JP2015504967A - ミクロスフィア及び繊維を有するポリテトラフルオロエテン化合物 - Google Patents

ミクロスフィア及び繊維を有するポリテトラフルオロエテン化合物 Download PDF

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Abstract

0〜10重量%のコモノマーを含有する過フッ素化テトラフルオロエテンポリマーを含む組成物を提供する。この組成物は、シリカ又はアルミナ並びにこれらの組み合わせから選択される繊維を更に含む。更に、この組成物は、シリカ又はアルミナ並びにこれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する粒子を含む。このような組成物及びこのような組成物から調製された物品の製造法が更に提供される。

Description

本開示は、無機充填材を含むフルオロポリマー組成物、これらを含有する物品、及びこれらの製造法に関する。このフルオロポリマーは、テトラフルオロエテンのホモ−又はコポリマーである。この無機充填材は、無機ミクロスフィアである。
フルオロポリマーは、これらの化学的不活性、低摩擦及び非粘着性のために、多様な商業的用途が見出されてきた。これらの高融点は、高い使用温度を可能にする。これら特性により、フルオロポリマーは、家庭用用途並びに工業的用途、特に自動車産業、航空機産業、化学及び電子工業における保護コーティング及び封着材を製造するのに選択される材料とされてきた。
フルオロポリマーは高価な原材料である。したがって、所望の性能を達成するために必要なフルオロポリマーの量を低減するために、又はフルオロポリマー組成物又は物品の特性を更に改善するために、フルオロポリマー組成物の調製物又はフルオロポリマー物品において充填材が頻繁に使用されている。
充填材を使用して、更に改善されたフルオロポリマー組成物及び物品を提供する必要性が常に存在している。
したがって、一態様において、以下の組成物が提供され、この組成物は、
(i)テトラフルオロエテンホモポリマー及び、(ポリマーの重量を基準として)0重量%〜1.0重量%のテトラフルオロエテン以外のコモノマーを含有するテトラフルオロエテンコポリマーから選択されるテトラフルオロエテンポリマーと、
(ii)炭素繊維及び、窒化ケイ素、炭化ケイ素、又はシリカ若しくはアルミナ及びこれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する繊維、から選択される繊維と、
(iii)シリカ及びアルミナ並びにこれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する粒子と、を含む。
別の態様において、本明細書に記載されている組成物を含む成形物品が提供される。
更に別の態様において、本明細書に記載されている組成物の製造法が提供される。
他の態様において、成形物品の耐摩擦性を増加させるための本明細書に記載されている組成物の使用が提供される。
本開示のいずれかの実施形態を詳細に説明する前に、本開示が、以下の説明で記載される構成要素の構成及び配置の詳細へのその適用に限定されるものではないことを理解するべきである。本発明は、その他の実施形態が可能であり、様々な方法で実現され又は実行されることが可能である。更に、本明細書で使用される表現及び専門用語は、説明の目的のためのものであり、限定的なものとしてみなされるべきではないことを理解すべきである。限定的であることを意味する「なる(consisting)」の使用とは異なり、「含む、(including)」、「含有する(containing)」、「含む(comprising)」、又は「有する(having)」及びこれらの変形は、限定的ではないこと及び以降に列挙される項目並びに追加の項目を包含することを意味する。例えば、成分Aを含有する組成物とは、Aを含有する、若しくはA及びその他の成分を含有することを意味する。Aからなる組成物とは、成分Aを有するがその他の成分を有さないことを意味する。両方の場合(限定的又は非限定的意味)では、等価物が含まれることを意味する。
「a」又は「an」の使用は、「1又はそれより多く」を包含することを意味する。
本明細書で示される任意の数値範囲は、その範囲の低い値から高い値の全ての値を含むことを意図している。例えば、1%〜50%の濃度範囲は、省略形であり、例えば2%、40%、10%、30%、1.5%、3.9%などの1%と50%の間の値を明示的に開示するよう意図している。
本明細書で使用するとき、用語「過フッ素化」とは、その炭化水素が完全にF原子によって置き換えられた化合物又は残基を指す。例えば、−CF残基は、過フッ素化メチル残基である。例えば、−CHF残基は、「部分的過フッ素化」化合物、より具体的には、部分的フッ素化メチル基であると考えられる。しかしながら、過フッ素化化合物は、C及びF原子に加えて、O原子も含有することが可能である。これらO原子は、エーテル官能基であり、これらが炭素鎖の一部であり、より具体的にはこれに割り込んでいるために、「カテナリー酸素原子」とも呼ばれる。ポリマーに関する用語「過フッ素化」は、ポリマーが、重合においてモノマー又はコモノマーとして過フッ素化モノマーのみを使用して得られることを示すために使用される。しかしながら、このようなポリマーは、重合又は仕上げ手順の間に、例えば反応開始剤の作用、連鎖移動剤又は連鎖停止反応等を通して、非フッ素化又は部分的フッ素化末端基を含有してもよい。
フルオロポリマー
本明細書で提供されるフルオロポリマーは、テトラフルオロエテン(TFF)のホモ−又はコポリマーである。テトラフルオロエテン(TFE)ホモポリマー及び最大1重量%のその他の過フッ素化モノマーを有するTFEコポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンと呼ばれる(ポリテトラフルオロエテン又はPTFEとも呼ばれる)。
一般的には、PTFEは、典型的に約10g/モル又はそれを超える非常に高い分子量を有する。この高分子量は、非常に高い融解粘度(380℃で約1010〜1013Pa.s)をもたらし、これがPTFEを押出成形などの溶融加工で利用できなくする。したがって、PTFEは「溶融加工不可能」である。「溶融加工可能」であるか否かの特性は、一般にメルトフローインデックス(MFI)によって決定される。このMFIは、規定重量(ここでは5kg)を使用して、規定温度(ここでは372℃)においてダイを通して押し出され得るポリマーの量を測定する。したがって、MFIは、ポリマーを溶融加工するための適合性についての尺度である。溶融加工不可能なフルオロポリマーは、0.1g/10分未満のMFI(372/5)を有する。これらが、溶融押出成形又は射出成形のような通常の溶融処理技術によって溶融物から処理することができないために、成形PTFE物品を製造するために特殊な加工技術を使用せねばならない。このような技術にはラム押出成形及び圧縮成形が挙げられ、典型的にはその後更に粒子を融合させるために焼結が行われる。典型的には、重合から得られたPTFE粒子は、ブロック(「ビレット」)を調製するために、これら技術によって加工され、次いでポリマー粒子を更に融合させるために、これが焼結される。次いで、焼結されたビレットが、成形物品にスカイブ又は機械加工される。このいくらか面倒な加工は、溶融加工不可能なPTFEの良好な化学抵抗及び熱抵抗によって相殺される。
