JP2015518393A - Octプローブ用のモノリシックのビーム成形光学系および方法 - Google Patents

Octプローブ用のモノリシックのビーム成形光学系および方法 Download PDF

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Abstract

非対称の屈折力を有する透明な円筒状ハウジングを備えた光コヒーレンストモグラフィ(OCT)プローブ用の、モノリシックのビーム成形光学系および方法が開示される。この系は、折返し光軸と、傾斜した平面端部壁(160)に隣接して光ファイバの端部を支持する少なくとも1つの位置合わせ機構とを備えた、透明モノリシック体(110)を含む。モノリシック体はさらに、物体面と画像面とを画成する、全内部反射表面(170)とレンズ表面(204)とを含む。光ファイバ端部からの光は、レンズ表面と画像面との間に存在している円筒状ハウジングを含む、光路を通過する。レンズ表面自体が、またはレンズ表面と反射(例えばTIR)表面とを組み合わせたものが、円筒状ハウジングの非対称の屈折力を実質的に補正するよう構成され、それにより画像面(IMP)の位置に実質的に回転対称の像点(380)が形成される。

Description

関連出願の説明
本出願は、その内容が引用されその全体が参照することにより本書に組み込まれる、2012年3月28日に出願された米国仮特許出願第61/616734号の優先権の利益、および2013年3月14日に出願された米国特許出願第13/827234号の優先権の利益を主張するものである。
本開示は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)に関し、特にOCTプローブ用のモノリシックのビーム成形光学系に関する。
光コヒーレンストモグラフィ(OCT)は、散乱生体組織の高分解能の断面画像を捉えるために使用され、光ファイバの干渉測定に基づくものである。一例のOCTシステムは、その全体が参照することにより本書に組み込まれる特許文献1および特許文献2に記載されている。OCTシステムの中核はマイケルソン(Michelson)干渉計であり、第1の光ファイバが参照アームとして使用され、また第2の光ファイバがサンプルアームとして使用される。サンプルアームは、解析するサンプルの他、小さい光学部品を含有した小型のプローブを含む。上流の光源がイメージング光を提供する。光検出器が、サンプルアームおよび参照アームの下流の光路内に配列される。プローブを用いて光をサンプル内またはサンプル上へと導き、次いでサンプルからの散乱光を集める。
サンプルアームおよび参照アームからの光の光学干渉は、2つのアーム間の光路差が光源からの光のコヒーレンス長の範囲内である場合にのみ、光検出器で検知される。サンプルからの深さ情報は、参照アームの光路長を軸方向に変化させて、参照アームからの光とサンプルアームからの散乱光との間の干渉を検知することによって得られる。3次元画像は、サンプルアームにおいて光路を2次元に横方向に走査することによって得られる。プロセスの軸方向/深さ分解能はコヒーレンス長で決定され、一方全体の横方向分解能は、プローブの光学部品によって形成される像点のサイズに左右される。
米国特許第5,321,501号明細書 米国特許出願公開第2009/0198125号明細書
プローブは、典型的には体の小さい腔内に挿入することが必要になるため、小型でなければならないし、また単純な光学設計を有することが好ましい。プローブの設計の例として透明な円筒が挙げられ、この透明な円筒の中に小型プローブの光学部品が含有され、この透明な円筒を通じて光が伝達かつ受信される。しかしながら透明な円筒の湾曲体は、補正されなければ使い物にならない程度まで画像の画質を低下させ得る、光学収差を引き起こす。さらにプローブ内に多数の別々の光学部品を有していると、小型の光学部品をアセンブリかつ位置合わせしなければならず、これはプローブ製造のコストと複雑さを増大させるため問題である。
本開示の一態様は、非対称の屈折力を備えた円筒状本体を有する光コヒーレンストモグラフィ(OCT)の透明ハウジング内で使用するのに適した、中心軸と端部とを有する光ファイバを支持するビーム成形光学系である。このビーム成形光学系は、光軸と、外面と、対向する前方端部および後方端部とを有する透明モノリシック体を含む。この系は、光軸に沿って順に、少なくとも1つの位置合わせ機構、凹部、傾斜した平面端部壁、反射表面(例えば、全内部反射(TIR)表面)、およびレンズ表面をさらに含む。少なくとも1つの位置合わせ機構は、光ファイバの中心軸が光軸と実質的に同軸上に位置合わせされるように、光ファイバを動作可能に支持するよう構成される。凹部は、少なくとも1つの位置合わせ機構の終端の、傾斜した平面端部壁の位置にある。反射表面(例えば、TIR)は前方端部に位置し、かつ折返し光軸を形成する。レンズ表面は、折返し光軸に沿ってモノリシック体に一体的に形成され、前方端部に隣接する外面の一部を構成する。このビーム成形系は屈折力を有し、これは2つのやり方、すなわちa)レンズ表面のみが、屈折力を有し、かつOCTの透明ハウジングの非対称の屈折力を実質的に補償するように構成されている、またはb)レンズ表面および反射表面(例えば、TIR)の夫々が、屈折力を有し、かつOCTの透明ハウジングの非対称の屈折力を実質的に補償するように協働して構成されている、のうちの1つで提供される。
本開示の別の態様は、上述したビーム成形光学系を含みかつ少なくとも1つの位置合わせ機構で動作可能に支持された光ファイバをさらに含む、光学アセンブリである。
本開示の別の態様は、非対称の屈折力を有する透明な円筒状ハウジング内で使用され、かつ光ファイバを支持する、ビーム成形光学系である。この系は、赤外の動作波長で実質的に均一な屈折率と、折返し光軸と、上部と、前方端部と、後方端部と、外面とを有した、透明モノリシック体を含む。外面は、上部に形成されかつ後方端部に隣接している、少なくとも1つの平坦面を含む。この系は、モノリシック体の少なくとも1つの平坦面に一体的に形成されかつ光ファイバを支持および位置合わせするように構成された、少なくとも1つの位置合わせ機構を含む。少なくとも1つの位置合わせ機構は、第1の光学面を画成する傾斜した平面端部壁で終端する。この系はさらに、傾斜した平面端部壁に隣接して光ファイバの位置合わせ機構に形成された、凹部を含む。この系はさらに、光軸に沿ってモノリシック体の前方端部に一体的に形成された平面表面である、反射表面、例えばTIR表面を含む。この反射平面表面は光軸に対して傾斜しており、かつ折返し光軸を形成する第2の光学面を画成する。この系はさらに、折返し光軸に沿ってモノリシック体の上部に前方端部に隣接して形成された、レンズ表面を含む。このレンズ表面は外面の一部を構成し、かつ第3の光学面を画成する。レンズ表面はアナモフィックな非球面形状を有し、ビーム成形光学系のための屈折力を画成する。レンズ表面は、円筒状ハウジングの非対称の屈折力を実質的に補償するように構成される。
本開示の別の態様は、上述したビーム成形光学系と光ファイバとを含む、ビーム成形光学アセンブリである。光ファイバは少なくとも1つの位置合わせ機構で支持される。光ファイバの端部は、傾斜した平面端部壁に隣接し、かつレンズ表面によって画成される物体面の位置に存在する。傾斜した平面端部壁からの反射が次いで光ファイバ端部で反射し、さらに戻ってこの傾斜した平面端部壁を通過する可能性もあり得るが、こういった傾斜した平面端部壁からの反射など、反射の悪影響を低減させるよう、光ファイバの端部を傾斜させてもよい。
本開示の別の態様は、端部と中心軸とを有する光ファイバからの光で、非対称の屈折力を有する円筒状の透明ハウジングを通して像点を形成する方法である。この方法は、外面を有する透明モノリシック体であって、傾斜した平面端部壁から反射表面(例えば、TIR表面)へ、さらに次いでレンズ表面へと、折返し光軸に沿った折返し光路を画成するように構成された透明モノリシック体の、少なくとも1つの位置合わせ機構内で、光ファイバを動作可能に支持するステップを含む。レンズ表面が、またはレンズ表面および反射表面が、光ファイバの端部が存在する物体面を画成し、さらに像点が形成される画像面を画成する。レンズ表面が外面の一部を構成し、レンズ表面が、またはレンズ表面および反射表面(例えば、TIR表面)の両方が、レンズ表面と画像面との間の光路内にある円筒状の透明ハウジングの非対称の屈折力を実質的に補償するように構成されている。この方法はさらに、光を、物体面に位置する光ファイバの端部から、傾斜した平面端部壁を通じて、さらに折返し光路に沿って画像面まで送り、実質的に回転対称の像点を画像面で形成するステップを含む。
