JP2015511664A - 分娩を誘発するための療法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、分娩を誘発するための特定の硫酸化グリコサミノグリカンの使用について言及する。硫酸化グリコサミノグリカンは低下した抗凝固活性を有し、頸部成熟の促進または子宮の子宮筋層収縮の促進が可能な処置とともに併用療法において使用される。

Description

発明の分野
本発明は、女性の分娩を誘発するための特定の硫酸化グリコサミノグリカンの使用について言及する。
背景
長引く妊娠、たとえば41〜42週を越えた妊娠期間のために、または、子癇前症、糖尿病、本態性高血圧症および子宮内胎児発育遅延(IUGR)によって例示されるさまざまな医学的合併症のために分娩を誘発しなければならないことは、産科においてよくある臨床的状況である。
分娩誘発では、頸部の細胞外マトリクス(ECM)の不十分な再構築の結果、頸部が未成熟であることが多い。ヘパラン硫酸濃度が低い子宮ECMの不十分な再構築は、難産と関連している。確立された分娩の間の通常の頸部成熟および1〜10cm開く頸部開口の拡張は、コラーゲンおよびプロテオグリカンの濃度の減少をもたらす、炎症反応を伴う頸部ECMの完全な再構築を示唆する。頸部成熟における障害は、このプロセスの開始が早過ぎる場合、早期産につながり得る。一方、不十分な頸部成熟は、遅延分娩が高頻度で起こる過期産、および結果として器械分娩につながり得る。したがって、頸部成熟および子宮筋層収縮は、正常な分娩を達成するために協調しなくてはならない2つのプロセスである。
分娩は多数の方法で誘発され得る。分娩の誘発方法の非限定的な例には、物理的刺激プロセス;オキシトシン、プロスタグランジンEまたはその誘導体、たとえばミソプロストールおよびジノプロストンの投与;羊膜嚢の破裂;頸部の拡張、頸部内バルーンの投与および頸部内フォーリーカテーテルの使用(脱落膜および頸部からのプロスタグランジンの内因性放出をもたらす)がある。また、これらの分娩誘発プロセスの組合わせも使用可能である。これらの薬剤またはプロセスを用いて分娩を誘発することはよく行われていることであるとしても、分娩誘発を受ける女性は、分娩停止、分娩の長引く潜伏期、および分娩の進行の遅延(遅延分娩)を含む高率で発生する異常分娩に苦しむのが事実である。また、頸部の状態が好ましくない女性の分娩を誘発するための治療介入の15〜20%が、プロスタグランジンE2の局所投与後に失敗すると推定されている。これらの事実にも関わらず、分娩誘発およびその後の出産までの事象の改善を目的とした新薬を開発するための努力はほとんど行われてこなかった。信頼性のある安全な処置が確立されていないため、帝王切開および手術による出産の数が増加している。
Acta Obstetricia et Gynecologica. 2010;89:147−150)には、低分子量ヘパリン(LMWH)であるダルテパリンが分娩の進行を改善し、それによって分娩時間を短縮することが発見されたと報告されており、ダルテパリンがオキシトシン誘発子宮平滑筋収縮を増加させ、さらに、分娩時に頸部から取った生検から培養した頸部細胞内のサイトカインの放出を刺激すると示唆されている。ダルテパリンが分娩プロセスに対して良い作用を発揮するように一般に見えるとしても、その抗凝固作用による出血の危険性のため、使用するのは臨床的に実行可能ではないであろう。
WO 03055499は、100BP単位/mg以下の抗凝固活性を有するヘパリンなどの硫酸化グリコサミノグリカンが、一般に女性の有効な分娩を確立するための頸部および子宮筋層の予防的プライミングまたは治療的処置に有効であると教示している。この文献では、内因性オキシトシンレベルが低い場合、子宮筋層のプライミングのために硫酸化グリコサミノグリカンがオキシトシンと併用して使用され得ると示唆されている。しかし、直接的な治療効果を必要とする合併症が起こった場合に硫酸化グリコサミノグリカンが直接介入療法に有用であるとは示唆されていない。
分娩に入るために直接介入療法を受けるように選ばれた女性の分娩を誘発するための既存療法の補助として使用可能な薬剤が必要とされている。それによって、異常分娩と関連しているすべての合併症を回避または排除するために、未成熟頸部の頸部成熟を確立するプロセス、および子宮の子宮筋層収縮の促進の両方に寄与し得る、迅速に開始する療法を提供することが望ましいであろう。
発明の説明
本発明を説明する前に、本発明の範囲は添付の請求項およびその均等物によってのみ限定されるため、本明細書中で使用される専門用語は特定の実施形態を説明するために用いられているに過ぎず、限定的であることを意図していないことを理解すべきである。
本明細書および添付の請求項で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈中に明らかな指示がない限り複数の指示対象を含むことに留意されたい。
また、「約」という用語は、該当する場合、与えられた値の+/−2%、好ましくは+/−5%、もっとも好ましくは数値の+/−10%の偏差を示すために用いられる。
本発明の文脈において、「分娩誘発」とは、分娩および出産をもたらす進行を達成するために子宮の子宮筋層収縮(子宮収縮)から分娩を直接的または間接的に開始する治療介入と一般に定義される。分娩を誘発する理由は、長引く妊娠、たとえば41〜42週を越えた妊娠期間、または、子癇前症、糖尿病、本態性高血圧症および子宮内胎児発育遅延(IUGR)によって例示される医学的合併症含むが、これらに限定されない。多くの盛んに行なわれているプロセスとは別に、分娩誘発は従来、ジノプロストンなどのプロスタグランジンの投与によって、およびオキシトシンの投与によって引起こされる。
本発明の文脈において、「分娩を誘発する」という用語は、投与から直接反応効果が要求される療法に関する。分娩の文脈において、投与が頸部成熟の開始および子宮収縮の促進または刺激の少なくとも一方に直接つながることが要求される。その他の面では、本発明は、女性が分娩誘発を受けるように選ばれる前に遅延分娩を防止または抑制する療法を受け得る予防療法に向けられない。
「分娩誘発を受けるように選ばれる」という用語は、妊娠女性が「分娩誘発」で概説したような臨床的な理由、または人道的な理由で分娩に入るように選ばれたこと、かつ、当該分娩が、投与直後に分娩の開始に直接的または間接的につながるプロセスを開始する直接介入投与療法を用いて誘発されることを意味する。本発明の文脈において、分娩の開始につながるプロセスは、頸部成熟の開始または促進、および子宮の子宮筋層収縮の促進または刺激の少なくとも一方を含み得る。
「難産」または「異常分娩」という用語は、本発明を説明する文脈で使用される場合、分娩停止、分娩の長引く潜伏期、および分娩の進行の遅延(遅延分娩)を含むいくつかの状況を含む一般用語である。難産は分娩誘発の後に特によく見られ、経産婦よりも未産婦に頻繁に起きる。
「併用処置」または「併用された処置」という用語は、本明細書では、本明細書において記載および請求される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を用いる処置、ならびに分娩誘発を達成するのに有効な別の処置と定義される。他の処置は、頸部成熟または子宮の子宮筋層収縮を促進するのに有効な、異なる処置である。他の処置は、頸部成熟または子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤の投与を含み得るか、または、たとえば分娩誘発に寄与するプロスタグランジンの内因性放出を引起こし得る侵襲性および非侵襲性の処置を含み得る。熟練した産科医は多数のそのような処置を知っている。併用処置は、本明細書において記載および請求される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を用いる処置が他の処置に対して補助的に、同時に、または連続的に行われることを含み得る。それはさらに、分娩を誘発するのに有用な別の処置に対する追加療法として投与される、本明細書において記載される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の意味も有し得る。併用処置が追加療法である局面では、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の投与は、他の療法の開始後の任意の時点で分娩を誘発するための別の処置に追加される。
200IU/mg未満の抗第Xa因子活性などの低抗凝固作用を有する硫酸化グリコサミノグリカンが、分娩を誘発する際に使用されるとして本明細書に開示される。
