JP2015522666A - 脂環式ジオールから製造される高性能ポリスルホン - Google Patents

脂環式ジオールから製造される高性能ポリスルホン Download PDF

Info

Publication number
JP2015522666A
JP2015522666A JP2015512050A JP2015512050A JP2015522666A JP 2015522666 A JP2015522666 A JP 2015522666A JP 2015512050 A JP2015512050 A JP 2015512050A JP 2015512050 A JP2015512050 A JP 2015512050A JP 2015522666 A JP2015522666 A JP 2015522666A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
poly
aryl ether
ether sulfone
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015512050A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6605954B2 (ja
Inventor
アトゥール バトナーガル,
アトゥール バトナーガル,
ホン チェン,
ホン チェン,
シャンタル ルイス,
シャンタル ルイス,
ナルマンダフ テイラー,
ナルマンダフ テイラー,
ジョーエル ポリーノ,
ジョーエル ポリーノ,
Original Assignee
ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー
ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー, ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー filed Critical ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー
Publication of JP2015522666A publication Critical patent/JP2015522666A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6605954B2 publication Critical patent/JP6605954B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G75/20Polysulfones
    • C08G75/23Polyethersulfones
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D69/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D69/08Hollow fibre membranes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/66Polymers having sulfur in the main chain, with or without nitrogen, oxygen or carbon only
    • B01D71/68Polysulfones; Polyethersulfones
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D1/00Containers having bodies formed in one piece, e.g. by casting metallic material, by moulding plastics, by blowing vitreous material, by throwing ceramic material, by moulding pulped fibrous material, by deep-drawing operations performed on sheet material
    • B65D1/02Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents
    • B65D1/0207Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by material, e.g. composition, physical features
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/01Use of inorganic substances as compounding ingredients characterized by their specific function
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/0008Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/13Hollow or container type article [e.g., tube, vase, etc.]

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

少なくとも1つの−S(=O)2−基を有する少なくとも1種の芳香族ジハロ化合物と、少なくとも1つの脂環式部分(M)を含む少なくとも1種のジオール(D)とから誘導される繰り返し単位を含むポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー。

