JP2015500760A - ペダル値信号発生装置 - Google Patents

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Abstract

出発位置と終端位置との間で旋回可能なアクセルペダル(2)と、アクセルペダル(2)用の支持部(9)と、アクセルペダル(2)を出発位置に動かすために、出発位置に向かう戻し力をアクセルペダル(2)に及ぼす、少なくとも1つの弾性要素(11)、特にばね(12)と、アクセルペダル(2)に摩擦ヒステリシスを発生させる装置(4)であって、摩擦ヒステリシス発生装置(4)は、好適には横断面が円セグメント状の第1の摩擦面(6)を有する第1の摩擦要素(5)と、横断面が円セグメント状の第2の摩擦面(8)を有する、アクセルペダル(2)と機械的に作用結合している可動の第2の摩擦要素(7)とを有し、第1の摩擦面(6)と第2の摩擦面(8)とは、重なり合って位置し、第1の摩擦面(6)と第2の摩擦面(8)との間の相対運動に基づいて摩擦力が発生可能である、摩擦ヒステリシス発生装置(4)と、を備える、自動車(22)用のペダル値信号発生装置であって、第1の摩擦面(6)は、特に終端位置に向かう第2の摩擦要素(7)の回動方向に関して、第2の摩擦要素(7)の旋回軸線(19)に対して増加する間隔を有し、第2の摩擦要素(7)の旋回軸線(19)に対する第1の摩擦面(6)の間隔が大きいほど、第1の摩擦面(6)の発生可能な面積単位あたりの摩擦力が一層大きい。

Description

本発明は、請求項1の上位概念部に記載のペダル値信号発生装置に関する。
背景技術
自動車では、原動機、例えば内燃機関及び/又は電気モータの出力を制御するために、電子スロットル制御システムがますます多く使用されつつある。この場合、運転手の足により、アクセルペダル又はスロットルペダルとしてのペダルが回動軸線を中心に旋回(回動)させられ、ペダルの回動角度がセンサにより検知される。センサにより検知されたペダルの位置に応じて、原動機の出力が閉ループ制御及び/又は開ループ制御される。能動的なアクセルペダルの場合、モータユニットからアクセルペダルに追加的な戻し力が及ぼされるので、自動車の走行支援システムにより運転手の足に感覚的に行動要求を伝達することができる。
アクセルペダルの位置を検知するセンサを備えるペダル値信号発生装置では、ペダル値信号発生装置を電子スロットル制御システムに使用することができ、ペダル値信号発生装置は、アクセルペダルに摩擦ヒステリシスを発生させる装置を備える。アクセルペダルの運動時の快適性を高めるために、この装置は、出発位置と終端位置との間のペダル行程に力もしくは摩擦ヒステリシスを発生させる。これによりアクセルペダルを作動させるために必要な力は、アクセルペダルから自動車の内燃機関のスロットル機構、例えばスロットルバルブに力を伝達するための機械式の伝達手段、例えばボーデンケーブルを備え、電子スロットル制御システムを有しない従来慣用の自動車におけるアクセルペダルを作動させるために必要な力に一致する。従って、ペダル値信号発生装置は、機械式の伝達手段によって慣らされた感覚もしくはアクセルペダルを作動もしくは運動させるために必要な力を引き続き提供する。
独国特許出願公開第10258286号明細書には、駆動機、特に自動車の内燃機関の出力を制御するアクセルペダルモジュールが開示されている。このアクセルペダルモジュールは、旋回結合部により支持台に旋回軸線を中心に回動可能に支持されたペダルレバーを備える。ペダルレバーは、少なくとも1つのペダルレバーストッパでもって、ペダルレバーに対応して配置された支持台に当接可能である。この場合、ペダルレバーストッパ及び/又は支持台の領域に所定の弾性が設けられている。この弾性は、旋回軸線を中心に行われるペダルレバーと支持台との間の相対運動中に、旋回結合部を形成するために、ペダルレバーストッパが、弾性変形に起因して支持台ストッパの傍を通過して案内され、戻しばね作用に基づいて支持台ストッパに後方から係合するような弾性である。この場合、ペダルレバーに対する、支持台における支持面は、円筒形に形成されている。
