JP2015523131A - 注入装置 - Google Patents

Abstract

液状薬剤を患者に注入するための注入装置が、主要部（１３）と、取り外し可能モジュール（１４）とを含み、主要部は、針（９）に接続された薬剤容器（１１）を収容するよう配置され、取り外し可能モジュールは、針を通すための貫通孔を有し、かつ、注入中は患者の皮膚上にあることを意図した皮膚接触面（１０）を含む。【選択図】図２

Description

本発明は、液状薬剤を患者に注入するための注入装置に関する。

かかる装置の一例が、特許文献１に記載されている。この装置では、皮膚接触面、すなわち、注入が行われる患者の皮膚の領域と接触することを意図した表面には、薬剤容器に接続された針を通すための貫通孔がある。装置の使用後、皮膚接触面及び貫通孔は、薬剤、及び／又は患者からの病原体で汚染されていることがある。従って、特に装置を別の患者に使用する場合には、続いて装置を使用する前に、慎重な洗浄及び／又は消毒及び／又は滅菌を必要とし得る。かかる洗浄作業は、容易な仕事ではない。

国際公開第２００５／０７７４４１号 国際公開第２００７／０８８４４４号

本発明は、この欠点を改善し又は少なくとも低減させることを意図し、この目的のために、液状薬剤を患者に注入するための注入装置であって、主要部と取り外し可能モジュールとを含み、主要部は針に接続された薬剤容器を収容するよう配置され、取り外し可能モジュールは、針を通すための貫通孔を有し、注入中に患者の皮膚上にあることを意図した皮膚接触面を含む。

従って、本発明において、皮膚接触面は、洗浄及び／又は消毒及び／又は滅菌作業を容易にするために装置から取り外すことができるモジュールにより定められる。

本発明による注入装置は、薬剤容器を、皮膚接触面に向かって第１の位置から第２の位置へ又は皮膚接触面から離れるように第２の位置から第１の位置へ動かすための機構も含むことができる。

取り外し可能モジュールは、以下の要素、すなわち、
−皮膚接触面と患者の皮膚との間の接触を検出するためのセンサ、
−薬剤容器を第１の位置から第２の位置へ動かして針を薬剤容器に自動的に接続する間、針を含む針組立体を貫通孔に保持するための解放可能タブ、
−針組立体の貫通孔への挿入を検出するためのセンサ、
−針組立体の貫通孔への挿入を制限するための１つ又はそれ以上の当接部、
−薬剤容器を第２の位置から第１の位置へ動かして針を薬剤容器から自動的に取り外す間、針を貫通孔内に保持するように作動させることができる保持部材、
−保持部材を作動させるためのエンジン、
−主要部の対応する電気接点と協働する電気接点、
の１つ又はそれ以上を含むこともできる。

注入装置は、静止位置において、取り外し可能モジュールをロックして主要部から外れるのを防止し、作動時に、取り外し可能モジュールをロック解除して主要部から外れるのを可能にするボタンをさらに含む。
ボタンは、注入装置の取り外し可能バッテリパックに隠れていてもよい。

本発明の他の特徴及び利点は、本発明の好ましい実施形態による注入装置を示す添付図面を参照してなされる以下の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。

本発明による注入装置の外側の斜視図である。 図１と同じ斜視図であるが、装置主要部から分離した取り外し可能モジュールを示す。 取り外し可能モジュールの上から見た斜視図である。 取り外し可能モジュールの下から見た斜視図である。 取り外し可能モジュールの上から見た別の斜視図である。 取り外し可能モジュール内に設けられた機構を示す平面図である。 本発明による注入装置により行われる針取り付けシーケンスの様々なステップを示す。 本発明による注入装置により行われる針取り外しシーケンスの様々なステップを示し、この図においては、図７と同様に、取り外し可能モジュールが取り付けられた装置主要部は示されていない。 注入装置から取り外し可能モジュールを取り外すためのシーケンスの様々なステップを示す。 取り外し可能モジュールを注入装置主要部に（再度）取り付けるためのシーケンスの様々なステップを示す。

図１は、本発明による薬剤注入装置のハウジング１を示す。本発明による装置は、特許文献１に記載されたタイプのものである。ハウジング１は、基部壁２、前壁３、前壁３とは反対側の後壁４、対向する側壁５、６、及び基部壁２と対向する上部壁７を有する。基部壁２は、針９が通ることができる貫通孔８を含む。基部壁２の外面１０は、貫通孔８が横切り、かつ、使用時に注入が行われる患者の皮膚領域上に適用することを意図した皮膚接触面を構成する。基部壁２には、より正確には基部壁２の内面上に、皮膚接触面１０と患者の皮膚との間の接触を検出するための皮膚センサが設けられる。皮膚センサは、特許文献２に記載されるように容量性センサとすることができる。

