JP2015504436A - 3−置換2−アルケナール、特にプレナールの調製方法 - Google Patents

3−置換2−アルケナール、特にプレナールの調製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015504436A
JP2015504436A JP2014542839A JP2014542839A JP2015504436A JP 2015504436 A JP2015504436 A JP 2015504436A JP 2014542839 A JP2014542839 A JP 2014542839A JP 2014542839 A JP2014542839 A JP 2014542839A JP 2015504436 A JP2015504436 A JP 2015504436A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl
hydrogen
formula
aryl
alkenol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014542839A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6091516B2 (ja
JP2015504436A5 (ja
Inventor
シャウブ,トーマス
ブルンナー,ベルンハルト
エーベル,クラウス
パシェロ,ロッコ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BASF SE
Original Assignee
BASF SE
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BASF SE filed Critical BASF SE
Publication of JP2015504436A publication Critical patent/JP2015504436A/ja
Publication of JP2015504436A5 publication Critical patent/JP2015504436A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6091516B2 publication Critical patent/JP6091516B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/61Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups
    • C07C45/65Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups by splitting-off hydrogen atoms or functional groups; by hydrogenolysis of functional groups
    • C07C45/66Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups by splitting-off hydrogen atoms or functional groups; by hydrogenolysis of functional groups by dehydration
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/002Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by dehydrogenation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/27Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation
    • C07C45/29Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation of hydroxy groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

本発明は、式(I)の2-アルケナール(式中、R1は、水素及びC1〜C4-アルキルから選択され、R2は、水素、C1〜C12-アルキル、C2〜C12-アルケニル、C4〜C8-シクロアルキル及びC6〜C10-アリールから選択され、ここでC1〜C12-アルキル及びC1〜C12-アルケニルは、C5〜C7-シクロアルキル又はC5〜C7-シクロアルケニルで置換されていてもよい)の調製方法であって、式(II)のアルケノール、式(III)のアルケノール又はこれらの混合物(式中、R1及びR2は、それぞれ上記で定義した通りである)を脱水素化することを含み、前記アルケノールII、アルケノールIII又はこれらの混合物は、少なくとも1つの配位子とルテニウム(II)化合物及びイリジウム(I)化合物から選択される金属化合物とを含む触媒系と接触し、脱水素化の間に形成される水素は、i)C3〜C12-アルカノン、C4〜C9-シクロアルカノン、ベンズアルデヒド及びこれらの混合物から選択される再酸化剤との反応並びに/又はii)純粋に物理的な手段によって反応混合物から除去される、方法に関する。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、3-置換2-アルケナール、特に、例えば、プレナール(3-メチル-2-ブテナール)の調製方法に関する。より詳細には、本発明は、3-置換2-アルケン-1-オール、例えば、プレノール(3-メチル-2-ブテン-1-オール)及び/又は3-置換3-アルケン-1-オール、例えば、イソプレノール(3-メチル-3-ブテン-1-オール)の接触脱水素化による、3-置換2-アルケナールの調製方法に関する。
プレナールは、特に、テルペン系香料(例えば、シトラール)の調製及びビタミン(例えば、ビタミンE)の調製における重要な前駆体であり、それゆえ、大きな技術的及び経済的重要性を有する。
プレナールの最も一般的な調製方法では、プレノール又はイソプレノールを出発物質として使用する。EP0881206には、これらの出発材料を、銀触媒を使用する酸化的脱水素化を介して、酸素を含有する気相中で変換することが記載されている。この方法の選択性は、例えば、WO2008/037693に記載されるように触媒系をさらに発展させることによって改善が可能であった。しかしながら、十分な変換率と選択性を得るために、気相手法を約360℃の温度で短い接触時間を維持しながら実施することが必要となる。このことは、一方では十分な反応性を確保するため、他方では反応性の高い反応物と生成物の分解反応を防止するために要求される。これらの条件は、高価で、エラーの生じやすい複雑な装置によってのみ、達成し得る。
さらに、不均一触媒を使用してプレノールからプレナールへの嫌気的酸化を液相中で実施することに関する複数の報告がある。そのような手法において、触媒としてパラジウムナノ粒子を適用することが、Catalysis Communications 10 (2009) 1542-1546, Journal of Catalysis 258 (2008)315-323及びGreen Chemistry 11 (2009) 109-119に記載されている。プレノールからプレナールへの同様の変換において、不均一触媒として担体に二酸化ルテニウム又は金を使用することが、それぞれJ. Org. Chem. 49 (1984) 3435-3436及びWO2009/106621に開示されている。さらに、不均一触媒を使用するアリル型アルコールから関連アルデヒドへの液相酸化が、WO2010/032770、Chem. Commun. (2009) 1912-1914, Adv. Synth. Catal. 350 (2008) 1225-1229, J. Am. Chem. Soc. 122 (2000) 7144-7145及びJ. Org. Chem. 63 (1998) 1750-1751に開示されている。
しかしながら、これらの反応における不均一触媒の限定された反応性は、合理的な変換率を達成するために、しばしば高い酸素濃度と10barを超える高い圧力を必要とする。さらに、酸化的脱水素化による著しい熱生成が考えられる場合、これらの反応は工学上の安全性の問題を引き起こし得る。さらに、反応物(プレノール又はイソプレノール)並びに生成物(プレナール又はイソプレナール)は、高温及び/又は酸素の存在下で不安定である。したがって、前述の反応条件は、二次反応の増加を導き、選択性を減少させる結果となる。
後者の問題は、熱の発生が顕著に低減される嫌気的条件下で脱水素化を実施することにより、避けることができる。しかしながら、各反応で生じる水素により、反応物及び/又は生成物に存在する二重結合が水添される恐れがある。プレノール又はイソプレノールの変換の場合には、イソアミルアルコール(3-メチルブタン-1-オール)及びイソバレルアルデヒド(3-メチルブタナール)の形成につながる。この難点のために、これらの基質の嫌気的脱水素化に関する先行技術は、わずかしか報告されていない。例えば、WO2008/111282には、ハイドロタルサイト固定化銀、銅又は金触媒を使用するプレノールからプレナールへの不均一脱水素化が開示されている。これらの触媒の欠点は、ハイドロタルサイトの塩基性が高いために、脱水素化のC-H酸性生成物、例えば、プレナールの二次反応が引き起こされることである。
また、均一触媒を用いた第1アルコールの嫌気的脱水素化に関する先行技術も、わずかに報告があるにすぎない。均一なイリジウムラジカル錯体を不飽和アルコールの脱水素化に用いることが、N. Donati et al., Comptes Rendus Chimie 10 (2007) 721-730に記載されている。但し、触媒サイクルの活性を維持するために、1,4-ベンゾキノンを再酸化剤として用い、アルコールに対して化学量論量を超える反応性ラジカル錯体を再生することが必要となる。単純飽和アルコールのルテニウム触媒均一脱水素化は、JP2008-214289、JP2010-184877及びJP2004-033798並びにA. Dobson及びS. D. RobinsonによるJ. Organomet. Chem. 87 (1975) C52〜C53に記載されている。しかしながら、アリル型アルコールの脱水素化はこれらの文献のいずれにも開示されておらず、又は後者では、所望の生成物の分解につながると記載されている。いずれにおいても、これらの参照文献には、3-置換2-アルケナールの調製は報告されていない。
さらに、水素受容体としてのベンズアルデヒドの存在下、ジルコニウム(IV)錯体を触媒として、アリル型アルコールからα,β不飽和カルボニル化合物錯体へ酸化することが、T. Nakano et al., J. Org. Chem. 52 (1987) 4955-4959に開示されている。この参照文献は、主要なアリル型アルコールの脱水素化のために水素受容体としてシクロヘキサノンを使用することを、明らかに減退させるものであることに留意しなければならない。さらに、記載されている脱水素化は、使用するアリル型アルコールに対して2mol%のジルコニウム(IV)触媒を必要とし、この量は、工業的規模の用途では許容し難いほど多い量である。
さらに、M. Nielsen et al., Angew. Chem. (2011) 9767-9771には、ルテニウム(II)触媒を使用して、受容体を用いない脱水素化により、イソプロパノール又はエタノールから効率的に水素を生産する方法が開示されている。このプロセスは、水素が所望の生成物であるため、適切な再生可能水素源である単純アルコール、特にエタノールの変換が意図されている。記載されている方法には、反応混合物から水素を連続的に除去する手段は示されていない。
本発明は、3-置換2-アルケナール、特にプレナールを調製するための、工業的規模での調製に適した、簡単で効率の良い方法を同定することを課題とした。
この課題は、Ru(II)又はIr(I)錯体を触媒として使用し、3-置換2-アルケン-1-オール(例えば、プレノール)及び/又は3-置換3-アルケン-1-オール(例えば、イソプレノール)を脱水素化する液相法によって、達成されることが見出された。
より詳細には、本発明によれば、式Iの2-アルケナール
Figure 2015504436
(式中、
R1は、水素及びC1〜C4-アルキルから選択され、
R2は、水素、C1〜C12-アルキル、C2〜C12-アルケニル、C4〜C8-シクロアルキル及びC6〜C10-アリールから選択され、ここでC1〜C12-アルキル及びC1〜C12-アルケニルは、C5〜C7-シクロアルキル又はC5〜C7-シクロアルケニルで置換されていてもよい)
の調製方法であって、
式IIのアルケノール、式IIIのアルケノール又はこれらの混合物
Figure 2015504436
(式中、R1及びR2は、それぞれ上記で定義した通りである)
を脱水素化することを含み、
前記アルケノールII、アルケノールIII又はこれらの混合物は、少なくとも1つの配位子とルテニウム(II)化合物及びイリジウム(I)化合物から選択される金属化合物とを含む触媒系と接触し、
脱水素化の間に形成される水素は、
i)C3〜C12-アルカノン、C4〜C9-シクロアルカノン、ベンズアルデヒド及びこれらの混合物から選択される再酸化剤との反応、並びに/又は
ii)純粋に物理的な手段
によって反応混合物から除去される、方法が提供される。
式IIIの波線は、可変部R1が、可変部R2に対してcis又はtransのいずれかの位置にあることを示している。したがって、式IIIのアルケノールは、そのcis異性体、そのtrans異性体、又はこれらの異性体の混合物として存在し得る。
