JP2013133291A - 錠剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】
容易に経口投与することが可能な、バルサルタンを有効成分とする錠剤を提供すること。
【解決手段】
唾液又は唾液程度の水で口腔内で崩壊させて経口投与されるように用いられることを特徴とする、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる錠剤。
【選択図】図1
容易に経口投与することが可能な、バルサルタンを有効成分とする錠剤を提供すること。
【解決手段】
唾液又は唾液程度の水で口腔内で崩壊させて経口投与されるように用いられることを特徴とする、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる錠剤。
【選択図】図1
Description
本発明は、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩を含有する錠剤に関する。
アンジオテンシン II レセプターアンタゴニストであるバルサルタンは、鬱血性心不全処置に効果的であること、また、年齢、性別、人種に関係なく血圧を降下させることができることが知られており、例えば、特許文献1〜3には、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩と、圧縮法により形成された固体経口剤が開示されている。
ところで、近年、口腔内崩壊錠(「OD錠」ともいう。)は服用のしやすさから用途が広がっている。OD錠としては、例えば特許文献4には、薬効成分と糖類と前記糖類の粒子表面が湿る程度の水分とを含む混合物を打錠して得られる口腔内溶解型錠剤が記載され、特許文献5には、成形性の低い糖類及び成形性の高い糖類を含有してなる、口腔内において速やかな崩壊性、溶解性を有する口腔内溶解型圧縮成型物が記載されている。
しかし、本発明者らが検討したところ、バルサルタンを有効成分とした場合、特許文献4及び5を含む公知の方法では、OD錠を製造したとしても使用に適するものにならないことが明らかとなった。
具体的には、バルサルタンが疎水性で溶解性が低いこと、かさ高く付着性が強いこと等の影響により、十分な崩壊性及び溶出性を有するOD錠を製造しようとすると、十分量のバルサルタンを得るために錠剤のサイズを大きくする必要が生じ、服用や取扱いが困難となる。
また、OD錠とするためには口腔内で容易に崩壊するだけの十分な崩壊性及び溶出性と、錠剤としての十分な硬度と、を両立する必要があるが、従来の方法では、これらを両立したバルサルタンを有効成分とするOD錠の製造が困難であった。
本発明は、一つの態様において、唾液又は唾液程度の水で口腔内で崩壊させて経口投与されるように用いられることを特徴とする、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる錠剤を提供する。
このような錠剤は、十分な崩壊性、溶出性及び錠剤硬度を有し、OD錠としての使用に適する錠剤である。
すなわち、上記錠剤は、上記特定の組成を有することにより口腔内崩壊錠としての使用に適するものである。そのため、上記錠剤を、唾液又は唾液程度の水で口腔内で崩壊させて経口投与するという用法で用いることで、バルサルタンを有効成分とする錠剤の自己投与が容易となり、生活の質(QOL)の向上、コンプライアンスの改善、ひいてはアドヒアランスの改善を図ることができる。
本発明は、他の態様において、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆する外層と、を備える口腔内崩壊性の錠剤を提供する。
このような錠剤は、十分な崩壊性、溶出性及び錠剤強度を有し、OD錠としての使用に適する。そして、上記錠剤によれば、バルサルタンを有効成分とする自己投与が容易となり、QOLの向上、コンプライアンスの改善、ひいてはアドヒアランスの改善を図ることができる。
上記外層は、結晶セルロース、崩壊剤及び滑沢剤を含有する層であることが好ましい。このような外層によれば、十分な崩壊性及び溶出性を維持しつつ、より高い錠剤強度を達成することができる。
上記崩壊剤は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、デンプン、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム及びグアーガムからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
また、上記崩壊剤は、少なくとも低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含むことが好ましく、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種と低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとを含んでいてもよい。
上記流動化剤は、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム化合物、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
また、上記流動化剤は、軽質無水ケイ酸及び/又は合成ケイ酸アルミニウムを含むことが好ましい。
上記滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ポリエチレングリコール及びタルクからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
また、上記滑沢剤は、少なくともステアリン酸マグネシウムを含むことが好ましい。
上記医薬組成物は、ヒドロクロロチアジド及び/又はアムロジピン若しくはその薬学的に許容される塩をさらに含有していてもよい。
また、上記医薬組成物は、アリスキレン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有していてもよい。
