JP2015228436A - 巻線部品及び電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】放熱性を向上し、且つ小型化を実現する巻線部品、及び電源装置を提供する。
【解決手段】巻線部品1Aは、互いに対向する一対の磁性体コア5A,5Bと、板状の導電部材により形成され、コイル部及びコイル部の両端に設けられた端子部を有するコイル巻線20と、コイル巻線20からの熱を放出するための筐体70と、コイル巻線20と筐体70との間に配置される伝熱部材60,61と、を備える。コイル部は、一対の磁性体コア5A,5Bに挟まれた平板部と、平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で平板部から筐体70側に向かって延びた折曲部と、を有する。伝熱部材60,61は、筐体70及び折曲部に接触する。
【選択図】図2

Description

本発明は、巻線部品及びこの巻線部品を用いた電源装置に関する。
車載用DC−DCコンバータ等のスイッチング電源装置として、基板の反実装面と所定間隔を隔てて対面された金属部材の平行板部と、基板に設けられた穴から実装面側に突出したチョークコイル等のコイルを含む電子部品と、を備えた巻線部品を用いた電源装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この電源装置では、例えばチョークコイルで生じた熱の放熱を目的として、チョークコイルの底面が平行板部の基板側の主面に密着して設けられた構造となっている。
上記特許文献1に記載の電源装置では、チョークコイル等の電子部品を形成する領域の基板が切り抜かれており、この切り抜かれた領域にビス等を用いて電子部品が接続されている。このため、切り抜かれた箇所の基板は破棄されるので無駄が多く、高コスト化するという課題があり、基板の省スペース化や電源装置の小型化といった要求に反している。
そこで、例えば特許文献2に記載されているように、基板内に形成されたコイルパターンと、当該コイルパターンと接続された板金コイルとを含むコイル部が知られている。
特許第3334620号公報 特許第4635969号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載のコイル部を、上記特許文献1に記載のチョークコイルに適用した場合、放熱性の向上と小型化の実現とを両立させることが困難となる。例えば、板金コイルで生じた熱を放熱するためには、上述のように放熱用の金属部材等を用いる方法が知られているが、この放熱を効果的に行うには板金コイルと放熱用の金属部材等との接触面積を大きくしなければならない。よって、コイル部及び電源装置を小型化することが難しい。
また、コイルパターンが形成された基板の下に放熱用の金属部材等を設けた場合、基板で生じた熱を放熱することができても、板金コイルと金属部材等との間に基板があることにより、板金コイルで生じた熱は放熱し難い構造となる。この熱を放熱するための金属部材等を別途設けようとすると、コイル部及び電源装置の小型化が困難となる。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、放熱性を向上し、且つ小型化を実現することができる巻線部品、及び電源装置を提供することを目的とする。
本発明に係る巻線部品は、互いに対向する一対の磁性体コアと、板状の導電部材により形成され、コイル部及びコイル部の両端に設けられた端子部を有するコイル巻線と、コイル巻線からの熱を放出するための放熱部材と、コイル巻線と放熱部材との間に配置される伝熱部材と、を備え、コイル部は、一対の磁性体コアに挟まれた平板部と、平面視で磁性体コアと重ならない位置で平板部から放熱部材側に向かって延びた折曲部と、を有し、伝熱部材は、放熱部材及び折曲部に接触する。
本発明に係る巻線部品では、放熱部材及び折曲部に接触する伝熱部材を備えることにより、コイル巻線で生じた熱が、折曲部から伝熱部材を介して放熱部材へと伝達される。これにより、コイル巻線で生じた熱を積極的に放熱することができる。この場合において、折曲部は平面視で磁性体コアと重ならない位置で平板部から放熱部材側に向かって延びているので、コイル巻線が平面視で占める面積を小さくすることができる。以上より、本発明に係る巻線部品では、放熱性を向上させ、且つ小型化を実現することができる。
本発明に係る巻線部品において、軸線の周りを巻回する導体パターンが設けられたコイル基板を更に備え、コイル巻線は、コイル基板と前記放熱部材との間に配置され、且つ、一方の端子部が前記導体パターンの一端に電気的に接続されて導体パターンと共に軸線の周りに巻回されていてもよい。この場合、コイル基板と放熱部材との間にコイル巻線が配置されているので、コイル巻線により生じた熱がコイル基板に阻害されることなく、折曲部から伝熱部材を介して放熱部材へと確実に伝達される。これにより、巻線部品における放熱性を向上させることができる。
本発明に係る巻線部品において、放熱部材は、平面状の基部と、基部から突出した凸部とを有し、凸部は、コイル基板の導体パターンのうち平面視でコイル巻線と重ならない領域と熱的に接続されるように配置されていてもよい。この場合、コイル基板の導体パターンが放熱部材の凸部と熱的に接続されるので、コイル基板の導体パターンで生じた熱についても当該凸部によって積極的に放熱することができる。また、当該凸部は、コイル基板の導体パターンのうち平面視でコイル巻線と重ならない領域に熱的に接続されるように配置されているので、当該重ならない領域を放熱のために有効活用することができ、巻線部品の小型化を実現する上で好適である。
本発明に係る巻線部品において、折曲部は、その端部に基部の表面と対向する折曲端部を有し、伝熱部材は、基部の表面及び折曲端部と接触してもよい。この場合、コイル巻線で生じた熱が、折曲端部から伝熱部材を介して放熱部材の基部の表面へと伝達される。折曲端部は、折曲部の端部において、放熱部材の基部の表面と対向しているので、平面視で小さい面積内でコイル巻線から放熱部材までの熱伝導経路を確保することができる。
本発明に係る巻線部品において、折曲部は、凸部における磁性体コアとの対向面と対向する折曲板部を有し、伝熱部材は、対向面及び折曲板部と接触してもよい。この場合、コイル巻線で生じた熱が、折曲板部から伝熱部材及び対向面を介して放熱部材へと伝達される。折曲板部は、放熱部材の凸部における磁性体コアとの対向面と対向しているので、伝熱部材とコイル巻線との接触面積が大きく、より効果的に放熱を行うことができる。
本発明に係る巻線部品において、折曲部が、コイル部のうち、磁性体コアを挟んで対向する位置に複数形成されていてもよい。この場合、平面視で大きな面積を必要とすることなく、コイル巻線と放熱部材との間の熱伝導経路を複数確保することができる。これにより、巻線部品における小型化を実現した上で、放熱性をより向上させることができる。
本発明に係る巻線部品において、伝熱部材が、磁性体コアとコイル巻線との間に配置されていてもよい。この場合、コイル巻線で生じた熱が、伝熱部材を介して磁性体コアへも伝達させることができるので、磁性体コアを介して放熱部材へと熱を伝達させて放熱させることができる。これにより、平面視でコイル巻線が占める面積内でコイル巻線から放熱部材までの熱伝導経路を拡大することができる。
なお、本発明は、巻線部品を備える電源装置の発明ということもできる。具体的には、本発明に係る電源装置は、上記の巻線部品を備えることを特徴とする。この場合、電源装置における放熱性を向上し、且つ、小型化を実現することができる。
本発明によれば、放熱性を向上し、且つ小型化を実現することができる巻線部品、及び電源装置を提供することができる。
