JP2015514705A - 分娩停止の処置のための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、分娩停止の処置のための特定の硫酸化グリコサミノグリカンの使用について言及する。硫酸化グリコサミノグリカンは低下した抗凝固活性を有し、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤と併用して投与され、それによって有効な分娩を再確立する。

Description

発明の分野
本発明は、分娩中に分娩停止になる女性の有効な分娩を再確立することによって分娩停止を処置するための特定の硫酸化グリコサミノグリカンの使用について言及する。
背景
産科における一般的な臨床上の問題は、遅延分娩または何らかの機能障害分娩である。分娩の進行の遅延または停止は、たとえば欧州および米国において、全ての出産の約40〜60%で記録されている。発展途上国では、分娩後の大量出血を伴う分娩停止は、妊産婦死亡の最も一般的な理由である。
子宮は2つの部分、すなわち子宮の体(corpus)および頸部で構成され、これらは、妊娠および分娩の間、異なる機能を有する。子宮体は、細胞外マトリクス(ECM)中に包埋される平滑筋帯である子宮筋層で主に構成され、頸部はECMで主に構成される。ECMの主成分はコラーゲンIおよびIIIであり、プロテオグリカンも、より少ない量ではあるが存在する。プロテオグリカンは、1〜100個の多糖鎖であるグリコサミノグリカンが結合したタンパク質コアで構成される。子宮の収縮および軟化、または換言すると成熟と、頸部の拡張との間の協調は、正常な分娩に非常に重要である。これらのプロセス間の不調和は、異常分娩につながる。
Acta Obstetricia et Gynecologica. 2010;89:147−150には、低分子量ヘパリン(LMWH)であるダルテパリンが分娩の進行を改善し、それによって分娩時間を短縮することが発見されたと報告されており、ダルテパリンがオキシトシン誘発子宮平滑筋収縮を増加させ、さらに、分娩の前後に頸部内のサイトカインの放出を刺激すると示唆されている。ダルテパリンが分娩プロセスに対して良い作用を発揮するように一般に見えるとしても、その抗凝固作用による出血の危険性のため、使用するのは臨床的に実行可能ではないであろう。
WO 03055499は、100BP単位/mg以下の抗凝固活性を有するヘパリンなどの硫酸化グリコサミノグリカンが、一般に女性の有効な分娩を確立するための頸部および子宮筋層の予防的プライミングまたは治療的処置に有効であると教示している。この文献では、内因性オキシトシンレベルが低い場合、子宮筋層のプライミングのために硫酸化グリコサミノグリカンがオキシトシンと併用して使用され得ると示唆されている。しかし、直接的な治療効果を必要とする合併症が起こった場合に硫酸化グリコサミノグリカンが直接介入療法に有用であるとは示唆されていない。
今日の時点で、分娩停止を経験している女性には、有効な分娩が再確立されるまで、オキシトシンのレベルを増加させて投与される。有効な収縮を再確立するために分娩時に高用量のオキシトシンを投与するため、収縮があまりにも頻繁に起こる危険性があり、それによって胎盤内の血流が低下し、胎児が危険にさらされ、胎児の仮死につながることが多い。
女性が分娩中に分娩停止になるという非常に大きな世界的な問題にも関わらず、分娩の増強のための新薬を開発するための努力はほとんど行われてこなかった。本発明は、有効な分娩を再確立するために、特定の硫酸化グリコサミノグリカンの有効量を分娩停止中の女性に投与することによってこの問題を解決する。
発明の要約
本発明は、分娩停止の処置に関する。10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸が、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤と併用して投与され、それによって有効な分娩を再確立して分娩停止を処置する。本発明に係るおよび使用によって、一次的および二次的な停止の両方が処置され得る。
オキシトシンを受け、本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸(DF01)で処置された女性と、プラセボを受けた女性との分娩時間を示すグラフの図である。 オキシトシンと本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸(DF01)とを併用して処置した場合の子宮筋細胞へのカルシウムイオン流入を示す図である。 オキシトシンと本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸(DF01)とを併用して処置した場合の子宮筋細胞へのカルシウムイオン流入を示す図である。 オキシトシンと本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸(DF01)とを併用して処置した場合の子宮筋細胞へのカルシウムイオン流入を示す図である。 オキシトシンと本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸(DF01)とを併用して処置した場合の子宮筋細胞へのカルシウムイオン流入を示す図である。
発明の説明
本発明を説明する前に、本発明の範囲は添付の請求項およびその均等物によってのみ限定されるため、本明細書中で使用される専門用語は特定の実施形態を説明するために用いられているに過ぎず、限定的であることを意図していないことを理解すべきである。
本明細書および添付の請求項で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈中に明らかな指示がない限り複数の指示対象を含むことに留意されたい。
また、「約」という用語は、該当する場合、与えられた値の+/−2%、好ましくは+/−5%、もっとも好ましくは数値の+/−10%の偏差を示すために用いられる。
「分娩停止」という用語は、本発明の文脈において、妊娠女性が反復する子宮収縮を有し始めたときから始まる分娩のすべての段階における分娩の異常を特徴付けるために用いられる。分娩の正常な進行は、定期的な子宮の子宮筋層収縮が、1時間当たり少なくとも約1cmの頸部拡張から10cmの拡張をもたらすことと定義される。本発明の文脈において、分娩の正常な進行は有効な分娩とも定義される。
分娩停止は、正常よりも遅い進行(すなわち1時間、1〜2時間または少なくとも2時間内の約1cm未満の頸部拡張)から、頸部成熟および子宮の子宮筋層収縮の進行の完全な欠如までの、さまざまな状況を意味する。分娩停止は、経産婦よりも未産婦によく見られる。現在の実務によると、女性の進行が正常の進行よりも遅いことが確認された後に、当該女性が処置なしで正常な進行に入ることができるか否かを確認するためにさらに1時間待ってから、オキシトシンを用いた処置が通常開始される。
女性は、分娩の異なる段階で分娩停止になり得る。初期段階の分娩停止(「一次的な停止」とも称される)は、頸部拡張障害に起因することが多く、分娩の後期(すなわち女性が正常な進行の当初のcmを有して≧5〜6cm拡張しており、「二次的な停止」と称される)では子宮の子宮筋層収縮の障害または不足に起因する。この文脈における分娩停止の意味は、難産、分娩の進行の遅延、分娩の停止、進行の完全な中止、機能障害分娩、および反復する子宮収縮を経験した後に生じる児頭骨盤不均衡などの臨床上の一般用語にまで及ぶ。停止前の分娩の開始は、自発的であるか、または従来のプロセスもしくは療法によって誘発され得る。分娩開始が自発的であった女性と比較して、医薬品または物理的手段によって分娩を誘発された女性の方が、分娩停止を経験する頻度が高い。
本発明の文脈において、「分娩停止の処置」という用語は、投与から直接反応効果が要求される療法に関する。分娩の文脈において、投与が子宮の子宮筋層収縮の促進または刺激に直接つながることが要求される。その他の面では、本発明は、女性が分娩に入る前に遅延分娩を防止または抑制する療法を受け得る予防療法に向けられない。
「併用して」という用語は、本明細書において記載される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸と、子宮の子宮筋層収縮を促進または刺激するのに有効な別の薬剤との併用処置を意味する。「併用して」は広範な意味を有し、処置が補助的に、同時に、連続的にまたは並列して行われる状況のいずれかを含む。当該用語はさらに、本明細書において記載され、かつ子宮の子宮筋層収縮を促進または刺激するのに有用な別の薬剤に対する追加処置として投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を意味し得る。追加処置の場合、本明細書において記載される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤ですでに処置されている女性に投与される。
200IU/mg未満の抗第Xa因子活性などの低抗凝固作用を有する硫酸化グリコサミノグリカンが、分娩停止に苦しんでいる女性の有効な分娩を再確立するために本明細書に開示される。硫酸化グリコサミノグリカンは、分娩停止の処置において子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤と併用して投与される。
