JP2015504878A - 錠剤及び有核剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、容易に経口投与することができ、バルサルタンを活性成分として有する錠剤の提供に関する。具体的には、本発明は、唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊させて経口投与される、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる錠剤を提供する。また、本発明は、苦味を防止し、QOLの十分な向上することができ、バルサルタンを活性成分として有する有核剤の提供に関する。具体的には、本発明は、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆し、口腔内を弱酸性にするpH調整剤を含有する被覆組成物からなる外層と、を含む有核剤を提供する。

Description

本発明は、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩を含有する錠剤に関する。また、本発明は、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩を含有する有核剤(dry-coated agent)に関する。
バルサルタン(アンジオテンシン II レセプターアンタゴニスト)は、鬱血性心不全処置に効果的であること、また、年齢、性別、人種に関係なく血圧を降下させることができることが知られている。例えば、国際公開第97/49394号パンフレット(対応特表2000−506540号公報及び米国特許第6,294,197号)、特開2003−231634号公報及び特開2007−238637号公報には、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩と、圧縮法により形成された固体経口剤が開示されている。
ところで、近年、口腔内崩壊錠(orally disintegrating tablet)(「OD錠」ともいう。)は服用のしやすさから用途が広がっている。OD錠としては、例えば特開平5−271054号公報には、薬効成分と糖類と前記糖類の粒子表面が湿る程度の水分とを含む混合物を打錠して得られる口腔内崩壊型錠剤が記載されている。国際公開第95/20380号パンフレットには、成形性の低い糖類及び成形性の高い糖類を含有してなる、口腔内において速やかな崩壊性(disintegrability)を有する口腔内崩壊型圧縮成型物が記載されている。
しかし、本発明者らが検討したところ、バルサルタンを活性成分とした場合、特開平5−271054号公報及び国際公開第95/20380号パンフレットを含む公知の方法では、OD錠を製造したとしても使用に適するものにならないことが明らかとなった。
具体的には、バルサルタンが疎水性で溶解性(solubility)が低いこと、かさ高く付着性が強いこと等の影響により、十分な崩壊性を有するOD錠を製造しようとすると、十分量のバルサルタンを得るために錠剤のサイズを大きくする必要が生じ、服用や取扱いが困難となる。
OD錠の製造には、口腔内で錠剤が容易に崩壊するだけの十分な崩壊性及び錠剤としての十分な硬度とを両立する必要もある。従来の方法では、これらの特性を両立したバルサルタンを活性成分とするOD錠の製造が困難であった。
また、近年、錠剤の自己投与が容易となり、生活の質(QOL)が向上することから、口腔内崩壊錠(「OD錠」ともいう。)の利用が広がっている。
しかしながら、バルサルタンは苦味を呈する薬物である。そのため、従来の固体経口剤をそのまま口腔内崩壊錠としても、十分にQOLが向上しないという問題がある。
本発明は、治療上有効量のバルサルタン又はその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する錠剤を提供し、当該錠剤は十分な崩壊性と口腔内崩壊錠(「OD錠」)としての使用に適する硬度とを有する。換言すると、当該錠剤は、経口投与することができ、患者の唾液又は相当量の水に暴露することで――咀嚼(chew)すること無しに、口腔内において崩壊することが可能である。
本発明は、一つの態様において、唾液又は唾液程度の量の水(water in a similar amount to the saliva)で口腔内で崩壊させて経口投与される、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤(disintegrant)、流動化剤(glidant)及び滑沢剤(lubricant)を含有する医薬組成物からなる錠剤を提供する。
このような錠剤は、十分な崩壊性及び錠剤硬度を有し、OD錠としての使用に適する。
具体的には、錠剤は、上記特定の組成を有することにより口腔内崩壊錠としての使用に適するものである。そのため、錠剤を、唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊させて経口投与するという用法で用いることで、バルサルタンを活性成分として含む錠剤の自己投与が容易となり、生活の質(QOL)の向上、コンプライアンスの改善、ひいてはアドヒアランスの改善を図ることができる。
本発明は、他の態様において、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆する外層と、を含む口腔内崩壊錠を提供する。
このような錠剤は、十分な崩壊性及び錠剤強度を有し、OD錠としての使用に適する。そして、上記錠剤によれば、バルサルタンを活性成分として含む錠剤の自己投与が容易となり、QOLの向上、コンプライアンスの改善、ひいてはアドヒアランスの改善を図ることができる。
例えば、本発明のOD錠は、嚥下障害(嚥下が困難)を経験する患者に対する替わりの剤形として役立つことができる。加えて、本発明のOD錠は、問題を抱える集団(例えば、高齢患者、子ども、発達障害患者、又は持続性嘔吐の患者、旅行中の患者、もしくは水分へのアクセスの制限された患者)におけるコンプライアンス及びアドヒアランスを改善することが可能である。本発明のOD錠は、嚥下することが意図される従来の錠剤よりも容易に投与することができ、このことは処方されたとおりに服薬されるのに役立つ。
一つの態様において、OD錠の崩壊時間は約30秒内である。別の態様において、錠剤が口内で唾液又は唾液程度の量の水に曝されることにより(by/upon)崩壊するのに必要な時間として測定した場合に崩壊時間は約1から約60秒、約1から約30秒、又は約15から約30秒である。ある態様において、錠剤硬度は、錠剤硬度計を用いて測定した場合に約36Nから約97Nの間である。
外層は、結晶セルロース、崩壊剤及び滑沢剤を含有する層であることが好ましい。このように構成された外層によれば、十分な崩壊性を維持しつつ、より高い錠剤強度を達成することができる。
崩壊剤は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、デンプン、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム及びグアーガムからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
また、崩壊剤は、少なくとも低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含むことが好ましく、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種と低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとを含んでいてもよい。
流動化剤は、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
また、流動化剤は、軽質無水ケイ酸及び/又は合成ケイ酸アルミニウムを含むことが好ましい。
滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ポリ(エチレングリコール)及びタルクからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
滑沢剤は、少なくともステアリン酸マグネシウムを含むことが好ましい。
ある態様において、本発明のOD錠中に存在する医薬組成物は、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)以外の1又は複数の追加の抗高血圧薬:ヒドロクロロチアジド又はアムロジピン(又はそれらの薬学的に許容される塩)などを含むことができる。
医薬組成物は、ヒドロクロロチアジド及び/若しくはアムロジピン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有することが好ましい。
医薬組成物は、アリスキレン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有することが好ましい。
本発明はまた、治療上有効量のバルサルタン又はその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する有核剤を提供し、該有核剤は、患者に経口投与されると、バルサルタンの苦みが経験されるのを低減又は防止する。
本発明は、一つの態様において、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆し、かつ口腔内を弱酸性にするpH調整剤を含有する被覆組成物からなる外層と、を含む有核剤を提供する。
このような有核剤によれば、口腔内で崩壊させて経口投与されるように用いた場合であっても苦味が十分に防止される。したがって、QOLの向上、コンプライアンスの改善、ひいてはアドヒアランスの改善を図ることができる。
有核剤は、外層を構成する被覆組成物が口腔内を弱酸性にするpH調整剤を含有する。そのため、有核剤を口腔内で崩壊させると口腔内がわずかに酸性化する。また、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)は、酸性薬物であるため、口腔内の酸性度が高いほど即溶性が低下すると考えられる。
具体的には、有核剤によれば、内核のバルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)が放出される前に、口腔内で崩壊した外層により口腔内が酸性化されることにより、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)の口腔内での溶出(dissolution)が抑制され、苦味が防止されると考えられる。
上記pH調整剤は、無水クエン酸、クエン酸水和物、及びクエン酸二水素ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含むものであってもよい。
本発明の他の態様による有核剤においては、被覆組成物は甘味剤をさらに含有していてもよい。このような有核剤によれば、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)が放出される前に口腔内に甘味剤が拡散する。そのため、バルサルタンによる苦味が一層抑制され、QOLを一層向上させることができる。
上記甘味剤は、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1種を含むものであってもよい。
また、本発明のさらなる態様による有核剤においては、被覆組成物が即効性甘味剤を含有し、医薬組成物が遅効性甘味剤を含有していてもよい。このような有核剤によれば、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)が放出される前に口腔内に即効性甘味剤が拡散することで、初期の苦味を抑制することができ;有核剤が完全に崩壊した後に口腔内に内核に含まれる遅効性甘味剤が拡散することで、投与後に残存する苦味を緩和することができる。
上記即効性甘味剤は、アスパルテーム、スクラロース及びアセスルファムカリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含むものであってもよい。
また、上記遅効性甘味剤は、サッカリン及び/又はサッカリンナトリウムを含むものであってもよい。
