JP2015508231A - Euvマイクロリソグラフィ用投影レンズ、フィルム素子及びフィルム素子を備える投影レンズの製造方法 - Google Patents

Euvマイクロリソグラフィ用投影レンズ、フィルム素子及びフィルム素子を備える投影レンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

極端紫外線領域(EUV)からの作動波長λを有する電磁放射により、投影レンズの物体面(OS)に配置されたパターンを投影レンズの像面(IS)に結像する投影レンズ(PO)である。投影ビーム路で物体面と像面との間に配置されたミラー表面を有する多数のミラー(M1-M6)を有し、このミラーにより、物体面に配置されたパターンを像面に結像可能である。割り当てられた波面修正装置(WFC)は、波面修正装置の作動モードにおける投影ビーム路に配置され、作動波長λにおいて、光学的使用領域に衝突するEUV線の主たる部分を伝導するフィルムを有するフィルム素子を備える。フィルム素子は第1層を備える。第1層は、第1複素屈折率n1= (1-δ1) + iβ1を有する第1層材料からなり、第1光学層厚を有し、第1光学層厚は使用領域全体に亘って、第1層厚プロフィールに従って局所的に変化する。フィルム素子は第2層を備える。第2層は、第2複素屈折率n2= (1-δ2) + iβ2を有する第2層材料からなり、第2光学層厚を有し、第2光学層厚は前記使用領域全体に亘って、第2層厚プロフィールに従って局所的に変化する。第1層厚プロフィールと第2層厚プロフィールは異なる。第1屈折率の実部の1からの逸脱δ1が、第1層材料の吸収係数β1に対して大きく、第2屈折率の実部の1からの逸脱δ2が、第2層材料の吸収係数β2に対して小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、投影レンズの物体面に配置されたパターンを、極端紫外線(EUV)領域からの作動波長λを有する電磁放射により、投影レンズの像面に結像する投影レンズに関する。更に本発明は、特にこうした投影レンズにおける使用のために備えられたフィルム素子、及びフィルム素子を収容する投影レンズの製造方法に関する。
最近では、マイクロロソグラフィ投影露光法は、主として半導体部品及び他の微細構造部品の製造のために使用される。この場合、マスク(レチクル)又は他のパターニングデバイスが使用される。これらは、例えば半導体部品層の線パターンである、結像されるべきパターン構造を支承又は形成する。パターンは、投影露光装置において照明系と投影レンズとの間で、投影レンズの物体表面の領域に位置しており、照明系により供給された照明放射線で照明される。パターンにより変更された放射線は、投影放射線として投影レンズを通過する。投影レンズは、露光されるべき基板上にパターンを結像する。一般的に、基板は放射線感受性層(レジスト、フォトレジスト)によりコーティングされる。
さらに微細な構造を製造できるようにするために、近年では、度を超えない程度の開口数を備えて作動し、実質的に極端紫外線(EUV)領域からの電磁放射を使用した短波長により、解像能力の増加を達成する投影レンズが開発されている。特に5 nmと30 nmの間の範囲の波長が、この場合使用される。
極端紫外線領域からの放射線(EUV線)は、反射性光学素子を用いては充分に合焦又は導くことができない。なぜなら短波長が、より高い波長において透明である既知の光学材料又は他の材料により、大幅に吸収されるためである。従って、極端紫外線リソグラフィにはミラー系が使用される。EUV領域からの放射線に対して反射効果を有するミラー(EUVミラー)は、一般的に基板を有する。基板上には多層配置が適用される。多層配置は、極端紫外線領域からの放射線に対する反射効果、及び多数の層の対を有する。層の対は、交互に比較的低い屈折率、及び相対的に高い屈折率を備えた層の対を有し、ブラッグ反射器を分布したように作用する。EUVミラーのための層の対は、しばしばモリブデン/ケイ素(Mo/Si)及び/又はルテニウム/ケイ素(Ru/Si)の材料を組み合わせた層により構成される。
EUV投影レンズは複数の、例えば4つ又は6つのミラーを備える。これらのミラーのミラー表面は、投影ビーム路において物体面と像面との間に配置され、物体面に配置されたパターンは、可及的に収差の無いミラーにより、像面内へ結像可能である。物体面と像面の間を走る投影ビーム光線は、波面を形成する。仕様により既定された波面から逸脱すると、許容公差とすることが不可能な結像収差に至る可能性がある。
EUVリソグラフィ用投影レンズの場合、非常に精密に製造された光学素子及び精密なコーティングが要求される。この場合に特に問題となるのは、光学素子の真の状態は(特にコーティングのために)、組み付け状態で作動波長(例えば13.5 nm)においてのみ、十分な精度で測定可能なことである。この状態で、その後の修正に必要な全ての事項には、ミラーを再加工するべく投影レンズを部分に分解する非常に複雑な工程が必要となる。寿命効果を修正するための持続的なコンセプトは、剛体を移動する以外には殆ど存在しない。
本発明の課題は、製造中のEUV投影レンズの調整プロセスを簡略化することである。更なる課題は、作動に左右されて結像性能が変更された場合に、その後の修正を簡略化することである。また更なる課題は、非常に良好な結像性能を有するEUV投影レンズを提供することである。
これらの課題は、請求項1、32又は35の特徴を備える投影レンズ、請求項29の特徴を備えるフィルム素子及び請求項37の特徴を備える投影レンズの製造方法により解決される。
有利な発展形態は、従属請求項により特定される。全ての請求項の表現は、明細書の内容を参照して組み入れられている。
フィルム素子の第1層及び第2層は各々特定の機能を有し、定義された通りに投影ビーム光線上に作用する。投影ビーム光線は、波面のプロフィールをあらかじめ定義可能な方法で変更するために通過する。好適には、波面のプロフィール又は形状がこの場合変更され、投影ビーム路に層が存在する場合に、像面における像形成につながる波面が、波面(所望の波面)の所望のプロフィールに、層が存在しない場合よりも近づく。波面は従って、層を経由する放射線により修正される。
各層(第1層及び第2層)は、波面修正において、求めらるか又は所望の第1機能、及び必然的に同様に存在するであろう第2機能を有し、双方のケースにおいて、第1層及び第2層の材料として選択された材料に各々起因する。材料は、特に材料の複素屈折率又は複素屈折率を決定する光学定数に基づいて決定される。
材料の複素屈折率nは、実部(1-δ)及び虚部iβの合計として、n = (1-δ) + iβにより描写可能である。この表記において、無次元のパラメータδは、屈折率nの実部の値1からの逸脱を表す。無次元のパラメータβは、本出願において吸収係数を表す。
第1層材料の場合では、第1屈折率の実部は値1から、吸収係数よりも大きく逸脱する。その場合、一般的にこれらの2つの値の間の差を可及的に大きくすべきである(即ちδ1 >>β1)。その結果、第1層材料は通過する投影ビーム光線の位相又は位相遅れに対して比較的大きな影響を有し、同時に強度は比較的僅かに吸収されるのみである。この場合、位相遅れ及び吸収の範囲は、対応する放射線貫通位置にあり、第1層厚のプロフィールにより定義される(局所的)な層厚に比例する。第1層は、通過する放射線の位相に対して、位置依存的な比較的大きな影響を有し、同時に吸収は、比較的僅かに、同様に局所的に影響を受けるのみであるため、第1層の(所望の)第1機能は、位置依存的な位相遅れを導入することであり、一方(不可避の)第2機能は、通過する放射線の強度に対して位置依存的に僅かに影響を及ぼすことである。その第1機能のために、第1層は今後「波面修正層」と呼称する。
第1屈折率の実部の値1からの逸脱と吸収係数の間の反対関係が、第2層材料の場合に存在する。ここで吸収係数は、逸脱(即ちδ2<<β2)に関して可及的に大きいものとする。第2層の第1機能は、通過する放射線の強度を位置依存的に減衰させることである。その場合、減衰の範囲は第2層厚のプロフィールの経過により調整可能である。(不可避の)第2機能として、第2層も又、通過する放射線の位相に対して一定の影響を有することがある。しかし、第2屈折率の実部の値1からの逸脱が比較的小さいため、この影響は比較的小さい。第2層の主たる機能のために、第2層は今後「伝導修正層」と呼称する。
瞳面の領域で作用する位置依存的な伝導修正は、ここでは「アポダイゼーション」とも呼称する。従って「アポダイゼーション」という用語は、投影レンズの瞳面における、位置依存的な強度減衰又は位置依存的な伝導損失を意味する。
対照的に、瞳面に対してフーリエ変換された視野面の領域において位置依存的な伝導を修正することは、主として像視野における照明の同質性又は視野の均一性に影響する。
製造中、及び/又は第1層及び/又は第2層の後の処理の間、第1及び第2層厚を目的に従って制御すると、第1層と第2層の組み合わせにより、位置依存的な所望の方法で、通過するビームの波面のプロフィールを修正可能である。その場合、同時に強度減衰の局所プロフィールも、目的通りに設定可能である。従って、第1層と第2層を組み合わせた場合、1つの層は各ケースにおいて、もう1つの層の不所望な第2機能を少なくとも部分的に補償可能であり、必然的に制御不能な位置依存的な伝導損失を導入することなく、層の組み合わせと共に波面の修正を導入可能である。
第1層及び第2層の層厚(及び必要に応じて、フィルム素子の1つ以上のフィルム更なる層)は、この場合全てを合わせても非常に薄いため、光学的使用領域において、層に衝突するEUV線の主たる部分、即ち少なくとも50%のEUV線が層を介して伝導される。
フィルムベースの波面修正装置は(少なくとも1つの)第1層及び(少なくとも1つの)第2層を有し、第1層及び第2層は上述のように設計され、投影レンズのミラーに加えて、光学的な活性層を投影ビーム路に導入する。活性層は、不可避の小さい伝導損失を導入するが、同時に投影放射線の波面に、目的通りの位置依存的な干渉を引き起こす。波面修正は、投影レンズのミラーの位置及び/又は表面形状を変更する必要なく実行可能である。波面修正装置により、元来の据え付け及び調整の後に寿命効果を修正可能である。
フィルム技術を使用した結果、いくつかの実施形態においては、フィルム素子は、光学的使用領域全体に衝突するEUV線に対して、少なくとも70%の透過率を有する。この場合、実際に得ることが可能な透過率は、主として照射される全体の厚み、及び内部で使用された層材料に依存し、フィルムの機械的安定性を危険な状態にすることなく、任意に低減可能である。しかし、光学的使用領域全体において、透過率が80%を超える、又は85%を超える実施形態も又可能である。通常、透過率は90%を超えることはない。なぜなら、層厚が極めて薄いと、そのためにフィルムの安定性に対し、重大な影響を与える可能性があるためである。
更にフィルム素子の透過率は、少なくとも、実行される波面修正のピークバレー値によっては影響されない。通常ピークバレー値が大きいと、少なくとも1つの視野点において位相効果がより大きく変化する。これにより、上述のように第2機能として、前記視野点における伝導挙動の変化の増大が誘発される。
伝導された放射線の偏波状態に実質的に影響を及ぼすことなく、所望の波面修正を確実に実行するために、好ましい実施形態によれば、フィルム素子又は少なくとも一枚のフィルムが、投影ビームの全体の放射線が光学的使用領域上に20度未満、好適には10度未満の入射角で入射するよう配置され、従ってフィルム素子又は少なくとも一枚のフィルムが、フィルムの通常の方向に対して垂直若しくは略垂直、または比較的小さな角度で通過する。その結果、偏波選択的効果を、ほぼ避けることができる。
フィルム素子は、投影ビーム路で所望の修正効果に対して、異なる位置に配置可能である。いくつかの実施形態においては、投影レンズにおいて、少なくとも1つの瞳面は、物体面と像面との間にあり、フィルム素子は瞳面に、又は瞳面に対して光学的に近接して配置される。こうした配置を、今後「瞳に対する近接配置」と呼称する。フィルム素子はその場合、物体面及び結像面の位置に対して実質的にフーリエ変換された位置に配置される。瞳に対する近接配置の場合、物体視野から入射する投影ビームの全ての光線は、投影レンズの特定の光線角度で、光学的使用領域内部の実質的に同一の局所領域でフィルム素子上に当たる。これは、全ての物体視野点に対して、物体視野の物体視野点の位置とは無関係にあてはまる。従って、フィルム素子を瞳面に又は瞳面に近接して配置することにより、全ての視野点に亘る波面に共通のオフセットが修正可能となる。
