JP2015232226A - 構造物の柱梁接合構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】構造物の柱梁接合構造である。梁は、上フランジと、前記上フランジの下方に配された下フランジと、前記上フランジと前記下フランジとを繋ぐウエブと、を有する。前記上フランジにおける梁長方向の端部に設けられた連結用部材が、柱に設けられた受け部の上面に、上方から載置されることによって、前記梁は、前記上フランジにおける前記端部を支持位置として前記柱に支持されている。前記柱と前記梁とは、振動を減衰すべく前記ウエブの側面又は前記下フランジの上面或いは下面に対向して配された減衰部材を介して連結されている。
【選択図】図2
Description
構造物の柱梁接合構造であって、
梁は、上フランジと、前記上フランジの下方に配された下フランジと、前記上フランジと前記下フランジとを繋ぐウエブと、を有し、
前記上フランジにおける梁長方向の端部に設けられた連結用部材が、柱に設けられた受け部の上面に、上方から載置されることによって、前記梁は、前記上フランジにおける前記端部を支持位置として前記柱に支持されており、
前記柱と前記梁とは、振動を減衰すべく前記ウエブの側面又は前記下フランジの上面或いは下面に対向して配された減衰部材を介して連結されていることを特徴とする。
また、同連結用部材は、梁の上フランジの梁長方向の端部に設けられているとともに、当該連結用部材が、柱の受け部の上面に上方から載置されることにより、当該上フランジの端部を支持位置として、梁は、柱に支持されている。よって、同受け部の上下方向の配置位置を梁と概ね同位置に揃えることができて、これにより、当該受け部が梁下に飛び出さないようにすることができる。また、減衰部材についても、梁のウエブの側面又は下フランジの上面或いは下面に対向して配置されているので、同減衰部材を梁成内に収め易く、これにより、同減衰部材の梁下への飛び出しも抑制される。そして、これら受け部及び減衰部材の梁下への飛び出しの抑制を通して、建築計画の制約を緩和することができる。
ちなみに、上フランジに設けられた連結用部材は、梁上に飛び出すが、これについては、既述したように建築計画の制約にはなり難い。すなわち、一般に梁上にはスラブや床仕上げ材が配置されることから、かかる連結用部材の梁上への飛び出しは、同スラブや床仕上げ材によって目立たなくなって、これにより、建築計画の制約にはなり難い。
前記柱の前記受け部と、前記梁の前記ウエブとは、前記減衰部材を介して連結されていることを特徴とする。
前記受け部は、上下方向に関して前記梁の梁成内に収まるように配置されていることを特徴とする。
前記減衰部材は、上下方向に関して前記梁の梁成内に収まるように配置されていることを特徴とする。
前記連結用部材は、前記梁上に設けられるスラブ又は床仕上げ材に埋設されていることを特徴とする。
また、連結用部材がスラブに埋設されている場合には、同スラブは連結用部材を補強する補強材として機能する。よって、例えば上方から圧縮力が連結用部材に作用した場合も、座屈等の破損は有効に防止される。その結果、当該連結用部材は、柱梁接合部の本体として長期に亘り健全に機能することができる。
前記連結用部材は、前記スラブ又は床仕上げ材に上方から被覆されていて上方に露出していないことを特徴とする。
前記連結用部材は、支承用の弾性部材を介して前記受け部の前記上面に支持されていることを特徴とする。
前記連結用部材は、前記柱の外周面との間に隙間をあけて配置されており、
前記隙間には、弾性を有した充填材が充填されていることを特徴とする。
前記柱は鋼材であり、
前記充填材は、耐火被覆材であることを特徴とする。
前記連結用部材は、前記上フランジの上面に固定されて前記梁よりも梁長方向に突出して設けられており、
前記連結用部材のうちで前記梁よりも突出した部分の下面が、前記受け部の上面に載置されていることを特徴とする。
図2A乃至図4は、本実施形態に係る構造物1の柱梁接合構造の説明図である。図2Aは、柱梁接合構造の概略側面図であり、図2Bは、図2A中のB−B断面図である。また、図3及び図4は、それぞれ図2A中のIII−III断面図及びIV−IV断面図である。
図2Aに示すように、柱10は、例えば断面矩形形状の角形鋼管である。また、梁20は、断面H形状のH形鋼であり、詳しくは、梁20は、上フランジ20fuと、上フランジ20fuの下方に配された下フランジ20fdと、上フランジ20fuと下フランジ20fdとを繋ぐウエブ20wと、を有した梁長方向に長い鋼材である。なお、「梁長方向」とは、梁20の長手方向のことである。また、以下では、梁20の幅方向のことを「梁幅方向」とも言い、鉛直方向たる上下方向のことを「梁成方向」とも言う。
そして、このようにしていれば、構造物1の微振動下においても、上記弾性部材80の弾性変形に基づいて粘弾性ダンパー50は有効に作動して、その結果、かかる微振動も効果的に減衰することができる。例えば、梁上を人が歩行した際には、歩行振動が数十ミクロンオーダーの振幅で生じ得る。すると、かかる微振動に連動して弾性部材80は速やかに弾性変形することから、微振動に対応した回転角でもって、梁20は、柱10に対して円滑に相対回転することができて、そして、かかる相対回転は、前述の梁20のウエブ20w及び受け部15のウエブ15wを介して速やかに粘弾性ダンパー50に入力される。よって、当該微振動についても有効に減衰可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような変形が可能である。
