JP2004010568A - ヒドロキシアルデヒド類の製造方法 - Google Patents

ヒドロキシアルデヒド類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有毒なガスを使用する必要のない、実施容易な新規なヒドロキシアルデヒド類の製造方法を提供すること。
【解決手段】反応器にて有機ホスフィン配位子を有するルテニウム錯体触媒を用いて多価アルコールを脱水素しヒドロキシアルデヒド類を製造する方法において、脱水素反応を液相中で行い、発生する気体を反応器から抜き出しながら脱水素することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はヒドロキシアルデヒド類の製造方法に関し、より詳細には多価アルコールを脱水素して、ヒドロキシアルデヒド類を製造する方法に関する。本発明の方法が適用される好適な例の一つとしては、1,4−ブタンジオールからの4−ヒドロキシブタナールの製造である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ヒドロキシアルデヒド類は、錯体触媒の存在下、アリルアルコールなどのヒドロホルミル化により製造されている(特開平6−166653号公報)。このヒドロキシアルデヒド類はジオール類などの有効中間体となるだけでなく、アミノアルコールなどその他有用物質へと転換可能であり(特開2001−48847号公報)、経済的に優位な製造技術の確立が求められてきた。
しかしながら、従来のアリルアルコールのヒドロホルミル化によるヒドロキシアルデヒド類の製造法では、有毒なオキソガスを使用するため、実施容易なヒドロキシアルデヒド類の製造法とは言い難い。
アリルアルコールなどのオレフィン部位を有するアルコール類のヒドロホルミル化以外に製造の有効な手段は見出されておらず、新規なヒドロキシアルデヒド類の製造法が求められてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有毒なガスを使用する必要のない、実施容易な新規なヒドロキシアルデヒド類の製造方法を提供することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ルテニウム錯体触媒を用いて、かつ反応器から反応器内に発生した気体を抜き出しながら脱水素することにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は下記(1)〜(10)に存する。
(1) 反応器にて有機ホスフィン配位子を有するルテニウム錯体触媒を用いて多価アルコールを脱水素しヒドロキシアルデヒド類を製造する方法において、脱水素反応を液相中で行い、発生する気体を反応器から抜き出しながら脱水素することを特徴とするヒドロキシアルデヒド類の製造方法。
【0005】
(2)該発生する気体が、少なくともヒドロキシアルデヒド類である上記(1)に記載の製造方法。
(3)反応器が反応蒸留塔であり、気体が蒸留塔の上部から抜き出される上記(1)又は(2)に記載の製造方法。
(4)該発生する気体がヒドロキシアルデヒド類及び水素であり、これを凝縮し、次いで発生水素とヒドロキシアルデヒド類を分離する上記(1)に記載の製造方法。
【0006】
(5)反応蒸留塔の塔頂圧力が1〜200mmHgである上記(3)又は(4)に記載の製造方法。
(6)反応蒸留塔の塔頂温度が150℃以下である上記(3)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)反応蒸留塔が理論段で5段以上である上記(3)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
【0007】
(8)有機ホスフィンが、トリアルキルホスフィンである上記(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法。
(9)多価アルコールが、少なくとも1級の水酸基を2個以上有する多価アルコールである上記(1)〜(8)のいずれかに記載の製造方法。
(10)多価アルコールが、1,4−ブタンジオールであり、ヒドロキシアルデヒドが4−ヒドロキシブタナールである上記(1)〜(9)のいずれかに記載の製造方法。
【0008】
(11)反応器から抜き出した気体から水素を分離した後に、その他の成分を蒸留により更に精製することを特徴とする上記(4)〜(10)のいずれかに記載の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のヒドロキシアルデヒド類の製造方法は、反応器にて有機ホスフィン配位子を有するルテニウム錯体触媒を用いて多価アルコールを脱水素しヒドロキシアルデヒド類を製造する方法において、脱水素反応を液相中で行い、発生する気体を反応器から抜き出しながら脱水素することを特徴とする。以下、詳細について説明する。
【0010】
<原料>
