以下、本発明を、パチンコ遊技機である遊技機1に適用した実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に示すように、遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2と、外枠Woと、前枠Wfと、ガラス枠を有している。外枠Woは、遊技機1の外枠を構成し、前枠Wfは、外枠Woの前面に取り付けられている。そして、ガラス枠は、前記前枠Wfに開閉可能にヒンジで取り付けられている。
遊技盤2の縁には、外側誘導レール3及び内側誘導レール4が略円形に配置されている。そして、前記遊技盤2上には、遊技領域Rが、前記外側誘導レール3及び内側誘導レール4によって区画されている。当該遊技領域Rには、複数の誘導釘が遊技盤2表面に設けられており、遊技球を誘導する。
又、遊技機1は、発射装置30と、上側球受け皿32と、下側球受け皿33と、スピーカ34と、遊技者によって操作可能な操作ハンドルユニット35や遊技ボタンスイッチと、装飾ランプ等からなるランプ装置と、を当該遊技機1の前面に有している。発射装置30は、操作レバー31を用いた遊技者の発射操作に応じて、遊技球を前記遊技領域Rへ向けて弾発発射するための装置である。上側球受け皿32は、発射装置30へ供給する遊技球と、払い出された遊技球とを受けるための受け皿である。下側球受け皿33は、上側球受け皿32の満杯時に遊技球を受けるための受け皿である。スピーカ34は、遊技機1における遊技の進行状況に応じて、効果音等を発する。
そして、操作ハンドルユニット35は、遊技機1の左下方に配設されており、遊技機1での遊技において、遊技者によって操作される操作部である。当該操作ハンドルユニット35は、ハンドル部材36と、ハンドルスイッチ37とを有して構成されており、ハンドル部材36に対する遊技者の入力操作を、ハンドルスイッチ37で検出することによって、遊技者の入力操作を、後述する特定演出等に利用可能に構成されている。
前記遊技領域Rの中心線上には、上部から下部に向かって順に、図柄表示装置5と、第1始動入賞口11を有する入賞装置10と、アウト口27が配設されている。そして、入賞装置10の右上には、第2始動入賞口21と、図柄変動開始用ゲート23と、大入賞口25が配設されており、入賞装置10の左上には、風車22が配設されている。前記第1始動入賞口11が配設された入賞装置10と、第2始動入賞口21と、大入賞口25は、遊技盤2に形成された遊技領域R内を流下する遊技球が入賞(入球)可能な複数の入賞装置に相当し、各入賞口に遊技球が入賞(入球)して入賞(入球)が検出された場合、一の入賞球の検出に対して所定個数の賞品球(遊技球)が遊技者に払い出される。尚、一の入賞球の検出に対する賞品球(遊技球)の払出個数は、前記入賞口(入賞装置)毎に設定されている。
前記図柄表示装置5は、図柄等が表示可能なものであって、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成されており、特別図柄表示部6と、普通図柄表示部7を有している。又、図柄表示装置5は、特別図柄保留球数及び普通図柄保留球数を表示する。特別図柄保留球数は、特別図柄表示部6における特別図柄の変動表示中に、前記第1始動入賞口11、第2始動入賞口21に対する遊技球の入賞回数を意味し、特別図柄に対する当否判定の保留を意味する。普通図柄保留球数は、図柄表示装置5における普通図柄の変動表示中に、前記図柄変動開始用ゲート23を遊技球が通過した回数を意味する。
そして、図柄表示装置5の特別図柄表示部6は、当否判定の結果を表示する為の特別図柄を変動表示可能な表示手段であり、左特別図柄と、中特別図柄と、右特別図柄とを、それぞれ変動表示し、所定時間変動表示した後、当否判定の結果に基づき左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄を停止表示する。特別図柄表示部6は、特別図柄に加え、背景画像(キャラクタ、背景、文字等を含む)を表示可能に構成されており、当該背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっていてもよい。又、本実施形態では、遊技機1は、入賞順を記憶し入賞順に変動を開始するように構成されている。
又、特別図柄は、上述したように左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄を含んでおり、それぞれ『0、1、2、3、4、5、6、7、8、9』の10通りの数字図柄によって構成されている。当該特別図柄は、大当たり後も低確率状態での遊技となる普通図柄(0、2、4、6、8)と、大当たり後、高確率遊技となる確変図柄(1、3、5、7、9)で構成されている。本実施形態においては、遊技の当否判定結果が大当たり(当たり)の場合には、前記特別図柄表示部6に大当たりの特別図柄組合せ(例えば、『1、1、1』(いわゆる‘1’のゾロ目)や『2、2、2』(いわゆる‘2’のゾロ目)等、同一数字の組合せ)で特別図柄が停止表示され、遊技者に有利な特典を付与する大当たり遊技(特別遊技)に移行する。遊技者に有利な特典は、本実施例では、遊技者による遊技球の獲得し易さ増大に設定されている。
図柄表示装置5における普通図柄表示部7は、記号或いは絵(キャラクター)等の小当たり判定用普通図柄を、変動表示及び停止表示する。当該普通図柄表示部7に変動及び停止表示される普通図柄は、『○』と『×』の2種類からなり、小当たり(普通図柄当たり)の場合には、小当たり普通図柄『○』で停止表示される。一方、小当たり外れ(普通図柄外れ)の場合には、小当たり外れ普通図柄『×』で停止表示される。
又、前記遊技盤2の背面には、第1始動入賞口検出スイッチが、入賞球用通路に設けられており、前記第1始動入賞口11への遊技球の入賞を検出する。前記第1始動入賞口11への遊技球の入賞検出は、乱数値の取得の起因および前記特別図柄の変動表示開始の起因とされ、更には、遊技者にとって有利となる大当たり状態となるか否かを判定する当否判定手段の判定を行うための判定条件の成立に設定されている。
又、前記特別図柄表示部6で特別図柄の変動表示中に、第1始動入賞口11に遊技球が入賞しても、直ちに新たな特別図柄の変動表示を開始することができない為、遊技機1は、前記第1始動入賞口11への入賞回数を特別図柄保留球数として記憶し、前記特別図柄表示部6における特別図柄の変動表示を一旦保留すると共に、前記特別図柄保留球数の記憶値を図柄表示装置5に表示する。そして、当該遊技機1は、前記特別図柄表示部6における前記特別図柄の変動開始によって、或いは変動終了による当否判定結果の表示によって、前記特別図柄保留球数の記憶値を減算すると共に、図柄表示装置5における特別図柄保留球数の表示個数を減らす。尚、前記第1始動入賞口11、第2始動入賞口21への入賞回数記憶値の上限値は、当該変動中の記憶を除いて4に設定されている。
尚、特別図柄保留球数が設定上限数まで記憶されている時には、前記第1始動入賞口検出スイッチがそれ以上遊技球の入賞を検出しても、特別図柄保留球数としては記憶されない無効球とされる。当該無効球については、遊技機1は、特別図柄の変動及び当否判定を行うことなく、入賞に対する賞品球(賞品遊技球)を所定数払い出す。
第2始動入賞口21は、大当たり状態時、或いは高確率状態時や時短状態時(変動時間が短縮し、開閉部材が高確率状態と同様に通常よりも開放し易い状態)に遊技領域Rの右側に向かって発射された遊技球を入賞可能に構成されている。第2始動入賞口21は、遊技機1背面に配設された第2始動入賞口用ソレノイドによって、遊技球の入賞困難な閉状態(通常状態)と、遊技球の入賞可能な開状態との間を変化可能に制御されている。又、第2始動入賞口21は、閉状態の時は入賞出来ない或いは入賞が困難な状態となっているため、開状態にならないと入賞し難い構成になっている。第2始動入賞口21の開状態への移行は、前記普通図柄表示部7で普通図柄が変動した後、小当たりを示す特定の普通図柄(本実施形態では『○』)で確定停止表示された時に行われる。
前記図柄変動開始用ゲート23は、前記遊技盤2背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチによって、図柄変動開始用ゲート23を通過する遊技球が検出された場合に、前記普通図柄表示部7における普通図柄の変動を開始させる。又、当該遊技機1は、前記普通図柄の変動表示中に、前記図柄変動開始用ゲート23を遊技球が通過することによって発生する普通図柄の変動を、最高4回まで普通図柄保留球数として記憶すると共に、図柄表示装置5における普通図柄保留球数値を表示する。そして、遊技機1は、普通図柄の変動開始によって、普通図柄保留球数を減らし、図柄表示装置5における普通図柄保留球数の表示個数を減らす。
前記大入賞口25は、前記遊技盤2の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板26を備えている。大入賞口25は、通常、開閉板26によって閉塞された状態とされ、当否判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技(特別遊技)時に、所定ラウンド開放される。大入賞口25内には、入賞球数カウントスイッチが配設されており、大入賞口25に入賞した入賞球を検出する。尚、第1始動入賞口検出スイッチ、第2始動入賞口検出スイッチ、入賞球数カウントスイッチは、入賞装置に入賞した遊技球を検出する入賞検出手段に相当する。
発射装置30は、遊技機1の右下方に配設されており、操作レバー31の操作により駆動する発射モータを、遊技機1裏側に有している。当該発射装置30は、操作レバー31の操作に伴う当該発射モータの駆動によって、遊技領域Rに向けて遊技球を弾発発射する。前記発射装置30により発射された遊技球は、前記遊技盤2表面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して、遊技領域Rに誘導される。前記遊技領域Rに誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口27から遊技盤2裏側へ排出される。
そして、前記遊技機1の裏側には、複数の制御基板や装置等が配設されている。制御基板の主なものとしては、主制御基板40と、サブ制御基板50と、表示制御基板55と、音声制御基板60と、払出制御基板65と、発射制御基板70と、電源基板等を有している。又、装置としては、貸球払出装置66と、賞球払出装置67と、外部端子と、球無し検出スイッチと、球貯留タンクと、球誘導樋とを有している。各制御基板は、単独で又は複数まとめてケースに収納された状態で遊技機1の裏側に配置されている。
次に、本実施形態に係る遊技機1に配設される入賞装置10の概略構成について、図2を参照しつつ説明する。上述したように、入賞装置10は、遊技機1の中心線上に沿って、図柄表示装置5の下方に配設されており(図1参照)、第1始動入賞口11を介して、遊技領域Rを流下する遊技球を当該入賞装置10内部に入賞可能に構成されている。本実施形態に係る遊技機1においては、入賞装置10は、第1始動入賞口11に入賞した遊技球を用いて、或る所定の予告演出(即ち、特定演出)に続いて行われる予告演出を決定する際に用いられる。
図2に示すように、当該入賞装置10は、回転可能に配設されたクルーン部材15をその内部に有しており、第1始動入賞口11を介して入賞装置10内部に入賞した遊技球を、遊技球流路12を介して、クルーン部材15に形成された複数の入球部16(第1入球部16A〜第6入球部16F)の何れかに収容可能に構成されている。尚、クルーン部材15は、本発明に係る回転部材の一例である。そして、当該遊技機1は、後述するように、遊技球がクルーン部材15における複数の入球部16の何れに収容されたかを特定することにより、複数の選択肢(即ち、予告演出の種類)から一を決定する。