ちなみに、山形鋼を用いた場合には、当該山形鋼(不図示)が具備する一方の平板の板面が上方を向き且つ略水平となるように位置調整しつつ、もう一方の平板を柱10の外面10sに剛接合することになる。そして、上記の上方を向いた略水平の板面に、前述の連結用部材30が載置される。また、この場合には、これら一対の平板を補強リブで補強しても良い。補強リブは、梁長方向に延びる例えば鋼板でなり、溶接等で一対の平板にそれぞれ剛接合される。そして、この場合には、前述の受け部15のウエブ15wの代わりに、補強リブに粘弾性ダンパー50を連結することになる。なお、溝形鋼、T形鋼、及び角形鋼管等の連結用部材30への適用例については、上述の記載から十分類推可能と考えられるため、これらの適用例の説明については省略する。
更に、場合によっては、粘弾性ダンパー50aを梁20の下フランジ20fdの下面20fdsに対向して設けても良い。そして、この場合には、不図示ではあるが、梁側板部材51(図6A)が、梁20の下フランジ20fdの下面20fds(図2A)に平行に配されつつ同面20fdsに固定される一方、受け部側板部材53(図6A)が、受け部15の下フランジ15fdの下面15fds(図2A)に平行に配されつつ同面15fdsに固定され、更に、これら梁側板部材51と受け部側板部材53との間の隙間に粘弾性体55が充填されることになる。ちなみに、この場合には、梁成内に収めることは難しいが、梁下への飛び出しを抑制することは可能なので、上述の建築計画の制約の緩和効果を享受することができる。
10 柱、10s 外面、
15 受け部、15ds 下面、
15fu 上フランジ、15fus 上面、
15fd 下フランジ、15fdus 上面、
15w ウエブ、
15fds 下面、15se1 端面、15se2 端面、
15wse1 端面、15wss 側面、
20 梁、20fds 下面、20e 端部、
20fu 上フランジ、20fus 上面、
20fd 下フランジ、20fdus 上面、
20fue 端部、20se 端面、
20w ウエブ、20wse 端面、20wss 側面、
30 連結用部材、30es 端面、
30f フランジ、30w ウエブ、
30p 突出した部分、30pd 下面、
50 粘弾性ダンパー(減衰部材)、
51 梁側板部材、53 受け部側板部材、
55 粘弾性体、
60 スラブ、60s 上面、
70 充填材、
80 弾性部材、
PC 中央、G 隙間、
Claims (10)
- 構造物の柱梁接合構造であって、
梁は、上フランジと、前記上フランジの下方に配された下フランジと、前記上フランジと前記下フランジとを繋ぐウエブと、を有し、
前記上フランジにおける梁長方向の端部に設けられた連結用部材が、柱に設けられた受け部の上面に、上方から載置されることによって、前記梁は、前記上フランジにおける前記端部を支持位置として前記柱に支持されており、
前記柱と前記梁とは、振動を減衰すべく前記ウエブの側面又は前記下フランジの上面或いは下面に対向して配された減衰部材を介して連結されていることを特徴とする構造物の柱梁接合構造。 - 請求項1に記載の構造物の柱梁接合構造であって、
前記柱の前記受け部と、前記梁の前記ウエブとは、前記減衰部材を介して連結されていることを特徴とする構造物の柱梁接合構造。 - 請求項1又は2に記載の構造物の柱梁接合構造であって、
前記受け部は、上下方向に関して前記梁の梁成内に収まるように配置されていることを特徴とする構造物の柱梁接合構造。 - 請求項1乃至3の何れかに記載の構造物の柱梁接合構造であって、
前記減衰部材は、上下方向に関して前記梁の梁成内に収まるように配置されていることを特徴とする構造物の柱梁接合構造。 - 請求項1乃至4の何れかに記載の構造物の柱梁接合構造であって、
前記連結用部材は、前記梁上に設けられるスラブ又は床仕上げ材に埋設されていることを特徴とする構造物の柱梁接合構造。 - 請求項5に記載の構造物の柱梁接合構造であって、
前記連結用部材は、前記スラブ又は床仕上げ材に上方から被覆されていて上方に露出していないことを特徴とする構造物の柱梁接合構造。 - 請求項1乃至6の何れかに記載の構造物の柱梁接合構造であって、
前記連結用部材は、支承用の弾性部材を介して前記受け部の前記上面に支持されていることを特徴とする構造物の柱梁接合構造。 - 請求項1乃至7の何れかに記載の構造物の柱梁接合構造であって、
前記連結用部材は、前記柱の外周面との間に隙間をあけて配置されており、
前記隙間には、弾性を有した充填材が充填されていることを特徴とする構造物の柱梁接合構造。 - 請求項8に記載の構造物の柱梁接合構造であって、
前記柱は鋼材であり、
前記充填材は、耐火被覆材であることを特徴とする構造物の柱梁接合構造。 - 請求項1乃至9の何れかに記載の構造物の柱梁接合構造であって、
前記連結用部材は、前記上フランジの上面に固定されて前記梁よりも梁長方向に突出して設けられており、
前記連結用部材のうちで前記梁よりも突出した部分の下面が、前記受け部の上面に載置されていることを特徴とする構造物の柱梁接合構造。
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