JP2015516415A - 化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸および子宮収縮剤を用いた分娩後出血の処置 - Google Patents

化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸および子宮収縮剤を用いた分娩後出血の処置 Download PDF

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Abstract

本発明は、分娩後出血の処置または予防のための特定の硫酸化グリコサミノグリカンの使用について言及する。硫酸化グリコサミノグリカンは低下した抗凝固活性を有し、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な少なくとも1つの子宮収縮剤と併用して投与され、それによって血管を圧縮して出血を止める。

Description

発明の分野
本発明は、分娩後出血(PPH)の予防および処置のための特定の硫酸化グリコサミノグリカンの使用について言及する。
背景
分娩後出血(PPH)は妊産婦死亡の主要な要因であり続けており、急速な失血と関連しているいくつかの重大な合併症を引起こし得る。PPHに関するさまざまな定義があるが、PPHは通常、500〜1000mlを超える失血と関連している。PPHの背景にはいくつかの根本原因があり、出産後24時間以内に起きる一次出血については、最も一般的な原因には子宮アトニー、胎盤遺残、凝固障害および子宮内反症が含まれる。CW Su;Prime Care Clin Office Part、Vol. 39、2192、pp167−187を参照。臨床的に最も多い原因は子宮アトニーであり続けており、これは子宮筋線維の収縮不足およびらせん動脈の不十分な閉塞をもたらし、止血不能の出血につながる。CW Suによる上記の論文は子宮アトニーをもたらす多数のリスク因子を概説しており、そのうちの1つは、分娩を誘発するために、または分娩停止を処置するために従来から投与されているオキシトシンの長時間の使用である。高レベルのオキシトシンとPPHとの関係は、J Belghettiら、British medical Journal、2100、Vol. 1、pp1−9にさらに説明されている。
子宮収縮剤を用いてPPHを予防するために介入することは、臨床的に認められた療法であり、子宮緊張を変える直接の薬剤としてオキシトシンが頻繁に与えられる。CW Su;Prime Care Clin Office Part、Vol. 39、2192、pp167−187を参照。子宮収縮性を高めるのに有用な他の薬剤には、麦角アルカロイドおよびプロスタグランジン、たとえばメテルギン、カルボプロストおよびジノプロストンおよびミソプロストールが含まれる。しかし、子宮アトニーがこの種類の薬理学的処置に十分反応せず、重大な外科的介入が必要とされる状況が頻繁に発生する。
ヘパリンは、マスト細胞によって合成されてマスト細胞内に保管される、天然に存在するグリコサミノグリカンである。ヘパリン処置の主な潜在的な悪影響は、その抗凝固特性によって生じる出血合併症および低バイオアベイラビリティである。ヘパラン硫酸は反復する二糖類としてグルコサミン酸およびウロン酸を有し、N−アセチル化二糖類およびN−硫酸化二糖類からなる。ヘパラン硫酸はさらに、ヘパリンよりも非常に低いが、特定の抗凝固性五糖類の存在に依存する抗凝固活性を保有する。
低分子量へパリンまたは脱重合化ヘパリンは、交互のN−硫酸化グルコサミンおよびIdoA残基から主になり、かつ抗凝固性五糖類をしばしば含む、直鎖状のオリゴ糖である。それらは、特定の化学的または酵素的切断によってヘパリンから調製され得る。それらの主な臨床的機能は、凝固第Xa因子の抗トロンビンによって阻害を増強することであり、これによって抗血栓作用をもたらす。選択的抗凝固活性を有するヘパリン画分およびその調製方法が、米国特許番号第4,303,651号に記載されている。欧州薬局方(PharmEur)によると、ヘパリンが低分子量ヘパリン(低分子質量ヘパリン)と称されるためには、70IU(国際単位)/mg以上の抗第Xa因子活性および8000Da未満のMを有しなければならない。
WO 03055499は、100BP単位/mg以下の抗凝固活性を有するヘパリンなどの硫酸化グリコサミノグリカンが、一般に女性の有効な分娩を確立するための頸部および子宮筋層の予防的プライミングまたは治療的処置に有効であると教示している。この文献では、内因性オキシトシンレベルが低い場合、子宮筋層のプライミングのために硫酸化グリコサミノグリカンがオキシトシンと併用して使用され得ると示唆されている。しかし、直接的な治療効果を必要とする合併症が起こった場合に硫酸化グリコサミノグリカンが直接介入療法に有用であるとは示唆されていない。
Acta Obstetricia et Gynecologica、2009、88、984−989(Ekman−Ordebergら)における前臨床実験では、抗凝固活性を有するまたは有さない低分子量ヘパリンを用いた前処置は、帝王切開から得られた子宮筋片を収縮するオキシトシンの作用を増強することが証明されている。著者らは、予防的処置が遅延分娩に対する新たな可能性のある療法であり得ると示唆している。ここでも、直接的な治療効果を必要とする合併症が起こった場合に低分子量ヘパリンが直接介入療法に有用であるとは示唆されていない。
したがって、子宮筋層収縮を効果的にかつ確実に誘発することによってPPHに対処可能な処置を見つけることが必要である。
発明の要約
本発明は、10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な子宮収縮剤と併用して投与する、分娩後出血(PPH)の処置および予防に関する。
オキシトシンと本発明に従って定義される化学修飾ヘパリン(DF01)とを併用して処置した場合の子宮筋細胞へのカルシウムイオン流入を示す図である。 オキシトシンと本発明に従って定義される化学修飾ヘパリン(DF01)とを併用して処置した場合の子宮筋細胞へのカルシウムイオン流入を示す図である。 オキシトシンと本発明に従って定義される化学修飾ヘパリン(DF01)とを併用して処置した場合の子宮筋細胞へのカルシウムイオン流入を示す図である。 オキシトシンと本発明に従って定義される化学修飾ヘパリン(DF01)とを併用して処置した場合の子宮筋細胞へのカルシウムイオン流入を示す図である。
発明の説明
本明細書中で使用される専門用語は特定の実施形態を説明するために用いられているに過ぎず、限定的であることを意図していないことを理解すべきである。
本明細書および添付の請求項で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈中に明らかな指示がない限り複数の指示対象を含むことに留意されたい。
また、「約」という用語は、該当する場合、与えられた値の+/−2%、好ましくは+/−5%、もっとも好ましくは数値の+/−10%の偏差を示すために用いられる。
本発明の一局面において、「分娩後出血(PPH)」という用語は、経腟分娩後の約500ml以上の、および帝王切開分娩後の約1000ml以上の失血と定義される。本発明のさらなる局面において、「分娩後出血(PPH)」という用語は、経腟分娩後の約1000ml以上の、および帝王切開分娩後の約1000ml以上の失血と定義される。PPHは、分娩後の子宮アトニーおよび子宮の効果的でない収縮と一般に関連している。PPHの他の原因には、外傷、胎盤遺残、および凝固障害がある。
子宮アトニーは、子宮筋系の緊張の損失である。通常、子宮筋の収縮によって血管が圧縮されて流れが減少する。これによって凝固の可能性が高まり、出血が予防される。ゆえに、子宮筋収縮の欠如は急性出血をもたらし得る。子宮筋緊張の消失に寄与し得る多くの要因があり、その中には、子宮の過膨張、多胎妊娠、羊水過多症、胎児の巨人症、分娩の誘発および/または分娩停止を含む難産、過期産、分娩のオキシトシン増大、多産(5回以上出産している)、急遂分娩(3時間未満しかかからない分娩)、子癇前症の硫酸マグネシウム処置、絨毛羊膜炎、ハロゲン化麻酔薬、ならびに子宮筋腫を含むが、これらに限定されない。