遊技球流路12は、入賞装置10の内部において、第1始動入賞口11に対して入賞した遊技球が流下する流路であって、所定箇所に形成された分岐点から第1流路12Aと、第2流路12Bとに分岐している。図2に示すように、第1流路12Aは、遊技球流路12の内、遊技球流路12の分岐点とクルーン部材15の配設部分の間をつなぐように形成された流路であり、遊技球流路12を流下する遊技球を、分岐点からクルーン部材15へ案内する。そして、第2流路12Bは、遊技球流路12の内、遊技球流路12の分岐点から、第1流路12Aとは異なる方向に延びており、遊技球流路12の遊技球を、アウト口27に入った遊技球と同様に、アウト球として排出する。
流路切替部材13は、遊技球流路12における第1流路12Aと第2流路12Bとの分岐点において、第1状態と第2状態の間を揺動自在に軸支されており、分岐点まで流下した遊技球の案内先を、第1流路12Aと第2流路12Bの何れかに切り替え可能に構成されている。流路切替部材13は、図2中、実線で示す第1状態をとることにより、第1始動入賞口11に入賞した遊技球を、分岐点から第1流路12Aへ案内する。そして、図2中、破線で示す第2状態をとった場合、流路切替部材13は、第1始動入賞口11に入賞した遊技球を、分岐点から第2流路12Bへ案内する。
そして、遊技球流路12の第1流路12A上には、遊技球貯留ユニット14が配設されており、当該遊技球貯留ユニット14まで流下してきた遊技球を貯留する貯留状態と、遊技球貯留ユニット14における遊技球の貯留を解除し、クルーン部材15の配設部分に向かう遊技球の流下を許容した解除状態とに変更可能に構成されている。当該遊技機1は、後述するサブ制御基板50の制御プログラムに従って、遊技球貯留ユニット14の貯留状態と解除状態を制御する。
図2に示すように、クルーン部材15は、入賞装置10内部に回転可能に軸支されており、その回転軸を中心とした放射状に、複数の入球部16(第1入球部16A〜第6入球部16F)を有している。第1入球部16A〜第6入球部16Fからなる各入球部16は、第1始動入賞口11を介して、第1流路12Aを流下した遊技球を、それぞれ収容可能に構成されている。当該遊技機1の入賞装置10においては、サブ制御基板50による回転駆動用モータ(図示せず)の駆動制御によって、入賞装置10におけるクルーン部材15の配設部分において回転駆動する。
尚、当該入賞装置10の前面部分は、少なくとも、入賞装置10内部におけるクルーン部材15の配設部分を視認可能に構成されている。例えば、入賞装置10の前面部分に、ガラス板等が配設された窓部が形成されており、当該窓部を介して、クルーン部材15の様子(各入球部に対する遊技球の入球の様子)を、遊技者が把握可能に構成されている。
そして、クルーン部材15の各入球部16には、それぞれ、ガイド表示部17と、入球センサ18が配設されている。具体的には、第1入球部16Aには、第1ガイド表示部17Aと、第1入球センサ18Aが配設されており、第2入球部16Bには、第2ガイド表示部17Bと、第2入球センサ18Bが配設されている。以下同様に、第3入球部16Cには、第3ガイド表示部17Cと第3入球センサ18C、第4入球部16Dには、第4ガイド表示部17Dと第4入球センサ18D、第5入球部16Eには、第5ガイド表示部17Eと第5入球センサ18E、第6入球部16Fには、第6ガイド表示部17Fと第6入球センサ18Fが配設されている。
各ガイド表示部17は、それぞれ対応する入球部16近傍に配設された小型液晶ディスプレイによって構成されており、入球部16に対応付けられている内容(本実施形態においては、後述する「予告演出の種類」)を示唆する文字、記号又はマークからなるガイド表示を行い得る。
そして、各入球センサ18は、それぞれ対応する入球部16の内側表面に配設されており、入球部16内に入球した遊技球を検出した場合に、検出信号をサブ制御基板50に出力可能に構成されている。尚、入球センサ18を構成するセンサの種類は、入球部16内部に入球した遊技球を検出可能なセンサであれば、遊技球の接触を検出するタッチセンサであってもよいし、遊技球を光学的に検出するフォトセンサであってもよい。
図2に示すように、入賞装置10には、クルーン部材15の配設部分における第1流路12Aとの接続位置近傍に、回収孔19が形成されており、第1入球部16A〜第6入球部16Fの何れかに入球した遊技球を回収可能に構成されている。即ち、第1流路12Aを流下した遊技球は、クルーン部材15における入球部16の何れかに入球すると、入球センサ18によって検出され、回収孔19を介して回収されることになる。
次に、遊技機1における制御系について、図3を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、当該遊技機1の裏側には、遊技系統の制御を行う主制御基板40と、サブ制御基板50と、及び当該主制御基板40の制御下で図柄表示装置5における特別図柄の可変表示を行う表示制御基板55と、音声制御を行う音声制御基板60と、払出制御基板65と、発射制御基板70と、ランプやLED等の発行体の制御を行うランプ制御基板等が配設されている。
主制御基板40は、遊技情報に従って遊技を制御すると共に、遊技情報を記憶する記憶手段を備えた遊技制御装置に相当し、CPU41、RAM、ROMおよび複数のカウンタを有するマイクロコンピュータを少なくとも備えている。当該主制御基板40は、サブ制御基板50、払出制御基板65と接続され、又、中継回路を介して第1始動入賞口11、大入賞口25、操作ハンドルユニット35等と接続されている。従って、前記主制御基板40のCPU41は、第1始動入賞口11、大入賞口25等に対する遊技球の入賞や、操作ハンドルユニット35に対する入力操作を検出し、後述する各種制御プログラムに従って、遊技に関する制御を行い得る。
CPU41は、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、大当たりや小当たり(第1始動入賞口11の拡開開放を行う普通図柄当たり)に係る乱数等も生成し、又、各制御基板に対して制御コマンドを出力可能に構成されている。
そして、主制御基板40のRAMは、始動入賞口(第1始動入賞口11、第2始動入賞口21)の検出スイッチで検出された特別図柄保留球数及び普通図柄変動開始スイッチで検出された普通図柄用保留球数の記憶領域や、CPU41で生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU41の作業領域を備えている。主制御基板40のROMは、遊技上の制御プログラム(例えば、図4〜図19参照)や制御データと共に、大当たりや小当たりの数値等を記憶している。尚、主制御基板40は、電源基板から電源供給を受けて作動する。
サブ制御基板50は、サブCPU51、ROM、RAM、複数のカウンタを有するマイクロコンピュータと、前記主制御基板40とを結ぶ入出力回路と、表示制御基板55、音声制御基板60やランプ制御基板とを結ぶ入出力回路を備えている。前記サブ制御基板50において、サブCPU51は、前記主制御基板40から出力された制御信号、サブ制御基板50に係る制御プログラムに従って遊技の制御を行う。前記主制御基板40からの制御信号には、前記特別図柄表示部6に対する変動データや前記ランプ装置に対する制御信号等が含まれる為、サブCPU51は、その制御信号の内容に合わせて遊技の制御を行う。
前記サブ制御基板50のROMは、当該サブ制御基板50に係る制御プログラム(例えば、図20〜図24、図28〜図32参照)やデータ定数、前記特別図柄表示部6での演出のデータ等(例えば、図25〜図27参照)を記憶している。又、サブ制御基板50のRAMは、各種データの記憶領域とサブCPU51による作業領域を有している。前記ランプ制御基板は、装飾ランプ等のランプ装置と接続されており、前記サブ制御基板50を介して、ランプ制御基板に送信された制御信号によって、ランプ装置の作動を制御する。前記サブ制御基板50は、電源基板から電源供給を受けて作動する。
表示制御基板55は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、当該マイクロコンピュータとサブ制御基板50を結ぶ入力回路と、前記マイクロコンピュータと図柄表示装置5を結ぶ出力回路等で構成され、前記サブ制御基板50から出力される制御信号に基づいて、前記図柄表示装置5における表示の制御を行う。前記表示制御基板55のROMは、表示制御用のプログラムを記憶している。前記表示制御基板55は、前記サブ制御基板50からの制御信号に基づいて、ROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて特別図柄表示部6に出力される。
音声制御基板60は、配線等の電気的接続手段により、サブ制御基板50と接続されており、サブ制御基板50から出力された制御信号に基づいてスピーカ34から発する音声を制御する。即ち、音声制御基板60は、前記サブ制御基板50から出力される制御信号により音声信号を合成し、アンプに出力する。アンプは、音声信号を増幅してスピーカ34に出力する。
払出制御基板65は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを有し、配線等による電気的接続手段によって、主制御基板40と、貸球払出装置66と、賞球払出装置67と接続されている。払出制御基板65は、前記主制御基板40から出力される制御信号を受信して、貸球払出装置66による遊技球の貸出、賞球払出装置67による賞球の払出に係る制御を実行する。前記払出制御基板65は、電源基板から供給される電源によって作動する。前記払出制御基板65のROMは、制御用のプログラムを記憶している。前記払出制御基板65のRAMは、種々の入賞口への入賞検出に基づいて、前記賞球払出装置67により払い出される賞品球(遊技球)の払出個数を、一の入賞球の検出に対する払出個数毎に記憶可能となっている。発射制御基板70は、前記発射装置30における発射モータの制御を行う。
電源基板は、遊技機1外部より供給された主電源から遊技機1に適する所定電圧の遊技機用電源を生成して、主制御基板40やサブ制御基板50、払出制御基板65等に供給する。前記主電源は、遊技店側で所定の電圧(例えば、直流(AC)24V)に変換されて供給される。
続いて、遊技機1において、主制御基板40で実行される制御処理について、図面を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、遊技機1における制御処理の一部は、主制御基板40のCPU41によって、各種制御プログラム(図4〜図19参照)を実行することによって実現される。
先ず、遊技機1における主制御基板40のメイン処理について、図4を参照しつつ説明する。遊技機1に対する電源投入時には、主制御基板40のCPU41は、初期設定等を含むメインプログラムを実行する。
図4に示すように、メイン処理では、CPU41は、先ず、初期設定処理を実行する(S1)。初期設定処理(S1)においては、CPU41は、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等を実行する。尚、電源投入時のみに必要な処理は、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。
初期設定処理(S1)に続いて、CPU41は、割込み禁止処理(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)、割込み許可処理(S4)を実行し、その後、再び割込み禁止処理(S2)に処理を戻す。割込み許可処理(S4)の後、割込み禁止処理へ処理を戻すループ処理の過程で、CPU41は、割込み処理を実行する(S5)。