針９は、ハウジング１内の薬剤容器１１に接続される。また、第１の電気機械式アクチュエータ組立体１２ａは、図１では概略的にのみ示されるが、薬剤容器１１（より正確には、薬剤容器１１を保持する構造体）を針９と共に軸方向に動かし、これらの要素９、１１が完全にハウジング１内に入る後退位置と、患者の皮膚を刺すために針９が貫通孔８から突出する動作位置とを取ることができるように、ハウジング１内に設けられる。薬剤容器１１内でピストンを駆動するように、第２の電気機械式アクチュエータ組立体１２ｂが配置される。電気機械式アクチュエータ組立体１２ａ、１２ｂは、ハウジング１内の制御ユニットによって、薬剤容器１１が後退位置から動作位置に動かされる第１のステップと、ピストンが動かされて患者への注入を行う第２の位置と、定められた投薬量の注入が行われた後に薬剤容器１１が後退位置に戻される第３のステップとを含むシーケンスによって制御される。前述のシーケンスは、皮膚センサが、患者に皮膚上に注入装置が配置されたこと、すなわち皮膚接触面１０が患者の皮膚上にあることを検出した後及び注入ボタンが患者により押された後にのみ、制御ユニットによってトリガされる。

針９は、自動的に薬剤容器１１に接続可能である。より正確には、針９を薬剤容器１１に接続するために、ユーザは、針組立体を、解放可能タブの間で貫通孔８に挿入し、この解放可能タブは針組立体を貫通孔８内に保持する。針組立体は、針と、針を支持する針ハブと、針及び針ハブを覆う針キャップとを含む。センサが解放可能タブの間への針組立体の挿入を検出すると、後退位置から針及び針ハブが薬剤容器１１に接続される位置まで基部壁２に向かう薬剤容器１１の軸方向の動きがトリガされる。次に、薬剤容器１１の動きを反転し、薬剤容器１１は針９及び針ハブと共に後退位置に戻される一方で、針キャップは貫通孔８内の少なくとも１つの当接部に阻止される。次いで、ユーザは、貫通孔８から針キャップを取り除く。

針９は、薬剤容器１１から自動的に取り外し可能でもある。針９を薬剤容器１１から取り外すためには、ユーザは、空の針キャップを解放可能タブの間で貫通孔８に挿入する。この挿入は、前述のセンサにより検出され、薬剤容器１１を針９と共に針９及び針ハブが針キャップ内に入るまで、基部壁２に向かって動かす。次いで、ユーザは、針解放ボタンを作動させて、貫通孔内を横切るように保持部材を動かし、針ハブを阻止し、それと共に針９を貫通孔８から薬剤容器１１の後退位置へと動かす。その後、反対の動きが薬剤容器１１に与えられ、薬剤容器１１を後退位置に戻す一方、針ハブ、及び該針ハブと共に針９が貫通孔８内に保持される。次いで、ユーザは、貫通孔８及び解放可能タブから、針キャップ、針ハブ及び針９を含む針組立体を取り外すことができる。

注入装置の構造及び動作に関するより詳細は、引用により本明細書に組み入れられる特許文献１及び特許文献２に見出すことができる。

本発明によると、注入装置は、互いに組み立てられた２つの部分、すなわち主要部１３と基部カバーモジュール１４から成る。図２に示すように、これらの２つの部分１３、１４は、互いに取り外し可能である。言い換えれば、基部カバーモジュール１４は、注入装置から取り外し可能である。主要部１３は、装置の主要構成要素、具体的には薬剤容器１１、電気機械式アクチュエータ組立体１２ａ、１２ｂ、及び制御ユニットを含む。基部カバーモジュール１４は、貫通孔８及び皮膚接触面１０と共に、ハウジング１の基部壁２全体を定め、かつ、それぞれ、ハウジング１の前壁３、後壁４及び側壁５、６の部分を形成する前壁１５、後壁１６及び側壁１７、１８も含む。摺動ボタン１９（図３参照）が、側壁１８内に配置される。図３乃至図５に示すように、基部カバーモジュール１４は、参照数字２０で示される前述の皮膚センサ、参照数字２１で示される前述の解放可能タブ、針組立体の貫通孔８への挿入を検出するための、参照数字２２で示される前述のセンサと、針組立体の貫通孔８への挿入を制限するための、参照数字２３で示される前述の当接部と、薬剤容器が針を取り外すための後退位置まで戻される間、針ハブ及びこれに取り付けられた針を貫通孔８内に保持するための、参照数字２４で示される前述の保持部材とを含む。基部カバーモジュール１４はまた、２つの部分１３、１４の間に電力を通すための、装置主要部１３の対応する電気接点２６（図２参照）と協働する電気接点２５も有する。

