JP2015516078A - 試料成分の分析方法 - Google Patents

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Abstract

キャピラリー等電点電気泳動(cIEF)を高分解能質量分析法にオンラインで接続するための方法およびシステムであって、極性有機溶媒と有機酸とを含むシースフロー緩衝液が(cIEF)用の固定化液とエレクトロスプレーイオン化(ESI)用のイオン化液の両方として使用される方法およびシステムを本明細書に記載する。【選択図】図1

Description

組換えタンパク質は、治療手段としてますます重要になりつつある。組換えタンパク質は、例えば、目的のタンパク質を産生する特定のヒト遺伝子配列を発現するように遺伝子操作されている、ヒト以外の哺乳動物宿主細胞株などの細胞株を使用して製造することができる。細胞培養物中で標的タンパク質を産生した後、既知のプロセスによりそれを高レベルの純度に精製することができる。しかし、除去された細胞培養物中には、宿主細胞株により産生された極微量の混入タンパク質(宿主細胞由来タンパク質、またはHCPと称される)が存在し得る。
HCPは、製品の品質および安全性に影響を及ぼすおそれがある。そのため、これらのリスクを軽減するために治療用製品中に存在するHCPのキャラクタリゼーションを行うことが重要である。二次元ゲル電気泳動などの現在のHCPキャラクタリゼーション法は、大きな労力を要し、煩雑な傾向があるため、これらのHCPキャラクタリゼーション法の使用、特に、商業生産時の使用は限られれる可能性がある。
電気泳動は、電界中での引き合いまたは反発によるイオンの運動または移動を指し、イオンによりその移動度に差がある。キャピラリー等電点電気泳動(cIEF)は、試料成分の等電点(pI)の差に基づく高分解能分離法であり、アミノ酸、ペプチドおよび医薬品などの両性物質の分離に使用するのに好適である。cIEFでは、タンパク質は、電界の影響を受けて、両性担体(CA)により形成されるpH勾配中を移動する。正電荷を持つ両性電解質は陰極に向かって移動し、負電荷を持つものは陽極に向かって移動する。その結果、pHはキャピラリーの陰極端に向かって高くなり、陽極端に向かって低くなる。両性電解質がそれ自体のpIに到達し、もはや電荷を持たなくなると、移動が停止し、安定なpH勾配が形成される。両性の被検物質(analyte)は最終的にその正味電荷がゼロとなるpHの位置に達し、従って、移動を止め、pIによる被検物質のフォーカシングまたは分離が行われることになる。cIEFは、UV吸光度、レーザー誘起蛍光法および質量分析法(MS)を含む幾つかの検出法と接続されてきた。
質量分析法(MS)は、化合物をイオン化して電荷を持つ分子または分子フラグメントを生成した後、分析器で電磁場を使用してそれらの質量電荷比によりそれらを分離する分析法である。次いで、分離されたイオンを検出し、解析することができる。
大気圧イオン化(API)源を使用して、試料分子を大気圧でイオン化した後、イオンを質量分析計に輸送することができる。APIは、ポリマーやペプチドなどの熱的に不安定な試料のイオン化に好適である。エレクトロスプレーイオン化(ESI)はAPIの応用であり、低揮発性または不揮発性であるポリマーやペプチドなどの熱的に不安定で高分子量の化合物のMSに使用されることが多い。
しかし、生物試料、とりわけタンパク質消化物用にcIEFをESI−MSとオンラインで接続することは困難であった。従って、生物試料用のcIEFとESI−MSとの改善されたオンライン接続が必要とされている。
試料中の1種以上の成分の同定分析を行う方法を本明細書に記載する。一実施形態では、試料には生体分子の不均一混合物が含まれる。別の実施形態では、試料には、組換えタンパク質が除去された細胞培養物が含まれる。より具体的な実施形態では、1種以上の成分には宿主細胞由来タンパク質が含まれる。一実施形態では、試料には、組換えモノクローナル抗体が除去された細胞培養物が含まれ、1種以上の試料成分には宿主細胞由来タンパク質が含まれる。より詳細な実施形態では、本発明は、除去された細胞培養試料中の宿主細胞由来タンパク質(HCP)成分の同定方法を提供する。
一実施形態では、本方法は、(a)試料中の1種以上の成分をキャピラリー等電点電気泳動(cIEF)により分離する工程と;(b)分離された成分を分離チャンバからイオン化装置にシースフロー液を使用して輸送する工程と;(c)試料成分をイオン化する工程と;(d)試料中の1種以上の成分を質量分析法(MS)により同定分析する工程とを含む。一実施形態では、イオン化装置にはエレクトロスプレーイオン化(ESI)装置が含まれる。
本発明の方法では、シースフロー液は、分離チャンバ用の泳動液(mobilization solution)とイオン化装置用のイオン化液の両方の役割を果たす。より詳細な実施形態では、シースフロー緩衝液は、極性有機溶媒約30%〜約50%および有機酸約0.01%〜0.1%を含む。極性有機溶媒は、極性プロトン性溶媒であっても、または極性非プロトン性溶媒であってもよい。一実施形態では、極性プロトン性溶媒には、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、およびこれらの組み合わせなどの脂肪族アルコールが含まれる。別の実施形態では、極性非プロトン性溶媒にはアセトニトリルが含まれる。一実施形態では、有機酸は、ギ酸、酢酸、エタン酸、プロパン酸、安息香酸、およびこれらの組み合わせから選択される。一実施形態では、有機酸のpKaは約4.0〜5.0である。より詳細な実施形態では、シースフロー液は、脂肪族アルコール約30%〜約50%およびギ酸約0.01%〜0.1%を含む。一実施形態では、シースフロー液は、メタノール約30%〜約50%およびギ酸約0.01%〜0.1%を含む。
一実施形態では、分離する工程は、(a)一定容量の試料と両性電解質緩衝液とを分離チャンバに導入する工程であって、分離チャンバがキャピラリーを含む工程と;(b)試料と両性電解質緩衝液を分離キャピラリー内で約50kV以下のフォーカシング電圧を印加してフォーカシングする工程とを含む。より詳細な実施形態では、フォーカシング電圧は約5kV〜約50kVである。一実施形態では、試料は、約300V/cm〜約600V/cmの印加電界を印加してフォーカシングされる。より詳細な実施形態では、印加電界は約300V/cm〜約400V/cmである。
一実施形態では、試料は、約50kV以下の泳動電圧を印加して、イオン化装置に輸送される。より詳細な実施形態では、泳動電圧は約5kV〜約50kVである。一実施形態では、試料は、約300V/cm〜約600V/cmの印加電界を印加してイオン化装置に輸送される。より詳細な実施形態では、試料は、約300V/cm〜約350V/cmの印加電界を印加してイオン化装置に輸送される。
別の実施形態では、試料は、流体力学的注入によりイオン化装置に輸送される。一実施形態では、流体力学的注入は、分離チャンバの入口でシリンジを使用して約0.5psi〜約50psiの圧力を加えることを含む。別の実施形態では、流体力学的注入は、分離チャンバの出口で約0.5psi〜約50psiの真空引きを行うことを含む。
一実施形態では、分離チャンバは、一定容量を有するキャピラリーであり、導入される試料の容量は、キャピラリーの容量以下である。一実施形態では、試料の容量は、キャピラリーの容量の約25%〜約100%である。別の実施形態では、導入される試料の容量は約1μL〜25μLである。一実施形態では、試料は、1種以上の両性試料成分をそれぞれ約0.1μg/ml〜10mg/ml含む。
一実施形態では、分離チャンバは、フューズドシリカ(SiO)キャピラリーであるキャピラリーである。一実施形態では、キャピラリーはポリマーコーティングを備える。より詳細な実施形態では、ポリマーコーティングは、ポリアクリルアミド(LPA)、メチルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、およびこれらの組み合わせから選択される。
一実施形態では、両性電解質には、Ampholine(商標)、Biolyte(商標)、Pharmalyte(商標)、Servalyt(商標)、およびこれらの組み合わせから選択される両性担体(CA)が含まれる。一実施形態では、両性電解質には、約0.1%〜約10%のPharmalyte(商標)が含まれる。一実施形態では、両性電解質には、狭いpH範囲の両性担体が含まれる。一実施形態では、両性電解質には、広いpH範囲の両性担体が含まれる。一実施形態では、両性電解質には、Pharmalyte(1−3)、Pharmalyte(5−8)、およびPharmalyte(3−10)から選択されるPharmalyte(商標)が含まれる。一実施形態では、両性電解質には、約2%〜約8%のPharmalyte(3−10)溶液が含まれる。別の実施形態では、両性電解質は、アミノ酸などの、酸性官能基と塩基性基の両方を含有する低分子量分子の混合物である。
一実施形態では、本方法はまた、試料を分離キャピラリーに導入する前に、試料中の1種以上の成分を消化する工程も含む。一実施形態では、試料中の1種以上の成分は、例えば、セリンプロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、およびこれらの組み合わせを含むタンパク質分解酵素で消化される。一実施形態では、試料中の1種以上の成分はトリプシンで消化される。一実施形態では、タンパク質分解酵素は固体担体上に固定化されている。より具体的な実施形態では、トリプシンは、固体担体上に固定化されている。一実施形態では、固体担体は、ポリマー粒子、ガラス、膜、ゲルビーズ、ゾルゲル担体、多孔質シリコンマトリックス、多孔質モノリシック材料、磁性材料、およびこれらの組み合わせから選択される。一実施形態では、試料中の1種以上の成分は、(例えば、固定化トリプシンにより)約25℃〜約40℃の温度で、または約30℃〜約40℃の温度で消化される。一実施形態では、試料中の1種以上の成分は、試料をタンパク質分解酵素と共に約1時間〜約20時間インキュベートすることにより消化される。一実施形態では、試料中の1種以上の成分は、試料をタンパク質分解酵素(例えば、固定化トリプシン)と共に約30秒〜約30分間インキュベートすることにより消化される。一実施形態では、試料中の1種以上の成分は、試料をタンパク質分解酵素と共に約5時間〜約15時間インキュベートすることにより消化される。一実施形態では、試料中の1種以上の成分は、試料をタンパク質分解酵素と共に約12時間以上インキュベートすることにより消化される。
一実施形態では、試料は、消化後に水で希釈され、両性担体と混合されて、分離チャンバに導入される。一実施形態では、試料は、水対試料の比が約2:1〜1:2となるように水で希釈される。
一実施形態では、1種以上の成分にはタンパク質が含まれ、本方法は、試料を分離チャンバに導入する前に試料中のタンパク質を変性させる工程を含む。一実施形態では、試料中のタンパク質を変性させる工程には熱変性が含まれる。一実施形態では、試料中のタンパク質を変性させる工程には、試料溶液をノニオン性界面活性剤と共にインキュベートすることが含まれる。一実施形態では、試料中のタンパク質を変性させる工程には、試料を塩基と混合してpH約8〜約10の塩基性溶液を形成し、溶液中のタンパク質を約5分間以上、または約5分間〜約60分間インキュベートすることが含まれる。一実施形態では、試料中のタンパク質を変性させる工程には、試料を酸と共にインキュベートしてpH約2〜約3の酸性溶液を形成し、溶液中のタンパク質を約5分間以上または約5分間〜約60分間インキュベートすることが含まれる。一実施形態では、熱変性には、試料を約60℃〜約80℃の高温で約5分間以上、または約5分間〜約60分間インキュベートすることが含まれる。一実施形態では、試料中のタンパク質を変性させる工程には、試料を、炭酸水素アンモニウムを含む変性液と共にインキュベートすることが含まれる。一実施形態では、変性液は尿素をさらに含む。一実施形態では、変性液は、メタノールまたはアセトニトリル(ACN)などの有機溶媒をさらに含む。一実施形態では、試料中のタンパク質を変性させる工程には、試料を、メタノールまたはアセトニトリルなどの有機溶媒を含む変性液と共に約30分間インキュベートすることが含まれる。
一実施形態では、本方法は、試料を還元液および/またはアルキル化液と共にインキュベートする工程をさらに含む。一実施形態では、還元液は、ジチオトレイトール(DTT)、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、トリブチルホスフィン(TBP)、およびこれらの組み合わせから選択される。一実施形態では、アルキル化液には、ヨードアセトアミド(IAA)、β−メルカプトエタノール、またはこれらの組み合わせが含まれる。
本発明はまた、キャピラリー等電点電気泳動(cIEF)と質量分析法(MS)をインターフェイスするためのシステムも提供する。本システムは、(a)液体試料中の1種以上の成分の分離およびフォーカシングを行うための分離チャンバを有するcIEF装置と;(b)試料と両性担体とを収容する分離チャンバにわたって(across)電位を印加し、電位により試料中の1種以上の成分の分離およびフォーカシングを行う電圧電源装置と;(c)分離およびフォーカシングされた1種以上の成分をcIEF装置の分離チャンバから、溶液をエレクトロスプレーイオン化(ESI)装置に供給するように構成されたエミッタに直接輸送するためのシースフロー液と;(d)試料の被検物質を分析するためのMS装置と;を備える。