グリコサミノグリカンは、ヘパラン硫酸、脱重合化ヘパラン硫酸、ヘパリン、脱重合化ヘパリン(たとえば低分子量ヘパリン)、デルマタン硫酸、脱重合化デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸および脱重合化コンドロイチン硫酸からなる群から選択される硫酸化グリコサミノグリカンである。
硫酸化グリコサミノグリカンは、交互のヘキソサミンおよびウロン酸残基からなるヘパラン硫酸、デルマタン硫酸およびコンドロイチン硫酸である。D−グルクロン酸(GlcA)およびそのC−5エピマーL−イズロン酸(IdoA)の存在ならびにヘキソサミンおよびウロノシル残基の特定の硫酸化は、このポリマーに極度の構造的変化を与える。この構造は、0または数%〜約100%のイズロン酸含有二糖類を含む反復する二糖類に基づいて構築される。二糖類を含むGlcA−およびIdoA−N−ヘキソサミンの組織は、長いブロックから交互の二糖類パターンまで変化し得る。硫酸化およびイズロン酸硫酸の程度の変化は、多種多様な生物学的活性を生じる。デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリンおよびヘパリンの、種々の十分に規定された多糖類が存在する。
反復する二糖類としてグルコサミンおよびウロン酸を有し、主に分離様式で構成されるN−アセチル化二糖類およびN−硫酸化二糖類からなるヘパラン硫酸は、細胞表面および細胞外マトリクス中に遍在する分布を有する。それは、一般に、ヘパリンより低い程度に硫酸化され、より低いイズロン酸含量を有し、より多様な構造を有する。ヘパラン硫酸とタンパク質との相互作用は、細胞接着、細胞増殖、酵素調節、サイトカイン作用、ウイルス進入、および抗凝固特性などの、種々の生理学的プロセスと関連している。ヘパラン硫酸は、ヘパリンよりも非常に低いが、特定の抗凝固性五糖類の存在に依存する抗凝固活性を保有する。ヘパラン硫酸は、Franssonら、Structural studies on heparan sulphates、Eur.J.Biochem.106、59−69(1980)に記載されるように、ブタの腸粘膜またはウシの肺から、塩化セチルピリジニウム分画および連続する塩抽出を用いてヘパリンのサイドフラクション(side fraction)から調製され得る直鎖状の多糖類である。
コンドロイチン硫酸は、交互のグルクロン酸およびN−アセチル−ガラクトサミン残基からなる硫酸化した直鎖状の多糖類であり、N−アセチル−ガラクトサミン残基は、4位または6位のいずれかで硫酸化されている。それらは、ウシの気管または鼻軟骨から調製され得る。コンドロイチン硫酸は、細胞外マトリクスの組織化に重要であり、間質膨張圧を発生させ、好中球の漸増に関与する。
デルマタン硫酸は、交互のウロン酸およびN−アセチル−ガラクトサミン残基からなる硫酸化した直鎖状の多糖類である。ウロン酸は、D−GlcAまたはL−IdoAのいずれか一方であり、この二糖類は、それぞれ、ガラクトサミンおよびIdoAの4位および6位および2位で硫酸化され得る。デルマタン硫酸は、ブタの皮膚、腸粘膜およびウシの肺から調製され得る。デルマタン硫酸は、細胞外マトリクスの組織化、サイトカインとの相互作用、抗凝固活性、および好中球の漸増などの生物学的活性を保有する。
ヘパリンは、マスト細胞によって合成されてマスト細胞内に保管される、天然に存在するグリコサミノグリカンである。ブタの腸粘膜から産業的に調製されるヘパリンは、強力な抗凝固剤であり、血栓塞栓性疾患の予防および治療のための望ましい薬として60年以上にわたって臨床的に用いられてきた。ヘパリン処置の主な潜在的な悪影響は、その抗凝固特性によって生じる出血合併症および低バイオアベイラビリティである。ヘパリンは高度に多分散であり、不均一な多糖類集団からなり、分子量は5〜40kDaであり、平均は約15〜18kDaである。
低分子量へパリンまたはヘパリンは、交互のN−硫酸化グルコサミンおよびIdoA残基から主になり、かつ抗凝固性五糖類をしばしば含む、直鎖状のオリゴ糖である。それらは、特定の化学的または酵素的切断によってヘパリンから調製され得る。それらの主な臨床的機能は、凝固第Xa因子の抗トロンビンによって阻害を増強することであり、これによって抗血栓作用をもたらす。それは転移抑制特性を有することが提唱されている。Fragmin(登録商標)(米国Pfizer社)は、ヘパリンの制御により得られ、かつ第Xa因子の阻害に起因する抗血栓作用を有する低分子量ヘパリンの例である。選択的抗凝固活性を有するヘパリン画分およびその調製方法が、米国特許番号第4,303,651号に記載されている。欧州薬局方(PharmEur)によると、ヘパリンが低分子量ヘパリン(低分子質量ヘパリン)と称されるためには、70IU(国際単位)/mg以上の抗第Xa因子活性および8000Da未満のMを有しなければならない。ヘパリン、低分子量ヘパリンおよび他のヘパリン誘導体の抗凝固活性は、抗トロンビンによって凝固第Xa因子および第IIa因子の阻害を増強するそれらの能力として測定されることが多い。抗第Xa因子活性および抗第IIa因子活性の測定方法は熟練者に周知であり、欧州薬局方(PharmEur)および米国薬局方(USP)などの薬局方にも記載されている。抗凝固活性は、たとえば選択的過ヨウ素酸酸化によって排除され得る(たとえばFransson LA、およびLewis W、Relationship between anticoagulant activity of heparin and susceptibility, to periodate oxidation、FEBS Lett. 1979、97:119−23;Lindahlら、Proc Natl Acad Sci USA、1980;77(11):6551−6555を参照)が、熟練者に公知の他の手段によっても排除され得る。
低分子量へパリンまたは脱重合化ヘパリンは、交互のN−硫酸化グルコサミンおよびIdoA残基から主になり、かつ抗凝固性五糖類をしばしば含む、直鎖状のオリゴ糖類の混合物である。それらは、特定の化学的切断によってヘパリンから調製され得る。それらの主な臨床的機能は、第Xa因子を阻害することであり、これによって抗血栓作用をもたらす。それは転移抑制特性を有することが提唱されている。Fragmin(登録商標)(米国Pfizer社)は、ヘパリンの制御により得られ、かつ第Xa因子の阻害に起因する抗血栓作用を有する低分子量ヘパリンの例である。選択的抗凝固活性を有するヘパリン画分およびその調製方法が、米国特許番号第4,303,651号に記載されている。
本発明は、反復する子宮収縮を経験した後に分娩停止になる女性の分娩停止の処置のための方法に関する。分娩停止中の妊娠女性に、10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する少なくとも1つの化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の有効量を、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤と併用して投与することによって、有効な分娩が再確立され、それによって分娩停止が処置される。分娩停止の一次的な分娩停止処置を経験中の女性においては、頸部拡張の正常な進行をもたらす頻度、期間および強さが増大する、反復する子宮の子宮筋層収縮を回復することを意味し、有効な分娩を再確立する二次的な分娩停止および分娩停止の処置を経験中の女性においては、新生児の娩出につながる周期的な子宮の子宮筋層収縮を回復することを意味する。本発明に係る分娩停止の処置は、有効な分娩の再確立および分娩停止の処置に直接的または間接的につながるプロセスを投与の直後に開始する直接介入投与療法として行われる。
分娩停止は、低子宮内濃度およびヘパラン硫酸の大幅に減少した遺伝子発現の両方と関連している(Hjelm Cluff A、Bystrom B、Klimaviciute A、Dahlqvist C、Cebers G、Malmstrom AおよびEkman−Ordeberg G:Prolonged labour associated with lower expression of syndecan 3 and connexin 43 in human uterine tissue. Reproductive Biology and Endocrinology 2006、4:24)。本発明の方法に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を投与する本発明者らが知る限り、子宮平滑筋内のヘパラン硫酸濃度は回復可能であり、ゆえに分娩停止を処置し、それによって有効な収縮を再確立するように作用する。分娩停止の処置によって分娩時間が短くなり、それによって合併症、すなわち長引く分娩時間と関連している母親の分娩後の出血および子宮内膜炎ならびに胎児の仮死および感染の危険性の増加が減少する。重要なことに、分娩停止の処置によって、母親および胎児双方にとっての危険性と関連している外科手術である帝王切開の数も減少する。帝王切開は費用もかかり、したがって本発明は経済的な利点も提供する。