Description

本出願は、2012年5月15日出願の米国仮特許出願第61/647356号および2012年9月5日出願の欧州特許出願第12183142.4号に基づく優先権を主張する。上記特許出願のそれぞれの全内容は、全ての目的に関して、参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明は、特異的な性質を特徴とする脂環式部分を有する、新規なポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーに関する。本発明は更に、本発明のポリマー、ポリマーを含む組成物、及びポリマーから製造される物品にも関する。
ポリ(アリールエーテルスルホン)は、少なくとも1種のエーテル基(−O−)、少なくとも1種のスルホン基(−SO−)、及び少なくとも1種のアリーレン基を含む任意のポリマーを記載するのに使用される総称である。
ポリ(アリールエーテルスルホン)の商業的に重要な群には、PSUとして本明細書に特定されるポリスルホンポリマーがある。PSUは、ジフェニルスルホンとビスフェノールA(BPA)の反応単位を含む。このPSUは、Solvay Specialty Polymers,L.L.C.から市販されている(すなわち、商品名UDEL(登録商標))。UDELの繰り返し単位の構造は、ビスフェノールA(BPA)と4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(DCDPS)の縮合により製造される。
PSUはガラス転移温度が約185℃と高く、高い強度及び靱性を示す。
RADEL(登録商標)(ポリフェニルスルホン、本明細書においてPPSUと特定)は、Solvay Advanced Polymersから入手可能なもう1つのポリスルホンであり、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(DCDPS)及び4,4’−ビフェノール(BP)の反応単位により製造される。
他のポリスルホンには、少なくとも2種の異なる種類のスルホン及び/又はジフェノール基を有するコポリマーがある。VERADEL(登録商標)ポリエーテルスルホンは、Solvay Specialty Polymers,L.L.C.から入手可能だが、式−Ar−SO−Ar−O−の繰り返し単位又は反復単位から製造されるポリエーテルスルホン部分を含み、式中、Arは、フェニル、ビフェニル、ビスフェノールなどの置換若しくは非置換のアリール基又は芳香環若しくは複素芳香環を含む他のアリール基である。
優れた加水分解安定性及び耐薬品性に加え、これらの優れた機械的特性及び熱的特性のため、ポリ(アリールエーテルスルホン)は、配管用物品、フードサービス用物品、医療用トレー、膜などの幅広い範囲の最終用途の温度(−40℃〜204℃)で扱う多種多様な用途の製品を製造するために用いられてきた。
水、食品、薬品及び/又は血液と接触する必要があるものを含む用途では、食品医薬品局(FDA)、欧州食品安全機関、及び環境保護庁(EPA)などの機関によって義務付けられている特定の要件を満たすポリマー材料を使用する必要がある。EPAが、環境試験を要する懸念物質リストにBPAを加えるだろうということが言及された。しかし、FDAがプラスチックから抽出されるBPAの要件に関する規制をまだ行っていないことに注意が必要ではあるが、将来、BPAを含むポリマー材料の使用がより厳しく規制されるであろう。
繰り返し単位が、特にはUDEL(登録商標)ポリスルホンなどのビスフェノールA(BPA)由来及び/又は特にはRADEL(登録商標)ポリフェニルスルホンなどの4,4’−ビフェノール(BP)由来である、市販のポリ(アリールエーテルスルホン)のいくつかの主な問題点の一つは、前記ポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーがUV光に長時間晒されることで悪影響を受けうることである。
したがって、特にははるかに優れた機械的特性(特には引張強度)の保持、及び、長時間UVに暴露した際の光学的透明度(すなわち%透過率)の最小限の損失などの、上述した現行のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーには見られない他の複数の有益な特性を示しつつも、市販のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーが現在有する全ての利点を有し、工業スケールでの製造が容易であり、コストが高くなく、良好なあるいは向上した機械的特性(特には降伏点伸びなど)及び熱的特性を示す、BPAモノマー及び/又はBPモノマーを含まない新規なポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーが継続的に必要とされている。
出願人は、特定のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーが、非常に良好なUV照射耐性を示しつつも(特には機械的特性の維持、及び、長時間UVに暴露した際の光学的透明度(すなわち%透過率)の最小限の損失)、上述の問題を解決することができ、良好な機械的特性を示すことを見出した。更に、新規なポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは実質的にエストロゲン活性を示さない。
したがって本発明の目的は、少なくとも1つの−S(=O)−基を有する少なくとも1種の芳香族ジハロ化合物と、一般式(I)
HO−Q−OH (I)
(式中、Qは、少なくとも1つの脂環式部分(M)を有する、4〜30個、好ましくは8〜15個の炭素原子を含む基である)
で表される少なくとも1種のジオール(D)との直接反応から誘導される繰り返し単位を含むポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーである。
本発明のもう1つの目的は、少なくとも1つの−S(=O)−基を有する少なくとも1種の芳香族ジハロ化合物と、一般式(I)
HO−Q−OH (I)
(式中、Qは、少なくとも1つの脂環式部分(M)を含む、4〜30個、好ましくは8〜15個の炭素原子を含む基であり、ただし、前記脂環式部分(M)は環中にヘテロ原子を含まない)
で表される少なくとも1種のジオール(D)との直接反応から誘導される繰り返し単位から本質的になり、ただし、8000より大きい数平均分子量(M)を有する、ポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーである。
「から本質的になる」という表現は、本発明との関連において、ポリマーの構成成分を定義するために使用され、ポリマーの基本的特性を変えることなく、前記ポリマーに少量含まれていることがある末端鎖、欠陥、不規則部分(irregularities)及びモノマー再配列が考慮に入れられる。
本発明によれば、ポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、有利には10000より大きい、より好ましくは12000より大きい、より好ましくは15000より大きい、より好ましくは20000より大きい、数平均分子量(M)を有する。
ポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーの数平均分子量(M)の上限は特に厳密ではなく、最終的な用途の分野の観点から当業者によって選択されるであろう。
本発明のある実施形態では、ポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、有利には120000以下、好ましくは100000以下、好ましくは90000以下、好ましくは80000以下、好ましくは70000以下、好ましくは68000以下、好ましくは55000以下の数平均分子量(M)を有する。
本発明のある実施形態では、ポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、有利には8000〜100000の範囲、好ましくは10000〜80000の範囲、好ましくは12000〜70000の範囲の数平均分子量(M)を有する。
「数平均分子量(M)」という表現は、本明細書では通常の意味にしたがって使用され、数学的には以下のように表される:
Figure 2015522666
(式中、Miはポリマー分子の分子量の計数値であり、Nは分子量Mであるポリマー分子の数であり、また、全てのポリマー分子の重量はΣMであり、ポリマー分子の総数はΣNである)。
はポリスチレン標準で校正したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で適切に測定することができる。
特にGPCで測定することができる他の分子パラメータとしては、重量平均分子量(M)がある:
Figure 2015522666
(式中、Mはポリマー分子の分子量の計数値であり、Nは分子量Mであるポリマー分子の数であり、また分子量Mであるポリマー分子の重量はMである)。
本発明の目的のため、本明細書では多分散指数(PDI)は、数平均分子量(M)に対する重量平均分子量(M)の比率として表現される。
本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、有利には1.5より大きい、好ましくは1.90より大きい、より好ましくは2.00より大きい多分散指数(PDI)を有する。
本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、有利には4.0未満、好ましくは3.8未満、好ましくは3.5未満の多分散指数(PDI)を有する。
本発明のある具体的な実施形態では、前記ポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー中のすべてのポリマー分子に対する、上述したようなポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー中に含まれる3000未満の分子量を有するポリマー分子の画分(以降%画分M<3000は、有利には10%未満、好ましくは8%未満、より好ましくは5%未満である。
%画分M<3000は、ポリスチレン標準で校正したゲルパーミエーションクロマトグラフィーソフトウェアを用いることによって、GPCクロマトグラフムのスライスデータから適切に決定することができ、その場合、次式に対応する:
Figure 2015522666
(式中、AU(検出器応答はμV)がY軸単位であり、log M(分子量の対数)がX軸単位である)。
ポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、先に詳述された、少なくとも1つの−S(=O)−基を有する少なくとも1種の芳香族ジハロ化合物及び一般式(I)を有する芳香族ジオール(D)から誘導される繰り返し単位を10重量%より多く、好ましくは30重量%より多く、より好ましくは50重量%より多く、更に好ましくは70重量%より多く、最も好ましくは90重量%より多く含む。
本発明の他の実施形態において、ポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、先に詳述された、少なくとも1つの−S(=O)−基を含む少なくとも1種の芳香族ジハロ化合物及び一般式(I)を有する芳香族ジオール(D)から誘導される繰り返し単位から本質的になる。末端鎖、欠陥、及び微量成分は、このポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーの性質を実質的に変えることなくその微細構造に入ることができる。