グリコサミノグリカンは、ヘパラン硫酸、脱重合化ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸、脱重合化デルマタン硫酸、ヘパリン、脱重合化ヘパリン(低分子量ヘパリン)、コンドロイチン硫酸および脱重合化コンドロイチン硫酸からなる群から選択される硫酸化グリコサミノグリカンである。
硫酸化グリコサミノグリカンは、交互のヘキソサミンおよびウロン酸残基からなるヘパラン硫酸、ヘパリン、デルマタン硫酸およびコンドロイチン硫酸である。D−グルクロン酸(GlcA)およびそのC−5エピマーL−イズロン酸(IdoA)の存在ならびにヘキソサミンおよびウロノシル残基の特定の硫酸化は、このポリマーに極度の構造的変化を与える。この構造は、0または数%〜約100%のイズロン酸含有二糖類を含む反復する二糖類に基づいて構築される。二糖類を含むGlcA−およびIdoA−N−ヘキソサミンの組織は、長いブロックから交互の二糖類パターンまで変化し得る。硫酸化およびイズロン酸硫酸の程度の変化は、多種多様な生物学的活性を生じる。デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、および脱重合化ヘパリンの、種々の十分に規定された多糖類が存在する。
コンドロイチン硫酸は、交互のグルクロン酸およびN−アセチル−ガラクトサミン残基からなる硫酸化した直鎖状の多糖類であり、N−アセチル−ガラクトサミン残基は、4位または6位のいずれかで硫酸化されている。それらは、ウシの気管または鼻軟骨から調製され得る。コンドロイチン硫酸は、細胞外マトリクスの組織化に重要であり、間質膨張圧を発生させ、好中球の漸増に関与する。
デルマタン硫酸は、交互のウロン酸およびN−アセチル−ガラクトサミン残基からなる硫酸化した直鎖状の多糖類である。ウロン酸は、D−GlcAまたはL−IdoAのいずれか一方であり、この二糖類は、それぞれ、ガラクトサミンおよびIdoAの4位および6位および2位で硫酸化され得る。デルマタン硫酸は、ブタの皮膚または腸粘膜およびウシの肺から調製され得、細胞外マトリクスの組織化、サイトカインとの相互作用、抗凝固活性、および好中球の漸増などの生物学的活性を保有する。
反復する二糖類としてグルコサミンおよびウロン酸を有し、主に分離様式で構成されるN−アセチル化二糖類およびN−硫酸化二糖類からなるヘパラン硫酸は、細胞表面および細胞外マトリクス中に遍在する分布を有する。それは、一般に、ヘパリンより低い程度に硫酸化され、より低いイズロン酸含量を有し、より多様な構造を有する。ヘパラン硫酸とタンパク質との相互作用は、細胞接着、細胞増殖、酵素調節、サイトカイン作用、ウイルス進入、および抗凝固特性などの、種々の生理学的プロセスと関連している。ヘパラン硫酸は、ヘパリンよりも非常に低いが、特定の抗凝固性五糖類の存在に依存する抗凝固活性を保有する。ヘパラン硫酸は、Franssonら、Structural studies on heparan sulphates、Eur.J.Biochem.106、59−69(1980)に記載されるように、ブタの腸粘膜またはウシの肺から、塩化セチルピリジニウム分画および連続する塩抽出を用いてヘパリンのサイドフラクション(side fraction)から調製され得る直鎖状の多糖類である。
ヘパリンは、強力な抗凝固剤であり、かつ血栓塞栓性疾患の予防および治療のための望ましい薬として60年以上にわたって臨床的に用いられてきた、天然に存在するグリコサミノグリカンである。ヘパリン処置の主な潜在的な悪影響は、その抗凝固特性によって生じる出血合併症である。ヘパリンは高度に多分散であり、不均一な多糖類集団からなり、分子量は5〜40kDaであり、平均は約15〜18kDaである。低分子量へパリンまたは脱重合化ヘパリンは、交互のN−硫酸化グルコサミンおよびIdoA残基から主になり、かつ抗凝固性五糖類をしばしば含む、直鎖状のオリゴ糖である。それらは、特定の化学的切断によってヘパリンから調製され得る。それらの主な臨床的機能は、第Xa因子を阻害することであり、これによって抗血栓作用をもたらす。それは転移抑制特性を有することが提唱されている。Fragmin(登録商標)(米国Pfizer社)は、ヘパリンの制御された脱重合化により得られ、かつ第Xa因子の阻害に起因する抗血栓作用を有する低分子量ヘパリンの例である。選択的抗凝固活性を有するヘパリン画分およびその調製方法が、米国特許番号第4,303,651号に記載されている。欧州薬局方(PharmEur)によると、ヘパリンが低分子量ヘパリン(低分子質量ヘパリン)と称されるためには、70IU(国際単位)/mg以上の抗第Xa因子活性および8000Da未満のMを有しなければならない。ヘパリン、低分子量ヘパリンおよび他のヘパリン誘導体の抗凝固活性は、抗トロンビンによって凝固第Xa因子および第IIa因子の阻害を増強するそれらの能力として測定されることが多い。抗第Xa因子活性および抗第IIa因子活性の測定方法は熟練者に周知であり、欧州薬局方(PharmEur)および米国薬局方(USP)などの薬局方にも記載されている。抗凝固活性は、たとえば選択的過ヨウ素酸酸化によって排除され得る(たとえばFransson LA、およびLewis W、Relationship between anticoagulant activity of heparin and susceptibility, to periodate oxidation、FEBS Lett. 1979、97:119−23;Lindahlら、Proc Natl Acad Sci USA、1980;77(11):6551−6555を参照)が、熟練者に公知の他の手段によっても排除され得る。
一局面において、本発明は、10IU/mg未満の抗第II因子活性、10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸であって、
(i)抗凝固作用を媒介する化学的にインタクトな糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
(ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを含み、(式I)は、
Figure 2015511664
であり、女性の分娩を誘発するために頸部成熟の促進または子宮筋層収縮の促進が可能な処置と併用して使用される、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸に関する。
この文脈において、抗凝固作用を媒介する化学的にインタクトな糖配列を本質的に含まない多糖鎖を含む化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸とは、多糖鎖が、抗トロンビン(AT)によって抗凝固作用を特異的に媒介する本質的にすべての五糖類を修飾するように化学的に処置されていることを意味する。
一局面において、処置は、頸部成熟を促進するのに有効な薬剤または子宮の子宮筋層収縮を促進するのに有効な薬剤の少なくとも一方の投与を含む。
一局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、頸部成熟の促進または子宮の子宮筋層収縮の促進が可能な処置に対する追加療法として使用される。
一局面において、処置は、羊膜嚢の破裂(羊膜切開);頸部の拡張、頸部内バルーンの投与および頸部内フォーリーカテーテルの使用(脱落膜および頸部からのプロスタグランジンの内因性放出をもたらす)の少なくとも1つを含む。この局面によると、処置は、分娩の誘発を促進するために内因性プロスタグランジンの放出を引起こす他の方法または手段を含み得る。
一局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の使用は、女性もしくは胎児/新生児の臨床的合併症の危険性と関連している患者群に属する、分娩に入るように選ばれた女性に向けられるか、または、女性は人道的な理由で選ばれ得る。患者群は、41〜42週の妊娠期間を越えた妊娠が長引いている女性、子癇前症、糖尿病、本態性高血圧症および子宮内胎児発育遅延(IUGR)などの医学的合併症を患っている女性を含む。
一局面において、本発明は、頸部が未成熟の女性の頸部成熟を促進するための処置と併用して使用される、定義された化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸に関する。一局面において、頸部の成熟の促進はプロスタグランジンの投与を含む。プロスタグランジンおよびプロスタグランジン誘導体は、頸部成熟を促進する薬剤として一般に使用または提案される。一局面において、プロスタグランジンおよびプロスタグランジン誘導体は、膣内に、子宮頸管内に、または羊水外に投与され得る。一局面において、プロスタグランジンは、ジノプロストン(PGE2)およびミソプロストール(PGE1)からなる群から選択される。さらに、他のプロスタグランジンまたはその誘導体、たとえばPGF2α、もしくは抗プロゲスチンなどの薬剤も有用であり得る。