本開示の別の態様はOCTシステムである。OCTシステムは、本書で開示したビーム成形光学系を含む、OCTプローブを備える。OCTシステムはさらに、コヒーレント光を放射する光源を含む。OCTシステムはさらに、光源に光学的に連結された干渉計を含む。この干渉計は参照アームおよびサンプルアームを有する。サンプルアームはOCTプローブを含む。この干渉計は、光をサンプルアームおよび参照アームの両方に亘って通して、干渉光を形成するように構成される。OCTシステムはさらに、干渉光を受信および検知するように、かつこれに応えて電気信号を生成するように構成された、光検出器を含む。OCTシステムはさらに、電気信号を受信および処理するように構成された、コンピュータを含む。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、本開示の実施形態を表していること、そして請求される本開示の本質および特徴を理解するための概要または構成を提供することが意図されていることを理解されたい。添付の図面は本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれかつその一部を構成する。図面は本開示の種々の実施形態を示し、そしてその説明とともに本開示の原理および動作の説明に役立つ。
本開示のさらなる特徴および利点は以下の詳細な説明の中に明記され、ある程度はその説明から当業者には容易に明らかになるであろうし、あるいは以下の詳細な説明、請求項、および添付の図面を含め、本書において説明される開示を実施することにより認識されるであろう。
請求項は、以下に明記する詳細な説明に組み込まれ、かつその一部を構成する。
本書で与えられる任意の数値範囲は、特に指示がない限り、使用されている境界を含む。
一般化された従来技術のOCTプローブおよび光学系の斜視図 図1のOCTプローブのX−Y平面で見た断面図 図1のOCTプローブのY−Z平面で見た断面図 OCTプローブの形成に使用される一例のビーム成形光学系を、このビーム成形光学系で使用するのに適した一例の光ファイバと共に示した斜視図 光ファイバがビーム成形光学系によって動作可能に支持され、ビーム成形光学アセンブリを形成していることを除き、図4Aと同じ図 所定位置に光ファイバを含んでいないビーム成形光学系の上面図 所定位置に光ファイバを含みビーム成形光学アセンブリを形成している、ビーム成形光学系の上面図 中心区画に切欠き部分を含み、いくつかの様々な寸法を示しているビーム成形光学系の側面図 第1および第2の平坦面部分が同一平面内にあり、また底部表面が後方端部に隣接したリップを含む、ビーム成形光学系の実施形態を示した図6Aに類似した図 Y−Z平面で取ったビーム成形光学系の断面図であって、光ファイバが所定位置にあってビーム成形光学アセンブリを形成している図 光ファイバ端部と隣接する平面端部壁との間の軸方向の距離δzが図6Cに示されているものよりも大きいことを除き、図6Cと本質的に同じ図 光ファイバ端部と平面端部壁との間に屈折率整合材が存在していないことを除き、図6Dと同じ図 TIR表面およびレンズ表面の両方が屈折力を有している、Y−Z平面で取ったビーム成形光学系の前方端部の断面拡大図 TIR表面およびレンズ表面の両方が屈折力を有している、Y−Z平面で取ったビーム成形光学系の前方端部の断面拡大図 ビーム成形光学系の中心区画の拡大斜視図であって、端部壁と隣接する凹部とを示している図 第2の中心位置合わせ機構において動作可能に支持されている光ファイバの非被覆区画を含む、図7Aに類似した図であって、光ファイバの非被覆区画の端部が平面端部壁に隣接している図 表1の光学系の例に基づきシミュレーションした像点の例であって、像点が概して回転対称であり、また画像MFDIMが約66μmであることを示した図 ビーム成形光学系を光学的に試験できるよう、光路内に円筒状の透明ハウジング(またはこれと同等のシリンドリカルレンズ)が存在していない実施形態例を示した、図6Eに類似した図 本開示によるOCTプローブを形成するために透明な円筒状ハウジング内に含有されたものとしてビーム成形光学アセンブリを示している、図6Bに類似した図 図10のOCTプローブをX−Y平面で見た断面図であって、画像面での像点の形成を示した図 図10のOCTプローブをY−Z平面で見た断面図であって、X−Y平面に対するものと同じ画像面での像点の形成を示した図 本書で開示したOCTプローブを含む一例のOCTシステムの概略図
本開示のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明に明記され、その説明から当業者には明らかになるであろうし、あるいは、請求項および添付の図面とともに本書で説明されたように本開示を実施することにより認識されるであろう。実例は特定の実施形態を説明するためのものであり、本開示または添付の請求項を制限することは意図されていないことを理解されたい。これらの図は必ずしも原寸に比例したものではなく、また図面の特定の特徴および特定の図は、明瞭および簡潔にするため、縮尺において、または概略的に、誇張して図示され得る。
デカルト座標が参照のためにいくつかの図面に図示されているが、これは方向または向きについて限定することは意図されていない。
以下の説明において、類似の参照符号は、図面に示したいくつかの図を通じて類似のまたは対応する部分を示す。
モードフィールド径MFDは、光学系のシングルモードファイバ内または別の位置で伝播している光の、スポットサイズまたはビーム幅の大きさである。光ファイバ内のモードフィールド径MFDは、ソース波長、ファイバコア半径r、およびファイバの屈折率プロファイルの関数である。一例においてモードフィールド径MFDは、最も良く適合するガウシアンビームのピーク電力の13.5%での全幅として測定され得、一方別の例ではピーターマンII法を用いて測定してもよく、このときMFD=2wかつ、
であり、ここでEは光ファイバ内の電界分布、rは光ファイバのコアの半径である。
以下でより詳細に論じる図面を参照すると、本書においてモードフィールド径MFDは像点380の特性としても参照され、この場合「画像モードフィールド径MFDIM」または略して「画像MFDIM」と称される。同様に光ファイバ50に関連した光ファイバ端部52でのモードフィールド径MFDは、「ファイバモードフィールド径MFDF」または略して「ファイバMFDF」と称される。
図1は、一般化された従来技術のOCTプローブ10の正面図である。OCTプローブ10は、中心軸AHを有する概して円筒状(すなわち管状)のハウジング20と、内部22と、丸みを帯びた前方端部24と、湾曲した内面27および外面28を有する湾曲体26(図2および図3参照)とを含む。ハウジング20は、OCTの動作波長λに対して実質的に透明である。一例において、ハウジング20は毛細管チューブの一区画から形成される。ハウジング20用の材料は、ガラスおよびプラスチックを含む。
ハウジングの内部22は、光軸A0に沿って配置された結像レンズ32および折返しミラー40を含む、ビーム成形光学系30を含有するように構成されている。一例において光軸A0は、ハウジングの中心軸AHと実質的に同一線上にあり、あるいはハウジングの中心軸AHとずれているがこれに平行である。結像レンズ32は物体面OBPおよび画像面IMPを画成する。OCTプローブ10は、中心軸ACと物体面OBPに存在する端部52とを有する、光ファイバ50を含んでいる。光ファイバ端部52は「平坦」または「非傾斜」でもよく、すなわち光ファイバ端部52は光ファイバの中心軸ACに対して90°の平面表面を画成するものでもよい。あるいは光ファイバ端部52は傾斜していてもよく、すなわち光ファイバ端部52は光ファイバの中心軸ACに対して90°以外の平面表面を画成するものでもよい。一例において光ファイバ端部52は、以下で導入および説明するように(図6Aなど参照)、平面端部壁160と同じ角度θ1で傾斜している。光ファイバ端部52は、平面端部壁160の角度θ1と同じ方向に傾斜したものでもよいし、あるいは反対の方向に傾斜したものでもよい。
光ファイバ50は端部52の反対側に、動作波長λの光62を放射する光源60に光学的に連結された、端部58をさらに有している。OCTプローブ10は、表面72と本体74とを含むサンプル70に関連して図示されている。サンプル70は、例えば、人間または動物の組織などの生体サンプルでもよい。ビーム成形光学系30と光ファイバ50との組合せが、ビーム成形光学アセンブリを形成する。
OCTプローブ10の理想的な動作において、光源60からの光62は光ファイバ50を伝わって、光ファイバ端部52で発散光として放射される。結像レンズ32は発散光62を集めて収束光62を形成し、収束光が光軸A0に沿って折返しミラー40に導かれる。折返しミラー40は収束光62を折返し光軸A0に沿って画像面IMPに導いて、ここで収束光は像点80を形成する。