本発明において、原料とする多価アルコールとしては、水酸基を2個以上有するアルコールであれば特に限定されるものではなく、例えば、1級の水酸基を2個以上有する多価アルコール、1級の水酸基を2個以上有し、かつ2級の水酸基を有する多価アルコール等が挙げられる。好ましくは、少なくとも1級の水酸基を2個以上有する多価アルコールであり、特には、1級の水酸基を2個有するアルコール(ジオール類)が好ましい。
多価アルコールとしては、例えば炭素数が1〜50の飽和または不飽和の多価アルコールが挙げられ、特には炭素数1〜10の多価アルコールが好ましい。またこれらの多価アルコールは他の置換基を有していてもよい。
【0011】
特に分子内に含まれる任意の2つのヒドロキシル基が3〜6個の炭素鎖で結ばれたジオール類が好ましい。具体的には1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキシルジメチロール、1,3−シクロヘキシルジメチロール、1−ヒドロキシメチル−2−ヒドロキシエチルシクロヘキサン、1−ヒドロキシ−2−ヒドロキシプロピルシクロヘキサン、1−ヒドロキシル−2−ヒドロキシエチルシクロヘキサン、1,2−ベンジルジメチロール、1,3−ベンジルジメチロール、1−ヒドロキシメチル−2−ヒドロキシエチルベンゼン、1−ヒドロキシ−2−ヒドロキシプロピルベンゼン、1−ヒドロキシル−2−ヒドロキシエチルベンゼン等が好ましい。本発明においては、特に1,4−ブタンジオールが好ましい。
【0012】
<生成物>
本発明の製造方法により製造されるヒドロキシアルデヒド類としては、6−ヒドロキシヘキサナール、5−ヒドロキシペンタナール、4−ヒドロキシブタナール、3−ヒドロキシプロパナール、2−ヒドロキシエタナール等が挙げられ、好ましくは4−ヒドロキシブタナール、3−ヒドロキシプロパナール、2−ヒドロキシエタナールであり、特に好ましくは4−ヒドロキシブタナールである。
【0013】
<触媒>
本発明において、脱水素反応に使用する触媒は、有機ホスフィン配位子を有するルテニウム錯体触媒であり、有機ホスフィンとしては、少なくとも1つのアルキルを有するホスフィンが好ましく、より好ましくはリンの置換基が全てアルキルである有機ホスフィンである。
本発明において、有機ホスフィンは、単座、複座及び環状のいずれの有機ホスフィンであってもよい。
【0014】
尚、ホスフィンの置換基のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、通常炭素数1〜20の、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ベンジル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、ホスフィンの置換基のアリール基としては、通常炭素数6〜24の、好ましくは炭素数6〜12のアリールであり、例えばフェニル、ナフチル、トリル、キシリル等が挙げられる。
【0015】
有機ホスフィンが、単座の場合、例えば、以下の化合物が挙げられる。中でも、下記(iii)の3つのアルキル基を置換基として有する、トリアルキルホスフィン配位子が好ましい。
(i)1つのアルキル基と2つのアリール基を置換基として有する単座ホスフィン配位子:具体的には、ジフェニルメチルホスフィン、ジフェニルエチルホスフィン、ジフェニルプロピルホスフィン、ジフェニルブチルホスフィン、ジフェニルヘキシルホスフィン、ジフェニルオクチルホスフィン、ジフェニルベンジルホスフィン、ジトリルメチルホスフィン、ジトリルエチルホスフィン、ジトリルブチルホスフィン、ジ(フルオロフェニル)メチルホスフィン、ジ(クロロフェニル)メチルホスフィン、ジ(ブロモフェニル)メチルホスフィン、ジキシリルメチルホスフィン、ジ(メトキシフェニル)メチルホスフィン、ジ(ヒドロキシフェニル)メチルホスフィン、ジ(アミノフェニル)メチルホスフィン、ジナフチルメチルホスフィン、フェニルトリルメチルホスフィン等が挙げられる。
【0016】
(ii)2つのアルキル基と1つのアリール基を置換基として有する単座ホスフィン配位子:具体的には、ジメチルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジプロピルフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ジペンチルフェニルホスフィン、ジヘキシルフェニルホスフィン、ジオクチルフェニルホスフィン、ジベンジルフェニルホスフィン、ジメチルトリルホスフィン、ジエチルトリルホスフィン、ジブチルトリルホスフィン、ジオクチルトリルホスフィン、ジメチル(フルオロフェニル)ホスフィン、ジメチル(クロロフェニル)ホスフィン、ジメチル(ブロモフェニル)ホスフィン、ジメチルキシリルホスフィン、ジメチル(メトキシフェニル)ホスフィン、ジメチル(ヒドロキシフェニル)ホスフィン、ジメチル(アミノフェニル)ホスフィン、ジメチルナフチルホスフィン、メチルエチルフェニルホスフィン等が挙げられる。
【0017】