本発明による方法は、一連の利点と関連する。第1に、本発明による方法は、式Iの3-置換2-アルケナールを、穏やかな条件下で、非常に良好な収率及び高い選択性で、中度から低度の触媒量(通常、使用するアルケノールのモル量に対して明確に2mol%未満の範囲)のみを必要としながら、調製することを可能にする。さらに、本発明の方法は、再酸化剤を全く必要としないか、又はC3〜C12-アルカノン、C4〜C9-シクロアルカノン、ベンズアルデヒド及びこれらの混合物から選択される再酸化剤を使用する。結果的に、生成物の単離及び精製を妨げる水は、反応の間に形成されない。したがって、得られた3-置換2-アルケナールが容易に高純度で単離可能であることが、本発明の方法の別の利点である。
本発明の文脈において、一般的に使用される用語は、以下の意味を有する。
接頭辞Cx〜Cyは、個々の場合において、可能な炭素原子の数を指す。
用語「ハロゲン」は、それぞれの場合において、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素、特に、フッ素、塩素又は臭素を指す。
用語「C1〜C4-アルキル」は、1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、ブチル、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソブチル)又は1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)を指す。
用語「C1〜C12-アルキル」は、1〜12個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキル基を指す。例としては、C1〜C4-アルキルに関して特定された基、並びに、ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、2-プロピルへプチル、3-ブチルオクチル及びそれらの位置異性体が挙げられる。
用語「シクロアルキル」は、4〜8個(C4〜C8-シクロアルキル)又は5〜7個(C5〜C7-シクロアルキル)の炭素環員を有する単環式飽和炭化水素基、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、及びシクロオクチルを指す。
用語「アルキレン」及び「アルカンジイル」は、同義的に使用され、1〜10又は3〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の2価の飽和炭化水素基、例えば、プロパン-1,3-ジイル、プロパン-1,2-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、ブタン-1,3-ジイル及びペンタン-1,5-ジイルを指す。
用語「シクロアルカンジイル」は、3〜9又は3〜7個の炭素原子を有する二価の飽和環式炭化水素基、例えば、シクロプロパン-1,2-ジイル、シクロブタン-1,3-ジイル、シクロペンタン-1,2-ジイル、シクロヘキサン-1,4-ジイル、シクロヘプタン-1,3-ジイルを指す。
用語「C1〜C4-ハロアルキル」は、本明細書及びC1〜C4-ハロアルコキシのハロアルキル単位で使用されるとき、水素原子の一部又は全てがハロゲン原子で置換されている、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基をいう。これらの例としては、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロプ-1-イル、1,1,1-トリフルオロプロプ-2-イル、3,3,3-トリクロロプロプ-1-イル、ヘプタフルオロ-イソ-プロピル、1-クロロブチル、2-クロロブチル、3-クロロブチル、4-クロロブチル、1-フルオロブチル、2-フルオロ-ブチル、3-フルオロブチル、4-フルオロブチル等が挙げられる。
用語「アルコキシ」は、酸素原子を介して分子の残部に結合している、1〜6個の炭素原子(C1〜C6-アルコキシ)又は1〜4個の炭素原子(C1〜C4-アルコキシ)を含む直鎖又は分岐の飽和アルキル基、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブチルオキシ、1-メチルプロポキシ(sec-ブチルオキシ)、2-メチルプロポキシ(イソブチルオキシ)及び1,1-ジメチルエトキシ(tert-ブチルオキシ)を指す。
用語「(C1〜C6-アルコキシ)カルボニル」は、カルボニル基を介して分子の残部に結合している1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基を指す。これらの例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル及びtert-ブトキシカルボニル、n-ペンチルオキシカルボニル及びn-ヘキシルオキシカルボニルが挙げられる。
用語「(C1〜C6-アルキルアミノ)カルボニル」は、カルボニル基を介して分子の残部に結合している1〜6個の炭素原子を有するアルキルアミノ基を指す。これらの例としては、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、n-ブチルアミノカルボニル、sec-ブチルアミノカルボニル、イソブチルアミノイルアミノカルボニル及びtert-ブチルアミノカルボニル、n-ペンチルアミノカルボニル及びn-ヘキシルアミノカルボニルが挙げられる。
用語「アリール」は、6〜14個の炭素原子を有する炭素環芳香族基を指す。これらの例としては、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントラセニル及びフェナントレニルが挙げられる。アリールは、好ましくはフェニル又はナフチル、特にフェニルである。
用語「アレーンジイル(arenediyl)」は、6〜14又は6〜10個の炭素原子を有する2価の芳香族基、例えば、ベンゼン-1,2-ジイル、ベンゼン-1,3-ジイル、ベンゼン-1,4-ジイル又はナフタレン-1,2-ジイルを指す。
用語「ヘテロシクリル」は、一般に、3-、4-、5-、6-、7-又は8-員、特に5-、6-、7-又は8-員単環式複素環非芳香族基及び8〜10員二環式複素環非芳香族基を含み、単環式及び二環式非芳香族基は、飽和であっても不飽和であってもよい。単環式及び二環式非芳香族基は、通常、環員として、N、O及びSから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を有し、環員としてのS原子は、S、SO又はSO2として存在し得る。飽和又は不飽和の3-、4-、5-、6-、7-又は8-員複素環基の例としては、飽和又は不飽和の非芳香族複素環、例えば、オキシラニル、オキセタニル、チエタニル、チエタニル-S-オキシド(S-オキソチエタニル)、チエタニル-S-ジオキシド(S-ジオキソチエタニル)、ピロリジニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、1,3-ジオキソラニル、ジオキソレニル、チオラニル、S-オキソチオラニル、S-ジオキソチオラニル、ジヒドロチエニル、S-オキソジヒドロチエニル、S-ジオキソジヒドロチエニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリニル、イソオキサゾリニル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサチオラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、1,3-及び1,4-ジオキサニル、チオピラニル、S.オキソチオピラニル、S-ジオキソチオピラニル、ジヒドロチオピラニル、S-オキソジヒドロチオピラニル、S-ジオキソジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、S-オキソテトラヒドロチオピラニル、S-ジオキソテトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、S-オキソチオモルホリニル、S-ジオキソチオモルホリニル、チアジニル等が挙げられる。1つ又は2つのカルボニル基を環員として有する複素環の例として、ピロリジン-2-オニル、ピロリジン-2,5-ジオニル、イミダゾリジン-2-オニル、オキサゾリジン-2-オニル、チアゾリジン-2-オニル等が挙げられる。
用語「ヘテロシクレン」は、上記で定義したヘテロシクリル基に対応し、さらなる結合部位を有する二価の複素環基を指す。
用語「ヘタリール」は、O、N及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する芳香族基を指す。これらの例としては、O、S及びNから選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を有する5-及び6-員ヘタリール基、例えば、ピロリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジル及びトリアジニルが挙げられる。
用語「ヘタレーンジイル(hetarenediyl)」は、上記で定義したヘタリール基に対応し、さらなる結合部位を有する二価の複素芳香族基を指す。
用語「アリール-C1〜C6-アルキル」は、C1〜C6-アルキル基を介してその分子の残部に結合しているアリール基を指す。これらの例としては、ベンジル、2-フェニルエチル(フェネチル)等が挙げられる。
用語「再酸化剤」は、化学結合を介して水素に結合することのできる、触媒系又は式I、II若しくはIIIの化合物以外の化合物を指す。先行技術において最も一般的に使用される水素受容体は、脱水素化工程で生成される水素を酸化により結合して水にする酸素である。本発明の方法に含まれる唯一の再酸化剤は、C3〜C12-アルカノン、C4〜C9-シクロアルカノン及びベンズアルデヒドから選択され、本発明の方法における任意選択的な工程i)で排他的に使用される。
本発明による方法の好ましい実施形態に関して、特に、異なる反応物及び生成物の可変部の意味並びにプロセスの反応条件に関して、下記になされる言及は、単独で適用されるか、又特には、任意の考えられ得る互いの組合せで適用される。
式I、II及びIIIの化合物において、R1は、好ましくは水素又はC1〜C2-アルキルであり、より好ましくはメチル又はエチルであり、特にメチルである。
式I、II及びIIIの化合物において、R2は、好ましくは水素、C1〜C8-アルキル、C2〜C8-アルケニル、C4〜C8-シクロアルキル又はフェニルであり、より好ましくは水素、C1〜C8-アルキル又はC2〜C8-アルケニルであり、さらにより好ましくは水素又はC2〜C8-アルケニルであり、特に水素又は3-メチル-2-ブテン-1-イルであり、特に水素である。
式IIIの化合物において、置換基R1は、置換基R2に対してtrans位又はcis位のいずれかにあり、好ましくはcis位にある。
本発明の好ましい実施形態において、R1はメチルであり、R2は水素又は3-メチル-2-ブテン-1-イルであり、特に水素である。
以後、詳述する本発明の変換は、そのような反応のための通常の反応容器で実施され、反応は連続式、半連続式又はバッチ式で設定し得る。一般に、特定の反応は、大気圧下で実施される。しかしながら、変換は、減圧下又は加圧下で行ってもよい。下記に詳述するように、本発明の方法の脱水素化は、工程ii)に従って実施する場合は減圧下で、工程i)に従って実施する場合は加圧下で、実施することが有利であり得る。
2-アルケナールIを調製するための本発明の変換方法は、二重結合と共役したカルボニル基の形成を導く脱水素化反応である。反応は、出発化合物、即ち、式IIのアルケノール及び/又は式IIIのアルケノールを、触媒系、及び適当であれば再酸化剤と、場合により溶媒中で、適切な反応条件下で接触させることによって実施される。
一般に、脱水素化は、温度管理下で実施される。反応は、通常、撹拌及び加熱装置を有する非密閉系又は密閉系の反応容器で実施される。
出発化合物は、原則として、任意の所望の順序で、互いに接触させることができる。例えば、式IIのアルケノール及び/又は式IIIのアルケノールは、適切であれば溶媒に溶解して又は分散形態で最初に充填してから、触媒と混合してもよく、或いは、触媒系は、適切であれば溶液に溶解して又は分散形態で最初に充填してから、式IIのアルケノール及び/又は式IIIのアルケノールと混合してもよい。或いは、これらの2つの成分は、反応容器に同時に添加してもよい。アルケノールIIとアルケノールIIIの両方を脱水素化する場合、2つのアルカノールは、互いに独立して、触媒系の添加前又は添加後に、又は触媒と一緒に、溶媒中で又は原体で、添加することができる。同様に、脱水素化が工程i)に従って実施される場合、再酸化剤は、触媒系の添加前又は、添加後、又は触媒系と一緒に、溶媒中で又は原体で、添加することができる。再酸化剤を一体として利用する場合、再酸化剤の添加は、触媒系並びにアルケノールII及び/又はアルケノールIIIの両方を反応容器に充填した後でないことが好ましい。さらに、触媒系の2つの成分を一緒に添加することの代替として、配位子及び金属化合物を、反応容器に別個に加えることもできる。それらは両方とも、互いに独立して、反応物の一方の添加前又は添加後、又は反応物の一方と一緒に、添加し得る。
本発明の方法の脱水素化は、溶媒の存在下又は不在下において実施し得る。後者の場合において、反応物、即ち、アルケノールII及び/又はIIIを、溶媒として使用し得る。さらに、脱水素化が工程i)に従って行われる場合、再酸化剤は、反応の間に形成された水素に結合するだけでなく、溶媒として機能する。例えば、プレノールがアルケノールIIとして用いられる場合、プレノールは溶媒としても適切に機能することができ、再酸化剤、例えば3-ペンタノンは、脱水素化が、工程i)を介して実施される場合に、追加的な溶媒として作用し得る。そのような場合に、設定された溶媒の添加は必須でない。しかしながら、脱水素化が工程ii)に従って行われる場合、設定した溶媒の存在下で反応を行うことが好ましく、一方、工程i)を介する変換では、溶媒としての目的しかない液体は使用しないことがより効果的である。
最初に不活性条件を確立し、特に大気を窒素又はアルゴンと交換し、次いで反応容器に、式IIのアルケノール及び/又は式IIIのアルケノールと、適切であれば再酸化剤と、金属化合物及び1つ以上の配位子とを、一緒に又は連続的に充填することが適切であることを見出した。特定の溶媒を使用する場合、溶媒は、不活性条件が確立された後でのみ添加することが好ましい。
