JP2015227138A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、ビード部耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することにある。【解決手段】本発明の空気入りタイヤは、カーカス本体部と、カーカス折り返し部とから構成されるカーカスを備え、基準状態において、前記カーカス折り返し部の端部のタイヤ径方向位置を、タイヤ最大幅位置を中心に、タイヤ径方向にタイヤ断面高さSHの?10%以内の範囲に位置させ、前記カーカス折り返し部のタイヤ幅方向外側に、少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層を有し、前記基準状態において、前記少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層のタイヤ径方向最内側点の各々は、前記ビードコア重心位置よりもタイヤ径方向内側に位置し、且つ、前記少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層のうち前記カーカスに最も近い補強層のコードと前記カーカス折り返し部のカーカスプライのプライコードとが、タイヤ径方向内側から外側に向かって同方向に傾斜していることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
トラック・バス用タイヤなどの重荷重用タイヤにおいては、一般的にカーカスプライの折り返し端部が低い(タイヤ径方向内側)位置にあるビード構造を採用している。
しかし、重荷重が負荷されると、荷重によるビード部背面の倒れ込みが大きくなり、カーカスプライの端部の歪みが大きくなり、該プライ端からのセパレーションが発生する場合があった。
しかし、重荷重が負荷されると、荷重によるビード部背面の倒れ込みが大きくなり、カーカスプライの端部の歪みが大きくなり、該プライ端からのセパレーションが発生する場合があった。
これに対し、カーカスプライの折り返し端部のタイヤ径方向位置を、ビード部背面の倒れ込みの影響の少ないタイヤ最大幅位置付近とすることが行われている。さらに、特許文献1に記載のように、カーカスプライの折り返し部のタイヤ幅方向内側及び外側に、それぞれ内側サイド補強層及び外側サイド補強層を配置するとともに、その配置位置を規定してビード部の剛性を高めることも提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の手法によると、重荷重での使用の際に、内側サイド補強層の端部からのセパレーションが発生する場合があり、従って、重荷重使用領域において、ビード部の耐久性を向上させる余地があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ビード部耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部に埋設されたビードコアに係止されるカーカス本体部と、該カーカス本体部から延びて前記ビードコアの周りに折り返されてなるカーカス折り返し部とから構成される、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを備えた、空気入りタイヤであって、
前記空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷状態とした、基準状態において、前記カーカス折り返し部の端部のタイヤ径方向位置を、タイヤ最大幅位置を中心に、タイヤ径方向にタイヤ断面高さSHの±10%以内の範囲に位置させ、
前記カーカス折り返し部のタイヤ幅方向外側に、少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層を有し、
前記基準状態において、前記少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層のタイヤ径方向最内側点の各々は、前記ビードコア重心位置よりもタイヤ径方向内側に位置し、且つ、前記少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層のうち前記カーカスに最も近い補強層のコードと前記カーカス折り返し部のカーカスプライのプライコードとが、タイヤ径方向内側から外側に向かって同方向に傾斜していることを特徴とする。
この構成によれば、ビード部耐久性を向上させることができる。
なお、「同方向」とは、上記カーカスに最も近い補強層のコードと上記カーカス折り返し部のカーカスプライのプライコードとのうちいずれか又は双方がタイヤ径方向に対して0°の角度をなしている場合も含むものとする。
