JP2009543808A - ブタジエンのシアン化水素化による3−ペンテンニトリルの製造法 - Google Patents
ブタジエンのシアン化水素化による3−ペンテンニトリルの製造法 Download PDFInfo
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Abstract
【化1】
3−ペンテンニトリルの連続製造法であって、(a)反応区域においてシアン化水素含有供給物、ブタジエン含有供給物、および触媒前駆体組成物を接触させ、ここで該触媒前駆体組成物は、0価のニッケル、および構造IおよびIIによって表される群の一つから選ばれる少なくとも1種の二配座のフォスファイト配位子を含んで成り、但し該構造中R1およびR5は独立にC1〜C5のヒドロカルビルから成る群から選ばれ、R2、R3、R4、R6、R7およびR8は独立にHおよびC1〜C4ヒドロカルビルから成る群から選ばれ、ここで同じ参照記号はさらに明示的に限定されない限り同じ意味を有するものとし、(b)約95%以上のシアン化水素が変化して3−ペンテンニトリルおよび2−メチル−3−ブテンニトリルの反応混合物が生じるのに十分な時間の間反応区域における滞在時間を維持し、ここで2−メチル−3−ブテンニトリルの濃度を反応混合物の全重量の約15重量%以下に保つことを特徴とする方法が提供される。
3−ペンテンニトリルの連続製造法であって、(a)反応区域においてシアン化水素含有供給物、ブタジエン含有供給物、および触媒前駆体組成物を接触させ、ここで該触媒前駆体組成物は、0価のニッケル、および構造IおよびIIによって表される群の一つから選ばれる少なくとも1種の二配座のフォスファイト配位子を含んで成り、但し該構造中R1およびR5は独立にC1〜C5のヒドロカルビルから成る群から選ばれ、R2、R3、R4、R6、R7およびR8は独立にHおよびC1〜C4ヒドロカルビルから成る群から選ばれ、ここで同じ参照記号はさらに明示的に限定されない限り同じ意味を有するものとし、(b)約95%以上のシアン化水素が変化して3−ペンテンニトリルおよび2−メチル−3−ブテンニトリルの反応混合物が生じるのに十分な時間の間反応区域における滞在時間を維持し、ここで2−メチル−3−ブテンニトリルの濃度を反応混合物の全重量の約15重量%以下に保つことを特徴とする方法が提供される。
Description
本出願は2006年7月14日に米国特許出願60/830,864号、同60/830,869号、同60/830,970号、同60/830,865号、および同60/830,986号として同時に出願された共有譲渡出願に関する。
本発明は3−ペンテンニトリルおよび他の不飽和ニトリルを製造するための1,3−ブタジエンのシアン化水素化に関する。特に本発明は0価のニッケル、および少なくとも1種の二配座のフォスファイト配位子を含んで成る触媒前駆体を用い1,3−ブタジエンをシアン化水素化する方法に関する。
3−ペンテンニトリル(3PN)はアジポニトリル(ADN)の製造の重要な中間体である。ADNは、フィルム、繊維、および成形製品の製造に有用なナイロンポリアミドを工業的規模で生産する場合の工業的に融通性をもった重要な中間体であるから、特に関心がもたれている。
3PNは下記式1および2に図示した一連の反応によってつくられることは当業界において公知である。
ここでBDはブタジエン、HCNはシアン化水素、2M3BNはBDをシアン化水素化した際の同時生成物である2−メチル−3−ブテンニトリルである。特許文献1には、NiL4の存在下におけるBDの接触シアン化水素化(式1)が記載されている。但しここでLは一配座の燐含有配位子である。3PNおよび2M3BNの相対的な量はこの化学反応に使用される触媒に依存する。特許文献2には、NiL4錯体の存在下において3PNへの2M3BNの接触異性化(式2)が記載されている。
特許文献2には、ニッケル触媒はHCNの存在下において2M3BNから望ましくない炭素数6の飽和ジニトリル(2−メチルグルタロニトリル、MGN)を優先的に生成させる作用をすることが記載されている(下記式3参照)。この特許文献には、競合するシアン化水素化反応が圧倒的に起こるために、2M3BNの3PNへの異性化反応に対しては、HCNが大量に存在すること、例えば原料の2M3BNに関し1:1よりも過剰のモル比で存在することを避けることが必要であると述べられている。さらにこの参照文献には、HCNはそれ自身では異性化反応に対し重要な効果を全く及ぼさず、必要に応じ原料の中にそれが少量存在することは許容されるが、異性化過程は好ましくはHCNが存在しない状態で行われることが述べられている。
特許文献3には、ADNをつくるためのBDのシアン化水素化反応は一般に三つの段階に分割できると記載されている。第1に、BDのシアン化水素化によるモノニトリルの合成(上記式1)であり、これに対しては使用する触媒に依存して直鎖の3PNの選択性は約70%またはそれ未満である。第2は、混合物中に存在する2M3BNの3PNへの異性化(上記式2)および3PNの種々のn−ペンテンニトリルへの異性化であり;第3はジニトリルの合成である。少なくとも1種のメタロセン−燐(III)−ニッケル(0)錯体を使用した場合、BD含有炭化水素混合物へ1分子のHCNが付加して得られる2M3BNに対する3PNの比が少なくとも5:1、好ましくは少なくとも10:1、特に少なくとも20:1である好適な具体化例も記載されている。さらにまたこの参照文献には、ADNを製造する過程を、BD含有炭化水素混合物へのHCN1分子の付加;異性化;その場で生じた4−ペンテンニトリル(4PN)へのシアン化水素の付加の三段階に分割することをせずに、BD含有炭化水素混合物への2モル当量のHCNの付加を一段階の過程として設計することが一般的に可能であることが記載されている。