前記割込み禁止処理(S2)では、CPU41は、4msecごとに割込み処理(S5)が入ってきても、割込み許可となるまで、割込み処理の実行を禁止する。次の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)では、CPU41は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)毎に、種々の乱数に対して1加算し、乱数の設定上限値に至ると次に最小値に戻して、再び加算を行う。更新された乱数は、前記主制御基板40のRAMに記憶される。割込み許可処理(S4)では、CPU41は、4msec毎に入ってくる割込み処理(S5)の実行を許可する。
次に、メイン処理で実行される割込み処理(S5)の処理内容について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図5に示すように、割込み処理(S5)においては、CPU41は、出力処理(S11)、入力処理(S12)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S13)、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)、普通動作処理(S15)、特別動作処理(S16)、保留球数処理(S17)、電源断監視処理(S18)、その他の処理(S19)を順に実行する。
出力処理(S11)では、CPU41は、各処理で設定された出力用のコマンド(制御信号)を、各制御基板に送信する。続く入力処理(S12)では、CPU41は、遊技機1に取り付けられている各種センサが検知した場合の信号入力を実行する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S13)では、CPU41は、前記メイン処理におけるループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同様の処理を実行する。
始動入賞口スイッチ検出処理(S14)においては、CPU41は、第1始動入賞口11(即ち、入賞装置10)、第2始動入賞口21への入賞、図柄変動開始用ゲート23への入賞等を検出し、各種乱数値の取得を行う。ここで、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)の処理内容について、図6を参照しつつ詳細に説明する。図6は、始動入賞口スイッチ検出処理の処理内容を示すフローチャートである。
図6に示すように、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)では、CPU41は、前記第1始動入賞口11、第2始動入賞口21への入賞を検出したか否かを判断する(S21)。第1始動入賞口11、第2始動入賞口21への入賞を検出した場合(S21:YES)、CPU41は、S22に処理を移行し、第1始動入賞口11、第2始動入賞口21への入賞を検出しなかった場合(S21:NO)、CPU41は、S25に処理を移行する。
S22に移行すると、CPU41は、特別図柄保留球数が4以上であるか否かを判断する。4以上である場合(S22:YES)、CPU41は、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了する。一方、特別図柄保留球数が4未満である場合(S22:NO)、CPU41は、特別図柄保留球数に「1」加算し(S23)、大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値等を取得して、主制御基板40のRAMの対応する領域に記憶する(S24)。その後、CPU41は、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了する。
ここで、S24等で取得される大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値等の各種乱数値について説明する。大当たり乱数値は、特別図柄の大当たりを抽選する乱数値であり、0〜629の数値範囲をとる。大当たり乱数値は、遊技機1の電源投入時、0からスタートし、特別図柄主要乱数更新処理毎に1加算される。大当たり図柄乱数値は、大当たり図柄の選択に使用する乱数値であり、0〜9の数値範囲をとる。又、大当たり図柄乱数値が奇数値を示す場合、遊技機1における遊技は確変になる。リーチ乱数値は、当否判定の結果がはずれの場合に、リーチをするか否かの判定に使用する乱数値であり、0〜126の数値範囲をとる。尚、大当たりの場合は、必ずリーチを行うので、このリーチ乱数値が使用されることはない。演出乱数用カウンタは、第1〜第6変動パターンテーブル内で変動パターンを選択する際に用いられるものであり、0〜198の数値範囲の演出乱数を備える。この演出乱数は、電源投入時、0から始まり、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が198に至ると、次に0にされて再び加算を繰り返すようになっている。
第1始動入賞口11、第2始動入賞口21への入賞を検出しなかった場合(S21:NO)に移行するS25においては、CPU41は、前記図柄変動開始用ゲート23への遊技球の通過を検出したか否かを判断する。図柄変動開始用ゲート23への遊技球の通過を検出した場合(S25:YES)、CPU41は、S26に処理を移行する。一方、図柄変動開始用ゲート23への遊技球の通過を検出していない場合(S25:NO)、CPU41は、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了する。
S26においては、CPU41は、普通図柄保留球数が4以上であるか否かを判断する。普通図柄保留球数が4以上である場合(S26:YES)、CPU41は、そのまま始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了する。一方、4未満である場合(S26:NO)、CPU41は、普通図柄保留球数に1を加算し(S27)、その後、小当たり乱数値を取得して、取得した小当たり乱数値を主制御基板40のRAMにおける対応する領域に記憶する(S28)。小当たり乱数値を記憶した後、CPU41は、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了する。
上述したように、割込み処理において、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了すると、CPU41は、普通動作処理を実行する(図5参照)。ここで、普通動作処理(S15)の処理内容について、図7を参照しつつ詳細に説明する。
図7に示すように、普通動作処理(S15)に移行すると、CPU41は、先ず、第2始動入賞口21の開閉部材が開放中か否かを確認する(S31)。第2始動入賞口21の開閉部材が開放中である場合(S31:YES)、CPU41は、S39に処理を移行する。一方、前記第2始動入賞口21の開閉部材が閉鎖中である場合(S31:NO)、CPU41は、S32に処理を移行する。
S32では、CPU41は、普通図柄保留球数が0か否かを確認する。普通図柄保留球数が0である場合(S32:YES)、CPU41は、普通動作処理(S15)を終了する。一方、普通図柄保留球数が0でない場合(S32:NO)、CPU41は、主制御基板40のRAMに記憶されている小当たり乱数値をロードし(S33)、現在確変中(高確率状態)であるか否かを確認する(S34)。
確変中ではない低確率状態である場合(S34:NO)、CPU41は、取得した小当たり乱数値に基づいて、低確率状態での大当たりであるか否かを判断する(S35)。低確率状態での大当たりである場合(S35:YES)、CPU41は、開閉部材解放処理(S36)を実行し、第2始動入賞口21を開放時間1秒、開放回数1回で開放する。その後、CPU41は、普通動作処理(S15)を終了する。低確率状態での大当たりでない場合(S35:NO)、CPU41は、そのまま普通動作処理(S15)を終了する。
確変中(高確率状態)である場合(S34:YES)、CPU41は、取得した小当たり乱数値に基づいて、高確率状態での大当たりであるか否かを判断する(S37)。高確率状態での大当たりである場合(S37:YES)、CPU41は、開閉部材解放処理(S38)を実行し、第2始動入賞口21を開放時間2秒、開放回数3回で開放する。その後、CPU41は、普通動作処理(S15)を終了する。高確率状態での大当たりでない場合(S37:NO)、CPU41は、そのまま普通動作処理(S15)を終了する。
S31において、第2始動入賞口21が開放中であると判断された場合(S31:YES)、CPU41は、第2始動入賞口21の開放処理時間が経過(終了)したか否かを判断する(S39)。開放処理時間が経過している場合(S39:YES)、CPU41は、開閉部材閉鎖処理(S40)を実行し、第2始動入賞口21の開閉部材を閉状態にする。その後、CPU41は、普通動作処理(S15)を終了する。一方、開放処理時間が経過していない場合(S39:NO)、CPU41は、そのまま普通動作処理(S15)を終了する。
上述したように、割込み処理において、普通動作処理(S15)を終了すると、CPU41は、特別動作処理を実行する(図5参照)。ここで、特別動作処理(S16)の処理内容について、図8を参照しつつ詳細に説明する。
図8に示すように、特別動作処理(S16)に移行すると、CPU41は、特別動作ステータスが1〜4の何れであるかを判断する(S41、S43、S45)。前記特別動作ステータスが1の場合(S41:YES)、CPU41は、特別図柄待機処理(S42)を実行する。前記特別動作ステータスが2の場合(S43:YES)、CPU41は、変動中処理(S44)を実行する。前記特別動作ステータスが3の場合(S45:YES)、CPU41は、特別図柄確定処理(S46)を実行する。特別動作ステータスが4の場合(S45:NO)、CPU41は、特別電動役物処理(S47)を実行する。特別図柄待機処理(S42)、変動中処理(S44)、特別図柄確定処理(S46)、特別電動役物処理(S47)の何れかを実行した後、CPU41は、特別動作処理(S16)を終了し、割込み処理における保留球数処理(S17)に処理を移行する。
特別動作ステータスが1の場合に行われる特別図柄待機処理(S42)の処理内容について、図9を参照しつつ詳細に説明する。特別図柄待機処理(S42)に移行すると、CPU41は、図9に示すように、特別図柄保留球数が0か否かを判断する(S51)。特別図柄保留球数が0でない場合(S51:NO)、CPU41は、特別図柄大当たり判定処理(S52)を実行する。特別図柄保留球数が0である場合(S51:YES)、CPU41は、S59に処理を移行する。
特別図柄大当たり判定処理(S52)の処理内容について、図10を参照しつつ詳細に説明する。図10に示すように、特別図柄大当たり判定処理(S52)に移行すると、CPU41は、先ず、主制御基板40のRAMから、取得している大当たり乱数値をロードし(S71)、現在確変中(高確率状態)であるか否かを確認する(S72)。