本発明では、芳香族ジオール(D)と重合できる少なくとも1つの−S(=O)−基を含む芳香族ジハロ化合物が好適である。
本発明の目的に好適な芳香族ジハロ化合物の非限定的な例は、一般式(II):
X−[Ar−SO−Ar]−[Ar]−[Ar−SO−Ar]−X (II)
(式中、n及びmは、独立に、0、1、2、3、又は4であり;
Xは、塩素、フッ素、臭素、及びヨウ素から選択されるハロゲンであり;
Ar、Arは同じ又は互いに異なり、下記式:
Figure 2015522666
の芳香族部分であり、
Arは、下記からなる群から選択され:
Figure 2015522666
Riは、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ又はアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン、及び四級アンモニウムからなる群から独立に選択され、iは、0、1、2、3、又は4である)
の化合物である。
一般式(II)の化合物において、n及びmは、好ましくは独立に、0、1、又は2であり、より好ましくは、n及びmは0又は1である。また、Xは、好ましくは、F及びClから選択される。さらに、Riは、好ましくは、水素及びハロゲンからなる群から独立に選択され、より好ましくは、Riは全て水素である。
本発明によると、上述の「一般式(II)の化合物」は、特に下記分子のいずれかになり得る:
Figure 2015522666
(式中、Xは、同じ又は異なっており、塩素、フッ素、臭素、及びヨウ素から選択されるハロゲン原子である)。上記構造は、上述のRiに類似の基により置換されていてもよい。
言い換えると、一般式(II)の化合物は、ジハロジフェニルスルホン、例えば、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4’−ジブロモジフェニルスルホン、及び4,4’−ジヨードジフェニルスルホン、又は混合誘導体でよい。第一の実施形態では、最も好ましい芳香族ジハロ化合物は4,4’−ジクロロジフェニルスルホンである。第二の実施形態では、最も好ましい芳香族ジハロ化合物は4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンである。
一般式(II)の化合物は、4,4’−ビス−(4−クロロフェニルスルホニル)ビフェニル又は4,4”−ビス−(4−クロロフェニルスルホニル)ターフェニルであってもよい。
ジオール(D)は、好ましくは少なくとも1つの脂環式部分(M)を含む。用語「脂環式部分」は、脂肪族(すなわち芳香族でない)かつ環状(すなわち炭素原子が環状に連結)である部分のことをいう。脂環式部分(M)は、4〜8個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を含んでいてもよい。これは無置換であっても置換されていてもよい。
前述のように、脂環式部分(M)は環中にヘテロ原子を含まない。
言い換えると、脂環式部分の環状の骨格は、互いに連結した炭素原子のみからなる。
2つ以上の脂環式部分(M)がジオール(D)中に存在していてもよい。ジオール(D)中に2つ以上の脂環式部分(M)が存在する場合、これらは同じでも異なっていてもよい。
本発明の好ましい実施形態において、ジオール(D)は一般式(D):
Figure 2015522666
(式中、
−A及びA’は、互いに及び各存在において同じ又は異なり、独立に、結合、又は、場合によりハロゲン原子を含む二価の基からなる群から選択され、
−Bは独立に、結合、又は、場合によりハロゲン原子を含む二価の基からなる群から選択され、
−各Cは、互いに同じ又は異なり、少なくとも1つの脂環式部分(M)を有する脂環式基であり、
−n、m、及びkは互いに同じ又は異なり、独立して1〜4の整数であり、qは0又は1である)
で表される。
ジオール(D)が多環式の脂環式部分を含み、前記多環式の脂環式部分が2つ以上の縮合した脂環式部分(M)を含んでいてもよい。典型的には、多環式の脂環式部分は、2つの縮合した脂環式部分(M)、3つの縮合した脂環式部分(M)、又は4つの縮合した脂環式部分(M)を含む。それぞれの縮合した脂環式部分(M)は、典型的には4〜8個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を含む。
更に、一般式(D)に従うジオールは、異なる立体配置及び位置配置で存在してもよいことが理解される。したがって、例えば2つのヒドロキシル基は互いに対してシス配置であってもトランス配置であってもよい。
好適なジオール(D)は、以下からなる群から選択することができる。
Figure 2015522666
本発明の別の好ましい実施形態では、ジオール(D)は、下に示す式(D−5)で表されるものである。
Figure 2015522666
式(D−1)〜(D−5)に従うジオールは、異なる立体配置で存在していてもよい。簡潔化のために、結合の立体化学、特には式(D−1)〜(D−5)中のC−OH結合又はC−CHOH結合の立体配置は本明細書では示していない。全ての立体異性体は、それぞれ単一のものもそれらの混合物も、各式(D−1)〜(D−5)に包含されることが理解されなければならない。
したがって、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(CBDO)の場合、式(D−1)には、シス異性体、トランス異性体、及び任意の比率のこれらの混合物が包含される。
ある具体的な実施形態では、本発明にかかるポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、以下の繰り返し単位を含む。
{-[Ar−SO−Ar]-[Ar]-[Ar-SO-Ar]-O-Q-O-} (III)
この場合、本発明にかかるポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、有利には10重量%より多い、好ましくは30重量%より多い、より好ましくは50重量%より多い、更に好ましくは70重量%より多い、最も好ましくは90重量%より多い、式(III)の繰り返し単位を含む。本発明にかかるポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーが以下の式(IV)及び式(V)の繰り返し単位からなる場合に優れた結果が得られた。
Figure 2015522666
ある具体的な実施形態では、本発明にかかるポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、少なくとも1つの−S(=O)−基を有する少なくとも1種の芳香族ジハロ化合物と、上述の一般式(D−1)、(D−2)、(D−3)、及び(D−4)から選択される少なくとも2種のジオール(D)とから誘導される繰り返し単位を含む。より好ましくは、本発明にかかるポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、少なくとも1つの−S(=O)−基を有する少なくとも1種の芳香族ジハロ化合物と、2種のジオール(D−1)及び(D−2)とから誘導される繰り返し単位を含む。
別の具体的な実施形態では、本発明にかかるポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、少なくとも1つの−S(=O)−基を有する少なくとも1種の芳香族ジハロ化合物と、少なくとも1種のジオール(D−5)とから誘導される繰り返し単位を含む。
本発明の他の実施形態において、異なる実施形態内にあるポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、芳香族ジオール(D)とは異なる芳香族ジオール(AD)から誘導される繰り返し単位をさらに含むことがある。芳香族ジハロ化合物(II)と重合できる任意の芳香族ジオールが、芳香族ジオール(AD)としての使用に好適である。そのような芳香族ジオール(AD)の非限定的な例は、4,4’−ビフェノール(すなわち4,4’−ジヒドロキシビフェニル)、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルスルホン(ビスフェノールSとしても知られる)、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルエーテル、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼンである。
4,4’−ジハロジフェニルスルホンと、上述の式(D−1)及び/又は(D−2)を満たすものからなる群から選択されるジオールとから誘導される繰り返し単位を含むポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーが特に好ましい。
本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、有利には140℃より高い、好ましくは160℃より高い、より好ましくは180℃より高い、更に好ましくは200℃より高い、また更に好ましくは225℃より高い、最も好ましくは250℃より高い、ガラス転移温度を示す。
本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、有利にはアモルファスかつ透明である。
本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、先に詳述された少なくとも1つの−S(=O)−基を含む芳香族ジハロ化合物と、上述の式(I)で表されるジオール(D)とから重縮合反応によって製造してもよい。重縮合反応は、公知の方法、すなわち炭酸塩法;アルカリ金属水酸化物法;又は、相間移動触媒法により実施することができる。
ある具体的な実施形態において、本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、炭酸塩法に従って実施される重縮合反応により調製される。前記炭酸塩法は、重縮合反応において、実質的に等モル量の先に詳述された式(I)の芳香族ジオール(D)と先に詳述された少なくとも1つの−S(=O)−基を含む少なくとも1種の芳香族ジハロ化合物を、極性非プロトン性溶媒を含む溶媒の存在下でアルカリ金属炭酸塩と接触させることを含む。
必要であれば、上述の少なくとも1つの−S(=O)−基を含む芳香族ジハロ化合物と、上述の式(I)で表されるジオール(D)の純度は、有利にはガスクロマトグラフィーによって測定される面積として、約97面積%より大きい。
炭酸塩法に従って行われる方法は、式(I)のジオール(D)と、例えば4,4’−ジクロロジフェニルスルホン又は4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンなどの少なくとも1種のジハロジアリールスルホンとを、実質的に等モル量接触させることによって行われる。大過剰の炭酸塩を用いた場合に非常によい結果が得られた。
アルカリ金属炭酸塩は、好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、及び炭酸セシウムである。炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムが特に好ましい。2種以上の炭酸塩の混合物、例えば炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムとナトリウムより大きい原子番号を有する第2のアルカリ金属炭酸塩又は重炭酸塩との混合物を使用できる。