最近、式1および2の転移反応に対し新規種類の触媒が報告された。特許文献4〜18には、BDまたは3PNのシアン化水素化および3PNへの2M3BNの異性化の触媒としてジフォスファイトおよびジフォスフィナイトのニッケル錯体を使用することが記載されている。一般にこの種の触媒は、一配座のフォスファイトおよびフォスフィナイトのニッケル錯体を含んで成る触媒に比べ触媒活性が大きく、HCNにより誘起される劣化反応に対し抵抗性をもっていることを特徴としている。その結果、一般にこの新規種類の触媒は、遥かに低い濃度で広い範囲の反応条件において効果的に使用することができる。特許文献19〜21には、BDのシアン化水素化と同じ温度において2M3BNを異性化させるこのような限られた数の触媒系ついてその性能が記載されている。
BDのシアン化水素化と2M3BNの異性化が同じ反応区域で同時に起こる高収率の3PN過程を得られることが望ましいであろう。このように組み合わされたBDシアン化水素化/2M3BN異性化過程は、シアン化水素化および異性化反応が例えば別々の区域においてBDのシアン化水素化または2M3BNの3PNへの異性化に関し独立に最適化された条件下で行われる反応に比べ、反応の数および工程の分離段階が少ないであろう。工程の複雑さが簡単化されているような組み合わされたBDシアン化水素化/2M3BN異性化過程の利点には、設備投資のコストおよび製造コストの低減を含めることができるであろう。組み合わされたBDシアン化水素化/2M3BN異性化過程においては、望ましくない副成物、例えばMGNおよびブタジエンの二量化および/またはオリゴマー化のために生じる化合物による収率の損失を恐らく減少させることができるであろう。
本発明の概要
第1の態様において本発明は3−ペンテンニトリルの連続製造法であって、(a)反応区域においてシアン化水素(HCN)含有供給物、ブタジエン(BD)含有供給物、および触媒前駆体組成物を接触させ、但しここで該触媒前駆体組成物は、0価のニッケル、および下記構造IおよびII
第1の態様において本発明は3−ペンテンニトリルの連続製造法であって、(a)反応区域においてシアン化水素(HCN)含有供給物、ブタジエン(BD)含有供給物、および触媒前駆体組成物を接触させ、但しここで該触媒前駆体組成物は、0価のニッケル、および下記構造IおよびII
から成る群から選ばれる少なくとも1種の二配座のフォスファイト配位子を含んで成り、ここで同じ参照記号はさらに明示的に限定されない限り同じ意味を有し、またR1およびR5は独立にC1〜C5のヒドロカルビルから成る群から選ばれ、R2、R3、R4、R6、R7およびR8は独立にHおよびC1〜C4ヒドロカルビルから成る群から選ばれ、(b)反応区域における滞在時間を、約95%以上のシアン化水素が変化して3−ペンテンニトリルおよび2−メチル−3−ブテンニトリルの反応混合物が生じるのに十分な時間の間維持し、ここで2−メチル−3−ブテンニトリルの濃度は反応混合物の全重量の約15重量%未満に保たれるようにすることを特徴とする方法を提供することができる。
本発明の他の態様は、供給物中のシアン化水素対供給物中のブタジエンのモル比が約0.90:1.00〜約1.04:1.00の範囲にあり、供給物中の0価のニッケル対供給物中のブタジエンのモル比が約0.00005:1.00〜約0.0050:1.00の範囲にある方法である。
本発明の他の態様は、温度を約80〜約140℃の範囲内に保つ方法である。
本発明の他の態様は、触媒前駆体組成物が少なくとも1種の一配座のフォスファイト配位子をさらに含んで成る方法である。
本発明の他の態様は、二配座のフォスファイト配位子が構造IおよびIIにより表される群の要素から選ばれ、ここでR1はメチル、エチル、イソプロピル、またはシクロペンチルであり:R2はHまたはメチルであり:R3はHまたはC1〜C4のヒドロカルビル;R4はHまたはメチル;R5はメチル、エチル、またはイソプロピル;R6、R7およびR8は独立にHおよびC1〜C4から成る群から選ばれる方法である。
本発明の他の態様は、二配座のフォスファイト配位子が構造Iの要素から選ばれ、ここでR1、R4、およびR5はメチル;R2、R6、R7およびR8はH;R3はC1〜C4のヒドロカルビルである方法である。
本発明の他の態様は、二配座のフォスファイト配位子が構造Iの要素から選ばれ、ここでR1はイソプロピル;R2はH;R3はC1〜C4ヒドロカルビル;R4はHまたはメチル;R5はメチルまたはエチル;R6およびR8はHまたはメチル;R7はH、メチルまたはt−ブチルである方法である。
本発明の他の態様は、二配座のフォスファイト配位子が構造IIの要素から選ばれ、ここでR1はイソプロピルまたはシクロペンチル;R5はメチルまたはイソプロピル;R6、R7およびR8はHである方法である。