確変中ではない低確率状態である場合(S72:NO)、CPU41は、ロードした大当たり乱数値に基づいて、低確率状態での大当たりであるか否かを判断する(S73)。具体的には、CPU41は、ロードした大当たり乱数値が3、397(奇数)の何れかであった場合に、低確率状態での大当たりであると判断する。低確率状態での大当たりである場合(S73:YES)、CPU41は、大当たりフラグをONにセットし(S75)、主制御基板40のRAMに形成された送信バッファに、「確変大当たり」又は「通常大当たり」の何れかを示す当たりコマンドを格納し(S76)、その後、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了する。一方、低確率状態での大当たりでない場合(S73:NO)、CPU41は、「特別図柄外れ」のコマンドを、主制御基板40のRAMに形成された送信バッファにセットし(S77)、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了する。
確変中(高確率状態)である場合(S72:YES)、CPU41は、ロードした大当たり乱数値に基づいて、高確率状態での大当たりであるか否かを判断する(S74)。具体的には、CPU41は、ロードした大当たり乱数値が3、397、33、53、59、113、173、227、281、337、449、503(奇数)の何れかであった場合に、高確率状態での大当たりであると判断する。高確率状態での大当たりである場合(S74:YES)、CPU41は、大当たりフラグをONにセットし(S75)、主制御基板40の送信バッファに、「確変大当たり」又は「通常大当たり」の何れかを示す当たりコマンドを格納する(S76)。その後、CPU41は、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了する。一方、高確率状態での大当たりでない場合(S74:NO)、CPU41は、「特別図柄外れ」のコマンドを、主制御基板40のRAMに形成された送信バッファにセットし(S78)、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了する。尚、特別図柄表示部6における特別図柄の組み合わせが大当たりとなる抽選確率は、低確率時は1/315であり、最高確率時は6/315の2種類である。
特別図柄待機処理(S42)において、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了すると、CPU41は、特別図柄選択処理(S53)を実行し、前記特別図柄表示部6で停止表示する特別図柄を決定する。ここで、特別図柄選択処理(S53)の処理内容について、図11を参照しつつ詳細に説明する。
図11に示すように、特別図柄選択処理(S53)に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMに形成された大当たりフラグがONであるか否かを判断する(S81)。大当たりフラグがONである場合(S81:YES)、CPU41は、S82に処理を移行する。大当たりフラグがONでない場合(S81:NO)、CPU41は、S83に処理を移行する。
S82においては、CPU41は、第1始動入賞口11、第2始動入賞口21への入賞時に取得した大当たり図柄乱数値を、主制御基板40の送信バッファに格納する。この時、CPU41は、左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が大当たり図柄乱数値と同じ特別図柄(ゾロ目)になるように格納する。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。
S83に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMから、左特別図柄を示す特別図柄データ(1)と、中特別図柄を示す特別図柄データ(2)と、右特別図柄を示す特別図柄データ(3)を取得し、S84に処理を移行する。
S84では、CPU41は、特別図柄データ(1)、特別図柄データ(2)、特別図柄データ(3)として取得した3つの乱数値が一致しているか否かを判断する。3つの乱数値が一致している場合(S84:YES)、CPU41は、S85に処理を移行する。3つの乱数値が一致していない場合(S84:NO)、CPU41は、S88に処理を移行する。
S85においては、CPU41は、第1始動入賞口11、第2始動入賞口21への入賞時に取得したリーチ乱数値が予め設定されたリーチ成立乱数値と一致しているか否かを判断する。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致している場合(S85:YES)、CPU41は、特別図柄データ(1)に係る乱数値に1加算したものを中特別図柄として、主制御基板40の送信バッファに格納する(S86)。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。この時、左特別図柄、右特別図柄は同じ特別図柄であり、中特別図柄のみ異なる図柄となる為、所謂「リーチ外れ」の組み合わせを示す。
一方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致していない場合(S85:NO)、CPU41は、特別図柄データ(1)に係る乱数値に1加算したものを右特別図柄として、主制御基板40の送信バッファに格納する(S87)。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。この場合、左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が強制的に全て異なる特別図柄となる為、所謂「リーチなし外れ」の組み合わせを示す。
S88においては、CPU41は、左特別図柄に係る特別図柄データ(1)と、右特別図柄に係る特別図柄データ(3)が一致しているか否かを判断する。特別図柄データ(1)と特別図柄データ(3)が一致している場合(S88:YES)、CPU41は、S89に処理を移行する。特別図柄データ(1)と特別図柄データ(3)が一致していない場合(S88:NO)、CPU41は、S91に処理を移行する。
S89に移行すると、CPU41は、第1始動入賞口11、第2始動入賞口21への入賞時取得したリーチ乱数値が予め設定されたリーチ成立乱数値と一致しているか否かを判断する。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致している場合(S89:YES)、CPU41は、S83で取得した特別図柄データ(1)〜(3)を、主制御基板40の送信バッファにそのまま格納する(S90)。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。この場合、送信バッファには、所謂「リーチ外れ」の組み合わせを示すデータが格納される。
一方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致していない場合(S89:NO)、CPU41は、S87に処理を移行し、所謂「リーチなし外れ」の組み合わせを示す特別図柄データを、主制御基板40の送信バッファに格納する(S87)。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。
S91においては、CPU41は、第1始動入賞口11、第2始動入賞口21への入賞時取得したリーチ乱数値が予め設定されたリーチ成立乱数値と一致しているか否かを判断する。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致している場合(S91:YES)、CPU41は、右特別図柄に係る特別図柄データ(3)を、左特別図柄に係る特別図柄データ(1)と同値とし、中特別図柄に係る特別図柄データ(2)を、特別図柄データ(1)に1加算した値として、主制御基板40の送信バッファに格納する(S92)。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。
一方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致していない場合(S91:NO)、CPU41は、S90に処理を移行し、所謂「リーチ外れ」の組み合わせを示す特別図柄データを、主制御基板40の送信バッファに格納する。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。
特別図柄待機処理(S42)において、特別図柄選択処理(S53)を終了すると、CPU41は、変動パターン選択処理(S54)を実行し、前記特別図柄表示部6における特別図柄の変動パターンを設定する。ここで、変動パターン選択処理(S54)の処理内容について、図12を参照しつつ詳細に説明する。
図12に示すように、変動パターン選択処理(S54)に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、通常状態であるか否かを判断する(S101)。通常状態である場合(S101:YES)、CPU41は、S102に処理を移行する。通常状態でなく確変中である場合(S101:NO)、CPU41は、S107に処理を移行する。
S102に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、大当たりフラグがONであるか否かを判断する。大当たりフラグがONである場合(S102:YES)、CPU41は、通常状態中の当たりに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第1変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S103)。その後、CPU41は、S112に処理を移行する。一方、大当たりフラグがONでない場合(S102:NO)、CPU41は、S104に処理を移行する。
S104では、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致しているか否かを判断する。リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致している場合(S104:YES)、CPU41は、通常状態中のリーチハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第2変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S105)。その後、CPU41は、S112に処理を移行する。一方、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致していない場合(S104:NO)、CPU41は、通常状態中のハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第3変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S106)。その後、CPU41は、S112に処理を移行する。
S107に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、大当たりフラグがONであるか否かを判断する。大当たりフラグがONである場合(S107:YES)、CPU41は、確変中の当たりに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第4変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S108)。その後、CPU41は、S112に処理を移行する。一方、大当たりフラグがONでない場合(S107:NO)、CPU41は、S109に処理を移行する。