独国特許出願公開第19536699号には、駆動機の出力を制御するアクセルペダルモジュールが開示されている。このアクセルペダルモジュールは、支持箇所を介して保持構造体に支持されて、旋回軸線を中心として所定の旋回角度にわたって旋回可能なペダルレバーを備える。このアクセルペダルモジュールには、ペダルレバーの位置を検知して相応の信号を制御装置に供給するセンサ、及び、ペダルレバーを静止位置に戻す戻しばね装置が設けられている。支持箇所に、支持半径を有する少なくとも1つの支持シェル、及び、支持半径に適合されて支持シェル内に支持された少なくとも1つの支持ピンが設けられており、この場合、支持半径は、ペダルレバーの旋回運動を阻止するはっきりと目立つ摩擦ヒステリシスが生じるような大きさに寸法設定されている。
発明の開示
発明の利点
本発明によれば、出発位置と終端位置との間で旋回可能なアクセルペダルと、アクセルペダル2用の支持部と、アクセルペダルを出発位置に動かすために、出発位置に向かう戻し力をアクセルペダルに及ぼす、少なくとも1つの弾性要素、特にばねと、アクセルペダルに摩擦ヒステリシスを発生させる装置であって、摩擦ヒステリシス発生装置は、好適には横断面が円セグメント状の第1の摩擦面を有する第1の摩擦要素と、横断面が円セグメント状の第2の摩擦面を有する、アクセルペダルと機械的に作用結合している可動の第2の摩擦要素とを有し、第1の摩擦面と第2の摩擦面とは、重なり合って位置し、第1の摩擦面と第2の摩擦面との間の相対運動に基づいて摩擦力が発生可能である、摩擦ヒステリシス発生装置と、を備える、自動車用のペダル値信号発生装置であって、第1の摩擦面は、特に終端位置に向かう第2の摩擦要素の回動方向に関して、第2の摩擦要素の旋回軸線に対して増加する間隔を有し、第2の摩擦要素の旋回軸線に対する第1の摩擦面の間隔が大きいほど、第1の摩擦面の発生可能な面積単位あたりの摩擦力が一層大きい。
従って、第1の摩擦面は、好適には部分円筒形状に、特に支持シェルとして構成されており、第2の摩擦面は、同様に部分円筒形状に、特に支持シェルとして構成されている。これらの両摩擦面は重なり合って位置し、これにより両摩擦面の間の相対運動時に摩擦力を発生させる。第1の摩擦面は、第2の摩擦要素の旋回軸線に対して増加する間隔を有するので、出発位置から終端位置へのアクセルペダルの運動時における第2の摩擦要素の運動もしくは旋回運動時に、両摩擦面の間の押圧力は、第1の摩擦要素及び/又は第2の摩擦要素の弾性変形に基づいて増加し、これにより、第2の摩擦要素の旋回軸線に対する第1の摩擦面の間隔が大きいほど、つまり第1の摩擦面において、第2の摩擦面から第1の摩擦面に及ぼされる押圧力が大きいほど、第1の摩擦面の発生可能な面積単位あたりの摩擦力は一層大きい。これにより、装置により発生可能な全ての摩擦力は、第1の摩擦面と第2の摩擦面との間の接触面積に対して正比例しておらず、第1の摩擦面と第2の摩擦面との間の増加する間隔及びこれに起因する増加する押圧力に基づいて、総じて発生可能な摩擦力は、第1の摩擦面と第2の摩擦面との間の接触面積に対して比例関係を超えて増加する、つまり、出発位置から終端位置へのアクセルペダルの回動運動時に、アクセルペダルの回動角度に応じた、発生可能な摩擦力の比例関係を超えた上昇が実施可能である。
追加的な態様では、摩擦面は、第1の部分と第2の部分とを備え、第1の部分は、横断面が円セグメント状に形成されていて、第2の摩擦要素の旋回軸線に対して一定の間隔を有し、第2の部分は、第2の摩擦要素の旋回軸線に対して増加する間隔を有し、かつ/又は、第1の摩擦面6の第1の部分及び/又は第2の摩擦面は、相互に同心に方向付けされており、かつ/又は、第2の摩擦要素の旋回軸線に対する第1の摩擦面の最大間隔は、第2の摩擦要素の旋回軸線に対する第1摩擦面の最小間隔よりも少なくとも0.1%、1%、3%、5%又は10%だけ大きい、かつ/又は、アクセルペダルは、旋回軸線を中心に旋回可能であり、アクセルペダル2の旋回軸線は、第2の摩擦要素の旋回軸線に一致する。第1の摩擦面は、第1の部分と第2の部分とに分けられている。第1の部分では、第1の摩擦面は、横断面が円セグメント状もしくは部分円筒形状に形成されているので、第1の摩擦面に発生可能な摩擦力は、第2の摩擦面と第1の摩擦面との間の接触面積に対して正比例している。なぜならば、第1の摩擦面の第1の部分において、第2の摩擦面と第1の摩擦面との間の押圧力が略一定であるからである。第1の摩擦面の第2の部分では、第2の摩擦要素の回転軸線に対する間隔が増加するので、第2の部分に、第2の摩擦面と第1の摩擦面との間に異なる大きさの押圧力が存在する。従って、第2の部分における押圧力は、第1の部分における押圧力よりも大きい。これにより、第2の部分において、第1の摩擦面と第2の摩擦面との間の接触面積の面積単位あたり、第1の部分よりも大きな単位面積あたり摩擦力を発生させることができる。この摩擦力は、更に、第1の部分における摩擦力よりも大きい。