平均粒径が約100μm未満であるアルカリ金属炭酸塩の使用が特に好ましい。より好ましくは、平均粒径が約50μm未満であるアルカリ金属炭酸塩が使用される。さらにより好ましくは、平均粒径が約30μm未満であるアルカリ金属炭酸塩が使用される。そのような粒径を有するアルカリ金属炭酸塩を使用すると、ポリマーの合成を、比較的低い反応温度でより速い反応で実施することができる。炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム塩を、単独又は組み合わせて使用して、所望の分子量特性を有するポリマーを与えることができる。カリウム塩を使用すると、より高い分子量のポリマーを得ることができる。
成分は、極性非プロトン性溶媒を含む溶媒混合物中に溶解又は分散される。望まれる場合、追加溶媒を、水との共沸混合物を形成する極性非プロトン性溶媒と共に使用して、それにより重合の間に副生成物として形成される水を、ポリマーの間連続的に共沸蒸留により除去できる。一般に、反応媒体は、反応塊から水を連続的に除去することにより、重合の間、実質的に無水状態に維持される。水は、蒸留によっても、上述のとおり共沸混合物としての共沸混合物形成溶媒によっても除去できる。
本発明では、用語「追加溶媒」は、所与の反応の反応物及び生成物とは異なる溶媒を意味するように理解される。
使用される極性非プロトン性溶媒は当該技術分野に通常知られているものであり、ポリ(アリールエーテルスルホン)の製造に広く使用されている。例えば、その環式アルキリデンアナログを含むアルキル基が1から8個の炭素原子を含み得るジアルキルスルホキシド及びジアルキルスルホンと総称的に当該技術分野において記載され、公知である硫黄含有溶媒は、ポリ(アリールエーテルスルホン)の製造における使用のために当該技術分野に開示されている。具体的には、本発明の目的に好適になり得る硫黄含有溶媒の中でも、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、ジエチルスルホキシド、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド(通常、テトラメチレンスルホン又はスルホランと呼ばれる)、及びテトラヒドロチオフェン−1−モノオキシド、並びにこれらの混合物がある。ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、及びN−メチルピロリジノン(すなわちNMP)などを含む窒素含有極性非プロトン性溶媒は、これらのプロセスにおける使用のために当該技術分野に開示されており、本発明の実施に有用であることも見いだされ得る。
水と共沸混合物を形成する追加溶媒は、一般的に、モノマー成分及び極性非プロトン性溶媒に対して不活性であるように選択されるだろう。そのような重合プロセスに使用するための好適な共沸混合物形成溶媒には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素がある。
共沸混合物形成溶媒と極性非プロトン性溶媒は、典型的には約1:10〜約1:1、好ましくは約1:5〜約1:3の重量比で用いられる。
通常、最初の昇温期間の後、反応混合物の温度は有利には約3〜8時間、150〜220℃の範囲に維持される。
典型的には、反応が大気圧で実施される場合、選択される溶媒の沸点が、反応の温度を通常制限する。反応は、簡便には、不活性雰囲気、例えば窒素中で、大気圧で実施できるが、より高い圧力又はより低い圧力も利用できる。
好ましくは、所望の分子量が得られた後、ポリマーは、塩化メチル又は塩化ベンジルなどの活性化された芳香族ハライド又は脂肪族ハライドにより処理される。ポリマーのそのような処理は、末端ヒドロキシル基を、ポリマーを安定化させるエーテル基に変える。そのように処理されたポリマーは、良好な溶融安定性及び酸化安定性を有する。
他の実施形態において、本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、アルカリ金属水酸化物法により実施される重縮合反応により調製される。本発明のポリマーを調製する炭酸塩法は単純で簡便であるが、場合によっては高分子量の生成物を前記アルカリ金属水酸化物法によって製造できる。アルカリ金属水酸化物法においては、二価フェノールの二重アルカリ金属塩は、極性非プロトン性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、ジエチルスルホキシド、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド(通常、テトラメチレンスルホン又はスルホランと呼ばれる)、及びテトラヒドロチオフェン−1−モノオキシド、並びにこれらの混合物などの硫黄含有溶媒の存在下で、実質的に無水条件下でジハロベンゼン様化合物と接触させられる。
さらに他の実施形態において、本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、相間移動触媒法に従って実施される重縮合反応により調製される。炭酸塩法及びアルカリ金属水酸化物法は、極性非プロトン性溶媒の存在下で通常実施されるが、相間移動触媒法は、相間移動触媒の使用のために非極性溶媒中で実施でき、芳香族ビスヒドロキシモノマー(例えば、式(I)の芳香族ジオール(D))の塩が有機相へ取り込まれるのを促進する。
相間移動触媒法は先行技術で知られており、二価フェノールの二重アルカリ金属塩を、実質的に等モルのジハロベンゼン様化合物と接触させることによって行うことができる。ただし、実質的に無水条件下で液状有機スルホン又はスルホキシド溶媒及び共溶媒の存在は必要とされず、この反応のために相間移動触媒が使用される。
ポリ(アリールエーテルスルホン)は、当該技術分野に周知であり広く利用されている方法により、例えば、凝固、溶媒蒸発などにより回収できる。
生じたポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、まずスルホラン又はスルホランと他の溶媒、任意選択的に共沸混合物溶媒との混合物などを加えて、又は加えずに塩を分離して、ポリマーを完全に溶解させ、金属ハライドの沈殿を起こした後で、反応混合物の揮発分除去により単離できる。或いは、ポリマーは、反応混合物を、アルコール若しくは水、又はこれらの混合物などの、ポリマーにとっての非溶媒と接触させることにより、沈殿及び/又は凝固により単離できる。沈殿物/凝固物を、脱イオン水ですすぎ、かつ/又は洗浄してから、減圧下高温で乾燥できる。生じた沈殿物は、押出及びペレット化によりさらに加工できる。その後、ペレット化生成物に、射出成形及び/又はシート押出などの溶融加工をさらに施すことができる。生じたポリ(アリールエーテルスルホン)の成形、押出、及び熱成型の条件は当該技術分野に周知である。
本発明にかかるポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、UV光に対する優れた耐性という予期しなかった特徴を有しつつも、現行の固体ポリスルホンの全ての利点を特徴とする。更に、本発明にかかるポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーの製造に使用されるジオール(D)は内分泌活性を示さず、そのため、水、食品、薬品、及び/又は血液と接触する必要がある用途で用いられるポリマー製造のための理想的な候補である。
本発明は、少なくとも1種の本発明のポリマー及び少なくとも1種の他の成分を含むポリマー組成物にも関する。前記他の成分は、別の種類のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーであってもよい。前記他の成分は、ポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー以外のポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン及びポリエチレングリコールなどでもよい。それは、溶媒、充填剤、滑沢剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、防曇剤、つや消し剤、顔料、染料、及び蛍光増白剤などの非ポリマー性成分でもよい。
そのようなポリマー組成物の例は、膜の製造に好適なドープ溶液である。ドープ溶液とは、膜の製造、すなわちキャスト、スピンなどによる製造に使用するための溶液のことをいう。
本発明にかかる組成物のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーは、その全ての実施形態において、先に詳述された本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーと同じ特性を有する。
ポリマー組成物は、組成物の総重量に対して、好都合には1重量%を超える、好ましくは10重量%を超える、さらにより好ましくは50重量%を超える、最も好ましくは90重量%を超えるポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーを含む。
本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー又はポリマー組成物に対しては、その後、例えば所望の形状の物品への成形(射出成形、押出成形、ブロー成形)、カレンダー加工、又はメルトスピンなどによる、二次加工を行うことができる。
出願人は、驚くべきことに、上述の本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー又はポリマー組成物が、高性能のポリマー膜を得るのに有用な非常に優れた特性を示すことを見出した。
本発明の好ましい実施形態では、本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー又はポリマー組成物は膜の製造のために使用される。
本発明は、上述のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー又は上述のポリマー組成物を含む物品にも関する。
本発明の物品に含まれるポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー及びポリマー組成物は、それら全ての実施形態において、先に詳述された本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー及びポリマー組成物とそれぞれ同じ特性を有する。
物品は膜であってもよい。本発明の目的に好適な膜には、等方性若しくは異方性の膜、多孔性若しくは非多孔性の膜、複合膜、又は対称若しくは非対称の膜があるが、これらに限定されない。そのような膜は、平坦構造、波形構造(波形シートなど)、管状構造、又は中空繊維の形態でよい。本発明の膜は、従来の公知の膜調製方法のいずれを利用しても、例えば、溶液流延又は溶液紡糸法により製造できる。
膜用途の非限定的な例は、水精製、廃水処理、医薬品製造、血液浄化、特に血液透析、及び種々の工業的プロセス分離(industrial process separations)、例えば、食品及び飲料加工、電着塗装再生(electropaint recovery)、及びガス分離がある。
