2、N(R)C(O)OR、N(R)C(O)NR2もしくはそのチオ/チオノ類似体である。「そのチオ/チオノ類似体」とは、Oを含有する基に関して、基における任意または全てのO原子を、S原子で置き換えることができることを意味する。例えば、基C(O)ORについて、「そのチオ/チオノ類似体」は、C(S)OR、C(O)SR、およびC(S)SRを含み、例えば、基OC(O)NR2について、「そのチオ/チオノ類似体」は、SC(O)NR2、OC(S)NR2、およびSC(S)NR2を含むなどである。
置換基が一価、例えば、FまたはClであるとき、この置換基は、これが置換している原子に単結合によって結合している。置換基が一価超、例えば、O(二価である)であるとき、この置換基は、これが置換している原子に複数の結合によって結合することができ、すなわち、二価の置換基は、二重結合によって結合している。例えば、Oで置換されているCは、CおよびOが二重結合している、「CO」、「C(O)」、または「C(=O)」ともまた書くことができるカルボニル基、C=Oを形成する。炭素原子が二重結合した酸素(=O)基で置換されているとき、酸素置換基は、「オキソ」基と称される。二価の置換基、例えば、NRが炭素原子に二重結合しているとき、このように得られたC(=NR)基は、「イミノ」基と称される。二価の置換基、例えば、Sが炭素原子に二重結合しているとき、得られたC(=S)基は、「チオカルボニル」または「チオノ」基と称される。
代わりに、二価の置換基、例えばOまたはSは、2つの単結合によって2個の異なる炭素原子に接続することができる。例えば、二価の置換基であるOは、2個の隣接する炭素原子のそれぞれに結合して、エポキシド基を提供することができ、またはOは、隣接するかまたは隣接していない炭素原子の間で「オキシ」基と称される架橋エーテル基を形成することができ、例えば、シクロヘキシル基の1,4−炭素を架橋して、[2.2.1]−オキサビシクロ系を形成する。さらに、任意の置換基は、リンカー、例えば、(CH2nまたは(CR’2n(nは、1、2、3またはそれ超であり、各R’は、独立に選択される)によって炭素または他の原子に結合することができる。
アルキル基は、1〜約20個の炭素原子、典型的には1〜12個の炭素または1〜8個の炭素原子を有する直鎖および分岐状アルキル基およびシクロアルキル基を含む。直鎖アルキル基の例には、1〜8個の炭素原子を有するもの、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルおよびn−オクチル基が含まれる。分岐状アルキル基の例には、これらに限定されないが、イソプロピル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、イソペンチルおよび2,2−ジメチルプロピル基が含まれる。本明細書において使用する場合、「アルキル」という用語は、n−アルキル、イソアルキルおよびアンテイソアルキル基、ならびにアルキルの他の分岐鎖形態を包含する。代表的な置換アルキル基は、上記に一覧表示した基、例えば、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ニトロ、チオ、アルコキシおよびハロゲン基のいずれかで1回または複数回置換されることができる。
シクロアルキル基は、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル基などの環状アルキル基である。シクロアルキル基は、3から約8〜12の環員を有することができ、または、環炭素原子の数は、3から4、5、6もしくは7の範囲である。シクロアルキル基は、これらに限定されないが、ノルボルニル、アダマンチル、ボルニル、カンフェニル、イソカンフェニル、およびカレニル基などの多環式シクロアルキル基、ならびこれらに限定されないが、デカリニルなどの縮合環をさらに含む。シクロアルキル基はまた、上記に定義されているような直鎖または分岐鎖アルキル基で置換されている環を含む。代表的な置換シクロアルキル基は、これらに限定されないが、例えば、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ニトロ、チオ、アルコキシおよびハロゲン基で置換されることができる、2,2−、2,3−、2,4−、2,5−もしくは2,6−二置換シクロヘキシル基、または一置換、二置換もしくは三置換されたノルボルニルもしくはシクロヘプチル基など、一置換または2回以上置換することができる。「シクロアルケニル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、環状アルケニル基を示す。
またシクロアルキルアルキルと称される(シクロアルキル)アルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が、上記に定義されているようなシクロアルキル基への結合で置き換えられている上記に定義されているようなアルキル基である。
「アルコキシ」という用語は、上記で定義したような、シクロアルキル基を含めたアルキル基に接続した酸素原子を指す。直鎖状アルコキシ基の例には、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが含まれる。分岐状アルコキシの例には、これらに限定されないが、イソプロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソペンチルオキシ、イソヘキシルオキシなどが含まれる。環状アルコキシの例には、これらに限定されないが、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれる。アルコキシ基は、酸素原子に結合した1個から約12〜20個の炭素原子を含むことができ、二重結合または三重結合をさらに含むことができ、またヘテロ原子を含むことができる。例えば、アリルオキシ基は、本明細書における意味内のアルコキシ基である。メトキシエトキシ基はまた、構造の2個の隣接する原子がそれと共に置換されている状況におけるメチレンジオキシ基のように、本明細書における意味内のアルコキシ基である。
アリール基は、環においてヘテロ原子を含有しない環状芳香族炭化水素である。このように、アリール基には、これらに限定されないが、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニル、インダセニル、フルオレニル、フェナントレニル、トリフェニレニル、ピレニル、ナフタセニル、クリセニル、ビフェニレニル、アントラセニルおよびナフチル基が含まれる。アリール基は、基の環ポーションにおいて約6〜約14個の炭素を含有することができる。アリール基は、上記に定義されているように非置換または置換されていてよい。代表的な置換アリール基は、これらに限定されないが、炭素または非炭素基、例えば、上記で一覧表示したもので置換することができる、2−、3−、4−、5−もしくは6−置換フェニルまたは2〜8置換ナフチル基など、一置換または2回以上置換されることができる。アリール基はまた、縮合環、例えば、本明細書における意味内の縮合シクロアルキル環を担持することができる。例えば、テトラヒドロナフチル環は、本明細書における意味内のアリール基の一例である。したがって、アリール環は、例えば、非置換または置換されていることができる部分的に水素化された系を含み、かつ基、例えば、アルキル、アルコキシル、シクロアルキル、シクロアルコキシル、シクロアルキルアルキル、シクロアルコキシアルキルなどで置換されており、また、例えば、シクロアルキル環と縮合している1つまたは複数のアリール環を含む。
有機リン化合物は、1個または複数個のリン原子が存在し、かつ1つまたは複数の有機ラジカルまたは部分がまた存在する分子的実体を含む。有機リン化合物は、他の元素、例えば、酸素、ハロゲン、水素、窒素などをさらに含むことができる。様々な種類の有機リン化合物(Pは、リン原子であり、Rは、リン原子へ炭素−リン結合を介して結合している有機部分を示す)についての一般の使用法におけるいくつかの用語には、「ホスフィン」(PR3)、「ホスフィンオキシド」(P(O)R3)、「ホスフィニット」(P(OR)R2)、「ホスホニット」(P(OR)2R)、「ホスフィネート」(ROP(O)R2)、「ホスフィット」(P(OR)3)、「ホスホネート」(RP(O)(OR)2)、および「ホスフェート」(P(O)(OR)3)が含まれる。
「リンをベースとする配位子」は、この用語が本明細書において使用されるように、遷移金属、例えばニッケルを有する錯体の形成に適した少なくとも1個のリン原子を含有する配位子を指し、錯体は、有機反応、例えば、ペンテンニトリルを生じさせるブタジエンのヒドロシアノ化またはアジポニトリルを生じさせるペンテンニトリルのヒドロシアノ化などのオレフィンのヒドロシアノ化反応のための触媒活性を有することができる。「リンをベースとする」という用語は、これが触媒活性を有し、又は有さないのいずれにせよ、少なくとも1個のリン原子を含有する有機化合物を指す。
「単座」のリンをベースとする配位子は、金属原子、例えば、ニッケルと錯形成することができる、1分子当たり単一のリン原子を含有する。「二座」のリンをベースとする配位子は、1分子当たり2個のリン原子を含有し、これらの両方は単一の金属原子、例えばニッケル原子と錯形成することができる。「三座」のリンをベースとする配位子は、1分子当たり3個のリン原子を含有し、これらの3つの全ては単一の金属原子、例えばニッケル原子と錯形成することができる。
必然的に整数である可変値、例えば、アルキル基における炭素原子の数または環上の置換基の数が、範囲、例えば0〜4として記載されている場合、値は端数を含む0〜4の間の任意の整数、すなわち、0、1、2、3または4であり得ることを意味する。
化合物または一組の化合物、例えば、本発明の方法において使用されるものは、本明細書に記載のような要素の組合せおよび/または下位組合せのいずれかのいずれかの1つでよい。
実施例のいずれかにおいて示したような化合物または例示的化合物が提供される。
開示されたカテゴリーのいずれかに条件を適応することができ、他の上記で開示されたカテゴリーまたは種の任意の1つまたは複数はこのようなカテゴリーから除外することができる。
ブタジエンのヒドロシアノ化
直接的な、または下記で記載する最新のリン含有触媒による中間体の異性化および/もしくはさらなるヒドロシアノ化による間接的な、アジポニトリル(ADN)を生じさせるブタジエン(BD)のヒドロシアノ化は、米国特許第7,977,502号;および同第7,659,422号ならびに米国特許出願公開2009/0182164および同2010/0267990によって証明されているように当技術分野で周知である。様々な修正を単独でまたは組み合わせて使用して、反応の選択した成分による所望の効率性を達成することができる。このように、分離ステップ、温度、リファイニング、蒸留、異性化ゾーン、圧力、経路に沿った構成物の排除、カラムサイズおよび構成体、流れ速度、再循環、ならびに他のプロセス可変部分を調節して、必要に応じて全体的なADN生成を修正することができる。
触媒組成物は、ヒドロシアノ化反応混合物に対して非反応性であり、ヒドロシアノ化反応混合物と混和性である溶媒に溶解することができる。適切な溶媒は、例えば、1〜10個の炭素原子を有する脂肪族および芳香族炭化水素、ならびにニトリル溶媒、例えばアセトニトリルを含む。代わりに、3PN、異性体のペンテンニトリルの混合物、異性体のメチルブテンニトリルの混合物、異性体のペンテンニトリルおよび異性体のメチルブテンニトリルの混合物、または従前の反応活動からの反応生成物を使用して、触媒組成物を溶解することができる。
HCN含有供給物、BD含有供給物および触媒組成物は、当業者には公知の任意の適切な設備中に含有されることができる反応ゾーンにおいて接触する。1つまたは複数の通常の設備を使用して、任意選択で反応熱の少なくともポーションを除去するための装置を伴う反応ゾーン、例えば、連続撹拌槽型反応器、ループ型バブルカラム反応器、ガス循環反応器、バブルカラム反応器、管形反応器、またはこれらの組合せを実現することができる。
反応温度は典型的には、約80℃〜約140℃の範囲内、例えば、約100℃〜約130℃の範囲内に維持される。一般に、反応圧力は、液体状態の試薬を維持するのに十分であるべきであり、このような圧力は少なくとも部分的に、反応混合物中に存在する未反応のBDの量の関数である。
本発明は、圧力の上限によって限定されないが、実用的な目的のために、圧力は一般に、約15psia〜約300psia(約103kPa〜約30 2068kPa)の範囲である。
一酸化炭素、酸素、アンモニアおよび水が実質的に非含有であるHCNを、蒸気、液体、またはこれらの混合物として反応に導入することができる。代替物として、シアノヒドリンを、HCNの源として使用することができる。例えば米国特許第3,655,723号を参照されたい。
供給物中のHCNと供給物中のBDのモル比は、約0.90:1.00〜約1.04:1.00の範囲、例えば、約0.92:1.00〜約0.98:1.00の範囲である。
モル比のこの範囲は、プロセスに回収および再循環するより少ない未反応のBDが存在し得るという点で、HCNに対して有意により過剰なBDを伴うこれらの40超で有利であり得、2−メチルグルタロニトリル(MGN)ならびにBD二量体、オリゴマー、および関連する種に対する収率の損失が低減し得る。供給物中のゼロ価ニッケルと供給物中のBDのモル比は、約0.00005:1.00〜約0.0050:1.00の範囲、例えば、約0.0001:1.00〜約0.0010:1.00の範囲である。
反応ゾーンにおける滞留時間、例えば、合わせた供給物が1つの反応器(連続撹拌槽型反応器(CSTR)における容量)を置きかえるのに必要とされる時間は典型的には、反応混合物の総全質量の約15重量パーセント未満、例えば、反応混合物の全質量の約10重量パーセント以下の2M3BN濃度を維持する要望によって決定され、また触媒濃度および反応温度に関連する。一般に、滞留時間は、約0.5〜約15時間の範囲、例えば、約1〜約10時間の範囲である。
水は、市販のBD中に存在することができる。水はリン含有配位子と反応して、所望のヒドロシアノ化および異性化反応のためにより活性でないまたは不活性である加水分解生成物を生成し得るため、水はヒドロシアノ化プロセスにおいて望ましくないことがある。配位子加水分解生成物はまた、望ましくない副反応を促進することができる。
ヒドロシアノ化におけるその使用の前に、BDを精製して、不純物、例えば、TBCおよび水を除去することができる。種々の技術によって、例えば蒸留によって、または液体BDを吸収剤床、例えばアルミナ上を通過させることによって、BDからTBCを除去することができる。蒸留をまた使用して、BDから他の不純物、例えば4−ビニル−1−シクロヘキセンを除去することができる。種々の技術によって、例えば、液体BDを10オングストローム単位未満の孔径を有する分子篩の上を通過させることによって、または液体BDをアルミナと接触させることによって、BDから水を除去することができる。
ルイス酸促進剤
アジポニトリルを生成するための3−ペンテンニトリルをヒドロシアノ化するための反応は好ましくは、この反応を促進するための促進剤の存在下で行われる。促進剤は、ルイス酸、例えば、無機化合物、有機金属化合物、またはこれらの組合せでよく、ルイス酸のカチオンは、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、カドミウム、レニウム、ランタン、エルビウム、イッテルビウム、サマリウム、タンタルおよびスズからなる群から選択される。しかし、1,3−ブタジエンをヒドロシアノ化するための第1の反応ゾーン、および2−メチル−3−ブテンニトリルを異性化するための第2の反応ゾーンにおいて起こる反応は好ましくは、このような促進剤の非存在下で、または実質的な非存在下で行われる。
ジニトリルは、3−ペンテンニトリル(3PN)または2−メチル−3−ブテンニトリル(2M3BN)とHCNとの反応によって、第1の反応ゾーンにおいて生成され得る。ルイス酸は、第1の反応ゾーンにおけるジニトリルの形成を促進することができる。ルイス酸は好ましくは、検出可能な量で第1の反応ゾーン中に導入されない。しかし、検出可能な量のルイス酸を、第1の反応ゾーン中に導入することができ、ただし、ジニトリル形成は最小化される。例えば、検出可能な量のルイス酸を、第1の反応ゾーン中に導入することができ、ただし、生成されるジニトリルの量は、ルイス酸が第1の反応ゾーン中に導入されないとき、増加は5重量%以下である。
ルイス酸は、ユニットの不調またはオペレータエラーの結果として、第1の反応ゾーン中に意図せずに導入され得る。しかし、3−ペンテンニトリルの連続生成は維持することができ、ただし、第1の反応ゾーンにおけるNiの原子当量とルイス酸のモルの比は、3−ペンテンニトリルの生成の少なくとも95%の過程において10:1未満である。
第1および第2の反応ゾーンにおいて生成される3−ペンテンニトリルは、第1および第2の反応ゾーンの下流の第3の反応ゾーンにおいて、シアン化水素と反応して、アジポニトリルを含むジニトリルを生成することができる。触媒およびルイス酸促進剤は、反応物および生成物と共に第3の反応ゾーンを貫流することができる。反応温度は典型的には、約25℃〜約80℃の範囲内、例えば、約40℃〜約70℃の範囲内で維持される。好ましくは、第3の反応ゾーンから流れるルイス酸促進剤は、第1の反応ゾーン中に流れない。しかし、第3の反応ゾーンから流れるルイス酸促進剤のポーションが、第1の反応ゾーン中に流れることは可能である。ただし、上記で考察するように、第1の反応におけるジニトリルの望まれない生成は最小化される。
加水分解触媒
本発明のプロセスを実施することにおいて使用することができる加水分解触媒は、式(I)の加水分解触媒であり、
(R1111nP(OH)3-n (I)
式中、nは、0、1または2であり、各X11は、独立に、酸素または結合であり、
それぞれの独立に選択されたR11は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R11の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合している。
