JP2015227438A - 含硫黄ポリマー - Google Patents

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Abstract

【課題】弾性や溶解性のある新規有機硫黄材料を得るために、硫黄含有量の高い優れた有機溶媒への溶解性及び均一性を有する含硫黄ポリマーの提供。
【解決手段】

(式中、n1及びn3は、それぞれ独立して、0〜19のいずれかの整数であり、n2は、1〜10のいずれかの整数である。)で表されるジアリル化合物と、分子状硫黄(S)とを混合して加熱することにより得られる含硫黄ポリマー。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体硫黄(S)とアリル化合物とを反応させた新規ネットワークポリマーである含硫黄ポリマーに関し、また、前記含硫黄ポリマーを含有するエラストマー、さらに前記含硫黄ポリマーを含有する電池材料に関する。
石油精製時に回収される余剰な硫黄の用途としては硫酸等の工業薬品やゴム等の添加剤や肥料等その用途は多岐に渡る。しかし、これらの用途では硫黄を主成分に用いないため、硫黄の消費量は生産量に追いついておらず、余剰の硫黄の保管のために多額の経費がかかることが問題となっている。そのため、ここ10年間で固体硫黄Sの用途拡大を図るために化学的修飾による物性変化についての技術がいくつか報告されている。
特許文献1には、電池材料として利用するために、ポリアクリロニトリルと固体硫黄を反応させて、硫黄変性ポリアクリロニトリルを製造する方法が記載されている。しかし、前記硫黄変性ポリアクリロニトリルの製造方法では、有害な硫化水素ガスが発生すること、また、原料のポリアクリロニトリルの品質により、製造される硫黄変性ポリアクリロニトリルの品質が大きく異なるという問題点を有している。
特許文献2には、二次電池材料として利用するための、ポリイソプレンと固体硫黄のラジカル重合によって硫黄含有量の多い有機硫黄ポリマーの合成が報告されている。しかし、前記有機硫黄ポリマーの製造方法においても、有害な硫化水素ガスが発生すること、ポリイソプレンに対して過剰量の硫黄を用いる必要があり、有機硫黄ポリマーの合成後に残存する過剰量の硫黄を除去する必要があるという問題点を有している。
特許文献3には、二次電池材料の正極材料として利用するための、ヘキサクロロブタジエン等のハロゲン化不飽和炭化水素と硫黄との反応からなるポリ硫化カーボン及びその製造方法が記載されている。しかし、前記製造方法では、硫黄を硫化ナトリウム等のアルカリ金属の硫化物と反応させる必要がある他、ポリ硫化カーボンの製造には、多段階のステップが必要という問題点がある。また、前記ポリ硫化カーボンは有機溶媒への溶解性がないか又は非常に小さく、材料のハンドリングに関して、課題を残している。
また、建築材料や舗装材料としての利用のために、エチリデンノルボルネン等の二重結合と固体硫黄のラジカル重合によって硫黄含有量の多い有機硫黄ポリマーの合成が特許文献4に報告されている。しかしながら、これら二重結合を有する修飾剤の構造は限定されており物性の多様化を図ることができていない。また、有機溶媒に対する溶解性も乏しいため、材料のハンドリングに関して、課題を残している。
さらに、非特許文献1には、1,3−ジイソプロペニルベンゼンやα−メチルスチレン等の活性ビニル化合物と硫黄(S)との共重合体が記載されている。しかしながら、この活性ビニル化合物はラジカル重合性が非常に高いため硫黄との反応以外にも自己重合も起こしてしまい、前記共重合体は均一性を損なっている。また、少量の活性ビニル化合物を用いた場合、前記共重合体の有機溶媒に対する溶解性を付与することができていない。
特許文献5には、非特許文献1の著者と同じグループによる特許文献であり、硫黄と1又は2以上のエチレン系の不飽和モノマー、エポキシドモノマー、若しくはチイランモノマー、又はそれらの組み合わせとの共重合体が記載されている。前記共重合体は、電気化学セルや光学材料として利用可能であることが記載されている。しかし、エチレン系の不飽和モノマーはラジカル重合性が非常に高いため硫黄との反応以外にも自己重合も起こしてしまい、前記共重合体は均一性を損なっている。また、エポキシドモノマー又はチイランモノマーは反応の際に重合後は不要となる塩化テトラフェニルホスフィン等のオニウム塩を用いる必要があるという問題を有する。
WO2010/044437号公報 特開2012−150933号公報 特開2003−123758号公報 WO2007/055351号公報 WO2013/023216号公報
Nature Chemistry,Vol.5,p.518−524(2013).
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、弾性や溶解性のある新規有機硫黄材料を得るために、硫黄含有量の高い、有機溶媒への優れた溶解性及び均一性を有する新規含硫黄ポリマーを得ることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、アリル基を有するモノマーと硫黄(S)とをラジカル反応することで得られる高い均一性を有するネットワークポリマーが、有機溶媒に対して優れた溶解性をもち、また優れた弾性を併せ持つことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
(1)式(I)
[式(I)中、R及びRは、それぞれ独立して、
−COO−,−OCO−,−CONH−,−NHCO−,又は−O−で表される連結基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基、並びに、連結基として−COO−,−OCO−,−CONH−,−NHCO−,及び−O−からなる群より選ばれるいずれか一つ又は二つを有する置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜19のアルキレン基、からなる群より選ばれるいずれか一つを表し、
は、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基、
主鎖中に−O−を1以上有する置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換の炭素数3〜7のシクロアルキレン基、及び次式
(式中、n及びnは、それぞれ独立して、1〜4のいずれかの整数であり、
破線の結合はベンゼン環の3位又は4位に結合することを表す)で表される基
からなる群より選ばれるいずれか一つを表す]で表されるジアリル化合物又は
式(II)
(式中、Rは、置換又は非置換の直鎖又は分枝の炭素数5〜20のアルキル基を表す)で表されるモノアリル化合物と、
分子状硫黄(S)とを混合して加熱することにより得られる含硫黄ポリマーや、
(2)式(I)で表されるジアリル化合物が、以下の式(III)
(式中、n及びnは、それぞれ独立して、0〜19のいずれかの整数であり、
は、1〜10のいずれかの整数である。)で表される化合物であることを特徴とする、上記(1)に記載の含硫黄ポリマーや、
(3)式(I)で表されるジアリル化合物が、以下の式(V)
(式中、n及びnは、それぞれ独立して、0〜19のいずれかの整数であり、
及びnは、それぞれ独立して、1〜4のいずれかの整数であり、
破線の結合はベンゼン環の3位又は4位に結合することを表す)で表される化合物であることを特徴とする、上記(1)に記載の含硫黄ポリマーや、
(4)加熱が、155〜170℃であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の含硫黄ポリマーや、
(5)硫黄と式(I)又は式(II)で表される化合物とのモル比が1:0.01〜1:100であることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の含硫黄ポリマーに関する。
さらに本発明は、
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の含硫黄ポリマーを含有する電池材料や、
(7)一次電池又は多価カチオン電池を含む二次電池の正極に使用されることを特徴とする、上記(6)に記載の電池材料や、
(8)二次電池の負極が、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、及びナトリウムから選ばれるいずれか一つであること特徴とする、上記(7)に記載の電池材料や
(9)二次電池がマグネシウム二次電池であることを特徴とする、上記(7)に記載の電池材料や、
(10)上記(9)に記載の電池材料を含むことを特徴とする、マグネシウム二次電池に関する。
