JP2015228355A - 電装品 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗物用シートの着座面に配設された電装品の導電線を流れる電流により発生する磁場の影響を低減する。【解決手段】シートヒータマット20では、ウレタンシート22の一方側の面に、上面側ヒータ線30a,30bが縫着されており、ウレタンシートの他方側の面に、上面側ヒータ線の配設方向に延びるように、下面側ヒータ線32a,32bが縫着されている。そして、上面側ヒータ線に流される電流の向きと、下面側ヒータ線に流される電流の向きとが反対である。このため、上面側ヒータ線と下面側ヒータ線には、互いに異なる方向の磁場(50aと52a,50bと52b)が発生し、上面側ヒータ線に生じた磁場と、下面側ヒータ線に生じた磁場とが相殺される。これにより、上面側ヒータ線と下面側ヒータ線に発生する磁場が弱くなり、互いの導電線に発生する磁場の影響を低減することが可能となる。【選択図】図3
Description
本発明は、乗物用シートの着座面に配設される電装品に関する。
乗物用シートには、シートヒータ,センサ等の電装品が着座面に配設されたものがあり、電装品により乗物用シートの利便性が向上する。下記特許文献には、シートクッションに電装品としてシートヒータが配設された車両用シートの一例が記載されている。
電装品が配設されたシートでは、電装品により乗物用シートの利便性が向上する。ただし、電装品では、導電線が多く使用されており、導電線を流れる電流により磁場が発生し、発生した磁場により、種々の電気製品が誤作動を起こす虞がある。例えば、シートに携帯電話等を載置している場合には、導電線を流れる電流により発生した磁場が、携帯電話に影響し、携帯電話が誤作動を起こす虞がある。本発明は、そのような事情に鑑みてなされたものであり、乗物用シートの着座面に配設された電装品の導電線を流れる電流により発生する磁場の影響を低減するための技術の提供を課題とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の電装品は、乗物用シートの着座面に配設される電装品であって、当該電装品が、シート状のシート基材と、前記シート基材の一方側の面に固着される第1の導電線と、前記シート基材の他方側の面に、前記第1の導電線の配設方向に延びるように、固着される第2の導電線とを備え、前記第1の導電線に流される電流の向きと、前記第2の導電線に流される電流の向きとが反対であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の電装品は、請求項1に記載の電装品において、前記第1の導電線と前記第2の導電線とが、前記シート基材を挟んで重なった状態で前記シート基材に固着されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の電装品は、請求項1または請求項2に記載の電装品において、前記第1の導電線と前記第2の導電線とが、接続されていることを特徴とする。
請求項1に記載の電装品では、シート基材の一方側の面に、第1の導電線が固着されており、シート基材の他方側の面に、第1の導電線の配設方向に延びるように、第2の導電線が固着されている。そして、第1の導電線に流される電流の向きと、第2の導電線に流される電流の向きとが反対である。このため、第1の導電線と第2の導電線とには、互いに異なる方向に向かう磁場が発生し、第1の導電線に生じた磁場と、第2の導電線に生じた磁場とが相殺される。これにより、第1の導電線と第2の導電線に発生する磁場が弱くなり、互いの導電線に発生する磁場の影響を低減することが可能となる。
また、請求項2に記載の電装品では、第1の導電線と第2の導電線とが、シート基材を挟んで重なった状態でシート基材に固着されている。これにより、第1の導電線と第2の導電線との一方に発生する磁場と、他方に発生する磁場とを効果的に相殺することが可能となり、磁場の影響を適切に低減することが可能となる。
また、請求項3に記載の電装品では、第1の導電線と第2の導電線とが接続されている。このため、第1の導電線を流れる電流量と、第2の導電線を流れる電流量とは同じとなり、第1の導電線を流れる電流により発生する磁場の強さと、第2の導電線を流れる電流により発生する磁場の強さとは同じとなる。これにより、第1の導電線に生じた磁場と、第2の導電線に生じた磁場とを効果的に相殺させることが可能となり、磁場の影響を適切に低減することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