頸部の状態は、Bishop’s Score(頸部スコア)などの産科医の常法によって確立され得る。Bishop’s Scoreが5以下の女性は頸部が未成熟であることが十分に立証されている。PGE2を用いて頸部成熟を確立する従来の療法は、多くても4回までの12時間ごとの投与を含む。成熟を判断する一般に用いられる1つの方法は、頸部拡張を判断することである。4cm以上の拡張は成熟した頸部を明白に示していると考えられ得る。
一局面において、処置は、子宮筋層収縮を促進または刺激可能な薬剤の投与を含む。一局面において、薬剤は、頸部は成熟しているが子宮の子宮筋層収縮が起こっていない女性の分娩を誘発するために女性に投与される。この局面に係る女性は、上述のような化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を使用した併用処置を受けるか、プロスタグランジンの投与などの頸部成熟を促進するための処置を受けるか、または産科医によって行われる常法に従って定められるように、成熟した頸部を自然発生的に得る。
一局面において、子宮収縮を促進または刺激可能な薬剤はオキシトシンである。
一局面において、本発明は、平均分子量(Mw)が約4.6〜6.9kDaの化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の使用に向けられる。
一局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の支配的に生じる多糖鎖は6〜12個の二糖単位を有し、分子量は3.6〜7.2kDaである。
一局面において、本発明の化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、抗トロンビンIII結合親和性を除去することによって抗凝固作用を根絶するために、過ヨウ素酸で処置されている。そのような化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を得る1つの非限定的な方法は、過ヨウ素酸酸化を行い、次に生成物のアルカリβ脱離を行うことである。このプロセスは抗凝固活性の排除につながる。米国特許番号第4,990,502号(Lormeauら)に開示されているプロセスは、天然ヘパリンを処置して抗凝固作用を担う五糖残基の残基を選択的に切断し、次いで脱重合化を行うことによって、低抗凝固性の、平均分子量が5.8〜7.0kDaの低分子量ヘパリンをもたらす1つの方法を実証している。
一局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の多糖鎖の少なくとも70%が、3kDaよりも高い分子量を有する。多糖類の分布および重量の累積%として表わされるそれらの対応する分子質量は以下の表に従い得る。
Figure 2015511664
さらに、多糖は、式Iに示されるような還元末端残基を有する糖鎖を含み、インタクトな非硫酸化イズロン酸および/またはグルクロン酸を本質的に含まない。
一局面において、この化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、天然ヘパリンからの5.42ppmにおける信号に対して4%未満の強度(%比)を有するH−NMRスペクトル中の5.0〜6.5ppmの区間内の信号として存在する修飾グルコサミンを含む。これらのグルコサミン信号は、6.15ppmおよび5.95ppmに存在し得る。一局面において、グルコサミンの全含量の1%未満が修飾される。
本文脈において、「修飾グルコサミン」とは、ヘパリン生成物または低分子量ヘパリン生成物(脱重合化ヘパリン)からのH−NMRスペクトル中に見つかると予想されない残基構造を有するグルコサミンを意味する。修飾グルコサミンの出現は、抗凝固作用を実質的に排除するために非硫酸化イズロン酸および/またはグルクロン酸を酸化するための化学修飾プロセスに起因し得る。修飾グルコサミンは、保管時の脱重合などの、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸生成物の予測不可能な特性を呈示し得るため、その存在を最小にすることが望ましい。
一局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、不飽和結合を有する非還元末端に修飾グルコサミンを含む。そのような修飾グルコサミンは、H−NMRスペクトル中の5.95ppmおよび6.15ppmにおける信号として存在する。
さらなる局面において、本発明は、先に定義されたいずれかの化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の有効量を、分娩を誘発する別の処置と併用して投与することを含む、女性の分娩を誘発する方法に関する。この局面では、分娩を誘発する他の処置は、明細書の先の節で定義または記載されたものと一致する。
本方法の一局面において、女性は頸部が未成熟であり、薬剤の投与、またはプロスタグランジンなどの頸部成熟を促進可能な療法の実行を含む。発明のこの局面の例では、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、PGE2を用いる処置と併用して2〜6時間ごとに最大で12〜48時間、またはPGE2を用いる処置と併用して4時間ごとに最大で36〜48時間、静脈内投与または皮下投与される。
本方法の一局面において、女性の分娩誘発を受けるように選ばれた女性は、頸部成熟を確立してるが、子宮収縮が不十分であるか、または子宮収縮が起こっていないことに苦しんでいる。この局面では、本方法は、子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤、たとえばオキシトシンの投与を含む。本発明のこの局面の非限定的な例では、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は24時間ごとに少なくとも1回、オキシトシンを用いる処置に対して補助的に最大で約36時間投与される。別の局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、1〜24回/24時間投与される。さらに別の局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、6回/24時間投与される。本発明のこの局面の例では、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、オキシトシンと併用して4時間ごとに静脈内投与または皮下投与される。一局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は持続注入によって投与される。現在の臨床実務では、オキシトシンは静脈内投与される。
本方法の一局面において、女性は、最大で1.5gの化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を24時間ごとに受ける。別の局面において、女性は、最大で1.2gの化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸を24時間ごとに受け、非限定的な例として、1.2g/24時間が200mgの用量で6回投与される。
本方法の一局面において、女性は、化学修飾ヘパリンもしくはヘパラン硫酸および/またはプロスタグランジンなどの頸部成熟を促進可能な薬剤の投与によって頸部成熟を確立しているが、子宮の子宮筋層収縮が起こっていないため分娩に入っていない。この局面では、分娩を誘発する方法は、子宮収縮を促進または刺激可能な薬剤、たとえばオキシトシンと併用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の投与を含む。
本方法は、本明細書のいずれかの箇所で定義されるような特徴を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の投与を含み得る。
別の局面において、本発明は、女性の分娩を誘発する併用療法における処置のための医薬品を製造するための、本明細書のいずれかの箇所で定義されるような化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の使用に関する。処置は、本明細書の先の節における定義と一致する。