11は、独立に選択される(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルでよく、任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルは、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合しており、任意のペアは、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、直接相互結合している。
例えば、それぞれの独立に選択されたR11は、式(II)の基でよく、
式中、波線は、結合点を示し、R45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される。
式(I)の加水分解触媒は、オレフィンのヒドロシアノ化の反応環境において生成された、または反応環境に加えられた、または両方である、式(III)、(IIIA)または(IV)のリン含有配位子の少なくとも1つの加水分解生成物でよい。
したがって、加水分解触媒は、nが0(H3PO3、亜リン酸)であり、n=1((R1111)P(OH)2)の二塩基酸であり、またはn=2((R11112POH)の一塩基酸である、化合物であってよい。触媒は、少なくとも1つの酸性P−O−H基を含む。
このようなリン化合物は、三価または五価の形態で構造的に示すことができることは当技術分野で周知である。問題の実際の化合物は、互変異性体として見ることができ、酸素からリンへのプロトンシフトは、リンが中心にある電子軌道の再混成と共に起こる。さらに具体的には、n=1であるときまたはn=2であるとき、式(I)の化合物は、スキーム1において下記で示すように示すことができる。
本明細書において使用する場合、これらの構造の三価または五価の表示は、いずれかまたは両方の形態を示すことを意図し、X11は酸素であるか、またはX11は結合である。式(IA)において、X11が結合であるとき、化合物はホスホニットと称され、X11が酸素であるとき、化合物は亜リン酸モノエステルと称される。一般の慣例によれば、式(IB)において、両方のX11基がそれぞれ結合であるとき、化合物はホスフィニットと称され、両方のX11基がそれぞれ酸素であるとき、化合物は亜リン酸ジエステルと称され、1つのX11が結合であり、他のX11が酸素であるとき、化合物はホスホニットと称される。全てのこれらの亜属は、亜リン酸、H3PO3のように式(I)の加水分解触媒の定義内に含まれる。
それぞれの独立に選択されたR11は、非置換アリール基を含めたアリール基、例えばフェニルもしくはナフチル、または置換アリール基、例えばトリルもしくはキシリルなどのメチル−置換アリール基でよい。それぞれの独立に選択されたR11基は、式(II)の基でよく、
式中、波線は、結合点を示し、R45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシル、(C1〜C10)アルコキシル、(C3〜C10)シクロアルコキシル、(C3〜C10)シクロアルコキシル(C1〜C10)アルキル、および(C3〜C10)シクロアルコキシル(C1〜C10)アルコキシルからなる群から選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシル、(C1〜C10)アルコキシル、(C3〜C10)シクロアルコキシル、(C3〜C10)シクロアルコキシル(C1〜C10)アルキル、および(C3〜C10)シクロアルコキシル(C1〜C10)アルコキシルからなる群から独立に選択される。非水素置換基は、アリール基の1つのオルト位においてのみ存在することができ、他のオルト位は、水素原子を担持する。
したがって、オルト置換基であるR45は、非水素置換基、例えば、アルキルまたはアルコキシル基である。式(II)のR11基において、単一のオルト位のみが非水素置換基を担持するが、メタおよびパラ位は、本明細書に記載のように置換することができる。例えば、R45は、メチル、エチルもしくはイソプロピルでよく、またはメトキシル、エトキシルもしくはイソプロポキシルでよい。例えば、R46、R47およびR48の全ては、Hでよい。例えば、パラ置換基であるR47はまた、アルキルまたはアルコキシル基、例えば、メチルまたはメトキシルでよい。さらに具体的には、式(II)の基は、2,4−キシリル基でよく、すなわち、R45およびR47は、それぞれメチルであり、R46およびR48は、それぞれ水素である。例えば、式(I)の触媒について、各X11は酸素でよく、各R11は、フェニル基、トリル基またはキシリル基でよい。
加水分解触媒は、式(IA1)のものでよく、
または式(IB1)のものでよく、
またはこれらの混合物であり、
式中、R45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択される。
例えば、式(IA1)、(IB1)、または両方の加水分解触媒について、R45は、メチル、エチルまたはイソプロピルでよく、さらに、R46は水素でよく、R47およびR48は、Hまたはメチルから独立に選択することができる。R45を担持しないフェニル環のオルト位は、水素原子を担持する。
さらに具体的には、加水分解触媒は、式(IA2)のものでよく、
または式(IB2)のものでよく、
またはこれらの混合物である。
式(I)の加水分解触媒は、水の存在下で、触媒遷移金属錯体のための配位子として有用な少なくとも1つの亜リン酸エステル結合を有するリンをベースとする化合物を含有する反応混合物において生成することができ、または亜リン酸エステル配位子ブレンドに加えることができ、または両方である。触媒の生成は、配位子ブレンド、遷移金属、例えばニッケル、水、および少なくとも1種の有機成分を含むヒドロシアノ化反応環境において起こることができる。例えば、有機成分は、ブタジエンのヒドロシアノ化によって生成されるペンテンニトリル、例えば3−ペンテンニトリル、またはペンテンニトリルのヒドロシアノ化によって生成されるアジポニトリルを含むことができる。このように、加水分解触媒の少なくともポーションは、ごく微量または制御された量の水の存在下でのアルケンのヒドロシアノ化の間の、それ自体がリンをベースとする配位子の加水分解性分解生成物でよい。さらなる加水分解触媒を慎重に加えて、式(III)および/または式(IIIA)ならびに式(IV)の両方の配位子を含む配位子ブレンドにおいて、例えば式(III)の二座配位子または例えば式(IIIA)の三座配位子の存在下で、配位子ブレンドの成分の1つまたは複数の加水分解、例えば、単座配位子、例えば式(IV)の選択的加水分解をもたらすことができる。
リンをベースとする配位子
例えば、当技術分野において公知のような遷移金属、例えばニッケルと合わせたときに、加水分解に供されるリンをベースとする配位子(すなわち、少なくとも1つの亜リン酸エステル結合を含有する)(この加水分解は、本発明のプロセスを行うことにおける式(I)の加水分解触媒によって触媒することができる)は、ヒドロシアノ化触媒の成分でよい。配位子は、例えば、ホスフィット、ホスホニット、ホスフィニット、ホスフィン、または混合したリンをベースとする配位子またはこのようなメンバーの組合せでよく、ただし、配位子は、少なくとも1つの加水分解性のP−O−C結合を含有し、Pはリン原子(他の置換基をさらに担持する)であり、Oは酸素原子であり、Cは有機ラジカル、例えばアリール基を表す。
リンをベースとする配位子は、単座、または多座、例えば二座もしくは三座でよい。「単座」という用語は当技術分野で周知であり、配位子の各分子が、単一の金属原子に結合することができる単一のリン原子(例えば式(IV)化合物)を有することを意味する。「二座」という用語は当技術分野で周知であり、配位子の各分子が、2個のリン原子(例えば式(III)の化合物)を有することを意味し、配位子の両方のリン原子は、単一の金属原子に結合することができる。「三座」という用語は、配位子の各分子が、3個のリン原子(例えば式(IIIA)化合物)を有することを意味し、配位子上の3個のリン原子全ては、単一の金属原子に結合することができる。「二座」および「三座」という用語はまた、キレート配位子として当技術分野において公知である。
本明細書において使用する場合、「混合したリンをベースとする配位子」という用語は、ホスフィット−ホスホニット、ホスフィット−ホスフィニット、ホスフィット−ホスフィン、ホスホニット−ホスフィニット、ホスホニット−ホスフィン、およびホスフィニット−ホスフィン、またはこのようなメンバーの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの組合せを含むリンをベースとする配位子を意味し、ただし、少なくとも1つのP−O−C結合が存在し、Pはリン原子であり、Oは酸素原子であり、Cは、酸触媒下にて加水分解に供される有機ラジカル、例えばアリール基を表す。
式(I)の加水分解触媒は、本発明のプロセスの実施において使用することができるように、リンをベースとする配位子の加水分解に由来する、例えば、単座のリンをベースとする配位子の加水分解によることができる。この加水分解は、ヒドロシアノ化反応環境において存在する条件下で、ごく微量または制御された量の水の存在下で起こり、加水分解触媒を生じさせることができる。
遷移金属、例えばニッケル錯体のための適切なリンをベースとする配位子は、式(III)、式(IIIA)および式(IV)の化合物、またはこれらの組合せからなる群から選択することができる。
二座および三座配位子は、それぞれ、式(III)および(IIIA)のものであってよく、したがって、
式(III)の二座のリンをベースとする配位子
式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子
を含み、
式(III)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23またはX24の少なくとも1つは、酸素であり、式(IIIA)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33またはX34の少なくとも1つは、酸素であり、
式(III)の配位子について、R12、R13、R22およびR23、ならびに式(IIIA)の配位子について、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R12、R13、R22、R23またはR34の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒にそれぞれの環を形成するように、ペアR12およびR13またはR22およびR23の1つまたは複数は、相互に直接結合しており、
式(III)の配位子について、基Y、ならびに式(IIIA)の配位子について、基Y1およびY2は、独立に、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されている。
12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ酸素でよい。このような場合、例えば、式(III)または(IIIA)について、架橋基Y、Y1および/またはY2は、ホスフィット基に結合している。あるいは、X12およびX13はそれぞれ酸素でかつX14は単結合でよく、または、X12およびX13はそれぞれ酸素でかつX14は単結合でよい。また、X22、X23およびX24はそれぞれ酸素でよく、またはX22およびX24はそれぞれ酸素でかつX23は単結合でよく、またはX22およびX23はそれぞれ酸素でかつX24は単結合でよく、またはX23は酸素でX22およびX24はそれぞれ単結合でよいなどである。式(III)、(IIIA)または(IV)の化合物における各リン原子は、ホスフィット、ホスホニット、ホスフィネート、ホスフィニットまたはホスフィン、好ましくはホスホニットまたはホスフィットの中心原子でよい。
しかし、式(III)、(IIIA)および(IV)のそれぞれのX基の少なくとも1つは、酸素原子であり、酸性条件下にて加水分解に供されるP−O−C結合を提供し、Pはリン原子であり、Oは酸素原子であり、Cは有機ラジカル、例えばアリール基を表す。架橋基Y、Y1またはY2は、それぞれ独立に、(C6〜C20)アリーレン基でよく、この各環は、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されており、特に、Y、Y1および/またはY2は、それが結合しているX基と合わさって、ピロカテコール、ビス(フェノール)またはビス(ナフトール)でよい。「アリーレン」基とは、1つまたは複数の(C6〜C20)アリール環を含む二官能基を意味し、この各環は、非置換であるか、あるいは、例えば、1〜4つの独立に選択された(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシル、(C1〜C10)アルコキシル、(C3〜C10)シクロアルコキシル、(C3〜C10)シクロアルコキシル(C1〜C10)アルキル、および(C3〜C10)シクロアルコキシル(C1〜C10)アルコキシル、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、ハロゲン、例えば、フッ素、塩素、臭素;ハロゲン化アルキル、例えばトリフルオロメチル;アリール、例えばフェニル、または他の非置換もしくは置換アリール基で置換されていてもよい。
式(III)または(IIIA)の配位子のいずれか、すなわち、それぞれ二座および三座配位子において、R基は、本明細書に記載の通りでよく、例えば、式(III)について、R12、R13、R22、R23、ならびに式(IIIA)の配位子について、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、((C3〜C10)シクロアルキルC1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒に環を形成するように、R12およびR13は、相互に直接結合しており、またはR22およびR23は、相互に直接結合しており、または両方である。
式(III)および(IIIA)のR基は、非置換であるか、または、特に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシル、(C1〜C10)アルコキシル、(C3〜C10)シクロアルコキシル、(C3〜C10)シクロアルコキシル(C1〜C10)アルキル、および(C3〜C10)シクロアルコキシル(C1〜C10)アルコキシルで一置換もしくは多置換されていてもよい、アリールラジカル、好ましくは6〜20個の炭素原子を有するものでよい。R12およびR13基は、それぞれ、分離しているか、または架橋していてよい。R22およびR23基はまた、それぞれ、分離しているか、または架橋していてよい。R12、R13、R22およびR23ラジカルは、それぞれ分離していてよく、1つのペアは架橋してかつ1つのペアは分離していてよく、または、両方のペアは、記載されている様式で架橋していてよい。
式(IV)の単座配位子は、式(IV)の単座のリンをベースとする配位子でよく、
P(X11)(X22)(X33) (IV)
式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素または結合であり、ただし、X1、X2またはX3の少なくとも1つは、酸素であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R1、R2、またはR3の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R11、R22、およびR33基の任意のペアが、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、R1、R2またはR3の任意の2つは、互いに直接結合している。式(IV)の配位子は、ホスフィット、ホスホニット、ホスフィニットなどでよく、ただし、少なくとも1つの亜リン酸エステル結合、例えば、酸触媒加水分解に供されるP−O−C結合が、配位子中に存在する。
1、R2およびR3は、独立に、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、またはシクロアルキルオキシラジカル、好ましくは1〜10個の炭素原子を有するアルキルラジカル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、および好ましくは3〜10個の炭素原子を有するシクロアルキルラジカル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、よびシクロヘキシル;好ましくは6〜20個の炭素原子を有するアリール基、例えば、フェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、1−ナフチル、または2−ナフチル、例えば、1,1’−ビフェニル、1,1’−ビナフチルでよい。R1、R2およびR3基は、直接一緒に、すなわち、中心リン原子をもっぱら介するのではなく結合することができる。R1、R2およびR3基は、フェニル、o−トリル、m−トリルおよびp−トリルからなる群から選択することができる。あるいは、R1、R2およびR3基の2つは、フェニル基でよい。あるいは、R1、R2およびR3基の2つは、o−トリル基でよい。代わりに、R1、R2およびR3基のいずれかまたは全ては、キシリル、例えば2,4−キシリルでよい。
使用することができる特定の化合物は、下記の式(IVa)のものであり、
(o−トリル−O−)w(m−トリル−O−)x(p−トリル−O−)y(フェニル−O−)z
式(IVa)
式中、w、x、y、zは、それぞれ自然数であり、下記の条件が適用される:w+x+y+z=3およびz≦2。
このような化合物(IVa)の例には、(o−トリル−O−)3P、(p−トリル−O−)(フェニル−O−)2P、(m−トリル−O−)(フェニル−O−)2P、(o−トリル−O−)(フェニル−O−)2P、(p−トリル−O−)2(フェニル−O−)P、(m−トリル−O−)2(フェニル−O−)P、(o−トリル−O−)2(フェニル−O−)P、(m−トリル−O−)(p−トリル−O−)(フェニル−O−)P、(o−トリル−O−)(p−トリル−O−)(フェニル−O−)P、(o−トリル−O−)(m−トリル−O−)(フェニル−O−)P、(p−トリル−O−)3P、(m−トリル−O−)(p−トリル−O−)2P、(o−トリル−O−)(p−トリル−O−)2P、(m−トリル−O−)2(p−トリル−O−)P、(o−トリル−O−)2(p−トリル−O−)P、(o−トリル−O−)(m−トリル−O−)(p−トリル−O−)P、(m−トリル−O−)3P、(o−トリル−O−)(m−トリル−O−)2P、(o−トリル−O−)2(m−トリル−O−)Pまたはこのような化合物の混合物が含まれる。