S109では、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致しているか否かを判断する。リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致している場合(S109:YES)、CPU41は、確変中のリーチハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第5変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S110)。その後、CPU41は、S112に処理を移行する。一方、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致していない場合(S109:NO)、CPU41は、確変中のハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第6変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S111)。その後、CPU41は、S112に処理を移行する。
S112においては、CPU41は、選択した変動パターンに応じたコマンドを、主制御基板40の送信バッファにセットし、続いて、その他の処理(S113)を実行する。その後、CPU41は、変動パターン選択処理(S54)を終了し、特別図柄乱数シフト処理(S55)に処理を移行する。
特別図柄乱数シフト処理(S55)では、主制御基板40のRAMにおける特別図柄保留球数のデータ記憶領域において、ロード順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた特別図柄変動保留のデータが、先の処理でロードされて空席となることに起因して、CPU41は、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている特別図柄変動保留のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトを実行する。
ここで、特別図柄乱数シフト処理(S55)の処理内容について、図13を参照しつつ詳細に説明する。特別図柄乱数シフト処理(S55)に移行すると、CPU41は、先ず、当否判定の判定結果に基づく特別図柄の変動表示が実行されたことにより、前記主制御基板40のRAMに記憶されていた特別図柄保留球数から1減算する(S121)。その後、S122に移行すると、CPU41は、各保留に対応するデータを、各保留から1減算した保留のRAMアドレスにシフトする。続いて、CPU41は、最上位(ロード順位が最後、本実施形態では4個目)の保留に対応するRAMアドレスに0をセットする(S123)。その後、CPU41は、特別図柄乱数シフト処理(S55)を終了し、S56に処理を移行する。
図9に示すように、S56に移行すると、CPU41は、特別図柄変動開始処理を実行し、特別図柄の変動開始に必要な処理を行う。次いで、CPU41は、特別動作ステータスを2に設定して(S57)、待機中を解除する(S58)。その後、CPU41は、特別図柄待機処理(S42)を終了する。
特別図柄待機処理(S42)において、特別図柄保留球数が0と判断された場合(S51:YES)、CPU41は、特別図柄表示部6が特別図柄の変動中ではない待機画面(待ち受け画面)中であるか否を判断する(S59)。待機画面(待ち受け画面)中である場合(S59:YES)、CPU41は、特別図柄待機処理(S42)を終了する。一方、待機画面(待ち受け画面)中ではない場合(S59:NO)、CPU41は、待機画面設定処理(S60)を実行し、特別図柄表示部6を待機画面(待ち受け画面)にすると共に、待機中をセットする。待機画面設定処理(S60)は、この設定処理(S60)がなされてから所定時間の間、前記第1始動入賞口11に遊技球が入賞しない場合に、待ち受け画面をセットするコマンドを出力する処理である。その後、CPU41は、この特別図柄待機処理(S42)を終了する。
次に、特別動作ステータスが2の場合に行われる変動中処理(S44)の処理内容について、図14を参照しつつ詳細に説明する。変動中処理(S44)に移行すると、CPU41は、先ず、特別図柄の変動時間が終了したか否か(即ち、動作タイマの値が0であるか否か)を判断する(S131)。変動時間が終了している場合(S131:YES)、CPU41は、変動停止コマンドをセットして(S132)、特別動作ステータスを3にセットする(S133)。その後、CPU41は、その他の処理(S134)を実行し、変動中処理(S44)を終了する。一方、変動時間中である場合(S131:NO)、CPU41は、そのまま変動中処理(S44)を終了する。
続いて、特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S46)の処理内容について、図15を参照しつつ詳細に説明する。特別図柄確定処理(S46)に移行すると、CPU41は、先ず、主制御基板40のRAMを参照して、大当たりフラグがONか否か(即ち、大当たりか否か)を判断する(S141)。大当たりフラグがONである場合(S141:YES)、CPU41は、大当りフラグをOFFし(S142)、特別動作ステータスを4にセットする(S143)。その後、CPU41は、特別図柄確定処理(S46)を終了する。一方、大当たりフラグがONでない場合(S141:NO)、CPU41は、特別動作ステータスを1にセットし(S144)、その後、特別図柄確定処理(S46)を終了する。
特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S47)の処理内容について、図16を参照しつつ詳細に説明する。特別電動役物処理(S47)に移行すると、CPU41は、先ず、確変フラグをOFFにし(S151)、前記特別図柄表示部6で大当たりオープニングが実施されたか否かを確認する(S152)。大当たりオープニングが実施されていない場合(S152:NO)、CPU41は、大当たりオープニングを実施し(S153)、その後、S154に処理を移行する。一方、大当たりオープニングが実施済である場合(S152:YES)、CPU41は、そのままS154に処理を移行する。
S154においては、CPU41は、現在、大入賞口25が開放中か否かを判断する。大入賞口25が閉鎖中である場合(S154:NO)、CPU41は、大入賞口25の開放時間か否かを判断する(S155)。一方、大入賞口25が開放中である場合(S154:YES)、CPU41は、S157に処理を移行する。
大入賞口25の開放時間中である場合(S155:YES)、CPU41は、大入賞口開放処理(S156)を実行し、大入賞口25の開閉板26を動作させることで、大入賞口25を開放する。その後、CPU41は、特別電動役物処理(S47)を終了する。一方、大入賞口25の開放時間となっていない場合(S155:NO)、CPU41は、そのまま、特別電動役物処理(S47)を終了する。
大入賞口25が開放中であると判断された場合(S155:YES)に移行するS157においては、CPU41は、大入賞口25に10個遊技球が入賞したか否か(S158)、若しくは、ラウンド終了時間(例えば、30秒)経過したか否か(S158)の何れかであるか否かを判断する。10個の入賞でもなく、ラウンド終了時間も経過していない場合(S157:NO、S158:NO)、CPU41は、そのまま特別電動役物処理(S47)を終了する。一方、大入賞口25に遊技球が10個入賞した、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合(S157:YES又はS158:YES)、CPU41は、大入賞口閉鎖処理(S159)を実行し、大入賞口25の閉鎖を指示するコマンドを出力バッファにセットする。その後、CPU41は、ラウンドカウンタの値から1減算する(S160)。
続くS161においては、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照し、ラウンドカウンタが0か否かを判断する。ラウンドカウンタが0である場合(S161:YES)、CPU41は、大当たり終了処理(S162)を実行し、確変・非確変設定処理(S163)に処理を移行する。一方、ラウンドカウンタが0でない場合(S161:NO)、CPU41は、そのまま特別電動役物処理(S47)を終了する。
確変・非確変設定処理(S163)に移行すると、CPU41は、図17に示すように、先ず、停止図柄が確変図柄であるか否かを判断する(S171)。停止図柄が確変図柄である場合(S171:YES)、CPU41は、確変フラグをONにセットし(S172)、S174に処理を移行する。停止図柄が確変図柄でない場合(S171:NO)、CPU41は、確変フラグをOFFにセットし(S173)、S174に処理を移行する。S174では、CPU41は、特別動作ステータスを1にセットし、その後、特別電動役物処理(S47)を終了する。
図5に示すように、特別動作処理(S16)を終了すると、CPU41は、保留球数処理(S17)を実行する。保留球数処理(S17)においては、図18に示すように、CPU41は、先ず、現在の保留球数をロードし(S181)、保留球数を出力バッファにセットする(S182)。保留球数を、主制御基板40の送信バッファにセットした後、CPU41は、保留球数処理(S17)を終了し、電源断監視処理(S18)に処理を移行する。
電源断監視処理(S18)では、CPU41は、図19に示すように、先ず、電源断信号が入力されたか否か(例えば、電源断状態が12ms継続したか否か)を判断する(S191)。電源断信号が入力された場合(S191:YES)、CPU41は、現在の遊技状態等を示すデータを、主制御基板40のRAMに格納し(S192)、電源断フラグをONにセットする(S193)。その後、CPU41は、処理の進行を無限ループさせることで、遊技機1を待機状態にする。一方、電源断信号が入力されていない場合(S191:NO)、CPU41は、そのまま電源断監視処理(S18)を終了する。
電源断監視処理(S18)を終了すると、CPU41は、その他の処理(S19)を実行する。その他の処理(S19)では、CPU41は、遊技制御に必要なその他の処理を実行する。
次に、サブ制御基板50のサブCPU51によって実行されるサブ制御基板50のメイン処理プログラムについて、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る遊技機1における制御処理の他の一部は、サブ制御基板50のサブCPU51によって、各種制御プログラム(図20〜図24、図28〜図32参照)を実行することによって実現される。
先ず、遊技機1におけるサブ制御基板50のメイン処理について、図20を参照しつつ説明する。サブ制御基板50におけるメイン処理においては、サブ制御基板50のサブCPU51は、先ず、初期化処理を実行する(S201)。当該初期化処理(S201)では、サブCPU51は、スタックの設定、定数設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。その後、サブCPU51は、S202に処理を移行する。
S202においては、サブCPU51は、電源断信号がONであり、且つ、サブ制御基板50のRAMの記憶内容が正常であるか判断する。電源断信号は、電源基板に電源を投入すると、電源基板からサブ制御基板50に送信される。電源断信号がONであり、RAMの記憶内容が正常である場合(S202:YES)、サブCPU51は、そのまま、S204に処理を移行する。一方、RAMの記憶内容が正常でない場合(S202:NO)、サブCPU51は、サブ制御基板50のRAMを初期化し、各種フラグ及びカウンタ値をリセットする(S203)。その後、サブCPU51は、S204に処理を移行する。尚、S201〜S203に係る処理は、電源投入後の最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されない