本発明で使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、皮下注射または静脈内注射などの非経口投与によって薬学的組成物として全身投与され得る。非経口投与については、活性化合物は溶液または懸濁液に組み込まれ得、これらはまた、1つ以上のアジュバント、たとえば滅菌希釈液、たとえば注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセロール、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、緩衝剤および容量オスモル濃度調整剤も含む。非経口調製物は、アンプル、バイアル、使い捨てシリンジで、または輸液の形態で、さらに自己投与用にも送達され得る。
本発明で使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は皮下投与され得、そのため、注射器などの好適な自己投与器具を用いて投与され得る。
さらに、本発明で使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、たとえば膣、直腸、子宮内、および経鼻投与などであるがこれらに限定されない粘膜貫通によって局所投与され得る。
一局面において、本発明で使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、頸部成熟の促進または子宮の子宮筋層収縮の促進が可能な薬剤の有効量とともに処方され得、そのため、先に示唆した投与経路によって1つの組成物としてともに投与(同時投与)され得る。
一局面において、本発明で使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の組成物は、頸部成熟を促進可能な薬剤の組成物および子宮の子宮筋層収縮を促進する組成物の少なくとも一方とともにキットに含まれる。組成物は、異なる臨床的状況に対応する単回または複数回用量の形態で提供され得る。用量形態は、これもキットの一部であり得る投与器具に適合され得る。このため、キットはさらに、含まれる組成物をどのようにいつ投与すべきかについての臨床的指示を含み得る。
本発明に従って分娩を誘発することによって、分娩時間、およびたとえば帝王切開などの多数の分娩合併症を大幅に減少させることができる。遅延分娩は、他の母体合併症、たとえば分娩後の出血、器械分娩および子宮内膜炎ならびに胎児の仮死および感染の危険性の増加とも関連している。オキシトシンは子宮収縮性に作用を及ぼさないため、頻繁に帝王切開が行われることになり、これは緊急時に行われるものを含む。
オキシトシンは、有効な分娩を確立または再確立するために分娩中の女性にしばしば投与される。オキシトシン作用は、おそらくヘパラン硫酸の十分な組織レベルの欠如のために損なわれることが多く、これはオキシトシンの過剰投与につながり、過剰収縮などの重い副作用をもたらし得る。化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の投与を含む本発明に係る使用および方法は、損なわれたオキシトシン作用を復活させ、それによってオキシトシン節約効果をもたらし、子宮筋層過剰収縮、および結果として胎児の合併症の危険性を防止することができる。
現在の実務によると、子宮筋層収縮を促進する薬剤の濃度は、所望の効果に達するために、かつ当該薬剤を必要以上に女性に投与しないために滴定される。滴定は通常、低用量で始まり、所望の効果(すなわち子宮の子宮筋層収縮)が確立されるまで増加される。一局面において、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の組成物は、数回用量での投与に適した子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤を含む組成物を含む複数回用量の形態でキットに含まれる。一例では、キットは複数回用量の形態のオキシトシンを含み、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は当初の低用量または標準用量のオキシトシンと併用して投与される。患者が分娩停止にあり続ける場合、オキシトシンは、分娩の進行が再確立されるまで複数回用量の形態から制御された用量で1回または数回投与され得る。
化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、子宮筋層に対する収縮作用を確立するようにオキシトシンをサポートするように子宮筋層組織レベルを補充することによって有効であり得、オキシトシンの投与量を低下できるという効果を有し、それによってそのマイナスの副作用を軽減する。興味深いことに、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、オキシトシンがない場合は、子宮収縮をまったく引起こさないか、またはわずかしか引起こさないことがある。
本発明に従うと、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、頸部および子宮の両方に対して作用を発揮し得る。頸部成熟に関して、本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、頸部成熟を促進するのに有用なプロスタグランジンE2または他のプロスタグランジンまたはプロスタグランジン誘導体とともに作用を発揮し得る。
開示される実施形態の任意の組合わせが本発明に含まれる。
本発明を以下の非限定的な例においてさらに開示する。
本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸で処置されて誘発された女性およびプラセボを受けて誘発された女性の分娩時間を示す図である。 プロスタグランジンE2を用いて誘発され、本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸で処置された女性と、プロスタグランジンE2を用いて誘発されたがプラセボを受けた女性とを比較した分娩時間を示す図である。 オキシトシンを用いて分娩を誘発され、本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸で処置された女性と、オキシトシンを用いて分娩を誘発されたがプラセボを受けた女性とを比較した分娩時間を示す図である。 オキシトシンと本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸とを併用して処置した場合の子宮筋細胞へのカルシウムイオン流入を示す図である。 オキシトシンと本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸とを併用して処置した場合の子宮筋細胞へのカルシウムイオン流入を示す図である。 オキシトシンと本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸とを併用して処置した場合の子宮筋細胞へのカルシウムイオン流入を示す図である。 オキシトシンと本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸とを併用して処置した場合の子宮筋細胞へのカルシウムイオン流入を示す図である。
詳細かつ例示的な説明
実施例
本発明に係る化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の製造プロセスの詳細な説明
以下の実施例1〜9は、本発明に従って使用される化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸をどのように生成するかの実施例である。
物質はヘパリンナトリウムから調製される。調製は、ATを結合する五糖配列内のグルクロン酸部分を含む、ヘパリン中の非硫酸化ウロン酸残基の過ヨウ素酸による選択的酸化を含む。この残基の構造の破壊によって、ATとの高親和性相互作用が消滅し、その結果、抗凝固作用(a−FXaまたはa−FIIaとして測定される)が本質的に失われる。その後のアルカリ処理、ベータ脱離反応によって、過ヨウ素酸によって酸化されていない非硫酸化ウロン酸の部位においてポリマーの切断が生じる。これらの操作はともに、ヘパリン鎖の十分な脱重合とともに抗凝固活性の消失につながる。
さらに、切断部位において結果として得られる還元末端はNaBHによって還元され、これは末端アルデヒドをより安定した対応するジオールに変換する。次に、添加物、不純物および副生物が、エタノール沈殿、濾過および遠心分離を繰返すことによって除去される。その後、真空および熱で乾燥することによって粉末状の物質が得られる。この原体は滅菌水性緩衝液に溶解され、静脈内投与または皮下投与用の製剤を生じる。