この耐化学薬品性及び高熱使用温度のために、溶融加工不可能なPTFEは、例えば、航空機産業、モータークラフト産業及び水処理産業、並びに化学工業などの厳しい用途におけるガスケット及び封着材として頻繁に使用されている。特に、PTFE材料が摩擦力又はその他の物理的力を受ける用途において、良好な耐摩耗性がPTFE材料の寿命を増大させるために要求される。
本明細書で記載されている無機ミクロスフィア及び無機繊維を含有するPTFE組成物が改善された耐摩耗性を示すことが今では判明している。これらはまた、成形物品の作製を可能にする低変形性及び良好な機械的特性も示す。
PTFE組成物
本明細書で提供されるPTFE組成物は、本明細書で記載されているPTFE、本明細書で記載されている無機繊維及び無機粒子を含有する。
このPTFEは、典型的には327+/−10℃の範囲内の融点を有する。
このPTFEは、成形物品を調製するのに十分な機械的特性を有する。このことは、PTFEが少なくとも10MPa又は少なくとも20MPaの引張強度を有することを意味する。典型的には、このPTFEは、少なくとも20%、若しくは少なくとも100%、又は更に少なくとも200%の破断点伸びを有する。
このPTFE組成物は、周囲の条件(25℃、1bar(0.1MPa))において固体であり、当該技術分野においては「化合物(compound)」と呼ばれる。本明細書で使用するとき、「化合物」とは、本明細書に記載されている1つ以上のフルオロポリマー及び1つ以上の充填材、並びに必要に応じて更なる添加剤を含む固体組成物である。典型的には、「化合物」は、例えば粒子の形態(顆粒又はペレットなど)で、又はシートの形態に成形され得る。
このPTFEは過フッ素化されている。このことは、PTFEがTFEから若しくはTFE及び1つ以上の過フッ素化コモノマーから誘導された単位だけを含有することを意味する。過フッ素化モノマーは、過フッ素化アルファ−オレフィン(一般式C2n、nは2〜10の整数)を含む。特定の例は、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)である。その他の過フッ素化モノマーは、過フッ素化アルキル又はアリルエーテルを含む(一般式CF=CF−(CF−O−Rf、式中、nは0又は1を表し、Rfは、カテナリー酸素原子を含有しないか、1つ又は複数のカテナリー酸素原子を含有する直鎖又は分岐鎖、環状又は非環状の過フッ素化アルキル残基を表す)。Rfは、最大8個、好ましくは最大6個の炭素原子(1、2、3、4、5及び6個の炭素原子など)を含有することが可能である。特定の例としては、ペルフルオロメチルエーテル(PMVE)又はペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)のようなペルフルオロアルキルエーテル(PAVE)が挙げられるが、これらに限定されない。
PTFEは、典型的には、フリーラジカル反応開始剤によって開始されるラジカル重合により得られる。この重合は、典型的には、水相において実行される。この重合は、乳化重合として又は懸濁重合として実行されてもよい。
懸濁重合は、一般的には、水相において、及び乳化剤の不在下で行われる。懸濁重合では、反応混合物の攪拌が中止されると間もなく、反応混合物は凝固し、沈殿する。得られたポリマー粒子は、一般的に、乳化重合によって得られたものよりも大きなサイズのものである。典型的には、乳化重合によって得られるポリマー粒子は、50〜500nmの範囲であり、一方最大800μmの粒径を有するポリマー粒子は、懸濁重合によって得ることが可能である。重合後に得られる粒子の粒径は、凝集作用によって増加させることが可能であり(例えば、炭化水素又はその他の凝集物を粒子に付加することによって)、又はミリングによって減少させることが可能である。フッ素化乳化剤が使用されないために、懸濁液PTFEはフッ素化乳化剤を含まない(例えば、以下に記載されるフッ素化乳化剤を含まない)。
水性乳化重合では、重合は、安定な分散液が得られる方法で実行される。この分散液は、反応混合物の攪拌を少なくとも2時間、若しくは少なくとも12時間、又は少なくとも24時間停止した後にも安定した状態を保つ(相分離がない)。典型的には、フッ素化乳化剤が、水性乳化重合において使用される。フッ素化乳化剤は、典型的には、得られる固体(ポリマー含量)に基づいて、0.01重量%〜1重量%の量で使用される。好適な乳化剤として、水性乳化重合において通常使用される任意のフッ素化乳化剤が挙げられる。
典型的な乳化剤は、次の一般式に相当し:
Y−R−Z−M
式中、Yは、水素、Cl又はFを表し、Rは、4〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖過フッ素化アルキレンを表し、ZはCOO又はSO を表し、並びにMはアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン又はHのようなカチオンを表す。例示の乳化剤としては、過フッ素化オクタン酸及び過フッ素化スルホン酸などの過フッ素化アルカン酸のアンモニウム塩が挙げられる。
最近は、一般式[R−O−L−COO の乳化剤が使用されている(式中、Lは直鎖又は分岐鎖の部分的に又は完全にフッ素化されたアルキレン基又は脂肪族炭化水素基を表し、Rは、直鎖又は分岐鎖の、部分的に又は完全にフッ素化された脂肪族基若しくは1つ以上の酸素原子が割り込んだ直鎖又は分岐鎖の部分的に又は完全にフッ素化された基を表し、X は、価数iを有するカチオンを表し、iは1、2及び3である)。乳化剤が部分的にフッ素化された脂肪族基を含有する場合、これは部分的フッ素化乳化剤と呼ばれる。好ましくは、この乳化剤の分子量は、1,000g/モル未満である。特定の例が、例えば、米国特許公開第2007/0015937号(Hintzerら)に記載されている。
好ましくは、本明細書に提供されているPTFE組成物において使用されるPTFEは、粒状の形態であり、「粒状PTFE」と呼ばれる。この粒状体は、約5〜約800μmの寸法(すなわち、直径又は長さ)を有する粒子を有することができる。好ましくは、この粒子は、約5〜約800μm、より好ましくは、約10〜500μm、より好ましくは、約12〜51μmの平均粒子サイズを有する(これは、ふるい分けによって決定することが可能であり、粒子の50体積%が対応のメッシュサイズを有するふるいによって保持される場合のD50値として表される。