一実施形態では、シースフロー液は、極性有機溶媒約30%〜約50%および有機酸約0.01%〜0.1%を含む。一実施形態では、極性有機溶媒は、極性プロトン性溶媒および極性非プロトン性溶媒から選択される。一実施形態では、極性プロトン性溶媒には脂肪族アルコールが含まれる。一実施形態では、脂肪族アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、およびこれらの組み合わせから選択される。一実施形態では、極性非プロトン性溶媒にはアセトニトリルが含まれる。一実施形態では、有機酸は、ギ酸、酢酸、エタン酸、プロパン酸、安息香酸、およびこれらの組み合わせから選択される。一実施形態では、有機酸のpKaは約4.0〜5.0である。より詳細な実施形態では、シースフロー液は、メタノール約30%〜約50%およびギ酸約0.01%〜0.1%を含む。
一実施形態では、cIEF装置は、陽極と、陰極と、陽極液槽と、陰極液槽とを備える。一実施形態では、陽極液槽は、リン酸、ギ酸、アスパラギン酸、またはこれらの組み合わせなどの酸を含む陽極液を収容する。一実施形態では、陰極液槽は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、またはこれらの組み合わせなどの塩基を含む陰極液を収容する。
一実施形態では、本システムは、分離チャンバの一端をエミッタに接続するように構成されたインターフェイス接続デバイスを備える。一実施形態では、シースフロー液を陽極液槽および/または陰極液槽に導入して、フォーカシングされた試料成分を泳動させる。一実施形態では、分離チャンバには陽極端を有するキャピラリーが含まれ、試料中の1種以上の成分をフォーカシングした後、キャピラリーの陽極端をエミッタの導入端に挿入し、シースフロー液を陰極液槽に導入して、フォーカシングされた成分を泳動させる。別の実施形態では、分離チャンバには陰極端を有するキャピラリーが含まれ、試料中の1種以上の成分をフォーカシングした後、キャピラリーの陰極端をエミッタの導入端に挿入し、シースフロー液を陽極液槽に導入して、フォーカシングされた成分を泳動させる。
この概要は、本願の教示の幾つかの概要であり、本発明の対象を排他的にまたは網羅的に論じるものではない。他の詳細は、詳細な説明および添付の特許請求の範囲に記載されている。以下の詳細な説明を読解し、その一部を構成する図面を見ると、当業者には他の態様が明らかとなるが、それらはいずれも限定的な意味に解釈すべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的な均等物により定義される。
組み合わせられたcIEF−ESI−MSシステムのフローチャートである。 cIEFの概略図である。 ESIの概略図である。 MSの概略図である。 (a)メタノール50%および酢酸0.05%;(b)メタノール50%およびギ酸0.05%;ならびに(c)メタノール50%およびギ酸0.1%;の異なるシースフロー緩衝液を用いたcIEF中の泳動に関する電流プロファイルを示すグラフである。 HCP試料から同定されたペプチドのpIの計算値対観測された移動時間を示すプロットである。ペプチドのpI値はTPPを用いて算出し、移動時間は抽出されたペプチドスペクトルから得た。
本発明は様々な変更および代替の形態が可能であり、その特定のものを例および図面として示してきたが、それらについて以下で詳細に説明する。しかし、本発明は記載する特定の実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。逆に、本発明は、本発明の精神および範囲に入る他の変更形態、均等物、および代替形態に及ぶものとする。
試料中の1種以上の成分の同定分析を行うための新規なシステムについて本明細書に記載する。一実施形態では、本システムは、試料中のタンパク質、例えば、除去された細胞培養試料中に保持されている残留宿主細胞由来タンパク質を検出するように構成されている。特に、本システムは、キャピラリー等電点電気泳動(cIEF)とエレクトロスプレーイオン化(ESI)と質量分析法(MS)とを組み合わせるオンライン分析同定プロセスを使用して試料中の成分の同定分析を行う。組み合わせられたcIEF−ESI−MSシステムの概要を記載するフローチャートを図1に示す。簡潔には、目的の1種以上の被検物質(本明細書では試料成分とも称される)、例えば、HCPと、他の1種以上の成分とを含有し得る試料溶液15の混合物を含む「フォーカシング液」10を調製する。フォーカシング液10を、分離するためにcIEF装置100に導入する。cIEF100で試料成分を分離した後、分離された成分を含有するイオン化液20を、イオン化するためにESI装置200に導入する。次いで、イオン化された成分30をMS300で分析することができる。
本明細書に記載のオンラインプロセスは、組み合わせられたcIEF−ESI−MSプロセスの全分析時間を大幅に短縮することができる、一方で、通常のプロセスでは10時間超かかる可能性がある(試料調製、消化、分離および検出を含む)が、本明細書に記載の組み合わせられたプロセスは、全プロセスの完了時間を約5時間未満、約4時間未満、約3時間未満、または約2時間未満に短縮することができる。別の利点は、cIEFが試料を10倍超濃縮できることである。本明細書に記載の本発明によれば、シースフロー液は、cIEF用の化学泳動液とESI用のイオン化液の両方の役割を果たす。
キャピラリー等電点電気泳動(cIEF)の概要
本明細書で使用する場合、「電気泳動」という用語は、電界の影響を受けたイオンの移動(引き合いまたは反発)を指す。最も簡単な電気泳動分離は、イオンの電荷/サイズに基づく。
キャピラリー等電点電気泳動(cIEF)は、試料中の両性成分が等電点(pI)の差に基づいて分離される電気泳動法である。電界の影響を受けて、分離チャンバ内、例えば、キャピラリー内で、一連の双性イオン(両性電解質とも称される)によりpH勾配が形成される。試料中の両性試料成分(被検物質と称することもできる)は、pH勾配中の、それらのpHがそれらのpIと等しくなる(即ち、正電荷と負電荷が相殺してゼロになるため、分子が正味電荷を持たない)点に到達するまで電界中を移動する。この点で、両性成分は移動を止め、フォーカシングされる。フォーカシング後、泳動工程は、フォーカシングされた被検物質を、分析するために分離チャンバから排出させる。一般的に、pIの差が0.05pH単位未満の被検物質をcIEFで分解することができる。
ペプチド、アミノ酸、核酸(DNAおよびRNA)、無機イオン、有機塩基、有機酸、および細胞全体を含む多くの種類の化合物をcIEFで分離することができるが、これらに限定されるものではない。本明細書で使用する場合、「ペプチド」という用語は、鎖状に連結した2種以上のアミノ酸を含む化合物を指し、鎖中では、各アミノ酸のカルボキシル基が隣接するアミノ酸のアミノ基に結合している。ペプチドの例としては、オリゴペプチド(即ち、通常2〜10個のアミノ酸残基を含有する、連続的な非分岐ペプチド)、ポリペプチド(即ち、通常10個超のアミノ酸残基を含有する、連続的な非分岐ペプチド)および特異的な空間的立体配座に折り畳まれた1個以上のポリペプチド鎖を含み得る高分子タンパク質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。「一次構造」という用語は、タンパク質中のポリペプチド鎖のアミノ酸配列を指す。「二次構造」という用語は、例えば、αへリックスおよびβシートを含む非常に規則的な部分的構造を指す。「三次構造」は、単一のタンパク質分子の三次元構造を指し、「四次構造」は、幾つかのタンパク質サブユニットの集合体を指す。
ペプチド上に存在するアミノ酸残基は、分子に両性特性を付与することができ、これにより分子が正電荷と負電荷の両方を含有するようになる。ペプチドの正味電荷は、ペンダントの官能基と周囲環境のpHに依存する。一般的に、ペプチドは、それらのpIより低いpHで正電荷を持ち、それらのpIより高いpHで負電荷を持つ。そのため、電気泳動中、個々のペプチドは、pHがそれらのpIに等しい領域に向かって移動する。従って、cIEFは、複雑なタンパク質混合物、例えば、除去された細胞培養培地中のHCPの分析および/またはキャラクタリゼーションに有用である。cIEFはまた、産生物の処理の監視、製剤の試験および組換えにより産生されたタンパク質の品質管理の実施に使用することもできる。cIEFはまた、複雑なタンパク質混合物の予備分画に使用することもできる。
cIEF装置
cIEF用に設置された基本的な装置を図2に概略的に示し、それは分離チャンバ120と、2つの緩衝液槽131、132と、2つの電極141、142と、電源装置150とを備える。分離チャンバ120は、通常、入口121と出口122との間に延びる、直径(D)を有するルーメンを画定する内壁125を有する細長いキャピラリーである。一実施形態では、分離チャンバ120の入口121は第1の緩衝液槽131と流体連通し、分離チャンバの出口122は第2の緩衝液槽132と流体連通している。
一実施形態では、分離チャンバ120は、長さ約5cm以上、約10cm以上、約15cm以上、約20cm以上、約25cm以上、約30cm以上、約35cm以上、約40cm以上、約45cm以上、約50cm以上、且つ約55cm以下、約60cm以下、約65cm以下、約70cm以下、約75cm以下、約80cm以下、約85cm以下、約90cm以下、約95cm以下、または約100cm以下、ならびに内径約10μm以上、約15μm以上、約20μm以上、約25μm以上、約30μm以上、約35μm以上、約40μm以上、約45μm以上、または約50μm以上、且つ約50μm以下、約75μm以下、約100μm以下、約125μm以下、および約150μm以下のガラスキャピラリーである。一実施形態では、分離チャンバ120はフューズドシリカキャピラリーである。別の実施形態では、分離チャンバ120は、Teflon(商標)またはホウケイ酸ガラスから構築されている。別の実施形態では、分離チャンバは、周知の微細加工技術を使用して形成された平面状構造の流路であってもよい。この場合、デバイスは、ガラス、フューズドシリカ、またはポリジメチルシラン(PDMS)などのポリマーから製造されてもよい。フューズドシリカは、広い電磁スペクトル領域にわたって透明であり、高い熱コンダクタンスを有するため、場合により、フューズドシリカが好ましいことがある。フューズドシリカはまた、直径数マイクロメートルのキャピラリーに製造することも容易である。
幾つかの実施形態では、分離チャンバ120の内壁125に裸のシリカ材料を使用する。他の実施形態では、分離チャンバ120の内壁125のシラン基を、中性または親水性の置換基と共有結合させて電気浸透流(EOF)を低減することができるおよび/または内壁125への被検物質の吸着を防止することができる。中性コーティングの例としては、直鎖ポリアクリルアミド(LPA)、ポリビニルアルコール(PVA)、トリメチルクロロシランおよびジビニルベンゼンコーティングが挙げられるが、これらに限定されるものではない。親水性コーティングの例としては、アクリルアミド(AA)、ジメチルアクリルアミド(DMA)、N−アクリロイルアミノエチルエタノール(AAEE)、またはN−アクリロイルアミノプロパノール(AAP)が挙げられる。別の実施形態では、動的コーティングを使用して電気浸透流を低減することができる。「動的コーティング」という用語は、分離チャンバの内壁にしっかりと付着し、電気浸透流(EOF)の方向を効果的に逆転させる添加剤を分離液中に含むことを意味する。動的コーティング添加剤の例としては、界面活性剤接着剤ポリマーが挙げられる。界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)などのカチオン性界面活性剤;CHAPS、カプリリルスルホベタイン、ラウリルスルホベタイン、またはパルミチルスルホペタインなどの双性イオン性界面活性剤;ならびにtween 20、NP 40、またはTriton Xなどの非イオン性界面活性剤を挙げることができる。他の動的コーティング添加剤としては、例えば、メチルセルロース(MC)、(ヒドロキシプロピル)メチルセルロース(HPMC)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、デキストラン、ポリ(ビニルアルコール)、またはポリ(ジメチルアクリルアミド)のような親水性ポリマーなどのポリマー添加剤が挙げられる。動的コーティング添加剤は、フォーカシング液に約0.1%w/v〜約1.0%w/v、または約0.1%w/v以上、約0.2%w/v以上、約0.3%w/v以上、約0.4%w/v以上、および約0.5%w/v以上、且つ約0.6%w/v以下、約0.7%w/v以下、約0.8%w/v以下、約0.9%w/v以下、または約1.0%w/v以下の濃度で含まれてもよい。
cIEF中、分離チャンバ120内部には、両性担体(CA)を含む分離液が存在するため、pH勾配が形成される。「両性担体」(CA)という用語は、様々な両性成分を含有する溶液を指す。本明細書で使用する場合、「両性成分」という用語は、酸または塩基の両方として作用し得る物質を指す。両性電解質pH勾配の分解能は、溶液中の両性電解質種の数に影響される。一般的に、両性電解質の数が多いほど、分離チャンバ120内の隣接する位置間のpH差が小さくなるため、比較的多くの両性電解質を使用するとpH勾配が滑らかになる。市販のCAには900を超える両性成分を含有し得るものがある。
CAは、広くても(即ち、多数のpH単位を包含しても)または狭くても(即ち、少数のpH単位しか包含しなくても)よい。本明細書で使用する場合、「広い」という用語は、約4pH単位以上、約5pH単位以上、約6pH単位以上、且つ約7pH単位以下、または約8pH単位以下を包含するCAを指す。本明細書で使用する場合、「狭い」という用語は、約4pH単位未満、約3pH単位未満、約2pH単位未満、約1pH単位未満、または約0.5pH単位未満を包含するCAを指す。一般的に、両性電解質組成物は、所望のpI分離範囲に基づいて選択される。通常、pI値が未知の試料には広いCAが選択される。しかし、類似のpI値を有するタンパク質の高い分解能が必要な状況では、範囲の狭いCA混合物の使用が望ましいことがある。