適切な溶媒は、個々の場合において、選択される特定の出発化合物と反応条件によって決まる。式II及び/又は式IIIのアルケノールの反応に対しては、非プロトン性の有機溶媒を使用することが有利であることが一般に見出されている。有用な非プロトン性有機溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン)、及び石油エーテル、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン)、脂肪族C3〜C8-エーテル(例えば、1,2-ジメトキシエタン(DME)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルイソブチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル及びtert-ブチルエチルエーテル)、シクロ脂肪族炭化水素(例えば、シクロヘキサン及びシクロヘプタン)、脂肪族C3〜C6-エーテル(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチルテトラヒドロフラン及び1,4-ジオキサン)、短鎖ケトン(例えば、エチルメチルケトン及びイソブチルメチルケトン)、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン(NMP))、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、又はこれらの溶媒の互いの混合物が挙げられる。
本発明の実施形態によれば、50℃超(例えば、50〜200℃の範囲)、特に65℃超(例えば、65〜180℃の範囲)、特に80℃超(例えば、80〜160℃の範囲)の沸点を有する上記非プロトン性溶媒が好ましい。
より好ましくは、溶媒を利用する場合、溶媒は、トルエン、キシレン、メシチレン、C7〜C10-アルカン(例えば、オクタン又はノナン)、THF、1,4-ジオキサン及びこれらの混合物から選択され、特に、トルエン、オルト-キシレン、メタ-キシレン、パラ-キシレン、メシチレン及びこれらの混合物から選択される。
触媒系がルテニウム(II)化合物を含む場合、脱水素化のための溶媒は、好ましくは、トルエン、オルト-キシレン、メタ-キシレン、パラ-キシレン、メシチレン及びこれらの混合物から選択され、より好ましくは、トルエン、オルト-キシレン、メタ-キシレン、パラ-キシレン、及びこれらの混合物から選択される。この文脈においては、トルエンが特に好ましい。
触媒がイリジウム(I)化合物を含む場合、脱水素化のための溶媒は、好ましくは、THF、1,4-ジオキサン、トルエン、オルト-キシレン、メタ-キシレン、パラ-キシレン、メシチレン及びこれらの混合物から選択され、より好ましくは、トルエン、オルト-キシレン、メタ-キシレン、パラ-キシレン、メシチレン及びこれらの混合物から選択される。この文脈においては、トルエン、オルト-キシレン、メタ-キシレン、パラ-キシレン、及びこれらの混合物が、特に好ましい。
溶媒を使用する場合、本発明による方法の脱水素化において、溶媒は、アルケノールII及び/又はIIIの1molを基準にして、典型的には100〜20000g、好ましくは100〜1500gの範囲の量で使用される。
本質的に無水、即ち、水分含量が1000ppm未満、特に100ppm以下である溶媒を使用することが好ましい。
式IIの2-アルケン-1-オール及び式IIIの3-アルケン-1-オールは、市販されており、又は、通常の方法で調製することができる。2-アルケン-1-オールは、例えば、確立された手法に従って、対応するアリル型ハライドをアルカリ加水分解することにより、又は、対応する1,2-エポキシアルカンを触媒的に異性化することにより、取得し得る。3-アルケン-1-オールIIIは、例えば、周知の方法に従い、ホルムアルデヒドの個々のアルケンへの求電子付加と、続く部分的脱水を行うことにより、取得可能である。続く工程において、得られた3-アルケン-1-オールIIIは、触媒的に、対応する2-アルケン-1-オールIIに異性化される。後者の手法は、例えば、イソプレノール及びプレノールを工業的に生産するための重要なルートである。
本発明による方法の脱水素化においては、式IIのアルケノール、式IIIのアルカノール、又はこれらの混合物を利用し得る。式II及びIIIのアルケノールの混合物が本発明により脱水素化される場合、混合物は、好ましくは、両方が同じ置換基R1及びR2を有する1種のアルケノールII及び1種のアルカノールIIIからなる。しかしながら、1種のアルケノールII又は1種のアルカノールIIIのいずれかが排他的に本発明により脱水素化されることが特に好ましい。
本発明の一実施形態によれば、本発明の方法において利用される式IIのアルケノール及び式IIIのアルカノールは、可変部R1が、水素又はC1〜C2-アルキル、特にメチルであり、可変部R2が、水素、C1〜C6-アルキル又はC2〜C6-アルケニルである。特に適した式IIIのアルカノールは、置換基R1が、置換基R2に対してcis-位にあることをさらに特徴とする。
本発明の好ましい実施形態によれば、式IIのアルケノールの1種のみが本発明の方法により脱水素化される。この1種のみとなるアルケノールIIは、プレノール(3-メチル-2-ブテン-1-オール)及びゲラニオール((E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール)から選択されることが好ましく、特にプレノールであることが好ましい。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、式IIIのアルケノールの1種のみが本発明の方法により脱水素化される。この1種のみのアルケノールIIIは、イソプレノール(3-メチル-3-ブテン-1-オール)及びイソゲラニオール((Z)-3,7-ジメチル-3,6-オクタジエン-1-オール)から選択されることが好ましく、特にイソプレノールであることが好ましい。
既に上記したように、本発明方法の脱水素化の間に形成された水素は、以下の工程
i)C3〜C12-アルカノン、C4〜C9-シクロアルカノン、ベンズアルデヒド及びこれらの混合物から選択される再酸化剤との反応、
ii)純粋に物理的な手段
又はその組合せによって反応混合物から除去される。
工程i)に従って行われる本発明の脱水素化プロセスは、本明細書において、転移脱水素化(transfer-dehydrogenation)とも称される。工程ii)に従って行われる本発明の脱水素化プロセスは、本明細書において、再酸化剤無しの脱水素化(reoxidant-free dehydrogenation)とも称される。
脱水素化反応の副産物として形成される水素は、一般に、水素の存在によって副反応として生じ得る望まない水素化を回避するために、本発明プロセスの間に除去することが要求される。さらに、水素の除去によって、しばしば、脱水素化の平衡を、所望する式Iの2-アルケナールの方へシフトさせることができる。
本発明の文脈において、用語「物理的な手段」は、液体から水素を除去するために適切な、当該分野で公知の全ての物理的な手段を包含する。水素を除去するための物理的な手段は、好ましくは、反応混合物の沸騰により水素を放出させる方法、反応容器内の気圧の低下により水素を放出させる方法、補助ガスを反応混合物内に通過させることにより水素を放出させる方法、及びこれらの方法の組合せから選択される。
本発明の好ましい実施形態によれば、本発明方法の脱水素化の間に形成される水素は、工程ii)に従って、即ち、純粋に物理的な手段によってのみ除去され、ここでの物理的な手段は、反応混合物の沸騰による方法及び/又は補助ガスを反応混合物内に通過させることによる方法から構成されるのが好ましく、特に、反応混合物の沸騰による方法から構成されるのが好ましい。
本発明の別の実施形態によれば、本発明方法の脱水素化の間に形成される水素は、工程i)に従って、即ち再酸化剤との反応によってのみ除去され、再酸化剤は、一般に、C3〜C12-アルカノン、C4〜C9-シクロアルカノン、ベンズアルデヒド及びこれらの混合物から選択され、好ましくはC3〜C6-アルカノン、C5〜C7-シクロアルカノン及びベンズアルデヒドから選択され、特にアセトン、3-ペンタノン、シクロヘキサノン及びベンズアルデヒドから選択される。
式IIのアルケノールに本発明の方法が施される場合、水素は、工程ii)に従って、即ち、純粋に物理的な手段によって、除去されることが好ましい。
式IIIのアルケノールに本発明の方法が施される場合、水素は、工程i)に従って、即ち、C3〜C12-アルカノン、C4〜C9-シクロアルカノン、ベンズアルデヒド及びその混合物から選択される再酸化剤との反応によって、除去されることが好ましい。
本発明による方法の脱水素化のための適切な触媒系は、少なくとも1種の錯体配位子を含む金属錯体であり、ここで金属化合物は、
a)ルテニウムが0、2又は3の酸化状態を有するルテニウム化合物、及び
b)イリジウムが0、1又は3の酸化状態を有するイリジウム化合物
から選択されることが好ましい。
ルテニウムが0又は3の酸化状態を有するルテニウム化合物を使用する場合、本発明方法の脱水素化の前又は間のいずれかにおいて、酸化状態2を有するルテニウム化合物に変換させなければならない。同様に、イリジウムが0又は3の酸化状態を有するイリジウム化合物を使用する場合、本発明方法の脱水素化の前又は間のいずれかにおいて、酸化状態1を有するイリジウムに変換させなければならない。
本発明の方法の触媒系は、金属化合物及び1つ以上の配位子を含む予備形成された金属錯体の形態で利用し得る。或いは、触媒系は、金属化合物(本明細書ではプレ触媒とも称される)を、1つ以上の適切な配位子と組み合わせて、触媒的に活性な金属錯体を反応混合物中に形成することにより、反応混合物中でin situ形成される。
適切なプレ触媒は、ルテニウム又はイリジウムの中性金属錯体、酸化物及び塩から選択される。プレ触媒として有用なルテニウム化合物は、
例えば、[Ru(p-クメン)Cl2]2、[Ru(ベンゼン)Cl2]n、[Ru(CO)2Cl2]n、[Ru(CO)3Cl2]2、[Ru(COD)(アリル)]、[RuCl3・H2O]、[Ru(アセチルアセトナート)3]、[Ru(DMSO)4Cl2]、[Ru(PPh3)3(CO)(H)Cl]、[Ru(PPh3)3(CO)Cl2]、[Ru(PPh3)3(CO)(H)2]、[Ru(PPh3)3Cl2]、[Ru(Cp)(PPh3)2Cl]、[Ru(Cp)(CO)2Cl]、[Ru(Cp)(CO)2H]、[Ru(Cp)(CO)2]2、[Ru(Cp*)(CO)2Cl]、[Ru(Cp*)(CO)2H]、[Ru(Cp*)(CO)2]2、[Ru(インデニル)(CO)2Cl]、[Ru(インデニル)(CO)2H]、[Ru(インデニル)(CO)2]2、ルテノセン、[Ru(binap)(Cl)2]、[Ru(2,2'-ビピリジン)2(Cl)2・H2O]、[Ru(COD)(Cl)2H]2、[Ru(Cp*)(COD)Cl]、[Ru3(CO)12]、[Ru(テトラフェニルヒドロキシシクロペンタジエニル)(CO)2H]、[Ru(PMe3)4(H)2]、[Ru(PEt3)4(H)2]、[Ru(Pn-Pr3)4(H)2]、[Ru(Pn-Bu3)4(H)2]、[Ru(Pn-オクチル3)4(H)2]であり、このうちRu(COD)Cl2]2、[Ru(Pn-Bu3)4(H)2]、[Ru(Pn-オクチル3)4(H)2]、[Ru(PPh3)3(CO)(H)Cl]及び[Ru(PPh3)3(CO)(H)2]が好ましい。プレ触媒として有用なイリジウム化合物は、例えば、[IrCl3・H2O]、KIrCl4、K3IrCl6、[Ir(COD)Cl]2、[Ir(シクロオクテン)2Cl]2、[Ir(エテン)2Cl]2、[Ir(Cp)Cl2]2、[Ir(Cp*)Cl2]2、[Ir(Cp)(CO)2]、[Ir(Cp*)(CO)2]、[Ir(PPh3)2(CO)Cl]及び[Ir(PPh3)3Cl]であり、このうち[Ir(COD)Cl]2、[Ir(シクロオクテン)2Cl]2及び[Ir(Cp*)Cl2]2が好ましい。
上記化合物名において、「COD」は、1,5-シクロオクタジエンを示し、「Cp」は、シクロペンタジエニルを示し、「Cp*」は、ペンタメチルシクロペンタジエニルを示し、「binap」は、2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルを示す。
本発明による脱水素化プロセスにおいては、当該分野で公知の任意の錯体配位子、特に、ルテニウム及びイリジウム錯体触媒において有用として知られる配位子を利用し得る。
本発明による脱水素化プロセスの触媒系の適切な配位子は、例えば、以下に示す式IV、V及びVIの単座、二座及び三座ホスフィンである。
Figure 2015504436
式中、R3〜R14は、それぞれ独立して、C1〜C12-アルキル、アダマンチル、フェロセニル、アリール、及びアリール-C1〜C3-アルキル、C3〜C12-シクロアルキル、C5〜C8-シクロアルキル-C1〜C3-アルキルから選択され、ここで言及した基の最後の2つのシクロアルキルは、単環式又は二環式であり、言及した基の最後の4つのシクロアルキル及びアリールは、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、フッ素及び塩素から選択される1つ以上の置換基を有してもよく、或いは、
R6、R7、R8、及びR9、又はR10、R11、R12、R13及びR14から選択される部分の1つ以上の対は、C3〜C8-アルカンジイル架橋を形成してもよく、この架橋は、場合によりC1〜C4-アルキル又はC3〜C6-シクロアルキルから選択される1、2又は3つの置換基で置換され、場合により1又は2つの単環式又は二環式環の一部であり、