本発明のプロセスにおいて有用な二座のホスフィット配位子の一例、すなわち、上記の式(III)の化合物は、式(V)を有する配位子である。
式(V)の配位子について、2つの相互に共有結合している亜リン酸エステルの全ての置換基は、アルキル置換基を担持する置換アリール基である。
本発明のプロセスにおいて有用な二座のホスフィット配位子のさらなる例には、下記で示す式(VI)〜(IX)を有するものが含まれ、各式について、R17は、メチル、エチルおよびイソプロピルからなる群から選択することができ、R18およびR19は、Hおよびメチルから独立に選択することができる。あるいは、R17、R18およびR19のそれぞれは、独立に、高級アルキルまたはシクロアルキル、アルコキシルまたはシクロアルコキシルでよい。
本発明のプロセスにおいて有用な二座のホスフィット配位子のさらなる例は、式(X)および(XI)によって表される基のメンバーから選択される配位子を含み、ここでは全ての同様の参照文字は、同じ意味を有することができ、または独立に選択することができる。
式中、各R41およびR45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシル、および(C3〜C10)シクロアルコキシルからなる群から独立に選択することができ、R42、R43、R44、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、および(C3〜C10)シクロアルキルからなる群から独立に選択される。
例えば、二座のホスフィット配位子は、式(X)および式(XI)によって表される基のメンバーから選択することができ、
41は、メチル、エチル、イソプロピル、またはシクロペンチルであり、
42は、Hまたはメチルであり、
43は、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシル、または(C3〜C10)シクロアルコキシルであり、
44は、Hまたはメチルであり、
45は、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、
46、R47およびR48は、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシル、および(C3〜C10)シクロアルコキシルからなる群から独立に選択される。
さらなる例として、二座のホスフィット配位子は、式(X)によって表される基のメンバーから選択することができ、
41、R44およびR45は、メチルであり、
42、R46、R47およびR48は、Hであり、
43は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシル、または(C3〜C10)シクロアルコキシルであり、
あるいは、
41は、イソプロピルであり、
42は、Hであり、
43は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシル、または(C3〜C10)シクロアルコキシルであり、
44は、Hまたはメチルであり、
45は、メチルまたはエチルであり、
46およびR48は、Hまたはメチルであり、
47は、H、メチルまたは第三ブチルであり、
あるいは、二座のホスフィット配位子は、式XIによって表される基のメンバーから選択することができ、
41は、イソプロピルまたはシクロペンチルであり、
45は、メチルまたはイソプロピルであり、
46、R47およびR48は、Hである。
また別の例として、二座のホスフィット配位子は、式(X)によって表すことができ、R41は、イソプロピルであり、R42、R46およびR48は、Hであり、R43、R44、R45およびR47は、メチルである。
別の例として、式(III)の配位子は、式(XII)のものであり、
式中、R12、R13、R22およびR23は、それぞれ独立に、非置換または置換された一価のアリールであり、RY3〜RY10のそれぞれは、水素、(C1〜C10)アルキル、および(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択され、または2つの隣接するRY3〜RY10基は一緒に、任意選択で置換された縮合アリール環を形成する。
さらに具体的には、本発明は、プロセスを提供することができ、式(XII)の配位子について、R12、R13、R22およびR23は、それぞれ独立に、それぞれの第1のオルト位において(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシで、それぞれの第2のオルト位において水素で置換されているフェニルであり、R12、R13、R22およびR23フェニルのそれぞれのメタ位およびパラ位は、それぞれ独立に、非置換であるか、または1〜3つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、または(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシで独立に置換されていてもよい。
Y6およびRY10は、独立に、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシであり、RY3、RY4、RY5、RY7、RY8およびRY9は、独立に、H、(C1〜C10)アルキル、または(C1〜C10)アルコキシであり、ただし、RY3、RY4またはRY5の少なくとも1つ、およびRY7、RY8またはRY9の少なくとも1つは、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシである。
式(V)〜(XII)は、三次元分子の二次元の表現であり、化学結合の周りの回転が分子において起こり、示されたものと異なる構成を生じさせることができることが認識される。例えば、それぞれ、式(V)〜(XII)のビフェニル、オクタヒドロビナフチル、ビナフチルまたはビフェニル架橋基の2位および2’位の間の炭素−炭素結合の周りの回転は、各二座配位子の2個のリン原子を互いにより密接に近接させることができ、ホスフィット配位子が二座様式でニッケルに結合することを可能とすることができる。さらに、R41について光学活性な部分、例えば、sec−ブチルの使用は、光学活性な触媒をもたらすことができる。
本発明のプロセスのための特定のブレンドは、上記の式(V)の配位子、ならびに下記の式(XIII)および(XIV)の亜リン酸トリエステルを含有するものである。
したがって、本発明は、遷移金属触媒のためのリンをベースとする配位子を加水分解する方法であって、配位子は、少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含み、
i)水、および任意選択で1種または複数種の有機液体の存在下、加水分解生成物を提供する少なくとも1つの亜リン酸エステル結合の加水分解をもたらすのに十分な時間、温度および濃度の条件下で、
式(I)の加水分解触媒
(R1111nP(OH)3-n (I)
[式中、nは、0、1または2であり、各X11は、独立に、酸素または結合であり、
それぞれの独立に選択されたR11は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルは、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合している]と、
式(III)の二座のリンをベースとする配位子
式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子
[式(III)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23またはX24の少なくとも1つは、酸素であり、式(IIIA)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33またはX34の少なくとも1つは、酸素であり、
式(III)の配位子について、R12、R13、R22およびR23、ならびに式(IIIA)の配位子について、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R12、R13、R22、R23またはR34の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルは、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒にそれぞれの環を形成するように、ペアR12およびR13またはR22およびR23の1つまたは複数は、相互に直接結合しており、
式(III)の配位子について、基Y、ならびに式(IIIA)の配位子について、基Y1およびY2は、独立に、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されている]、
および式(IV)の単座のリンをベースとする配位子
P(X11)(X22)(X33) (IV)
[式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素または結合であり、ただし、X1、X2またはX3の少なくとも1つは、酸素であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R1、R2またはR3の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R11、R22およびR33基の任意のペアが、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、R1、R2またはR3の任意の2つは、互いに直接結合している]、ならびにこれらの混合物
からなる群から選択される1つまたは複数のリンをベースとする配位子とを接触させることと、
ii)液−液抽出によって、配位子から加水分解触媒および加水分解生成物を分離することと
を含む、方法を提供することができる。
1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34は、それぞれ独立に選択された(C6〜C20)アリール基でよく、これは、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいはR1およびR2、またはR12およびR13、またはR22およびR23の1つまたは複数のペア、あるいはn=2であるときの2つのR11は、任意のペアが、それぞれのX1、X2、X11、X12、X13、X22またはX23基およびこれらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、直接相互に結合している。
それぞれの独立に選択されたR1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34は、式(II)の基でよく、
式中、波線は、結合点を示し、R45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される。
Y(式(III)において)、または独立に選択されたY1もしくはY2(式(IIIA)において)は、(C6〜C20)アリーレン基でよく、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで独立に置換されている。
式(I)の加水分解触媒に関して、式(I)の加水分解触媒は、オレフィンのヒドロシアノ化の反応環境において生成された、または反応環境に加えられた、または両方である、式(III)、(IIIA)または(IV)のリン含有配位子の少なくとも1つの加水分解生成物でよい。特に、式(I)の加水分解触媒は、それ自体が式(IV)の単座配位子の加水分解生成物でよい。ヒドロシアノ化反応媒体または環境において、リンをベースとする配位子ブレンド、金属、およびごく微量もしくは制御された量の水またはより多くの量の水が、例えば、ブタジエンおよびシアン化水素が存在する反応において存在することができる。有機成分、例えば反応生成物、例えばペンテンニトリル(ペンテンニトリル異性体、例えば、2−、3−および4−ペンテンニトリルの混合物でよい)が存在することができる。アジポニトリルがまた存在することができる。さらなる成分、例えば、溶媒、賦形剤などがまた存在することができる。また、反応アジュバント、例えば金属塩(例えばZnCl2など)が、例えば共触媒などとして存在することができる。
ヒドロシアノ化反応において使用される配位子ブレンドは、モニターすることができ、その内容は、必要に応じて調節することができる。例えば、加水分解触媒が二座および/または三座配位子の存在下で単座配位子の選択的加水分解をもたらす配位子ブレンドにおいて、加水分解された単座配位子生成物、酸ホスフィット配位子加水分解または分解生成物は、抽出ステップによって任意の酸性加水分解触媒と共に、配位子プールのために除去することができる。例えば、配位子プール材料の流れは、様々な配位子ブレンド成分の濃度および相対的存在量の調節のために、流動床反応槽、または他の適切な反応装置における主要なヒドロシアノ化反応の実行の間の副プロセスによって処理することができる。酸性触媒自体と共の、式(I)の加水分解触媒の作用によって生成される酸性配位子加水分解生成物のこの分離は、抽出プロセスによって行うことができる。例えば、除去ステップii)は、無極性および極性有機溶媒の間の抽出によってでよい。無極性溶媒は、シクロヘキサンを含むことができる。極性溶媒は、ブタジエンのヒドロシアノ化反応からのラフィネートであり、アジポニトリルを含み、または両方でよい。「ラフィネート」とは、そこから望まれない成分が除去または抽出された、すなわち、「リファイニングされた」組成物を意味する。
本発明のプロセスにおいて使用することができる特定の二座のリンをベースとする配位子は、式(X)のものである式(III)の配位子を含み、
式中、各R41およびR45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択され、R42、R43、R44、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択される。
例えば、式(X)の配位子について、
41は、メチル、エチル、イソプロピルまたはシクロペンチルでよく、
42は、Hまたはメチルでよく、
43は、Hまたは(C1〜C4)アルキルでよく、
44は、Hまたはメチルでよく、
45は、メチル、エチルまたはイソプロピルでよく、
46、R47およびR48は、独立に、Hまたは(C1〜C4)アルキルでよい。
本発明のプロセスにおいて使用することができる二座のリンをベースとする配位子は、式(VII)のものである式(III)の配位子を含み、
式中、各R17は、独立に、メチル、エチルまたはイソ−プロピルであり、R18およびR19は、独立に、Hまたはメチルである。
本発明のプロセスにおいて使用することができる式(III)の特定の二座のリンをベースとする配位子は、式(V)の配位子である。
本発明のプロセスにおいて使用することができる特定の二座のリンをベースとする配位子は、式(XII)のものである式(III)の配位子を含むことができ、
式中、R12、R13、R22およびR23は、それぞれ独立に、非置換であるかまたは置換された一価のアリールであり、RY3〜RY10のそれぞれは、水素、(C1〜C10)アルキル、および(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択され、または2つの隣接するRY3〜RY10基は一緒に、任意選択で置換された縮合アリール環を形成する。
さらに具体的には、本発明は、プロセスを提供することができ、式(XII)の配位子について、R12、R13、R22およびR23は、それぞれ独立に、それぞれの第1のオルト位において(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシで、それぞれの第2のオルト位において水素で置換されているフェニルであり、R12、R13、R22およびR23フェニルのそれぞれのメタ位およびパラ位は、それぞれ独立に、非置換であるか、または1〜3つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、または(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシで独立に置換されていてもよい。
Y6およびRY10は、独立に、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシであり、RY3、RY4、RY5、RY7、RY8およびRY9は、独立に、H、(C1〜C10)アルキル、または(C1〜C10)アルコキシであり、ただし、RY3、RY4またはRY5の少なくとも1つ、およびRY7、RY8またはRY9の少なくとも1つは、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシである。
本発明のプロセスを行うことにおいて、本明細書において開示および特許請求されるように、加水分解触媒は、式(IA1)のものでよく、
または式(IB1)のものでよく、
またはこれらの混合物であり、
式中、R45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される。
例えば、式(IA1)、(IB1)または両方の加水分解触媒において、R45は、メチル、エチルまたはイソプロピルでよく、さらに具体的には、式(IA1)、(IB1)または両方の加水分解触媒において、R45は、メチル、エチルまたはイソプロピルでよく、R46は、水素でよく、R47およびR48は、Hおよびメチルから独立に選択することができる。
またさらに具体的には、加水分解触媒は、下記の式(IA2)を有することができ、
または式(IB2)のものでよく、
またはこれらの混合物でよい。
これらの加水分解触媒は、トリス(2,4−キシリル)ホスフィット(式(XIII))、式(IV)の単座配位子の亜リン酸エステル結合の加水分解によってヒドロシアノ化反応環境においてインサイチュで生じることができる。