上述の物品は、管継手やバルブや多岐管や蛇口などの配管用物品、食品トレー、水用ボトル、又は哺乳瓶、調理器具などの、食品に接触する物品であってもよい。
上述の物品は電子部品であってもよい。
上述の物品はモバイル電子機器用のハウジング又はカバーであってもよい。
上述の物品は医療用トレー又は動物用ケージであってもよい。
出願人は、驚くべきことに、上述の本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー又はポリマー組成物が光学用途に有用な優れたUV特性を示すことを見出した。
上述の物品は、特にはサングラスのレンズ、眼鏡のレンズ、光学レンズ、光学ディスクなどの光学用物品であってもよい。
出願人は、驚くべきことに、上述の本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー又はポリマー組成物が、シート又はフィルムを製造するために使用することが可能な優れた耐候性を示すことを見出した。
本発明の別の目的は、上述の本発明のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー又はポリマー組成物を使用することを含む、基材のコーティング方法である。
基材の選択は、特に限定されない。このようなコーティングは、食品や飲料用の缶のコーティング、船舶保護、航空宇宙、自動車、ワイヤーコーティング、エレクトロニクス、光学、及びプラスチックなどの用途における特には金属などの、特にはステンレス鋼、アルミニウム、銅、及びその他の金属などの基材を保護するために有用であろう。
参照によって本願に組み込まれるいずれかの特許、特許出願、および刊行物の開示内容が、用語を不明確にし得る程度まで本出願の説明と対立する場合、本願の説明が優先されるものとする。
ここで本開示を、本開示の作用を説明することが意図され、そして本開示の範囲に何れかの限定を暗示することは意図されない実施例で説明する。
原料
UV曝露測定及び接触角測定用の膜及びフィルムの作製には、SOLVAY SPECIALTY POLYMERS USA,LLCから市販されているUdel(登録商標)ポリスルホンポリマー(P3500)を使用した。機械的特性測定用には、SOLVAY SPECIALTY POLYMERS USA,LLCから市販されているUdel(登録商標)ポリスルホンポリマー(P1700)を用いた。
RADEL(登録商標)R PPSU(R5100)は、SOLVAY SPECIALTY POLYMERS USA,LLCから市販されている。
シクロヘキサンジメタノール(CHDM−(D−2))と4,4−ジフルオロジフェニルスルホン(DFDPS)との重合−実施例1、2、及び実施例4
Figure 2015522666
実施例1:オーバーヘッドメカニカルスターラーと、窒素ディップチューブと、熱電対と、コンデンサーを有するDean−Starkトラップとを備えた250mlの4口フラスコに、DFDPS(25.42g)、CHDM(14.42g)、無水炭酸カリウム(平均粒径32μm)(27.64g)、及び無水スルホラン(83.64g)を入れた。反応混合物を撹拌し、温度を210〜215℃に上げ、3〜3.5時間保持した。水をトラップに回収した。反応混合物をMCB/スルホランで希釈し、濾過して塩を除去した。濾過した溶液を高速撹拌しているメタノール中に入れて凝固させ、メタノールで一旦再スラリー化した。凝固物を熱水で再スラリー化し、濾過し、真空オーブン中で120℃で乾燥した。
得られたポリマーのGPC法によって測定した分子量はMW−55,367、Mn−22,702であり、DSC法(2回目)によって測定したTgは150.58℃であった。
この手順を繰り返した。
実施例2:オーバーヘッドメカニカルスターラーと、窒素ディップチューブと、熱電対と、コンデンサーを有するDean−Starkトラップとを備えた500mlの4口レジンケトルに、DFDPS(63.56g)、CHDM(36.05g)、無水炭酸カリウム(平均粒径32μm)(69.10g)、及び無水スルホラン(166.42g)を入れた。反応混合物を撹拌し、温度を210〜215℃に上げ、7時間保持した。水をトラップに回収した。重合の終わりに反応混合物に塩化メチルを30分吹き込んだ。反応混合物をNMP/スルホランで希釈し、濾過して塩を除去した。濾過した溶液を高速撹拌しているメタノール中に入れて凝固させ、メタノールで一旦再スラリー化した。凝固物を熱水で再スラリー化し、濾過し、真空オーブン中で120℃で乾燥した。
得られたポリマーのGPC法によって測定した分子量はMw−84,178、Mn−31,062、%画分M<3000は0.51であり、DSC(2回目)によって測定したTgは169℃であった。
実施例4:DFDPS(152.48g、0.6mol)、CHDM(86.48g、0.6mol)、及び無水炭酸カリウム(165.77g、1.2mol)を用いた以外は実施例2と同じ手順に従った。反応混合物に粘りが出るまで反応混合物を210〜215℃で??時間保持した。目標とする分子量に達した後、スルホラン(300g)のみを投入し、反応混合物に塩化メチルを30分吹き込んで反応を終了させた。反応混合物を任意選択的に濾過して塩を除去し、高速撹拌している水の中に入れて直接凝固させ、その後、この塩を減らすために水で繰り返し洗浄した。ポリマーを真空オーブン中で、120℃で終夜乾燥した。
得られたポリマーのGPC法によって測定した分子量はMw−58,546、Mn−23,365、%画分M<3000は1.61であり、DSC(2回目)によって測定したTgは180℃であった。
テトラメチルシクロブタンジオール(CBDO)とDFDPSとの重合−実施例3、5、6及び比較例7
Figure 2015522666
実施例3:オーバーヘッドメカニカルスターラーと、窒素ディップチューブと、熱電対と、コンデンサーを有するDean−Starkトラップとを備えた250mlの4口フラスコに、DFDPS(25.42g)、CBDO(14.42g)、無水炭酸カリウム(平均粒径32μm)(27.64g)、DMAc(66.7g)及びトルエン(25g)を入れた。反応混合物を撹拌し、還流まで温度を上げて7時間保持した。水をトラップに回収した。反応温度を155〜160℃に上げ、反応混合物に粘りが出るまで(約7〜8時間)保持した。塩化メチルを30分吹き込んで重合を停止させた。反応混合物をNMPで希釈し、濾過して塩を除去した。濾過した溶液を高速撹拌しているメタノール中に入れて凝固させ、メタノールで一旦再スラリー化した。凝固物を熱水で再スラリー化し、濾過し、真空オーブン中で120℃で乾燥した。
得られたポリマーのGPCによって測定した分子量はMw−81,869、Mn−32,044であり、DSC(2回目)によって測定したTgは258.75℃であった。
実施例5:オーバーヘッドメカニカルスターラーと、窒素導入口と、熱電対と、変形Barrrettトラップ及びコンデンサーを有するビグリューカラムとを備えた1Lのレジンケトルに、DFDPS(127.13g、0.5mol)、CBDO(72.11g、0.5mol)、無水炭酸カリウム(平均粒径32μm)(138.21g,1.0mol)、DMSO(332.85g)及びクロロベンゼン(110.95g)を入れた。反応混合物を撹拌し、還流するまで温度を上げ、ほとんどの水が留去されるまで保持した。水をトラップに回収した。反応温度を170℃に上げ、反応混合物に粘りが出るまで(約3時間)保持した。目標の分子量に達した後、クロロベンゼンを添加し、反応混合物を約120℃まで冷却し、その後塩化メチルを30分吹き込んだ。反応混合物を圧力式濾過装置を用いて2.7μmのフィルターパッドを通して濾過して塩を除去した。濾過した溶液を高速撹拌しているメタノール中に入れて凝固させ、メタノールで一旦再スラリー化した。白い繊維状のポリマーを水で2回洗浄し、その後メタノールで洗浄した。ポリマーを真空オーブン中で120℃で乾燥した。
得られたポリマーのGPCによって測定した分子量はMw−94,242、Mn−42,860、%画分M<3000は0.32であり、DSC(2回目)によって測定したTgは249℃であった。
実施例6:DFDPS(128.40g、0.505mol)、CBDO(72.11g、0.5mol)、及び無水炭酸カリウム(平均粒径32μm)(138.21g、1.0mol)を用いた以外は実施例5と同じ手順に従った。反応混合物を167〜172℃で約4時間保持した。更に、反応混合物をDMSOとMCBとの混合物(1:1)432gで希釈した後、2.7μmのフィルターパッドを通して濾過し、濾過後、熱したDMSOとMCBとの混合物(1:1)200gで更に洗浄した。
得られたポリマーのGPCによって測定した分子量はMw−113,487、Mn−42,525、%画分M<3000は0.73であり、DSC(2回目)によって測定したTgは247℃であった。
実施例7−オーバーヘッドメカニカルスターラーと、窒素ディップチューブと、熱電対と、コンデンサーを有するDean−Starkトラップとを備えた100mlの3口フラスコに、DCDPS(4.04g)、CBDO(2.0g)、無水炭酸カリウム(平均粒径32μm)(3.95g)、及びスルホラン(8.9g)を入れた。反応混合物を撹拌し、温度を210℃に上げ、20時間保持した。反応中、コンデンサーに白色結晶が堆積したが、これはその沸点に起因するCBDOモノマーであった。コンデンサーをヒートガンで熱してモノマーを溶液へ入れた。重合時間20時間経過後、混合物をNMPで希釈し、濾過して塩を除去した。濾過した溶液を高速撹拌しているメタノール中に入れて凝固させ、メタノールで一旦再スラリー化した。凝固物を熱水で再スラリー化し、濾過し、真空オーブン中で120℃で乾燥した。
得られたポリマーのGPCによって測定した分子量はMw−14,640、Mn−6,119、%画分M<3000は11.29であり、DSC(2回目)によって測定したTgは182℃であった。この低分子量ポリマーからはポリマーフィルムは製造できなかった。
シクロヘキサンジメタノール(CHDM−(D−2))とテトラメチルシクロブタンジオール(CBDO−(D−1))との混合物と、4,4−ジフルオロジフェニルスルホン(DFDPS)との重合
実施例8−CHDM/CBDO(50/50):オーバーヘッドメカニカルスターラーと、窒素導入口と、熱電対と、コンデンサーを有する変形Barrrettトラップとを備えた1Lのレジンケトルに、DFDPS(141.24g、0.56mol)、CBDO(39.66g、0.275mol)、CHDM(39.66g、0.275mol)、及び無水炭酸カリウム(228g、1.65mol)を入れた。粉末に窒素を15分間パージし、その後DMSO(366.1g)及びクロロベンゼン(122g)を添加した。反応混合物を撹拌し、温度を還流するまで上げ(約164℃)、ほとんどの水が留去されるまで保持した。水をトラップに回収した。反応温度を165〜173℃に上げ、反応混合物に粘りが出るまで(約8時間)保持した。高Mwになったところでクロロベンゼン(300g)を添加し、反応混合物を約120℃まで冷却した後、塩化メチルを30分吹き込んだ。反応混合物を382gのMCBで更に希釈し、圧力式濾過装置を用いて2.7μmのフィルターパッドを通して濾過して塩を除去した。濾過したポリマー溶液を高速撹拌しているメタノール中に入れて凝固させ、その後メタノールに入れて再スラリー化した。白い繊維状のポリマーを水で2回洗浄し、その後メタノールで洗浄した。ポリマーを真空オーブン中、120℃で終夜乾燥した。
得られたポリマーのGPCによって測定した分子量はMw−81,862、Mn−31,399、%画分M<3000は3.66であり、DSC(2回目)によって測定したTgは212℃であった。