第1実施形態に係る巻線部品の斜視図である。 図1に示す巻線部品の分解斜視図である。 図2の巻線部品の下面側(底面側)からの分解斜視図である。 図1に示す巻線部品が備えるコイル巻線の斜視図である。 図4のコイル巻線の下面側(底面側)からの斜視図である。 図1に示す巻線部品が備えるコイル基板の斜視図である。 図6のコイル基板の下面側(底面側)からの斜視図である。 図1に示すVIII-VIII線に沿った断面図である。 図1に示すIX-IX線に沿った断面図である。 第2実施形態に係る巻線部品の分解斜視図である。 図10の巻線部品の下面側(底面側)からの分解斜視図である。 図10に示す巻線部品が備えるコイル巻線の斜視図である。 図12のコイル巻線の下面側(底面側)側からの斜視図である。 図1に示す巻線部品が備えるコイル基板の下面側(底面側)からの斜視図である。 第3実施形態に係る巻線部品の分解斜視図である。 第3実施形態に係る巻線部品における図9の断面図に対応する図である。 第4実施形態に係る巻線部品の分解斜視図である。 第4実施形態に係る巻線部品における図9の断面図に対応する図である。 第5実施形態に係る巻線部品の斜視図である。 図19に示す巻線部品の分解斜視図である。 図20の巻線部品の下面側(底面側)からの分解斜視図である。 図20に示す巻線部品が備えるコイル巻線の斜視図である。 図22のコイル巻線の下面側(底面側)からの斜視図である。 図19に示す巻線部品が備えるコイル基板の斜視図である。 図24のコイル基板の下面側(底面側)からの斜視図である。 図19に示すXXVI-XXVI線に沿った断面図である。 図1に示す巻線部品を、出力平滑回路内の平滑用チョークコイルとして使用した場合のスイッチング電源装置の回路構成図の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。なお、図面においては、構成の説明のため、必要に応じてXYZ軸を記載している。
(第1実施形態)
図1〜図9を参照して、本発明の第1実施形態に係る巻線部品及び電源装置の構成を説明する。図1は、第1実施形態に係る巻線部品の斜視図である。図2は、図1に示す巻線部品の分解斜視図である。図3は、図2の巻線部品の下面側(底面側)からの分解斜視図である。図4は、図1に示す巻線部品が備えるコイル巻線の斜視図である。図5は、図4のコイル巻線の下面側(底面側)からの斜視図である。図6は、図1に示す巻線部品が備えるコイル基板の斜視図である。図7は、図6のコイル基板の下面側(底面側)からの斜視図である。図8は、図1に示すVIII-VIII線に沿った断面図である。図9は、図1に示すIX-IX線に沿った断面図である。
本発明の一実施形態に係る電源装置は、例えば入力端子に接続された高圧バッテリから入力された直流電圧を電圧変換(降圧)することによって直流の出力電圧を生成し、これを出力端子から低圧バッテリへ出力するDC−DCコンバータ等のスイッチング電源装置である。スイッチング電源装置は、内部に基板及び電気部品等を含んだ金属製ケースを備えている。
図1には、スイッチング電源装置80における巻線部品1Aとして機能する部分が切り出されて示されている。筐体70は、スイッチング電源装置80の金属製ケースの一部を構成する。筐体70の底面側には、例えば筐体70を冷却するための放熱フィンが設けられて、空冷により放熱フィンが冷却されることで筐体70が冷却され、上面側に載置されたスイッチング電源装置80の各部品が冷却される。即ち、筐体70は、スイッチング電源装置80の外形の一部を構成すると共に、スイッチング電源装置80を構成する電気部品において生じる熱を放出するためのヒートシンクとして機能する。
図2及び図3に示すように、本実施形態に係る巻線部品1Aは、コイル基板10と、コイル巻線20と、一対の磁性体コア5A,5Bと、伝熱部材60,61と、放熱部材としての筐体70と、を備える。巻線部品1Aは、例えばスイッチング電源装置80におけるトランス、チョークコイル等に適用することができる。
巻線部品1Aにおいては、XY平面に沿って広がるコイル基板10内の導体パターンとコイル巻線20とによって、Z軸方向に延びる軸線Aの周りを巻回するコイルが形成されている。コイル巻線20は、一対の磁性体コア5A,5Bに挟まれている。一対の磁性体コア5A,5Bは、軸線A方向に沿って互いに対向している。磁性体コア5Aは、板状の平板部から伸びる中心脚部6及び一対の外脚7,8がX軸に沿って配列されたE型の磁性体コア5Aである。磁性体コア5Bは、平板状のI形コアである。即ち、磁性体コア5A,5Bは、所謂EI型の磁性体コアである。
伝熱部材60,61は、コイル巻線20と筐体70との間に配置されている。伝熱部材60,61は、絶縁性及び熱伝導性を有する例えばシリコーン等を材料として形成された伝熱シートである。なお、伝熱部材60,61は、弾性を保持しながら変形するものが好ましい。伝熱部材60,61は、コイル巻線20で生じた熱を放熱部材としての筐体70へ伝える。筐体70は、略平面状の基部71と、基部71から突出した凸部72とを有している。凸部72が設けられる位置は、磁性体コア5Bが配置されていない位置である。凸部72は、磁性体コア5Bの周囲を囲むようにして配置されている。なお、凸部72の詳細については後述する。基部71には、磁性体コア5Bを載置するための凹凸が設けられていてもよい。
図4及び図5を参照して、コイル巻線20の構成を詳細に説明する。図4及び図5に示すように、コイル巻線20は、板状の導電部材が軸線Aの周りに1ターン巻回されて形成された所謂板金コイルである。コイル巻線20は、中央に開口20aを有している。コイル巻線20は、例えば銅等の導電性を有する金属板を打ち抜き加工や折曲げ加工することで製造されてもよい。
コイル巻線20の一方の端部には、端子部22が設けられている。コイル巻線20の他方の端部には、端子部23が設けられている。端子部22及び端子部23は、それぞれX軸及びY軸方向に沿った平面を有し、当該平面において、後述するコイル基板10の導体パターンの一端と接続されている。
コイル巻線20における端子部22と端子部23との間の領域は、コイル部21として機能する。即ち、コイル部21の両端に端子部22,23が設けられている。端子部22はコイル部21の始端側であり、端子部23はコイル部21の終端側である。コイル部21は、一対の磁性体コア5A,5Bに挟まれ、且つX軸及びY軸に沿って平面状に延びた平板部24,25と、平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で平板部24,25から平板部24,25が延びる方向とは異なる方向に延びた折曲部26〜28と、を有している。本実施形態においては、折曲部26〜28は、平板部24,25から軸線A方向に沿って筐体70側に延びている。
折曲部26,27と折曲部28とは、磁性体コア5A,5Bを挟んで互いに対向している。即ち、コイル巻線20においては、コイル部21のうち、磁性体コア5A,5Bを挟んで対向する位置に複数の折曲部が形成されている。
折曲部26は、平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で折り曲げられ、当該位置で平板部24からZ軸方向に沿って筐体70側(下方)に向かって延びている(図2及び図3参照)。折曲部26は、平板部24と端子部22とを連結するようにX軸及びZ軸方向に沿って延びた折曲板部26bと、折曲板部26bの端に設けられた折曲端部26aと、を有している。折曲端部26aは、筐体70の基部71の表面71aと対向している(図8参照)。折曲端部26aと表面71aとの間には、伝熱部材60が配置されている。
折曲部27は、平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で折り曲げられ、当該位置で平板部25からZ軸方向に沿って筐体70側(下方)に向かって延びている(図2及び図3参照)。折曲部27は、平板部25と端子部23とを連結するようにX軸及びZ軸方向に沿って延びた折曲板部27bと、折曲板部27bの端に設けられた折曲端部27aと、を有している。折曲端部27aは、筐体70の基部71の表面71aと対向している(図8参照)。折曲端部27aと表面71aとの間には伝熱部材60が配置されている。
