JP2015229928A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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由祐 菊池
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Abstract

【課題】ラッチ回路の故障時においてもエンジンのクランク角に同期した正常なクランク角信号を生成でき、もってエンジンの運転を継続できるエンジンの制御装置を提供する。【解決手段】エンジン1の運転中にリラクタ突起7aに同期して変動する電磁ピックアップ32の検出信号に基づきラッチ回路31aによりクランク角信号を生成して点火時期制御を行う。クランク角信号のON期間に相当する実リラクタ時間Trealを計測すると共に、エンジン回転速度Neから推定リラクタ時間Testを算出し(S2,6)、実リラクタ時間Trealと推定リラクタ時間Testとの比としてリラクタレシオrを算出する(S8)。リラクタレシオrが判定値r0未満のときにはラッチ回路31aが故障していると見なしてフェイル判定を下し(S10,14)、実リラクタ時間Trealに代えて推定リラクタ時間Testに基づき点火時期制御を実施する(S16)。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンの制御装置に係り、特にエンジンの回転に同期して変動する電磁ピックアップの検出信号に基づきラッチ回路により矩形歯状のクランク角信号を生成し、このクランク角信号に基づきエンジンの各種制御を実行するエンジンの制御装置に関する。
エンジンの燃費や排ガス特性等を向上するにはエンジンに対する各種制御の最適化が要求され、例えば点火時期制御による点火プラグの点火や燃料噴射制御によるインジェクタの燃料噴射を最適なタイミングで実行する必要がある。そのために、例えば特許文献1の技術では、エンジンのクランク軸の回転に同期して変動する矩形波状のクランク角信号を生成し、このクランク角信号に基づきエンジンのクランク角を判別して点火時期制御を行っている。
エンジンの回転検出のためには種々のセンサ類が利用されており、例えば電磁ピックアップが用いられる場合がある。周知のように電磁ピックアップは磁性体への接離により磁束変化を生じて出力を変動させる特性を有し、エンジンのフライホイールの外周上に磁性体からなるリラクタ突起を所定の角度領域に亘って形成し、このフライホイールと対向するように電磁ピックアップが配置される。
エンジンのクランク軸と共にフライホイールが回転すると、電磁ピックアップからはリラクタ突起の始端及び終端と対応するタイミングでスパイク状に変動する検出信号が出力される。この検出信号をラッチ回路に入力すると、例えばリラクタ突起の始端に対応する検出信号の変動タイミングでクランク角信号が立ち上げられてON状態に保持され、続くリラクタ突起の終端に対応する検出信号の変動タイミングでクランク角信号が立ち下げられてOFF状態に保持され、この処理が繰り返されることにより矩形波状のクランク角信号が生成される。クランク角信号のON期間及びOFF期間はリラクタ突起の角度領域に対応するため、クランク角信号に基づきエンジンのクランク角を判別可能となる。
特開2002−317741号公報
ところで一般的な電子回路と同じく、ラッチ回路もハンダの剥離や断線等の種々の要因によって故障する場合がある。このようなときには、リラクタ突起の始端に対応してクランク角信号が立ち上げられたとしてもON状態に保持できずに直ちに立ち下げられてしまう。結果としてエンジンのクランク角に同期した正常なクランク角信号を生成できなくなり、点火時期制御や燃料噴射制御を適切に実行できないことからエンジン停止の状況に陥ってしまうという問題がある。当然であるが、上記特許文献1の技術ではこのようなラッチ回路の故障を想定していないため、問題解決にならないことは明らかである。