サンプルの本体74内で像点80が形成されると、サンプルの本体から散乱光62Sが生じ、この散乱光62Sは像点を形成した光62の光と概して同じ光路に沿って戻る。特に、結像レンズ32によって集められた散乱光62Sは光ファイバ端部52上に結像され、それにより集められた散乱光は光ファイバ50内へと光学的に連結される。この散乱光62Sはその後光ファイバ50で運ばれて、最後に別の光ファイバ(図示なし)へと向けられた後、光源60に到達する。この集められた散乱光62Sが、その後OCTシステムの参照アーム(図示なし)からの光と干渉し、この干渉光を検知しかつ使用して、サンプル70の照らされた部分のOCT画像を形成する。
図2は図1のOCTプローブ10をX−Y平面で見た断面図であり、一方図3は図1のOCTプローブ10をY−Z平面で見た断面図である。図2および3は、内面27および外面28によって画成されるハウジング20の湾曲体26が、X−Y平面において屈折力を有するがY−Z平面においては屈折力を有していない(すなわち、非対称な屈折力を有する)、シリンドリカルレンズとして作用する現象を示している。これは、光軸A0の水平部分から異なる距離D1およびD2だけ離れ、そのため軸方向に互いに距離ΔDだけ変位している、2つの画像面、すなわちIMP1およびIMP2を生成する働きをする。結果として像点80は強く集束されず、これが集められた散乱光62Sが有用なOCT画像を形成するのを妨げる。
さらに、ビーム成形光学系30は個別の光学部品(すなわち、レンズ32および折返しミラー40)を含むが、これらは非常に小さく(例えば、直径1mm未満)、しかも光ファイバ50とだけではなく互い対しても位置合わせする必要がある。上記のように、これが従来のOCTプローブ10の製造を困難かつ費用の掛かるものにしている。
ビーム成形光学系
図4Aは、OCTプローブの形成に使用される一例のビーム成形光学系(「系」)100を、この系で使用するのに適した一例の光ファイバ50と共に示した斜視図である。図4Bは、光ファイバ50が系100によって動作可能に支持され、ビーム成形光学アセンブリ(「アセンブリ」)102を形成していることを除き、図4Aと同じ図である。図5Aおよび図5Bは、系100(図5A)と、対応するアセンブリ102(図5B)の上面図である。図6Aおよび図6Bは、中心切欠き部分を含み、かついくつかの様々な寸法を示した、系100の様々な例の側面図であり、一方図6Cおよび6Dは、対応するアセンブリ102のY−Z平面で取った断面図である。
アセンブリ102を形成するために系100で使用される光ファイバ50は、被覆区画54と非被覆区画53とを有し、非被覆区画は前述の光ファイバ端部52と中心軸ACとを含む。図4Aに示されているように、光ファイバ端部52でコア56はクラッド57に包囲されている。被覆区画54ではクラッド57は少なくとも1つのバッファ層59に包囲されており、非被覆(すなわちバッファされていない)区画53はバッファ層59を剥離して形成されている。被覆区画54と非被覆区画53との間の境界は、被覆区画のエッジ55で画成される。
図4Aから図6Bを参照すると、系100は光軸A1を含み、この光軸A1はZ方向に延びて、さらに以下で説明するように角度βで折り返される。角度βは90°に限定する必要はなく、一例では90°のいずれかの側に10°まで変化し得る。系100はモノリシック体110から構成される。一例においてモノリシック体110は、モールディング可能でありかつ動作波長λを有する光62に対して透明な、高分子材料から作製される。別の実施形態例においてモノリシック体110は、動作波長λを有する光62に対して透明なガラス材料(「ガラス」)から作製される。本書において使用される「透明」という用語は、完全または理想的な透明度の概念に限定されるものではなく、「実質的に透明」である材料の概念を含むことに留意されたい。
一例において、動作波長λは1,000nmから1,600nmの範囲の波長など、赤外波長を含み、例示的な動作波長は約1300nmおよび約1560nmである。
モノリシック体110を形成するための例示的な高分子材料は、比較的低い複屈折性を有する。モノリシック体110のための例示的な材料としては、ZEONOR(登録商標)(ケンタッキー州ルイビルのZeon Chemicals L.P.から入手可能)、および熱可撓性材料であるポリエーテルイミド(PEI)が挙げられる。他のプラスチックおよびポリマーも、当業者には理解されるように使用可能である。モールドプロセスを介して系100をモノリシック構造として形成する能力が、OCTプローブに対し低コストの製造ソリューションを提供する。
一実施形態例においてモノリシック体110は、精密なモールドを微細加工し、その後微細加工されたモールドと当技術において公知の関連技術とを使用して、上述した材料例のうちの1つなど適している材料を用いてモールディングプロセスを実行することによって作製される。
モノリシック体110は、前方端部112、後方端部114、上部116、底部118、および外面120を含む。便宜上モノリシック体110は、3つの主要区画、すなわち前方端部112に隣接する前方区画122、前方端部および後方端部114の中間の中心区画123、そして後方端部に隣接する後方区画124と見なすことができる。一例のモノリシック体110は概して円筒状で丸みを帯びた断面形状を有し、またいくつかの機能的特徴をこれに形成して備えている。一例において、モノリシック体110は実質的に均質であり、動作波長λで実質的に一定の屈折率を有する。特にモノリシック体110は大きな屈折率勾配を有さず、理想的には動作波長λで一定の屈折率を有する。従ってモノリシック体の内部では、屈折率分布型レンズの場合のように大きい屈折率勾配のために大きな屈折力が生じることはない。
モノリシック体の外面120は、少なくとも1つの位置合わせ機構150が一体的に形成されている、少なくとも1つの平坦面140を含む。少なくとも1つの位置合わせ機構150は、光ファイバの中心軸ACが光軸A1と同軸に並ぶようにその中に光ファイバが配置されるとき、光ファイバ50を動作可能に支持するように構成される。光路OPは折り返され、光軸A1に概して集中する。
例示的な実施形態において、少なくとも1つの平坦面140は、X−Z平面内に存在する第1の平坦面部分143を中心区画123内に含む。第1の平坦面部分143は、これに形成された第1の中心位置合わせ機構153を含む。さらにこの例において、少なくとも1つの平坦面140は、同じくX−Z平面内に存在するが第1の平坦面部分143に対して+Y方向に若干ずれている第2の平坦面部分144を後方区画124内に含み、すなわち第2の平坦面部分144は第1の平坦面部分143よりもY方向に若干高くなっている(図6A参照)。従って第2の平坦面部分144は、第1の平坦面部分143に対して高くされると言うことができる。一実施形態例では図6Bに示されているように、第1の平坦面部分143と第2の平坦面部分144との間に高さの差は存在しない(すなわち、ずれはない)。さらに一例において系100は、後方端部114に隣接する底部表面118に形成されたリップ126を含む。リップ126は、以下でより詳細に説明するように、この系をOCTプローブ内に組み込む際のこの系の支持固定具への据付けなど、系100のハンドリングを助ける。
第2の平坦面部分144は、その中に形成された第2の中心位置合わせ機構154を含み、第2の中心位置合わせ機構154は、第1の中心位置合わせ機構153に開口しかつこれと位置合わせされている。例示的な実施形態において、第2の中心位置合わせ機構154は第1の中心位置合わせ機構153よりも幅広であり、これが2つの隣接する位置合わせ機構の間に位置合わせ機構のエッジ155を画成する働きをする。また光ファイバ50が第1および第2の位置合わせ機構内に動作可能に配置されるとき、被覆区画のエッジ55は位置合わせ機構のエッジ155に接する。これは、光ファイバ50をモノリシック構造110内に適切に配置しかつこれで支持するのを助け、さらに光ファイバを第1の位置合わせ機構153および第2の位置合わせ機構154内で所定位置に保持する働きをする。
一例において、第1の中心位置合わせ機構153および第2の中心位置合わせ機構154の夫々は溝を有し、これらの溝は一例において位置合わせされ、また概してV字状、先端を切ったV字状、またはU字状の断面を有する。一例において溝は様々なサイズを有し、後方端部に最も近い溝が最も幅広である。第1の平坦面部分143および第2の平坦面部分144は系100のハンドリングを助け、例えば位置合わせ中またはOCTプローブのアセンブリ中に、モノリシック体110を安定させるよう留めるためにこれらの平坦面部分を使用することができる。