好ましくは、使用されるPTFE、例えば粒状のPTFEは、「懸濁PTFE」、すなわち、懸濁重合によって得られたPTFEである。
本明細書に記載されているPTFEは、例えばDuPont de Nemours & Company(DuPont)、Solvay Solexis S.p.a及び3M Companyから市販されている。好適な粒状等級のPTFEの例としては、粒状自由流PTFE、粒状半自由流PTFE、粒状非自由流(標準流)PTFE、これらの誘導体、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適な粒状等級のPTFEの市販例としては、商品名DYNEON TF 1620 PTFE、DYNEON TF 1641 PTFE、DYNEON TF 1645 PTFE、DYNEON TF 1750 PTFE、DYNEON TFM 1600 PTFE、DYNEON TFM 1700 PTFE、DYNEON TFM 1705 PTFE、DYNEON TFMX 1630 PTFE、DYNEON TFR 1105 PTFE、及びDYNEON TFR 1502が挙げられ、これら全ては、3M Company(St.Paul,MN,U.S.A)から入手可能である。
無機粒子
本開示による組成物において有用な無機粒子は、無機材料を含有する粒子である。無機材料の例としては、限定されないが、シリカ及びアルミナ(すなわち、酸化ケイ素、酸化アルミナ)並びにこれらの組み合わせ、若しくは限定されないが、例えばガラス及びセラミックスなどのアルミノシリケートのような混合された酸化物が挙げられる。この粒子は中実又は中空であってもよい。好ましくは、この粒子は中空(又は空気以外のガスで満たされていることを意味するガス入りのもの)である。好ましくは、この粒子は、例えば0.9g/cm又はそれ以下の密度、例えば0.1〜0.9g/cmの密度、又は約0.6〜0.8g/cmの密度などの低密度のものである。この密度は、粒子の試料を秤量し、空気比較比重計(ACCUPYC 1330 Pycnomether又はBeckman Model 930など)を使用して、又は単純に水の置換によって、試料の体積を決定することで、(ASTM D−2840−69に従って)決定することが可能である。この粒子は、中空であっても又中実であってもよい。好ましくは、この粒子は、それらの密度を低減するために中空である。この粒子は、球形状のもの又はおよそ球形状のもの(ミクロスフィア)であってもよい。好ましくは、この粒子は中空ミクロスフィアであり、より好ましくは中空ガラスミクロスフィア(商品名GLASS BUBLESで3M Company,St.Paul USAから入手可能)である。有用な無機粒子は、8μm〜70μmの範囲の直径又は長さを有することが可能である。この粒子の平均粒子サイズは、約8μm〜約70μmであり得る(ふるい分けによって決定されたD50値。D50値は、粒子の50体積%が、対応のメッシュサイズを有するふるいによって保持されるときの値である)。
この粒子は、物品の製造時に上昇し得る予想圧力を上回る粉砕強度を有する。無機粒子の好適な平均破砕強度の例として、少なくとも約40メガパスカル(MPa)、又は少なくとも約(69MPa)10.000psi、又は更に少なくとも約17.000psi(117MPa)、又は更に少なくとも約(190MPa)28.000psiが挙げられる。平均破砕強度は、例えば、粒子の試料サイズが10ミリリットルであることを除いては、ASTM D3102−72に従って、粒子を20.6グラムのグリセロール中に分散させて測定することが可能であり、データ変換はコンピュータソフトウェアを使用して自動化されている。報告される値は、粒子の20体積%が圧潰する(すなわち、80%が非破壊)場合の流体静力学的な圧力である。
この粒子はまた、良好な平均破砕強度対密度比を呈することが望ましい。粒子の平均破砕強度対密度比は、低密度ミクロスフィアの平均破砕強度を粒子の密度で割ることによって計算することが可能である。平均破砕強度は、粒子の試料サイズが10ミリリットルであることを除いては、ASTM D3102−72に従って測定することが可能である。この粒子についての好適な平均破砕強度対密度比の例として、少なくとも100MPa−cm/g、好ましくは、少なくとも200MPa−cm/g、より好ましくは少なくとも300MPa−cm/gが挙げられる。
特に好適な無機粒子の例として、0.6g/cmの密度、約(69MPa)10.000psiの平均破砕強度、及び約115MPa−cm/gの平均破砕強度対密度比を有する、商品名3M GLASS BUBBLES S60ミクロスフィアで、3M Company,St.Paul USAから市販されているミクロスフィア;約0.6g/cmの密度、約(124MPa)18.000psiの平均破砕強度、及び約207MPa−cm/gの平均破砕強度対密度比を有する、3M GLASS BUBBLES S60HSミクロスフィア;0.42g/cmの密度、約51MPaの平均破砕強度、及び約121MPa−cm/gの平均破砕強度対密度比を有する3M GLASS BUBBLES K42HS;並びに0.6g/cmの密度、約(191MPa)28.000psiの平均破砕強度、及び約320MPa−cm/gの平均破砕強度対密度比を有する3M iM30K Hi−Strength GLASS BUBBLESなどのガラス粒子が挙げられる。
無機粒子は、好ましくは、最大約35重量%、又は最大約20重量%の量で、本開示によるPTFE組成物において使用される。典型的な量として、PTFE、無機粒子及び無機ファイバを合わせた重量を基準として、約1重量%〜最大約15重量%(例えば約1.5重量%〜約10.5重量%など)が挙げられる。
繊維
繊維は、有機又は無機繊維であり得る。好ましくは、この繊維は無機材料を含有する(無機繊維)。典型的な無機材料として、アルミナ(酸化アルミニウム)、シリカ(酸化ケイ素)、窒化ケイ素、炭化ケイ素及びこれらの組み合わせが挙げられる。無機繊維の別の例は、炭素繊維である。これら無機材料は、単独で使用されてもよく、又はこれらの少なくとも2つが混合され、組み合わされて使用されてもよい。例えば、この無機繊維材料はアルミナを単独で含んでもよく、又はシリカなどの別の無機材料がアルミナと組み合わせて更に使用されてもよい。かかる繊維は、アルミナ−シリカ繊維と呼ばれる。シリカ、アルミナ及びホウ素の組み合わせを含有している繊維は、アルミノボロシリケート繊維と呼ばれる。
この繊維材料は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ホウ素、チタン及びジルコニウム、特にこれらの酸化物などの更なる金属を含有してもよい。
典型的には、無機繊維として、セラミック繊維、ガラス繊維、及び多結晶無機繊維が挙げられる。
無機繊維は、個別に、又は2つ若しくはそれ以上の種類の組み合わせのいずれかで使用されてもよい。