本発明によれば、十分な崩壊性、溶出性及び錠剤硬度を有し、OD錠としての使用に適する、バルサルタンを有効成分とする錠剤が提供される。
本発明の実施形態について以下に説明する。本実施形態に係る錠剤は、唾液又は唾液程度の水で口腔内で崩壊させて経口投与されるように用いられることを特徴とする、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる錠剤である。
本実施形態に係る錠剤は、上記特定の組成を有することにより口腔内崩壊錠としての使用に適するものとなる。そのため、本実施形態に係る錠剤を、唾液又は唾液程度の水で口腔内で崩壊させて経口投与するという用法で用いることで、バルサルタンを有効成分とする錠剤の自己投与が容易となり、QOLの向上、コンプライアンスの改善、ひいてはアドヒアランスの改善を図ることができる。
本実施形態に係る錠剤は、収縮期、拡張期又はその両方において、血圧を下げるのに有用である。また、本実施形態に係る錠剤は、高血圧(悪性、本態性、腎−血管性、糖尿病性、単独収縮期又は他の2次型)、鬱血性心不全、狭心症(安定性又は不安定性)、心筋梗塞、動脈硬化症(artherosclerosis)、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋疾患、腎機能不全、末梢性血管疾患、左心室肥大、認識機能不全(例えばアルツハイマー)、脳卒中等の病状に有用である。
なお、本明細書における「唾液又は唾液程度の水で口腔内で崩壊」とは、一般的な錠剤における崩壊とは異なり、口腔内に含んだ際の舌の動き等自然な口の動きに任せた場合、個人差もあるので一概に規定することはできないが、例えば、1〜60秒程度、好ましくは1〜30秒程度で崩壊又は溶解することを意味する。また、「十分な崩壊性」とは、上記のとおり唾液又は唾液程度の水で口腔内で崩壊し得る崩壊性を意味する。すなわち、本実施形態に係る錠剤と一般的な錠剤とは、一般的な錠剤を口腔内に含んだとしても咀嚼等をしない限り容易には崩壊や溶解しない点で、相違する。
本実施形態に係る錠剤からのバルサルタンの溶出性は、バルサルタンを含有する一般的な錠剤、例えば、ディオバン錠(ノバルティス社製)の溶出性と同等であることが望ましい。当該溶出性を確認する試験方法は、種々存在するが、一例を挙げるならば、試験液としてpH3.0の緩衝液を採用し、日本薬局方のパドル法50rpmで試験した場合、試験開始から120分で75%以上のバルサルタンを溶出することが好ましい。また、120分で80%以上のバルサルタンを溶出することが更に好ましい。
なお、バルサルタンは、アンジオテンシン II レセプターアンタゴニストであり、高血圧の処置等に利用されるアシル化合物である。バルサルタンは、例えば特許第2749458号公報、米国特許5399578号明細書に記載され、下記式(1)で表される。
バルサルタンは不斉炭素を一つ有するが、本実施形態において、バルサルタンはラセミ体であっても一方の光学異性体であってもよい。バルサルタンは、下記式(1a)及び(1b)で表される光学異性体があり、少なくとも式(1a)で表される光学異性体を含むことが好ましい。
以下、上記の用法に用いることができる錠剤の好適な実施形態を説明する。
図1は、本発明の錠剤の第一実施形態を示す図である。錠剤100は、内核10と、内核10を被覆する外層20と、を備える口腔内崩壊性の錠剤である。
内核10は、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなり、このような特定の組成の医薬組成物によれば、十分な崩壊性を有する内核10を成型することができる。内核10を十分な崩壊性を有するものとすることで、錠剤100は、唾液又は唾液程度の水で口腔内で崩壊させて経口投与されるように用いられる口腔内崩壊錠として、好適に用いることができる。
バルサルタン又はその薬学的に許容される塩の投与量は、通常、バルサルタンとして10〜250mgであり、好ましくは40〜160mgである。したがって、内核10におけるバルサルタン又はその薬学的に許容される塩の配合量は、バルサルタンとして10〜250mgであることが好ましく、40〜160mgであることがより好ましい。
また、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩の配合割合(バルサルタンとしての配合割合)は、内核10を構成する医薬組成物の総量基準で、30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。
内核10においては、崩壊剤により、口腔内で容易に崩壊するだけの十分な崩壊性及びバルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)の十分な溶出性が付与される。
崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、デンプン、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、グアーガム等が挙げられる。崩壊剤は、これらのうち一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
内核10は、崩壊剤として少なくとも低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含むことが好ましい。また、崩壊剤は、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、を含むことがより好ましい。
崩壊剤の好適な配合例としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース単独、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとクロスポビドンとの組み合わせ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとクロスカルメロースナトリウムとの組み合わせ、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとカルボキシメチルスターチナトリウムとの組み合わせ、などが挙げられる。