T、T'及びT''は、それぞれ独立してC1〜C6-アルカンジイル、C0〜C1-アルキレン-フェロセニル、1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイル及び1,1'-ビナフチル-2,2'-ジイルから選択され、後者の4つの基は、場合によりC1〜C8-アルキル又はC1〜C4-アルコキシで置換されてもよく、C1〜C6-アルカンジイルは、C1〜C10-アルキル、C3〜C7-シクロアルキル、アリール及びベンジルから選択される1つ以上の置換基を有し得る。また、C1〜C6-アルカンジイルは、非置換又は置換されている1又は2つの単環式又は二環式環の一部であり得る。上記のC0〜C1-アルキレン-フェロセニルは、2つのリン原子がフェロセンの同じ又は異なるシクロペンタジエンに結合しているフェロセンジイル、又はリン原子の1個がメチレン基を介してシクロペンタジエンに結合し、第2のリン原子が同じシクロペンタジエンに直接結合し、メチレン基が場合によりC1〜C4-アルキルから選択される1又は2つのさらなる置換基を有し得るメチレンフェロセニルから選択されることが好ましい。
好ましくは、式IV、V及びVIの化合物の可変部R3〜R14は、それぞれ独立して、C1〜C12-アルキル、アダマンチル、フェロセニル、アリール、アリール-C1〜C2-アルキル及び単環若しくは二環であり得るC3〜C12-シクロアルキルから選択され、言及した最後の3つの基のシクロアルキル及びアリールは、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、フッ素及び塩素から選択される1つ以上の置換基を場合により有し得る。より好ましくは、可変部R6〜R17は、それぞれ独立して、C1〜C12-アルキル、フェニル、フェニル-C1〜C2-アルキル及び単環若しくは二環であり得るC5〜C9-シクロアルキルから選択され、言及した最後の3つの基のシクロアルキル及びフェニルは、C1〜C4-アルキルから選択される1又は2つの置換基を場合により有し得る。好ましい可変部R6〜R17は、互いに独立して、特に、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチル-1-プロピル、2-メチル-2-プロピル、1-ペンチル、1-ヘキシル、1-ヘプチル、1-オクチル、1-ノニル、1-デシル、1-ウンデシル、1-ドセシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、2-メチル-1-ペンチル、2-エチル-2-ヘキシル、2-プロピル-1-ヘプチル、フェニル、トリル、キシリル及びノルボルニルから選択される。
特に好ましい可変部R3〜R14は、それぞれ独立して、C1〜C10-アルキル及びC4〜C8-シクロアルキルから選択され、特に、エチル、1-ブチル、sec-ブチル、1-オクチル及びシクロヘキシルから選択される。
好ましくは、式V及びVIの化合物における可変部T、T'及びT''は、それぞれ独立して、場合によりC1〜C8-アルキル、C3〜C6-シクロアルキル、フェニル及びベンジルから選択される1つ以上の置換基を有し得るC1〜C5-アルカンジイルから選択される。加えて、C1〜C5-アルカンジイル基は、非置換又は置換されている1又は2つの単環式又は二環式環の一部であり得る。
特に好ましい可変部T、T'及びT''は、それぞれ独立して、C1〜C4-アルキル、C3〜C7-シクロアルキル、フェニル及びベンジルから選択される1つの置換基を場合により有し、非置換であるか又はC1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、フッ素及び塩素から選択される1又は2つの置換基を有する1又は2つのC3〜C7-シクロアルキル環の一部であり得るC1〜C4-アルキレンから選択される。特に、T、T'及びT''は、それぞれ独立して、メタンジイル、エタン-1,2-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、プロパン-1,2-ジイル、1,4-ブタンジイル及び1,3-ブタンジイルから選択される。
本明細書において式IVの単座配位子は、R3、R4及びR5が、それぞれ場合により1又は2つのC1〜C4-アルキル置換基を有するフェニルである単座配位子、並びにR6、R7及びR8が、それぞれC5〜C8-シクロアルキル又はC2〜C10-アルキル、特に直鎖非分岐n-C2〜C10-アルキルである単座配位子であることが好ましい。基R3〜R5は、異なっても同一であってもよい。好ましくは、基R3〜R5は同一であり、本明細書で言及した置換基から選択され、特に好ましいと記載されたものから選択される。好ましい単座配位子IVの例は、トリフェニルホスフィン(TPP)、トリエチルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、トリ-n-オクチルホスフィン及びトリシクロヘキシルホスフィンである。
本明細書において式Vの二座配位子は、TがC1〜C4-アルキレンであり、R6、R7、R8及びR9が、それぞれ1又は2つのC1〜C4-アルキル置換基を有するフェニルから選択されるか、又はそれぞれC5〜C8-シクロアルキル及びC2〜C10-アルキル、特に直鎖非分岐n-C2〜C10-アルキルから選択される二座配位子であることが好ましい。基R6〜R9は、異なっても同一でもよい。好ましくは、基R6〜R9は同一であり、本明細書で記載された置換基、特に好ましいと記載された置換基から選択される。好ましい二座配位子Vの例は、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)メタン、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン及び1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパンである。
さらに、本発明による方法の脱水素化のための触媒系の適切な配位子は、NHC配位子として知られるN-複素環カルベンである。本明細書において、好ましいNHC配位子は、以下に示す式VII及びVIIIの配位子である
Figure 2015504436
(式中、R15及びR16は、それぞれ独立して、C1〜C10-アルキル、アリール及びヘタリールから選択され、ここでアリール及びヘタリールは、場合により、C1〜C8-アルキル及びC3〜C7-シクロアルキルから選択される1、2、3又は4つの置換基を場合により有し得、
R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立して、水素、C1〜C8-アルキル及びアリールから選択され、又はR17、R18、R19及びR20のうちの2つの基が飽和の5〜7員環を形成し、2つの他の基はそれぞれ独立して、水素又はメチルであり、
R21及びR22は、それぞれ独立して、水素、C1〜C8-アルキル及びアリールから選択されるか、又はR21及びR22は、それらが結合している複素環部分と一緒になって、1又は2つの芳香環を有する縮合環系である)。
好ましくは、式VII及びVIIIの化合物の可変部R15及びR16は、互いに独立して、C1〜C10-アルキル、又はC1〜C8-アルキルから選択される1又は2つの置換基を場合により有するフェニルである。特に好ましくは、可変部R15及びR16は、独立して、C1〜C8-アルキルから選択される。R15及びR16は、同一でも異なっていてもよく、好ましくは、互いに異なる。
好ましくは、式VIIの化合物の可変部R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立して、水素、C1〜C8-アルキル及びアリール、より好ましくは水素及びC1〜C6-アルキルから選択され、特に全て水素である。
好ましくは、式VIIIの化合物の可変部R21及びR22は、それぞれ独立して、水素、C1〜C8-アルキル及びフェニルから選択され、特に両方とも水素である。
本明細書で好ましいNHC配位子は、R15、R16、R21及びR22が本明細書に記載された意味を有し、特に好ましいと記載された意味を有する式VIIIの配位子である。
式VIIIのNHC配位子は、塩基と一緒に、イミダゾリウム塩、例えば、1-メチル-3-ブチル-4,5-H2-イミダゾリウムクロリドからin situで得ることができ、金属化合物、例えばルテニウム(II)又はイリジウム(I)化合物の存在下、適切な触媒に変換することができる。しかしながら、金属化合物のNHC錯体塩、例えば[Ru(NHC)4Cl2]、[Ru(NHC)(p-クメン)Cl2]、[Ru(NHC)(NCMe)2]Cl2、[Ru(NHC)4(H)]Cl、[Ru(NHC)4(H)][BEt4]、[Ru(NHC)4(H)2]、[Ru(NHC)2(CO)HCl]、[Ru(NHC)2(CO)2HCl]、[Ru(NHC)(PPh3)(CO)HCl]、[Ru(NHC)(PPh3)(CO)2HCl]、[Ru(NHC)(PMe2Ph)-2-(CO)H2]、[Ru(NHC)2(CO)2H2]、[Ru(NHC)2(CO)3]、[Ru3(CO)11(NHC)]、[Ru(NHC)2(CO)2(CO3)]、[Ru(NHC)(PPh3)2(CO)H]、[Ru(NHC)(PPh3)2(CO)H2]、[Ru(NHC)2(PPh3)(CO)H2]、[Ru(NHC)(PPh3)2(CO)HCl]、[Ru(Cp)(NHC)2(Cl)]、[Ru(Cp)(NHC)(CO)Cl]、[Ru(Cp*)(NHC)2(Cl)]、[Ru(Cp*)(NHC)(CO)Cl]、[Ru(Cp*)(NHC)(PR3)Cl]及び[Ru(Cp)(NHC)(PR3)Cl]、を事前に調製し、それらを単離し、次いで、それらを予備形成触媒として本発明の脱水素化で使用することも可能である。上記化合物において、「NHC」は、式VII又はVIIIのNHC配位子を指し、ここで可変部R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21及びR22は、上記意味を有し、好ましいと言及された意味を有することが好ましく、「Cp」は、シクロペンタジエニルを指し、「Cp*」は、ペンタメチルシクロペンタジエニルを指し、「NCMe」は、アセトニトリルを指す。NHC配位子を含む上記錯体は、例えば、次に記載の方法に従って調製することができる:M. Wurtemberger, T. Ott, C. Doring, T. Schaub, U. Radius, Eur. J. Inorg. Chem. (2011) 405-415; R. Wolf, M. Plois, A. Hepp, Eur. J. Inorg. Chem. (2010) 918-925; V.L. Chantler, S.L. Chatwin, R.F.R. Jazzar, M.F. Mahon, O. Saker, M.K. Whittlesey, Dalton Trans. (2008) 2603-2614; C.E. Ellul, O. Saker, M.F. Mahon, D.C. Apperley, M.K. Whittlesey, Organometallics 46 (2008) 6343-6345; S. Burling, G. Kociok-Kohn, M.F. Mahon, M.K. Whittlesey, J.M.J. Williams, Organometallics 24 (2005) 5868-5878; 及びW. Baratta, E. Herdtweck, W.A. Herrmann, P. Rigo, J. Schwarz, Organometallics 21 (2002) 2101-2106。
一般に、イミダゾリウム塩を式VIIIの対応するNHC配位子に変換するために使用される塩基は、同様の反応のために使用することが一般に知られている塩基、例えば、三アルカリ金属ホスフェート、例えば、三ナトリウムホスフェート及び三カリウムホスフェート、アルカリ金属炭酸塩、例えば、ナトリウム炭酸塩及びカリウム炭酸塩、重炭酸塩、例えば、カリウム重炭酸塩又はナトリウム重炭酸塩、有機塩基、例えばアミン(トリエチルアミンなど)、ピリジン又はN,N-ジエチルアニリン及びアルカリ金属アルカノレート(例えば、ナトリウムイソプロピレート及びカリウムtert-ブチレート)から選択される。この文脈において、好ましい塩基は、カリウムtert-ブチレート、三カリウムホスフェート及びカリウム炭酸塩である。
さらに、本発明による方法の脱水素化のための触媒系の適切な配位子は、式IX及びXの三座配位子
Figure 2015504436
[式中、
R23は、ハロゲン、NO2、CN、C1〜C10-アルキル、C3〜C9-シクロアルキル、アリール、ヘタリール、C3〜C8-ヘテロシクリル、C1〜C10-アルコキシ、(C1〜C6-アルコキシ)カルボニル、(C1〜C6-アルキルアミノ)カルボニル、アリール-(C1〜C6)-アルキル、場合によりスペーサー修飾された無機担体(例えば、シリカ)、及び場合によりスペーサー修飾された有機担体(例えば、ポリスチレンなどのポリマー部分)からなる群から選択され、
nは、0、1、2又は3であり、
R24及びR25は、それぞれ独立して、-PR2、-P(OR)2、-NR2、-NHR、-NH2、=NR、-SR、-SH、-S(=O)R、ヘタリール、-AsR2、-SbR2、式:CRR'のカルベン、及び下記式のカルベン
Figure 2015504436
(式中、
R、R26、R27及びR28は、互いに独立して、C1〜C10-アルキル、C3〜C9-シクロアルキル、アリール、アリール-(C1〜C6)-アルキル、C3〜C8-ヘテロシクリル及びヘタリールからなる群から選択され、
R'は、C1〜C10-アルカンジイル、C3〜C9-シクロアルカンジイル、アレーンジイル、アリール-(C1〜C6)-アルカンジイル、C3〜C8-ヘテロシクレン及びヘタレーンジイルからなる群から選択され、
#は、分子の残部に対する結合点である)
からなる群から選択される]
である。
好ましくは、上記可変部R、R26、R27及びR28は、互いに独立して、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、アリール及びアリール-(C1〜C3)-アルキルからなる群から選択され、特にC1〜C6-アルキル、C3〜C7-シクロアルキル、フェニル及びベンジルから選択される。
好ましくは、前記可変部R'は、C1〜C8-アルカンジイル、C3〜C8-シクロアルカンジイル、アレーンジイル、アリール-(C1〜C3)-アルカンジイルからなる群から選択され、特にC1〜C6-アルカンジイル、C3〜C7-シクロアルカンジイル及びベンゼンジイルから選択される。
