JP2015504878A - 錠剤及び有核剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本明細書にいて使用される場合、用語「唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊」とは、一般的な錠剤(例えば、Novartis Pharma KKにより製造されるDIOVAN(登録商標)などの従来の固形剤形やカプセル)における崩壊とは対照的に、口腔内に含んだ際の舌の動き等自然な口の動きに任せた場合、個人差もあるので一概に規定することはできないが、例えば、1〜60秒程度、好ましくは1〜30秒程度又は15〜29秒で錠剤が崩壊することを意味する。用語「唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊」には、唾液又は唾液相当量の水に曝した際の崩壊も含まれる。
本発明の実施形態について以下に説明する。
1.活性成分
バルサルタンは、アンジオテンシン II レセプターアンタゴニストであり、高血圧の処置等に用いられるアシル化合物である。バルサルタンは、例えば特許第2749458号公報、米国特許5399578号明細書に記載され、下記式(1)で記載される。
内核10においては、崩壊剤により、口腔内で容易に崩壊するだけの十分な崩壊性が付与される。具体的には、崩壊剤により、錠剤が口腔内で、例えば唾液又は相当量の水に曝される際に容易に崩壊するのに十分な崩壊性を内核10に付与される。
流動化剤はバルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)の付着性を抑制する。具体的には、内核10では、崩壊剤と流動化剤とを組み合わせることにより、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)を活性成分としつつも十分な崩壊性が得られる。
また、内核10においては、滑沢剤により、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)の口腔内での分散性が確保される。
内核10を構成する医薬組成物はまた、上記以外の成分として、賦形剤、甘味剤、味覚マスキング剤、着色剤、pH調整剤、又は結合剤等を含有していてもよい。結晶セルロース又は微結晶セルロースを内核10を構成する医薬組成物に含有させてもよい。
外層20は、内核10を被覆するように設けられており、錠剤100に十分な錠剤硬度を付与する。外層20の組成は、口腔内崩壊錠に適した速崩壊性、例えば、唾液又は相当量の水に暴露した際の速崩壊性を生み出し、かつ、必要な硬度を有することのできる組成であれば、特に限定されず、錠剤に用いられる公知の成分を適宜組み合わせた組成とすることができる。
本発明のOD錠の硬度は、容易かつ便利な貯蔵、パッケージからの離脱、続いて錠剤を壊すことなく扱うことを可能にするのに十分なものであることが好ましい。一実施態様において、本発明の口腔内崩壊錠は、従来の非OD錠のように扱い、包装し得るのに十分に堅い。
本発明のOD錠は、当分野で公知のいずれの方法によって製造することができる。錠剤100は、例えば、二重構造の杵を有するOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機で、外層用粉体及び内核用粉体を打錠して製造することができる。
本明細書にいて使用される場合、用語「唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊」とは、一般的な錠剤(例えば、Novartis Pharma KKにより製造されるDIOVAN(登録商標)などの従来の固形剤形やカプセル)における崩壊とは対照的に、口腔内に含んだ際の舌の動き等自然な口の動きに任せた場合、個人差もあるので一概に規定することはできないが、例えば、1〜60秒程度、好ましくは1〜30秒程度又は15〜29秒で錠剤が崩壊することを意味する。用語「唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊」には、唾液又は唾液相当量の水に曝した際の崩壊も含まれる。
内核10は、例えば、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩と、崩壊剤と、流動化剤と、滑沢剤と、を含有する医薬組成物を含むことができる。有核剤は、経口投与され、唾液又は唾液相当量の水で口腔内で崩壊させることができる。
バルサルタンは、アンジオテンシン II レセプターアンタゴニストであり、高血圧の処置等に用いられ得るアシル化合物である。バルサルタンは、例えば特許第2749458号公報、米国特許5399578号明細書に記載される化合物であり、下記式(1)で記載される。
内核10においては、崩壊剤により、口腔内で容易に崩壊するだけの十分な崩壊性が付与される。具体的には、崩壊剤により、活性成分(特にそのフリー形態又は塩形態のバルサルタン)が口腔内で、例えば唾液又は相当量の水に曝される際に容易に崩壊するのに十分な崩壊性を内核10に付与される。
流動化剤はバルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)の付着性を抑制する。具体的には、内核10では、崩壊剤と流動化剤とを組み合わせることにより、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)を活性成分としつつも高い崩壊性が得られる。
滑沢剤により、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)の口腔内での分散性が確保される。
内核10を構成する医薬組成物は、遅効性甘味剤を含有していてもよい。遅効性甘味剤を含有する内核10と即効性甘味剤を含有する外層20との組み合せによれば、薬物が放出される前に口腔内に即効性甘味剤が拡散することで初期の苦味を抑制することができ;有核剤が完全に崩壊した後に口腔内で内核に含まれる遅延性甘味剤が拡散することで、投与後に残存する苦味を緩和することができる。
内核10を構成する医薬組成物はまた、上記以外の成分として、賦形剤、他の甘味剤、味覚マスキング剤、着色剤、pH調整剤、又は結合剤等を含有していてもよい。結晶セルロース又は微結晶セルロースを内核10を構成する医薬組成物に含有させてもよい。
外層20は、口腔内を弱酸性(すなわち、2.0〜5.0の範囲のpH、より好ましくは3.0〜4.0の範囲のpH)にするpH調整剤を含有する被覆組成物からなり、内核10を被覆して有核剤100に十分な硬度を付与する。
外層20を構成する被覆組成物にpH調整剤を含有することで、有核剤を口腔内で崩壊させて経口投与されるように用いた場合であっても苦味が十分に防止され、QOLの向上を図ることができる。
外層20を構成する被覆組成物は、甘味剤を含有することが好ましい。外層20は、内核10が崩壊してバルサルタンが放出される前に、口腔内で崩壊する。そのため、外層20が甘味剤を含有することで、バルサルタンが放出される前に口腔内に甘味剤が拡散され、バルサルタンにより呈される苦味を一層抑制することができる。
外層20を構成する被覆組成物の上記以外の成分は、特に限定されず、錠剤に用いられる公知の成分を適宜組み合わせた組成とすることができる。組成は、口腔内崩壊錠に適した速崩壊性が得られる組成とすることがより好ましい。
本発明の有核剤の硬度は、容易かつ便利な貯蔵、パッケージからの離脱、続いて錠剤を壊すことなく扱うことを可能にするのに十分であるように調製することができる。一実施態様において、有核剤は、従来の非OD錠のように扱い、包装し得るのに十分に堅い。
本発明のOD錠は、当分野で公知のいずれの方法によって製造することができる。有核剤100は、例えば、二重構造の杵を有するOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機で、外層用粉体及び内核用粉体を打錠して製造することができる。