S201〜S203の処理を終了すると、サブCPU51は、割込み禁止処理(S204)、乱数シード更新処理(S205)、コマンド送信処理(S206)、割込み許可処理(S207)を実行し、その後、再び、割込み禁止処理(S204)に処理を戻す。割込み許可処理(S207)の後、割込み禁止処理(S204)へ処理を戻す過程で、サブCPU51は、所定の条件の下で、受信割込み処理(S208)、10msタイマ割り込み処理(S209)、2msタイマ割り込み処理(S210)を実行する。
割込み禁止処理(S204)では、サブCPU51は、割込み許可となるまで、受信割込み処理(S208)、10msタイマ割り込み処理(S209)、2msタイマ割り込み処理(S210)の実行を禁止する。その後、サブCPU51は、S205に処理を移行する。
S205に移行すると、サブCPU51は、乱数シード更新処理を実行する。乱数シード更新処理(S205)では、サブCPU51は、サブ制御基板50に設けられている各種カウンタや、予告内容を決定する為の予告選択用乱数値を含む各種乱数値を更新する。乱数値は、設定最大値に至ると、最小値に戻り、再び更新処理(加算処理)の対象となる。
S206においては、サブCPU51は、コマンド送信処理を実行する。コマンド送信処理(S206)では、サブCPU51は、表示制御基板55、音声制御基板60、ランプ制御回路に対して、各種コマンドを送信する。その後、サブCPU51は、割込み許可処理(S207)を行い、その後、S204〜S207の処理を無限ループで繰り返す。
S204〜S207の処理を無限ループで繰り返す際に、主制御基板40からストローブ信号(STB信号)を受信すると、サブCPU51は、10msタイマ割込み処理(S70)、2msタイマ割込み処理(S71)に優先して、受信割込み処理(S208)を実行する。又、サブCPU51は、10msec周期の割込みパルスがサブ制御基板50に入力される度に、10msタイマ割込み処理(S209)を実行する。尚、サブCPU51は、2msタイマ割込み処理(S210)間の残余時間に割り込んで、10msタイマ割り込み処理(S209)を実行する。更に、サブCPU51は、2msec周期の割込みパルスがサブ制御基板50に入力される度に、2msタイマ割込み処理(S210)を実行する。尚、サブCPU51は、10msタイマ割込み処理(S209)より優先して、2msタイマ割り込み処理(S210)を実行する。
続いて、受信割込み処理(S208)の処理内容について、図21を参照しつつ詳細に説明する。図21に示すように、受信割込み処理(S208)に移行すると、先ず、サブCPU51は、ストローブ信号(STB信号)がONであるか否かを判断する(S211)。STB信号がONである場合(S211:YES)、サブCPU51は、主制御基板40からサブ制御基板50に対して送信された制御信号(変動態様や特別図柄当否判定に関するデータ、コマンド等)を取り込み、サブ制御基板50のRAMに格納する(S212)。その後、サブCPU51は、受信割込み処理(S208)を終了する。一方、STB信号がONでない場合(S211:NO)、サブCPU51は、そのまま受信割込み処理(S208)を終了する。
次に、10msタイマ割込み処理(S209)について、図22を参照しつつ詳細に説明する。図22に示すように、10msタイマ割込み処理(S209)に移行すると、サブCPU51は、サブ制御基板50に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に、メインコマンド解析処理(S221)、その他の処理(S222)、ウォッチドッグタイマカウンタ(2)の初期化(S223)を実行する。ウォッチドッグタイマカウンタ(2)の初期化(S223)を終了すると、サブCPU51は、10msタイマ割込み処理(S209)を終了する。
具体的に、メインコマンド解析処理(S221)に処理を移行すると、サブCPU51は、受信割込み処理(S208)で受信した全ての制御コマンドの解析処理、及び、各制御コマンドに対する動作の設定処理を行う。従って、サブCPU51は、このメインコマンド解析処理(S221)において、変動期間内に行われる予告演出の内容を設定する処理等も実行する。ここで、当該メインコマンド解析処理(S221)の処理内容について、図23を参照しつつ詳細に説明する。
図23に示すように、メインコマンド解析処理(S221)に移行すると、サブCPU51は、主制御基板40から制御コマンドを受信しているか否かを判断する(S231)。制御コマンドを受信している場合(S231:YES)、サブCPU51は、S232に処理を移行する。一方、制御コマンドを受信していない場合(S231:NO)、サブCPU51は、その他の処理(S238)を実行し、メインコマンド解析処理(S221)を終了する。
S232においては、サブCPU51は、受信した制御コマンドが変動コマンドであるか否かを判断する。制御コマンドが変動コマンドである場合(S232:YES)、サブCPU51は、S233に処理を移行する。一方、制御コマンドが変動コマンドではない場合(S232:NO)、サブCPU51は、S234に処理を移行する。
S233においては、サブCPU51は、変動コマンドが特定演出に係る特別図柄の変動を示すものであるか否かを判断する。変動コマンドが特定演出に係る特別図柄の変動を示す場合(S233:YES)、サブCPU51は、S235に処理を移行する。一方、変動コマンドが特定演出に係る特別図柄の変動を示すものではない場合(S233:NO)、その他の予告処理(S236)に処理を移行し、特定演出を除いたその他の予告演出に関する処理を実行する。その他の予告処理(S236)を終了した後、サブCPU51は、その他の処理(S238)を実行し、メインコマンド解析処理(S221)を終了する。
一方、受信コマンドが変動コマンドではない場合(S232:NO)に移行するS234では、サブCPU51は、受信コマンドが第1始動入賞口11に対する遊技球の検出に伴って送信される始動口入賞コマンドであるか否かを判断する。受信コマンドが始動口入賞コマンドである場合(S234:YES)、サブCPU51は、始動口入賞処理(S237)に処理を移行する。一方、受信コマンドが始動口入賞コマンドでない場合(S234:NO)、サブCPU51は、その他の処理(S238)に処理を移行し、変動コマンドや始動口入賞コマンド以外のその他の制御コマンドに関する処理を実行する。その他の処理(S238)を終了した後、サブCPU51は、メインコマンド解析処理(S221)を終了する。
次に、メインコマンド解析処理(S221)で実行される特定演出処理(S235)について図24を参照しつつ説明する。当該特定演出処理(S235)では、サブCPU51は、図2等に示す入賞装置10を用いた特定演出の実行に関する処理を行う。尚、当該特定演出処理(S235)を終了すると、サブCPU51は、その他の処理(S238)を実行し、変動コマンドや始動口入賞コマンド以外のその他の制御コマンドに関する処理を実行した後、メインコマンド解析処理(S221)を終了する。
図24に示すように、特定演出処理(S235)に移行すると、先ず、サブCPU51は、当該特定演出における特別図柄の変動が大当たり変動であるか否かを判断する(S241)。最終的な停止図柄が大当たり図柄となる大当たり変動である場合(S241:YES)、サブCPU51は、S242に処理を移行し、第1配置パターンテーブル(図25参照)を用いて、クルーン部材15の第1入球部16A〜第6入球部16Fに対する演出種類を設定する。一方、大当たり変動ではなく、最終的な停止図柄がハズレ図柄となる場合(S241:NO)、サブCPU51は、S243に処理を移行し、第2配置パターンテーブル(図26参照)を用いて、クルーン部材15の第1入球部16A〜第6入球部16Fに対する演出種類を設定する。
ここで、本実施形態に係る遊技機1において、特定演出に続いて実行される予告演出の種類と、その演出内容について、図25〜図27を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態において、特定演出に続いて実行される予告演出は、「V演出」「SPリーチ演出」「熱い演出」「通常リーチ演出」の4種類により構成されている。図27に示すように、当該遊技機1においては、「V演出」「SPリーチ演出」「熱い演出」「通常リーチ演出」の順に、確率変動状態への移行が発生する信頼度の高い予告演出となるように設定されている。
そして、「V演出」「SPリーチ演出」「熱い演出」「通常リーチ演出」の各予告演出の種類には、それぞれ、複数の演出内容が属するように構成されており、各演出内容は、該当する演出種類の範囲内で、予告演出に用いる映像の内容や、音声演出の内容が異なるように設定されている。例えば、「V演出」に属する「V演出(1)」「V演出(2)」「V演出(3)」は、それぞれ、演出種類「V演出」に属するものの、異なる内容の予告演出を実行するように規定されている。
そして、サブ制御基板50のROMには、第1配置パターンテーブルと、第2配置パターンテーブルが格納されている。図25、図26に示すように、第1配置パターンテーブル及び第2配置パターンテーブルは、それぞれ、複数の配置パターンによって構成されている。各配置パターンは、クルーン部材15の第1入球部16A〜第6入球部16Fのそれぞれに対して、一の予告演出の種類を対応付けると共に、入賞装置10の遊技球貯留ユニット14の自動解除設定の有無を規定して構成されている。
例えば、図26に示す「配置パターン(B)」の場合、第1入球部16Aに対しては「通常リーチ演出」、第2入球部16Bに対しては「SPリーチ演出」、第3入球部16Cに対しては「熱い演出」、第4入球部16Dに対しては「SPリーチ演出」、第5入球部16Eに対しては「通常リーチ演出」、第6入球部16Fに対しては「SPリーチ演出」を対応付けており、自動解除設定は有効に規定されている。
図25、図26に示すように、本実施形態においては、第1配置パターンテーブルは、第2配置パターンテーブルよりも、最も信頼度の高い「V演出」を含む配置パターンを、多く有して構成されている。図24等に示すように、第1配置パターンテーブルは、最終的な停止図柄が大当たり図柄となる大当たり変動である場合に移行するS242で用いられる為、より信頼度の高い予告演出の種類が実行されるように、このような構成が採用されている。
図24に戻り、特定演出処理(S235)におけるS242以後の処理内容について詳細に説明する。S242においては、サブCPU51は、配置パターン取得処理を実行し、サブ制御基板50のROMに格納されている第1配置パターンテーブルと、取得した乱数値に基づいて、複数の配置パターンの内から一の配置パターンを取得する。即ち、サブCPU51は、一の配置パターンを取得することで、クルーン部材15の第1入球部16A〜第6入球部16Fに対して、それぞれ一の演出種類を対応付ける。その後、サブCPU51は、S244に処理を移行する。
S243では、サブCPU51は、配置パターン取得処理を実行し、サブ制御基板50のROMに格納されている第2配置パターンテーブルと、取得した乱数値に基づいて、複数の配置パターンの内から一の配置パターンを取得する。一の配置パターンを取得することで、サブCPU51は、クルーン部材15の第1入球部16A〜第6入球部16Fに対して、それぞれ一の演出種類を対応付ける。その後、サブCPU51は、S244に処理を移行する。