存在する場合、式IX及びXの化合物の可変部R23は、好ましくは、ハロゲン、NO2、CN、C1〜C8-アルキル、C3〜C7-シクロアルキル、アリール、ヘタリール、C3〜C7-ヘテロシクリル及びC1〜C8-アルコキシからなる群、特に塩素、フッ素、NO2、CN、C1〜C6-アルキル及びC1〜C6-アルコキシからなる群から選択される。
式IX及びXの化合物の可変部nは、好ましくは、0又は1であり、特に0である。
好ましくは、式IX及びXの化合物の可変部R24及びR25は、それぞれ独立して、-PR2、-P(OR)2、-NR2、-NHR、-NH2、=NR、-SR、-SH、-S(=O)R及びヘタリールからなる群、より好ましくは-PR2、-P(OR)2、-NR2、-NHR及び-NH2からなる群から選択され、各場合の可変部Rは、前記の意味の1つを有し、特に、好ましいと記載された意味の1つを有する。特に、R24及びR25は、それぞれ独立して、-P(C1〜C6-アルキル)2からなる群から選択され、特に両方とも-P(tert-ブチル)2である。
上記の配位子の群から選択される1つ以上の配位子に加えて、本発明の方法の触媒系は、ハロゲン化物、アミド、カルボキシレート、アセチルアセトネート、アリール又はアルキルスルホネート、水素化物、CO、オレフィン、ジエン、シクロオレフィン、ニトリル、芳香族及びヘテロ芳香族、エーテル、PF3、ホスホール、ホスファベンゼン、並びに単座、二座及び多座配位ホスフィナイト、ホスホナイト、ホスホルアミダイト及びホスファイト配位子から選択される少なくとも1つのさらなる配位子を含んでもよい。
本発明の実施形態によれば、脱水素化は、本明細書に単座、二座、及び三座ホスフィン配位子として記載されたものから選択される配位子、好ましくは式IV及びVの単座及び二座ホスフィン配位子から選択される配位子、特に本明細書に好ましいと記載された配位子IV及びVから選択される配位子の少なくとも1つを含む触媒系を使用して実施される。
本発明の好ましい実施形態によれば、触媒系は、式IVの単座ホスフィン配位子、特に本明細書に好ましいと記載された配位子IVから選択される1〜4、好ましくは1又は4つの配位子を含む。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、触媒系は、式IVの単座ホスフィン配位子、特に本明細書に好ましいと記載された配位子IVから選択される1〜4、好ましくは2つの配位子を含み、さらに式Vの二座ホスフィン配位子、特に本明細書に好ましいと記載された配位子Vから選択される1つの配位子を含む。
本発明のさらなる実施形態によれば、脱水素化は、NHC配位子として本明細書に記載された配位子、好ましくは式VII及びVIIIのNHC配位子から選択される配位子、特に本明細書に好ましいと記載された配位子VII及びVIIIから選択される配位子の少なくとも1つを含む触媒系を使用して実施される。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、触媒系は、式IVの単座ホスフィン配位子から、特に好ましいと本明細書に記載された配位子IVから選択される1〜4、好ましくは2つの配位子を含み、さらに式VIIIのNHC配位子、特に好ましいと本明細書に記載された配位子VIIIから選択される1〜4、好ましくは2つの配位子を含む。
NHC配位子を含む本発明の前記触媒系、特にルテニウム化合物に基づく触媒系は、単座ホスフィン配位子IV以外の、オレフィン、ジエン、シクロオレフィン及びアレーン、好ましくはジエン及びアレーンから選択される少なくとも1種の共配位子を有してもよく、特にCOD、p-クメン、ベンゼン又はヘキサメチルベンゼンを有し得る。
本明細書に記載の少なくとも1種のホスフィン配位子及び/又は本明細書に記載の少なくとも1つのNHC配位子を含む本発明の前記触媒系は、水素及びハロゲンアニオンから選択される、1〜4、特に2つの配位子を含むことが好ましい。この文脈において好ましいハロゲンアニオンは、F-及びCl-、特にCl-である。
本発明の方法において、ホスフィン配位子IV、V又はVIの1種及び/又はNHC配位子VII又はVIIIの1種を含む上記触媒系の1つが使用される場合、脱水素化は、工程i)に従って、再酸化剤の存在下で、転移脱水素化を介して行われることが好ましい。この文脈において、再酸化剤は、C3〜C6-アルカノン、C5〜C7-シクロアルカノン及びベンズアルデヒドから選択されることが好ましく、特に、アセトン、3-ペンタノン、シクロヘキサノン及びベンズアルデヒドから選択されることが好ましい。
本発明のさらなる実施形態によれば、脱水素化は、式IX及びXの三座配位子、特に本明細書に好ましいと記載されたものから選択される1つの配位子を含む触媒系を使用して実施される。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明方法による触媒系の金属化合物は、ルテニウム化合物、特にルテニウム(II)化合物である。
式IX又はXの三座配位子を含む本発明の触媒系は、好ましくは式XIa、XIb及びXIcのルテニウム触媒
Figure 2015504436
(式中、
可変部R23、n、R24及びR25は、本明細書で定義される意味、特に本明細書に好ましいと記載された意味を有し、
L1及びL2は、それぞれ独立して、CO、PR3、P(OR)3、NO+、AsR3、SbR3、SR2、RCN及びRNCからなる群から選択され、ここでRは、本明細書で与えられる意味の1つを有し、特に好ましいと記載された意味の1つを有し、
Y及びZは、それぞれ独立して、水素及びアニオン性配位子RC(O)O-、CF3C(O)O-、RS(O)2O-、CF3S(O)2O-、CN-、HO-、RO-、R2N-、RS-及びHS-からなる群から選択され、ここでRは本明細書に記載された意味の1つを有し、特に好ましいと記載された意味の1つを有し、
A-は、1個の負電荷を有するアニオンを表し、例えば、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素、重炭酸塩、CN-、硝酸塩及びRC(O)O-であり、Rは上記で定義した通りである)
から選択される。
好ましくは、式XIa及びXIbの触媒系の配位子L1は、CO、PR3及びP(OR)3からなる群から選択され、ここでRは本明細書に定義される通りであり、特に、C1〜C6-アルキル、C3〜C7-シクロアルキル、フェニル及びベンジルから選択される。
好ましくは、式XIcの触媒系の配位子L1及びL2は、それぞれ独立して、CO、PR3及びP(OR)3からなる群から選択され、ここでRは本明細書に定義される通りであり、特に、C1〜C6-アルキル、C3〜C7-シクロアルキル、フェニル及びベンジルから選択される。
好ましくは、式XIbの触媒系における可変部Y及びZは、それぞれ独立して、水素及びアニオン性配位子RC(O)O-、CF3C(O)O-、CN-、HO-、RO-及びR2N-からなる群から選択され、ここでRは、本明細書で定義される通りであり、特にC1〜C6-アルキル、C3〜C7-シクロアルキル、フェニル及びベンジルから選択される。より好ましくは、Y及びZは、両方とも水素である。
好ましくは、式XIcの触媒系における可変部Zは、水素及びアニオン性配位子RC(O)O-、CF3C(O)O-、CN-、HO-、RO-及びR2N-からなる群から選択され、ここでRは、本明細書で定義される通りであり、特にC1〜C6-アルキル、C3〜C7-シクロアルキル、フェニル及びベンジルから選択される。より好ましくは、Zは水素である。
本明細書で好ましいと記載されたものを含む式XIa、XIb及びXIcのルテニウム触媒の中でも、特に、可変部R24及びR25が、それぞれ独立して、-PR2、-P(OR)2、-NR2、-NHR、-NH2、=NR、-SR、-SH、-S(=O)R及びヘタリールからなる群、特に-PR2、-NR2、-NHR及び-NH2からなる群から選択されるもの(各場合の可変部Rは、上記した意味の1つを有し、特に好ましいと記載された意味の1つを有する)が好ましい。さらには、R24及びR25がそれぞれ独立して-P(C1〜C6-アルキル)2からなる群から選択され、特に両方とも-P(tert-ブチル)2であるルテニウム触媒XIa、XIb及びXIcがより好ましい。
本明細書で好ましいと記載されたものを含む式XIa、XIb及びXIcのルテニウム触媒の中でも、可変部Y及びZが両方とも水素であるものが特に好ましい。
また本明細書で好ましいと記載されたものを含む式XIa、XIb及びXIcのルテニウム触媒の中でも、可変部nが0であるものが特に好ましい。
また本明細書で好ましいと記載されたものを含む式XIa、XIb及びXIcのルテニウム触媒の中でも、可変部L1がCOであるものが特に好ましい。
式IX又はXの三座配位子を含む本発明の触媒系の中でも、式XIbのルテニウム触媒(可変部R23、n、R24、R25、L1、Y及びZは、上記で定義した意味を有し、特に好ましいと記載された意味を有する)が、好ましい。
本発明の方法において、式XIa、XIb及びXIcのルテニウム触媒の1つがが触媒系として使用される場合、脱水素化は、工程ii)に従って再酸化剤無しで、即ち、純粋に物理的な手段によって、実施することが好ましい。この文脈において、純粋に物理的な手段は、反応混合物の沸騰、気圧の低下及び/又は補助ガスの反応混合物内の通過による水素の放出から選択されることが好ましく、特に、反応混合物の沸騰からなることが好ましい。
本発明の実施形態において、触媒系は均一触媒系であり、即ち、触媒系が脱水素化の反応混合物中に溶解又は懸濁形態で存在していることが好ましい。結果的に、脱水素化においては、反応混合物に不溶の担体又は支持材料を使用しない触媒系を使用することが好ましい。
触媒系がイリジウム化合物を含む場合、本発明方法における脱水素化のための触媒系の配位子の1つ以上は、シクロペンタジエニル、式IVの単座ホスフィン(特に本明細書で好ましいと記載されたもの)、式Vの二座ホスフィン(特に本明細書で好ましいと記載されたもの)、式VII又はVIIIのNHC配位子(特に本明細書で好ましいと記載されたもの)から選択されることが好ましく、シクロペンタジエニル及び式VII又はVIIIのNHC配位子から選択されることがより好ましい。この文脈において、より好ましい配位子は、シクロペンタジエニル及びペンタメチルシクロペンタジエニルである。
本発明の別の実施形態によれば、意図する触媒系の1つ以上の配位子と、プレ触媒としての金属化合物、特にルテニウム化合物とを、反応容器に別個に充填し、次いで、本発明の方法で使用する触媒を形成することが好ましい。各配位子は、目的とする触媒を形成するために、好ましくは、使用する金属化合物のモル当量に対して必要とされる当量にほぼ相当する数以上で添加される。各配位子は、必要とする当量に相当する量に対して、通常80〜120重量%、好ましくは90〜110重量%、特に95〜105重量%の量で添加される。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、予備形成金属錯体を、触媒系として利用して、反応容器に充填する。
予備形成する場合の金属錯体又はin situ形成する場合の触媒系の金属化合物は、本発明による方法において、使用するアルケノールII及び/又はアルケノールIIIの量に対して、好ましくは0.05〜3.0mol%、より好ましくは0.1〜2.0mol%、特に0.15〜1.5mol%の量で使用される。
本発明の脱水素化の反応温度は、いくつかの因子、例えば、使用する反応物の反応性及び選択した触媒系の種類によって決定され、当業者が、個々の場合において、例えば単純な予備試験によって、決定し得るものである。一般に、本発明による脱水素化プロセスは、15〜250℃の範囲、好ましくは50〜200℃の範囲、より好ましくは70〜170℃の範囲、特に90〜150℃の範囲の温度で実施される。
本発明の一実施形態によれば、本発明の方法の脱水素化は、還流下で、反応混合物の沸点の温度で、実施される。この実施形態は、脱水素化が工程ii)に従って再酸化剤無しで行われる場合、即ち、形成された水素を純粋に物理的な手段により除去する場合において好ましい。
本発明の方法の脱水素化の反応圧は、使用する溶媒、反応温度、反応容器における通気口の有無、及び、選択する水素除去方法に応じて決定される。脱水素化の間に形成された水素が、工程i)を介して、即ち、再酸化剤との反応を介して除去される場合、一般的に反応の間に確立される圧力は、1〜15bar、好ましくは、1〜10barである。一方、水素が、工程ii)を介して、即ち、物理的な手段のみで除去される場合、一般的に反応の間に確立される圧力は、0.1〜1.5bar、好ましくは0.3〜1.1barである。
本発明の方法が、工程i)に従った転移脱水素化を含む場合、即ち、水素の除去のために再酸化剤が使用される場合、再酸化剤は、それぞれの場合における1molの式IIのアルケノール及び/又は式IIIのアルケノールを基準として1〜50molで使用されることが好ましく、2〜45molがより好ましく、2.5〜40 mol、特に3〜35molの量で使用されることがさらに好ましい。
触媒系並びにアルケノールII及び/又はアルケノールIIIを含む出発化合物は、新規方法の実施のために、溶解形態で存在させる必要はない。反応は、通常、懸濁液でも最適な結果を与える。
本発明の方法の意図する生成物である式Iの2-アルケナールは、脱水素化反応の間の反応混合物から、例えば蒸留によって、好ましくは連続的様式で、反応過程全体を通じて取り出されるか、又は反応が完了若しくは終了した後でのみ取り出される。後者の場合に、脱水が終了した後、得られた反応混合物の後処理及び2-アルケナールIの単離は、通常の様式で、例えば遠心分離又は濾過(例えば、セライトパッドを通じた濾過)、水溶液での抽出作業、蒸留による溶媒及び/又は2-アルケナールIの除去(例えば減圧下の除去)、又はこれらの手段の組合せによって行われる。さらなる精製は、例えば、結晶化、蒸留又はクロマトグラフィーによって行い得る。