本発明の空気入りタイヤは、一対のビード部に埋設されたビードコアに係止されるカーカス本体部と、該カーカス本体部から延びて前記ビードコアの周りに折り返されてなるカーカス折り返し部とから構成される、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを備えた、空気入りタイヤであって、
前記空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷状態とした、基準状態において、前記カーカス折り返し部の端部のタイヤ径方向位置を、タイヤ最大幅位置を中心に、タイヤ径方向にタイヤ断面高さSHの±10%以内の範囲に位置させ、
前記カーカス折り返し部のタイヤ幅方向外側に、少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層を有し、
前記基準状態において、前記少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層のタイヤ径方向最内側点の各々は、前記ビードコア重心位置よりもタイヤ径方向内側に位置し、且つ、前記少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層のうち前記カーカスに最も近い補強層のコードと前記カーカス折り返し部のカーカスプライのプライコードとが、タイヤ径方向内側から外側に向かって同方向に傾斜していることを特徴とする。
この構成によれば、ビード部耐久性を向上させることができる。
なお、「同方向」とは、上記カーカスに最も近い補強層のコードと上記カーカス折り返し部のカーカスプライのプライコードとのうちいずれか又は双方がタイヤ径方向に対して0°の角度をなしている場合も含むものとする。
ここで、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation)STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定された標準リムをいうものとする。また、また、「規定内圧」とは、上記所定の産業規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧である。
また、本発明の空気入りタイヤにあっては、前記補強層のタイヤ径方向最外側位置を、ビードヒール側からタイヤ断面高さSHの40%以下とすることが好ましい。
この構成によれば、ビード部耐久性をさらに向上させることができる。
なお、「タイヤ断面高さ」とは、タイヤの外径と適用リムのリム径との差の1/2をいう。
この構成によれば、ビード部耐久性をさらに向上させることができる。
なお、「タイヤ断面高さ」とは、タイヤの外径と適用リムのリム径との差の1/2をいう。
さらに、本発明の空気入りタイヤでは、タイヤ周方向断面において、前記少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層のうち前記カーカスに最も近い補強層のコードがタイヤ径方向に対してなす角度θ1(°)と、前記カーカス折り返し部のカーカスプライのプライコードがタイヤ径方向に対してなす角度θ2(°)との差の大きさは、40°以下であることが好ましい。
この構成によれば、ビード部耐久性をより一層向上させることができる。
ここで、上記角度θ1、θ2は、タイヤ径方向に対する鋭角側の角度をいうものとする。また、角度θ2(°)が一定でない場合は、最大角度をなす部分をθ2(°)とするものとする。
この構成によれば、ビード部耐久性をより一層向上させることができる。
ここで、上記角度θ1、θ2は、タイヤ径方向に対する鋭角側の角度をいうものとする。また、角度θ2(°)が一定でない場合は、最大角度をなす部分をθ2(°)とするものとする。
ここで、本発明の空気入りタイヤにおいては、タイヤ周方向断面において、前記カーカス折り返し部のカーカスプライのプライコードがタイヤ径方向に対してなす角度θ2(°)は、20°以下であることが好ましい。
この構成によれば、プライコードの破断を抑制してビード部耐久性をより一層向上させることができる。
この構成によれば、プライコードの破断を抑制してビード部耐久性をより一層向上させることができる。
本発明によれば、ビード部耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に例示説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤ(以下、単にタイヤとも称する)のタイヤ幅方向の概略的な部分断面図である。なお、図1においては、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷状態とした、基準状態の際のタイヤのタイヤ幅方向断面を示している。