上記のような加水分解触媒、単座のリンをベースとする配位子、および二座/三座のリンをベースとする配位子の全ての例はまた、本発明の下記のプロセスを行うことにおいて使用することができる。簡潔さのために、これらは下記の記載において繰り返さないが、類似の例が本明細書において開示および特許請求されていることは明らかである。
本発明は、遷移金属触媒のための2種のリンをベースとする配位子の相対比を修正する方法であって、少なくとも2種のリンをベースとする配位子を含む配位子ブレンド中で、ブレンドにおける各配位子が、少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含み、ブレンドの第1の成分は、式(III)の二座のリンをベースとする配位子および式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子からなる群から選択され、
式(III)の二座のリンをベースとする配位子
式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子
[式(III)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23またはX24の少なくとも1つは、酸素であり、式(IIIA)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33またはX34の少なくとも1つは、酸素であり、
式(III)の配位子について、R12、R13、R22およびR23、ならびに式(IIIA)の配位子について、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R12、R13、R22、R23またはR34の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルは、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒にそれぞれの環を形成するように、ペアR12およびR13またはR22およびR23の1つまたは複数は、相互に直接結合しており、
式(III)の配位子について、基Y、ならびに式(IIIA)の配位子について、基Y1およびY2は、独立に、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されている]、
ブレンドの第2の成分は、式(IV)の単座のリンをベースとする配位子であり
P(X11)(X22)(X33) (IV)
[式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素または結合であり、ただし、X1、X2またはX3の少なくとも1つは、酸素であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R1、R2またはR3の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R11、R22およびR33基の任意のペアが、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、R1、R2またはR3の任意の2つは、互いに直接結合している];
i)水、および任意選択で1種または複数種の有機液体の存在下、加水分解生成物を提供するための第2の成分の少なくとも1つの亜リン酸エステル結合の加水分解をもたらすのに十分な時間、温度および濃度の条件下で、
ブレンドと、式(I)の加水分解触媒
(R1111nP(OH)3-n (I)
[式中、nは、0、1または2であり、各X11は、独立に、酸素または結合であり、
それぞれの独立に選択されたR11は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R11の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合している]
とを接触させることによって、配位子ブレンドの第1の成分の亜リン酸エステル基に対して、配位子ブレンドの第2の成分の亜リン酸エステル基を選択的に加水分解することと、
ii)液−液抽出によって、配位子ブレンドから加水分解触媒および加水分解生成物を分離することと
を含む、方法を提供することができる。
上記の本発明のプロセスの実施において、式(I)の加水分解触媒は、オレフィンのヒドロシアノ化の反応環境において生成された、または反応環境に加えられた、または両方である、式(III)、(IIIA)または(IV)のリン含有配位子の少なくとも1つの加水分解生成物でよい。さらに具体的には、式(I)の加水分解触媒は、式(IV)の単座配位子の加水分解生成物でよい。しかし、これはまた、式(III)の二座配位子または式(IIIA)の三座配位子の加水分解によって生じることができる。
再び、反応条件下で加水分解触媒(反応環境において自動生成することができ、計画的に加えることができ、または両方である)の存在下で選択的に加水分解される配位子タイプの配位子分解生成物(加水分解生成物)は、配位子ブレンドから分離することができ、例えば、除去ステップii)は、無極性および極性有機溶媒の間の抽出による。上記のように、無極性溶媒は、シクロヘキサン、または同様の無極性溶媒、またはこれらの混合物を含むことができる。上記のように、極性溶媒は、ブタジエンのヒドロシアノ化反応からもたらされる反応環境に適用されるような抽出プロセスから生じるラフィネートであり、アジポニトリルを含み、または両方でよい。例えば、配位子内容物の精製または調節を受けるプロセス流は、無極性溶媒と共に抽出し、配位子ブレンドを含有する液体媒体に対して分配することができ、これは抽出プロセスにおいてこの抽出のラフィネートとなる。
配位子ブレンドの成分は、式(III)、(IIIA)および(IV)のリンをベースとする配位子について上記のような任意のものでよい。同様に、式(I)の加水分解触媒は、上記の任意のものでよい。
さらに具体的には、二座配位子は、式(V)のものでよく、
単座配位子は、式(XIII)のものでよく、
または式(XIV)のものでよく、
またはこれらの混合物であり、
加水分解触媒は、式(IA2)のものでよく、
または式(IB2)のものでよく、
またはこれらの混合物でよい。
反応環境は、シクロヘキサンおよび/またはトルエンを含むことができ、1種または複数種のニトリル、例えば、ペンテンニトリル(例えば3−ペンテンニトリル)、アジポニトリル、またはこれらの混合物をまた含むことができる。
本発明は、リンをベースとする二座配位子もしくはリンをベースとする三座配位子または両方の濃度を、水および少なくとも1種の有機液体を含むヒドロシアノ化反応環境における遷移金属触媒錯体のための、単座のリンをベースとする配位子をさらに含むリンをベースとする配位子ブレンドにおいて、濃度範囲内に維持する方法であって、ブレンドにおけるそれぞれのリンをベースとする配位子は、少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含み、配位子ブレンドは、少なくとも2種のリンをベースとする配位子を含み、配位子ブレンドの第1の成分は、式(III)の二座のリンをベースとする配位子および/または式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子であり、
式(III)の二座のリンをベースとする配位子
式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子
[式(III)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23またはX24の少なくとも1つは、酸素であり、式(IIIA)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33またはX34の少なくとも1つは、酸素であり、
式(III)の配位子について、R12、R13、R22およびR23、ならびに式(IIIA)の配位子について、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R12、R13、R22、R23、またはR34の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒にそれぞれの環を形成するように、ペアR12およびR13またはR22およびR23の1つまたは複数は、相互に直接結合しており、
式(III)の配位子について、基Y、ならびに式(IIIA)の配位子について、基Y1およびY2は、独立に、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されている]、
ブレンドの第2の成分は、式(IV)の単座のリンをベースとする配位子を含む配位子であり
P(X11)(X22)(X33) (IV)
[式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素または結合であり、ただし、X1、X2またはX3の少なくとも1つは、酸素であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R1、R2またはR3の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R11、R22およびR33基の任意のペアが、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、R1、R2またはR3の任意の2つは、互いに直接結合している];
i)配位子ブレンドにおける式(III)の二座配位子または式(IIIA)の三座配位子の亜リン酸エステル基の加水分解に対して、配位子ブレンドにおける式(IV)の単座配位子の亜リン酸エステル基の選択的加水分解が起こり、加水分解生成物を提供するように、
ヒドロシアノ化反応環境における配位子ブレンドと、式(I)の加水分解触媒とを接触させることと
(R1111nP(OH)3-n (I)
[式中、nは、0、1または2であり、各X11は、独立に、酸素または結合であり、
それぞれの独立に選択されたR11は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合している]、
ii)二座配位子の濃度が、濃度範囲内に維持されるように、液−液抽出によって配位子ブレンドから加水分解触媒および加水分解生成物を分離することと
を含む、方法を提供することができる。
再び、簡潔さのために、例は、下記の記載において特に繰り返さないが、類似の例が、上で記載したものに対応する本明細書において開示および特許請求されていることは明らかである。
配位子濃度を範囲内に維持する、すなわち、反応、例えば、ヒドロシアノ化反応についての最適化された反応パラメーターによって指示されるように好ましい配位子の割合を維持する本発明のプロセスを行うことにおいて、式(I)の加水分解触媒は、オレフィンのヒドロシアノ化の反応環境において生成された、または反応環境に加えられた、または両方である、式(III)、(IIIA)または(IV)のリン含有配位子の少なくとも1つの加水分解生成物でよい。特に、式(I)の加水分解触媒は、式(IV)の単座配位子の加水分解生成物でよい。配位子ブレンドの様々な成分の濃度は、ヒドロシアノ化プロセスに亘り、連続ヒドロシアノ化プロセスにおいてモニターすることができ、金属−配位子触媒(例えば、ニッケル−リンをベースとする配位子錯体)についての配位子の相対濃度は連続してモニターされる。これらの相対的配位子の割合は、他の配位子ブレンド成分に比例して過剰となる配位子ブレンド成分の選択的加水分解および除去(例えば抽出による)を介して調節することができる。
上記のように、および下記の実施例においてさらに記載するように、除去ステップii)は、無極性および極性有機溶媒の間の抽出によってでよい。望まれない成分は、配位子ブレンド成分のそれぞれについて好ましい濃度が達成されるに至るまで除去することができる。再び、無極性溶媒は、シクロヘキサンを含むことができ、極性溶媒は、ブタジエンのヒドロシアノ化反応からもたらされる反応環境の抽出からのラフィネートでよく、そのためペンテンニトリルを含むことができ、アジポニトリルを含むことができ、または両方である。
再び、式(III)、(IIIA)および/または(IV)の配位子ブレンドの成分は、式(I)の加水分解触媒がそうでよいように、上記のもののいずれかでよい。
配位子ブレンドは、複数の配位子、例えば、
式(V)の配位子、
ならびに式(XIII)の単座配位子
および式(XIV)の単座配位子を含めた式(IV)の単座配位子
の混合物を含むことができ、またはこれらの混合物であり、
加水分解触媒は、式(IA2)のものであり、
または式(IB2)のものであり、
またはこれらの混合物である。
本発明のプロセスを使用することによって、これらの配位子の相対的割合は、必要に応じて加水分解触媒の添加、および(1種または複数種の)二座(または三座)配位子の存在下で(1種または複数種の)単座配位子の選択的加水分解からもたらされる酸性加水分解生成物の除去をモニターすることによって制御することができる。反応環境は、シクロヘキサンおよび/またはトルエン、ならびに1種または複数種のニトリル、例えば、3−ペンテンニトリルおよび/またはアジポニトリルをさらに含むことができる。
材料
ジホスフィット二座配位子(V)は、国際出願番号PCT/US10/60381、国際出願番号PCT/US10/60388、国際出願番号PCT/US11/40193において公表されている手順によって調製することができる。配位子(V)の溶液は、トルエン中の混合物であり、主要な成分(溶媒を除いて)は(V)であるが、また(XIII)、(XIV)、および(V)、(XIII)または(XIV)の加水分解生成物、ならびに(V)合成のために使用される化合物に由来する他の生成物を含んだ。トルエンのポーションを蒸留し、(V)配位子混合物をそれに続いてシクロヘキサンに溶解した。31P NMRによるシクロヘキサン中の(V)配位子溶液の組成例を、表1において実施例1として示し、表2においてHPLC分析によって示す。
シクロヘキサン中の配位子(V)溶液を、それに続いて水および熱に曝露した。実験を矩形の撹拌棒を有する10mlのガラス製血清バイアル中で行い、窒素パージボックス中に封入し、65℃に加熱した温度調整されたReacti−Block(商標)アルミニウム加熱ブロックを使用して、Teflonコーティングした隔壁で密封した。グローブボックス内で、血清バイアルをシクロヘキサン中の配位子の溶液で装填した。水を、マイクロシリンジによって最初の濃度2000ppmwまたは5000ppmwまで加えた。(V)、(XIII)、(VIV)、2,4−キシレノールおよび(V)の配位子加水分解生成物(LHP−V)の生成物濃度についてHPLCおよび31P NMRによる分析のために、試料を所望の間隔で取り出した。結果を、式(V)(二座)ならびに(XIII)および(XIV)(単座)の配位子を参照する下記の表1において、および配位子(V)の水加水分解速度を提供する表2において提供する。下記を参照されたい。
(V)シクロヘキサン中の配位子混合物をアジポニトリルと接触させ、それに続いて水および熱に曝露した。
分液漏斗において、配位子(20g)を、5gのアジポニトリルと混合した。下層を取り出し、さらなる5gのアジポニトリルを加えた。下層を再び取り出し、このように得られた上層を、変化についてHPLCおよび31P NMRによって分析した。酸性配位子加水分解生成物は、31P NMR分析によってリン含量の3.2mol%から1.3mol%に低減した(表1)。
10mlのガラス製血清バイアルを5gの上層溶液で装填し、水を、マイクロシリンジによって最初の濃度2000ppmwまたは5000ppmwまで加えた。水による実験を矩形の撹拌棒を有する10mlのガラス製血清バイアル中で行い、65℃に加熱した温度調整されたReacti−Block(商標)アルミニウム加熱ブロックを使用して、Teflonコーティングした隔壁で密封した。加熱ブロックを、窒素パージボックス中に封入した。V、7、8、2,4−キシレノールおよびLHP−Vの生成物濃度について、HPLCによる分析のために、試料を所望の間隔で取り出した。
配位子を有するペンテンニトリル溶液の反応性
亜リン酸の添加
亜リン酸(PO33)を配位子(V)のシクロヘキサン溶液に加え、溶液中の800ppmwのPO33を得た。10mlのガラス製血清バイアルを1.3gの800ppmwのPO33配位子(V)のシクロヘキサン溶液、3.7gのペンテンニトリル異性体の混合物で装填し、総混合物についての水の濃度が2000ppmwであるように水を加えた。水による実験を矩形の撹拌棒を有する10mlのガラス製血清バイアル中で行い、65℃に加熱した温度調整されたReacti−Block(商標)アルミニウム加熱ブロックを使用して、Teflonコーティングした隔壁で密封した。加熱ブロックを、窒素パージボックス中に封入した。(V)、(XIII)、(XIV)、2,4−キシレノールおよびLHP−Vの生成物濃度について、HPLCによる分析のために、試料を所望の間隔で取り出した。
アジポニトリルと接触させることによる酸性亜リン酸エステル基の除去
亜リン酸(PO33)を配位子(V)のシクロヘキサン溶液に加え、溶液中の800ppmwのPO33を得た。分液漏斗中で、20gの800ppmwのPO33配位子(V)のシクロヘキサン溶液を、5gのアジポニトリルと混合した。下層を取り出し、さらなる5gのアジポニトリルを加えた。下層を再び取り出し、このように得られた上層を、変化についてHPLCおよび31P NMRによって分析した。抽出によって、表1においてリン分析における31P NMRによって示されるように、下層における多くの酸性配位子加水分解生成物の除去がもたらされる。10mlのガラス製血清バイアルに、1.3gの上層、および3.7gのペンテンニトリル異性体の混合物、および水を装填し、グローブボックス内で最初の濃度2000ppmwを得た。水による実験を矩形の撹拌棒を有する10mlのガラス製血清バイアル中で行い、65℃に加熱した温度を調整したReacti−Block(商標)アルミニウム加熱ブロックを使用して、Teflonコーティングした隔壁で密封し、窒素パージボックス中に封入した。(V)、(XIII)、(XIV)、2,4−キシレノールおよびLHP−Vの生成物濃度について、HPLCによる分析のために、試料を所望の間隔で取り出した。
75℃での配位子を有するペンテンニトリル溶液の反応性
亜リン酸の添加