式II及び/又はIIIのアルカノールから出発して、本発明の方法は、良好な収率及び選択性で、必要とするルテニウム(II)又はイリジウム(I)系触媒はほんの少量でありながら、2-アルケナールIを効率的に調製することを可能にする。また本発明の方法は、副産物を形成する可能性のある水素を生成後直ぐに除去するために有効な2つの代替的手段を含む。
以下の実施例は、本発明を例証するものであり、本発明を限定するものではない。GC分析(GC:ガスクロマトグラフィー)は、FID検出器及びOptima-FFAPカラム(50mx0.32mm、FD=0.5)を装備したHP6890装置で、ヘリウムをキャリアガスとして使用して、測定した。
本発明を、以下の非限定的実施例において、さらに例証する。
I. 本発明の転移脱水素化手法を利用したプレナールの調製
I.a. プレノールの脱水素化
I.a.1 プレノール(1.4g、16mmol)及び[Ru(Pn-Bu3)4(H)2](144mg、0.16mmol)を含む40mLの3-ペンタノンの溶液を、不活性条件(アルゴン雰囲気)下、還流冷却器付シュレンク管(100mL)内で6時間、還流下で撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレノール2.7%、プレナール59.8%、3-メチル-ブタン-1-オール22.3%、イソプレノール8.5%、イソ-バレルアルデヒド6.7%。
I.a.2 プレノール(1.4g、16mmol)及び[Ru(PEt3)4(H)2](115mg、0.16mmol)を含む40mLの3-ペンタノンの溶液を、不活性条件(アルゴン雰囲気)下、還流冷却器付シュレンク管(100mL)内で、6時間、還流下で撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレノール8.1%、プレナール82.9%、3-メチル-ブタン-1-オール9.0%、イソプレノール0%、イソ-バレルアルデヒド0%。
I.a.3 プレノール(1.4g、16mmol)及び[Ru(Pn-Oct3)4(H)2](120mg、0.08mmol)を含む40mLの3-ペンタノンの溶液を、不活性状態(アルゴン雰囲気)下、還流冷却器付シュレンク管(100mL)内で20時間、還流下で撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレノール12.6%、プレナール80.0%、3-メチル-ブタン-1-オール7.5%、イソプレノール0%、イソ-バレルアルデヒド0%。
I.a.4 プレノール(1.0g、11.6mmol)及び[Ru(Pn-Oct3)4(H)2](150mg、0.1mmol)を含む15gシクロヘキサンの溶液を、不活性状態(アルゴン雰囲気)下、還流冷却器付シュレンク管(50mL)内で、120℃で20時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレナール3.0%、3-メチル-ブタン-1-オール0.2%、イソプレノール0%、イソバレルアルデヒド0.1%、シクロヘキサノン及びプレノール88.3%、シクロヘキサノール6.6%。
I.a.5 プレノール(1.0g、11.6mmol)及び[Ru(Pn-Oct3)4(H)2](200mg、0.13mmol)を含む15gシクロヘキサンの溶液を、不活性条件(アルゴン雰囲気)下、還流冷却器付シュレンク管(50mL)内で、130℃で20時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレナール2.3%、3-メチル-ブタン-1-オール0.3%、イソプレノール0%、イソバレルアルデヒド0.2%、シクロヘキサノン及びプレノール86.8%、シクロヘキサノール6.7%。
I.a.6 プレノール(1.4g、16.0mmol)及び[Ru(Pn-Oct3)4(H)2](120mg、0.08mmol)を含む40mLアセトンの溶液を、不活性条件(アルゴン雰囲気)下、加圧ガラス容器(100mL)内で、120℃で20時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレノール17.7%、プレナール76.7%、3-メチル-ブタン-1-オール5.6%、イソプレノール0%、イソ-バレルアルデヒド0%。
I.a.7 プレノール(4.0g、46.4mmol)及び[Ru(Pn-Oct3)4(H)2](150mg、0.1mmol)を含む15mLベンズアルデヒドの溶液を、不活性条件(アルゴン雰囲気)下、還流冷却器付シュレンク管(100mL)内で、120℃で20時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレノール13,2%、プレナール86,8%、3-メチル-ブタン-1-オール0%、イソプレノール0%、イソ-バレルアルデヒド0%。
I.b. イソプレノールの脱水素化
I.b.1 イソプレノール(1.0g、11.6mmol)及び[Ru(Pn-Oct3)4(H)2](200mg、0.13mmol)を含む15gのシクロヘキサン溶液を、不活性条件(アルゴン雰囲気)下、還流冷却器付シュレンク管(50mL)内で、120℃で20時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレノール0%、プレナール62.2%、3-メチル-ブタン-1-オール0%、イソプレノール37.1%、イソ-バレルアルデヒド0%。
I.b.2 イソプレノール(4.0g、46.4mmol)及び[Ru(PnOct3)4(H)2](150mg、0.1mmol)を含む15gシクロヘキサンの溶液を、不活性条件(アルゴン雰囲気)下、還流冷却器付シュレンク管(50mL)内で、120℃で20時間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレナール11.6%、3-メチル-ブタン-1-オール1.3%、イソプレノール0.4%、イソバレルアルデヒド0.5%、シクロヘキサノン及びプレノール63.8%、シクロヘキサノール19.3%。
II. 本発明の再酸化剤無しの脱水素化を利用したプレナールの調製
II.a. プレノールの脱水素化
II.a.1 プレノール(1.0g、11.6mmol)、[Ru(PPh3)3(H)2(CO)](150mg、0.16mmol)及び2,6-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノメチル)ピリジン(64mg、0.16mmol)を含む20mLキシレンの溶液を、不活性条件(アルゴン雰囲気)下、還流冷却器付シュレンク管(50mL)内で、16時間撹拌しながら還流した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレノール7.5%、プレナール64.6%、3-メチル-ブタン-1-オール12.4%、イソプレノール6.8%、イソ-バレルアルデヒド8.7%。
II.a.2 プレノール(172mg、2mmol)、[Ru(PPh3)3(H)2(CO)](36mg、0.04mmol)及び2,6-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノメチル)ピリジン(16mg、0.04mmol)を含む10mLトルエンの溶液を、不活性条件(アルゴン雰囲気)下、還流冷却器付シュレンク管(50mL)内で、16時間撹拌しながら還流した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレノール45.1%、プレナール54.9%、3-メチル-ブタン-1-オール0%、イソプレノール0%、イソ-バレルアルデヒド0%。
II.a.3 プレノール(172mg、2mmol)、[Ru(COD)Cl2]2(14mg、0.025mmol)、1-メチル-3-ブチルイミダゾリウムクロリド(8.7mg、0.05mmol)、カリウムtert-ブチレート(16.8mg、0.15mmol)及びトリシクロヘキシルホスフィン(14mg、0.05mmol)を含む10mLトルエンの溶液を、アルゴン流をゆっくりと適用する不活性条件下で12時間撹拌しながら還流した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):イソプレノール8.6%、プレナール31.4%、3-メチル-ブタン-1-オール60.0%。
II.a.4 プレノール(688mg、8mmol)、[Ru(Pn-Bu3)4(H)2](144mg、0.16mmol)及び1,2-ビス-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-エタン(72mg、0.16mmol)を含む20mLトルエン溶液を、アルゴン流をゆっくりと適用する不活性条件下で12時間撹拌しながら還流した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレノール3.3%、イソプレノール2.2%、プレナール46.1%、イソバレルアルデヒド9.4%、3-メチル-ブタン-1-オール38.9%。
II.a.5 プレノール(172mg、2mmol)及び[Ru(Pn-Bu3)4(H)2](36mg、0.04)を含む20mLトルエンの溶液を、アルゴン流をゆっくりと適用する不活性条件下で12時間撹拌しながら還流した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレナール44.6%、イソバレルアルデヒド21.4%、3-メチル-ブタン-1-オール33.9%。
II.b. イソプレノールの脱水素化
II.b.1 イソプレノール(1.0g、11.6mmol)、[Ru(PPh3)3(H)2(CO)](150mg、0.16mmol)及び2,6-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノメチル)ピリジン(64mg、0.16mmol)を含む20mLキシレンの溶液を、不活性条件(アルゴン雰囲気)下、還流冷却器付シュレンク管(50mL)内で、16時間撹拌しながら還流した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレノール11.4%、プレナール31.9%、3-メチル-ブタン-1-オール7.0%、イソプレノール49.8%、イソ-バレルアルデヒド0%。
II.b.2 イソプレノール(344mg、4mmol)、[Ru(COD)Cl2]2(14mg、0.025mmol)、1-メチル-3-ブチルイミダゾリウムクロリド(9mg、0.05mmol)、カリウムtert-ブチレート(17mg、0.15mmol)及びトリシクロヘキシルホスフィン(14mg、0.05mmol)を含む10mLトルエンの溶液を、アルゴン流をゆっくりと適用する不活性条件下で12時間撹拌しながら還流した。室温に冷却した後、反応混合物をGCによって分析すると、以下の組成(%)が示された(各ピークの面積%に基づく):プレノール8.8%、イソプレノール52.2%、プレナール9.6%、3-メチル-ブタン-1-オール29.4%。

Claims (17)

  1. 式Iの2-アルケナール
    Figure 2015504436
    (式中、
    R1は、水素及びC1〜C4-アルキルから選択され、
    R2は、水素、C1〜C12-アルキル、C2〜C12-アルケニル、C4〜C8-シクロアルキル及びC6〜C10-アリールから選択され、ここでC1〜C12-アルキル及びC1〜C12-アルケニルは、C5〜C7-シクロアルキル又はC5〜C7-シクロアルケニルで置換されていてもよい)
    の調製方法であって、
    式IIのアルケノール、式IIIのアルケノール又はこれらの混合物
    Figure 2015504436
    (式中、
    R1及びR2は、それぞれ上記で定義した通りである)
    を脱水素化することを含み、
    前記アルケノールII、アルケノールIII又はこれらの混合物は、少なくとも1つの配位子とルテニウム(II)化合物及びイリジウム(I)化合物から選択される金属化合物とを含む触媒系と接触し、
    脱水素化の間に形成される水素は、
    i)C3〜C12-アルカノン、C4〜C9-シクロアルカノン、ベンズアルデヒド及びこれらの混合物から選択される再酸化剤との反応、並びに/又は
    ii)純粋に物理的な手段
    によって反応混合物から除去される、方法。
  2. R1はメチルであり、R2は水素である、請求項1に記載の方法。
  3. 式IIIのアルケノールの置換基R1は、置換基R2に対してcis位にある、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 脱水素化されるアルケノールは、式IIの化合物から排他的に選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 脱水素化されるアルケノールは、式IIIの化合物から排他的に選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 触媒系の少なくとも1つの配位子は、単座、二座、及び三座ホスフィン配位子から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 触媒系は、式IVの単座ホスフィン及び式Vの二座ホスフィン
    Figure 2015504436
    (式中、
    R3〜R9は、それぞれ独立して、C1〜C12-アルキル、C3〜C12-シクロアルキル、アダマンチル、アリール-C1〜C2-アルキル、フェロセニル及びアリールから選択され、ここでアリールは、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、フッ素又は塩素により場合により置換されており、
    Tは、場合によりC1〜C8-アルキル又はC3〜C6-シクロアルキルで置換され、場合により、非置換又は置換されている1又は2つの単環又は二環式環の一部である、直鎖C2〜C5-アルカンジイルから選択される)
    から選択される1〜6つの配位子を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記R3〜R9は、それぞれ独立して、C1〜C10-アルキル及びC4〜C8-シクロアルキル、特にエチル、1-ブチル、sec-ブチル、1-オクチル及びシクロヘキシルから選択され、