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ラッチ回路の故障時においてもエンジンのクランク角に同期した正常なクランク角信号を生成でき、もってエンジンの運転を継続することができるエンジンの制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のエンジンの制御装置は、エンジンのクランク軸と共に回転し、所定の角度領域にリラクタが形成された回転体と、回転体に対向配置され、回転体の回転に伴いリラクタの始端及び終端に対応して変動する検出信号を出力する電磁ピックアップと、電磁ピックアップからの検出信号に基づき矩形波状のクランク角信号を生成するラッチ回路と、ラッチ回路により生成されたクランク角信号のリラクタの始端または終端に対応するエッジを基準位置とし、始端に対応するエッジから終端に対応するエッジまでの所要時間をリラクタ時間とし、基準位置とリラクタ時間とをエンジンの制御に適用してこれを運転するエンジン制御手段と、リラクタの角度領域及びエンジンの現在の回転速度に基づき、ラッチ回路が正常な場合のリラクタ時間を推定する推定手段と、エンジン制御に適用される実際にクランク角信号から算出された実リラクタ時間と推定手段により推定された推定リラクタ時間とを比較し、実リラクタ時間が推定リラクタ時間よりも短い場合にフェイル判定を下すフェイル判定手段と、フェイル判定手段によりフェイル判定が下されたときに、実リラクタ時間に代えて推定リラクタ時間をエンジン制御手段によるエンジン制御に適用させるフェイル時対応手段とを具備したことを特徴とする。
このように構成したエンジンの制御装置によれば、リラクタの角度領域及びエンジン回転速度からラッチ回路が正常な場合のリラクタ時間が推定され、その推定リラクタ時間よりも実リラクタ時間が短い場合にはフェイル判定が下されて、実リラクタ時間に代えて推定リラクタ時間がエンジン制御に適用される。よって。ラッチ回路の故障時においてもエンジンのクランク角に同期した正常なクランク角信号を生成可能となる。
その他の態様として、フェイル判定手段が、実リラクタ時間の推定リラクタ時間に対する比が予め設定された判定値未満のときにフェイル判定を下すように構成することが望ましい。
このように構成した場合には、実リラクタ時間の推定リラクタ時間に対する比を判定値と比較するだけのため、簡単且つ適切にラッチ回路のフェイル判定を下すことが可能となる。
その他の態様として、フェイル判定手段によりフェイル判定が下されたときに、運転者に故障を報知する故障報知手段を備えることが望ましい。
このように構成した場合には、ラッチ回路の故障をそのまま放置することなく修理を促すことが可能となる。
その他の態様として、エンジン制御手段が、エンジンの運転状態に基づきクランク角信号の基準位置からの角度として点火プラグによる目標点火時期を算出し、算出結果を実リラクタ時間に基づき時間換算して基準位置からの時間として目標点火時期を特定し、フェイル判定時には、実リラクタ時間に代えて推定リラクタ時間に基づき時間換算して目標点火時期を特定するように構成することが望ましい。
このように構成した場合には、ラッチ回路の故障時においても点火時期制御を継続可能となる。
その他の態様として、エンジン制御手段が、エンジンの運転状態に基づきクランク角信号の基準位置からの角度としてインジェクタによる目標噴射時期を算出し、算出結果を実リラクタ時間に基づき時間換算して基準位置からの時間として目標噴射時期を特定し、フェイル判定時には、実リラクタ時間に代えて推定リラクタ時間に基づき時間換算して目標噴射時期を特定するように構成することが望ましい。
このように構成した場合には、ラッチ回路の故障時においても燃料噴射制御を継続可能となる。
本発明によれば、ラッチ回路の故障時においてもエンジンのクランク角に同期した正常なクランク角信号を生成でき、もってエンジンの運転を継続することができる。
実施形態のエンジンの制御装置を示すシステム構成図である。 リラクタ突起に対応したクランク角信号の生成処理、及びクランク角信号に基づく目標点火時期の特定処理を示すタイムチャートである。 ECUが実行するフェイル判定・対応ルーチンを示すフローチャートである。 ラッチ回路の故障時のクランク角信号の生成状況を示すタイムチャートである。
以下、本発明を二輪車に搭載されるエンジンの制御装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のエンジンの制御装置を示すシステム構成図である。
本実施形態のエンジン1は、排気量50ccの4サイクル単気筒ガソリンエンジンとして構成されており、走行用動力源として二輪車に搭載されている。但し、エンジン1の仕様については、これに限定されるものではなく任意に変更可能である。
エンジン1のシリンダブロック2に形成されたシリンダ3内にはピストン4が摺動可能に配設され、ピストン4はコンロッド5を介してクランク軸6に連結されてピストン4の往復動に連動してクランク軸6が回転するようになっている。クランク軸6の後端(図示しない変速機側)にはフライホイール7(回転体)が取り付けられ、フライホイール7の外周上の所定の角度領域にはクランク角を検出するための磁性体からなるリラクタ突起7aが形成されている。