S244に移行すると、サブCPU51は、配置パターン取得処理(S242、S243の何れか)で取得された一の配置パターンが「V演出」を含んでいるか否かを判断する。一の配置パターンが「V演出」を含んでいる場合(S244:YES)、サブCPU51は、自動解除演出処理(S245)に処理を移行する。一方、一の配置パターンが「V演出」を含んでいない場合(S244:NO)、サブCPU51は、S246に処理を移行し、当該一の配置パターンに対する自動解除設定が有効であるか否かを判断する。一の配置パターンに係る自動解除設定が有効である場合(S246:YES)、サブCPU51は、自動解除演出処理(S245)に処理を移行する。一方、一の配置パターンに係る自動解除設定が有効ではない場合(S246:NO)、サブCPU51は、手動解除設定処理(S247)に処理を移行する。
S245においては、サブCPU51は、自動解除演出処理を実行し、入賞装置10における遊技球貯留ユニット14の貯留状態を、時間の経過に伴って自動的に解除する。ここで、図28を参照しつつ、自動解除演出処理(S245)の処理内容について説明する。
自動解除演出処理(S245)に移行すると、サブCPU51は、サブ制御基板50のRAMに形成された解除タイマの値を所定値に設定し(S261)、その後、当該解除タイマの値を1減算する(S262)。その後、サブCPU51は、S263に処理を移行する。
S263においては、サブCPU51は、サブ制御基板50のRAMを参照し、解除タイマの値が0であるか否かを判断する。解除タイマの値が0である場合(S263:YES)、サブCPU51は、S264に処理を移行する。一方、解除タイマの値が0ではない場合(S263:NO)、サブCPU51は、S262に処理を戻し、解除タイマの値が0となるまで処理を繰り返す。
S264に移行すると、サブCPU51は、解除タイマの値が0になったことに基づいて、遊技球貯留ユニット14の貯留状態を解除すべく、遊技球貯留ユニット14の解除設定を行う。その後、サブCPU51は、自動解除演出処理(S245)を終了し、特定演出処理(S235)におけるS248に処理を移行する。
一方、S247においては、サブCPU51は、手動解除演出処理を実行し、操作ハンドルユニット35の操作、若しくは時間の経過の何れかの条件を満たす場合に、入賞装置10における遊技球貯留ユニット14の貯留状態を解除する。ここで、図29を参照しつつ、手動解除演出処理(S247)の処理内容について説明する。
手動解除演出処理(S247)に移行すると、サブCPU51は、操作ハンドルユニット35を用いた解除操作の入力が有効な入力有効時間の数値を、所定値に設定する(S271)。入力有効時間の数値設定を完了した後、サブCPU51は、S272に処理を移行する。
S272においては、サブCPU51は、操作ハンドルユニット35の解除操作が行われたか否かを判断する。操作ハンドルユニット35の解除操作が行われた場合(S272:YES)、サブCPU51は、S275に処理を移行する。一方、操作ハンドルユニット35の解除操作が行われていない場合(S272:NO)、サブCPU51は、サブ制御基板50のRAMを参照し、入力有効時間の数値を1減算し(S273)、その後、S274に処理を移行する。
S274では、サブCPU51は、サブ制御基板50のRAMを参照し、入力有効時間の値が0であるか否かを判断する。入力有効時間が0である場合(S274:YES)、サブCPU51は、S275に処理を移行する。一方、入力有効時間が0ではない場合(S274:NO)、サブCPU51は、S272に処理を戻し、入力有効時間の値が0となるまで、処理を繰り返す。
S275に移行すると、サブCPU51は、操作ハンドルユニット35の解除操作が行われたこと、若しくは、入力有効時間の値が0になったことに基づいて、遊技球貯留ユニット14の貯留状態を解除すべく、遊技球貯留ユニット14の解除設定を行う。その後、サブCPU51は、手動解除演出処理(S247)を終了し、特定演出処理(S235)におけるS248に処理を移行する。
再び、図24を参照しつつ、特定演出処理(S235)におけるS248以後の処理内容について説明する。S248に移行すると、サブCPU51は、第1始動入賞口11を介して、入賞装置10内に入った遊技球がクルーン部材15における複数の入球部16の何れかに入球したか否かを、各入球部16に配設された入球センサ18に基づいて判断する。遊技球が複数の入球部16の何れかに入球した場合(S248:YES)、サブCPU51は、S249に処理を移行する。一方、クルーン部材15の各入球部16の何れにも遊技球が入球していない場合(S248:NO)、サブCPU51は、何れかの入球部16に対して遊技球が入球するまで処理を待機する。
S249においては、サブCPU51は、演出種類特定処理を実行し、特定演出に続いて行われる演出種類を決定する。具体的には、サブCPU51は、配置パターン取得処理(S242、S243)で取得された一の配置パターンと、クルーン部材15の内、遊技球が入球した一の入球部16に基づいて、遊技球が入球した入球部16に対応付けられている演出種類を、特定演出に続いて行われる演出種類として特定する。
例えば、図25に示す第1配置パターンテーブルの「配置パターン(5)」が設定されている状態で、クルーン部材15の第4入球部16Dに遊技球が入球した場合、サブCPU51は、第4入球センサ18Dによって、第4入球部16Dに入球した遊技球を検出し、特定演出に続いて行われる演出種類を、「SPリーチ演出」に特定する。このようにして、演出種類を特定した後、サブCPU51は、S250に処理を移行する。
S250においては、サブCPU51は、演出内容抽選処理を実行し、演出種類特定処理(S249)で特定された一の演出種類を構成する複数の演出内容から、取得した乱数値を用いた抽選によって、特定演出に続いて行われる一の演出内容を決定する。例えば、上述の例に従って説明すると、特定された演出種類である「SPリーチ演出」に属する複数の演出内容(即ち、「SPリーチ演出(1)」「SPリーチ演出(2)」…)から、乱数値を用いた抽選によって、特定演出に続いて行われる一の演出内容を決定する。一の演出内容を決定した後、サブCPU51は、S251に処理を移行する。
S251に移行すると、サブCPU51は、演出内容抽選処理(S250)によって決定された一の演出内容を、特定演出に続いて行われる演出内容として設定する。その後、サブCPU51は、特定演出処理(S235)を終了し、メインコマンド解析処理(S221)のS238に処理を移行する。
次に、メインコマンド解析処理(S221)において、始動入賞コマンドを受信した場合(S234:YES)に移行する始動口入賞処理(S237)の処理内容について、図30を参照しつつ詳細に説明する。
始動口入賞処理(S237)に移行すると、先ず、サブCPU51は、受信した始動口入賞コマンドに含まれる入賞情報を、サブ制御基板50のRAMに格納し(S281)、その後、S282に処理を移行する。尚、当該入賞情報は、第1始動入賞口11に対する遊技球の入賞タイミングに応じて取得された各種乱数値(例えば、予告演出の態様を示す演出態様乱数等)を含んでいる。
S282に移行すると、サブCPU51は、演出態様事前決定処理を実行し、格納した入賞情報に基づいて、第1始動入賞口11に対する遊技球の入賞に係る予告演出の態様を決定する。ここで、図31を参照しつつ、演出態様事前決定処理(S282)の処理内容について詳細に説明する。
図31に示すように、演出態様事前決定処理(S282)に移行すると、サブCPU51は、サブ制御基板50のRAMから、入賞情報に含まれている演出態様乱数を取得する。即ち、当該遊技機1は、この時点で、特別図柄保留球数に係る保留を先読みし得る。S291で演出態様乱数を取得した後、サブCPU51は、S292に処理を移行する。
S292においては、サブCPU51は、取得した演出態様乱数に基づいて、第1始動入賞口11の入賞に対する演出が特定演出に当選しているか否かを判断する。特定演出に当選している場合(S292:YES)、サブCPU51は、入賞装置10の流路切替部材13を、第1状態(図2中、実線参照)に切り替える(S293)。この場合、遊技球は、第1始動入賞口11に入賞すると、当該流路切替部材13によって、遊技球貯留ユニット14、クルーン部材15へ向かう第1流路12Aへ案内されることになる。流路切替部材13を第1状態に切り替えた後、サブCPU51は、演出態様事前決定処理(S282)を終了する。
一方、特定演出以外の演出に当選している場合(S292:NO)、サブCPU51は、入賞装置10の流路切替部材13を、第2状態(図2中、破線参照)に切り替える(S294)。この場合、遊技球は、第1始動入賞口11に入賞すると、当該流路切替部材13によって、第2流路12Bへ案内されることになり、アウト球として取り扱われる。流路切替部材13を第2状態に切り替えた後、サブCPU51は、演出態様事前決定処理(S282)を終了する。
再び図30を参照し、始動口入賞処理(S237)の処理内容について説明する。演出態様事前決定処理(S282)を終了すると、サブCPU51は、その他の処理(S283)を実行し、始動口入賞処理(S237)を終了する。
続いて、2msタイマ割込み処理(S210)について、図32を参照しつつ詳細に説明する。図32に示すように、2msタイマ割込み処理(S210)に移行すると、サブCPU51は、先ず、入力処理を実行する(S301)。入力処理(S301)では、サブCPU51は、操作ボタン等の入力データを作成し、サブ制御基板50のRAMに入力する。その後、サブCPU51は、S302に処理を移行する。
S302においては、サブCPU51は、ランプデータ出力処理を実行する。ランプデータ出力処理(S302)では、サブCPU51は、10msタイマ割込み処理(S209)のその他の処理(S222)で作成したランプデータの出力を行う。その後、サブCPU51は、S303に処理を移行する。
S303に移行すると、サブCPU51は、駆動出力処理を実行し、可動演出ユニット(図示せず)を構成する駆動モータの駆動パターン等を示す駆動データの作成、及び当該駆動データの出力を行う。その後、サブCPU51は、駆動出力処理(S303)を終了し、ウォッチドックタイマ処理(S304)を実行する。ウォッチドックタイマ処理(S304)を終了すると、サブCPU51は、2msタイマ割込み処理(S210)を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る遊技機1によれば、特定演出を実行する場合(S233:YES)に、第1始動入賞口11を介して入賞装置10に入賞した遊技球と、クルーン部材15の各入球部16を用いて、特定演出に続いて行われる予告演出の種類を、複数の予告演出の種類から、遊技球が入球した入球部に対応付けられた一の種類に決定する(S249)。即ち、当該遊技機1によれば、特定演出に続いて行われる予告演出の種類が、クルーン部材15に形成された複数の入球部16に対応する数の種類に発展可能に構成されているので(図25、図26参照)、より多様な種類の予告演出を用いて、遊技者の期待感を高め得る。
当該遊技機1によれば、前記演出種類特定処理(S249)によって決定された一の予告演出の種類に含まれる複数の演出内容から、前記所定の予告演出に続いて行われる一の予告演出の内容を選択して設定する(S250)。図27に示すように、一の予告演出の種類に含まれる複数の演出内容は、それぞれ異なる内容を示す為、当該遊技機1によれば、更に多様な内容の予告演出を用いて、遊技者の期待感を高めることができる。