    Tは、場合によりC1〜C4-アルキルで置換されていてもよい直鎖C2〜C5-アルカンジイルであり、特にTは、エタン-1,2-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、プロパン-1,2-ジイル、ブタン-1,4-ジイル及びブタン-1,3-ジイルから選択される、
    請求項7に記載の方法。
  9. 触媒系の少なくとも1つの配位子は、式VII及びVIIIのN-複素環カルベン
    Figure 2015504436
    (式中、
    R15及びR16は、それぞれ独立して、C1〜C10-アルキル、アリール及びヘタリールから選択され、ここでアリール及びヘタリールは、場合により、C1〜C8-アルキル及びC3〜C7-シクロアルキルから選択される1、2、3又は4つの置換基を有してもよく、
    R17、R18、R19及びR20は、それぞれ独立して、水素、C1〜C8-アルキル及びアリールから選択されるか、又はR17、R18、R19及びR20のうちの2つの基は飽和の5〜7員環を形成し、他の2つの基はそれぞれ独立して水素又はメチルであり、
    R21及びR22は、それぞれ独立して、水素、C1〜C8-アルキル及びアリールから選択されるか、又はR21及びR22は、それらが結合している複素環部分と一緒になって、1又は2つの芳香環を有する縮合環系である)
    から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 触媒系は、式VIIIのN-複素環カルベン
    (式中、
    R15及びR16は、それぞれ独立して、C1〜C10-アルキル、及び場合によりC1〜C8-アルキルから選択される1又は2つの置換基を有するフェニルから選択され、
    R21及びR22は、両方とも水素である)
    から選択される1又は2つの配位子を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 触媒系は、水素及びハロゲンアニオンから選択される2つの配位子を含む、請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 触媒系の金属化合物は、ルテニウム(II)化合物から選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 水素は、工程i)によって反応混合物から除去される、請求項5〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 触媒系は、式XIa、XIb及びXIcのルテニウム触媒
    Figure 2015504436
    [式中、
    R23は、ハロゲン、NO2、CN、C1〜C10-アルキル、C3〜C9-シクロアルキル、アリール、ヘタリール、C3〜C8-ヘテロシクリル、C1〜C10-アルコキシ、(C1〜C6-アルコキシ)カルボニル、(C1〜C6-アルキルアミノ)カルボニル、アリール-(C1〜C6)-アルキル、及び場合によりスペーサー修飾された無機又は有機担体からなる群から選択され、
    nは、0、1、2又は3であり、
    R24及びR25は、それぞれ独立して、-PR2、-P(OR)2、-NR2、-NHR、-NH2、=NR、-SR、-SH、-S(=O)R、ヘタリール、-AsR2、-SbR2、式:CRR'のカルベン、及び下記式のカルベン
    Figure 2015504436
    (式中、
    R、R19、R20及びR21は、互いに独立して、C1〜C10-アルキル、C3〜C9-シクロアルキル、アリール、アリール-(C1〜C6)-アルキル、C3〜C8-ヘテロシクリル及びヘタリールからなる群から選択され、
    R'は、C1〜C10-アルカンジイル、C3〜C9-シクロアルカンジイル、アレーンジイル、アリール-(C1〜C6)-アルカンジイル、C3〜C8-ヘテロシクレン及びヘタレーンジイルからなる群から選択され、
    #は、分子の残部に対する結合点である)
    からなる群から選択され、
    L1は、CO、PR3、P(OR)3、NO+、AsR3、SbR3、SR2、RCN及びRNCからなる群から選択され、ここでRは、上記に定義される通りであり、
    L2は、上記配位子L1として定義される通りであるか、又は不在であり、
    Y及びZは、それぞれ独立して、水素及びアニオン性配位子RC(O)O-、CF3C(O)O-、RS(O)2O-、CF3S(O)2O-、CN-、HO-、RO-、R2N-、RS-及びHS-からなる群から選択され、ここでRは上記に定義される通りであり、
    A-は、1個の負電荷を有するアニオンを表す]
    から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  15. R24及びR25は、それぞれ独立して、-P(C1〜C6-アルキル)2からなる群から選択され、特に両方とも-P(tert-ブチル)2である、請求項14に記載の方法。
  16. Y及びZは両方とも水素であり、nは0であり、L1はCOである、請求項14又は15に記載の方法。
  17. 水素は、工程ii)によって反応混合物から除去される、請求項4及び14〜16のいずれか一項に記載の方法。
JP2014542839A 2011-11-25 2012-11-23 3−置換2−アルケナール、特にプレナールの調製方法 Expired - Fee Related JP6091516B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161563635P 2011-11-25 2011-11-25
EP11190852.1A EP2597081A1 (en) 2011-11-25 2011-11-25 Process for preparing 3-substituted 2-alkenals, in particular prenal
US61/563,635 2011-11-25
EP11190852.1 2011-11-25
PCT/EP2012/073422 WO2013076226A1 (en) 2011-11-25 2012-11-23 Process for preparing 3-substituted 2-alkenals, in particular prenal

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015504436A true JP2015504436A (ja) 2015-02-12
JP2015504436A5 JP2015504436A5 (ja) 2017-01-26
JP6091516B2 JP6091516B2 (ja) 2017-03-08

Family

ID=45218300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014542839A Expired - Fee Related JP6091516B2 (ja) 2011-11-25 2012-11-23 3−置換2−アルケナール、特にプレナールの調製方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US9000227B2 (ja)
EP (2) EP2597081A1 (ja)
JP (1) JP6091516B2 (ja)
CN (1) CN103958451B (ja)
ES (1) ES2566377T3 (ja)
IN (1) IN2014CN04686A (ja)
MX (1) MX348373B (ja)
WO (1) WO2013076226A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104926631A (zh) * 2015-05-30 2015-09-23 吉林众鑫化工集团有限公司 一种以3-甲基-3-丁烯基-1醇制备异戊醛的方法
CN110368937B (zh) * 2019-08-09 2022-02-22 中触媒新材料股份有限公司 一种3-甲基-2-丁烯-1-醇合成异戊烯醛的方法
JP2023506144A (ja) * 2019-12-23 2023-02-15 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 脱水素化方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57192326A (en) * 1981-05-19 1982-11-26 Sagami Chem Res Center Preparation of unsaturated carbonyl compound
JPS59112937A (ja) * 1982-12-08 1984-06-29 ロ−ヌ−プ−ラン・ソシエテ・アノニム アルコ−ルから対応カルボニル化合物への酸化方法
JPH11226417A (ja) * 1998-02-18 1999-08-24 Daicel Chem Ind Ltd 酸化触媒系及びそれを用いた酸化方法
JP2003002859A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Mitsubishi Chemicals Corp カルボニル化合物の製造方法
JP2003040826A (ja) * 2001-05-24 2003-02-13 Nikken Chem Co Ltd アリルアルコール類の酸化方法
JP2004010568A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Mitsubishi Chemicals Corp ヒドロキシアルデヒド類の製造方法

Family Cites Families (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1061045A (en) * 1963-11-28 1967-03-08 Ici Ltd Dehydrogenation of alcohols
DE19722567A1 (de) 1997-05-28 1998-12-03 Basf Ag Verfahren zur kontinuierlichen technischen Herstellung ungesättigter aliphatischer Aldehyde in einem Rohrbündelreaktor
JP4089310B2 (ja) 2002-06-28 2008-05-28 三菱化学株式会社 ルテニウム錯体触媒の分離方法
WO2008037693A1 (de) 2006-09-26 2008-04-03 Basf Se Kontinuierliches verfahren zur herstellung von citral
JP2008214289A (ja) 2007-03-06 2008-09-18 Mitsubishi Chemicals Corp カルボニル化合物の製造方法
US20100130758A1 (en) 2007-03-09 2010-05-27 Kiyotomi Kaneda Method for producing carbonyl compound
DE102008011767B4 (de) 2008-02-28 2012-07-26 Basf Se Verfahren zur Herstellung von olefinisch ungesättigten Carbonylverbindungen durch oxidative Dehydrierung von Alkoholen
WO2010032770A1 (ja) 2008-09-19 2010-03-25 昭和電工株式会社 アルコールの水素移動反応に用いる触媒、その製造方法、及びカルボニル基含有化合物の製造方法
JP2010184877A (ja) 2009-02-10 2010-08-26 Mitsubishi Chemicals Corp カルボニル化合物の製造方法
US8367875B2 (en) 2010-02-11 2013-02-05 Basf Se Process for the preparation of m-substituted alkyltoluenes by isomerization with ionic liquids as catalysts
US8450534B2 (en) 2010-03-24 2013-05-28 Basf Se Process for preparing 4-cyclohexyl-2-methyl-2-butanol
US8609903B2 (en) 2010-04-01 2013-12-17 Basf Se Process for preparing hydroxy-substituted aromatic aldehydes
US8697834B2 (en) 2010-05-31 2014-04-15 Basf Se Polyalkylenepolyamines by homogeneously catalyzed alcohol amination
US8741988B2 (en) 2010-06-15 2014-06-03 Basf Se Use of cyclic carbonates in epoxy resin compositions
US8877965B2 (en) 2010-06-29 2014-11-04 Basf Se Process for preparing formic acid by reaction of carbon dioxide with hydrogen
US8791297B2 (en) 2010-06-29 2014-07-29 Basf Se Process for preparing formic acid by reaction of carbon dioxide with hydrogen
US8901350B2 (en) 2010-06-29 2014-12-02 Basf Se Process for the preparation of formic acid