一般的に、Pharmalyte(商標)(GE Healthcare,Pittsburgh,PA)、Bio−lyte(商標)(Bio Rad,Hercules,CA)、Servalyt(商標)(Biophoretics,Inc.,Reno,NV)およびAmpholine(商標)(GE Healthcare,Pittsburgh,PA)の4種の市販のCAがある。
Pharmalyte(商標)は、広いpH範囲(約3〜約10)および様々な狭いpH範囲(約2.5〜約5;約4〜約6.5;約5〜約8;約8〜約10.5;約4.2〜約4.9;約4.5〜約5.4;約5〜約6;および約6.7〜約7.7)で入手可能な、cIEF用の両性電解質緩衝液である。場合により、特にcIEFを使用するとき、バックグラウンドUV吸収が低いCAを使用することが望ましいことがある。従って、その全pH勾配にわたりバックグラウンドUV吸収が低いため、Pharmalyte(商標)が望ましい可能性がある。
Bio−Lyte(商標)は、広いpH範囲(約3.5〜約9.5)および様々な狭い範囲(約3〜約5;約4〜約6;約5〜約7;約5〜約8;約6〜約8;約7〜約9;および約8〜約10)で入手可能なcIEF用の両性電解質緩衝液である。
Servalyt(商標)両性担体は、双性イオン性を有する低分子量分子である。それらは、400〜1000ダルトンの平均分子量分布を有する合成由来種の混合物であり、狭いpH範囲(約2〜約4;約3〜約4;約3〜約5;約3〜約6;約4〜約5;約4〜約6;約4〜約7;約5〜約6;約5〜約7;約5〜約8;約6〜約7;約6〜約8;約6〜約9;約7〜約9;および約9〜約11)と広いpH範囲(約2〜約9;約2〜約11;約3〜約7;約3〜約10;約4〜約9;約5〜約9)を含む様々なpH範囲で販売されている。
Ampholine(商標)は、低分子量の様々なポリアミノ酸−ポリカルボン酸を含み、3.5〜10のpH範囲にわたる両性電解質緩衝液である。しかし、Ampholine(商標)の製造は、2007年に中止された。
一実施形態では、分離液は、CAを約0.1%〜約10%、CAを約0.1%〜1.0%、またはCAを約0.2%〜0.8%含む。他の実施形態では、分離液は、CAを約1%〜10%、またはCAを約2%〜約8%含む。本明細書で使用する場合、100%は、CAの原液を指す。より具体的な実施形態では、分離液は、CAを約0.1%以上、約0.2%以上、約0.3%以上、約0.4%以上、且つ約0.5%以下、約0.6%以下、約0.7%以下、および約0.8%以下、約0.9%以下、または約1%以下含む。別の実施形態では、分離液は、CAを約1%以上、約2%以上、約3%以上、約4%以上、且つ約5%以下、約6%以下、約7%以下、約8%以下、約9%以下、および約10%以下含む。一実施形態では、CAは、脱イオン水、炭酸水素アンモニウム、酢酸アンモニウム、または他の緩衝液などの不活性希釈剤で希釈される。
陽極141の近位にある槽131内の緩衝液は、pHが低く(即ち、酸であり)、本明細書では「陽極緩衝液」と称される。一般的には、陽極緩衝液のpHは、約7未満、約6.5未満、約6未満、約5.5未満、約5未満、約4.5未満、約4未満、約3.5未満、約3未満、約2.5未満、または約2未満である。陰極142の近位にある槽132内の緩衝液は、pHが高く(即ち、塩基であり)、本明細書では「陰極緩衝液」と称される。一般的には、陰極緩衝液のpHは、約7超、約7.5超、約8超、約8.5超、約9超、約9.5超、約10超、約10.5超、約11超、約11.5超、または約12超である。
好適な陽極緩衝液の例としては、ギ酸、リン酸、アスパラギン酸、またはこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、陽極緩衝液は、酸を約50mM〜500mM、一般的には、酸を約50mM以上、約100mM以上、約150mM以上、約200mM以上、または約250mM以上、且つ約250mM以下、約300mM以下、約350mM以下、約400mM以下、約450mM以下、または約500mM以下含む。より詳細な実施形態では、陽極緩衝液は、リン酸を約50mM〜500mM、一般的には、リン酸を約50mM以上、約100mM以上、約150mM以上、約200mM以上、または約250mM以上、且つ約250mM以下、約300mM以下、約350mM以下、約400mM以下、約450mM以下、または約500mM以下含む。一実施形態では、陽極緩衝液は、イミノ二酢酸などの陽極安定剤を含むことができる。一実施形態では、陽極緩衝液は、安定剤、例えば、イミノ二酢酸を約50mM〜500mM含み、一般的には、安定剤、例えば、イミノ二酢酸を約50mM以上、約100mM以上、約150mM以上、約200mM以上、または約250mM以上、且つ約250mM以下、約300mM以下、約350mM以下、約400mM以下、約450mM以下、または約500mM以下含む。
好適な陰極緩衝液の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、リシン、炭酸カリウム、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態では、陰極緩衝液は、塩基を約50mM〜500mM、一般的には、塩基を約50mM以上、約100mM以上、約150mM以上、約200mM以上、または約250mM以上、且つ約250mM以下、約300mM以下、約350mM以下、約400mM以下、約450mM以下、または約500mM以下含む。一実施形態では、陰極緩衝液は、水酸化ナトリウムを約50mM〜500mM、一般的には、水酸化ナトリウムを約50mM以上、約100mM以上、約150mM以上、約200mM以上、または約250mM以上、且つ約250mM以下、約300mM以下、約350mM以下、約400mM以下、約450mM以下、または約500mM以下含む。より具体的な実施形態では、陽極緩衝液は、酸を約0.01%v/v〜約5%v/v、または酸を約0.01%v/v以上、約0.05%v/v以上、約0.1%v/v以上、約0.5%v/v以上、且つ約0.5%v/v以下、約1%v/v以下、約5%v/v以下含む。一実施形態では、陰極緩衝液は、塩基を約0.01%v/v〜約5%v/v、または約0.01%v/v以上、約0.05%v/v以上、約0.1%v/v以上、約0.5%v/v以上、且つ約0.5%v/v以下、約1%v/v以下、約5%v/v以下含む。幾つかの実施形態では、陰極緩衝液は、陰極安定剤、例えば、アルギニンを含む。一実施形態では、陽極緩衝液は、アルギニンなどの安定剤を約100mM〜500mM含み、一般的には、アルギニンなどの安定剤を約50mM以上、約100mM以上、約150mM以上、約200mM以上、または約250mM以上、且つ約250mM以下、約300mM以下、約350mM以下、約400mM以下、約450mM以下、または約500mM以下含む。cIEFの操作中、陽極と陰極と141、142の間の分離チャンバ内にpH勾配が形成される。
任意の好適な電源装置をcIEFに使用することができる。一般的には、電圧約1kV〜約50kVの高電圧dc電源装置、例えば、電圧約1kV以上、約5kV以上、約10kV以上、約15kV以上、約20kV以上、および約25kV以上および/または約20kV以下、約25kV以下、約30kV以下、約35kV以下、約40kV以下、約45kV以下、または約50kV以下の電源装置を使用する。発生する電界は、一般的には、約300V/cm以上、約325V/cm以上、約350V/cm以上、約375V/cm以上、且つ約400V/cm以下、約425V/cm以下、約450V/cm以下、約475V/cm以下、約500V/cm以下、約525V/cm以下、約550V/cm以下、約575V/cm以下、または約600V/cm以下である。
一実施形態では、cIEF装置は、Beckman−Coulter P/ACE MDQ Capillary Electrophoresis System(Beckman−Coulter Instruments,Inc.,Fullterton,CA)である。
一般的に、cIEFは、
1.試料調製;
2.分離チャンバへの試料の導入;
3.印加電圧を印加した分離チャンバ内での試料のフォーカシング;
4.フォーカシングされた試料の分離チャンバからの泳動;および
5.フォーカシングおよび泳動された試料の検出および分析;
の5段階に細分することができる。
cIEFプロセスを開発するとき、例えば、陽極緩衝液および陰極緩衝液の組成、分離チャンバの寸法および材料、両性担体、フォーカシング時間および電圧、泳動方法、試料濃度、ならびに他の添加剤の含有または除外を含む、幾つかのパラメータを変えてプロセス性能を改善することができる。
試料の調製
本明細書に記載のシステムおよび方法は、試料中の成分、例えば、除去された細胞培養培地中の宿主細胞由来タンパク質(HCP)などの試料中のタンパク質の検出に使用することができる。本明細書で使用する場合、「除去された」細胞培養培地という用語は、目的の組換えタンパク質を除去した後の、精製プロセスからの細胞培養培地の素通り画分を指す。一実施形態では、試料は、組換えモノクローナル抗体細胞培養からの除去された細胞培養培地である。
タンパク質精製は、簡単な一段階の沈殿法から大規模な製造プロセスまで様々である。所望のレベルの純度を有する産生物を得るために2つ以上の精製工程を使用することが多い。多くの精製スキームには、何らかの形態のクロマトグラフィーが含まれる。異なる選択性を有する異なるクロマトグラフィー法で、生体分子の精製に強力な組み合わせを形成することができる。多くの精製プロトコルは、所望のレベルの産生物純度を達成するために2つ工程以上を必要とする。一般的には、精製プロトコルは、(1)標的産生物の単離および濃縮を行う捕捉段階;(2)バルク不純物の大部分を除去する中間精製;および(3)極微量の不純物を除去する最終精製(polishing);の3つの段階を有する。細胞培養物から組換えタンパク質を精製した後、除去された(素通り)画分のHCPを分析することができる。
タンパク質変性
それらの天然の形態では、タンパク質は様々な形状に折り畳まれており、コンパクトなものもあれば、細長いものもある。篩い分け媒体を通る天然タンパク質の移動速度は、従って、分子量の正確な測定というよりは、むしろそれらの相対的なコンパクトさの反映である。本明細書で使用する場合、「タンパク質変性」は、タンパク質分子の二次構造、三次構造または四次構造を変化させるタンパク質の構造中の任意の非共有結合的変化を指す。タンパク質を変性させると、移動度に対する構造の影響が無くなり、真の電荷/質量比に基づく分離が可能となる。変性により、多量体タンパク質中のサブユニットも分離され、大きく複雑な凝集体の分析が可能となる。さらに、大部分の天然タンパク質は、タンパク質分解酵素の作用に対する耐性がある。タンパク質変性により、タンパク質の構造が変化し、適切な基をタンパク質分解酵素に暴露させることができ、従って、タンパク質分解が増加する。従って、電気泳動の前にタンパク質分子を変性させることが多い。
タンパク質を変性させる多くの方法が知られており、それを本発明のシステムおよび方法に関して使用することができる。一般的な変性剤の一例には、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)もしくはデオキシコール酸ナトリウム(SDC)のようなアニオン性界面活性剤、または、NP40、TWEEN 20、もしくはTriton Xのようなノニオン性界面活性剤などの洗剤がある。一般的には、タンパク質溶液を、界面活性剤濃度約0.1mM〜約50mM、一般的には、約0.1mM以上、約0.2mM以上、約0.3mM以上、約0.4mM以上、約0.5mM以上、約0.6mM以上、約0.7mM以上、約0.8mM以上、約0.9mM以上、または約1.0mM以上、且つ約1mM以下、約5mM以下、約10mM以下、約15mM以下、約20mM以下、約25mM以下、または約50mM以下の界面活性剤と共にインキュベートすることによりタンパク質を変性させることができる。熱変性は、タンパク質を変性させる別の既知の方法である。一般的には、タンパク質を約50℃以上、約55℃以上、約60℃以上、約65℃以上、約70℃以上、且つ約75℃以下、約80℃以下、約85℃以下、および約90℃の温度で、約1分間以上、約5分間以上、約10分間以上、約15分間以上、且つ約30分間以下、約45分間以下、または約60分間以下、インキュベートすることによりタンパク質を変性させることができる。被験タンパク質および加熱の強さに応じて、熱変性は可逆的となることもあれば、または可逆的とならないこともある。試料溶液を酸と混合してpH約2〜約3の酸溶液を形成することにより、試料中のタンパク質を変性させることもできる。好適な酸の例としては、グアニジン塩酸塩が挙げられるが、これに限定されるものではない。別の実施形態では、試料溶液を塩基と混合してpH約8〜約10の塩基溶液を形成することにより、試料中のタンパク質を変性させることができる。好適な塩基の例としては尿素が挙げられるが、これに限定されるものではない。さらに別の実施形態では、試料溶液を、2M〜5Mの濃度のNaClまたはLiClなどの高い塩濃度を有する溶液と混合することにより、試料溶液中のタンパク質を変性させることができる。一実施形態では、塩は、等電点泳動を行う前にタンパク質から除去される(例えば、サイズ排除クロマトグラフィーにより)。