特定の無機繊維の具体例としては、約67重量%〜約98重量%の範囲の酸化アルミニウム及び約33重量%〜約2重量%の範囲の酸化ケイ素を含む高アルミナ繊維が挙げられるが、これらに限定されない。これら繊維は、例えば3M Companyから商品名「NEXTEL 550」として、Dyson Group PLC(Sheffield、英国)から入手可能な「SAFFIL」として、Mitsubishi Chemical Corp.(東京、日本)から入手可能な「MAFTEC」として、Unifrax(Niagara Falls、NY)から入手可能な「FIBERMAX」として、並びにRath GmbH(ドイツ)から入手可能な「ALTRA」として市販されている。他の好適な無機繊維としては、限定されないが、例えば約55重量%〜約75重量%の範囲の酸化アルミニウム、約45重量%未満〜0重量%を超える(好ましくは、44重量%未満から0重量%超まで)範囲の酸化ケイ素、及び25重量%未満から0重量%まで(好ましくは約1重量%〜約5重量%)の範囲の酸化ホウ素(それぞれAl、SiO、及びBなどの理論上の酸化物を基準として計算された)を含むアルミノボロシリケートが挙げられる。アルミノボロシリケート繊維は、例えば、3M Companyから商品名「NEXTEL 312」及び「NEXTEL 440」として市販されている。
この繊維は、典型的には1〜26マイクロメートルの直径、好ましくは5μmを超える直径を有する。典型的には、この繊維は、それらの直径を超える長さを有する。好ましい実施形態において、この繊維は、約6〜18マイクロメートルの直径を有し、より好ましくは、この繊維は約8〜16マイクロメートルの平均直径を有する。好ましくは、この繊維は、3マイクロメートル未満の直径を有する繊維を含まないか又は本質的に含まない。本明細書の本質的に含まないとは、かかる小口径の繊維の量が、セラミック繊維層中の繊維の総重量の2重量%以下、好ましくは1重量%以下であることを意味する。
この繊維は、結晶性又は多結晶の繊維であってもよい。この繊維は、アニール処理繊維と呼ばれる場合がある、熱処理された繊維であってもよい。アニール処理繊維は、1999年9月16日に公開された、米国特許第5,250,269号(Langer)又は国際公開第99/46028号に開示されているように得ることができる。
別の特定の実施形態において、使用される繊維は、ケイ酸アルミニウムマグネシウム繊維を含む。例えば、この繊維は、10重量%〜30重量%の酸化アルミニウム、52重量%〜70重量%の酸化ケイ素、及び1重量%〜12重量%の酸化マグネシウムを有する。上述の酸化物の重量パーセントは、Al、SiO及びMgOの理論上の量に基づいている。このケイ酸アルミニウムマグネシウムのガラス繊維は、追加の酸化物を含有してもよい。例えば、存在し得る追加の酸化物としては、酸化ナトリウム又は酸化カリウム、酸化ホウ素、及び酸化カルシウムが挙げられる。ケイ酸アルミニウムマグネシウムのガラス繊維の特定の例としては、限定されないが、典型的には約54重量%のSiO、14重量%のAl、10重量%のB、19重量%のCaO、3重量%のMgO、及び1重量%のその他の酸化物(NaO、及びKOなど)の組成を有するE−ガラス繊維が挙げられる。他の有用な例としては、限定されないが、典型的には、約65重量%のSiO、25重量%のAl、及び10重量%のMgOの組成を有するS及びS−2ガラス繊維、並びに典型的には60重量%のSiO、25重量%のAl、9重量%のCaO、及び6重量%のMgOの組成を有するR−ガラスが挙げられる。E−ガラス、S−ガラス及びS−2ガラスは、例えば、Owen Corning及び/又はAdvanced Glassfiber Yarns LLCから入手可能であり、R−ガラスは、Saint−Gobain Vetrotexから入手可能である。
この繊維は、組成物の総重量に基づいて、又はPTFE、本明細書に記載されている無機粒子及び本明細書に記載されている繊維を合わせた重量に基づいて、例えば1.0重量%〜7.5重量%、又は1.6重量%〜6.3重量%の量のような、最大15重量%の量で、好ましくは、最大10重量%の量で、本開示によるPTFE組成物において使用されることが好ましい。後者が好ましい。
添加剤
本開示による組成物はまた、組成物のいくつかの特性を更に改善するのが望ましい場合には、追加の材料を様々な濃度で含んでもよい。好適な添加剤としては、例えば顔料、抗酸化剤、UV安定化剤、補強剤、上記記載の無機粒子及び繊維以外の充填材(有機又は無機)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
PTFE物品の製造法
本開示による組成物は、当該技術分野において既知の混合技術を使用して製造され得る。PTFE、ミクロスフィア及び無機繊維は、周囲温度及び圧力で固体である。これらは、固体に適した混合技術(例えば、限定されないが、高速ミキサー又は高せん断力ブレンダーなど)によって調合され得る。混合後に、この組成物は更に加工かつ成形され、物品を形成することが可能である。例えば、圧縮成形、焼結、及び後続の機械加工(例えばスカイビング仕上げ)などのPTFE加工で使用されるような形状供与法を用いることが可能である。
好適な圧縮成形プロセスの例は、組成物を、油圧プレスなどの圧縮型で予備成形寸法に圧縮することを含む。圧縮成形に好適な圧力は、約(13.8MPa)2.000psi〜約(82.7MPa)12.000psiに及ぶ。圧縮圧力は、一方向に付与されてもよく(すなわち、自動圧縮成形)、又は四方から付与されてもよい(すなわち、アイソスタティック圧縮成形)。
次いで、圧密組成物は、組成物を硬化するために、PTFEの結晶融点(初期融点)より高い温度で熱を加えることによって焼結することが可能である。好適な焼結条件の例として、圧密組成物を340℃〜380℃の温度、例えば約365℃の温度で加熱することを含む。組成物の焼結は、圧縮型内で実行されてもよい。あるいは、焼結工程を施す場合、組成物を圧縮型から取り出し、焼結オーブン内に配置してもよい。
焼結の前の圧縮成形は、最終物品を形成するために用いてもよく、又は後続の機械加工を受ける中間物品を形成するために用いてもよい。形成され得る中間物品の例としては、引き続いてスカイブされ(すなわち、スライス及び剥離され)、O−リング、フィルム及びシートのような異なる成形物品に形成されることが可能である球形体、シート及びビレット(すなわち、円筒)が挙げられる。