実施例9−CHDM/CBDO(70/30):DFDPS(154.07g、0.61mol)、CBDO(25.96g、0.18mol)、CHDM(60.57g、0.42mol)及び無水炭酸カリウム(248.77g、1.8mol)を用いた以外は実施例8と同じ手順に従い、粉末に窒素を15分間パージした後にDMSO(399.42g)とクロロベンゼン(133.14g)を添加した。ほとんどの水が留去されるまで反応混合物を還流状態に保持し(約164℃)、水をトラップに回収した。反応温度を上げ、165〜170℃で約11時間保持した。
得られたポリマーのGPCによって測定した分子量はMw−68,097、Mn−26,423、%画分M<3000は1.52であり、DSC(2回目)によって測定したTgは201℃であった。
cis−1,5−シクロオクタンジオール(CODO)と4,4−ジフルオロジフェニルスルホン(DFDPS)との重合
Figure 2015522666
実施例10:オーバーヘッドメカニカルスターラーと、窒素ディップチューブと、熱電対と、コンデンサーを有するDean−Starkトラップとを備えた100mlの3口フラスコに、DFDPS(1.80g)、CODO(1.0g)、無水炭酸カリウム(平均粒径32μm)(1.20g)、及びスルホラン(7.5g)を入れた。反応混合物を撹拌し、オイルバスを用いて温度を210℃に上げた。重合は210℃で20時間行われ、溶液は粘りのある混合物になった。この混合物を100〜120℃に冷却し、NMPで希釈した。その後、この希釈した溶液を濾過して塩を除去し、濾過した溶液を高速撹拌しているメタノール中に入れて凝固させ、メタノールで一旦再スラリー化した。凝固物を熱水で再スラリー化し、濾過し、真空オーブン中で120℃で乾燥した。
得られたポリマーのGPCによって測定した分子量はMw−34,449、Mn−11,673、%画分M<3000は4.22であり、DSC(2回目)によって測定したTgは163℃であった。
実施例11:DFDPS(1.85g)、CODO(1.0)、及び無水炭酸カリウム(1.20g)を用いた以外は実施例10と同じ手順に従った。
得られたポリマーのGPCによって測定した分子量はMw−4,952、Mn−3,040、%画分M<3000は35であり、DSC(2回目)によって測定したTgは126.4℃であった。この低分子量ポリマーからはポリマーフィルムは製造できなかった。
実施例の材料に対して行われた次の特性評価は以降に示されている。
GPC法による分子量測定
GPC法は、室温で、Polymer Laboratoriesの2つの5μm mixed−D サイズ排除クロマトグラフィーカラムを用いて行った。ポンプとオートインジェクターとを備えたWaters 2695セパレーションモジュールを使用した。流量は1.5ml/分に維持した。25〜50mgのポリマーを10mlの塩化メチレンに添加したポリマー溶液を調製した。15μlのポリマー溶液を注入した。移動相として塩化メチレンを使用した。254nmの波長の紫外検出器を用いてクロマトグラムを得た。ポリスチレン標準(AgilentのEasycal PS2)を用いた校正、データ取得、及びデータ分析には、Watersのソフトウェア(Empower Pro GPC)を使用した。ピーク積算開始点と終了点は、ベースライン全体上の有意な差から手動で決定した。
物性測定
DSC測定は、TA Instruments Q20で、キャリアガスとして窒素を用いて(99.998%純度、50mL/分)、ASTM D3418−03、E1356−03、E793−06、E794−06に従って行った。温度と熱流の校正はインジウムを用いて行った。試料サイズは2〜7mgであった。
昇温サイクル:
1回目昇温サイクル:20.00℃/分で50.00℃〜300℃、300℃又は350℃で1分間等温。
1回目冷却サイクル:20.00℃/分で300℃〜50.00℃
2回目昇温サイクル:20.00℃/分で50.00℃〜300℃
ガラス転移温度は、ポリマー材料粉末について、転移前のベースラインと転移後のベースラインを描くことによる、ASTM D3418に従った2回目昇温のサーモグラムから測定を行った:Tgはこれらの2つのラインの半分の高さの温度である。
実施例1と2については、最高温度を300℃ではなく350℃とした。
UV安定性測定
UV耐候性測定
ポリマーフィルムは、実施例2、実施例5のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー、市販のUdel(登録商標)ポリスルホンポリマー、及びRadel(登録商標)ポリマーの20%のNMP溶液から、室温でクリーンガラスプレート上にキャストした。キャストにはBYK Gardenerの6ミルのドローバーを用いた。ガラスプレートを120℃の真空オーブン中に置き、減圧下で24時間乾燥した。フィルムをガラスプレートから注意深く持ち上げてひっくり返し、真空オーブン中で120℃で更に24時間乾燥した。試験の前に、すべてのフィルムについてGCで残存NMPがないかチェックし、溶媒が除去されていることを確認した。残存NMPは16〜1284ppmの範囲であった。結果として、100mm×10mm×30μmの前記フィルムの帯状片を作成した。
実施例10については、ポリマーフィルムは、24%wt/wtのDMFポリマー溶液を15milのドローバー(BYK Gardener)を用いて70℃に予熱したガラスプレート上にキャストすることにより作成した。その後、フィルムを真空オーブン中で120℃で48時間乾燥し、FT−IR(約1680cm−1のDMFのカルボニルバンド)を用いて残存溶媒をチェックし、紫外光に暴露するために耐候性試験機の中に置き、その後以下の条件に曝した。
典型的な耐候性試験では、実験データは光学的透明度(%透過率)とUV暴露時間との関係を示している。
前記耐候性試験は、タイプ「S」ホウケイ酸塩内部フィルターとソーダ石灰外部フィルターとを備えたAtlas ci4000キセノンウエザオメータを用いて行った。カットオフフィルターを用いて>340nmの全ての波長を除去した。全ての耐候性試験サイクルは、照射量0.30w/m、パネル温度55℃、チャンバー温度38℃、相対湿度55%に設定した。全ての他の変数はASTM G1555−4に従って制御した。
実施例2、実施例5、市販のUdel(登録商標)ポリスルホンポリマー、及びRadel(登録商標)ポリマーについては、作成した100mm×10mm×30μmの前記ポリマーフィルムの帯状片を最初に金属製の試験片ホルダー(Atlas SL−3T)に固定した。その後、固定した試料を上述した条件に長時間曝した(表1参照)。この間中、具体的にはそれぞれ24、29、48、72、84、及び144時間後、暴露したフィルム試料を取り出して透過スペクトルを測定した。透過スペクトルはスリット幅2nmに設定されたPerkin Elmer lambda 950 UV/Visスペクトロメーターを用いて、200nmから600nmまでスキャンして得た。350nmにおける%透過率(以降%Tという)は、UV暴露時間の関数として記録し、透過率の%損失はそれに基づいて計算した。実験結果を表1にまとめる。出願人は、驚くべきことに、実施例2及び実施例5のフィルムの100mm×10mm×30μmの帯状片が、144時間のUV暴露の後でさえもUV暴露で黄変しなかったこと、及び実施例10のフィルムが84時間のUV暴露の後でさえもUV暴露で黄変しなかったこと、を見出した。
引張強度(MPa)測定
上述の実施例2及び実施例5のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー、市販のUdel(登録商標)ポリスルホンポリマー、及びRadel(登録商標)ポリマーの20%NMP溶液から作成した前記フィルムに対して、ASTM882−10に従って引張強度(MPa)特性を試験した。フィルムの厚さは35〜40μmで異なっていた。フィルム試料の幅は10mmであった。25mm/分のクロスヘッド速度が用いられた。対照として使用したフィルム(UV曝露前)のゲージ長は50mmであり、UV曝露72時間後のフィルムは30mmであった。実験結果を表1にまとめる。
接触角測定
実施例2及び実施例5のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー、及び市販のUdel(登録商標)ポリスルホンポリマーの20%NMP溶液からキャストした、クリーンガラスプレート上に支持されたままの上述のポリマーフィルムを、真空オーブン中で120℃で乾燥した後、ドライボックス中で室温まで冷却した。フィルム表面に触れないように注意した。液滴法を用いた、Kruss GmbHのDSA20 Expert Easy Drop Standard Systemを使用した。超純水(15mho)を使用した。クリーンガラスプレート上に支持されているフィルム表面に3μlの液滴体積を乗せた。接触角測定を繰り返し、データを平均化した。実験結果を表1にまとめる。
吸水率測定
実施例2及び実施例5のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー、及び市販のUdel(登録商標)ポリスルホンポリマーの20%NMP溶液からキャストした、上述のポリマーフィルムを、ガラスプレートから剥がした後、脱イオン水の中に入れた。水中に保存されたフィルムの質量の増加を一定時間毎に測定し、平均吸水率を計算した。試験は24時間行った。実験結果を表1にまとめる。
水分流出率
実施例2及び実施例5のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー、及び市販のUdel(登録商標)ポリスルホンポリマーの20%w/w溶液(何中?)を、1milのBYK Gardnerドローバーを用いて40℃でガラスプレート上にキャストすることで多孔質膜を作製した。ガラスプレートをその後すぐに水浴(40℃)に浸漬し、転相によって多孔質膜を形成した。比較の水流出データは、10〜40psiの範囲の窒素で加圧することのできる、貯水槽と連結されたAmicon試験セルを用いて得た。実験結果を表1にまとめる。
出願人は、実施例2及び実施例5のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーから作製した、上で規定した前記多孔質膜のSEM像(すなわち、倍率500及び1500でEvex デスクトップSEM装置を用いて得たもの)から、前記多孔質膜の多孔質構造が同様の条件でキャストされたUdel(登録商標)ポリスルホンポリマーベースの膜の多孔質構造と同等であることが示されることを見出した。
Figure 2015522666
機械的特性測定
実施例4、5、8のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー、及び市販のUdel(登録商標)ポリスルホンポリマーを、4in×4in×0.125inのプレート状に圧縮成形した。前記ポリマーの4in×4in×0.125in圧縮成形プレートを、タイプV ASTM引張試験片に加工し、種々のポリマーのこれらの引張試験片に対してASTM法D638に従った引張試験を行った。試験速度は0.5”/分であった。
ASTM D256に従い、ノッチ半径0.398〜0.402”の範囲に切り欠いた試料に対して、振子容量2ftlbで、アイゾット衝撃試験を行った。
すべての機械的試験は周囲の環境と同じ条件で行った。
実験結果を表2にまとめる。
Figure 2015522666

