JP6684709B2 - 採光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、採光装置に関するものである。
本願は、2014年7月1日に、日本に出願された特願2014−135751号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
窓ガラスに入射する光を効率よく屋内に導くための技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1の技術は、透光性の支持体の一方の面に採光機能を担う複数の単位プリズムを形成した採光フィルムを、窓ガラスの内面(屋内側の面)に貼り付けるものである。単位プリズム側から入射した光は、単位プリズムの表面で屈折し、単位プリズム、支持体および窓ガラスを透過して屋内に入射する。
特開2011−123478号公報
しかしながら、窓の緯度、方位の違い又は太陽高度によっては、天井への採光性が低下したり、室内に居る人の目線に光が分配されて不快な眩しさを感じさせてしまったりすることがある。以下の説明において、室内に居る人が眩しさを感じる光をグレア光と言う。
本発明の一つの態様は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、入射光の入射角度に関わらず天井への採光性を向上させて、自然光(太陽光)を十分に利用して室内の明るい環境を確保するとともに、グレア光をより抑制することのできる採光装置を提供することを目的の一つとしている。
本発明の一つの態様の採光装置は、光透過性を有する第1基材と、前記第1基材の第1面に設けられた光透過性を有する複数の採光部と、を備え、前記採光部が、前記採光部に入射した光を反射する反射面を有し、前記反射面で反射して前記第1基材の第2面から射出される光が、前記第1基材の前記第2面に垂直、かつ前記採光部の延在方向に平行な仮想平面を境界とする2つの空間のうち、前記反射面に光が入射する側と同じ側の空間に向けて進行する特性を有する採光部材と、前記採光部材に入射する光の入射光角度分布を変化させる入射光角度分布変更部材と、を備える。
本発明の一つの態様の採光装置は、前記入射光角度分布変更部材は、第2基材と、前記第2基材に設けられた角度変更部と、を備え、前記採光部材に入射する光を前記角度変更部で屈折もしくは散乱させることにより前記光の入射光角度分布を変化させる構成としてもよい。
本発明の一つの態様の採光装置は、前記第2基材は、前記角度変更部が設けられた領域と、前記角度変更部が設けられていない領域と、を有する構成としてもよい。
本発明の一つの態様の採光装置は、前記角度変更部が設けられていない領域は、光が屈折もしくは散乱することなく透過する透過領域である構成としてもよい。
本発明の一つの態様の採光装置は、前記入射光角度分布変更部材は、前記第1基材の第1面に平行な方向に沿って交互に配置された光透過部と遮光部とを備え、前記入射光角度分布変更部材に入射する光の入射角度に応じて前記光透過部による光の透過と前記遮光部による光の遮断とを制御することにより、前記光の入射光角度分布を変化させる構成としてもよい。
本発明の一つの態様の採光装置は、前記入射光角度分布変更部材は、前記光透過部により光が透過する入射角度と、前記遮光部により光が遮断される入射角度と、が可変である構成としてもよい。
本発明の一つの態様の採光装置は、前記入射光角度分布変更部材の光入射側に、前記入射光角度分布変更部材に入射する光を散乱させる光散乱部材をさらに備えた構成としてもよい。
本発明の一つの態様の採光装置は、光透過性を有する第1基材と、前記第1基材の第1面に設けられた光透過性を有する複数の採光部と、を備え、前記採光部が、前記採光部に入射した光を反射する反射面を有し、前記反射面で反射して前記第1基材の第2面から射出される光が、前記第1基材の前記第2面に垂直、かつ前記採光部の延在方向に平行な仮想平面を境界とする2つの空間のうち、前記反射面に光が入射する側と同じ側の空間に向けて進行する特性を有する採光部材と、前記採光部材から射出される光の射出光角度分布を変化させる射出光角度分布変更部材と、を備える。
本発明の一つの態様の採光装置は、前記射出光角度分布変更部材は、第3基材と、前記第3基材に設けられた角度変更部と、を備え、前記採光部材から射出された光を前記角度変更部で屈折もしくは散乱させることにより前記光の射出光角度分布を変化させる構成としてもよい。
本発明の一つの態様の採光装置は、前記第3基材は、前記角度変更部が設けられた領域と、前記角度変更部が設けられていない領域と、を有する構成としてもよい。
本発明の一つの態様の採光装置は、前記角度変更部が設けられていない領域は、光が屈折もしくは散乱することなく透過する透過領域である構成としてもよい。
本発明の一つの態様の採光装置は、前記射出光角度分布変更部材は、前記第1基材の第1面に平行な方向に沿って交互に配置された光透過部と遮光部とを備え、前記射出光角度分布変更部材に入射する光の入射角度に応じて前記光透過部による光の透過と前記遮光部による光の遮断とを制御することにより、前記光の射出光角度分布を変化させる構成としてもよい。
本発明の一つの態様の採光装置は、前記射出光角度分布変更部材は、前記光透過部により光が透過する入射角度と、前記遮光部により光が遮断される入射角度と、が可変である構成としてもよい。
本発明の一つの態様の採光装置は、前記採光部材と、前記入射光角度分布変更部材もしくは前記射出光角度分布変更部材と、を支持するフレームをさらに備えた構成としてもよい。
本発明の一つの態様の採光装置は、遮光部材と、前記遮光部材を鉛直方向に吊り下げる形態で支持する支持機構と、をさらに備え、前記遮光部材の少なくとも一部が、上記の採光装置における前記採光部材と、前記入射光角度分布変更部材もしくは前記射出光角度分布変更部材と、に置換されている。
本発明の一つの態様の採光装置は、光透過性を有する第1基板と、前記第1基板に対向配置された光透過性を有する第2基板と、をさらに備え、上記の採光装置における前記採光部材と、前記入射光角度分布変更部材もしくは前記射出光角度分布変更部材と、が前記第1基板と前記第2基板との間に配置されている。
以上のように、本発明の一つの態様によれば、入射光の入射角度に関わらず天井への採光特性を向上させて、自然光(太陽光)を十分に利用して室内の明るい環境を確保するとともに、グレア光を抑制することのできる採光装置を提供することが可能である。
本発明の第1実施形態である採光装置の概略構成を示す断面図。 第1実施形態における採光装置の要部を拡大して示す部分断面図。 部屋モデルの一例を示す模式図。 採光装置に入射する入射光LINの入射角θINと、採光装置から射出される射出光LOUTの射出角θOUTとの定義について説明する図、また、部屋モデルの一例を示す模式図。 従来の採光装置の特性を説明するための図。 第1実施形態の採光装置の特性を説明するための図。 第1実施形態における採光装置の第1の変形例を示す図。 第1実施形態における採光装置の第2の変形例を示す図。 第1実施形態における採光装置の第3の変形例を示す図。 第1実施形態における採光装置の第4の変形例を示す図。 第1実施形態における採光装置の第5の変形例を示す図。 第2実施形態の採光装置の概略構成を示す斜視図。 第2実施形態の採光装置の概略構成を示す断面図。 第2実施形態の採光装置の特性を説明するための図。 第2実施形態の採光装置の配置例を示す図。 第2実施形態の採光装置の第1の変形例を示す概略構成図。 第2実施形態の採光装置の第2の変形例を示す概略構成図。 第3実施形態における採光装置の概略構成を示す断面図。 第3実施形態における入射光角度分布変更部材の変形例の一つであるルーバーフィルムの概略構成を説明するための図。 第3実施形態における入射光角度分布変更部材の変形例の一つであるルーバーフィルムの動作を説明するための図。 第3実施形態における入射光角度分布変更部材の変形例の一つである調光ロールスクリーンの概略構成を説明するための図。 第3実施形態における入射光角度分布変更部材の変形例の一つである調光ロールスクリーンの動作を説明するための図。 採光部材のみを窓に設置した部屋モデルの一例を示す模式図。 実施形態の採光装置を窓に設置した部屋モデルの一例を示す模式図。 第4実施形態における採光装置の概略構成を示す断面図。 第4実施形態における採光装置の採光特性を説明するための図。 第5実施形態における採光装置の概略構成を示す断面図。 第5実施形態における採光装置の要部構成を拡大して示す断面図。 第5実施形態における入射光角度分布変更部材の第1の変形例を示す平面図。 第5実施形態における入射光角度分布変更部材の第2の変形例を示す平面図。 第5実施形態における入射光角度分布変更部材の第3の変形例を示す平面図。 第1実施形態における採光装置の第1の変形例を示す断面図。 第1実施形態における採光装置の第2の変形例を示す断面図。 第1実施形態における採光装置の第3の変形例を示す断面図。 第6実施形態の採光装置の概略構成を示す断面図。 第6実施形態の採光装置の要部を拡大して示す断面図。 傾斜した窓に採光装置を設置した様子を示す断面図。 第6実施形態における採光装置の第1の変形例を示す断面図。 第6実施形態における採光装置の第2の変形例を示す断面図。 第6実施形態における採光装置の第3の変形例を示す断面図。 第6実施形態における採光装置の第4の変形例を示す断面図。 第6実施形態における採光装置の第5の変形例を示す断面図。 第6実施形態における採光装置の第6の変形例を示す断面図。 第6実施形態における採光装置の第7の変形例を示す断面図。 第6実施形態における採光装置の第8の変形例を示す断面図。 第7実施形態の採光装置が室内の傾斜した窓に設置された様子を示す断面図。 第7実施形態における射出光角度分布変更部材の変形例として、ルーバーフィルムを備えた採光装置の概略構成を示す図。 採光装置が傾斜した窓に設置された様子を示す第1の図。 採光装置が傾斜した窓に設置された様子を示す第2の図。 第7実施形態における入射光角度分布変更部材の変形例の一つである調光ロールスクリーンの概略構成及びその動作を説明するための図。 第8実施形態における採光装置の概略構成を示す断面図。 第8実施形態における採光装置の要部構成を拡大して示す断面図。 採光部材のみを備えた採光装置が設置された場合の室内環境を示す図。 射出光角度分布変更部材を備える採光装置が設置された場合の室内環境を示す図。 第9実施形態の採光装置の概略構成及び設置状態を示す斜視図。 第9実施形態の採光装置の要部を示す部分断面図。 第9実施形態における採光パネルの変形例1を示す図。 第9実施形態における採光パネルの変形例2を示す図。 第9実施形態における採光パネルの変形例3を示す図。 他の窓へ付け替える様子を示す図。 第10実施形態におけるブラインドの外観を示す斜視図。 第10実施形態におけるブラインドの特性を説明するための図。 ブラインドを閉じた様子を示す図。 ブラインドを開放した様子を示す図。 採光スラットの第1の変形例を示す図。 採光スラットの第2の変形例を示す図。 採光スラットの第3の変形例を示す図。 第11実施形態の採光装置におけるロールスクリーンの外観を示す斜視図。 図42中に示すロールスクリーンのE−E’線に沿った断面図。 スクリーンを閉じた様子を示す図。 スクリーンを開放した様子を示す図。 スクリーンにおける採光スクリーンの第1の変形例を示す図。 スクリーンにおける採光スクリーンの第2の変形例を示す図。 第11実施形態における複層ガラス(採光装置)の概略構成を示す斜視図。 第11実施形態における複層ガラスの概略構成を示す断面図。 複層窓ガラス構造体の第1の変形例を示す断面図。 複層窓ガラス構造体の第2の変形例を示す断面図。 複層窓ガラス構造体の第3の変形例を示す断面図。 複層窓ガラス構造体の変形例を示す斜視図。 複層窓ガラス構造体の変形例を示す断面図。 複層窓ガラス構造体の変形例を示す斜視図。 採光装置の一部の構成要素が窓ガラスの外側に存在する構成例を示す図。 複層窓ガラスの内部に採光装置が存在する構成例を示す図。 採光装置及び照明調光システムを備えた部屋モデルを示す図であって、図54のA−A’線に沿う断面図。 部屋モデルの天井を示す平面図。 採光装置によって室内に採光された光(自然光)の照度と、室内照明装置による照度(照明調光システム)との関係を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
また、断面図において、構成を見やすくするため、ハッチングの図示を省略して示す場合がある。
[第1実施形態]
第1実施形態の採光装置について、以下の図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である採光装置の概略構成を示す断面図である。図2は、第1実施形態における採光装置の要部を拡大して示す部分断面図である。図3は、部屋モデルの一例を示す模式図である。図4は、採光装置に入射する入射光LINの入射角θINと、採光装置から射出される射出光LOUTの射出角θOUTとの定義について説明する図である。図5は、従来の採光装置の特性を説明するための図、図6は、第1実施形態における採光装置の特性を説明するための図である。