本発明によれば、十分な崩壊性及び錠剤硬度を有し、OD錠としての使用に適する、バルサルタンを活性成分として含有する錠剤が提供される。
また、本発明によれば、苦味が防止され、QOLの十分な向上を図ることが可能な、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩を活性成分として含有する有核剤が提供される。
(a)は本発明の錠剤の第一実施形態を示す斜視図であり、(b)はその断面図である。 (a)は本発明の錠剤の第二実施形態を示す斜視図であり、(b)はその断面図である。 (a)は本発明の有核剤の第一実施形態を示す斜視図であり、(b)はその断面図である。 (a)は本発明の有核剤の第二実施形態を示す斜視図であり、(b)はその断面図である。
本発明の第1の一般的態様
本明細書にいて使用される場合、用語「唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊」とは、一般的な錠剤(例えば、Novartis Pharma KKにより製造されるDIOVAN(登録商標)などの従来の固形剤形やカプセル)における崩壊とは対照的に、口腔内に含んだ際の舌の動き等自然な口の動きに任せた場合、個人差もあるので一概に規定することはできないが、例えば、1〜60秒程度、好ましくは1〜30秒程度又は15〜29秒で錠剤が崩壊することを意味する。用語「唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊」には、唾液又は唾液相当量の水に曝した際の崩壊も含まれる。
崩壊時間の測定方法は、当分野で公知であり、例示的方法が実施例に記載されている。「崩壊時間」は、錠剤が口内で唾液又は唾液程度の量の水に曝されることにより/曝される際に崩壊するのに必要な時間を意味する。
また、用語「十分な崩壊性」とは、錠剤が唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊し得るような崩壊性を意味する。すなわち、本実施形態に係る錠剤と一般的な錠剤とは、一般的な錠剤を口腔内に含んだとしても咀嚼等をしない限り容易には崩壊や溶出しない点で、相違する。
本明細書で使用される場合、用語「有効量」は、治療される状態の進行を停止し、減少させ又は反転させるか、そうでなければ状態を完全又は部分的に治癒し又は対症療法的に機能する活性成分の量をいう。そのような量は、当業者であれば、所定の実験により過度の負担無しに容易に決定することができる。本明細書に開示される用量の範囲は、本発明のOD上において使用することの出来る活性成分の「有効量」の非限定的な例である。
詳細な説明
本発明の実施形態について以下に説明する。
本実施形態に係る錠剤は、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる錠剤であり、該錠剤は、唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊させて経口投与される。
ある実施形態において、本発明は、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆する外層と、を含む口腔内崩壊錠を提供する。
本実施形態に係る錠剤は、上記特定の組成を有することにより口腔内崩壊錠としての使用に適する。そのため、錠剤を、唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊させて経口投与するという用法で用いることで、バルサルタンを活性成分として含む錠剤の自己投与が容易となり、QOLの向上、コンプライアンスの改善、ひいてはアドヒアランスの改善を図ることができる。
本実施形態に係る錠剤は、収縮期、拡張期又はその両方において、血圧を下げるのに有用である。また、本実施形態に係る錠剤は、高血圧(悪性、本態性、腎−血管性、糖尿病性、単独収縮期又は他の2次型)、鬱血性心不全、狭心症(安定性又は不安定性)、心筋梗塞、動脈硬化症(arteriolosclerosis)、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋疾患、腎機能不全、末梢性血管疾患、左心室肥大、認識機能不全(例えばアルツハイマー)、脳卒中等の病状に有用である。
本実施形態に係る錠剤からのバルサルタンの溶出性(dissolvability)は、バルサルタンを含む一般的な錠剤(例えば、(Novartis Pharma KKにより製造される)DIOVAN(登録商標))からのバルサルタンの溶出性と同等レベルであることが望ましい。当該溶出性を確認する試験方法は、種々存在するが、一例を挙げるならば、試験液としてpH3.0の緩衝液を採用し、日本薬局方のパドル法50rpmで錠剤を試験した場合、試験開始から120分で75%以上のバルサルタンを溶出することが好ましい。また、120分で80%以上のバルサルタンを溶出することが更に好ましい。ヒトに投与した場合、本発明の錠剤は、DIOVAN(登録商標)錠と生物学的に同等な溶出性を受ける。
以下、上記の用法に用いることができる錠剤の好適な実施形態を説明する。
図1は、本発明の錠剤の第一実施形態を示す図である。錠剤100は、内核10と、内核10を被覆する外層20とを含む口腔内崩壊性の錠剤である。
以下に、本発明の他の特徴を、好適な実施形態を例示する図1を参照して例示する。
A.内核10
1.活性成分
バルサルタンは、アンジオテンシン II レセプターアンタゴニストであり、高血圧の処置等に用いられるアシル化合物である。バルサルタンは、例えば特許第2749458号公報、米国特許5399578号明細書に記載され、下記式(1)で記載される。
本発明において使用するのに適するバルサルタンは、Novartisより市販されているか、又は公知の方法に従い調製することができる。例えば、バルサルタンの調製は、米国特許5399578号明細書に記載されている。本発明の目的のためにバルサルタンは、そのフリー形態並びにいずれの薬学的に許容される塩形態で使用することができる。塩形態は、酸付加塩を含む。また、少なくとも1つの酸性基(例えばCOOHや5−テトラゾリル)を有する化合物は、塩基との塩を形成することができる。適当な塩基との塩は、例えばアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩などの金属塩(例えばナトリウム、カリウム、カルシウム又はマグネシウム塩)、又はアンモニア又は例えばモルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−もしくはトリ−低級アルキルアミンなどの有機アミン(例えば、エチル−、tert−ブチル−、ジエチル−、ジイソプロピル−、トリエチル−、トリブチル−もしくはジメチルプロピルアミン、又はモノ−、ジ−もしくはトリヒドロキシ−低級アルキルアミン(例えばモノ−、ジ−又はトリエタノールアミン))との塩である。対応する内部塩もまた使用し得る。一実施形態において、塩は、例えば非晶質形態のモノ−ナトリウム塩;非晶質形態又は結晶質形態のバルサルタンのジ−ナトリウム塩、特にその水和物形態から選択される。
一実施形態において、塩は、例えばバルサルタンの結晶質形態のカルシウム塩、特にその水和物形態、主に四水和物;バルサルタンの結晶質形態のマグネシウム塩、特にその水和物形態、主に六水和物;バルサルタンの結晶質形態のカルシウム/マグネシウム複合塩、特にその水和物形態;バルサルタンの結晶質形態のビス−ジエチルアンモニウム塩、特にその水和物形態;バルサルタンの結晶質形態のビス−ジプロピルアンモニウム塩、特にその水和物形態;バルサルタンの結晶質形態のビス−ジブチルアンモニウム塩、特にその水和物形態、主にそのヘミ水和物;バルサルタンの非晶質形態のモノ−L−アルギニン塩;バルサルタンの非晶質形態のビス−L−アルギニン塩;バルサルタンの非晶質形態のモノ−L−リジン塩;バルサルタンの非晶質形態のd/s−L−リジン塩から選択される。
一実施形態において、バルサルタンはフリーの酸として使用される。
バルサルタンは、不斉炭素を一つ有するが、本実施形態において、バルサルタンはラセミ形態及び/又は1つの光学活性形態を使用することができる。バルサルタンは、下記式(1a)及び(1b)で表される光学活性形態を有し、少なくとも式(1a)を含むことが好ましい。
内核10は、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物を含む。このような特定の組成の医薬組成物によれば、十分な崩壊性を有する内核10を成型することができる。内核10を十分な崩壊性を有するものとすることで、錠剤100は、唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊させて経口投与され得る口腔内崩壊錠として、好適に用いることができる。
バルサルタン又はその薬学的に許容される塩の用量は、通常、バルサルタンとして10〜250mgであり、好ましくは40〜160mgである。したがって、内核10におけるバルサルタン又はその薬学的に許容される塩の配合割合(proportion)は、バルサルタンとして10〜250mgであることが好ましく、40〜160mgであることがより好ましい。
また、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩の配合量(バルサルタンとしての配合割合)は、内核10を構成する医薬組成物の総量基準で、30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。
内核10を構成する医薬組成物は、上記以外の成分を含有していてもよい。例えば、内核10を構成する医薬組成物は、ヒドロクロロチアジド(HCTZ)、アムロジピン、アリスキレン等をさらに含有していてもよい。このような内核10を含む錠剤は、高血圧の処置に有効に用いられる。ヒドロクロロチアジド、アムロジピンやアリスキレンを、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩と組み合わせて投与すると、降圧作用がより効果的に得られる。
ヒドロクロロチアジド(HCTZ)は、利尿薬として知られており、アムロジピンはカルシウムチャネルブロッカーとして知られており、アリスキレンはレニン阻害剤として知られている。ヒドロクロロチアジド、アムロジピン又はアリスキレンの薬学的に許容される塩は、当業者に公知の方法を用いて選択又は得ることができる。
ヒドロクロロチアジドは、バルサルタン10〜250mgに対して6〜60mgの量で組み合わせることができる。また、バルサルタン50〜160mgに対して5〜25mgの量で組み合わせることもできる。アムロジピンは、バルサルタン40〜320mgに対して2.5〜10mgの量で組み合わせることができる。また、アリスキレンは、バルサルタン50〜350mgに対して100〜350mgの量で組み合わせることができる。ヒドロクロロチアジド、バルサルタン及びアムロジピンの全てを、それぞれ、10〜250mg(好ましくは10〜25mg)、40〜320mg、及び5〜10mgの量で組み合わせることもできる。このような用量範囲によれば、高血圧を正常レベルに下げる効果が一層顕著に奏される。
配合例としては、約80mgのバルサルタンと約6.25mg、約12.5mg又は約25mgのヒドロクロロチアジドとの組み合わせ、約160mgのバルサルタンと約6.25mg、約12.5mg又は約25mgのヒドロクロロチアジドとの組み合わせ、約80mgのバルサルタンと約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約160mgのバルサルタンと約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約320mgのバルサルタンと約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約80mgのバルサルタンと約6.25mg、約12.5mg又は約25mgのヒドロクロロチアジド及び約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約160mgのバルサルタンと約6.25mg、12.5mg又は25mgのヒドロクロロチアジド及び約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約320mgのバルサルタンと約6.25mg、約12.5mg又は約25mgのヒドロクロロチアジド及び約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約80mgのバルサルタンと約150mg又は300mgのアリスキレンとの組み合わせ、約160mgのバルサルタンと約150mg又は約300mgのアリスキレンとの組み合わせ、約320mgのバルサルタンと約150mg又は約300mgのアリスキレンとの組み合わせ等が挙げられる。また、配合例としては、約150mgのアリスキレン及び約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンの組み合わせ、及び約300mgのアリスキレン及び約約5mg又は約10mgのアムロジピンの組み合わせが上げられる。