一例において第1の中心位置合わせ機構153は、第2の中心位置合わせ機構154より丸みを帯びた断面形状(例えば、U字状)を有し、以下で説明するように光ファイバの歪み解放を可能にする。丸みを帯びた断面形状の別の利点は、丸みを帯びた位置合わせ機構を形成するモールドの部分はより多くの容積を必要とするため、モールディングプロセスを用いて形成することがより容易であることである。第1の中心位置合わせ機構153および第2の中心位置合わせ機構154は、アセンブリ102を形成するときに夫々光ファイバの区画53および54を収容および支持するように構成される。
図6Aを参照すると、種々の例において、モノリシック体110の軸方向の長さL1は7.38mmから7.78mmの範囲であり、後方区画124の長さL2は1.4mmから1.6mmの範囲、そして後方区画および中心区画123の長さL3(すなわち、後方端部114から平面端部壁160まで)は4.9mmから5.3mmの範囲である。さらに種々の例において、前方区画122の長さL4は2.493mmから2.503mmの範囲である。さらに、モノリシック体110の前方端部112での最大幅W1は0.837mmから0.860mmの範囲でもよく、またその後方端部114での幅W2は、0.42mmから0.62mmの範囲でもよい。これらのパラメータに対する値は例示的なものであり、具体的な用途に応じて他の値および範囲もあり得る。
図7Aは、ビーム成形光学系100の中心区画123の拡大斜視図であり、一方図7Bは、アセンブリ102を形成するよう第1の中心位置合わせ機構153に動作可能に支持されている光ファイバ50の非被覆区画53を含んだ、図7Aに類似した図である。一例において第1の中心位置合わせ機構153は、モノリシック体110の中心区画123と前方区画122との間の移行部を画成する平面端部壁160で終端する、凹部157を含む。平面端部壁160は、モノリシック体110の外面120の一部分を画成する。
一例において端部壁160は、鉛直(すなわち、Y方向)に対し角度θ1を有する(図6A参照)。この角度は、光62が平面端部壁160から光ファイバ50内へと反射して戻ることによる有害な影響を緩和する働きをする。一例では、光ファイバ端部52も角度を有し、この角度は一例において平面端部壁160の角度θ1と同じである。これは、例えば精密なファイバ切断技術によって得ることができる。適切な角度θ1は、少なくとも、光ファイバ端部52から発せられて端部壁160で反射された光62が、光ファイバ50に再び入らないようにするのに必要とされる程度となるように画成される。角度θ1の例は通常約4°から約10°の範囲であり、8°が以下の光学設計の例(表1参照)において検討される角度θ1の例である。上記のように光ファイバ端部52も同様の形で傾斜させて、平面端部壁160から光62が反射した後、さらに光ファイバ端部の面から平面端部壁に向かって反射して戻ることのないようにしてもよい。
凹部157は、モールディングプロセス中に平面端部壁160の形成を助けるリリーフ機能として働く。凹部157がないと、モールディングプロセス中の応力の蓄積によって端部壁160が若干変形する傾向があり、これにより端部壁が湾曲し、従って望ましくない屈折力を持つことになり得る。さらに図7Bに示されているように、被覆されていない光ファイバ区域53を第1の中心位置合わせ機構153内で固定するために使用し得る、屈折率整合材(IMM)159を収容するために、凹部157を使用してもよい。さらに凹部157を使用して、光ファイバ端部52と平面端部壁160との間の光路OP(図6D参照)を確実に中断されないままの状態とすることができる。同様に、光ファイバ50をモノリシック体110に固定するために使用されるが光ファイバ端部52と平面端部壁160との間には存在しないように意図された、前述のIMM159などの任意の接合材料を、凹部157が溜めることもできる。
一例において光ファイバ端部52は、図6Cに示されているように、平面端部壁160に実質的にすぐ隣接して存在する。図6Dに示されている構成例では、光ファイバ端部52は端部壁160から軸方向の距離δzだけ軸方向に間隔を空けて配置され、間隙162を形成する。図6Dの構成例では、軸方向の距離δzは間隙長さL5よりも大きく、また間隙162はIMM159で満たされ、さらに凹部157もIMM159で満たされている。一例においてIMM159は接着特性を有し、IMM159を用いて光ファイバ50をモノリシック体110に固定する。一例において、軸方向の距離δzの範囲は0≦δz≦1mmでもよい。従って一例において光路OPは、光ファイバ端部52と端部壁160との間に配置されたIMM159を通る。
図6Eは、光ファイバ端部52と平面端部壁160との間にIMM159が存在しないで空隙162が残されていることを除き、図6Dに類似したものである。空隙162は比較的大きくてもよい(例えば、δz=1mm)。この構成の利点は、光62がその量の光学材料を通る必要がないことである。これは、光を散乱または吸収し得る光学材料内で光62が欠陥(例えば脈理)にぶつかる可能性が少なくなるという利益を有する。一般に、光路内の光学材料がより少ないということは、光の伝達の増加を意味する。
さらに、光62によって平面端部壁160上に形成される光ビームの面積は、距離δzの増加の2乗に従って増加し、従って光ファイバ端部52でのモードフィールド径よりも大幅に大きくされ得る。このやり方を用いると、平面端部壁160で、さらにモノリシック体110内の光路OPに亘って、光強度を実質的に低減させることができる。一例において、強度の減少は何桁にもなり得る。これにより、本体110を通じて、この本体に材料損傷を生じさせることなく比較的大量の光パワーを伝達することができる。
図7Aで端部壁160上に示されている点線円164は、系100の第1の光学面である平面端部壁に関連した透明アパーチャを表している。言い換えれば点線円164は、光ファイバ端部52から出ていく発散光62が端部壁160を通過するときの発散光62の横方向の広がりを表す(図7B参照)。一実施形態例において、光ファイバ端部52でのファイバモードフィールド径MFDFは、強度閾値1/e2で10μmである。一例では、光が光ファイバ端部52から出て平面端部壁160までの距離δzを通る際に、この光の発散に起因して光62の強度が端部壁160に到達する時点までに減少するように間隙162が含まれる(すなわち、δzは意図的に0にならないように作られる)。この構成は、一例が前述の図6Eに示されているが、光路OPを支持するモノリシック体110の部分に対する光誘起損傷の機会を低減させる。
図6Aおよび図6Bの夫々側面図および断面図を特に参照すると、前方区画122は前方端部112の位置に端部壁170を含む。一例において端部壁170は平面であり、また水平(Z方向)に対して測定された、角度θ2を有する。端部壁170は一体的に形成された全内部反射(TIR)表面を画成し、これを以下TIR表面170と称する。一体的に形成されたTIR表面170を使用すると、銀色のミラーまたは多層コーティングミラーなどの真の(すなわち、非TIR)反射光学部品の必要性がなくなる。TIR表面170はモノリシック体110の外面120の一部を構成する。角度θ2は45°である必要はなく、一例では45°のいずれかの側に10°だけ変化したものでもよい。角度θ2は、折返し光軸A1の折返し角度βを画成する働きをする。下で論じる一例では、TIR表面170は平面ではなく湾曲したものであり、そのためある量の屈折力を有する。反射表面は、他の手段によって、例えば、この部品の一部として一体的に形成されている平面または湾曲面に反射コーティングを塗布することによって、形成し得ることにも留意されたい。
前方区画122は、前方端部112および端部壁170に隣接して上部116に一体的に形成された、レンズ表面部分200をさらに含む。レンズ表面部分200は、一実施形態例においてアナモフィックな非球面形状を有する(すなわち、「アナモフィックな非球面」である)レンズ表面204を含む。言い換えれば、この事例においてレンズ表面204は、全ての方向に同じ単一の非球面曲率を有する回転対称の非球面とは対照的に、直交するX方向およびZ方向に2つの異なる非球面曲率を有する。アナモフィックなレンズ表面204の例は、以下でより詳細に説明するが、光路OP内に存在する円筒状ハウジング本体26の非対称な屈折力を実質的に補償するように構成される。レンズ表面204は、モノリシック体の上部116でモノリシック体110の外面120の一部を構成する。