本発明の新規含硫黄ポリマーは、有機溶媒に対して優れた溶解性を有することで、従来の有機硫黄ポリマーに比べ、硫黄(S)と修飾剤を均一かつ自由な配合比で混錬できるため、加工が容易となった。その結果、本発明の含硫黄ポリマーと導電助剤等を均一に混錬した電極材料を調製し、反応サイクルを多く重ねてもポリスルフィドイオン(硫黄成分)の溶出を抑えることができることが、電気化学的評価より明らかとなった。また、本発明の含硫黄ポリマーは、高い弾性を有していたため、建築や自動車産業のエラストマーやゴム材料として利用できる。さらに、本発明の含硫黄ポリマーはマグネシウム二次電池の正極材料として優れており、マグネシウム二次電池に使用できる。
製造例1の含硫黄ポリマーの重クロロホルム中でのH−NMRスペクトルを表す図である。 製造例1の含硫黄ポリマーの重クロロホルム中での13C−NMRスペクトルを表す図である。 製造例1の含硫黄ポリマーのDSCによる測定結果を表す図である。 製造例1の含硫黄ポリマーのSEM―EDSによる測定結果を表す図である。 実施例2で製造した電極材料のサイクッリックボルタンメトリー(CV)による測定結果を表す図である。 実施例4で作製したマグネシウム二次電池の構造を表す図である。 実施例4で作製したマグネシウム二次電池の充放電測定の結果を表す図である。
本発明の含硫黄ポリマーは、ジアリル化合物又はモノアリル化合物と分子状硫黄(S)とを混合して加熱することにより得られるネットワークポリマーであり、前記ジアリル化合物又はモノアリル化合物としては、下記式(I)又は(II)で表される化合物(以下、化合物(I)又は(II)という。他の式番号の化合物についても同様である)であれば特に制限されない。
(ジアリル化合物)
前記、ジアリル化合物としては、以下の式(I)で表される化合物:
[式(I)中、R及びRは、それぞれ独立して、−COO−,−OCO−,−CONH−,−NHCO−,又は−O−で表される連結基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基、並びに、連結基として−COO−,−OCO−,−CONH−,−NHCO−,及び−O−からなる群より選ばれるいずれか一つ又は二つを有する置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜19のアルキレン基、からなる群より選ばれるいずれか一つを表し、
は、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基、主鎖中に−O−を1以上有する置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換の炭素数3〜7のシクロアルキレン基、及び次式
(式中、n及びnは、それぞれ独立して、1〜4のいずれかの整数であり、
破線の結合はベンゼン環の3位又は4位に結合することを表す)で表される基
からなる群より選ばれるいずれか一つを表す]
である。
上記式(I)において、R及びRは、それぞれ独立して、−COO−,−OCO−,−CONH−,−NHCO−,又は−O−で表される連結基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基、並びに、連結基として−COO−,−OCO−,−CONH−,−NHCO−,及び−O−からなる群より選ばれるいずれか一つ又は二つを有する置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜19のアルキレン基からなる群より選ばれる。
前記、「置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基」の「直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基」は、二価の飽和の炭素数1〜20の炭素鎖であり、具体的にはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、トリデシレン、テトラデシレン、ペンタデシレン、ヘキサデシレン、ヘプタデシレン、オクタデシレン、ノナデシレン、イコシレン等を挙げることができる。
前記エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、トリデシレン、テトラデシレン、ペンタデシレン、ヘキサデシレン、ヘプタデシレン、オクタデシレン、ノナデシレン、イコシレンは、その全ての構造異性体を含む。
前記、「置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基」の置換基としては、水酸基、フッ素原子、下記に示す芳香族基、ジアルキルアミノ基、アルキルオキシカルボニル基、アルコキシ基、含窒素ヘテロ環基等を挙げることができる。
前記、ジアルキルアミノ基、アルキルオキシカルボニル基、及びアルコキシ基におけるアルキルは、直鎖又は分枝の炭素数1〜4のアルキルであり、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチルである。
前記、含窒素ヘテロ環基は、具体的には、ピロリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン等である。
前記、「連結基として−COO−,−OCO−,−CONH−,−NHCO−,及び−O−からなる群より選ばれるいずれか一つ又は二つを有する置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜19のアルキレン基」の「連結基として−COO−,−OCO−,−CONH−,−NHCO−,及び−O−からなる群より選ばれるいずれか一つ又は二つを有する直鎖又は分枝の炭素数1〜19のアルキレン基」とは、前記直鎖又は分枝の炭素数1〜19のアルキレン基が、エステル結合、アミド結合及び/又はエーテル結合を介してアリル基及びRと結合する基であり、具体的にはアリル基及びRとの関係において、アリル基−アルキレン基−COO−R、アリル基−アルキレン基−OCO−R、アリル基−アルキレン基−CONH−R、アリル基−アルキレン基−NHCO−R、アリル基−アルキレン基−O−R、アリル基−COO−アルキレン基−R、アリル基−COO−アルキレン基−COO−R、アリル基−COO−アルキレン基−OCO−R、アリル基−COO−アルキレン基−CONH−R、アリル基−COO−アルキレン基−NHCO−R、アリル基−COO−アルキレン基−O−R、アリル基−OCO−アルキレン基−R、アリル基−OCO−アルキレン基−COO−R、アリル基−OCO−アルキレン基−OCO−R、アリル基−OCO−アルキレン基−CONH−R、アリル基−OCO−アルキレン基−NHCO−R、アリル基−OCO−アルキレン基−O−R、アリル基−CONH−アルキレン基−R、アリル基−CONH−アルキレン基−COO−R、アリル基−CONH−アルキレン基−OCO−R、アリル基−CONH−アルキレン基−CONH−R、アリル基−CONH−アルキレン基−NHCO−R、アリル基−OCO−アルキレン基−O−R、アリル基−NHCO−アルキレン基−R、アリル基−NHCO−アルキレン基−COO−R、アリル基−NHCO−アルキレン基−OCO−R、アリル基−NHCO−アルキレン基−CONH−R、アリル基−NHCO−アルキレン基−NHCO−R、アリル基−NHCO−アルキレン基−O−R、アリル基−O−アルキレン基−R、アリル基−O−アルキレン基−COO−R、アリル基−O−アルキレン基−CONH−R、アリル基−O−アルキレン基−NHCO−R、アリル基−O−アルキレン基−OCO−R、及びアリル基−O−アルキレン基−O−Rで表される。
このとき、酸素原子が結合しているアルキレン基の炭素原子には、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、含窒素ヘテロ環基等ヘテロ原子で置換する置換基が存在しないことが好ましい。
前記、「連結基として−COO−,−OCO−,−CONH−,−NHCO−,及び−O−からなる群より選ばれるいずれか一つ又は二つを有する置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜19のアルキレン基」の置換基としては、前記「置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基」の置換基と同様の置換基が挙げられる。