「子宮収縮剤」という用語は、子宮筋層収縮または子宮のより高い緊張度を誘発するために臨床的に用いられる薬剤に関する。従来、子宮収縮剤は、分娩を誘発し、分娩停止を処置するため、および分娩後出血を減少させるための両方に用いられてきた。オキシトシンは、定着した子宮収縮剤である。一般的な文脈において、子宮収縮剤は、オキシトシンと類似の薬剤、またはオキシトシンの分泌を促進することによってオキシトシンのレベルに間接的に影響を及ぼし得る薬剤、たとえばセロトニン作動薬にも及ぶ。本発明に従う有用な子宮収縮剤のさらなる非限定的な例には、麦角アルカロイド、プロスタグランジン、またはプロスタグランジンの類似体がある。カルボシステイン(carbocetin)は、オキシトシンの有用な類似体である。有用なプロスタグランジンは、たとえばカルボプロスト、ミソプロストール、ジノプロストンおよびプロスタグランジンF2α類似体であり、麦角アルカロイドは、たとえばメチルエルゴノビンおよびエルゴメトリンである。本発明は、2つ以上の子宮収縮剤を使用する方法および使用にも及ぶ。
「併用して」という用語は、本明細書において記載される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を含み、かつ子宮の子宮筋層収縮を促進または刺激するのに有効な少なくとも1つの子宮収縮剤と併用して使用される療法を意味する。
本発明の一局面において、本明細書において請求される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、子宮収縮剤を用いた療法をすでに受けている女性に対して追加療法として投与される。
本発明のさらなる局面において、本明細書において定義される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、子宮収縮剤と同時に投与される。
本発明のさらなる局面において、本明細書において定義される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、子宮収縮剤に連続して投与される。
「PPHの処置」という用語は、本明細書において請求および記載される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の投与からの反応を提供する療法に関する。一局面において、本発明に係るPPHの処置は、投与後に、有効な子宮の子宮筋層収縮の確立およびPPHの処置につながるプロセスを開始する介入投与療法として行われる。
本発明の一局面は、リスクカテゴリーに入る女性のPPHの予防に関する。本局面では、患者(女性)は、出産直後および出血の開始前に、有効な子宮の子宮筋層収縮の確立につながり、それによってPPHのイベントを抑制するプロセスを開始する投与を受ける。そのような患者の例は、患者が子宮の過膨張、子宮収縮剤の長時間の使用、急遂または遅延分娩、多産、早期PPHおよび絨毛羊膜炎(chloroamnionitis)にさらされるとリスクになり得るように、子宮アトニーおよび不十分な子宮収縮に苦しむと判断または予想されている女性である。特に対象とされる、または適格の患者は、分娩を誘発するために、分娩停止を処置するために、または分娩を誘発しかつ分娩停止を処置するために子宮収縮剤を受けた患者、子宮収縮剤の投与に反応しないと判断される患者、または高用量の子宮収縮剤で処置された患者である。この予防法は、本明細書において請求および記載される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の皮下投与または局所投与、たとえば膣内投与を含み得る。
本発明の文脈において、「分娩誘発」とは、分娩および出産をもたらす進行を達成するために子宮の子宮筋層収縮から十分に有効な分娩を直接的または間接的に開始する治療介入と一般に定義される。
分娩は多数の方法で誘発され得、そのすべてが熟練者にとって公知である。分娩の誘発方法の非限定的な例には、物理的刺激プロセス;オキシトシン、プロスタグランジンEまたはその誘導体、たとえばミソプロストールおよびジノプロストン(dinoprostol)の投与;羊膜嚢の破裂;頸部の拡張、および頸部内バルーンの投与がある。また、これらの分娩誘発プロセスの組合わせも使用可能である。
「分娩停止」という用語は、本発明の文脈において、妊娠女性が反復する子宮収縮を有し始めたときから始まる分娩のすべての段階における分娩の異常を特徴付けるために用いられる。分娩の正常な進行は、定期的な子宮の子宮筋層収縮が、1時間当たり少なくとも約1cmの頸部拡張から10cmの拡張をもたらすことと定義される。本発明の文脈において、分娩の正常な進行は有効な分娩とも定義される。
分娩停止は、正常よりも遅い進行(すなわち1時間、1〜2時間または少なくとも2時間内の約1cm未満の頸部拡張)から、頸部成熟および子宮の子宮筋層収縮の進行の完全な欠如までの、さまざまな状況を意味する。女性は、分娩の異なる段階で分娩停止になり得る。初期段階の分娩停止(「一次的な停止」とも称される)は、頸部拡張障害に起因することが多く、分娩の後期(すなわち女性が正常な進行の当初のcmを有して≧5〜6cm拡張しており、「二次的な停止」と称される)では子宮の子宮筋層収縮の障害または不足に起因する。この文脈における分娩停止の意味は、難産、分娩の進行の遅延、分娩の停止、進行の完全な中止、機能障害分娩、および反復する子宮収縮を経験した後に生じる児頭骨盤不均衡などの臨床上の一般用語に及ぶ。
200IU/mg未満の抗第Xa因子活性などの低抗凝固作用を有する硫酸化グリコサミノグリカンが、PPHの処置または予防のために本明細書に開示される。硫酸化グリコサミノグリカンは、PPHの処置において、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な少なくとも1つの子宮収縮剤と併用して投与される。グリコサミノグリカンは、ヘパラン硫酸、脱重合化ヘパラン硫酸、ヘパリン、脱重合化ヘパリン(たとえば低分子量ヘパリン)、デルマタン硫酸、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸および脱重合化コンドロイチン硫酸からなる群から選択される硫酸化グリコサミノグリカンである。
本発明の一局面において、30IU/mg未満の抗第IIa因子活性および30IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する少なくとも1つの化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の有効量が、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な少なくとも1つの薬剤と併用して、PPHに苦しんでいる女性に投与される。本発明のさらなる局面において、本発明の方法で使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、10IU/mg以下の抗第Xa因子活性および10IU/mg以下の抗第IIa因子活性を有する。
一局面において、本発明の使用に従って投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の平均分子量(Mw)は30000Da以下である。別の局面において、本発明に従って投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の平均分子量(Mw)は20000Da未満である。別の局面において、本発明に従って投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の平均分子量(Mw)は10000Da以下である。別の局面において、本発明に従って投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の平均分子量(Mw)は8000Da以下である。さらに別の局面において、本発明に従って投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の平均分子量(Mw)は7000Da以下である。