折曲部28は、磁性体コア5A,5Bを挟んで折曲部26及び折曲部27と対向する位置に設けられている。折曲部28は、平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で折り曲げられ、当該位置で平板部24、25の両方からZ軸方向に沿って筐体70側(下方)に向かって延びている(図2及び図3参照)。折曲部28は、平板部24と平板部25とを連結するようにX軸及びZ軸方向に沿って延びた折曲板部28bと、折曲板部28bの端に設けられた折曲端部28aと、を有している。折曲端部28aは、筐体70の基部71の表面71aと対向している(図8及び図9参照)。折曲端部28aと表面71aとの間には、伝熱部材61が配置されている。
折曲部28には、折曲部28の折曲端部28aとは反対側の上方側端部から上方に突出し、その端部がX軸及びY軸に沿った平面状とされた固定部29,30が設けられている。固定部29は、上方側端部のX軸方向に沿った一端に位置し、固定部30は、上方側端部のX軸方向に沿った他端に位置している。固定部29及び固定部30は、コイル基板10との固定に用いられる。これにより、固定部29及び固定部30は、コイル巻線20とコイル基板10とを安定して固定させる。
なお、端子部22,23及び固定部29,30がハンダを介してコイル基板10に接続された状態で、平板部24,25は、コイル基板10から離間している。即ち、端子部22,23及び固定部29,30の面と平板部24,25の面とは、Z軸に沿った方向で異なる高さ位置に配置されている。
上記のコイル巻線20において、始端側の端子部22に入力された電流は、折曲部26、平板部24、折曲部28、平板部25、及び折曲部27の順で流れ、終端側の端子部23から出力される。
続いて、図6及び図7を参照して、コイル基板10の構成を詳細に説明する。本実施形態において、コイル基板10は、絶縁材料からなる絶縁層と導体からなる導体パターンが形成された導体層とが交互に積層され、表面がレジスト層で覆われた多層プリント基板である。図6及び図7に示すように、コイル基板10は、筐体70との対向面とは反対側である表面10aと、筐体70との対向面である裏面10bと、を有している。コイル基板10には、磁性体コア5Aの中心脚部6が嵌め込まれる開口10cと、磁性体コア5Aの外脚7が嵌め込まれる開口10dと、磁性体コア5Aの外脚8が嵌め込まれる切込部10eと、が形成されている。コイル基板10には、導体パターン11が設けられている。
導体パターン11は、第1パターン12と、第2パターン14と、第3パターン16と、を含んで構成される。第1パターン12、第2パターン14、及び第3パターン16は、それぞれ互いに離間して形成されている。第1パターン12は、コイル基板10の表面10a上に連続して形成されたコイル部12b、端部12a及び端部12cと、コイル基板10の裏面10b上に形成された接続部12dと、を含んでいる。コイル部12bは、コイル基板10の開口10cの中心を通る軸線Aの周囲を1ターン巻回するように形成されている。端部12a,端部12cは、コイル部12bの両端に形成されている。接続部12dは、平面視で端部12cと対応する位置に形成されている。
端部12c及び接続部12dには、表面10aから裏面10bまでを貫通する貫通孔19が形成されており、この貫通孔19内に銅めっきなどによる金属層が形成されることにより、端部12cと接続部12dとが接続される。接続部12d(第1パターン12の一端)には、コイル巻線20の端子部22がハンダ等を介して接続されている。このように、第1パターン12の一端に端子部22が電気的に接続されることにより、コイル基板10におけるコイル部12bとコイル巻線20におけるコイル部21とが電気的に接続される。よって、コイル基板10において端部12aに入力された電流は、コイル部12b、端部12c、接続部12dの順で流れた後に、接続部12dと電気的に接続されたコイル巻線20の始端側の端子部22へと流れ、コイル巻線20の終端側の端子部23から出力される。これにより、コイル基板10とコイル巻線20とで、全体で2ターンのコイルとして機能する。
第2パターン14は、表面10aに形成された接続部14aと、裏面10bに形成された接続部14bと、により形成されている。接続部14aには、外部の電子部品がハンダ等により接続されてもよい。接続部14bには、コイル巻線20の端子部23がハンダ等により接続される。接続部14a及び接続部14bには、表面10aから裏面10bまでを貫通する貫通孔19が形成されており、この貫通孔19内に銅めっきなどによる金属層が形成されることにより、接続部14aと接続部14bとが接続される。これにより、外部の電子部品が接続される接続部14aと、コイル巻線20におけるコイル部21の終端側の端子部23とが電気的に接続される。
第3パターン16は、裏面10b上に複数形成された平面状の導体パターンである。第3パターン16は、コイル基板10で生じた熱の放熱を行うために設けられている。第3パターン16は、筐体70の凸部72の上に載置され(図8及び図9参照)、凸部72と熱的に接続されている。これにより、第3パターン16は、第1パターン12に電流を流した際の損失によりコイル基板10で発生した熱を筐体70へ伝達させる。また、第3パターン16は、裏面10bの表面(Z軸方向)をより均一な平面とするためにも備えられている。これにより、巻線部品1Aの組立精度を向上させると共に、コイル基板10の反りを抑制している。
また、コイル基板10の裏面10bには、導体パターン11とは別に、導体パターン11とは連続しない導体によってランド17,18が形成されている。ランド17は、コイル巻線20の固定部29にハンダ等を介して接続されている。ランド18は、コイル巻線20の固定部30にハンダ等を介して接続されている。
巻線部品1Aは、上記のコイル基板10及びコイル巻線20と、磁性体コア5A,5Bと、伝熱部材60,61と、放熱部材としての筐体70と、を組み合わせることで構成される。具体的には、図2及び図3を参照すると、筐体70の上に磁性体コア5Bが配置され、磁性体コア5Bの長辺(X軸方向)に沿って伝熱部材60,61が配置される。端子部22,23、固定部29,30と接続部12d,14b、ランド17,18とがそれぞれ接続されたコイル基板10及びコイル巻線20が配置される。そして、磁性体コア5Aが上方から取り付けられる。
続いて、図8及び図9を参照して、このようにして構成された巻線部品1Aにおける断面構成について説明する。図8及び図9に示すように、巻線部品1Aでは、筐体70の凸部72上にコイル基板10が載置されている。筐体70の凸部72は、コイル基板10における第3パターン16のうち平面視でコイル巻線20と重ならない領域と熱的に接続されるように配置されている。なお、磁性体コアは、磁性体コア5Aに対して磁性体コア5Bの底面積を大きくしている。その理由は、磁性体コア5Bの断面積を磁性体コア5Aに対して相対的に大きくすることにより磁束密度を小さくすること、すなわち磁性体コア5Bの損失を低減することができるので、磁性体コア5A,5Bの温度上昇を抑制することができるからである。
伝熱部材60,61は、筐体70の基部71上に載置され、基部71と接触している。コイル巻線20における折曲端部26a,27aは、それぞれ基部71上に載置された伝熱部材60と接触している。コイル巻線20における折曲端部28aは、筐体70の基部71上に載置された伝熱部材61と接触している。即ち、伝熱部材60は、基部71と折曲端部26a,27aとに挟み込まれ、伝熱部材61は、基部71と折曲端部28aとに挟み込まれている。