図1に示すように、本実施形態のタイヤは、一対の(図1では片側のみ示している)ビード部1に埋設されたビードコア1aに係止されるカーカス本体部2aと、カーカス本体部2aから延びてビードコア1aの周りに折り返されてなるカーカス折り返し部2bとから構成される、少なくとも1枚の(図示例では1枚の)カーカスプライからなるカーカス2を備えている。カーカスプライのコードの材質は、特には限定しないが、例えばスチールコード等を用いることができる。
また、図1に示すように、カーカス2のクラウン部のタイヤ径方向外側には、図示例で2層のベルト層3a、3bからなるベルト3、及びトレッド4が順に配置されている。本実施形態では、2層のベルト層3a、3bは、ベルトコードがタイヤ周方向に対して傾斜して延び、層間でベルトコードが互いに交差する、傾斜ベルト層である。なお、本実施形態のタイヤでは、2層のベルト層からなるベルト構造を有しているが、本発明は、ベルト構造は、特に限定されず、ベルトの層数やベルト層の幅やベルトコードの傾斜角度等は、適宜決定することができる。また、ベルト3のタイヤ径方向内側又は外側にさらにタイヤ周方向に延びるコードからなる1層以上のベルト補強層を任意に有することができる。また、ベルトコードの材質は、特には限定しないが、例えばスチールコード等を用いることができる。
さらに、図1に示すように、本実施形態のタイヤでは、上記基準状態において、カーカス折り返し部2bの端部2cのタイヤ径方向位置は、タイヤ最大幅位置Pを中心に、タイヤ径方向にタイヤ断面高さSHの±10%以内の範囲Zに位置している。
また、図1に示すように、本実施形態のタイヤは、カーカス折り返し部2bのタイヤ幅方向外側に、図示例で3層の補強層5、6a、6bを有している。最も内周側の(カーカス2に近い)補強層5は、スチールコードからなるワイヤーチェーファであり、図1に示すように、カーカス折り返し部2bに沿って延在する部分と、該部分に連続してビードコア1aの周りで折り返されてカーカス本体部2aに沿って延在する部分とを有している。
さらに、図1に示すように、このタイヤは、ワイヤーチェーファ5の外周側に、この例で2層の有機繊維のコードからなるテキスタイルチェーファ6a、6bを有している。有機繊維としては、特には限定しないが、例えば、脂肪族ポリアミド(ナイロン)等を用いることができる。図1に示す例では、2層の補強層6a、6bは、カーカス折り返し部2bに沿って延在する部分と、該部分に連続してビードコア1aの周りで折り返されてカーカス本体部2aに沿って延在する部分とを有している。
一方で、本発明のタイヤでは、補強層5、6は、カーカス折り返し部2bのタイヤ幅方向外側でのみ延在するように設けられていても良い。
一方で、本発明のタイヤでは、補強層5、6は、カーカス折り返し部2bのタイヤ幅方向外側でのみ延在するように設けられていても良い。
また、図1に示すように、有機繊維のコードからなる補強層6a、6bのタイヤ径方向最内側点を、それぞれQa、Qbとすると、本実施形態のタイヤでは、点Qa、Qbは、ビードコア1aの重心位置Gよりもタイヤ径方向内側に位置している。
ここで、図2(a)は、カーカス2及び2層の有機繊維のコードからなる補強層6a、6bのうちカーカス2に最も近い(図1に示す例で最も内周側にある)補強層6aのみを示した模式的なタイヤ幅方向断面図である。また、図2(b)は、図2(a)の矢印Aの方向から見た際のカーカス2及び補強層6aを示す図である。
図2(a)(b)に示すように、本実施形態のタイヤでは、上記基準状態において、補強層6aのコードとカーカス折り返し部2bのカーカスプライのプライコードは、タイヤ径方向内側から外側に向かって同方向(タイヤ周方向の同一の一方向)に傾斜している。図2(b)では、補強層6aのコードがタイヤ径方向に対してなす角度をθ1(°)とし、カーカス折り返し部2bのカーカスプライのプライコードがタイヤ径方向に対してなす角度をθ2(°)として示している。
以下、本実施形態のタイヤの作用効果について説明する。
以下、本実施形態のタイヤの作用効果について説明する。
本実施形態のタイヤによれば、まず、基準状態における、カーカス折り返し部2bの端部2cのタイヤ径方向位置を、タイヤ変形量の小さい、タイヤ最大幅位置Pを中心に、タイヤ径方向にタイヤ断面高さSHの±10%以内の範囲Zに位置させているため、カーカスプライの端部の位置での歪みが低減して、カーカスプライの端部からのセパレーションを抑制することができる。
また、本実施形態のタイヤは、カーカス折り返し部2bのタイヤ幅方向外側において、ワイヤーチェーファ5の外周側に、有機繊維のコードからなる補強層6a、6bを有している。このため、ワイヤーチェーファ5を1層のみ有する場合と比較して、この部分の剛性を高めることができる。また、有機繊維のコードは、スチールコード等に比べて端部の伸縮性を有するため、ワイヤーチェーファ5の層数を増やして剛性を高める場合と比べて、補強層の端部からのセパレーションの発生を抑制することができる。また、この補強層6a、6bは、カーカス折り返し部2bのタイヤ幅方向外側に配置されているため、この部分を補強してカーカス折り返し部2bの歪みも低減することができる。