なお、本明細書中、「低置換度ヒドロキシプロピルセルロース」は、グルコース単位あたりのヒドロキシプロポキシ基の置換度が5〜16%、好ましくは7〜13%であるヒドロキシプロピルセルロースを示す。
内核10における崩壊剤の配合割合は、内核10を構成する医薬組成物の総量基準で、15〜60質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。崩壊剤の配合割合を上記範囲内とすることで、バルサルタンの溶出性を低下させることなく口腔内での崩壊性を一層向上させることができ、口腔内崩壊錠として一層好適な錠剤となる。なお、崩壊剤を二種以上組み合わせて用いる場合、崩壊剤の総量が上記の配合割合の範囲内となるように用いることが好ましい。
なお、上記の配合割合で崩壊剤を配合する場合に、内核10を独立して成形した後に外層20を被覆しようとすると、内核10の崩壊性が高いことから内核10の移送過程及び外層20を被覆する過程において内核10の欠損が生じるおそれがあるが、この点、後述するOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機を用いた方法によれば、内核10の欠損を生じさせることなく上記の配合割合で崩壊剤が内核10に配合された錠剤を容易に得ることができる。
また、内核10においては、流動化剤により、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)の付着性が抑制される。すなわち内核10では、崩壊剤と流動化剤とを組み合わせることにより、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)を有効成分としつつも十分な崩壊性が得られる。
流動化剤としては、無機ケイ酸化合物、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、無機ケイ酸化合物としては、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム化合物等が挙げられる。流動化剤は、これらのうち一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
内核10は、流動化剤として、軽質無水ケイ酸及び/又は合成ケイ酸アルミニウムを含むことが好ましい。
内核10における流動化剤の配合割合は、内核10を構成する医薬組成物の総量基準で、1〜10質量%であることが好ましく、1〜6質量%であることがより好ましい。なお、流動化剤を二種以上組み合わせて用いる場合、流動化剤の総量が上記の配合割合の範囲内となるように用いることが好ましい。
また、内核10においては、滑沢剤により、バルサルタン(又はその薬学的に許容される塩)の口腔内での分散性が確保され、十分な溶出性が得られる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ポリエチレングリコール(例えば、PEG4000〜8000)、タルク等が挙げられる。滑沢剤は、これらのうち一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
内核10は、滑沢剤として、少なくともステアリン酸塩を含むことが好ましく、少なくともステアリン酸マグネシウムを含むことがより好ましい。
内核10における滑沢剤の配合割合は、内核10を構成する医薬組成物の総量基準で、1〜7質量%であることが好ましく、2〜5質量%であることがより好ましい。なお滑沢剤を二種以上組み合わせて用いる場合、滑沢剤の総量が上記配合割合の範囲内となるように用いることが好ましい。
内核10を構成する医薬組成物は、上記以外の成分を含有していてもよい。例えば、内核10を構成する医薬組成物は、ヒドロクロロチアジド(HCTZ)、アムロジピン、アリスキレン等をさらに含有していてもよい。このような内核10を備える錠剤は、高血圧の処置に有効に用いられる。また、ヒドロクロロチアジド、アムロジピンやアリスキレンを、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩と組み合わせて投与すると、降圧作用がより効果的に得られる。
ヒドロクロロチアジドは、バルサルタン10〜250mgに対して6〜60mg配合することができ、また、バルサルタン50〜160mgに対して5〜25mg配合することもできる。アムロジピンは、バルサルタン40〜320mgに対して2.5〜10mg配合することができる。また、アリスキレンは、バルサルタン50〜350mgに対して100〜350mg配合することができる。ヒドロクロロアジド、バルサルタン、アムロジピン、三者を配合することもでき、それぞれ、10〜250mg、40〜320mg、5〜10mgの範囲で配合することができる。このような用量範囲によれば、高血圧を正常レベルに下げる効果が一層顕著に奏される。