本発明の他の態様は、二配座のフォスファイト配位子が構造Iで表され、ここでR1はイソプロピル;R2、R6およびR8はH;R3、R4、R5、およびR7はメチルである方法である。
本発明の他の態様は、温度を約100〜約130℃の範囲内に保つ方法である。
本発明の他の態様は、供給物中のシアン化水素対供給物中のブタジエンのモル比が約0.92:1.00〜約0.98:1.00の範囲にある方法である。
本発明の他の態様は、供給物中の0価のニッケル対供給物中のブタジエンのモル比が約0.0001:1.00〜約0.0010:1.00の範囲にある方法である。
本発明の他の態様は、反応区域における滞在時間が2−メチル−3−ブタジエンニトリルの濃度を反応混合物の全質量の約10重量%未満に保つのに十分な時間である方法である。
本発明の他の態様は、反応区域において随時2−メチル−3−ブタジエンニトリルを含んで成る供給物を接触させる方法である。
本発明の詳細な説明
本発明によれば、HCN含有供給物、BD含有供給物、および触媒前駆体組成物の溶液を、例えば同時に、反応区域、例えば連続式撹拌タンク反応器(CSTR)の中で接触させ、HCNの約95%以上が変化して3PNおよび2M3BNを含んで成る反応混合物を生じるのに十分な滞在時間を維持させ、この際2M3BNの濃度は反応混合物の約15重量%未満に保たれるようにする3PNの連続製造法が提供される。
本発明によれば、HCN含有供給物、BD含有供給物、および触媒前駆体組成物の溶液を、例えば同時に、反応区域、例えば連続式撹拌タンク反応器(CSTR)の中で接触させ、HCNの約95%以上が変化して3PNおよび2M3BNを含んで成る反応混合物を生じるのに十分な滞在時間を維持させ、この際2M3BNの濃度は反応混合物の約15重量%未満に保たれるようにする3PNの連続製造法が提供される。
他の態様において本発明はさらに、反応区域において2M3BNを含んで成る供給物を随時接触させることを含んで成っている。供給物中の2M3BNは別の工程で或いは別の製造設備でつくることができる。別法として、供給物中の2M3BNは当業界に公知の、或いは本発明方法に記載されたBDシアン化水素化および/または2M3BN異性化工程から得ることができ、この場合例えば3PNを含んで成る高沸点の反応生成物から2M3BNを含んで成る溜出流を蒸溜することができる。2M3BNを含むこのような溜出流は、BDのシアン化水素化および2M3BNの異性化が行われる本発明の反応区域へ循環させることができる。このような方法の潜在的な利点には、付加的な2M3BNの異性化反応容器、蒸留塔、および付属したポンプ、熱交換器、パイプ設備、および制御装置を操作するための設備およびそれに伴う変動コストおよび固定コストを除去できることが含まれる。
本発明の範囲内に入る方法においては、式1および2(上記)のシアン化水素化および異性化反応は、例えばBDおよびHCNの高い変化率が得られる条件において同じ反応区域の中で同時に且つ連続的に行うことができる。
触媒前駆体組成物は0価のニッケル、および下記構造IおよびIIによって表される群の要素から選ばれる少なくとも1種の二配座のフォスファイト配位子を含んで成っている。ここですべての同様な参照記号はさらに明示的に限定されない限り同じ意味をもっているものとする。
上記式中、R1およびR5は独立にC1〜C5のヒドロカルビルから成る群から選ばれ、R2、R3、R4、R6、R7およびR8は独立にHおよびC1〜C4ヒドロカルビルから成る群から選ばれる。
構造Iと構造IIとは三次元の分子の二次元表示であり、分子中において化学結合の周りで回転が起こり、ここに示されたのとは異なった配置を与えることができることを認識
すべきである。例えば、構造Iおよび構造IIのビフェニルおよびオクタヒドロビナフチル架橋基の2−および2’−位の間の炭素−炭素結合の周りの回転により、それぞれ各構造の2個の燐原子が互いに近接し、フォスファイト配位子は二配座方式でニッケルに結合することができる。「二配座」という言葉は当業界には公知であり、配位子の燐原子の両方が一つのニッケル原子に結合していることを意味する。
すべきである。例えば、構造Iおよび構造IIのビフェニルおよびオクタヒドロビナフチル架橋基の2−および2’−位の間の炭素−炭素結合の周りの回転により、それぞれ各構造の2個の燐原子が互いに近接し、フォスファイト配位子は二配座方式でニッケルに結合することができる。「二配座」という言葉は当業界には公知であり、配位子の燐原子の両方が一つのニッケル原子に結合していることを意味する。
「ヒドロカルビル」という言葉は当業界に公知であり、少なくとも1個の水素原子が除去された炭化水素分子を意味する。このような分子は単結合、二重結合、または三重結合を含んでいることができる。
「アリール」という言葉は当業界に公知であり、少なくとも1個の水素原子が除去された芳香族炭化水素分子を意味する。
適当なアリール基の例には6〜10個の炭素原子を含むものが含まれ、炭素原子は置換基をもたないかまたは単一または多数の置換基をもっていることができる。適当な置換基には例えばC1〜C4ヒドロカルビル、またはハロゲン、例えばフッ素、塩素、または臭素、或いはハロゲン化ヒドロカルビル、例えばトリフルオロメチル、またはアリール、例えばフェニルがある。