以上、本実施形態に係る巻線部品1Aによれば、筐体70及び折曲部26,27に接触する伝熱部材60と、筐体70及び折曲部28に接触する伝熱部材61と、を備えることにより、コイル巻線20で生じた熱が、折曲部26,27から伝熱部材60を介して放熱部材である筐体70へと伝達され、又、折曲部28から伝熱部材61を介して放熱部材である筐体70へと伝達される。これにより、コイル巻線20で生じた熱を積極的に放熱することができる。この場合において、折曲部26〜28は平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で平板部24,25から筐体70側に向かって延びているので、コイル巻線20が平面視で占める面積を小さくすることができる。以上より、本実施形態に係る巻線部品1Aでは、放熱性を向上させ、且つ小型化を実現することができる。
巻線部品1Aによれば、コイル基板10と筐体70との間にコイル巻線20が配置されているので、コイル巻線20により生じた熱がコイル基板10に阻害されることなく、折曲部26〜28から伝熱部材60,61を介して筐体70へと確実に伝達される。これにより、巻線部品1Aにおける放熱性を向上させることができる。
巻線部品1Aによれば、コイル基板10の導体パターンである第3パターン16が筐体70の凸部72と熱的に接続されるので、コイル基板10の導体パターン11で生じた熱についても当該凸部72によって積極的に放熱することができる。また、当該凸部72は、コイル基板10の導体パターン11のうち平面視でコイル巻線20と重ならない領域に熱的に接続されるように配置されているので、当該重ならない領域を放熱のために有効活用することができ、巻線部品の小型化を実現する上で好適である。
巻線部品1Aによれば、コイル巻線20で生じた熱が、折曲端部26a,27a,28aから伝熱部材60,61を介して筐体70の基部71の表面71aへと伝達される。折曲端部26a,27a,28aは、折曲部26,27,28の端部において、筐体70の基部71の表面71aと対向しているので、平面視で小さい面積内でコイル巻線20から筐体70までの熱伝導経路を確保することができる。
巻線部品1Aによれば、折曲部が、コイル部21のうち、磁性体コア5A,5Bを挟んで対向する位置に複数形成されているので、平面視で大きな面積を必要とすることなく、コイル巻線20と筐体70との間の熱伝導経路を複数確保することができる。これにより、巻線部品における小型化を実現した上で、放熱性をより向上させることができる。
また、巻線部品1Aによれば、端子部22,23及び固定部29,30の面と平板部24,25の面とは、Z軸に沿った方向で異なる高さ位置に配置されているので、端子部22,23及び固定部29,30をコイル基板10にハンダで接続し易くすることができる。更に、端子部22,23及び固定部29,30がハンダを介してコイル基板10に接続された状態で、平板部24,25は、コイル基板10から離間しているので、コイル基板10に設けられた導体パターン11と平板部24,25との間に隙間を設けることができ、導体パターン11と平板部24,25との間に発生する静電容量を削減して、高周波(ノイズ)成分の通過を抑制することができる。
また、伝熱部材60,61が、弾性を保持しながら変形するものが好ましい。この場合には、伝熱部材60が基部71と折曲端部26a,27aとに挟み込まれ、伝熱部材61が基部71と折曲端部28aとに挟み込まれていることにより、伝熱部材60,61が防振材として機能することもできる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る巻線部品について、図10〜図14を参照して説明する。図10は、第2実施形態に係る巻線部品の分解斜視図である。図11は、図10の巻線部品の下面側(底面側)からの分解斜視図である。図12は、図10に示す巻線部品が備えるコイル巻線の斜視図である。図13は、図12のコイル巻線の下面側(底面側)からの斜視図である。図14は、図1に示す巻線部品が備えるコイル基板の下面側(底面側)からの斜視図である。
図10〜図14に示すように、第2実施形態に係る巻線部品1Bが第1実施形態に係る巻線部品1Aと相違する点は、コイル巻線におけるターン数を増加させた点と、ターン数の増加に対応させてコイル基板に対する固定箇所を増加させた点である。即ち、本実施形態に係る巻線部品1Bは、巻線部品1Aにおけるコイル巻線20に代えてコイル巻線20Bを備え、巻線部品1Aにおけるコイル基板10に代えてコイル基板10Bを備えている。
まず、図12及び図13を参照して、コイル巻線20Bについて説明する。図12及び図13に示すように、コイル巻線20Bは、板状の導電部材が軸線Aの周りに2ターン巻回されて形成され、中央に開口20aを有している。コイル巻線20Bの一方の端部には、端子部22が設けられ、コイル巻線20Bの他方の端部には、端子部23が設けられている。
端子部22と端子部23との間におけるコイル部21は、1ターン目を形成する内周側の第1コイル部211と、2ターン目を形成する外周側の第2コイル部212とが連続して形成されている。第1コイル部211のうち、第2コイル部212と接続する側とは逆の端部に端子部22が設けられている。第2コイル部212のうち、第1コイル部211と接続する側とは逆の端部に端子部23が設けられている。
第1コイル部211は、一対の磁性体コア5A,5Bに挟まれ、且つX軸及びY軸に沿って平面状に延びた平板部24A,25Aと、平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で平板部24A,25Aとは異なる方向に延びた折曲部261,271,281と、を有している。本実施形態においては、折曲部261,271,281は、平板部24A,25Aから軸線A方向に沿って筐体70側に延びている。
折曲部261,271と折曲部281とは、磁性体コア5A,5Bを挟んで互いに対向している。即ち、コイル巻線20Bにおいては、第1コイル部211のうち、磁性体コア5A,5Bを挟んで対向する位置に複数の折曲部が形成されている。
折曲部261は、平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で折り曲げられ、当該位置で平板部24AからZ軸方向に沿って筐体70側(下方)に向かって延びている(図11参照)。折曲部261は、平板部24Aと端子部22とを連結するようにX軸及びZ軸方向に沿って延びた折曲板部261bと、折曲板部261bの端に設けられた折曲端部261aと、を有している。折曲端部261aは、筐体70の基部71の表面71aと対向している。折曲端部261aと表面71aとの間には、伝熱部材60が配置されている。
折曲部271は、平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で折り曲げられ、当該位置で平板部25AからZ軸方向に沿って筐体70側(下方)に向かって延びている(図11参照)。折曲部271は、接続部32を介して第2コイル部212に接続された折曲板部271bと、折曲板部271bの端に設けられた折曲端部271aと、を有している。折曲端部271aは、筐体70の基部71の表面71aと対向している。折曲端部271aと表面71aとの間には、伝熱部材60が配置されている。
折曲部281は、磁性体コア5A,5Bを挟んで折曲部261及び折曲部271と対向する位置に設けられている。折曲部281は、平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で折り曲げられ、当該位置で平板部24A、25Aの両方からZ軸方向に沿って筐体70側(下方)に向かって延びている(図11参照)。折曲部281は、平板部24Aと平板部25Aとを連結するようにX軸及びZ軸方向に沿って延びた折曲板部281bと、折曲板部281bの端に設けられた折曲端部281aと、を有している。折曲端部281aは、筐体70の基部71の表面71aと対向している。折曲端部281aと表面71aとの間には、伝熱部材61が配置されている。