フィルム素子を物体面又は像面に光学的に近接して配置することも又可能である。中間像面が物体面と像面との間にある場合には、フィルム素子は又、中間像面に又は中間像面に光学的に近接させて配置可能である。物体面、像面、又は必要に応じて中間像面に光学的に近接する位置は、「視野に対する近接配置」又は視野面に対する近接配置と呼称する。視野に対する近接配置の場合、フィルム素子を光学的使用領域内部の異なる位置に配置すると、異なる視野点において挙動が異なり、必要に応じて、波面の収差の視野プロフィールを修正可能である。
視野面と光学的に近接するフィルム素子は、例えば物体面と第1ミラーとの間の領域に配置可能である。
例として、サブ開口率SVは、光学素子又はビーム路の面の位置を定量化するために使用可能である。
明確な定義に従って、投影ビーム路の光学素子の光学的表面のサブ開口率SAは、サブ開口直径DSAと光学的に自由な直径DSAとの間の比率としてSA:= DSA/DCAに従って定義される。サブ開口直径DSAは、所定の視野から発せられるビーム光線により照明される光学素子の部分的表面の最大直径として与えられる。光学的に自由な直径DCAは、光学素子の基準軸周りの最少円の直径である。その場合円は、物体視野から来る全ての光線により照明される光学素子の表面領域を含んでいる。
従って視野面(例えば物体面又は像面)において、SV = 0が当てはまる。瞳面では、SV=1が当てはまる。従って、「視野に近接する」面は、0に近いサブ開口率を有し、一方「瞳に近接する」面は、1に近いサブ開口率を有する。一般的に、瞳に近接して配置されたフィルム素子の場合、サブ開口率は好適には、0.5と1、特に0.7と1との間の範囲である。視野に近接して配置されたフィルム素子の場合、サブ開口率は好適には、0と0.5との間に、特に0と0.3との間の範囲となる。
第1層及び第2層の相対的配置については、多様な可能性がある。
第1層は第2層に対して、放射線がまず第1を通過し、その後に第2層を通過するよう配置可能である。反対の配置も又可能である。
第1層及び第2層の双方に対応する多層フィルムを有するフィルム素子を提供可能である。この場合、第1層及び第2層は同一の多層フィルムに位置しており、その結果、層の相対的方向及び局所的な割り当てが特に精密となる。更に、共通の多層フィルムに統合するため、両層が同一の多層フィルムの機械的安定性に貢献し、伝導損失が特に小さく保てるという利点がもたらされる。
1つを上回るフィルムを提供することも可能であり、その場合、第1層は第1フィルムに、第2層は第2フィルムに取り付けられ、第2フィルムは物理的に第1フィルムと分離する。この変形形態により、特に、第1層厚プロフィール及び第2層厚プロフィールを互いに独立して製造可能であり、必要に応じて、実質的に変更してより単純化が可能であるという利点がもたらされる。両フィルムの1つまたは双方は、多層フィルムとして具体化可能である。
必要に応じて、フィルム素子は又単層フィルムを備えることが可能である。その場合、フィルムはもっぱら第1層又は第2層により形成される。こうした単層フィルムは、不均一性の層厚を有する。その場合層厚は、同時に全体のフィルム厚となる。単層フィルムは、更なる単層フィルム(それぞれ他の層材料で構成される)又は多層フィルムと組み合わせ可能である。
雰囲気又は雰囲気による作動又は汚染と接触した結果、厳密な意味での元来の単層フィルムは多層フィルムとなる。好適には、層の表面上に、例えば単一フィルム層を重ねた材料の酸化生成物のような異なる材料が、薄く領域的又は点状に堆積する。更に可能な追加層としては、フィルム層が雰囲気と接触した結果生じる炭素付着物、又は揮発性金属水素化物から構成される付着物がある。それは又、多層フィルムと周囲の大気との間のインターフェイスに関しても同様である。
放射線が通過する第1層及び第2層に互いに割り当てられた領域に関して、所望の局所的な割り当てが精度を十分とするためには、第1多層フィルムと第2多層フィルム(又は単層フィルム)との間の光学的及び/又は幾何的間隔を非常に小さくすることが有利である。
幾何学的間隔は、一般的に10センチメートル未満、特に1センチメートル未満とすべきである。数ミリメートルから1ミリメートル、必要に応じてそれを下回る範囲の間隔が有利となり得る。
光学的間隔は、好適には第1及び第2層(多層フィルム又は単層フィルム)の領域において、サブ開口率が実質的に同一又は非常に類似しており、両多層フィルムが光学的視点から見て、実質的に同一の投影光線を「見る」よう選択される。
特に、第1及び第2フィルムのサブ開口率は、互いに0.05未満、又は0.01未満で逸脱することとする。
原則的に、もし第2フィルムが光学的に第1フィルムに近接する場合、又は第2フィルムが、第1フィルムの位置に対して光学的に共益関係にある位置で、第1フィルムから間隔をおいて配置される場合が有利である。投影レンズの場合には、中間像は物体面と像面との間に生成される。例えば、第1フィルムを、物体面と中間像との間の第1瞳表面の領域に配置し、第2フィルムを、中間像と像面との間の第2瞳表面の領域に配置することが可能である。
一方いくつかのケースにおいては、フィルム素子を瞳に又は瞳に近接して位置させること、及び更なるフィルム素子を視野に又は視野に近接して位置させることも有利である。その結果、視野において一定及び視野において変化する波面の障害を修正可能である。
第1層材料及び第2層材料の材料選択のために、以下に述べる考察は個々に又は組み合わせて有用である。
例えば、第1層材料及び第2層材料のために効率比Vi = δiiを定義することが役立つ可能性がある。効率比率は、層の各第1機能のための層材料の、適合性を質的に測定するものである。第1層材料の場合、第1効率比、V111は1を上回るものとし、好適には5を上回り、理想的には10を上回るものとする。そうした層材料は、同時に伝導損失の位置依存性が比較的小さい、所望の波面輪郭を得るために特に効果的である。対照的に、第2効率比、V222は1未満である。その場合、0.6未満の値、又は更に0.2未満の値が得に有利とみなされる。この場合、比較的層厚により依存する、位置依存的な強度減衰は、波面に対して影響を小さくして得ることが可能である。
有利な実施形態においては、いわば各効率比の比率であるV1/V2の比率は、2を上回る。好適には、この比率は10を上回り、理想的には20を上回るものとする。可能な限りV1/V2 > 50を当てはめることが可能である。これらの状態が当てはまる場合、各層材料はその要求(伝導損失を小さくして波面を修正する、又は波面に対する影響を小さくして伝導を修正する)に特に良好に適合している。従って、望ましい機能を得るための絶対的層厚を小さく保つことが可能であり、その結果今度は、総合的な伝導が比較的高い値を達成可能である。
適正な材料の組み合わせは、特に作動波長に依存する。作動波長は、5 nm乃至20 nmの波長範囲が好適である。
7 nm乃至20 nmの波長範囲からの作動波長、特に約13.5 nm周辺の波長を得るためには、第1層材料を以下の群から選ぶことが好適である。ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ベリリウム(Be)、金(Au)、イットリウム(Y)、ケイ酸イットリウム(Y5Si3)、ケイ酸ジルコニウム(ZrSi2)、又は主として、特に少なくとも90%の範囲まで、これらの材料の1つからなる材料組成。
第2層材料は、ケイ素(Si)及びゲルマニウム(Ge)からなる群より選ばれるか、又は主として(例えば少なくとも90%の範囲まで)これらの材料の1つからなる材料組成より選ばれることが好適である。
もし約6 nmと約7 nmとの間の範囲の作動波長が使用された場合、第1層に適した材料としては、例えば以下が挙げられる。NbOB4C, NbO2, Nb2O5, RuO4, MoO2, Rh2O3, C, Te, In, Ba, Sn, RuO2, MoO3, La。及び第2層材料としては、材料Y又はRb、又は主として(例えば少なくとも90%の範囲まで)これらの材料の1つからなる材料組成。
総合的な伝導に関しては、前記総合的な伝導が、実行される波面修正の範囲に依存することを又考慮すべきである。例えば、モリブデン(Mo)が第1層の材料として使用された場合、波面PV値の1 nmの修正は、約7.5 %の伝導変化及びそれに対応する伝導損失と共に「購入」される。波面収差がより小さく修正される場合、その際には対応してより小さな層厚で十分であり、その結果伝導変化及び伝導損失もまた小さくなる。
第1層厚を局所的に変更することで得られる波面修正の範囲は、特にいわゆるPV比率に依存する。PV比率は、光学的使用領域の第1光学層厚の、最大局所値と最少局所値の間の比率である。好適な実施形態においては、前記PV比率は2乃至6の範囲とする。PV比率が2を顕著に下回った場合、通常比較的僅かに波面が修正されるのみである。そのため、必要とされる労力と、結果として得ることが可能な利益とは、互いの関連性において算出されるべきである。対照的に、PV比率が6を顕著に上回った場合、通常最大の局所的層厚が非常に大きくなり、それに伴って伝導損失が限界となる可能性がある。
第2層の層厚を変化させることに関して、対応して考察を行うことが有用であるかもしれない。この場合でも、PV比率は好適には2乃至6の範囲とする。第2層材料として例えばケイ素が使用された場合、達成可能な伝導修正と導入される伝導損失との間で良好に妥協を図るためには、約20 nmと約70 nmとの間の層厚で十分である場合が多い。
双方のケースにおいて、PV比率の計算は材料依存性の最少層厚に依存し、最少層厚はアンダーショートされないこととする。
第2層厚のプロフィールが第1層厚のプロフィールに対して相補的である実施形態は、特に得策である。この場合「相補的」との用語は、厳密に数学的意味で理解されるべきではなく、むしろ、第1層及び第2層が互いに反対の局所的な層厚分布を有する傾向にあることが好適である、との意味で理解されるべきである。特に、第2層厚のプロフィールが、第1層が第1層厚の局所的最少厚を有する位置で最大層厚を有するような状態が可能である。伝導修正層は従って、関連する波面修正層が「バレー」を有する位置で「ピーク」を有することが好適である。その結果、第1層により導入される伝導損失の位置依存的な変化が、少なくとも部分的に、第2層厚を用いた波面修正層により補償可能であるという光学的効果が達成される。限定的なケースにおいてこのことは、第1及び第2層を備えるフィルム素子の伝導損失が、光学的使用領域全体に亘って実質的に均一であり、位置依存的に変化する波面修正のみが残る、ということを意味することが可能である。相補的な層厚プロフィールの結果、更にフィルム素子の総合的な厚みが光学的使用領域において、比較的僅かにのみ変化し、ほぼ均一なフィルム厚が達成される。このことは、特に機械的安定性にとり有利となり得る。
いくつかのケースにおいては、投影レンズの伝導にある程度の変動、例えば0.1%、さもなくば1%、又更に10%の変動を有することが許容可能である。この変動範囲は、局所的変化をより少なくして伝導修正層を提供するために使用可能である。これは、伝導修正層が、修正プロフィールが比較的劣った材料(例えばSi)である場合に、有利となり得る。
波面修正の有効性に関して、第1層及び第2層の層厚が、フィルムが最大波面変化の領域において、作動波長の少なくとも3%の波面変化を引き起こすよう設計されている場合、更に有効となり得る。13.4 nmの作動波長に対しては、これは例えば約0.4 nmの最小波面修正に対応するであろう。
伝導変化を可及的に小さくして波面修正を効果的に達成するために、多くの実施形態においては、第2層厚を光学的使用領域における少なくとも1つの位置で、作動波長よりも大きくして提供している。この特徴により特に、波面修正用に提供された層システムは、既知の多層ミラー層と明確に区別可能である。既知の多層ミラー層においては、個々の層の層厚は一般的に作動波長のフラクションに過ぎず、例えば1/4波長層のケースが挙げられる。
一般的に、ここで考慮されているフィルムのタイプは、第1フィルム表面、第2フィルム表面、及び第1と第2フィルム表面との間で測定された1μm未満のフィルム厚を有する。その場合、フィルム厚は好適には200 nm以下、特に100 nm以下とする。30 nm以下、又は更に25 nm以下のフィルム厚の場合、多層フィルムの機械的安定性に関して問題が生じる可能性がある。200 nmと25 nmとの間の範囲のフィルム厚であれば、一方の機械的安定性と、他方で許容可能な伝導損失を伴う十分に大きな波面修正との間で、良好に妥協を図ることができる。