亜リン酸(PO33)を、シクロヘキサン中の配位子(V)溶液に加え、溶液中の400ppmwのPO33を得た。10mlのガラス製血清バイアルを、1.3gの400ppmwのPO33配位子(V)のシクロヘキサン溶液、3.8gのペンテンニトリル異性体の混合物で装填し、総混合物についての水の最初の濃度が6000ppmwとなるまで水を加えた。水による実験を矩形の撹拌棒を有する10mlのガラス製血清バイアル中で行い、75℃に加熱した温度調整されたReacti−Block(商標)アルミニウム加熱ブロックを使用して、Teflonコーティングした隔壁で密封した。加熱ブロックを、窒素パージボックス中に封入した。(V)、(XIII)、(XIV)、2,4−キシレノールおよび1種の式Vの加水分解生成物(LHP−V)の濃度について、HPLCによる分析のために、試料を所望の間隔で取り出した。
配位子(V)溶液とアジポニトリルとを接触させることによる酸性亜リン酸エステル基の除去
亜リン酸(H3PO3)をシクロヘキサン中の配位子溶液に加え、溶液中の400ppmwのPO33を得た。分液漏斗において、20gの400ppmwのPO33配位子(V)のシクロヘキサン溶液を、5gのアジポニトリルと混合した。下層を取り出し、さらなる5gのアジポニトリルを加えた。下層を再び取り出した。10mlのガラス製血清バイアルを、1.3gの上層および3.7gのペンテンニトリル異性体の混合物で装填した。水を、マイクロシリンジによって最初の濃度6000ppmwまで加えた。水による実験を矩形の撹拌棒を有する10mlのガラス製血清バイアル中で行い、75℃に加熱した温度調整されたReacti−Block(商標)アルミニウム加熱ブロックを使用して、Teflonコーティングした隔壁で密封した。加熱ブロックを、窒素パージボックス中に封入した。(V)、(XIII)、(XIV)、2,4−キシレノールおよびLHP−Vの生成物濃度について、HPLCによる分析のために、試料を所望の間隔で取り出した。結果を、下記の表3において提供する。
本発明の記述
本発明の様々な記述を、下記に記載する。
1.遷移金属触媒のためのリンをベースとする配位子を加水分解する方法であって、配位子は、少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含み、
i)水、および任意選択で1種または複数種の有機液体の存在下、加水分解生成物を提供するための少なくとも1つの亜リン酸エステル結合の加水分解をもたらすのに十分な時間、温度および濃度の条件下で、
式(I)の加水分解触媒
(R1111nP(OH)3-n (I)
[式中、nは、0、1または2であり、各X11は、独立に、酸素または結合であり、
それぞれの独立に選択されたR11は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R11の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合している]と、
式(III)の二座のリンをベースとする配位子
式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子
[式(III)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23またはX24の少なくとも1つは、酸素であり、式(IIIA)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33またはX34の少なくとも1つは、酸素であり、
式(III)の配位子について、R12、R13、R22およびR23、ならびに式(IIIA)の配位子について、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R12、R13、R22、R23またはR34の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒にそれぞれの環を形成するように、ペアR12およびR13またはR22およびR23の1つまたは複数は、相互に直接結合しており、
式(III)の配位子について、基Y、ならびに式(IIIA)の配位子について、基Y1およびY2は、独立に、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されている]、
および式(IV)の単座のリンをベースとする配位子
P(X11)(X22)(X33) (IV)
[式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素または結合であり、ただし、X1、X2またはX3の少なくとも1つは、酸素であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R1、R2またはR3の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R11、R22およびR33基の任意のペアが、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、R1、R2またはR3の任意の2つは、互いに直接結合している]、ならびにこれらの混合物
からなる群から選択される1つまたは複数のリンをベースとする配位子とを接触させることと、
ii)液−液抽出によって、配位子から加水分解触媒および加水分解生成物を分離することと
を含む、方法。
2.R1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34が、それぞれ、独立に選択された(C6〜C20)アリール基であり、これは、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいはR1およびR2、またはR12およびR13、またはR22およびR23の1つまたは複数のペア、あるいはn=2であるときの2つのR11は、任意のペアが、それぞれのX1、X2、X11、X12、X13、X22またはX23基およびこれらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、直接相互に結合している、記述1に記載の方法。
3.それぞれの独立に選択されたR1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34が、式(II)の基
[式中、波線は、結合点を示し、R45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される]
である、記述1または2のいずれか一項に記載の方法。
4.Y、または独立に選択されたY1もしくはY2が、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで独立に置換されている、記述1から3のいずれか一項に記載の方法。
5.式(I)の加水分解触媒が、オレフィンのヒドロシアノ化の反応環境において生成された、または反応環境に加えられた、または両方である、式(III)、(IIIA)または(IV)のリン含有配位子の少なくとも1つの加水分解生成物である、記述1から4のいずれか一項に記載の方法。
6.除去ステップii)が、無極性および極性有機溶媒の間の抽出によるものである、記述1から5のいずれか一項に記載の方法。
7.無極性溶媒が、シクロヘキサンを含む、記述6に記載の方法。
8.極性溶媒が、ブタジエンのヒドロシアノ化反応からのラフィネートであり、アジポニトリルを含み、または両方である、記述6に記載の方法。
9.式(III)の配位子が、式(X)のもの
[式中、各R41およびR45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択され、R42、R43、R44、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択される]
である、記述1から8のいずれか一項に記載の方法。
10.式(X)の配位子について、
41が、メチル、エチル、イソプロピルまたはシクロペンチルであり、
42が、Hまたはメチルであり、
43が、Hまたは(C1〜C4)アルキルであり、
44が、Hまたはメチルであり、
45が、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、
46、R47およびR48が、独立に、Hまたは(C1〜C4)アルキルである、記述9に記載の方法。
11.式(III)の配位子が、式(VII)のもの
[式中、R17は、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、R18およびR19は、独立に、Hまたはメチルである]
である、記述1から8のいずれか一項に記載の方法。
12.式(III)の配位子が、式(XII)のもの
[式中、R12、R13、R22およびR23は、それぞれ独立に、非置換または置換された一価のアリールであり、RY3〜RY10のそれぞれは、水素、(C1〜C10)アルキル、および(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択され、または2つの隣接するRY3〜RY10基は一緒に、任意選択で置換された縮合アリール環を形成する]
である、記述1から8のいずれか一項に記載の方法。
13.R12、R13、R22およびR23が、それぞれ独立に、それぞれの第1のオルト位において(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシで、それぞれの第2のオルト位において水素で置換されているフェニルであり、R12、R13、R22およびR23フェニルのそれぞれのメタ位およびパラ位が、それぞれ独立に、非置換であるか、または1〜3つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、または(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシで独立に置換されていてもよく、
Y6およびRY10が、独立に、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシであり、RY3、RY4、RY5、RY7、RY8およびRY9が、独立に、H、(C1〜C10)アルキル、または(C1〜C10)アルコキシであり、ただし、RY3、RY4またはRY5の少なくとも1つ、およびRY7、RY8またはRY9の少なくとも1つが、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシである、記述12に記載の方法。
14.式(III)の配位子が、式(V)のものである、記述1から8のいずれか一項に記載の方法。
15.加水分解触媒が、式(IA1)のものであり、
または式(IB1)のものであり、
またはこれらの混合物であり、
式中、R45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される、記述1から14のいずれか一項に記載の方法。
16.式(IA1)または(IB1)または両方の加水分解触媒について、R45が、メチル、エチルまたはイソプロピルである、記述15に記載の方法。
17.式(IB1)の(IA1)、または両方の加水分解触媒において、R45が、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、R46が、水素であり、R47およびR48が、独立に、水素またはメチルである、記述15に記載の方法。
18.加水分解触媒が、式(IA2)のものであり、
または式(IB2)のものであり、
またはこれらの混合物である、記述1から17のいずれか一項に記載の方法。
19.遷移金属触媒のための2種のリンをベースとする配位子の相対比を修正する方法であって、少なくとも2種のリンをベースとする配位子を含む配位子ブレンド中で、ブレンドにおける各配位子が、少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含み、ブレンドの第1の成分は、式(III)の二座のリンをベースとする配位子および式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子からなる群から選択され、
式(III)の二座のリンをベースとする配位子
式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子
[式(III)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23またはX24の少なくとも1つは、酸素であり、式(IIIA)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33またはX34の少なくとも1つは、酸素であり、
式(III)の配位子について、R12、R13、R22およびR23、ならびに式(IIIA)の配位子について、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R12、R13、R22、R23またはR34の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒にそれぞれの環を形成するように、ペアR12およびR13またはR22およびR23の1つまたは複数は、相互に直接結合しており、
式(III)の配位子について、基Y、ならびに式(IIIA)の配位子について、基Y1およびY2は、独立に、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで独立に置換されている]、
ブレンドの第2の成分は、式(IV)の単座のリンをベースとする配位子を含む配位子であり
P(X11)(X22)(X33) (IV)
[式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素または結合であり、ただし、X1、X2またはX3の少なくとも1つは、酸素であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R1、R2またはR3の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R11、R22およびR33基の任意のペアが、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、R1、R2またはR3の任意の2つは、互いに直接結合している];
i)水、および任意選択で1種または複数種の有機液体の存在下、加水分解生成物を提供するための第2の成分の少なくとも1つの亜リン酸エステル結合の加水分解をもたらすのに十分な時間、温度および濃度の条件下で、
ブレンドと、式(I)の加水分解触媒
(R1111nP(OH)3-n (I)
[式中、nは、0、1または2であり、各X11は、独立に、酸素または結合であり、
それぞれの独立に選択されたR11は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R11の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合している]
とを接触させることによって、配位子ブレンドの第1の成分の亜リン酸エステル基に対して、配位子ブレンドの第2の成分の亜リン酸エステル基を選択的に加水分解することと、
ii)液−液抽出によって、配位子ブレンドから加水分解触媒および加水分解生成物を分離することと
を含む、方法。
20.R1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34が、それぞれ、独立に選択された(C6〜C20)アリール基であり、これは、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいはR1およびR2、またはR12およびR13、またはR22およびR23の1つまたは複数のペア、あるいはn=2であるときの2つのR11は、任意のペアが、それぞれのX1、X2、X11、X12、X13、X22またはX23基およびこれらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、直接相互に結合している、記述19に記載の方法。
21.それぞれの独立に選択されたR1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34が、式(II)の基
[式中、波線は、結合点を示し、R45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される]
である、記述19または20のいずれか一項に記載の方法。
22.Y、または独立に選択されたY1もしくはY2が、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで独立に置換されている、記述19から21のいずれか一項に記載の方法。
23.式(I)の加水分解触媒が、オレフィンのヒドロシアノ化の反応環境において生成された、または反応環境に加えられた、または両方である、式(III)、(IIIA)または(IV)のリン含有配位子の少なくとも1つの加水分解生成物である、記述19から22のいずれか一項に記載の方法。
24.除去ステップii)が、無極性および極性有機溶媒の間の抽出によるものである、記述19から23のいずれか一項に記載の方法。
25.無極性溶媒が、シクロヘキサンを含む、記述24に記載の方法。
26.極性溶媒が、ブタジエンのヒドロシアノ化反応からのラフィネートであり、またはアジポニトリルを含み、または両方である、記述24または25のいずれか一項に記載の方法。
27.式(III)の配位子が、式(X)のもの
[式中、各R41およびR45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択され、R42、R43、R44、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択される]
である、記述19から26のいずれか一項に記載の方法。
28.式(X)の配位子について、
41が、メチル、エチル、イソプロピルまたはシクロペンチルであり、
42が、Hまたはメチルであり、
43が、Hまたは(C1〜C4)アルキルであり、
44が、Hまたはメチルであり、
45が、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、