好適には、第1の摩擦面の第1の部分及び第2の摩擦面は、相互に同軸に方向付けされており、特に円セグメント状の第1の摩擦面の円の中心点は、円セグメント状の第2の摩擦面の円の中心点に一致する。アクセルペダルに第2の摩擦要素を形成する場合、第2の摩擦要素の旋回軸線は、アクセルペダルの旋回軸線に一致するので、アクセルペダルと第2の摩擦要素とを結合するために機構は必要とされない。これにより、ペダル値信号発生装置は、構造的に特に簡単に構成することができる。
補足的な態様によれば、第2の摩擦要素の第1の回動角度範囲では、第2の摩擦面は、第1の摩擦面の第1の部分にだけ接触しており、出発位置から終端位置へのアクセルペダルの運動時に、摩擦力は、第1の摩擦面と第2の摩擦面との間の接触面積に対して比例して増加する、又は、摩擦力は、接触面積が一定の場合、一定である。第1の摩擦面は、第1の部分と第2の部分とを備えるので、第2の摩擦要素もしくはアクセルペダルの第1の回動角度範囲では、第2の部分に対する第2の摩擦面の接触が形成されないので、第1の摩擦面に、第2の摩擦面は、第1の摩擦面の第1の部分だけに載設し、これにより、第1の摩擦面と第2の摩擦面との間に一定の押圧力が存在する。これにより、発生可能な摩擦力も第1の摩擦面と第2の摩擦面との間の接触面積に対して比例している。従って、出発位置から終端位置へのアクセルペダルの運動時に、第1の回動角度範囲において、装置により発生可能な摩擦力は、接触面積に対して比例して、ひいてはアクセルペダルの回動角度に対しても比例して増加する、又は、第1の摩擦面と第2の摩擦面との間の接触面積が一定の場合、一定である。これに依存せずに、一般的に、出発位置から終端位置にアクセルペダルを運動させるために必要な力は増加する。なぜならば、弾性要素からアクセルペダルに向けて及ぼされる増加する力を上回らなければならないからである。
追加的な態様によれば、第2の摩擦要素の第2の回動角度範囲では、第2の摩擦面は、第2の部分及び好適には第1の摩擦面の第1の部分に接触しており、出発位置から終端位置へのアクセルペダルの運動時に、摩擦力は、第1の摩擦面と第2の摩擦面との間の接触面積に対して比例関係を超えて増加し、好適には第2の回動角度範囲は、アクセルペダルの終端位置を含み、好適には第1の回動角度範囲は、アクセルペダル2の出発位置を含む。第2の回動角度範囲では、第2の摩擦面と第1の摩擦面の第2の部分との間の接触が生じるので、これにより、第1の摩擦面の第2の部分に、第1の摩擦面の第1の部分よりも大きな押圧力が存在する。これにより、第1の摩擦面の第2の部分に、第1の摩擦面よりも大きな面積単位あたりの摩擦力を発生させることができ、増加する間隔に基づいて、この摩擦力は、終端位置に向かうアクセルペダルもしくは第2の摩擦面の運動時にも増加する。つまり、略接線方向で第1の摩擦面の第2の部分に押圧力が増加し、これにより、発生可能な面積単位あたりの摩擦力も増加する。これにより、ペダル値信号発生装置により第2の回動角度範囲に、摩擦力の比例関係を超えた上昇が提供される、つまり、第2の回動角度範囲における摩擦力は、第1の回動角度範囲における出発位置から終端位置へのアクセルペダルの運動時よりも強く増加する。
追加的な変化態様によれば、アクセルペダルの出発位置では、アクセルペダルは、ゼロの回動角度を有し、アクセルペダルの終端位置では、アクセルペダルは、最大の回動角度を有し、第1の回動角度範囲では、アクセルペダルの回動角度は、第2の回動角度範囲における回動角度よりも小さい、かつ/又は、第2の回動角度範囲の2つの境界角度の間のアクセルペダルの回動角度は、最大回動角度の90%、70%、50%、30%、20%、10%又は5%より小さい。第2の境界角度は、第2の回動角度範囲の終端角度である。
従って、第1の回動角度範囲は、出発位置から、第1の回動角度範囲と第2の回動角度範囲との間の所定の角度、つまり第2の回動角度範囲の第1の境界角度に向かうアクセルペダルの角度範囲であり、第2の回動角度範囲は、第1の回動角度範囲と第2の回動角度範囲との間の所定の回動角度と、第2の回動角度範囲の第2の境界角度としてのアクセルペダルの終端位置との間の角度範囲である。これにより、摩擦力の比例関係を超えた増加は、出発位置と終端位置との間のアクセルペダルの運動時に、終端位置の直前ではじめて生じる。