ここまで説明したプロセスは、酸化、ポリマー切断(アルカリ加水分解)および還元のステップを一般に含む。本発明に係るプロセスは、ヘパリン鎖のいかなる種類の非特異的脱重合も抑制または排除するために展開される。この文脈における非特異的重合とは、特異的なアルカリベータ脱離反応と関連していないそのような脱重合を一般に意味する。非特異的脱重合は生成物の構造上の不安定性につながり、これは、精製された生成物の保管時のさらなる脱重合および変色をもたらし得る。それは、ヘパリン内に通常は見つからないNMRスペクトルに出現する非定型種の出現にも寄与し得る。
以下の節で説明および例示するプロセスは、非特異的脱重合を抑制または排除する異なる局面を含む。
実施例1
非硫酸化グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、AT結合五糖および抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を18〜24時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。
酸化反応の終了およびヨウ素含有化合物の除去
慎重に撹拌しながら5〜25℃の温度で、エタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間かけて反応混合物に添加した。添加すべきエタノールの体積は、処理溶液の体積当たり1〜2体積分のエタノールの範囲内にある。次に酸化ヘパリンを15〜20時間沈殿および沈降させ、その後、母液をデカントして捨てた。
次に、沈降物を精製水に溶解して15〜30%w/v処理溶液を得た。NaClを添加して、処理溶液中の0.15〜0.30モル/リットルの濃度を得た。5〜25℃の温度を維持しつつ、撹拌をさらに0.5〜1時間続けた。その後、処理溶液の体積当たり1.0〜2.0体積分のエタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間にわたって撹拌しながらこの溶液に添加した。これによって、生成物が溶液から沈殿した。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
母液をデカントして捨てた後、沈降物が完全に溶解するまで約7リットルの水中に撹拌し、溶液の濃度は15〜30%になった。温度を5〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOH溶液をゆっくりと添加した。反応を起こして15〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、pHが10〜11に増加する間、130〜150グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。
実施例5に従って精製が続く。
実施例2
グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を22〜26時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。反応期間の最後のpHを測定および記録した。
酸化反応の終了およびヨウ素含有化合物の除去
慎重に撹拌しながら5〜25℃の温度で、エタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間かけて反応混合物に添加した。添加すべきエタノールの体積は、処理溶液の体積当たり1〜2体積分のエタノールの範囲内にある。次に酸化ヘパリンを15〜20時間沈殿および沈降させ、その後、母液をデカントして捨てた。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
母液をデカントして捨てた後、沈降物が完全に溶解したと視覚的に確認されるまで約7リットルの水中に撹拌した。温度を20〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOHをゆっくりと添加し、このように開始した反応を15〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
母液をデカントして捨てた後、処理溶液の濃度15〜30%w/vが得られるまで、精製水を添加することによって沈降物を溶解した。温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、130〜150グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加して溶解した。pHはpH10〜11に急激に増加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応期間の前後両方の溶液のpHを記録した。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。
実施例5に従って精製が続く。
実施例3
グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応器は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を18〜24時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
温度を5〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOH溶液をゆっくりと添加した。反応を起こして15〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、pHが10〜11に増加する間、130〜200グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。
還元生成物の沈殿およびヨウ素含有化合物の初期除去
慎重に撹拌しながら5〜25℃の温度で、エタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間かけて反応混合物に添加した。添加すべきエタノールの体積は、処理溶液の体積当たり1〜2体積分のエタノールの範囲内にある。次に酸化ヘパリンを15〜20時間沈殿および沈降させ、その後、母液をデカントして捨てた。
次に、沈降物を精製水に溶解して15〜30%w/v処理溶液を得た。NaClを添加して、処理溶液中の0.15〜0.30モル/リットルの濃度を得た。
実施例5に従って精製が続く。
実施例4
グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応器は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を18〜24時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。次に、グリセロールを添加して反応をクエンチし、すなわち残留過ヨウ素酸をヨウ素酸に変換し、150〜200mlの85%グリセロール溶液を添加し、撹拌しながら30〜60分間反応させた。
ヨウ素含有化合物およびクエンチャ/反応生成物の生成物除去の沈殿
慎重に撹拌しながら5〜25℃の温度で、エタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間かけて反応混合物に添加した。添加すべきエタノールの体積は、処理溶液の体積当たり1〜2体積分のエタノールの範囲内にある。次に酸化ヘパリンを15〜20時間沈殿および沈降させ、その後、母液をデカントして捨てた。
次に、沈降物を精製水に溶解して15〜30%w/v処理溶液を得た。NaClを添加して、処理溶液中の0.15〜0.30モル/リットルの濃度を得た。5〜25℃の温度を維持しつつ、撹拌をさらに0.5〜1時間続けた。その後、処理溶液の体積当たり1.0〜2.0体積分のエタノール(95〜99.5%)を0.5〜1時間にわたって撹拌しながらこの溶液に添加した。これによって、生成物が溶液から沈殿した。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
母液をデカントして捨てた後、沈降物が完全に溶解したと視覚的に確認されるまで約7リットルの水中に撹拌した。温度を5〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOHをゆっくりと添加し、このように開始した反応を60〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