(iii)3つのアルキル基を置換基として有する単座ホスフィン配位子:具体的には、トリデシルホスフィン、トリノニルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリヘプチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリペンチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリメチルホスフィン、ジメチルオクチルホスフィン、ジオクチルメチルホスフィン、ジメチルヘプチルホスフィン、ジヘプチルメチルホスフィン、ジメチルヘキシルホスフィン、ジヘキシルメチルホスフィン、ジメチルペンチルホスフィン、ジペンチルメチルホスフィン、ジメチルブチルホスフィン、ジブチルメチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリベンジルホスフィン、ジメチルシクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシルメチルホスフィン等が挙げられる。
【0018】
また、有機ホスフィンが、2座の場合、下記構造式で表されるアルキル鎖の両端にリン原子が結合した有機ホスフィン配位子が挙げられる。
【0019】
【化1】
Figure 2004010568
【0020】
(式中、A、B、C及びDは、アリール基又はアルキル基を表し、Yはアルキル鎖を表す。)
【0021】
即ち、A、Bは2つともアリール基(同じでも異なってもよい)、2つともアルキル基(同じでも異なってもよい)、又は一方がアリール基で他方がアルキル基である。C、Dに関しても同様の構造をとる。
Yは、アルキル鎖を表し、炭素数は通常1〜8であり、好ましくは1〜4であり、最も好ましくは2である。アルキル鎖は置換基を有していても、分岐していてもよい。
2座の場合、例えば、以下の化合物が挙げられる。中でも、下記(iv)の各リン原子の2つの置換基の両方がアルキルであるホスフィン配位子が好ましい。
【0022】
(iv)各リン原子の2つの置換基の両方がアルキルである2座のホスフィン配位子:具体的には、1、2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1、3−ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、1、4−ビス(ジメチルホスフィノ)ブタン、1、2−ビス(ジオクチルホスフィノ)エタン、1、3−ビス(ジオクチルホスフィノ)プロパン、1、4−ビス(ジオクチルホスフィノ)ブタン、1、2−ビス(ジヘキシルホスフィノ)エタン、1、3−ビス(ジヘキシルホスフィノ)プロパン、1、4−ビス(ジヘキシルホスフィノ)ブタン、1、2−ビス(ジブチルホスフィノ)エタン、1、3−ビス(ジブチルホスフィノ)プロパン、1、4−ビス(ジブチルホスフィノ)ブタン等が挙げられる。
【0023】
(v)各リン原子の2つの置換基の両方がアリール、若しくは、一つのリン原子に対して一方がアルキルでかつ他方がアリールである2座のホスフィン配位子:具体的には、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1‘−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,2−ビス(ジトリルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフルオロフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジクロロフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジブロモフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジナフチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジメトキシフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジヒドロキシフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジアミノフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(メチルフェニルホスフィノ)エタン、1、2−ビス(エチルフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ブチルフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(シクロヘキシルフェニルホスフィノ)エタン、ビス(メチルフェニルホスフィノ)メタン、1、3−(メチルフェニルホスフィノ)プロパン等が挙げられる。
【0024】