Claims (15)

  1. 少なくとも1つの−S(=O)−基を有する少なくとも1種の芳香族ジハロ化合物と、一般式(I)
    HO−Q−OH (I)
    (式中、Qは、少なくとも1つの脂環式部分(M)を有する、4〜30個、好ましくは8〜15個の炭素原子を含む基である)
    で表される少なくとも1種のジオール(D)との直接反応から誘導される繰り返し単位を含む、ポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー。
  2. 少なくとも1つの−S(=O)−基を有する少なくとも1種の芳香族ジハロ化合物と、一般式(I)
    HO−Q−OH (I)
    (式中、Qは、少なくとも1つの脂環式部分(M)を有する、4〜30個、好ましくは8〜15個の炭素原子を含む基であり、ただし、前記脂環式部分(M)は環中にヘテロ原子を含まない)
    で表される少なくとも1種のジオール(D)との直接反応から誘導される繰り返し単位から本質的になり、8000より大きい数平均分子量(M)を有する、ポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー。
  3. 前記少なくとも1つの−S(=O)−基を有する芳香族ジハロ化合物が一般式(II):
    X−[Ar−SO−Ar]−[Ar]−[Ar−SO−Ar]−X (II)
    (式中、n及びmは独立に、0、1、2、3、又は4であり;
    Xは、塩素、フッ素、臭素、及びヨウ素から選択されるハロゲンであり;
    Ar、Arは同じ又は互いに異なり、下記式:
    Figure 2015522666
    の芳香族部分であり、
    Arは、下記式:
    Figure 2015522666
    からなる群から選択され、
    各Riは、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、アルカリ又はアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホネート、アミン、及び四級アンモニウムからなる群から独立に選択され、iは、0、1、2、3、又は4である)
    の化合物である、請求項1又は2に記載のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー。
  4. 前記一般式(II)で表される化合物が、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン及び4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンから選択される、請求項3に記載のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー。
  5. 前記少なくとも1種のジオール(D)が、下記式(D−1)、(D−2)、(D−3)、及び(D−4):
    Figure 2015522666
    を満たすものからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー。
  6. 前記少なくとも1種のジオール(D)が下記式(D−5):
    Figure 2015522666
    のものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー。
  7. 前記ジオール(D)とは異なる芳香族ジオール(AD)から誘導される繰り返し単位を更に含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーの製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーと、ポリマー、溶媒、充填剤、滑沢剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、防曇剤、つや消し剤、顔料、染料、及び蛍光増白剤から選択される少なくとも1種の他の成分を含むポリマー組成物。
  10. 膜の調製に好適なドープ溶液であることを特徴とする、請求項9に記載のポリマー組成物。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーを含む物品。
  12. 前記物品が、等方性若しくは異方性の膜、多孔性若しくは非多孔性の膜、複合膜、又は対称若しくは非対称の膜からなる群から選択される膜であることを特徴とする、請求項11に記載の物品。
  13. 前記膜が平坦構造、波形構造、管状構造、及び中空繊維からなる群から選択される形態をとる、請求項12に記載の物品。
  14. 前記膜が血液透析膜である、請求項8または13に記載の物品。
  15. 食品トレー、水用ボトル、又は哺乳瓶などの食品に接触する物品であることを特徴とする、請求項14に記載の物品。
JP2015512050A 2012-05-15 2013-05-15 脂環式ジオールから製造される高性能ポリスルホン Active JP6605954B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261647356P 2012-05-15 2012-05-15
US61/647,356 2012-05-15
EP12183142 2012-09-05
EP12183142.4 2012-09-05
PCT/EP2013/060088 WO2013171280A1 (en) 2012-05-15 2013-05-15 High performance polysulfones made from cycloaliphatic diols