ここで考慮されているフィルムのタイプは、一般的に長期使用のために提供されるものであり、光学的機能は比較的長期間(必要に応じて数年間)に亘ってほぼ不変である。いくつかの実施形態においては、フィルムは少なくともの1つのフィルム表面において、保護層材料からなる外側の保護層を有する。保護層材料は、保護層直近の内側の層よりも周囲の影響に対する耐性が強い。保護層材料として適切であるのは、例えばルテニウム(Ru)又はロジウム(Rh)があり、これらは時に、EUV範囲用の多層ミラーにおけるいわゆる「キャップ層」としても使用される。炭素(C)、イリジウム(Ir)及びケイ素(Si)も又、保護層に適している。保護層が主として酸化物又は窒化物、特にSi3N4(窒化ケイ素)からなる場合が得策となり得る。こうした材料はルテニウム又はロジウムに対して吸収性が低く、伝導損失を小さく保つことができる。好適には、両フィルム表面は、外側の保護層を備える。保護層は、外側層の酸化物又は窒化物により形成可能である。
多くのケースにおいて、多層フィルムが個々の層の個数を可及的に少なく抑え、伝導損失及び界面効果を小さく保持可能であることが有利である。好適な実施形態においては、多層フィルムは単一の第1層のみ、及び/又は単一の第2層のみを備える。その結果、所望の光学的機能を、可能な限り最高の伝導と共に確保可能である。
多層フィルムが、作動波長に対して反射低減効果を有する少なくとも1つの反射防止層を備えることが有利となり得る。その結果、伝導を改善可能である。反射防止層は、例えば作動波長の半分の桁の光学的層厚を有することが可能である。反射防止層は、例えば第1層及び/又は第2層の直近に備えることができる。
代替的又は追加的に、多層フィルムは1つ以上の機能層を備えることが可能であり、機能層は追加機能を提供する。例えば、1つのフィルタ層(又は複数のフィルタ層)を1つのフィルム表面又は両フィルム表面に備え、それほど所望されない波長を投影放射線から低減する又は取り除いてもよい。フィルタ層は、多層格子又は回折格子を備えることが可能である。
第1及び第2層は、互いに直近して配置可能である。少なくとも1つの中間層を第1層と第2層との間に配置することも又可能である。中間層は、例えば反射防止層とすることが可能である。第1及び第2層材料に応じて、中間層として拡散バリア層を挿入することも又有利である。拡散バリア層は、例えばC, B4C, SixNy, SiC, Mo2C, MoSi2, Y5Si3 又はNb4Si、又はこれらの材料の1つを有する組成物からなる。拡散バリア層は、反射防止層としても設計可能である。
多層フィルムは、2つ以上の個々の層を備える。ここで考慮されている多層フィルムのタイプは、一般的に、投影ビーム路で可能な限り小さい伝導損失を起こすことを意図している。従って多くのケースにおいて、多層フィルムが第1層及び第2層に加えて、10層を下回る更なる層を備える場合が有利である。多層フィルムは個々の層を、例えば5層と9層との間で備えることが可能である。
第1層及び/又は第2層は、製造に使用するコーティング方法の結果として、略均質の層構造を有することが可能である。多くのケースにおいて第1層及び/又は第2層は、主として又は完全に非晶質層構造を有する。安定性のための理由により、層材料の結晶化を防止するための特別の方法を使用することが得策であろう。このために、第1層及び/又は第2層を異質な層構造で構成することが特に得策であろう。第1層がモリブデンベースである場合、特に、要求される層厚により第1層に内側の層構造を導入することが得策であろう。内側の層構造においては、モリブデンよりなる比較的厚い部分層が、結晶化ストップ層により分離される。結晶化ストップ層は部分層と比較して非常に薄く、実質的に光学的機能を有さない。いくつかの実施形態においては、結晶化ストップ層の層厚は1 nm未満とし、一方隣接するモリブデン部分層の層厚は、2倍、5倍又は10倍を上回る厚さとすることが可能である。層厚の設計において、結晶化ストップ層及び基材層の因果的連鎖の結果である反射効果が発生しないよう、減衰を与えるべきである。これは、例えば個々の部分層が不均一の層厚を有すること、及び/又は境界層間の光学的間隔が、λ/4の倍数から著しく逸脱することにより達成可能である。
フィルム素子又は光学的使用領域のサイズは、各取り付け位置において影響を受ける投影ビームの断面に対して適合させることが可能である。いくつかの実施形態においては、光学的使用領域は50 nm以上の最小直径を有する。特に最小直径は、100 nm以上、又は120 nm以上、又は150 nm以上とすることが可能である。このように使用された直径が比較的大きいことにより、特に、投影レンズのビーム路の瞳面の領域に適用可能となる。
フィルム素子の機械的安定性を、長時間に亘って確保するために、いくつかの実施形態により、格子状の支承構造を有するフィルム素子が提供される。格子状の支承構造は、光学的使用領域において多層フィルムと接触し、多層フィルムを安定させる。格子状の支承構造は、例えばハニカム構造を有する。ハニカム構造は、六角形又は他の多角形の開口(例えば三角形、四辺形、正方形、長方形の開口)を形成する支柱を有する。開口の直径は、1 mm未満の桁、例えば300 μm未満、及び/又は100 μmと200 μmとの間とすることが可能である。
ハニカム構造のような安定構造をエンボス可能によりフィルム上に生成してもよく、安定支承部分がフィルム材料からなる。
ハニカム状の支承構造を有するフィルム素子は、米国特許第7,639,418号明細書から既知であり、例えば投影露光装置のEUV光源の領域における「スペクトル純度フィルタ」として、この明細書内で使用されている。米国特許第7,982,854号明細書は、比較的薄い偏波ビームを開示する。偏波ビームは素子をフィルム形状に分割し、フィルム形状は有孔性支承構造を備え、機械的に安定可能である。これらの偏波光学素子は、偏波選択的効果を達成するためにビーム路で斜めに配置される。
代替的又は追加的に、フィルム素子の熱的安定性を特定の方法で改善してもよい。いくつかの実施形態においては、EUV線にさらされるフィルム素子の領域からの熱消散を向上させるために、光学的使用領域において多層フィルムと接触する格子状の支承構造を、フィルム材料の熱伝導性よりも顕著に大きな熱伝導性を有する材料製としてもよい。格子状構造又はその支柱は、例えば以下の金属材料製及び/又は炭素ベース材料としてもよい。銅(Cu)、ニッケル(Ni)、グラフェン又はカーボンナノチューブ(CNT)又はそれらの組み合わせを、熱伝導性格子を形成するために使用してもよい。格子のサイズ及び形状は、上述と類似してもよい。
投影レンズで使用するために、フィルムが光学的使用領域で自立支承するようフィルム(単層フィルム又は多層フィルム)を支承するフレームを有するフィルム素子を提供することが好適である。全てのフレーム素子は、従って光学的使用領域の外側にあり、その結果、結像を妨げることがない。
好適な実施形態においては、投影レンズのミラーを取り外すことなく、フィルム素子は投影ビーム路内部へ合体可能、又は格子から取り外し可能である。その結果、フィルム素子による波面修正のための労力を、特に低く抑えることが可能である。これは、投影レンズが、ミラーを投影ビーム路のミラーの位置に保持するための支承構造を有し、フィルム素子が、支承構造に対して可動な可変ホルダ上に配置されているという事実により構造的に達成可能である。フィルム素子は、可変ホルダを移動させることにより、投影ビーム路に又は投影ビーム路の外側に光学的に配置可能である。その結果、後に要求される元来の調整及びメンテナンス作業が、必要に応じて特に簡素化される。投影レンズ上に、計画された取り付け位置の各々に関して、フィルム素子を投影レンズのビーム路に配置するための、対応するアクセスシャフトが備えられる。
フィルム素子が交換可能であることは、複数の方法において有用である。交換可能なフィルム素子を、選択的に投影ビーム路の内部に持ち込むか、又は取り去ってもよい。第1フィルム素子を、第1フィルム素子とは異なる効果を有する第2フィルム素子と交換してもよい。その結果、投影レンズの結像特性を特定のアプリケーションのための要求に従って変更してもよい。場合によっては、これはミラーの位置及び/又は形を変えないで達成されるかもしれない。投影レンズは、異なるフィルム素子のセットを備えてもよい。エンドユーザはこうしたフィルム素子を使用し、投影レンズの結像特性を必要とされる特定の使用ケースに適合させる。例えば、特定パターンを適切に結像するために、フィルム素子は照明系に設定された照明装置に応じて交換してもよい。
フィルム素子(フィルム及びフィルムを支承するフレームを備える)は、別のフィルム素子に交換してもよい。この別のフィルム素子は、一般的には同一タイプのフレームを備えるが、異なるフィルムを備える。代替的に、フィルム素子を含む交換可能ホルダを、フィルム素子を備えるか、又は備えない別の交換可能ホルダに交換してもよい。
第1及び第2層の層厚の局所プロフィールに関しては、フィルム素子の全域に亘って十分な伝導が確保されている限り、基本的な制限はない。従って、回転対称的な層厚プロフィール、又は放射状に対称的な層厚プロフィール、又は層厚が使用波において横方向に傾斜することも可能である。従って、必要に応じて特に系統的な収差を修正可能である。
しかし好適な実施形態において、フィルム素子は投影レンズにおける残存収差を修正するために使用され、好適な実施形態において、層厚プロフィールは一般的に、高次のゼルニケ関数を重ね合わせることにより、近似的にのみ描写可能である。この関数は一般的に、投影レンズにおいてランダムに生成される変動に依存して発生する。一般的に、例えば第1層は、光学使用領域において、鏡面対称性、放射状対称性又は回転対称性のいずれをも有さない層厚プロフィールを備える。
全ての適切な製造方法は、層厚プロフィール又は局所的に異なる層厚を有する層を製造するために使用可能である。非均一な層厚は、適切な方法を実施して層を製造しているコーティング法の間に、例えばコーティング粒子の材料流を局所的に異なる範囲で作り出すのに適したマスキング法を使用して製造可能である。すでに製造された層を再加工し、その結果層厚プロフィールを変更することも又可能である。例えば、局所的に異なる範囲で材料を取り除くことは、イオンアシスト材料除去(IBF:イオンビームフィギュアリング)により可能である。これは、例えば所望の、必要に応じて非対称的な層厚プロフィールを、第1層、及び/又は均一な厚さのスタート層、又は回転対称的な層厚プロフィールを有するスタート層から続く第2層に対して製造するためである。
少なくとも1つの波面修正フィルムを使用して投影レンズを製造する際に、例えば以下のステップを適用可能である。まず、投影レンズ用に備えられた結像ミラーは、ミラー表面が投影ビーム路で物体面と像面との間に位置するよう、支持機構に配置され、結像が物体面と像面との間で実行可能である。更に、少なくとも1つのフィルムの要素は投影ビーム路の内部で既定の取り付け位置に、例えば瞳面の光学的近傍に取り付けられる。
投影レンズ上ではそれから、まず通常の通常の調節操作が行われる。通常の調節操作には、例えば個々のミラーの剛体移動が行われ、及び/又はマニピュレータに支承された個々のミラーの変形が行われる。これらの調節操作によって、生成された波面を所望の仕様に可及的に近づける試みが可能になる。この場合、投影レンズの波面収差は、必要に応じて測定値により繰り返して決定される。例えば、この目的のために干渉測定を使用可能である。
この第1調節段階の後にも、一般的には投影レンズに残存収差がある。この残存収差はもはや修正不可能であるか、又はミラー上で操作する著しい労力によってのみ修正可能である。
測定された波面収差に基づいて、その後、投影ビーム路で、(少なくとも1つの)フィルム素子が位置している修正位置に関して、位置依存的な波面修正が、測定された波面収差から計算される。
要求される波面修正は、その後、第1層及び/又は第2層の層厚プロフィールを、所望の波面修正を得るべく変更する方法を計算するために使用される。
この後に、第1層及び第2層のための所望の層プロフィールを備えたフィルム素子の完成が続く。材料除去方法及び/又は材料確定方法を、この場合使用可能である。
この後に、変更された(処理された)フィルム素子の新たな取り付け、及び今や修正されたフィルム素子を含む投影レンズの波面収差を更に決定するステップが続く。フィルム素子を処理するプロセス及びそれに続く測定は、投影レンジに適合したフィルム素子を含む投影レンズが既定の仕様となるまで、必要に応じて繰り返すことが可能である。
フィルム素子を段階的(反復的)に完成させる一つの可能性として、1つのみの支承層又は複数の支承層、及び第1層をまず施すことがあり、これは、所望の波面修正に著しく貢献する。この後に、フィルム素子と共に取り付け及び測定が続き、それに基づいて、後に施される第2層の光学的効果を考慮し、目的とする第1層のための層厚プロフィールが計算される。