シリンダブロック2上に固定されたシリンダヘッド9には吸気ポート9a及び排気ポート9bが形成されると共に、先端を筒内に臨ませた姿勢で点火プラグ10が配設されている。吸気ポート9aに接続された吸気通路11には、上流側よりエアクリーナ12、運転者のスロットル操作に応じて開閉されるスロットルバルブ13、ISCV(アイドルスピードコントロールバルブ)14を備えたバイパス通路15、及び吸気ポート9aに向けて燃料を噴射するインジェクタ16が設けられている。また排気ポート9bに接続された排気通路17には、排ガスを浄化するための三元触媒18及び図示しない消音器が設けられている。
吸気ポート9aには吸気バルブ20が配設され、排気ポート9bには排気バルブ21が配設されている。これらの吸排気バルブ20,21はバルブスプリング22により閉弁側に付勢されると共に、シリンダヘッド9上でクランク軸6に同期して回転駆動される吸気カム軸23及び排気カム軸24により開弁される。これによりピストン4の往復動に同期した所定のタイミングで吸気バルブ20及び排気バルブ21が開閉し、吸気、圧縮、膨張、排気の4つの行程からなるエンジン1の燃焼サイクルがクランク角で720°CA毎に繰り返される。
上記インジェクタ16には、燃料タンク25内に貯留された燃料(ガソリン)が燃料ポンプ26により供給される。燃料ポンプ26はインジェクタ16と一体化され、供給ホース27及びリターンホース28を介してそれぞれ燃料タンク25に対して接続されている。
燃料ポンプ26が作動すると燃料タンク25内の燃料が供給ホース27を介して燃料ポンプ26内に導かれて所定圧に加圧され、加圧後の燃料がインジェクタ16に供給されると共に、余剰燃料がリターンホース28を介して燃料タンク25に回収される。これによりインジェクタ16には常に所定圧の燃料が供給され、インジェクタ16の開弁に応じて所定の噴射時期及び噴射量で吸気ポート9aに向けて燃料が噴射される。
エンジン1の運転中には、吸気行程でピストン4の下降に伴って発生した負圧によりエアクリーナ12を介して吸気通路11内に外気が吸入され、吸入空気はスロットルバルブ13の開度に応じて流量調整された後、インジェクタ16からの噴射燃料と混合しながら吸気バルブ20の開弁中にエンジン1の筒内に流入する。続く圧縮行程での圧縮を経て混合気は圧縮上死点の近傍で点火プラグ10により点火され、膨張行程中に燃焼してピストン4を介してクランク軸6に回転力を付与する。続く排気行程では燃焼後の排ガスが排気バルブ21の開弁中に筒内より排出され、排気通路17を流通しながら三元触媒18及び消音器を経て外部に排出される。
以上のエンジン1の燃焼サイクルは、ECU31(エンジン制御ユニット)の制御に基づき実行される。そのためにECU31の入力側には、上記フライホイール7に対向配置されてリラクタ突起7aに同期した検出信号を出力する電磁ピックアップ32、スロットルバルブ13の開度を検出するスロットルセンサ33、排気通路17に配設されてストイキ(理論空燃比)を中心とした排気空燃比の変動に応じて出力をステップ状に変動させるO2センサ34、エンジン1の冷却水温Twを検出する水温センサ35等の各種センサ類が接続されている。また、ECU31の出力側には、上記ISCV14、インジェクタ16、燃料ポンプ26、点火プラグ10を駆動するイグナイタ36、後述するラッチ回路31aの故障を運転者に表示する故障表示ランプ37等の各種デバイス類が接続されている。
これらのセンサ情報に基づきECU31は、インジェクタ16を駆動するための燃料噴射制御、点火プラグ10を駆動するための点火時期制御等の各種制御を実行してエンジン1を運転する。
例えばECU31は燃料噴射制御として、電磁ピックアップ32の検出信号から算出したエンジン回転速度Ne及びスロットルセンサ33により検出されたスロットル開度θth等に基づき目標燃料噴射量を決定し、吸気行程の所定タイミングでインジェクタ16を駆動して燃料噴射を実行する。
またECU31は点火時期制御として、エンジン回転速度Ne及びスロットル開度θth等に基づき目標点火時期を決定する一方、電磁ピックアップ32の検出信号から生成した矩形波状のクランク角信号に基づき目標点火時期に対応するタイミングを特定し、イグナイタ36を駆動して点火プラグ10を点火させる(エンジン制御手段)。
以下、このようなECU31により実行されるクランク角信号の生成から点火プラグ10の点火時期制御までの処理について詳述する。
図2はリラクタ突起7aに対応したクランク角信号の生成処理、及びクランク角信号に基づく目標点火時期の特定処理を示すタイムチャートである。