図1に、実施例の車両用シート10を示す。車両用シート10は、着座者の臀部を支持するシートクッション12と、着座者の背部を支持するシートバック14と、シートバック14の上端に設けられて着座者の頭部を支持するヘッドレスト16とによって構成されている。その車両用シート10のシートクッション12には、シートヒータが内蔵されており、シートヒータにより、シートクッション12の着座面が加温される。
詳しくは、シートクッション12のシートカバー18の裏面には、図2に示すシートヒータマット20が縫着されている。シートヒータマット20は、シート状のウレタンシート22と、銅製のヒータ線24とによって構成されている。ヒータ線24は、ウレタンシート22の上面に、湾曲した状態で縫着されており、ウレタンシート22の側縁から延び出したヒータ線24が、ウレタンシート22の下面側に屈曲されている。そして、ウレタンシート22の下面側に屈曲されたヒータ線24が、ウレタンシート22の上面に縫着されたヒータ線24と重なった状態で、ウレタンシート22の下面に縫着されている。
つまり、ヒータ線24のウレタンシート22の上面に縫着された部分(以下、「上面側ヒータ線30」と記載する場合がある)と、ヒータ線24のウレタンシート22の下面に縫着された部分(以下、「下面側ヒータ線32」と記載する場合がある)とは、接続されており、ウレタンシート22を挟んで重なった状態で、ウレタンシート22に縫着されている。
上記構造のシートヒータマット20では、銅製のヒータ線24に電流が流されることで、ヒータ線24が昇温し、シートクッション12の着座面が加温される。また、シートヒータマット20では、ウレタンシート22の上面だけでなく、下面にも、ヒータ線24が配設されることで、ヒータ線24を流れる電流により発生する磁場の影響を低減することが可能となっている。
具体的には、シートヒータマット20では、1本のヒータ線24が、ウレタンシート22の上面に縫着されるとともに、ウレタンシート22の側縁から延び出したヒータ線24が、ウレタンシート22の下面側に屈曲され、下面側に屈曲されたヒータ線24が、ウレタンシート22の下面に縫着される。このため、上面側ヒータ線30を流れる電流の方向と、下面側ヒータ線32を流れる電流の方向とが、反対の方向となる。つまり、例えば、図2に示す矢印36の方向に向かって、上面側ヒータ線30に電流を流すと、下面側ヒータ線32には、矢印38の方向に向かって、電流が流れる。
この際、ヒータ線24を流れる電流により、図2のAA線における断面図である図3に示すように、上面側ヒータ線30の周囲には、図3に示す矢印50の方向に向かって磁場が発生するとともに、下面側ヒータ線32の周囲には、矢印52の方向に向かって磁場が発生する。具体的には、図の右側に示される上面側ヒータ線30aには、図の手前側から図の奥側に向かって電流が流れている。これにより、上面側ヒータ線30aの周囲には、右ねじの法則に従って、矢印50aの方向(時計回りの方向)に向かう磁場が発生する。一方、その上面側ヒータ線30aに重なった状態でウレタンシート22の下面に固着される下面側ヒータ線32aには、図の奥側から図の手前側に向かって電流が流れている。これにより、下面側ヒータ線32aの周囲には、右ねじの法則に従って、矢印52aの方向(反時計回りの方向)に向かう磁場が発生する。
また、図の左側に示される上面側ヒータ線30bには、図の奥側から図の手前側に向かって電流が流れている。これにより、上面側ヒータ線30bの周囲には、右ねじの法則に従って、矢印50bの方向(反時計回りの方向)に向かう磁場が発生する。一方、その上面側ヒータ線30bに重なった状態でウレタンシート22の下面に固着される下面側ヒータ線32bには、図の手前側から図の奥側に向かって電流が流れている。これにより、下面側ヒータ線32bの周囲には、右ねじの法則に従って、矢印52bの方向(時計回りの方向)に向かう磁場が発生する。
このように、シートヒータマット20では、ウレタンシート22を挟んで位置する上面側ヒータ線30と下面側ヒータ線32には、互いに異なる方向の磁場が発生するため、上面側ヒータ線30に生じた磁場と、下面側ヒータ線32に生じた磁場とが相殺される。これにより、シートヒータマット20では、ヒータ線24を流れる電流により発生する磁場が弱くなり、ヒータ線24を流れる電流により発生する磁場の影響を低減することが可能となる。このため、例えば、車両用シート10のシートクッション12の上に、携帯電話等を載置した場合であっても、携帯電話等の磁場の発生による誤作動等を防止することが可能となる。
