以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る保湿剤は、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスを有効成分として含有する。
タンブリッサ・トリコフィラ(Tambourissa trichophylla)は、マダガスカル島及びコモロス諸島で生育する、高さ5〜12mの樹木である。葉は、対生であり、長さ8〜20cmの楕円形又は披針形であり、上部は鋸歯状である。マダガスカル島では、この植物はアンボラーサ又はアンボラと呼ばれ、創傷治癒などに古くから使用されている。
タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスは、タンブリッサ・トリコフィラの葉を標準的な方法により抽出したものである。具体的には、特許文献1に記載された方法により抽出することができる。簡潔に述べると、水及びアルコールの混合溶媒などの極性溶媒によって抽出することができ、必要に応じて溶媒の除去、酢酸エチル及びヘプタンなどの非極性溶媒による非極性分子の除去、凍結乾燥などを行ってもよい。タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスの好ましい形態としては、乾燥粉末である。
タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスは市販されている製品を利用することも可能であり、そのような製品として、例えば、Bayer Sante Familiale社製の「アンボラエキス」が挙げられ、これは乾燥粉末の形態である。
保湿剤における、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスの含有量は、保湿効果が発揮される量であればよく、例えば、保湿剤全体を基準として0.00001重量%〜10重量%(乾燥状態のエキスとして、以下同じ)であり、好ましくは0.0001重量%〜5重量%、より好ましくは0.0001〜1重量%である。
本発明の別の実施形態に係る保湿剤は、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスに加え、フキエキス及び/又はカミツレエキスを含有する。
フキエキスとは、フキの葉、茎及び/又は根の抽出物を意味し、フキの葉、茎及び/又は根を標準的な方法により抽出したものである。市販されている製品を利用することも可能であり、そのような製品として、例えば、オリザ油化株式会社製の「フキエキス−WSPC」、「フキエキス−PC」及び「フキエキス−LC」、並びにArch Personal Care社製の「NBA Butter Bur Extract」が挙げられる。保湿剤における、フキエキスの含有量は、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスの保湿効果を増強できる量であればよく、例えば、保湿剤全体を基準として0.0001重量%〜10重量%であり、好ましくは0.001重量%〜5重量%である。
保湿剤において、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス及びフキエキスの好ましい配合割合としては、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス1重量部に対し、フキエキス0.01〜100重量部であり、好ましくは、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス1重量部に対し、フキエキス0.01〜50重量部であり、さらに好ましくは、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス1重量部に対し、フキエキス0.05〜10重量部である。
カミツレエキスとは、カミツレ(カモミールともいう)の花の抽出物を意味し、カミツレの花を標準的な方法により抽出したものである。市販されている製品を利用することも可能であり、そのような製品として、例えば、丸善製薬株式会社製又はイワセコスファ株式会社製の「カミツレ抽出液」、「カミツレ抽出液BG−J」及び「カミツレ抽出液LA」並びに香栄興業株式会社製の「カミツレ抽出液LS」、「油溶性カミツレ抽出液M」及び「油溶性カミツレ抽出液P」が挙げられ、これらの他、表示名称として、カモミラエキス(1)、カミツレ水、ローマカミツレ油、ローマカミツレ花油として市販されている製品が挙げられる。保湿剤における、カミツレエキスの含有量は、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスの保湿効果を増強できる量であればよく、例えば、保湿剤全体を基準として0.0001重量%〜10重量%であり、好ましくは0.001重量%〜5重量%である。
保湿剤において、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス及びカミツレエキスの好ましい配合割合としては、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス1重量部に対し、カミツレエキス0.01〜100重量部であり、好ましくは、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス1重量部に対し、カミツレエキス0.01〜50重量部であり、さらに好ましくは、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス1重量部に対し、カミツレエキス0.05〜10重量部である。
本発明の別の実施形態に係る保湿剤は、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスに加え、細胞間脂質及び/又は擬似細胞間脂質成分を含有する。
細胞間脂質は、表皮の最上層のある角質細胞の間をセメントのように埋めることにより、外部からの物質の侵入及び外部への水分蒸散を防ぐ働きをしており、皮膚バリアの重要な役割を担っている。この細胞間脂質としては、セラミド、コレステロールエステル、コレステロール及び脂肪酸などが知られており、中でも、セラミド、コレステロール及び脂肪酸が細胞間脂質の大部分を占めている。また近年、擬似細胞間脂質として、細胞間脂質そのものではないものの、類似の性質を持った成分(以下、本明細書において、これらをまとめてセラミド類という)も開発されてきている。