本開示による組成物は、寸法安定性であり、例えば低い変形によって示されるような高レベルの圧縮力に耐えることによる良好な圧縮強度を呈する物品を形成するために使用することが可能である。本明細書で提供される組成物はまた、引裂き及び穿刺を防止又は低減するための良好な引張強度を呈する。本明細書に提供される組成物はまた、増大した耐摩耗性を有する。これにより組成物は、ガスケット若しくはシール材として、又はそれらの構成部品として特に適したものとなる。かかるガスケット又はシール材は、動的用途、すなわち、動的ガスケット又はシール材として好都合に使用することが可能である。動的シール材又はガスケットは、少なくとも1つが移動する可能性がある表面(典型的には、金属表面又は金属と類似した機械的な剛性を有するプラスチック表面)間の接合を封止する。移動表面は、摩擦力又はその他の物理的力をシール材又はガスケット材に及ぼす可能性がある。この組成物はまた、炭化水素の煙霧及び液体に対する耐性を有する(例えば、内燃エンジンの燃料又は炭化水素系潤滑剤に対する耐性を有する)。
したがって、この組成物は、例えば自動車のようなエンジン駆動用途において使用される物品(例えばシール材)を形成してもよく、又はこれらの部品であってもよい。この組成物は、クランクシャフト、クランクシャフトシール材、カムシャフト、カムシャフトシール材、ピストン、ピストンシール材、シリンダー受容ピストン(このようなシリンダーのためのシール材を含む)、ベアリング及びベアリングのためのハウジング(このようなハウジングのためのシール材を含む)の製造で特に有用であり得る。この組成物は、物品全体を形成してもよく、又は物品の構成部品として存在してもよい。
本明細書で提供される組成物は、典型的にはPTFE化合物、すなわち、PTFEを含有する固体組成物である。このPTFE化合物は、典型的には、周囲気圧(すなわち、1bar(0.1MPa))において200℃以下の温度で融解又は崩壊しない。本明細書で提供されるPTFE組成物又は化合物は、典型的には、以下の特性の1つ以上又は全てを有する。
(i)2.1未満、好ましくは2.0未満の密度。典型的には、この密度は、1.5〜1.9、例えば1.8である。
(ii)少なくとも250%、好ましくは少なくとも350%、又は更に少なくとも400%(ASTM D 4755−06)、例えば250%〜550%の破断点伸び。
(iii)少なくとも10MPa、好ましくは少なくとも12MPa、例えば15MPa〜25MPaの引張強度。
(iv)少なくとも50、好ましくは少なくとも60、例えば62〜71のショアD硬度。
(v)3.5%未満、例えば2.0%〜3.3%の永久歪み。
(vi)310−7mm/Nm未満の摩耗指数。
本明細書で提供される組成物の典型的な実施形態は、1.7〜2.0、例えば1.8g/cmの密度、400%を超える破断点伸び、少なくとも15MPaの引張強度、3%未満の永久歪み、及び110−7mm/Nm未満の摩耗指数を有する。
本明細書に提供される組成物及び方法を更に説明するために、以下の実施例が提供される。これら実施例は、特定の実施形態を例示するために提供されているが、本発明をこれらに限定することを意味するものではない。その前に、材料及びそれらの特性を特徴付けるために使用されるいくつかの方法について説明する。特記しない限り、パーセンテージは、組成物の全体の質量に対する重量パーセンテージであり、各々のケースで合計100重量%となる。
試験方法
硬度:
ショアD硬度は、DIN−53505に従って測定した。列挙されている結果は3回の測定の平均値である。
破断点引張強度、破断点伸び:
これら特性は、ASTM D 4745−06に従って、0.5KNのロードセルを備えたインストロンテスターを使用して決定した。全ての試験は、50mm/分の一定クロスヘッド置換速度で行った。各試験は4回行った。報告される値は、4回の試験の平均値である。破断点伸びは%で報告される。破断点引張強度は、メガパスカル(MPa)の単位で報告される。
密度:
密度は、水置換(試料によって置き換えられた水の量を測定すること)によって決定した。
変形:
室温における変形は、ASTM D 621に従って、24時間後、100時間後及び124時間後(永久歪み)に測定した。報告される値は、3つの試料の平均値であり、記録される値は%である。
摩耗指数及び摩擦係数
摩耗指数及び摩擦係数は、スラストワッシャマシンを使用して、ASTM 3702:「Wear Rate and Coefficient of Friction in Self−Lubricated Rubbing Contact」に従って決定した。この試験は、134.6mmの接触面を有する試料を、定接点圧(0.69MPa)及び定滑り速度(0.51m/s)で、0.4μの表面仕上げを備えた1018ステンレス鋼トラストワッシャに対して100時間保持し、試料の動摩擦係数及び摩耗特性を測定することによって、Lewis Wear Tester(Lewis Research Inc.)を使用して行った。摩耗指数はmm/Nmで表す。値が低くなるにつれて、材料の摩耗に対する抵抗が大きくなる。
融点:
融点は、ASTM D 4591に従って、DSC(Perkin Elmer示差走査熱量計Pyris 1)により決定することができる。5mgの試料を、10℃/分の制御された速度で380℃の温度まで加熱し、これによって第1の融解温度を記録する。次いで試料を10℃/分の速度で300℃の温度まで冷却し、その後10℃/分で380℃の温度まで再加熱する。第2の加熱周期で観測された融点を記録し、これを本明細書ではポリマーの融点(一旦溶融した材料の融点)と呼ぶ。初めて溶融したときと、初めて溶融した後では異なる融点を有する傾向があり、初めて溶融した後では、融点は多少低くなる傾向がある。しかしながら、一旦材料が溶融すると、融点は一定のままである。本明細書で融点について言及する場合、特記されない限り、一旦溶融した材料の融点を意味する。
メルトフローインデックス(MFI):
メルトフローインデックスは、5kgの荷重及び372℃の温度(MFI 372/5)を使用して、DIN EN ISO 1133に従って、Gottfertメルトインデックス測定装置で測定異することができる。押出し時間は1時間である。
使用材料及び略記:
PTFE TFM 1700:3M;St.Paul,MN,U.S.Aから市販されている、25μmの平均粒子サイズを有する、粒状PTFE(懸濁重合によって得られる)。
iM30K(GB):3M;St.Paul,MN,U.S.Aから市販されている、0.60g/cmの密度及び18μmの平均直径を有する高強度ガラスバブル(ミクロスフィア)。
Eガラス繊維(GF):Owens Corning Toledo,Ohio,U.S.Aから市販されている低アルカリガラス(長さ35マイクロメートリル、直径13マイクロメートル)。
実施例1及び2並びに比較例C−1及びC−2
実施例1及び2並びに比較例C−1及びC−2は、Lodige高速ミキサー(Gebruder Lodige Maschinenbau GmbH,Paderborn、ドイツ)を使用して、表1に指示された量で、PTFE TFM 1700(懸濁重合によって得られた粒状PTFE)をガラスバブル(GB)及びガラス繊維(GF)と混合することによって作製した。(密度の差のために、7.5重量%のガラスバブルの体積は、25重量%のガラス繊維の体積に相当し、したがって、比較例C−1及びC−2は、およそ同じ体積%のフルオロポリマーを含有した)。