バルサルタン55.7重量部、軽質無水ケイ酸5.1重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース29.1重量部及びステアリン酸マグネシウム2.0重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン7.0重量部及びサッカリンナトリウム1.0重量部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Aとした。
バルサルタン55.5重量部、軽質無水ケイ酸5.1重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース29.0重量部及びステアリン酸マグネシウム2.0重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン6.9重量部、サッカリンナトリウム1.0重量部及びステアリン酸マグネシウム0.5重量部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Bを得た。
バルサルタン60.0重量部、軽質無水ケイ酸5.5重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース23.2重量部及びステアリン酸マグネシウム2.2重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン7.5重量部、サッカリンナトリウム1.1重量部及びステアリン酸マグネシウム0.5重量部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Cを得た。
バルサルタン60.0重量部、軽質無水ケイ酸5.5重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース18.8重量部及びステアリン酸マグネシウム2.2重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン7.5重量部、サッカリンナトリウム1.1重量部、ステアリン酸マグネシウム1.1重量部及び結晶セルロース3.8重量部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Dを得た。
実施例I−1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(35.9mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(44.1mg)を外層とする有核錠(80.0mg)を製造した。
実施例I−1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(35.9mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(60.6mg)を外層とする有核錠(96.5mg)を製造した。
実施例I−4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(33.3mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(43.8mg)を外層とする有核錠(77.1mg)を製造した。
実施例I−4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(33.3mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(62.7mg)を外層とする有核錠(96.0mg)を製造した。
実施例I−1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。外杵8.0mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(71.75mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(88.25mg)を外層とする有核錠(160.0mg)を製造した。
実施例I−4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。外杵8.0mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(66.65mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(87.55mg)を外層とする有核錠(154.2mg)を製造した。
実施例I−1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。長径15mmで短径8mmの異型外杵と、長径13mmで短径6mmの異型中心杵と、の2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(287.0mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(303.0mg)を外層とする有核錠(590.0mg)を製造した。
実施例I−4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。長径15mmで短径8mmの異型外杵と、長径13mmで短径6mmの異型中心杵と、の2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(266.6mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(313.4mg)を外層とする有核錠(580.0mg)を製造した。
実施例で得られた有核錠について、錠剤硬度計(PC−30、岡田精工(株)製)を用いて直径方向の硬度を測定した。測定結果は表I−1に示すとおりである。
実施例で得られた有核錠について、錠剤の摩損度試験法(日局参考情報)に従い摩損度を測定した。測定結果は表I−1に示すとおりである。
実施例で得られた有核錠について、成人男性による口腔内崩壊にかかる時間を評価した。詳細な手法は以下のとおりである。有核錠を口腔内に入れ、舌で転がしながら錠剤を崩壊させた。各錠剤について、完全に崩壊するのに要した時間を測定した。測定結果は表I−1に示すとおりである
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
バルサルタン55.1重量部、軽質無水ケイ酸4.6重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース23.3重量部及びステアリン酸マグネシウム3.0重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、スクラロース4.0重量部及びクロスポビドン10.0重量部を添加した後、混合した。この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉体10−Aとした。
比較例II-1と同様にして内核用粉体10−Aを得た。また、ステアリン酸マグネシウムを添加する際に併せて無水クエン酸0.7重量部を添加したこと以外は、比較例II-1と同様にして、外層用粉体20−Bを得た。
比較例II-1及び実施例II-1の有核錠について官能試験を行ったところ、実施例II-1の有核剤は、比較例II-1の有核錠と比較して苦味の程度が低いという結果が得られた。
バルサルタン55.2重量部、軽質無水ケイ酸4.6重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース27.2重量部及びステアリン酸マグネシウム3.0重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン10.0重量部を添加した後、さらに混合した。この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉体10−Bとした。