第1実施形態の採光装置は、例えば、窓ガラスに貼り付ける形態で太陽光を室内に採り入れる採光装置の一つの例である。
図1に示すように、第1実施形態の採光装置100は、窓ガラス1003の内面1003a(室内側の面)に設けられる採光部材1と、窓ガラス1003の外面1003b(屋外側の面)に設けられる入射光角度分布変更部材10と、接着層8と、を有して構成されている。接着層8は、採光部材1及び入射光角度分布変更部材10における各々の周縁部に設けられ、採光部材1及び入射光角度分布変更部材10をそれぞれ窓ガラス1003に接着する役目を果たす。
ここで、紙面の上下方向と、窓ガラス1003に貼り合わされた採光部材1及び入射光角度分布変更部材10の上下方向(XY方向)とは一致する。
(採光部材の構成)
採光部材1は、光透過性を有する第1基材(第1基材)2と、第1基材2の第1面2aに設けられた光透過性を有する複数の採光部3と、を備えている。複数の採光部3の間は空隙部4となっている。
第1基材2としては、例えば熱可塑性ポリマーや熱硬化性樹脂、光重合性樹脂等の樹脂類等からなる光透過性の基材が用いられる。アクリル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、ビニル系ポリマー、セルロース系ポリマー、アミド系ポリマー、フッ素系ポリマー、ウレタン系ポリマー、シリコーン系ポリマー、イミド系ポリマー等などからなる光透過性の基材が用いられる。具体的には、例えばトリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム等の光透過性の基材が好ましく用いられる。
本実施形態では、一例として厚さが100μmのPETフィルムが用いられる。第1基材2の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。これにより、十分な透明性を得ることができる。
第1基材2の厚みは任意であり、フィルム状あるいは板状であってもよい。また、複数の基材が積層されてなる積層構成であってもよい。
採光部3は、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の光透過性および緩効性を有する有機材料で構成されている。これら樹脂に重合開始剤、カップリング剤、モノマー、有機溶媒などを混合した透明樹脂製の混合物を用いることができる。さらに、重合開始剤は安定剤、禁止剤、可塑剤、蛍光増白剤、離型剤、連鎖移動剤、他の光重合性単量体等のような各種の追加成分を含んでいてもよい。
本実施形態においては、熱インプリント法を用いて、複数の採光部3を第1基材2上に形成した。採光部3の形成方法としては、熱インプリント法に限らず、例えば、UVインプリント法、熱プレス法、射出成型法、押出成形法、圧縮成型法等を用いてもよい。溶融押し出し法や型押し出し法などの方法では、第1基材2と採光部3とは同一の樹脂によって一体に形成される。
本実施形態では、採光部3の一例として、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を用いている。採光部3の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。これにより、十分な透明性を得ることができる。
採光部3は、図2に示すように、一方向(図2の紙面と垂直な方向)に直線状に細長く延び、長手方向と直交する断面形状が多角柱形状をなす。採光部3は、その長手方向に交差する方向に切断した断面形状において5つの頂点を有し、全ての内角が180°未満とされた5角形である。複数の採光部3は、各々の長手方向が矩形状の第1基材2の一辺に平行するとともに、幅方向に並設されている。
具体的に、採光部3は、第1基材2の第1面2aに対向する面3aから最も離れた頂点qを通る面3aの垂線Mを中心として、その両側の形状が非対称とされた、断面形状が5角形の多角柱状構造体である。すなわち、面3b(第2面)及び面3c(第3面)を含む上部の体積に対して、面3d、面3eを含む下部の体積の方が大きい形状となっている。本実施形態では、複数の採光部3が、各々における面3aの垂線Mを中心として体積の大きい側(面3d及び面3e側)を下方に統一した状態で並べられている。
なお、採光部3の断面形状は、5角形などの多角柱形状に限らない。すなわち、採光部3は、面3aの任意の垂線を中心としてその両側の形状が非対称であればよい。採光部材1としては、断面形状において上部の体積に対して下部の体積が同等以上であるプリズム構造が連続して形成されていればよい。
接着層8には、一般的な光学接着剤が用いられる。接着層8の屈折率は、窓ガラス1003の屈折率と等しいことが好ましい。これにより、採光部材1及び入射光角度分布変更部材10の各々と窓ガラス1003との界面において屈折が生じなくなる。
このような構成の採光部材1は、各採光部3の長手方向が水平方向を向き、複数の採光部3の配列方向が鉛直方向を向くようにして、接着層8を介して窓ガラス1003の内面1003aに貼り付けられる。
(入射光角度分布変更部材の構成)
入射光角度分布変更部材10は、光透過性を有する第2基材(第2基材)11と、第2基材11の第1面11a側に設けられた複数の角度変更部12と、を備えて構成されている。複数の角度変更部12の間は空隙部4となっている。
第2基材11の材料としては、上述した採光部材1の第1基材2と同様の材料が挙げられる。本実施形態では、一例として厚さが100μmのPETフィルムが用いられる。第2基材11の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。
角度変更部12の材料としては、上述した採光部材1の採光部3と同様の材料が挙げられる。本実施形態では、角度変更部12の一例として、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を用いている。角度変更部12の全光線透過率は、JIS K7361−1の規定で90%以上が好ましい。
角度変更部12は、図2に示すように、一方向(図2の紙面と垂直な方向)に直線状に細長く延び、長手方向と直交する断面形状が三角柱形状をなすプリズム構造体である。具体的に角度変更部12は、その長手方向に交差する方向に切断した断面形状において3つの頂点を有し、第2基材11に接しない頂角が90°以上とされた三角形である。複数の角度変更部12は、各々の長手方向が矩形状の第2基材11の一辺に平行するとともに、幅方向に並設されている。
具体的に、角度変更部12は、第2基材11の第1面11aに接する光入射面12aと、光入射面12aに対向する光射出面12bと、光入射面12aと光射出面12bとを繋ぐ端面12cと、を有している。角度変更部12は、光入射面12a上に存在しない頂点Qを通る光入射面12aの垂線Nを中心として、その両側の形状が非対称とされた断面形状が三角形状を成す構造体である。
すなわち、端面12cを含む上部の体積に対して、光射出面12bを含む下部の体積の方が大きい形状となっている。本実施形態では、複数の角度変更部12が、各々における光入射面12aの垂線Nを中心として体積の大きい側(光射出面12b側)を下方に統一した状態で並べられている。本実施形態では、複数の角度変更部12が互いに隙間なく設けられている。
このような構成の入射光角度分布変更部材10は、各角度変更部12の長手方向が水平方向を向き、複数の角度変更部12の配列方向が鉛直方向を向くようにして、接着層8を介して窓ガラス1003の外面1003bに貼り付けられている。
太陽から直接届く光は、先ず、窓ガラス1003の屋外側に設置された入射光角度分布変更部材10に入射する。太陽光は、入射光角度分布変更部材10において屈折された後、窓ガラス1003を透過し、採光部材1に対して斜め上方から入射する。
具体的に、太陽光は、第2基材11の第2面(第2面)11b側から入射光角度分布変更部材10内へ入射し、角度変更部12の光射出面12b(光射出面12bと空隙部4との界面)において屈折されて射出される。入射光角度分布変更部材10から射出された光L1は、窓ガラス1003を透過した後、採光部材1の採光部3へ入射する。光L1は、採光部3の面3cにおいて屈折された後、面3eにおいて全反射して斜め上方に向かって進み、第1基材2の第2面2b(第2面2bと室内空間との界面)から天井へ向かって射出される。
ここで、説明の便宜上、図2に示す採光部3に入射した光のうち任意の1本の光束が採光部3の面3e(反射面)に入射する点を入射点Eとする。入射点Eを通り、第1基材2の第1面2aに直交する仮想的な直線を直線fとする。直線fを含む水平面(仮想平面)を境界とする2つの空間のうち、入射点Eに入射する光Lが存在する側の空間を第1空間S1とし、入射点Eに入射する光Lが存在しない側の空間を第2空間S2とする。
例えば、採光部3の面3cから入射した光L1は、採光部3の面3eで全反射して斜め上方、すなわち第1空間S1の側に向かって進み、採光部3の面3aから射出される。採光部3から射出された光L2は、第1基材2を透過して、採光部材1から室内の天井に向けて進行する。採光部材1から天井に向けて射出された光は、天井で反射して室内を照らすため、照明光の代わりとなる。したがって、このような採光部材1を用いた場合、日中に建物内の照明設備が消費するエネルギーを節約する省エネルギー効果が期待できる。
(部屋モデル)
ここで、図3に示す部屋モデル1000を用いて採光装置100の採光特性について説明する。部屋モデル1000は、例えば、採光装置100のオフィスでの使用を想定したモデルである。具体的に、図3に示す部屋モデル1000は、天井1001と、床1002と、窓ガラス1003が取り付けられた手前の側壁1004と、手前の側壁1004と対向する奥の側壁1005とで囲まれる室内1006に、窓ガラス1003を通して屋外の光Lが斜め上方から入射する場合を模している。採光装置100は、窓ガラス1003の内面の上部側に貼り付けられている。
部屋モデル1000では、室内1006の高さ寸法(天井1001から床1002までの寸法)Hを2.7mとし、窓ガラス1003の縦寸法H2を天井1001から1.8mとし、採光部材1の縦寸法H1を天井1001から0.6mとしている。
部屋モデル1000では、室内1006の中の方に椅子に座っている人Maと、室内1006の奥の方に床1002に立っている人Mbとがいる。椅子に座っている人Maの眼の高さ下限Haは、床1002から0.8mとし、床1002に立っている人Mbの眼の高さ上限Hbは、床1002から1.8mとしている。
室内1006に居る人Ma,Mbに眩しさを感じさせる領域(以下、グレア領域という。)Gは、室内に居る人Ma,Mbの眼の高さHa,Hbの範囲である。また、室内1006の窓ガラス1003の付近は、主として採光部材1が貼り付けられていない窓ガラス1003の下部側を通して屋外の光Lが直接照射される領域Fである。この領域Fは、手前の側壁1004から1mの範囲としている。したがって、グレア領域Gは、床1002から0.8m〜1.8mの高さ範囲のうち、領域Fを除いた手前の側壁1004より1m離れた位置から奥の側壁1005までの範囲となっている。
グレア領域Gは、人の移動する領域内における眼の位置に基づいて規定される領域である。たとえ、天井1001側に進行する光によって室内1006が明るく照明されたとしても、グレア領域Gに到達する光が多いと室内1006に居る人が不快を感じやすくなる。
本実施形態の採光部材1は、窓ガラス1003を通して室内1006に入射する光Lのうち、グレア領域Gに向かう光の輝度を低減しながら、天井1001に向かう光の輝度を相対的に高めることが可能となっている。天井1001で反射された光L’は、照明光の代わりとして、室内1006を広範囲に亘って明るく照らすことになる。この場合、室内1006の照明設備を消灯することによって、日中に室内1006の照明設備が消費するエネルギーを節約する省エネルギー効果が期待できる。
(入射角と射出角の定義)
次に、図4を用いて、採光装置100に入射する入射光LINの入射角θINと、採光装置100から射出される射出光LOUTの射出角θOUTとの定義について説明する。
入射光LINの入射角θIN及び射出光LOUTの射出角θOUTは、図4に示すように、採光装置100(採光部材1の第1基材2)の法線に沿った方向の角度を0°とし、天井1001に向かう方向の角度を正(+)とし、床1002に向かう方向の角度を負(−)として定義する。
本実施形態の採光装置100では、少なくとも採光部材1の各採光部3に入射した入射光LINの入射角θINが、採光部材1の法線に対して20°≦θIN≦50°の範囲にあるとき、採光部材1から射出される射出光LOUTの射出角θOUTが、採光部材1の法線に対して入射光LINと同じ側(+側)に0°≦θOUT≦15°となる範囲で、射出光LOUTの輝度が相対的に高くなるように設定されている。