上記した有機ホスフィンの内、(iii)及び(iv)のホスフィンが好ましく、特には1級のアルキル基を持つトリアルキルホスフィン(単座の場合)、及び1級のアルキル基を持つ各リン原子の2つの置換基の両方がアルキルである2座のホスフィン配位子が好ましく、さらに好ましくはトリオクチルホスフィンである。
本発明で使用する触媒中の、ホスフィン配位子のアルキル基はノルマル体、イソ体、及びその混合物でも差し支えない。
【0025】
尚、これらホスフィンの置換基のアルキル基、アリール基、及び、アルキル鎖は、更に置換基を有していてもよく、例えばハロゲン原子(塩素、臭素、フッ素等)、アミノ基、アルコキシル基(好ましくは炭素数1〜10)、ヒドロキシル基、等が挙げられる。
【0026】
本発明で用いるルテニウム錯体触媒のルテニウムの供給形態としては、金属及び化合物のいずれもが可能である。ルテニウム化合物として酸化物、水酸化物、無機酸塩、有機酸塩、あるいは錯化合物等が使用される。
【0027】
具体的には二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、水酸化ルテニウム、三塩化ルテニウム、三臭化ルテニウム、三沃化ルテニウム、硝酸ルテニウム、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ルテニウム、ジメチルブタジエンアセチルアセトナトルテニウム、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ルテニウム、ヘキサクロロルテニウム酸ナトリウム、テトラカルボニルルテニウム酸ジカリウム、ペンタカルボニルルテニウム、シクロペンタジエニルジカルボニルルテニウム、ジブロモトリカルボニルルテニウム、テトラ(トリメチルホスフィン)ジヒドリドルテニウム、ビス(トリ−n−ブチルホスフィン)トリカルボニルルテニウム、テトラヒドリドデカカルボニルテトラルテニウム、ドデカカルボニルトリルテニウム、オクタデカカルボニルヘキサルテニウム酸ジセシウム、ウンデカカルボニルヒドリドトリルテニウム酸テトラフェニルホスフォニウム、ジメチルブタジエンアセチルアセトナトルテニウム等が挙げられ、特に好ましくは、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ルテニウム、ジメチルブタジエンアセチルアセトナトルテニウムである。
【0028】
本発明で使用され得るルテニウム錯体触媒は以下の通りである。
(i)1つのアルキル基と2つのアリール基を置換基として有する単座ホスフィン配位子を有するルテニウム錯体としては、具体的には、ビス(アセチルアセトナト)ビス(ジフェニルメチルホスフィン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(ジフェニルエチルホスフィン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(ジフェニルブチルホスフィン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(ジフェニルオクチルホスフィン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(ジナフチルメチルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(ジフェニルメチルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(ジフェニルエチルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(ジフェニルブチルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(ジフェニルオクチルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(ジナフチルメチルホスフィン)ルテニウム等が挙げられる。
【0029】
また、(ii)2つのアルキル基と1つのアリール基を置換基として有する単座ホスフィン配位子を有するルテニウム錯体としては、具体的に、ビス(アセチルアセトナト)ビス(ジメチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(ジエチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(ジブチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(ジオクチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(ジメチルナフチルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(ジメチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(ジエチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(ジブチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(ジオクチルフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(ジメチルナフチルホスフィン)ルテニウム等が挙げられる。