ヘパリン、低分子量ヘパリンおよび他のヘパリン誘導体の抗凝固活性は、抗トロンビンによって凝固第Xa因子および第IIa因子の阻害を増強するそれらの能力として測定されることが多い。抗第Xa因子活性および抗第IIa因子活性の測定方法は熟練者に周知であり、欧州薬局方(PharmEur)および米国薬局方(USP)などの薬局方にも記載されている。
抗凝固活性は、たとえば選択的過ヨウ素酸酸化によって排除され得る(たとえばFransson LA、およびLewis W、Relationship between anticoagulant activity of heparin and susceptibility, to periodate oxidation、FEBS Lett. 1979、97:119−23;Lindahlら、Proc Natl Acad Sci USA、1980;77(11):6551−6555を参照)が、熟練者に公知の他の手段によっても排除され得る。
本発明のさらなる局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の二糖構造は、非硫酸化グルクロン酸およびイズロン酸単位を本質的に有しておらず、10IU/mg以下の抗第Xa因子活性および10IU/mg以下の抗第IIa因子活性を有する。
本発明のさらなる局面において、化学修飾ヘパリンは、10IU/mg以下の抗第Xa因子活性および8000Da以下または7000Da以下の平均分子量を有する低抗凝固ヘパリンである。
一局面において、本発明は、抗トロンビン結合親和性を排除するための過ヨウ素酸を用いた処置によってヘパリンの抗凝固作用が除去された、化学修飾ヘパリンの使用に向けられる。そのような化学修飾ヘパリンを得る1つの非限定的な方法は、過ヨウ素酸酸化を行い、次に生成物のアルカリβ脱離を行うことである。このプロセスは抗凝固活性の排除につながる。米国特許番号第4,990,502号(Lormeauら)に開示されているプロセスは、天然ヘパリンを処置して抗凝固作用を担う五糖配列を選択的に切断し、次いで脱重合化を行うことによって、平均分子量が5.8〜7.0kDaの低抗凝固ヘパリンをもたらす1つの方法を実証している。
本発明の一局面において、本発明に従って使用される化学修飾ヘパリンの平均分子量(Mw)は約4.6〜約6.9kDaである。
本発明の一局面は、10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはへパラン硫酸であって、
(i)抗凝固作用を媒介する化学的に未変化の糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
(ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを含み、(式I)は、
Figure 2015516415
であり、分娩後出血の処置または予防において少なくとも1つの子宮収縮剤と併用して使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸である。
この文脈において、抗凝固作用を媒介する化学的に未変化の糖配列を本質的に含まない多糖鎖を含む化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸(heparin sulfate)とは、多糖鎖が、抗トロンビン(antithrobmin)(AT)によって抗凝固作用を特異的に媒介する本質的にすべての五糖類を修飾するように化学的に処置されていることを意味する。
そのような化学修飾ヘパリンの支配的に生じる多糖鎖は6〜12個の二糖単位を有し、分子量は3.6〜7.2kDaである。多糖鎖の少なくとも70%が、少なくとも3kDaよりも高い分子量を有する。多糖類および重量の累積%として表わされるそれらの対応する分子質量の分布は以下の表に従い得る。
Figure 2015516415
さらに、多糖は、式Iに示されるような還元末端残基を有する糖鎖を含み、未変化の非硫酸化イズロン酸および/またはグルクロン酸を本質的に含まない。
一局面において、この化学修飾ヘパリンは、天然ヘパリンからの5.42ppmにおける信号に対して4%未満の強度(%比)を有するH−NMRスペクトル中の5.0〜6.5ppmの区間内の信号として存在する修飾グルコサミンを含む。これらのグルコサミン信号は、5.95ppmおよび6.15ppmに存在し得る。一局面において、グルコサミンの全含量の1%未満が修飾される。
本文脈において、「修飾グルコサミン」とは、ヘパリン生成物または低分子量ヘパリン生成物(脱重合化ヘパリン)からのH−NMRスペクトル中に見つかると予想されない残基構造を有するグルコサミンを意味する。修飾グルコサミンの出現は、抗凝固作用を実質的に排除するために非硫酸化イズロン酸および/またはグルクロン酸を酸化するための化学修飾プロセスに起因し得る。修飾グルコサミンは、非特異的脱重合などの、化学修飾ヘパリン生成物の予測不可能な特性を呈示し得るため、その存在を最小にすることが望ましい。
一局面において、化学修飾ヘパリンは、不飽和結合を有する非還元末端に修飾グルコサミンを含む。そのような修飾グルコサミンは、H−NMRスペクトル中の5.95ppmおよび6.15ppmにおける信号として存在する。
本発明は、出産後に血管の圧縮不足につながる子宮アトニーのために女性に投与される、子宮の子宮筋層収縮を促進または刺激可能な1つ以上の子宮収縮剤と併用される、本明細書において記載される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を用いた処置に関する。本発明の一局面において、子宮収縮剤はオキシトシンである。ゆえに、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、オキシトシンに対するアジュバントとして投与されると、オキシトシンによって誘発される子宮の子宮筋層収縮を促進する。処置レジメンは処置を行う熟練の医師または人員によって現在の実務に従って設定され、好ましくは、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸はオキシトシンと併用して投与されるため、オキシトシンの臨床ルーチンに適合するように設定される。本発明の一局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は1時間ごとに最大で1回、または2時間ごとに最大で1回投与される。本発明の一局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、1〜24回/24時間投与される。本発明のさらなる局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、12〜24回/24時間投与される。本発明のさらなる局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、1〜36回/36時間投与される。本発明のさらなる局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、18〜36回/36時間投与される。投与は静脈内および/または皮下に行われ得る。一局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は持続注入によって投与される。現在の臨床実務では、オキシトシンは静脈内投与される。
本方法の一局面において、女性は、投与量当たり最大で360mgの化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を受ける。さらなる局面において、女性は、投与量当たり最大で250mgの化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を受ける。さらなる局面において、女性は、投与量当たり最大で200mgの化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を受ける。
本方法の一局面において、女性は、最大で約2.0gの化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を24時間ごとに受ける。別の局面において、女性は、最大で約1.5gの化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を24時間ごとに受ける。非限定的な例として、1.5gが250mgの用量で6回投与される。
