JP2015228349A - 採光システム - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の方向からの入射光に対して十分な採光機能及び防眩機能を発揮することができる採光システムを提供する。【解決手段】採光システム10は、第1採光フィルム11と、第1採光フィルムから水平方向に離間して配置された第2採光フィルム12と、を含む。第1採光フィルムは、鉛直方向に配列された複数の第1反射面11aを有する。第2採光フィルムは、鉛直方向に配列された複数の第2反射面12aを有する。鉛直方向に平行な面内において、第1採光フィルムの側から第2採光フィルムの側に向けて水平方向に対して鉛直方向下方に向かうように傾斜する場合の角度を正の値として、水平方向に対して第1反射面がなす角度θaは、水平方向に対して第2反射面がなす角度θbよりも大きい。【選択図】図10

Description

本発明は、太陽光等の光を取り込むための採光システムに関する。
例えば、特許文献1に開示されているように、外光を屋内に取り込むための光学フィルムの開発が進められている。この光学フィルムは、入射光の光路を屋内の天井の方向に向けるようにして、外光を取り込む。外光を屋内に採光することにより、照明装置の消費電力を低減することが可能となり、その結果として、COの削減にも寄与し得る。また、屋内に取り込まれた外光の光路は跳ね上げられるので、屋内の人間が眩しさを感じることもない。
特表2013−514552
ところで、太陽の位置は、時間帯および季節に応じて変化する。すなわち、光学フィルムへ入射する際の外光の入射方向は変化する。したがって、特許文献1の光学フィルムでは、一年を通して、さらには或る一日の日中を通してすら、採光を十分に行い続けることはできない。その一方で、光路を補正されることなく光学フィルムを透過した直達光は、屋内の人間に対して眩しさを感じさせてしまう。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、種々の方向からの入射光に対して十分な採光機能及び防眩機能を発揮することができる採光システムを提供することを目的とする。
本発明による第1の採光システムは、
第1採光フィルムと、
前記第1採光フィルムから当該第1採光フィルムの法線方向に平行な第1基準方向に離間して配置された第2採光フィルムと、を備え、
前記第1採光フィルムは、前記第1基準方向と非平行な第2基準方向に配列された複数の第1反射面を有し、
前記第2採光フィルムは、前記第2基準方向に配列された複数の第2反射面を有し、
前記第1基準方向及び前記第2基準方向に両方に平行な面内において、前記第1採光フィルムの側から前記第2採光フィルムの側に向けて水平方向に対して鉛直方向下方に向かうように傾斜する場合の角度を正の値として、前記水平方向に対して前記第1反射面がなす角度は、前記水平方向に対して前記第2反射面がなす角度よりも大きい。
本発明による第1または第2の採光システムにおいて、
前記第1基準方向及び前記第2基準方向に両方に平行な面内において前記第1反射面が前記水平方向に対してなす角度は、正の値となり、
前記第1基準方向及び前記第2基準方向に両方に平行な面内において前記第2反射面が前記水平方向に対してなす角度は、負の値となるようにしてもよい。
本発明による第2の採光システムは、
第1採光フィルムと、
前記第1採光フィルムから水平方向に離間して配置された第2採光フィルムと、を備え、
前記第1採光フィルムは、鉛直方向に配列された複数の第1反射面を有し、
前記第2採光フィルムは、鉛直方向に配列された複数の第2反射面を有し、
鉛直方向に平行な面内において、前記第1採光フィルムの側から前記第2採光フィルムの側に向けて前記水平方向に対して鉛直方向下方に向かうように傾斜する場合の角度を正の値として、前記水平方向に対して前記第1反射面がなす角度は、前記水平方向に対して前記第2反射面がなす角度よりも大きい。
本発明による第2の採光システムにおいて、
前記鉛直方向に平行な面内において前記第1反射面が前記水平方向に対してなす角度は、正の値となり、
前記鉛直方向に平行な面内において前記第2反射面が前記水平方向に対してなす角度は、負の値となるようにしてもよい。
本発明による第1または第2の採光システムにおいて、前記第1採光フィルム及び前記第2採光フィルムの両方よりも少なくとも部分的に鉛直方向上方であって、且つ、水平方向における前記第1採光フィルム及び前記第2採光フィルムの間となる少なくとも一部分の位置に、日除けが設けられていてもよい。
本発明による第1または第2の採光システムが、前記第2採光フィルムよりも鉛直方向上方に位置し且つ前記第2採光フィルムの側から前記第1採光フィルムの側に向けて延び出る日除けを、さらに備えるようにしてもよい。
本発明による第1または第2の採光システムにおいて、前記第1採光フィルムの鉛直方向における上端は、前記第2採光フィルムの鉛直方向における上端よりも、鉛直方向における下方に位置していてもよい。
本発明による第1または第2の採光システムにおいて、前記第2採光フィルムの鉛直方向における下端は、前記第1採光フィルムの鉛直方向における上端よりも、鉛直方向における下方に位置していてもよい。
本発明による第1または第2の採光システムにおいて、前記第2採光フィルムの鉛直方向における下端は、前記第1採光フィルムの鉛直方向における下端と鉛直方向における同一の位置に位置している、又は、前記第1採光フィルムの鉛直方向における下端よりも鉛直方向における下方に位置していてもよい。
本発明による第1または第2の採光システムにおいて、前記第2採光フィルムが、領域を区画する区画部材を形成し、前記第1採光フィルムが、室外に設けられた壁部材を形成するようにしてもよい。
本発明による第3の採光システムは、
第1採光フィルムと、
前記第1採光フィルムから当該第1採光フィルムの法線方向に平行な第1基準方向に離間して配置された第2採光フィルムと、を備え、