配合例としては、約80mgのバルサルタンと約6.25mg、12.5mg又は25mgのヒドロクロロチアジドとの組み合わせ、約160mgのバルサルタンと約6.25mg、12.5mg又は25mgのヒドロクロロチアジドとの組み合わせ、約80mgのバルサルタンと約2.5mg、5mg又は10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約160mgのバルサルタンと約2.5mg、5mg又は10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約320mgのバルサルタンと約2.5mg、5mg又は10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約80mgのバルサルタンと約6.25mg、12.5mg又は25mgのヒドロクロロチアジド、及び約2.5mg、5mg又は10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約160mgのバルサルタンと約6.25mg、12.5mg又は25mgのヒドロクロロチアジド、及び約2.5mg、5mg又は10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約320mgのバルサルタンと約6.25mg、12.5mg又は25mgのヒドロクロロチアジド、及び約2.5mg、5mg又は10mgのアムロジピンとの組み合わせ、約80mgのバルサルタンと約150mg又は300mgのアリスキレンとの組み合わせ、約160mgのバルサルタンと約150mg又は300mgのアリスキレンとの組み合わせ、約320mgのバルサルタンと約150mg又は300mgのアリスキレンとの組み合わせ等が挙げられる。
内核10を構成する医薬組成物はまた、上記以外の成分として、賦形剤、甘味剤、結合剤等を含有していてもよい。
甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。
また、結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性高分子、アラビアゴム粉末、ゼラチン、プルラン等が挙げられる。
外層20は、内核10を被覆するように設けられており、錠剤100に十分な錠剤硬度を付与する。外層20の組成は、錠剤としての十分な硬度が得られ、口腔内崩壊錠に適した速崩壊性が得られる組成であれば、特に限定されず、公知の錠剤に用いられる成分を適宜組み合わせた組成とすることができる。
外層20は、例えば、上述の崩壊剤と、上述の滑沢剤と、結晶セルロース(より好ましくは微結晶セルロース)とを含有する被覆組成物を成型して形成することができる。このような組成によれば、十分な速崩壊性と錠剤硬度とを容易に両立することができる。
外層20を構成する被覆組成物は、崩壊剤としてクロスポビドンを含有することが好ましい。また、外層20を構成する被覆組成物は、滑沢剤としてステアリン酸塩を含有することが好ましく、ステアリン酸マグネシウムを含有することがより好ましい。
また、外層20を構成する被覆組成物は、上記以外の成分として、上述の結合剤、上述の流動化剤、発泡剤等の賦形剤;上述の甘味剤、香料、pH調整剤等の添加剤;などを含有していてもよい。これらは、一種又は二種以上を適量加えることができ、後述する錠剤製造過程において、適宜、粉体、液体、顆粒等の状態で加えることができる。
発泡剤としては、例えば、重曹等が挙げられる。また、香料としては、例えば、メントール、レモン、レモンライム、オレンジ等が挙げられる。また、pH調整剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
錠剤100は、例えば、二重構造の杵を有するOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機で、外層用粉体及び内核用粉体を打錠して製造することができる。
具体的には、下中心杵を下外杵より低下させた状態で、下中心杵と下外杵とにより囲まれる空間に、外層用粉体を供給し、下外杵面上(臼面上)で擦り切りし、余剰の粉体を排除する。次に、上中心杵及び下中心杵を互いに相寄る向きに移動させ、規定した圧縮圧で外層底面部を仮成型する。
次に、下中心杵を低下させた状態で、下外杵により囲まれ、先に仮成型した外層底面部上の空間に内核用粉体を供給し、上中心杵及び下中心杵を互いに相寄る向きに移動させ、規定した圧縮圧で内核を仮成型する。
最後に、下杵(下中心杵及び下外杵)を低下させた状態で、臼内の、前工程までに成型された仮成型品上及びその回りの空間に、残りの外層用粉体を供給して、仮成型した内核が仮成型した外層底面部と供給された外層用粉体とで完全に覆われた状態とし、上杵及び下杵を互いに相寄る向きに移動し、規定した圧縮圧で成型する。
このような製造方法によれば、内核を杵内から移動させることなく外層で被覆することができるため、内核10が高い崩壊性を有していても、容易且つ確実に錠剤100を成型することができる。
以上のように、錠剤100は多層錠であるが、単層で提供され得る錠剤を内核10とし、その表面に外層20を設けたとしても、口腔内崩壊錠とすることはできない。単層で提供され得る錠剤が口腔内崩壊性を有するのであれば、多層にして口腔内崩壊錠にする必要はないことから、錠剤の強度や形状保持性能の点で単層では実用上口腔内崩壊錠となり得ない成分について、多層とすることで口腔内崩壊性を付与させている点に、本実施形態に係る錠剤100の特徴がある。
すなわち、内核10と同一成分で単層の錠剤を形成しようとするとき、例えば崩壊剤の配合割合を上述の好適な範囲内として口腔内崩壊性を付与させようとすると、錠剤の強度が満足に得られず実用困難となる。本実施形態の錠剤100は、単層の錠剤としては口腔内崩壊錠となり得ない配合を用いながら、口腔内崩壊性を付与できるという有利な効果が得られる。
本発明の錠剤は、例えば、2つの内核を有する錠剤であってもよい。図2は、本発明の錠剤の第二実施形態を示す図である。図2に示す錠剤110は、2つの内核11と、2つの内核11を被覆する外層21と、を備える口腔内崩壊性の錠剤である。錠剤110には、錠剤110を、外層21で被覆された内核11を1つ備える、独立した2つの錠剤に容易に分割できるように、溝30が設けられている。錠剤110は、必要な投与量に応じてそのまま投与されてもよく、2つに分割してその一方のみが投与されてもよい。
内核11及び外層21は、それぞれ上記内核10及び外層20を構成する医薬組成物及び被覆組成物と同様の組成の組成物により構成することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