分娩停止は、遅いまたは低頻度の頸部成熟、および効果的でない収縮、またはその両方と関連し得る。本発明に従って投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、頸部および子宮の両方に対して効果を発揮し得る。頸部成熟に関して、本発明者らが知る限り、本発明の方法に従って投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸はさらに、プロスタグランジンE2とともに相乗効果を発揮し得る。子宮収縮に関して、本発明者らが知る限り、本発明に従って投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、上記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を用いて子宮筋層組織レベルを補充し、それによって、たとえばオキシトシン(分娩を誘発するために頻繁に用いられる薬剤)が子宮筋層に対してその収縮作用を発揮し得る。その効果として、オキシトシンの投与量を減らすことができ、ゆえにそのマイナスの副作用を回避することができる。
一局面において、本発明に従って投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の重量平均分子量(Mw)は30000Da以下である。別の局面において、本発明に従って投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の重量平均分子量(Mw)は20000Da未満である。別の局面において、本発明に従って投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の重量平均分子量(Mw)は10000Da以下である。別の局面において、本発明に従って投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の重量平均分子量(Mw)は8000Da以下である。さらに別の局面において、本発明に従って投与される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の重量平均分子量(Mw)は7000Da以下である。
一局面において、本発明は、平均分子量が20000Da未満のヘパリンからなる群に属する化学修飾ヘパリンを、分娩停止に苦しんでいる女性に投与する方法について言及する。別の局面において、脱重合化ヘパリンの平均分子量は10000Da未満である。別の局面において、脱重合化ヘパリンの平均分子量は8000Da以下であり、さらに別の局面において、脱重合化ヘパリンの平均分子量は7000Da以下である。
上述のように、硫酸化グリコサミノグリカンの中には抗凝固特性を有するものがある。しかし、たとえば、有効な分娩を再確立することによって分娩停止を処置するために分娩中に用いられる調製物については、抗凝固作用は通常望ましくない。
ゆえに、抗凝固作用が望ましくない用途については、本発明の方法で用いられる化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、30IU/mg以下の抗第Xa因子活性および30IU/mg以下の抗第IIa因子活性を有する。別の局面において、本発明の方法で用いられる化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、10IU/mg以下の抗第Xa因子活性および10IU/mg以下の抗第IIa因子活性を有する。
ヘパリン、低分子量ヘパリンおよび他のヘパリン誘導体の抗凝固活性は、抗トロンビンによって凝固第Xa因子および第IIa因子の阻害を増強するそれらの能力として測定されることが多い。抗第Xa因子活性および抗第IIa因子活性の測定方法は熟練者に周知であり、欧州薬局方(PharmEur)および米国薬局方(USP)などの薬局方にも記載されている。
抗凝固活性は、たとえば選択的過ヨウ素酸酸化によって排除され得る(たとえばFransson LA、およびLewis W、Relationship between anticoagulant activity of heparin and susceptibility, to periodate oxidation、FEBS Lett. 1979、97:119−23;Lindahlら、Proc Natl Acad Sci USA、1980;77(11):6551−6555を参照)が、熟練者に公知の他の手段によっても排除され得る。
一局面において、本発明の方法で用いられる化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、10IU/mg以下の抗第Xa因子活性および10IU/mg以下の抗第IIa因子活性を有する。
別の局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の二糖構造は、非硫酸化グルクロン酸およびイズロン酸単位を本質的に有しておらず、10IU/mg以下の抗第Xa因子活性および10IU/mg以下の抗第IIa因子活性を有する。
さらに別の局面において、化学修飾ヘパリンは、10IU/mg以下の抗第Xa因子活性および8000Da以下または7000Da以下の平均分子量を有する低抗凝固ヘパリンである。
一局面において、本発明は、抗トロンビン結合親和性を排除するための過ヨウ素酸を用いた処置によってヘパリンの抗凝固作用を無くす、化学修飾ヘパリンの使用に向けられる。そのような化学修飾ヘパリンを得る1つの非限定的な方法は、過ヨウ素酸酸化を行い、次に生成物のアルカリβ脱離を行うことである。このプロセスは抗凝固活性の排除につながる。米国特許番号第4,990,502号(Lormeauら)に開示されているプロセスは、天然ヘパリンを処置して抗凝固作用を担う五糖配列を選択的に切断し、次いで脱重合化を行うことによって、平均分子量が5.8〜7.0kDaの低抗凝固ヘパリンをもたらす1つの方法を実証している。
一局面において、本発明に係る方法で用いられる化学修飾ヘパリンの平均分子量(Mw)は約4.6〜6.9kDaである。
一局面において、本発明の方法は、分娩停止を処置するための化学修飾ヘパリンの使用であって、化学修飾ヘパリンは、
(i)抗凝固作用を媒介する化学的にインタクトな糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
(ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを含み、(式I)は、
Figure 2015514705
である化学修飾ヘパリンの使用に向けられる。
この文脈において、抗凝固作用を媒介する化学的にインタクトな糖配列を本質的に含まない多糖鎖を含む化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸とは、多糖鎖が、抗トロンビン(AT)によって抗凝固作用を特異的に媒介する本質的にすべての五糖類を修飾するように化学的に処置されていることを意味する。
そのような化学修飾ヘパリンの支配的に生じる多糖鎖は6〜12個の二糖単位を有し、分子量は3.6〜7.2kDaである。多糖鎖の少なくとも70%が、少なくとも3kDaよりも高い分子量を有する。多糖類の分布および重量の累積%として表わされるそれらの対応する分子質量は以下の表に従い得る。
Figure 2015514705
さらに、多糖は、式Iに示されるような還元末端残基を有する糖鎖を含み、インタクトな非硫酸化イズロン酸および/またはグルクロン酸を本質的に含まない。
一局面において、この化学修飾ヘパリンは、天然ヘパリンからの5.42ppmにおける信号に対して4%未満の強度(%比)を有するH−NMRスペクトル中の5.0〜6.5ppmの区間内の信号として存在する修飾グルコサミンを含む。これらのグルコサミン信号は、5.95ppmおよび6.15ppmに存在し得る。一局面において、グルコサミンの全含量の1%未満が修飾される。
本文脈において、「修飾グルコサミン」とは、ヘパリン生成物または低分子量ヘパリン生成物(脱重合化ヘパリン)からのH−NMRスペクトル中に見つかると予想されない残基構造を有するグルコサミンを意味する。修飾グルコサミンの出現は、抗凝固作用を実質的に排除するために非硫酸化イズロン酸および/またはグルクロン酸を酸化するための化学修飾プロセスに起因し得る。修飾グルコサミンは、非特異的脱重合などの、化学修飾ヘパリン生成物の予測不可能な特性を呈示し得るため、その存在を最小にすることが望ましい。
一局面において、化学修飾ヘパリンは、不飽和結合を有する非還元末端に修飾グルコサミンを含む。そのような修飾グルコサミンは、H−NMRスペクトル中の5.95ppmおよび6.15ppmにおける信号として存在する。
本発明の方法はさらに、開始が誘発されたか自発的であったかに関わらず分娩停止を処置するために用いられ得る。本発明の文脈において、「分娩誘発」とは、分娩および出産をもたらす進行を達成するために子宮の子宮筋層収縮から十分に有効な分娩を直接的または間接的に開始する治療介入と一般に定義される。
分娩は多数の方法で誘発され得、そのすべてが熟練者にとって公知である。分娩の誘発方法の非限定的な例には、物理的刺激プロセス;オキシトシン、プロスタグランジンEまたはその誘導体、たとえばミソプロストールおよびジノプロストンの投与;羊膜嚢の破裂;頸部の拡張、および頸部内バルーンの投与がある。また、これらの分娩誘発プロセスの組合わせも使用可能である。