前記第1採光フィルムは、前記第1基準方向と非平行な第2基準方向に配列された複数の第1反射面を有し、
前記第2採光フィルムは、前記第2基準方向に配列された複数の第2反射面を有し、
前記第1基準方向及び前記第2基準方向に両方に平行な面内において、前記第1反射面と前記第2反射面は逆向きに傾斜している。
本発明によれば、種々の方向からの入射光に対して十分な採光機能及び防眩機能を発揮することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、採光システムを模式的に示す図である。 図2は、ベランダの壁部材の一例を示す縦断面図である。 図3は、区画部材の一例を示す縦断面図である。 図4は、採光フィルムの一例を示す斜視図である。 図5は、垂直方向に沿った断面において第1採光フィルム及び第2採光フィルムを示す縦断面図である。 図6は、採光フィルムの一変形例を示す縦断面図である。 図7は、採光フィルムの他の変形例を示す縦断面図である。 図8は、採光フィルムのさらに他の変形例を示す縦断面図である。 図9は、採光フィルムのさらに他の変形例を示す縦断面図である。 図10は、採光システムを模式的に示す縦断面図であって、採光システムの作用を説明するための図である。 図11は、図10に対応する図であって、採光システムの一変形例を示す縦断面図である。 図12は、図4に対応する図であって、図11の採光システムの第2採光フィルムを示す縦断面図である。 図13は、図11に対応する図であって、図11の採光システムの使用方法を説明するための図である。 図14は、採光システムの他の適用例を説明するための図である。 図15は、採光システムのさらに他の適用例を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
さらに、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「シート」はフィルムや板と呼ばれ得るような部材も含む概念である。したがって、採光フィルムは、採光シートや採光板と呼ばれ得る部材と呼称の違いのみに基づいて区別され得ない。
さらに、「フィルム面(シート面、板面)」とは、対象となるフィルム状(シート状、板状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるフィルム状(シート状部材、板状部材)の平面と一致する面のことを指す。また、フィルム状(シート状、板状)の部材に対する法線方向とは、当該フィルム状(シート状、板状)の部材のフィルム面(シート面、板面)への法線方向のことを指す。
図1〜図13は、本発明による一実施の形態およびその変形例を説明するための図である。このうち図1は、採光システムを示す側断面図である。採光システム10は、第1採光フィルム11と、第1採光フィルム11から当該第1採光フィルム11の法線方向ndに平行な第1基準方向d1に離間して配置された第2採光フィルム12と、を有している。第1採光フィルム11は、第1基準方向d1と非平行な第2基準方向d2に配列された複数の第1反射面11aを有する。第2採光フィルム12は、第2基準方向d2に配列された複数の第2反射面11bを有する。そして、第1基準方向d1及び第2基準方向d2の両方に平行な面内において、第1反射面11a及び第2反射面12aは、平行ではなく互いに対して傾斜している。
この採光システム10は、外光の光路を変更して取り込む装置である。以下に説明する一実施の形態において、採光システム10は、外光の光路を偏向して当該光を屋外から屋内へ取り込む。とりわけ、以下の採光システム10は、種々の方向からの入射光に対して十分な採光機能及び防眩機能を発揮するための工夫がなされている。また、以下の採光システム10は、庇等の日除け7が設置された状況下においても、種々の方向からの外光を日除け7の奥に位置する領域に効率的に取り込むことが可能となるような工夫もなされている。
本実施の形態では、この採光システム10が好適に使用され得る一例として、領域を区画する区画部材5を介して居室1へ外光を偏向して取り込むことに、採光システム10を適用している。区画部材5は、屋外と屋内を仕切る透明な部材である。図1に示すように、区画部材5は、天井3から垂下した壁2と床4との間を延びている。居室1は、区画部材5を介して、ベランダ6に接続されており、ベランダ6の上方には日除け7が居室1側から延び出している。ベランダ6の先端部には、透明な壁部材8が設置されている。
採光システム10の第1採光フィルム11は、ベランダ6に設けられた壁部材8の一部を形成している。一例として、第1採光フィルム11は、図2に示すように、ガラスや樹脂等からなる透明な一対の支持体15に狹持されるようにして保持される。すなわち、壁部材8は、一対の透明な支持体15と、支持体15の間に位置する第1採光フィルム11と、によって形成されている。壁部材8は屋外に配置されているため、一対の支持体15は、単なる支持材としてだけでなく、第1採光フィルム11を風雨等から保護する保護材としても機能する。
また、採光システム10の第2採光フィルム12は、区画部材5の一部を形成している。一例として、第2採光フィルム12は、図3に示すように、ガラスや樹脂等からなる透明な支持体15に、接合層16を介して接合される。すなわち、区画部材5は、支持体15、第2採光フィルム12、及び、これらを接合する接合層16によって形成されていている。この区画部材5において、第2採光フィルム12は、当該第2採光フィルム12を風雨等から保護する目的のため、支持体15へ居室1側から積層されていることが好ましい。
なお、図示された例において、第1採光フィルム11の鉛直方向における上端11bは、第2採光フィルム12の鉛直方向における上端12bよりも、鉛直方向における下方に位置している。また、図1に示すように、日除け7は、第1採光フィルム11及び第2採光フィルム12の両方よりも少なくとも部分的に鉛直方向上方に位置している。また、日除け7は、水平方向における第1採光フィルム11及び第2採光フィルム12の間に少なくとも部分的に位置している。