46、R47およびR48が、独立に、Hまたは(C1〜C4)アルキルである、記述27に記載の方法。
29.式(III)の配位子が、式(VII)のもの
[式中、R17は、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、R18およびR19は、独立に、Hまたはメチルである]
である、記述19から26のいずれか一項に記載の方法。
30.式(III)の配位子が、式(XII)のもの
[式中、R12、R13、R22およびR23は、それぞれ独立に、非置換または置換された一価のアリールであり、RY3〜RY10のそれぞれは、水素、(C1〜C10)アルキル、および(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択され、または2つの隣接するRY3〜RY10基は一緒に、任意選択で置換された縮合アリール環を形成する]
である、記述19から26のいずれか一項に記載の方法。
31.R12、R13、R22およびR23が、それぞれ独立に、それぞれの第1のオルト位において(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシで、それぞれの第2のオルト位において水素で置換されているフェニルであり、R12、R13、R22およびR23フェニルのそれぞれのメタ位およびパラ位が、それぞれ独立に、非置換であるか、または1〜3つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、または(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシで独立に置換されていてもよく、
Y6およびRY10が、独立に、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシであり、RY3、RY4、RY5、RY7、RY8およびRY9が、独立に、H、(C1〜C10)アルキル、または(C1〜C10)アルコキシであり、ただし、RY3、RY4またはRY5の少なくとも1つ、およびRY7、RY8またはRY9の少なくとも1つが、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシである、記述30に記載の方法。
32.式(III)の配位子が、式(V)のものである、記述19から26のいずれか一項に記載の方法。
33.加水分解触媒が、式(IA1)のものであり、
または式(IB1)のものであり、
またはこれらの混合物であり、
式中、各R45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される、記述19から32のいずれか一項に記載の方法。
34.式(IA1)、(IB1)または両方の加水分解触媒について、R45が、メチル、エチルまたはイソプロピルである、記述33に記載の方法。
35.式(IA1)、(IB1)または両方の加水分解触媒について、R45が、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、R46が、水素であり、R47およびR48が、独立に、水素またはメチルである、記述33に記載の方法。
36.加水分解触媒が、下記の式(IA2)のものであり、
または式(IB2)のものであり、
またはこれらの混合物である、記述19から35のいずれか一項に記載の方法。
37.式(III)の二座配位子が、式(V)であり、
単座配位子が、式(XIII)のものであり、
または式(XIV)のものであり、
またはこれらの混合物であり、
加水分解触媒が、式(IA2)のものであり、
または式(IB2)のものであり、
またはこれらの混合物である、記述19に記載の方法。
38.反応環境が、シクロヘキサンおよび/またはトルエンをさらに含む、記述23に記載の方法。
39.反応環境が、1種または複数種のニトリルをさらに含む、記述23から38のいずれか一項に記載の方法。
40.ニトリルが、3−ペンテンニトリルを含む、記述39に記載の方法。
41.ニトリルが、アジポニトリルを含む、記述39または40のいずれか一項に記載の方法。
42.リンをベースとする二座配位子もしくはリンをベースとする三座配位子または両方の濃度を、水および少なくとも1種の有機液体を含むヒドロシアノ化反応環境における遷移金属触媒錯体のための、単座のリンをベースとする配位子をさらに含むリンをベースとする配位子ブレンドにおいて、濃度範囲内に維持する方法であって、ブレンドにおけるそれぞれのリンをベースとする配位子は、少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含み、配位子ブレンドは、少なくとも2種のリンをベースとする配位子を含み、配位子ブレンドの第1の成分は、式(III)の二座のリンをベースとする配位子または式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子、またはこれらの混合物であり、
式(III)の二座のリンをベースとする配位子
式(IIIA)の三座のリンをベースとする配位子
[式(III)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23またはX24の少なくとも1つは、酸素であり、式(IIIA)の配位子について、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33またはX34の少なくとも1つは、酸素であり、
式(III)の配位子について、R12、R13、R22およびR23、ならびに式(IIIA)の配位子について、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R12、R13、R22、R23、またはR34の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒にそれぞれの環を形成するように、ペアR12およびR13またはR22およびR23の1つまたは複数は、相互に直接結合しており、
式(III)の配位子について、基Y、ならびに式(IIIA)の配位子について、基Y1およびY2は、独立に、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されている]、
ブレンドの第2の成分は、式(IV)の単座のリンをベースとする配位子であり
P(X11)(X22)(X33) (IV)
[式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素または結合であり、ただし、X1、X2またはX3の少なくとも1つは、酸素であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R1、R2またはR3の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R11、R22およびR33基の任意のペアが、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、R1、R2またはR3の任意の2つは、互いに直接結合している];
i)配位子ブレンドにおける式(III)の二座配位子または式(IIIA)の三座配位子、または両方の亜リン酸エステル基の加水分解に対して、配位子ブレンドにおける式(IV)の単座配位子の亜リン酸エステル基の選択的加水分解が起こり、加水分解生成物を提供するように、
ヒドロシアノ化反応環境における配位子ブレンドと、式(I)の加水分解触媒とを接触させることと
(R1111nP(OH)3-n (I)
[式中、nは、0、1または2であり、各X11は、独立に、酸素または結合であり、
それぞれの独立に選択されたR11は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R11の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合している]、
ii)二座配位子の濃度が、濃度範囲内に維持されるように、液−液抽出によって配位子ブレンドから加水分解触媒および加水分解生成物を分離することと
を含む、方法。
43.R1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34が、それぞれ、独立に選択された(C6〜C20)アリール基であり、これは、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいはR1およびR2、またはR12およびR13、またはR22およびR23の1つまたは複数のペア、あるいはn=2であるときの2つのR11は、任意のペアが、それぞれのX1、X2、X11、X12、X13、X22またはX23基およびこれらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、直接相互に結合している、記述42に記載の方法。
44.それぞれの独立に選択されたR1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34が、式(II)の基
[式中、波線は、結合点を示し、R45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される]
である、記述42または43のいずれか一項に記載の方法。
45.Y、または独立に選択されたY1もしくはY2が、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されている、記述42から44のいずれか一項に記載の方法。
46.式(I)の加水分解触媒が、オレフィンのヒドロシアノ化の反応環境において生成された、または反応環境に加えられた、または両方である、式(III)、(IIIA)または(IV)のリン含有配位子の少なくとも1つの加水分解生成物である、記述42から45のいずれか一項に記載の方法。
47.除去ステップii)が、無極性および極性有機溶媒の間の抽出によるものである、記述42から46のいずれか一項に記載の方法。
48.無極性溶媒が、シクロヘキサンを含む、記述47に記載の方法。
49.極性溶媒が、ブタジエンのヒドロシアノ化反応からのラフィネートであり、またはアジポニトリルを含み、または両方である、記述47に記載の方法。
50.式(III)の配位子が、式(X)のもの
[式中、各R41およびR45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択され、R42、R43、R44、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択される]
である、記述42から49のいずれか一項に記載の方法。
51.式(X)の配位子について、
41が、メチル、エチル、イソプロピルまたはシクロペンチルであり、
42が、Hまたはメチルであり、
43が、Hまたは(C1〜C4)アルキルであり、
44が、Hまたはメチルであり、
45が、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、
46、R47およびR48が、独立に、Hまたは(C1〜C4)アルキルである、記述50に記載の方法。
52.式(III)の配位子が、式(VII)のもの
[式中、R17は、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、R18およびR19は、独立に、Hまたはメチルである]
である、記述42から49のいずれか一項に記載の方法。
53.式(III)の配位子が、式(XII)のもの
[式中、R12、R13、R22およびR23は、それぞれ独立に、非置換または置換された一価のアリールであり、RY3〜RY10のそれぞれは、水素、(C1〜C10)アルキル、および(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択され、または2つの隣接するRY3〜RY10基は一緒に、任意選択で置換された縮合アリール環を形成する]
である、記述42から49のいずれか一項に記載の方法。
54.R12、R13、R22およびR23が、それぞれ独立に、それぞれの第1のオルト位において(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシで、それぞれの第2のオルト位において水素で置換されているフェニルであり、R12、R13、R22およびR23フェニルのそれぞれのメタ位およびパラ位が、それぞれ独立に、非置換であるか、または1〜3つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、または(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシで独立に置換されていてもよく、
Y6およびRY10が、独立に、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシであり、RY3、RY4、RY5、RY7、RY8およびRY9が、独立に、H、(C1〜C10)アルキル、または(C1〜C10)アルコキシであり、ただし、RY3、RY4またはRY5の少なくとも1つ、およびRY7、RY8またはRY9の少なくとも1つが、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシである、記述53に記載の方法。
55.式(III)の配位子が、式(V)のものである、記述42から49のいずれか一項に記載の方法。
56.加水分解触媒が、式(IA1)のものであり、
または式(IB1)のものであり、
またはこれらの混合物であり、
式中、R45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される、記述42から55のいずれか一項に記載の方法。
57.式(IA1)、(IB1)または両方の加水分解触媒について、R45が、メチル、エチルまたはイソプロピルである、記述56に記載の方法。
58.式(IA1)、(IB1)または両方の加水分解触媒において、R45が、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、R46が、水素であり、R47およびR48が、独立に、Hまたはメチルである、記述56に記載の方法。
59.加水分解触媒が、下記の式(IA2)のものであり、
または式(IB2)のものであり、
またはこれらの混合物である、記述42から58のいずれか一項に記載の方法。
60.二座配位子が、式(V)のものであり、
単座配位子が、式(XIII)のものであり、
または式(XIV)のものであり、
またはこれらの混合物であり、
加水分解触媒が、式(IA2)のものであり、
または式(IB2)のものであり、
またはこれらの混合物である、記述42に記載の方法。
61.反応環境が、シクロヘキサンおよび/またはトルエンをさらに含む、記述42に記載の方法。
62.反応環境が、1種または複数種のニトリルをさらに含む、記述42から61のいずれか一項に記載の方法。
63.ニトリルが、3−ペンテンニトリルを含む、記述62に記載の方法。
64.ニトリルが、アジポニトリルを含む、記述62または63のいずれか一項に記載の方法。
したがって、上記の態様は、特許請求されたいずれの発明への一般性も失うことなく、特許請求されたいずれの発明に対して限定を課すこともなく、記載されたものである。記載されている特定の態様は変化し得るため、本開示はこれらに限定されないことを理解すべきである。本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書において使用する用語は、特定の態様を説明する目的のためのみのものであり、限定的なものではないことをまた理解すべきである。
本発明について、本明細書において広範かつ総称的に説明してきた。総称的開示の範囲に入るより狭い種および下位総称的グループのそれぞれもまた、本発明の一部を形成する。これは、切除した材料が本明細書において具体的に記載されているかどうかに関わらず、属からの任意の主題を除外する条件または消極的な限定を伴う本発明の総称的記載を含む。本開示を読むと当業者に明らかなように、本明細書において記載および例示した個々の態様のそれぞれは、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの例のいずれかの特徴から容易に分離し、他のいくつかの例のいずれかの特徴と容易に合わせることができる別個の成分および特徴を有する。任意の記載された方法は、記載した事象の順序で、または論理的に可能である任意の他の順序で行うことができる。
本明細書において引用される全ての刊行物および特許は、それぞれの個々の刊行物または特許が具体的にかつ個々に参照により組み込まれていることが示されているかのごとく、参照により本明細書に組み込まれ、方法および/または材料を開示および記載するために参照により本明細書中に組み込まれ、方法および/または材料に関連して刊行物が引用される。出願人らは、任意のこのような引用した特許または刊行物からのありとあらゆる材料および情報を、本明細書に物理的に組み込む権利を留保する。任意の刊行物の引用は、出願日前のその開示のためであり、従前の開示に基づいて、本開示がこのような刊行物に先行する資格がないことを承認するものとして解釈すべきではない。さらに、提供した刊行物の日付は、独立して確認する必要があり得る実際の刊行物の日付と異なり得る。本明細書において参照または記述された全ての特許および刊行物はまた、本発明が属する技術分野の当業者の技能のレベルを示す。

Claims (64)

  1. 遷移金属触媒のためのリンをベースとする配位子を加水分解する方法であって、
    前記配位子が、少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含んでなり、
    i)水、および任意選択で1種または複数種の有機液体の存在下、加水分解生成物を提供するための少なくとも1つの亜リン酸エステル結合の加水分解をもたらすのに十分な時間、温度および濃度の条件下で、
    下記式(I)で表される加水分解触媒と、
    下記式(III)で表される二座のリンをベースとする配位子、下記式(IIIA)で表される三座のリンをベースとする配位子、及び下記式(IV)で表される単座のリンをベースとする配位子からなる群から選択される一種又は二種以上のリンをベースとする配位子とを接触させ、及び