本実施形態のリラクタ突起7aは、フライホイール7上に60°CAの角度領域に亘って形成されている。フライホイール7の回転方向のリラクタ突起7aの端部を始端、反回転方向のリラクタ突起7aの端部を終端とすると、その始端はエンジン1の上死点よりも80°CA進角側のクランク角で電磁ピックアップ32と対応し、終端は上死点よりも20°CA進角側のクランク角で電磁ピックアップ32に対応するようになっている。
電磁ピックアップ32は、磁性体への接離により磁束変化を生じて出力を変動させる特性を有する。このため、リラクタ突起7aの始端及び終端と対応する毎に電磁ピックアップ32から出力される検出信号はスパイク状に変動する。より具体的に述べると、リラクタ突起7aの始端に対応するBTDC(Before Top Dead Center)80°CA、及びそれに続く終端に対応するBTDC20°CAでそれぞれ検出信号が変動し、これらの検出信号の変動が360°CA毎に繰り返される。
このようにして電磁ピックアップ32から出力される検出信号がECU31に入力され、ECU31は内蔵しているラッチ回路31aを用いてクランク角信号を生成する。即ち、ラッチ回路31aは、リラクタ突起7aの始端に対応する検出信号の変動タイミングでクランク角信号を立ち上げてON状態に保持し、続くリラクタ突起7aの終端に対応する変動タイミングでクランク角信号を立ち下げてOFF状態に保持する。この処理がラッチ回路31aにより繰り返され、360°CAを1周期(ON期間+OFF期間)としてエンジン1のクランク角に同期して変動する矩形波状のクランク角信号が生成される。
なお、圧縮上死点の直前での点火プラグ10による点火、吸気行程でのインジェクタ16による燃料噴射を実行するには、エンジン1の燃焼サイクルを構成する各行程(吸気、圧縮、膨張、排気)をECU31が認識する必要がある(以下、この処理を行程判別処理と称する)。しかしながら、エンジン1の燃焼サイクルが720°CAを1周期としているのに対し、クランク角信号は360°CAを1周期としているため、例えば現在のクランク角信号のON期間が圧縮上死点の直前のものか排気上死点の直前のものかをECU31は判別できない。
そこで、エンジン1を始動する際に、クランク角信号に基づき点火及び燃料噴射を360°CA毎にそれぞれ実行して暫定的にエンジン1を運転させた上で、360°CA間隔で発生するクランク角信号のON期間の所要時間を計測し、行程判別処理として相前後する2つのON期間の計測値を比較する。排気行程に比較して圧縮行程ではピストン4の上昇が妨げられてクランク軸6の角速度が低下するため、ON期間が長い側を圧縮行程と見なし、ON期間が短い側を排気行程と見なす。
以降は行程判別処理の結果に従って、720°CA毎に圧縮上死点の直前で点火を実行し、吸気行程で燃料噴射を実行する。このときの点火時期制御は、クランク角信号に基づき以下の手順で実行される。
まずエンジン1の運転状態、例えばエンジン回転速度Ne及びスロットル開度θth等から予め設定された制御マップに従って目標点火時期を算出する。具体的には、クランク角信号のON期間の開始タイミング(立ち上がりエッジ)を基準位置とし、この基準位置から目標点火時期までのクランク角(以下、点火目標クランク角Dtgtと称する)が算出される。そして、圧縮上死点の直前のON期間の所要時間(以下、後述する推定リラクタ時間Testに対して実リラクタ時間Trealと称する)を計測する。
実リラクタ時間Trealはリラクタ突起7aの角度領域(60°CA)のクランク角に相当し、このクランク角だけクランク軸6が回転するために実リラクタ時間Trealを要している。よって、これらのリラクタ突起7aの角度領域及び実リラクタ時間Trealの関係を指標として点火目標クランク角Dtgtを時間換算し、基準位置から目標点火時期までの所要時間(以下、点火目標時間Ttgtと称する)を算出できる。
なお、基準位置は必ずしもON期間の開始タイミングである必要はなく、ON期間の終了タイミング(立ち下がりエッジ)を基準位置としてもよい。
そして、エンジン1の運転中には、目標点火時期に先立ち、例えばクランク角信号の基準位置のタイミングでイグナイタ36により図示しない点火コイルの一次側の通電を開始し、基準位置から点火目標時間Ttgtが経過した目標点火時期のタイミングで一次側の通電を遮断して点火プラグ10を点火させる。
以上のようにしてクランク角信号に基づき点火時期制御が実行されるのであるが、[発明が解決しようとする課題]で述べたように、ラッチ回路31aが故障するとクランク角に同期した正常なクランク角信号を生成できなくなり、点火時期制御を適切に実行不能となってエンジン停止の状況に陥ってしまう。このような問題点を鑑みて本実施形態では、クランク角信号の実リラクタ時間Trealの適否を逐次判定し、実リラクタ時間Trealが不適切な場合には実リラクタ時間Trealに代えて推定値である推定リラクタ時間Testを適用する対策を講じており、この対策のためにECU31が実行する処理を以下に説明する。