これにより、採光装置100及び窓ガラス1003を通して室内1006に入射した光Lのうち、グレア領域Gに向かう光や床1002に向かう光の輝度を低減しながら、天井1001に向かう光の輝度を相対的に高めることが可能である。すなわち、採光装置100及び窓ガラス1003を通して室内1006に入射した光Lを天井1001に向けて効率良く照射することができる。また、室内1006に居る人Ma,Mbに眩しさを感じさせることなく、天井1001に向かう光Lを室内1006の奥の方まで照射することができる。
さらに、天井1001で反射された光L’は、照明光の代わりとして、室内1006を広範囲に亘って明るく照らすことになる。この場合、室内1006の照明設備を消灯することによって、日中に室内1006の照明設備が消費するエネルギーを節約する省エネルギー効果が期待できる。
また、本実施形態の採光装置100では、図4に示すように、入射光LINの入射角θINの変動幅をΔθINとし、射出光LOUTの射出角θOUTの変動幅をΔθOUTとしたときに、20°≦θIN≦50°となる範囲で、ΔθIN>ΔθOUTの関係を満足することが好ましい。
この場合、太陽の高度変化に伴う室内1006の照射位置の変動を抑制することができる。また、天井1001に向かう光Lを室内1006の奥の方まで長時間に亘って照射することができる。これにより、更なる省エネルギー効果が期待できる。
図5は、従来の採光装置の特性を説明するための図である。
図5に示すように、従来の採光装置900は、窓ガラス1003の内面1003aに貼り付ける採光部材901のみを備えた構成である。採光部材901は、任意の太陽高度(入射角度)の範囲においては、天井へ向けて多くの光を射出させることができるとともに、室内に居る人が眩しいと感じるグレア光が少ない採光構造とされている。
採光装置900における採光性能としては、窓付近から室内の奥に向かって天井の広範囲を照射することができ、室内に居る人が眩しいと感じるグレア光を照射しない光学特性が望まれる。しかしながら、あらゆる太陽高度で上記の特性を満たす採光装置900はなく、ある任意の太陽高度(入射角度)の範囲のみに限定されている。
一方で、採光装置900を設置する窓の緯度や方位が変わると採光装置900に入射する太陽光の入射角度が全体的に変化するので、任意の太陽高度を前提にして作られた採光装置900では、その性能を十分に発揮することができない。
この場合、建物(窓)の緯度あるいは方位の違い、採光装置900の設置場所の傾き等によって、太陽光を室内の天井へ向けて射出させる採光機能が低下してしまったり、室内に居る人に不快な眩しさを感じさせてしまったりする。つまり、従来の採光装置900は、天井の広範囲に光を照射させることができる入射光の入射角度と、室内に居る人が眩しいと感じてしまうグレア光を射出させてしまう入射光の入射角度がある。
図6は、第1実施形態の採光装置の特性を説明するための図である。
本実施形態の採光装置100は、任意の太陽高度(入射角度)において良好な採光特性を有する採光部材1に対し、その光入射側に入射光角度分布変更部材10を配置することによって、採光部材1に入射する光の角度を変化させるように構成されている。つまり、入射光角度分布変更部材10に入射する光の入射角度と、採光部材1に入射する光の角度とは異なる。これにより、設置場所や設置姿勢が異なる場合においても、全体的にシフトした入射光の変化分を補正し、この補正した光を採光部材1へと入射させることができるので、任意の太陽高度において良好な採光特性を維持することが可能である。
よって、採光装置100によれば、入射光の入射角度に関わらず天井への採光特性を向上させて、自然光(太陽光)を十分に利用した室内の明るい環境を確保することができる。これと同時に、室内に居る人が眩しいと感じるグレア光を抑制できるので、室内の環境が快適になる。
なお、入射光角度分布変更部材10は上記した構成に限られることはなく、採光部材1に入射する光の角度を変化させることができればよい。例えば、入射光角度分布変更部材10として、光を屈折、反射、散乱等により、光の角度を制御することができる部材であればよい。
また、部屋の左右方向に光を散乱させる異方性散乱特性を有する部材や、紫外線や赤外線などの特定波長の光のみをカットすることのできる部材などと、適宜組み合わせることが可能である。
(第1実施形態における採光装置の変形例)
図7A〜図7Eは、第1実施形態における採光装置の変形例を示す図である。
例えば、図7Aに示すように、第2基材11側を採光部材1に向けた状態で入射光角度分布変更部材10を配置してもよい。このような構成においても、上記同様に、グレア光を抑制する効果が得られる。
また、図7Bに示すように、角度変更部12側を採光部材1に向けた状態で配置された入射光角度分布変更部材10の第2基材11側(光入射側)に、紫外線カットフィルム13を配置してもよい。紫外線カットフィルム13は、入射光のうち紫外光をカットする。これにより、入射光角度分布変更部材10及び採光部材1の変色等の経時的な劣化を防止できる。
また、図7Cに示すように、入射光角度分布変更部材10に代えて、光散乱フィルム14を採光部材1の光入射側に配置してもよい。光散乱フィルム14は、入射光を拡散させて射出させる。これにより、室内へ射出される光のぎらつきを抑えることができる。
また、図7Dに示すように、採光部材1の光射出側に、異方性光拡散フィルム15を配置してもよい。異方性光拡散フィルム15は、採光部3の延在方向(水平方向)に光を多く拡散させる。これにより、太陽光の入射角度の変化に起因する輝度ムラが緩和されて、室内を全体的に明るくすることができる。
また、図7Eに示すように、窓ガラス1003の室内側の面に、入射光角度分布変更部材10及び採光部材1’を設置してもよい。入射光角度分布変更部材10及び採光部材1は、互いの第2基材11と第1基材2とを対向させた状態で接着されている。このような採光装置16を窓ガラス1003の内面1003aに設置してもよい。
また、採光部3の断面形状は、上述した多角形状のものに限られない。例えば、図7Eに示す採光部材1’のように、採光部3’が曲面を有する断面形状とされたものでもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の採光装置について説明する。
図8は、第2実施形態の採光装置の概略構成を示す斜視図である。図9は、第2実施形態の採光装置の概略構成を示す断面図である。
以下に示す本実施形態の採光装置102は、図8及び図9に示すように、入射光角度分布変更部材10と、採光部材20とを備えている。入射光角度分布変更部材10は、第1実施形態と同様の構成であるため、以下の説明では、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、第1実施形態と共通する構成要素には同一の符号を付すものとする。
採光部材20は、複数の採光部21と、複数の採光部21を支持する枠部材(支持部材)22と、を備えて構成されている。
採光部21は、長手方向に交差する方向の断面が略三角柱状を呈する構造体である。採光部21は、アルミニウムのインゴットからフライス盤等を用いて削り出すことで作製される。採光部21は、採光部21に入射した光を反射させる反射面21bを有している。
複数の採光部21は、各々の反射面21bを上方へ向けた姿勢で、長手方向に交差する方向へ間隔をあけて互いに平行に配置されている。各採光部21は、長手方向両側の端部21a,21aが枠部材22の内側の壁面22bにそれぞれ固定されている。
枠部材22は、平面視で矩形の開口22Aを有する枠状の部材であって、複数の採光部21を収容できる大きさを有している。
太陽光は、先ず、窓ガラス1003の屋外側に設置された入射光角度分布変更部材10に入射する。太陽光は、入射光角度分布変更部材10において屈折された後、窓ガラス1003を透過し、採光部材20に対して斜め上方から入射する。
ここで、説明の便宜上、図10に示す採光部21に入射した光のうち任意の1本の光束が採光部21の反射面21bに入射する点を入射点Eとする。入射点Eを通り、採光部21の配列方向(Y方向)に直交する仮想的な直線を直線fとする。直線fを含む水平面(仮想平面)を境界とする2つの空間のうち、入射点Eに入射する光Lが存在する側の空間を第1空間S1とし、入射点Eに入射する光Lが存在しない側の空間を第2空間S2とする。
採光部材20に入射した光Lは、採光部21の反射面21bで全反射して、斜め上方、すなわち第1空間S1の側に向かって進む。このように、採光部材20から射出された光Lは室内の天井に向けて進行し、天井で反射して室内を照らす。
なお、本実施形態では、複数の採光部21を支持する支持部材として枠部材22を用いたが、これに限られることはなく、他の部材により複数の採光部21を支持する構成としてもよい。
また、本実施形態では、図10に示したように、窓ガラス1003の屋外側の外面1003bに入射光角度分布変更部材10を設けた構成となっているが、例えば、図11に示すように、窓ガラス1003の室内側の内面1003aに入射光角度分布変更部材10を設置してもよい。すなわち採光装置102は、窓ガラス1003の屋外側、室内側のどちらに設置されていてもよい。但し、入射光角度分布変更部材10は採光部材20の光入射側に配置する。
(第2実施形態の採光装置の変形例)
図12A,図12Bは、第2実施形態における採光装置の変形例を示す概略構成図である。
図12Aに示すように、第2基材11の第1面11a上に互いに所定の間隔をおいて複数の角度変更部12が配置されてなる入射光角度分布変更部材10’を用いてもよい。
また、図12Bに示すように、基材23の一面側に複数のライトシェルフ24を備えてなる採光部材25を用いてもよい。
なお、図12Bにおいては、窓ガラス1003に対して室内側にライトシェルフ24を配置した例を図示しているが、これに限られることはなく、入射光角度分布変更部材10’とともに屋外側にライトシェルフ24を配置してもよい。また、入射光角度分布変更部材10’を室内側に配置することも可能である。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の採光装置について説明する。
図13は、第3実施形態における採光装置の概略構成を示す断面図である。なお、図13中において二点鎖線の丸で囲まれた領域は、採光装置の要部を拡大して示す図である。
本実施形態の採光装置103は、採光部材1の構成は第1実施形態と同様であるが、入射光角度分布変更部材30の構成が第1実施形態とは異なる。よって、以下の説明では、採光部材の構成についての説明は省略し、入射光角度分布変更部材30の構成について詳しく説明する。
本実施形態における入射光角度分布変更部材30は、複数の光透過層31と複数の遮光層32とが光入射面30a及び光射出面30bを形成するように、上下方向(Y方向)へ交互に積層された構成を成している。光透過層31を介して隣り合う遮光層32どうしの間隔(ピッチP)や、遮光層32の長さ方向に交差する方向の寸法(幅W)は、採光装置103の使用状況等に応じて適宜設定される。ここで重要になるのが、採光部材1へ入射させたくない光、すなわちグレア光になりかねない光を吸収可能な間隔(ピッチP)及び寸法(幅W)に設定することである。
入射光角度分布変更部材30は、所定の角度で入射する光Lのみを透過させる。そのため、入射光角度分布変更部材30を透過した光のみが採光部材1へ入射することになる。
なお、入射光角度分布変更部材30が、光透過層31により光が透過する入射角度と、遮光層32により光が遮断される入射角度と、が可変である構成としてもよい。
(第3実施形態における入射光角度分布変更部材の変形例:ルーバーフィルム)
図14A,図14Bは、第3実施形態における入射光角度分布変更部材の変形例の一つであるルーバーフィルム301の概略構成及びその動作を説明するための図である。
ルーバーフィルム301は、互いに平行する面301a、301bを形成するように上下方向(Y方向)へ所定のピッチで配置された複数の遮光ルーバー(遮光部)132を備えている。遮光ルーバー132どうしの間は光透過性を有する光透過層(光透過部)131とされており、本実施形態では空気層が形成されている。
ルーバーフィルム301は、各遮光ルーバー132の傾斜角度を調整できる構成とされている。具体的には、遮光ルーバー132と光透過層131との界面が上記面301a、301bの垂線Mに垂直となる姿勢と、上記界面が面301a、301bの垂線Mに対して所定の角度θで傾斜する姿勢とに変化させることができる。
図14Aに示すように、面301a、301bの垂線Mに対して遮光ルーバー132を、光透過層131との界面が垂直になる姿勢にする。このような姿勢とすることで、太陽高度が低い場合の入射光(太陽光のうち高入射角度の光)を光透過層131において透過させ、太陽高度が高い場合の入射光(太陽光のうち低入射角度の光)を遮光ルーバー132において吸収することができる。
また、図14Bに示すように、面301a、301bの垂線Mに対して、遮光ルーバー132を傾動させて光透過層131との界面が所定の角度θで傾斜した姿勢にする。