2.崩壊剤
内核10においては、崩壊剤により、口腔内で容易に崩壊するだけの十分な崩壊性が付与される。具体的には、崩壊剤により、錠剤が口腔内で、例えば唾液又は相当量の水に曝される際に容易に崩壊するのに十分な崩壊性を内核10に付与される。
崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、デンプン、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、グアーガム等が挙げられる。崩壊剤は、これらのうち一種を単独で用いることもできるし、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
内核10は、崩壊剤として少なくとも低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含むことが好ましい。また、崩壊剤は、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、を含む。
崩壊剤の好適な混合例としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース単独、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとクロスポビドンとの組み合わせ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとクロスカルメロースナトリウムとの組み合わせ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとカルボキシメチルスターチナトリウムとの組み合わせ、などが挙げられる。
なお、本明細書中、「低置換度ヒドロキシプロピルセルロース」は、グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシ基の置換モル数が5〜16%、好ましくは7〜13%であるヒドロキシプロピルセルロースを示す。
内核10における崩壊剤の配合割合は、内核10を構成する医薬組成物の総量基準で、15〜60質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。崩壊剤を二種以上組み合わせて用いる場合、崩壊剤の総量が上記の配合割合の範囲内となるように用いることが好ましい。
上記の配合割合で崩壊剤を加える場合に、内核10を独立して作製した後に外層20を作製すると、内核10の非常に壊れやすいことから内核10の移送過程及び外層20を作製する過程において内核10が欠損するおそれがある。しかしながら、OSDrC(登録商標)ロータリー打錠機を用いたる場合、内核10の欠損を生じさせることなく上記の配合割合で崩壊剤が内核10に含有される錠剤を容易に得ることができる。
3.流動化剤
流動化剤はバルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)の付着性を抑制する。具体的には、内核10では、崩壊剤と流動化剤とを組み合わせることにより、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)を活性成分としつつも十分な崩壊性が得られる。
流動化剤としては、無機ケイ酸化合物、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。無機ケイ酸化合物としては、ケイ酸、無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。流動化剤は、これらのうち一種を単独で用いることできるし、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
内核10は、流動化剤として、軽質無水ケイ酸及び/又は合成ケイ酸アルミニウムを含むことが好ましい。
内核10における流動化剤の配合割合は、内核10を構成する医薬組成物の総量基準で、1〜10質量%であることが好ましく、1〜6質量%であることがより好ましい。流動化剤を二種以上組み合わせて用いる場合、流動化剤の総量が上記の配合割合の範囲内となるように用いることが好ましい。
4.滑沢剤
また、内核10においては、滑沢剤により、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)の口腔内での分散性が確保される。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ポリ(エチレングリコール)(例えば、PEG4000〜8000)、タルク等が挙げられる。滑沢剤は、これらのうち一種を単独で用いることができるし、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
内核10は、少なくともステアリン酸塩を含むことが好ましく、少なくともステアリン酸マグネシウムを含むことがより好ましい。
内核10における滑沢剤の配合割合は、内核10を構成する医薬組成物の総量基準で、1〜7質量%であることが好ましく、2〜5質量%であることがより好ましい。滑沢剤を二種以上組み合わせて用いる場合、滑沢剤の総量が上記配合割合の範囲内となるように用いることが好ましい。
5.他の成分
内核10を構成する医薬組成物はまた、上記以外の成分として、賦形剤、甘味剤、味覚マスキング剤、着色剤、pH調整剤、又は結合剤等を含有していてもよい。結晶セルロース又は微結晶セルロースを内核10を構成する医薬組成物に含有させてもよい。
甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性高分子、アラビアゴム粉末、ゼラチン、プルラン等が挙げられる。
本発明において使用することのできるpH調整剤は、以下の1又は複数を含むか以下の1又は複数からなることができる:クエン酸、リン酸、炭酸、酒石酸、フマル酸、酢酸、アミノ酸、コハク酸、乳酸、又は前記のいずれかの塩形態。
本発明において使用することのできる着色剤は、以下の1又は複数を含むか、1又は複数からなることができる:三二酸化鉄(iron sesquioxide)、黄色三二酸化鉄、Food Yellow5番、Food Yellow4番、アルミニウムキレート、チタニウムオキシド又はタルク。
B.外層20
外層20は、内核10を被覆するように設けられており、錠剤100に十分な錠剤硬度を付与する。外層20の組成は、口腔内崩壊錠に適した速崩壊性、例えば、唾液又は相当量の水に暴露した際の速崩壊性を生み出し、かつ、必要な硬度を有することのできる組成であれば、特に限定されず、錠剤に用いられる公知の成分を適宜組み合わせた組成とすることができる。
外層20は、例えば崩壊剤と、滑沢剤と、結晶セルロース(より好ましくは微結晶セルロース)とを含有する被覆組成物を成型して形成することができる。このような組成された被覆組成物は、十分な速崩壊性と錠剤硬度とを容易に両立することができる。
外層20を構成する被覆組成物は、崩壊剤としてクロスポビドンを含有することが好ましい。また、外層20を構成する被覆組成物は、流動化剤としてステアリン酸塩を含有することが好ましく、ステアリン酸マグネシウムを含有することがより好ましい。
また、外層20を構成する被覆組成物は、上記以外の成分として、結合剤、流動化剤、発泡剤等の賦形剤(例えば乳糖一水和物)、香料、甘味剤、pH調整剤等の添加剤;などを含有していてもよい。これらは、一種又は二種以上を適量加えることができ、後述する錠剤製造過程において、適宜、粉体、液体、顆粒等の状態で加えることができる。
発泡剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。また、香料としては、例えば、メントール、レモン、レモンライム、オレンジ等が挙げられる。また、pH調整剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。甘味剤としては、例えば、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、ソーマチン、スクラロース等が挙げられる。甘味剤としては例えば、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウムなどの即効性甘味剤が上げられる。
C.他の性質及び属性
本発明のOD錠の硬度は、容易かつ便利な貯蔵、パッケージからの離脱、続いて錠剤を壊すことなく扱うことを可能にするのに十分なものであることが好ましい。一実施態様において、本発明の口腔内崩壊錠は、従来の非OD錠のように扱い、包装し得るのに十分に堅い。
本発明の口腔内崩壊錠の硬度は、錠剤の形、大きさ及び重量などの因子に依存して変化する。一実施態様において、直径約6.0〜10.0mm、約3.0〜6.0mmの厚さ、及び約70〜320mg(20mg〜80mgのバルサルタン)の重量を有する丸い(round)錠剤の硬度は、例えば、Portable Checker(PC−30、岡田精工(株)、日本)等の錠剤硬度測定機器を用いて測定した場合に約30N〜約55Nである。別の実施態様において、約15.0及び8.0mmの寸法、約5.0〜10.0mmの厚さ、及び約500〜600mg(160mgのバルサルタン)を有する楕円形錠剤の硬度は、例えば、Portable Checker(PC−30、岡田精工(株)、日本)等の錠剤硬度測定機器を用いて測定した場合に約50N〜約100Nである。
本発明のOD錠は、種々の形、例えば丸、楕円、カプレット、ドーナツ型などを取り得るが、いずれの特定な形に限定されない。
本発明のOD錠の大きさは、錠剤が経口投与に適合し、患者の口腔内で崩壊し得るような許容可能な大きさの中で変化する。
また、本発明のOD錠の重量は、存在する活性及び非活性成分の量に依存して変化するが、唾液又は相当量の水に曝された際に錠剤が患者の口腔内で崩壊し得るような許容可能な重量範囲内である。例えば、本発明のOD錠は、約70mg〜約600mgの重量を有することができる。
D.製造
本発明のOD錠は、当分野で公知のいずれの方法によって製造することができる。錠剤100は、例えば、二重構造の杵を有するOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機で、外層用粉体及び内核用粉体を打錠して製造することができる。
具体的には、下中心杵を下外杵より低下させた状態で、下中心杵と下外杵とにより囲まれる空間に、外層用粉体を供給し、下外杵面上(臼面上)で擦り切りし、余剰の粉体を排除する。次に、上中心杵及び下中心杵を互いに相寄る向きに移動させ、規定した圧縮圧で外層底面部を仮成型する。
次に、下中心杵を低下させた状態で、下外杵により囲まれ、先に仮成型した外層底面部上の空間に内核用粉体を供給し、上中心杵及び下中心杵を互いに相寄る向きに移動させ、規定した圧縮圧で内核を仮成型する。
最後に、下杵(下中心杵及び下外杵)を低下させた状態で、臼内の、前工程までに成型された仮成型品上及びその回りの空間に、残りの外層用粉体を供給して、仮成型した内核が仮成型した外層底面部と供給された外層用粉体とで完全に覆われた状態とし、上杵及び下杵を互いに相寄る向きに移動し、規定した圧縮圧で成型する。
このような製造方法によれば、内核を杵内から移動させることなく外層で被覆することができる。したがって、内核10が高い崩壊性を有していても、容易且つ確実に錠剤100を成型することができる。
