JP2015229167A - レーザ加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、炭酸ガスレーザによるガラス板の厚さが100μmの穴明け加工の場合でも、テーパ率80%程度以上をえることができるレーザ加工方法を提供することにある。
【解決手段】炭酸ガスレーザを用い、厚さ100μmのガラス板に穴明けするレーザ加工方法において、厚さ125μmの樹脂フィルムを表面に貼った後に穴明け加工すると良い。特に、最適条件ではテーパ径が80%近くなり、かつ開口部径も50μmに近いという良好な穴形状を加工できることがわかった。
【選択図】図1
【解決手段】炭酸ガスレーザを用い、厚さ100μmのガラス板に穴明けするレーザ加工方法において、厚さ125μmの樹脂フィルムを表面に貼った後に穴明け加工すると良い。特に、最適条件ではテーパ径が80%近くなり、かつ開口部径も50μmに近いという良好な穴形状を加工できることがわかった。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭酸ガスレーザを用いてガラス板に穴明け加工する場合に好適な加工方法に係るものである。
近年、携帯電話、薄型テレビ、パソコンディスプレイ等の普及に伴い、ICチップ(シリコン:2.6ppm/℃)とマザーボード(FR4等の樹脂:横方向10〜15ppm/℃)との熱膨張率の差を緩和するために、その中間的な熱膨張率を持つガラス板(例えば無アルカリガラスの場合3.8〜4.9ppm/℃)に貫通穴を明け、貫通電極を形成してICチップへの中継基板(インターポーザ)とする需要が高まっている。
従来、ガラス基板への穴明けは(超音波)ドリル加工が主流であったが、ドリルの激しい磨耗やクラックが入りやすいなどの問題があった(特許文献1段落0004参照)。そのため、レーザによる穴明け加工が検討されているが、高出力が得られる炭酸ガスレーザではやはりクラックが入りやすいなどの問題があり(例えば、特許文献1段落0014、特許文献2段落0004参照)、紫外線レーザが主流であった(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。尚、特許文献1には、炭酸ガスレーザでのガラス基板への穴明け加工方法が開示されているが、穴壁面の品質が悪いために紫外線レーザを用いて仕上げ加工を行うというものである。
しかしながら、UVレーザやピコ秒グリーンレーザを用いた場合は2穴/秒程度の生産性であるのに対し、高出力の炭酸ガスレーザを用いた場合は500穴/秒以上の生産性を期待できるため、炭酸ガスレーザでの加工方法の確立が急がれている。
図4は本発明に係わるレーザ加工装置の概略図である。レーザ加工装置の光学系は、レーザ発振器8、ビーム径調整器20、パルス整形器21、X方向及びY方向にレーザビームを偏向するためのガルバノミラー1a,1b、ガルバノモータ2a,2b及びガルバノ制御部3a,3bからなるガルバノスキャナ、Fθレンズ22、及びこれらを制御する制御装置52から基本的に構成されており、ガラス基板50を載置してX方向及びY方向に移動できるX−Yテーブル51を有する。レーザ発振器8は波長9.4μmのレーザビーム9をパルス出力する炭酸ガスレーザ発振器である。レーザ発振器8から出力されたレーザビーム9は、ビーム径調整器20により外径を整形され、音響光学変調器21(以下、「AOM21」という。)により、加工条件に合わせたパルス幅に変調されたレーザビーム9kを加工用の光軸に分岐する。なお、変調されたレーザビーム9k以外の廃棄レーザビーム9dは図示を省略するダンパに照射され、熱に変換される。
図5はこのような構成でガラス基板に、炭酸ガスレーザで穴明けを行った場合の穴形状の模式図である。最初のパルスにより、開口部が広い穴が開き、その後パルス数を増やしても、奥行きは狭い穴になるが、開口部径はさらに少し広がってその後飽和するだけであり、このまま穴明けが完了してスルーホールにしても開口部径(top径)と裏面部径(bottom径)の比(テーパ率)が低下してしまう。特にガラス板の厚さが100μmの場合のテーパ率は悪く、75%以下である。
本発明の目的は、炭酸ガスレーザによるガラス板の厚さが100μmの穴明け加工の場合でも、テーパ率80%程度以上を得ることができるレーザ加工方法を提供することにある。
本発明の目的を達成するためには、炭酸ガスレーザを用い、ガラス板に穴明けするレーザ加工方法において、厚さ100μmのガラス板に穴明けするレーザ加工方法において、厚さ125μmの樹脂フィルムを表面に貼った後に穴明け加工するとよい。これは、テーパ率を向上できるという知見を得たことによる。
本発明の加工方法により穴明けすることにより、ガラス板の厚さが100μmの場合でも、テーパ率80%程度以上をえることができる。
以下、本発明に係るレーザ加工方法の実施の形態について説明する。
加工諸元は下記の通りである。
ガラス板 :無アルカリガラス,厚さ100μm
保護シート:ポリエチレンテレフタレート(PET)
厚さ 50μm,75μm,125μm
レーザ :炭酸ガスレーザ(9.4μm)
平均パワー:24W
繰り返し周波数:5kHz
パルス幅 :36μs
ビーム径 :51μm(ビームウエスト)
焦点位置 :ガラス板表面
図1は、上記条件で加工したときの、レーザパルスショット数と穴開口部径(top径)及びテーパ率の関係を示すグラフである。樹脂フィルムの厚さが50μm(△:PET50),75μm(□:PET75)の場合は、どのショット数においてもテーパ率が80%を超えることは無い。一方開口部径は、ショット数の増加につれて飽和傾向ではあるが目標の50μmを超えて60μm前後になってしまう。しかしながら、厚さが125μm(○:PET125)の場合は、ショット数が2の時にテーパ径が80%近く(79%)なり、かつ開口部径も目標の50μmに近い(52μm)良好な穴形状を得ることができることを見出した。さらにショット数を増加させると、一旦テーパ率が減少した後、再び81%になるが、この時には開口部径は58.5μmになってしまい、目標の50μmから外れてしまうことがわかった。しかしながら、厚さ125μmの場合は全般的にテーパ率が80%近い良好な穴形状を得ることができることがわかる。
ガラス板 :無アルカリガラス,厚さ100μm
保護シート:ポリエチレンテレフタレート(PET)
厚さ 50μm,75μm,125μm
レーザ :炭酸ガスレーザ(9.4μm)
平均パワー:24W
繰り返し周波数:5kHz
パルス幅 :36μs
ビーム径 :51μm(ビームウエスト)