図2に示すように、入賞装置10は、遊技球流路12における第1流路12Aの経路上に、遊技球貯留ユニット14が配設されており、第1始動入賞口11から第1流路12Aを流下する遊技球を貯留可能に構成されている。そして、当該遊技機1によれば、特定演出に続く予告演出の種類を決定する場合に、時間の経過に伴い遊技球貯留ユニット14における貯留を解除する自動解除演出処理(S245)と、操作ハンドルユニット35による解除操作によって、遊技球貯留ユニット14における貯留を解除可能な手動解除演出処理(S247)の何れかを実行するので、特定演出に続いて行われる予告演出の種類の決定に際し、遊技球貯留ユニット14による遊技球の貯留の有無による影響を与えることができ、予告演出の多様性を担保させ得る。即ち、当該遊技機1によれば、特定演出に続いて行われる予告演出の種類の決定に際し、操作ハンドルユニット35の解除操作によって遊技者が関与し得るので、特典の付与に対する遊技者の期待感を向上させ得る。
当該遊技機1において、入賞装置10の遊技球流路12は、第1流路12Aと、第2流路12Bに分岐しており、第1流路12Aと第2流路12Bの分岐点に、流路切替部材13が配設されている。当該遊技機1によれば、始動口入賞処理(S237)の演出態様事前決定処理(S282)において、特定演出に当選している場合(S292:YES)に、流路切替部材13を、第1状態に変更し、特定演出に当選していない場合(S292:NO)、流路切替部材13を、第2状態に変更するので、遊技球貯留ユニット14による遊技球の貯留、及びクルーン部材15等を用いた演出種類の決定を、適切な条件下で実行することができる。
又、遊技機1は、特定演出処理(S235)の配置パターン取得処理(S242、S243)において、前記サブ制御基板50のROMに格納されている配置パターンテーブル(図25、図26参照)を参照して一の配置パターンを取得することで、クルーン部材15の各入球部16に対して対応付けられる一の演出種類を、夫々変更するので、特定演出に続いて行われる予告演出の種類として設定され得る予告演出の種類を随時変更することができる。この結果、特定演出に続いて行われる予告演出の種類を、更に多様化することができ、多様な特徴を持った予告演出によって、遊技者の期待感を高めることができる。この時、前記サブ制御基板50のROMに格納されている配置パターンテーブル(図25、図26参照)を参照するのみであるため、サブCPU51等の制御負担を増大させることもない。
上述した各実施形態として具体化した本発明の各側面については、以下の手段(1)〜手段(7)として概念的に説明することができる。
(手段(1)の構成)
本発明の一側面に係る手段(1)としての遊技機は、遊技盤上を流下する遊技球が入賞可能に配設された入賞口を備えた入賞装置と、所定条件を満たす場合に、遊技者に対して有利な特典を付与するか否かを判断する判断手段と、前記判断手段の判断結果を前記遊技者に示唆する為の予告演出を実行する予告演出手段と、を有する遊技機であって、前記入賞装置は、前記入賞口に入賞した遊技球を収容可能に構成された入球部を複数有し、回転駆動可能に配設された回転部材と、前記回転部材における複数の入球部の内、前記遊技球を収容した入球部を特定する入球位置特定手段と、を有する回転装置を備え、前記予告演出手段は、前記入賞口に対する遊技球の入賞に基づいて、所定の予告演出を実行する場合に、当該所定の予告演出に続いて行われる予告演出の種類を、複数の予告演出の種類から、前記入球位置特定手段により特定された入球部に対応付けられた一の種類に決定する演出種類決定手段を有することを特徴とする。
(手段(1)の効果)
当該手段(1)に係る遊技機は、入賞装置と、判断手段と、予告演出手段とを有しており、予告演出手段によって、予告演出を実行することによって、遊技者にとって有利な特典の付与の有無を示唆して、当該特典の付与に対する遊技者の期待感を向上させ得る。当該遊技機における入賞装置は、回転装置を有しており、当該回転装置は、複数の入球部を有し回転駆動可能に配設された回転部材と、入球位置特定手段とを有している。そして、当該遊技機は、前記入賞口に対する遊技球の入賞に基づいて、所定の予告演出を実行する場合に、演出種類決定手段によって、当該所定の予告演出に続いて行われる予告演出の種類を、複数の予告演出の種類から、前記入球位置特定手段により特定された入球部に対応付けられた一の種類に決定する。即ち、当該遊技機によれば、所定の予告演出に続いて行われる予告演出の種類が、回転部材に形成された複数の入球部に対応する数の種類に発展可能に構成されているので、より多様な種類の予告演出を用いて、遊技者の期待感を高め得る。又、予告演出の種類が異なるのであるから、予告演出の特徴は、種類ごとに大きく異なることとなり、多様な特徴を持った予告演出によって、遊技者の期待感を高めることができる。
(手段(2)の構成)
本発明の一側面に係る手段(2)である遊技機は、手段(1)に係る遊技機であって、前記予告演出手段は、前記演出種類決定手段によって決定された一の予告演出の種類に含まれる複数の演出内容から、前記所定の予告演出に続いて行われる一の予告演出の内容を選択して設定する演出内容設定手段を有することを特徴とする。
(手段(2)の効果)
当該手段(2)に係る遊技機によれば、演出内容設定手段によって、前記演出種類決定手段によって決定された一の予告演出の種類に含まれる複数の演出内容から、前記所定の予告演出に続いて行われる一の予告演出の内容を選択して設定する。一の予告演出の種類に含まれる複数の演出内容は、それぞれ異なる内容を示す為、当該遊技機によれば、更に多様な内容の予告演出を用いて、遊技者の期待感を高め得る。
(手段(3)の構成)
本発明の一側面に係る手段(3)である遊技機は、手段(1)又は手段(2)に記載の遊技機であって、前記入賞装置は、前記入賞口から前記回転部材への間の、前記遊技球が流下する経路上に配設され、前記入賞口に入賞した遊技球を貯留可能に構成された貯留手段を有し、前記予告演出手段は、前記所定の予告演出を実行する際に、前記入賞口に入賞した遊技球を貯留するように、前記貯留手段を制御し、所定の条件を満たした場合に、前記貯留手段による遊技球の貯留を解除する解除手段を有することを特徴とする。
(手段(3)の効果)
当該手段(3)に係る遊技機において、入賞装置は、貯留手段を有しており、前記入賞口に入賞した遊技球を貯留可能に構成されている。当該遊技機によれば、前記所定の予告演出を実行する際に、前記入賞口に入賞した遊技球を貯留するように、前記貯留手段を制御し、所定の条件を満たした場合に、解除手段によって、前記貯留手段による遊技球の貯留を解除するので、所定の予告演出に続いて行われる予告演出の種類の決定に際し、貯留手段による遊技球の貯留の有無による影響を与えることができ、予告演出の多様性を担保させ得る。
(手段(4)の構成)
本発明の一側面に係る手段(4)である遊技機は、手段(3)に係る遊技機であって、遊技者が操作可能な操作手段を有し、前記予告演出手段は、所定期間の経過に伴って前記解除手段を制御して、前記貯留手段による遊技球の貯留を自動的に解除する自動解除設定と、前記操作手段の操作に基づいて前記解除手段を制御して、前記貯留手段による遊技球の貯留を解除する手動解除設定の何れかに設定する貯留制御手段を有することを特徴とする。
(手段(4)の効果)
当該手段(4)に係る遊技機によれば、貯留手段による遊技球の貯留の解除に関して、自動解除設定と、手動解除設定の何れかを設定することができるので、所定の予告演出に続いて行われる予告演出の種類の決定に対して、遊技者の操作による関与を許容するか否かを設定し得る。即ち、当該遊技機によれば、所定の予告演出に続いて行われる予告演出の種類の決定に際し、操作手段の操作によって遊技者が関与し得るので、特典の付与に対する遊技者の期待感を向上させ得る。
(手段(5)の構成)
本発明の一側面に係る手段(5)である遊技機は、手段(3)又は手段(4)に記載の遊技機であって、前記入賞装置は、前記貯留手段を有し、前記遊技球を前記回転部材に向かって案内する第1経路と、前記遊技球をアウト球として排出する第2経路と、前記第1経路と前記第2経路との分岐点に配設され、前記遊技球を前記第1経路へ案内する第1状態と、前記遊技球を前記第2経路へと案内する第2状態に切替可能に配設された切替部材を有し、前記予告演出手段は、前記入賞口に対する遊技球の入賞に基づいて、所定の予告演出を実行すると決定された場合に、前記切替部材を、第2状態から第1状態に変更する切替制御手段を有することを特徴とする。
(手段(5)の効果)
当該手段(5)に係る遊技機によれば、遊技機の入賞装置は、前記遊技球を前記貯留手段及び前記回転部材に向かって案内する第1経路と、前記遊技球をアウト球として排出する第2経路と、切替部材を有している。当該遊技機によれば、前記入賞口に対する遊技球の入賞に基づいて、所定の予告演出を実行すると決定された場合に、切替制御手段によって、前記切替部材を、第2状態から第1状態に変更するので、貯留手段による遊技球の貯留、及び回転装置を用いた演出種類の決定を、適切な条件下で実行することができる。
(手段(6)の構成)
本発明の一側面に係る手段(6)である遊技機は、手段(1)乃至手段(5)の何れかに記載の遊技機であって、前記予告演出手段は、前記入賞口に対する遊技球の入賞に基づく抽選によって、前記回転部材の各入球部に対して対応付けられる一の演出種類を、夫々変更する配置設定変更手段を有することを特徴とする。
(手段(6)の効果)
当該手段(6)に係る遊技機によれば、前記入賞口に対する遊技球の入賞に基づく抽選によって、前記回転部材の各入球部に対して対応付けられる一の演出種類を、配置設定変更手段により夫々変更するので、所定の予告演出に続いて行われる予告演出の種類として設定され得る予告演出の種類を随時変更することができる。この結果、所定の予告演出に続いて行われる予告演出の種類を、更に多様化することができ、多様な特徴を持った予告演出によって、遊技者の期待感を高めることができる。
(手段(7)の構成)
本発明の一側面に係る手段(7)である遊技機は、手段(6)記載の遊技機であって、前記予告演出手段は、前記回転部材の各入球部に対して、夫々、一の演出種類を対応付けた配置パターンを、複数種類記憶した配置パターン記憶手段を有し、前記配置設定変更手段は、前記配置パターン記憶手段に記憶されている複数種類の配置パターンから、前記入賞口に対する遊技球の入賞に基づいて、一の配置パターンを選択することにより、前記回転部材の各入球部に対して対応付けられる一の演出種類を、夫々変更することを特徴とする。
(手段(7)の効果)
当該手段(7)に係る遊技機は、前記配置パターン記憶手段に記憶されている複数種類の配置パターンから、前記入賞口に対する遊技球の入賞に基づいて、一の配置パターンを選択することにより、前記回転部材の各入球部に対して対応付けられる一の演出種類を、夫々変更するので、遊技機における制御処理の負担を増大させることなく、回転部材の各入球部に対して対応付けられる一の演出種類を夫々変更することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上述した各実施形態においては、入賞装置10におけるクルーン部材15は、第1入球部16A〜第6入球部16Fの6個であったが、この態様に限定されるものではない。例えば、クルーン部材15における入球部16の個数を、5個以下としてもよいし、より増やしてもよい。
又、上述した実施形態においては、特定演出に続いて行われる予告演出の種類として、「通常リーチ演出」「熱い演出」「SPリーチ演出」「V演出」の4種類であったが、この態様に限定されるものではない。予告演出の種類としては、より多種類を採用してもよい。又、予告演出の種類毎に、確率変動状態への移行に対する信頼度が異なるように構成されていたが、同じ信頼度の予告演出の種類を含んでいてもよい。
更に、各予告演出の種類に属する予告演出の内容は、相互に異なる内容であればよく、種々の態様を採用し得る。例えば、図柄表示装置5等における映像演出、スピーカ34等からの発音演出、遊技機1におけるランプ装置の点灯態様を用いた発光演出等を、夫々個別に実行しても良いし、これらを組み合わせた内容の予告演出であっても良い。