このように、モノリシック体110の前方区画122は、全てモノリシック体110の一部として一体的に形成されている3つの光学面、すなわち平面端部壁160、TIR表面170、およびレンズ表面204を含む、光学素子を備えている。一例において、レンズ表面204は屈折力を有する唯一の光学面であり、すなわちレンズ表面204は系100での全屈折力を画成する。モノリシック体110の平面端部壁160とレンズ表面204との間の部分は、以下でより詳細に論じるが、光62並びにサンプル70において生成された反対方向に伝わる散乱光62Sが通る、光路OPの一部分を支持する。他の実施形態において、光学素子の全屈折力は、TIR表面170とレンズ表面204とに割り当てられる。レンズ表面204が屈折力を有する唯一の光学面である事例では、この表面が画像面IMPおよび物体面OBPの位置を実質的に画成する。レンズ表面204およびTIR表面170の夫々が屈折力を有する事例では、これらの表面の両方が画像面IMPおよび物体面OBPの位置を画成する。
さらに上記のように、モノリシック体110は動作波長で実質的に均一な屈折率を有し、その結果著しい屈折率勾配が存在しないため、モノリシック体内部に屈折力は存在しない。
一例においては、レンズ表面204が、OCTプローブ形成時に前述の円筒状透明ハウジング20内に含有されるモノリシック体110を考慮して構成される。別の例では、TIR表面170およびレンズ表面204の両方が、OCTプローブ形成時に前述の円筒状透明ハウジング20内に含有されるモノリシック体110を考慮して構成される。
ハウジング20の関連部分が、図4A、図4B、図6C、および図6Dに示されている。透明ハウジング20は、一方向(すなわちX方向)に負の屈折力を有し直交方向(すなわちZ方向)に屈折力を有していないシリンドリカルレンズ素子として作用するため、レンズ表面204(またはTIR表面170およびレンズ表面の両方)は非対称の収差補正を必要とする。系100の全屈折力がレンズ表面204に存在する例では、X方向およびZ方向において異なる量の屈折力(または半径)が必要である。
さらにレンズ表面204が全屈折力を有する場合、レンズ表面204は画像面IMPで適切な像点380を形成するために光学収差を補正するのに使用することができる唯一の光学面である。従って、円筒状の透明ハウジング20が存在するために系100を補正するのに加え、一例においてレンズ表面204は、補正されなければ画像面IMPで形成される像点380の質を実質的に低下させることになる球面収差を補正する(すなわち、その量を低減する)ように構成される。
異なる方向の屈折力のバランスを取り、かつ球面収差の低減と組み合わせると、像点380を実質的に回転対称にすることができ、これはOCT用途にとって有利である。
以下の表1は、一例の系100に対する光学設計パラメータを明記したものである。表1の全ての距離および曲率の量はミリメートルで表されている。表記「S/IM」は「表面または介在媒体(surface or intervening medium)」を表し、すなわち光学面か、あるいは、隣接する光学面間、または第1の光学面と物体面OBPとの間あるいは最後の光学面と画像面IMPとの間の、介在媒体を表す。この例では、IMM159が光ファイバ端部52と端部壁160との間の軸方向厚さδzの間隙162内に存在することに留意されたい。
この設計パラメータは、折返しのないものとして、従って反射表面を含まない単に伝達系として、この系を取り扱うことにも留意されたい。折返し光学系のこういった取扱いは、単一の座標系を用いて説明を単純化するために通常使用される。
パラメータθSは光軸A1に対する表面の角度を表し、度(°)で測定される。平面端部壁160でのθSは、角度θ1が図6Aにおいて鉛直に対して測定されたものとして示されているため、θS=90°−θ1で与えられることに留意されたい。パラメータTH(mm)は、2つの隣接する光学面間、または第1の光学面と物体面OBPとの間あるいは最後の光学面と画像面IMPとの間で測定された、軸方向の厚さを表す。パラメータRxおよびRyは、夫々X方向およびY方向における曲率半径を表す。表1(さらに表2)におけるレンズ表面204に対する半径RxおよびRyは、折り返された座標系ではRxおよびRzとなることにここで留意されたい。パラメータAxおよびAyは、夫々X方向およびY方向における非球面係数である。アナモフィックな非球面表面204の表面形状z(x,y)は、以下の方程式により画成される。
xはX方向における半径(mm)
yはY方向における半径(mm)
xはX方向における非球面係数
yはY方向における非球面係数
本例のモノリシック体110に対する寸法L1、L2、およびL3の例は、L1=7.58mm、L2=1.5mm、およびL3=4.89mmとし得る。長さL4は光学設計パラメータによって画成され、本例ではL4=2.503mmである。長さL5に対する一例の範囲は、0.21mmから0.26mmである。幅W1およびW2の例は、W1=0.842mmおよびW2=0.52mmである。物体側の開口数はNAOBJ=0.14であり、一方像側はNAIM=0.021である。この例のレンズ表面204が画成する、系100に対する全屈折力はZ方向で0.565mm-1およびX方向で0.686mm-1であり、またその画成する系倍率は−6.6である。
図6Cおよび図中のアセンブリ102を参照すると、光ファイバ50内を伝わる光62は端部52から出ていき、間隙162とその中のIMM159とを通過し、次いで角度θ1=8°(すなわち、θS=82°)の平面端部壁160を通過すると発散する。光62は前方区画122のモノリシック体110を通るときに発散し続け、角度θ2=40.1°のTIR表面170で反射する。TIR表面170から反射した光62は次いでレンズ表面204を通過し、アナモフィックなこの表面に起因して光は非均一に収束する。この非均一な収束光62は、上述したように負の屈折力を有する円筒状のメニスカスレンズとして作用する、ハウジング本体26の一部分を通過する。
ハウジング本体26およびレンズ表面204の複合効果は、画像面IMPで形成される像点380が実質的に回転対称であり、かつ強く集束されるといったことである。例えば、ファイバMFDFが強度閾値1/e2で10μmであるのに対し、画像面IMPでの対応する画像MFDIMは、強度閾値1/e2で66μmである。画像面IMPおよび像点380は、光軸A1の水平部分からの距離がD=13.5mmの位置に位置している。光学面160、170、および204に関連する透明アパーチャは、口径食を防ぐように設計される。この例の系100の動作波長は、λ=1,300nmである。この例の系100でのTIR表面170の透明アパーチャは、Y方向において900μm、X方向において725μmである。レンズ表面204の透明アパーチャは、直径700μmである。
系100の一実施形態例において、反射表面(TIR表面)170はさらに湾曲し、そのため屈折力を有し、その結果系100の全屈折力はTIR表面およびレンズ表面204による屈折力によって画成される。この事例においてTIR表面170およびレンズ表面204は、光路OP内に存在するハウジング20の円筒状ハウジング本体26の非対称な屈折力を実質的に補償するように構成される。
図6Fに示されている一実施形態例において、TIR表面170およびレンズ表面204は夫々Y−Z平面およびX−Z平面の両方において倍率を有する。図6Gに示されている別の実施形態例では、TIR表面170およびレンズ表面204は直交する平面において屈折力を有する円筒状表面である。図6Gは、X−Y平面において曲率を有するシリンドリカルレンズとしてレンズ表面204を示した差し込み図を含む。
図6Eの系はこの事例を表すこともできるであろう。このとき反射(TIR)表面170はX−Z平面において円筒の曲率を有し、レンズ表面204はY−Z平面において円筒の曲率を有する。TIR表面170およびレンズ表面204は、球面でもよいし、あるいは非球面でもよい。
従って系100の一例では、レンズ表面204のみが、屈折力を有しかつOCTの透明ハウジング20の非対称の屈折力を実質的に補償するように構成される。系100の別の例では、レンズ表面204およびTIR表面170が、屈折力を有しかつOCTの透明ハウジング20の非対称の屈折力を実質的に補償するように協働して構成される。
以下の表2は、この例の系100に対する光学系設計パラメータの例を明記したものである。ここでは屈折力はTIR表面170およびレンズ表面204で共有され、また光学設計パラメータの表現を容易にするために、この系を光軸A1がZ方向にある単一の座標系における折返しのない伝達系として取り扱う。表1と同様に、TH、Rx、およびRyはミリメートルで表す。
表2に明記した系100の例は、TIR表面170およびレンズ表面204を、直交する平面において屈折力を有する球面円筒状表面として含む。
系の利点
系100はモノリシック体110を有するため、この系はスペーサ、GRINレンズ、または分離している非TIR反射表面を使用する必要はない。さらに、多数の光学部品の使用を排除すると、有害な光の後方反射が生じ得る材料の界面がより少なくなるため有利である。さらに、第1の中心位置合わせ機構153および第2の中心位置合わせ機構154の使用は、アセンブリ102形成時の光ファイバ50に対する歪み解放を助ける。