このような姿勢にすることで、太陽高度が低い場合の入射光(太陽光のうち低入射角度の光)を光透過層131において透過させ、太陽高度が高い場合の入射光(太陽光のうち高入射角度の光)を遮光ルーバー132において吸収することができる。
このように、遮光ルーバー132の姿勢を切り替えることによって、任意の入射光のみを透過させ、それ以外の光を遮光することが可能である。
上記構成では複数の遮光ルーバー132が可動する構成となっているが、これに限られることはない。例えば、太陽高度や設置場所等を考慮して、複数の遮光ルーバー132の姿勢が予め固定された構成としてもよい。図14Aに示したように、遮光ルーバー132と光透過層131との界面が上記面301a、301bの垂線Mに垂直となるように、複数の遮光ルーバー132の姿勢が固定されていてもよい。あるいは、図14Bに示したように、遮光ルーバー132と光透過層131との界面が面301a、301bの垂線Mに対して所定の角度θで傾斜するように、複数の遮光ルーバー132の姿勢が固定されていてもよい。
なお、遮光ルーバー132の代替えとする複数のスラットを備えたブラインドにも適用することが可能である。
(第3実施形態における入射光角度分布変更部材の変形例:調光ロールスクリーン)
図15A,図15Bは、第3実施形態における入射光角度分布変更部材の変形例の一つである調光ロールスクリーン302の概略構成及びその動作を説明するための図である。
調光ロールスクリーン302は、一対の支持ローラー133,134と、これら一対の支持ローラー133,134に架け渡された環状のスクリーン135と、を備えて構成されている。スクリーン135は、複数の遮光部136と複数の光透過部137とが所定のピッチで交互に配置されてなるものである。
調光ロールスクリーン302は、支持ローラー133,134を時計回りあるいは反時計回りへ同時に回転させてスクリーン135を移動させることによって、遮光部136の位置を調整する。ここで、支持ローラー133,134の中心を通る直線をNとする。
図15Aに示すスクリーン135は、中心線Nの両側に存在する遮光部136どうしの位置および光透過部137どうしの位置を上下方向(Y方向)で一致させた状態とされている。すなわち、中心線Nを介して遮光部136どうしが対向するとともに、光透過部137どうしが対向している。このスクリーン135により、太陽高度が低い場合の入射光(太陽光のうち低入射角度の光)を光透過部137において透過させ、太陽高度が高い場合の入射光(太陽光のうち高入射角度の光)を遮光部136において吸収することができる。
図15Bに示すように、スクリーン135を回転させて、中心線Nの両側に存在する遮光部136どうしの位置および光透過部137どうしの位置を上下方向(Y方向)で異ならせる。ここでは、中心線Nを介して遮光部136の全体が光透過部137に対向する状態にする。これにより、太陽高度が高い場合の入射光(太陽光のうち高入射角度の光)を光透過部137において透過させ、太陽高度が低い場合の入射光(太陽光のうち低入射角度の光)を遮光部136において吸収することができる。
このように、スクリーン135における遮光部136と光透過部137との位置を変化させることによって、任意の入射光のみを透過させ、それ以外の光を遮光することが可能である。
ルーバーフィルム301及び調光ロールスクリーン302は、それぞれ窓ガラス1003の屋外側に設けることも可能であるが、室内側に配置する方が望ましい。この場合であっても、ルーバーフィルム301及び調光ロールスクリーン302は、採光部材1の光入射側に配置する。
図16Aは、採光部材1のみを窓に設置した部屋モデルの一例を示す模式図である。
図16Aに示すように、部屋の窓に採光部材1のみを設置しただけでは、太陽高度や設置条件によって、グレア領域Gに到達する光が射出されてしまい、室内に居る人Ma,Mbが眩しいと感じるおそれがあった。
図16Bは、本実施形態の採光装置103を窓に設置した部屋モデルの一例を示す模式図である。
図16Bに示すように、上述した採光装置103は、採光部材1の光入射側に入射光角度分布変更部材30(ルーバーフィルム301及び調光ロールスクリーン302)を備えた構成となっている。このため、採光部材1から室内へ射出される光がグレア光にならないように、入射光角度分布変更部材30によって採光部材1に入射する光を制御することができる。これにより、採光装置103に入射する太陽光を効率よく室内の天井1001へ向けて射出させることが可能となり、室内の明るい環境を実現することができる。
[第4施形態]
次に、第4実施形態の採光装置について説明する。
図17は、第4実施形態における採光装置の概略構成を示す断面図である。なお、図17中において二点鎖線の丸で囲まれた領域は、採光装置の要部を拡大して示す図である。
本実施形態の採光装置104は、入射光角度分布変更部材30の光入射側に光散乱フィルム(光散乱部材)40を備えている点において、第3実施形態とは異なっている。
光散乱フィルム40は、図17に示すように、周縁部に配置された接着層8を介して入射光角度分布変更部材30の光入射面30aに貼り合わされている。光散乱フィルム40は、例えば、光散乱粒子及びバインダー樹脂が配合されてなる硬化性組成物(光散乱層形成用組成物)を用いて、バインダー樹脂を硬化させることで形成できる。
図18は、第4実施形態における採光装置の採光特性を説明するための図である。
図18に示すように、入射光角度分布変更部材30の光入射側に光散乱フィルム40を配置することにより、太陽高度に関わらず、光散乱フィルム40によって等方的に散乱された光が入射光角度分布変更部材30へ入射する。
上述した第3実施形態の構成では、グレア光になりかねない光を入射光角度分布変更部材30の遮光層32において遮光していた。これに対し、本実施形態の採光装置104は、グレア光になりかねない光であっても、入射光角度分布変更部材30へ入射する前に、光散乱フィルム40において散乱させることによって、その一部が光透過層31を透過して採光されるようになる。これにより、太陽高度に関わらず、グレア光のない採光効果を維持することができるとともに、より多くの光を室内の天井へ向けて射出させることができる。
なお、光散乱フィルム40としては、上記構成に限られず、例えば、採光部材1の採光部3の長手方向に光を散乱させる異方性散乱特性を有する部材であってもよい。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態の採光装置について説明する。
図19は、第5実施形態における採光装置105の概略構成を示す断面図である。図20は、第5実施形態における採光装置105の要部構成を拡大して示す断面図である。
本実施形態の採光装置105は、図19及び図20に示すように、採光部材1と、入射光角度分布変更部材50と、を備えて構成されている。入射光角度分布変更部材50は、光透過性を有する第2基材11と、第2基材11の第1面11a側に設けられた複数の角度変更部12と、を備えて構成されている。
第2基材11は、角度変更部12が設けられた領域R1と、角度変更部12が設けられていない領域R2と、を有している。角度変更部12が設けられていない領域R2は、光が屈折もしくは散乱することなく透過する透過領域である。
入射光角度分布変更部材50に入射した太陽光のうち、角度変更部12が配置された領域R1に入射した光は角度変更部12において屈折されて射出される。一方、角度変更部12が配置されていない透過領域R2に入射した光はそのまま第2基材11を透過する。
このように、入射光角度分布変更部材50に入射した全ての光の入射角度を変更するのではなく、一部の光の入射角度を変更し、残りの光の入射角度は変化させずにそのまま透過させることで、採光部材1に異なる角度の光が入射することになる。これにより、採光部材1ひいては採光装置105から射出される光の角度を異ならせることができる。つまり、採光装置105から射出される光の配光が平均化され、より広い角度範囲で採光効果を得ることができる。その結果、天井を広範囲に亘って照らすことが可能となる。
(第5実施形態における入射光角度分布変更部材の変形例)
図21A〜図21Cは、第5実施形態における入射光角度分布変更部材の変形例を示す平面図である。
図21Aに示すように、角度変更部12が配置された領域R1と、角度変更部12が配置されていない透過領域R2と、がストライプ状に設けられた入射光角度分布変更部材151としてもよい。領域R1及び領域R2の長手方向は、採光装置105の長手方向(X方向)、すなわち採光部材1の採光部3の長手方向と一致する。
また、図21Bに示すように、角度変更部12が配置された領域R1と、角度変更部12が配置されていない透過領域R2と、が上下方向(Y方向)及び左右方向(X方向)で互い違いに設けられた入射光角度分布変更部材152としてもよい。
また、図21Cに示すように、複数の角度変更部12が互いに間隔をおいて配置された入射光角度分布変更部材153としてもよい。これにより、一つの角度変更部12が配置された部分が領域R1となり、隣り合う角度変更部12の間の領域が透過領域R2となる。
(第5実施形態における採光装置の変形例)
図22A〜図22Cは、第5実施形態における採光装置の変形例を示す断面図である。
例えば、図22Aに示すように、角度変更部12側を採光部材1に向けた状態で配置された入射光角度分布変更部材50の第2基材11側(光入射側)に、紫外線カットフィルム13を配置してもよい。これにより、入射光角度分布変更部材10及び採光部材1の変色等の経時的な劣化を防止できる。
また、図22Bに示すように、採光部材1の光射出側に、異方性光拡散フィルム15を配置してもよい。異方性光拡散フィルム15は、採光部3の延在方向(水平方向)に光を多く拡散させる。これにより、太陽光の入射角度の変化に起因する輝度ムラが緩和されて、室内を全体的に明るくすることができる。
また、採光部材1の採光部3を入射光角度分布変更部材50とは反対側に向けた状態で設置してもよい。さらに、採光部3の断面形状は、上述した多角形状のものに限られない。例えば、図22Cに示す採光部材51のように、採光部3’が曲面を有する断面形状とされたものでもよい。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態の採光装置について述べる。
図23は、第6実施形態の採光装置の概略構成を示す断面図である。図24は、第6実施形態の採光装置の要部を拡大して示す断面図である。なお、図24においては、採光装置の構成をわかりやすくするため、窓ガラス1003の縮尺を変えて示している。図25は、傾斜した窓に採光装置を設置した様子を示す断面図である。
図23及び図24に示すように、本実施形態における採光装置106は、窓ガラス1003の外面1003b(屋外側の面)に設けた採光部材1と、窓ガラス1003の内面1003a(室内側の面)に設けた射出光角度分布変更部材60と、接着層8と、を有して構成されている。採光部材1及び射出光角度分布変更部材60は、各々の採光部3と角度変更部62とが互いに相反する方向に向けられた姿勢で室内外に設置されている。ここで、本実施形態における射出光角度分布変更部材60は、上述した入射光角度分布変更部材10と同様の構成を成すものである。
具体的に、採光部材1は、採光部3を外側に向け、第1基材2の第2面2b側を窓ガラス1003の外面1003bに対向させた状態で設置されている。また、射出光角度分布変更部材60は、角度変更部12を室内側に向け、第3基材(第3基板)61の第2面61b側を窓ガラス1003の内面1003aに対向させた状態で設置されている。
このような採光装置106は、図25に示すような傾斜した窓ガラス1003に設置される。
採光装置の設置場所を変えると、採光装置から射出される光の射出角度が全体的に変わってくる。そのため、本実施形態では採光装置106の光射出面側に光の射出角度を制御する射出光角度分布変更部材60を配置した。これにより、傾斜によって全体的にシフトした太陽高度の変化分を補正した角度で光を射出させることができる。よって、採光装置106の性能を十分に発揮させることができる。
なお、採光装置106は、入射光を天井方向へ変化させるものであれば、任意の既知の構造を採用することができる。また、射出光角度分布変更部材60としては、光を屈折、反射、散乱等により、光の射出角度を制御する部材であればよい。
(第6実施形態における採光装置の変形例)
図26A〜図26Hは、第6実施形態における採光装置の変形例を示す断面図である。
例えば、図26Aに示すように、第2基材61の一面側に複数の角度変更部62が互いに所定の間隔をおいて配置されてなる、射出光角度分布変更部材63を用いてもよい。
また、図26Bに示すように、射出光角度分布変更部材60を、その角度変更部62側が採光部材1に向けられた姿勢で設置してもよい。
また、図26Cに示すように、互いの基材2、61側を貼り合せた採光部材1と射出光角度分布変更部材63とを、窓ガラス1003の内側に設置してもよい。