図3はECU31が実行するフェイル判定・対応ルーチンを示すフローチャート、図4はラッチ回路31aの故障時のクランク角信号の生成状況を示すタイムチャートであり、ECU31はエンジン1の運転中に図3のルーチンを360°CA毎に実行している。
まず、ステップS2で次式(1)に従って推定リラクタ時間Testを算出する(推定手段)。
Test=θr /360×t ………(1)
式中のθr はリラクタ突起7aの角度領域(本実施形態では60°)を意味し、tは、現在のエンジン回転速度Neから算出されたクランク軸6の1回転に要する所要時間(msec/rev)である。従って、現在のエンジン回転速度Neを前提とし、リラクタ突起7aの角度領域のクランク角だけクランク軸6が回転するときの所要時間(ラッチ回路31aが正常な場合のリラクタ時間)として推定リラクタ時間Testが算出される。
続くステップS4ではフェイル判定フラグFがラッチ回路31aの故障を意味する「1」であるか否かを判定し、No(否定)のときにはステップS6に移行する。ステップS6ではクランク角信号のON期間である実リラクタ時間Trealを計測し、ステップS8で次式(2)に従ってリラクタレシオrを算出する。
r=Treal/Test×100 ………(2)
続くステップS10では、リラクタレシオrが予め設定された判定値r0(例えば60%)未満であるか否かを判定する(フェイル判定手段)。[発明が解決しようとする課題]で述べたように、ラッチ回路31aの故障時には、リラクタ突起7aの始端に対応してクランク角信号が立ち上げられたとしてもON状態に保持できずに直ちに立ち下げられてしまうため、クランク角信号の実リラクタ時間Trealは極端に短縮化される。
ラッチ回路31aが正常に機能している限り、ステップS6で推定リラクタ時間Testに近似する実リラクタ時間Trealが計測される。エンジン1の回転変化と共に実リラクタ時間Trealが変化するが、それに応じて式(1)から算出される推定リラクタ時間Testも変化するため、常に適切な推定リラクタ時間Testに基づきステップS10の判定処理が実行される。
このためラッチ回路31aが正常な通常時には、ECU31はステップS10でNoの判定を下してステップS12でフェイル判定フラグFを「0」とした後にルーチンを終了し、以上の処理を360°CA毎に繰り返す。
一方、ラッチ回路31aが故障すると、図4に実線で示すように、ステップS6で推定リラクタ時間Testよりも大幅に短い実リラクタ時間Trealが計測される。このため、ECU31はステップS8でYes(肯定)の判定を下してステップS14に移行し、フェイル判定フラグFを「1」とする。従って、その後にステップS4に移行するとYesの判定を下してステップS16に移行し、実リラクタ時間Trealを推定リラクタ時間Testに置き換えた後に(フェイル時対応手段)、ステップS18で故障表示ランプ37を点灯させてルーチンを終了する(故障報知手段)。
即ちステップS16では、図4に破線で示すように、クランク角信号のON期間が推定リラクタ時間Testだけ継続しているものと見なし、実リラクタ時間Trealに代えて推定リラクタ時間Testに基づき点火目標クランク角Dtgtを時間換算し、得られた点火目標時間Ttgtに基づいて点火プラグ10が点火される。以降はフェイル判定フラグFが「1」に保たれるため、点火時期制御には実リラクタ時間Trealに代えて推定リラクタ時間Testが適用され続ける。
そして、故障表示ランプ37の点灯に応じて、ディーラー等の修理工場でラッチ回路31aが修理されてフェイル判定フラグFが「0」にリセットされると、その後のエンジン1の運転時には通常どおりに実リラクタ時間Trealが点火時期制御に適用される。
以上のように本実施形態のエンジン1の制御装置によれば、現在のエンジン回転速度Neから推定リラクタ時間Testを算出し、この推定リラクタ時間Testと実リラクタ時間Trealとの比としてリラクタレシオrを算出し、このリラクタレシオrが判定値r0未満のときにはラッチ回路31aが故障していると見なしてフェイル判定を下し、実リラクタ時間Trealに代えて推定リラクタ時間Testに基づき点火時期制御を実施している。従って、ラッチ回路31aの故障時においてもエンジン1のクランク角に同期した正常なクランク角信号を生成でき、点火時期制御を継続、ひいてはエンジン1の運転を継続することができる。
