以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1乃至図7は本発明の第1実施例を例示する。
図1において、1は前枠で、パチンコ機本体2の前面側に開閉自在に枢着されている。前枠1にはガラス扉3及び前面板4が装着され、またこれらの後側に遊技盤5が着脱自在に装着されている。前面板4には上皿6が装着され、この上皿6の前縁部に球払いレバー7が設けられている。前枠1の下部には下皿8と発射手段9の操作ハンドル10とが設けられ、操作ハンドル10を操作した時に、上皿6から遊技球Bが1個ずつ発射部に供給され、その遊技球Bを発射モータの作動により遊技盤5側に発射するようになっている。
遊技盤5の前面には、図2に示すように、発射された遊技球Bを案内するガイドレール11が設けられると共に、障害釘の他、左上入賞手段12、右上入賞手段13、左下入賞手段14、右下入賞手段15、変動図柄表示手段16、中央入賞手段17、大入賞手段18、始動ゲート19、アウト20、及びコーナーランプ21が夫々設けられている。
変動図柄表示手段16は横方向の左右及び中央に3個の図柄表示部22,23,24を備え、この各図柄表示部22,23,24は0〜9までの数字図柄をセグメント表示するようになっている。この3個の図柄表示部22,23,24の内、左右の2個の図柄表示部22,23は乱数処理により作動する乱数処理用であって、始動ゲート19に遊技球Bが入った時に乱数処理手段25(図7参照)の乱数処理によって図柄を変動させ、所定時間の経過後に、その乱数に応じて予め定められた組み合わせの図柄で停止させるようになっている。また中央の図柄表示部24は遊技球Bの処理により作動する遊技球処理用であって、左右の図柄表示部22,23の変動後の停止図柄が一致する時に変動を開始し、中央入賞手段17の遊技球処理後に停止信号があった時に、その停止信号によって指示された図柄で停止するようになっている。
中央入賞手段17は、図3乃至図6に示すように、遊技盤5の盤面に沿って上方から落下する遊技球Bが入球した時に、その遊技球Bを振り分けるルーレット式の振り分け手段26と、この振り分け手段26の入口側に設けられたチューリップ式の入口開閉用の開閉手段27とを備え、変動図柄表示手段16と一体の取り付け板28を介して遊技盤5の前面中央部に装着されている。
開閉手段27は、遊技盤5の前面側で上方に開口する入球口29と、この入球口29を開閉する一対の開閉爪30と、この開閉爪30を開閉駆動するソレノイド(図示省略)とを備えている。そして、この開閉手段27は、左右の図柄表示部22,23の図柄が「0・0」「1・1」「9・9」のように同一図柄のリーチ状態となった時に、ソレノイドにより開閉爪30が例えば6回間欠的に開閉するようになっている。なお、この開閉手段27は、振り分け手段26に所定数、例えば1個の遊技球Bが入球すれば、その後は開閉しないように構成されている。
振り分け手段26は、前面側が取り付け板28側の窓31側に開放する箱状のケース本体32と、ケース本体32の底部側に設けられた支持板33と、この支持板33の上面に環状に形成された旋回レール34と、旋回レール34の内側に配置された回転体35と、回転体35に形成された入球部43とを備えている。なお、この実施例では、回転体35により作動体が構成されている。
ケース本体32は遊技盤5に形成された開口部36a に前側から嵌め込まれており、このケース本体32の後部両側には左右一対の球案内通路36,37が山形状に形成されている。この両球案内通路36,37は球落下通路38を介して開閉手段27の入球口29に連通し、また球落下通路38の下端には、この球落下通路38から落下する遊技球Bを1対5程度の比率で左右の各球案内通路36,37に分配する分配頂部39が山形状に設けられている。