アセンブリ102形成時の系100内における光ファイバ50の適切な位置合わせは、第1の中心位置合わせ機構153および第2の中心位置合わせ機構154を用いることで助けられる。図6Cから図6Eを参照すると、光ファイバの位置合わせを達成する一例の方法において、光検出器400を使用して少なくとも1つの像点380の画像を捉え、捉えられた画像を表す検出器信号SDを生成してもよい。捉えられた画像は、光検出器400に動作可能に接続された例えばコンピュータ410を介して解析してもよい。コンピュータ410を使用して、捉えられた像点380に関する情報を解析および表示してもよい。一例では、複数の像点380を、焦点を通じて検知し、性能評価のために対応する参照スポット(例えば、系100の光学設計に基づき光学モデリングを介して得られたような)と比較する。
図に示されるハウジング20の区画は、ハウジング20全体を用いずに、検査時のシリンドリカルレンズ部分によって表され得ることに留意されたい
光ファイバ50の位置は、許容できるまたは最適な像点380が形成されるまでの1以上の像点380の測定結果に基づいて、第1の中心位置合わせ機構153および第2の中心位置合わせ機構154内で軸方向に調節してもよい。一例において、1以上の測定された像点380は、参照像点または参照像点のサイズと比較される。光ファイバ50をその後、第1の中心位置合わせ機構153および第2の中心位置合わせ機構154内のその位置合わせされた位置に、例えば上述したIMM159を用いて固定してもよい。一例では、光ファイバ50の被覆区画54を第2の中心位置合わせ機構154内に固定(例えば、接合)して、歪み解放を実現することができる。
図8は、表1に明記した系100の例に対する像点380のシミュレーション画像である。正規化された強度が右側の判例のグレースケールに示されている。約66μmの画像MFDIMが図示されており、強度閾値1/e2が近似されている。
図9は、光ファイバの位置合わせを達成すると同時に系100を光学的に試験する一例の方法を示した、図6Eに類似した図である。図9では、ハウジング20の区画(または同等のシリンドリカルレンズ素子)を取り除いて像点380を検知する。この事例では、像点380は図8に示されているような回転対称にはならずに変形され、例えば図9の差し込み図に示されているように楕円形で現れる。一例において像点は、焦点を通じて像点の特性を確立するために、異なる焦点位置で検知される。捉えられた1以上の画像は、その後対応する参照像点または参照像点のサイズと比較される。最も良く測定された像点が、(系100に対する光学設計データに基づいてモデリングすることができた)参照像点に達しない場合、何らかの位置合わせの問題がなければ、系100は仕様に合っていないという結論になり得る。
一実施形態例において、系100を試験する方法は、像点380が最も厳密に参照像点に一致するよう光ファイバ50の位置を軸方向に調節することによって、光ファイバ50の軸方向の位置合わせを最適化するものを含む。
図10は、本開示によるOCTプローブ450を形成するためにハウジング20内に含有されたアセンブリ102を示した、図6Bに類似した図である。一例では回転可能な支持固定具460を使用して、光軸A1とハウジングの軸AHとが実質的に同一線上、または若干ずれているが互いに平行な状態で、系100をハウジングの内部22で保持する。ハウジング20の外径D3は、一例において1mmから2mmまでの範囲である。ハウジング20は、レンズ表面204と画像面IMPとの間の光路OP内に存在している。回転可能な支持固定具460は、例えば上記の米国特許出願公開第2009/0198125号明細書でより詳細に示されているものなど、当技術において公知の技術を用いて系100をハウジングの内部22で回転させるように構成される。
図11および図12は、図10のOCTプローブ450を夫々X−Y平面およびY−Z平面で取った断面図である。収束光62はレンズ表面204と画像面IMPとの間の光路OP内に存在する円筒状に湾曲したハウジング20を通過するが、(水平な)光軸A1からの距離D0に位置する単一の画像面IMPで像点380がどのように形成されるかをこれらの図は示している。同様に、サンプル70からの散乱光62S(図10参照)は、サンプルから光ファイバ50へと実質的に同じ光路OPに沿って伝わり、光ファイバ端部52に高画質で結像される。
図13は、本書において開示されるOCTプローブ450を含む、一例のOCTシステム500の概略図である。OCTシステム500は光源60および干渉計510を含む。光源60は、第1の光ファイバ区画F1を介して光ファイバカプラ(「カプラ」)520に光学的に接続される。OCTプローブ450は光ファイバ50を介してカプラ520に光学的に接続され、干渉計のサンプルアームSAを構成する。OCTシステム500は、光ファイバ区画F2を介してカプラ520に光学的に接続されたミラー系530をさらに含む。可動ミラー5230および光ファイバ区画F2は、干渉計の参照アームRAを構成する。ミラー系530は、例えば可動ミラー(図示なし)を介して参照アームの長さを変えるように構成される。OCTシステム500は、第3の光ファイバ区画F3を介してカプラ520に光学的に連結された光検出器400をさらに含む。さらに光検出器400は、コンピュータ410に電気的に接続される。
動作時に、光源60は光ファイバ区画F1に沿って干渉計510へと伝わる光62を生成する。光62はカプラ520によって、参照アームRAに伝わる光62RAとサンプルアームSAに伝わる光62SAとに分割される。参照アームRAに伝わる光62RAはミラー系530で反射されてカプラ520に戻り、カプラ520がこの光を光検出器400に導く。サンプルアームSAに伝わる光62SAは、上述したように(上述では、この光を単に光62と称した)OCTプローブ450で処理されて、サンプル70上またはサンプル70内に光点380を形成する。生じた散乱光(図10の散乱光62S参照)をOCTプローブ450で集めて、光ファイバ50を通じてカプラ520へと導き、カプラ520がこれを(光62SAとして)光検出器400に導く。参照アーム光62RAおよびサンプルアーム光62SAは干渉し、この干渉光が光検出器400で検知される。光検出器400はこれに応えて電気信号SIを生成し、次いでこの信号が標準的なOCT信号処理技術を用いた処理のためにコンピュータ410に送られる。
サンプルアームSAからの光62SAと参照アームRAからの光62RAとの光学干渉は、2つのアーム間の光路差が光源60からの光62のコヒーレンス長の範囲内であるときにのみ光検出器400で検知される。サンプル70からの深さ情報は、ミラー系530を介して参照アームRAの光路長を軸方向に変化させ、さらに参照アームからの光と、サンプル内から生じるサンプルアームからの散乱光との間の干渉を検知することにより得られる。3次元画像は、サンプルアームにおいて光路を2次元に横に走査することによって得られる。このプロセスの軸方向の分解能は、コヒーレンス長により決定される。
従って、少なくともいくつかの実施形態によれば、非対称の屈折力を備えた円筒状本体を有する光コヒーレンストモグラフィ(OCT)の透明ハウジング内で使用するのに適した、中心軸と端部とを有する光ファイバを支持するビーム成形光学系は、(i)光軸と、外面と、対向する前方端部および後方端部とを有する透明モノリシック体であって、後方端部から光軸に沿って順に、(ii)光ファイバの中心軸が光軸と実質的に同軸上に位置合わせされるように、光ファイバを動作可能に支持するよう構成された少なくとも1つの位置合わせ機構、(iv)折返し光軸を形成する、前方端部に位置する表面(例えば、全内部反射(TIR))、および(v)折返し光軸に沿ってモノリシック体に一体的に形成されたレンズ表面であって、前方端部に隣接する外面の一部を構成するレンズ表面、と共に一体的に形を成したものである、透明モノリシック体、を備え、さらに透明ハウジングが、OCTの透明ハウジングの非対称の屈折力を実質的に補償するように構成された表面を有していることを特徴とする。