また、図26Dに示すように、採光部材1に代えて、断面形状が曲面を有する採光部3’を備えた採光部材1’を設けてもよい。採光部材1’は、採光部3’側を窓ガラス1003に向けた姿勢で設置される。
図26Eに示すように、射出光角度分布変更部材60に代えて、採光部材1の光射出側に光散乱フィルム14を設けてもよい。光散乱フィルム14は、例えば、窓ガラス1003の室内側の面(内面1003a)側に貼り付けられる。
また、図26Fに示すように、射出光角度分布変更部材63の光射出側に、異方性光拡散フィルム15を配置してもよい。異方性光拡散フィルム15は、射出光角度分布変更部材63から射出された光を、採光部3の延在方向(水平方向)に多く拡散させる。
また、図26Gに示すように、採光部材1に代えて、上述した第2実施形態の採光部材20を備えた構成としてもよい。採光部材20は、複数の採光部21を有するもので、窓ガラス1003の内側であって射出光角度分布変更部材63の光入射側に配置される。
また、図26Hに示すように、採光部材1に代えて、基材23の一面側に複数のライトシェルフ24を備えてなる採光部材25を用いてもよい。
また、図示はしないが、採光装置の光射出側に、紫外線や赤外線などの特定波長のみをカットするフィルムを配置してもよい。
なお、採光装置を構成する各構成要素の組み合わせや姿勢、設置場所等は、上述した例に限らず、適宜変更が可能である。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態の採光装置について説明する。
図27は、第7実施形態の採光装置が室内の傾斜した窓に設置された様子を示す断面図である。なお、図中の二点鎖線の丸で囲まれた領域は、第7実施形態の射出光角度分布変更部材の要部を拡大して示す図である。
図27に示すように、本実施形態における採光装置107は、窓ガラス1003の外面1003b(屋外側の面)に設けた採光部材1と、窓ガラス1003の内面1003a(室内側の面)に設けた射出光角度分布変更部材70と、接着層8と、を有して構成されている。
本実施形態における射出光角度分布変更部材70は、複数の光透過層71と複数の遮光層72とが一方向へ交互に配置された構成をなす。光透過層71を介して隣り合う遮光層72どうしの間隔(ピッチP)や、遮光層72の長さ方向に交差する方向の寸法(幅W)は、採光装置107の使用状況等に応じて適宜設定される。ここで重要になるのが、室内へ入射させたくない光、すなわちグレア光になりかねない光を吸収可能な間隔(ピッチP)及び寸法(幅W)に設定することである。
射出光角度分布変更部材70は、所定の角度で入射する光のみを透過させる。そのため、射出光角度分布変更部材70を透過した光のみが採光部材1へ入射することになる。
なお、射出光角度分布変更部材70が、光透過層71により光が透過する入射角度と、遮光層72により光が遮断される入射角度と、が可変である構成としてもよい。
(第7実施形態における射出光角度分布変更部材の変形例:ルーバーフィルム)
図28は、第7実施形態における射出光角度分布変更部材の変形例として、ルーバーフィルム701を備えた採光装置の概略構成を示す図である。
ルーバーフィルム701は、図28に示すように、一方向へ所定のピッチで配置された複数の遮光ルーバー(遮光部)172を備えている。遮光ルーバー172どうしの間は光透過性を有する光透過層(光透過部)171とされており、本実施形態では空気層である。
ルーバーフィルム701は、各遮光ルーバー172の傾斜角度を調整できる構成とされている。具体的には、遮光ルーバー172と光透過層171との界面が、一方向に並ぶ複数の遮光ルーバー172によって形成される面701a、701bに対して所定の角度θをなすように、遮光ルーバー172の姿勢を変化させることができる。
上述したルーバーフィルム701は、採光部材1において効果的に採光された光(天井側へ向かう光)L1を光透過層171において透過させ、採光部材1において効果的に採光されず、グレア光になり得る一部の光L2を遮光ルーバー172において遮光することができる。
図29Aに示すように、太陽高度によっては、傾斜した窓に設置された採光装置107から、グレア光になる光L2が射出される場合がある。
ルーバーフィルム701を備えた採光装置73であれば、図29Bに示すように、太陽高度に応じて遮光ルーバー172の姿勢を変化させることによって、任意の入射光のみを透過させ、それ以外の光を遮光することができる。その結果、グレア光を抑制することが可能となる。
上記構成では、遮光ルーバー172の傾斜角度を調整できる構成とされているが、これに限られることはない。例えば、太陽高度や設置場所等を考慮して、複数の遮光ルーバー172の姿勢が、図28に示した面701a、701bに対して所定の角度θで予め固定された構成となっていてもよい。
なお、遮光ルーバー172の代替えとする複数のスラットを備えたブラインドにも適用することが可能である。
(第7実施形態における射出光角度分布変更部材の変形例:調光ロールスクリーン)
図30は、第7実施形態における射出光角度分布変更部材の変形例の一つである調光ロールスクリーン702の概略構成及びその動作を説明するための図である。
調光ロールスクリーン702は、一対の支持ローラー173,174と、これら一対の支持ローラー173,174に架け渡された環状のスクリーン175と、を備えて構成されている。スクリーン175は、複数の遮光部176と複数の光透過部177とが所定のピッチで交互に配置されてなるものである。
調光ロールスクリーン702は、支持ローラー173,174を時計回りあるいは反時計回りへ同時に回転させてスクリーン175を移動させることによって、遮光部176の位置を調整する。
図30に示すように、スクリーン175を回転させて、中心線Nの両側に存在する遮光部176どうしの位置および光透過部177どうしの位置を上下方向(Y方向)で異ならせる。ここでは、中心線Nを介して遮光部176の全体が光透過部177に対向する状態にする。これにより、太陽高度が低い場合の入射光(太陽光のうち高入射角度の光)であって採光部材1(図示略)を透過した光L1を光透過部177において透過させる。また、太陽高度が高い場合の入射光(太陽光のうち低入射角度の光)であって採光部材1(図示略)を透過した光L2を遮光部176において吸収することができる。
このように、スクリーン175における遮光部176と光透過部177との位置を変化させることによって、任意の入射光のみを透過させ、それ以外の光を遮光することが可能である。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態の採光装置について説明する。
図31は、第8実施形態における採光装置108の概略構成を示す断面図である。
図32は、第8実施形態における採光装置108の要部構成を拡大して示す断面図である。
本実施形態の採光装置108は、図31及び図32に示すように、採光部材1と、射出光角度分布変更部材80と、を備えて構成されている。射出光角度分布変更部材80は、上述した第5実施形態の入射光角度分布変更部材50と同様の構成を成すものである。そのため適宜図20を参照する。射出光角度分布変更部材80(第2基材11)は、角度変更部12(図20)が設けられた領域R1(図20)と、角度変更部12が設けられていない領域R2(図20)と、を有している。角度変更部12が設けられていない領域R2は、光が屈折もしくは散乱することなく透過する透過領域である。
採光部材1から射出された光のうち、射出光角度分布変更部材80の角度変更部12が配置された領域R1に入射した光は角度変更部12において屈折されて射出される。一方、角度変更部12が配置されていない透過領域R2に入射した光はそのまま第2基材11を透過する。
図33Aに示すように、採光部材1のみを備えた採光装置83の場合、入射光の角度が一定の際に、天井を照射する範囲が制限されてしまうことがある。そのため、場所によって明暗の差が生じてしまう。
図33Bに示すように、上述した射出光角度分布変更部材80を備える採光装置108であれば、室内全体を明るくすることが可能である。すなわち、射出光角度分布変更部材80は、採光部材1から射出された光の射出光角度分布を均一にする機能を有する。
これにより、さらに広い角度範囲で採光効果を得ることができる。その結果、天井を広範囲に亘って照らすことが可能となり、室内全体を明るい環境とすることができる。
なお、本実施形態の射出光角度分布変更部材80においても、実施形態5の変形例として示した図21A〜図21Cのように、角度変更部12が配置された領域R1と、角度変更部12が配置されていない透過領域R2と、を適宜設定することが可能である。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態の採光装置109について述べる。
図34は、第9実施形態の採光装置の概略構成及び設置状態を示す斜視図である。図35は、第9実施形態の採光装置の要部を示す部分断面図である。
図34に示すように、採光装置109は、採光パネル90と、一対の装着部91,91と、を備えて構成されている。
採光パネル90は、図35に示すように、採光シート92と、採光シート92を支持するフレーム(支持部材)93と、を有する。採光シート92は、透明基材94と、透明基材94の一面側に配置された入射光角度分布変更フィルム95と、透明基材94の他面側に配置された採光フィルム96と、を備えて構成されている。これら、透明基材94、入射光角度分布変更フィルム95、採光フィルム96は、不図示の接着剤等により一体化されたものである。
例えば本実施形態において、採光フィルム96は、複数の採光部が存在する採光面96aとは反対側の基材面96b側が、透明基材94の一面に貼り合わされている。入射光角度分布変更フィルム95は、複数の角度変更部が存在する角度変更面95aとは反対側の基材面96b側が透明基材94の他面に貼り合わされている。なお、透明基材94に対する採光フィルム96及び入射光角度分布変更フィルム95の貼り合せ方向は、上述した方向に限らない。
このような採光シート92は、その周縁部がアルミニウム製のフレーム93内に挿入された状態で支持される。この際、不図示の接着層あるいは緩衝材等を介してフレーム93内に配置されることにより、採光シート92をフレーム93に対して固定することができるとともに、周縁部に位置する採光部および角度変更部等に傷が付くのを防止することができる。なお、接着層や緩衝材等は必ずしも必要と言うわけではない。
フレーム93によって採光シート92の周囲を支持することによって、採光シート92の平坦性が維持され、良好な採光機能が得られる。
ここで、入射光角度分布変更フィルム95として、上述したいずれかの実施形態の入射光角度分布変更部材を用いることができる。また、採光フィルム96として上述したいずれかの採光部材を用いることができる。
採光パネル90は、光入射面側、すなわち入射光角度分布変更フィルム95の角度変更面95aが、図34に示した窓ガラス1003に対向する姿勢で設置される。本実施形態では、フレーム93の上部に取り付けられる一対の装着部91,91を介して、上述した設置方向で採光パネル90が窓枠99に固定される。
本実施形態の採光装置109によれば、採光パネル90が装着部91,91により、窓枠99に対して着脱可能な仕組みとなっている。そのため、窓ガラス1003に直接貼り付ける形態のものと比較して、窓ガラス1003に対する採光装置109の取り付けまたは取り外しを容易に行うことができる。これにより、メンテナンス作業や採光パネル90の交換作業を効率よく行えるようになる。また、採光装置109の大型化が可能となり、大きい窓に対して設置したいというユーザーからの要望にも迅速に対向できる。
以下、第9実施形態における採光パネルの変形例1〜4について、図36A〜図36Cを用いて説明する。
(変形例1)
図36Aは、第9実施形態における採光パネルの変形例1を示す図である。
図36Aに示すように、採光パネル97は、採光シート98とフレーム93とを有する。採光シート98は、一対のフィルム体98A,98Bが不図示の接着層等により一体化されたもので、フレーム93内に収容される。
一方のフィルム体98Aは、透明基材94の一面側に、例えば入射光角度分布変更フィルム95の基板面95bが貼り合わされてなる。他方のフィルム体98Bは、透明基材94の一面側に、例えば、採光フィルム96の基材面96bが貼り合わされてなる。これら一対のフィルム体98A,98Bは、採光フィルム96の採光面96aと、入射光角度分布変更フィルム95の角度変更面95aとが互いに対向した状態で一体化されることで、上述した採光シート98を構成している。
(変形例2)
図36Bは、第9実施形態における採光パネルの変形例2を示す図である。