バルサルタン55.7部、軽質無水ケイ酸5.1部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース29.1部及びステアリン酸マグネシウム2.0部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン7.0部及びサッカリンナトリウム1.0部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Aとした。
バルサルタン55.7部、軽質無水ケイ酸5.1部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース29.1部及びステアリン酸マグネシウム2.0部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン7.0部及びサッカリンナトリウム1.0部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Aとした。
次いで、乳糖1水和物44.0部、結晶セルロース40.0部、クロスポビドン10.0部、アスパルテーム4.0部、香料0.5部、無水クエン酸0.7部及び軽質無水ケイ酸0.5部を混合し、ステアリン酸マグネシウム0.3部を添加した後、さらに混合し、外層用粉末20−Aとした。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(143.5mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(176.5mg)を外層とする有核錠(320.0mg)を製造した。
(実施例2)
バルサルタン55.5部、軽質無水ケイ酸5.1部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース29.0部及びステアリン酸マグネシウム2.0部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン6.9部、サッカリンナトリウム1.0部及びステアリン酸マグネシウム0.5部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Bを得た。
バルサルタン55.5部、軽質無水ケイ酸5.1部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース29.0部及びステアリン酸マグネシウム2.0部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン6.9部、サッカリンナトリウム1.0部及びステアリン酸マグネシウム0.5部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Bを得た。
次いで、実施例1と同様にして外層用粉末20−Aを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−B及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Bを圧縮してなる医薬組成物(144.2mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(175.8mg)を外層とする有核錠(320.0mg)を製造した。
(実施例3)
バルサルタン60.0部、軽質無水ケイ酸5.5部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース23.2部及びステアリン酸マグネシウム2.2部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン7.5部、サッカリンナトリウム1.1部及びステアリン酸マグネシウム0.5部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Cを得た。
バルサルタン60.0部、軽質無水ケイ酸5.5部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース23.2部及びステアリン酸マグネシウム2.2部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン7.5部、サッカリンナトリウム1.1部及びステアリン酸マグネシウム0.5部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Cを得た。
次いで、実施例1と同様にして外層用粉末20−Aを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−C及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Cを圧縮してなる医薬組成物(133.3mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(175.0mg)を外層とする有核錠(308.3mg)を製造した。
(実施例4)
バルサルタン60.0部、軽質無水ケイ酸5.5部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース18.8部及びステアリン酸マグネシウム2.2部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン7.5部、サッカリンナトリウム1.1部、ステアリン酸マグネシウム1.1部及び結晶セルロース3.8部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Dを得た。
バルサルタン60.0部、軽質無水ケイ酸5.5部、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース18.8部及びステアリン酸マグネシウム2.2部を混合し、混合した材料を篩にかけ、さらに一定時間混合した。この混合した材料をローラーコンパクターにより圧密化した。次いで、圧密化した材料を目的の粒度になるように粉砕し、クロスポビドン7.5部、サッカリンナトリウム1.1部、ステアリン酸マグネシウム1.1部及び結晶セルロース3.8部を添加した後、混合し、この混合した材料を再度ローラーコンパクターにより圧密化した。圧密化した材料を目的の粒度となるように整粒し、顆粒を得た。圧密化と整粒とを繰り返し、得られた顆粒を混合して内核用粉末10−Dを得た。