従って、いくつかの実施形態によれば、非対称の屈折力を備えた円筒状本体を有する光コヒーレンストモグラフィ(OCT)の透明ハウジング内で使用するのに適した、中心軸と端部とを有する光ファイバを支持するビーム成形光学系は、(i)光軸と、外面と、対向する前方端部および後方端部とを有する透明モノリシック体であって、後方端部から光軸に沿って順に、(ii)光ファイバの中心軸が光軸と実質的に同軸上に位置合わせされるように、光ファイバを動作可能に支持するよう構成された少なくとも1つの位置合わせ機構、(iii)少なくとも1つの位置合わせ機構の終端の、傾斜した平面端部壁の位置にある凹部、(iv)折返し光軸を形成する、前方端部に位置する反射(例えば、全内部反射(TIR))表面、および(v)折返し光軸に沿ってモノリシック体に一体的に形成されたレンズ表面であって、前方端部に隣接する外面の一部を構成するレンズ表面、と共に一体的に形を成したものである、透明モノリシック体、を備え、さらに(a)レンズ表面のみが、屈折力を有し、かつOCTの透明ハウジングの非対称の屈折力を実質的に補償するように構成されている、または(b)レンズ表面および反射表面(すなわち、TIR表面)の夫々が、屈折力を有し、かつOCTの透明ハウジングの非対称の屈折力を実質的に補償するように協働して構成されている、のいずれかであることを特徴とする。TIR表面などの反射表面は平面でもよいし、あるいは円筒の曲率を有したものでもよい。いくつかの実施形態によれば、レンズ表面はアナモフィックな非球面形状を有する。いくつかの実施形態によれば、モノリシック体の軸方向の長さL1は1.4mmから1.6mmの範囲であり、また幅W1は0.83mmから0.85mmの範囲である。いくつかの実施形態によれば、モノリシックの透明な本体は700nmから1,600nmの範囲の動作波長に亘って透明である。モノリシック体は、高分子材料、プラスチック材料、またはガラスの、いずれかから構成されたものでもよい。例えばモノリシックの透明な本体は、高分子材料から、好適にはZEONORから作製してもよい。
いくつかの実施形態によれば、光ファイバは被覆区画と非被覆区画とを含み、また少なくとも1つの位置合わせ機構は、第1および第2の平坦面に形成された第1および第2の溝を含み、この第1および第2の溝は夫々被覆区画と非被覆区画とを収容するサイズである。いくつかの実施形態によれば、光ファイバは少なくとも1つの位置合わせ機構で動作可能に支持される。いくつかの実施形態によれば、光ファイバは、傾斜した平面端部壁に隣接して存在する、傾斜した端部を有する。
いくつかの実施形態によれば、傾斜した光ファイバ端部と傾斜した平面端部壁との間に屈折率整合材が配置される。いくつかの実施形態によれば、傾斜した光ファイバ端部と傾斜した平面端部壁との間に屈折率整合材が配置され、このとき光ファイバの傾斜した端部は傾斜した平面端部壁から距離δzの位置に存在し、δzは0≦δz≦1mmの範囲である。
いくつかの実施形態によれば、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)システムは、本書で説明した任意のビーム成形光学系を含むOCTプローブ、コヒーレント光を放射する光源、光源に光学的に連結され、参照アームとOCTプローブを含むサンプルアームとを有している干渉計であって、光をサンプルアームおよび参照アームの両方に亘って通して干渉光を形成するように構成された干渉計、干渉光を受信および検知するように、さらにこれに応えて電気信号を生成するように構成された光検出器、および、電気信号を受信および処理するように構成されたコンピュータ、を含む。
いくつかの実施形態による光コヒーレンストモグラフィ(OCT)システムは、非対称の屈折力を有する透明な円筒状ハウジング内で使用するためのものであり、
赤外の動作波長で実質的に均一な屈折率と、折返し光軸と、上部と、前方端部および後方端部と、外面とを有する透明モノリシック体を備えている、OCTプローブであって、外面が、上部に形成されかつ後方端部に隣接している、少なくとも1つの平坦面を有している、OCTプローブ、
モノリシック体の少なくとも1つの平坦面に一体的に形成され、光ファイバを支持および位置合わせするように構成された少なくとも1つの位置合わせ機構であって、第1の光学面を画成する端部壁で終端する少なくとも1つの位置合わせ機構、
光軸に沿ってモノリシック体の前方端部に形成された表面(例えば、TIR表面)であって、光軸に対して傾斜しており、さらに折返し光軸を形成する第2の光学面を画成する、表面、および、
折返し光軸に沿ってモノリシック体の上部に前方端部に隣接して形成され、外面の一部を構成し、さらにアナモフィックな非球面形状を有する第3の光学面を画成する、レンズ表面であって、さらに、OCTプローブを少なくとも部分的に包囲している円筒状ハウジングの非対称の屈折力を実質的に補償する、ビーム成形光学系のための屈折力を画成するレンズ表面、を備えている。
いくつかの実施形態によれば、非対称の屈折力を有する透明な円筒状ハウジング内で使用され、かつ光ファイバを支持する、ビーム成形光学系は、
赤外の動作波長で実質的に均一な屈折率と、折返し光軸と、上部と、前方端部および後方端部と、外面とを有する透明モノリシック体であって、外面が、上部に形成されかつ後方端部に隣接している、少なくとも1つの平坦面を有している、透明モノリシック体、
モノリシック体の少なくとも1つの平坦面に一体的に形成され、光ファイバを支持および位置合わせするように構成された少なくとも1つの位置合わせ機構であって、第1の光学面を画成する傾斜した平面端部壁で終端する少なくとも1つの位置合わせ機構、
傾斜した平面端部壁に隣接して、少なくとも1つの光ファイバ位置合わせ機構に形成された、凹部、
光軸に沿ってモノリシック体の前方端部に一体的に形成された全内部反射(TIR)平面表面であって、光軸に対して傾斜しており、さらに折返し光軸を形成する第2の光学面を画成する、TIR平面表面、および、
折返し光軸に沿ってモノリシック体の上部に前方端部に隣接して形成され、外面の一部を構成し、さらにアナモフィックな非球面形状を有する第3の光学面を画成する、レンズ表面であって、さらに、円筒状ハウジングの非対称の屈折力を実質的に補償する、ビーム成形光学系のための屈折力を画成するレンズ表面、を備えている。このビーム成形光学系のいくつかの実施形態において、モノリシック体の軸方向の長さL1は1.4mmから1.6mmの範囲であり、また幅W1は0.83mmから0.85mmの範囲である。いくつかの実施形態によれば、このビーム成形光学系は700nmから1600nmまでの範囲の赤外の動作波長の少なくとも1つの波長で動作する。このビーム成形光学系のいくつかの実施形態によれば、光ファイバは被覆区画と非被覆区画とを含み、さらにこのとき少なくとも1つの平坦面および少なくとも1つの位置合わせ機構は、(a)光ファイバの非被覆区画を収容するサイズの第1の中心位置合わせ溝がその中に形成された、傾斜した平面端部壁に隣接する第1の平坦面部分、および(b)光ファイバの被覆区画を収容するサイズの第2の中心位置合わせ溝がその中に形成された、後方端部と第1の平坦面部分との間の第2の平坦面部分、を含み、第2の平坦面部分は第1の平坦面部分に対して高くなった位置にある。このビーム成形光学系のいくつかの実施形態によれば、光ファイバは、被覆区画と非被覆区画との間の境界を画成する被覆区画のエッジを含み、さらに第1および第2の中心位置合わせ溝は、光ファイバが第1および第2の位置合わせ溝の中に動作可能に配置されたときに被覆区画のエッジが接する、位置合わせ機構のエッジを画成する。いくつかの実施形態によれば、モノリシック体は高分子材料またはプラスチック材料のいずれかから構成され、好適にはZEONORから構成される。いくつかの実施形態によれば、ビーム成形光学アセンブリは、本書で説明した任意の実施形態によるビーム成形光学系と、少なくとも1つの位置合わせ機構によって動作可能に支持された光ファイバとを備え、このとき光ファイバの端部は、傾斜した平面端部壁に隣接し、かつレンズ表面によって画成される物体面の位置に存在する。いくつかの実施形態によれば、光ファイバ端部は傾斜している。
いくつかの実施形態によれば、端部と中心軸とを有する光ファイバからの光で、非対称の屈折力を有する円筒状の透明ハウジングを通して像点を形成する方法は、
外面を有する透明モノリシック体であって、傾斜した平面端部壁から全内部反射(TIR)表面へ、さらに次いでレンズ表面へと、折返し光軸に沿った折返し光路を画成するように構成された透明モノリシック体の、少なくとも1つの位置合わせ機構内で、光ファイバを動作可能に支持するステップであって、外面の一部を構成しているレンズ表面が、またはこのレンズ表面およびTIR表面が、光ファイバ端部が存在する物体面と像点が形成される画像面とを画成し、このレンズ表面が、またはこのレンズ表面およびTIR表面の両方が、レンズ表面と画像面との間の光路内にある円筒状の透明ハウジングの非対称の屈折力を、実質的に補償するように構成されているステップ、および、光を、物体面に位置する光ファイバ端部から、傾斜した平面端部壁を通じて、さらに折返し光路に沿って画像面まで送り、実質的に回転対称の像点を画像面で形成するステップ、を含む。いくつかの実施形態によれば、TIR表面は平面表面であり、かつレンズ表面はアナモフィックな非球面表面である。この方法は、傾斜した端部壁から0≦δz≦1mmの範囲の距離δzだけ間隔を空けて光ファイバ端部が配置されるように、光ファイバ端部を配置するステップをさらに含んでもよい。少なくともいくつかの実施形態によれば、この方法は、700nmから1,600nmの間の動作波長を有する光を提供するステップをさらに含む。いくつかの実施形態によれば、この方法は、像点の1以上の測定結果に基づいて、少なくとも1つの位置合わせ機構内で光ファイバを軸方向に位置合わせするステップを含む。いくつかの実施形態によれば、この方法は、TIR表面および/またはレンズ表面を、直交する方向において屈折力を有する円筒状表面として形成するステップを含む。いくつかの実施形態によれば、光ファイバ端部および傾斜した端部壁は間隙を画成し、さらにこの方法は、