本発明は、分娩の進行が不十分なために妊娠女性に投与される子宮の子宮筋層収縮を促進または刺激可能な薬剤との併用処置に関する。そのような薬剤の非限定的な例は、オキシトシンならびにPGE1(ミソプロストール)およびPGE2などのプロスタグランジンなどである。本発明の一局面において、子宮の子宮筋層収縮を促進または刺激可能な薬剤はオキシトシンである。ゆえに、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、オキシトシンに対するアジュバントとして投与されると、オキシトシンによって誘発される子宮の子宮筋層収縮を促進する。処置レジメンは熟練者によって設定され、好ましくは、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸はオキシトシンと並列して投与されるため、オキシトシンの臨床ルーチンに適合するように設定される。本発明のこの局面の非限定的な例では、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は24時間ごとに少なくとも1回、オキシトシンを用いる処置に対して補助的に最大で約36時間投与される。別の局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、1〜24回/24時間投与される。さらに別の局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、6回/24時間投与される。投与は静脈内および/または皮下に行われ得る。一局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は持続注入によって投与される。現在の臨床実務では、オキシトシンは静脈内投与される。
本方法の一局面において、女性は、最大で1.5gの化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を24時間ごとに受ける。別の局面において、女性は、最大で1.2gの化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を24時間ごとに受け、非限定的な例として、1.2g/24時間が200mgの用量で6回投与される。本方法の一局面において、女性は、反復する子宮筋層収縮を経験しているが、分娩停止になっている。この局面では、本方法は、子宮筋層収縮を回復するために、子宮収縮を促進または刺激可能な薬剤、たとえばオキシトシンに対する補助剤であり得る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の投与を含む。
一局面において、本発明で使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、子宮の子宮筋層収縮を促進する薬剤の有効量とともに処方され得、そのため、先に示唆した投与経路によって1つの組成物としてともに投与(同時投与)され得る。
一局面において、本発明で使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の組成物は、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤の少なくとも組成物とともにキットに含まれる。組成物は、異なる臨床的状況に対応する単回または複数回用量の形態で提供され得る。用量形態は、これもキットの一部であり得る投与器具に適合され得る。このため、キットはさらに、含まれる組成物をどのようにいつ投与すべきかについての臨床的指示を含み得る。
現在の実務によると、子宮筋層収縮を促進する薬剤の濃度は、所望の効果に達するために、かつ当該薬剤を必要以上に女性に投与しないために滴定される。滴定は通常、低用量で始まり、所望の効果(すなわち子宮の子宮筋層収縮)が確立されるまで増加される。一局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の組成物は、数回用量での投与に適した子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤を含む少なくとも組成物の複数回用量の形態でキットに含まれる。一例では、キットは複数回用量の形態のオキシトシンを含み、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は当初の低用量または標準用量のオキシトシンと併用して投与される。患者が分娩停止にあり続ける場合、オキシトシンは、分娩の進行が再確立されるまで複数回用量の形態から制御された用量で1回または数回投与され得る。
本方法は、本明細書の先の箇所のいずれかで定義されるような特徴を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の投与を含み得る。
オキシトシンは、分娩を誘発するために、または分娩停止を処置するために妊娠女性にしばしば投与される。オキシトシン作用は、おそらくヘパラン硫酸の欠如のために損なわれることが多く、これはオキシトシンの過剰投与につながり、過剰収縮などの重い副作用をもたらし得る。本発明の方法と化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の投与とを組合わせて使用することによって、損なわれたオキシトシン作用を復活させ、それによってオキシトシン節約効果をもたらし、過剰収縮および胎児の合併症の危険性を防止することができる。本発明者らが知る限り、それは以下のようにも表すことができる。すなわち、オキシトシンは、必要な/十分なレベルのヘパラン硫酸が回復されない限り、その収縮作用を発揮することができない。ゆえに、本発明に係る方法および使用は、オキシトシンの投与の減少につながる。
本発明に係る介入療法によって有効な分娩を再確立することによって分娩停止を処置することによって、分娩時間、およびたとえば帝王切開などの多数の分娩合併症を大幅に減少させることができる。遅延分娩は、他の母体合併症、たとえば分娩後の出血、器械分娩および子宮内膜炎ならびに胎児の仮死および感染の危険性の増加とも関連している。オキシトシンは子宮収縮性に作用を及ぼさないため、頻繁に帝王切開が行われることになり、これは緊急時に行われるものを含む。
本発明の方法で使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、皮下注射または静脈内注射などの非経口投与によって薬学的組成物として全身投与され得る。非経口投与については、活性化合物は溶液または懸濁液に組み込まれ得、これらはまた、1つ以上のアジュバント、たとえば滅菌希釈液、たとえば注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセロール、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、緩衝剤および容量オスモル濃度調整剤も含む。非経口調製物は、アンプル、バイアル、使い捨てシリンジで、または輸液の形態で、さらに自己投与用にも送達され得る。
本発明の方法で使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は皮下投与され得、そのため、注射器などの好適な自己投与器具を用いても投与され得る。
さらに、本発明の方法で使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、たとえば膣、直腸、子宮内、および経鼻投与などであるがこれらに限定されない粘膜貫通を含む局所投与に適している。
一局面において、本発明はさらに、分娩停止の処置において子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤と併用して使用される、10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸に関する。本発明の方法および化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸に関して上に開示されたすべての特徴は、本発明のこの局面にも当てはまる。
さらに別の局面において、本発明は、分娩停止の処置において使用される医薬品の製造のための、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤と併用される、10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の使用に関する。本発明の方法および化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸に関して上に開示されたすべての特徴は、本発明のこの局面にも当てはまる。