その後、第1層は局所的に異なるよう処理、例えばイオン照射(イオンビームフィギュアリング)により、所望の第1層厚プロフィールが得られるよう処理される。計算された局所的に変化する層厚を有する第2層が、それから施される。従って、更に完成度の高まったフィルム素子が与えられた位置に再度取り付けられ、フィルム素子が所望の波面修正を行うか確認するために、更なる測定が行われる。測定が望むものでなければ、可能性のある残存収差を除去するために、更なる材料除去処理を、今度は第2層に対して実行可能である。必要に応じて、このステップは繰り返し可能である。その後、第1層及び第2層が共に所望の光学的効果を有する場合、必要に応じて、例えば外側の保護層等の更なる層を、フィルム素子を完成させるために施すことが可能である。
代替的に、第1層が施された未処理の層スタック原料から開始することも可能である。この場合、一方の側にイオン照射(イオンビームフィギュアリング、IBF)することからアクセス可能であり、第2層は別の側(一般的には第1層の反対側)からイオン照射することからアクセス可能である。その結果、1つの側から、1つの層で所望の層表面を得るために、1つ以上の処理ループが実行可能である。もう一方の側から、もう一方の層で所望の層表面を得るために、1つ以上の処理ループが同様に実行可能である。
フィルム素子はそれから、備えられた取り付け位置に取り付けられ、フィルム素子を装備した投影レンズは、容認可能とみなされる非常に小さな残存収差のみを有する。
容認測定は、例えば好適には投影ビーム路のフィルム素子と共に実行可能である。適切に表面処理された修正素子(フィルム素子)を製造するための測定は、すでに取り付けられた(及び例えば交換可能な)フィルム素子と共に、又はそうしたフィルム素子無しで、又は表面処理されていない、一定の層厚を有するフィルム素子と共に実行可能である。
本発明は又、以下のステップを含むマイクロリソグラフィ投影露光装置の投影レンズの製造方法に関する。
多数のミラーを与えられた位置に取り付けるステップであって、ミラー表面を投影ビーム路で物体面と像面との間に配置し、物体面に配置されたパターンが、ミラーにより像面内に結像可能であるステップと、
投影レンズの波面収差を決定するステップと、
取り付け位置のために、投影レンズの波面収差から位置依存的な波面修正を計算するステップと、
フィルム素子を処理するステップであって、フィルム素子を取り付けられた位置で投影ビーム路内に挿入する場合、波面修正はフィルム素子の影響を受けるステップと、
処理されたフィルム素子を、取り付け位置に取り付けるステップ。
従ってこの場合、投影レンズはまずフィルム素子無しで測定される。
本方法は又、波面収差の決定に先立ち、フィルム素子を投影ビーム路内部の既定の取り付け位置に取り付け、波面収差の決定後、フィルム素子を投影ビーム路から取り除き、それから処理されるよう実行することも可能である。
本願明細書中に記載された1つ又は複数の箔素子は、EUV線を使用した反射マスク(レチクル)部分を検査するための光学マスク検査システム用に設計されるか、又は検査システム内に合体された投影レンズにおいて波面に影響を与えるために使用可能である。マイクロリソグラフィ用投影露光装置での使用のために設計された投影レンズが、一般的に縮小型光学結像システムである一方で、マスク検査システムでの使用のために設計された投影レンズは、拡大型光学結像システムであり、物体よりも大きな像を生成する。米国特許出願公開第2012/140454号明細書は、マスク検査システムでの使用のために設計された、拡大型の投影レンズの例を開示している。このレンズに、本開示による1つ以上の箔素子を装備することが可能である。箔素子は、永久的に取り付けても、又は交換可能としてもよい。本明細書中の「投影レンズ」という用語は、拡大型光学結像系及び縮小型光学結像系の双方を含むものとする。
上記及び下記の特徴は、請求項のみでなく明細書中の記載及び図面から明らかである。個々の特徴は各ケースにおいて、個々の特徴により又は複数の特徴を部分的に組み合わせた形状で、本発明の実施形態及び他の分野において実行可能である。個々の特徴は、有利な実施形態及び本質的に保護可能な実施形態を構成可能である。本発明の代表的な実施形態を、以下の図面をもとに詳述する。
本発明の1つの実施形態によるEUVマイクロリソグラフィ投影露光装置の部品を示す図である。 波面修正のための多層フィルムの1つの実施形態による波面の修正のための多層フィルムの概略的断面図である。 波面修正フィルムの構成に適した複数の層材料を示す、複素屈折率のδ-βグラフである。図3Aはλ = 13.5 nmの層材料を、図3Bはλ = 6.9 nmの層材料を示す。 層厚プロフィールの具体例に基づき、Moにより構成され第1層及びSiにより構成された第2層の光学的作用を示す図である。 層厚プロフィールの具体例に基づき、Moにより構成され第1層及びSiにより構成された第2層の光学的作用を示す図である。 層厚プロフィールの具体例に基づき、Moにより構成され第1層及びSiにより構成された第2層の光学的作用を示す図である。 第1層及び第2層が、光学的に互いに近接した空間的な分離層に配置された実施形態の概略的断面図である。 第1層および第2層が、安定したフィルム基板の反対側に配置された多層フィルムの実施形態の概略的断面図である。 本発明の別の実施形態によるEUVマイクロリソグラフィ投影露光装置の部品を示す図である。 実施例を使用した際に得られる結果を示すグラフである。
図1は、本発明の1つの実施形態によるEUVマイクロリソグラフィ投影露光装置の部品を示す図である。EUVマイクロリソグラフィ投影露光装置は、放射線感受性基板Wを露光する。放射線感受性基板Wは、投影レンズPOの像面ISの領域に配置され、反射性パターニングデバイス又はマスクMのパターンの、少なくとも1つの像を備える。パターンは、投影レンズの物体面OSの領域に配置される。
記載を容易にするため、デカルトのxyz座標システムを特定する。その座標から、図面に帰された部品の各位置関係が明らかと成る。投影露光装置WSCは、スキャナタイプである。マスクM及び基板は、投影露光装置が作動している間Y方向に同時に移動し、その結果スキャンされる。
装置は、主放射線源RSの放射線により作動される。照明系ILLは、主放射線源の放射線を受け、パターン上へ向けられた照明放射線を形成する。投影レンズPOは、パターンの構造を感光性基板上へ結像する。
主放射線源RSは、特にレーザプラズマ源又はガス放電源又はシンクロトロンベースの放射線源とすることが可能である。こうした放射線源は、特に5 nmと15 nmとの間の波長を有するEUV領域において放射線RADを生成する。照明系及び投影レンズが上述の波長領域で作動可能であるように、照明系及び投影レンズは、EUV線を反射する部品と共に構成される。
放射線源RSから発する放射線RADは、コレクタCOLにより収集され、照明系ILLへと向けられる。照明系は混合ユニットMIX、望遠光学ユニットTEL及び視野形成ミラーFFMを備える。照明系は放射線を形成し、従って投影レンズPOの物体面OSに又はその近傍に位置する照明視野を照明する。この場合、照明視野の形状及びサイズは、物体面OSにおいて効果的に使用された物体視野OFの形状及びサイズを決定する。
反射レチクル又は他のいくつかの反射パターニング装置は、装置の作動の間、物体面OSに配置される。
混合ユニットMIXは、実質的に2つのファセットミラーFAC1、FAC2からなる。第1ファセットミラーFAC1は、照明系の面に配置され、この面は物体面OSに対して光学的に共益関係にある。従って、第1ファセットミラーFAC1は視野ファセットミラーとしても設計される。第2ファセットミラーFAC2は、投影レンズの瞳面に対して光学的に共益関係にある照明系の瞳面に配置される。従って、第2ファセットミラーFAC2視野ファセットミラーとしても設計される。
ファセットミラーFAC2、及びビーム路で下流に配置され、望遠光学ユニットTELを備える結像光学アセンブリ、及び斜入射により作動される視野形成ミラーFFMにより、第1ファセットミラーFAC1の個々のミラーリングファセット(個々のミラー)は物体視野内に結像される。
視野ファセットミラーFAC1における空間的(局所的)な照明強度分布は、物体視野における局所的な照明強度分布を決定する。瞳ファセットミラーFAC2での空間的(局所的)な照明強度配分は、物体視野における照明角度強度分布を決定する。
投影レンズPOは、投影レンズの物体面OSに配置されたパターンの物体面に対して光学的に共益関係にあり、物体面に平行する像面IS内への結像を低減する。結像は、おおよそ作動波長λである極端紫外線領域からの電磁放射により影響を受け、この場合の作動波長λは、例えば13.5 nmである。
投影レンズは6つのミラーM1乃至M6を備え、ミラーM1乃至M6はビーム路PRで物体面OSと像面ISとの間に、物体面OS又は物体視野OFに配置されたパターンが、ミラーM1乃至M6により像面又は像視野IF内に結像可能であるように配置される。この場合、物体面と像面との間を走る投影ビームの光線が波面WFを形成する。
EUV領域からの放射線に対して反射効果を有するミラーM1乃至M6(EUVミラー)は、各々が基板を備える。基板上には多層配置が適用される。多層配置は、極端紫外線領域からの放射線に対する反射効果及び多数の層の対を有する。層の対は、交互に相対的に低い屈折率及び比較的高い屈折率を備えた層の対を有し、ブラッグ反射器を分布したように挙動する。
層の対(二層)は、屈折率のより高い実部を有する層材料の層(「スペーサ」とも称する)及びこの層材料に対して、屈折率のより低い実部を有する層材料の層(アブソーバ)とも称する)を交互に施されている。層の対は、例えばモリブデン/ケイ素(Mo/Si)及び/又はルテニウム/ケイ素(Ru/Si)の層材料の組み合わせにより構成可能である。この場合、ケイ素は各スペーサ材料を、一方Mo及び/又はRuは各アブソーバ材料を形成する。層の対は、少なくとも1つの更なる層、特に挿入バリア層を含むことが可能である。挿入バリア層は、例えばC, B4C, SixNy, SiC、又はこれらの材料の1つを有する組成物からなることが可能であり、接触面における相互拡散を防止することを意図している。
各ミラーM1乃至M6は、湾曲したミラー表面を有し、各ミラーが結像に貢献する。物体視野OFから来る投影ビーム路の光線は、まず僅かに凸状に湾曲した第1ミラーM1に入射する。第1ミラーM1は、光線を僅かに凹状に湾曲した第2ミラーM2へと反射する。第2ミラーM2は、光線を僅かに凸状に湾曲した第3ミラーM3に反射する。第3ミラーM3は、光線を凹面鏡M4に対して平行に偏向する。凹面鏡M4は、光線を第5ミラーM5上へと反射する。第5ミラーM5は、幾何学的に像面に近接し、僅かに凸状に湾曲したミラー表面を有し、光線を大きな凹面鏡M6へと反射する。凹面鏡M6は像面からの最終ミラーであり、光線を像視野IFの方向へ収束する。
投影レンズは2つの部分レンズからなる。この場合、最初の4つのミラーM1乃至M4は第1部分レンズを形成し、第1部分レンズは、光線路で第4ミラーM4と第5ミラーM5との間で中間像IMIを生成する。中間像は、物体面及び像面に対して光学的に共益関係にある中間像面にある。幾何学的に、中間像は第6ミラーM6と並んで配置される。第5及び第6ミラーからなる第2部分レンズは、中間像を像面上に縮小して結像する。
このような構造又は類似の構造を有する投影露光装置及び投影レンズは、例えば米国特許第7,977,651号明細書により開示されている。この特許の開示は、参照により本明細書の内容に組み込まれる。
投影レンズPOは、波面修正装置WFCを備える。波面修正装置WFCは、光学的使用領域UAを有するフィルム素子を備える。光学的使用領域は、波面修正装置の図示の作動モードにおいて、投影ビーム路PRに配置される。多層フィルムMFはEUV線に対して部分的に透過性を有し、単一ビーム路で第2ミラーM2と第3ミラーM3との間に配置される。光学的見地からは、多層フィルムMFは第1部分レンズの瞳面PS1と中間像IMIとの間に、瞳表面PS1に近接して位置する。サブ開口率は、例えばフィルム素子の位置で0.8と0.95との間の範囲が可能である。
多層フィルムMFは、大きな平面光学素子であり、投影ビーム路に、放射線が多層フィルムMFを実質的に垂直に通過するよう、すなわち実質的に多層フィルムMFの表面法線Nに平行して通過するよう配置される。光線方向と表面法線Nとの間で測定された入射角は、10度未満の範囲である。従って、偏波選択的効果が避けられ、多層フィルムMFの伝導は、実質的に偏波状態又は通過する光線の電界ベクトルの振動方向に依存する。