以上のように、錠剤100は多層錠である。しかしながら、単層で提供され得る錠剤を内核10とし、その表面に外層20を設けたとしても、それだけでは口腔内崩壊錠とすることはできない。単層で提供され得る錠剤が口腔内崩壊性を有するのであれば、多層にして口腔内崩壊錠にする必要はない。したがって、錠剤の硬度や形状保持性能の点で単層では実用上口腔内崩壊錠となり得ない成分について、多層とすることで口腔内崩壊性を付与させている点に、本実施形態に係る錠剤100の特徴がある。
具体的には、内核10と同一成分で単層の錠剤を形成しようとするとき、例えば崩壊剤を上述の好適な範囲内として錠剤に適用すると、錠剤の硬度が成形するのに満足に得られず錠剤を作製することは不可能である。これにより、単層の非口腔内崩壊錠と同じ成分から多層の口腔内崩壊錠を形成することができるという有利な効果が得られる。
本発明の錠剤は、例えば、2つの内核を有する錠剤であってもよい。図2は、本発明の錠剤の第二実施形態を示す図である。図2に示す錠剤110は、2つの内核11と、2つの内核11を被覆する外層21と、を含む。錠剤110には、外層21で被覆された内核11を1つ各々含む、独立した2つの錠剤に容易に分割できるように、溝30が設けられている。錠剤110は、必要な用量に応じてそのまま投与されてもよく、2つに分割してその一方のみが投与されてもよい。
内核11及び外層21は、それぞれ上記内核10を構成する医薬組成物又は外層20を構成する被覆組成物と同様の組成の組成物により構成することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
本発明の第2の一般的態様
本明細書にいて使用される場合、用語「唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊」とは、一般的な錠剤(例えば、Novartis Pharma KKにより製造されるDIOVAN(登録商標)などの従来の固形剤形やカプセル)における崩壊とは対照的に、口腔内に含んだ際の舌の動き等自然な口の動きに任せた場合、個人差もあるので一概に規定することはできないが、例えば、1〜60秒程度、好ましくは1〜30秒程度又は15〜29秒で錠剤が崩壊することを意味する。用語「唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊」には、唾液又は唾液相当量の水に曝した際の崩壊も含まれる。
崩壊時間の測定方法は、当分野で公知であり、例示的方法が実施例に記載されている。「崩壊時間」は、錠剤が口内で唾液又は唾液程度の量の水に曝されることにより/曝される際に崩壊するのに必要な時間を意味する。
本明細書にいて使用される場合、用語「十分な崩壊性」とは、一般的な錠剤(例えば、Novartis Pharma KKにより製造されるDIOVAN(登録商標)などの従来の固形剤形やカプセル)における崩壊とは対照的に、口腔内に含んだ際の舌の動き等自然な口の動きに任せた場合、個人差もあるので一概に規定することはできないが、例えば、1〜60秒程度、好ましくは1〜30秒程度又は15〜29秒で錠剤が崩壊することを意味する。換言すれば、本明細書で使用される場合、用語「十分な崩壊性」とは、有核剤が唾液又は唾液程度の量の水で口腔内に曝されることにより/曝される際に崩壊し得るような崩壊性を意味する。すなわち、本実施形態に係る有核剤と一般的な錠剤とは、一般的な錠剤を口腔内に含んだとしても咀嚼等をしない限り容易には崩壊や溶出しない点で、相違する。
本明細書で使用される場合、用語「有効量」は、治療される状態の進行を停止し、減少させ又は反転させるか、そうでなければ状態を完全又は部分的に治癒し又は対症療法的に機能する活性成分の量をいう。そのような量は、当業者であれば、所定の実験により過度の負担無しに容易に決定することができる。本明細書に開示される用量の範囲は、本発明のOD上において使用することの出来る活性成分の「有効量」の非限定的な例である。
本発明の有核剤の好適な実施形態について以下に説明する。
図3は、本発明の有核剤の第一実施形態を示す図である。有核剤100は、有効量のバルサルタン又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物からなる内核10と、内核10を被覆する外層20と、を含有する有核剤である。
A.内核
内核10は、例えば、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩と、崩壊剤と、流動化剤と、滑沢剤と、を含有する医薬組成物を含むことができる。有核剤は、経口投与され、唾液又は唾液相当量の水で口腔内で崩壊させることができる。
バルサルタンは、疎水性で溶解性が低く、かさ高く付着性が強いため、十分な崩壊性を有する口腔内崩壊錠を製造することが難しい。しかし、医薬組成物からなる内核10によれば、十分な崩壊性が得られる。そのため、内核10を含む有核剤は、口腔内で崩壊させて経口投与される口腔内崩壊錠として特に好適である。以下、医薬組成物が含有する各成分について詳述する。
1.活性成分
バルサルタンは、アンジオテンシン II レセプターアンタゴニストであり、高血圧の処置等に用いられ得るアシル化合物である。バルサルタンは、例えば特許第2749458号公報、米国特許5399578号明細書に記載される化合物であり、下記式(1)で記載される。
本発明において使用するのに適するバルサルタンは、Novartisより市販されているか、又は公知の方法に従い調製することができる。例えば、バルサルタンの調製は、米国特許5399578号明細書に記載されている。本発明の目的のためにバルサルタンは、そのフリー形態並びにいずれの薬学的に許容される塩形態で使用することができる。塩形態は、酸付加塩を含む。また、少なくとも1つの酸性基(例えばCOOHや5−テトラゾリル)を有する化合物は、塩基との塩を形成することができる。適当な塩基との塩は、例えばアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩などの金属塩(例えばナトリウム、カリウム、カルシウム又はマグネシウム塩)、又はアンモニア又は例えばモルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−もしくはトリ−低級アルキルアミンなどの有機アミン(例えば、エチル−、tert−ブチル−、ジエチル−、ジイソプロピル−、トリエチル−、トリブチル−もしくはジメチルプロピルアミン、又はモノ−、ジ−もしくはトリヒドロキシ−低級アルキルアミン(例えばモノ−、ジ−又はトリエタノールアミン))との塩である。対応する内部塩もまた使用し得る。一実施形態において、塩は、例えば非晶質形態のモノ−ナトリウム塩;非晶質形態又は結晶質形態のバルサルタンのジ−ナトリウム塩、特にその水和物形態から選択される。
一実施形態において、塩は、例えばバルサルタンの結晶質形態のカルシウム塩、特にその水和物形態、主に四水和物;バルサルタンの結晶質形態のマグネシウム塩、特にその水和物形態、主に六水和物;バルサルタンの結晶質形態のカルシウム/マグネシウム複合塩、特にその水和物形態;バルサルタンの結晶質形態のビス−ジエチルアンモニウム塩、特にその水和物形態;バルサルタンの結晶質形態のビス−ジプロピルアンモニウム塩、特にその水和物形態;バルサルタンの結晶質形態のビス−ジブチルアンモニウム塩、特にその水和物形態、主にそのヘミ水和物;バルサルタンの非晶質形態のモノ−L−アルギニン塩;バルサルタンの非晶質形態のビス−L−アルギニン塩;バルサルタンの非晶質形態のモノ−L−リジン塩;バルサルタンの非晶質形態のd/s−L−リジン塩から選択される。
一実施形態において、バルサルタンはフリーの酸として使用される。
バルサルタンは、不斉炭素を一つ有するが、本実施形態において、バルサルタンはラセミ形態及び/又は1つの光学活性形態を使用することができる。バルサルタンは、下記式(1a)及び(1b)で表される光学活性形態を有し、少なくとも式(1a)を含むことが好ましい。
バルサルタン又はその薬学的に許容される塩の用量は、通常、バルサルタンとして10〜250mgであり、好ましくは40〜160mgである。したがって、内核10におけるバルサルタン又はその薬学的に許容される塩の配合割合(proportion)は、バルサルタンとして10〜250mgであることが好ましく、40〜160mgであることがより好ましい。
また、バルサルタンとしての配合割合に注目したバルサルタン又はその薬学的に許容される塩の割合は、内核10を構成する医薬組成物の総量基準で、30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。
内核10を構成する医薬組成物は、上記以外の成分を含有していてもよい。例えば、内核10を構成する医薬組成物は、ヒドロクロロチアジド(HCTZ)、アムロジピン、アリスキレン等をさらに含有していてもよい。このような内核10を含む有核剤100は、高血圧の処置に有効に用いられる。ヒドロクロロチアジド、アムロジピンやアリスキレンを、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩と組み合わせて投与すると、降圧作用がより効果的に得られる。
ヒドロクロロチアジド(HCTZ)は、利尿薬として知られており、アムロジピンはカルシウムチャネルブロッカーとして知られており、アリスキレンはレニン阻害剤として知られている。ヒドロクロロチアジド、アムロジピン又はアリスキレンの薬学的に許容される塩は、当業者に公知の方法を用いて選択又は得ることができる。
ヒドロクロロチアジドは、バルサルタン10〜250mgに対して6〜60mgの量で組み合わせることができる。また、バルサルタン50〜160mgに対して5〜25mgの量で組み合わせることもできる。アムロジピンは、バルサルタン40〜320mgに対して2.5〜10mgの量で組み合わせることができる。また、アリスキレンは、バルサルタン50〜350mgに対して100〜350mgの量で組み合わせることができる。ヒドロクロロチアジド、バルサルタン及びアムロジピンの全てを、それぞれ、10〜250mg(好ましくは10〜25mg)、40〜320mg、及び5〜10mgの量で組み合わせることもできる。このような用量範囲によれば、高血圧を正常レベルに下げる効果が一層顕著に奏される。
配合例としては、約80mgのバルサルタンと約6.25mg、約12.5mg又は約25mgのヒドロクロロチアジドとの組み合わせ、約160mgのバルサルタンと約6.25mg、約12.5mg又は約25mgのヒドロクロロチアジドとの組み合わせ、約80mgのバルサルタンと約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約160mgのバルサルタンと約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約320mgのバルサルタンと約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約80mgのバルサルタンと約6.25mg、約12.5mg又は約25mgのヒドロクロロチアジド及び約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約160mgのバルサルタンと約6.25mg、12.5mg又は25mgのヒドロクロロチアジド及び約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約320mgのバルサルタンと約6.25mg、約12.5mg又は約25mgのヒドロクロロチアジド及び約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約80mgのバルサルタンと約150mg又は300mgのアリスキレンとの組み合わせ、約160mgのバルサルタンと約150mg又は約300mgのアリスキレンとの組み合わせ、約320mgのバルサルタンと約150mg又は約300mgのアリスキレンとの組み合わせ等が挙げられる。また、配合例としては、約150mgのアリスキレン及び約2.5mg、約5mg又は約10mgのアムロジピンの組み合わせ、及び約300mgのアリスキレン及び約約5mg又は約10mgのアムロジピンの組み合わせが上げられる。
2.崩壊剤
内核10においては、崩壊剤により、口腔内で容易に崩壊するだけの十分な崩壊性が付与される。具体的には、崩壊剤により、活性成分(特にそのフリー形態又は塩形態のバルサルタン)が口腔内で、例えば唾液又は相当量の水に曝される際に容易に崩壊するのに十分な崩壊性を内核10に付与される。
崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、デンプン、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、グアーガム等が挙げられる。崩壊剤は、これらのうち一種を単独で用いることもできるし、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
内核10は、崩壊剤として少なくとも低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含むことが好ましい。また、崩壊剤は、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、を含む。
崩壊剤の好適な混合例としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース単独、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとクロスポビドンとの組み合わせ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとクロスカルメロースナトリウムとの組み合わせ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとカルボキシメチルスターチナトリウムとの組み合わせ、などが挙げられる。
なお、本明細書中、「低置換度ヒドロキシプロピルセルロース」は、グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシ基の置換モル数が5〜16%、好ましくは7〜13%であるヒドロキシプロピルセルロースを示す。
内核10における崩壊剤の配合割合は、内核10を構成する医薬組成物の総量基準で、15〜60質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。崩壊剤を二種以上組み合わせて用いる場合、崩壊剤の総量が上記の配合割合の範囲内となるように用いることが好ましい。
上記の配合割合で崩壊剤を加える場合に、内核10を独立して作製した後に外層20を作製すると、内核10の非常に壊れやすいことから内核10の移送過程及び外層20を作製する過程において内核10が欠損するおそれがある。しかしながら、OSDrC(登録商標)ロータリー打錠機を用いたる場合、内核10の欠損を生じさせることなく上記の配合割合で崩壊剤が内核10に含有される錠剤を容易に得ることができる。
3.流動化剤
流動化剤はバルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)の付着性を抑制する。具体的には、内核10では、崩壊剤と流動化剤とを組み合わせることにより、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)を活性成分としつつも高い崩壊性が得られる。
流動化剤としては、無機ケイ酸化合物、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。無機ケイ酸化合物としては、ケイ酸、無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。流動化剤は、これらのうち一種を単独で用いることできるし、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
内核10は、軽質無水ケイ酸及び/又は合成ケイ酸アルミニウムを含むことが好ましい。
内核10における流動化剤の配合割合は、内核10を構成する医薬組成物の総量基準で、1〜10質量%であることが好ましく、1〜6質量%であることがより好ましい。流動化剤を二種以上組み合わせて用いる場合、流動化剤の総量が上記の配合割合の範囲内となるように用いることが好ましい。
4.滑沢剤
滑沢剤により、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)の口腔内での分散性が確保される。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ポリ(エチレングリコール)(例えば、PEG4000〜8000)、タルク等が挙げられる。滑沢剤は、これらのうち一種を単独で用いることができるし、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
内核10は、少なくともステアリン酸塩を含むことが好ましく、少なくともステアリン酸マグネシウムを含むことがより好ましい。
内核10における滑沢剤の配合割合は、内核10を構成する医薬組成物の総量基準で、1〜7質量%であることが好ましく、2〜5質量%であることがより好ましい。滑沢剤を二種以上組み合わせて用いる場合、滑沢剤の総量が上記配合割合の範囲内となるように用いることが好ましい。
5.甘味剤
内核10を構成する医薬組成物は、遅効性甘味剤を含有していてもよい。遅効性甘味剤を含有する内核10と即効性甘味剤を含有する外層20との組み合せによれば、薬物が放出される前に口腔内に即効性甘味剤が拡散することで初期の苦味を抑制することができ;有核剤が完全に崩壊した後に口腔内で内核に含まれる遅延性甘味剤が拡散することで、投与後に残存する苦味を緩和することができる。
遅効性甘味剤としては、サッカリン、サッカリンナトリウム等が挙げられ、これらのうちサッカリンナトリウムが好ましい。遅効性甘味剤は、一種を単独で用いることができるし、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
遅効性甘味剤の配合割合は、その甘味度に応じて調整することができ、内核10を構成する医薬組成物中のバルサルタン100質量部に対して、ショ糖100〜5000質量部に相当する甘さとなる量が好ましく、ショ糖500〜2000質量部に相当する甘さとなる量がより好ましい。サッカリンはショ糖の300倍の甘味度であり、スクラロースはショ糖の500倍の甘味度である。
遅効性甘味剤としてサッカリンナトリウムを用いる場合、サッカリンナトリウムの配合割合は、内核10を構成する医薬組成物中のバルサルタン100質量部に対して、0.5〜5.0質量部であることが好ましく、1.5〜2.5質量部であることがより好ましい。
6.他の成分
内核10を構成する医薬組成物はまた、上記以外の成分として、賦形剤、他の甘味剤、味覚マスキング剤、着色剤、pH調整剤、又は結合剤等を含有していてもよい。結晶セルロース又は微結晶セルロースを内核10を構成する医薬組成物に含有させてもよい。
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性高分子、アラビアゴム粉末、ゼラチン、プルラン等が挙げられる。
甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。
本発明において使用することのできるpH調整剤は、以下の1又は複数を含むか以下の1又は複数からなることができる:クエン酸、リン酸、炭酸、酒石酸、フマル酸、酢酸、アミノ酸、コハク酸、乳酸、又は前記のいずれかの塩形態。
本発明において使用することのできる着色剤は、以下の1又は複数を含むか、1又は複数からなることができる:三二酸化鉄(iron sesquioxide)、黄色三二酸化鉄、Food Yellow5番、Food Yellow4番、アルミニウムキレート、チタニウムオキシド又はタルク。
B.外層
外層20は、口腔内を弱酸性(すなわち、2.0〜5.0の範囲のpH、より好ましくは3.0〜4.0の範囲のpH)にするpH調整剤を含有する被覆組成物からなり、内核10を被覆して有核剤100に十分な硬度を付与する。
1.pH調整剤
外層20を構成する被覆組成物にpH調整剤を含有することで、有核剤を口腔内で崩壊させて経口投与されるように用いた場合であっても苦味が十分に防止され、QOLの向上を図ることができる。
有核剤100が口腔内で崩壊すると、pH調整剤により口腔内がわずかに酸性化する。そして、バルサルタンは酸性薬物であるため、口腔内の酸性度が高いほど即溶性が低下すると考えられる。具体的には、内核10のバルサルタンが放出される前に、口腔内で崩壊した外層20により口腔内が酸性化されることにより、バルサルタンの口腔内での溶出が抑制され、苦味が防止されると考えられる。
pH調整剤としては、無水クエン酸、クエン酸水和物、クエン酸二水素ナトリウム等のクエン酸塩、リン酸二水素ナトリウム等のリン酸塩等が挙げられ、これらのうち無水クエン酸、クエン酸水和物が好ましい。pH調整剤は、一種を単独で用いることができるし、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
pH調整剤の量は、pH調整剤を精製水5mLのpHが弱酸性の範囲、すなわち、2.0〜5.0及びより好ましくは3.0〜4.0のpH範囲に変化させる量により好ましくは決定される。
無水クエン酸がpH調整剤として使用される場合、無水クエン酸の配合割合は、内核10を構成する医薬組成物中のバルサルタン100質量部に対して、0.5〜10質量部の無水クエン酸が好ましく、0.5〜5質量部の無水クエン酸がより好ましい。
2.甘味剤
外層20を構成する被覆組成物は、甘味剤を含有することが好ましい。外層20は、内核10が崩壊してバルサルタンが放出される前に、口腔内で崩壊する。そのため、外層20が甘味剤を含有することで、バルサルタンが放出される前に口腔内に甘味剤が拡散され、バルサルタンにより呈される苦味を一層抑制することができる。
甘味剤としては、例えば、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。
また外層20を構成する被覆組成物は、上記の甘味剤のうち、即効性甘味剤を含有することが好ましい。即効性甘味剤によれば、上述した甘味剤による苦味抑制効果を一層有効に得ることができる。
また、遅効性甘味剤(例えば、サッカリン及び/又はサッカリンナトリウム)を含有する内核10と即効性甘味剤を含有する外層20との組み合せによれば、薬物が放出される前に口腔内に即効性甘味剤が拡散することで初期の苦味を抑制することができ;有核剤が完全に崩壊した後に内核に含まれる遅延性甘味剤が口腔内で拡散することで、投与後に残存する苦味を緩和することができる。
即効性甘味剤としては、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム等が挙げられる。
外層における甘味剤の配合割合は、その甘味度に応じて調整することができ、内核10を構成する医薬組成物中のバルサルタン100質量部に対して、ショ糖100〜5000質量部に相当する甘さとなる量が好ましく、ショ糖1000〜3000質量部に相当する甘さとなる量がより好ましい。アスパルテーム及びアセスルファムカリウムはショ糖の200倍の甘味度であり、スクラロースはショ糖の600倍の甘味度である。
即効性甘味剤としてアスパルテームを用いる場合、その配合割合は、内核10を構成する医薬組成物中のバルサルタン100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましく、5〜10質量部であることがより好ましい。
3.他の成分
外層20を構成する被覆組成物の上記以外の成分は、特に限定されず、錠剤に用いられる公知の成分を適宜組み合わせた組成とすることができる。組成は、口腔内崩壊錠に適した速崩壊性が得られる組成とすることがより好ましい。
外層20を構成する被覆組成物は、例えば、上記以外の成分として、崩壊剤(例えばクロスポビドン)と、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸塩)と、結晶セルロース(好ましくは微結晶セルロース)とを含有することができる。このような組成の被覆組成物によれば、十分な速崩壊性と剤強度とを容易に両立することができる。
外層20を構成する被覆組成物は、崩壊剤としてクロスポビドンを含有することが好ましい。また、外層20を構成する被覆組成物は、ステアリン酸塩を含有することが好ましく、ステアリン酸マグネシウムを含有することがより好ましい。
また、外層20を構成する被覆組成物は、上記以外の成分として、結合剤、流動化剤、発泡剤等の賦形剤;香料及びpH調整剤等の添加剤;などを含有していてもよい。これらは、一種又は二種以上を適量加えることができ、後述する錠剤製造過程において、適宜、粉体、液体、顆粒等の状態で加えることができる。