別の態様によれば、第2の摩擦要素の旋回軸線に対して増加する間隔を有する第1の摩擦面は、特に第1の摩擦面の第2の部分で、第2の摩擦要素の旋回軸線に対して漸増する間隔を有する。従って、間隔が漸増する場合、第1の摩擦面の第2の部分における第1の摩擦面と第2の摩擦面との間の押圧力は、終端位置に向けて漸増する。
補足的な態様によれば、第2の摩擦要素の旋回軸線に対して増加する間隔を有する第1の摩擦面は、特に第1の摩擦面の第2の部分で、平らな傾斜部として構成されている。
追加的な態様によれば、第2の摩擦要素の旋回軸線に対して増加する間隔を有する第1の摩擦面は、特に第1の摩擦面の第2の部分で、凸状又は凹状の面として構成されている。従って、第1の摩擦面の第2の部分の様々な幾何学形状により、ペダル値信号発生装置の第2の回動角度範囲における摩擦力の様々な比例関係を超えた増加を提供することができる。
好適には、第1及び第2の摩擦面は、アクセルペダルの支持部を形成している。従って、好適には、ペダル値信号発生装置は、アクセルペダル用の別個の支持部を必要とせず、特に、第1及び第2の摩擦面が円筒形状の構成もしくは部分円筒形状の構成に基づいて支持幾何学形状を形成する、もしくは支持シェルとして構成することができることにより、第1及び第2の摩擦面がアクセルペダル用の支持部を形成する。
補足的な態様によれば、ペダル値信号発生装置は、保持構造体、特に支持台を備え、第1の摩擦要素は、保持構造体に特に一体的に形成されている。
追加的な態様によれば、保持構造体及び/又は第1の摩擦要素は、少なくとも部分的に、特に完全に、好適には熱可塑性プラスチックから成っている。従って保持構造体は、熱可塑性プラスチックから、熱可塑性プラスチックを用いた射出成形により特に簡単かつ安価に製作することができる。この場合、保持構造体の射出成形時に第1の摩擦要素も形成することができる、つまり、第1の部分と第2の部分とを備える第1の摩擦面を既に射出成形時に相応の幾何学形状で形成することができるので、第2の部分を備える第1の摩擦面を形成するために追加的なコストはほとんど生じない。
追加的な変化態様によれば、第2の摩擦要素は、アクセルペダルに特に一体的に形成されている、又は、別個の摩擦部としてアクセルペダルに形成されている。第2の摩擦要素は、例えばアクセルペダルに、例えばサントプレーン(R)から成る別個の摩擦部として取り付けられており、これにより、第2の摩擦面と第1の摩擦面との間の特に大きな面積単位あたりの摩擦力を発生させることができる。
追加的な態様によれば、アクセルペダル及び/又は第2の摩擦要素は、少なくとも部分的に、特に完全に、好適には熱可塑性プラスチックから成っている。これにより、アクセルペダルは、射出成形により熱可塑性プラスチックから特に安価に製作することができる。
追加的な態様によれば、第1の摩擦要素、特に第1の摩擦要素の第2の部分、及び/又は第2の摩擦要素は、少なくとも部分的に、特に完全に、熱可塑性エラストマ又はプラスチック、例えばサントプレーン(R)から成っている。
特に、ペダル値信号発生装置は、アクセルペダルの位置を検知するセンサ及び/又はアクセルペダルに出発位置に向かう戻し力を及ぼすことができるモータユニットを備える。センサは、例えばホールセンサである。このホールセンサは、アクセルペダルの位置、特に回動角度を検知し、電気信号に変換し、制御ユニットに伝送する。制御ユニットにより、自動車の原動機のスロットル機構が、アクセルペダルの位置に応じて閉ループ制御及び/又は開ループ制御される。モータユニットは、特に電気モータ又は電磁石であってよい。
次に、添付の図面につき本発明の実施の形態を詳説する。
ペダル値信号発生装置の概略図である。 ペダル値信号発生装置の保持構造体の斜視図である。 図2によるペダル値信号発生装置の保持構造及びアクセルペダルの斜視図である。 第1の回動角度範囲と第2の回動角度範囲との間の回動角度にあるアクセルペダルを有する図2によるペダル値信号発生装置の側面図である。 終端位置の回動角度にあるアクセルペダルを有する図2によるペダル値信号発生装置の側面図である。 図2によるペダル値信号発生装置におけるアクセルペダルの回動角度に関する発生可能な摩擦力を示す線図である。 自動車の図である。
発明の実施の形態