折曲部281には、折曲部281の折曲端部281aとは反対側の上方側端部から上方に突出し、その端部がX軸及びY軸に沿った平面状とされた固定部29A,30Aが設けられている。固定部29A,30Aは、上方側端部における平板部24Aと平板部25Aとの間で延びる部分に配置され、当該部分において、固定部29Aは平板部24A側に位置し、固定部30Aは平板部25A側に位置している。固定部29A及び固定部30Aは、コイル基板10Bとの固定に用いられる。これにより、固定部29A及び固定部30Aは、コイル巻線20Bとコイル基板10Bとを安定して固定させる。
第2コイル部212は、一対の磁性体コア5A,5Bに挟まれた平板部24B,25Bと、平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で平板部24B,25Bから軸線A方向に沿って筐体70側に延びた折曲部262,272,282と、を含んでいる。
折曲部262,272と折曲部282とは、磁性体コア5A,5Bを挟んで対向している。即ち、コイル巻線20Bにおいては、第2コイル部212のうち、磁性体コア5A,5Bを挟んで対向する位置に複数の折曲部が形成されている。
折曲部262は、平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で折り曲げられ、当該位置で平板部24BからZ軸方向に沿って筐体70側(下方)に向かって延びている(図11参照)。折曲部262は、接続部32を介して第1コイル部211と接続された折曲板部262bと、折曲板部262bの端に設けられた折曲端部262aと、を有している。折曲端部262aは、筐体70の基部71の表面71aと対向している。折曲端部262aと表面71aとの間には、伝熱部材60が配置されている。
折曲部272は、平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で折り曲げられ、当該位置で平板部25BからZ軸方向に沿って筐体70側に向かって延びている(図11参照)。折曲部272は、平板部25Bと端子部23とを連結するようにX軸及びZ軸方向に沿って延びた折曲板部272bと、折曲板部272bの端に設けられた折曲端部272aと、を有している。折曲端部272aは、筐体70の基部71の表面71aと対向している。折曲端部272aと表面71aとの間には、伝熱部材60が配置されている。
折曲部282は、磁性体コア5A,5Bを挟んで折曲部262及び折曲部272と対向する位置に設けられている。折曲部282は、平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で折り曲げられ、当該位置で平板部24B,25Bの両方からZ軸方向に沿って筐体70側に向かって延びている。折曲部282は、平板部24Bと平板部25Bとを連結するようにX軸及びZ軸方向に沿って延びた折曲板部282bと、折曲板部282bの端に設けられた折曲端部282aと、折曲板部282bの一部に形成された切欠き部282cと、を有している。折曲端部282aは、筐体70の基部71の表面71aと対向している。折曲端部282aと表面71aとの間には、伝熱部材61が配置されている。
折曲部282には、折曲部282の折曲端部282aとは反対側の上方側端部から上方に突出し、その端部がX軸及びY軸に沿った平面状とされた固定部29B,30Bが設けられている。固定部29Bは、上方側端部のX軸方向に沿った一端に位置し、固定部30Bは、上方側端部のX軸方向に沿った他端に位置している。固定部29B及び固定部30Bは、コイル基板10Bとの固定に用いられる。これにより、固定部29B及び固定部30Bは、コイル巻線20Bとコイル基板10Bとを安定して固定させる。
なお、コイル巻線20Bにおける折曲部261,271,281,262,272,282は、それぞれが接触することのないように間隔を有して設けられている。
コイル巻線20Bにおいて、始端側の端子部22に入力された電流は、折曲部261、平板部24A、折曲部281、平板部25A、折曲部271、接続部32、折曲部262、平板部24B、折曲部282、平板部25B、及び折曲部272の順に流れ、終端側の端子部23から出力される。これにより、コイル巻線20Bは2ターンのコイルとして機能する。
続いて、図14を参照して、コイル基板10Bについて説明する。コイル基板10Bには、第1実施形態に係るコイル基板10と同様、導体パターン11が設けられている。導体パターン11は、第1パターン12と、第2パターン14と、第3パターン16と、を含んで構成される。第1パターン12及び第2パターン14の構成は、第1実施形態に係るコイル基板10と同様である。コイル基板10Bは、第1実施形態に係るコイル基板10と比較して、コイル基板10の裏面10bにおいてコイル巻線20Bの固定部に対応したランドが新たに設けられている点が相違する。以下、具体的に説明する。
コイル基板10Bの裏面10bにおいて、接続部12d(第1パターン12の一端)には、コイル巻線20Bの端子部22がハンダ等を介して接続されている。接続部12d及び端部12cに形成された貫通孔19内に銅めっきなどによる金属層が形成されることにより、接続部12dと端部12cとが接続される。このように、第1パターン12の一端に端子部22が電気的に接続されることにより、コイル基板10Bにおけるコイル部12bとコイル巻線20Bにおけるコイル部21とが電気的に接続される。コイル基板10Bにおいて端部12aに入力された電流は、コイル部12b、端部12c、接続部12dの順で流れた後に、接続部12d電気的に接続されたコイル巻線20Bの始端側の端子部22へと流れ、コイル巻線20Bの終端側の端子部23から出力される。これにより、コイル基板10Bとコイル巻線20Bとで、全体で3ターンのコイルとして機能する。
接続部14bには、コイル巻線20Bの端子部23がハンダ等により接続される。接続部14a及び接続部14bに形成された貫通孔19内に銅めっきなどによる金属層が形成されることにより、接続部14aと接続部14bとが接続される。これにより、外部の電子部品と電気的に接続される接続部14aと、コイル巻線20Bにおけるコイル部21の終端側の端子部23とが電気的に接続される。
また、コイル基板10Bの裏面10bには、ランド17,18に加えて、第1パターン12とは連続しない導体によってランド17A,18Aが形成されている。ランド17は、コイル巻線20Bの固定部29Bにハンダ等を介して接続されている。ランド18は、コイル巻線20Bの固定部30Bにハンダ等を介して接続されている。ランド17Aは、コイル巻線20Bの固定部29Aにハンダ等を介して接続されている。ランド18Aは、コイル巻線20Bの固定部30Aにハンダ等を介して接続されている。
コイル基板10Bの裏面10bにおける第3パターン16には、ランド17Aを配置するために設けられた凹部16aと、ランド18Aを配置するため設けられた凹部16bとが形成されている。なお、第3パターン16とランド17,18との間は絶縁されていなくてもよいが、絶縁されている場合には、第3パターン16とランド17,18との間の絶縁部分により、静電容量を減らすことができる。
上記のコイル基板10B及びコイル巻線20Bと、磁性体コア5A,5Bと、伝熱部材60,61と、放熱部材としての筐体70と、を組み合わせることで構成された巻線部品1Bでは、筐体70の凸部72上にコイル基板10Bが載置されている。筐体70の凸部72は、コイル基板10Bにおける第3パターン16のうち平面視でコイル巻線20と重ならない領域と熱的に接続されるように配置されている。
コイル巻線20Bにおける折曲端部261a,271a,262a,272aは、それぞれ基部71上に載置された伝熱部材60と接触している。コイル巻線20Bにおける折曲端部281a,282aは、筐体70の基部71上に載置された伝熱部材61と接触している。