前記R及びRとしては、前述のいかなる基であっても構わないが、好ましくは、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン、−COO−へキシレン、−COO−ヘプチレン、−COO−オクチレン、−O−へキシレン、−O−ヘプチレン、−O−オクチレン、−OCO−へキシレン、−OCO−ヘプチレン、及び−OCO−オクチレンであり、より好ましくは−COO−へキシレン、−COO−ヘプチレン、−COO−オクチレン、−OCO−へキシレン、−OCO−ヘプチレン、及び−OCO−オクチレンであり、さらに好ましくは−OCO−へキシレン、−OCO−ヘプチレン、及び−OCO−オクチレンであり、最も好ましくは、アリル基及びRとの関係において、アリル基−ヘキシレン−COO−R、アリル基−ヘプチレン−COO−R、及びアリル基−オクチレン−COO−Rである。
上記式(I)において、Rは、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基、主鎖中に−O−を1以上有する置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換の炭素数3〜7のシクロアルキレン基、及び以下の式1aで表される環状エーテル部位、
[式中、n及びnは、それぞれ独立して、1〜4のいずれかの整数であり、
破線の結合はベンゼン環の3位又は4位に結合することを表す]で表される基
からなる群より選ばれる。
前記、「置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基」としては、R及びRに示した置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基と同様のものを挙げることができる。
「置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基」の置換基としては、前記「置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基」の置換基と同様である。
前記、「主鎖中に−O−を1以上有する置換又は非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基」としては、
−(O−直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン)m1−、
−(O−直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン)m1−O−、及び
−直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン−(O−直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン)m2
として表される(ポリ)エーテル基である。
前記m1は1〜10のいずれかの整数、前記m2は1〜9のいずれかの整数であり、かつ、m1及びm2は前記−O−を1以上有する置換又は非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基の主鎖の総炭素数が2〜20となるように定められる。
前記、−(O−直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン)m1−、−(O−直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン)m1−O−、及び−直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン−(O−直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン)m2−は、R及びRとの関係において、
−(O−直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン)m1−R
−(直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン−O)m1−R
−(O−直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン)m1−O−R
−直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン−(O−直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン)m2−R
−(直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン−O)m2−直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン−R等が挙げられる。
前記「主鎖中に−O−を1以上有する置換又は非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基」の「主鎖中に−O−を1以上有する直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基」としては、具体的には
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前記「主鎖中に−O−を1以上有する置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基」の置換基としては、前記「置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基」の置換基と同様である。
前記「−O−を1以上有する置換又は非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基」の置換基が、水酸基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、含窒素ヘテロ環基等であるとき、酸素原子に結合した炭素原子には、前記置換基が存在しないことが好ましい。
前記「置換又は非置換の芳香族基」の「芳香族基」は、二価の芳香族環であり、芳香族環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アズレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、フェナントレン、ピレン、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、インドール、イソインドール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾイソキサゾール、ベンズイソチアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンズチアジアゾール、ピロロピリジン、ピロロピラジン、プリン、キノリン、イソキノリン、シノリン、キナゾリン、キノキサリン等を挙げることができる。
前記「置換又は非置換の芳香族基」の置換基としては、前記「置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基」の置換基と同様の置換基が挙げられる。
前記、ジアルキルアミノ基、アルキルオキシカルボニル基、及びアルコキシ基におけるアルキルは、直鎖又は分枝の炭素数1〜4のアルキルであり、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチルである。
前記「置換又は非置換の炭素数3〜7のシクロアルキレン基」の「炭素数3〜7のシクロアルキル基」は、二価の環状アルキレン基であり、具体的には、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン等を挙げることができる。
前記「置換又は非置換の炭素数3〜7のシクロアルキレン基」の置換基としては、前記「置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基」の置換基と同様の置換基が挙げられる。