ペダル値信号発生装置1は、電子スロットル制御システムを用いて原動機の出力を閉ループ制御及び/又は開ループ制御するために、原動機としての図示していない内燃機関及び/又は電気モータを備える自動車22に使用される。このために、センサ20により、アクセルペダル2もしくはスロットルペダル2(図1)の位置が検知され、アクセルペダル2の位置に応じて自動車22の原動機の出力が閉ループ制御及び/又は開ループ制御される。アクセルペダル2には、運転手の足を置くための足置き3が形成されている。原動機として内燃機関が用いられる場合、例えばスロットル機構、例えばスロットルバルブが調節モータにより動かされ、電気モータが用いられる場合、電気モータに供給される電気出力が相応に閉ループ制御及び/又は開ループ制御される(図示していない)。アクセルペダル2の出発位置では、原動機により、例えばアイドリング燃料として最小出力が実行させられ、アクセルペダル2の終端位置では、原動機により最大出力が実行させられる。従って、自動車22は、電子制御スロットルもしくは電子スロットル制御システムを駆使している。
弾性要素11としての2つのばね12により、アクセルペダル2に、出発位置に向かう戻し力が及ぼされる。更に、電気モータ14として構成されたモータユニット13は、機械式に伝動装置(図示していない)を介してアクセルペダル2に機械式に結合もしくは連結されている。この場合、モータユニット13により、出発位置に向かう戻し力だけでなくアクセルペダル2の終端位置に向かう押進力をアクセルペダル2に及ぼすことができる。この場合、ペダル値信号発生装置1は、能動的なアクセルペダル2を提供する。自動車22の、図示していない走行支援システムにより、様々なパラメータ、例えば前を走行する自動車に対する距離又は最高制限速度が検知される。前を走行する自動車に対する距離が(所定の値を)下回ると、アクセルペダル2上の足への感覚的な応答が行われる。この場合、電気モータ14によりアクセルペダル2に戻し力が及ぼされる。この戻し力を、運転手は、足で感覚的に認識できるので、これにより、制御ユニット21から行動提案もしくは行動要求を自動車22の運転手に伝達することができ、つまり、本形態の場合、アクセルペダル2の位置が出発位置に向けて動かされ、これにより、前を走行する自動車に対する距離が増加される。アクセルペダル2は、旋回(回動)軸線19を中心に支持部9に旋回可能に支持されている。旋回軸線19は、図1の図平面に対して直交している。
ペダル値信号発生装置1は、保持構造体24を備え、保持構造体24は、支持台23を形成する(図2〜図5)。装置4が、アクセルペダル2に、但し出発位置から終端位置への、及びその逆のアクセルペダル2の運動時に、出発位置から終端位置に摩擦ヒステリシスを発生させる働きをする。装置4は、第1の摩擦面6を有する第1の摩擦要素5と、第2の摩擦面8を有する第2の摩擦要素7とを備える。
保持構造体24もしくは支持台23には、保持構造体24と一体的に第1の摩擦要素5が形成されている。この場合、第1の摩擦要素5もしくは第1の摩擦面6は、第1の部分16と第2の部分17とを備える。第1の部分16は、横断面が、つまりアクセルペダル2の旋回軸線19に対して直交方向の断面で、円セグメント状に形成されているもしくは部分円筒形状である。第1の摩擦面6(図2〜図5)の第2の部分17は、平らな傾斜部(ランプ)18として形成されている。第1の部分16で、第1の摩擦面6は、旋回軸線19に対して一定の間隔を有する。第1の摩擦面6の第2の部分17を形成する傾斜部18では、旋回軸線19に対する間隔は、第1の部分における間隔よりも大きく、平らな傾斜部18としての第2の部分17の構成に基づいて、略接線方向で、出発位置から終端位置に向けて漸増している。
第2の摩擦面8を有する第2の摩擦要素7は、アクセルペダル2に形成されている。このためにアクセルペダル2に熱可塑性プラスチックから成る別個の摩擦部15が形状結合(形状結合とは、嵌め合いまたは噛み合いなどの部材相互の形状的関係に基づく結合を意味する)式に取り付けられている。この場合、摩擦部15は、サントプレーン(R)から製作されていて、第2の摩擦面8を有する。第2の摩擦面も同じく横断面が円セグメント状に、もしくは部分円筒形状に形成されており、アクセルペダル2は、旋回軸線19を中心に旋回可能である。この場合、第2の摩擦面8の円セグメントの中心点は、旋回軸線19に一致する、もしくは旋回軸線19上に位置する。これにより、第1及び第2の摩擦面6,8は、相互に同心に、もしくは同一の旋回軸線19と同軸に方向付けされているもしくは形成されている。