以上、本実施形態に係る巻線部品1Bによれば、2ターンのコイル巻線20Bで生じた熱が、折曲部261,271,281,262,272,282から伝熱部材60,61を介して放熱部材である筐体70へと伝達されるので、コイル巻線20で生じた熱を積極的に放熱することができる。この場合において、折曲部261,271,281,262,272,282は平面視で磁性体コア5A,5Bと重ならない位置で平板部24A,25A,24B,25Bから筐体70側に向かって延びているので、コイル巻線20Aが平面視で占める面積を小さくすることができる。以上より、コイル巻線のターン数が複数であっても、放熱性を向上させ、且つ小型化を実現することができる。
また、本実施形態に係る巻線部品1Bによれば、固定部29A,30A,29B,30Bを有している。即ち、コイル巻線20Bにおけるターン数の増加に対応させて、コイル基板に対する固定箇所が増えている。これにより、コイル巻線のターン数が複数であっても、安定してコイル巻線20Bとコイル基板10Bとを固定することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る巻線部品について、図15〜図16を参照して説明する。図15は、第3実施形態に係る巻線部品の分解斜視図である。図16は、第3実施形態に係る巻線部品における図9の断面図に対応する図である。
図15〜図16に示すように、第3実施形態に係る巻線部品1Cが第1実施形態に係る巻線部品1Aと相違する点は、伝熱部材が筐体70の凸部72における磁性体コア5A,5Bとの対向面と接触している点である。即ち、本実施形態に係る巻線部品1Cは、巻線部品1Aにおける伝熱部材60,61に代えて伝熱部材62,63を備えている。
コイル巻線20における折曲部26,27の折曲板部26b,27bは、筐体70の凸部72における磁性体コア5A,5Bとの対向面72aと対向している。伝熱部材62は、対向面72aと折曲板部26b,27bとの間に配置され、対向面72a及び折曲板部26b,27bと接触している。これにより、コイル巻線20での損失により発生する熱が、折曲板部26b,27bから伝熱部材62及び対向面72aを介して筐体70へと伝達される。
同様に、コイル巻線20における折曲部28の折曲板部28bは、筐体70の凸部72における磁性体コア5A,5Bとの対向面72aと対向している。伝熱部材63は、対向面72aと折曲板部28bとの間に配置され、対向面72a及び折曲板部28bと接触している。これにより、コイル巻線20での損失により発生する熱が、折曲板部28bから伝熱部材62及び対向面72aを介して筐体70へと伝達される。なお、伝熱部材62,63は、伝熱部材60,61と併設させてもよい。
以上、本実施形態に係る巻線部品1Cによれば、コイル巻線20で生じた熱が、折曲部26〜28から伝熱部材62,63を介して放熱部材である筐体70へと伝達されるので、上記実施形態と同様に放熱性を向上させ、且つ小型化を実現することができる。更に、コイル巻線20における折曲板部26b,27b,28bが、筐体70の凸部72における磁性体コア5A,5Bとの対向面72aと対向しているので、伝熱部材62,63とコイル巻線20との接触面積が多く、より効果的に放熱を行うことができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る巻線部品について、図17〜図18を参照して説明する。図17は、第4実施形態に係る巻線部品の分解斜視図である。図18は、第4実施形態に係る巻線部品における図9の断面図に対応する図である。
図17〜図18に示すように、第4実施形態に係る巻線部品1Dが第1実施形態に係る巻線部品1Aと相違する点は、伝熱部材がコイル巻線20と筐体70との間のみならず、コイル巻線20と磁性体コア5Bとの間にも配置されている点である。即ち、本実施形態に係る巻線部品1Dは、巻線部品1Aにおける伝熱部材60,61に代えて伝熱部材64を備えている。
伝熱部材64は、開口を有する略四角形状の伝熱シートが磁性体コア5Bの外形に沿って折り曲げられて形成されている。伝熱部材64には、コイル巻線20と磁性体コア5Bとに挟まれる被覆部64cと、コイル巻線20と磁性体コア5Bとの間からはみ出るフランジ部と、が形成されている。
被覆部64cは、コイル巻線20の平板部24,25と磁性体コア5Bとの間に配置され、磁性体コア5Bを被覆するように形成されている。被覆部64cは、磁性体コア5Bの表面と接触している(図18参照)。また、被覆部64cは、コイル巻線20の平板部24,25と対向して接触する面と、コイル巻線20の折曲板部26b,27b,28bと対向して接触する面とを有している。被覆部64cには、磁性体コア5Aの中心脚部6を嵌め込むための開口64dが形成されている。
脚部64aの上には、コイル巻線20の折曲端部26a,27aが載置されている。即ち、脚部64aは、折曲端部26a,27aと接触している(図18参照)。脚部64bの上には、コイル巻線20の折曲端部28aが載置されている。即ち、脚部64bは、折曲端部28aと接触している(図18参照)。
以上、本実施形態に係る巻線部品1Dによれば、コイル巻線20で生じた熱が、折曲部26〜28から伝熱部材64を介して放熱部材である筐体70へと伝達されるので、上記実施形態と同様に放熱性を向上させ、且つ小型化を実現することができる。更に、伝熱部材64は、コイル巻線20の平板部24,25と対向して接触する面と、コイル巻線20の折曲板部26b,27b,28bと対向して接触する面とを有しているので、伝熱部材64とコイル巻線20との接触面積が多く、より効果的に放熱を行うことができる。
また、コイル巻線20での損失により発生する熱を伝熱部材64の脚部64a,64bを介して筐体70へ伝達させることに加えて、伝熱部材64の被覆部64cを介して磁性体コア5Bへも伝達させることができるので、磁性体コア5Bを介して筐体70へと熱を伝達させて放熱させることができる。これにより、平面視でコイル巻線20が占める面積内でコイル巻線20から筐体70までの熱伝導経路を拡大することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係る巻線部品について、図19〜図26を参照して説明する。図19は、第5実施形態に係る巻線部品の斜視図である。図20は、図19に示す巻線部品の分解斜視図である。図21は、図20の巻線部品の下面側(底面側)からの分解斜視図である。図22は、図20に示す巻線部品が備えるコイル巻線の斜視図である。図23は、図22のコイル巻線の下面側(底面側)からの斜視図である。図24は、図19に示す巻線部品が備えるコイル基板の斜視図である。図25は、図24のコイル基板の下面側(底面側)からの斜視図である。図26は、図19に示すXXVI-XXVI線に沿った断面図である。
第5実施形態に係る巻線部品1Eが、第1実施形態に係る巻線部品1Aと相違する点は、磁性体コアをUI型とし、これに合わせて導体パターン及びコイル巻線の形状を変更すると共にコイル基板側の放熱面積を拡大した点である。以下、具体的に説明する。
図19〜図21に示すように、巻線部品1Eは、コイル基板101と、コイル巻線40と、一対の磁性体コア50A,50Bと、伝熱部材65,66と、放熱部材としての筐体70と、を備える。巻線部品1Eにおいては、XY平面に沿って広がるコイル基板101内の導体パターンとコイル巻線40とによって、Z軸方向に延びる軸線Aの周りを巻回するコイルが形成されている。
コイル巻線40は、一対の磁性体コア50A,50Bに挟まれている。一対の磁性体コア50A,50Bは、軸線A方向に沿って互いに対向している。磁性体コア50Aは、一対の脚部7A,8AがX軸に沿って配列されたU型の磁性体コアである。磁性体コア50Bは、平板状のI形コアである。即ち、磁性体コア50A,50Bは、所謂UI型の磁性体コアである。コイル巻線40は、板状の導電部材が磁性体コア5A,5Bにおける脚部7Aと脚部8Aとの間を貫通することにより、1ターンに相当するコイルを形成している。即ち、コイル巻線40は、1ターン分巻回されたコイルとして機能する。コイル巻線40は、例えば銅等の導電性を有する金属板を打ち抜き加工や折曲げ加工することで製造されてもよい。