本発明はさらに、分娩中のオキシトシンの投与量を減らす方法であって、10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する少なくとも化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の有効量を分娩停止に苦しんでいる分娩中の妊娠女性に投与するステップを含む方法に関する。本発明の方法および化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸に関して上に開示されたすべての特徴は、本発明のこの局面にも当てはまる。
本発明において開示される実施形態および局面の任意の組合わせが本発明に含まれる。
本発明を以下の非限定的な例においてさらに開示する。
実施例
本発明に係る化学修飾ヘパリンの製造プロセスの詳細な説明
以下の実施例1〜9は、本発明に従って使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸をどのように生成するかの実施例である。
物質はヘパリンナトリウムから調製される。調製は、ATを結合する五糖配列内のグルクロン酸部分を含む、ヘパリン中の非硫酸化ウロン酸残基の過ヨウ素酸による選択的酸化を含む。この残基の構造の破壊によって、ATとの高親和性相互作用が消滅し、その結果、抗凝固作用(a−FXaまたはa−FIIaとして測定される)が本質的に失われる。その後のアルカリ処理、ベータ脱離反応によって、過ヨウ素酸によって酸化されていない非硫酸化ウロン酸の部位においてポリマーの切断が生じる。これらの操作はともに、ヘパリン鎖の十分な脱重合とともに抗凝固活性の消失につながる。
さらに、切断部位において結果として得られる還元末端はNaBHによって還元され、これは末端アルデヒドをより安定した対応するジオールに変換する。次に、添加物、不純物および副生物が、エタノール沈殿、濾過および遠心分離を繰返すことによって除去される。その後、真空および熱で乾燥することによって粉末状の物質が得られる。この原体は滅菌水性緩衝液に溶解され、静脈内投与または皮下投与用の製剤を生じる。
ここまで説明したプロセスは、酸化、ポリマー切断(アルカリ加水分解)および還元のステップを一般に含む。本発明に係るプロセスは、ヘパリン鎖のいかなる種類の非特異的脱重合も抑制または排除するために展開される。この文脈における非特異的重合とは、特異的なアルカリベータ脱離反応と関連していないそのような脱重合を一般に意味する。非特異的脱重合は生成物の構造上の不安定性につながり、これは、精製された生成物の保管時のさらなる脱重合および変色をもたらし得る。それは、ヘパリン内に通常は見つからないNMRスペクトルに出現する非定型種の出現にも寄与し得る。
以下の節で説明および例示するプロセスは、非特異的脱重合を抑制または排除する異なる局面を含む。
実施例1
非硫酸化グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、AT結合五糖および抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を18〜24時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。
酸化反応の終了およびヨウ素含有化合物の除去
慎重に撹拌しながら5〜25℃の温度で、エタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間かけて反応混合物に添加した。添加すべきエタノールの体積は、処理溶液の体積当たり1〜2体積分のエタノールの範囲内にある。次に酸化ヘパリンを15〜20時間沈殿および沈降させ、その後、母液をデカントして捨てた。
次に、沈降物を精製水に溶解して15〜30%w/v処理溶液を得た。NaClを添加して、処理溶液中の0.15〜0.30モル/リットルの濃度を得た。5〜25℃の温度を維持しつつ、撹拌をさらに0.5〜1時間続けた。その後、処理溶液の体積当たり1.0〜2.0体積分のエタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間にわたって撹拌しながらこの溶液に添加した。これによって、生成物が溶液から沈殿した。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
母液をデカントして捨てた後、沈降物が完全に溶解するまで約7リットルの水中に撹拌し、溶液の濃度は15〜30%になった。温度を5〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOH溶液をゆっくりと添加した。反応を起こして15〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、pHが10〜11に増加する間、130〜150グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。
実施例5に従って精製が続く。
実施例2
グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を22〜26時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。反応期間の最後のpHを測定および記録した。
酸化反応の終了およびヨウ素含有化合物の除去
慎重に撹拌しながら5〜25℃の温度で、エタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間かけて反応混合物に添加した。添加すべきエタノールの体積は、処理溶液の体積当たり1〜2体積分のエタノールの範囲内にある。次に酸化ヘパリンを15〜20時間沈殿および沈降させ、その後、母液をデカントして捨てた。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
母液をデカントして捨てた後、沈降物が完全に溶解したと視覚的に確認されるまで約7リットルの水中に撹拌した。温度を20〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOHをゆっくりと添加し、このように開始した反応を15〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
母液をデカントして捨てた後、処理溶液の濃度15〜30%w/vが得られるまで、精製水を添加することによって沈降物を溶解した。温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、130〜150グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加して溶解した。pHはpH10〜11に急激に増加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応期間の前後両方の溶液のpHを記録した。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。
実施例5に従って精製が続く。
実施例3
グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応器は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を18〜24時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
温度を5〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOH溶液をゆっくりと添加した。反応を起こして15〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、pHが10〜11に増加する間、130〜200グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。
還元生成物の沈殿およびヨウ素含有化合物の初期除去
慎重に撹拌しながら5〜25℃の温度で、エタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間かけて反応混合物に添加した。添加すべきエタノールの体積は、処理溶液の体積当たり1〜2体積分のエタノールの範囲内にある。次に酸化ヘパリンを15〜20時間沈殿および沈降させ、その後、母液をデカントして捨てた。
次に、沈降物を精製水に溶解して15〜30%w/v処理溶液を得た。NaClを添加して、処理溶液中の0.15〜0.30モル/リットルの濃度を得た。
実施例5に従って精製が続く。
実施例4
グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応器は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を18〜24時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。次に、グリセロールを添加して反応をクエンチし、すなわち残留過ヨウ素酸をヨウ素酸に変換し、150〜200mlの85%グリセロール溶液を添加し、撹拌しながら30〜60分間反応させた。
ヨウ素含有化合物およびクエンチャ/反応生成物の生成物除去の沈殿
慎重に撹拌しながら5〜25℃の温度で、エタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間かけて反応混合物に添加した。添加すべきエタノールの体積は、処理溶液の体積当たり1〜2体積分のエタノールの範囲内にある。次に酸化ヘパリンを15〜20時間沈殿および沈降させ、その後、母液をデカントして捨てた。