この配合物を、40Mpaで、45mmの直径及び60mmの高さを有するビレットに圧縮成形し、次いでゆっくりと脱気した。得られた材料を356℃で12時間にわたって焼結した。次いで試料を、表1に示すように、これらの特性について試験した。
Figure 2015504967
量は、100%を構成する上記成分を含む組成物の総重量を基準とした重量%である。
比較例3及び4
PFA(無機粒子及び無機繊維が付加されない)の摩耗性を、3.6重量%の無機粒子(IM30K)を含有する同一のPFAの摩耗特性と比較した。ガラスバブル又は繊維の添加がないPFAは、試験装置内で100時間持ちこたえ、7.19 E−0.6の平均摩耗指数を得た。PFAへのガラスバブルの添加は、摩耗特性を低減し、この実験は、高い摩耗の警告のために、70時間後に停止させる必要があった。
比較例5
無機粒子又は繊維の添加がないPTFE試料に摩耗試験を施した。この実験は、高い摩耗の警告が0.8時間後に起動したために停止させる必要があった。
無機粒子を有する溶融加工可能なフルオロポリマー組成物:
別の態様において、本開示は、FEP組成物(TFE及びHFPのコモノマー、及び必要に応じて、更にフッ素化された、好ましくは過フッ素化されたポリマー)及びPFA組成物(TFEのコモノマーと、PTFEポリマーについて上記した1つ以上の過フッ素化ビニル又はアリルエーテルとのコポリマー)のような溶融加工可能なフルオロポリマー組成物に関する。溶融加工可能なポリマーは、1.0g/10分を超える、好ましくは5.0g/10分を超えるMFI(372/5)を有する。溶融加工可能なフルオロポリマーは、TFEと1つ以上のその他のコモノマーとのコポリマー、典型的には過フッ素化ポリマーであり、少なくとも200℃及び310℃未満の融点、典型的には210℃〜290℃の融点を有する。FEP組成物が好ましい。FEP及びPFAポリマーは、典型的には、2重量%超から12.0重量%までのコモノマーを含有する。PTFEとは対照的に、FEP及びPFAは、溶融押出成形によって容易に加工され得る。PFA及びFEPポリマーは、良好な電気絶縁体であり、したがって、ケーブル及びワイヤ用の絶縁材として典型的に使用される。本明細書に記載されている無機ミクロスフィアを含有するPFA及びFEP組成物は、低減した誘電定数又は低い誘電正接などの増大した電気絶縁特性を有することが可能であり、これがPFA及びFEP組成物を、ケーブル及びワイヤ用の、特に同軸及び撚り合わせた対ケーブルのような高周波用途のワイヤ並びにその他の高周波伝送媒体及び回路部品用の絶縁材として適したものにする。この絶縁特性は、発泡ケーブルを使用することにより改善することが可能である。例えば、米国特許第4,560,829号は、電気絶縁体が、式C2n+2を有する発泡剤を使用して発泡されたFEPフルオロポリマーである同軸ケーブルを開示している。しかしながら、低分子量のフルオロカーボンは、大気中のオゾン層の破壊に関連してきた。
したがって、改善された高周波伝送特性を有するケーブルの製造を可能にする代替品が望まれている。このようなケーブルは、本明細書に記載されている無機粒子を含む溶融加工可能なプルオロポリマー組成物を含有する絶縁体を提供することによりもたらすことが可能である。特に好ましいものは中空粒子である。より好ましいものは、0.6〜0.9g/cmの密度を有する中空粒子である。このような粒子の量は、組成物の総体積を基準として、最大約40体積%であり得る。典型的には、無機粒子の量は、約5体積%〜約30体積%であり得る。この粒子の使用は、発泡剤の量を低減することができ、又は電気絶縁特性を改善するためにケーブルの気泡をもはや必要としないことも可能である。したがって、一実施形態において、本開示は、導体、典型的には金属製導電素子、及び絶縁体を含有するケーブルを提供する。絶縁体は、典型的には導体に接触する。この絶縁体は、無機粒子を含有する溶融加工可能なフルオロポリマー組成物を含有する。この溶融加工可能なフルオロポリマーは、好ましくは、極性末端基を含まず、このことは、このポリマーが、−COOH、−OH、及び−COF末端基のような不安定な末端基を取り除くために、後フッ素化又は熱処理によって処理されていることを意味する。好適なフッ素化プロセスは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,743,658号により詳細に記載されている。その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,675,380号により詳細に記載されているように、100万個の炭素原子当たり−CF3以外の約50個の末端基のレベルが、赤外分光法によって合理的に検出され得る。したがって、このポリマーは、100万個の炭素原子当たり、約50個よりも少ない、好ましくは約20個よりも少ないこのような基を有するべきである。
例えば、テレビ信号の伝送については、100MHz〜10GHzの周波数領域が重要である。本明細書で提供される溶融加工可能なフルオロポリマー組成物は、このようなより高い周波数において誘電正接を低減することができる。
本明細書で提供される溶融加工可能なフルオロポリマー組成物は、広い周波数範囲にわたって改善された誘電正接を有することが可能であり、ワイヤ及びケーブルコーティング組成物として有用であり、特にその構造が周知である同軸ケーブルにおける絶縁体として有用である。同軸ケーブルは、通常、銅などの金属からなる中央導電素子又はワイヤを含む。この中央素子は、絶縁媒体によって包囲され、これが今度は外部導電素子によって包囲され、この外部導電素子は、例えば、金属ホイル、織られた若しくは編まれた複合ワイヤ、又は延伸アルミニウム、銅、あるいはその他の金属製チューブであり得る。外部導電素子はまた、更なる保護的絶縁体内に入れられることが可能である。同軸ケーブルは、中心導体の周りにFEP組成物を溶融押出成形することによって調製することができる。発泡可能なポリマー組成物を製造するために、並びに「発泡」ケーブルを製造するために、発泡剤が添加され得る。押出しは、ポリマーが押出成形機のダイから出た後に発泡剤を膨張させるのに十分な温度で行われ、これによって、中心導体の周りに発泡コア絶縁体が提供される。発泡剤が使用されない場合、溶融押出成形温度は、その温度内で組成物が十分に押し出されるように選択される。その後、1つ以上の外部層(導電性金属層又はシールド、及び全体的絶縁ジャケットのような更なる絶縁層)がフルオロポリマー組成物層の周囲に配置されてもよい。発泡コア絶縁部材を備えた同軸ケーブルは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,072,583号により詳細に記載されている。