図36Bに示す採光パネル84は、入射光角度分布変更フィルム95、採光フィルム96、異方性光拡散フィルム15とからなる採光シート85が、フレーム93に支持されて構成されている。入射光角度分布変更フィルム95、採光フィルム96、異方性光拡散フィルム15は、採光フィルム96の光入射側に入射光角度分布変更フィルム95が配置され、採光フィルム96の光射出側に異方性光拡散フィルム15が配置され、互いに不図示の接着剤等を介して貼り合われて一体化されることで、採光シート85を構成している。
なお、各部材どうしが接着剤等によって貼り合わされていなくてもよく、例えば、これら入射光角度分布変更フィルム95、採光フィルム96、異方性光拡散フィルム15がフレーム93に収容されることで一体とされる構成としてもよい。
このような採光パネル84は、採光シート85の入射光角度分布変更フィルム95が窓ガラス側、異方性光拡散フィルム15が室内側となるように設置される。
(変形例3)
図36Cは、第9実施形態における採光パネルの変形例3を示す図である。
図36Cに示す採光パネル86は、採光フィルム96、透明基材94、射出角度制御フィルム87を有して成る採光シート88が、フレーム93に支持されて構成されている。このような採光パネル86は、採光フィルム96側を窓ガラスに向けるとともに、射出角度制御フィルム87側を室内側に向けた状態で設置される。
ここで、射出角度制御フィルム87としては、上述したいずれかの射出角度変更部材を用いることができる。
なお、上述した構成の他に、紫外線カットフィルム、赤外線カットフィルム、光散乱フィルム等を適宜組み合わせて、フレーム93内に収容してもよい。
上述したいずれかの採光パネル90、97、84、86を備えた本実施形態の採光装置109によれば、パネル状になっているため容易に取り外しが可能であり、任意に採光機能の有無を切り替えることができる。例えば、所定の窓に対し季節等に応じて設置したり、図37に示すように、他の窓への付け替えも容易に行うことが可能である。また、パネル内部に収める光学フィルムの入れ替えが可能であるため、設置する場所を変える場合でも、最適な採光効果が得られるフィルム構成に組み替えることができる。
[第10実施形態の採光装置]
次に、第10実施形態の採光装置として、例えば、図38に示すブラインド110について説明する。
図38は、第10実施形態におけるブラインド110の外観を示す斜視図である。また、以下の説明において、ブラインド(採光装置)110の位置関係(上下、左右、前後)については、ブラインド110の使用時における位置関係(上下、左右、前後)に基づくものとし、特に説明がない限りは、図面においても、ブラインド110の位置関係は、紙面に対する位置関係と一致するものとする。
ブラインド110は、図38に示すように、互いに間隔を空けて水平方向に平行に並ぶ複数のスラット(遮光部材)112と、複数のスラット112を鉛直方向に吊り下げ自在に支持する支持機構113とを備えている。また、ブラインド110では、複数のスラット112を昇降自在に支持すると共に、複数のスラット112を傾動自在に支持している。
複数のスラット112は、採光性を有する複数の採光スラット114により構成される採光部5と、採光部5の下方に位置して、遮光性を有する複数の遮光スラット116により構成される遮光部7とを有している。なお、以下の説明において、採光スラット114と遮光スラット116とを特に区別しない場合はスラット112としてまとめて扱う。
図39に示すように、採光部5を構成する採光スラット114は、光透過性を有する長尺板状の透明基材118と、透明基材118の一面側に配置された入射光角度分布変更フィルム119と、透明基材118の他面側に配置された採光フィルム120と、から構成されている。
ここで、入射光角度分布変更フィルム119及び採光フィルム120として、上述したいずれかの実施形態における入射光角度分布変更部、採光部材を用いることができる。
一方、遮光部7を構成する遮光スラット116は、遮光性を有する長尺板状の基材11からなる。基材11は、いわゆるブラインド用のスラットとして一般的に使用されているものであればよく、例えば、金属製や木製、樹脂製のものを挙げることができる。また、基材11の表面に塗装等を施したものを挙げることができる。
支持機構113は、鉛直方向(複数のスラット112の短手方向)に平行に並ぶ複数のラダーコード121と、複数のラダーコード121の上端部を支持する固定ボックス122と、複数のラダーコード121の下端部に取り付けられる昇降バー123とを備えている。
支持機構113は、複数のスラット112を昇降操作するための昇降操作部127と、複数のスラット112を傾動操作するための傾動操作部126とを備えている。
昇降操作部127では、昇降バー123が最下部に位置する状態から、操作コード128を引っ張ることによって、昇降コード129が固定ボックス122の内側へと引き込まれる。これにより、複数のスラット112が下部側から順に昇降バー123の上に重なり合いながら、昇降バー123と共に上昇する。昇降コード129は、ストッパー(図示せず。)により固定される。これにより、昇降バー123を任意の高さ位置で固定することができる。逆に、ストッパーによる昇降コード129の固定を解除することによって、昇降バー123を自重により降下させることができる。これにより、再び昇降バー123を最下部に位置させることができる。
傾動操作部126は、図38に示すように、固定ボックス122の一方側に操作レバー124を有している。操作レバー124は、軸回りに回動自在に取り付けられている。傾動操作部126では、操作レバー124を軸回りに回動させることによって、ラダーコード121を構成する縦コード(不図示)を互いに逆向きに上下方向に移動操作することができる。これにより、各スラット112の間を開いた状態と、各スラット112の間を閉じた状態との間で、複数のスラット112を互いに同期させながら傾動させることができる。
以上のような構成を有するブラインド110は、窓ガラス等の上部から吊り下げられた状態で、この窓ガラスの内面に複数のスラット112を対向させた状態で配置される。また、採光部5は、各採光スラット114の入射光角度分布変更フィルム119が形成された面を窓ガラスに対向させた状態で配置される。
採光部5では、図39に示すように、各採光スラット114の一面に対して斜め上方から内部に入射した光Lを、各採光スラット114の他面から外部へと斜め上方に向けて射出する。具体的に、各採光スラット114では、入射光角度分布変更フィルム119から入射した光が透明基材118を経て採光フィルム120へと入射し、採光フィルム120の各採光部において全反射した後、室内の天井へ向かう光として射出される。
これにより、窓ガラスを通して室内に入射した光Lを天井に向けて効率良く照射することができる。また、室内に居る人に眩しさを感じさせることなく、天井に向かう光Lを室内の奥の方まで照射することができる。
一方、遮光部7では、各遮光スラット116の一面に対して斜め上方から内部に入射した光Lを、各遮光スラット116により遮光する。遮光部7は、採光部5よりも下方に位置するため、窓ガラスを通して室内に入射した光Lのうち、主にグレア領域に向かう光や床に向かう光を遮光することが可能である。
また、ブラインド110では、複数のスラット112を傾動操作することによって、採光部5において天井に向かう光Lの角度を調整することができる。一方、遮光部7においては、複数のスラット112を傾動操作することによって、遮光スラット116の各間から入射する光Lを調整したり、遮光スラット116の各間から窓ガラスを通して屋外の様子を見たりすることができる。
ブラインド110は、複数のスラット112を昇降操作することによって、例えば、図40Aに示すように、昇降バー123を所定の位置まで上昇させることによって、窓ガラス1003の遮光部7(図38)と対向する領域を開放した状態することができる。
さらに、図40Bに示すように、昇降バー123を最上部に位置させた場合、窓ガラス1003の全面を開放することができる(図40B)。このように、ブラインド110を開閉することで、必要に応じて採光機能の有無を切り替えることができる。
以上のように、本実施形態のブラインド110を用いた場合には、窓ガラスを通して室内に入射した光Lを採光部5を構成する複数の採光スラット114によって室内の天井に向けて照射すると共に、遮光部7を構成する複数の遮光スラット116によってグレア領域に向かう光Lを遮光することができる。
したがって、このブラインド110によれば、採光部5を通して屋外の自然光(太陽光)を室内に効率良く採り入れると共に、室内に居る人に眩しさを感じさせずに、室内の奥の方まで明るく感じさせることが可能である。一方、遮光部7によって窓ガラスから入射する光を遮光したり、窓ガラスを通して室内を覗き見されるのを防ぐことが可能である。
(採光スラットの変形例)
図41A〜図41Cは、採光スラットの変形例を示す図である。
図41Aに示す採光スラット115のように、入射光角度分布変更フィルム119と採光フィルム120とが直接貼り合わされた構成としてもよい。
また、図41Bに示す採光スラット117のように、透明基材118の一面側に採光フィルム120が貼り合わされ、他面側に射出光角度制御フィルム125が貼り合わされてなる構成としてもよい。この場合、各採光スラット117の採光フィルム120側が窓ガラスに対向するようにブラインドを設置する。
また、図41Cに示すように、採光スラット115を支持するフレーム130が、枠部134と、枠部134の一方の開口134A側を覆う透明板部138と、から構成されていてもよい。
[第11実施形態の採光装置]
次に、第11実施形態の採光装置として、例えば図42に示すロールスクリーン401について説明する。
なお、図42は、ロールスクリーン(採光装置)401の概略構成を示す斜視図である。図43は、図42中に示すロールスクリーン401のE−E’線に沿った断面図である。また、以下の説明では、上記採光フィルムと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
ロールスクリーン401は、図42に示すように、スクリーン(遮光部材)402と、スクリーン402を巻き取り自在に支持する巻取機構(支持機構)403と、を備えている。スクリーン402は、採光スクリーン402Aにより構成される採光部5と、採光部5の下方に位置して、遮光性を有する遮光スクリーン402Bにより構成される遮光部7とを有している。
採光スクリーン402Aは、図43に示すように、光透過性を有するフィルム状(シート状)の透明基材412と、透明基材412の一面に設けられた入射光角度分布変更フィルム413と、透明基材412の他面に設けられた採光フィルム414と、を備えて構成されている。透明基材412の厚みは、ロールスクリーン401に適した厚みとなっている。
遮光スクリーン402Bは、遮光性を有するフィルム状(シート状)の遮光基材415から成る。
巻取機構403は、スクリーン402の上端部に沿って取り付けられた巻芯404と、スクリーン402の下端部に沿って取り付けられた下パイプ405と、スクリーン402の下端部中央に取り付けられた引張りコード406と、巻芯404に巻き取られたスクリーン402を収納する収納ケース407とを備えている。
巻取機構403は、プルコード式として、スクリーン402を引っ張り出した位置で固定させたり(図44A)、引っ張り出した位置から更に引張りコード406を引っ張ることで、固定を解除してスクリーン402を巻芯404に自動的に巻き取らせたりすることが可能である(図44B)。
なお、巻取機構403については、このようなプルコード式に限らず、巻芯404をチェーンで回転させるチェーン式の巻取機構や、巻芯404をモータにより回転させる自動式の巻取機構などであってもよい。
以上のような構成を有するロールスクリーン401は、窓ガラス1003の上部に収納ケース407を固定した状態で、この収納ケース407に収納されたスクリーン402を引張りコード406で引っ張り出しながら、窓ガラス1003の内面に対向させた状態で使用される。このとき、スクリーン402は、窓ガラス1003に対して入射光角度分布変更フィルム413側を対向させた状態で設置される。
採光部5では、スクリーン402の一面に対して斜め上方から入射した光Lを採光スクリーン402Aで光の進行方向を変えながら、室内の天井に向けて射出する。具体的に、採光スクリーン402Aでは、入射光角度分布変更フィルム413から入射した光が透明基材412を経て採光スクリーン402Aへと入射し、採光フィルム414の各採光部で全反射した後、室内の天井へ向かう光として射出される。
一方、遮光部7では、各遮光スクリーン402Bの一面に対して斜め上方から内部に入射した光Lを遮光する。遮光部7は、採光部5よりも下方に位置するため、窓ガラス1003を通して室内に入射した光Lのうち、主にグレア領域に向かう光や床に向かう光を遮光することが可能である。
ロールスクリーン401は、上述したように、巻取機構403によってスクリーン402の巻取あるいは巻出しを行うことにより、必要に応じて、採光機能の有無を切り替えることができる。