本発明に使用される各触媒前駆体組成物では、0価のニッケルが或る位置において二配座のフォスファイト配位子と結合しており、さらにシアン化水素化の際に恐らくは例えば初期的な触媒組成物がエチレン型不飽和化合物に錯化するような付加的な反応を起こす「前駆体」組成物であると考えられる。
本明細書において使用される「触媒前駆体組成物」という言葉は、その意味の中に、循環された触媒、即ち0価の触媒および少なくとも1種の二配座のフォスファイト配位子を含んで成り、且つ本発明方法に使用された後工程に戻されるか、或いは工程に戻されて再び使用することができる触媒前駆体組成物をも含んでいる。
触媒前駆体組成物はさらに少なくとも1種の一配座のフォスファイト配位子を、それが本発明の有利な態様に対して悪影響を与えない限り含んで成っていることができる。一配座のフォスファイト配位子は二配座のフォスファイト配位子の合成に由来する不純物として存在することができ、或いは触媒前駆体組成物のさらに他の成分として一配座のフォスファイト配位子を加えることができる。
二配座のフォスファイト配位子は下記構造Iおよび構造IIの群の要素から選ぶことができ、ここですべての同様な参照記号はさらに明示的に限定されない限り同じ意味をもっているものとする。
但し式中、R1およびR5は独立にC1〜C5のヒドロカルビルから成る群から選ばれ、R2、R3、R4、R6、R7およびR8は独立にHおよびC1〜C4ヒドロカルビルから成る群から選ばれる。
例えば二配座のフォスファイト配位子は次のような構造IおよびIIによって表される群の要素から選ぶことができる:
R1がメチル、エチル、イソプロピル、またはシクロペンチル;
R2がHまたはメチル;
R3がHまたはC1〜C4ヒドロカルビル;
R4がHまたはメチル;
R5がメチル、エチル、またはイソプロピルであり;ならびに
R6、R7およびR8が独立にHおよびC1〜C4ヒドロカルビルから成る群から選ばれる。
R1がメチル、エチル、イソプロピル、またはシクロペンチル;
R2がHまたはメチル;
R3がHまたはC1〜C4ヒドロカルビル;
R4がHまたはメチル;
R5がメチル、エチル、またはイソプロピルであり;ならびに
R6、R7およびR8が独立にHおよびC1〜C4ヒドロカルビルから成る群から選ばれる。
さらに、二配座のフォスファイト配位子は次のような構造Iによって表される群の要素から選ぶことができる:
R1、R4、およびR5がメチル;
R2、R6、R7およびR8がH;ならびに
R3がC1〜C4ヒドロカルビルであるか、
或いは
R1がイソプロピル;
R2がH;
R3がC1〜C4ヒドロカルビル;
R4がHまたはメチル;
R5がメチル、またはエチル;
R6およびR8がHまたはメチル;ならびに
R7がH、メチル、またはt−ブチルである。
R1、R4、およびR5がメチル;
R2、R6、R7およびR8がH;ならびに
R3がC1〜C4ヒドロカルビルであるか、
或いは
R1がイソプロピル;
R2がH;
R3がC1〜C4ヒドロカルビル;
R4がHまたはメチル;
R5がメチル、またはエチル;
R6およびR8がHまたはメチル;ならびに
R7がH、メチル、またはt−ブチルである。
或いはまた、二配座のフォスファイト配位子は次のような構造IIで表される群の要素から選ぶことができる:
R1がイソプロピル、またはシクロペンチル;
R5がメチル、またはイソプロピル;ならびに
R6、R7、およびR8がHである。
R1がイソプロピル、またはシクロペンチル;
R5がメチル、またはイソプロピル;ならびに
R6、R7、およびR8がHである。
さらに他の例としては、二配座のフォスファイト配位子は次のような構造Iで表すことができる。
R1がイソプロピル;
R2、R6、およびR8がH;ならびに
R3、R4、R5、およびR7がメチルである。
R2、R6、およびR8がH;ならびに
R3、R4、R5、およびR7がメチルである。
本発明に使用される触媒前駆体組成物に有用な二配座のフォスファイト配位子は当業界において公知の任意の適当な方法、例えば米国特許第6,171,996号明細書および同第5,512,696号明細書記載の方法で製造することができる。これらの特許は引用により本明細書に包含される。例えば、2当量のオルト置換フェノールと三塩化燐との反応により対応するフォスフォロクロリダイト(phosphorochloridite)が得られる。このフォスフォロクロリダイトをトリエチルアミンの存在下において所望の置換ビフェノールまたはオクタヒドロビナフトールと反応させると、二配座のフォスファイト配位子が得られる。粗製の二配座のフォスファイト配位子は米国特許第6,069,267号明細書記載の方法でワークアップ(worked up)することができる。この特許は引用により本明細書に包含される。その中に記載されているように、二配座のフォスファイト配位子生成物の混合物は所望の生成物を典型的には約70〜約90%の選択性で含んでいることができ、この生成物の混合物の残りは他のフォスファイト副成物、例えば一配座のフォスファイトである。二配座のフォスファイト配位子自身またはこれらの二配座/一配座フォスファイト配位子混合物は本発明に使用するのに適している。