さらに、本実施形態のタイヤでは、カーカスプライの折り返し部のタイヤ幅方向内側には、補強層を有していないため、重荷重が負荷された際に内側サイド補強層のコードの端部からセパレーションが発生するおそれもない。
さらに、本実施形態のタイヤでは、カーカスプライの折り返し部のタイヤ幅方向内側には、補強層を有していないため、重荷重が負荷された際に内側サイド補強層のコードの端部からセパレーションが発生するおそれもない。
さらに、有機繊維の補強層6a、6bは、ワイヤーチェーファと比較すると、補強層6a、6bの伸縮性があるために、剛性自体は落ちるものの、本実施形態のタイヤでは、上記基準状態において、有機繊維の補強層6a、6bのタイヤ径方向最内側点Qa、Qbをビードコア1aの重心位置Gよりもタイヤ径方向内側に位置させているため、ビードコア1aが有機繊維の補強層6a、6bをタイヤ幅方向外側に押し付ける力によって、有機繊維の補強層6a、6bのタイヤ径方向内側部分を固定(自由に伸縮性できなくする)して剛性を確保することができる。
さらにまた、本実施形態のタイヤでは、補強層6aの有機繊維コードとカーカス折り返し部2bのカーカスプライのプライコードとが、タイヤ径方向内側から外側に向かってタイヤ周方向の同方向に傾斜している。これらのコードがタイヤ周方向の反対方向に傾斜して交錯する場合、当該交錯部分の剛性が高まって歪みが緩和されにくくなるが、本実施形態では、コードが交錯する場合に比べて、タイヤ周方向の歪みを緩和して、しなやかな変形をさせることができる。
以上の効果により、本実施形態のタイヤによれば、ビード部耐久性を向上させることができる。
以上の効果により、本実施形態のタイヤによれば、ビード部耐久性を向上させることができる。
ここで、本発明にあっては、補強層6a、6bのタイヤ径方向最外側位置Pa、Pbを、ビードヒール側からタイヤ断面高さSHの40%以下とすることが好ましい。
上記の範囲とすることにより、補強層6a、6bのタイヤ径方向最外側位置Pa、Pbと、カーカス折り返し部2bの端部2cとの距離を確保して、仮に、補強層6又はカーカス折り返し部2bの端部2cのうちの一方で発生したセパレーションが他方に繋がるのを抑制して、ビード部耐久性をさらに向上させることができるからである。
上記の範囲とすることにより、補強層6a、6bのタイヤ径方向最外側位置Pa、Pbと、カーカス折り返し部2bの端部2cとの距離を確保して、仮に、補強層6又はカーカス折り返し部2bの端部2cのうちの一方で発生したセパレーションが他方に繋がるのを抑制して、ビード部耐久性をさらに向上させることができるからである。
また、本発明にあっては、タイヤ周方向断面において、補強層6aのコードがタイヤ径方向に対してなす角度θ1(°)とカーカス折り返し部のカーカスプライのプライコードがタイヤ径方向に対してなす角度θ2(°)との差の大きさは、40°以下であることが好ましい。
上記の範囲とすることにより、より一層歪みを緩和することができ、ビード部の耐久性をさらに向上させることができるからである。
上記の範囲とすることにより、より一層歪みを緩和することができ、ビード部の耐久性をさらに向上させることができるからである。
さらに、本発明では、タイヤ周方向断面において、カーカス折り返し部2bのカーカスプライのプライコードがタイヤ径方向に対してなす角度θ2(°)は、20°以下であることが好ましい。ビード部1が荷重によってリムフランジ側に倒れ込んだ際に、カーカス折り返し部2bのカーカスプライのコードに圧縮力が働くが、角度θ2を20°以下とすることにより、該圧縮力によってコードが座屈するのを抑制して、コード破断が生じるのを抑制し、ビード部耐久性をさらに向上させることができるからである。
なお、本発明にあっては、上記の実施形態のように、有機繊維のコードからなる補強層6a、6bの内周側にスチールコードからなる補強層5を配置することが好ましい。剛性の高いワイヤーチェーファを併用することにより、ビード部耐久性を高めることができるからである。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
本発明の効果を確かめるため、発明例1〜4にかかるタイヤと、比較例1〜4にかかるタイヤを試作した。各タイヤの諸元は、以下の表1に示している。そして、各タイヤに対し、ビード部の耐久性を評価する試験を行った。
なお、各タイヤは、図1に示すように、一対のビード部に埋設されたビードコアに係止されるカーカス本体部と、該カーカス本体部から延びてビードコアの周りに折り返されてなるカーカス折り返し部とから構成される、1枚のカーカスプライからなるカーカスを備えたタイヤであり、2層のベルト層を備えたものである。