本実施の形態では、区画部材5及び壁部材8は、それぞれ、鉛直方向に延びている。そして、第1及び第2採光フィルム11,12は、そのフィルム面が鉛直方向に延びている。したがって、第1採光フィルム11の法線方向ndと平行な第1基準方向d1は、図示された本実施の形態において、水平方向に沿っている。また、第1採光フィルム11の第1反射面11aは鉛直方向に配列され、同様に、第2採光フィルム12の第2反射面12aも鉛直方向に配列されている。したがって、第1反射面11aの配列方向になるとともに第2反射面12aの配列方向にもなる第2基準方向d2は、図示された本実施の形態において、鉛直方向に沿っている。
上述したように、第1基準方向d1及び第2基準方向d2の両方に平行な面内において、第1反射面11a及び第2反射面12aは、互いに対して傾斜している。すなわち、第1基準方向d1及び第2基準方向d2の両方に平行な面内において、第2基準方向d2に対して第1反射面11aがなす角度は、第1基準方向d1に対して第2反射面12aがなす角度とは異なっている。したがって、本実施の形態では、第1反射面11aの傾斜角度及び第2反射面12aの傾斜角度は、詳しくは後述するように、種々の方向からの入射光に対して優れた採光効率及び防眩機能を発揮し得るにように独立して調整され得る。
とりわけ図1に示すように、第1基準方向d1及び第2基準方向d2の両方に平行な面内において、第1採光フィルム11の側から第2採光フィルム12の側に向けて水平方向に対して鉛直方向下方に向かうように傾斜する場合の角度を正の値とすると、第1反射面11aが第2基準方向d2である水平方向に対してなす角度θaは、第2反射面12aが水平方向である第1基準方向d1に対してなす角度θbよりも大きくなっている。このような構成によれば、第1反射面11a及び第2反射面12aの組み合わせによって、種々の方向からの入射光を、有効に偏向して、高効率で居室1内に取り込むことが可能となる。
また、図示された実施の形態における第1反射面11a及び第2反射面12aは、逆向きに傾斜している。図1を参照すると、第1反射面11aは、第1採光フィルム11の側から第2採光フィルム12の側に向けて水平方向に対して鉛直方向下方に向かうよう傾斜している。その一方で、第2反射面12aは、第1採光フィルム11の側から第2採光フィルム12の側に向けて水平方向に対して鉛直方向上方に向かうよう傾斜している。したがって、上述したように、第1基準方向d1及び第2基準方向d2の両方に平行な面内において、第1採光フィルム11の側から第2採光フィルム12の側に向けて水平方向に対して鉛直方向下方に向かうように傾斜する場合の角度を正の値とすると、第1反射面11aが第2基準方向d2である水平方向に対してなす角度θaは正の値となり、第2反射面12aが第2基準方向d2である水平方向に対してなす角度θbは負の値となる。このような構成によれば、詳しくは後述するように、種々の方向からの入射光に対して優れた採光効率及び防眩機能を発揮し得るようになる。
次に、第1採光フィルム11及び第2採光フィルム12の具体的構成について説明する。
第1採光フィルム11及び第2採光フィルム12は、反射面11a,12aの角度が異なるだけで、他の点については同一に構成することができる。図4には、第1採光フィルム11の一具例が示されており、図5には、第1採光フィルム11及び第2採光フィルム12が、第1基準方向d1及び第2基準方向d2の両方に平行な断面において、示されている。図5に示された第1採光フィルム11は、図4の第1採光フィルム11と同一である。
図4及び図5に示された例において、第1採光フィルム11は、第2基準方向d2に配列された複数の第1部分21及び第2部分22を有している。第1部分21及び第2部分22は、第2基準方向d2に交互に配列されている。第1部分21及び第2部分22は、第1基準方向d1と非平行で第1採光フィルム11のフィルム面に沿った方向に線状に延びている。図示された例において、第1部分21及び第2部分22は、第1採光フィルム11のフィルム面と平行で第1基準方向d1と直交する第3基準方向d3に、直線状に延びている。図1に示された適用例において、第3基準方向d3は、第1基準方向d1と直交して水平方向に延びている。
図4及び図5に示された第1採光フィルム11は、第1部分21及び第2部分22を含む光制御層20と、光制御層20と積層された基材層29と、を有している。なお、本実施の形態において、基材層29は、後述する光制御層20の製造方法に起因して設けられているが、特に必須の構成要素ではない。したがって、一例として、単なる透明または半透明な樹脂製フィルムから形成され得る。
一方、光制御層20は、第1部分21及び第2部分22に加えて、第1部分21及び第2部分22を支持するシート状のベース部分(ランド部)23をさらに有している。このベース部分23は、第1部分21と一体的に形成されており、第1部分21とともに光制御層本体24を形成している。言い換えると、第1採光フィルム11の光制御層20は、複数の溝24aを形成された光制御層本体24と、光制御層本体24の複数の溝24a内にそれぞれ形成された第2部分22と、を有している。そして、光制御層本体24のうちの隣り合う溝24aの間の部分が、第1部分21を画成している。
図5には、第1採光フィルム11の主切断面として、第1部分21及び第2部分22の配列方向である第2基準方向d2及び第1採光フィルム11のシート面への法線方向となる第1基準方向d1の両方に平行となる断面にて、第1採光フィルム11が、示されている。図5に示すように、第2部分22は、光制御層20の基材層29側とは反対側の面の一部をなす底面25と、底面25から延び出た第1側面26及び第2側面27と、を含んでいる。図示された例において、第1側面26及び第2側面27の離間間隔は、第1採光フィルム11のシート面への法線方向に沿って底面35から離間するにつれて、互いに接近していき、最終的に互いに接続している。