発泡剤としては、例えば、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。また、香料としては、例えば、メントール、レモン、レモンライム、オレンジ等が挙げられる。
C.他の性質及び特性
本発明の有核剤の硬度は、容易かつ便利な貯蔵、パッケージからの離脱、続いて錠剤を壊すことなく扱うことを可能にするのに十分であるように調製することができる。一実施態様において、有核剤は、従来の非OD錠のように扱い、包装し得るのに十分に堅い。
本発明の有核剤の硬度は、その形、寸法及び重量などの因子に依存して変化する。一実施態様において、直径約6.0〜10.0mm、約3.0〜6.0mmの厚さ、及び約70〜320mg(20mg〜80mgのバルサルタン)の重量を有する丸い(round)錠剤の硬度は、例えば、Portable Checker(PC−30、岡田精工(株)、日本)等の錠剤硬度測定機器を用いて測定した場合に約30N〜約55Nである。別の実施態様において、約15.0及び8.0mmの寸法、約5.0〜10.0mmの厚さ、及び約500〜600mg(160mgのバルサルタン)を有する楕円形錠剤の硬度は、例えば、Portable Checker(PC−30、岡田精工(株)、日本)等の錠剤硬度測定機器を用いて測定した場合に約50N〜約100Nである。
本発明の有核剤は、種々の形、例えば丸、楕円、カプレット、ドーナツ型などを取り得るが、いずれの特定な形に限定されない。
本発明の有核剤の大きさは、有核剤が経口投与に適合し、患者の口腔内で崩壊し得るような許容可能な大きさの中で変化する。
また、本発明の有核剤の重量は、活性及び非活性成分の量に依存して変化するが、患者の口腔内で崩壊するのに許容可能な重量範囲内である。例えば、本発明の有核剤は、約70mg〜約600mgの重量を有することができる。
本実施形態に係る有核剤からのバルサルタンの溶出性は、バルサルタンを含む一般的な錠剤(例えば、(Novartis Pharma KKにより製造される)DIOVAN(登録商標))からのバルサルタンの溶出性と同等レベルであることが望ましい。当該溶出性を確認する試験方法は、種々存在するが、一例を挙げるならば、試験液としてpH3.0の緩衝液を採用し、日本薬局方のパドル法50rpmで錠剤を試験した場合、試験開始から120分で75%以上のバルサルタンを溶出することが好ましい。また、120分で80%以上のバルサルタンを溶出することが更に好ましい。ヒトに投与した場合、本発明の錠剤は、DIOVAN(登録商標)錠と生物学的に同等な溶出性を受ける。
D.製造
本発明のOD錠は、当分野で公知のいずれの方法によって製造することができる。有核剤100は、例えば、二重構造の杵を有するOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機で、外層用粉体及び内核用粉体を打錠して製造することができる。
具体的には、下中心杵を下外杵より低下させた状態で、下中心杵と下外杵とにより囲まれる空間に、外層用粉体を供給し、下外杵面上(臼面上)で擦り切りし、余剰の粉体を排除する。次に、上中心杵及び下中心杵を互いに相寄る向きに移動させ、規定した圧縮圧で外層底面部を仮成型する。
次に、下中心杵を低下させた状態で、下外杵により囲まれ、先に仮成型した外層底面部上の空間に内核用粉体を供給し、上中心杵及び下中心杵を互いに相寄る向きに移動させ、規定した圧縮圧で内核を仮成型する。
最後に、下杵(下中心杵及び下外杵)を低下させた状態で、臼内の、前工程までに成型された仮成型品上及びその回りの空間に、残りの外層用粉体を供給して、仮成型した内核が仮成型した外層底面部と供給された外層用粉体とで完全に覆われた状態とし、上杵及び下杵を互いに相寄る向きに移動し、規定した圧縮圧で成型する。
このような製造方法によれば、内核を杵内から移動させることなく外層で被覆することができる。したがって、内核10が高い崩壊性を有していても、容易且つ確実に有核剤100を成型することができる。
本発明の有核剤は、例えば、2つの内核を有する有核剤であってもよい。図4は、本発明の有核剤の第二実施形態を示す図である。図4に示す有核剤110は、2つの内核11と、2つの内核11を被覆する外層21と、を含む。有核剤110には、外層21で被覆された内核11を1つ各々含む、独立した2つの錠剤に容易に分割できるように、溝30が設けられている。錠剤110は、必要な用量に応じてそのまま投与されてもよく、2つに分割してその一方のみが投与されてもよい。
内核11及び外層21は、いずれも内核10を構成する医薬組成物又は外層20を構成する被覆組成物と同様の組成の組成物により構成することができる。
本実施形態に係る有核剤は、収縮期、拡張期又はその両方において、血圧を下げるのに有用である。また、本実施形態に係る有核剤は、高血圧(悪性、本態性、腎−血管性、糖尿病性、単独収縮期又は他の2次型)、鬱血性心不全、狭心症(安定性又は不安定性)、心筋梗塞、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋疾患、腎機能不全、末梢性血管疾患、左心室肥大、認識機能不全(例えばアルツハイマー)、脳卒中等の病状に有用である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例I−1)
バルサルタン55.7重量部、軽質無水ケイ酸5.1重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース29.1重量部及びステアリン酸マグネシウム2.0重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン7.0重量部及びサッカリンナトリウム1.0重量部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Aとした。
次いで、乳糖1水和物44.0重量部、結晶セルロース40.0重量部、クロスポビドン10.0重量部、アスパルテーム4.0重量部、香料0.5重量部、無水クエン酸0.7重量部及び軽質無水ケイ酸0.5重量部を混合し、ステアリン酸マグネシウム0.3重量部を添加した後、さらに混合し、外層用粉末20−Aとした。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(143.5mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(176.5mg)を外層とする有核錠(320.0mg)を製造した。
(実施例I−2)
バルサルタン55.5重量部、軽質無水ケイ酸5.1重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース29.0重量部及びステアリン酸マグネシウム2.0重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン6.9重量部、サッカリンナトリウム1.0重量部及びステアリン酸マグネシウム0.5重量部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Bを得た。
次いで、実施例I−1と同様にして外層用粉末20−Aを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−B及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Bを圧縮してなる医薬組成物(144.2mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(175.8mg)を外層とする有核錠(320.0mg)を製造した。
(実施例I−3)
バルサルタン60.0重量部、軽質無水ケイ酸5.5重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース23.2重量部及びステアリン酸マグネシウム2.2重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン7.5重量部、サッカリンナトリウム1.1重量部及びステアリン酸マグネシウム0.5重量部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Cを得た。
次いで、実施例I−1と同様にして外層用粉末20−Aを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−C及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Cを圧縮してなる医薬組成物(133.3mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(175.0mg)を外層とする有核錠(308.3mg)を製造した。
(実施例I−4)
バルサルタン60.0重量部、軽質無水ケイ酸5.5重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース18.8重量部及びステアリン酸マグネシウム2.2重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン7.5重量部、サッカリンナトリウム1.1重量部、ステアリン酸マグネシウム1.1重量部及び結晶セルロース3.8重量部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Dを得た。
次いで、実施例I−1と同様にして外層用粉末20−Aを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(133.3mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(175.0mg)を外層とする有核錠(308.3mg)を製造した。
(実施例I−5)
実施例I−1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(35.9mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(44.1mg)を外層とする有核錠(80.0mg)を製造した。
(実施例I−6)
実施例I−1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(35.9mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(60.6mg)を外層とする有核錠(96.5mg)を製造した。
(実施例I−7)
実施例I−4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(33.3mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(43.8mg)を外層とする有核錠(77.1mg)を製造した。
(実施例I−8)
実施例I−4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(33.3mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(62.7mg)を外層とする有核錠(96.0mg)を製造した。
(実施例I−9)
実施例I−1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。外杵8.0mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(71.75mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(88.25mg)を外層とする有核錠(160.0mg)を製造した。
(実施例I−10)
実施例I−4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。外杵8.0mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(66.65mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(87.55mg)を外層とする有核錠(154.2mg)を製造した。
(実施例I−11)