本方法の一局面において、オキシトシンが選択される場合の子宮収縮剤の用量は1〜80IUであり得る。一局面において、オキシトシンは最大で10IUの用量で4〜5回/24時間投与される。
一局面において、本発明に従って使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な少なくとも1つの子宮収縮剤とともにキットに含まれる。化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸および少なくとも1つの子宮収縮剤は、異なる臨床的状況に対応する単回または複数回用量の形態で提供され得る。たとえば、1つまたは複数の子宮収縮剤および化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸調製物は、異なる用量を有する予め充填されたシリンジまたはアンプルを有するキットの形態で提供され得る。処置を行う熟練の人員または医師は、臨床実務に従って用量を選択し得る。たとえば、女性を処置している熟練の医師または人員は、当初の低用量の子宮収縮剤、たとえば1〜10IUのオキシトシンを、最大で360mgの用量の化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸とともに選択し得る。調製物は、併用されるか別々の子宮収縮剤および化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を含み得る。収縮反応が不足している場合、キットからより高い用量が選択され、たとえばより高濃度のオキシトシンまたは補充の子宮収縮剤と併用されるオキシトシンとともに選択される。好ましくは、急性の状況に適している調製物は静脈内投与に適合される。
一局面において、本発明に従って使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、数用量での投与に適合された複数回用量の形態の少なくとも子宮収縮剤とともにキットに含まれる。一例では、複数回用量の形態のオキシトシンおよび化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を含むキットは、当初の低用量または標準用量のオキシトシンと併用して投与される。患者がPPHにあり続ける場合、オキシトシンは、子宮の子宮筋層収縮の進行が確立されるまで複数回用量の形態から制御された用量で1回または数回投与され得る。
本発明に係る方法および使用は、本明細書および請求項の他の箇所のいずれかで定義されるような特徴を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の投与を含み得る。
本発明に従って使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、皮下注射または静脈内注射などの非経口投与によって薬学的組成物として全身投与され得る。一局面において、急性の状況については、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸および子宮収縮剤は非経口投与される。別の局面において、使用が予防的である場合、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸および子宮収縮剤は皮下投与または局所投与される。また、たとえばオキシトシンをプロスタグランジンとともに投与するなど、いくつかの子宮収縮剤は、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸とともに投与され得る。非経口投与については、化学修飾ヘパリンもしくはヘパラン硫酸および/または子宮収縮剤は溶液または懸濁液に組み込まれ得、これらはまた、1つ以上のアジュバント、たとえば滅菌希釈液、たとえば注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセロール、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、緩衝剤および容量オスモル濃度調整剤も含む。非経口調製物は、アンプル、バイアル、使い捨てシリンジで、または輸液の形態で送達され得る。
一局面において、本発明は、PPHの処置において子宮の子宮筋層収縮を促進可能な少なくとも1つの子宮収縮剤と併用して使用される、10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸に関する。さらに別の局面において、本発明は、PPHの処置において使用される医薬品の製造のための、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な少なくとも1つの子宮収縮剤と併用される、10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の使用に関する。
本発明において開示される実施形態および局面の任意の組合わせが本発明に含まれる。
本発明を以下の非限定的な例においてさらに開示する。以下の節で説明および例示するプロセスは、非特異的脱重合を抑制または排除する異なる局面を含む。
実施例
以下の実施例1〜9は、本発明に従って使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸をどのように生成するかの実施例である。
物質はヘパリンナトリウムから調製される。調製は、ATを結合する五糖配列内のグルクロン酸部分を含む、ヘパリン中の非硫酸化ウロン酸残基の過ヨウ素酸による選択的酸化を含む。この残基の構造の破壊によって、ATとの高親和性相互作用が消滅し、その結果、抗凝固作用(a−FXaまたはa−FIIaとして測定される)が本質的に失われる。その後のアルカリ処理、ベータ脱離反応によって、過ヨウ素酸によって酸化されていない非硫酸化ウロン酸の部位においてポリマーの切断が生じる。これらの操作はともに、ヘパリン鎖の十分な脱重合とともに抗凝固活性の消失につながる。
さらに、切断部位において結果として得られる還元末端はNaBHによって還元され、これは末端アルデヒドをより安定した対応するジオールに変換する。次に、添加物、不純物および副生物が、エタノール沈殿、濾過および遠心分離を繰返すことによって除去される。その後、真空および熱で乾燥することによって粉末状の物質が得られる。この原体は滅菌水性緩衝液に溶解され、静脈内投与または皮下投与用の製剤を生じる。
ここまで説明したプロセスは、酸化、ポリマー切断(アルカリ加水分解)および還元のステップを一般に含む。本発明に係るプロセスは、ヘパリン鎖のいかなる種類の非特異的脱重合も抑制または排除するために展開される。この文脈における非特異的重合とは、特異的なアルカリベータ脱離反応と関連していないそのような脱重合を一般に意味する。非特異的脱重合は生成物の構造上の不安定性につながり、これは、精製された生成物の保管時のさらなる脱重合および変色をもたらし得る。それは、ヘパリン内に通常は見つからないNMRスペクトルに出現する非定型種の出現にも寄与し得る。
実施例1
非硫酸化グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、AT結合五糖および抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を18〜24時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。
酸化反応の終了およびヨウ素含有化合物の除去
慎重に撹拌しながら5〜25℃の温度で、エタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間かけて反応混合物に添加した。添加すべきエタノールの体積は、処理溶液の体積当たり1〜2体積分のエタノールの範囲内にある。次に酸化ヘパリンを15〜20時間沈殿および沈降させ、その後、母液をデカントして捨てた。