図示された例において、第2部分22は、第2基準方向d2に沿って等間隔に配置されている。また、第2部分22は、断面形状を変化させることなく、第3基準方向d3に延びている。さらに、第1採光フィルム11に含まれる多数の第2部分22は、互いに同一に構成されている。以上の第2部分22の構成にともない、図示された例では、第1採光フィルム11に含まれる第1部分21は、第2基準方向d2に沿って等間隔に配置され、断面形状を変化させることなく第3基準方向d3に延び、且つ、互いに同一に構成されている。
図5に示された断面での、第2部分22の第2基準方向d2に沿った配列ピッチpは、一例として、1mm以下とすることができ、第1基準方向d1に沿った第2部分22の高さhは、1mm以下とすることができる。また、第1基準方向d1に沿った第1採光フィルム11の厚みは、100μ以上2mm以下とすることができる。さらに、第2基準方向d2に沿った第2部分22の幅wに対する、第1基準方向d1に沿った第2部分22の高さhの比、すなわち、h/wで表されるアスペクト比は、1より大きくなっていることが好ましく、5以上であることがさらに好ましい。また、このアスペクト比は、製造の安定性を考慮して、10以下であることが好ましい。
次に、第1部分21及び第2部分22の材料について説明する。第1部分21は透明に形成されている。本明細書において「透明」とは、可視光透過率が50%以上となっていることを意味している。ただし、本実施の形態における第1部分20の可視光透過率は、70%以上となっていることが好ましく、90%以上となっていることがより好ましい。
なお、本明細書における可視光透過率は、測定対象となる部位をなすようになる材料を東洋紡績製PETフィルム(品番:コスモシャインA4300、厚さ100μm)の上に膜厚1μmで成膜し、分光光度計((株)島津製作所製「UV−2450」、JISK0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。同様に、後述する熱線透過率は、測定対象となる部位をなすようになる材料を東洋紡績製PETフィルム(品番:コスモシャインA4300、厚さ100μm)の上に膜厚1μmで成膜し、分光光度計((株)島津製作所製「UV−2450」、JISK0115準拠品)を用いて測定波長900nm〜2500nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
また、本実施の形態において、ベース部分23は第1部分21と同一の材料を用いて第1部分21と一体的に形成されている。第1部分21及びベース部分23をなす光制御層本体24に用いられる材料として、例えば、樹脂材料、とりわけ電離放射線の照射により硬化する電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂等が挙げられる。樹脂材料の具体例としては、エポキシ樹脂やアクリル樹脂が挙げられる。
第2部分22は、第1部分21とは異なる屈折率を有するようにする。このため、第2部分22と第1部分21との屈折率界面をなす第1側面26は、第1反射面11aとして機能する。第1反射面11aは、所定の方向から第1部分21を経由して第2部分22に向かう光を全反射することもできる。図示された例において、第2部分22は、透明な材料を用いて形成されている。透明な材料としては、例えば、第1部分21に用いられ得る材料として例示した材料を用いることができる。
なお、以上のような構成からなる、第1採光フィルム11は次のようにして製造され得る。まず、第1部分21及びベース部分23をなす光制御層本体24を、例えば、電子線、紫外線等の電離放射線の照射により硬化する特徴を有するエポキシアクリレート等の硬化性材料を用いて、作製する。具体的には、光制御層本体24の溝24aの構成(配置、形状等)に対応した凸部を有する型ロール、言い換えると、第1部分21の構成(配置、形状等)に対応した凹部を有する型ロールを準備する。当該型ロールとニップロールとの間に基材層29をなすようになるシートを送り込み、該シートの送り込みに合わせて、硬化性材料を型ロールと基材層29との間に供給する。その後、基材層29上に供給された未硬化状態で液状の硬化性材料が型ロールの凹部に充填されるように、型ロールおよびニップロールで該硬化性材料を押圧する。このとき、型ロールの凹部の深さより厚くなるように、すなわち、型ロールと基材層29とが接触しないように、硬化性材料を基材層29上に供給しておくことによって、上述したベース部分(ランド部)33が、第1部分21と一体的に硬化性材料から形成されるようになる。以上のようにして基材層29と型ロールとの間に未硬化で液状の硬化性材料を充填した後、光を照射して該硬化性材料を硬化(固化)させることによって光制御層本体24を形成することができる。
次に、硬化することによって第2部分22をなすようになる未硬化で液状の組成物を用いて第2部分22を作製する。硬化することによって第2部分22をなすようになる硬化性材料として、電離放射線により硬化する特徴を有するウレタンアクリレート等の硬化性材料を用いることができる。まず、先に形成された光制御層本体24上に組成物を供給する。その後、隣り合う第1部分21の間の形成された溝24a、すなわち、型ロールの凸部に対応していた部分の内部に、ドクターブレードを用いながら、組成物を充填しつつ、該溝24a外に溢出した余剰分の組成物を掻き落としていく。その後、第1部分21の間の組成物に電離放射線を照射して硬化させることにより、第2部分22が形成される。これにより、基材層29、並びに、基材層29上に設けられたベース部分23と、ベース部分23上に設けられた第1部分21及び第2部分22と、を有する第1採光フィルム11が作製される。