次に、沈降物を精製水に溶解して15〜30%w/v処理溶液を得た。NaClを添加して、処理溶液中の0.15〜0.30モル/リットルの濃度を得た。5〜25℃の温度を維持しつつ、撹拌をさらに0.5〜1時間続けた。その後、処理溶液の体積当たり1.0〜2.0体積分のエタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間にわたって撹拌しながらこの溶液に添加した。これによって、生成物が溶液から沈殿した。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
母液をデカントして捨てた後、沈降物が完全に溶解したと視覚的に確認されるまで約7リットルの水中に撹拌した。温度を5〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOHをゆっくりと添加し、このように開始した反応を60〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
母液をデカントして捨てた後、処理溶液の濃度15〜30%w/vが得られるまで、精製水を添加することによって沈降物を溶解した。温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、130〜150グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加して溶解した。pHはpH10〜11に急激に増加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応期間の前後両方の溶液のpHを記録した。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。
実施例5に従って精製が続く。
実施例5
生成物の精製
プロセス添加物および不純物の除去、対イオンの添加ならびに濾過
水素化ホウ素によって末端を還元する最終の化学修飾ステップによって得られる実施例1〜4に係る処理溶液を、以下に概説する手法に従って作製した。
次に、1体積分の処理溶液を1.5〜2.5体積分のエタノール(95〜99.5%)に添加した後、遠心分離を>2000Gで<20℃で20〜30分間行い、その後、上澄みをデカントして捨てた。
次に、遠心分離によって得られた生成物ペーストを精製水に溶解して生成物濃度10〜20%w/vを得た。次に、NaClを添加して0.20〜0.35モル/リットルの濃度を得た。次に、1.5〜2.5体積分のエタノール(95〜99.5%)を処理溶液の体積当たりに添加して、生成物を溶液から沈殿させた。その後、上述のような遠心分離を行った。
次に、残留ペーストを精製水に添加して溶解した。生成物濃度はこれによって10〜20%w/vの範囲内になった。生成物溶液のpHを次に6.5〜7.5に調整した。次に、溶液を濾過してすべての粒子を除去した。そして、1体積分の処理溶液に対して1.5〜2.5体積分のエタノール(95〜99.5%)を添加した。その後、遠心分離を>2000Gで<20℃で20〜30分間行い、その後、上澄みをデカントして捨てた。
沈殿ペーストの脱水および粒径の縮小
約2リットルの体積のエタノールを反応器に充填した。エタノールを撹拌しながら沈殿ペーストを添加した。機械撹拌によってペーストが凝固し、存在する水がエタノールに置換され、均質な粒子懸濁液が与えられた。撹拌を1〜2時間後に停止し、その後、粒子を沈降させた。過剰な液体を除去した後、粒子を篩または粉砕機に通し、より小さくて均一な粒径の粒子を得た。
生成物の乾燥
生成物をトレイ上に均一に分布させ、真空キャビネットに入れた。真空を生成して35〜40℃で加熱した。この時、乾燥機内の低圧を維持しつつ、窒素の流れを乾燥機に通過させた。生成物の一定重量が得られると、すなわち、さらなる蒸発が見られない場合、乾燥が完了したと見なした。生成物を包装して湿気から保護した。
実施例6
グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を18〜24時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
温度を5〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOHをゆっくりと添加し、このようにして起こした反応を15〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
母液をデカントして捨てた後、処理溶液の濃度15〜30%w/vが得られるまで、精製水を添加することによって沈降物を溶解した。温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、130〜200グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加して溶解した。pHはpH10〜11に急激に増加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応期間の前後両方の溶液のpHを記録した。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。次に、反応溶液の伝導率15〜20mS/cmが得られるまで精製水を溶液に添加した。
陰イオン交換クロマトグラフィによる生成物の精製
直径500mmのカラムに、10〜15cmのベッド高さに対応する25〜30リットルの体積まで、媒体であるDEAEセファロースまたはQAEセファロースを充填した。クロマトグラフィを3〜4サイクル行って生成物全体を消費した。
次に、以下の緩衝液、すなわち、
・平衡化緩衝液、緩衝液A、15mMのリン酸、150mMのNaCl
・溶出緩衝液、緩衝液B、2MのNaCl溶液
・殺菌緩衝液、0.5MのNaOH
を調製した。クロマトグラフィステップは、15〜25℃で、≦200cm/時または約350リットル/時の流量で行った。
溶出剤の伝導率が15〜20mS/cmになるまで、平衡化緩衝液を用いてカラムを平衡化した。次に、酸化ヘパリン溶液をカラム内へポンピングした。適用すべき粗組成物の量は、クロマトグラフィ媒体の<40g/リットルに対応する。
次に、平衡化緩衝液を用いてアイソクラチック洗浄を行い、UV210〜254nmがベースラインに達すると停止した。典型的に、ベースラインに達するには5ベッド体積分の緩衝液が必要である。反応溶液に添加される化学物質およびそれらからなる生成物を除去した。
次に、カラムに適用される緩衝液のイオン強度を勾配溶出を行うことによって線形に増加させた。緩衝液Aは100%から0%に減少し、5ベッド体積以上の100%緩衝液Bに置換された。生成物、溶出液を、UV吸光度が>0.1AUのときに収集し、信号が<0.1AUのときに停止した。次にカラムの殺菌を行い、その後、次のサイクルのクロマトグラフィのために再び調製した。すべての運転からの溶出液を組合わせて、15〜25℃で保管した。
生成物の脱塩
1体積分の先のステップからの組合わせた溶出液を、15〜25℃で絶えず撹拌しつつ、3体積分の95〜99.5%エタノールに添加した。これによって、生成物が溶液から沈殿した。生成物を>3時間沈降させた。次に、15〜25%の濃度まで沈降物を精製水に溶解した。そして、溶液を冷エタノール(<−5℃)95〜99.5%に添加し、典型的に、1体積分の生成物溶液当たり5体積分のエタノールが消費された。次に、>2000Gの連続モードで遠心分離を行い、その後、生成物ペーストを収集して乾燥用に調製した。
生成物の乾燥
生成物をトレイ上に均一に分布させ、真空キャビネットに入れた。真空を生成して35〜40℃で加熱した。この時、乾燥機内の低圧を維持しつつ、窒素の流れを乾燥機に通過させた。生成物の一定重量が得られると、すなわち、さらなる蒸発が見られない場合、乾燥が完了したと見なした。生成物を粉砕して均質にしてから、包装して湿気から保護した。
実施例8
実施例1および3に従って生成した低抗凝固ヘパリンに対して1H−NMR分析を行い、天然ヘパリンのスペクトルと比較した。
表IIは、非還元末端不飽和グルコサミンから生じる天然ヘパリンには存在しない5.00ppm〜6.50ppmの区間内の信号を示している。表IIの結果は、天然ヘパリンからのスペクトル中に存在すると予想されないそのような化合物の存在レベルを低下させることが可能であることを示している。比較して、EDQMのモノグラフ7のヘパリン品質制御に該当する現在の限界は、5.70〜8.00ppmの領域内の任意の信号に対する5.42ppmにおける信号と比べて<4%である。
Figure 2015514705
さらに、非還元末端不飽和グルコサミンの存在は、組合わされた1H−NMRおよび13C−NMRスペクトル評価(HSQC)によっても定量化され、グルコサミン全体のモル%として示された(表III参照)。
さらに、先に述べたようなプロトンおよび炭素NMR分光法(HSQC)を組合わせた使用を含むNMR2次元(2D)法に従って試料を分析した(Guerrini M.、Naggi A.、Guglieri S、Santarsiero R、Torri G. Anal Biochem 2005;337、35−47を参照)。