次に、沈降物を精製水に溶解して15〜30%w/v処理溶液を得た。NaClを添加して、処理溶液中の0.15〜0.30モル/リットルの濃度を得た。5〜25℃の温度を維持しつつ、撹拌をさらに0.5〜1時間続けた。その後、処理溶液の体積当たり1.0〜2.0体積分のエタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間にわたって撹拌しながらこの溶液に添加した。これによって、生成物が溶液から沈殿した。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
母液をデカントして捨てた後、沈降物が完全に溶解するまで約7リットルの水中に撹拌し、溶液の濃度は15〜30%になった。温度を5〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOH溶液をゆっくりと添加した。反応を起こして15〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、pHが10〜11に増加する間、130〜150グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。
実施例5に従って精製が続く。
実施例2
グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を22〜26時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。反応期間の最後のpHを測定および記録した。
酸化反応の終了およびヨウ素含有化合物の除去
慎重に撹拌しながら5〜25℃の温度で、エタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間かけて反応混合物に添加した。添加すべきエタノールの体積は、処理溶液の体積当たり1〜2体積分のエタノールの範囲内にある。次に酸化ヘパリンを15〜20時間沈殿および沈降させ、その後、母液をデカントして捨てた。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
母液をデカントして捨てた後、沈降物が完全に溶解したと視覚的に確認されるまで約7リットルの水中に撹拌した。温度を20〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOHをゆっくりと添加し、このように開始した反応を15〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
母液をデカントして捨てた後、処理溶液の濃度15〜30%w/vが得られるまで、精製水を添加することによって沈降物を溶解した。温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、130〜150グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加して溶解した。pHはpH10〜11に急激に増加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応期間の前後両方の溶液のpHを記録した。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。
実施例5に従って精製が続く。
実施例3
グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応器は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を18〜24時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
温度を5〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOH溶液をゆっくりと添加した。反応を起こして15〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、pHが10〜11に増加する間、130〜200グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。
還元生成物の沈殿およびヨウ素含有化合物の初期除去
慎重に撹拌しながら5〜25℃の温度で、エタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間かけて反応混合物に添加した。添加すべきエタノールの体積は、処理溶液の体積当たり1〜2体積分のエタノールの範囲内にある。次に酸化ヘパリンを15〜20時間沈殿および沈降させ、その後、母液をデカントして捨てた。
次に、沈降物を精製水に溶解して15〜30%w/v処理溶液を得た。NaClを添加して、処理溶液中の0.15〜0.30モル/リットルの濃度を得た。
実施例5に従って精製が続く。
実施例4
グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応器は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を18〜24時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。次に、グリセロールを添加して反応をクエンチし、すなわち残留過ヨウ素酸をヨウ素酸に変換し、150〜200mlの85%グリセロール溶液を添加し、撹拌しながら30〜60分間反応させた。
ヨウ素含有化合物およびクエンチャ/反応生成物の生成物除去の沈殿
慎重に撹拌しながら5〜25℃の温度で、エタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間かけて反応混合物に添加した。添加すべきエタノールの体積は、処理溶液の体積当たり1〜2体積分のエタノールの範囲内にある。次に酸化ヘパリンを15〜20時間沈殿および沈降させ、その後、母液をデカントして捨てた。
次に、沈降物を精製水に溶解して15〜30%w/v処理溶液を得た。NaClを添加して、処理溶液中の0.15〜0.30モル/リットルの濃度を得た。5〜25℃の温度を維持しつつ、撹拌をさらに0.5〜1時間続けた。その後、処理溶液の体積当たり1.0〜2.0体積分のエタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間にわたって撹拌しながらこの溶液に添加した。これによって、生成物が溶液から沈殿した。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
母液をデカントして捨てた後、沈降物が完全に溶解したと視覚的に確認されるまで約7リットルの水中に撹拌した。温度を5〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOHをゆっくりと添加し、このように開始した反応を60〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
母液をデカントして捨てた後、処理溶液の濃度15〜30%w/vが得られるまで、精製水を添加することによって沈降物を溶解した。温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、130〜150グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加して溶解した。pHはpH10〜11に急激に増加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応期間の前後両方の溶液のpHを記録した。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。
実施例5に従って精製が続く。
実施例5
生成物の精製
プロセス添加物および不純物の除去、対イオンの添加ならびに濾過
水素化ホウ素によって末端を還元する最終の化学修飾ステップによって得られる実施例1〜4に係る処理溶液を、以下に概説する手法に従って作製した。
次に、1体積分の処理溶液を1.5〜2.5体積分のエタノール(95〜99.5%)に添加した後、遠心分離を>2000Gで<20℃で20〜30分間行い、その後、上澄みをデカントして捨てた。