次に、第2採光フィルム12は、図5に示された採光システム10において、第1採光フィルム11と同様に構成されている。すなわち、第2採光フィルム12は、基材層29と、基材層29上に設けられた光制御層20と、を有している、光制御層20は、基材層29上に設けられたベース部分23と、ベース部分23上に設けられた第1部分21及び第2部分22と、を有している。ただし、第2採光フィルム12は、第1採光フィルム11と同一の採光フィルムの表裏を逆にして配置されており、これにより、第2反射面12aの傾斜角度θbを第1反射面11aの傾斜角度θaと異なるようにしている。
このような構成によれば、第1採光フィルム11及び第2採光フィルム12を、単一の構成の採光フィルムで形成することができ、コスト的メリットを享受することができる。しかも、コスト的メリットを享受しながら、第1反射面11aの傾斜角度θaと第2反射面12aの傾斜角度θbとの上述の関係を満足することができる。すなわち、図5に示された採光システム10では、第1基準方向d1及び第2基準方向d2の両方に平行な面内において、第1採光フィルム11の側から第2採光フィルム12の側に向けて水平方向に対して鉛直方向下方に向かうように傾斜する場合の角度を正の値とすると、第1反射面11aが第2基準方向d2である水平方向に対してなす角度θaは、第2反射面12aが水平方向である第1基準方向d1に対してなす角度θbよりも大きくなっている。また、第1反射面11a及び第2反射面12aは、鉛直方向と平行な第2基準方向d2を基準として、逆向きに傾斜している。
ただし、以上に説明した第1採光フィルム11及び第2採光フィルム12は、単なる例示であり、種々の変更が可能である。ここで、図6〜図9を参照しながら、変形の一例について説明する。なお、図6〜図9では、第1採光フィルム11を代表として例示しているが、以下に説明するように、第2採光フィルム12に対しても以下の変形を同様に適用することができる。
例えば、第1反射面11a又は第2反射面12aを形成する第1側面26は、直線状に形成されていなくてもよい。例えば、第1反射面11a又は第2反射面12aをなす第1側面26が、第1基準方向d1及び第2基準方向d2の両方に平行な断面において、図6に示すように折れ線状に形成されていてもよいし、或いは、図7に示すように曲線状に形成されていてもよい。図6や図7に示された採光フィルム11,12を用いた場合、種々の方向からの入射光を、第1側面26での反射により、より狭い角度範囲内の方向へ偏向させることが可能となる。
なお、第1反射面11a又は第2反射面12aが、第1基準方向d1及び第2基準方向d2の両方に平行な断面において、折れ線状や曲線状のように、直線状でない場合、反射面11a,12aの傾斜角度θa,θbは、第1基準方向d1に沿った当該反射面11a,12aの両端を通過する直線が第1基準方向d1に対してなす角度として特定する。
また、第1反射面11a又は第2反射面12aは、互いに異なる屈折率からなる第1部分21と第2部分22との屈折率界面として形成されている例を示したがこれに限られない。例えば、第2部分22自体が反射性を有する材料で形成されていてもよい。また、第1部分21と第2部分22との間に、反射性を有する材料が設けられ、反射性材料によって第1反射面11a又は第2反射面12aが形成されるようにしてもよい。さらに、図8に示すように、第2部分22を空隙として、光制御層本体24の溝24a内に反射性を有する材料、例えば金属材料からなる反射層30を設けるようにしてもよい。図8に示された例では、反射層30によって、第1反射面11a又は第2反射面12aが形成されるようになる。反射層30は、例えばインクジェット印刷によって溝24a内に形成することができる。
さらに、第2部分22を単なる空隙31とし、第1部分21と空隙31との屈折率界面によって、第1反射面11a又は第2反射面12aが形成されるようにしてもよい。この例おいては、空隙31をなす光制御層本体24の溝24aを、図9に示すように、第1反射面11a又は第2反射面12aに沿って延びる線状に形成することができる。
また、第2部分22が、バインダーとして機能する主部と、主部中に分散された機能性含有物とからなるようにしてもよい。第1部分21から第2部分22へ向かう光の一部は、反射面11a,12aで反射されることなく、第2部分22内へ入射する。また、第1採光フィルム11では、第1部分21を経由することなく第2部分22に直接入射する光もある。そして、機能性含有物が、第2部分22に入射した光に対し、種々の機能を発揮するようにしてもよい。第2部分22に含まれる機能性含有物は、種々の機能を期待されて主部32a中に分散されており、一例として、熱線吸収材や着色材とすることができる。一方、主部に用いられる材料は、第1部分21とは異なる屈折率を有した材料、例えば、樹脂材料、とりわけ電離放射線の照射により硬化する電離放射線硬化性樹脂の硬化物を用いることができる。ただし、機能性含有物を有する場合にその機能性含有物によって第2部分の屈折率が変わるのであれば、第1部分に用いるものと同じ材料を用いてもよい。
次に、採光システム10の作用について、主として図10を参照して説明する。
本実施の形態による採光システム10は、種々の方向から入射する入射光の光路を有効に偏向して、高効率で居室1内に取り込むことができるようになっている。例えば、採光システム10によって取り込まれる光が、主として太陽から降り注がれる太陽光である場合、季節や時間帯に応じて、特定の位置に設置した採光システム10への入射角度は変化する。そして、本実施の形態による採光システム10は、このような太陽光に対しても採光機能および防眩機能の両方を有効に発揮することができる。
まず、例えば正午辺りで太陽の高度が高い場合、採光システム10への入射光L101〜L103は、第1基準方向d1となる水平方向に対して大きく傾斜した方向へ進む。図10に示すように、このような光の一部L103は、日除け7の先端部7aと壁部材8の上端との間を通過して、ベランダ6内に入射して、ベランダ6を明るく照らすことに有効に利用することができる。