伝熱部材65,66は、コイル巻線40と筐体70との間に配置されている。伝熱部材65,66は、絶縁性及び熱伝導性を有する例えばシリコーン等を材料として形成された伝熱シートである。伝熱部材65,66は、コイル巻線40で生じた熱を放熱部材としての筐体70へ伝える。伝熱部材65は、略I字状を呈しており、伝熱部材66は、略L字状を呈している。
図22及び図23を参照して、コイル巻線40の構成を詳細に説明する。図22及び図23に示すように、コイル巻線40の一方の端部には、端子部42が設けられている。コイル巻線40の他方の端部には、端子部43が設けられている。端子部42及び端子部43は、それぞれX軸及びY軸方向に沿った平面を有し、当該平面において、後述するコイル基板101の導体パターンの一端と接続されている。
コイル巻線40における端子部42と端子部43との間の領域は、コイル部41として機能する。即ち、コイル部41の両端に端子部42,43が設けられている。端子部42はコイル部41の始端側と定義すると、端子部43はコイル部41の終端側である。コイル部41は、一対の磁性体コア50A,50Bに挟まれ、且つX軸及びY軸に沿って平面状に延びた平板部44と、平面視で磁性体コア50A,50Bと重ならない位置で平板部44から平板部44が延びる方向とは異なる方向に延びた折曲部45,46と、を有している。本実施形態においては、折曲部45,46は、平板部44から軸線A方向に沿って筐体70側に延びている。
折曲部45,46は、平面視で磁性体コア50A,50Bと重ならない位置で折り曲げられ、当該位置で平板部44からZ軸方向に沿って筐体70側(下方)に向かって延びている(図20及び図21参照)。折曲部45は、平板部44と端子部42とを連結するようにX軸及びZ軸方向に沿って延びた折曲板部45bと、折曲板部45bの端に設けられた折曲端部45aと、を有している。折曲端部45aは、筐体70の基部71の表面71aと対向している(図26参照)。折曲端部45aと表面71aとの間には、伝熱部材65が配置されている。
折曲部46は、平面視で略L字形状を呈しており、折曲板部45bと磁性体コア50A,50Bを挟んで対向している折曲板部46bと、折曲板部45bに対して交差する方向で延びて端子部43に連結される折曲板部46cと、折曲板部46b及び折曲板部46cの端に設けられた折曲端部46aと、を有している。折曲端部46aは、筐体70の基部71の表面71aと対向している(図26参照)。折曲端部46aと表面71aとの間には、伝熱部材66が配置されている。
折曲部46には、折曲板部46bにおける折曲端部46aとは反対側の上方側端部から上方に突出し、その端部がX軸及びY軸に沿った平面状とされた固定部48が設けられている。固定部48は、折曲板部46bにおける上方側端部のX軸方向に沿った一端に位置している。固定部48は、コイル基板101との固定に用いられ、コイル巻線40とコイル基板101とを安定して固定させる。
コイル巻線40において、始端側の端子部42に入力された電流は、折曲部45、平板部44、及び折曲部46の順で流れ、終端側の端子部43から出力される。
続いて、図24及び図25を参照して、コイル基板101の構成を詳細に説明する。本実施形態において、コイル基板101は、第1実施形態におけるコイル基板10と同様、筐体70との対向面とは反対側である表面101aと、筐体70との対向面である裏面101bと、を有している。コイル基板101には、磁性体コア50Aの脚部7Aが嵌め込まれる開口101cが形成されている。コイル基板101には、導体パターン111が設けられている。
導体パターン111は、第1パターン121と、第2パターン141と、第3パターン161と、を含んで構成される。第1パターン121、第2パターン141、及び第3パターン161は、それぞれ互いに離間して形成されている。第1パターン121は、コイル基板101の表面101a上に連続して形成されたコイル部121b、端部121a及び端部121cと、コイル基板101の裏面101b上に形成された接続部121dと、を含んでいる。コイル部121bは、コイル基板101の開口101cの中心を通る軸線Aの周囲を1ターン巻回するように形成されている。端部121a,端部121cは、コイル部121bの両端に形成されている。接続部121dは、平面視で端部121cと対応する位置に形成されている。
端部121c及び接続部121dには、表面101aから裏面101bまでを貫通する貫通孔19が形成されており、この貫通孔19内に銅めっきなどによる金属層が形成されることにより、端部121cと接続部121dとが接続される。接続部121d(第1パターン121の一端)には、コイル巻線40の端子部42がハンダ等を介して接続されている。このように、第1パターン121の一端に端子部42が電気的に接続されることにより、コイル基板101におけるコイル部121bとコイル巻線40におけるコイル部41とが電気的に接続される。よって、コイル基板101において端部121a入力された電流は、コイル部121b及び端部121aと流れた後に接続部121dからコイル巻線40の始端側の端子部42へと流れ、終端側の端子部23から出力される。これにより、コイル基板101とコイル巻線40とで、全体で2ターンのコイルとして機能する。
第2パターン141は、表面101aに形成された接続部141aと、裏面101bに形成された接続部141bと、により形成されている。接続部141aには、外部の電子部品がハンダ等により接続されてもよい。接続部141bには、コイル巻線40の端子部43がハンダ等により接続される。接続部141a及び接続部141bには、表面101aから裏面101bまでを貫通する貫通孔19が形成されており、この貫通孔19内に銅めっきなどによる金属層が形成されることにより、接続部141aと接続部141bとが接続される。これにより、外部の電子部品が接続される接続部141aと、コイル巻線40におけるコイル部41の終端側の端子部43とが電気的に接続される。
第3パターン161は、裏面101b上に複数形成された平面状の導体パターンである。第3パターン161は、コイル基板101で生じた熱の放熱を行うために設けられておいる。第3パターン161は、第1パターン121及び第2パターン141と連続しない範囲で形成され、第1実施形態に係る第3パターン16よりも広い面積を有している。第3パターン161は、筐体70の凸部72の上に載置され(図26参照)、凸部72と熱的に接続されている。これにより、第3パターン161は、第1パターン121に電流を流した際の損失によりコイル基板101で発生した熱を筐体70へ伝達させる。また、第3パターン161には、ランド171を配置するために設けられた凹部161aが形成されている。
ランド171は、導体パターン111とは別に、導体パターン111とは連続しない導体によって形成されている。ランド171は、コイル巻線40の固定部48にハンダ等を介して接続されている。
巻線部品1Eは、上記のコイル基板101及びコイル巻線40と、磁性体コア50A,50Bと、伝熱部材65,66と、放熱部材としての筐体70と、を組み合わせることで構成される。具体的には、図20及び図21を参照すると、筐体70の上に磁性体コア50Bが配置され、磁性体コア50Bの長辺(X軸方向)に沿って伝熱部材65,66が配置される。端子部42,43、固定部48と接続部121d,141b、ランド171とがそれぞれ接続されたコイル基板101及びコイル巻線40が配置される。そして、磁性体コア5Aが上方から取り付けられる。
