JP2015228069A - 保守作業間隔適正化装置および保守作業間隔適正化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の機器のそれぞれに関する故障率分布データを格納するデータ記憶部(10)と、故障率分布データに基づいて、複数の機器を、急変機器と、劣化機器と、安定機器とに分類する機器識別部(20)と、それぞれの機器の適正作業間隔を算出する適正作業間隔算出部(30)とを備え、機器識別部(20)は、Welchの検定により急変機器であるか否かを判断し、Cox−Stuartの検定により劣化機器であるか否かを判断し、適正作業間隔算出部(30)は、検定結果に応じて訂正作業間隔を定量的に算出する。
【選択図】図3
Description
この特許文献1による方法では、故障発生率が同一の確率分布(ワイブル分布)に従うことを前提としている。従って、この従来技術は、設備の部品により故障発生率の特性が異なる場合には、対応できないという問題がある。
本発明は、保守作業の対象となるそれぞれの機器を、過去の実績データに基づく定量的な分析により、「急変機器」、「劣化機器」、および「安定機器」のいずれかに分類し、分類結果に応じて保守のための適正作業間隔を定量的に特定することを技術的特徴とするものである。
図1は、本発明の実施の形態1に係る保守作業間隔適正化装置において、保守作業の対象となる機器を、故障率の経時変化に伴って分類する方法の説明図である。本発明では、故障発生率の分布として、統計的分布を前提とせずに評価する。図1に示すように、本実施の形態1では、過去の実績を集計することで、作業間隔ごとの故障率分布データを作成し、それぞれの機器ごとの故障率分布データに基づいて、機器の分類を行っている。
(1)作業間隔 I1、I2、・・・、In
前回の保守作業からの経過時間を作業間隔として入力する。例えば、
0<I1≦5、5<I2≦10、・・・
といったように、ある幅を持った形で分類することができる。また、図2(b)に示したように、代表値として、I1=5、I2=10、・・・といった表現を用いることもできる。
対応する作業間隔の時間帯において、実際に保守作業を行った台数に相当する。図2(b)の例では、作業間隔I1のときには、N1=150台の保守作業を実施し、作業間隔I2のときには、N2=124台の保守作業を実施した場合(以降、省略)を例示している。
それぞれの作業間隔ごとに、機器台数に計上された台数のうち、対応する作業間隔の時間帯で故障が発生した件数を入力する。図2(b)の例では、作業間隔I1の時間帯において、150台のうち9台が故障していたことを示している。
それぞれの作業間隔における、機器故障件数÷機器台数を入力する。図2(b)の例では、
R1=9÷150=0.060
R2=11÷124=0.0887・・・≒0.089
(以降、省略)
として求められる。
(ステップ1)急変機器識別部21および急変機器作業間隔算出部31による「急変機器」の分類判断手法
急変機器識別部21は、先の図2に示した故障率分布データに基づいて、a=1、2、・・・、n−1なる各aについて、i≦aと、a<iの2つのグループに分類し、母平均の差の検定(Welchの検定)を行うことで、「急変機器」であるか否かの判断を行う。さらに、急変機器作業間隔算出部31は、急変機器と判断された機器の故障率分布データから、適正作業間隔の特定を行う。
t<tα(v*) (ただし、1−αは、信頼係数0.95を示す)
であれば、i≦aと、a<iの2つのグループに分類した場合の2つの平均値m1とm2には、統計的に有意な差があると判定し、「急変機器」であると特定する。さらに、急変機器作業間隔算出部31は、aに対応する作業間隔を、この急変機器に対応した適正作業間隔として特定することができる。
ステップ1において、「急変機器」に属さないと判断された残りの機器について、劣化機器識別部22は、故障率R1、・・・、Rnに対して傾向性の検定(Cox−Stuartの検定)を行うことで、「劣化機器」であるか否かの判断を行う。さらに、劣化機器作業間隔算出部32は、劣化機器と判断された機器の故障率分布データから、適正作業間隔とその調整値の特定を行う。