母液をデカントして捨てた後、処理溶液の濃度15〜30%w/vが得られるまで、精製水を添加することによって沈降物を溶解した。温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、130〜150グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加して溶解した。pHはpH10〜11に急激に増加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応期間の前後両方の溶液のpHを記録した。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。
実施例5に従って精製が続く。
実施例5
生成物の精製
プロセス添加物および不純物の除去、対イオンの添加ならびに濾過
水素化ホウ素によって末端を還元する最終の化学修飾ステップによって得られる実施例1〜4に係る処理溶液を、以下に概説する手法に従って作製した。
次に、1体積分の処理溶液を1.5〜2.5体積分のエタノール(95〜99.5%)に添加した後、遠心分離を>2000Gで<20℃で20〜30分間行い、その後、上澄みをデカントして捨てた。
次に、遠心分離によって得られた生成物ペーストを精製水に溶解して生成物濃度10〜20%w/vを得た。次に、NaClを添加して0.20〜0.35モル/リットルの濃度を得た。次に、1.5〜2.5体積分のエタノール(95〜99.5%)を処理溶液の体積当たりに添加して、生成物を溶液から沈殿させた。その後、上述のような遠心分離を行った。
次に、残留ペーストを精製水に添加して溶解した。生成物濃度はこれによって10〜20%w/vの範囲内になった。生成物溶液のpHを次に6.5〜7.5に調整した。次に、溶液を濾過してすべての粒子を除去した。そして、1体積分の処理溶液に対して1.5〜2.5体積分のエタノール(95〜99.5%)を添加した。その後、遠心分離を>2000Gで<20℃で20〜30分間行い、その後、上澄みをデカントして捨てた。
沈殿ペーストの脱水および粒径の縮小
約2リットルの体積のエタノールを反応器に充填した。体積は約2リットルであった。エタノールを撹拌しながら沈殿ペーストを添加した。機械撹拌によってペーストが凝固し、存在する水がエタノールに置換され、均質な粒子懸濁液が与えられた。撹拌を1〜2時間後に停止し、その後、粒子を沈降させた。過剰な液体を除去した後、粒子を篩または粉砕機に通し、より小さくて均一な粒径の粒子を得た。
生成物の乾燥
生成物をトレイ上に均一に分布させ、真空キャビネットに入れた。真空を生成して35〜40℃で加熱した。この時、乾燥機内の低圧を維持しつつ、窒素の流れを乾燥機に通過させた。生成物の一定重量が得られると、すなわち、さらなる蒸発が見られない場合、乾燥が完了したと見なした。生成物を包装して湿気から保護した。
実施例6
グルクロン酸およびイズロン酸(残基)の酸化、抗凝固活性の削除
約3000グラムの量のヘパリンを精製水に溶解して10〜20%w/v溶液を得た。この溶液のpHを4.5〜5.5に調整した。その後、メタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を処理溶液に添加した。過ヨウ素酸の量はヘパリンの重量の15〜25%である。pHを4.5〜5.5に再び調整した。反応は遮光された。絶えず撹拌して温度を13〜17℃に維持しつつ処理溶液を18〜24時間反応させ、最後の2時間で温度を5℃まで下げた。
アルカリベータ脱離プロセスによる多糖鎖の脱重合
温度を5〜25℃に維持しつつ、pH10.5〜12が得られるまで4MのNaOHをゆっくりと添加し、このようにして起こした反応を15〜95分間進行させた。この時、溶液のpHを記録し、pH5.5〜7が得られるまで4MのHClをゆっくりと添加した。
還元末端の還元
母液をデカントして捨てた後、処理溶液の濃度15〜30%w/vが得られるまで、精製水を添加することによって沈降物を溶解した。温度を13〜17℃に維持しつつ、溶液のpHを5.5〜6.5に調整した。次に、130〜200グラムの量の水素化ホウ素ナトリウムを溶液に添加して溶解した。pHはpH10〜11に急激に増加し、反応を14〜20時間継続させた。この反応期間の前後両方の溶液のpHを記録した。この反応時間の後、pHの値を4に調整するために希酸をゆっくりと添加し、これによって残留水素化ホウ素ナトリウムを分解した。pH4を45〜60分間維持した後、希NaOH溶液を用いて溶液のpHを7に調整した。次に、反応溶液の伝導率15〜20mS/cmが得られるまで精製水を溶液に添加した。
陰イオン交換クロマトグラフィによる生成物の精製
直径500mmのカラムに、10〜15cmのベッド高さに対応する25〜30リットルの体積まで、媒体であるDEAEセファロースまたはQAEセファロースを充填した。クロマトグラフィを3〜4サイクル行ってすべての生成物を精製した。
次に、以下の緩衝液、すなわち、
・平衡化緩衝液、緩衝液A、15mMのリン酸、150mMのNaCl
・溶出緩衝液、緩衝液B、2MのNaCl溶液
・殺菌緩衝液、0.5MのNaOH
を調製した。クロマトグラフィステップは、15〜25℃で、≦200cm/時または約350リットル/時の流量で行った。
溶出剤の伝導率が15〜20mS/cmになるまで、平衡化緩衝液を用いてカラムを平衡化した。次に、酸化ヘパリン溶液をカラム内へポンピングした。適用すべき粗精製の組成物の量は、クロマトグラフィ媒体の<40g/リットルに対応する。
次に、平衡化緩衝液を用いてアイソクラチック洗浄を行い、UV210〜254nmがベースラインに達すると停止した。典型的に、ベースラインに達するには5ベッド体積分の緩衝液が必要である。反応溶液に添加される化学物質およびそれらからなる生成物を除去した。
次に、カラムに適用される緩衝液のイオン強度を勾配溶出を行うことによって線形に増加させた。緩衝液Aは100%から0%に減少し、5ベッド体積以上の100%緩衝液Bに置換された。生成物、溶出液を、UV吸光度が>0.1AUのときに収集し、信号が<0.1AUのときに停止した。次にカラムの殺菌を行い、その後、次のサイクルのクロマトグラフィのために再び調製した。すべての運転からの溶出液を組合わせて、15〜25℃で保管した。
生成物の脱塩
1体積分の先のステップからの組合わせた溶出液を、15〜25℃で絶えず撹拌しつつ、3体積分の95〜99.5%エタノールに添加した。これによって、生成物が溶液から沈殿した。生成物を>3時間沈降させた。次に、15〜25%の濃度まで沈降物を精製水に溶解した。そして、溶液を冷エタノール(<−5℃)95〜99.5%に添加し、典型的に、1体積分の生成物溶液当たり5体積分のエタノールが消費された。次に、>2000Gの連続モードで遠心分離を行い、その後、生成物ペーストを収集して乾燥用に調製した。
生成物の乾燥
生成物をトレイ上に均一に分布させ、真空キャビネットに入れた。真空を生成して35〜40℃で加熱した。この時、乾燥機内の低圧を維持しつつ、窒素の流れを乾燥機に通過させた。生成物の一定重量が得られると、すなわち、さらなる蒸発が見られない場合、乾燥が完了したと見なした。生成物を粉砕して均質にしてから、包装して湿気から保護した。
実施例8
実施例1および3に従って生成した低抗凝固ヘパリンに対して1H−NMR分析を行い、天然ヘパリンのスペクトルと比較した。
表IIは、非還元末端不飽和グルコサミンから生じる天然ヘパリンには存在しない5.00ppm〜6.50ppmの区間内の信号を示している。表IIの結果は、天然ヘパリンからのスペクトル中に存在すると予想されないそのような化合物の存在レベルを低下させることが可能であることを示している。比較して、EDQMのモノグラフ7のヘパリン品質制御に該当する現在の限界は、5.70〜8.00ppmの領域内の任意の信号に対する5.42ppmにおける信号と比べて<4%である。
Figure 2015511664
さらに、非還元末端不飽和グルコサミンの存在は、組合わされた1H−NMRおよび13C−NMRスペクトル評価(HSQC)によっても定量化され、グルコサミン全体のモル%として示された(表III参照)。
さらに、先に述べたようなプロトンおよび炭素NMR分光法(HSQC)を組合わせた使用を含むNMR2次元(2D)法に従って試料を分析した(Guerrini M.、Naggi A.、Guglieri S、Santarsiero R、Torri G. Anal Biochem 2005;337、35−47を参照)。
表IIIは、H−NMRスペクトル中の5.95ppmおよび6.15ppmにおける信号として存在する低抗凝固ヘパリンのグルコサミンの総量と比較した修飾グルコサミンの画分(%)を示す。
Figure 2015511664
実施例9
上記の実施例のいずれかに従って製造した生成物は、150mg/mLの活性生成物および15mM、pH6〜8のリン酸ナトリウムを含む溶液などの従来の無菌プロセスによって製剤として調製され得る。こうして得られた製剤は主に皮下投与用であるが、静脈内投与にも適している。