前記Rとしては、前述のいかなる基であっても構わないが、好ましくは、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ドデシレン、−エチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−プロピレン−O−エチレン−、−エチレン−O−ブチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−ペンチレン−O−エチレン−、−プロピレン−O−エチレン−O−プロピレン−、−プロピレン−O−プロピレン−O−プロピレン−、及び−ブチレン−O−ブチレン−、並びに式1aで表される環状エーテルであり、より好ましくは、エチレン、−エチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−プロピレン−O−エチレン−、−エチレン−O−ブチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−ペンチレン−O−エチレン−、−プロピレン−O−エチレン−O−プロピレン−、−プロピレン−O−プロピレン−O−プロピレン−、及び−ブチレン−O−ブチレン−、並びに式1aで表される環状エーテルであり、さらに好ましくはエチレン、−エチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−、−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−、及び−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−、並びに式1aで表される環状エーテルであり、最も好ましくは−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−及び−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−O−エチレン−、並びに式1aで表される環状エーテルにおいてn及びnが2又は3である環状エーテルである。
上記一般式(I)で表される化合物は、前述の条件を満たす化合物であればいかなる化合物であっても構わないが、具体的には以下の化合物(I−1)〜(I−12)を挙げることができる。
(モノアリル化合物)
前記、モノアリル化合物としては、以下の式(II)で表される化合物:
[式(II)中、Rは、置換又は非置換の直鎖又は分枝の炭素数5〜20のアルキル基を表す]である。
前記「置換又は非置換の直鎖又は分枝の炭素数5〜20のアルキル基」の「直鎖又は分枝の炭素数5〜20のアルキル基」は、具体的にはn−ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、3−ペンチル基、n−ヘキシル基、1-メチルヘプチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチルヘプチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブタン−2−イル基、2,3-ジメチルブタン−2−イル基、3−ヘキシル基、2-エチルペンチル基、2-メチルペンタン−3−イル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等を挙げることができる。
前記「置換又は非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキル基」の置換基としては、前記「置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基」の置換基と同様である。
前記Rとしては、前述のいかなる基であっても構わないが、好ましくは、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、及びヒドロキシノニル基、より好ましくは、ヘプチル基、オクチル基、及びノニル基、最も好ましくはオクチル基である。
上記一般式(II)で表される化合物は、前述条件を満たす化合物であればいかなる化合物であっても構わないが、具体的には以下の化合物(II−1)〜(II−3)を挙げることができる。
一般式(I)及び(II)で表される化合物が不斉炭素原子をもつとき、かかる化合物は、考えられ得るすべての光学異性体を含み、それら光学異性体は任意の比であってよい。例えば、ある光学活性化合物は、エナンチオマーでもラセミでも任意の割合のエナンチオマー混合物でもよく、不斉点が複数存在するときは、任意の割合のジアステレオマー混合物でもよい。
(アリル化合物の製造法)
上記一般式(I)及び(II)で表される化合物の製造法の例について、以下に説明するが、これらの製造法に限定されるものではなく、また、市販品として入手可能な化合物もある。
上記一般式(I)のR又はRで表される部位は、例えばセコ酸から調製することができる。下式に示すように、セコ酸を酸条件下アルコール中で反応させることにより、セコ酸のエステルを得ることができる(式中、波線部分は、炭素数2〜12のメチレンを示す。以下同じ。)。前記酸としては、硫酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等を用いることができる。前記アルコールとしては、メタノール、エタノール等の1級アルコールを用いることが好ましい。前記反応は、室温から反応液の沸点までの任意の温度で行うことができる。次いで、得られたセコ酸のエステルの一級アルコール部分を酸化しアルデヒドを調製する。一級アルコールの酸化反応としては、Dess-Martin酸化、SO−ピリジン酸化、TEMPO酸化等の公知の手法を用いることができる。得られたアルデヒドをWittig反応によりオレフィンへと変換することで、アリル部位を有するR又はRを調整できる。得られた、化合物を(i)加水分解反応によりアリル部位を有するカルボン酸を、(ii)還元反応によりアリル部位を有するアルコールを調製することができる。前記加水分解反応としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリを、エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド等の含水溶媒中で、0℃〜溶媒の沸点の間の温度で反応させる方法を挙げることができる。前記還元反応としては、水素化ホウ素ナトリウムをメタノール、エタノール等のアルコール溶媒中で作用させる方法や、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソプロピルアルミニウム等の還元剤をテトラヒドロフラン中で作用させる方法等を挙げることができる。
また、上記一般式(I)のR又はRで表される部位は、アリルアルコールとセコ酸から調製することができる。アリルアルコールと、水酸基を保護したセコ酸とをエステル化し、得られたエステルの保護基を脱保護することにより、アリル部位を有するアルコールを調製することができる。水酸基の保護及び脱保護は、Green&Wuts, “PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS” 3rded.John Wiley&Sons, Inc.を参照することができ、式中のPGは、例えばtert−ブチルジメチルシリル基、メチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、アセチル基等の保護基を表す。前記エステル化としては、ジシクロヘキシルカルボジイミドやWSCI等のカルボジイミド系の縮合剤をジクロロメタン、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド等の溶媒中で、室温〜反応溶液の沸点の間で反応させる反応を挙げることができる。前記反応において、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン等を触媒として用いてもよい。前述の方法で得た、アリル部位を有するアルコールを前述の酸化反応によりアルデヒドへと酸化した後に、Pinnick (Kraus)酸化により、アリル部位を有するカルボン酸を調製することができる。
さらに、上記一般式(I)のR又はRで表される部位は、3−ブテン酸とジオールから調製することができる。3−ブテン酸と、一方の水酸基を選択的に保護したセコ酸とをエステル化し、得られたエステルの保護基を脱保護することにより、アリル部位を有するアルコールを調製することができる。前記エステル化としては、前述の方法と同様の方法を用いることができる。前記、水酸基の保護及び脱保護は、Green&Wuts, “PROTECTIVEGROUPS in ORGANIC SYNTHESIS” 3rded.John Wiley&Sons, Inc.を参照することができ、式中のPGは、例えばtert−ブチルジメチルシリル基、メチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、アセチル基等の保護基を表す。前述の方法で得た、アリル部位を有するアルコールから前述の方法でアリル部位を有するカルボン酸を調製することができる。