フィルム素子FEは、機械的に安定したフレームRを有する。フレームRは、実質的に環状に構成され、多層フィルムが光学的使用領域UAで自立するよう多層フィルムMFを支承する。従って、全てのフレーム素子は光学的使用領域の外側に位置する。自立フィルムは、張られるか又はたわむことが可能である。必要に応じて、自立フィルムが僅かにしわを形成することが可能である。
他の実施例においては、光学的使用領域で多層フィルムを安定させるために、格子状の支承構造を備える。この支承構造は、光学的使用領域で多層フィルムと接触し、この多層フィルムを安定させる。格子状の支承構造は、例えば、六角形の開口を形成する支柱を有するハニカム構造を有することが可能である。こうした支承構造を備えるフィルム祖日は、米国特許第7,639,418号明細書から既知であり、例えば投影露光装置のEUV光源の領域における「スペクトル純度フィルタ」として、この明細書内で使用されている。
図2は、図1又はその他のフィルムの素子FEで使用することができる多層フィルムMFの1つの実施例による概略的断面図である。多層フィルムは、異なる機能を有する6つの層を備える。6つの層は、いくつかの実施形態において、層スタックの側面で光学的支承構造により機械的に安定させることが可能である。図示の状態においては、放射線は多層フィルムを実質的にフィルム面(x-y面)に垂直に通過する。放射線出口側(図の底面)から、層スタックは第1外側の保護層PC1から始まる。際1外側の保護層PC1には、第1反射防止層ARが施される。第1反射防止層ARには第1層L1が続く。第1層L1は、屈折率の実部が比較的に小さいか、又は屈折率の実部が、値1からの比較的大きな逸脱δ1及び比較的低い第1吸収係数β1を併せて有する第1層L1が続く。第2反射防止層AR2が、第1層に施される。上述の第2反射防止層は、第2層材料から構成される第2層L2を支承する。第2層材料は、第1層材料と比較して、屈折率の実部が、1からの比較的小さい逸脱δ2のみを有し、しかしこの場合は、比較的高い吸収係数β2を有する。層スタックは、放射線入口側において第2外側の保護層PC2で終わる。
概略図とは対照的に、第1層の層厚d1は、光学的使用領域内部で横方向にd1=f(x,y)が当てはまるように変化する。対応して、同様なことが第2層L2にも適用される。従って、第1層厚d1はx方向及びy方向に変化する。第2層L2も又、局所的に変化する層厚d2を有し、層厚d2は局所的にx方向及びy方向の双方向に変化可能である。層厚の変化の範囲は、明らかに製造により定められる層厚の変化の範囲の上にある。
外側保護層PC1、PC2は、ルテニウム、ロジウムまたは窒化ケイ素からなる。例えば窒化ケイ素は、作動波長(13.5 nm)で吸収が低いために有利であるかもしれない。必要に応じて、第1保護層PC1及び/又は第2保護層PC2は省略可能である。時には、表面層を参加させることで外側保護層を備えることで十分かもしれない。
この場合、反射防止層AR1、AR2は幾何学的な層厚、約6 nmを有し、これは、使用されている層材料(例えばMo/Si又はRu/Si)の約λ/2の光学的層厚に対応する。従って、反射を低減し、そのけった伝導増強効果が得られる。第1反射防止層AR1及び/又は第2反射防止層AR2も又省略可能である。
主として、第1層L1及び第2層L2は、フィルムの光学的効果のために重要である。第1層L1の主な機能は、通過する光線に、第1層の局所的な光学的層厚に依存する位相遅れδρを局所依存的に導入し、その結果、局所的に異なる位相遅れを引き起こし、従って通過する波面上で波面修正を行うことである。しかしながら吸収が消えることがないため、第1層材料により、通過する放射線強度の局所依存性減衰も又導入される。減衰の範囲は、比較的薄い領域よりも比較的厚い領域で大きくなる。この結果、一般的に不所望な局所依存的な強度減衰効果が生じる。第2層L2の主な機能は、第1層により導入された伝導減衰を抑え、投影レンズに要求される強度プロフィールを、光学的使用領域全体に亘って確立することである。例えば、使用領域の全体に亘って均一に減衰させる、又は実質的に回転対称的に減衰し、瞳面の中央から端部向かってアポダイゼーションの上昇又は下降を備える。同時に、第2層材料は屈折率の実部の値1からの逸脱δ2が比較的小さいため、波面に対して小さな効果のみを有するよう意図されている。必要に応じて、この効果は第1層の層厚プロフィールを設計する上で考慮可能である。
図3Aは、作動波長λ = 13.5 nmのための波面修正フィルムの構成に適したいくつかの層材料を図示する。グラフは、複素屈折率の実部の値1からの逸脱δをx軸で、及び吸収係数βをy軸上で示す。直線δ =βの左側の材料は、特に第2層材料として適しており、一方直線の右側の材料は、屈折率の実部が比較的低いことと併せてより吸収が低く、従って特に波面修正層(第1層)に適している。グラフの値は、論文「Surface and Interface Dynamics in Multilayered Systems」T. Tsarfati著(2009) ISBN 978-90-5335-197-0」第1章、12ページの対応するグラフに由来する。
以下の表Aは、特に作動波長13.5nmにおいて使用可能な多様な層材料に関して、効率V = δ/βの対応値を示す。
図3Bは、対応する作動波長λ= 6.9 nmに対応するグラフを示す。グラフは例として、ルビジウム(Rb)、ストロンチウム(Sr)又はイットリウム(Y)を第2層に適した材料として示す。一方第1層には、例えばNbOB4C, NbO2, Nb2O5, RuO4, MoO2, Rh2O3, C, Te, In, Ba, Sn RuO2, MoO3, La, B, B4C, BN (窒化ホウ素), ZrO2又は主としてこれらの材料の1つからなる組成物材料を使用可能である。値は理論値であり、例えば以下のURLで取得可能である。http: //henke. lbl. gov/optical_constants/getdb2. html.
第1及び第2層の光学的効果の相互作用を、以下に図4及び図6に関連する具体例に基づいて詳説する。
図4Aは、モリブデン(Mo)で構成された第1層L1及び第1層に施された、ケイ素(Si)で構成された第2層L2からの抜粋を示す。この場合、両層の層厚はx方向(正規化x軸)において局所的に変化する。両層は、各ケースにおいて部分的に影を付けて示してあり、平均厚は2 nm、及び平均厚から正及び負の逸脱を有する領域を備える。モリブデンの層では、x = -0.8とx = -0.6との間の領域Iで層厚が最大1 nm増加しており、x = 0.6とx = 0.8との間の領域IVで層厚が1 nm減少して1 nmの最小層厚となる。ケイ素層では、局所的層厚が、x = -0.4とx = -0.2との間の領域IIで最大1 nm増加し、層厚1 nmのみの局所的最小層厚は、x = 0.2とx = 0.4との間の領域IIIである。
両層とも、位相遅れ効果及びz方向へ通過するEUV線に対する強度減衰効果の双方を有する。しかしこれらの効果は、局所的層厚及び各層の光学定数δとβに依存して異なっている。以下がおおよそ当てはまる。
δ1= δ(Mo) = 0.076, β1 = β(Mo) = 0.006, δ2= δ(Si) = 0.001及びβ2 =β(Si) = 0.002.
まず、図5を参照し、モリブデン層(第1層)のみを考察する。モリブデン層の層厚プロフィールを、再び図5Aに示す。図5Bは、第1層(モリブデン層)の波面効果Δρ1をナノメートルで示す。図5Cは、第1層の伝導低減効果、いわゆる相対伝送損失を示す。波面効果を計算するために、屈折率の実部(1-δ)又は逸脱δ1が重要である。この場合、値δ1 = 0.08は、通過する波面の位相速度が、値1から値0.92へ低減することを意味する。全体で引き起こされる位相遅れは、その結果、局所的な層厚d1に線形に依存する。領域Iでは、局所的な層厚(3nm)が平均層厚を1nm上回り、ここで第1層材料が1 nm多いということは、位相遅れ効果を有する。平均位相遅れに関して対応する位相遅れは、図5Bに認められる。状態は領域IVで逆転する。なぜなら、領域IVではモリブデンは1 nmのみであり、最小層厚の領域での効果を有するためである。従って、平均位相遅れ(2 nmのMOに起因する)と比較して、より少ない位相遅れが結果として現れる。
強度減衰ΔIの範囲は、層厚dにも又依存する。一般的に以下が当てはまる。
この場合、層厚dは、指数関数のベキ指数である。領域Iでは、局所的な最大層厚のために、特に高い相対的伝導損失が発生する。一方領域IVでは、第1層厚の局所的な最少層厚のために、最小の相対的伝導損失が起こる。
第2層(ケイ素層)の層厚プロフィールは、図6Aに示される。ここでは層厚はやや複雑である。なぜなら層厚が特に小さい(最少で1 nmのみ)ためである。例えば、領域Iではモリブデン層が局所的な最大層厚となり、領域IIIではSi層が局所的に最少となり、一方領域II及び領域IVでは各領域で、局所的に最大になると推測される。
図6Bは、第2層(Si層)の対応する波面効果Δρ2をナノメータで示す。一方6Cは、第2層の相対的伝導損失ΔI2をx軸上の位置の関数として示す。
波面が通過する際に、両層の効果は位置的に正しく合計される。Moで構成される第1層及びSiで構成される第2層を備えた多層フィルムの波面効果は、図4Bに示される。図4Cは、多層フィルムの相対的伝導損失の位置依存性を対応して示す。
図4Bは、位相遅れΔρの軸上の同一スケールを備える両層の波面上での効果を示す。著しくより大きな位相遅れを示すモリブデンが、領域I及び領域IVで波面効果のプロフィールを支配すると認識可能である。上記と比較して、ケイ素層の絶対層厚が特に大きい領域IIと特に小さい領域IIIでの位相遅れの効果は、非常に小さいばかりである。
伝導(図4C)の総合的効果の場合は、モリブデン層に起因する強度減衰の絶対的範囲が、ケイ素層により、一層均一となっていると認識可能である。最大及び最小の局所的な強度損失との間の差異は、Si層の補償効果により純粋なMo層の場合よりも小さくなる。
第1層及び第2層が同一フィルムに位置する必要は必ずしもない。図7は、フィルム素子FEの1つの実施形態による概略的断面図を例示する。第1層及び第2層が、光学的に互いに近接した空間的な分離層に配置される。第1フィルムF1は薄いフィルム基板又はフィルム支承層SUB1を有する。フィルム支承層SUB1上には、局所的に変化する層厚を有する第1層L1(例えばモリブデンで構成される)が施される。第1フィルムは、機械的に安定した第1フレームR1に支承される。第1フレームR1のフレーム部は全て、光学的使用領域UAの外側にある。第1フレームR1は、ネジ又は他のいかなる方法かで、同一の第2フレームR2に、固定的ではあるが着脱自在な方法で接続される。第2フレームは第2フィルムF2を支承する。第2フィルムF2は、薄いフィルム基板(フィルム支承層)SUB2を有する。フィルム支承層SUB2上には、局所的に変化する層厚を有する第2層L2(例えばケイ素で構成される)が施される。フィルム面に対して垂直な、フィルム間の幾何学的な間隔は数ミリメートル、例えば1 mmと10 mmとの間である。その結果、取り付けた状態で、フィルムは特に、通過する投影ビームの同一位置(実質的に同一のサブ開口率)に配置される。2つの層L1、L2の層厚プロフィールは、相補的である。2つのフィルムの機械的安定性は、実質的にフィルム基板又はフィルム支承層の安定性によって決定される。フィルム支承層は、例えばケイ素又はポリマ材料から構成可能である。
均一な厚さのフィルム基板又はフィルム支承層は、十分な安定性と併せて最適な伝導を達成するよう設計され、例えば10 nm乃至100 nm、好適には20 nm乃至50 nmの範囲の厚さを有する。フィルムF1のフィルム層L1及びフィルムF2のフィルム層L2の材料は、各々フィルム支承層SUB1及びSUB2の材料と同一とすることが可能である。同一の材料による製造プロセスの間でさえ、フィルム層(L1又はL2)と関連するフィルム支承層(SUB1又はSUB2)の間の区別は不可能である。
洗浄装置(図示されず)は、2つのフィルムF1及びF2及びフレームR1及びR2の間に取り付け可能である。この洗浄装置は、フィルムF1及びF2の間の隙間を、例えば水素等の浄化ガスにより一定の時間間隔で洗浄する。
この実施形態においては、両層(第1層及び第2層)は後に続く処理(例えばイオンビームによる処理)のために自由にアクセス可能であり、その結果、層厚プロフィールを単純に最適化できる。