第1及び第2の摩擦面6,8は、アクセルペダル2のための支持幾何学形状10を形成する、つまり、第1及び第2の摩擦要素5,7は、アクセルペダル2のための支持部9を形成する。この場合、アクセルペダル2は、係止結合部及び/又はピンにより保持構造体24に取り付けられている(図示していない)。
アクセルペダル2の出発位置では、アクセルペダル2及び第2の摩擦要素7は、ゼロの回動角度を有し、終端位置で、最大の回動角度を有する。図5には、アクセルペダル2の終端位置が示されており、つまり、アクセルペダル2は、保持構造体24のストッパ25に載置している。
第1の摩擦面6は、第1の部分16と第2の部分17とに分けられている。この場合、第1の摩擦面6の大部分は、第1の部分16が有するので、第1の摩擦面6の接線方向の延伸長さの約90%を第1の摩擦面6の第1の部分16が形成し、第1の摩擦面6の接線方向の延伸長さの約10%を第2の部分17が形成する。アクセルペダル2の第1の回動角度範囲26において、第2の摩擦面8は、第1の摩擦面6の第1の部分16に対する接触だけを有し、第2の部分17、つまり第1の摩擦面6の傾斜部18に対する接触を有しない。アクセルペダル2及び第2の摩擦要素7の第2の回動角度範囲27では、第2の摩擦面8は、第1の摩擦面6の第1の部分16に対してだけでなく第2の部分17に対する接触も有する。図4では、アクセルペダル2の回動角度は、第1の回動角度範囲26の終端領域で示されており、つまり、摩擦部15により形成される第2の摩擦面8は、第2の部分17の直前にある。図5に示されたアクセルペダル2の終端位置では、第2の摩擦面8は、完全に第1の摩擦面6の第2の部分17に当接している。
ゼロの回動角度を有する出発位置から第1の回動角度範囲26と第2の回動角度範囲27との間の所定の回動角度へのアクセルペダル2の運動時に、相互に同心に方向付けされた第2の摩擦面8と第1の摩擦面6の第1の部分16とに基づいて、第1の摩擦面6の第1の部分16と第2の摩擦面8との間に一定の押圧力が存在するので、これにより、発生可能な摩擦力は、第1の摩擦面6と第2の摩擦面8との間の接触面積に対して正比例している。アクセルペダル2の第1の回動角度範囲26と第2の回動角度範囲27との間の所定の回動角度から終端位置へのアクセルペダル2もしくは第2の摩擦要素7の運動時に、つまり、第2の回動角度範囲27内におけるアクセルペダル2の終端位置へのアクセルペダル2の運動時に、平らな傾斜部18の幾何学形状に基づいて、第2の摩擦面8と第2の部分17との間の押圧力が増加し、サントプレーン製の摩擦部15の弾性変形が生じるので、これにより第2の部分17に、第1の部分16よりも大きな押圧力が発生する。この場合、この押圧力は、接線方向で、平らな傾斜部18の接線方向の端部に向けて増加する。これにより第2の回動角度範囲27内における終端位置に向かうアクセルペダル2の運動時に、摩擦力の比例関係を超えた上昇がもたらされる。
図6には、ペダル値信号発生装置1における摩擦ヒステリシスが示されている。横軸にアクセルペダル2の回動角度が記録されており、縦軸に装置4により発生させられた摩擦力が記録されている。第1の回動角度範囲26内において、摩擦力は、アクセルペダル2の回動角度に対して略比例して増加している。第2の回動角度範囲27の開始と共に、つまり第2の摩擦面8と第1の摩擦面6の第2の部分17との接触の開始と共に、装置4により発生させられる摩擦力の比例関係を超えた上昇が生じる。これは、第2の部分17と第2の摩擦面8との間で第2の部分17における高められた押圧力の上昇によるものである。ばね12により行われ、出発位置から終端位置への運動時のように運転手によりアクセルペダル2に及ぼされる押圧力によって行われることのない、終端位置から出発位置へのアクセルペダル2の運動時に、発生させられる摩擦力は、出発位置から終端位置への運動時よりも小さい。アクセルペダル2の出発位置から終端位置への運動に関する上述の記載は、この場合、終端位置から出発位置へのアクセルペダル2の運動にも同様に当てはまる。