次に、遠心分離によって得られた生成物ペーストを精製水に溶解して生成物濃度10〜20%w/vを得た。次に、NaClを添加して0.20〜0.35モル/リットルの濃度を得た。次に、1.5〜2.5体積分のエタノール(95〜99.5%)を処理溶液の体積当たりに添加して、生成物を溶液から沈殿させた。その後、上述のような遠心分離を行った。
次に、残留ペーストを精製水に添加して溶解した。生成物濃度はこれによって10〜20%w/vの範囲内になった。生成物溶液のpHを次に6.5〜7.5に調整した。次に、溶液を濾過してすべての粒子を除去した。そして、1体積分の処理溶液に対して1.5〜2.5体積分のエタノール(95〜99.5%)を添加した。その後、遠心分離を>2000Gで<20℃で20〜30分間行い、その後、上澄みをデカントして捨てた。
沈殿ペーストの脱水および粒径の縮小
約2リットルの体積のエタノールを反応器に充填した。エタノールを撹拌しながら沈殿ペーストを添加した。機械撹拌によってペーストが凝固し、存在する水がエタノールに置換され、均質な粒子懸濁液が与えられた。撹拌を1〜2時間後に停止し、その後、粒子を沈降させた。過剰な液体を除去した後、粒子を篩または粉砕機に通し、より小さくて均一な粒径の粒子を得た。
生成物の乾燥
生成物をトレイ上に均一に分布させ、真空キャビネットに入れた。真空を生成して35〜40℃で加熱した。この時、乾燥機内の低圧を維持しつつ、窒素の流れを乾燥機に通過させた。生成物の一定重量が得られると、すなわち、さらなる蒸発が見られない場合、乾燥が完了したと見なした。生成物を包装して湿気から保護した。
実施例6
グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を18〜24時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
温度を5〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOHをゆっくりと添加し、このようにして起こした反応を15〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
母液をデカントして捨てた後、処理溶液の濃度15〜30%w/vが得られるまで、精製水を添加することによって沈降物を溶解した。温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、130〜200グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加して溶解した。pHはpH10〜11に急激に増加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応期間の前後両方の溶液のpHを記録した。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。次に、反応溶液の伝導率15〜20mS/cmが得られるまで精製水を溶液に添加した。
陰イオン交換クロマトグラフィによる生成物の精製
直径500mmのカラムに、10〜15cmのベッド高さに対応する25〜30リットルの体積まで、媒体であるDEAEセファロースまたはQAEセファロースを充填した。クロマトグラフィを3〜4サイクル行って生成物全体を消費した。
次に、以下の緩衝液、すなわち、
・平衡化緩衝液、緩衝液A、15mMのリン酸、150mMのNaCl
・溶出緩衝液、緩衝液B、2MのNaCl溶液
・殺菌緩衝液、0.5MのNaOH
を調製した。クロマトグラフィステップは、15〜25℃で、≦200cm/時または約350リットル/時の流量で行った。
溶出剤の伝導率が15〜20mS/cmになるまで、平衡化緩衝液を用いてカラムを平衡化した。次に、酸化ヘパリン溶液をカラム内へポンピングした。適用すべき粗組成物の量は、クロマトグラフィ媒体の<40g/リットルに対応する。
次に、平衡化緩衝液を用いてアイソクラチック洗浄を行い、UV210〜254nmがベースラインに達すると停止した。典型的に、ベースラインに達するには5ベッド体積分の緩衝液が必要である。プロセスに添加される化学物質およびそれらからなる生成物を除去した。
次に、カラムに適用される緩衝液のイオン強度を勾配溶出を行うことによって線形に増加させた。緩衝液Aは100%から0%に減少し、5ベッド体積にわたって100%緩衝液Bに置換された。生成物、溶出液を、UV吸光度が>0.1AUのときに収集し、信号が<0.1AUのときに停止した。次にカラムの殺菌を行い、その後、次のサイクルのクロマトグラフィのために再び調製した。すべての運転からの溶出液を組合わせて、15〜25℃で保管した。
生成物の脱塩
1体積分の先のステップからの組合わせた溶出液を、15〜25℃で絶えず撹拌しつつ、3体積分の95〜99.5%エタノールに添加した。これによって、生成物が溶液から沈殿した。生成物を>3時間沈降させた。次に、15〜25%の濃度まで沈降物を精製水に溶解した。そして、溶液を冷エタノール(<−5℃)95〜99.5%に添加し、典型的に、1体積分の生成物溶液当たり5体積分のエタノールが消費された。次に、>2000Gの連続モードで遠心分離を行い、その後、生成物ペーストを収集して乾燥用に調製した。
生成物の乾燥
生成物をトレイ上に均一に分布させ、真空キャビネットに入れた。真空を生成して35〜40℃で加熱した。この時、乾燥機内の低圧を維持しつつ、窒素の流れを乾燥機に通過させた。生成物の一定重量が得られると、すなわち、さらなる蒸発が見られない場合、乾燥が完了したと見なした。生成物を粉砕して均質にしてから、包装して湿気から保護した。
実施例8
実施例1および3に従って生成した低抗凝固ヘパリンに対して1H−NMR分析を行い、天然ヘパリンのスペクトルと比較した。
表IIは、非還元末端不飽和グルコサミンから生じる天然ヘパリンには存在しない5.00ppm〜6.50ppmの区間内の信号を示している。表IIの結果は、天然ヘパリンからのスペクトル中に存在すると予想されないそのような化合物の存在レベルを低下させることが可能であることを示している。比較して、EDQMのモノグラフ7のヘパリン品質制御に該当する現在の限界は、5.70〜8.00ppmの領域内の任意の信号に対する5.42ppmにおける信号と比べて<4%である。
Figure 2015516415
さらに、非還元末端不飽和グルコサミンの存在は、組合わされた1H−NMRおよび13C−NMRスペクトル評価(HSQC)によっても定量化され、グルコサミン全体のモル%として示された(表III参照)。
さらに、先に述べたようなプロトンおよび炭素NMR分光法(HSQC)を組合わせた使用を含むNMR2次元(2D)法に従って試料を分析した(Guerrini M.、Naggi A.、Guglieri S、Santarsiero R、Torri G. Anal Biochem 2005;337、35−47を参照)。
表IIIは、H−NMRスペクトル中の5.95ppmおよび6.15ppmにおける信号として存在する低抗凝固ヘパリンのグルコサミンの総量と比較した修飾グルコサミンの画分(%)を示す。
Figure 2015516415
実施例9
上記の実施例のいずれかに従って製造した生成物は、150mg/mLの活性生成物および15mM、pH6〜8のリン酸ナトリウムを含む溶液などの従来の無菌プロセスによって製剤として調製され得る。こうして得られた製剤は主に皮下投与用であるが、静脈内投与にも適している。
結果として得られる生成物は、推定平均分子量が4.6〜6.9kDaであり、かつ抗凝固活性を本質的に有しない、脱重合化された形態のヘパリンである。
生成物は、1.2〜15kDaの分子量に対応するnが2〜20の範囲内の多糖ポリマーの粒度分布を有する。支配的な粒径は、3.6〜9.6kDaの分子量に対応する6〜16個の二糖単位である。
分子量は、直列のTSK2000およびTSK3000SWカラムを用いてGPC−HPLCによって求めた。評価のために屈折率を用いた。LMWHに第1の国際較正(first international calibrant)を用いた。
分子質量分布および総重量の累積率の対応部分を以下に示す。
Figure 2015516415
重量平均分子量Mwの対応値は、4.6〜6.9kDaの範囲内にある。
実施例10