また、本発明の実施形態に係るロールスクリーン401としては、図示を省略するものの、上記ロールスクリーン401の構成に加えて、例えば、グレア領域に向かう方向の光を拡散させるための光拡散フィルム(光拡散部材)や、自然光(太陽光)の輻射熱を遮断するための光透過性を有する断熱フィルム(断熱部材)などの機能性フィルム(機能部材)を具備することも可能である。
(スクリーンにおける採光スクリーンの変形例)
図45A、図45Bは、スクリーンにおける採光スクリーンの変形例を示す図である。
図45Aに示す採光スクリーン408のように、透明基材412の一面側に採光フィルム414が貼り合わされ、他面側に射出光角度制御フィルム416が貼り合わされてなる構成としてもよい。この場合、ロールスクリーン401の採光フィルム414側が窓ガラスに対向するようにブラインドを設置する。
また、図45Bに示すように、採光スクリーン409のように、互いに直接貼り合わされる入射光角度分布変更フィルム413と採光フィルム414とが、一対の透明基材412によって挟み込まれた構成としてもよい。
[第11実施形態の採光装置]
次に、第11実施形態の採光装置として、例えば、複層ガラス構造(所謂、ペアガラス構造)の複層ガラスについて説明する。
図46は、第11実施形態における複層ガラス(採光装置)の概略構成を示す斜視図である。図47は、第11実施形態における複層ガラスの概略構成を示す断面図である。
本実施形態における複層ガラス(採光装置)500は、図46及び図47に示すように、複層ガラス構造体515と、これを支持する不図示のフレームと、を備えている。複層ガラス構造体515は、互いに対向して配置される第1ガラス基板501及び第2ガラス基板502と、第1ガラス基板501の一面に設けられる入射光角度分布変更フィルム503と、第2ガラス基板502の一面に設けられる採光フィルム504と、を主として構成されている。入射光角度分布変更フィルム503及び採光フィルム504は、各々の周縁部に設けられた光透過性を有する透明接着層505を介して、各ガラス基板501,502の内面501a,502aにそれぞれ貼り合わされている。
なお、透明接着層505の構成はこれに限られず、入射光角度分布変更フィルム503及び採光フィルム504の全面に設けられていてもよい。また、各ガラス基板501,502と、入射光角度分布変更フィルム503及び採光フィルム504との固定方法は接着層を用いたものに限られず、その他の固定治具を用いてもよい。
これら、第1ガラス基板501と第2ガラス基板502とは、入射光角度分布変更フィルム503側と採光フィルム504側とを対向させて配置される。このとき、入射光角度分布変更フィルム503と採光フィルム504とが接触することのないよう、第1ガラス基板501と第2ガラス基板502とは離間して配置される。このようにして構成された複層ガラス構造体515が不図示のフレーム内へ組み込まれることで、窓ガラス500が構成されている。
複層ガラス構造体の構成は、上述したものに限らない。構成要素となる光学フィルムを、射出光角度分布変更フィルム、紫外線カットフィルム、異方性光散乱フィルム等に適宜変更あるいは追加することも可能である。
(複層ガラス構造体の変形例)
図48A〜図48C、図52A、図52Bは、複層窓ガラス構造体の変形例を示す図である。
例えば、入射光角度分布変更フィルム503に代えて、射出光角度分布変更フィルム506を備えた構成としてもよい。図48Aに示す複層ガラス構造体516のように、一面に採光フィルム504が貼り合わされた第1ガラス基板(第1基板)501と、採光フィルム504に対向する一面に射出光角度分布変更フィルム506が貼り合わされた第2ガラス基板(第2基板)502と、により構成されていてもよい。このような複層ガラス構造体516は、採光フィルム504を有する第1ガラス基板501が屋外側、射出光角度分布変更フィルム506を有する第2ガラス基板502側が室内側となるように、部屋の窓に設置される。
また、一対のガラス基板間にさらに光学フィルムを追加してもよい。
例えば、図48Bに示す複層ガラス構造体517のように、第1ガラス基板501と第2ガラス基板502との間に、入射光角度分布変更フィルム503及び採光フィルム504に加えて、さらに光散乱フィルム14を設けた構成としてもよい。
複層ガラス構造体517は、第1ガラス基板501の一面501aに光散乱フィルム14を有する。一方、第2ガラス基板502は、一面(第1ガラス基板501に対向する面)502a上に、当該面502a側から順に、採光フィルム504と入射光角度分布変更フィルム503とが積層されている。入射光角度分布変更フィルム503は、採光フィルム504の光入射側に存在する。このような複層ガラス構造体517は、光散乱フィルム14を有する第1ガラス基板501側を屋外側に向けた姿勢で設置される。
また、複層ガラス構造体はペアガラス構造のみに限られず、例えば、3つあるいはそれ以上のガラス基板を備えていてもよい。
図48Cに示す複層ガラス構造体518は、3つのガラス基板501,502,507を備える。第2ガラス基板502は、第1ガラス基板501に対向する面502aに光散乱フィルム14を有し、第3ガラス基板507に対向する面502bに入射光角度分布変更フィルム503を有している。第3ガラス基板507は、第2ガラス基板502の入射光角度分布変更フィルム503に対向する面507aに採光フィルム504を有している。このような複層ガラス構造体518は、第1ガラス基板501側が屋外側、第3ガラス基板507側が室内側となるように設置される。
また、複層ガラスの一部の領域に光学フィルムを設けてもよい。
例えば、図49に示す複層ガラス構造体519のように、対向する第1ガラス基板501と第2ガラス基板502の内面501a,502aのうち、互いに対向する各領域Rに、入射光角度分布変更フィルム503、採光フィルム504をそれぞれ設けてもよい。
また、上述した第1〜第8実施形態におけるいずれかの採光装置と同じような形態を複層ガラス構造内に組み込んでもよい。
例えば、図50に示す複層ガラス構造体520は、第1ガラス基板501の第2ガラス基板502に対向する側の面501aに、先の第2実施形態で述べた採光装置102と略同様の形態をなす採光装置部521が配置された構成となっている。採光装置部521は、入射光角度分布変更部材10と、複数の採光部21を有して成る採光部材20と、を有する。
また、図51に示す複層ガラス構造体523は、第1ガラス基板501と第2ガラス基板502との間に採光装置ユニット526が配置された構成とされている。
採光装置ユニット526は、先の第1実施形態で述べた採光装置100と略同様の形態をなす採光装置構造体524と、採光装置構造体524の周縁部を支持するフレーム525と、を有する。このような構成の採光装置ユニット526は、図51に示すように、第1ガラス基板501及び第2ガラス基板502と同じ大きさを有していてもよいし、これらの一部の領域に対応する大きさであってもよい。
上述した第1〜第8実施形態における採光装置は、図52Aに示すように、一部の構成要素が窓ガラス1003の外側に存在する構成となっている。これに対して、本実施形態のように、複数のガラス基板501,502の間に採光装置構造を組み込むことにより、採光フィルム、入射光角度分布変更フィルム、射出光角度分布変更フィルム等を、これらの変形や変質を引き起こす外部要因から守ることができる。これにより、上述した採光フィルム等が劣化せずに採光効果を維持することができる。また、窓ガラスと一体化して採光装置構造を露出させないようにすることで、採光装置の設置の有無に起因する見た目の違いが少なくなる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。各実施形態の構成を適宜組み合わせてもよい。
[照明調光システム]
図53は、採光装置及び照明調光システムを備えた部屋モデルを示す図であって、図54のA−A’線に沿う断面図である。図54は、部屋モデル2000の天井を示す平面図である。
本発明において、外光が導入される部屋2003の天井2003aを構成する天井材は、高い光反射性を有していてもよい。図53及び図54に示すように、部屋2003の天井2003aには、光反射性を有する天井材として、光反射性天井材2003Aが設置されている。光反射性天井材2003Aは、窓2002に設置された採光装置2010からの外光を室内の奥の方に導入することを促進することを目的とするもので、窓際の天井2003aに設置されている。具体的には、天井2003aの所定の領域E(窓2002から約3mの領域)に設置されている。
この光反射性天井材2003Aは、先に述べたように、本発明の採光装置2010(上述したいずれかの実施形態の採光装置)が設置された窓2002を介して室内に導入された外光を室内の奥の方まで効率よく導く働きをする。採光装置2010から室内の天井2003aへ向けて導入された外光は、光反射性天井材2003Aで反射され、向きを変えて室内の奥に置かれた机2005の机上面2005aを照らすことになり、当該机上面2005aを明るくする効果を発揮する。
光反射性天井材2003Aは、拡散反射性であってもよいし、鏡面反射性であってもよいが、室内の奥に置かれた机2005の机上面2005aを明るくする効果と、室内に居る人とって不快なグレア光を抑える効果を両立するために、両者の特性が適度にミックスされたものが好ましい。
本発明の採光装置2010によって室内に導入された光の多くは、窓2002の付近の天井に向かうが、窓2002の近傍は光量が十分である場合が多い。そのため、上記のような光反射性天井材2003Aを併用することによって、窓付近の天井(領域E)に入射した光を、窓際に比べて光量の少ない室内の奥の方へ振り分けることができる。
光反射性天井材2003Aは、例えば、アルミニウムのような金属板に数十ミクロン程度の凹凸によるエンボス加工を施したり、同様の凹凸を形成した樹脂基板の表面にアルミのような金属薄膜を蒸着したりして作成することができる。あるいは、エンボス加工によって形成される凹凸がもっと大きな周期の曲面で形成されていてもよい。
さらに、光反射性天井材2003Aに形成するエンボス形状を適宜変えることによって、光の配光特性や室内における光の分布を制御することができる。例えば、室内の奥の方に延在するストライプ状にエンボス加工を施した場合は、光反射性天井材2003Aで反射した光が、窓2002の左右方向(凹凸の長手方向に交差する方向)に拡がる。部屋2003の窓2002の大きさや向きが限られているような場合は、このような性質を利用して、光反射性天井材2003Aによって光を水平方向へ拡散させるとともに、室内の奥の方向へ向けて反射させることができる。
本発明の採光装置2010は、部屋2003の照明調光システムの一部として用いられる。照明調光システムは、例えば、採光装置2010と、複数の室内照明装置2007と、窓に設置された日射調整装置2008と、これらの制御系と、天井2003aに設置された光反射性天井材2003Aと、を含む部屋全体の構成部材から構成される。
部屋2003の窓2002には、上部側に採光装置2010が設置され、下部側に日射調整装置2008が設置されている。ここでは、日射調整装置2008として、ブラインドが設置されているが、これに限らない。
部屋2003には、複数の室内照明装置2007が、窓2002の左右方向(Y方向)および室内の奥行き方向(X方向)に格子状に配置されている。これら複数の室内照明装置2007は、採光装置2010と併せて部屋2003の全体の照明システムを構成している。
図53及び図54に示すように、例えば、窓2002の左右方向(Y方向)の長さLが18m、部屋2003の奥行方向(X方向)の長さLが9mのオフィスの天井2003aを示す。ここでは、室内照明装置2007は、天井2003aの横方向(Y方向)及び奥行方向(X方向)に、それぞれ1.8mの間隔Pをおいて格子状に配置されている。
より具体的には、50個の室内照明装置2007が10行(Y方向)×5列(X方向)に配列されている。
室内照明装置2007は、室内照明器具2007aと、明るさ検出部2007bと、制御部2007cと、を備え、室内照明器具2007aに明るさ検出部2007b及び制御部2007cが一体化されて構成されたものである。
室内照明装置2007は、室内照明器具2007a及び明るさ検出部2007bをそれぞれ複数ずつ備えていてもよい。但し、明るさ検出部2007bは、各室内照明器具2007aに対して1個ずつ設けられる。明るさ検出部2007bは、室内照明器具2007aが照明する被照射面の反射光を受光して、被照射面の照度を検出する。ここでは、明るさ検出部200bによって、室内に置かれた机2005の机上面2005aの照度を検出する。
各室内照明装置2007に1個ずつ設けられた制御部2007cは、互いに接続されている。各室内照明装置2007は、互いに接続された制御部2007cにより、各々の明るさ検出部2007bが検出する机上面2005aの照度が一定の目標照度L0(例えば、平均照度:750lx)になるように、それぞれの室内照明器具2007aのLEDランプの光出力を調整するフィードバック制御を行っている。