上記一般式(I)のRで表される部位は、ジオール、ジカルボン酸を用いることができる。また、RがR又はRと単結合で連結するときは、ジオール部分を脱離基へと変換し、R又はRと連結することができる。前記脱離基としては、トシル基、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。水酸基の脱離基への変換方法としては、ジオールをジクロロメタン中、トリエチルアミンやジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基存在下、トシルクロリドと0℃〜室温で反応させる方法を挙げることができる。こうして得た、ジトシルエステルをアセトン中加熱還流下、臭化カリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウム、又はヨウ化ナトリウムと反応させることにより、ジハロ化合物を得る方法を挙げることができる。また、ジオールを直接Appel反応によりジハロ化合物へと変換することもできる。
上記一般式(I)のRで表される部位が、ポリエーテルである場合、ジオールを用いて調製することができる。一方の水酸基を選択的に保護したジオールを上記に示した反応によりハロゲン化物を調製する(式中、Xは臭素又はヨウ素を表す。)。前記ハロゲン化物と、一方の水酸基を選択的に保護したジオールをWilliamsonエーテル化反応により縮合し、エーテルを得る。保護基を選択的に除去した後に、水酸基をハロゲンへと変換する。得られた化合物に一方の水酸基を選択的に保護したジオールをさらにWilliamsonエーテル化反応により縮合し、エーテルを得る。これを順次続けることにより、ポリエーテルを合成できる。その後保護基を除去することで、ジオールへと変換することができる。前記ジオールの水酸基は脱離基Eへと変換することができる。式中Eとしてはトシル基、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。前記、水酸基の保護及び脱保護は、Green&Wuts, “PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS” 3rded.John Wiley&Sons, Inc.を参照することができ、式中のPG、PG、PGは、例えばtert−ブチルジメチルシリル基、メチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、アセチル基等の保護基を表す。
上記一般式(I)のRで表される部位が、式1aで表される環状エーテルである場合、前記環状エーテルは以下の方法で調製することができる。エチレングリコール(n=1)、ジエチレングリコール(n=2)、又はトリエチレングリコール(n=3)の一方の水酸基を選択的にトシル化し、これを触媒量の酸の存在下、3,4−ジヒドロキシ安息香酸とアルコール中加熱還流下で縮合反応させ、安息香酸のジポリエーテルを調製する。前記トシル化反応は前述の条件で行うことができる。前記反応溶媒として用いるに用いるアルコールは、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等を挙げることができる。触媒としての酸としては、硫酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等を挙げることができる。続いて、安息香酸のジポリエーテルの末端水酸基をトシル化し、再度3,4−ジヒドロキシ安息香酸と縮合させることで環状エーテルを合成することができる(式中、点線部はベンゼン環の3位又は4位に結合することを示す。)。得られた環状エーテル部は、前述の方法によりカルボン酸、アルコール、又は脱離基E(Eはトシル基、臭素、ヨウ素等を表す)へと変換することができる。
上記の方法で得たR、R、及びRを連結する場合、エステル結合は前述のカルボジイミド系の縮合剤を用いる方法と同様の方法で連結することができる。R又はRとRが、エーテル結合で連結する場合、Williamsonエーテル化反応により連結することができる。
また、R又はRとRが、炭素−炭素結合で連結する場合、上記で合成したR及びRの各アルコールの水酸基を下記に示す脱離基E(Eはトシル基、臭素、ヨウ素等を表す)を有する化合物へと変換し、R部位由来のアニオン化合物と反応させることにより、連結することができる。
上記R部位由来のアニオン化合物は、下記に示すように、脱離基Eを有する化合物を、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒中で、−78℃〜0℃で有機リチウム試薬又は金属リチウム等と反応させることにより調製することができる。このように得たアニオン化合物はそのまま、又は臭化銅、ヨウ化銅、シアン化銅等の銅塩を触媒としたカップリング反応により、前記脱離基Eを有する化合物と連結することができる。
上記一般式(II)で表される化合物は、一級アルコールを前述の方法と同様にアルデヒドへと酸化した後に、Wittig反応によりオレフィンへと変換することで合成できる
(含硫黄ポリマー)
本発明の含硫黄ポリマーは以下の方法で合成することができる。
含硫黄ポリマー合成の第一段階は、硫黄(S)は、有機溶媒に不溶又は溶解しづらいため、反応容器中で加熱することにより硫黄を融解することである。硫黄は多くの同素体(S8やS6、S12、S18、S20等)を持ち、それぞれが融点を有する。硫黄の最安定な同素体は環状構造をした硫黄(S)であり、3つの結晶形(α硫黄、β硫黄及びγ硫黄)をもち、その融点はそれぞれ112.8℃、119.6℃及び106.8℃である。そのため、少なくとも硫黄の融解には120℃以上の温度で加熱することが必要である。また、硫黄は安定構造のα硫黄から温度の上昇とともにβ硫黄、λ硫黄、μ硫黄へと転移していき、159.4℃以上で環状硫黄のラジカル開裂が進み、2価のラジカルができる。このようにして、硫黄(S)は159.4℃以上の温度でラジカルを発生するため、融解温度は前記温度より低く設定する必要がある。硫黄(S)の融解温度としては、好ましくは120℃〜155℃、より好ましくは135℃〜155℃、さらに好ましくは145℃〜155℃、最も好ましくは150℃〜155℃である。
含硫黄ポリマー合成の第二段階は、式(I)又は(II)で表されるアリル基を有する修飾剤と硫黄とのラジカル重合である。第一段階で調製した融解した硫黄に前記修飾剤を加えることである。前記修飾剤を加える温度としては、硫黄が融解している温度であれば何℃でもよく、好ましくは130℃〜155℃、より好ましくは135℃〜155℃、さらに好ましくは145℃〜155℃、最も好ましくは150℃〜155℃である。前記修飾剤は単独重合性が低いため単独重合は行われず、硫黄のラジカルとの反応が進行していく。よって、硫黄(S)は159.4℃以上の温度でラジカルを発生するため、反応温度を160℃以上に設定して前記修飾剤とのラジカル重合反応を行う。この際、硫黄と前記修飾剤が均一に混ざりあっていることが好ましく、攪拌しながら反応を行うこともできる。前記ラジカル反応を行う温度としては、硫黄(S)がラジカルを発生する温度である159.4℃以上であれば何℃でも構わないが、好ましくは160℃〜195℃、より好ましくは165℃〜185℃、さらに好ましくは165℃〜175℃、最も好ましくは165℃〜170℃である。
上記方法で合成された含硫黄ポリマーは、ほぼ定量的に反応が進行するため通常は精製作業を必要としない。しかし、非常に高純度の含硫黄ポリマーを必要とする場合は、本ポリマーが有機溶媒に溶解することを利用し、反応生成物をクロロホルム、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン等に溶解し、ろ過を行うことで、有機溶媒に不溶の硫黄を除くことができる。また、ろ過後の溶液を、ゲルろ過クロマトグラフィー等の分子ふるいに供することで、ポリマーとモノマーとを分離することが可能である。
上記の方法で製造されたネットワークポリマーの構造は、含硫黄ポリマーであるにもかかわらず、溶媒に溶解するため、NMR測定や、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定、MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)/TOFMS(飛行時間型質量分析計)測定が可能である。また、IR測定等の他の分光学的手法により確認することもできる。
本発明の含硫黄ポリマーは、n−ヘキサン等の炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチルアセテート等の溶媒に可溶である。