【0030】
(iii)3つのアルキル基を置換基として有する単座ホスフィン配位子を有するルテニウム錯体としては、具体的に、ビス(アセチルアセトナト)ビス(トリメチルホスフィン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(トリエチルホスフィン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(トリプロピルホスフィン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(トリブチルホスフィン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(トリヘキシルホスフィン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(トリオクチルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(トリメチルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(トリエチルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(トリプロピルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(トリブチルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(トリヘキシルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(トリオクチルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(トリデカニルホスフィン)ルテニウム等が挙げられる。
【0031】
(iv)各リン原子の2つの置換基の両方がアルキルである2座のホスフィン配位子を有するルテニウム錯体としては、具体的に、ビス(アセチルアセトナト)ジメチルホスフィノエタンルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ジエチルホスフィノエタンルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ジブチルホスフィノエタンルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)ジオクチルホスフィノエタンルテニウム、ジヒドリドビス(ジメチルホスフィノエタン)ルテニウム、ジヒドリドビス(ジエチルホスフィノエタン)ルテニウム、ジヒドリドビス(ジブチルホスフィノエタン)ルテニウム、ジヒドリドビス(ジオクチルホスフィノエタン)ルテニウムなどが挙げられる。
【0032】
(v)各リン原子の2つの置換基の両方がアリール、若しくは、一つのリン原子に対して一方がアルキルでかつ他方がアリールである2座のホスフィン配位子を有するルテニウム錯体としては、具体的に、ビス(アセチルアセトナト)(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ルテニウム、ビス(アセチルアセトナト)(1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)ルテニウム、ジヒドリド(ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン)ルテニウム、ジヒドリド(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ルテニウム、ジヒドリド(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ルテニウム、ジヒドリド(1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン)ルテニウム等が挙げられる。
【0033】
これらのルテニウム金属及び/又はルテニウム金属化合物の使用量は、反応液中の濃度が反応溶液中のルテニウム金属として好ましくは0.001〜10.0重量%、より好ましくは0.01〜3.0重量%となる量である。
【0034】
本発明の方法に使用される、ホスフィン配位子を有するルテニウム触媒は、予め合成し、単離、精製して用いてもよいし、調製液をそのまま(単離、精製せずに)用いてもよいし、その前駆体をそれぞれ単独に反応系(即ち、原料であるアルコール)に添加して、反応系内で触媒を調製して使用してもよい。尚、予め触媒を合成する場合には、リン化合物をルテニウムよりも過剰に用いた方が、効率よく触媒を生成させることができる。