実施例I−1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。長径15mmで短径8mmの異型外杵と、長径13mmで短径6mmの異型中心杵と、の2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(287.0mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(303.0mg)を外層とする有核錠(590.0mg)を製造した。
(実施例I−12)
実施例I−4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。長径15mmで短径8mmの異型外杵と、長径13mmで短径6mmの異型中心杵と、の2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(266.6mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(313.4mg)を外層とする有核錠(580.0mg)を製造した。
表I−2は、内核用粉末10−A〜10Dの組成を記載する。表I−3は、外層用粉末20−Aの組成を記載する。
表I−4は、実施例I−1〜I−12の有核剤の組成を記載する。
<硬度の測定>
実施例で得られた有核錠について、錠剤硬度計(PC−30、岡田精工(株)製)を用いて直径方向の硬度を測定した。測定結果は表I−1に示すとおりである。
<摩損度の測定>
実施例で得られた有核錠について、錠剤の摩損度試験法(日局参考情報)に従い摩損度を測定した。測定結果は表I−1に示すとおりである。
<口腔内崩壊時間の測定>
実施例で得られた有核錠について、成人男性による口腔内崩壊にかかる時間を評価した。詳細な手法は以下のとおりである。有核錠を口腔内に入れ、舌で転がしながら錠剤を崩壊させた。各錠剤について、完全に崩壊するのに要した時間を測定した。測定結果は表I−1に示すとおりである
(実施例)
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(比較例II-1)
バルサルタン55.1重量部、軽質無水ケイ酸4.6重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース23.3重量部及びステアリン酸マグネシウム3.0重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、スクラロース4.0重量部及びクロスポビドン10.0重量部を添加した後、混合した。この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉体10−Aとした。
次いで、乳糖1水和物46.9重量部、結晶セルロース40.0重量部、クロスポビドン10.0重量部、アスパルテーム1.4重量部、サッカリンナトリウム1.0重量部及び香料0.5重量部を混合し、ステアリン酸マグネシウム0.2重量部を添加した後、さらに混合し、外層用粉体20−Aとした。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉体10−A及び外層用粉体20−Aを打錠し、内核用粉体10−Aを圧縮してなる医薬組成物(145.2mg)を内核、外層用粉体20−Aを圧縮してなる被覆組成物(174.8mg)を外層とする有核錠(320.0mg)を製造した。
(実施例II-1)
比較例II-1と同様にして内核用粉体10−Aを得た。また、ステアリン酸マグネシウムを添加する際に併せて無水クエン酸0.7重量部を添加したこと以外は、比較例II-1と同様にして、外層用粉体20−Bを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉体10−A及び外層用粉体20−Bを打錠し、内核用粉体10−Aを圧縮してなる医薬組成物(145.2mg)を内核、外層用粉体20−Bを圧縮してなる被覆組成物(176.1mg)を外層とする有核錠(321.3mg)を製造した。
(苦味評価1)
比較例II-1及び実施例II-1の有核錠について官能試験を行ったところ、実施例II-1の有核剤は、比較例II-1の有核錠と比較して苦味の程度が低いという結果が得られた。
表II−3は、比較例II-1及び実施例II-1の有核錠の組成を示す。
(実施例II-2)
バルサルタン55.2重量部、軽質無水ケイ酸4.6重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース27.2重量部及びステアリン酸マグネシウム3.0重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン10.0重量部を添加した後、さらに混合した。この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉体10−Bとした。
次いで、実施例II-1と同様にして、外層用粉体20−Bを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉体10−B及び外層用粉体20−Bを打錠し、内核用粉体10−Bを圧縮してなる医薬組成物(145.2mg)を内核、外層用粉体20−Bを圧縮してなる被覆組成物(174.8mg)を外層とする有核錠(320.0mg)を製造した。
(実施例II-3)
クロスポビドンの添加量を9.0重量部とし、サッカリンナトリウム1.0重量部をさらに添加したこと以外は、実施例II-2と同様に内核用粉体を作製し、内核用粉体10−Cを得た。次いで、実施例II-1と同様にして外層用粉体20−Bを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉体10−C及び外層用粉体20−Bを打錠し、内核用粉体10−Cを圧縮してなる医薬組成物(145.2mg)を内核、外層用粉体20−Bを圧縮してなる被覆組成物(174.8mg)を外層とする有核錠(320.0mg)を製造した。
(比較例II-2)
クロスポビドンを8.0重量部の量で添加し、サッカリンナトリウム2.0重量部をさらに添加したこと以外は、実施例II-2と同様に内核用粉体を作製し、内核用粉体10−Dを得た。次いで、比較例II-1と同様にして外層用粉体20−Aを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉体10−D及び外層用粉体20−Aを打錠し、内核用粉体10−Dを圧縮してなる医薬組成物(145.2mg)を内核、外層用粉体20−Aを圧縮してなる被覆組成物(174.8mg)を外層とする有核錠(320.0mg)を製造した。
(比較例II-3)
クロスポビドンの添加に際してクロスポビドンの添加量を6.9重量部とし、サッカリンナトリウム3.1重量部をさらに添加したこと以外は、実施例II-2と同様に内核用粉体を作製し、内核用粉体10−Eを得た。次いで、比較例II-1と同様にして外層用粉体20−Aを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉体10−E及び外層用粉体20−Aを打錠し、内核用粉体10−Eを圧縮してなる医薬組成物(145.2mg)を内核、外層用粉体20−Aを圧縮してなる被覆組成物(174.8mg)を外層とする有核錠(320.0mg)を製造した。
(苦味評価2)
被験者4名で、実施例II-2及びII-3の有核錠並びに比較例II-2及びII-3の有核錠について、官能試験を行った。苦味の程度が低いものから順位をつけ、4名の順位の和で評価した。結果は表II−1に示すとおりである。
表II−4は、実施例II-2及びII-3の有核錠、並びに比較例II-2及びII-3の有核錠の組成を示す。
(実施例II-4)
バルサルタン55.2重量部、軽質無水ケイ酸5.0重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース28.8重量部及びステアリン酸マグネシウム3.0重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン6.9重量部及びサッカリンナトリウム1.0重量部を添加した後、混合した。この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉体10−Gとした。
ついで、乳糖1水和物46.9重量部、結晶セルロース40.0重量部、クロスポビドン10.0重量部、アスパルテーム1.4重量部、サッカリンナトリウム1.0重量部、無水クエン酸0.7重量部及び香料0.5重量部を混合し、ステアリン酸マグネシウム0.2重量部を添加した後、さらに混合して、外層用粉体20−Cを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉体10−G及び外層用粉体20−Cを打錠し、内核用粉体10−Gを圧縮してなる医薬組成物(145.2mg)を内核、外層用粉体20−Cを圧縮してなる被覆組成物(174.8mg)を外層とする有核錠(320.0mg)を製造した。
(実施例II-5)
実施例II-4と同様にして内核用粉体10−Gを得た。乳糖1水和物の添加量を46.3重量部とし、アスパルテームの添加量を2.0重量部としたこと以外は、実施例II-4と同様にして外層用粉体20−Dを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉体10−G及び外層用粉体20−Dを打錠し、内核用粉体10−Gを圧縮してなる医薬組成物(145.2mg)を内核、外層用粉体20−Dを圧縮してなる被覆組成物(174.8mg)を外層とする有核錠(320.0mg)を製造した。
(実施例II-6)
実施例II-4と同様にして内核用粉体10−Gを得た。次いで、乳糖1水和物の添加量を44.3重量部とし、アスパルテームの添加量を4.0重量部としたこと以外は、実施例II-4と同様にして外層用粉体20−Eを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉体10−G及び外層用粉体20−Eを打錠し、内核用粉体10−Gを圧縮してなる医薬組成物(145.2mg)を内核、外層用粉体20−Eを圧縮してなる被覆組成物(174.8mg)を外層とする有核錠(320.0mg)を製造した。
(実施例II-7)
実施例II-4と同様にして内核用粉体10−Gを得た。次いで、乳糖1水和物の添加量を42.3重量部とし、アスパルテームの添加量を6.0重量部としたこと以外は、実施例II-4と同様にして外層用粉体20−Fを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉体10−G及び外層用粉体20−Fを打錠し、内核用粉体10−Gを圧縮してなる医薬組成物(145.2mg)を内核、外層用粉体20−Fを圧縮してなる被覆組成物(174.8mg)を外層とする有核錠(320.0mg)を製造した。
(苦味評価2)
被験者4名で、実施例II-4〜II-7の有核錠について、官能試験を行った。苦味の程度が低いものから順位をつけ、4名の順位の和で評価した。結果は表II−2に示すとおりであった。
表II−5は、実施例II-4〜II-7の有核錠の組成を示す。
(実施例III)
表IIIに示す組成を有する有核錠PT1及びPT2を製造した。
符号の説明
100,110・・・錠剤;10,11・・・内核;20,21・・・外層;30・・・溝。
本明細書にて言及される特許、特許出願、出版物等は、その全体が参照により本明細書に引用される。
本発明は以下の態様を含む:
[1] 唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊させて経口投与されることを特徴とする、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる錠剤。
[2] バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆する外層と、を含む口腔内崩壊性の錠剤。
[3] 前記外層が、結晶セルロース、崩壊剤及び滑沢剤を含有する、[2]に記載の錠剤。
[4] 前記崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、デンプン、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム及びグアーガムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の錠剤。