本発明の含硫黄ポリマーの数平均分子量(Mn)は、300〜10000、好ましくは1000〜5000、もっとも好ましくは1000〜2000である。また、本発明の含硫黄ポリマーの数平均分子量(Mn)は、GPCによって測定することができる。
本発明の含硫黄ポリマーにおける、硫黄(S)と式(I)又は式(II)で表される化合物とのモル比は、好ましくは1:0.01〜1:100であり、より好ましくは、1:0.05〜1:20であり、さらに好ましくは1:0.5〜1:10である。
また、本発明の含硫黄ポリマーはガラス転移温度を有し、前記ガラス転移温度は、式(I)又は式(II)で表される化合物の構造により大きく異なることを特徴とする。本発明の含硫黄ポリマーのガラス転移温度としては、好ましくは40℃〜−50℃、より好ましくは30℃〜−45℃、さらに好ましくは20℃〜−40℃である。本発明の含硫黄ポリマーのガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)のような周知技術によって測定できる。
本発明の含硫黄ポリマーは、電池材料として使用できる。電池材料に利用した場合、有機溶媒への優れた溶解性により、硫黄材料と導電助剤等を均一かつ自由な配合比で混錬できるため、電池材料の調製・加工が容易となる。また、本発明の電池材料は、一次電池又は多価カチオン電池を含む二次電池に使用することができる。特に、上記の電池材料は、マグネシウム二次電池の正極に用いることが好ましい。
さらに、本発明の含硫黄ポリマーを熱プレスすることで硬化反応を行なえる。その結果、電気化学的評価において反応サイクルを多く重ねてもポリスルフィドイオン(硫黄成分)の溶出を抑えることができる。
また、本発明の電池材料は、本発明の含硫黄ポリマーに加えて、導電助剤やバインダーを含んでいることが好ましい。例えば、上記マグネシウム二次電池の正極は、本発明の硫黄系正極活物質、導電助剤、バインダーを混合した正極材料を、撹拌・圧着することによって製造できる。
導電助剤としては、例えば、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、炭素粉末、カーボンブラック(CB)、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、黒鉛、アルミニウムやチタンなどの正極電位において安定な金属の微粉末等が挙げられる。導電助剤は、多孔質カーボンであることが好ましく、ケッチェンブラック(KB)がより好ましい。
バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride:PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、メタクリル樹脂(PMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、変性ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。好ましくは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)である。
含硫黄ポリマー、導電助剤(KB)及びバインダー(PVDF、PTFE)の配合する重量比(含硫黄ポリマー:導電助剤(KB):バインダー(PVDF、PTFE)としては、1〜20:1〜10:1が好ましく、5〜10:1〜5:1がより好ましい。
本発明の含硫黄ポリマーを使用した二次電池では、負極は、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、及びナトリウムから選ばれるいずれか一つが好ましく、マグネシウムがより好ましい。
本発明の含硫黄ポリマーを使用した二次電池に用いる集電体としては、二次電池用正極に一般に用いられるものを使用すれば良い。例えば、集電体としては、ステンレス箔、ステンレスメッシュ、アルミニウム箔、アルミニウムメッシュ、パンチングアルミニウムシート、アルミニウムエキスパンドシート、ステンレススチール箔、ステンレススチールメッシュ、パンチングステンレススチールシート、ステンレススチールエキスパンドシート、発泡ニッケル、ニッケル不織布、銅箔、銅メッシュ、パンチング銅シート、銅エキスパンドシート、チタン箔、チタンメッシュ、カーボン不織布、カーボン織布等が挙げられる。好ましくはステンレスメッシュである。
本発明の含硫黄ポリマーを使用した二次電池に用いる電解質は、1,2−ジメトキシエタン、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、エチレングリコール、プロピレングリコール、デエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチルロラクトン、ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、1,3−ジオキソラン、メチルホルメート、2−メチルテトラハイドロフラン、3−メトキシーオキサゾリデンー2−オン、スルホラン、テトラハイドロフラン、トリエチレングリコールジメチルエーテル(Triglyme)、水などを含むことができる。特に、トリエチレングリコールジメチルエーテル(Triglyme)が好ましい。これらは1種または混合して使用することができる。
また、本発明の含硫黄ポリマーを使用した二次電池に用いる電解質は、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド(LiTFSA)、マグネシウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[Mg(TFSA)]などを含むことが好ましい。特に、マグネシウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[Mg(TFSA)]が好ましい。
本発明の含硫黄ポリマーを含む電池材料を、マグネシウム二次電池の正極材料として用いる場合、該マグネシウム二次電池の負極には金属マグネシウムを、電解質にMg(TFSA)のTriglyme溶液を用いることができる。
また、本発明の含硫黄ポリマーを含む一次電池又は多価カチオン電池を含む二次電池は、その形状などについても特に制限はない。例えば、コイン形、ボタン形、シート形、積層形、円筒形、偏平形、角形、電気自動車などに用いる大型のものなど、いずれであってもよい。
さらに、本発明の含硫黄ポリマーは、高い弾性を有するため、建築や自動車産業のエラストマーやゴム材料への応用が可能である。
以下に、実施例において本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術範囲は、これらに限定されるものではない。
実施例1.含硫黄ポリマーの合成
[製造例1]
含硫黄ポリマーにおける、硫黄(S)と式(I)で表される化合物とのモル比が1:0.2のとき、硫黄(S)(0.5g,1.95mmol)を反応容器に入れ、155℃で10分間攪拌した。硫黄が溶解した後に、化合物I−11(0.328g,0.39mmol)を加え、160〜165℃に加熱し攪拌した。当初、液状の反応混合物は、20分程度で固まるが、そのまま反応を続け、60分間、約160℃で加熱反応を行う。さらに、170℃に加熱し撹拌することで、黄褐色ゴム状の含硫黄ポリマーを定量的に得た。前記ポリマーの数平均分子量(Mn)をGPCにより測定したところ、Mn=1400であった。前記ポリマーの重クロロホルム中でのH−NMRスペクトルを図1に、13C−NMRスペクトルを図2に示す。
なお、化合物I−11は、国際公開2013/099224号パンフレットに記載の合成手順を参考に合成した。具体的には、以下の手順で合成した。
トリエチレングリコールモノトシレートの合成
トリエチレングリコール(90.6g、0.600mol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.147g、1.21mmol)、及びトリエチルアミン(50.4mL、0.362mol)をTHF(120mL)に溶解し、p−トルエンスルホニルクロライド(23.0g、0.121mol)のTHF(100mL)溶液を添加した。室温で23時間撹拌し、反応混合液を濾過し、ろ液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、トリエチレングリコールモノトシレートを得た(30.0g、81%)。
エチル3,4−ジヒドロキシベンゾエートの合成
3,4−ジヒドロキシ安息香酸(8.0g、0.052mol)と触媒量のp−トルエンスルホン酸との混合物をエタノールに溶解し、6日間還流した。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶かし、水で洗浄した。有機層から溶媒を留去し、エチル3,4−ジヒドロキシベンゾエートを得た(8.43g、89%)