安定機器識別部23は、「急変機器」および「劣化機器」に属さない機器を「安定機器」として分類する。さらに、安定機器作業間隔算出部33は、先の図2に示した故障率分布データに基づいて、故障率が安定していることを統計的に保証することができる、十分なデータ量が存在する作業間隔までを、適正作業間隔として特定する。
Claims (2)
- 周期的な保守作業の対象となる複数の機器のそれぞれについて、過去の実績データに基づいて作業間隔と故障率との対応関係をテーブル化した故障率分布データを格納するデータ記憶部と、
前記故障率分布データに基づいて、前記複数の機器を、ある作業間隔を境に急峻に故障率が変化する急変機器と、時間経過とともに故障率が穏やかに増加していく劣化機器と、時間経過に依存せず故障率がほぼ変化しない安定機器とに分類する機器識別部と、
前記機器識別部による分類結果に基づいて、それぞれの機器の適正作業間隔を算出する適正作業間隔算出部と
を備え、
前記機器識別部は、前記故障率分布データに基づいて、前記複数の機器を分類する際に、
作業間隔Wに対して、W≦aの範囲の故障率の分布と、a<Wの範囲の故障率の分布を比較し、所定の信頼係数で2つの分布範囲に優位な差異があると検定されるaが存在する場合には、前記急変機器として分類し、
前記複数の機器から前記急変機器に分類された機器を除いた残りの機器について、前記所定の信頼係数で故障率が増加傾向にあると検定された場合には、劣化機器として分類し、
前記複数の機器から前記急変機器に分類された機器および前記劣化機器に分類された機器を除いた残りの機器を、安定機器として分類し、
前記適正作業間隔算出部は、前記機器識別部による分類結果に基づいて、それぞれの機器の適正作業間隔を算出する際に、
前記急変機器については、前記aに対応する作業間隔を、適正作業間隔として特定し、
前記劣化機器については、前記データ記憶部にあらかじめ記憶された故障率の許容閾値を用いて、当該劣化機器に対応する前記故障率分布データにおいて、前記許容閾値を超えない作業間隔を、適正作業間隔として特定し、
前記安定機器については、任意の値として適正作業間隔を特定する
保守作業間隔適正化装置。 - 周期的な保守作業の対象となる複数の機器のそれぞれについて、過去の実績データに基づいて作業間隔と故障率との対応関係をテーブル化した故障率分布データを格納するデータ記憶部と、
前記故障率分布データに基づいて、前記複数の機器を、ある作業間隔を境に急峻に故障率が変化する急変機器と、時間経過とともに故障率が穏やかに増加していく劣化機器と、時間経過に依存せず故障率がほぼ変化しない安定機器とに分類する機器識別部と、
前記機器識別部による分類結果に基づいて、それぞれの機器の適正作業間隔を算出する適正作業間隔算出部と
を備えた保守作業間隔適正化装置に適用される保守作業間隔適正化方法であって、
前記機器識別部において、前記故障率分布データに基づいて、前記複数の機器を分類する際に、
作業間隔Wに対して、W≦aの範囲の故障率の分布と、a<Wの範囲の故障率の分布を比較し、所定の信頼係数で2つの分布範囲に優位な差異があると検定されるaが存在する場合には、前記急変機器として分類する第1分類ステップと、
前記複数の機器から前記急変機器に分類された機器を除いた残りの機器について、前記所定の信頼係数で故障率が増加傾向にあると検定された場合には、劣化機器として分類する第2分類ステップと、
前記複数の機器から前記急変機器に分類された機器および前記劣化機器に分類された機器を除いた残りの機器を、安定機器として分類する第3分類ステップと、
前記適正作業間隔算出部において、前記第1分類ステップ、前記第2分類ステップ、および前記第3分類ステップによる分類結果に基づいて、それぞれの機器の適正作業間隔を算出する際に、
前記急変機器については、前記aに対応する作業間隔を、適正作業間隔として特定する第1特定ステップと、
前記劣化機器については、前記データ記憶部にあらかじめ記憶された故障率の許容閾値を用いて、当該劣化機器に対応する前記故障率分布データにおいて、前記許容閾値を超えない作業間隔を、適正作業間隔として特定する第2特定ステップと、
前記安定機器については、任意の値として適正作業間隔を特定する第3特定ステップと
を有する保守作業間隔適正化方法。
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