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015522666A true JP2015522666A (ja) 2015-08-06
JP6605954B2 JP6605954B2 (ja) 2019-11-13

Family

ID=46799142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015512050A Active JP6605954B2 (ja) 2012-05-15 2013-05-15 脂環式ジオールから製造される高性能ポリスルホン

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20150129487A1 (ja)
EP (1) EP2850121B1 (ja)
JP (1) JP6605954B2 (ja)
CN (1) CN104487489B (ja)
WO (1) WO2013171280A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10005887B2 (en) * 2012-12-18 2018-06-26 Solvay Specialty Polymers Usa, Llc Mobile electronic devices made of low-chlorine aromatic polysulfones
KR101704475B1 (ko) * 2014-08-25 2017-02-10 주식회사 삼양사 내열성 및 내화학성이 우수한 폴리술폰 공중합체 및 그 제조방법
JP6348932B2 (ja) * 2016-02-10 2018-06-27 住友化学株式会社 芳香族ポリスルホン組成物及び成形品
FR3094718B1 (fr) 2019-04-05 2021-06-25 Roquette Freres Procédé de synthèse de polyéthers semi-aromatiques
CN114805811B (zh) * 2022-05-31 2023-08-25 浙江鹏孚隆新材料有限公司 一种含羧基侧基的聚芳醚树脂、合成方法及其在涂层方面的应用

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS427799B1 (ja) * 1963-07-16 1967-03-29
JPS52104140U (ja) * 1976-02-05 1977-08-08
JPS62193981A (ja) * 1986-02-12 1987-08-26 ダイセル化学工業株式会社 電子レンジ用密閉容器
JPS63297423A (ja) * 1987-05-28 1988-12-05 Nissan Chem Ind Ltd ポリスルホン共重合体およびその製造方法
JPS6416688A (en) * 1987-07-10 1989-01-20 Hitachi Ltd Optical disk and production thereof
JPH02247155A (ja) * 1989-03-20 1990-10-02 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 新規ジアミン及びその製法
JP2001178796A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Pigeon Corp 哺乳瓶
JP2006335464A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Pigeon Corp 飲料容器
JP2008037896A (ja) * 2006-08-01 2008-02-21 Toyobo Co Ltd スルホン酸基含有熱架橋性ポリマー、スルホン酸基含有熱架橋性ポリマー組成物、高分子電解質膜、架橋高分子電解質膜、高分子電解質膜/電極接合体、及び燃料電池及びその用途
JP2008097905A (ja) * 2006-10-10 2008-04-24 Toyobo Co Ltd 多層高分子電解質膜、膜/電極接合体及びそれを用いた燃料電池
JP2010506709A (ja) * 2006-10-18 2010-03-04 ガンブロ・ルンディア・エービー 中空繊維膜および中空繊維膜の製造方法
WO2011071340A2 (ko) * 2009-12-11 2011-06-16 한양대학교 산학협력단 투명성과 고내열성을 갖는 폴리아릴렌에테르계 중합체 및 그 제조 방법

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS427799Y1 (ja) * 1964-12-11 1967-04-18
JPS4621458Y1 (ja) * 1966-03-25 1971-07-24
CN101562243B (zh) * 2009-05-20 2011-06-08 沈阳航空工业学院 高性能聚芳醚树脂锂电池隔膜的电纺丝制备方法

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS427799B1 (ja) * 1963-07-16 1967-03-29
JPS52104140U (ja) * 1976-02-05 1977-08-08
JPS62193981A (ja) * 1986-02-12 1987-08-26 ダイセル化学工業株式会社 電子レンジ用密閉容器
JPS63297423A (ja) * 1987-05-28 1988-12-05 Nissan Chem Ind Ltd ポリスルホン共重合体およびその製造方法
JPS6416688A (en) * 1987-07-10 1989-01-20 Hitachi Ltd Optical disk and production thereof
JPH02247155A (ja) * 1989-03-20 1990-10-02 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 新規ジアミン及びその製法
JP2001178796A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Pigeon Corp 哺乳瓶
JP2006335464A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Pigeon Corp 飲料容器
JP2008037896A (ja) * 2006-08-01 2008-02-21 Toyobo Co Ltd スルホン酸基含有熱架橋性ポリマー、スルホン酸基含有熱架橋性ポリマー組成物、高分子電解質膜、架橋高分子電解質膜、高分子電解質膜/電極接合体、及び燃料電池及びその用途
JP2008097905A (ja) * 2006-10-10 2008-04-24 Toyobo Co Ltd 多層高分子電解質膜、膜/電極接合体及びそれを用いた燃料電池
JP2010506709A (ja) * 2006-10-18 2010-03-04 ガンブロ・ルンディア・エービー 中空繊維膜および中空繊維膜の製造方法
WO2011071340A2 (ko) * 2009-12-11 2011-06-16 한양대학교 산학협력단 투명성과 고내열성을 갖는 폴리아릴렌에테르계 중합체 및 그 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
CN104487489A (zh) 2015-04-01
WO2013171280A1 (en) 2013-11-21
JP6605954B2 (ja) 2019-11-13
US20150129487A1 (en) 2015-05-14
EP2850121A1 (en) 2015-03-25
EP2850121B1 (en) 2018-07-11
CN104487489B (zh) 2018-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4842434B2 (ja) 改良されたポリ(ビフェニルエーテルスルホン)
JP6605954B2 (ja) 脂環式ジオールから製造される高性能ポリスルホン
JP5993941B2 (ja) エストロゲン活性が低下したポリマー
KR101745513B1 (ko) 친수성으로 개질된 불화 막(iv)
WO2007112198A1 (en) Polyethersulfone composition, method of making and articles therefrom
US20050113558A1 (en) Polyethersulfone composition, method of making and articles therefrom
JP2022500524A (ja) ポリアリーレンエーテルスルホン
JP2022500525A (ja) ポリアリーレンエーテル
CN111051385B (zh) 新的膜聚合物和膜
EP2935401B1 (en) Poly(ether ketone) polymers comprising cycloaliphatic units
KR101815933B1 (ko) 폴리설폰 중합체의 제조 및 정제
KR20220104739A (ko) 폴리설폰(psu) 중합체의 제조 방법
CN112673049A (zh) 聚亚芳基醚共聚物
WO2016050798A1 (en) (co)polymers including cyclic diamides
KR102052935B1 (ko) 폴리헤테로아릴렌에테르 공중합체 및 이의 제조방법
WO2022128815A1 (en) Bio-based sulfone copolymers free of bpa and bps
WO2024008502A1 (en) Process for the production of polyarylene(ether)sulfones with improved performance
JP2013144780A (ja) へキサフルオロイソプロパノール基を含むポリスルホンおよびその合成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170612

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171026

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20171102

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20171208

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191017

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6605954

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250