このうちセラミド類は、低刺激かつ優れた肌のバリア機能を発揮する化合物であることが知られていることから、本発明の保湿剤、外用組成物に含有させることで、さらに優れた使用感と効果感を得ることができる。セラミド類としては、天然由来品、合成品(擬似セラミド含む)問わず、公知のセラミド類を用いることができる。合成品、半合成品、誘導体及び複合体などを含む市販されている製品を利用することも可能であり、そのような製品として、例えば、高砂香料株式会社製の「セラミド2」、「セラミド2リポソーム」、「セラミド2ベシクル」及び「セラミド2,5ベシクル」、EVONIC社製の「セラミド3」及び「セラミド6(II)」並びに日本精化株式会社製の「フィトプレソームセラ2」及び「フィトソームセラ2,3,6」が挙げられる。擬似セラミドとして、セラミドそのものではないものの、セラミドと類似の性質を持った成分も開発されてきている。擬似セラミドとしては、例えば、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)として市販されている、味の素株式会社製の「エルデュウPS306」、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)として市販されている、味の素株式会社製の「エルデュウPS203」及びセチルPGヒドロキシエチルパルミタミドとして市販されている、花王株式会社製「ソフケアセラミドSL−E」が挙げられる。
その他、スフィンゴシン及びフィトスフィンゴシンなどのスフィンゴイド塩基、スフィンゴ糖脂質並びにスフィンゴリン脂質などもセラミド類として知られており、市販されている原料を使用することが可能である。
保湿剤における、セラミド類の含有量は、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスの保湿効果を増強できる量であればよく、例えば、保湿剤全体を基準として0.000001重量%〜10重量%であり、好ましくは0.00001重量%〜8重量%である。
コレステロールも市販されている原料を使用することが可能である。製品として、例えば、日本精化株式会社製の「コレステロールJSQI」及び「日本薬局方コレステロール」並びに日本水産株式会社製の「ニッスイマリンコレステロール」が挙げられる。
脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などが知られており、市販されている原料を使用することが可能である。
保湿剤において、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス及び細胞間脂質及び/又は擬似細胞間脂質成分の好ましい配合割合としては、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス1重量部に対し、細胞間脂質及び/又は擬似細胞間脂質成分0.01〜100重量部であり、好ましくは、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス1重量部に対し、細胞間脂質及び/又は擬似細胞間脂質成分0.01〜50重量部であり、さらに好ましくは、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス1重量部に対し、細胞間脂質及び/又は擬似細胞間脂質成分0.05〜10重量部である。
本発明のさらに別の実施形態に係る保湿剤は、上記成分に加え、既知の保湿成分を含有する。保湿成分としては、例えば、リン脂質(例えば、レシチン及び水素添加レシチン)などの脂質;ハマメリスエキス、チャエキス及びシソエキスなどの植物抽出物;ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどのムコ多糖;コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン及びキトサンなどの高分子化合物;グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びジグリセリントレハロースなどの多価アルコール;アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、アスパラギン酸、テアニン及びアルギニンなどのアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素及びピロリドンカルボン酸ナトリウムなどの天然保湿因子;ソルビトールなどの糖アルコール;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム及び尿素などの天然保湿因子由来成分;ポリグルタミン酸;MPCポリマー(例えば、LIPIDURE(登録商標)など)などのリン脂質極性基を有する高分子;ポリオキシプロピレンメチルグルコシド;トリメチルグリシン(ベタイン);ヒドロキシエチルウレア;アクリル酸・アクリルアミド・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体などが挙げられる。中でも、使用感を考慮すると、リン脂質などの脂質;ハマメリスエキス、チャエキス及びシソエキスなどの植物抽出エキスが好ましい。
本発明の一実施形態に係る発汗促進剤は、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスを有効成分として含有する。発汗促進剤における、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスの含有量は、発汗促進効果が発揮される量であればよく、例えば、発汗促進剤全体を基準として0.00001重量%〜10重量%であり、好ましくは0.0001重量%〜5重量%である。
本発明の一実施形態に係るムスカリンM3受容体作動剤は、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスを有効成分として含有する。ムスカリンM3受容体作動剤における、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスの含有量は、ムスカリンM3受容体アゴニスト作用が発揮される量であればよく、例えば、ムスカリンM3受容体作動剤全体を基準として0.0001重量%〜10重量%であり、好ましくは0.001重量%〜5重量%である。