表IIIは、H−NMRスペクトル中の5.95ppmおよび6.15ppmにおける信号として存在する低抗凝固ヘパリンのグルコサミンの総量と比較した修飾グルコサミンの画分(%)を示す。
Figure 2015514705
実施例9
上記の実施例のいずれかに従って製造した生成物は、150mg/mLの活性生成物および15mM、pH6〜8のリン酸ナトリウムを含む溶液などの従来の無菌プロセスによって製剤として調製され得る。こうして得られた製剤は主に皮下投与用であるが、静脈内投与にも適している。
結果として得られる生成物は、推定平均分子量が4.6〜6.9kDaであり、かつ抗凝固活性を本質的に有しない、脱重合化された形態のヘパリンである。
生成物は、1.2〜15kDaの分子量に対応するnが2〜20の範囲内の多糖ポリマーの粒度分布を有する。支配的な粒径は、3.6〜9.6kDaの分子量に対応する6〜16個の二糖単位である。
分子量は、直列のTSK2000およびTSK3000SWカラムを用いてGPC−HPLCによって求めた。評価のために屈折率を用いた。LMWHに第1の国際校正品(first international calibrant)を用いた。
分子質量分布および総重量の累積率の対応部分を以下に示す。
Figure 2015514705
重量平均分子量Mwの対応値は、4.6〜6.9kDaの範囲内にある。
実施例10
実施例1〜3に従って生成し実施例9に従って処方した化学修飾ヘパリンのリン酸緩衝水溶液に溶解した原体(粉末)および製剤の安定性を、周囲温度で36ヶ月にわたって調べた。初期生成物は鮮やかな白色からやや黄色の溶液であり、400nm(10%w/v溶液)での吸光度は0.14、pHは7.0、容量オスモル濃度は658mOsm/kg、平均分子量は5.6kDa、含量は150mg/mlであった。
36ヶ月後、当該製剤は同じ外観を有し、400nm(10%w/v溶液)での吸光度は0.13、pHは7.1、容量オスモル濃度は657mOsm/kg、平均分子量は5.4kDa、含量は153mg/mlであった。
実施例11
皮下投与
実施例1で開示した方法によって生成した化学修飾ヘパリンをトリチウムで標識し、Sprauge−Dawleyラットおよびイヌに投与した。
結果:
2,8および24mgのヘパリン/kg/日をラットに、3,15および45mgのヘパリン/kg/日をイヌに皮下投与した後、吸収は迅速であり、ラットおよびイヌにおいてそれぞれ0.5および1.5時間内に最大プラズマレベルに一般に達した。皮下バイオアベイラビリティは、ラットおよびイヌの両方において約90%であった。興味深いことに、対応するヘパリンのバイオアベイラビリティは約10%であった。
実施例12 妊娠後期におけるDF01を用いた処置
研究デザイン
これは、分娩時間を短縮する際の、妊娠後期におけるDF01を用いた前処置の安全性および効果を評価するための、無作為化された、二重盲検式の、プラセボを対照とした多施設調査であった。スウェーデンの18カ所の研究施設がこの調査に参加した。
DF01は、ブタの腸粘膜からのヘパリンの過ヨウ素酸酸化、ならびにその後の実施例1および9に従う生成物のβ脱離によって化学的に生じる低抗凝固ヘパリンである、本発明に係る化学修飾ヘパリンである。
プロトコルでは、各被験者は妊娠期間の38+0週〜40+0週までの処置開始から分娩まで診療所に毎日来て治験薬のs.c.注射を受けることが指定された。調査における予想参加期間は、各被験者について1〜28日(+スクリーニングおよび経過観察期間)であった。すべての女性は、遅くとも妊娠期間の42+0週で分娩を誘発されることになっていた。最大で28日の処置[最大で28用量の治験薬(IMP)]が与えられた。出産後8〜16週目に経過観察通院をすることになっていた。
処置
DF01は、その抗凝固活性が本質的に奪われた脱重合化ヘパリン(薬局方抗第Xa因子および抗第IIa因子アッセイによって<10IU/mg)である。平均重量Mwは5000〜7000である。
DF01および適合プラセボを皮下注射用の溶液として与えた。
DF01の薬学的調製物は皮下注射用の溶液であり、ゴム栓で密封されたガラス瓶に8mLが分注され、はぎ取り式のアルミニウムキャップで覆われている。
DF01溶液の各mLは、
□DF01、150mg
□リン酸緩衝液、0.015M
□ベンジルアルコール、14mg
を含む。
ベンジルアルコールで保存した滅菌生理食塩水をプラセボとして用いた。製剤と同じ態様で、8mLのプラセボをバイアルで与えた。
プラセボ溶液の各mLは、
□塩化ナトリウム、9mg
□ベンジルアルコール、14mg
を含む。
被験者は、60mg/日のDF01(0.4mL)(60kgの被験者の1.00mg/kg/日に対応する)またはプラセボ(0.4mL)を受けた。
生成物は、妊娠期間の38+0週〜40+0週に処置が開始され、分娩までの処置期間に連日皮下注射によって投与された。42+0週でもまだ未出産の場合は、分娩を誘発することとした。最大処置期間は28日間であった。連日注射同士の間の許容時間間隔は24+/−6時間、すなわち18〜30時間であった。時間制限が時々守られなかったり用量を投与し忘れても、処置を継続可能であるものとした。
結果
女性がオキシトシンを受けた場合、全部で149件の非帝王切開出産があった(DF01群で83件およびプラセボ群で66件)。ログランク検定は、p値が0.0158の治療群同士の間の分娩時間の有意差を示した。生成物制限出生曲線が図1に与えられ、以下のように解釈されるべきである。分娩が約6〜8時間かかる場合、女性がオキシトシンを受けない場合がより多く、DF01は単独で最小効果をもたらすように見える(2本の曲線は互いに接近している)。しかし、分娩が長引いて約6〜8時間以上かかり、女性が一般にオキシトシンを与えられると、DF01の付加投与はオキシトシンの効果を増強させて分娩時間の短縮を促進するように見える。
オキシトシンがその効果を発揮できない理由は、おそらくヘパラン硫酸の欠如であり、多くの場合、これはオキシトシンの過剰投与につながり、過剰収縮などの重い副作用をもたらし得る。DF01を組合わせて使用することによって、オキシトシン節約効果をもたらし、過剰収縮および胎児の合併症の危険性を防止することができる。
実施例11
ヒトの子宮平滑筋細胞を培養して確立した。カルシウム指示染料Fluo−4を用いて細胞内Ca2+を測定し、共焦点顕微鏡法による生細胞撮像を細胞に対して確立した。細胞をオキシトシンで処置し、サイトゾルへのCa2+流入を実証した(図2B)。
効果は用量依存性であり、すでに0.05IU/mlのオキシトシンで最大効果をもたらす。実験には、実施例1で説明したDF01を用いた。
図2Aは、DF01単独ではCa2+濃度に影響を及ぼさなかったことを示している。しかし、DF01をオキシトシンとともに与えると、オキシトシン単独と比べて増加および持続したCa2+レベルが達成された(図2Bおよび図2C)。用量反応パターンは、図2Dに示されるように、Ca2+ピークの数がDF01の濃度と相関関係にあることを示している。この結果は、どのようにDF01がオキシトシンの作用を促進および持続することによって子宮収縮に対して作用を発揮するかについての機構を示している。
子宮平滑筋細胞を10μMのベラパミルで30分間プレインキュベートすることによって、機構をさらに調べた。ベラパミルは、オキシトシンまたはオキシトシンとDF01との併用によって誘発されるCa2+流入に影響を与えなかった。したがって、Lチャネルは関与していないと結論付けることができる。
イノシトール3リン酸(IP3)の主な輸送機構が小胞体のCa2+輸送を刺激しているか否かをさらに調査した。この経路を調べるため、100μMの濃度での30分間のインキュベーションの後、Ca2+を対象に2−アミノエトキシジフェニルホウ酸(2−APB)を試験した。この阻害薬は、オキシトシンおよびオキシトシン/DF01刺激Ca2+輸送の両方を大きく減少させた。
オキシトシンとDF01との相互作用をさらに特徴付けるため、オキシトシン受容体拮抗薬アトシバンの作用を用い、DF01を受けた細胞はCa2+輸送に対するオキシトシン作用を高めた。10−6Mの濃度のアトシバンは、オキシトシンおよびオキシトシン/DF01の併用の両方の作用を明らかに阻害した。
この結果は、DF01は単独ではCa2+輸送に影響を及ぼさないことを示している。しかし、オキシトシンと併用すると、Ca2+輸送の明らかな用量反応向上刺激が認められる。DF01はオキシトシンの作用を安定させ、これによって刺激期間が長くなる。作用はLチャネルを伴わず、むしろオキシトシンシグナリングにおけるIP3刺激Ca2+流入を伴う。オキシトシン拮抗薬の作用は、DF01に対する作用がオキシトシン受容体レベルで働くことを示唆している。
本発明に係るDF01および化学修飾ヘパリンは、子宮筋層収縮を改善して、子宮筋層収縮の不足または欠如と関連している合併症を処置するために投与する有用な薬剤であると結論付けられる。要約すると、DF01および同様の化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、有効な分娩を再確立するのに必要な直接介入処置において有効であると見なされる。