図8は、多層フィルムMFを備えるフィルム素子FEの1つの実施形態による概略的断面図を例示する。第1層および第2層が、フィルム支承層SUBの反対側に配置される。その結果、両層とも互いに対して独立し、処理及びその後に続く層厚のプロフィールの変更のために自由にアクセス可能である。フィルム支承層SUBは、例えばMo又はSiからなることが可能であり、又はMo及びSiで構成される多層とすることも可能である。この場合、第1層L1及び第2層L2の材料は、各々フィルム支承層SUBの材料と同一とすることが可能であり、製造プロセスの間、層L1及びL2、及びフィルム支承層SUBを施すことを区別する必要はない。
図7及び図8は、第1層L1及び第2層L2の各々の十分な安定性を理由としてフィルム支承層SUB1及びSUB2を省く可能な選択肢を図示していない。
図7及び図8の実施形態においては、基本的に上記で示したのと同一の状態が、層材料の選択に際して適用可能である。従って、上記の記載を参照されたい。
図9は、投影レンズPOの別の実施形態を示す。投影レンズPOは、フィルムベースの波面修正装置を装備しているか又は装備可能である。図1の素子と同一又は対応する素子には、同一の符号を付す。光学データを含む投影レンズの構成は、欧州特許出願公開第1 950 594号明細書(図2)に対応する、米国特許出願公開第2008/0170310号明細書で開示されている。上記の明細書の内容は、この点に関して、参照により本明細書の記載に組み込まれている。
図は、5つの間隔を空けた物体視野点から進む3つの個々の光線の、各ケースにおけるビーム路を示す。
物体面OSから進み、個々の光線はまず第1ミラーM1により反射され、それから次に第2ミラーM2乃至第6ミラーM6により反射される。第2ミラーM2乃至第6ミラーM6は、各ケースにおいて高反射性コーティングにより覆われる。
ミラー、M1、M3及びM5は凸型基本形状、いわゆる凸状最適表面により記述可能な形状を有する。ミラーM2、M4およびM6は凹型基本形状、いわゆる凹状最適表面により記述可能な形状を有する。以下の記述においては、単純化のために、そうしたミラーは単に凸又は凹として記載される。凸第3ミラーM3は、ペッツバール(Petzval)レンズの良好な修正を提供する。
5つの視野点の特定の照明方向に関連する個々の光線は、投影レンズPOの瞳面PS1において結合される。投影レンズPOは、第3ミラーM3に近接する。従って第3ミラーM3は、瞳ミラーとも称される。投影ビームを区切るための開口絞りは、瞳面PS1に配置可能である。この開口絞りは、機械的及び交換可能な絞りとして備えるか、又は他の対応するコーティングの形状で、ミラーM3上に直接装備可能である。
ミラーM1乃至ミラーM4は、物体面OSを中間像面IIS内に結像する。投影レンズの中間像側開口数は0.2である。ミラーM1乃至ミラーM4は、3.2xの低減結像スケールを有する、第1部分結像光学ユニットを形成する。下流ミラーM5及びM6は、2.5xの低減結像スケールを有する投影レンズの更なる部分結像光学ユニットを形成する。中間像面IISの領域では、貫通開口OP6が、第6ミラーM6に形成される。投影ビームは、第5ミラーM5方向へと第4ミラーM4により反射され、この貫通開口OP6を通過する。第5ミラーM5は、同様に中央貫通開口OP5を有する。投影ビームは、第6ミラーM6と像面ISとの間で、貫通開口OP5を通過する。
第5ミラーM5は、更なる瞳面PS2の近傍に配置される。更なる瞳面PS2は、第1瞳面PS1に対して共益関係にある。一般的に、更なる瞳面PS2は、第5ミラーM5と第6ミラーM6との間で、物理的にアクセス可能な絞り面が、更なる瞳面PS2の位置に存在するように、投影ビーム路に位置する。
投影レンズは、瞳面PS1、PSのいずれか1つの中央に配置されたオブスキュレーション絞りを有する。このオブスキュレーション絞りは、中央貫通開口OP5、OP6に割り当てられた投影ビーム路の部分光線を曖昧にする。従って、投影レンズの設計も又、中央瞳オブスキュレーションを備えた設計と称される。
中央物体視野点を、瞳面PS1の入り口の投影レンズの瞳入口の中央に照明された点に結ぶ、区別された個々の光線は、以下では中央視野点の主光線CRと称する。第6ミラーM6で反射されるのに続いて、中央視野点の主光線CRは像平面ISと略直角を形成、すなわち投影露光装置のz軸と略平行して走る。像視野は、長方形である。
投影レンズPOの全ての6枚のミラーM1乃至M6は、回転対称的な機能によっては描写することのできないフリーフォーム表面として実施される。
投影レンズPOは、波面修正装置のフィルム素子を挿入するために、複数の位置をとることができる。
1つの実施形態においては、第1フィルム素子FE1は、多層フィルムの形状で、第2ミラーと第3ミラーとの間のビーム路の第1瞳面PS1の光学的に近接する第1位置POS1に配置される。波面収差は、従って前視野に亘って均一に修正可能である。サブ開口率SVはこの場合、約0.7乃至0.95である。
別の実施形態においては、フィルム素子により波面収差の視野プロフィールを修正するよう求められる。このため、対応して適合されたフィルム素子、例えば第2フィルム素子FE2は、多層フィルムの形状で、物体面OSに光学的に近接して、物体面と第1ミラーM1との間の第2位置POS2に挿入される。サブ開口率SVはこの場合、約0.05乃至0. 3である。
例えばフィルム素子は、走査方向(y方向)に対して垂直、すなわち像視野の長軸に沿った、像収差の線形又は非線形のプロフィールが、その範囲で修正又は低減可能であるように設計可能である。
フィルム素子を、瞳の近傍及び視野の近傍の両位置に配置することも可能である。この変形形態は、図9に示される。
投影ビーム路の位置を図示するために、図9は第1フィルム素子FE1、第2フィルム素子を、z方向に平行する平面図においても示している。各ケースにおいて円フレームRを認識可能であり、このフレームは、部分的に透明な自立型多層フィルムMFを支承している。投影ビームがフィルム表面を交差する領域は、各々、いわゆる「フットプリント」FP1及びFP2である。この領域は投影ビームにより照明される。その場合、長方形の物体視野OFの(無限個の)視野点から進む全てのビームは、フットプリントを照明するのに貢献する。物体面OSの近傍では、フットプリントFP1が物体視野の(実際のシステムでは穴を開けられた)略長方形状を有し、長方形状は角領域が丸みを帯びていることを認識可能である。瞳面PS1の近傍では、フットプリントFP2は事実上円形である。フットプリントを囲む最最小円は、直径DCAを有することとする。この直径は、光学的な自由直径と称される。
各物体視野点は、ビーム(放射線のコーン)の起源であり、このビームの開口角は、物体側開口数により決定される。各ビームは、光学表面(この場合フィルム表面)上で単一の物体視野点から進むビームにより照らされる、その領域に対応するサブ開口SAに関連する。与えられた表面上のサブ開口は、そのサブ開口直径DSAにより特徴付が可能である。物体面(又は異なる視野面)の近傍では、このサブ開口又はサブ開口直径が比較的小さい。瞳面の領域では、理想的には、異なる視野点の全てのサブ開口が重なり合うべきであり、各ビームは使用されている全ての瞳を照明する。
視野の近傍でのフィルム素子FE1のサブ開口率SV = DSA/ DCAは比較的小さく(例えば、約0.05と0.3との間)、一方、瞳面PS1に光学的に近接して配置された第2フィルム素子FE2でのサブ開口率SVは、例えば0.7と0.95との間の値に近い。
フィルム素子が実際に設計される方法は、以下に例を挙げて詳説される。提示された内容は、全ての実施形態に適用される。
フィルム素子の課題は、目的とする仕様により、投影レンズの波面変化及び/又は伝導変化を設定することである。
このためのスタート点は、1つ又は複数の視野点での波面及び/又は伝導である。これらは、測定及び/又はシミュレーションにより得ることができる。複数の視野点を外挿及び/内挿することも、追加的に可能である。このようにして得られたこれらデータは、下記に記述された最適化のためのスタート点であり、各々波面データ及び/伝導データと称される。
第1ステップでは、波面はフィルム素子の「完全波面修正層」により修正可能であると推測される。「完全波面修正層」は、理論的層として理解される。この理論的層の作動波長λでの複素屈折率nは、n = 0+0iであり、1 nmの波面修正層低減(層厚差)は、従って1 nmの波面位相に変換される。無限高速移動のモデルである光線の構想は、Sweattモデルから借用したものである。例示的な代替実施形態として、作動波長λでの複素屈折率nが、n = 0.9 + 0iである理論層も又使用可能であり、1 nmの波面修正層低減(層厚差)は、0.1 nmの波面位相に変換される。この場合、波面修正層厚の計算の後に、完全波面修正層を得るために、波面修正層厚に因数0.1を掛ける必要がある。
与えられた波面データのために、完全波面修正層が今度は、適切に定式化された最適化問題により、投影レンズのビーム路で定義されたフィルム素子の位置のために計算される。このため、第一にいわゆる基本変形が計算される。これら基本変形は、例えば、ある特定の最大振幅(例えば1 nm)を有するゼルニケ多項式の形状を取ることが可能である。最大振幅は、ビーム路に位置されたフィルム素子の光学的に使用された領域(光学的使用領域)を完全に含む円形領域上で定義される。ゼルニケ多項式の他に、Bスプライン又は他のNurb(非一様加重Bスプライン)も使用可能である。これらの計算領域は、同様にフィルム素子の光学的に使用された領域を完全に含む。こうして得られたこれら基本変形のために(例えば36又は64又は100ゼルニケ及び/又は25又は49又は100のスプライン又はBスプライン又はnurbs)、それらの光学的感受性が、光学的設計プログラムにより計算される。すなわち、完全波面修正層での基本変形の波面効果が計算されるのである。
それから、基本変形はマニピュレータ自由度として解釈される。それから最適化問題は、所望の(視野点による視野点)波面効果に、可能である前述の自由度により近似させることにある。これは、例えば最小化問題を解決することにより実施可能である。
この場合Mは、基本像収差nに展開される基本変形mを有するn x mマトリクスを表示する。これら基本像収差は、例えば、異なる視野点でのピクセル毎の波面値、異なる視野点でのこれら波面の選択されたゼルニケ係数、又はそれらの重ね合わせとすることが可能である。ベクトルpは既定の方法で波面データを描写し、xは見つけうる操作済ベクトルを表す。操作済ベクトルは、重ね合わされる基本変形の振幅を描写する。Gは適切な重量マトリクスであり、例えばスカラー倍を備えたユニットマトリクスである。ここで提示される方法は、いわゆるチーホノフ規制である。チーホノフ規制は、例えばA. Rieder著、「Keine Probleme mit inversen Problemen (英訳:No problems with inverse problems)」、Vieweg社、2003年刊、70ページ(例:3.3.11)及び4章で詳説されている。これは又、例えばガウス消去法等の既知の方法の1つにより最小化問題を解決するために、最小化問題がどのようにして方程式系に変換可能であるかについても説明している。代替的に、以下のインターネットページを調べることも可能である(検索日2012年2月8日)http://en.wikipedia.org/wiki/Tikhonov_regularization (viewed on 08. 02.2012)
更なる可能な方法は、異なる問題に関連して国際公開第2010/034674号パンフレットに開示されている。
こうした方法を使用した結果、フィルム素子の「完全波面修正層」のプロフィールは、関数w : = w(x,y)により特徴付けられる条件となる。関数は、位置依存的な層厚を描写する。関数wは、正及び負の両層厚値を有することが可能である。負の層厚値を除去可能な方法を、以下に詳説する。
上述の方法は、完全波面修正層を計算するために1つの例示的な方法にすぎない。
投影レンズの伝導挙動のみの修正が意図される場合、その場合には波面修正層は関数w = w (x,y) = 0により描写可能である。
第2ステップでは、伝導プロフィールはフィルム素子の「完全伝導修正層」により修正可能であると推測される。
作動波長λで複素屈折率n = (1-δ)+iβを有する材料が、まず提示される。光線がこの材料で路長dをカバーする場合、伝導tは以下の通りである。
この場合不利であるのは、伝導が、もはや材料の厚さと共に線形に変化せず、むしろ指数的に変化することである。これにはまず、線形数式システムに対する問題を低減するアプローチが欠落しているという効果がある。