    ii)液−液抽出によって、前記配位子から前記加水分解触媒および前記加水分解生成物を分離することを含んでなる、方法。

    (R1111nP(OH)3-n (I)
    [上記式中、
    nは、0、1または2であり、
    各X11は、独立に、酸素または結合であり、
    それぞれの独立に選択されたR11は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R11の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、或いは、
    n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合している]
    [上記式(III)の配位子において、
    12、X13、X14、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23またはX24の少なくとも1つは、酸素であり、
    式(IIIA)の配位子において、
    12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33またはX34の少なくとも1つは、酸素であり、
    式(III)の配位子において、
    12、R13、R22およびR23、ならびに式(IIIA)の配位子において、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R12、R13、R22、R23またはR34の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、
    任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒にそれぞれの環を形成するように、ペアR12およびR13またはR22およびR23の1つまたは複数は、相互に直接結合しており、
    式(III)の配位子において、基Y、ならびに式(IIIA)の配位子について、
    基Y1およびY2は、独立に、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されている]

    P(X11)(X22)(X33) (IV)
    [上記式中、
    1、X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素または結合であり、ただし、X1、X2またはX3の少なくとも1つは、酸素であり、
    1、R2およびR3は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R1、R2またはR3の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、
    任意選択で、R11、R22およびR33基の任意のペアが、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、R1、R2またはR3の任意の2つは、互いに直接結合している]
  2. 1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34が、それぞれ、独立に選択された(C6〜C20)アリール基であり、これは、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは
    1およびR2、またはR12およびR13、またはR22およびR23の1つまたは複数のペア、あるいは
    n=2であるときの2つのR11は、任意のペアが、それぞれのX1、X2、X11、X12、X13、X22またはX23基およびこれらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、直接相互に結合している、請求項1に記載の方法。
  3. 前記それぞれの独立に選択されたR1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34が、下記式(II)で表される基である、請求項1に記載の方法。

    [上記式中、
    波線は、結合点を示し、
    45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される]
  4. Y、または独立に選択されたY1もしくはY2が、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで独立に置換されている、請求項1に記載の方法。
  5. 前記式(I)の加水分解触媒が、オレフィンのヒドロシアノ化の反応環境において生成された、または前記反応環境に加えられた、または両方である、前記式(III)、前記(IIIA)または前記(IV)で表されるリン含有配位子の少なくとも1つの加水分解生成物である、請求項1に記載の方法。
  6. 除去ステップii)が、無極性および極性有機溶媒の間の抽出によるものである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記無極性溶媒が、シクロヘキサンを含んでなる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記極性溶媒が、ブタジエンのヒドロシアノ化反応からのラフィネートであり、または
    前記極性溶媒が、アジポニトリルを含んでなり、または両方である、請求項6に記載の方法。
  9. 前記式(III)で表される配位子が、下記式(X)で表されるものである、請求項1に記載の方法。
    [上記式中、
    各R41およびR45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択され、R42、R43、R44、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択される]
  10. 前記式(X)の配位子において、
    41が、メチル、エチル、イソプロピルまたはシクロペンチルであり、
    42が、Hまたはメチルであり、
    43が、Hまたは(C1〜C4)アルキルであり、
    44が、Hまたはメチルであり、
    45が、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、
    46、R47およびR48が、独立に、Hまたは(C1〜C4)アルキルである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記式(III)の配位子が、下記式(VII)で表されるものである、請求項1に記載の方法。
    [上記式中、
    17は、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、
    18およびR19は、独立に、Hまたはメチルである]
  12. 前記式(III)で表される配位子が、下記式(XII)で表されるものである、請求項1に記載の方法。
    [上記式中、
    12、R13、R22およびR23は、それぞれ独立に、非置換または置換された一価のアリールであり、
    Y3〜RY10のそれぞれは、水素、(C1〜C10)アルキル、および(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択され、または
    2つの隣接するRY3〜RY10基は一緒に、任意選択で置換された縮合アリール環を形成する]
  13. 式(XII)の配位子において、
    12、R13、R22およびR23が、それぞれ独立に、それぞれの第1のオルト位において(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシであり、それぞれの第2のオルト位において水素で置換されているフェニルであり、
    12、R13、R22およびR23フェニルのそれぞれのメタ位およびパラ位が、それぞれ独立に、非置換であるか、または1〜3つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、または(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシで独立に置換されていてもよく、
    Y6およびRY10が、独立に、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシであり、
    Y3、RY4、RY5、RY7、RY8およびRY9が、独立に、H、(C1〜C10)アルキル、または(C1〜C10)アルコキシであり、
    ただし、RY3、RY4またはRY5の少なくとも1つ、およびRY7、RY8またはRY9の少なくとも1つが、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記式(III)の配位子が、下記式(V)で表されるものである、請求項1に記載の方法。
  15. 前記加水分解触媒が、下記式(IA1)で表されるものであり、または下記式(IB1)で表されるものであり、またはこれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
    [上記式(IA1)及び式(IB1)中、
    45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択されてなり、
    46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択されてなる]
  16. 前記式(IA1)で表されるもの、または前記式(IB1)のもの、またはこれらの混合物である加水分解触媒において、R45が、メチル、エチルまたはイソプロピルである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記式(IA1)で表されるもの、または前記式(IB1)のもの、またはこれらの混合物である加水分解触媒において、
    45が、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、
    46が、水素であり、
    47およびR48が、独立に、Hまたはメチルである、請求項15に記載の方法。
  18. 前記加水分解触媒が、下記式(IA2)で表されるもの、または下記式(IB2)で表されるもの、またはこれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
  19. 遷移金属触媒のための2種のリンをベースとする配位子の相対比を修正する方法であって、
    少なくとも2種のリンをベースとする配位子を含む配位子ブレンド中で、ブレンドにおける各配位子が、少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含んでなり、
    前記ブレンドの第1の成分が、下記式(III)で表される二座のリンをベースとする配位子および下記式(IIIA)で表される三座のリンをベースとする配位子からなる群から選択されてなり、
    前記ブレンドの第2の成分は、下記式(IV)で表される単座のリンをベースとする配位子であり、
    [上記式中、
    式(III)の配位子において、
    12、X13、X14、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23またはX24の少なくとも1つは、酸素であり、
    式(IIIA)の配位子において、
    12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33またはX34の少なくとも1つは、酸素であり、
    式(III)の配位子において、
    12、R13、R22およびR23、ならびに式(IIIA)の配位子について、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、
    12、R13、R22、R23またはR34の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、
    任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒にそれぞれの環を形成するように、ペアR12およびR13またはR22およびR23の1つまたは複数は、相互に直接結合しており、
    式(III)の配位子において、
    基Y、ならびに式(IIIA)の配位子において、基Y1およびY2は、独立に、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されている]

    P(X11)(X22)(X33) (IV)
    [上記式中、
    1、X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素または結合であり、ただし、X1、X2またはX3の少なくとも1つは、酸素であり、
    1、R2およびR3は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R1、R2またはR3の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、
    任意選択で、R11、R22およびR33基の任意のペアが、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、R1、R2またはR3の任意の2つは、互いに直接結合している]
    i)水、および任意選択で1種または複数種の有機液体の存在下、加水分解生成物を提供するための前記第2の成分の少なくとも1つの亜リン酸エステル結合の加水分解をもたらすのに十分な時間、温度および濃度の条件下で、前記ブレンドと、下記式(I)で表される加水分解触媒とを接触させ、前記配位子ブレンドの前記第1の成分の亜リン酸エステル基に対して、前記配位子ブレンドの前記第2の成分の亜リン酸エステル基を選択的に加水分解することと、及び
    ii)液−液抽出によって、前記配位子ブレンドから前記加水分解触媒および前記加水分解生成物を分離することとを含んでなる、方法。
    (R1111nP(OH)3-n (I)
    [上記式中、
    nは、0、1または2であり、
    各X11は、独立に、酸素または結合であり、
    それぞれの独立に選択されたR11は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R11の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、
    n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合している]
  20. 1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34が、それぞれ、独立に選択された(C6〜C20)アリール基であり、これは、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは
    1およびR2、またはR12およびR13、またはR22およびR23の1つまたは複数のペア、あるいは
    n=2であるときの2つのR11は、任意のペアが、それぞれのX1、X2、X11、X12、X13、X22またはX23基およびこれらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、直接相互に結合している、請求項19に記載の方法。
  21. それぞれの独立に選択されたR1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34が、下記式(II)で表される基である、請求項19に記載の方法。
    [上記式中、
    波線は、結合点を示し、
    45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される]
  22. Y、または独立に選択されたY1もしくはY2が、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで独立に置換されている、請求項19に記載の方法。
  23. 前記式(I)で表される加水分解触媒が、オレフィンのヒドロシアノ化の反応環境において生成された、または前記反応環境に加えられた、または両方である、前記式(III)、前記式(IIIA)、または前記式(IV)で表されるリン含有配位子の少なくとも1つの加水分解生成物である、請求項19に記載の方法。
  24. 除去ステップii)が、無極性および極性有機溶媒の間の抽出によるものである、請求項19に記載の方法。
  25. 前記無極性溶媒が、シクロヘキサンを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記極性溶媒が、ブタジエンのヒドロシアノ化反応からのラフィネートであり、またはアジポニトリルを含み、または両方である、請求項24に記載の方法。
  27. 前記式(III)の配位子が、下記式(X)で表されるものである、請求項19に記載の方法。
    [上記式中、
    各R41およびR45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択されてなり、
    42、R43、R44、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択される]
  28. 式(X)の配位子において、
    41が、メチル、エチル、イソプロピルまたはシクロペンチルであり、
    42が、Hまたはメチルであり、
    43が、Hまたは(C1〜C4)アルキルであり、
    44が、Hまたはメチルであり、
    45が、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、
    46、R47およびR48が、独立に、Hまたは(C1〜C4)アルキルである、請求項27に記載の方法。
  29. 前記式(III)の配位子が、下記式(VII)で表されるものである、請求項19に記載の方法。