[5] 前記崩壊剤が、少なくとも低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の錠剤。
[6] 前記崩壊剤が、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、を含む、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の錠剤。
[7] 前記流動化剤が、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の錠剤。
[8] 前記流動化剤が、軽質無水ケイ酸及び/又は合成ケイ酸アルミニウムを含む、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の錠剤。
[9] 前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ポリ(エチレングリコール)及びタルクからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の錠剤。
[10] 前記滑沢剤が、少なくともステアリン酸マグネシウムを含む、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の錠剤。
[11] 前記医薬組成物が、ヒドロクロロチアジド及び/若しくはアムロジピン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有する、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の錠剤。
[12] 前記医薬組成物が、アリスキレン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有する、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の錠剤。
[12−1] 前記外層が、口腔内を弱酸性にするpH調整剤を含有する被覆組成物からなる、[1]〜[12]のいずれか一項に記載の錠剤。
[12−2] 前記pH調整剤が、無水クエン酸、クエン酸水和物及びクエン酸二水素ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[12−1]に記載の錠剤。
[12−3]前記被覆組成物が甘味剤をさらに含有する、[12−1]又は[12−2]に記載の錠剤。
[12−4]前記甘味剤が、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[12−3]に記載の錠剤。
[12−5] 前記甘味剤が即効性甘味剤であり、前記医薬組成物が遅効性甘味剤をさらに含有する、[12−3]に記載の錠剤。
[12−6]前記即効性甘味剤が、アスパルテーム、スクラロース及びアセスルファムカリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[12−5]に記載の錠剤。
[12−7]前記遅効性甘味剤が、サッカリン及び/又はサッカリンナトリウムを含む、[12−5]又は[12−6]に記載の錠剤。

[13] バルサルタン又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆する、口腔内を弱酸性にするpH調整剤を含有する被覆組成物からなる外層と、を含む、有核剤。
[14] 前記pH調整剤が、無水クエン酸、クエン酸水和物及びクエン酸二水素ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[13]に記載の有核剤。
[15] 前記被覆組成物が甘味剤をさらに含有する、[13]又は[14]に記載の有核剤。
[16] 前記甘味剤が、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[15]に記載の有核剤。
[17] 前記甘味剤が即効性甘味剤であり、前記医薬組成物が遅効性甘味剤をさらに含有する、[15]に記載の有核剤。
[18] 前記即効性甘味剤が、アスパルテーム、スクラロース及びアセスルファムカリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[17]に記載の有核剤。
[19] 前記遅効性甘味剤が、サッカリン及び/又はサッカリンナトリウムを含む、[17]又は[18]に記載の有核剤。

[19−1] 医薬組成物からなる前記内核がバルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有し、唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊させて経口投与されることを特徴とする、[13〜19]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−2] 医薬組成物からなる内核が、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する、[13〜19]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−3] 前記外層が、結晶セルロース、崩壊剤及び滑沢剤を含有する、[19−2]に記載の有核剤。
[19−4] 前記崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、デンプン、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム及びグアーガムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[19−1]〜[19−3]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−5] 前記崩壊剤が、少なくとも低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む、[19−1]〜[19−4]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−6] 前記崩壊剤が、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、を含む、[19−1]〜[19−5]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−7] 前記流動化剤が、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[19−1]〜[19−6]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−8] 前記流動化剤が、軽質無水ケイ酸及び/又は合成ケイ酸アルミニウムを含む、[19−1]〜[19−7]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−9] 前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ポリ(エチレングリコール)及びタルクからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[19−1]〜[19−8]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−10] 前記滑沢剤が、少なくともステアリン酸マグネシウムを含む、[19−1]〜[19−9]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−11] 前記医薬組成物が、ヒドロクロロチアジド及び/若しくはアムロジピン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有する、[19−1]〜[19−10]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−12] 前記医薬組成物が、アリスキレン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有する、[19−1]〜[19−11]のいずれか一項に記載の有核剤。

Claims (19)

  1. 唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊させて経口投与されることを特徴とする、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる錠剤。
  2. バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆する外層と、を含む口腔内崩壊性の錠剤。
  3. 前記外層が、結晶セルロース、崩壊剤及び滑沢剤を含有する、請求項2に記載の錠剤。
  4. 前記崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、デンプン、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム及びグアーガムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の錠剤。
  5. 前記崩壊剤が、少なくとも低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の錠剤。
  6. 前記崩壊剤が、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の錠剤。
  7. 前記流動化剤が、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の錠剤。
  8. 前記流動化剤が、軽質無水ケイ酸及び/又は合成ケイ酸アルミニウムを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の錠剤。
  9. 前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ポリ(エチレングリコール)及びタルクからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の錠剤。
  10. 前記滑沢剤が、少なくともステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の錠剤。
  11. 前記医薬組成物が、ヒドロクロロチアジド及び/若しくはアムロジピン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の錠剤。
  12. 前記医薬組成物が、アリスキレン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の錠剤。
  13. バルサルタン又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆する、口腔内を弱酸性にするpH調整剤を含有する被覆組成物からなる外層と、を含む、有核剤。
  14. 前記pH調整剤が、無水クエン酸、クエン酸水和物及びクエン酸二水素ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項13に記載の有核剤。
  15. 前記被覆組成物が甘味剤をさらに含有する、請求項13又は14に記載の有核剤。
  16. 前記甘味剤が、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項15に記載の有核剤。
  17. 前記甘味剤が即効性甘味剤であり、前記医薬組成物が遅効性甘味剤をさらに含有する、請求項15に記載の有核剤。
  18. 前記即効性甘味剤が、アスパルテーム、スクラロース及びアセスルファムカリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項17に記載の有核剤。
  19. 前記遅効性甘味剤が、サッカリン及び/又はサッカリンナトリウムを含む、請求項17又は18に記載の有核剤。
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