本発明の一実施形態に係る外用組成物は、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス並びにフキエキス、カミツレエキス、細胞間脂質及び擬似細胞間脂質成分からなる群から選択される一種以上を含有する。
外用組成物とは、医薬品、医薬部外品又は化粧品のいずれであってもよく、特に、皮膚に適用される皮膚外用組成物である。
医薬品用の皮膚外用組成物の形態は特に限定されず、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤及びエアゾール剤などが挙げられる。これらの製剤は、第16改正日本薬局方製剤総則に記載の方法などに従い製造することができる。中でも、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、ローション剤及びエアゾール剤が好ましく、クリーム剤、乳剤及びゲル剤がより好ましい。
医薬部外品又は化粧品用の皮膚外用組成物とする場合も、上記の医薬品用の皮膚外用組成物と同様の形態にすることができる。また、それ以外にも、スティック剤及び不織布に薬液を含浸させたシート剤などが挙げられる。中でも、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、ローション剤及びシート剤が好ましく、クリーム剤、乳剤及びゲル剤がより好ましい。
クリーム剤及び乳剤のように油性基剤と水性基剤とを含む場合は、W/O型でもよく、O/W型でもよいが、O/W型が好ましい。水を含まない基剤の場合は、軟膏剤並びに多価アルコール及び/又はグリコールエーテルを基剤として含む液剤が好ましい。
医薬部外品又は化粧品用の皮膚外用組成物の用途としては、上述の保湿剤、発汗促進剤及びムスカリンM3受容体作動剤のほか、化粧水、乳液、ジェル、クリーム、美容液、日焼け止め用化粧料、パック、マスク、ハンドクリーム、ボディローション及びボディークリームなどの基礎化粧料;洗顔料、メイク落とし、ひげそり剤、ボディーシャンプー、シャンプー、リンス及びトリートメントなどの洗浄用化粧料;リップクリーム及び口紅などの口唇用化粧料、ファンデーション並びにマスカラなどのメイクアップ化粧料;除毛剤;並びに浴用剤などが挙げられる。
外用組成物におけるタンブリッサ・トリコフィラ葉エキス並びにフキエキス、カミツレエキス、細胞間脂質及び擬似細胞間脂質成分からなる群から選択される一種以上の含有量は、その用途に応じて当業者が適宜選択することができ、例えば、保湿剤として用いる場合の含有量は上述の通りである。
本発明のさらに別の実施形態に係る外用組成物は、上記成分に加え、既知の保湿成分を含有する。保湿成分の具体例は上述の通りである。
本発明の実施形態に係る保湿剤、発汗促進剤、ムスカリンM3受容体作動剤及び外用組成物(以下、外用組成物等ともいう)は上記成分のほか、医薬品、医薬部外品又は化粧品に通常使用される基剤又は担体及び必要に応じて添加剤を含有することができる。
基剤又は担体としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー及び軽質流動パラフィンなどの炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン及びシリコーンレジンなどのシリコーン油;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールなどの高級アルコール;コレステロール、フィトステロール及びヒドロキシステアリン酸フィトステリルなどのステロール類;ホホバ油、メドフォーム油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、椿油、スクワラン、シアバター及びコメ胚芽油などの植物油;ラノリン、オレンジラフィー油、スクワラン及び馬油などの動物油;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化グアーガム及びアセチル化ヒアルロン酸などの天然高分子誘導体;ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー及びアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体などの合成高分子;カラギーナン、アルギン酸、セルロース、グアーガム、クインスシード、デキストラン、ジェランガム及びヒアルロン酸などの天然高分子;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ホホバ油及びトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルなどのエステル類;デキストリン及びマルトデキストリンなどの多糖類;エタノール及びイソプロパノールなどの低級アルコール;上記説明した炭素数2〜6、水酸基数2〜4の多価アルコール;上記説明したグリコールエーテル;コハク酸、グリコール酸、グルコン酸及びクエン酸などの有機酸;並びに水などの水系基剤などが挙げられる。
中でも、多価アルコール、高級アルコール、炭化水素、エステル類、シリコーン油及び有機酸が好ましく、多価アルコールがより好ましい。
本発明の実施形態に係る外用組成物等の好ましい例として、基剤として多価アルコールを含む液剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤及び乳剤が挙げられる。