ジスルフィド結合もタンパク質分解を妨げ得るため、既知の還元およびアルキル化プロセスを使用して、試料中のタンパク質の完全な変性を補助することもできる。「還元」という用語はジスルフィド結合の還元を指し、変性されたタンパク質をジチオトレイトール(DTT)、2−メルカプトエタノール(BME)、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンクロライド(TCEP)、またはトリブチルホスフィン(TBP)[他?]などの還元剤と共にインキュベートすることにより達成することができる。一般的には、還元剤を約0.1mM〜10mM、一般的には、還元剤を約0.1mM以上、約0.2mM以上、約0.3mM以上、約0.4mM以上、または約0.5mM以上、且つ還元剤を約1mM以下、約5mM以下、または約10mM以下含有する溶液中でタンパク質試料をインキュベートすることにより、タンパク質を還元する。アルキル化は、チオールのアルキル化を指し、変性されたタンパク質をエチルマレイミド(NEM)ヨードアセトアミド(IAM)、4−ビニルピリジン、またはヨード酢酸(IAA)メチルメタンチオスルホネート(MMTS)などのアルキル化剤と共にインキュベートすることにより達成することができる。一般的には、タンパク質試料は、アルキル化剤を約10mM〜500mM、一般的には、アルキル化剤を約10mM以上、約20mM以上、約30mM以上、約40mM以上、または約50mM以上、且つアルキル化剤を約100mM以下、約200mM以下、約300mM以下、約400以下、または約500mM以下含有する溶液中でインキュベートされる。
消化
場合により、電気泳動の前に、試料中のタンパク質を消化することが望ましいことがある。多くのタンパク質消化方法が知られており、例えば、タンパク質分解が挙げられる。「タンパク質分解」という用語は、例えば、セリンプロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼおよびこれらの組み合わせを含む、プロテアーゼ(またはタンパク質分解酵素)と称される酵素によるタンパク質の消化を指す。セリンプロテアーゼの例としては、トリプシンおよびキモトリプシンが挙げられる。システインプロテアーゼの例としては、パパインが挙げられる。他のプロテアーゼとしては、Lys−C、Glu−CおよびAsp−Nが挙げられる。より具体的な実施形態では、試料中のタンパク質はトリプシンにより消化される。一実施形態では、タンパク質分解酵素は固体担体上に固定化されている。別の実施形態では、トリプシンは固体担体上に固定化されている。有利には、固定化トリプシンを極微量(低nMまたはng)のタンパク質の消化に使用することができる。固体担体の例としては、ポリマー粒子、ガラス、膜、ゲルビーズ、ゾルゲル担体、多孔質シリコンマトリックス、多孔質モノリシック材料および磁性材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一般的には、タンパク質は、タンパク質含有試料溶液をプロテアーゼと共に、プロテアーゼ対タンパク質比約1:5以上、約1:10以上、約1:15以上、約1:20以上、約1:25以上、約1:30以上、且つ約1:40以下、約1:50以下、約1:75以下、または約1:100以下でインキュベートすることにより消化される。固定化トリプシンでは、比はそれより高くてもよく、例えば1:100より高くてもよい。一実施形態では、試料溶液をタンパク質分解酵素と共に約5時間〜20時間、または約5時間以上、約10時間以上、約11時間以上、約12時間以上、約13時間以上、約14時間以上、約15時間以上、且つ約15時間以下、もしくは約20時間以下インキュベートする。一般的には、消化は、約25℃以上、約30℃以上、約35℃以上、且つ約40℃以下、約45℃以下、または約50℃以下の温度で行われる。
フォーカシング液の調製
「フォーカシング液」という用語は、本明細書で使用する場合、cIEF分離チャンバに導入される試料含有溶液を指す。フォーカシング液は、試料溶液と、例えば、両性担体(CA)、蒸留水もしくは脱イオン水などの不活性希釈剤、または他の添加剤を含む他の1種以上の成分との混合物を含むことができる。一実施形態では、試料溶液には除去された細胞培養培地が含まれる。
両性担体(CA)
一実施形態では、フォーカシング液は両性担体(CA)を含む。前述のように、Pharmalyte(商標)(GE Healthcare,Pittsburgh,PA)、Bio−lyte(商標)(Bio Rad,Hercules,CA)、Servalyt(商標)(Biophoretics,Inc.,Reno,NV)、およびAmpholine(商標)(GE Healthcare,Pittsburgh,PAの4種の市販のCAがある。一般的に、フォーカシング液は、CAを約0.1%〜約10%含む。一実施形態では、フォーカシング液は、CAを約0.1%以上、約0.2%以上、約0.3%以上、約0.4%以上、約0.5%以上、且つ約0.6%以下、約0.7%以下、約0.8%以下、約0.9%以下、または約1.0%以下含む。他の実施形態では、フォーカシング液は、CAを約1%以上、約2%以上、約3%以上、約4%以上、約5%以上、且つ約6%以下、約7%以下、約8%以下、約9%以下、または約10%以下含む。他の実施形態では、フォーカシング液は両性担体を含まない。
塩濃度
フォーカシング液を分離チャンバに導入する前に調節され得る別のパラメータには、イオン強度がある。「イオン強度」という用語は、溶液中のイオンの濃度を指す。cIEFでは、例えば、約100mM未満、約75mM未満、約50mM未満、約40mM未満、約30mM未満、約20mM未満の低いイオン強度を有することが望ましいことがある。一般的に、塩濃度が上昇するにつれ、フォーカシング中にタンパク質の沈殿が生じるリスクが高くなる。例えば、試料溶液のイオン強度は、例えば、希釈、透析、ゲル濾過、限外濾過、および固相抽出(SPE)(例えば、Ziptip(商標))を含む既知の脱塩プロセスにより調整することができる。
試料の希釈
一般的に、cIEFを使用して十分な感度、フォーカシング、および泳動を達成するために、タンパク質当たり約0.1μg/mL以上、タンパク質当たり約0.5μg/mL以上、タンパク質当たり約1μg/mL以上、タンパク質当たり約5μg/mL、タンパク質当たり約10μg/mL以上、タンパク質当たり約50μg/mL以上、タンパク質当たり約0.1mg/mL以上、タンパク質当たり約0.5mg/mL以上、タンパク質当たり約1mg/ml以上、タンパク質当たり約5mg/ml以上、且つタンパク質当たり約10mg/ml以下の最終濃度が望ましい。
望ましいタンパク質濃度を得るために、試料溶液15を希釈剤と混合してフォーカシング液10を形成した後、それを分離チャンバ120に導入することができる。一実施形態では、希釈剤は両性担体溶液であり、フォーカシング液は、1種以上の試料成分を含有する試料溶液と両性担体溶液を、例えば、試料溶液対両性担体溶液の比約5:1〜約1:5、約2:1〜約1:2、または約1.5:1〜約1:1.5、または約1:1で混合することにより調製される。別の実施形態では、試料溶液対両性担体の比は、約100:1〜約1:1、または約60:1〜約1:1、または約100:1〜約10:1であってもよい。別の実施形態では、フォーカシング液は、1種以上の被検成分を含有する試料溶液を脱イオン水などの不活性希釈剤と、試料溶液対希釈剤の比約5:1〜約1:5、約2:1〜約1:2、約1.5:15〜約1:1.5、または約1:1で混合することにより調製される。
一実施形態では、タンパク質溶液は、cIEFの前に、例えば、凍結乾燥法により濃縮される。
他の添加剤
cIEFの完了時に、試料の成分は分離チャンバ内の狭いゾーンにフォーカシングされ、数百倍濃縮される。タンパク質をそれらのpI点(正味電荷ゼロ)に高濃度で閉じ込めることにより、沈殿および/または凝集が生じる可能性が高くなり得る。従って、例えば、尿素、糖類、およびノニオン性または双性イオン性界面活性剤を含む、沈殿および/または凝集を低減する1種以上の添加剤をフォーカシング液中に含むことが望ましい場合がある。
一実施形態では、タンパク質の溶解性を改善するためにフォーカシング液中に尿素が含まれる。より具体的な実施形態では、尿素はフォーカシング液中に約0.1M〜約20M、または約0.1M以上、約0.5M以上、約1M以上、且つ約5M以下、約10M以下、約15M以下、もしくは約20M以下の濃度で含まれる。
試料添加
通常、フォーカシング液10を分離チャンバ120に導入する前に、1種以上の前処理用洗浄液でチャンバ120の準備を行う。チャンバ120が共有結合性ポリマーコーティングを備える一実施形態では、フォーカシング液を導入する前に、分離チャンバ120を溶媒、例えば、極性有機溶媒などの有機溶媒5〜10容量で洗浄する。「極性有機溶媒」という用語は、極性プロトン性溶媒と極性非プロトン性溶媒の両方を含む。本明細書で使用する場合、「極性プロトン性溶媒」という用語は、解離性水素を有する溶媒、例えば、酸素原子に結合した水素原子を含むアルコールを指す。「極性非プロトン性溶媒」という用語は、酸性水素を含有しない溶媒を指す。好適なアルコールの例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、およびこれらの組み合わせなどの脂肪族アルコールが挙げられる。分離チャンバ120がコーティングされていない別の実施形態では、分離チャンバ120を、例えば、リン酸、ギ酸、アスパラギン酸もしくはこれらの組み合わせなどの陽極緩衝液;または、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、またはこれらの組み合わせなどの陰極緩衝液10〜15容量で洗浄することができる。必要に応じて、分離チャンバ120を、脱イオン水10〜15容量および/または分離液5〜10容量で洗浄することができる。一般的には、分離チャンバ120の入口121で圧力を加えることにより、例えば、シリンジポンプを約0.5psi〜約50psiの圧力で使用することにより、または、分離チャンバ122の出口122で減圧することにより、例えば、約0.5psi〜約50psiの圧力で真空引きを行うことにより、前処理用流体を分離チャンバ内に流通させる。前処理用洗浄液の流量は、一般的には、約1μL/分以上、または約2μL/分以上、且つ約3μL/分以下、約4μL/分以下、または約5μL/分以下である。
分離チャンバ120の準備が整うと、フォーカシング液10を導入することができる。2つの一般的に使用されている注入法には、流体力学的注入と動電学的注入が含まれる。流体力学的注入は、分離チャンバ120の両端間に約0.5psi〜約50psiの圧力差を印加することにより、即ち、入口121でシリンジまたは出口122で真空を使用することにより達成される。動電学的注入は、陽極緩衝液槽または陰極緩衝液槽131、132の一方の代わりに、フォーカシング液10を収容する槽を一時的に使用し、一定時間、電圧の電源を入れることにより行われる。一実施形態では、通常、約1kV〜約50kVの電圧、例えば、約1kV以上、約5kV以上、約10kV以上、約15kV以上、約20kV以上、および約25kV以上、および/または約20kV以下、約25kV以下、約30kV以下、約35kV以下、約40kV以下、約45kV以下、または約50kV以下の電圧を印加することにより、フォーカシング液10を導入する。フォーカシング電圧は、一般的には、約300V/cm以上、約325V/cm以上、約350V/cm以上、約375V/cm以上、且つ約400V/cm以下、約425V/cm以下、約450V/cm以下、約475V/cm以下、約500V/cm以下、約550V/cm以下、または約600V/cm以下である。動電学的注入中、電圧は、一般的には、約1分間〜約30分間、例えば、約1分間以上、約5分間以上、約10分間以上、約15分間以上、且つ約10分間以下、約15分間以下、約20分間以下、約25分間以下、または約30分間以下印加される。注入圧力、注入電圧および/または注入時間を制御することにより、特定の導入試料量を制御することができる。
一実施形態では、分離チャンバ120に導入する前に、フォーカシング液10を分離液と混合する。代替の実施形態では、分離チャンバ120にまず分離液を充填した後、フォーカシング液10を分離チャンバ120に導入する。さらに別の実施形態では、分離チャンバ120に分離液を部分的に充填した後、フォーカシング液10を注入し、その後、分離チャンバ120の残部に分離液を充填する。
フォーカシングチャンバ120に収容される試料混合物が均一になるように、十分量のフォーカシング液10をフォーカシングチャンバ120に添加すべきである。一実施形態では、分離チャンバ120の内面125によって画定される容量以下の容量のフォーカシング液10を分離チャンバ120に注入する。一実施形態では、分離チャンバの容量の約25%〜約100%、特に、分離チャンバの容量の約25%以上、約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上、または約50%以上、且つ約50%以下、約75%以下、約80%以下、約85%以下、約90%以下、約95%以下、または約100%以下の容量のフォーカシング液10を分離チャンバ120に注入する。一般的に、分離チャンバ120に導入されるフォーカシング液の容量は、チャンバの寸法により変わることになる。しかし、一般的に、約0.5μl以上または約1μl以上、約2μl以上、約3μl以上、約4μl以上、約5μl以上、約6μl以上、約7μl以上、約8μl以上、約9μl以上、または約10μl以上、且つ、分離チャンバの寸法に応じて、約2μl以下、約3μl以下、約4μl以下、約5μl以下、約10μl以下、約15μl以下、約20μl以下、または約25μl以下の容量のフォーカシング液を分離チャンバ120に注入する。