クロスポビドンの添加量を9.0重量部とし、サッカリンナトリウム1.0重量部をさらに添加したこと以外は、実施例II-2と同様に内核用粉体を作製し、内核用粉体10−Cを得た。次いで、実施例II-1と同様にして外層用粉体20−Bを得た。
クロスポビドンを8.0重量部の量で添加し、サッカリンナトリウム2.0重量部をさらに添加したこと以外は、実施例II-2と同様に内核用粉体を作製し、内核用粉体10−Dを得た。次いで、比較例II-1と同様にして外層用粉体20−Aを得た。
クロスポビドンの添加に際してクロスポビドンの添加量を6.9重量部とし、サッカリンナトリウム3.1重量部をさらに添加したこと以外は、実施例II-2と同様に内核用粉体を作製し、内核用粉体10−Eを得た。次いで、比較例II-1と同様にして外層用粉体20−Aを得た。
被験者4名で、実施例II-2及びII-3の有核錠並びに比較例II-2及びII-3の有核錠について、官能試験を行った。苦味の程度が低いものから順位をつけ、4名の順位の和で評価した。結果は表II−1に示すとおりである。
バルサルタン55.2重量部、軽質無水ケイ酸5.0重量部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース28.8重量部及びステアリン酸マグネシウム3.0重量部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン6.9重量部及びサッカリンナトリウム1.0重量部を添加した後、混合した。この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉体10−Gとした。
実施例II-4と同様にして内核用粉体10−Gを得た。乳糖1水和物の添加量を46.3重量部とし、アスパルテームの添加量を2.0重量部としたこと以外は、実施例II-4と同様にして外層用粉体20−Dを得た。
実施例II-4と同様にして内核用粉体10−Gを得た。次いで、乳糖1水和物の添加量を44.3重量部とし、アスパルテームの添加量を4.0重量部としたこと以外は、実施例II-4と同様にして外層用粉体20−Eを得た。
実施例II-4と同様にして内核用粉体10−Gを得た。次いで、乳糖1水和物の添加量を42.3重量部とし、アスパルテームの添加量を6.0重量部としたこと以外は、実施例II-4と同様にして外層用粉体20−Fを得た。
被験者4名で、実施例II-4〜II-7の有核錠について、官能試験を行った。苦味の程度が低いものから順位をつけ、4名の順位の和で評価した。結果は表II−2に示すとおりであった。
表IIIに示す組成を有する有核錠PT1及びPT2を製造した。
100,110・・・錠剤;10,11・・・内核;20,21・・・外層;30・・・溝。
[1] 唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊させて経口投与されることを特徴とする、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる錠剤。
[2] バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆する外層と、を含む口腔内崩壊性の錠剤。
[3] 前記外層が、結晶セルロース、崩壊剤及び滑沢剤を含有する、[2]に記載の錠剤。
[4] 前記崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、デンプン、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム及びグアーガムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の錠剤。
[5] 前記崩壊剤が、少なくとも低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の錠剤。
[6] 前記崩壊剤が、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、を含む、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の錠剤。
[7] 前記流動化剤が、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の錠剤。
[8] 前記流動化剤が、軽質無水ケイ酸及び/又は合成ケイ酸アルミニウムを含む、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の錠剤。
[9] 前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ポリ(エチレングリコール)及びタルクからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の錠剤。
[10] 前記滑沢剤が、少なくともステアリン酸マグネシウムを含む、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の錠剤。
[11] 前記医薬組成物が、ヒドロクロロチアジド及び/若しくはアムロジピン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有する、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の錠剤。
[12] 前記医薬組成物が、アリスキレン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有する、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の錠剤。
[12−1] 前記外層が、口腔内を弱酸性にするpH調整剤を含有する被覆組成物からなる、[1]〜[12]のいずれか一項に記載の錠剤。
[12−2] 前記pH調整剤が、無水クエン酸、クエン酸水和物及びクエン酸二水素ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[12−1]に記載の錠剤。
[12−3]前記被覆組成物が甘味剤をさらに含有する、[12−1]又は[12−2]に記載の錠剤。
[12−4]前記甘味剤が、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[12−3]に記載の錠剤。
[12−5] 前記甘味剤が即効性甘味剤であり、前記医薬組成物が遅効性甘味剤をさらに含有する、[12−3]に記載の錠剤。
[12−6]前記即効性甘味剤が、アスパルテーム、スクラロース及びアセスルファムカリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[12−5]に記載の錠剤。
[12−7]前記遅効性甘味剤が、サッカリン及び/又はサッカリンナトリウムを含む、[12−5]又は[12−6]に記載の錠剤。
[13] バルサルタン又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆する、口腔内を弱酸性にするpH調整剤を含有する被覆組成物からなる外層と、を含む、有核剤。
[14] 前記pH調整剤が、無水クエン酸、クエン酸水和物及びクエン酸二水素ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[13]に記載の有核剤。
[15] 前記被覆組成物が甘味剤をさらに含有する、[13]又は[14]に記載の有核剤。
[16] 前記甘味剤が、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[15]に記載の有核剤。