本発明に使用される触媒前駆体組成物は、理想的には実質的に一酸化炭素、酸素、および水を含んでいてはならず、当業界において公知の方法に従ってその場で(in situ)予備製造または製造することができる。本発明の触媒前駆体組成物は、二配座のフォスファイト配位子を、有機フォスファイト配位子によって容易に移動する配位子を有する0価のニッケル化合物、例えばすべて当業界において公知のNi(COD)2,Ni[P(O−o−C6H4CH3)3]3,およびNi[P(O−o−C6H4CH3)3]2(C2H4)と接触させることによってつくることができる。1,5−シクロオクタジエン(COD)、トリス(o−トリル)フォスファイト[P(O−o−C6H4CH3)3]、およびエチレン(C2H4)が容易に移動し得る配位子である。元素状のニッケル、好ましくはニッケル粉末は、米国特許第3,903,120号明細書に記載されているようにハロゲン化された触媒と組み合わせた場合、やはり適当な0価のニッケル源となる。別法として2価のニッケル化合物は、還元剤と組み合わせると、二配座のフォスファイト配位子の存在下において反応中に0価のニッケル源として作用することができる。適当な2価のニッケル化合物の中には式NiZ2の化合物が含まれる。ここでZはハライド、カルボキシレート、またはアセチルアセトネートである。適当な還元剤には金属水素化硼素、金属アルミニウム水素化物、アルキル金属、Li、Na、K、Zn、FeまたはH2が含まれる。例えば米国特許第6,893,996参照。触媒前駆体組成物では、二配座のフォスファイト配位子は、或る与えられた時間に理論的にニッケルに配位することができるよりも過剰な量で存在している。
触媒前駆体組成物は、シアン化水素化反応混合物に対して非反応性であり且つそれと混合し得る溶媒に溶解することができる。適当な溶媒には、例えば炭素数1〜10の脂肪族および芳香族炭化水素、およびニトリル溶媒、例えばアセトニトリルが含まれる。別法として、3PN、ペンテンニトリルの異性体混合物、メチルブテンニトリルの異性体混合物、ペンテンニトリルの異性体とメチルブテンニトリルの異性体との混合物、或いは前の反応時において得られた反応生成物を使用して触媒前駆体組成物を溶解することができる。
反応温度は典型的には約80〜約140℃の範囲、例えば約100〜約130℃の範囲内に保たれる。一般に、反応圧力は試薬を液体状態に保つのに十分な圧力でなければならず、このような圧力は少なくとも部分的には反応混合物中の未反応のBDの量の関数である。本発明は圧力の上限によって限定されることはないが、実際の目的に対しては一般に圧力は約15psia〜約300psia(約103kPa〜約2068kPa)の範囲にある。
実質的に一酸化炭素、酸素、アンモニア、および水を含まないHCNを蒸気、液体、またはそれらの混合物として反応に導入する。別法として、HCN源としてシアノヒドリンを使用することができる。例えば米国特許第3,655,723号明細書参照のこと。
供給物中のHCN対供給物中のBDのモル比は約0.90:1.00〜約1.04:1.00の範囲、例えば約0.92:1.00〜約0.98:1.00の範囲にある。このモル比の範囲では、HCNに対しBDが著しく過剰な場合に比べ、回収して工程に循環させる未反応のBDが少なく、MGNおよびBD二量体、オリゴマー、並びに関連した化学種による収率の損失を減少させることができるという点で有利である。
供給物中の0価のニッケル対供給物中のBDのモル比は約0.00005:1.00〜約0.0050:1.00の範囲、例えば約0.0001:1.00〜約0.0010:1.00の範囲にある。
反応区域中の滞在時間(例えば一緒にされた供給物がCSTR中の反応器の一容積単位を移動するのに要する時間)は、典型的には2M3BNの濃度を反応混合物の全質量の約15%未満に、例えば反応混合物の全質量の約10%未満に保つという要求によって決定され、また触媒の濃度および温度とも関連している。一般に滞在時間は約0.5〜約15時間の範囲、例えば約1〜約10時間の範囲にあるであろう。
シアン化水素化および異性化の反応混合物は、ADNを製造する次の反応段階に「そのまま」使用することができる。別法として、触媒前駆体組成物の反応生成物および成分を当業界に公知の通常の方法、例えば米国特許第6,936,171号明細書記載の液−液抽出法、および例えば約10〜約700トール(約1〜約93kPa)におけるフラッシュ蒸溜法により回収することができる。「終溜出物(distillation tails)」を含む触媒前駆体組成物は、「高沸点の」不純物の蓄積を防ぐために混合物の一部を除去した後、反応区域に循環して戻すことができる。反応混合物、即ち「蒸溜生成物(distillation make)は主として3PNから成り、少量が異性体のペンテンニトリル、2M3BN、2−メチル−2−ブテンニトリル、BD、HCN、およびビニルシクロヘキセンを含んで成る混合物である。所望の3PNおよび他のペンテンニトリル異性体は蒸溜により反応生成物から回収することができ、他の構成成分、例えばBD、HCNおよび2M3BNは反応区域に循環させるか廃棄することができる。
下記の実施例は次のような触媒前駆体組成物を用いて行った:即ち下記のニッケル源に対する化学式の中で「フォスファイトA」として参照した二配座のフォスファイト配位子は構造Iにより表され、ここでR1はイソプロピル、R2、R6、およびR8はH;R3、R4、R5、およびR7はメチルである。オートクレーブに装入したニッケル源はニトリル溶媒混合物に溶解した化合物(フォスファイトA)Ni(クロチル(crotyl))CNを含む。「クロチル」は経験式C4H7を有するブテニル基を表す。