一方、水平方向に対して大きく傾斜した他の光L101,L102は、第1採光フィルム11を含む壁部材8へ入射する。壁部材8は、単に透明に形成されてベランダ6内に光を取り込むのではなく、第1採光フィルム11によって、光路を調整して居室1へ光を誘導することができる。上述したように、第1採光フィルム11は、比較的に大きな傾斜角度θaとなる第1反射面11aを有している。ここで反射面の傾斜角度は、水平方向に一致する第1基準方向d1及び鉛直方向に一致する第2基準方向d2の両方に平行な面内において、入光側となる屋外側から出光側となる屋内側へ向けて水平方向に対して鉛直方向下方に向かうように傾斜する場合の角度を正の値としている。したがって、図10に示すように、比較的に傾斜角度θaが大きい第1反射面11aで反射されることによって、第1採光フィルム11を透過した光L101,L102の進行方向は、水平方向に対する傾斜角度を比較的に小さくする。
とりわけ、第1反射面11aの水平方向に対する傾斜角度θaが正の値を取る場合、第1反射面11aで反射されて第1採光フィルム11を屋外側から屋内側へ透過する光L101,L102の光路が水平方向に対してなす角度の大きさは、反射前よりも反射後で小さくなる。ここで角度の大きさとは、当該角度の絶対値のことである。すなわち、図10に示すように、水平方向に対して大きく傾斜した方向から第1採光フィルム11へ入射した光L101,L102は、第1反射面11aで反射されることにより、傾斜の小さい比較的に水平方向に沿った光として、屋内側へと進み、第1採光フィルム11よりも居室1側に位置する第2採光フィルム12へと向かう。
本実施の形態では、本実施の形態では、第2採光フィルム12の上端12bが第1採光フィルム11の上端11bよりも鉛直方向上方に位置している。したがって、第1採光フィルム11で跳ね上げられた光L101,L102が、区画部材5の一部をなす第2採光フィルム12へ到達することが可能となる。
第2採光フィルム12は、比較的に小さな傾斜角度θbとなる第2反射面12aを有している。したがって、水平方向に対して大きく傾斜しない方向に進む光L101,L102は、第2基準方向d2に配列された第2反射面12aの間を通過して、第2反射面12aで反射することなく、居室1へ入射することができる。すなわち、採光システム10において第2反射面12aの傾斜角度θbが第1反射面11aの水平方向に対する傾斜角度θaよりも小さく設定されている場合、水平方向に対して大きく傾斜した方向から第1採光フィルム11へ入射した光L101,L102の光路を、第1反射面11aでの反射によって第2採光フィルム12に向かうように調整し、さらに、第2採光フィルム12において第2反射面12a間を通過させて当該光を採光することが可能となる。
とりわけ、第2反射面12aの水平方向に対する傾斜角度θbが負の値を取る場合、第1反射面11aでの反射によって跳ね上げられた光、とりわけ、傾斜角度θaが正の値を取る第1反射面11aにおいて水平方向に対して比較的小さな角度をなす方向に反射した光L101,L102が、第2反射面12aで反射することなく第2採光フィルム12を透過して取り込まれることを促進することができる。
図1に示された例において、日除け7の先端部7a及びベランダ6の先端部6aに、外光の取り込むための開口9が形成されている。そして、区画部材5は、開口9から水平方向に離間して配置され、光を取り込むべき居室1を区画している。したがって、採光システム10の適用がなければ、水平方向に対して或る程度以上に傾斜した方向からの光は、居室1を区画する区画部材5まで到達することはない。
その一方で、開口9から区画部材5までの領域に配置された採光システム10によれば、水平方向に対して大きく傾斜した方向に進む光さえも、開口9又はその近傍に設置された壁部材8の第1採光フィルム11での反射によって、区画部材5へ誘導することができる。そして、区画部材5は、居室1の床4に向けて進む光の光路を天井3に向かうように跳ね上げて、居室1内に取り込むことができる。つまり、水平方向に対して大きく傾斜した方向に進む光さえも高効率で採光することができる。その上、居室1に取り込まれた光L101,L102は、居室1の天井3に向かうようになる。したがって、照明器具等による照明に代えて又は加えて、居室1に採光された光を、居室1の照明光として有効に利用することができる。また、居室1内の人間が、この光L101,L102に眩しさを感じることを効果的に防止することができる。
次に、朝方や夕方において太陽の高度が低い場合、採光システム10への入射光L104,L105は、第1基準方向d1となる水平方向に対して僅かだけ傾斜した方向へ進む。図10に示すように、このような光の一部L104は、日除け7の先端部7aと壁部材8の上端との間を通過して、ベランダ6内に入射する。この光L104は、その光路が水平方向に対して傾斜していないので、ベランダ6の床に到達することなく、区画部材5へ入射する。本実施の形態では、第2採光フィルム12の下端12cが第1採光フィルム11の上端11bよりも鉛直方向下方に位置している。したがって、このような光L104が、区画部材5の一部をなす第2採光フィルム12へ到達することが可能となる。
また、第1基準方向d1となる水平方向に対して僅かだけ傾斜した方向へ進む光の一部L105は、壁部材8に入射する。壁部材8に含まれた第1採光フィルム11は、比較的に大きな傾斜角度θaとなる第1反射面11aを有している。したがって、水平方向に対して大きく傾斜しない方向に進む光L105は、第2基準方向d2に配列された第1反射面11aの間を通過して、第1反射面11aで反射することなく、区画部材5へ向かうことができる。とりわけ、第1反射面11aの傾斜角度θaが正の値を取る場合、緩やかな傾斜角度で降り注ぐ朝方や夕方の太陽光の多くが、第2基準方向d2に配列された第1反射面11aの間を通過して、区画部材5へ向かうことを可能にする。