[17] 前記甘味剤が即効性甘味剤であり、前記医薬組成物が遅効性甘味剤をさらに含有する、[15]に記載の有核剤。
[18] 前記即効性甘味剤が、アスパルテーム、スクラロース及びアセスルファムカリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[17]に記載の有核剤。
[19] 前記遅効性甘味剤が、サッカリン及び/又はサッカリンナトリウムを含む、[17]又は[18]に記載の有核剤。
[19−1] 医薬組成物からなる前記内核がバルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有し、唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊させて経口投与されることを特徴とする、[13〜19]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−2] 医薬組成物からなる内核が、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する、[13〜19]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−3] 前記外層が、結晶セルロース、崩壊剤及び滑沢剤を含有する、[19−2]に記載の有核剤。
[19−4] 前記崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、デンプン、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム及びグアーガムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[19−1]〜[19−3]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−5] 前記崩壊剤が、少なくとも低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む、[19−1]〜[19−4]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−6] 前記崩壊剤が、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、を含む、[19−1]〜[19−5]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−7] 前記流動化剤が、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[19−1]〜[19−6]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−8] 前記流動化剤が、軽質無水ケイ酸及び/又は合成ケイ酸アルミニウムを含む、[19−1]〜[19−7]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−9] 前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ポリ(エチレングリコール)及びタルクからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[19−1]〜[19−8]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−10] 前記滑沢剤が、少なくともステアリン酸マグネシウムを含む、[19−1]〜[19−9]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−11] 前記医薬組成物が、ヒドロクロロチアジド及び/若しくはアムロジピン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有する、[19−1]〜[19−10]のいずれか一項に記載の有核剤。
[19−12] 前記医薬組成物が、アリスキレン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有する、[19−1]〜[19−11]のいずれか一項に記載の有核剤。
Claims (19)
- 唾液又は唾液程度の量の水で口腔内で崩壊させて経口投与されることを特徴とする、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる錠剤。
- バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆する外層と、を含む口腔内崩壊性の錠剤。
- 前記外層が、結晶セルロース、崩壊剤及び滑沢剤を含有する、請求項2に記載の錠剤。
- 前記崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、デンプン、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム及びグアーガムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記崩壊剤が、少なくとも低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記崩壊剤が、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記流動化剤が、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記流動化剤が、軽質無水ケイ酸及び/又は合成ケイ酸アルミニウムを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ポリ(エチレングリコール)及びタルクからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記滑沢剤が、少なくともステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記医薬組成物が、ヒドロクロロチアジド及び/若しくはアムロジピン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記医薬組成物が、アリスキレン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の錠剤。
- バルサルタン又はその薬学的に許容される塩を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆する、口腔内を弱酸性にするpH調整剤を含有する被覆組成物からなる外層と、を含む、有核剤。
- 前記pH調整剤が、無水クエン酸、クエン酸水和物及びクエン酸二水素ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項13に記載の有核剤。
- 前記被覆組成物が甘味剤をさらに含有する、請求項13又は14に記載の有核剤。
- 前記甘味剤が、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項15に記載の有核剤。
- 前記甘味剤が即効性甘味剤であり、前記医薬組成物が遅効性甘味剤をさらに含有する、請求項15に記載の有核剤。
- 前記即効性甘味剤が、アスパルテーム、スクラロース及びアセスルファムカリウムからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項17に記載の有核剤。
- 前記遅効性甘味剤が、サッカリン及び/又はサッカリンナトリウムを含む、請求項17又は18に記載の有核剤。
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