4−エチル−1,2−ビス[2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]ベンゾエートの合成
エチル3,4−ジヒドロキシベンゾエート(8.0g、0.040mol)、トリエチレングリコールモノトシレート(29.4g、0.097mol)及び炭酸カリウム(15.3g、0.10mol)をアセトン(240mL)に溶解し、17時間加熱還流した。溶液を濾過し、ろ液を濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的物(15.0g、76%)を得た。
4−エチル−1,2−ビス[2−[2−[2−[(4−トルエン)スルホニル]オキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]ベンゾエートの合成
4−エチル−1,2−ビス[2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ]ベンゾエート(15.0g、33.6mol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.082g、0.67mmol)、及びトリエチルアミン(14.1mL、100.0mmol)をTHF(80mL)に溶解し、p−トルエンスルホニルクロライド(19.2g、100.0mmol)のTHF(50mL)溶液を添加した。室温で165時間撹拌し、反応混合液を濾過し、ろ液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的物を得た(22.6g、89%)。
ビス(エトキシカルボニルベンゾ)−24−クラウン−8−エーテルの合成
4−エチル−1,2−ビス[2−[2−[2−[(4−トルエン)スルホニル]オキシ]エトキシ]エトキシ]エトキシ]ベンゾエート(7.5g、9.9mmol)、及び炭酸セシウム(16.1g、49.5mmol)のアセトニトリル(400mL)懸濁液を60℃で30分環撹拌した。その後、エチル3,4−ジヒドロキシベンゾエート(1.61g、8.91mmol)のTHF(100mL)溶液を滴下し、100時間加熱還流した。懸濁液を濾過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィーで精製することによって、目的物を得た(2.99g、57%)
ビス(ヒドロキシメチルベンゾ)−24−クラウン−8−エーテルの合成
水素化リチウムアルミニウム(2.25g、59.3mmol)のTHF懸濁液に、ビス(エトキシカルボニルベンゾ)−24−クラウン−8−エーテル(2.93g、4.94mmol)の溶液を添加し、60時間還流した。室温で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。反応溶液を濾過し、ろ液をジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸留することで目的物を得た(2.47g、98%)
ビス(ウンデセノイルオキシメチル)−24−クラウン−8−エーテル(I−11)の合成
ビス(ヒドロキシメチルベンゾ)−24−クラウン−8−エーテル(2.46g4.84mmol)をTHFに溶解し、トリエチルアミン(2.70mL、19.4mmol)を添加した。10−ウンデセノイルクロリド(3.30g、16.3mmol)のTHF溶液を滴下した。室温で48時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。ジクロロメタンで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的物である化合物I−11を得た(2.78g、68%)。
製造例1で得たポリマーのガラス転移温度をDSCにより測定したところ、−2.0℃のガラス転移温度を確認した。また、融点は119.4℃であった。硫黄は、100℃付近にα→β転移による吸熱ピークがみられるが、製造例1で得たポリマーでは前記ピークが確認されなかったことから、ポリマー中に硫黄は残存していないと考えられる。図3にその測定結果を示す。
また、製造例1で得たポリマーの組成について、走査型電子顕微鏡(SEM)及び特性X線測定(エネルギー分散型X線測定:EDS)によりマッピングを行った結果、硫黄原子が均一にポリマー中に分布していることが分かった。SEM―EDSの測定結果を図4に示す。
[製造例2〜8]
製造例1と同条件で、式(I)で表される化合物の種類、及び硫黄とのモル比を変化させて製造例2〜8のポリマーを得た。なお、式(I)で表されるモノマー化合物であるI−8、I−2、I−5は以下の手順で合成した。
(モノマー化合物I−8の合成)
ビス(ホルミルベンゾ)−18−クラウン−6−エーテルの合成
ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル(2.0g,5.55mmol)にヘキサメチレンテトラミン(3.89g,27.8mmol)とトリフルオロ酢酸(12ml)を加え、80℃で27時間加熱撹拌した。その後、室温まで冷却し、蒸留水(3ml)を加え40時間撹拌した。クロロホルムで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥・濃縮することで生成物(2.30g、100%)を得た。
ビス(ヒドロキシメチルベンゾ)−18−クラウン−6−エーテルの合成
ビス(ホルミルベンゾ)−18−クラウン−6−エーテル(2.30g,5.52mmol)をメタノール/ジクロロメタンの混合液200ml(1:3の体積比)に溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム(0.84g,22.1mmol)を加え46時間還流した。反応後、氷冷しながら蒸留水(100ml)を加え、有機層を濃縮した後、ジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥・濃縮することで生成物(2.22g、96%)を得た。
ビス(ウンデセノイルオキシメチル)−18−クラウン−6−エーテル(I−8)の合成
ビス(ヒドロキシメチルベンゾ)−18−クラウン−6−エーテル(2.22g、5.28mmol)をTHFに溶解し、トリエチルアミン(6.63mL、31.7mmol)を添加した。10−ウンデセノイルクロリド(6.42g、31.7mmol)のTHF溶液を滴下した。室温で48時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。ジクロロメタンで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的物であるI−8を得た(1.28g、32%)。
(モノマー化合物I−2(トリエチレングリコールビスウンデセノエート)の合成)
トリエチレングリコール(2.00g、13.3mmol)をTHFに溶解し、トリエチルアミン(5.56mL、39.9mmol)を添加した。10−ウンデセノイルクロリド(6.74mL、33.3mmol)のTHF溶液を滴下した。室温で48時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的物であるI−2を得た(4.00g、62%)。
(モノマー化合物I−5(テトラエチレングリコールビスウンデセノエート)の合成)
テトラエチレングリコール(3.00g、15.4mmol)をTHFに溶解し、トリエチルアミン(6.44mL、46.2mmol)を添加した。10−ウンデセノイルクロリド(7.80mL、38.5mmol)のTHF溶液を滴下した。室温で15時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的物であるI−5を得た(3.71g、46%)。
[製造例9]
硫黄(S)(1.0g,3.9mmol)と1−ウンデセン(II−2の化合物、0.967g,6.26mmol)を反応容器に入れ、175℃で60分間攪拌した。得られた反応物にヘキサンを加え、可溶部と不溶部をろ過、分離して、含硫黄ポリマーを得た。前記ポリマーの数平均分子量(Mn)をGPCにより測定したところ、Mn=450(ヘキサン可溶部)であった。なお、II−2の化合物は、市販の和光純薬社製の1−ウンデセンを用いた。
製造例2〜9のポリマーの物性を以下の表にまとめる。
実施例2.電極材料の調製
製造例6で得た含硫黄ポリマー(80mg)をN−メチル−2−ピロリドン(1.1g)に懸濁し、ポリマーが溶解するまで、超音波振動をかけ、100℃以上で加熱した。ポリマーの溶解を確認後、ケッチェンブラック(12mg)を加え、10分間攪拌、5分間脱泡する操作を2回繰り返した。この反応溶液に、融解した8wt%のポリフッ化ビニリデンのN−メチル−2−ピロリドン溶液(1.1g)を加え、10分間攪拌、5分間脱泡する操作を2回繰り返した。その後、反応液を60℃で24時間真空乾燥することにより、電極材料を調製した。
実施例3.本発明の含硫黄ポリマーを用いた二次電極材料の評価
実施例2で製造した電極材料及びマグネシウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドのアセトニトリル溶液を用いて、サイクッリックボルタンメトリー(CV)測定を行ない電気化学的挙動の調査をした。測定には、電気化学測定システム[北斗電工株式会社 HZ−5000もしくはHZ−7000]を使用し、電位走査範囲0.2V−2.0V、走査速度5mVs−1として測定を行なった。結果を図5に示す。連続して10回測定を行ったところ、測定回数ごとの、それぞれの最大酸化電流値および還元電流値にはほとんど差がないことから、本発明の含硫黄ポリマーを、正極における電極材料として用いた場合、ポリスルフィドイオン(硫黄成分)の溶出が抑制されていることが分かった。このため、本発明の含硫黄ポリマーが二次電池用の正極材料として利用できることが分かった。
実施例4.本発明の含硫黄ポリマーを用いたマグネシウム二次電池の作製及び評価
[マグネシウム二次電池用の電極の作製]
製造例6で得た含硫黄ポリマー(80mg)(S−BUMB18C6と称す)をクロロホルム(0.8g)に溶解した。ポリマーの溶解を確認後、ケッチェンブラック(40mg)を加えた。この反応溶液に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、13mg)を加えた後、混合物を集電体に圧着させることにより、S−BUMB18C6電極を作製した。
製造例6で得た含硫黄ポリマー(S−BUMB18C6と称す)を用いたS−BUMB18C6電極の作製と同様の手順によって、製造例5で得た含硫黄ポリマー(S−BUMB24C8と称す)を用いたS−BUMB24C8電極を作製した。
[マグネシウム二次電池の作製及び評価]
上記(電極の調製)において作製したS−BUMB18C6電極又はS−BUMB24C8電極を用い、図6に示されるように、正極に上記電極、電解質にMg(TFSA)/トリエチレングリコールジメチルエーテル(Triglyme)及びセパレータを備え、負極にマグネシウムを用いたマグネシウム二次電池を作製し、充放電測定を行った。S−BUMB18C6電極の充放電の測定結果を図7に示す。
上記S−BUMB18C6電極を用いたマグネシウム二次電池は、レートが0.005Cであり、放電容量が350mAh/gであり、放充電サイクルは10サイクルであった。上記S−BUMB24C8電極を用いたマグネシウム二次電池は、レートが0.005Cであり、放電容量が650mAh/gであり、放充電サイクルは10サイクルであった。
S−BUMB18C6電極及びS−BUMB24C8電極は、マグネシウム二次電池の正極として機能し、本発明の含硫黄ポリマーがマグネシウム二次電池の正極材料として利用できることが明らかとなった。
マグネシウム二次電池において、マグネシウムイオンは二価のイオンであるため、一価のリチウムイオンに比べて正極材料との相互作用が強く、電極反応(マグネシウム挿入脱離反応の速度)が遅いという問題があった。しかし、上述の結果より、本発明の含硫黄ポリマーを含む電池材料は、正極におけるマグネシウム挿入脱離反応が容易に起こる材料であり、正極に適した材料であることがわかった。
また、MgFeSiOを正極に、マグネシウムを負極に、Mg(TFSA)/Triglymeを電解液に用いたマグネシウム二次電池が報告されているが("High energy density rechargeable magnesium battery using earth-abundant and non-toxic elements" Scientific Reports 4, Article number: 5622 Published 11 July 2014)、その作動温度は100℃と高温である。しかし、本発明のS−BUMB18C6電極又はS−BUMB24C8電極を正極に用いたマグネシウム二次電池の作動温度は25℃であり、このことから本発明の電池材料を用いた二次電池は優れているといえる。
本発明の含硫黄ポリマーは、二次電池を含む電池の電極材料、並びに建築産業又は自動車産業において、エラストマー及びゴム材料としての利用が可能である。また、本発明の含硫黄ポリマーをマグネシウム二次電池の正極材料として用いることができ、さらに上記マグネシウム二次電池は、室温で作動する。したがって、高温で作動するときに起こる電池の劣化を防ぐことができ、寿命が長い電池を得ることができる。

Claims (10)

  1. 式(I)
    [式中、R及びRは、それぞれ独立して、
    −COO−,−OCO−,−CONH−,−NHCO−,又は−O−で表される連結基、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜20のアルキレン基、並びに、連結基として−COO−,−OCO−,−CONH−,−NHCO−,及び−O−からなる群より選ばれるいずれか一つ又は二つを有する置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数1〜19のアルキレン基、からなる群より選ばれるいずれか一つを表し、
    は、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基、
    主鎖中に−O−を1以上有する置換若しくは非置換の直鎖又は分枝の炭素数2〜20のアルキレン基、置換又は非置換の芳香族基、置換又は非置換の炭素数3〜7のシクロアルキレン基、及び次式
    (式中、n及びnは、それぞれ独立して、1〜4のいずれかの整数であり、
    破線の結合はベンゼン環の3位又は4位に結合することを表す)で表される基
    からなる群より選ばれるいずれか一つを表す]で表されるジアリル化合物又は
    式(II)
    (式中、Rは、置換又は非置換の直鎖又は分枝の炭素数5〜20のアルキル基を表す)で表されるモノアリル化合物と、
    分子状硫黄(S)とを混合して加熱することにより得られる、含硫黄ポリマー。
  2. 式(I)で表されるジアリル化合物が、以下の式(III)
    (式中、n及びnは、それぞれ独立して、0〜19のいずれかの整数であり、
    は、1〜10のいずれかの整数である。)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の含硫黄ポリマー。
  3. 式(I)で表されるジアリル化合物が、以下の式(V)
    (式中、n及びnは、それぞれ独立して、0〜19のいずれかの整数であり、
    及びnは、それぞれ独立して、1〜4のいずれかの整数であり、
    破線の結合はベンゼン環の3位又は4位に結合することを表す)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の含硫黄ポリマー。
  4. 加熱が、155〜170℃であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の含硫黄ポリマー。
  5. 硫黄と式(I)又は式(II)で表される化合物とのモル比が1:0.01〜1:100であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の含硫黄ポリマー。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の含硫黄ポリマーを含有する電池材料。
  7. 一次電池又は多価カチオン電池を含む二次電池の正極に使用されることを特徴とする、請求項6に記載の電池材料。
  8. 二次電池の負極が、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、及びナトリウムから選ばれるいずれか一つであること特徴とする、請求項7に記載の電池材料。
  9. 二次電池がマグネシウム二次電池であることを特徴とする、請求項7に記載の電池材料。
  10. 請求項9に記載の電池材料を含むことを特徴とする、マグネシウム二次電池。
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