特許文献１に記載される注入装置において、保持部材は、ユーザにより機械的ボタンに加えられる力により直接駆動される。一方、本発明においては、保持部材２４は、基部カバーモジュール１４内に設けられた電気エンジン２７により駆動される。図６に見られるように、電気エンジン２７は、ギアボックス２９を介してレバー２８を駆動するように配置され、そのレバー２８は、保持部材２４を定める。

図７は、針取り付けシーケンスを示す。第１のステップ（図７（ａ））において、ユーザにより、針組立体３０が、解放可能タブ２１の間で貫通孔８に挿入される。第２のステップ（図７（ｂ））において、センサ２２は、針組立体３０の存在を検出し、薬剤容器１１は、針組立体３０内に含まれる針９に接続されるまで後退位置から基部壁２に向かって動かされる。第３のステップ（図７（ｃ））において、薬剤容器１１は、針ハブ３１及びこれに取り付けられた針９と共に、後退位置に戻される一方、針キャップ３２は当接部２３により保持される。第４のステップ（図７（ｄ））において、ユーザは、針キャップ３２を貫通孔８から取り外す。

図８は、針取り外しシーケンスを示す。第１のステップ（図８（ａ））において、ユーザにより、空の針キャップ３２が、解放可能タブ２１の間で貫通孔８に挿入される。第２のステップ（図８（ｂ））において、センサ２２は、針キャップ３２を検出し、薬剤容器１１は、針ハブ３１と針９と共に、後退位置から基部壁２に向かって、針ハブ３１及び針９が針キャップ３２（図８（ｃ））内に入るまで動かされる。第３のステップ（図８（ｃ））において、エンジン２７が自動的に作動され、保持部材２４を定めるレバー２８が貫通孔８の中に向かって横断方向に動かされ、針ハブ３１が薬剤容器の後退位置に向かって動くのを防止する。第４のステップ（図８（ｄ））において、薬剤容器１１は、保持部材２４により保持された針ハブ３１及び針ハブ３１に固定された針９を伴わずに、後退位置に戻される。第５のステップ（図８（ｅ））において、ユーザは、針組立体３０を貫通孔８から取り外す。

図９は、基部カバーモジュール１４を装置主要部１３からどのように取り外すことができるかを示す。基部カバーモジュール１４及び主要部１３は、部分１３、１４の一方に設けられた対応する凹部３４（図３参照）と協働する、部分１３、１４の他方、例えば主要部１３に設けられたフック付きタブ３３（図２参照）により組み立てられる。第１のステップ（図９（ａ））において、摺動ボタン１９が作動され、装置主要部１３の側壁６内に設けられたバッテリパック３５を解放する。バッテリパック３５は取り外され（図９（ｂ））、バッテリパック３５に隠れていた摺動ボタン３６（図９（ｃ））が作動され、基部カバーモジュール１４をロック解除する。次いで、基部カバーモジュール１４を、タブ３３（図２）に当接する停止部３７（図３参照）により定められる位置まで、側方に動かすことができる。この位置において、タブ３３は凹部３４の開放部３８内にあり、もはや部分１３、１４が互いに軸方向に分離することを防止しない。このように、基部カバーモジュール１４を、装置主要部１３から軸方向に分離することができる（図９（ｅ））。