対照的に、以下の数式により与えられる、対数的な伝導lnt が考察される。
その場合、対数的伝導は材料の厚みと共に線形に変化する。
「完全対数的伝導修正層」は、理論的層として理解される。この理論的層の複素屈折率は、n = 0+1iである。
与えられた伝導データT(x,y)のために、対数的伝導データln T(x,y) が計算される。これは、各点(x,y)での伝導T(x,y)が0を上回るため、常に可能である。投影レンズのビーム路で定義されるフィルム素子の位置のために、「完全対数的伝導修正層」が、適切に定式された最適化問題により計算される。
最適化問題がそうして解決される。このため、まずいわゆる基本変形が再び計算される。これら基本変形は、例えば、ある特定の最大振幅(例えば1 nm)を有するゼルニケ多項式の形状を取ることが可能である。最大振幅は、ビーム路に位置されたフィルム素子の光学的に使用された領域を完全に含む円形領域上で定義される。ゼルニケ多項式の他に、Bスプライン又は他のNurb(非一様加重Bスプライン)も使用可能である。これらの計算領域は、同様にフィルム素子の光学的に使用された領域を完全に含む。こうして得られたこれら基本変形のために(例えば36又は64又は100ゼルニケ及び/又は25又は49又は100のスプライン又はBスプライン又はnurbs)、それらの光学的感受性が、光学的設計プログラムにより計算される。すなわち、完全伝導修正層での基本変形の伝導効果が計算され、その後に対数的伝導効果が決定される。
それから、基本変形はマニピュレータ自由度として解釈される。それから最適化問題は、所望の(視野点による視野点)波面効果に、可能である前述の自由度により近似させることにある。これは、例えば最小化問題を解決することにより実施可能である。
この場合Nは、基本像収差に展開される基本変形Iを有するa k x lマトリクスを表示する。これら基本像収差は、例えば、異なる視野点でのピクセル毎の伝導フロント値、異なる視野点でのこれら伝導フロントの選択されたゼルニケ係数、又はそれらの重ね合わせとすることが可能である。ベクトルqは既定の方法で対数的伝導データを描写し、yは見つけうる操作済ベクトルを表す。操作済ベクトルは、重ね合わされる基本変形の振幅を描写する。Hは適切な重量マトリクスであり、例えばスカラー倍を備えたユニットマトリクスである。結果として生じる最小化問題は、波面データのケースのように解決される。
こうした方法を使用した結果、フィルム素子の完全対数的伝導修正層のプロフィールは、関数s : = s(x,y)により特徴付けられる条件となる。関数は、対数的な層厚を描写する。
上述の方法は、完全対数的伝導修正層を計算するために1つの例示的な方法にすぎない。
投影レンズの波面挙動のみの修正が意図される場合、その場合には対数的伝導修正層は関数s = s(x,y) = 0により描写可能である。
今や全ての情報が、実際の材料へ移行するために提示された。従って、第1層のための材料M1は以下の複素屈折率を有する。
及び、第2層のための材料M2は、以下の複素屈折率を有する。
例えばモリブデン(Mo)は第1層の材料として、ケイ素(Si)は第2層の材料として使用可能である。第1層材料及び第2層材料の材料厚、すなわち第1層厚及び第2層厚であるm1=m1(x,y)及びm2=m2(x,y)は、従って以下の数式システムにより決定されるよう意図されている。
上記は全ての点(x,y)で満たされる。各点(x,y)の適切な離散、例えば寸法101 x 101又は201 x 201又は他に501 x 501の格子上での離散により、解決されるべき数式システムがもたらされ、従って材料厚m1及びm2に関する情報が、十分に精密なグリッド上で推定可能である。2番目の数式を対数化することにより、この数式システムは更に線形数式システムに低減可能である。
この数式システムは、従来の方法で解決可能である。例えば、ガウス消去法のような従来の方法で、離散グリッドの各点(x,y)及び局所的な材料厚m1=m1(x,y)及びm2=m2(x,y)が得られる。
この場合、関数m1=m1(x,y)及びm2=m2(x,y)は、正及び負の関数値を有することが可能であり、これらの理論的材料厚から実現可能な厚さ条件を生成することが必要である。まず、材料M及びM2の材料最小厚さが定義される。材料最小厚さは、実現されたフィルム素子により超えられなければならない。材料最小厚さは、局所的に変更可能であるか、又は一定とすることが可能である。
Moが第1層の材料として使用されている場合、例えば位置依存的な最小層厚は5 nm又は10 nmを選択可能である。Siが第2層の材料として使用されている場合、例えば位置依存性の最小層厚は10 nm又は20 nm又は50 nmを選択可能である。
以下の材料厚さの条件:
及び
が、それから計算される。
波面修正は位相効果を変更する問題であるが、その波面修正が十分な範囲で実現される。しかし、伝導修正は1を下回る定数因子までしか実現されない。なぜなら、作動波長で考えられる層厚はいかなる層厚でも、明らかな伝導損失に至り、システムの伝導は、材料厚さを加えることでのみ低減可能なためである。
図10は、数値例に基づき、上述の方法を使用した際に得られる著しい結果を示す。図10Aは、完全波面修正層のプロフィールd1’ [nm]を図示する。完全波面修正層は、多層を備えるフィルム素子上で実現されることを意図している。「完全波面修正層」w(x,y)の最高の高さと最低の谷との間の差であるPV値は、約1.4 nmである。従って、最大の位相差14 nmを備えた波面プロフィールが修正される。追加的に、フィルム素子は波面修正層により誘発される伝導変化を修正することを意図するのみであると推測される。「完全対数的伝導修正層」s(x,y)は、従って定数0に等しいと推測可能である。
モリブデン(Mo)は、波面修正層の材料として選択され、ケイ素(Si)は、伝導修正層の材料として選択される。両材料は、波面修正に貢献する。図10Bは、数式システムを解決することにより得られた波面修正層の計算的層厚プロフィールd1’ [nm]を示す。この場合、正及び負の両層厚値が発生することが注目に値する。
図10Bの計算的層厚値は、図10Cの実行可能層厚値d1 [nm]に転換される。このために、一定の層厚を有する層は、計算的な層厚プロフィールに加えられており、従って得られる層厚の最小値は、この素材のために特定された最小層厚を上回るか、最小層厚に等しい。図10Cにおいては、例えば値5 nmが、モリブデン(Mo)のために特定された最小層厚として選択された。20 nm又は他に100 nm又は他に500 nmの厚さを有する一定層が、この状況において波面プロフィールに著しい影響を与えないため、この方法が可能である。
図10Dは、数式システムを解決することにより得られた伝導修正層の計算的層厚プロフィールd2’ [nm]を示す。正の層厚及び又負の層厚が、再びこの場合に発生する。例えば、20 nmがケイ素の特定最小層厚のための値として選択された場合、それからこれは結果的に、図10Eに示された伝導修正層の実行可能層厚プロフィールd2 [nm]となる。
フィルム素子の多層の層厚プロフィールは図10Fに示される。上部層はやや厚く、変化するケイ素の層が施され、下部層はやや薄く、変化するモリブデンの層が施される。2つの層の厚さの相補的挙動が、x = 0.75及びx = 0.5の位置で容易に認識可能である。2つの層は又交替可能であり、いわゆるより薄いモリブデンの層は、より厚いケイ素の層上に施すことができる。
図10Gは、図10Aで既定された波面プロフィールの、図10Fに記されたフィルム素子の多層フィルムにより製造された波面プロフィールからの逸脱ΔWFを示す。逸脱は一定であり、従って光学的に中立である。
図10Hは、図10Fにより描写されたフィルム素子の多層の伝導プロフィールを図示する。当初既定したように、伝導プロフィールは変化しない。ここで図示された約83.6%の伝導Tは、図10Fに図示された2つの層のみを考慮している。すでに説明したように、フィルム素子は更なる層、又は他の支承構造を更に備えることが可能であり、これらは追加的に伝導を低減可能である。

Claims (38)

  1. 投影レンズの物体面(OS)に配置されたパターンを、極端紫外線(EUV)領域からの作動波長λを有する電磁放射により、前記投影レンズの像面(IS)に結像する投影レンズ(PO)であって、
    ミラー表面を有する多数のミラー(M1-M6)であって、前記ミラー表面は投影ビーム路で前記物体面と像面との間に配置され、前記物体面に配置されたパターンは、前記ミラーにより前記像面に結像可能であるミラーを有する投影レンズにおいて、
    波面修正装置(WFC)であって、該波面修正装置の作動モードにおける前記投影ビーム路に配置され、前記作動波長λにおいて、光学的使用領域に衝突するEUV線の主たる部分を伝導するフィルムを有するフィルム素子を備える波面修正装置を特徴とし、前記フィルム素子は、
    第1層(L1)であって、該第1層(L1)は、第1複素屈折率n1 = (1-δ1) + iβ1を有する第1層材料からなり、第1光学層厚を有し、該第1光学層厚は前記使用領域全体に亘って、第1層厚プロフィールに従って局所的に変化する第1層(L1)と、
    第2層(L2)であって、該第2層(L2)は、第2複素屈折率n2 = (1-δ2) + iβ2を有する第2層材料からなり、第2光学層厚を有し、該第2光学層厚は前記使用領域全体に亘って、第2層厚プロフィールに従って局所的に変化する第2層(L2)と
    を有し、
    前記第1層厚プロフィール及び第2層厚プロフィールが異なり、
    第1屈折率の実部の1からの逸脱δ1が、前記第1層材料の吸収係数β1に対して大きく、第2屈折率の実部の1からの逸脱δ2が、前記第2層材料の吸収係数β2に対して小さいことを特徴とする投影レンズ。
  2. 請求項1に記載の投影レンズであって、前記フィルム素子は、前記投影ビームの全ての光線が前記光学的使用領域上に20度未満の入射角、特に10度未満の入射角で入射するよう、前記投影ビーム路に配置される投影レンズ。
  3. 請求項1又は2に記載の投影レンズであって、前記フィルム素子は、前記光学的使用領域全体に衝突するEUV線に対して少なくとも70%の透過率を有する投影レンズにおいて、前記透過率は好適には70%と90%との間である投影レンズ。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の投影レンズであって、少なくとも1つの瞳面を、前記物体面と像面との間に有し、前記フィルム素子は前記瞳面に、又は前記瞳面に対して光学的に近接して配置される投影レンズ。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の投影レンズであって、該投影レンズは前記物体面又は像面に光学的に近接するフィルム素子を有し、及び/又は中間像面が前記物体面と像面との間にあり、フィルム素子は前記中間像面に、又は前記中間像面に光学的に近接して配置され、前記フィルム素子は、好適には前記物体面と、前記物体面に直接続く第1ミラー(M1)との間に配置される投影レンズ。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記フィルム素子は多層フィルムを備え、該多層フィルムは前記第1層及び第2層を有する投影レンズ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の投影レンズであって、前記第1層は前記フィルム素子の第1フィルムに取り付けられ、前記第2層は前記フィルム素子の第2フィルムに取り付けられ、該第2フィルムは物理的に前記第1フィルムと分離する投影レンズ。
  8. 請求項7に記載の投影レンズであって、前記第1フィルムと第2フィルムとの間の幾何学的間隔は、10センチメートル未満、特に1センチメートル未満とし、及び/又は前記第1フィルムと第2フィルムとの間の光学的間隔は、前記第1フィルム及び第2フィルムのサブ開口率が、互いに0.05未満、特に0.01未満で逸脱する投影レンズ。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記作動波長は5 nm乃至20 nmであり、第1効率比V111は5を上回り、好適には10を上回り、及び/又は第2効率比はV222は0.6未満、好適には0.2未満である投影レンズ。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載の投影レンズであって、V111及びV222であり、V1/V2の比率は2を上回り、好適には10を上回り、特に20を上回る投影レンズ。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記作動波長は7 nm乃至20 nmの波長範囲であり、前記第1層材料は以下の群より選ばれ;ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ベリリウム(Be)、金(Au)、イットリウム(Y)、ケイ酸イットリウム(Y5Si3)、ケイ酸ジルコニウム(ZrSi2)、又は主としてこれらの材料の1つからなる材料組成、及び/又は前記第2層材料は、ケイ素(Si)及びゲルマニウム(Ge)からなる群より選ばれるか、又は主としてこれらの材料の1つからなる材料組成より選ばれる投影レンズ。