次いで、実施例1と同様にして外層用粉末20−Aを得た。
外杵9.5mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(133.3mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(175.0mg)を外層とする有核錠(308.3mg)を製造した。
(実施例5)
実施例1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(35.9mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(44.1mg)を外層とする有核錠(80.0mg)を製造した。
実施例1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(35.9mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(44.1mg)を外層とする有核錠(80.0mg)を製造した。
(実施例6)
実施例1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(35.9mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(60.6mg)を外層とする有核錠(96.5mg)を製造した。
実施例1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(35.9mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(60.6mg)を外層とする有核錠(96.5mg)を製造した。
(実施例7)
実施例4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(33.3mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(43.8mg)を外層とする有核錠(77.1mg)を製造した。
実施例4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(33.3mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(43.8mg)を外層とする有核錠(77.1mg)を製造した。
(実施例8)
実施例4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(33.3mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(62.7mg)を外層とする有核錠(96.0mg)を製造した。
実施例4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。外杵6.0mmΦ、中心杵4.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(33.3mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(62.7mg)を外層とする有核錠(96.0mg)を製造した。
(実施例9)
実施例1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。外杵8.0mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(71.75mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(88.25mg)を外層とする有核錠(160.0mg)を製造した。
実施例1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。外杵8.0mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(71.75mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(88.25mg)を外層とする有核錠(160.0mg)を製造した。
(実施例10)
実施例4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。外杵8.0mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(66.65mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(87.55mg)を外層とする有核錠(154.2mg)を製造した。
実施例4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。外杵8.0mmΦ、中心杵7.5mmΦの2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(66.65mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(87.55mg)を外層とする有核錠(154.2mg)を製造した。
(実施例11)
実施例1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。長径15mmで短径8mmの異型外杵と、長径13mmで短径6mmの異型中心杵と、の2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(287.0mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(303.0mg)を外層とする有核錠(590.0mg)を製造した。