また、シートヒータマット20では、上面側ヒータ線30と下面側ヒータ線32とは、1本のヒータ線24で構成されている。つまり、上面側ヒータ線30と下面側ヒータ線32とは繋がっている。このため、上面側ヒータ線30を流れる電流量と、下面側ヒータ線32を流れる電流量とは同じとなり、上面側ヒータ線30を流れる電流により発生する磁場の強さと、下面側ヒータ線32を流れる電流により発生する磁場の強さとは同じとなる。これにより、上面側ヒータ線30に生じた磁場と、下面側ヒータ線32に生じた磁場とを効果的に相殺させることが可能となり、磁場の影響を適切に低減することが可能となる。
ちなみに、上記実施例において、車両用シート10は、乗り物用シートの一例である。シートヒータマット20は、電装品の一例である。ウレタンシート22は、シート基材の一例である。上面側ヒータ線30は、第1の導電線の一例である。下面側ヒータ線32は、第2の導電線の一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。具体的には、例えば、上記実施例では、車両用シート10の着座面に配設される電装品として、シートヒータマット20が採用されているが、センサ等の種々の電装品を採用することが可能である。
また、上記実施例では、上面側ヒータ線30と下面側ヒータ線32とが、ウレタンシート22を挟んで重なった状態で配設されているが、上面側ヒータ線30と下面側ヒータ線32との一方に流れる電流により発生する磁場が、他方に流れる電流により発生する磁場に影響する範囲内であれば、上面側ヒータ線30と下面側ヒータ線32とは、ウレタンシート22を挟んでズレた状態で配設されてもよい。
また、上記実施例では、1本のヒータ線24が、ウレタンシート22の上面と下面とに縫着されているが、ウレタンシート22の上面に縫着されたヒータ線と、ウレタンシート22の下面に縫着されたヒータ線とを接続してもよい。
また、上記実施例では、シートヒータマット20が、シートクッション12に配設されているが、シートバック14,ヘッドレスト16,アームレスト等、シートを構成する部材であれば、種々の部材に配設することが可能である。
また、上記実施例では、本発明のシートヒータマット20が、車両用シート10の着座面に配設されているが、他の乗物、例えば、飛行機,船等の種々の乗物用のシート内部に配設することが可能である。
10:車両用シート(乗物用シート)
20:シートヒータマット(電装品)
22:ウレタンシート(シート基材)
30:上面側ヒータ線(第1の導電線)
32:下面側ヒータ線(第2の導電線)
20:シートヒータマット(電装品)
22:ウレタンシート(シート基材)
30:上面側ヒータ線(第1の導電線)
32:下面側ヒータ線(第2の導電線)
Claims (3)
- 乗物用シートの着座面に配設される電装品であって、
当該電装品が、
シート状のシート基材と、
前記シート基材の一方側の面に固着される第1の導電線と、
前記シート基材の他方側の面に、前記第1の導電線の配設方向に延びるように、固着される第2の導電線と
を備え、
前記第1の導電線に流される電流の向きと、前記第2の導電線に流される電流の向きとが反対であることを特徴とする電装品。 - 前記第1の導電線と前記第2の導電線とが、前記シート基材を挟んで重なった状態で前記シート基材に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の電装品。
- 前記第1の導電線と前記第2の導電線とが、接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電線。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014114589A JP2015228355A (ja) | 2014-06-03 | 2014-06-03 | 電装品 |
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JP2014114589A Pending JP2015228355A (ja) | 2014-06-03 | 2014-06-03 | 電装品 |
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KR20180046861A (ko) * | 2016-10-27 | 2018-05-09 | 공주대학교 산학협력단 | 다층열선 매트 |
JP2019087398A (ja) * | 2017-11-07 | 2019-06-06 | トヨタ紡織株式会社 | シート |
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