  12. 請求項1〜10の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記作動波長は、6 nmと7 nmとの間の作動波長の範囲にあり、前記第1層材料は以下の群より選ばれ;NbOB4C, NbO2, Nb2O5, RuO4, MoO2, Rh2O3, C, Te, In, Ba, Sn, RuO2, MoO3, La, B, B4C, BN, ZrO2、又は主としてこれらの材料の1つからなる材料組成より選ばれ、及び/又は前記第2層材料は、材料Y又はRbからなる群より選ばれ、又は主としてこれらの材料の1つからなる材料組成から選ばれる投影レンズ。
  13. 請求項1〜12の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記光学的使用領域の前記第1光学層厚の最大局所値と最小局所値との間の第1PV比率は2乃至6の範囲とし、及び/又は前記光学的使用領域の前記第2光学層厚の最大局所値と最小局所値との間の第2PV比率は、2乃至6の範囲である投影レンズ。
  14. 請求項1〜13の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記第2層厚プロフィールは前記第1層厚プロフィールに対して相補的である投影レンズ。
  15. 請求項1〜14の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記第1層及び第2層の層厚が、前記フィルムが最大波面変化の領域において、前記作動波長の少なくとも3%の波面変化を引き起こすよう設計されている投影レンズ。
  16. 請求項1〜15の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記第2層厚が、前記光学的使用領域の少なくとも1つの位置で、前記作動波長よりも大きい投影レンズ。
  17. 請求項1〜16の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記第1層は、前記光学的使用領域において、鏡面対称性、放射状対称性又は回転対称性のいずれをも有さない非対称的な第1層厚プロフィールを有する投影レンズ。
  18. 請求項1〜17の何れか一項に記載の投影レンズであって、フィルムは第1フィルム表面、第2フィルム表面、及び前記第1フィルム表面と第2フィルム表面との間で測定された1 μm未満のフィルム厚を有し、前記フィルム厚は好適には300 nm 以下、特に200 nmと25 nmとの間の範囲の投影レンズ。
  19. 請求項1〜18の何れか一項に記載の投影レンズであって、フィルムは少なくともの1つのフィルム表面において、保護層材料からなる外側の保護層を有し、前記保護層材料は、前記保護層直近の内側の層よりも周囲の影響に対する耐性が強く、前記保護層材料は好適には以下の群:ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、炭素(C)、ケイ素(Si)及びSi3N4(窒化ケイ素)から選択される投影レンズ。
  20. 請求項1〜19の何れか一項に記載の投影レンズであって、フィルムは単一の第1層のみ、及び/又は単一の第2層のみを備える投影レンズ。
  21. 請求項1〜20の何れか一項に記載の投影レンズであって、多層フィルムが、前記作動波長に対して反射低減効果を有する少なくとも1つの反射防止層を備え、該反射防止層は、第1層及び/又は第2層の直近に配置することが好適である投影レンズ。
  22. 請求項1〜21の何れか一項に記載の投影レンズであって、少なくとも1つの中間層を前記第1層と第2層との間に配置し、前記中間層は、好適には反射防止層及び/又は拡散バリア層とし、該反射防止層及び/又は拡散バリア層は、特にC, B4C, SixNy, SiC, Mo2C, MoSi2, Y5Si3 又はNb4Si、又はこれらの材料の1つを有する組成物からなる投影レンズ。
  23. 請求項1〜22の何れか一項に記載の投影レンズであって、多層フィルムが前記第1層及び第2層に加えて、10層を下回る更なる層を備える投影レンズ。
  24. 請求項1〜23の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記第1層及び/又は前記第2層が異質な層構造で構成され、モリブデンベースの前記第1層が、好適には内側の層構造を有し、該内側の層構造において、モリブデンより構成される比較的厚い部分層が結晶化ストップ層により分離され、該結晶化ストップ層は前記部分層と比較して薄い投影レンズ。
  25. 請求項1〜24の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記光学的使用領域は50 mm以上の最小直径を有し、特に前記最小直径は100 mm以上である投影レンズ。
  26. 請求項1〜25の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記フィルム素子は、格子状の支承構造を有し、該格子状の支承構造は前記光学的使用領域において前記フィルムと接触し、該フィルムを安定させ、前記格子状の支承構造は、好適にはハニカム構造を有し、該ハニカム構造は、六角形又は他の多角形の開口を形成する支柱を有する投影レンズ。
  27. 請求項1〜25の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記フィルム素子は、前記フィルムが前記光学的使用領域で自立支承するよう前記フィルムを支承するフレームを有する投影レンズ。
  28. 請求項1〜27の何れか一項に記載の投影レンズであって、前記投影レンズは、前記ミラーを前記投影ビーム路の前記ミラーの位置に保持するための支承構造を有し、前記フィルム素子が前記支承構造に対して可動な可変ホルダ上に配置され、前記フィルム素子は、前記可変ホルダを移動させることにより、前記投影ビーム路に又は投影ビーム路の外側に光学的に配置可能であり、好適には前記投影レンズ上に、前記フィルム素子の各取り付け位置に関して、前記フィルム素子を前記投影レンズのビーム路に配置するためのアクセスシャフトが備えられる投影レンズ。
  29. フィルム素子、特にEUVマイクロリソグラフィ用投影露光装置の投影レンズにおいて使用するフィルム素子であって、
    フィルムであって、極端紫外線領域(EUV)からの作動波長λにおいて、光学的使用領域において前記フィルム素子に衝突するEUV線の主たる部分を伝導するフィルムを備え、前記フィルム素子は、
    第1層であって、該第1層は、第1複素屈折率n1 = (1-δ1) + iβ1を有する第1層材料からなり、第1光学層厚を有し、該第1光学層厚は前記使用領域全体に亘って、第1層厚プロフィールに従って局所的に変化する第1層と、
    第2層であって、該第2層は、第2複素屈折率n2 = (1-δ2) + iβ2を有する第2層材料からなり、第2光学層厚を有し、該第2光学層厚は前記使用領域全体に亘って、第2層厚プロフィールに従って局所的に変化する第2層と
    を有し、
    前記第1層厚プロフィール及び第2層厚プロフィールが異なり、
    第1屈折率の実部の1からの逸脱δ1が、前記第1層材料の吸収係数β1に対して大きく、第2屈折率の実部の1からの逸脱δ2が、前記第2層材料の吸収係数β2に対して小さい投影レンズ。
  30. 請求項29に記載の投影レンズであって、前記フィルム素子は、前記光学的使用領域全体に衝突するEUV線に対して少なくとも70%の透過率を有する投影レンズにおいて、前記透過率は好適には70%と90%との間である投影レンズ。
  31. 請求項29又は30に記載のフィルム素子であって、請求項6乃至27の少なくとも1つの請求項の主要部の特徴を特徴とするフィルム素子。
  32. 投影レンズの物体面(OS)に配置されたパターンを、作動波長λ近辺の極端紫外線(EUV)領域からの電磁放射により、前記投影レンズの像面(IS)内に結像する投影レンズであって、
    ミラー表面を有する多数のミラー(M1-M6)であって、前記ミラー表面は投影ビーム路で前記物体面と像面との間に配置され、前記物体面に配置されたパターンは、前記ミラーにより前記像面に結像可能であり、前記物体面と像面との間を走る投影ビームの光線が波面を形成する、多数のミラー(M1-M6)を有し、
    波面修正装置(WFC)であって、前記波面修正装置(WFC)の少なくとも1つの作動モードにおける前記投影ビーム路に配置され、光学的使用領域において前記フィルム素子に衝突するEUV線の主たる部分を伝導するフィルム素子を備える波面修正装置を特徴とし、
    前記波面が前記フィルム素子によって、前記像面における像形成に至る前記波面が、前記フィルム素子が投影ビーム路に存在する場合に、前記フィルム素子が存在しない場合よりも、前記波面の所望のプロフィールに近づくよう変更される投影レンズ。
  33. 請求項32に記載の投影レンズであって、前記フィルム素子は、前記投影ビームの全ての光線が前記光学的使用領域上に20度未満の入射角、特に10度未満の入射角で入射するよう、前記投影ビーム路に配置される投影レンズ。
  34. 請求項32又は33に記載の投影レンズであって、少なくとも1つの瞳面を、前記物体面と像面との間に有し、前記フィルム素子は前記瞳面に、又は前記瞳面に対して光学的に近接して配置される投影レンズ。
  35. 投影レンズの物体面(OS)に配置されたパターンを、作動波長λ近辺の極端紫外線(EUV)領域からの電磁放射により、前記投影レンズの像面(IS)内に結像する投影レンズであって、
    ミラー表面を有する多数のミラー(M1-M6)であって、前記ミラー表面は投影ビーム路で前記物体面と像面との間に配置され、前記物体面に配置されたパターンは、前記ミラーにより前記像面に結像可能であり、前記物体面と像面との間を走る投影ビームの光線が波面を形成する、多数のミラー(M1-M6)を有し、
    第1フィルム及び
    前記第1フィルムとは分離した第2フィルムを有することを特徴とし、
    各フィルムが、前記極端紫外線領域(EUV)からの作動波長λにおいて、光学的使用領域において前記フィルム素子に衝突するEUV線の主たる部分を伝導する投影レンズ。
  36. 請求項35に記載の投影レンズであって、少なくとも1つの瞳面を前記物体面と像面との間に有し、前記第1フィルム素子及び/又は第2フィルム素子は前記瞳面に、又は前記瞳面に対して光学的に近接して配置される投影レンズ。
  37. マイクロリソグラフィ投影露光装置の投影レンズの製造方法であって、
    多数のミラーを与えられた位置に取り付けるステップであって、ミラー表面を投影ビーム路内で物体面と像面との間に配置し、前記物体面に配置されたパターンが、前記ミラーにより前記像面内に結像可能であるステップと、
    前記投影レンズの波面収差を決定するステップと
    取り付け位置のために、前記投影レンズの波面収差から位置依存的な波面修正を計算するステップと、
    フィルム素子を処理するステップであって、前記フィルム素子を取り付けられた位置で前記投影ビーム路内に挿入する場合、前記波面修正は前記フィルム素子の影響を受けるように前記フィルム素子を処理するステップと、
    処理された前記フィルム素子を、取り付け位置に取り付けるステップと
    を含む製造方法。
  38. 請求項37に記載の方法であって、前記波面収差の決定に先立ち、フィルム素子を前記投影ビーム路内部の既定の取り付け位置に取り付け、前記波面収差の決定後、前記フィルム素子を前記投影ビーム路から取り除き、それから、前記フィルム素子を取り付けられた位置で前記投影ビーム路内に挿入する場合、前記波面修正は前記フィルム素子の影響を受けるよう前記フィルム素子を処理する方法。
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