続いて、図26を参照して、このようにして構成された巻線部品1Eにおける断面構成について説明する。図26に示すように、巻線部品1Eでは、筐体70の凸部72上にコイル基板101が載置されている。筐体70の凸部72は、コイル基板101における第3パターン161のうち平面視でコイル巻線20と重ならない領域と熱的に接続されるように配置されている。
伝熱部材65,66は、筐体70の基部71上に載置され、基部71と接触している。コイル巻線40における折曲端部45aは、基部71上に載置された伝熱部材65と接触している。コイル巻線40における折曲端部46aは、筐体70の基部71上に載置された伝熱部材66と接触している。なお、伝熱部材66は、平面視で略L字状に形成された折曲部46の形状に対応し、略L字状を呈している(図20及び図21参照)。
以上、本実施形態に係る巻線部品1Eによれば、コイル巻線40で生じた熱が、折曲部45,46から伝熱部材65,66を介して放熱部材である筐体70へと伝達されるので、上記実施形態と同様に放熱性を向上させ、且つ小型化を実現することができる。特に、磁性体コア50A,50Bからの放熱性と比べて、コイル基板101及びコイル巻線40の放熱性を向上させることができるので、平滑用チョークコイルのように磁性体コアの損失が少なくコイル基板及びコイル巻線におけるコイル部の損失が大きくなるような場合に有用である。
更に、本実施形態に係る巻線部品1Eによれば、第1実施形態に係る第3パターン16よりも広い面積の第3パターン161を有しているので、その点で放熱性が高く、巻線部品1E全体としての放熱性をより向上させることができる。
次に、上記の巻線部品1A〜1Eを含んで構成される電源装置の一例について説明する。図27は、図1に示す巻線部品1Aを、出力平滑回路内の平滑用チョークコイル91として使用した場合のスイッチング電源装置80の回路構成図の一例を示す図である。
スイッチング電源装置80は、4つのスイッチング素子81〜84を備えて構成され、直流入力電圧に基づいて入力交流電圧を生成するフルブリッジ型のブリッジ回路と、1次側巻線86および2次側巻線87,88を有し、上記入力交流電圧を変圧して出力交流電圧を生成するトランス85と、このトランスの2次側に設けられると共に複数の整流素子であるダイオード89,90を備えて構成され、これら複数の整流素子によって上記出力交流電圧を整流する全波整流回路と、全波整流されたパルス波形を直流化する平滑用チョークコイル91および容量素子であるコンデンサ92を有する平滑回路と、上記ブリッジ回路を駆動する駆動回路とを備え、出力端子間に接続されているものである。
図27に示す回路についての動作の概略を以下に説明する。まず、高電圧バッテリ96の電圧が入力端子93に印加され、その直流電圧をスイッチング素子81〜84を用いてPWM制御や位相シフトPWM制御等により動作させ、トランス85の1次側巻線86に交流として印加される。1次側巻線86に印加された交流電圧は2次側巻線87、88との比率に応じた電圧で伝達され、ダイオード89,90により全波整流され、平滑用チョークコイル91および容量素子であるコンデンサ92を有する平滑回路により、直流として出力端子94に導かれる。この出力端子94に接続される負荷としては、低圧バッテリ97や補機類95が接続される。制御回路98は、出力端子94間の電圧を制御するもので、上記の説明にあるような制御を行い、駆動回路99を通して駆動信号をスイッチング素子81〜84に送り上記動作を行わせるものである。
図1に示す巻線部品1Aは、図27の平滑用チョークコイル91とみなされ、図6に示すコイル基板10における第1パターン12の端部12aは、前段の回路である図27のダイオード89,90のカソード部と接続される。また、コイル基板10における第2パターン14の接続部14aは、後段の回路である図27のコンデンサ92の一方の端子及び制御回路98の一方の入力端と接続される。
ここで、上記の巻線部品1Aにおいては、上述の通り、放熱性を向上させ、且つ小型化を実現することができる。したがって、上記の巻線部品1Aを備えるスイッチング電源装置80においても同様に、放熱性を向上させ、且つ小型化を実現することができる。なお、巻線部品1Aを他の巻線部品1B〜1Eに換えても同様の効果を奏する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、コイル基板は、表面及び裏面で構成された2層構造に限られず、4層等の多層基板でもよい。コイル基板が多層基板である場合には、ターン数を増やすことができる。また、例えば導体パターンを複数層に形成してこれらを並列に接続することで、コイル基板における抵抗値を下げることができる。
また、コイル巻線20Bにおいては2ターンのコイルを一体的に形成しているが、1ターンずつ別体で2つのコイル巻線を形成してもよい。この場合、それぞれのコイル巻線に対応した接続箇所をコイル基板に設ける。
5A,5B,50A,50B…磁性体コア、10,101…コイル基板、11…導体パターン、20,20B,40…コイル巻線、21,41…コイル部、22,23,42,43…端子部、24,25,24A,25A,24B,25B,44…平板部、26,27,28,261,271,281,262,272,282,45,46…折曲部、26a,27a,28a,261a,271a,281a,262a,272a,282a,45a,46a…折曲端部、26b,27b,28b,261b,271b,281b,262b,272b,282b,45b,46b…折曲板部、60〜66…伝熱部材、70…筐体(放熱部材)、71…基部、71a…表面、72…凸部、80…スイッチング電源装置、A…軸線。

Claims (8)

  1. 互いに対向する一対の磁性体コアと、
    板状の導電部材により形成され、コイル部及び前記コイル部の両端に設けられた端子部を有するコイル巻線と、
    前記コイル巻線からの熱を放出するための放熱部材と、
    前記コイル巻線と前記放熱部材との間に配置される伝熱部材と、
    を備え、
    前記コイル部は、前記一対の磁性体コアに挟まれた平板部と、平面視で前記磁性体コアと重ならない位置で前記平板部から前記放熱部材側に向かって延びた折曲部と、を有し、
    前記伝熱部材は、前記放熱部材及び前記折曲部に接触する、巻線部品。
  2. 軸線の周りを巻回する導体パターンが設けられたコイル基板を更に備え、
    前記コイル巻線は、前記コイル基板と前記放熱部材との間に配置され、且つ、一方の端子部が前記導体パターンの一端に電気的に接続されて前記導体パターンと共に前記軸線の周りに巻回されている、
    請求項1に記載の巻線部品。
  3. 前記放熱部材は、平面状の基部と、前記基部から突出した凸部とを有し、
    前記凸部は、前記コイル基板の前記導体パターンのうち平面視で前記コイル巻線と重ならない領域と熱的に接続されるように配置されている、
    請求項2に記載の巻線部品。
  4. 前記折曲部は、その端部に前記基部の表面と対向する折曲端部を有し、
    前記伝熱部材は、前記基部の表面及び前記折曲端部と接触する、
    請求項3に記載の巻線部品。
  5. 前記折曲部は、前記凸部における前記磁性体コアとの対向面と対向する折曲板部を有し、
    前記伝熱部材は、前記対向面及び前記折曲板部と接触する、
    請求項3に記載の巻線部品。
  6. 前記折曲部が、前記コイル部のうち、前記磁性体コアを挟んで対向する位置に複数形成されている、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の巻線部品。
  7. 前記伝熱部材は、前記磁性体コアと前記コイル巻線との間に配置されている、
    請求項1〜6の何れか一項に記載の巻線部品。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の巻線部品を備える電源装置。
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