総じて、本発明に係るペダル値信号発生装置1において多大な効果がもたらされる。第1及び第2の部分16,17を有する第1の摩擦面6を備える第1の摩擦要素5の構成に基づいて、第1の回動角度範囲26において、アクセルペダル2の回動角度に応じた摩擦力の比例的な上昇又は一定の摩擦力を提供することができ、第2の回動角度範囲27において、摩擦力の比例関係を超えた上昇を提供することができる。この場合、比例を超えたとは、特に、第2の回動角度範囲27における摩擦力が、特に回動角度に応じて、第1の回動角度範囲26における摩擦力よりも強く上昇すること、及び/又は、第2の回動角度範囲27における摩擦力が第1の回動角度範囲26における摩擦力よりも大きいことを意味する。第2の部分17の接線方向の延伸長さが大きいほど、第2の回動角度範囲27がより大きく、又その逆も云える。従って、保持構造体24の射出成形時に、相応の金型を有する射出成形工具の簡単な構成により、第2の部分17を安価に提供することができ、様々な大きさの第2の部分17により、様々な大きさの第2の回動角度範囲27を簡単に安価に提供することができる。この場合、様々な幾何学形状の第2の部分17が提供されることにより、第2の回動角度範囲27において、第1の回動角度範囲26に関する摩擦力の比例関係を超える上昇の程度もしくは大きさを簡単に変化させることができる。旋回軸線19に対する第2の部分17の間隔の増加がより強いほど、第2の摩擦面8と第2の部分17との間の押圧力がより大きく、第2の部分17に発生させられる面積単位あたりの摩擦力がより大きく、又その逆も云える。これにより、簡単な態様で、ペダル値信号発生装置1を用いて、摩擦力の増加過程のそれぞれ異なる2つの部分を有する摩擦ヒステリシスを提供することができる。

Claims (15)

  1. 出発位置と終端位置との間で旋回可能なアクセルペダル(2)と、
    前記アクセルペダル(2)用の支持部(9)と、
    前記アクセルペダル(2)を出発位置に動かすために、出発位置に向かう戻し力を前記アクセルペダル(2)に及ぼす、少なくとも1つの弾性要素(11)、特にばね(12)と、
    前記アクセルペダル(2)に摩擦ヒステリシスを発生させる装置(4)であって、該摩擦ヒステリシス発生装置(4)は、好適には横断面が円セグメント状の第1の摩擦面(6)を有する第1の摩擦要素(5)と、横断面が円セグメント状の第2の摩擦面(8)を有する、前記アクセルペダル(2)と機械的に作用結合している可動の第2の摩擦要素(7)とを有し、第1の摩擦面(6)と第2の摩擦面(8)とは、重なり合って位置し、第1の摩擦面(6)と第2の摩擦面(8)との間の相対運動に基づいて摩擦力が発生可能である、摩擦ヒステリシス発生装置(4)と、
    を備える、自動車(22)用のペダル値信号発生装置であって、
    第1の摩擦面(6)は、特に終端位置に向かう第2の摩擦要素(7)の回動方向に関して、第2の摩擦要素(7)の旋回軸線(19)に対して増加する間隔を有し、第2の摩擦要素(7)の前記旋回軸線(19)に対する第1の摩擦面(6)の間隔が大きいほど、第1の摩擦面(6)の発生可能な面積単位あたりの摩擦力が一層大きいことを特徴とする、ペダル値信号発生装置。
  2. 前記摩擦面(6)は、第1の部分(16)と第2の部分(17)とを備え、第1の部分(16)は、横断面が円セグメント状に形成されていて、第2の摩擦要素(7)の前記旋回軸線(19)に対して一定の間隔を有し、第2の部分(17)は、第2の摩擦要素(7)の前記旋回軸線(19)に対して増加する間隔を有し、かつ/又は、
    第1の摩擦面(6)の第1の部分(16)及び/又は第2の摩擦面(8)は、相互に同心に方向付けされており、かつ/又は、
    第2の摩擦要素(7)の前記旋回軸線(19)に対する第1の摩擦面(6)の最大間隔は、第2の摩擦要素(7)の前記旋回軸線(19)に対する第1摩擦面(6)の最小間隔よりも少なくとも0.1%、1%、3%、5%又は10%だけ大きい、かつ/又は、
    前記アクセルペダル(2)は、旋回軸線(19)を中心に旋回可能であり、前記アクセルペダル(2)の前記旋回軸線(19)は、第2の摩擦要素(7)の前記旋回軸線(19)に一致する、請求項1記載のペダル値信号発生装置。
  3. 第2の摩擦要素(7)の第1の回動角度範囲では、第2の摩擦面(8)は、第1の摩擦面(6)の第1の部分(16)にだけ接触しており、出発位置から終端位置への前記アクセルペダル(2)の運動時に、摩擦力は、第1の摩擦面(6)と第2の摩擦面(8)との間の接触面積に対して比例して増加する、又は、摩擦力は、接触面積が一定の場合、一定である、請求項2記載のペダル値信号発生装置。