基部カバーモジュール１４を装置主要部１３に取り付けるために、基部カバーモジュール１４を、図９（ｅ）及び図９（ｄ）に示されるものとは逆に動かし、バッテリパック３５を再挿入する必要がある。図１０は、基部カバーモジュール１４を装置主要部１３に取り付ける動作を示す。ボタン３６は、ばね荷重式であり、基部カバーモジュール１４の取り付け位置において、基部カバーモジュール１４の孔４０（図３にも見える）内に係合する端部分３９（図２にも見える）を有する。孔４０は、基部カバーモジュール１４の上部壁を形成し、凹部３４も定め、かつ貫通孔８が横切るプレート４１により定められる。図９（ｃ））に示すようにボタン３６をばねの作用に対抗して作動させることにより、ボタン３６が孔４０の外に後退され、従って基部カバーモジュール１４がロック解除される。基部カバーモジュール１４が装置主要部１３に取り付けられると、より正確には図９（ｄ）に示されるものと逆の動きをすると、ボタンの端部分３９の傾斜面４２は、プレート４１の対応する傾斜面４３上を摺動し、ボタン３６が孔４０と位置合わせされるまでばねの作用に対抗して後退させ、従ってボタン３６がばねにより孔４０内に押し込まれて基部カバーモジュール１４をロックするまで、ボタン３６をばねの作用に対抗して後退させる（図１０（ｂ））。この動きの際、孔４０に係合するボタン端部分３９によりカチッと音を立て、このカチッという音は、基部カバーモジュール１４が装置主要部１３に正しく取り付けられたことをユーザに示す。

従って、本発明において、注入部位に接触することを意図した皮膚接触面１０は、洗浄及び／又は消毒及び／又は滅菌のために注入装置から取り外すことができる基部カバーモジュール１４により定められる。同じ又は別の患者に対して、基部カバーモジュール１４を別の同一のモジュールと置き換えることもできる。基部カバーモジュール１４のかかる清浄性及び互換性により、別の患者が装置の主要部１３を再使用することが可能になる。

さらに、基部カバーモジュール１４をロック解除するためのボタン３６がバッテリパック３５に隠れていると、基部カバーモジュール１４を偶発的に取り外すことができないので、装置の使用の安全性が高まる。

Claims (11)

1. 液状薬剤を患者に注入するための注入装置であって、主要部と、取り外し可能モジュールを含み、前記主要部は針に接続された薬剤容器を収容するよう配置され、前記取り外し可能モジュールは、皮膚接触面を含み、前記皮膚接触面は、前記針を通すための貫通孔を有するとともに前記注入中に前記患者の皮膚上にあることを意図した皮膚接触面を含むことを特徴とする注入装置。
2. 前記取り外し可能モジュールは、前記皮膚接触面と前記患者の皮膚との間の接触を検出するためのセンサを含むことを特徴とする、請求項１に記載の注入装置。
3. 前記薬剤容器を、前記皮膚接触面に向かって第１の位置から第２の位置へ又は前記皮膚接触面から離れるように前記第２の位置から前記第１の位置へ動かすための機構をさらに含むことを特徴とする、請求項１または請求項２に記載の注入装置。
4. 前記取り外し可能モジュールは、前記薬剤容器を前記第１の位置から前記第２の位置へ動かして前記針を前記薬剤容器に自動的に接続する間、前記針を含む針組立体を前記貫通孔内に保持するための解放可能タブを含むことを特徴とする、請求項３に記載の注入装置。
5. 前記取り外し可能モジュールは、前記針組立体の前記貫通孔への挿入を検出するためのセンサを含むことを特徴とする、請求項４に記載の注入装置。
6. 前記取り外し可能モジュールは、前記針組立体の前記貫通孔への挿入を制限するための１つ又はそれ以上の当接部を含むことを特徴とする、請求項４または請求項５に記載の注入装置。
7. 前記取り外し可能モジュールは、前記薬剤容器を前記第２の位置から前記第１の位置へ動かして前記針を前記薬剤容器から自動的に取り外す間、前記針を前記貫通孔内に保持するように作動させることができる保持部材を含むことを特徴とする、請求項３〜請求項６のいずれかに記載の注入装置。
8. 前記取り外し可能モジュールは、前記保持部材を作動させるためのエンジンを含むことを特徴とする、請求項７に記載の注入装置。
9. 前記取り外し可能モジュールは、前記主要部の対応する電気接点と協働する電気接点を含むことを特徴とする、請求項１〜請求項８のいずれかに記載の注入装置。
10. 静止位置において、前記取り外し可能モジュールをロックして前記主要部から外れるのを防止し、作動時に、前記取り外し可能モジュールをロック解除して前記主要部から外れることを可能にするボタンをさらに含むことを特徴とする、請求項１〜請求項９のいずれかに記載の注入装置。
11. 前記ボタンは、前記注入装置の取り外し可能バッテリパックに隠れていることを特徴とする、請求項１０に記載の注入装置。

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