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の実施形態に係る外用組成物等には、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品又は化粧品に添加される公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、刺激低減剤、キレート剤、着色剤、香料及びパール光沢付与剤などを添加することができる。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸及びL−システイン塩酸塩などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン及びテトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO−40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO−50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO−60)及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)及びイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ラウリン酸PEG−80ソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン及びオレイルアミンなどのアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン及びPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンなどのシリコーン系界面活性剤;リン脂質、サーファクチン及びサポニンなどの天然界面活性剤;ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド及びステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミドなどの脂肪酸アミドアミン;トリラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン及びジ−2−エチルヘキシルアミンなどのアルキルアミン;ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド及びラウリルヒドロキシスルホベタインなどのベタイン系両性界面活性剤などが挙げられる。
増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、アルギン酸、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシエチルセルロースなどのセルロース系増粘剤などが挙げられる。
防腐剤又は保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビン酸およびその塩、グルコン酸クロルヘキシジン、アルカンジオール及びグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸及びホウ酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、酢酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、コハク酸ナトリウム、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、アスパラギン酸、イプシロンアミノカプロン酸、グルタミン酸及びアミノエチルスルホン酸など)、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムなど)並びに有機塩基(モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、リジン及びトリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アルギン酸ナトリウム及び2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどが挙げられる。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA−2Naなど)及びカリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸並びにメタリン酸などが挙げられる。中でも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
着色剤としては、例えば、無機顔料及び天然色素などが挙げられる。
香料としては、例えば、ローズ油、リモネン、ゼラニウム油及びベルガモット油などの天然香料並びに合成香料などが挙げられる。
パール光沢付与剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール及びジステアリン酸トリエチレングリコールなどが挙げられる。中でも、ジステアリン酸エチレングリコールが好ましい。
添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の実施形態に係る外用組成物等は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分を含むことができる。有効成分の具体例としては、例えば、抗炎症成分、抗菌又は殺菌成分、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分、老化防止成分、血行促進成分、角質軟化成分、美白成分、収斂成分、紫外線防御成分(紫外線吸収成分、紫外線散乱成分)及び洗浄成分などが挙げられる。
抗炎症成分としては、例えば、植物(例えば、ブドウ、オタネニンジン、及びコンフリーなど)に由来する成分、アラントイン、グリチルリチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、塩酸ピリドキシン、サリチル酸又はその誘導体及びε−アミノカプロン酸、プロアントシアニジン、トコフェロール又はその誘導体、アスコルビン酸又はその誘導体、ヘスペリジン、グルコシルヘスペリジン、エルゴチオネイン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸又はその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。