特定の実施形態が本明細書中で詳細に開示されたが、これは例示のために一例としてなされたに過ぎず、以下の添付の請求項の範囲に関して限定的であることを意図していない。特に、請求項によって定義される発明の思想および範囲から逸脱することなくさまざまな置換、変更、および修正が本発明に対してなされ得ると発明者によって考えられる。

Claims (31)

  1. 10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸であって、
    (i)抗凝固作用を媒介する化学的にインタクトな糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
    (ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを備え、(式I)は、
    Figure 2015514705
    であり、
    分娩停止の処置において子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤と併用して使用される、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  2. 前記分娩停止は一次的な分娩停止である、請求項1に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  3. 前記分娩停止は二次的な分娩停止である、請求項1に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  4. 前記二次的な分娩停止は不十分な進行または進行の完全な中止である、請求項3に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  5. 前記二次的な分娩停止は児頭骨盤不均衡に起因する、請求項3に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  6. 前記分娩停止は分娩を誘発された女性に現れる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  7. 前記分娩停止は未産婦女性に現れる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  8. 子宮の子宮筋層収縮を促進可能な前記薬剤はオキシトシンである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  9. 前記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、平均分子量(Mw)が約4.6〜6.9kDaである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  10. 支配的に生じる多糖鎖は6〜12個の二糖単位を有し、分子量は3.6〜7.2kDaである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  11. 前記多糖鎖の少なくとも70%が、少なくとも3kDaよりも高い分子量を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  12. 以下の表に従った多糖類の分布および重量の累積%として表わされるそれらの対応する分子質量を有し、前記表は、
    Figure 2015514705
    である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  13. 前記多糖は、式Iに示されるような還元末端残基を有する糖鎖を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  14. 天然ヘパリンからの5.42ppmにおける信号に対して4%未満の強度(%比)を有するH−NMRスペクトル中の5.0〜6.5ppmの区間内の信号として存在する非還元末端不飽和グルコサミンを備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  15. 当該グルコサミン信号は、5.95ppmおよび6.15ppmに存在する、請求項14に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  16. グルコサミンの全含量の1%未満が修飾される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  17. 前記グルコサミンは非還元末端不飽和グルコサミンを含む、請求項15〜16のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  18. 前記グルコサミンは、H−NMRスペクトル中の5.95ppmおよび6.15ppmにおける信号として存在する、請求項15〜17のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  19. 前記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、インタクトな非硫酸化イズロン酸および/またはグルクロン酸を本質的に含まない、請求項1〜18のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  20. 少なくとも1つの前記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、局所用の薬学的調製物として局所投与される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  21. 少なくとも1つの前記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、非経口用の薬学的調製物として投与される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  22. 前記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、オキシトシンを用いる処置に対して補助的に最大で約36時間、1〜4時間ごとに静脈内投与される、請求項21に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  23. 分娩停止を処置するための方法であって、10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤と併用して妊娠女性に投与するステップを備え、前記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、
    (i)抗凝固作用を媒介する化学的にインタクトな糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
    (ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを含み、(式I)は、
    Figure 2015514705
    である、方法。
  24. 前記分娩停止は一次的な分娩停止である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記分娩停止は二次的な分娩停止である、請求項23に記載の方法。
  26. 前記二次的な分娩停止は進行の完全な中止である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記二次的な分娩停止は児頭骨盤不均衡に起因する、請求項25に記載の方法。
  28. 前記分娩停止は分娩を誘発された女性に現れる、請求項23〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記分娩停止は未産婦女性に現れる、請求項23〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 子宮の子宮筋層収縮を促進可能な前記薬剤はオキシトシンである、請求項23〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 10IU/mg未満の抗第IIa因子活性および10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の使用であって、前記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、
    (i)抗凝固作用を媒介する化学的にインタクトな糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
    (ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを含み、(式I)は、
    Figure 2015514705
    であり、
    子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤と併用される分娩停止の処置のための医薬品の製造のための、使用。
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