なお、本実施の形態では、第2採光フィルム12の下端12cが第1採光フィルム11の上端11bよりも鉛直方向下方に位置している。したがって、このような光L105が、区画部材5の一部をなす第2採光フィルム12へ到達することが可能となる。さらに、本実施の形態によれば、第2採光フィルム12の下端12cは、第1採光フィルム11の下端11cと鉛直方向における同一の位置、又は、第1採光フィルム11の下端11cよりも鉛直方向下方に位置している。このような形態によれば、第1採光フィルム11を透過した光L105が、区画部材5の一部をなす第2採光フィルム12へ到達することが促進される。
次に、水平方向に対して大きく傾斜しない方向へ進む光L104,L105は、区画部材5に含まれた第2採光フィルム12へ入射して、光路を補正される。第2採光フィルム12は、比較的に小さな傾斜角度θbの第2反射面12aを有している。したがって、図10に示すように、比較的に傾斜角度θaが小さい第2反射面12aで反射されて、第2採光フィルム12を透過した光L104,L105の進行方向は、水平方向に対する傾斜角度を比較的に大きくする。すなわち、第2採光フィルム12の第2反射面12aで光路を補正された光L104,L105は、第2反射面12aでの反射によって、跳ね上げられて天井3へ向かうようになる。したがって、照明器具等による照明に代えて又は加えて、居室1に採光された光を、居室1の照明光として有効に利用することができる。また、居室1内の人間が、この光L101,L102に眩しさを感じることを効果的に防止することができる。
とりわけ、第2反射面12aの水平方向に対する傾斜角度θbが負の値を取る場合、第2反射面12aで反射されて第2採光フィルム12を屋外側から屋内側へ透過する光L104,L105の光路が水平方向に対してなす角度の大きさ、つまり当該角度の絶対値は、反射前よりも反射後で大きくなる。すなわち、図10に示すように、水平方向に対して大きく傾斜しない方向から第2採光フィルム12へ入射した光L104,L105は、第2反射面12aで反射されることにより、傾斜の大きい比較的に鉛直方向に沿った光として、居室1の天井3へ向かうようになる。
以上のように、本実施の形態では、鉛直方向に平行な面内において、第1採光フィルム11の側から第2採光フィルム12の側に向けて水平方向に対して鉛直方向下方に向かうように傾斜する場合の傾斜角度を正の値として、水平方向に対して第1反射面11aがなす傾斜角度θaは、水平方向に対して第2反射面12aがなす傾斜角度θbよりも大きい。このような採光システム10によれば、第1採光フィルム11及び第2採光フィルム12の組み合わせにより、種々の入射角度で入射する光の光路を有効に調整して、高効率で取り込むことができる。すなわち、種々の入射角度で入射する光に対して十分な採光機能及び防眩機能を発揮することができる。
また、本実施の形態によれば、第1反射面11aと第2反射面12aは逆向きに傾斜している。このような採光システムによれば、種々の入射角度で入射する光に対して、より効果的に採光機能及び防眩機能を発揮することができる。とりわけ、第1反射面11aの傾斜角度θaが正の値となり、第2反射面12aの傾斜角度θbが負の値となるように採光システム10を設置すれば、種々の入射角度で入射する光に対して、極めて効果的に、採光機能及び防眩機能を発揮することができる。
さらに、本実施の形態によれば、外光の取り込むための開口9から離間した領域まで、水平方向に対して大きく傾斜した光でさえも、有効に光路を調整した上で取り込むことができる。すなわち、庇等の日除け7が突出していたとしても、水平方向に対して大きく傾斜した光でさえも光路調整して取り込むことができ、これにより、高効率での採光を実現することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を適宜参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
上述した実施の形態において、図3に示すように、区画部材5が、支持体15と、第2採光フィルム12と、支持体15及び第2採光フィルム12を接合する接合層16と、を有する例を示した。しかしながら、区画部材5が、図2に示すように、一対の支持体15と、一対の支持体15間に配置された第2採光フィルム12と、を有するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態において、図2に示すように、壁部材8が、一対の支持体15間に配置された第1採光フィルム11と、を有する例を示した。しかしながら、壁部材8が、図2に示すように、支持体15と、第1採光フィルム11と、支持体15及び第1採光フィルム11を接合する接合層16と、を有するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、第2採光フィルム12が、区画部材5の一部を形成する例を示したが、この例に限られない。例えば、第2採光フィルム12が、巻き取り可能なシート状の部材、例えばロールアップカーテンとして形成され、区画部材5の居室側に配置されるようにしてもよい。
さらに、図11〜図13に示すように、第2採光フィルム12が、ブラインド40のスラットを構成するようにしてもよい。ブラインド40は、鉛直方向に配置された複数のスラット42と、取付ボックス41と、を有している。図11に示すように、ブラインド40は、スラット42が区画部材5の居室側に位置するよう、配置されている。図12に示すように、各スラット42が、第2採光フィルム12として形成されている。スラット42は、その板面の向きを変更することができ、且つ、取付ボックス41内へ引き上げることが可能となるように、支持されている。図11及び図12に示すように、ブラインド40が全閉状態に保持され、各スラット42が立ち上がった状態にて、多数のスラット42の集合体が、上述した第2採光フィルム12と同様に機能するようになる。ただし、図13に示すように、第1採光フィルム11の第1反射面11aで跳ね上げられた光を居室1内に導く際には、ブラインド40のスラット42を全閉状態にすることなく、当該光の進行方向に沿うようにスラット42を傾斜させてもよい。