抗菌又は殺菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、イオウ、レゾルシン、エタノール、塩化ベンゼトニウム、アダパレン、過酸化ベンゾイル、クリンダマイシン、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール、アルカンジオール、グリセリン脂肪酸エステル、アゼライン酸、塩酸アルキルジアミノグリシン、グルコン酸クロルヘキシジン及びパラフェノールスルホン酸亜鉛などが挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールなどのレチノール誘導体、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d−δ−トコフェリルレチノエート、α−トコフェリルレチノエート、及びβ−トコフェリルレチノエートなどのビタミンA類;β−カロチン、α−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、及びエキネノンなどのプロビタミンA類;δ−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、及びコハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、ニコチン酸トコフェロールなどのビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、及びリボフラビンテトラニコチン酸エステルなどのビタミンB2類;ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、及びニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチルなどのニコチン酸類;ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステルなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、及びコレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、及びファルノキノンなどのビタミンK類;ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、及びチアミントリリン酸エステルモノリン酸塩などのビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、及び塩酸ピリドキサミンなどのビタミンB6類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、及びデオキシアデノシルコバラミンなどのビタミンB12類;葉酸、及びプテロイルグルタミン酸などの葉酸類;ニコチン酸、及びニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、及びパントテニルエチルエーテルなどのパントテン酸類;ビオチン、及びビオチシンなどのビオチン類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、及びアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸誘導体であるビタミンC類;並びにγ−オリザノール、カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、及びオロット酸などのビタミン様作用因子などが挙げられる。
ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、並びにアシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、及びパルミトイルテトラペプチドなど)などが挙げられる。
アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、及びクレアチンなどが挙げられる。
細胞賦活化成分としては、例えば、γ−アミノ酪酸、及びε−アミノプロン酸などのアミノ酸類;レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、及びパントテン酸類などのビタミン類;グリコール酸、及び乳酸などのα−ヒドロキシ酸類;タンニン;フラボノイド;サポニン;アラントイン;並びに感光素301号などが挙げられる。
老化防止成分としては、例えば、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、及びメバロノラクトンなどが挙げられる。
血行促進作用成分としては、例えば、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ローマカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャーブルーム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ローズマリー、ローズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、又はトウモロコシ)に由来する成分;及びグルコシルヘスペリジンなどが挙げられる。
角質軟化成分としては、例えば、尿素、サリチル酸、グリコール酸、フルーツ酸、フィチン酸、ラノリン、乳酸、乳酸塩、クエン酸及びイオウなどが挙げられる。
美白成分としては、例えば、アルブチン;ハイドロキノン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;アスコルビン酸又はその誘導体;ビタミンE又はその誘導体;パントテン酸又はその誘導体;トラネキサム酸;及び美白作用を有する植物成分(例えば、植物エキスや精油)などが挙げられる。
収斂成分としては、例えば、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、酸化亜鉛、及び硫酸アルミニウムカリウムなどの金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、及びコハク酸などの有機酸、メントール、エタノールなどが挙げられる。
紫外線吸収成分としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、及び2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピロン酸エチルヘキシル、エトルヘキシルトリアゾリン、パラアミノ安息香酸およびその誘導体、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、サチリル酸エチレングリコール、ジヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