本明細書に提供される溶融加工可能なフルオロポリマー組成物は、「撚り合わせた対」ケーブルに有用である。これらケーブルは、複数の、通常は2本のこのような導線が一緒に撚られていることを除けば、中心導体が低損失絶縁体によって包囲されているという点で同軸ケーブルと類似している。必要に応じて、別の導体がシールドとして、並びに全体的な絶縁ジャケットとして対ケーブルの外側の周囲に存在する。
例えばテレビ信号の伝送については、100MHz〜10GHzの周波数領域が重要である。本明細書で提供される溶融加工可能な組成物は、このようなより高い周波数においてケーブルの誘電正接を低減することが可能である。同軸及び撚り合わせた対ケーブルは、100MHz〜10GHzの周波数領域に好適である。
特定のポリマー組成物を絶縁体として使用してこのように調製されたケーブルは、例えば、低減した誘電損失、及び/又は低減した誘電正接のような、改善された電気信号伝送特性を有することができる。
同軸ケーブルを通過する際の減衰量は、導体材料自体に起因する損失とコア絶縁体の誘電損失に起因する減衰の合計である。高周波数において、誘電損失は全減衰量の益々重要な部分を構成し、それ故、絶縁体に起因する誘電損失を最小限にとどめることの重要性は明らかである。絶縁体誘電損失は、下記の関係に比例する。
L=0.092×F×(DC)1/2×DF
式中、Lはデシベル/メートルの単位の誘電損失であり、FはMHzの単位の周波数であり、DCは絶縁体の誘電定数であり、DFは誘電正接である。低い誘電正接を有する絶縁体が、より低い誘電損失を有するケーブルをもたらすことは、この等式から明白であり、この効果は、より高い周波数で著しい。本実施形態のポリマーが誘電正接において最大の改善を示すのは、ちょうどこれらのより高い周波数、すなわち、100MHz以上においてである。結果として、これら溶融加工可能な組成物から調製されたケーブルは、例えば100MHz〜10GHzの周波数のような高周波数において特に改善された伝送特性を示すことが可能である。
溶融加工可能なフルオロポリマー組成物は、市販の溶融加工可能なフルオロポリマー、例えば、FEP又はPFAを、ミクロスフィアのような無機粒子と混合することによって調製することが可能である。この組成物の誘電正接は、約2.5mm(0.1インチ)の厚さのプラーク上で、周波数の関数として測定することができる。誘電正接は、対象とする周波数に応じて、1つ以上の方法によって測定することができる。このような方法は、当業者に周知である。測定法は、ASTM D 150及びASTM D−2520にも記載されている。例えば、米国特許第3,072,583号の教示に従って、このポリマー組成物は、2.8mm(0.109インチ)の直径の銅ワイヤ上に溶融押出され(例えば、発泡剤としてクロロジフルオロメタンを使用し、成核剤として窒化ホウ素を使用して)、ワイヤ上の絶縁体の(発泡層)を形成することが可能である。
このように製造されたケーブルは、当該技術分野において既知の方法で、アルミニウムホイルで遮蔽され得る。遮蔽ケーブルの全減衰量は、高周波ネットワークアナライザを使用して、異なる周波数において測定することが可能である。誘電減衰量は、式
A=(0.435/Zo)(1/d+1/D)(F)1/2+2.78P(K)1/2Fを
式中Aは、デシベル/30.5m(100フィート)での全減衰量であり、第1番目の項は導体減衰量であり、第2番目の項は誘電減衰量である。Zoは、特性インピーダンスであり、dは、内部導体の直径であり、Dは絶縁層の外径であり(d及びDの双方ともに25.4mm(インチ)の単位)、Fはメガヘルツで表した周波数であり、Pは力率又は誘電正接であり、Kは発泡絶縁体の誘電定数である。
実施形態のリスト
以下の実施形態のリストは、本開示によるいくつかの特定の実施形態を更に例示するために提供されている。このリストは例示のみを目的とし、本開示をこのリストに含まれる実施形態に限定することを意味するものではない。
1.組成物であって、
(i)テトラフルオロエテンホモポリマー及び、ポリマーの重量を基準として0重量%〜1.0重量%のテトラフルオロエテン以外のコモノマーを含有するテトラフルオロエテンコポリマーから選択されるテトラフルオロエテンポリマーと、
(ii)炭素繊維及び、窒化ケイ素、炭化ケイ素、又はシリカ若しくはアルミナ及びこれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する繊維、から選択される繊維と、
(iii)シリカ及びアルミナ並びにこれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する粒子と、を含む組成物。
2.テトラフルオロエテンポリマーが、372℃及び5kg(49N)荷重において0.1g/10分未満のメルトフローインデックス(MIF 372/5)を有する、実施形態1に記載の組成物。
3.テトラフルオロエテンポリマーが、327℃+/−10℃の融点を有する、実施形態1〜2のいずれか一つに記載の組成物。
4.テトラフルオロエテンポリマーが、懸濁重合によって得られる、実施形態1〜3のいずれか一つに記載の組成物。
5.少なくとも250%、好ましくは少なくとも350%、又は更に少なくとも400%、例えば250%〜550%の破断点伸びを有する、実施形態1〜4のいずれか一つに記載の組成物。
6.少なくとも10MPa、好ましくは少なくとも12MPa、例えば、15MPa〜25MPaの破断点引張強度を有する、実施形態1〜5のいずれか一つに記載の組成物。
7.3×10−7mm/Nm未満の摩耗係数を有する、実施形態1〜6のいずれか一つに記載の組成物。
8.無機繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、窒化ケイ素繊維、炭化ケイ素繊維である、実施形態1〜7のいずれか一つに記載の組成物。
9.無機粒子が中空である、実施形態1〜8のいずれか一つに記載の組成物。
10.無機粒子がガラス粒子である、実施形態1〜9のいずれか一つに記載の組成物。
11.無機粒子が、約5μm〜約80μmの粒径(長さ及び直径)を有する、実施形態1〜10のいずれか一つに記載の組成物。
12.粒子の50体積%が、約5μm〜約80μmの粒径を有する(5〜80μmのD50)、実施形態1〜11のいずれか一つに記載の組成物。
13.PTFE化合物である、実施形態1〜12のいずれか一つに記載の組成物。
14.焼結組成物である、実施形態1〜13のいずれか一つに記載の組成物。
15.実施形態22〜25のいずれか一つに記載の方法によって得られる、実施形態1〜14のいずれか一つに記載の組成物。
16.組成物の総重量に基づいて、約1.5重量%〜約30重量%の無機粒子を含有する、実施形態1〜15のいずれか一つに記載の組成物。
17.組成物の総重量に基づいて、約1重量%〜約10重量%の繊維を含有する、実施形態1〜16のいずれか一つに記載の組成物。
18.重量で、繊維と同一量又はそれを超える量の無機粒子を含有する、実施形態1〜17のいずれか一つに記載の組成物。