【0035】
予め合成する方法としては、ルテニウム化合物と有機ホスフィンとを、ルテニウム化合物に対して有機ホスフィンを混合し、水素雰囲気下で加熱下反応させてルテニウム錯体触媒を得る。
ルテニウム化合物と有機ホスフィンとの混合比は、好ましくはルテニウム化合物に対して有機ホスフィンを通常1モル当量以上、より好ましくは2モル当量以上、最も好ましくは3モル当量以上であり、通常10モル当量以下、好ましくは8モル当量以下である。ルテニウム化合物に対して有機ホスフィンの量が少なすぎると触媒の安定化を行うのに不足し、触媒がルテニウム金属として析出するために反応が停止してしまう傾向があり、また逆に多すぎると高価な有機ホスフィンを必要量以上に使用することとなり、経済的に不利となる。
【0036】
より詳細には、本発明において、ルテニウム化合物と有機ホスフィンとを混合し、水素雰囲気下で加熱下反応させてルテニウム錯体触媒を得る方法では、ルテニウム化合物と有機ホスフィンを混合し、水素雰囲気下あるいは加圧下、溶媒中あるいは溶媒非存在下で、加熱攪拌することにより合成することができる。
水素圧力は0.1MPa〜5MPaが好ましく、さらに好ましくは0.2MPa〜0.9MPaである。また反応温度は50〜250℃が好ましく、さらに好ましくは100〜200℃、特に好ましくは130℃〜170℃、最も好ましくは140〜160℃である。
【0037】
<脱水素反応>
本発明のルテニウム錯体触媒を用いてヒドロキシアルデヒド類を製造する方法は液相中で脱水素を行い、少なくとも生成したヒドロキシアルデヒド類を軽沸点成分としてガスとして反応器より抜き出す。この際、通常は生成したヒドロキシアルデヒド類は水素と共に抜き出されるがこれに限定されるものではない。
しかしながら、ヒドロキシアルデヒド類はエステル類へと更に脱水素される中間体である。そのため目的生成物であるヒドロキシアルデヒド類は、該ヒドロキシアルデヒド類が更に脱水素されたエステル類との混合液として通常反応器上部より抜き出される。該エステル類はラクトン類が好ましく、具体的にはガンマブチロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトンなどが挙げられ、好ましくはガンマブチロラクトンである。
【0038】
本発明において脱水素反応は、溶媒の存在なしに、すなわち反応原料及び生成物(上記エステルを含む)そのものを溶媒として実施することが好ましいが、その他の溶媒を使用することもできる。
【0039】
使用し得るその他の溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサンのエーテル類、酢酸メチル、酢酸ブチル、安息香酸ベンジルなどのエステル類、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭素、n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のカルボン酸アミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドその他のアミド類、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等の尿素類、ジメチルスルホン等のスルホン類、ジメチルスルフォキシド等のスルフォキシド類、テトラグライム、トリグライム等のポリエーテル類、及び、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート等の炭酸エステル類等が挙げられ、好ましくはエーテル類及びポリエーテル類である。
【0040】
また、脱水素反応は、水素、メタン、エタン、ブタン等の炭化水素ガス、及び、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガス等の存在下で行うことができる。
【0041】
本発明のルテニウム錯体触媒を用いてヒドロキシアルデヒド類を製造する際の反応温度は通常20〜220℃、好ましくは100〜200℃、さらに好ましくは120〜180℃である。
本発明における脱水素反応は、常圧下あるいは減圧下で反応は進行するが、ガスとしてヒドロキシアルデヒド類を抜き出しやすくするために、好ましくは減圧下であり、より好ましくは絶対圧10〜760mmHgであり、特に好ましくは絶対圧10〜100mmHgである。
【0042】
本発明において、反応器は反応蒸留塔であるのが好ましく、発生した気体は蒸留塔の上部から抜き出されるのが好ましい。
反応蒸留塔の塔頂圧力は1〜200mmHgが好ましく、更に好ましくは1〜100mmHgであり、特に好ましくは1〜40mmHgである。
また塔頂温度は、より低温度となることが好ましく、好ましくは150℃以下であり、更に好ましくは120℃以下であり、特に好ましくは100℃以下である。また塔頂冷却コスト、凍結防止の観点から、5℃以上であることが好ましい。