実施例1と同様にして内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを得た。長径15mmで短径8mmの異型外杵と、長径13mmで短径6mmの異型中心杵と、の2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Aを圧縮してなる医薬組成物(287.0mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(303.0mg)を外層とする有核錠(590.0mg)を製造した。
(実施例12)
実施例4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。長径15mmで短径8mmの異型外杵と、長径13mmで短径6mmの異型中心杵と、の2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(266.6mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(313.4mg)を外層とする有核錠(580.0mg)を製造した。
実施例4と同様にして内核用粉末10−D及び外層用粉末20−Aを得た。長径15mmで短径8mmの異型外杵と、長径13mmで短径6mmの異型中心杵と、の2重構造の杵を用いたOSDrC(登録商標)ロータリー打錠機により、内核用粉末10−A及び外層用粉末20−Aを打錠し、内核用粉末10−Dを圧縮してなる医薬組成物(266.6mg)を内核、外層用粉末20−Aを圧縮してなる被覆組成物(313.4mg)を外層とする有核錠(580.0mg)を製造した。
<硬度の測定>
実施例で得られた有核錠について、錠剤硬度計(PC−30、岡田精工(株)製)を用いて直径方向の硬度を測定した。測定結果は表1に示すとおりであった。
実施例で得られた有核錠について、錠剤硬度計(PC−30、岡田精工(株)製)を用いて直径方向の硬度を測定した。測定結果は表1に示すとおりであった。
<摩損度の測定>
実施例で得られた有核錠の摩損度を、日局参考情報、錠剤の摩損度試験法に従い測定した。測定結果は表1に示すとおりであった。
実施例で得られた有核錠の摩損度を、日局参考情報、錠剤の摩損度試験法に従い測定した。測定結果は表1に示すとおりであった。
<口腔内崩壊時間の測定>
実施例で得られた有核錠について、成人男性による口腔内崩壊時間を評価した。具体的には、有核錠を口腔内に入れ、舌で転がしながら錠剤を崩壊させ、錠剤が完全に崩壊するまでの時間を測定した。測定結果は表1に示すとおりであった。
実施例で得られた有核錠について、成人男性による口腔内崩壊時間を評価した。具体的には、有核錠を口腔内に入れ、舌で転がしながら錠剤を崩壊させ、錠剤が完全に崩壊するまでの時間を測定した。測定結果は表1に示すとおりであった。
100,110…錠剤、10,11…内核、20,21…外層。
Claims (12)
- 唾液又は唾液程度の水で口腔内で崩壊させて経口投与されるように用いられることを特徴とする、バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる錠剤。
- バルサルタン又はその薬学的に許容される塩、崩壊剤、流動化剤及び滑沢剤を含有する医薬組成物からなる内核と、該内核を被覆する外層と、を備える口腔内崩壊性の錠剤。
- 前記外層が、結晶セルロース、崩壊剤及び滑沢剤を含有する、請求項2に記載の錠剤。
- 前記崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、部分アルファー化デンプン、デンプン、カルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム及びグアーガムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記崩壊剤が、少なくとも低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記崩壊剤が、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム及びカルボキシメチルスターチナトリウムからなる群より選択される少なくとも一種と、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記流動化剤が、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム化合物、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記流動化剤が、軽質無水ケイ酸及び/又は合成ケイ酸アルミニウムを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油、ポリエチレングリコール及びタルクからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記滑沢剤が、少なくともステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記医薬組成物が、ヒドロクロロチアジド及び/又はアムロジピン若しくはその薬学的に許容される塩をさらに含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の錠剤。
- 前記医薬組成物が、アリスキレン又はその薬学的に許容される塩をさらに含有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の錠剤。
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- 2011-12-26 JP JP2011284027A patent/JP2013133291A/ja active Pending
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