紫外線散乱成分としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、及び含水ケイ酸などの無機化合物;これらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、又はマイカやタルクなどの無機粉体で被覆したもの;これらの無機化合物をポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン又はナイロンなどの樹脂粉体に複合化したもの;並びにこれらの無機化合物をシリコーン油や脂肪酸アルミニウム塩などで処理したものなどが挙げられる。
洗浄成分としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩、アルキル(又はアルケニル)硫酸塩、高級脂肪酸塩(パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸及びステアリン酸など)、エーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩(N−ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、ラウロリルメチル−β−アラニンナトリウム、水酸化カリウム/N−ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム及びミリストイルグルタミン酸、ココイルサルコシンナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ココイルメチルタウリンタウリンナトリウム、カプロイルメチルタウリンナトリウム、ココイルアラニンTEA、ココイルグリシンカリウム、ステアロイルグリシンナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム及びココイルグルタミン酸ナトリウムなどアミノ酸系活性剤)、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩、アシル化イセチオン酸塩及びアシル化タウレートなどのアニオン界面活性剤;アルキレンオキサイドが付加していてもよい、直鎖又は分岐鎖の長鎖アルキル基を有するモノ又はジ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤;ラウリン酸PEG−80ソルビタン、コカミドDEA、アルキル(8−16)グルコシドなどのノニオン界面活性剤;並びにカルボベタイン、スルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン(2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン及びN−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウムなど)及びアミドベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココアンホ酢酸ナトリウムなどの両性界面活性剤が挙げられる。
その他の有効成分は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の実施形態に係る外用組成物等は、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスの生理活性を期待して、乾燥肌などを有する人に好適に使用できる。その他、種々の皮膚疾患、又は皮膚トラブルを有する人に好適にも使用できる。また、皮膚トラブルの予防のため、正常な肌を有する人も好適な使用対象となる。
試験例1:ムスカリンM3受容体アゴニスト作用の測定
96ウェル、平底、黒色/透明の細胞培養用プレート(BDファルコン社;353219)にヒト ムスカリン受容体強制発現細胞(Chan test社;Human M3 Musucarinic Receptor EZCells DA)を50,000細胞/ウェル(200μL)播種し、24時間培養した。被験試料を細胞に添加し、FLIPR Calcium 6 Assay Kit(モレキュラーデバイス社)を用いた細胞内Caイオン濃度を測定した。陰性対照の細胞内Caイオン流入量を100としたときの相対値により、M3アゴニスト作用の評価を行った。被験試料として、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス(Bayer Sante Familiale社)及びカルバコール(陽性対象)を用いた。
結果を図1に示す。タンブリッサ・トリコフィラ葉エキス0.01〜0.1%は、カルバコールと同等又はそれ以上の細胞内Caイオン濃度流入量を示したことから、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスはM3アゴニスト作用を有することが分かった。
試験例2:保湿作用の測定
表1に示す処方に従い、実施例及び比較例の試験製剤を作成し(フキエキスはオリザ油化株式会社製のものを、カミツレエキスは丸善製薬株式会社製のものを使用した。)、被験者(3名)の左前腕内側を試験部位とした保湿力試験を行った。具体的には、被験者に試験製剤を塗布する前に試験部位を洗浄し、洗浄後15分後に角質水分量(使用機器:Skicon−200EX;株式会社ヤヨイ)を測定し、それを初期値とした。さらに当該試験部位に試験製剤を塗布し、その10分後に試験部位の角層水分量を測定した。塗布前後の角質水分量から、下式にて角質水分変化量を算出した。
角質水分変化量(Δ)=塗布後の角質水分量−塗布前の角質水分量
結果を表1に示す。保湿作用が知られているカミツレエキスの水分変化量と比較して、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスの水分変化量が大きかった(比較例3と実施例1)。カミツレエキスとタンブリッサ・トリコフィラ葉エキスとを組み合わせると、水分変化量が増大した(実施例3)。また、保湿作用が知られていないフキエキスとタンブリッサ・トリコフィラ葉エキスを組み合わせた場合でも、水分変化量がさらに増大した(比較例2と実施例2及び4)。以上から、タンブリッサ・トリコフィラ葉エキスが保湿作用を有すること、及びフキエキス及び/又はカミツレエキスと組み合わせることでタンブリッサ・トリコフィラ葉エキスの保湿作用が増強されることが分かった。
表2に記載した処方に基づき、常法に従って各製剤を作製した。