そして、表1において、「端部2cのタイヤ径方向位置」が「範囲Z内(外)」とは、基準状態において、カーカス折り返し部2bの端部2cのタイヤ径方向位置がタイヤ最大幅位置Pを中心に、タイヤ径方向にタイヤ断面高さSHの±10%以内の範囲に位置している(いない)ことを意味する。また、表1において、「折り返し部2bのタイヤ幅方向外側」とは、有機繊維のコードからなる補強層6a、6bが折り返し部2bのタイヤ幅方向外側に配置されていることを意味する。さらに、表1において、「位置Qa,Qb」とは、上記のように、それぞれ、補強層6a、6bのタイヤ径方向最内側点を意味する。また、表1において、「同方向に傾斜」とは、補強層6aのコードとカーカス折り返し部2bのカーカスプライのプライコードとが、タイヤ径方向内側から外側に向かって同方向に傾斜していることを意味する。さらにまた、「位置Pa,Pb」とは、補強層6a、6bのタイヤ径方向最外側位置を意味し、「SHのx%」とは、補強層6a、6bのタイヤ径方向最外側位置がビードヒール側からタイヤ断面高さSHのx%の位置であることを意味する。なお、角度θ1は、上記のように、基準状態において、補強層6aのコードがタイヤ径方向に対してなす角度であり、角度θ2は、上記のように、基準状態において、カーカス折り返し部2bのカーカスプライのプライコードがタイヤ径方向に対してなす角度である。
なお、各タイヤは、図1に示すように、一対のビード部に埋設されたビードコアに係止されるカーカス本体部と、該カーカス本体部から延びてビードコアの周りに折り返されてなるカーカス折り返し部とから構成される、1枚のカーカスプライからなるカーカスを備えたタイヤであり、2層のベルト層を備えたものである。
そして、表1において、「端部2cのタイヤ径方向位置」が「範囲Z内(外)」とは、基準状態において、カーカス折り返し部2bの端部2cのタイヤ径方向位置がタイヤ最大幅位置Pを中心に、タイヤ径方向にタイヤ断面高さSHの±10%以内の範囲に位置している(いない)ことを意味する。また、表1において、「折り返し部2bのタイヤ幅方向外側」とは、有機繊維のコードからなる補強層6a、6bが折り返し部2bのタイヤ幅方向外側に配置されていることを意味する。さらに、表1において、「位置Qa,Qb」とは、上記のように、それぞれ、補強層6a、6bのタイヤ径方向最内側点を意味する。また、表1において、「同方向に傾斜」とは、補強層6aのコードとカーカス折り返し部2bのカーカスプライのプライコードとが、タイヤ径方向内側から外側に向かって同方向に傾斜していることを意味する。さらにまた、「位置Pa,Pb」とは、補強層6a、6bのタイヤ径方向最外側位置を意味し、「SHのx%」とは、補強層6a、6bのタイヤ径方向最外側位置がビードヒール側からタイヤ断面高さSHのx%の位置であることを意味する。なお、角度θ1は、上記のように、基準状態において、補強層6aのコードがタイヤ径方向に対してなす角度であり、角度θ2は、上記のように、基準状態において、カーカス折り返し部2bのカーカスプライのプライコードがタイヤ径方向に対してなす角度である。
<ビード部耐久性>
上記各タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填して、ドラム上を走行させ、ビード部が破壊されるまでの走行距離により、ビード部耐久性を評価するドラム試験を行った。評価は、比較例1にかかる評価結果を100とした指数で示し、数値が大きいほうがビード部耐久性に優れていることを示す。
以下の表1にタイヤの諸元とともに評価結果を示す。
上記各タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填して、ドラム上を走行させ、ビード部が破壊されるまでの走行距離により、ビード部耐久性を評価するドラム試験を行った。評価は、比較例1にかかる評価結果を100とした指数で示し、数値が大きいほうがビード部耐久性に優れていることを示す。
以下の表1にタイヤの諸元とともに評価結果を示す。
表1に示すように、発明例1〜4にかかるタイヤは、いずれも比較例1〜4にかかるタイヤよりビード部耐久性に優れていることがわかる。
特に、補強層6a、6bのタイヤ径方向最外側位置Pa、Pbを、ビードヒール側からタイヤ断面高さSHの40%以下とした、発明例1にかかるタイヤは、発明例2より、ビード部耐久性に優れていることがわかる。
また、角度θ1(°)と角度θ2(°)との差の大きさが40°以下である発明例1は、発明例3より、ビード部耐久性に優れていることがわかる。
さらに、角度θ2(°)が20°以下である、発明例1にかかるタイヤは、発明例4より、ビード部耐久性に優れていることがわかる。