結果として得られる生成物は、推定平均分子量が4.6〜6.9kDaであり、かつ抗凝固活性を本質的に有しない、脱重合化された形態のヘパリンである。
生成物は、1.2〜15kDaの分子量に対応するnが2〜20の範囲内の多糖ポリマーの粒度分布を有する。支配的な粒径は、3.6〜9.6kDaの分子量に対応する6〜16個の二糖単位である。
分子量は、直列のTSK2000およびTSK3000SWカラムを用いてGPC−HPLCによって求めた。評価のために屈折率を用いた。LMWHに第1の国際校正品(first international calibrant)を用いた。
分子質量分布および総重量の累積率の対応部分を以下に示す。
Figure 2015511664
重量平均分子量Mwの対応値は、4.6〜6.9kDaの範囲内にある。
実施例10
実施例1〜3に従って生成し実施例9に従って処方した化学修飾ヘパリンのリン酸緩衝水溶液に溶解した原体(粉末)および製剤の安定性を、周囲温度で36ヶ月にわたって調べた。初期生成物は鮮やかな白色からやや黄色の溶液であり、400nm(10%w/v溶液)での吸光度は0.14、pHは7.0、容量オスモル濃度は658mOsm/kg、平均分子量は5.6kDa、含量は150mg/mlであった。
36ヶ月後、当該製剤は同じ外観を有し、400nm(10%w/v溶液)での吸光度は0.13、pHは7.1、容量オスモル濃度は657mOsm/kg、平均分子量は5.4kDa、含量は153mg/mlであった。
(実施例10は1つのまとめた安定性試験に依存するように書き直される)
実施例11
皮下投与
実施例1で開示した方法によって生成されトリチウムで標識された化学修飾ヘパリンを、Sprauge−Dawleyラットおよびイヌに投与した。
結果:
2,8および24mgの化学修飾ヘパリン/kg/日をラットに、3,15および45mgの化学修飾ヘパリン/kg/日をイヌに皮下投与した後、吸収は迅速であり、ラットおよびイヌにおいてそれぞれ0.5および1.5時間内に最大プラズマレベルに一般に達した。皮下バイオアベイラビリティは、ラットおよびイヌの両方において約90%であった。対応するヘパリンのバイオアベイラビリティは約10%であった。
実施例12
妊娠後期におけるDF01を用いた処置
研究デザイン
これは、分娩時間を短縮する際の、妊娠後期におけるDF01を用いた前処置の安全性および効果を評価するための、無作為化された、二重盲検式の、プラセボを対照とした多施設調査であった。スウェーデンの18カ所の研究施設がこの調査に参加した。
DF01は、ブタの腸粘膜からのヘパリンの過ヨウ素酸酸化、ならびにその後の実施例1および9に従う生成物のβ脱離によって化学的に生じる低抗凝固ヘパリンである、本発明に係る化学修飾ヘパリンである。
プロトコルでは、各被験者は妊娠期間の38+0週〜40+0週までの処置開始から分娩まで診療所に毎日来て治験薬のs.c.注射を受けることが指定された。調査における予想参加期間は、各被験者について1〜28日(+スクリーニングおよび経過観察期間)であった。すべての女性は、遅くとも妊娠期間の42+0週で分娩を誘発されることになっていた。最大で28日の処置[最大で28用量の治験薬(IMP)]が与えられた。出産後8〜16週目に経過観察通院をすることになっていた。
処置
DF01は、その抗凝固活性が本質的に奪われた脱重合化ヘパリン(薬局方抗第Xa因子および抗第IIa因子アッセイによって<10IU/mg)である。平均重量Mwは5000〜7000である。
DF01および適合プラセボを皮下注射用の溶液として与えた。
DF01の薬学的調製物は皮下注射用の溶液であり、ゴム栓で密封されたガラス瓶に8mLが分注され、はぎ取り式のアルミニウムキャップで覆われている。
DF01溶液の各mLは、
□DF01、150mg
□リン酸緩衝液、0.015M
□ベンジルアルコール、14mg
を含む。
ベンジルアルコールで保存した滅菌生理食塩水をプラセボとして用いた。製剤と同じ態様で、8mLのプラセボをバイアルで与えた。
プラセボ溶液の各mLは、
□塩化ナトリウム、9mg
□ベンジルアルコール、14mg
を含む。
被験者は、60mg/日のDF01(0.4mL)(60kgの被験者の1.00mg/kg/日に対応する)またはプラセボ(0.4mL)を受けた。
生成物は、妊娠期間の38+0週〜40+0週に処置が開始され、分娩までの処置期間に連日皮下注射によって投与された。42+0週でもまだ未出産の場合は、分娩を誘発することとした。最大処置期間は28日間であった。連日注射同士の間の許容時間間隔は24+/−6時間、すなわち18〜30時間であった。時間制限が時々守られなかったり用量を投与し忘れても、処置を継続可能であるものとした。
結果
1.分娩の誘発を伴う経腟分娩
異なる方法で分娩が誘発され、分娩の開始が規定された場合、全部で30件の非帝王切開出産があった(DF01群で14件およびプラセボ群で16件)。図1の生成物制限出生曲線、分娩の誘発を伴う経腟分娩を参照。
ログランク検定は、p値が0.0041の治療群同士の間の有意差を示した。コックス比例ハザードモデルから評価した出生率は3.365(95%Cl 1.428〜8.341)であった。図1に示されるように、分娩を誘発されてDF01で前処置された女性は、分娩を誘発されたが分娩前にDF01処置を受けなかった女性と比べて分娩時間が大幅に短縮された。DF01を投与した女性には遅延分娩がまったく見られず、新生児全員が健康であった。
2.女性がプロスタグランジンE2を受けた場合の分娩の誘発を伴う経腟分娩
図1に示される30件の非帝王切開出産のうち、全部で12件の非帝王切開出産の分娩をプロスタグランジンE2を用いて誘発した(DF01群で7件およびプラセボ群で5件)。図2の生成物制限出生曲線を参照。ログランク検定は、p値が0.033の治療群同士の間の有意差を示した(中央値:DF01:5.7;中央値:プラセボ8.9)。この結果は、DF01はプロスタグランジンが頸部成熟を促進する能力をサポートすること、かつDF01およびプロスタグランジンE2の両方を受けた女性はプロスタグランジンE2のみを受けた女性よりも分娩時間が大幅に短いことを示している。
3.女性がオキシトシンを受けた場合の分娩の誘発を伴う経腟分娩
分娩誘発を行った30件の非帝王切開出産のうち、女性はオキシトシンを受けた(DF01群で7人およびプラセボ群で11人)。図3の生成物制限出生曲線を参照。ログランク検定は、p値が0.0336の治療群同士の間の有意差を示した(中央値:DF01:3.7;中央値:プラセボ6.4)。これは、DF01を用いた場合のオキシトシンの必要性の低下、およびしたがって、高用量のオキシトシンの投与の周知の副作用(たとえば子宮筋層の過剰収縮)による利点を示している。
したがって、分娩誘発の場合の処置レジメンは、DF01を用いた直接介入処置と、その後の内因性オキシトシンの放出(バルーン/膜の破裂)を引起こす方法または外因性オキシトシンの投与とを典型的に伴う。
実施例13
ヒトの子宮平滑筋細胞を培養して確立した。カルシウム指示染料Fluo−4および共焦点顕微鏡法による生細胞撮像を用いた細胞内Ca2+の測定方法を細胞に対して確立した。細胞をオキシトシンで処置し、サイトゾルへのCa2+流入を実証した。
効果は用量依存性であり、すでに0.05IU/mlのオキシトシンで最大効果をもたらす。実験には、実施例12で説明したDF01を用いた。
図4Aは、DF01単独ではCa2+濃度に影響を及ぼさなかったことを示している。しかし、DF01をオキシトシンとともに与えると、オキシトシン単独と比べて増加および持続したCa2+レベルが達成された。図4Bおよび図4Cを参照。用量反応経路は、図4Dに示されるように、DF01の作用がCa2+ピークの量と相関関係にあることを示している。この結果は、どのようにDF01がオキシトシンの作用を促進および持続することによって子宮収縮に対して作用を発揮するかについての機構を示している。
子宮平滑筋細胞を10μMのベラパミルで30分間プレインキュベートすることによって、機構をさらに調べた。ベラパミルは、オキシトシンまたはオキシトシンとDF01との併用によって誘発されるCa2+流入に影響を与えなかった。したがって、Lチャネルは関与していないと結論付けることができる。
イノシトール3リン酸(IP3)の主な輸送機構が小胞体のCa2+輸送を刺激しているか否かをさらに調査した。この経路を調べるため、100μMの濃度での30分間のインキュベーションの後、Ca2+を対象に2−アミノエトキシジフェニルホウ酸(2−APB)を試験した。この阻害薬は、オキシトシンおよびオキシトシン/DF01刺激Ca2+輸送の両方を大きく減少させた。