支持板33の後部両側には、各球案内通路36,37からの遊技球Bを旋回レール34に案内する傾斜通路40,41が設けられている。旋回レール34は内周側が回転体35に向かって略水平状に形成されると共に、内周側の周方向の3箇所に、旋回レール34上で失速した遊技球Bが回転体35側に入り易くなるように凹部34a が形成されている。
回転体35は、外周側が旋回レール34よりも低くなった偏平円錐状で、頂部から放射状に延びる稜線部42が周方向に10個形成されると共に、その隣り合う一対の稜線部42間に孔状の入球部43が夫々形成されている。10個の各入球部43は、図柄表示部22,23,24に表示される0〜9までの10種類の図柄数に対応しており、また回転体35にはその各入球部43が対応する数字図柄が表示されている。
回転体35は支持板33の下面に装着されたステッピングモータ44の回転軸45に固定され、ステッピングモータ44の駆動によりa 矢示方向に回転するようになっている。支持板33の前部には、回転体35の回転時にその各入球部43が上側を通過するように落下孔46が形成され、回転体35の何れかの入球部43に入った遊技球Bを落下孔46から下方に落下させるようになっている。なお、支持板33には、その旋回レール34の下側と回転体35の中央部分とに対応するように発光ダイオード47,48が設けられている。旋回レール34の下側の発光ダイオード47は周方向に等間隔をおいて10個あり、点滅制御されている。
回転体35側の発光ダイオード48は、回転体35と同心円上に多数配置されており、通常時は回転体35の回転に同期して発光位置がa 矢示方向に移動するように点滅制御され、且つ左右の図柄表示部22,23の図柄が同一になった時に、その図柄に対応する入球部43の位置を発光表示するようになっている。
例えば、左右の図柄表示部22,23の停止図柄が「3・3」になった場合には、その「3」の入球部43に対応する位置の各発光ダイオード48が発光して、遊技者の狙うべき入球部43が「3」の位置であることを表示するようになっている。支持板33の落下孔46の下側には、外れ側と当たり側との左右一対の分岐通路49,50と、落下孔46から落下する遊技球Bを左右の各分岐通路49,50に分岐させる分岐手段51とが設けられている。各分岐通路49,50は、変動図柄表示手段16の上側から左右両側を経由して遊技球Bを下方に案内するように設けられ、この各分岐通路49,50を通過する遊技球Bを前方から目視できるように、各分岐通路49,50に対応して取り付け板28に窓孔49a ,50a が形成されている。
分岐手段51は、落下孔46の下方で左右の分岐通路49,50間に配置された分岐爪52と、この分岐爪52を支軸54廻りに揺動させるソレノイド53とを備え、常時、外れ側の分岐通路49に遊技球Bを分岐させるようになっており、変動図柄表示手段16の3個の図柄表示部22,23,24の図柄が全て一致した時に、ソレノイド53が作動して分岐爪52を駆動し、遊技球Bを当たり側の分岐通路50に分岐させるようになっている。落下孔46の直下には、この落下孔46から落下する遊技球Bを検出するための検出スイッチ55が設けられ、また当たり側の分岐通路50の出口側にも遊技球Bを検出する検出スイッチ56が設けられている。
各入賞手段12〜15は、遊技球Bが入球する毎に所定数の遊技球Bを払い出すためのものである。大入賞手段18は開放時に上方から落下する遊技球Bを案内して入球させる開閉板18a を有し、当たりの権利状態が発生した後に、右上入賞手段13に遊技球Bが入球すれば、その都度、開閉板18a を所定時間だけ開放するようになっている。なお、この大入賞手段18の開閉は、1回の権利状態の発生について16回までである。