フォーカシング
フォーカシング液10を調製し、分離チャンバ120に導入した後、分離チャンバ120の第1の端部121を第1の緩衝液槽131(陽極緩衝液または陰極緩衝液のいずれかを収容する)に、および分離チャンバ120の第2の端部122を第2の緩衝液槽132(第1の緩衝液槽に使用されなかった陽極緩衝液または陰極緩衝液のいずれかを収容する)に接続した後、電界を印加することにより、フォーカシングを開始することができる。本明細書で使用する場合、「接続する」という用語は、分離チャンバ120の端部121、122が、各槽131、132と流体連通していることを意味する。「流体連通」という用語は、分離チャンバ120の端部121、122と、隣接する槽131、132との間を流体が自由に通過できることを意味する。一実施形態では、分離チャンバ120の各端部121、122を隣接する槽131、132内に存在する溶液に浸漬することにより、分離チャンバ120が第1の緩衝液槽131と第2の緩衝液槽132に接続される。
電界の影響を受けて、水素イオンは、陽極液を収容する槽から陰極液を収容する槽に向かって移動し始め、陰極液からの水酸化物イオンは逆方向に動き始め、両性担体によりpH勾配が生じることになる。通常、約1kV〜約50kVのフォーカシング電圧、例えば、約1kV以上、約5kV以上、約10kV以上、約15kV以上、約20kV以上、および約25kV以上、および/または約20kV以下、約25kV以下、約30kV以下、約35kV以下、約40kV以下、約45kV以下、または約50kV以下のフォーカシング電圧を使用する。フォーカシング電圧は、一般的には、約300V/cm以上、約325V/cm以上、約350V/cm以上、約375V/cm以上、且つ約400V/cm以下、約425V/cm以下、約450V/cm以下、約475V/cm以下、約500V/cm以下、約550V/cm以下、または約600V/cm以下である。
試料成分がフォーカシングされるまで、即ち、試料成分がそれらの各等電点および移動停止に対応するpHに達し、各成分がその等電点のpHに位置する狭いバンドに分離されるまでフォーカシング電圧を印加する。正味電荷が中性となる領域に各被検物質が移動すると、バンドの位置は一定になり、もはや経時的な変化が起こらなくなる。場合により、試料成分がフォーカシングされると、電圧低下が検出されることがある。
多くの要因がフォーカシング時間に影響を及ぼし得る。例えば、フォーカシング時間は、試料中の塩の濃度の影響を受ける可能性がある。塩の存在によりpH勾配が狭くなる傾向があるため、一般的には、塩濃度が比較的高いと、フォーカシングプロセスが速くなる。あるいは、CAの濃度が比較的高いと、または電圧が変化すると、フォーカシング速度が遅くなることがある。一般的には、フォーカシング時間は、約1分〜約120分、例えば、約1分間以上、約5分間以上、約10分間以上、約15分間以上、約20分間以上、約25分間以上、約30分間以上、且つ約40分間以下、約45分間以下、約50分間以下、約55分間以下、約60分間以下、約90分間以下、および120分間以下の範囲である。比較的低い電圧から開始し、時間の経過と共に電圧を高くする、電圧勾配を使用することができる。
pIは温度に依存し得るため、cIEF中の温度制御が重要な場合がある。一実施形態では、フォーカシングは、約0℃以上、約5℃以上、約10℃以上、約15℃以上、約20℃以上、且つ25℃以下、約30℃以下、約35℃以下、または約40℃以下の温度で行われる。
泳動
試料溶液の成分をフォーカシングさせた後、それらを分離チャンバ120から泳動流出させる。一般的には、泳動は、流体力学的にまたは化学的に達成することができる。流体力学的泳動は、フォーカシングされたタンパク質を泳動させるために、圧力または減圧(一般的には、約0.5psi〜約50psi)のいずれかを使用する。化学的泳動は、陽極緩衝液または陰極緩衝液の化学組成を変化させ、その結果、pH勾配のシフトを生じさせて、フォーカシングされた試料成分を移動させることにより行われる。1つの一般的な化学的泳動法には、塩化ナトリウムなどの中性塩を陽極緩衝液および/または陰極緩衝液に添加することが含まれる。ナトリウムイオンは陽極側の泳動で非プロトンカチオンの役割を果たし、塩化物イオンは陰極側の泳動で非ヒドロキシルアニオンとして機能する。他の既知の化学的泳動プロセスでは、陽極緩衝液の代わりに陰極緩衝液を使用する(またはその逆も同様である)。泳動の方向(陽極または陰極のいずれか)は、被検成分の特性に応じて、例えば、被検物質の酸性特性により選択することができる。陰極泳動では、陰極緩衝液の代わりに、別のアニオンを含有する溶液を使用する。陽極泳動では、陽極緩衝液の代わりに、別のカチオンを含有する溶液を使用する。
本明細書に記載の新規な方法およびシステムでは、泳動緩衝液は、シースフロー緩衝液である。cIEF用の泳動緩衝液がESIに使用されるイオン化緩衝液とは別の溶液である従来のcEIF−ESI接続とは対照的に、cIEF用の泳動緩衝液とESI用のイオン化緩衝液の両方の機能を果たす、兼用の「シースフロー緩衝液」を使用する。本明細書で使用する場合、「シースフロー緩衝液」という用語は、極性有機溶媒と有機酸とを含む溶液を指す。一般的には、シースフロー緩衝液は、極性有機溶媒を約25%v/v〜約75%v/v、一般的には、極性有機溶媒を約25%v/v以上、約30%v/v以上、約35%v/v以上、約40%v/v以上、約45%v/v以上、または約50%v/v以上、且つ約50%v/v以下、約55%v/v以下、約60%v/v以下、約65%v/v以下、約70%v/v以下、または約75%v/v以下含む。本明細書で使用する場合、「極性有機溶媒」という用語は、極性プロトン性溶媒と極性非プロトン性溶媒の両方を含む。「極性プロトン性溶媒」という用語は、解離性水素を有する溶媒、例えば、酸素原子に結合した水素原子を含むアルコールを指す。「極性非プロトン性溶媒」という用語は、酸性水素を含有しない溶媒を指す。好適な極性プロトン性溶媒の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、およびこれらの組み合わせを含む脂肪族アルコールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な極性非プロトン性溶媒の例としては、アセトニトリルが挙げられる。一般的には、シースフロー緩衝液はまた、有機酸を約0.01%v/v〜約1%v/v、一般的には、有機酸約を0.01%v/v以上、約0.05%v/v以上、または約0.1%v/v以上、且つ約0.1%v/v以下、約0.5%v/v以下、または約1.0%v/v以下含む。一実施形態では、有機酸はカルボン酸である。カルボン酸は、1個以上のカルボキシル基を含み、一般式R−COOHを有する有機酸である。一実施形態では、R−はアルカンである。一実施形態では、カルボン酸のpKaは約3.5〜5.0である。好適なカルボン酸の例としては、ギ酸(HCOH、pKa3.75)、酢酸(CHCOOH、pKa4.76)、エタン酸(CHCOH、pKa4.7)、およびプロパン酸(CHCHCOH、pKa4.9)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一実施形態では、シースフロー緩衝液は、脂肪族アルコールを約25%v/v〜約75%v/v、一般的には、脂肪族アルコールを約25%v/v以上、約30%v/v以上、約35%v/v以上、約40%v/v以上、約45%v/v以上、または約50%v/v以上、且つ約50%v/v以下、約55%v/v以下、約60%v/v以下、約65%v/v以下、約70%v/v以下、または約75%v/v以下含む。一実施形態では、シースフロー緩衝液は、メタノールを約25%v/v〜約75%v/v、一般的には、メタノールを約25%v/v以上、約30%v/v以上、約35%v/v以上、約40%v/v以上、約45%v/v以上、または約50%v/v以上、且つ約50%v/v以下、約55%v/v以下、約60%v/v以下、約65%v/v以下、約70%v/v以下、または約75%v/v以下含む。別の実施形態では、シースフロー緩衝液は、アセトニトリルを約25%v/v〜約75%v/v、一般的には、アセトニトリルを25%v/v以上、約30%v/v以上、約35%v/v以上、約40%v/v以上、約45%v/v以上、または約50%v/v以上、且つ約50%v/v以下、約55%v/v以下、約60%v/v以下、約65%v/v以下、約70%v/v以下、または約75%v/v以下含む。他の実施形態では、シースフロー緩衝液はまた、カルボン酸を約0.01%v/v〜約1%v/v、一般的には、カルボン酸を約0.01%v/v以上、約0.05%v/v以上、または約0.1%v/v以上、且つ約0.1%v/v以下、約0.5%v/v以下、または約1.0%v/v以下含む。より詳細な実施形態では、シースフロー緩衝液は、ギ酸を約0.01%v/v〜約1%v/v、一般的には、ギ酸を約0.01%v/v以上、約0.05%v/v以上、または約0.1%v/v以上、且つ約0.1%v/v以下、約0.5%v/v以下、または約1.0%v/v以下含む。より詳細な実施形態では、シースフロー緩衝液は、メタノールを約25%v/v〜約75%v/v、一般的には、メタノールを約25%v/v以上、約30%v/v以上、約35%v/v以上、約40%v/v以上、約45%v/v以上、または約50%v/v以上、且つ約50%v/v以下、約55%v/v以下、約60%v/v以下、約65%v/v以下、約70%v/v以下、または約75%v/v以下、およびギ酸を約0.01%v/v〜約1%v/v、一般的には、ギ酸を約0.01%v/v以上、約0.05%v/v以上、または約0.1%v/v以上、且つ約0.1%v/v以下、約0.5%v/v以下、または約1.0%v/v以下含む。
本明細書に記載の新規なシステムでは、cIEF分離チャンバ120の出口端122をエレクトロスプレーイオン化装置のエミッタ210の導入端211にオンラインで接続し、シースフロー緩衝液を使用して分離チャンバ120からエミッタ210への分離された試料成分の化学的泳動を達成する。本明細書で使用する場合、「接続」という用語は、cIEF分離チャンバの出口端122がエミッタ210と流体連通していることを意味する。一実施形態では、分離チャンバの出口端122をエミッタ210の入口端210に導入することにより、分離チャンバ120の出口端122をエミッタ210に接続する。
分離チャンバ120からの溶出液をイオン化液と混合する従来のcEIF−ESI接続とは対照的に、シースフロー緩衝液(前述の)を本発明の方法の泳動液として使用する。低流量のシースフローにより、有利には、従来の技術と比較して試料の希釈が低減する。
被検成分がフォーカシングされた状態を維持し、泳動工程の結果として拡散しないように、泳動中、適切な印加電圧を維持することが重要な場合がある。泳動の開始時に、電流は最初、フォーカシングの終了時に観測されるものと類似の低い値に、例えば、約1μA〜約10μA、または約1μA以上、約2μA以上、約3μA以上、約4μA以上、約5μA以上、且つ約6μA以下、約7μA以下、約8μA以下、約9μA以下、もしくは約10μA以下にとどまる。泳動が進行するにつれ、塩イオンがキャピラリーに入るため、電流は徐々に上昇し始める。塩イオンがカラム全体に存在する泳動の後半に、泳動の完了を示す急激な電流の上昇が起こり、例えば、約10μA〜約20μAの増加が観測され得る。一実施形態では、フォーカシングされる被検物質は、泳動中、それらの相対的位置を維持する。
泳動中、電圧は、一般的には、約1kV〜約50kV、例えば、約1kV以上、約5kV以上、約10kV以上、約15kV以上、約20kV以上、および約25kV以上、および/または約20kV以下、約25kV以下、約30kV以下、約35kV以下、約40kV以下、約45kV以下、または約50kV以下に保たれる。電界は、一般的には、約300V/cm以上、約325V/cm以上、約350V/cm以上、約375V/cm以上、且つ約400V/cm以下、約425V/cm以下、約450V/cm以下、約475V/cm以下、約500V/cm以下、約550V/cm以下、または約600V/cm以下に保たれる。泳動にかかる時間は、一般的には、約1分〜約30分、例えば、約1分間以上、約5分間以上、約10分間以上、または約15分間以上、且つ約20分間以下、約20分間以下、約25分間以下、または約30分間以下である。
エレクトロスプレーイオン化(ESI)
cEIFとESIの接続は、オンラインまたはオフラインで行うことができる。オンライン接続では、分離チャンバ120から泳動される溶液は、例えば、同軸シースフローインターフェイス、シースレスインターフェイスまたは液相接続部インターフェイスを使用して、エレクトロスプレーエミッタ210に直接供給される。オフライン接続法には、例えば、後で分析される分離チャンバ120から溶出する画分の回収が含まれる。
通常のcEIF−ESI接続では、分離チャンバからの溶出液を揮発性有機溶媒と混合してイオン化液20を形成した後、それをエレクトロスプレーエミッタ210に導入する。図3を参照されたい。イオン化液の形成に使用される典型的な揮発性有機溶媒の例としては、メタノールおよびアセトニトリルが挙げられる。イオン化液はまた、例えば、H、Na、またはKなどのイオン化剤も含むことができる。
前述のように、分離チャンバ120からの溶出液をイオン化液と混合する従来のcEIF−ESI接続とは対照的に、同じシースフロー緩衝液をcEIF用の泳動液とESI用のイオン化液の両方として使用することができる。