また、実リラクタ時間Trealと推定リラクタ時間Testとの比であるリラクタレシオrを判定値r0と比較するだけのため、簡単且つ適切にラッチ回路31aのフェイル判定を下すことができる。
また、ラッチ回路31aのフェイル判定時には故障表示ランプ37を点灯させるため、ラッチ回路31aの故障をそのまま放置することなく修理を促すことができる。
ところで、本実施形態では、電磁ピックアップ32の検出信号から生成したクランク角信号を点火時期制御に適用したが、適用対象は点火時期制御に限るものではなく、例えば燃料噴射制御にも適用できる。そして、ラッチ回路31aの故障時には実施形態と同じく、フェイル判定に対応して推定リラクタ時間Testを燃料噴射制御に適用できるため、重複する説明はしないが実施形態と同様に、ラッチ回路の故障時でも燃料噴射制御を継続することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、二輪車に搭載されるエンジン1の制御装置に具体化したが、エンジン1の搭載対象はこれに限るものではない。例えば三輪車や発電機に搭載されるエンジン1の制御装置に具体化してもよい。
1 エンジン
6 クランク軸
7 フライホイール(回転体)
7a リラクタ突起
31 ECU(エンジン制御手段、推定手段、フェイル判定手段、フェイル時対応手段、故障報知手段)
32 電磁ピックアップ
37 故障表示ランプ(故障報知手段)

Claims (5)

  1. エンジンのクランク軸と共に回転し、所定の角度領域にリラクタが形成された回転体と、
    上記回転体に対向配置され、該回転体の回転に伴い上記リラクタの始端及び終端に対応して変動する検出信号を出力する電磁ピックアップと、
    上記電磁ピックアップからの検出信号に基づき矩形波状のクランク角信号を生成するラッチ回路と、
    上記ラッチ回路により生成されたクランク角信号の上記リラクタの始端または終端に対応するエッジを基準位置とし、上記始端に対応するエッジから上記終端に対応するエッジまでの所要時間をリラクタ時間とし、該基準位置と該リラクタ時間とを上記エンジンの制御に適用してこれを運転するエンジン制御手段と、
    上記リラクタの角度領域及び上記エンジンの現在の回転速度に基づき、上記ラッチ回路が正常な場合のリラクタ時間を推定する推定手段と、
    上記エンジン制御に適用される実際に上記クランク角信号から算出された実リラクタ時間と上記推定手段により推定された推定リラクタ時間とを比較し、上記実リラクタ時間が上記推定リラクタ時間よりも短い場合にフェイル判定を下すフェイル判定手段と、
    上記フェイル判定手段によりフェイル判定が下されたときに、上記実リラクタ時間に代えて上記推定リラクタ時間を上記エンジン制御手段によるエンジン制御に適用させるフェイル時対応手段と
    を具備したことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 上記フェイル判定手段は、上記実リラクタ時間の上記推定リラクタ時間に対する比が予め設定された判定値未満のときにフェイル判定を下す
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 上記フェイル判定手段によりフェイル判定が下されたときに、運転者に故障を報知する故障報知手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 上記エンジン制御手段は、上記エンジンの運転状態に基づき上記クランク角信号の基準位置からの角度として点火プラグによる目標点火時期を算出し、該算出結果を上記実リラクタ時間に基づき時間換算して上記基準位置からの時間として上記目標点火時期を特定し、上記フェイル判定時には、上記実リラクタ時間に代えて上記推定リラクタ時間に基づき時間換算して上記目標点火時期を特定する
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のエンジンの制御装置。
  5. 上記エンジン制御手段は、上記エンジンの運転状態に基づき上記クランク角信号の基準位置からの角度としてインジェクタによる目標噴射時期を算出し、該算出結果を上記実リラクタ時間に基づき時間換算して上記基準位置からの時間として上記目標噴射時期を特定し、上記フェイル判定時には、上記実リラクタ時間に代えて上記推定リラクタ時間に基づき時間換算して上記目標噴射時期を特定する
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のエンジンの制御装置。
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