さらに、上述した実施の形態として、採光システム10の一適用例を示したが、上述したベランダ6を介して居室1へ採光することへの適用に限定されることはない。図14に示すように、典型的には学校であるように、廊下56に設置された窓58へ入射する光を、廊下59を挟んで窓58とは反対側にある部屋51、例えば教室へ採光することに適用してもよい。図14に示された例において、廊下56の開口59に窓58が嵌め込まれており、第1採光フィルム11はこの窓58を形成している。一方、第2採光フィルム12は、廊下56と部屋51を区画する窓55を形成している。
さらに、図15に示すように、居室61の窓から、タンスなどの家具63等の設置によって離間するようになった、当該居室61の実質的な居住領域62への採光に、上述した採光システム10を適用することも可能である。図15に示された例において、外光を取り入れるために設けられた居室61の開口69に、窓68が嵌め込まれており、第1採光フィルム11はこの窓68を形成している。第2採光フィルム12は、家具63上に衝立のように配置されている。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
1 居室
2 壁
3 天井
4 床
5 区画部材
6 ベランダ
6a 先端部
7 日除け
7a 先端部
8 壁部材
9 開口
10 採光システム
11 第1採光フィルム
11a 第1反射面
11b 上端
11c 下端
12 第2採光フィルム
12a 第2反射面
12b 上端
12c 下端
15 支持体
16 接合層
20 光制御層
21 第1部分
22 第2部分
22a 主部
23 ベース部分
24 光制御層本体
24a 溝
25 底面
26 第1側面
26a 急斜面
26b 緩斜面
27 第2側面
28 頂面
29 基材層
30 反射層
31 空隙
40 ブラインド
41 取付ボックス
42 スラット
51 部屋
55 窓
56 廊下
58 窓
59 開口
61 居室
62 居住領域
63 家具
68 窓
69 開口

Claims (8)

  1. 第1採光フィルムと、
    前記第1採光フィルムから当該第1採光フィルムの法線方向に平行な第1基準方向に離間して配置された第2採光フィルムと、を備え、
    前記第1採光フィルムは、前記第1基準方向と非平行な第2基準方向に配列された複数の第1反射面を有し、
    前記第2採光フィルムは、前記第2基準方向に配列された複数の第2反射面を有し、
    前記第1基準方向及び前記第2基準方向に両方に平行な面内において、前記第1採光フィルムの側から前記第2採光フィルムの側に向けて水平方向に対して鉛直方向下方に向かうように傾斜する場合の角度を正の値として、前記水平方向に対して前記第1反射面がなす角度は、前記水平方向に対して前記第2反射面がなす角度よりも大きい、採光システム。
  2. 前記第1基準方向及び前記第2基準方向に両方に平行な面内において前記第1反射面が前記水平方向に対してなす角度は、正の値となり、
    前記第1基準方向及び前記第2基準方向に両方に平行な面内において前記第2反射面が前記水平方向に対してなす角度は、負の値となる、請求項1に記載の採光システム。
  3. 前記第1採光フィルム及び前記第2採光フィルムの両方よりも少なくとも部分的に鉛直方向上方であって、且つ、水平方向における前記第1採光フィルム及び前記第2採光フィルムの間となる少なくとも一部分の位置に、日除けが設けられる、請求項1又は2に記載の採光システム。
  4. 前記第1採光フィルムの鉛直方向における上端は、前記第2採光フィルムの鉛直方向における上端よりも、鉛直方向における下方に位置している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の採光システム。
  5. 前記第2採光フィルムの鉛直方向における下端は、前記第1採光フィルムの鉛直方向における上端よりも、鉛直方向における下方に位置している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の採光システム。
  6. 前記第2採光フィルムの鉛直方向における下端は、前記第1採光フィルムの鉛直方向における下端と鉛直方向における同一の位置に位置している、又は、前記第1採光フィルムの鉛直方向における下端よりも鉛直方向における下方に位置している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の採光システム。
  7. 前記第2採光フィルムが、領域を区画する区画部材を形成し、
    前記第1採光フィルムが、室外に設けられた壁部材を形成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の採光システム。
  8. 第1採光フィルムと、
    前記第1採光フィルムから当該第1採光フィルムの法線方向に平行な第1基準方向に離間して配置された第2採光フィルムと、を備え、
    前記第1採光フィルムは、前記第1基準方向と非平行な第2基準方向に配列された複数の第1反射面を有し、
    前記第2採光フィルムは、前記第2基準方向に配列された複数の第2反射面を有し、
    前記第1基準方向及び前記第2基準方向に両方に平行な面内において、前記第1反射面と前記第2反射面は逆向きに傾斜している、採光システム。
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