実施例のフォスファイトAは当業界に公知の任意の適当な合成法によりつくることができる。例えば3,3’−ジイソプロピル−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノールは米国特許出願2003/0100802号記載の方法によりつくることができる。この特許出願は引用により本明細書に包含される。この方法ではクロロ水酸化銅−TMEDA錯体(TMEDAはN,N,N’,N’−テトラメチレンジアミン)および空気の存在下において4−メチルチモールを置換ビフェノールに酸化的にカップリングさせる。
2,4−キシレノールのフォスフォロクロリダイト(C8H9O)2PClは、例えば米国特許出願2004/0106815号記載の方法によりつくることができる。この特許出願は引用により本明細書に包含される。このフォスフォロクロリダイトを選択的につくるためには、温度をコントロールした条件下で、無水のトリエチルアミンおよび2,4−キシレノールを別々に且つ同時に、適当な溶媒に溶解したPCl3に制御された方法で加えることができる。
所望のフォスファイトAをつくるためのフォスフォロクロリダイトと3,3’−ジイソプロピル−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノールとの反応は、例えば米国特許第6,069,267号明細書記載の方法に従って行うことができる。この特許は引用により本明細書に包含される。有機塩基の存在下においてフォスフォロクロリダイトを3,3’−ジイソプロピル−5,5’,6,6’−テトラメチル−2,2’−ビフェノールと反応させてフォスファイトAを形成させ、これを公知方法、例えばやはり米国特許第6,069,267号明細書記載の方法に従って分離することができる。
各実施例に対し、(フォスファイトA)Ni(クロチル)CN化合物は次のようにしてつくった。窒素雰囲気中において、R1がイソプロピル;R2、R6、およびR8がH;R3、R4、R5、およびR7がメチルである構造Iで表されるフォスファイトA、およびNi(COD)2(CODは1,5−シクロオクタジエン)をモル比1:1でフラスコの中に一緒に入れる。予めモレキュラーシーブ上で乾燥し、窒素で脱ガスしたトランス−3−ペンテンニトリル(95重量%、Aldrich製)を同じフラスコに加え(10gのフォスファイトAに対して約200mL)、橙色の均一な溶液が生じるまでこの混合物を撹拌した。周囲温度において真空下ですべての揮発物を除去し、橙色の粉末を得た。この粉末を無水のアセトニトリルで処理し、過剰のペンテンニトリルおよび他の不純物を除去し、次に真空下ですべての揮発物を再び除去し、橙色の固体として(フォスファイトA)Ni(クロチル)CNを得た。
BDのシアン化水素化、2M3BNの異性化、およびペンテンニトリルのシアン化水素化の工程からつくられるトランス−3−ペンテンニトリル(95重量%)は、Sigma−Aldrich Chemical Companyから工業的に得ることができる。この材料は、やはりBDのシアン化水素化からつくられた2M3BNおよび/または2M3BNの異性化からつくられた2M3BNを痕跡量含んでいる。
BD供給物の純度は99%より高い。すべての実施例において,防止剤を含まない新しくつくった無水のHCNを使用した。
本発明の範囲に入る具体化例は下記の本発明を限定しない実施例からさらに理解できるであろう。
実施例
磁気駆動式撹拌機、および供給物に対する浸漬脚部を備えた100mLのオートクレーブの中で反応を行った。反応器に液体を一杯に満たして操作を行い、その結果118mLの作業容積が得られた。外部からの電熱による加熱と内部コイルに冷却剤を通すことを組み合せて反応温度を120℃に保った。反応器中の圧力は手動の背圧調節器により130psia(896kPa)にコントロールした。出口管からフラッシュ蒸留塔に連続的に供給を行ない、蒸留塔を減圧(100トール;13.3kPa)で操作し、触媒から反応生成物を分離した。
(フォスファイトA)Ni(クロチル)CN(2.5重量%)、1.6重量%のフォスファイトA、および1.2重量%のフォスファイトAオキシド、3PN(82重量%)、2PN(0.9重量%)、4PN(1.2重量%)、2M3BN(1.4重量%)、2−メチル−2−ブチレンニトリル(2M2BN、0.7重量%)、ジメチルスクシノニトリル(1.0重量%)、MGN(3.5重量%)、およびADN(2.4重量%)含んで成る触媒前駆体組成物の溶液を連続的に且つBDおよびHCNと同時に、Ni:HCN:BD供給物のモル比が約0.00046:0.963:1.0になり、反応器中の滞在時間が約3.4時間になるようにオートクレーブに供給した。定常状態に到達させるために24時間流れを維持した。反応器から出るラインから試料を周期的に取り出し、触媒に対しては高圧液体クロマトグラフ法(HPLC)により、ニトリル生成物および副成物に対してはガスクロマトグラフ法(GC)により分析を行った。2M3BNの分析値は反応混合物の6.6重量%であった。オートクレーブに供給されたBDの92.9%およびHCNの96.5%が2PN、3PN、および4PN、並びに2M3BNを含んで成る有用な生成物に変化した。変化したBDのモル全体の中で、これらの有用な生成物への選択性は96.7%であった。