オキシトシンとDF01との相互作用をさらに特徴付けるため、オキシトシン受容体阻害薬アトシバンの作用を用い、DF01を受けた細胞はCa2+輸送に対するオキシトシン作用を高めた。10−6Mの濃度のアトシバンは、オキシトシンおよびオキシトシン/DF01の併用の両方の作用を明らかに阻害した。
この結果は、DF01は単独ではCa2+輸送をもたらさないことを示している。しかし、オキシトシンと併用すると、Ca2+輸送の明らかな用量反応向上刺激が認められる。DF01はオキシトシンの作用を安定させ、これによって刺激期間が長くなる。作用はLチャネルを伴わず、むしろオキシトシンシグナリングにおけるIP3刺激Ca2+流入を伴う。オキシトシン拮抗薬の作用は、DF01に対する作用がオキシトシン受容体レベルで働くことを示唆している。
本発明に係るDF01および化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、子宮の子宮筋層収縮を直接改善するために、かつ子宮筋層収縮の不足またはの欠如と関連している合併症を直接的および介在的に処置するために投与する有用な薬剤であると結論付けられる。要約すると、DF01および同様の化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸およびヘパリン硫酸は、分娩を誘発するのに必要な直接介入処置において有効であると結論付けられる。
特定の実施形態が本明細書中で詳細に開示されたが、これは例示のために一例としてなされたに過ぎず、以下の添付の請求項の範囲に関して限定的であることを意図していない。特に、請求項によって定義される発明の思想および範囲から逸脱することなくさまざまな置換、変更、および修正が本発明に対してなされ得ると発明者によって考えられる。
一局面において、本発明は、10IU/mg未満の抗第II因子活性、10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸であって、
(i)抗凝固作用を媒介する化学的にインタクトな糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
(ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを含み、(式I)は、

Claims (20)

  1. 10IU/mg未満の抗第II因子活性、10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸であって、
    (i)抗凝固作用を媒介する化学的にインタクトな糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
    (ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを備え、(式I)は、
    Figure 2015511664
    であり、
    女性の分娩を誘発するために頸部成熟の促進または子宮の子宮筋層収縮の促進が可能な処置と併用して使用される、化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  2. 頸部が未成熟の女性の頸部成熟を促進するための薬剤との併用処置における、請求項1に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  3. 頸部成熟を促進する前記処置はプロスタグランジンの投与を含む、請求項2に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  4. 前記プロスタグランジンは、ジノプロストン(PGE2)およびミソプロストールからなる群から選択される、請求項3に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  5. 子宮の子宮筋層収縮を促進可能な薬剤との併用処置における、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  6. 女性は、頸部は成熟しているが子宮筋層収縮が起こっていない、請求項5に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  7. 子宮筋層収縮を促進可能な前記薬剤はオキシトシンである、請求項5または6に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  8. 平均分子量(Mw)が約4.6〜6.9kDaである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  9. 支配的に生じる多糖鎖は6〜12個の二糖単位を有し、分子量は3.6〜7.2kDaである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  10. 前記多糖鎖の少なくとも70%が、3kDaよりも高い分子量を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  11. 以下の表に従った多糖類の分布および重量の累積%として表わされるそれらの対応する分子質量を有し、前記表は、
    Figure 2015511664
    である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  12. 前記多糖は、式Iに示されるような還元末端残基を有する糖鎖を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  13. 天然ヘパリンからの5.42ppmにおける信号に対して4%未満の強度(%比)を有するH−NMRスペクトル中の5.0〜6.5ppmの区間内の信号として存在する修飾グルコサミンを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  14. 当該修飾グルコサミン信号は、前記H−NMRスペクトル中の5.95ppmおよび6.15ppmに存在する、請求項13に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  15. グルコサミンの全含量の1%未満が修飾される、請求項12〜14のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  16. 前記修飾グルコサミンは非還元末端不飽和グルコサミンを備える、請求項13〜15のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  17. インタクトな非硫酸化イズロン酸および/またはグルクロン酸を本質的に含まない、請求項1〜16のいずれか一項に記載の使用のための化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸。
  18. 女性の分娩を誘発するための方法であって、10IU/mg未満の抗第II因子活性、10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の有効量を投与するステップを備え、前記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、
    (i)抗凝固作用を媒介する化学的にインタクトな糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
    (ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを含み、(式I)は、
    Figure 2015511664
    であり、
    頸部成熟の促進または子宮の子宮筋層収縮の促進が可能な処置と併用される、方法。
  19. 10IU/mg未満の抗第II因子活性、10IU/mg未満の抗第Xa因子活性を有する化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸の使用であって、前記化学修飾ヘパリンまたはヘパラン硫酸は、
    (i)抗凝固作用を媒介する化学的にインタクトな糖配列を本質的に含まない多糖鎖と、
    (ii)(式I)に従う、支配的に生じる二糖を有する、1.2〜12kDaの分子量に対応する多糖鎖とを含み、(式I)は、
    Figure 2015511664
    であり、
    頸部成熟の促進または子宮の子宮筋層収縮の促進が可能な処置と併用して使用される医薬品の製造のための、使用。
  20. 前記医薬品は、頸部成熟の促進または子宮の子宮筋層収縮の促進が可能な処置に対する追加療法として使用される、請求項19に記載の使用。
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