図3に示すように、エレクトロスプレーエミッタ210は、通常、入口211と出口212とを有する細長い容器であり、出口212は直径の小さい孔213(即ち、約1μm〜約10μm、約1μm〜約5μm、または約2μm〜約3μmの孔)を有する。電源装置250は、エレクトロスプレーエミッタ210と対向電極220との間に電位を発生させる(通常、約1kV〜約10kV、約2kV〜約6kV、または約3kV〜約4kV)を印加する。エミッタ210の電荷に対する同じ極性の表面電荷を有するイオン化液20中のイオン間の反発が、エミッタ210の出口212へのイオンの移動を引き起こし、円錐を形成する(テイラーコーン214と称される)。反発力がイオン化液20の表面張力より大きくなると、微細なエアゾールスプレーがエミッタ210の出口212から対向電極220に向かって放出される。液滴がエミッタ出口212と対向電極220との間の空間を横切る時、溶媒が蒸発する。通常、イオン化/蒸発プロセスは大気圧で行われる。
イオン化液はエミッタ210に、0.001μl/分以上、約0.005μl/分以上、約0.01μl/分以上、約0.05μl/分以上、約0.1μl/分以上、約0.5μl/分以上、且つ約0.1μl/分以下、約0.5μl/分以下、約1μl/分以下、約5μl/分以下、約10μl/分以下、約50μl/分以下、および約100μl/分以下の流量で導入される。
エレクトロスプレー電圧は、約1kv〜約10kvであってもよい。キャピラリー出口とエミッタ先端との間の距離は、約1mm〜約2mmであってもよい。エミッエター端部とMS入口との間の距離は、約1mm〜約10mmであってもよい。エミッタのサイズは約2μm〜約20μmであってもよい。
試料溶液の成分をcIEFで分離した後、それらを質量分析法(MS)で分析することができる。cIEFは、エレクトロスプレーイオン化(ESI)をインターフェイスとして使用してMSに接続することができる。ペプチドおよび他のポリマーなどの熱的に不安定で高分子量の化合物をイオン化するために、エレクトロスプレーイオン化(ESI)を使用することが多い。本明細書に記載の本発明は、CIEFをESI−MSとオンラインで接続するシステムを提供する。
質量分析法
図4は、質量分析計350の基本的な構成要素を示すブロック図である。イオン源200(前述のESI)は、中性の試料分子がイオン化される場所である。質量分析器300内で、イオンは印加電界を使用して加速され、それらの質量電荷比(m/z)により空間的にまたは時間的に分離される。
イオンを分離した後、それらを検出器400で検出し、信号を解析するためにデータシステム600に送信する。検出は、電荷または運動量に基づいて行うことができる。比較的古い装置では写真乾板を使用して各質量電荷比でのイオン存在量を測定した。現在使用されている大部分の検出器は、光電子倍増管と類似のコレクタを使用してイオン信号を増幅する。これらの増幅検出器としては、電子倍増管、チャンネルトロンおよびマルチチャンネルプレートが挙げられる。検出器は、その速度、ダイナミックレンジ、ゲイン、および幾何学的形態に関して選択される。単一のイオンを検出するのに十分な感度を有する検出器もある。例えば、宿主細胞由来タンパク質(HCP)の存在を判定するために、データベース検索によりデータ解析を行うことができる。
質量分析計は、通常、イオンが質量分析器300内の他の分子と衝突する可能性を低減するように低い圧力を維持するための真空装置500も有する。衝突によりイオンの反応、中性化、散乱、またはフラグメンテーションが起こる可能性があり、これは質量スペクトルに干渉するおそれがある。衝突を最小限に抑えるために、実験は、高真空条件で、通常は装置の幾何学的形態に応じて10−2〜10−5Pa(10−4〜10−7torr)で行われる。
質量分析器の選択は、分解能、質量範囲、走査速度、および検出限界に依存する。各分析器は、非常に異なる操作特性を有し、装置の選択は重要なトレードオフを伴い、連続的であってもまたはパルス状であってもよい。一般的には、(1)磁場を使用し、それらの運動量に応じてイオンを分離する磁場偏向および二重収束型装置;(2)四重極電界を使用し、単一のm/z値のイオンだけイオン源から検出器に通過させる透過四重極型;(3)四重極電界を使用して全てのm/z値のイオンを蓄積した後、それらをm/z値毎に順次不安定化させて質量スペクトルを得る四重極イオントラップ型;(4)フィールドフリー領域を通過する飛行時間に応じて、異なるm/z値の加速されたイオンの分離を達成する飛行時間型(TOF)質量分析計;および(5)磁性イオントラップに蓄積される異なるm/z値のイオンに対応する一連の共鳴周波数のフーリエ変換を行うフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型(FTICR)質量分析計(FTMSと称されることもある);の5つの異なるタイプの質量分析計がある。本発明のシステムに関して、これらのタイプの質量分析計のいずれを使用してもよい。
LTQ−Orbitrap−velosは、約300℃のキャピラリー温度を含むことができる。MS1 Orbitrap分析器は、分解能60,000であってもよい。MS1 Orbitrap分析器のパラメータは、約395m/z〜約1800m/zの走査範囲を含むことができる。12の最も強度の高いピークをMS2(イオントラップ)に使用することができる。MS1 Orbitrap分析器のパラメータは、正規化された衝突を35%含み得る。
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、例えば、本発明の記載に使用される、組成物中の成分の量、濃度、容量、プロセス温度、工程所要時間、収量、流量、圧力、およびこれらの範囲を修飾するのに使用される。「約」という用語は、例えば、化合物、組成物、濃縮物、または使用製剤の製造に使用される通常の測定および操作手順により;これらの手順における不注意による過失により;本方法の実施に使用される出発物質または成分の製造、供給元、または純度の差異、および他の類似の考慮事項により;生じ得る数量のばらつきを意味する。「約」という用語はまた、特定の初期濃度を有する製剤または混合物の経年変化により異なる量、および特定の初期濃度を有する製剤または混合物の混合もしくは処理により異なる量も包含する。「約」という用語により修飾されている場合、本明細書に添付される特許請求の範囲は、このような均等物も含むものとする。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、特記しない限り、複数の指示対象を含む。「または」という用語は、概して、特記しない限り「および/または」を含む意味で使用されることにも留意されたい。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用する場合、「構成される」という句は、特定の作業を行うように、または特定の構成を採用するように構築または構成されているシステム、装置、または他の構造を表すことにも留意されたい。「構成される」という句は、「配置される」、「配置および構成される」、「構築および配置される」、「構築される」、ならびに「製造および配置される」等の、他の類似の句と互換的に使用することができる。
本明細書中の刊行物および特許出願は全て、本発明が関係する技術分野の当業者のレベルを示す。刊行物および特許出願は全て、個々の刊行物または特許出願がそれぞれ参照により明確且つ個々に示されるのと同程度まで、参照により本明細書に援用される。
本願は、本発明の対象の改造または変形を包含するものとする。上記の説明は、説明を目的とし、本発明を限定するものではないことを理解されたい。本明細書に記載の設計特徴のいずれか1つ以上を任意の特定の構成と任意の組み合わせで使用し得ることが容易に分かるはずである。成形プロセスの使用に関して、製造費用を実質的に増加させることなく、このような設計特徴を組み込むことができる。その組み合わせの数は記載できないほど多く、本発明は、本明細書に記載の任意の特定の例示的な組み合わせにより、またはそれらに限定されるものではない。本発明の対象の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照し、このような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に決定されるべきである。
特記しない限り、試薬は全てSigma Aldrich Co.(St.Louis,MO,USA)から購入した。
実施例1:試料調製
BSA消化物の調製
ウシ血清アルブミン(BSA)消化物(0.1mg/mL)を使用して、cIEF−ESI−MS/MSシステムの再現性を評価した。BSA(0.5mg/mL)を100mM炭酸水素アンモニウム(pH8.0)に溶解し、90℃で10分間変性させた後、ジチオトレイトール(DTT)(8mM)を用いて65℃で1時間還元し、ヨード酢酸(IAA)(20mM)を用いて室温で30分間暗所にてアルキル化することにより、標準的な還元およびアルキル化プロセスを行った。タンパク質を12時間37℃でトリプシンと共に、トリプシン:タンパク質比1:30(w/w)でインキュベートすることにより消化を行った。カルボキシル官能化磁性マイクロスフェア(BioMag(登録商標)Plus carboxyl、平均直径約1.5μm)は、Bangs Laboratories,Inc.(Fishers,IN,USA)から購入し、カルボキシル官能化磁性マイクロスフェアの活性化およびトリプシンの固定化は、Li et al.,J.Chromatogr.A 2011,1218,2007−2011により記載されているように行った。
3種タンパク質混合物の調製
3種タンパク質混合物もcIEF−ESI−MS/MSシステムの性能の評価に使用した。3種タンパク質混合物は、濃度が50倍の範囲となるように調製し、7μM BSA(0.5mg/mL)、0.7μMチトクロームc(0.0095mg/mL)、および140nMミオグロビン(0.0025mg/mL)を含有した。タンパク質混合物を100mM炭酸水素アンモニウム(pH8.0)に溶解し、90℃で10分間変性させた後、前述のようにジチオトレイトール(DTT)およびヨード酢酸(IAA)を用いて標準的な還元およびアルキル化プロセスを行った。固定化トリプシンによる消化では、タンパク質溶液30μLをトリプシン固体化ビーズ200μgと共に37℃で10分間インキュベートした。消化物をThermo scientific(Marietta,OH,USA)製のNano Pure systemにより脱イオン化した水で1:1希釈し、使用するために−20℃で保存した。
除去された組換えヒトIgG細胞培養培地
組換えヒトIgGは、MedImmune,Incにより、既知の細胞培養プロセスを使用して調製された。次いで、NAb protein A(Thermo Scientific)およびprotein L(Thermo Scientific)スピンカラムを使用して、組換えヒトIgGを被検試料から除去した。簡潔に言えば、protein Aスピンカラムを1×リン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH7.2)で平衡化させた。IgG試料をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈して、カラムに添加した。逆転させることにより穏やかに混合して室温で10分間インキュベートした後、素通り画分を回収し、平衡化させたprotein Lスピンカラムに直ぐに添加した。protein Lカラムのインキュベートおよび混合を前述のように行った。protein Lの素通り画分(除去された培養培地)を回収し、後で使用するために−80℃で保存した。
protein A/Lカラムから得られた素通り画分(0.045mg/mL、500μL)(前述の)をEppendorf濃縮機で乾燥した。乾燥した試料を、1M尿素を含む100mM炭酸水素アンモニウム(NHHCO)100μLに溶解し、90℃で10分間変性させた後、前述のようにジチオトレイトール(DTT)およびヨード酢酸(IAA)を用いて標準的な還元およびアルキル化プロセスを行った。変性したタンパク質50μLを固定化トリプシン磁性ビーズ400μgと共に37℃で10分間インキュベートすることにより消化を行った。消化物は、後で使用するために−20℃で保存した。
実施例2:cIEF
この実施例に使用した装置は、Wojcik et al.,Rapid Commun.Mass Spectrom.2010,24,2554−2560により記載されているキャピラリー電気泳動システムに基づいた。市販の直鎖ポリアクリルアミド(LPA)コーティングキャピラリー(内径50μm、外形150μm、長さ50cm、Polymicro Technologies,Phoenix,AZ)をcIEF分離に使用した。キャピラリーの陽極端をギ酸(0.1%、pH2.5)に入れ、陰極端を0.3%水酸化アンモニウム(pH11)に入れた。0.4%Pharmalyte(3−10)溶液(GE Healthcare,Piscataway,NJ)で調製した試料をキャピラリーに充填したが、これは、その溶液をキャピラリーに2psiで3分間通液することにより行った。この実験に使用した注入容量は、キャピラリー容量と等しかった。フォーカシング電圧を360V/cmで10分間印加した。
実施例3:ESI
フォーカシング後、キャピラリーの陰極端をエレクトロスプレーインターフェイスのエミッタに挿入し(Wojcik et al.,Rapid Commun.Mass.Spectrom.2010,24,2554−2560)、シースフロー緩衝液がcIEF用の化学的泳動液とエレクトロスプレーイオン化用のイオン化緩衝液の両方として使用されるように、シースフロー緩衝液を用いて化学的泳動を行った。メタノール50%および0.05%酢酸;メタノール50%およびギ酸0.05%;メタノール50%およびギ酸0.1%;の3種のシースフロー緩衝液について調べた。ギ酸(FA)はFisher Scientific(Pittsburgh,PA,USA)から購入した。泳動中、電界を330V/cmに保った。