    [上記式中、
    17は、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、
    18およびR19は、独立に、Hまたはメチルである]
  30. 前記式(III)の配位子が、下記式(XII)で表されるものである、請求項19に記載の方法。
    [上記式中、
    12、R13、R22およびR23は、それぞれ独立に、非置換または置換された一価のアリールであり、
    Y3〜RY10のそれぞれは、水素、(C1〜C10)アルキル、および(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択されてなり、または
    2つの隣接するRY3〜RY10基は一緒に、任意選択で置換された縮合アリール環を形成する]
  31. 12、R13、R22およびR23が、それぞれ独立に、それぞれの第1のオルト位において(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシで、それぞれの第2のオルト位において水素で置換されているフェニルであり、
    12、R13、R22およびR23フェニルのそれぞれのメタ位およびパラ位が、それぞれ独立に、非置換であるか、または1〜3つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、または(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシで独立に置換されていてもよく、
    Y6およびRY10が、独立に、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシであり、
    Y3、RY4、RY5、RY7、RY8およびRY9が、独立に、H、(C1〜C10)アルキル、または(C1〜C10)アルコキシであり、
    ただし、RY3、RY4またはRY5の少なくとも1つ、およびRY7、RY8またはRY9の少なくとも1つが、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシである、請求項30に記載の方法。
  32. 前記式(III)の配位子が、下記式(V)で表されるものである、請求項19に記載の方法。
  33. 前記加水分解触媒が、下記式(IA1)で表されるもの、または下記式(IB1)で表されるもの、またはこれらの混合物である、請求項19に記載の方法。
    [上記式(IA1)または上記式(IB1)中、
    45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択されてなり、
    46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択されるものである]
  34. 前記式(IA1)で表されるもの、前記式(IB1)で表されるもの、またはこれらのものの加水分解触媒において、R45が、メチル、エチルまたはイソプロピルである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記式(IA1)で表されるもの、前記式(IB1)で表されるもの、またはこれらのものの加水分解触媒において、
    45が、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、R46が、水素であり、R47およびR48が、独立に、Hまたはメチルである、請求項33に記載の方法。
  36. 前記加水分解触媒が、下記式(IA2)で表されるもの、下記式(IB2)で表されるもの、またはこれらの混合物である、請求項19に記載の方法。
  37. 前記式(III)で表される二座配位子が、下記式(V)で表されるものであり、
    前記単座配位子が、下記式(XIII)で表されるもの、下記式(XIV)で表されるもの、またはこれらの混合物であり、
    前記加水分解触媒が、下記式(IA2)で表されるもの、下記式(IB2)で表されるもの、またはこれらの混合物である、請求項19に記載の方法。
  38. 前記反応環境が、シクロヘキサンおよび/またはトルエンをさらに含んでなる、請求項23に記載の方法。
  39. 前記反応環境が、1種または複数種のニトリルをさらに含んでなる、請求項23に記載の方法。
  40. 前記ニトリルが、3−ペンテンニトリルを含んでなる、請求項39に記載の方法。
  41. 前記ニトリルが、アジポニトリルを含んでなる、請求項39に記載の方法。
  42. リンをベースとする二座配位子もしくはリンをベースとする三座配位子または両方の濃度を、水および少なくとも1種の有機液体を含むヒドロシアノ化反応環境における遷移金属触媒錯体のための、単座のリンをベースとする配位子をさらに含むリンをベースとする配位子ブレンドにおいて、濃度範囲内に維持する方法であって、
    前記ブレンドにおけるそれぞれのリンをベースとする配位子は、少なくとも1つの亜リン酸エステル基を含んでなり、
    前記配位子ブレンドは、少なくとも2種のリンをベースとする配位子を含んでなり、
    前記配位子ブレンドの第1の成分は、下記式(III)で表される二座のリンをベースとする配位子または下記式(IIIA)で表される三座のリンをベースとする配位子であり、
    前記ブレンドの第2の成分は、下記式(IV)で表される単座のリンをベースとする配位子であり
    [上記式中、
    式(III)の配位子において、
    12、X13、X14、X22、X23およびX24は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23またはX24の少なくとも1つは、酸素であり、
    式(IIIA)の配位子において、
    12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33およびX34は、それぞれ独立に酸素または結合であり、ただし、X12、X13、X14、X22、X23、X24、X32、X33またはX34の少なくとも1つは、酸素であり、
    式(III)の配位子において、
    12、R13、R22およびR23、ならびに式(IIIA)の配位子において、R12、R13、R22、R23およびR34は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、
    12、R13、R22、R23、またはR34の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、
    任意選択で、R1212およびR1313基、またはR2222およびR2323基、または両方が、基の各ペアが結合しているそれぞれのリン原子と一緒にそれぞれの環を形成するように、ペアR12およびR13またはR22およびR23の1つまたは複数は、相互に直接結合しており、
    式(III)の配位子において、
    基Y、ならびに式(IIIA)の配位子について、基Y1およびY2は、独立に、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで置換されている]

    P(X11)(X22)(X33) (IV)
    [式中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に、酸素または結合であり、ただし、X1、X2またはX3の少なくとも1つは、酸素であり、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R1、R2またはR3の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、任意選択で、R11、R22およびR33基の任意のペアが、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、R1、R2またはR3の任意の2つは、互いに直接結合している]

    i)前記配位子ブレンドにおける前記式(III)で表される二座配位子または式(IIIA)で表される三座配位子の亜リン酸エステル基の加水分解に対して、前記配位子ブレンドにおける前記式(IV)で表される単座配位子の亜リン酸エステル基の選択的加水分解が起こり、加水分解生成物を提供するように、前記ヒドロシアノ化反応環境における前記配位子ブレンドと、下記式(I)で表される加水分解触媒とを接触させることと、
    ii)前記二座配位子の濃度が、前記濃度範囲内に維持されるように、液−液抽出によって前記配位子ブレンドから前記加水分解触媒および前記加水分解生成物を分離することとを含んでなる、方法。

    (R1111nP(OH)3-n (I)
    [上記式中、
    nは、0、1または2であり、
    各X11は、独立に、酸素または結合であり、
    それぞれの独立に選択されたR11は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C6〜C20)アリール、または(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルであり、R11の任意の(C6〜C20)アリールまたは(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルについて、これらの各環は、独立に非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、および(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキルからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは、n=2であるとき、2つのR1111基が、それらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、2つのR11基は、任意選択で互いに直接結合している]
  43. 1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34が、それぞれ、独立に選択された(C6〜C20)アリール基であり、これは、非置換であるか、または(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される1〜4つの置換基で置換されており、あるいは
    1およびR2、またはR12およびR13、またはR22およびR23の1つまたは複数のペア、あるいは
    n=2であるときの2つのR11は、任意のペアが、それぞれのX1、X2、X11、X12、X13、X22またはX23基およびこれらが結合しているリン原子と一緒に環を形成するように、直接相互に結合している、請求項42に記載の方法。
  44. それぞれの独立に選択されたR1、R2、R3、R11、R12、R13、R22、R23またはR34が、下記式(II)で表される基である、請求項42に記載の方法。
    [上記式中、
    波線は、結合点を示し、
    45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される]
  45. Y、または独立に選択されたY1もしくはY2が、(C6〜C20)アリーレン基であり、これらの各環は、独立に、非置換であるか、または1〜4つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、(C6〜C20)アリール、(C6〜C20)アリール(C1〜C10)アルキル、フッ素、塩素、臭素、または(C1〜C10)ハロアルキルで独立に置換されている、請求項42に記載の方法。
  46. 式(I)の加水分解触媒が、オレフィンのヒドロシアノ化の反応環境において生成された、または前記反応環境に加えられた、または両方である、前記式(III)、(IIIA)または(IV)で表されるリン含有配位子の少なくとも1つの加水分解生成物である、請求項42に記載の方法。
  47. 除去ステップii)が、無極性および極性有機溶媒の間の抽出によるものである、請求項42に記載の方法。
  48. 前記無極性溶媒が、シクロヘキサンを含んでなる、請求項47に記載の方法。
  49. 前記極性溶媒が、ブタジエンのヒドロシアノ化反応からのラフィネートであり、またはアジポニトリルを含み、または両方である、請求項47に記載の方法。
  50. 式(III)の配位子が、下記式(X)で表されたものである、請求項42に記載の方法。
    [上記式中、
    各R41およびR45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択されてなり、
    42、R43、R44、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、および(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択される]
  51. 式(X)の配位子において、
    41が、メチル、エチル、イソプロピルまたはシクロペンチルであり、
    42が、Hまたはメチルであり、
    43が、Hまたは(C1〜C4)アルキルであり、
    44が、Hまたはメチルであり、
    45が、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、
    46、R47およびR48が、独立に、Hまたは(C1〜C4)アルキルである、請求項50に記載の方法。
  52. 前記式(III)の配位子が、下記式(VII)で表されるものである、請求項42に記載の方法。
    [上記式中、
    17は、メチル、エチル、またはイソ−プロピルであり、
    18およびR19は、独立に、Hまたはメチルである]
  53. 前記式(III)の配位子が、下記式(XII)で表されるものである、請求項42に記載の方法。
    [上記式中、
    12、R13、R22およびR23は、それぞれ独立に、非置換または置換された一価のアリールであり、
    Y3〜RY10のそれぞれは、水素、(C1〜C10)アルキル、および(C1〜C10)アルコキシからなる群から独立に選択されてなり、または
    2つの隣接するRY3〜RY10基は一緒に、任意選択で置換された縮合アリール環を形成する]
  54. 12、R13、R22およびR23が、それぞれ独立に、それぞれの第1のオルト位において(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシであり、それぞれの第2のオルト位において水素で置換されているフェニルであり、
    12、R13、R22およびR23フェニルのそれぞれのメタ位およびパラ位が、それぞれ独立に、非置換であるか、または1〜3つの(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、または(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシで独立に置換されていてもよく、
    Y6およびRY10が、独立に、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシであり、
    Y3、RY4、RY5、RY7、RY8およびRY9が、独立に、H、(C1〜C10)アルキル、または(C1〜C10)アルコキシであり、
    ただし、RY3、RY4またはRY5の少なくとも1つ、およびRY7、RY8またはRY9の少なくとも1つが、(C1〜C10)アルキルまたは(C1〜C10)アルコキシである、請求項53に記載の方法。
  55. 前記式(III)の配位子が、下記式(V)で表されるものである、請求項42に記載の方法。
  56. 前記加水分解触媒が、下記式(IA1)で表されるもの、下記式(IB1)で表されるもの、またはこれらの混合物である、請求項42に記載の方法。

    [上記式(IA1)又は式(IB1)中、
    45は、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から選択され、R46、R47およびR48のそれぞれは、H、(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル、(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルキル、(C3〜C10)シクロアルキル(C1〜C10)アルコキシ、(C3〜C10)シクロアルコキシ(C1〜C10)アルコキシ、および(C6〜C20)アリールからなる群から独立に選択される]
  57. 前記式(IA1)で表されるもの、前記式(IB1)で表されるもの、またはこれらの混合物である加水分解触媒において、R45が、メチル、エチルまたはイソプロピルである、請求項56に記載の方法。
  58. 前記式(IA1)で表されるもの、前記式(IB1)で表されるもの、またはこれらの混合物である加水分解触媒において、
    45が、メチル、エチルまたはイソプロピルであり、
    46が、水素であり、
    47およびR48が、独立に、水素またはメチルである、請求項56に記載の方法。
  59. 前記加水分解触媒が、下記式(IA2)で表されるもの、下記式(IB2)で表されるもの、またはこれらの混合物である、請求項42に記載の方法。
  60. 前記式(III)で表される二座配位子が、下記式(V)で表されるものであり、

    前記単座配位子が、下記式(XIII)で表されるもの、下記式(XIV)で表されるもの、またはこれらの混合物であり、
    前記加水分解触媒が、下記式(IA2)で表されるもの、下記式(IB2)で表されるもの、またはこれらの混合物である、請求項42に記載の方法。
  61. 前記反応環境が、シクロヘキサンおよび/またはトルエンをさらに含んでなる、請求項42に記載の方法。
  62. 前記反応環境が、1種または複数種のニトリルをさらに含んでなる、請求項42に記載の方法。
  63. 前記ニトリルが、3−ペンテンニトリルを含んでなる、請求項62に記載の方法。
  64. 前記ニトリルが、アジポニトリルを含んでなる、請求項62に記載の方法。
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