磁気駆動式撹拌機、および供給物を添加し生成物を取り出すための浸漬脚部を備えた1リットルのオートクレーブの中で反応を行った。750mLの作業容積が得られるように生成物取り出し用の浸漬脚部を調節した。外部からの電熱による加熱と内部コイルに冷却剤を通すことを組合せ反応温度を110℃に保った。反応器中の圧力は手動の背圧調節器により100psia(689kPa)にコントロールした。出口管からフラッシュ蒸留塔に連続的に供給を行ない、蒸留塔を減圧(300トール;40kPa)で操作し、触媒から反応生成物を分離した。
(フォスファイトA)Ni(クロチル)CN(2.8重量%)、2.1重量%のフォスファイトA、および1.4重量%のフォスファイトAオキシド、3PN(83重量%)、2PN(6.1重量%)、4PN(0.8重量%)、2M3BN(1.4重量%)、2M2BN(0.9重量%)、ジメチルスクシノニトリル(1.0重量%)、MGN(0.2重量%)、およびADN(1.7重量%)含んで成る触媒前駆体組成物の溶液を連続的に且つBDおよびHCNと同時に、Ni:HCN:BD供給物のモル比が約0.00055:0.946:1.0になり、反応器中の滞在時間が約7.3時間になるようにオートクレーブに供給した。定常状態に到達させるために40時間流れを維持した。反応器から出るラインから試料を周期的に取り出し、触媒に対してはHPLCにより、ニトリル生成物および副成物に対してはGCにより分析を行った。2M3BNの分析値は反応混合物の6.6重量%であった。オートクレーブに供給されたBDの91.1%およびHCNの96.3%が2PN、3PN、4PN、並びに2M3BNを含んで成る有用な生成物に変化した。変化したBDのモル全体の中で、これらの有用な生成物への選択性は96.1%であった。
磁気駆動式撹拌機、および供給物を添加し生成物を取り出すための浸漬脚部を備えた1リットルのオートクレーブの中で反応を行った。750mlの作業容積が得られるように生成物取り出し用の浸漬脚部を調節した。外部から電熱式に加熱し内部コイルに冷却剤を通すことを組合せ反応温度を120℃に保った。反応器中の圧力は手動の背圧調節器によ
り100psia(689kPa)にコントロールした。出口管からフラッシュ蒸留塔に連続的に供給を行ない、蒸留塔を減圧(300トール;40kPa)で操作し、触媒から反応生成物を分離した。
り100psia(689kPa)にコントロールした。出口管からフラッシュ蒸留塔に連続的に供給を行ない、蒸留塔を減圧(300トール;40kPa)で操作し、触媒から反応生成物を分離した。
(フォスファイトA)Ni(クロチル)CN(2.8重量%)、2.1重量%のフォスファイトA、および1.4重量%のフォスファイトAオキシド、3PN(83重量%)、2PN(6.1重量%)、4PN(0.8重量%)、2M3BN(1.4重量%)、2M2BN(0.9重量%)、ジメチルスクシノニトリル(1.0重量%)、MGN(0.2重量%)、およびADN(1.7重量%)含んで成る触媒前駆体組成物の溶液を連続的に且つBDおよびHCNと同時に、Ni:HCN:BD供給物のモル比が約0.00025:0.948:1.0になり、反応器中の滞在時間が約8.2時間になるようにオートクレーブに供給した。定常状態に到達させるために40時間流れを維持した。反応器から出るラインから試料を周期的に取り出し、触媒に対してはHPLCにより、ニトリル生成物および副成物に対してはGCにより分析を行った。2M3BNの分析値は反応混合物の10.3重量%であった。オートクレーブに供給されたBDの90.9%およびHCNの95.9%が2PN、3PN、4PN、並びに2M3BNを含んで成る有用な生成物に変化した。変化したBDのモル全体の中で、これらの有用な生成物への選択性は96.5%であった。
磁気駆動式撹拌機、および供給物を添加し生成物を取り出すための浸漬脚部を備えた1リットルのオートクレーブの中で反応を行った。750mLの作業容積が得られるように生成物取り出し用の浸漬脚部を調節した。外部からの電熱による加熱と内部コイルに冷却剤を通すことを組合せ反応温度を130℃に保った。反応器中の圧力は手動の背圧調節器により100psia(689kPa)にコントロールした。出口管からフラッシュ蒸留塔に連続的に供給を行ない、蒸留塔を減圧(300トール;40kPa)で操作し、触媒から反応生成物を分離した。
(フォスファイトA)Ni(クロチル)CN(2.8重量%)、2.1重量%のフォスファイトA、および1.4重量%のフォスファイトAオキシド、3PN(83重量%)、2PN(6.1重量%)、4PN(0.8重量%)、2M3BN(1.4重量%)、2M2BN(0.9重量%)、ジメチルスクシノニトリル(1.0重量%)、MGN(0.2重量%)、およびADN(1.7重量%)含んで成る触媒前駆体組成物の溶液を連続的に且つBDおよびHCNと同時に、Ni:HCN:BD供給物のモル比が約0.00035:0.925:1.0になり、反応器中の滞在時間が約2時間になるようにオートクレーブに供給した。定常状態に到達させるために12時間流れを維持した。反応器から出るラインから試料を周期的に取り出し、触媒に対してはHPLCにより、ニトリル生成物および副成物に対してはGCにより分析を行った。2M3BNの分析値は反応混合物の12.4重量%であった。オートクレーブに供給されたBDの89.1%およびHCNの96.3%が2PN、3PN、4PN、並びに2M3BNを含んで成る有用な生成物に変化した。変化したBDのモル全体の中で、これらの有用な生成物への選択性は96.7%であった。