US8563787B2 (en) 2010-10-05 2013-10-22 Basf Se Preparation of homoallyl alcohols in the presence of noncovalently supported ionic liquid phase catalysts under gas-phase reaction conditions
US8563781B2 (en) 2010-10-07 2013-10-22 Basf Se Process for preparing ketones, in particular macrocyclic ketones
US20120157711A1 (en) 2010-12-21 2012-06-21 Basf Se Process for preparing formic acid by reacting carbon dioxide with hydrogen
US8957260B2 (en) 2011-02-07 2015-02-17 Basf Se Process for the oxidation of mesitol
US8912361B2 (en) 2011-03-08 2014-12-16 Basf Se Process for preparing di-, tri- and polyamines by homogeneously catalyzed alcohol amination
US8785693B2 (en) 2011-03-08 2014-07-22 Basf Se Process for the preparation of primary amines by homogeneously catalyzed alcohol amination
US8637709B2 (en) 2011-03-08 2014-01-28 Basf Se Process for the preparation of primary amines by homogeneously catalyzed alcohol amination
US9193666B2 (en) 2011-03-08 2015-11-24 Basf Se Process for preparing alkanolamines by homogeneously catalyzed alcohol amination
US8648031B2 (en) 2011-06-30 2014-02-11 Basf Se Macrocyclic lactones
US8410293B2 (en) 2011-06-30 2013-04-02 Basf Se Process for the preparation of cyclic enol ethers
US20130012739A1 (en) 2011-07-07 2013-01-10 Basf Se Process for preparing formic acid by reacting carbon dioxide with hydrogen
US8703994B2 (en) 2011-07-27 2014-04-22 Basf Se Process for preparing formamides and formic esters
US9056812B2 (en) 2011-09-16 2015-06-16 Basf Se Process for preparing 4-cyclohexyl-2-methyl-2-butanol
US20130090496A1 (en) 2011-10-07 2013-04-11 Basf Se Process for preparing formic acid by reacting carbon dioxide with hydrogen
US8877977B2 (en) 2011-11-25 2014-11-04 Basf Se Synthesis of polyalkylenepolyamines having a low color index by homogeneously catalyzed alcohol amination in the presence of hydrogen

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57192326A (en) * 1981-05-19 1982-11-26 Sagami Chem Res Center Preparation of unsaturated carbonyl compound
JPS59112937A (ja) * 1982-12-08 1984-06-29 ロ−ヌ−プ−ラン・ソシエテ・アノニム アルコ−ルから対応カルボニル化合物への酸化方法
JPH11226417A (ja) * 1998-02-18 1999-08-24 Daicel Chem Ind Ltd 酸化触媒系及びそれを用いた酸化方法
JP2003040826A (ja) * 2001-05-24 2003-02-13 Nikken Chem Co Ltd アリルアルコール類の酸化方法
JP2003002859A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Mitsubishi Chemicals Corp カルボニル化合物の製造方法
JP2004010568A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Mitsubishi Chemicals Corp ヒドロキシアルデヒド類の製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6016020607; Journal of Organic Chemistry Vol.52, 1987, P.4855-4859 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP6091516B2 (ja) 2017-03-08
CN103958451A (zh) 2014-07-30
ES2566377T3 (es) 2016-04-12
IN2014CN04686A (ja) 2015-09-18
EP2597081A1 (en) 2013-05-29
EP2782895A1 (en) 2014-10-01
EP2782895B1 (en) 2016-02-24
MX348373B (es) 2017-06-06
US20140323770A1 (en) 2014-10-30
CN103958451B (zh) 2016-03-02
MX2014005869A (es) 2014-06-23
US9000227B2 (en) 2015-04-07
WO2013076226A1 (en) 2013-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Murai et al. Efficient catalytic addition of aromatic carbon-hydrogen bonds to olefins
TWI310768B (en) New ruthenium complexes as (pre)catalysts for the metathesis reaction, 2-alkoxy-5-nitrostyrene derivatives as intermediates and the method of their manufacturing
Shen et al. Facile regio-and stereoselective hydrometalation of alkynes with a combination of carboxylic acids and group 10 transition metal complexes: selective hydrogenation of alkynes with formic acid
Skouta et al. Gold-catalyzed reactions of C–H bonds
US11753360B2 (en) Circular economy methods of preparing unsaturated compounds
CN104603095B (zh) 由异蒲勒醇制备薄荷酮的方法
Chung et al. Nickel (0)-catalyzed asymmetric cross-coupling reactions of allylic compounds with arylboronic acids
US9029605B2 (en) Method for preparing menthone from isopulegol
Scalambra et al. Isomerization of allylic alcohols in water catalyzed by transition metal complexes
Chung et al. Nickel (0)-catalysed asymmetric cross-coupling reactions of allylic compounds with Grignard reagents using optically active oxazolinylferrocenylphosphines as ligands
JP6091516B2 (ja) 3−置換2−アルケナール、特にプレナールの調製方法
Barros et al. Rhodium catalyzed hydroformylation of β-pinene and camphene: effect of phosphorous ligands and reaction conditions on diastereoselectivity
JP2014500237A (ja) ケトン、特に大環状ケトンを調製する方法
Kimura et al. Nickel-catalyzed reductive coupling of dienes and carbonyl compounds
Gaide et al. Isomerization/hydroformylation tandem reaction of a decene isomeric mixture with subsequent catalyst recycling in thermomorphic solvent systems
Wang et al. Rh‐Catalyzed Reaction of Propargylic Alcohols with Aryl Boronic Acids–Switch from β‐OH Elimination to Protodemetalation
Verspui et al. Selective hydroformylation of N-allylacetamide in an inverted aqueous two-phase catalytic system, enabling a short synthesis of melatoninCatalytic conversions in water, part 18.(Part 17: GJ ten Brink, IWCE Arends and RA Sheldon, Science, 2000, 287, 1636.) Experimental details are available as electronic supplementary information (ESI). See http://www. rsc. org/suppdata/cc/b0/b003715j
Mirza-Aghayan et al. Palladium catalyzed mild reduction of α, β-unsaturated compounds by triethylsilane
Salvini et al. Isomerization of olefins by phosphine-substituted ruthenium complexes and influence of an ‘additional gas’ on the reaction rate
Horváth et al. Stereoselective homogeneous catalytic hydrogenation of disubstituted alkynes in aqueous-organic biphasic media
KR100502605B1 (ko) 6-아미노카프로니트릴의 제조 방법
Li et al. Regio-and stereoselective synthesis of conjugated trienes from silaborated 1, 3-enynes
Fiaud et al. Palladium-catalyzed synthesis of substituted cyclopentadienes and indenes from allylic esters
JP5008800B2 (ja) イリジウム化合物を触媒とする酸化還元方法
Cho et al. Ruthenium-catalyzed oxidation of secondary alcohols assisted by a simple alkene

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160607

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161206

A524 Written submission of copy of amendment under article 19 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524

Effective date: 20161206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6091516

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees