JP2015227147A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ軽量化を図りつつ、従来と比較してビード部の耐久性をより向上したタイヤを提供する。
【解決手段】一対のビードコアと、カーカスプライと、ワイヤチェーファーとを備える空気入りタイヤである。ワイヤチェーファー3が、長手方向に直交する断面が扁平形状である金属線20を、撚り合わせることなく、扁平形状の幅方向とワイヤチェーファー幅方向とが一致するようにゴムGに埋設してなる。金属線の扁平形状断面における厚みをT、幅をW、ワイヤチェーファーにおける金属線の打込み数をPとしたとき、ワイヤチェーファー厚み方向のコード剛性と打込み数Pとの積TStが6.0≦TSt≦12.0を満足し、ワイヤチェーファー幅方向のコード剛性と打込み数Pとの積WStが20.0≦WSt≦200.0を満足し、ワイヤチェーファーにおける金属線の打込み間隙Sが0.7≦S≦1.3を満足する。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、ビード部の耐久性を向上したトラック・バス用空気入りラジアルタイヤに関する。
高内圧で使用されるトラック・バス用タイヤにおいては、リム組み後に内圧を充填すると、ビード部において、カーカスプライの折り返し部端部付近とリムフランジとに挟まれたタイヤ幅方向外側のゴムに、内圧の反力により圧縮変形が発生する。ゴムは非圧縮性であるため、圧縮変形されたゴムは、リムフランジ先端方向に開放されたタイヤ半径方向外側に向かって圧縮変形の分だけ流動し、これにより、カーカスプライの折り返し部端部付近のタイヤ軸方向外側に存在するゴムには、タイヤ半径方向の剪断歪が発生する。
加えて、タイヤに対する荷重負荷時には、タイヤサイド部が大きく撓んで、ビード部もタイヤ幅方向外側に倒れ込み、また、トレッド部の接地面に対する踏み込み部と蹴り出し部とでビード部からサイド部にわたり略タイヤ周方向に変形が生じて、カーカスプライ端にはタイヤ周方向の剪断歪も生ずることが判っている。
上述のような剪断歪からビード部を補強するために、カーカスプライの折り返し部のタイヤ幅方向外側に、チェーファーを配置することが行われている。チェーファーとしては、補強材としてナイロンコードを用いたナイロンチェーファー等の有機繊維製のものの他、補強材として金属コードを用いたワイヤチェーファーが用いられている。特に、トラック・バス用タイヤにおいては、ワイヤチェーファーとナイロンチェーファーとを積層配置することも行われている。例えば、特許文献1には、表面にブラスめっき層を有する鋼線によってコアフィラメントとシースフィラメントを形成した、層撚り又は複撚り構造を有する断面が円形形状のタイヤのチェーファーコード及びそれを用いた車両用タイヤが開示されている。
特開2011−42902号公報(特許請求の範囲等)
近年、省資源化および省エネルギー化の社会的要請から、タイヤについても、低燃費タイヤ、すなわち、転がり抵抗の少ないタイヤの開発が求められており、タイヤの軽量化が強く要求されている。特に、トラック・バス用タイヤ等においては、ビード部の質量を下げることは、タイヤ軽量化のための一つの有力な手段である。複数枚のチェーファーを有するタイヤにおいてビード部の質量を下げるためには、チェーファーの枚数を減らすことが最も簡便な手段と考えられ、例えば、特許文献1のような技術も知られている。
しかしながら、近年のタイヤ高性能化の要請に伴い、前述の剪断歪に対する補強効果をより向上して、ビード部の耐久性を向上したタイヤの実現が求められている。
そこで、本発明の目的は、タイヤ軽量化を図りつつ、タイヤビード部、特に、カーカスプライ端にかかるタイヤ周方向の剪断歪を低減して、従来と比較してビード部の耐久性をより向上したタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解消するためにビード部構造について鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
すなわち、ビード部を補強しているチェーファーは、タイヤに対する荷重負荷時において、ビード部の、タイヤ幅方向外側への倒れ込み変形、および、トレッド部の接地面に対する踏み込み部と蹴り出し部とでビード部からサイド部にわたり略タイヤ周方向に生ずる変形を抑制するという重要な機能を担っている。よって、例えば、ナイロンチェーファーとワイヤチェーファーとの積層構造からナイロンチェーファーを削減するなどによりチェーファーの枚数を減らす場合には、変形抑制効果の低減分を補うことが必須である。
本発明者は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えた結果、ワイヤチェーファーの補強材として用いる金属線の形状および打込み条件を適正化することにより、上記課題を解決することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のタイヤは、一対のビードコアと、該一対のビードコア間でトロイド状に延在し、各ビードコアの周りに内側から外側に折り返されたカーカスプライと、該カーカスプライの折り返し部のタイヤ幅方向外側に配置されたワイヤチェーファーと、を備える空気入りタイヤであって、
前記ワイヤチェーファーが、長手方向に直交する断面が扁平形状である金属線を、撚り合わせることなく、扁平形状の幅方向とワイヤチェーファー幅方向とが一致するようにゴムに埋設してなり、
前記金属線の扁平形状断面における厚みをT(mm)、幅をW(mm)、前記ワイヤチェーファーにおける該金属線の打込み数をP(本/50mm)としたとき、ワイヤチェーファー厚み方向のコード剛性と打込み数Pとの積TSt(=π×(T/2)×W/8×P×420)(Kgf・mm)が下記式(1)、
6.0≦TSt≦12.0 ・・・(1)
で表される関係を満足し、ワイヤチェーファー幅方向のコード剛性と打込み数Pとの積WSt(=π×(W/2)×T/8×P×420)(Kgf・mm)が下記式(2)、
20.0≦WSt≦200.0 ・・・(2)
で表される関係を満足し、かつ、前記ワイヤチェーファーにおける前記金属線の打込み間隙S(=50/P−W)(mm)が、下記式(3)、
0.7≦S≦1.3 ・・・(3)
で表される関係を満足することを特徴とするものである。
本発明のタイヤにおいては、前記ワイヤチェーファーが、前記金属線の延在方向と前記カーカスプライの補強要素の延在方向とが交差するように配置されており、かつ、該ワイヤチェーファーのタイヤ幅方向外側端部の高さと、該カーカスプライの折り返し部端部の高さとの差の絶対値をL(mm)としたとき、下記式(4)、
5.0≦L≦15.0・・・(4)
で表される関係を満足することが好ましい。
本発明によれば、タイヤ軽量化を図りつつ、タイヤビード部、特に、カーカスプライ端にかかるタイヤ周方向の剪断歪を低減して、従来と比較してビード部の耐久性をより向上したタイヤを実現することが可能となった。
本発明のタイヤの一例のトラック・バス用空気入りラジアルタイヤのビード部を示す幅方向断面図である。 本発明に係るワイヤチェーファーの一例を示す幅方向断面図である。 本発明に係る断面が扁平形状の金属線の一例を示す幅方向断面図である。 従来のワイヤチェーファー用補強材の一例としての、断面円形の金属線を3+8構造に撚り合わせた撚りコードを示す幅方向断面図である。 従来のワイヤチェーファー用補強材の一例としての、断面円形の金属線を3+9構造に撚り合わせた撚りコードを示す幅方向断面図である。 各従来例、実施例および比較例における厚み方向のコード剛性×打込み数の値TStと幅方向のコード剛性×打込み数の値WStとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明のタイヤの一例のトラック・バス用空気入りラジアルタイヤのビード部を示す幅方向断面図である。図示するように、本発明のタイヤは、一対のビード部10(図1では片側のみ図示)内にそれぞれ埋設された環状のビードコア1と、一対のビードコア1間でトロイド状に延在する本体部2A、および、各ビードコア1の周りに内側から外側に折り返されて係止された折り返し部2Bを有するカーカスプライ2と、カーカスプライ2の折り返し部2Bのタイヤ幅方向外側に配置されたワイヤチェーファー3と、を備えている。
図2は、本発明に係るワイヤチェーファーの一例を示す幅方向断面図である。図示するように、本発明において、ワイヤチェーファー3は、長手方向に直交する断面が扁平形状である金属線20を、撚り合わせることなく、扁平形状の幅方向とワイヤチェーファー幅方向とが一致するようにゴムGに埋設してなる。ここで、ワイヤチェーファー幅方向とは、ワイヤチェーファーに埋設された金属線の長手方向に直交する方向を意味する。ワイヤチェーファー3において、金属線20は、幅方向に互いに平行に、かつ、間隔を空けて、ゴムGに埋設されてなる。
図3に、本発明に係る断面が扁平形状の金属線の一例の幅方向断面図を示す。また、図4,5に、従来一般的にワイヤチェーファーに使用されていた補強材の一例を示す。図4に示す補強材は、長手方向に直交する断面の形状が略円形である金属線31を撚り合わせた3+8構造の撚りコード30であり、図5に示す補強材は、長手方向に直交する断面の形状が略円形である金属線41を撚り合わせた3+9構造の撚りコード40である。
図示するように、本発明のタイヤは、ワイヤチェーファーに使用する金属線として、従来用いられていた断面が略円形である撚りコードではなく、断面が扁平形状である撚られていないワイヤ(扁平ワイヤ)を用いた点に特徴を有する。図2に示すような断面が扁平形状の金属線は、撚りコードに比べて幅方向の曲げ剛性が非常に高いので、これをワイヤチェーファーに適用することで、タイヤに対する荷重負荷時において、トレッド部の接地面に対する踏み込み部と蹴り出し部とでビード部からサイド部にわたり生ずる略タイヤ周方向変形を小さくすることができる。これにより、カーカスプライの折り返し部端部とその周囲のゴムとの間に生ずる剪断歪を低減することができ、剪断歪に起因するセパレーションの発生を抑制して、結果として、ビード部の耐久性を向上することができる。また、断面が扁平形状の金属線は、撚りコードと比較して厚みを小さくできるため、ワイヤチェーファーの厚みを薄くでき、この点でもタイヤの軽量化を図ることができる。
また、本発明においては、図3に示すように、金属線の扁平形状断面における厚みをT(mm)、幅をW(mm)、ワイヤチェーファー3における金属線20の打込み数をP(本/50mm)としたとき、ワイヤチェーファー厚み方向のコード剛性と打込み数Pとの積TSt(=π×(T/2)×W/8×P×420)(Kgf・mm)が、下記式(1)、
6.0≦TSt≦12.0 ・・・(1)
で表される関係を満足する必要がある。ワイヤチェーファー厚み方向のコード剛性と打込み数との積TStが6.0未満では、ビード部断面内での曲げ剛性が十分に得られず、タイヤの負荷転動時におけるタイヤビード部の倒れ込みが大きくなって、カーカスプライの折り返し端の歪が大きくなり、耐久性が低下する。一方、ワイヤチェーファー厚み方向のコード剛性と打込み数との積TStが12を超えると、曲げ剛性が大き過ぎるために、カーカスプライのタイヤ幅方向外側に配置されたワイヤチェーファーがカーカスプライから浮くなどして、カーカスプライとワイヤチェーファーとの間に空隙が生じ、耐久性が低下する。ここで、打込み数とは、金属線の長手方向と直交する方向のワイヤチェーファーの断面において、単位幅あたりに存在する金属線の本数を意味する。
さらに、本発明においては、ワイヤチェーファー幅方向のコード剛性と打込み数Pとの積WSt(=π×(W/2)×T/8×P×420)(Kgf・mm)が下記式(2)、
20.0≦WSt≦200.0 ・・・(2)
で表される関係を満足することも必要である。ワイヤチェーファー幅方向のコード剛性と打込み数との積WStが20.0未満では、荷重負荷時におけるトレッド部の接地面に対する踏み込み部と蹴り出し部とでビード部からサイド部にわたる略タイヤ周方向の変形が大きくなって、カーカスプライの折り返し部端部の歪が大きくなり、耐久性が低下する。一方、ワイヤチェーファー幅方向のコード剛性と打込み数との積WStが200.0を超えると、荷重負荷時におけるトレッド部の接地面に対する踏み込み部と蹴り出し部とでビード部からサイド部にわたる略タイヤ周方向の変形は小さくなり、カーカスプライの折り返し部端部の歪は小さくなるが、タイヤ幅方向内側のワイヤチェーファー端の歪が大きくなって、耐久性が低下する。好適には、20.0≦WSt≦150.0で表される関係を満足するものとする。
さらにまた、本発明においては、ワイヤチェーファーにおける金属線の打込み間隙S(=50/P−W)(mm)(図2,3参照)が、下記式(3)、
0.7≦S≦1.3 ・・・ (3)
で表される関係を満足することも必要である。打込み間隙Sが0.7mm未満では、隣接する金属線間で亀裂がつながり易くなり、耐久性が低下する。一方、打込み間隙Sが1.3mmを超えると、隣接ワイヤ間が広くなり過ぎてワイヤチェーファーの面内変形が大きくなり、ワイヤチェーファー端の歪が大きくなって、耐久性が低下する。
よって、本発明のタイヤにおいては、ワイヤチェーファーに、幅方向の曲げ剛性が非常に高い扁平ワイヤを用いたことで、従来のワイヤチェーファーよりもカーカスプライ端におけるタイヤ周方向の剪断歪を低下する効果を得ることができるとともに、上記式(1)〜(3)に係る条件を満足するものとしたことで、ワイヤチェーファーの厚み方向および幅方向の剛性並びに金属線の打込み間隙を最適化して、タイヤ軽量化とビード部耐久性の向上とを両立することが可能となった。本発明のタイヤにおいては、1枚のワイヤチェーファーのみで、軽量性と良好なビード部耐久性とを両立できるメリットがある。
本発明において、ワイヤチェーファー3は、金属線20の延在方向とカーカスプライ2の補強要素の延在方向とが、交差するように配置されていることが好ましく、これにより、高い面内曲げ剛性を得ることができ、周方向の剪断歪を抑制することができる。但し、この際、ビードコアの周囲でワイヤチェーファーが折り返される部位において、扁平ワイヤである金属線20に捩りが発生して、この捩りによりワイヤチェーファー3とカーカスプライ2との間のゴムに剪断歪が発生する。この捩りは一定範囲内において、ワイヤチェーファー3の折り返し部の長さが長いほど顕著に現れることになる。この捩りによる剪断歪の影響を抑制する観点からは、ワイヤチェーファー3のタイヤ幅方向外側端部3aの高さと、カーカスプライ2の折り返し部端部2aの高さとの差の絶対値をL(mm)としたとき、下記式(4)、
5.0≦L≦15.0・・・(4)
で表される関係を満足することが好ましい。
ここで、ワイヤチェーファー3のタイヤ幅方向外側端部3aの高さ、および、カーカスプライ2の折り返し部端部2aの高さは、それぞれ、ワイヤチェーファー3またはカーカスプライ2に沿って測った距離をいう。また、ワイヤチェーファー3のタイヤ幅方向外側端部3aの高さと、カーカスプライ2の折り返し部端部2aの高さとの差の絶対値Lとは、カーカスプライの折り返し部端部に、端部の接線の垂直線を引き、ワイヤチェーファーの端部に該垂直線と並行する直線を引いたとき、2本の線の間の距離である。この絶対値Lを5.0以上とすることでワイヤチェーファー3の捩れの影響を抑制して、カーカスプライ2の折り返し部端部2a近傍の剪断歪を、さらに低減することができる。一方、絶対値Lが15.0を超えると、周方向剛性が低下して、剪断歪の抑制効果が低下するので、好ましくない。
なお、ワイヤチェーファー3における金属線40の延在方向は、例えば、カーカスプライ2の補強要素の延在方向に対し、40°〜60°の範囲とすることができる。
本発明において、ワイヤチェーファー3は、カーカスプライ2の折り返し部2Bのタイヤ幅方向外側に少なくとも配置され、通常は図示するように、カーカスプライ2のタイヤ幅方向内側から、カーカスプライ2の折り返し部2Bのタイヤ幅方向外側まで延在する。また、ワイヤチェーファー3のタイヤ幅方向外側端部3aは、カーカスプライ2の折り返し部端部2aよりタイヤ半径方向内側に位置していても、タイヤ半径方向外側に位置していてもよいが、好ましくは、図示するように、カーカスプライ2の折り返し部端部2aよりタイヤ半径方向内側に位置するものとする。
本発明において、扁平形状の金属線20の断面形状としては、具体的には例えば、図3に示すように、一対の平行な直線部21と、その外側に凸となって対向する一対の円弧部22と、を有するトラック形状とすることができる。このような扁平形状の金属線は、通常の円形断面の金属線を製造するための従来の設備および工程をそのまま利用して、その伸線加工の後半部において円形断面の金属線を、ローラ間で圧延するか、または、扁平穴のダイスを通す等により扁平化することで、経済的かつ簡便に製造することが可能である。
本発明のタイヤは、ビード部に配置するワイヤチェーファーに用いる金属線について、上記条件を満足するものであればよく、それ以外のタイヤ構造の詳細や各部材の材質等については特に制限されず、従来公知のもののうちから適宜選択して構成することができる。
例えば、図示する例では、カーカスプライ2は1枚であり、ラジアルカーカスとすることができる。また、本発明のタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、通常のあるいは酸素分圧を変えた空気、または窒素等の不活性ガスを用いることが可能である。本発明は、特に、トラック・バス用空気入りラジアルタイヤにおいて有用である。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1〜7、比較例1〜6および従来例1,2>
図1に示すようなビード構造を有するトラック・バス用空気入りラジアルタイヤ(タイヤサイズ:278/80R22.5)を、タイヤ周方向に対し40°の角度で傾斜するワイヤチェーファーを適用して、作製した。
実施例1〜7および比較例1〜6のタイヤのワイヤチェーファーには、図2,3に示すような、長手方向に直交する断面が扁平形状である金属線(扁平ワイヤ)を、下記表1〜3に示された仕様に従い、扁平形状の幅方向とワイヤチェーファー幅方向とが一致するようにゴムに埋設して、それぞれ用いた。また、従来例1のタイヤのワイヤチェーファーには、図4に示すように、断面が円形である従来の金属線を3+8構造に撚り合せた撚りコードを用いた。さらに、従来例2のタイヤのワイヤチェーファーには、図5に示すように、断面が円形である従来の金属線を3+9構造に撚り合せた撚りコードを用いた。
得られた各供試タイヤにつき、以下に従い各性能試験を実施した。その結果を、下記表1〜3に併せて示す。また、図6に、各実施例、比較例および従来例における、ワイヤチェーファーの厚み方向のコード剛性×打込み数の値TStと、ワイヤチェーファーの幅方向のコード剛性×打込み数の値WStとの関係を示すグラフを示す。なお、図6のグラフ中の破線で囲まれた部分が、前記式(1),(2)の上限値および下限値に対応する。
<ワイヤチェーファー質量>
各供試タイヤに用いたワイヤチェーファーの単位面積あたりの質量を測定し、従来例1を100として指数表示した。この数値が小さいほど、ワイヤチェーファーの質量が小さく、軽量であることを示す。
<ビード部耐久性>
各供試タイヤにつき、最高空気圧を875kPaとし、適用リムを8.25×22.5とした条件の下で、最大負荷能力32.5kNの1.5倍の48.8kNの荷重を負荷し、半径1.7mのドラム試験機上を、ビード部が破壊するまで、時速60kmで走行させる試験を行った。ビード部が破壊するまでの走行距離を測定して、従来例1を100として指数表示した。この数値が大きいほど、優れた結果を示すものである。
Figure 2015227147
Figure 2015227147
Figure 2015227147
上記表1〜3に示すとおり、本発明の条件を満足する実施例1〜7のタイヤは、いずれもビード部耐久性に優れるとともに、軽量性にも優れており、特に、実施例1〜4,6,7については、従来例1対比で30%以上の軽量化が達成された。実施例5,6においては、ワイヤチェーファーのタイヤ幅方向外側端部の高さと、カーカスプライの折り返し部端部の高さとの差が、小さすぎるかまたは大きすぎるために、他実施例よりもビード部耐久性にやや劣る結果となった。
これに対し、従来例2のタイヤは、従来例1のタイヤと同様に撚りコードであるために、幅方向のコード剛性×打込み数の値WStが小さく、ビード耐久性が低下した。また、比較例1のタイヤは、厚み方向のコード剛性×打込み数の値TStが小さく、ビード耐久性が低下しており、比較例2のタイヤは、厚み方向のコード剛性×打込み数の値TStが大きく、ビード耐久性が低下した。さらに、比較例3のタイヤは、幅方向のコード剛性×打込み数の値WStが小さく、ビード耐久性が低下しており、比較例4のタイヤは、幅方向のコード剛性×打込みWStが大きく、ビード耐久性が低下した。さらにまた、比較例5のタイヤは、コード間隙Sが狭すぎるためにビード耐久性が低下しており、比較例6のタイヤは、コード間隙Sが広すぎるために、ビード耐久性が低下した。
1 ビードコア
2 カーカスプライ
2A 本体部
2B 折り返し部
2a カーカスプライの折り返し部端部
3 ワイヤチェーファー
3a ワイヤチェーファーのタイヤ幅方向外側端部
10 ビード部
20,31,41 金属線
21 直線部
22 円弧部
30,40 撚りコード
G ゴム
d 金属線の線径
D 撚りコードの径
T 金属線の厚み
W 金属線の幅
S コード間隙

Claims (2)

  1. 一対のビードコアと、該一対のビードコア間でトロイド状に延在し、各ビードコアの周りに内側から外側に折り返されたカーカスプライと、該カーカスプライの折り返し部のタイヤ幅方向外側に配置されたワイヤチェーファーと、を備える空気入りタイヤであって、
    前記ワイヤチェーファーが、長手方向に直交する断面が扁平形状である金属線を、撚り合わせることなく、扁平形状の幅方向とワイヤチェーファー幅方向とが一致するようにゴムに埋設してなり、
    前記金属線の扁平形状断面における厚みをT(mm)、幅をW(mm)、前記ワイヤチェーファーにおける該金属線の打込み数をP(本/50mm)としたとき、ワイヤチェーファー厚み方向のコード剛性と打込み数Pとの積TSt(=π×(T/2)×W/8×P×420)(Kgf・mm)が下記式(1)、
    6.0≦TSt≦12.0 ・・・(1)
    で表される関係を満足し、ワイヤチェーファー幅方向のコード剛性と打込み数Pとの積WSt(=π×(W/2)×T/8×P×420)(Kgf・mm)が下記式(2)、
    20.0≦WSt≦200.0 ・・・(2)
    で表される関係を満足し、かつ、前記ワイヤチェーファーにおける前記金属線の打込み間隙S(=50/P−W)(mm)が、下記式(3)、
    0.7≦S≦1.3・・・(3)
    で表される関係を満足することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ワイヤチェーファーが、前記金属線の延在方向と前記カーカスプライの補強要素の延在方向とが交差するように配置されており、かつ、該ワイヤチェーファーのタイヤ幅方向外側端部の高さと、該カーカスプライの折り返し部端部の高さとの差の絶対値をL(mm)としたとき、下記式(4)、
    5.0≦L≦15.0 ・・・(4)
    で表される関係を満足する請求項1記載の空気入りタイヤ。
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