  4. 第2の摩擦要素(7)の第2の回動角度範囲(27)では、第2の摩擦面(8)は、第2の部分(17)及び好適には第1の摩擦面(6)の第1の部分(16)に接触しており、出発位置から終端位置への前記アクセルペダル(2)の運動時に、摩擦力は、第1の摩擦面(6)と第2の摩擦面(8)との間の接触面積に対して比例関係を超えて増加し、好適には第2の回動角度範囲(27)は、前記アクセルペダル(2)の終端位置を含み、好適には第1の回動角度範囲(26)は、前記アクセルペダル(2)の出発位置を含む、請求項2又は3記載のペダル値信号発生装置。
  5. 前記アクセルペダル(2)の出発位置では、前記アクセルペダル(2)は、ゼロの回動角度を有し、前記アクセルペダル(2)の終端位置では、前記アクセルペダル(2)は、最大の回動角度を有し、第1の回動角度範囲(26)では、前記アクセルペダル(2)の回動角度は、第2の回動角度範囲(27)における回動角度よりも小さい、かつ/又は、
    第2の回動角度範囲(27)の2つの境界角度の間の前記アクセルペダル(2)の回動角度は、最大回動角度の90%、70%、50%、30%、20%、10%又は5%より小さい、請求項3又は4記載のペダル値信号発生装置。
  6. 第2の摩擦要素(7)の前記旋回軸線(19)に対して増加する間隔を有する第1の摩擦面(6)は、特に第1の摩擦面(6)の第2の部分(17)で、第2の摩擦要素(7)の前記旋回軸線(19)に対して漸増する間隔を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載のペダル値信号発生装置。
  7. 第2の摩擦要素(7)の前記旋回軸線(19)に対して増加する間隔を有する第1の摩擦面(6)は、特に第1の摩擦面(6)の第2の部分(17)で、平らな傾斜部(18)として構成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のペダル値信号発生装置。
  8. 第2の摩擦要素(7)の前記旋回軸線(19)に対して増加する間隔を有する第1の摩擦面(6)は、特に第1の摩擦面(6)の第2の部分(17)で、凸状又は凹状の面として構成されている、請求項1から5までのいずれか1項及び請求項7記載のペダル値信号発生装置。
  9. 第1及び第2の摩擦面(6,8)は、前記アクセルペダル(2)の支持部(9)を形成している、請求項1から8までのいずれか1項記載のペダル値信号発生装置。
  10. 当該ペダル値信号発生装置(1)は、保持構造体(24)、特に支持台(23)を備え、第1の摩擦要素(5)は、前記保持構造体(24)に特に一体的に形成されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のペダル値信号発生装置。
  11. 前記保持構造体(24)及び/又は第1の摩擦要素(5)は、少なくとも部分的に、特に完全に、好適には熱可塑性プラスチックから成っている、請求項10記載のペダル値信号発生装置。
  12. 第2の摩擦要素(7)は、前記アクセルペダル(2)に特に一体的に形成されている、又は、別個の摩擦部(15)として前記アクセルペダル(2)に形成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のペダル値信号発生装置。
  13. 前記アクセルペダル(2)及び/又は第2の摩擦要素(7)は、少なくとも部分的に、特に完全に、好適には熱可塑性プラスチックから成っている、請求項1から12までのいずれか1項記載のペダル値信号発生装置。
  14. 第1の摩擦要素(5)、特に第1の摩擦要素(5)の第2の部分(17)、及び/又は第2の摩擦要素(7)は、少なくとも部分的に、特に完全に、熱可塑性エラストマ又はプラスチック、例えばサントプレーン(R)から成っている、請求項1から13までのいずれか1項記載のペダル値信号発生装置。
  15. 当該ペダル値信号発生装置(1)は、前記アクセルペダル(2)の位置を検知するセンサ(20)及び/又は前記アクセルペダル(2)に出発位置に向かう戻し力を及ぼすことができるモータユニット(13)を備える、請求項1から14までのいずれか1項記載のペダル値信号発生装置。
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