特に、補強層6a、6bのタイヤ径方向最外側位置Pa、Pbを、ビードヒール側からタイヤ断面高さSHの40%以下とした、発明例1にかかるタイヤは、発明例2より、ビード部耐久性に優れていることがわかる。
また、角度θ1(°)と角度θ2(°)との差の大きさが40°以下である発明例1は、発明例3より、ビード部耐久性に優れていることがわかる。
さらに、角度θ2(°)が20°以下である、発明例1にかかるタイヤは、発明例4より、ビード部耐久性に優れていることがわかる。
1 ビード部
1a ビードコア
2 カーカス
2a カーカス本体部
2b カーカス折り返し部
2c カーカス折り返し部の端部
3 ベルト
3a、3b ベルト層
4 トレッド
5 補強層(ワイヤーチェーファ)
6、6a、6b 補強層(テキスタイルチェーファ)
SH タイヤ断面高さ
P タイヤ最大幅位置
G ビードコアの重心位置
Qa 補強層6aのタイヤ径方向最内側点
Qb 補強層6bのタイヤ径方向最内側点
1a ビードコア
2 カーカス
2a カーカス本体部
2b カーカス折り返し部
2c カーカス折り返し部の端部
3 ベルト
3a、3b ベルト層
4 トレッド
5 補強層(ワイヤーチェーファ)
6、6a、6b 補強層(テキスタイルチェーファ)
SH タイヤ断面高さ
P タイヤ最大幅位置
G ビードコアの重心位置
Qa 補強層6aのタイヤ径方向最内側点
Qb 補強層6bのタイヤ径方向最内側点
Claims (4)
- 一対のビード部に埋設されたビードコアに係止されるカーカス本体部と、該カーカス本体部から延びて前記ビードコアの周りに折り返されてなるカーカス折り返し部とから構成される、少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを備えた、空気入りタイヤであって、
前記空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷状態とした、基準状態において、前記カーカス折り返し部の端部のタイヤ径方向位置を、タイヤ最大幅位置を中心に、タイヤ径方向にタイヤ断面高さSHの±10%以内の範囲に位置させ、
前記カーカス折り返し部のタイヤ幅方向外側に、少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層を有し、
前記基準状態において、前記少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層のタイヤ径方向最内側点の各々は、前記ビードコア重心位置よりもタイヤ径方向内側に位置し、且つ、前記少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層のうち前記カーカスに最も近い補強層のコードと前記カーカス折り返し部のカーカスプライのプライコードとが、タイヤ径方向内側から外側に向かって同方向に傾斜していることを特徴とする、空気入りタイヤ。 - 前記補強層のタイヤ径方向最外側位置を、ビードヒール側からタイヤ断面高さSHの40%以下とした、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ周方向断面において、前記少なくとも1層の有機繊維のコードからなる補強層のうち前記カーカスに最も近い補強層のコードがタイヤ径方向に対してなす角度θ1(°)と、前記カーカス折り返し部のカーカスプライのプライコードがタイヤ径方向に対してなす角度θ2(°)との差の大きさは、40°以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- タイヤ周方向断面において、前記カーカス折り返し部のカーカスプライのプライコードがタイヤ径方向に対してなす角度θ2(°)は、20°以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115485151A (zh) * | 2020-05-27 | 2022-12-16 | 株式会社普利司通 | 充气轮胎 |
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2014
- 2014-06-02 JP JP2014114172A patent/JP2015227138A/ja active Pending
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CN115485151A (zh) * | 2020-05-27 | 2022-12-16 | 株式会社普利司通 | 充气轮胎 |
CN115485151B (zh) * | 2020-05-27 | 2024-05-03 | 株式会社普利司通 | 充气轮胎 |
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