図7は制御系を示すブロック図である。図7において、57は乱数判定手段で、変動図柄表示手段16の左右の図柄表示部22,23の図柄が一致する時の乱数を判定して、両図柄が一致した時に開閉手段27を作動させるようになっている。58はモータ駆動手段で、ステッピングモータ44を駆動する駆動パルスを発生するようになっている。59はモータ駆動手段58からの駆動パルスのパルス数を計数する計数手段、60は回転体35の各入球部43が落下孔46に対応する時の回転体35の各回転位置を設定する位置設定手段である。61は位置判別手段で、検出スイッチ55が遊技球Bを検出した時に、計数手段59からのパルス数を読み取って位置設定手段60の設定値と比較し、回転体35側の10個の入球部43の内、検出スイッチ55で検出した遊技球Bが入っていた入球部43を判別して、その各入球部43の位置信号を出力するようになっている。
62は図柄表示部24の停止制御手段で、位置判別手段61から位置信号があった時に、その位置信号に従って図柄表示部24に停止図柄を指示する停止信号を出力するようになっている。63は当たり判定手段で、乱数判定手段57からの信号と停止制御手段62からの信号とを読み込んで、3個の各図柄表示部22,23,24の表示図柄が全て一致する当たりか否かを判定するようになっている。64は権利発生手段で、当たり判定手段63が当たりと判定した時に、遊技者に有利な権利状態を発生させるためのものである。この権利発生手段64は、当たり判定後に検出スイッチ56が当たり側の分岐通路50の遊技球Bを検出し、且つ遊技盤5の右上入賞手段13に遊技球Bが1個入る毎に、大入賞手段18の開閉板18a を所定時間だけ開放させ、この大入賞手段18の開閉動作を16回繰り返すようになっている。
大入賞手段18は、左右の各図柄表示部22,23の変動後における停止図柄が、予め設定された当り図柄、例えば「7・7・7」の組み合わせ図柄を表示した時に、所要時間だけ開閉板18a が開くようになっている。なお、計数手段59、位置設定手段60、位置判別手段61、停止制御手段62により、乱数処理と異なる遊技球Bの処理により図柄表示部24を作動させる制御手段65が構成されている。
次に上記パチンコ機における制御動作について説明する。ゲームに際して、発射手段9の操作ハンドル10を操作すると、発射手段9の発射動作に連動して発射レールの発射位置に遊技球Bを1個ずつ供給し、その遊技球Bをガイドレール11に沿って順次遊技盤5の上部側に発射させる。そして、この遊技盤5の上部側に発射された遊技球Bが遊技盤5の盤面に沿って落下する間に、その遊技球Bが始動ゲート19に入ると、乱数処理手段25が作動して左右の各図柄表示部22,23の図柄を変動させ、所定の変動時間が経過した時に各図柄表示部22,23の図柄を停止させる。
なお、この時の各図柄表示部22,23の変動、停止制御は、始動ゲート19に遊技球Bが入球した時の乱数を読み取り、その乱数を乱数処理手段25で乱数処理することにより行っており、予め定められた所定の乱数値の時に、各図柄表示部22,23の図柄が一致して、「0・0」「1・1」「2・2」「9・9」等の図柄を表示するようになっている。
乱数処理手段25から左右の各図柄表示部22,23の停止図柄を一致させる乱数が発生すると、この左右の各図柄表示部22,23の図柄が所定時間だけ変動し、その後両者が同時か又は僅かの時間差をおいて停止して、左右の各図柄表示部22,23に同一の図柄、例えば「3・3」が表示される。従って、この場合には、中央の図柄表示部24の図柄が「3」になれば、当たりとなって権利状態が発生する。
一方、左右の各図柄表示部22,23の図柄が「3・3」のリーチ状態になれば、この時の乱数を乱数判定手段57で判定して、開閉手段27に動作指令を出力するので、この開閉手段27の開閉爪30が所定回数だけ間欠的に開閉動作を繰り返す。例えば、0.9秒間開き、0.25秒間閉じる動作を1回として、この開閉動作を6回繰り返す。そして、開閉手段27の開時には、一対の開閉爪30が左右に開き、遊技球Bが入球し易くなる。