図5は、3種のシースフロー緩衝液の電流プロファイルを表す。曲線aは、シースフローに酢酸0.05%を使用するcIEFの化学的泳動を示す。曲線bおよび曲線cは、それぞれ、ギ酸0.05%およびギ酸0.1%をシースフロー緩衝液として使用したものである。メタノール50%および酢酸0.05%を用いた化学的泳動中、電流は低く、あまり変化しなかった。
対照的に、メタノール50%とギ酸0.05%、およびメタノール50%とギ酸0.1%を用いた化学的泳動中、電流は増加した。ギ酸を0.1%用いた場合は、ギ酸を0.05%用いた場合よりも迅速に電流が増加した。ギ酸の濃度が高い方が、泳動速度が速くなり、分離ウィンドウが狭くなるように見受けられる。分離中に蓄積され得るタンデム質量スペクトルの数が限定され得るため、場合により、短い分離ウィンドウは望ましくないことがある。分離ウィンドウを広くし、ペプチド数およびタンパク質シーケンスカバー率を増加させるために、次の実験では、メタノール50%とギ酸0.05%をシースフローとして使用した。
実施例4:データ取得および処理
質量分析実験は全て、LTQ−Orbitrap Velos装置(Thermo Fisher Scientific)を使用して行った。Orbitrap質量分析器で395〜1900m/zの範囲にわたり分解能60,000(400m/z)でMSフルスキャンを取得した。電荷状態≧2を有する12の最も強度の高いピークを配列決定に選択し、正規化された衝突エネルギー35%、活性化q=0.25、活性化時間10マイクロ秒、およびマイクロスキャン1でイオントラップ内でフラグメント化した。45秒のウィンドウ内で2回以上フラグメンテーションに選択されたピークは、追加の45秒では選択から除外した。
標準タンパク質試料では、生ファイルのデータベース検索は、Proteome Discoverer 1.2で、SEQUEST検索エンジンを用いてipi.bovin.V3.68.fasta(BSAおよびチトクロームc用)、equine.fasta(ミオグロビン用)に対して行った。信頼度値で「高」として同定されたペプチドは、正の同定(positive identification)と見なされた。
HCP試料では、生ファイルをまずmgfファイルに転送した。mgfファイルのデータベース検索は、MASCOT検索エンジンを用いてSwissProt Rodentに対して行った。Trans−Proteomic Pipeline(TPP)4.4を使用して、ペプチド確率とタンパク質確率の両方とも0.9より高くなるようにデータベース検索結果をフィルタリングした。
ペプチド(25±4)は高信頼度で同定され、3回繰り返し分析でのシーケンスカバー率は44±6%となった。3つの実験でのペプチド強度も解析した。表1(下記)は、3回繰り返し実験で得られたスペクトルから抽出された5種類のペプチドのピーク強度を表す。ピーク強度の相対的標準偏差は3%〜8%の範囲であった。
Figure 2015516078
表2(下記)は、3種のタンパク質の同定されたペプチドの数およびシーケンスカバー率を表す。分析により、50倍過剰のBSAの存在下で希釈ミオグロビン試料由来の1種以上のペプチドが一貫して同定された。
Figure 2015516078
除去された抗体試料中の53種のペプチドをタンデム質量分析法により同定した。これらのペプチドに関して、観測された移動時間と予測された等電点との間には単調であるが非直線的な関係がある(図6参照)。pI対1/(移動時間−オフセット)のプロットは、11分のオフセットでは直線的である(r=0.97)。このオフセットは、両性電解質がキャピラリーから流出し始めるのに必要な時間を反映する。逆の関係は正の化学的泳動を反映する。
Mascotを用いてデータベース検索し、Trans−Proteomic Pipeline(TPP,V4.4)を用いてフィルタリングした後、3回繰り返しCIEF−ESI−MS/MS実験後、ペプチドレベルとタンパク質レベルの両方について0.9より高い確率で37種のHCPタンパク質を同定した。試料調製、消化およびCIEF−ESI−MS/MS分析を含む全分析時間は約4時間である。

Claims (133)

  1. 試料中の1種以上の成分の同定分析を行う方法であって、
    a.キャピラリー等電点電気泳動(cIEF)により前記試料中の1種以上の成分を分離する工程であって、前記試料と両性電解質緩衝液を分離チャンバに導入し、印加電圧を印加してフォーカシングする工程と;
    b.極性有機溶媒約30%〜約50%および有機酸約0.01%〜0.1%を含むシースフロー液を使用して、前記分離された成分を前記分離チャンバからイオン化装置に輸送する工程と;
    c.前記試料成分をイオン化する工程と;
    d.質量分析法(MS)により前記試料中の1種以上の成分の同定分析を行う工程と;
    を含む方法。
  2. 前記シースフロー液が、前記分離チャンバ用の泳動液と前記イオン化装置用のイオン化液の両方の役割を果たす、請求項1に記載の方法。
  3. 前記極性有機溶媒が、極性プロトン性溶媒および極性非プロトン性溶媒から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記極性プロトン性溶媒が、脂肪族アルコールを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記脂肪族アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記極性非プロトン性溶媒がアセトニトリルを含む、請求項3に記載の方法。
  7. 前記有機酸が、ギ酸、酢酸、エタン酸、プロパン酸、安息香酸、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記有機酸のpKaが約4.0〜5.0である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記脂肪族アルコールがメタノールであり、前記有機酸がギ酸である、請求項5に記載の方法。
  10. 分離する工程が:
    a.一定容量の前記試料と両性電解質緩衝液とを前記分離チャンバに導入する工程であって、前記分離チャンバがキャピラリーを含む工程と;
    b.前記試料と両性電解質緩衝液を前記分離キャピラリー内で約50kV以下のフォーカシング電圧を印加してフォーカシングする工程と;
    を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記フォーカシング電圧が約5kV〜約30kVである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記試料が、約300V/cm〜約600V/cmの印加電界を印加してフォーカシングされる、請求項10に記載の方法。
  13. 前記印加電界が約300V/cm〜約400V/cmである、請求項10に記載の方法。
  14. 前記試料が、約50kV以下の泳動電圧を印加して前記イオン化装置に輸送される、請求項1に記載の方法。
  15. 前記泳動電圧が約1kV〜約50kVである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記試料が、約300V/cm〜約600V/cmの印加電界を印加して前記イオン化装置に輸送される、請求項1に記載の方法。
  17. 前記試料が、約300V/cm〜約350V/cmの印加電界を印加して前記イオン化装置に輸送される、請求項1に記載の方法。
  18. 前記試料が、流体力学的注入により前記イオン化装置に輸送される、請求項1に記載の方法。
  19. 流体力学的注入が、前記分離チャンバの入口でシリンジを使用して約0.5psi〜約50psiの圧力を加えることを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 流体力学的注入が、前記分離チャンバの出口で約0.5psi〜約50psiの真空引きを行うことを含む、請求項18に記載の方法。
  21. 前記分離キャピラリーが一定容量を有し、前記導入される試料の容量が前記キャピラリーの容量以下である、請求項10に記載の方法。
  22. 前記試料の容量が、前記キャピラリーの容量の約25%〜約100%である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記導入される試料の容量が約1μL〜25μLである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記試料が、1種以上の両性試料成分をそれぞれ約0.1μg/ml〜10mg/ml含む、請求項10に記載の方法。
  25. 前記分離キャピラリーが、フューズドシリカ(SiO)キャピラリーを含む、請求項10に記載の方法。
  26. 前記キャピラリーが、ポリマーコーティングを備える、請求項25に記載の方法。
  27. 前記ポリマーコーティングが、ポリアクリルアミド(LPA)、メチルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記両性電解質が、Ampholine(商標)、Biolyte(商標)、Pharmalyte(商標)、Servalyt(商標)、およびこれらの組み合わせから選択される両性担体(CA)を含む、請求項10に記載の方法。
  29. 前記両性電解質が、約1%〜約10%のPharmalyte(商標)を含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記両性電解質が、狭いpH範囲の両性担体を含む、請求項28に記載の方法。
  31. 前記両性電解質が、広いpH範囲の両性担体を含む、請求項28に記載の方法。
  32. 前記両性電解質が、Pharmalyte(商標)(1−3)、Pharmalyte(商標)(5−8)、およびPharmalyte(商標)(3−10)から選択されるPharmalyte(商標)を含む、請求項28に記載の方法。
  33. 前記両性電解質が、約2%〜約8%のPharmalyte(商標)(3−10)溶液を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記試料を前記分離キャピラリーに導入する前に、前記試料中の1種以上の成分を消化する工程をさらに含む、請求項10に記載の方法。
  35. 前記試料中の1種以上の成分が、タンパク質分解酵素で消化される、請求項34に記載の方法。
  36. 前記タンパク質分解酵素が、セリンプロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項35に記載の方法。
  37. 前記試料中の1種以上の成分がトリプシンで消化される、請求項35に記載の方法。
  38. 前記トリプシンが固体担体上に固定化されている、請求項37に記載の方法。
  39. 前記固体担体が、ポリマー粒子、ガラス、膜、ゲルビーズ、ゾルゲル担体、多孔質シリコンマトリックス、多孔質モノリシック材料、磁性材料、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項38に記載の方法。
  40. 前記試料中の1種以上の成分が、約35℃〜約40℃の温度で消化される、請求項35に記載の方法。
  41. 前記試料中の1種以上の成分が、前記試料を前記タンパク質分解酵素と共に約5時間〜約20時間インキュベートすることにより消化される、請求項35に記載の方法。
  42. 前記試料中の1種以上の成分が、前記試料を前記タンパク質分解酵素と共に約10時間〜約15時間インキュベートすることにより消化される、請求項35に記載の方法。
  43. 前記試料中の1種以上の成分が、前記試料を前記タンパク質分解酵素と共に少なくとも約12時間インキュベートすることにより消化される、請求項34に記載の方法。
  44. 前記試料が、消化後に水で希釈され、両性担体と混合されて、前記分離チャンバに導入される、請求項34に記載の方法。
  45. 前記試料が、水で、水対試料の比約2:1〜1:2で希釈される、請求項35に記載の方法。
  46. イオン化装置が、エレクトロスプレーイオン化(ESI)装置を含む、請求項1に記載の方法。
  47. 前記試料が、生体分子の不均一混合物を含む、請求項1に記載の方法。
  48. 前記試料が、組換えタンパク質除去細胞培養物を含む、請求項1に記載の方法。
  49. 1種以上の成分が、宿主細胞由来タンパク質を含む、請求項48に記載の方法。
  50. 前記試料が、組換えモノクローナル抗体除去細胞培養物を含む、請求項1に記載の方法。
  51. 1種以上の成分が、宿主細胞由来タンパク質を含む、請求項50に記載の方法。
  52. 1種以上の成分がタンパク質を含み、前記方法が前記分離チャンバに試料を導入する前に前記試料中のタンパク質を変性させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  53. 前記試料中のタンパク質を変性させる工程が、熱変性を含む、請求項52に記載の方法。
  54. 前記試料中のタンパク質を変性させる工程が、前記試料溶液をノニオン性界面活性剤と共にインキュベートすることを含む、請求項52に記載の方法。
  55. 前記試料中のタンパク質を変性させる工程が、前記試料を塩基と混合してpH約8〜約10の塩基性溶液を形成することを含む、請求項50に記載の方法。
  56. 前記試料中のタンパク質を変性させる工程が、前記試料を酸と共にインキュベートして、pH約2〜約3の酸性溶液を形成することを含む、請求項52に記載の方法。