実施例1〜3に従って生成し実施例9に従って処方した化学修飾ヘパリンのリン酸緩衝溶液に溶解した原体(粉末)および製剤の安定性を、周囲温度で36ヶ月にわたって調べた。初期生成物は鮮やかな白色からやや黄色の溶液であり、400nm(10%w/v溶液)での吸光度は0.14、pHは7.0、容量オスモル濃度は658mOsm/kg、平均分子量は5.6kDa、含量は150mg/mlであった。
36ヶ月後、当該製剤は同じ外観を有し、400nm(10%w/v溶液)での吸光度は0.13、pHは7.1、容量オスモル濃度は657mOsm/kg、平均分子量は5.4kDa、含量は153mg/mlであった。
実施例11
皮下投与
実施例1で開示した方法によって生成した化学修飾ヘパリンをトリチウムで標識し、Sprauge−Dawleyラットおよびイヌに投与した。
結果:
2,8および24mgのヘパリン/kg/日をラットに、3,15および45mgのヘパリン/kg/日をイヌに皮下投与した後、吸収は迅速であり、ラットおよびイヌにおいてそれぞれ0.5および1.5時間内に最大プラズマレベルに一般に達した。皮下バイオアベイラビリティは、ラットおよびイヌの両方において約90%であった。興味深いことに、対応するヘパリンのバイオアベイラビリティは約10%であった。
実施例12
妊娠後期におけるDF01を用いた処置
研究デザイン
これは、分娩時間を短縮する際の、妊娠後期におけるDF01を用いた前処置の安全性および効果を評価するための、無作為化された、二重盲検式の、プラセボを対照とした多施設調査であった。スウェーデンの18カ所の研究施設がこの調査に参加した。
DF01は、ブタの腸粘膜からのヘパリンの過ヨウ素酸酸化、ならびにその後の実施例1および9に従う生成物のβ脱離によって化学的に生じる低抗凝固ヘパリンである、本発明に係る化学修飾ヘパリンである。
プロトコルでは、各被験者は妊娠期間の38+0週〜40+0週までの処置開始から分娩まで診療所に毎日来て治験薬のs.c.注射を受けることが指定された。調査における予想参加期間は、各被験者について1〜28日(+スクリーニングおよび経過観察期間)であった。すべての女性は、遅くとも妊娠期間の42+0週で分娩を誘発されることになっていた。最大で28日の処置[最大で28用量の治験薬(IMP)]が与えられた。出産後8〜16週目に経過観察通院をすることになっていた。
処置
DF01および適合プラセボを皮下注射用の溶液として与えた。
DF01の薬学的調製物は皮下注射用の溶液であり、ゴム栓で密封されたガラス瓶に8mLが分注され、はぎ取り式のアルミニウムキャップで覆われている。
DF01溶液の各mLは、
□DF01、150mg
□リン酸緩衝液、0.015M
□ベンジルアルコール、14mg
を含む。
ベンジルアルコールで保存した滅菌生理食塩水をプラセボとして用いた。製剤と同じ態様で、8mLのプラセボをバイアルで与えた。
プラセボ溶液の各mLは、
□塩化ナトリウム、9mg
□ベンジルアルコール、14mg
を含む。
被験者は、60mg/日のDF01(0.4mL)(60kgの被験者の1.00mg/kg/日に対応する)またはプラセボ(0.4mL)を受けた。
生成物は、妊娠期間の38+0週〜40+0週に処置が開始され、分娩までの処置期間に連日皮下注射によって投与された。42+0週でもまだ未出産の場合は、分娩を誘発することとした。最大処置期間は28日間であった。連日注射同士の間の許容時間間隔は24+/−6時間、すなわち18〜30時間であった。時間制限が時々守られなかったり用量を投与し忘れても、処置を継続可能であるものとした。
結果
全部で252人の女性が調査に参加した。これらの女性のうち、84人がオキシトシンおよびプラセボを受け、94人がオキシトシンおよびDF01を受けた。
Figure 2015516415
Figure 2015516415
表Vおよび表VIに見ることができるように、オキシトシンと併用してDF01を受けた女性は、オキシトシンおよびプラセボを受けた女性と比べて出産後の出血が少ない。オキシトシンと併用してDF01を受けた女性のうち、プラセボ群の85%と比べて、93%がPPHを経験しなかった。プラセボで処置された女性の15%(1000〜2000mlの13%および2000〜3000mlの2%)がPPHを経験したのに対して、DF01で処置された女性の対応する数は7%に過ぎなかった(1000〜2000mlの6%および2000〜3000mlの1%)。子供を帝王切開で出産した女性を除いても、同じ結果が得られた(表VI参照)。
実施例13
ヒトの子宮平滑筋細胞を培養して確立した。カルシウム指示染料Fluo−4を用いて細胞内Ca2+を測定し、共焦点顕微鏡法による生細胞撮像を細胞に対して確立した。細胞をオキシトシンで処置し、サイトゾルへのCa2+流入を実証した(図1B)。
効果は用量依存性であり、すでに0.05IU/mlのオキシトシンで最大効果をもたらす。実験には、実施例1で説明したDF01を用いた。
図1Aは、DF01単独ではCa2+濃度に影響を及ぼさなかったことを示している。しかし、DF01をオキシトシンとともに与えると、オキシトシン単独と比べて増加および持続したCa2+レベルが達成された(図1Bおよび図1C)。用量反応パターンは、図1Dに示されるように、Ca2+ピークの数がDF01の濃度と相関関係にあることを示している。この結果は、どのようにDF01がオキシトシンの作用を促進および持続することによって子宮収縮に対して作用を発揮するかについての機構を示している。
子宮平滑筋細胞を10μMのベラパミルで30分間プレインキュベートすることによって、機構をさらに調べた。ベラパミルは、オキシトシンまたはオキシトシンとDF01との併用によって誘発されるCa2+流入に影響を与えなかった。したがって、Lチャネルは関与していないと結論付けることができる。
イノシトール3リン酸(IP3)の主な輸送機構が小胞体のCa2+輸送を刺激しているか否かをさらに調査した。この経路を調べるため、100μMの濃度での30分間のインキュベーションの後、Ca2+を対象に2−アミノエトキシジフェニルホウ酸(2−APB)を試験した。この阻害薬は、オキシトシンおよびオキシトシン/DF01刺激Ca2+輸送の両方を大きく減少させた。
オキシトシンとDF01との相互作用をさらに特徴付けるため、オキシトシン受容体拮抗薬アトシバンの作用を用い、DF01を受けた細胞はCa2+輸送に対するオキシトシン作用を高めた。10−6Mの濃度のアトシバンは、オキシトシンおよびオキシトシン/DF01の併用の両方の作用を明らかに阻害した。
この結果は、DF01は単独ではCa2+輸送に影響を及ぼさないことを示している。しかし、オキシトシンと併用すると、Ca2+輸送の明らかな用量反応向上刺激が認められる。DF01はオキシトシンの作用を安定させ、これによって刺激期間が長くなる。作用はLチャネルを伴わず、むしろオキシトシンシグナリングにおけるIP3刺激Ca2+流入を伴う。オキシトシン拮抗薬の作用は、DF01に対する作用がオキシトシン受容体レベルで働くことを示唆している。
子宮筋細胞内のCaの流入は、子宮筋層の収縮活動の力と直接関連している(Arrowsmithら、PLOSone、2012、vol. 7、p.1−11)。したがって、本発明に係るDF01および化学修飾ヘパリンは、子宮筋層収縮を改善して、子宮の子宮筋層収縮の不足または欠如と関連している合併症、たとえばPPHにおける子宮アトニーを処置するために投与する有用な薬剤であると結論付けられる。要約すると、DF01および同様の化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸(heparin sulfates)は、有効な子宮の子宮筋層収縮を確立することによってPPHを処置または予防するのに必要な、有効な介入処置であると見なされる。
特定の実施形態が本明細書中で詳細に開示されたが、これは例示のために一例としてなされたに過ぎず、以下の添付の請求項の範囲に関して限定的であることを意図していない。特に、請求項によって定義される発明の思想および範囲から逸脱することなくさまざまな置換、変更、および修正が本発明に対してなされ得ると発明者によって考えられる。

Claims (25)

  1. 10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸であって、
    (i)抗凝固作用を媒介する化学的に未変化の糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
    (ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを備え、(式I)は、
    Figure 2015516415
    であり、
    分娩後出血(PPH)の処置において少なくとも1つの子宮収縮剤と併用して使用される、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  2. 前記PPHは子宮アトニーに苦しんでいる女性に現れる、請求項1に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  3. 前記PPHは分娩を誘発された女性に現れる、請求項1または2に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  4. 前記PPHは分娩停止を経験した女性に現れる、請求項1または2に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  5. 前記子宮収縮剤は、オキシトシンまたはオキシトシンの類似体、麦角アルカロイド、プロスタグランジンまたはプロスタグランジンの類似体からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  6. 前記子宮収縮剤はオキシトシンまたはオキシトシンの類似体である、請求項5に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  7. 前記子宮収縮剤はオキシトシンである、請求項6に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  8. 前記オキシトシンの類似体はカルボシステインである、請求項6に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  9. 前記子宮収縮剤はプロスタグランジンまたはプロスタグランジンの類似体である、請求項5に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  10. 前記子宮収縮剤は麦角アルカロイドである、請求項5に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  11. 前記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、平均分子量(Mw)が約4.6〜6.9kDaである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  12. 支配的に生じる多糖鎖は6〜12個の二糖単位を有し、分子量は3.6〜7.2kDaである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  13. 前記多糖鎖の少なくとも70%が、少なくとも3kDaよりも高い分子量を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  14. 以下の表に従った多糖類および重量の累積%として表わされるそれらの対応する分子質量の分布を有し、前記表は、
    Figure 2015516415
    である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  15. 前記多糖は、式Iに示されるような還元末端残基を有する糖鎖を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  16. 天然ヘパリンからの5.42ppmにおける信号に対して4%未満の強度(%比)を有するH−NMRスペクトル中の5.0〜6.5ppmの区間内の信号として存在する非還元末端不飽和グルコサミンを備える、請求項1〜15のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  17. 当該グルコサミン信号は、5.95ppmおよび6.15ppmに存在する、請求項16に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  18. グルコサミンの全含量の1%未満が修飾される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  19. 前記グルコサミンは非還元末端不飽和グルコサミンを含む、請求項17〜18のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  20. 前記グルコサミンは、H−NMRスペクトル中の5.95ppmおよび6.15ppmにおける信号として存在する、請求項17〜19のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  21. 前記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、未変化の非硫酸化イズロン酸および/またはグルクロン酸を本質的に含まない、請求項1〜20のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  22. 少なくとも1つの前記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、非経口用の薬学的調製物として投与される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  23. 10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸であって、
    (i)抗凝固作用を媒介する化学的に未変化の糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
    (ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを備え、(式I)は、
    Figure 2015516415
    であり、
    分娩後出血の予防のために少なくとも1つの子宮収縮剤と併用して使用される、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  24. 分娩後出血(PPH)を処置する方法であって、10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を患者に非経口投与するステップを備え、前記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、
    (i)抗凝固作用を媒介する化学的に未変化の糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
    (ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを含み、(式I)は、
    Figure 2015516415
    であり、
    少なくとも1つの子宮収縮剤と併用される、方法。
  25. 10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸であって、
    (i)抗凝固作用を媒介する化学的に未変化の糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
    (ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを備え、(式I)は、
    Figure 2015516415
    であり、
    分娩後出血の処置において少なくとも1つの子宮収縮剤と併用して使用される医薬品の製造において使用される、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
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