【0043】
塔頂から抜き出される精製4−ヒドロキシブタナール等のヒドロキシアルデヒド類の塔内での高沸化抑制の観点から、塔内での反応時間をできる限り低減化することが好ましく、アルデヒド類及びヘミアセタール類の塔内滞留時間に影響を与える還流比は低い方がよい。
【0044】
また、塔頂留出液量はある程度抑制し、エステル類の混入を抑制することがアルデヒド類及びヘミアセタール類の濃度のより精製されたヒドロキシアルデヒド類を得るのに有効である。
本発明において規定する蒸留塔物質収支は、単位時間当たりの導入流量重量を100とした場合に、単位時間当たりの塔頂留出流量を1〜50、好ましくは10〜50とし、塔底からの単位時間当たりのエステル類抜き出し流量を99〜50とすることが好ましい。
【0045】
蒸留塔は充填塔、棚段塔のいずれもが使用可能であるが、多段蒸留であることが好ましく、エステル類の濃度のより低減化されたヒドロキシアルデヒド類を得るという観点から、蒸留塔理論段で5段以上であることが好ましく、更に好ましくは10〜40段である。
40段以上の蒸留塔は蒸留塔建設のための経済性、及び運転、安全管理のため好ましくない。
本反応は回分方式および連続方式のいずれでも実施することができる。
【0046】
<生成物の更なる精製>
上記の通り得られたヒドロキシアルデヒド類は、蒸留により更に高濃度なヒドロキシアルデヒド類へと精製が可能である。
即ち、反応器から抜き出した気体を凝縮し、水素と、ヒドロキシアルデヒド類を含む他の成分とに分離させ、次いで水素以外の他の成分を蒸留により更に精製する。
上記ヒドロキシアルデヒド類の更なる精製蒸留は、ヒドロキシアルデヒド類を塔頂から留出させ、蒸留塔の塔底からエステル類を抜き出す。該ヒドロキシアルデヒド類はエステル類よりも軽沸成分であることから、導入部から塔頂に対して移動するため、エステル類の抜き出し口は、塔頂部から外れた位置が好ましく、本発明においては蒸留塔の塔頂部よりも下段に位置する側流抜き出し口及び/又は塔底抜き出し口から抜き出すことが好ましい。
【0047】
本発明において、ヒドロキシアルデヒド類を更に精製する蒸留塔は、圧力は任意であるが、減圧蒸留塔が好ましく、塔頂圧力は1〜200mmHgが好ましく、更に好ましくは1〜100mmHgであり、特に好ましくは1〜40mmHgである。
また塔頂温度は、より低温度となることが好ましく、好ましくは150℃以下であり、更に好ましくは120℃以下であり、特に好ましくは100℃以下である。また塔頂冷却コスト、凍結防止の観点から、5℃以上であることが好ましい。
【0048】
塔頂から抜き出される精製4−ヒドロキシブタナール等のヒドロキシアルデヒド類の塔内での高沸化抑制の観点から、塔内での反応時間をできる限り低減化することが好ましく、アルデヒド類及びヘミアセタール類の塔内滞留時間に影響を与える還流比は低い方がよい。
好ましくは還流比0.5〜100であり、特に好ましくは0.5〜30である。また、塔頂留出液量はある程度抑制し、エステル類の混入を抑制することがアルデヒド類及びヘミアセタール類の濃度のより精製されたヒドロキシアルデヒド類を得るのに有効である。
【0049】
本発明において規定する蒸留塔物質収支は、単位時間当たりの導入流量重量を100とした場合に、単位時間当たりの塔頂留出流量を1〜30、好ましくは10〜30とし、塔底からの単位時間当たりのエステル類抜き出し流量を90〜60とすることが好ましい。
【0050】
蒸留塔は充填塔、棚段塔のいずれもが使用可能であるが、多段蒸留であることが好ましく、エステル類の濃度のより低減化されたヒドロキシアルデヒド類を得るという観点から、蒸留塔理論段で5段以上であることが好ましく、更に好ましくは10〜40段である。
40段以上の蒸留塔は蒸留塔建設のための経済性、及び運転、安全管理のため好ましくない。また蒸留塔に導入する際の温度も低温度であることが好ましく、120℃以下が好適であり、更に好ましくは100℃以下である。
【0051】
上記の更なる精製により、エステル類を効率よく除去して、エステル類の低減化されたヒドロキシアルデヒド類を精製することができる。具体的には、純度70%以上のヒドロキシアルデヒド類の製造が可能である。
【0052】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
<触媒の調製>
容積70mLのSUS製オートクレーブにトリス(アセチルアセトナト)ルテニウム0.50g、2モル倍のトリオクチルホスフィン1.1mL、及びトルエン20mLを導入した。水素圧0.8MPaで水素ガスを導入しながら、150℃で3時間加熱した。反応液を抜き出し、トルエンを減圧留去して得られた生成物の31P−NMR(C)を測定した。トリオクチルホスフィンのシグナルは観測されず、ビス(アセチルアセトナト)ビス(トリオクチルホスフィン)ルテニウムのみが観察された。これをアルミナカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン)で精製し、オレンジ色油状物としてcis−ビス(アセチルアセトナト)ビス(トリオクチルホスフィン)ルテニウム0.24gを得た。なお、構造はX線構造解析により決定した。