  57. 熱変性が、前記試料を約60℃〜約80℃の高温で少なくとも約5分間インキュベートすることを含む、請求項53に記載の方法。
  58. 前記試料中のタンパク質を変性させる工程が、前記試料を、炭酸水素アンモニウムを含む変性液と共にインキュベートすることを含む、請求項52に記載の方法。
  59. 前記変性液が尿素をさらに含む、請求項58に記載の方法。
  60. 前記試料を還元液およびアルキル化液と共にインキュベートする工程をさらに含む、請求項52に記載の方法。
  61. 前記還元液が、ジチオトレイトール(DTT)、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、トリブチルホスフィン(TBP)、およびこれらの組み合わせを含む溶液から選択される、請求項60に記載の方法。
  62. 前記アルキル化液が、ヨードアセトアミド(IAA)、β−メルカプトエタノール、またはこれらの組み合わせを含む、請求項60に記載の方法。
  63. キャピラリー等電点電気泳動(cIEF)と質量分析法(MS)をインターフェイスするシステムであって:
    a.液体試料中の1種以上の成分の分離およびフォーカシングを行うための分離チャンバを備えるcIEF装置と;
    b.前記分離チャンバにわたって電位を印加するための電圧電源装置であって、前記分離チャンバが試料と両性担体とを収容し、前記電位で前記試料中の1種以上の成分を分離およびフォーカシングする電圧電源装置と;
    c.分離およびフォーカシングされた1種以上の成分を、前記cIEF装置の分離チャンバから、前記溶液をエレクトロスプレーイオン化(ESI)装置に供給するように構成されたエミッタに直接輸送するためのシースフロー液であって、極性有機溶媒約30%〜約50%および有機酸約0.01%〜0.1%を含むシースフロー液と;
    d.試料被検物質を分析するためのMS装置と;
    を備えるシステム。
  64. 前記極性有機溶媒が、極性プロトン性溶媒および極性非プロトン性溶媒から選択される、請求項63に記載のシステム。
  65. 前記極性プロトン性溶媒が、脂肪族アルコールを含む、請求項64に記載のシステム。
  66. 前記脂肪族アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項65に記載のシステム。
  67. 前記極性非プロトン性溶媒がアセトニトリルを含む、請求項64に記載のシステム。
  68. 前記有機酸が、ギ酸、酢酸、エタン酸、プロパン酸、安息香酸、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項63に記載のシステム。
  69. 前記有機酸のpKaが約4.0〜5.0である、請求項63に記載のシステム。
  70. 前記脂肪族アルコールがメタノールであり、前記有機酸がギ酸である、請求項65に記載のシステム。
  71. 前記cIEF装置が、陽極と、陰極と、陽極液槽と、陰極液槽とを備える、請求項63に記載のシステム。
  72. 前記陽極液槽が、酸を含む陽極液を収容する、請求項71に記載のシステム。
  73. 前記陽極液が、リン酸、ギ酸、アスパラギン酸、またはこれらの組み合わせを含む、請求項72に記載のシステム。
  74. 前記陰極液槽が、塩基を含む陰極液を収容する、請求項71に記載のシステム。
  75. 前記塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項74に記載のシステム。
  76. 前記シースフロー液を前記陽極液槽および/または前記陰極液槽に導入して、前記フォーカシングされた試料成分を泳動させることを含む、請求項71に記載のシステム。
  77. 前記分離チャンバの一端を前記エミッタに接続するように構成されたインターフェイス接続デバイスを備える、請求項71に記載のシステム。
  78. 前記分離チャンバが陽極端を有するキャピラリーを備え、前記試料中の1種以上の成分のフォーカシングを行った後、前記キャピラリーの陽極端を前記エミッタの導入端に挿入して、前記フォーカシングされた成分を泳動させる、請求項77に記載のシステム。
  79. 前記シースフロー液が前記陰極液槽に導入される、請求項78に記載のシステム。
  80. 前記分離チャンバが陰極端を有するキャピラリーを備え、前記試料中の1種以上の成分のフォーカシングを行った後、前記キャピラリーの陰極端を前記エミッタの導入端に挿入して、前記フォーカシングされた成分を泳動させる、請求項77に記載のシステム。
  81. 前記シースフロー液が前記陽極液槽に導入される、請求項80に記載のシステム。
  82. 除去された細胞培養試料中の宿主細胞由来タンパク質(HCP)成分を同定する方法であって、
    a.前記試料中の1種以上のHCP成分をキャピラリー等電点電気泳動(cIEF)により分離する工程であって、前記試料と両性電解質緩衝液が、入口端と出口端とを有するフューズドシリカキャピラリーを含む分離チャンバに導入され、前記1種以上のHCP成分が印加電圧を印加してフォーカシングされる工程と;
    b.前記分離チャンバの出口端をエレクトロスプレーイオン化(ESI)装置の入口端に接続する工程と;
    c.前記分離されたHCP成分を前記分離チャンバから前記ESI装置のエミッタに、極性有機溶媒約30%〜約50%および有機酸約0.01%〜0.1%を含むシースフロー液を前記分離チャンバの入口端に導入することにより輸送する工程であって、前記シースフロー液が前記分離チャンバ用の泳動液と前記イオン化装置用のイオン化液の両方の役割を果たす工程と;
    d.前記試料成分をイオン化する工程と;
    e.質量分析法(MS)により前記試料中の1種以上の成分の同定分析を行う工程と;
    を含む方法。
  83. 前記極性有機溶媒が、極性プロトン性溶媒および極性非プロトン性溶媒から選択される、請求項82に記載の方法。
  84. 前記極性プロトン性溶媒が、脂肪族アルコールを含む、請求項82に記載の方法。
  85. 前記脂肪族アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項84に記載の方法。
  86. 前記極性非プロトン性溶媒がアセトニトリルを含む、請求項83に記載の方法。
  87. 前記有機酸が、ギ酸、酢酸、エタン酸、プロパン酸、安息香酸、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項82に記載の方法。
  88. 前記有機酸のpKaが約4.0〜5.0である、請求項82に記載の方法。
  89. 前記脂肪族アルコールがメタノールであり、前記有機酸がギ酸である、請求項84に記載の方法。
  90. 分離する工程が、前記試料と両性電解質緩衝液を前記分離キャピラリー内で約50kV以下のフォーカシング電圧を印加してフォーカシングすることを含む、請求項82に記載の方法。
  91. 前記フォーカシング電圧が約5kV〜約30kVである、請求項90に記載の方法。
  92. 前記試料が、約300V/cm〜約600V/cmの印加電界を印加してフォーカシングされる、請求項82に記載の方法。
  93. 前記印加電界が約300V/cm〜約400V/cmである、請求項92に記載の方法。
  94. 前記試料が、約50kV以下の泳動電圧を印加して前記イオン化装置に輸送される、請求項82に記載の方法。
  95. 前記泳動電圧が約5kV〜約40kVである、請求項94に記載の方法。
  96. 前記試料が、約300V/cm〜約600V/cmの印加電界を印加して前記イオン化装置に輸送される、請求項82に記載の方法。
  97. 前記印加電界が約300V/cm〜約350V/cmである、請求項96に記載の方法。
  98. 前記試料が、流体力学的注入により前記イオン化装置に輸送される、請求項82に記載の方法。
  99. 流体力学的注入が、前記分離チャンバの入口でシリンジを使用して約0.5psi〜約50psiの圧力を加えることを含む、請求項98に記載の方法。
  100. 流体力学的注入が、前記分離チャンバの出口で約0.5psi〜約50psiの真空引きを行うことを含む、請求項98に記載の方法。
  101. 前記分離キャピラリーが一定容量を有し、前記導入される試料の容量が前記キャピラリーの容量以下である、請求項82に記載の方法。
  102. 前記試料の容量が、前記キャピラリーの容量の約25%〜約100%である、請求項101に記載の方法。
  103. 前記導入される試料の容量が約1μL〜25μLである、請求項102に記載の方法。
  104. 前記試料が、1種以上の両性試料成分をそれぞれ約0.1μg/ml〜10mg/ml含む、請求項82に記載の方法。
  105. 前記キャピラリーがポリマーコーティングを備える、請求項82に記載の方法。
  106. 前記ポリマーコーティングが、ポリアクリルアミド(LPA)、メチルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項105に記載の方法。
  107. 前記両性電解質が、Ampholine(商標)、Biolyte(商標)、Pharmalyte(商標)、Servalyt(商標)、およびこれらの組み合わせから選択される両性担体(CA)を含む、請求項82に記載の方法。
  108. 前記両性電解質が、約1%〜約10%のPharmalyte(商標)を含む、請求項107に記載の方法。
  109. 前記両性電解質が、狭いpH範囲の両性担体を含む、請求項108に記載の方法。
  110. 前記両性電解質が、広いpH範囲の両性担体を含む、請求項108に記載の方法。
  111. 前記両性電解質が、Pharmalyte(商標)(1−3)、Pharmalyte(商標)(5−8)、およびPharmalyte(商標)(3−10)から選択されるPharmalyte(商標)を含む、請求項108に記載の方法。
  112. 前記両性電解質が、約2%〜約8%のPharmalyte(商標)(3−10)溶液を含む、請求項111に記載の方法。
  113. 前記試料を前記分離キャピラリーに導入する前に、前記試料中の1種以上の成分を消化する工程をさらに含む、請求項82に記載の方法。
  114. 前記試料中の1種以上の成分がトリプシンで消化される、請求項113に記載の方法。
  115. 前記トリプシンが固体担体上に固定化されている、請求項114に記載の方法。
  116. 前記固体担体が、ポリマー粒子、ガラス、膜、ゲルビーズ、ゾルゲル担体、多孔質シリコンマトリックス、多孔質モノリシック材料、磁性材料、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項115に記載の方法。
  117. 前記試料中の1種以上の成分が、約35℃〜約40℃の温度で消化される、請求項113に記載の方法。
  118. 前記試料中の1種以上の成分が、前記試料をタンパク質分解酵素と共に約5時間〜約20時間インキュベートすることにより消化される、請求項113に記載の方法。
  119. 前記試料中の1種以上の成分が、前記試料をタンパク質分解酵素と共に約10時間〜約15時間インキュベートすることにより消化される、請求項113に記載の方法。
  120. 前記試料中の1種以上の成分が、前記試料をタンパク質分解酵素と共に少なくとも約12時間インキュベートすることにより消化される、請求項113に記載の方法。
  121. 前記試料が、消化後に水で希釈され、両性担体と混合されて、前記分離チャンバに導入される、請求項113に記載の方法。
  122. 前記試料が、水対試料の比約2:1〜1:2で希釈される、請求項121に記載の方法。
  123. 1種以上の成分がタンパク質を含み、前記方法が前記分離チャンバに試料を導入する前に、前記試料中のタンパク質を変性させる工程を含む、請求項82に記載の方法。
  124. 前記試料中のタンパク質を変性させる工程が、熱変性を含む、請求項123に記載の方法。
  125. 前記試料中のタンパク質を変性させる工程が、前記試料溶液をノニオン性界面活性剤と共にインキュベートすることを含む、請求項123に記載の方法。
  126. 前記試料中のタンパク質を変性させる工程が、前記試料を塩基と混合してpH約8〜約10の塩基性溶液を形成することを含む、請求項123に記載の方法。
  127. 試料中のタンパク質を変性させる工程が、前記試料を酸と共にインキュベートしてpH約2〜約3の酸性溶液を形成することを含む、請求項123に記載の方法。
  128. 熱変性が、前記試料を約60℃〜約80℃の高温で少なくとも約5分間インキュベートすることを含む、請求項124に記載の方法。
  129. 前記試料中のタンパク質を変性させる工程が、前記試料を、炭酸水素アンモニウムを含む変性液と共にインキュベートすることを含む、請求項123に記載の方法。
  130. 前記変性液が尿素をさらに含む、請求項129に記載の方法。
  131. 前記試料を還元液およびアルキル化液と共にインキュベートすることをさらに含む、請求項123に記載の方法。
  132. 前記還元液が、ジチオトレイトール(DTT)、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、トリブチルホスフィン(TBP)、およびこれらの組み合わせを含む溶液から選択される、請求項131に記載の方法。
  133. 前記アルキル化液が、ヨードアセトアミド(IAA)、メチルメタンチオスルホネート(MMTS)、β−メルカプトエタノール、またはこれらの組み合わせを含む、請求項131に記載の方法。
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