上記の説明には本発明の特定の具体化例が記載されているが、本発明は、本発明の精神または本発明の実質的な寄与を逸脱することなく、数多くの変形、置き換え、および再配置を行い得ることは、当業界の専門家には理解できるであろう。本発明の範囲を示すものとしては、上記の明細書ではなく特許請求の範囲を参照しなければならない。
Claims (14)
- 3−ペンテンニトリルの連続製造法であって、該方法は
(a)反応区域においてシアン化水素含有供給物、ブタジエン含有供給物、および触媒前駆体組成物を接触させ、ここで該触媒前駆体組成物は、0価のニッケル、および下記構造IおよびII、
によって表される群の要素から選ばれる少なくとも1種の二配座のフォスファイト配位子を含んで成り、
(b)反応区域における滞在時間を、約95%以上のシアン化水素が変化して3−ペンテンニトリルおよび2−メチル−3−ブテンニトリルの反応混合物が生じるのに十分な時間の間維持し、ここで2−メチル−3−ブテンニトリルの濃度は反応混合物の全重量の約15重量%未満に保たれることを特徴とする方法。 - 供給物中のシアン化水素対供給物中のブタジエンのモル比は約0.90:1.00〜約1.04:1.00の範囲にあり、供給物中の0価のニッケル対供給物中のブタジエンのモル比は約0.00005:1.00〜約0.0050:1.00の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 温度を約80〜約140℃の範囲に保つことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 二配座のフォスファイト配位子は構造IおよびII、
但し該構造中R1はメチル、エチル、イソプロピル、またはシクロペンチル;
R2はHまたはメチル;
R3はHまたはC1〜C4ヒドロカルビル;
R4はHまたはメチル;
R5はメチル、エチル、またはイソプロピル;ならびに
R6、R7およびR8は独立にHおよびC1〜C4ヒドロカルビルから成る群から選ばれるものとする、
によって表される群の要素から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 二配座のフォスファイト配位子は構造I、
但し該構造中R1、R4、およびR5はメチル;
R2、R6、R7およびR8はH;
R3はC1〜C4ヒドロカルビルである、
によって表される群の要素から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 二配座のフォスファイト配位子は構造I、
但し該構造中R1はイソプロピル;
R2はH;
R3はC1〜C4ヒドロカルビル;
R4はHまたはメチル;
R5はメチルまたはエチル;
R6およびR8はHまたはメチル;および
R7はH、メチル、またはt−ブチルである、
によって表される群の一つから選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 二配座のフォスファイト配位子は構造II、
但し該構造中R1はイソプロピルまたはシクロペンチル;
R5はメチルまたはイソプロピル;ならびに
R6、R7、およびR8はHである、
によって表される群の要素から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 二配座のフォスファイト配位子は構造I、
但し該構造中R1はイソプロピル;
R2、R6、およびR8はH;ならびに
R3、R4、R5、およびR7はメチルである、
によって表されることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 温度を約100〜約130℃の範囲に保つことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 供給物中のシアン化水素対供給物中のブタジエンのモル比は約0.92:1.00〜約0.98:1.00の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 供給物中の0価のニッケル対供給物中のブタジエンのモル比は約0.0001:1.00〜約0.0010:1.00の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 反応区域における滞在時間は、2−メチル−3−ブテンニトリルの濃度が反応混合物の全質量の約10重量%未満に保たれるのに十分な時間であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 反応区域において2−メチル−3−ブテンニトリルを含んで成る供給物を随時接触させることをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 触媒前駆体組成物はさらに少なくとも1種の一配座のフォスファイト配位子をさらに含んで成ることを特徴とする請求項1記載の方法。
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