この間隙を屈折率整合材で満たすステップ、および、
光をこの屈折率整合材を通じて伝達するステップ、
をさらに含む。
いくつかの実施形態によれば、物体面と画像面とを画成するビーム成形光学系を光学的に試験する方法は、(i)少なくとも1つの位置合わせ機構を有する外面と、傾斜した平面端部壁から反射表面まで、さらに次いで外面の一部を構成するレンズ表面までへの、折返し光軸に沿った折返し光路とを有している透明モノリシック体の形で、ビーム成形光学系を提供するステップ、(ii)少なくとも1つの位置合わせ機構で光ファイバを支持するステップであって、光ファイバの端部が、ビーム成形光学系の画像面に存在しているステップ、(iii)光を光ファイバ端部から、傾斜した平面端部壁を通じて、さらに折返し光路に沿って画像面まで送り、像点を画像面で形成するステップ、および(iv)像点を画像面で検知するステップ、および(v)検知された像点を参照像点と比較するステップを含む。
いくつかの実施形態によれば、物体面と画像面とを画成するビーム成形光学系を光学的に試験する方法は、(i)少なくとも1つの位置合わせ機構を有する外面と、傾斜した平面端部壁から全内部反射(TIR)表面まで、さらに次いで外面の一部を構成するレンズ表面までへの、折返し光軸に沿った折返し光路とを有している透明モノリシック体の形で、ビーム成形光学系を提供するステップ、(ii)少なくとも1つの位置合わせ機構で光ファイバを支持するステップであって、光ファイバの端部が、ビーム成形光学系の画像面に存在しているステップ、(iii)光を光ファイバ端部から、傾斜した平面端部壁を通じて、さらに折返し光路に沿って画像面まで送り、像点を画像面で形成するステップ、および(iv)像点を画像面で検知するステップ、および(v)検知された像点を参照像点と比較するステップを含む。
いくつかの実施形態によれば、ビーム成形光学系を光学的に試験する方法は、透明な円筒状ハウジングの一部分を光路が通過するように、ビーム成形光学系を透明な円筒状ハウジングの内部に配置するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態によれば、ビーム成形光学系を光学的に試験する方法は、レンズ表面と画像面との間の光路内に、OCTプローブの透明な円筒状ハウジングを表す、屈折力を有する円筒状光学素子を挿入するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態によれば、ビーム成形光学系を光学的に試験する方法は、(i)焦点位置に応じて複数の像点を検知するステップ、および(ii)複数の像点を、対応する複数の参照像点と比較するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態によれば、ビーム成形光学系を光学的に試験する方法は、像点が参照像点に最も厳密に一致するよう光ファイバの位置を軸方向に調節することによって、光ファイバの軸方向の位置合わせを最適化するステップをさらに含む。
本書では、特定の態様および特徴を参照して実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は所望の原理および用途の単なる実例に過ぎないことを理解されたい。従って、この実例の実施形態に対して多くの変更形態が作製可能であること、また添付の請求項の精神および範囲から逸脱しない他の配置が考案できることを理解されたい。
20 透明ハウジング
26 円筒状ハウジング本体
50 光ファイバ
52 光ファイバ端部
62 光
100 ビーム成形光学系
102 ビーム成形光学アセンブリ
110 モノリシック体
112 前方端部
114 後方端部
116 上部
120 外面
143、144 平坦面部分
153、154 中心位置合わせ機構
157 凹部
160 平面端部壁
170 TIR表面
204 レンズ表面
380 像点

Claims (9)

  1. 非対称の屈折力を備えた円筒状本体を有する光コヒーレンストモグラフィ(OCT)の透明ハウジング内で使用するのに適した、中心軸と端部とを有する光ファイバを支持するビーム成形光学系において、
    光軸と、外面と、対向する前方端部および後方端部とを有する透明モノリシック体であって、前記後方端部から前記光軸に沿って順に、
    前記光ファイバの前記中心軸が前記光軸と実質的に同軸上に位置合わせされるように、前記光ファイバを動作可能に支持するよう構成された、少なくとも1つの位置合わせ機構、
    前記少なくとも1つの位置合わせ機構の終端の、傾斜した平面端部壁の位置にある、凹部、
    折返し光軸を形成する、前記前方端部に位置する反射表面であって、好適には全内部反射(TIR)である、反射表面、および、
    前記折返し光軸に沿って前記モノリシック体に一体的に形成されたレンズ表面であって、前記前方端部に隣接する前記外面の一部を構成する、レンズ表面、
    と共に一体的に形を成したものである、透明モノリシック体、
    を備え、さらに、
    a)前記レンズ表面のみが、屈折力を有し、かつ前記OCTの透明ハウジングの前記非対称の屈折力を実質的に補償するように構成されている、または
    b)前記レンズ表面および前記反射表面の夫々が、屈折力を有し、かつ前記OCTの透明ハウジングの前記非対称の屈折力を実質的に補償するように協働して構成されている、
    ことを特徴とするビーム成形光学系。
  2. 前記レンズ表面がアナモフィックな非球面形状を有することを特徴とする請求項1記載のビーム成形光学系。
  3. 前記モノリシック体の軸方向の長さL1が1.4mmから1.6mmの範囲であり、かつ幅W1が0.83mmから0.85mmの範囲であることを特徴とする請求項1または2記載のビーム成形光学系。
  4. 前記モノリシック体が、700nmから1,600nmの範囲の動作波長に亘って透明な、高分子材料、プラスチック材料、またはガラスの、いずれかから構成されたものであることを特徴とする請求項1または2記載のビーム成形光学系。
  5. 前記光ファイバをさらに含み、前記光ファイバが前記少なくとも1つの位置合わせ機構で動作可能に支持されていることを特徴とする請求項1または2記載のビーム成形光学系。
  6. 前記光ファイバの前記端部が、前記傾斜した平面端部壁から距離δzの位置に存在し、δzは0≦δz≦1mmの範囲であることを特徴とする請求項5記載のビーム成形光学系。
  7. 端部と中心軸とを有する光ファイバからの光で、非対称の屈折力を有する円筒状の透明ハウジングを通して像点を形成する方法において、
    外面を有する透明モノリシック体であって、傾斜した平面端部壁から全内部反射(TIR)表面へ、さらに次いで前記外面の一部を構成するレンズ表面へと、折返し光軸に沿った折返し光路を画成するように構成された透明モノリシック体の、少なくとも1つの位置合わせ機構内で、前記光ファイバを動作可能に支持するステップであって、前記レンズ表面が、または前記レンズ表面および前記TIR表面が、前記光ファイバの端部が存在する物体面と前記像点が形成される画像面とを画成し、前記レンズ表面が、または前記レンズ表面および前記TIR表面の両方が、前記レンズ表面と前記画像面との間の光路内にある前記円筒状の透明ハウジングの前記非対称の屈折力を、実質的に補償するように構成されているステップ、および、
    前記光を、前記物体面に位置する前記光ファイバの端部から、前記傾斜した平面端部壁を通じて、さらに前記折返し光路に沿って前記画像面まで送り、実質的に回転対称の前記像点を前記画像面で形成するステップ、
    を含むことを特徴とする方法。
  8. 前記TIR表面が平面表面であり、かつ前記レンズ表面がアナモフィックな非球面表面であることを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 前記像点の1以上の測定結果に基づいて、前記少なくとも1つの位置合わせ機構内で前記光ファイバを軸方向に位置合わせするステップをさらに含むことを特徴とする請求項7または8記載の方法。
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