焦点位置 :ガラス板表面
図1は、上記条件で加工したときの、レーザパルスショット数と穴開口部径(top径)及びテーパ率の関係を示すグラフである。樹脂フィルムの厚さが50μm(△:PET50),75μm(□:PET75)の場合は、どのショット数においてもテーパ率が80%を超えることは無い。一方開口部径は、ショット数の増加につれて飽和傾向ではあるが目標の50μmを超えて60μm前後になってしまう。しかしながら、厚さが125μm(○:PET125)の場合は、ショット数が2の時にテーパ径が80%近く(79%)なり、かつ開口部径も目標の50μmに近い(52μm)良好な穴形状を得ることができることを見出した。さらにショット数を増加させると、一旦テーパ率が減少した後、再び81%になるが、この時には開口部径は58.5μmになってしまい、目標の50μmから外れてしまうことがわかった。しかしながら、厚さ125μmの場合は全般的にテーパ率が80%近い良好な穴形状を得ることができることがわかる。
これは図2に樹脂フィルムが厚い場合、図3に薄い場合の模式図を示すが、全体的には図5で説明したような加工開始初期の開口部が広い部分が樹脂によって吸収されるためと推定している。しかしながら、樹脂フィルムの厚さが125μm(○:PET125)の場合の、ショット数が2の時にテーパ径が80%近くなり、かつ開口部径も50μmに近い良好な穴形状を得ることができるが、さらにショット数を増加させると一旦テーパ率が減少することについての原因は不明である。
1a ガルバノミラー(X軸)
1b ガルバノミラー(Y軸)
2a ガルバノモータ(X軸)
2b ガルバノモータ(Y軸)
3a ガルバノ制御部(X軸)
3b ガルバノ制御部(Y軸)
8 レーザ発振器
9 レーザビーム
9k 変調後のレーザビーム
9d ダンパに向かうレーザビーム
10 ガラス基板
12 接着剤層
20 ビーム径調整器
21 音響光学変調器(AOM)
22 集光レンズ
30 樹脂フィルム
31 樹脂フィルム
50 ガラス基板
51 X−Yテーブル
52 制御部
1b ガルバノミラー(Y軸)
2a ガルバノモータ(X軸)
2b ガルバノモータ(Y軸)
3a ガルバノ制御部(X軸)
3b ガルバノ制御部(Y軸)
8 レーザ発振器
9 レーザビーム
9k 変調後のレーザビーム
9d ダンパに向かうレーザビーム
10 ガラス基板
12 接着剤層
20 ビーム径調整器
21 音響光学変調器(AOM)
22 集光レンズ
30 樹脂フィルム
31 樹脂フィルム
50 ガラス基板
51 X−Yテーブル
52 制御部
Claims (1)
- 炭酸ガスレーザを用い、厚さ100μmのガラス板に穴明けするレーザ加工方法において、
厚さ125μmの樹脂フィルムを表面に貼った後に穴明け加工する
ことを特徴とするレーザ加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014115334A JP2015229167A (ja) | 2014-06-04 | 2014-06-04 | レーザ加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014115334A JP2015229167A (ja) | 2014-06-04 | 2014-06-04 | レーザ加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015229167A true JP2015229167A (ja) | 2015-12-21 |
Family
ID=54886255
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014115334A Pending JP2015229167A (ja) | 2014-06-04 | 2014-06-04 | レーザ加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015229167A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017094457A1 (ja) * | 2015-12-03 | 2017-06-08 | 日本電気硝子株式会社 | 配線用孔の形成方法、及び電子デバイス |
JP2017186185A (ja) * | 2016-04-01 | 2017-10-12 | 三菱電機株式会社 | レーザ加工装置およびレーザ加工方法 |
JP2017186240A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-12 | 旭硝子株式会社 | ガラス基板の製造方法、ガラス基板に孔を形成する方法、およびガラス基板に孔を形成する装置 |
JP2018108907A (ja) * | 2017-01-04 | 2018-07-12 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス板及びその製造方法 |
CN108309023A (zh) * | 2018-02-05 | 2018-07-24 | 浙江三禾厨具有限公司 | 一种环保型的不粘锅表面处理工艺 |
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US11123822B2 (en) | 2016-03-31 | 2021-09-21 | AGC Inc. | Manufacturing method for glass substrate, method for forming hole in glass substrate, and apparatus for forming hole in glass substrate |
-
2014
- 2014-06-04 JP JP2014115334A patent/JP2015229167A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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TWI725155B (zh) * | 2016-03-31 | 2021-04-21 | 日商Agc股份有限公司 | 玻璃基板之製造方法、於玻璃基板形成孔之方法、及於玻璃基板形成孔之裝置 |
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