図55は、採光装置によって室内に採光された光(自然光)の照度と、室内照明装置による照度(照明調光システム)との関係を示すグラフである。図55において、縦軸は机上面の照度(lx)を示し、横軸は窓からの距離(m)を示している。また、図中の破線は、室内の目標照度を示している。(●:採光装置による照度、△:室内照明装置による照度、◇:合計照度)
図55に示すように、採光装置2010により採光された光に起因する机上面照度は、窓近傍ほど明るく、窓から遠くなるに従ってその効果は小さくなる。本発明の採光装置2010を適用した部屋では、昼間において窓からの自然採光によりこのような部屋奥方向への照度分布が生じる。そこで、本発明の採光装置2010は、室内の照度分布を補償する室内照明装置2007と併用して用いられる。室内天井に設置された室内照明装置2007は、それぞれの装置の下の平均照度を明るさ検出部2007bによって検出し、部屋全体の机上面照度が一定の目標照度L0になるように調光制御されて点灯する。従って、窓近傍に設置されているS1列、S2列はほとんど点灯せず、S3列、S4列、S5列と部屋奥方向に向かうに従って出力を上げながら点灯される。結果として、部屋の机上面は自然採光による照度と室内照明装置2007による照明の合計で照らされ、部屋全体に亘って執務をする上で十分とされる机上面照度である750lx(「JIS Z9110 照明総則」の執務室における推奨維持照度)を実現することができる。
以上述べたように、採光装置2010と照明調光システム(室内照明装置2007)とを併用することにより、室内の奥の方まで光を届けることが可能となり、室内の明るさをさらに向上させることができるとともに部屋全体に亘って執務をする上で十分とされる机上面照度を確保することができる。したがって、季節や天気による影響を受けずにより一層安定した明るい光環境が得られる。
本発明の一つの態様は、入射光の入射角度に関わらず天井への採光性を向上させて、自然光(太陽光)を十分に利用して室内の明るい環境を確保するとともに、グレア光をより抑制することが必要な採光装置などに適用することができる。
1,20,25,51,901…採光部材、2…第1基材(第1基材)、2a,2b,3a,3b,3c,3d,3e,11a,61b,301a,501a,502a,502b,507a…面、2b…第2面(第2面)、3,5,21…採光部、7,136,176…遮光部、F,R,R1,R2…領域、L,L1,L2…光、10,30,50,151,152,153…入射光角度分布変更部材、11…第2基材(第2基材)、12,62…角度変更部、16,73,83,100,102,103,104,105,106,107,108,109,900…採光装置、21b…反射面、22…枠部材(支持部材)、40…光散乱フィルム(光散乱部材)、60,63,70,80…射出光角度分布変更部材、93,130,525…フレーム、93…フレーム(支持部材)、R2…透過領域、S1…空間、110…ブラインド(採光装置)、112…スラット(遮光部材)、113…支持機構、131,171…光透過層(光透過部)、132,172…遮光ルーバー(遮光部)、137,177…光透過部、401…ロールスクリーン(採光装置)、402…スクリーン(遮光部材)、403…巻取機構(支持機構)、500…複層ガラス(採光装置)、501…第1ガラス基板(第1基板)、502…第2ガラス基板(第2基板)、LIN…入射光、LOUT…射出光

Claims (16)

  1. 光透過性を有する第1基材と、前記第1基材の第1面に設けられた光透過性を有する複数の採光部と、複数の採光部の間に形成される空隙部と、を備える採光部材と、
    前記採光部材の光入射側に配置され、前記採光部材に入射する光の入射光角度分布を変化させる入射光角度分布変更部材と、を備え、
    前記採光部は、全ての内角が180°未満とされた5角形であり、前記採光部に入射した光を反射する反射面を有し、
    前記反射面で反射して前記第1基材の第2面から射出される光が、前記第1基材の前記第2面に垂直、かつ前記採光部の延在方向に平行な仮想平面を境界とする2つの空間のうち、前記反射面に光が入射する側と同じ側の空間に向けて進行する特性を有し、
    前記複数の採光部は、前記第1面に対向する第1面から最も離れた頂点を通る前記第1面の垂線を中心として、第2面および第3面を含む上部の体積に対して、第4面および第5面を含む下部の体積の方が大きくなる状態で並べられ、
    前記入射光角度分布変更部材は、第2基材と、前記第2基材に設けられた複数の角度変更部と、を備え、
    前記角度変更部は、長手方向に交差する方向切断した断面形状において3つの頂点を有し、前記第2基材に接しない頂角が90°以上とされた三角形であり、前記第2基材に対向する面から最も離れた頂点を通る前記面の垂線を中心として体積の大きい側を下方に向けた状態で複数並べられており、前記採光部材に入射する光を前記角度変更部で屈折もしくは散乱させることにより前記光の入射光角度分布を変化させる、
    採光装置。
  2. 光透過性を有する複数の採光部と、前記複数の採光部を支持する支持部材と、複数の採光部の間に形成される空隙部と、を備える採光部材と、
    前記採光部材の光入射側に配置され、前記採光部材に入射する光の入射光角度分布を変化させる入射光角度分布変更部材と、を備え、
    前記採光部は、全ての内角が180°未満とされた5角形であり、前記採光部に入射した光を反射する反射面を有し、
    前記反射面で反射した光が、互いの前記反射面を同じ方向に向けた状態で配列された前記複数の採光部の配列方向に垂直、かつ前記採光部の延在方向に平行な仮想平面を境界とする2つの空間のうち、前記反射面に光が入射する側と同じ側の空間に向けて進行する特性を有し、
    前記複数の採光部は、前記光が前記採光部から射出される第1面に対向する前記採光部の前記第1面から最も離れた頂点を通る前記採光部の前記第1面の垂線を中心として、第2面および第3面を含む上部の体積に対して、第4面および第5面を含む下部の体積の方が大きくなる状態で並べられ、
    前記入射光角度分布変更部材は、第2基材と、前記第2基材に設けられた複数の角度変更部と、を備え、
    前記角度変更部は、長手方向に交差する方向切断した断面形状において3つの頂点を有し、前記第2基材に接しない頂角が90°以上とされた三角形であり、前記第2基材に対向する面から最も離れた頂点を通る前記面の垂線を中心として体積の大きい側を下方に向けた状態で複数並べられており、前記採光部材に入射する光を前記角度変更部で屈折もしくは散乱させることにより前記光の入射光角度分布を変化させる、
    採光装置。
  3. 前記第2基材は、前記角度変更部が設けられた領域と、前記角度変更部が設けられていない領域と、を有する請求項1または2に記載の採光装置。
  4. 前記角度変更部が設けられていない領域は、光が屈折もしくは散乱することなく透過する透過領域である請求項3に記載の採光装置。
  5. 前記入射光角度分布変更部材は、前記第1基材の前記第1面に平行な方向に沿って交互に配置された光透過部と遮光部とを備え、前記入射光角度分布変更部材に入射する光の入射角度に応じて前記光透過部による光の透過と前記遮光部による光の遮断とを制御することにより、前記光の入射光角度分布を変化させる請求項に記載の採光装置。
  6. 前記入射光角度分布変更部材は、前記光透過部により光が透過する入射角度と、前記遮光部により光が遮断される入射角度と、が可変である請求項5に記載の採光装置。
  7. 前記入射光角度分布変更部材の光入射側に、前記入射光角度分布変更部材に入射する光を散乱させる光散乱部材をさらに備える請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の採光装置。
  8. 光透過性を有する第1基材と、前記第1基材の第1面に設けられた光透過性を有する複数の採光部と、複数の採光部の間に形成される空隙部と、を備える採光部材と、
    前記採光部材の光出射側に配置され、前記採光部材から射出される光の射出光角度分布を変化させる射出光角度分布変更部材と、を備え、
    前記採光部は、全ての内角が180°未満とされた5角形であり、前記採光部に入射した光を反射する反射面を有し、
    前記反射面で反射して前記第1基材の第2面から射出される光が、前記第1基材の前記第2面に垂直、かつ前記採光部の延在方向に平行な仮想平面を境界とする2つの空間のうち、前記反射面に光が入射する側と同じ側の空間に向けて進行する特性を有し、
    前記複数の採光部は、前記第1面に対向する第1面から最も離れた頂点を通る前記第1面の垂線を中心として、第2面および第3面を含む上部の体積に対して、第4面および第5面を含む下部の体積の方が大きくなる状態で並べられ、
    前記射出光角度分布変更部材は、第2基材と、前記第2基材に設けられた複数の角度変更部と、を備え、
    前記角度変更部は、長手方向に交差する方向切断した断面形状において3つの頂点を有し、前記第2基材に接しない頂角が90°以上とされた三角形であり、前記第2基材に対向する面から最も離れた頂点を通る前記面の垂線を中心として体積の大きい側を下方に向けた状態で複数並べられており、前記採光部材に入射する光を前記角度変更部で屈折もしくは散乱させることにより前記光の入射光角度分布を変化させる、
    採光装置。
  9. 光透過性を有する複数の採光部と、複数の採光部の間に形成される空隙部と、前記複数の採光部を支持する支持部材と、を備える採光部材と、
    前記採光部材の光出射側に配置され、前記採光部材から射出される光の射出光角度分布を変化させる射出光角度分布変更部材と、を備え、
    前記採光部は、全ての内角が180°未満とされた5角形であり、前記採光部に入射した光を反射する反射面を有し、
    前記反射面で反射した光が、互いの前記反射面を同じ方向に向けた状態で配列された前記複数の採光部の配列方向に垂直、かつ前記採光部の延在方向に平行な仮想平面を境界とする2つの空間のうち、前記反射面に光が入射する側と同じ側の空間に向けて進行する特性を有し、
    前記複数の採光部は、前記光が前記採光部から射出される第1面に対向する前記採光部の第1面から最も離れた頂点を通る前記採光部の前記第1面の垂線を中心として、第2面および第3面を含む上部の体積に対して、第4面および第5面を含む下部の体積の方が大きくなる状態で並べられ、
    前記射出光角度分布変更部材は、第2基材と、前記第2基材に設けられた複数の角度変更部と、を備え、
    前記角度変更部は、長手方向に交差する方向切断した断面形状において3つの頂点を有し、前記第2基材に接しない頂角が90°以上とされた三角形であり、前記第2基材に対向する面から最も離れた頂点を通る前記面の垂線を中心として体積の大きい側を下方に向けた状態で複数並べられており、前記採光部材に入射する光を前記角度変更部で屈折もしくは散乱させることにより前記光の入射光角度分布を変化させる、
    採光装置。
  10. 前記射出光角度分布変更部材は、第3基材と、前記第3基材に設けられた複数の角度変更部と、を備え、
    前記第3基材は、前記角度変更部が設けられた領域と、前記角度変更部が設けられていない領域と、を有する請求項8または9に記載の採光装置。
  11. 前記角度変更部が設けられていない領域は、光が屈折もしくは散乱することなく透過する透過領域である請求項10に記載の採光装置。
  12. 前記射出光角度分布変更部材は、前記第1基材の前記第1面に平行な方向に沿って交互に配置された光透過部と遮光部とを備え、前記射出光角度分布変更部材に入射する光の入射角度に応じて前記光透過部による光の透過と前記遮光部による光の遮断とを制御することにより、前記光の射出光角度分布を変化させる請求項に記載の採光装置。
  13. 前記射出光角度分布変更部材は、前記光透過部により光が透過する入射角度と、前記遮光部により光が遮断される入射角度と、が可変である請求項12に記載の採光装置。
  14. 前記採光部材と、前記入射光角度分布変更部材もしくは前記射出光角度分布変更部材と、を支持するフレームをさらに備える請求項1から請求項13までのいずれか一項に記載の採光装置。
  15. 遮光部材と、
    前記遮光部材を鉛直方向に吊り下げる形態で支持する支持機構と、をさらに備え、
    前記遮光部材の少なくとも一部が、請求項1から請求項14までのいずれか一項に記載の採光装置における前記採光部材と、前記入射光角度分布変更部材もしくは前記射出光角度分布変更部材と、に置換されている採光装置。
  16. 光透過性を有する第1基板と、
    前記第1基板に対向配置された光透過性を有する第2基板と、をさらに備え、
    請求項1から請求項14までのいずれか一項に記載の採光装置における前記採光部材と、前記入射光角度分布変更部材もしくは前記射出光角度分布変更部材と、が前記第1基板と前記第2基板との間に配置されている採光装置。
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