19.実施形態1〜18のいずれか一つに記載の組成物を含む成形物品。
20.動的又は固定シールである、実施形態19に記載の物品。
21.自動車の構成部品である、実施形態20に記載の物品。
22.実施形態1〜18のいずれか一つに記載の組成物の製造法であって、
(i)テトラフルオロエテンポリマーと、
(ii)炭素繊維及び、窒化ケイ素、炭化ケイ素、又はシリカ若しくはアルミナ及びこれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する繊維、から選択される繊維と、
(iii)シリカ及びアルミナ並びにこれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する粒子と、を混合することと、
これらに温度及び/又は圧力処理を施して成形組成物を形成し、必要に応じて、続いて焼結する工程と、を含む方法。
23.テトラフルオロエテンポリマーが、約5μm〜800μmの長さ又は直径を有する粒状形態である、実施形態22に記載の方法。
24.テトラフルオロエテンポリマーが、平均粒径を有する粒状形態であり、粒子の50体積%が、約5μm〜800μmの粒径を有する(D50値)、実施形態22に記載の方法。
25.組成物が、圧縮成形又はラム押出成形によって、成形組成物に成形される、実施形態22〜24に記載の方法。
26.テトラフルオロエテンポリマーが、懸濁PTFEである、実施形態22〜25のいずれか一つに記載の方法。
27.成形物品の摩耗耐性を増大させるための、実施形態1〜18のいずれか一つに記載の組成物の使用。
28.物品がシールであり、好ましくは動的シールである、実施形態27に記載の使用。
29.導体及び絶縁体を備えるケーブルであって、絶縁体が、溶融加工可能であるテトラフルオロエテンコポリマーを含む組成物と、シリカ及びアルミナ並びにこれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する無機粒子とを含む、ケーブル。
30.テトラフルオロエテンコポリマーが、372℃及び5kg(49N)荷重において5g/10分を超えるメルトフローインデックス(MIF 372/5)を有する、実施形態29に記載のケーブル。
31.テトラフルオロエテンコポリマーが、250℃〜305℃の融点を有する、実施形態29及び30のいずれか一つに記載のケーブル。
32.無機粒子が中空である、実施形態29〜31のいずれか一つに記載のケーブル。
33.無機粒子がガラス粒子である、実施形態29〜32のいずれか一つに記載のケーブル。
34.無機粒子が、5μm〜80μmの粒径(長さ又は直径)を有する、実施形態29〜33のいずれか一つに記載のケーブル。
35.ケーブルが、同軸ケーブル又は撚り合わせた対ケーブルである、実施形態29〜34のいずれか一つに記載のケーブル。
36.ケーブルが、100MHz〜10GHzの周波数用の高周波数ケーブルである、実施形態29〜35のいずれか一つに記載のケーブル。
37.無機粒子が、溶融加工可能なテトラフルオロエテンコポリマーと無機粒子とを合わせた重量に基づいて、約5重量%〜約30重量%の量で存在する、実施形態29〜36のいずれか一つに記載のケーブル。

Claims (15)

  1. 組成物であって、
    (i)テトラフルオロエテンホモポリマー及び、ポリマーの重量を基準として0重量%〜1.0重量%のテトラフルオロエテン以外のコモノマーを含有するテトラフルオロエテンコポリマーから選択されるテトラフルオロエテンポリマーと、
    (ii)炭素繊維及び、窒化ケイ素、炭化ケイ素、又はシリカ若しくはアルミナ及びこれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する繊維、から選択される繊維と、
    (iii)シリカ及びアルミナ並びにこれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する粒子と、を含む組成物。
  2. 前記テトラフルオロエテンポリマーが、372℃及び5kg(49N)荷重において0.1g/10分未満のメルトフローインデックス(MIF 372/5)を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記テトラフルオロエチレンポリマーが、327℃+/−10℃の融点を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記テトラフルオロエチレンポリマーが、懸濁重合によって得られる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 少なくとも250%の破断点伸び及び/又は少なくとも10Mpaの破断点引張強度を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 3×10−7mm/Nm未満の摩耗係数を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記無機繊維がガラス繊維である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記無機粒子が中空である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記無機粒子が、ガラス粒子である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. PTFE化合物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物を含む成形物品。
  12. シールである、請求項11に記載の物品。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物の製造法であって、
    (i)前記テトラフルオロエテンポリマーと、
    (ii)炭素繊維及び、窒化ケイ素、炭化ケイ素、又はシリカ若しくはアルミナ及びこれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する繊維、から選択される繊維と、
    (iii)シリカ及びアルミナ並びにこれらの組み合わせから選択される無機酸化物を含有する前記粒子と、を混合することと、
    これらに温度及び/又は圧力処理を施して成形組成物を形成することと、を含む方法。
  14. 前記テトラフルオロエテンポリマーが、約5μm〜800μmの長さ又は直径を有する粒状形態である、請求項13に記載の方法。
  15. 成形物品の摩耗耐性を増大させるための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物の使用。
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