H−NMR(C)δppm:0.96(t,J=6.4Hz,18H)、1.20〜2.20(m,84H)、1.91(s,6H)、2.08(s,6H)、5.41(s,2H)。
【0053】
次に1、4−ブタンジオール60重量%、ガンマブチロラクトン38重量%、上記方法で調製した触媒を2重量%含む液を、30段のガラス製オルダーショウ蒸留塔に、塔頂から数えて10段目から100g/hrで導入し、塔頂圧力を40mmHg、還流比を1.45とし、また導入部の内温を125℃に保ち、連続運転を行った。
塔頂から80g/hrの低沸点成分を抜き出し、塔底から20g/hrで高沸点成分を抜き出した。このとき、塔頂温度は110.6℃、反応液を導入した塔頂から10段目の温度は115.3℃、塔底温度は140.1℃であった。
塔頂から抜き出した気体を凝縮し、水素と生成物とに分離した後、生成物の組成を調べたところ、4−ヒドロキシブタナール18重量%、ガンマブチロラクトン82重量%からなる混合液であった。
【0054】
実施例2
実施例1の、塔頂から抜き出して得た水素以外の生成物を用いて、10段のガラス製オルダーショウ蒸留塔に、塔頂から数えて1段目から100g/hrで導入し、塔頂圧力を10mmHg、還流比を0.93とし、また導入部の内温を25℃に保ち、連続運転を行った。
塔頂から20g/hrで低沸点成分を抜き出し、塔底から80g/hrで高沸点成分を抜き出した。このとき、塔頂温度は77.9℃、塔底温度は100.7℃であった。
塔頂から抜き出した気体を凝縮し得られた生成物の組成を調べたところ、ガンマブチロラクトンを29重量%含む、4−ヒドロキシブタナール純度71%の4−ヒドロキシブタナールであった。一方、蒸留塔塔底から得られた残留液組成は4−ヒドロキシブタナールを0.03重量%含む、純度99.97重量%のガンマブチロラクトンであった。
【0055】
比較例1
攪拌器、冷却管、温度測定装置、サンプリング口を設置した300mlの四つ口フラスコ中に、1,4−ブタンジオール68.3質量%、ガンマブチロラクトン29.8重量%、上記方法で調製した触媒を1.9重量%含む液を加え、205℃まで加熱昇温し6時間加熱攪拌した。その結果、4−ヒドロキシブタナール0.06重量%、ガンマブチロラクトン93.2重量%などからなる混合液が得られた。即ち、ヒドロキシアルデヒド類を殆ど製造することができなかった。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、有毒なガスを使用する必要がなく、実施容易にヒドロキシアルデヒド類を製造することができる。

Claims (11)

  1. 反応器にて有機ホスフィン配位子を有するルテニウム錯体触媒を用いて多価アルコールを脱水素しヒドロキシアルデヒド類を製造する方法において、脱水素反応を液相中で行い、発生する気体を反応器から抜き出しながら脱水素することを特徴とするヒドロキシアルデヒド類の製造方法。
  2. 該発生する気体が、少なくともヒドロキシアルデヒド類である請求項1に記載の製造方法。
  3. 反応器が反応蒸留塔であり、気体が蒸留塔の上部から抜き出される請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 該発生する気体がヒドロキシアルデヒド類及び水素であり、これを凝縮し、次いで発生水素とヒドロキシアルデヒド類を分離する請求項1に記載の製造方法。
  5. 反応蒸留塔の塔頂圧力が1〜200mmHgである請求項3又は4に記載の製造方法。
  6. 反応蒸留塔の塔頂温度が150℃以下である請求項3〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 反応蒸留塔が理論段で5段以上である請求項3〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 有機ホスフィンが、トリアルキルホスフィンである請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 多価アルコールが、少なくとも1級の水酸基を2個以上有する多価アルコールである請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 多価アルコールが、1,4−ブタンジオールであり、ヒドロキシアルデヒドが4−ヒドロキシブタナールである請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 反応器から抜き出した気体から水素を分離した後に、その他の成分を蒸留により更に精製することを特徴とする請求項4〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
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