振り分け手段26では、支持板33上の回転体35がステッピングモータ44により回転軸45廻りに駆動されて、常時、a 矢示方向に回転状態にあると共に、旋回レール34の下側の各発光ダイオード48が回転体35の回転速度に同期して回転するように点滅している。また、この時、変動図柄表示手段16の左右の図柄表示部22,23の停止図柄が「3・3」であれば、「3」の入球部43に遊技球Bが入った時に、変動図柄表示手段16の3個の各図柄表示部22,23,24の表示図柄が全て「3」になり、当たりの権利状態が発生することになるので、回転体35の下側の発光ダイオード48が回転体35の回転に同期して点滅して、遊技者に対して狙うべき入球部43が「3」であること、及びその「3」の入球部43の回転位置が何処にあるかを表示する。
このようにして開閉手段27の開閉爪30が間欠的に開閉動作を繰り返し、振り分け手段26の回転体35が回転する間に、遊技球Bが入球口29に1個入ると、開閉手段27内の検出スイッチ(図示省略)がその遊技球Bを検出する。そして、この検出スイッチからの信号により、変動図柄表示手段16の中央の図柄表示部24の図柄が変動を開始すると共に、開閉爪30が閉状態になり、後続の遊技球Bの入球を阻止する。このため、振り分け手段26に入球する遊技球Bの数を必ず1個に制限することができる。
開閉手段27の入球口29に入った遊技球Bは、球落下通路38から下方に落下する際に、分配頂部39によって約1対5の比率で左右の各球案内通路36,37に分配される。従って、球落下通路38から落下する遊技球Bの殆どは、右側の球案内通路37から傾斜通路41を経て振り分け手段26のケース本体32内に入り、支持板33上の旋回レール34上を反a 矢示方向に旋回する。
旋回レール34上の遊技球Bは、入球口29から球落下通路38、傾斜通路41を通過する時の慣性力に応じた速度で旋回レール34上を周回し、その間に徐々に失速して行く。そして、遊技球Bが失速すると、遊技球Bは旋回レール34の内周側に形成された何れかの凹部34a から、回転状態にある回転体35上に転がり込み、稜線部42に当たって回転体35上で躍りながら10個の何れかの入球部43内に振り分けられて入球する。
回転体35の入球部43に入った遊技球Bは、その後、下側の支持板33により支持された状態で回転体35と共にa 矢示方向に移動し、その入球部43が支持板33の前側の落下孔46に対応すると、遊技球Bはその入球部43から落下孔46を経て下方の分岐手段51側へと落下し、検出スイッチ55が遊技球Bを検出する。
ステッピングモータ44はモータ駆動手段58からのパルスによって駆動され、回転体35をa 矢示方向に回転させる。このステッピングモータ44の作動中、計数手段59がモータ駆動手段58からのパルスを順次計数し、そのパルス数により回転体35の回転位置を計測している。そして、検出スイッチ55が遊技球Bを検出すると、位置判別手段61が計数手段59からのパルス数を読み込んで、このパルス数を位置設定手段60にて各入球部43毎に夫々設定された各設定パルス数と比較して、遊技球Bが入っていた入球部43の位置を判別する。
この場合、回転体35が回転しているため、検出スイッチ55が遊技球Bを検出した時点と、位置判別手段61が計数手段59からのパルス数を読み込む時点との間にはタイムラグが生じる。しかし、ステッピングモータ44は常時一定の速度で回転しているので、位置判別手段61での処理時にそのタイムラグ分を補正すれば、計数手段59からのパルス数と位置設定手段60の設定パルス数とを比較することによって、回転体35の回転位置、即ち、遊技球Bが入っていた入球部43の位置を容易且つ確実に判断することができる。
位置判別手段61が入球部43の位置を判別すると、その位置信号に応じて停止制御手段62が作動すると共に、当たり判定手段63が当たりか否かを判定する。即ち、停止制御手段62では、位置判別手段61から各入球部43に対応する位置信号が出ると、変動図柄表示手段16の中央の図柄表示部24にその時の入球部43の位置を表示するように、その位置信号により中央の図柄表示部24の変動図柄を停止させる。即ち、遊技球Bの「3」の入球部43に入っていた場合には、中央の図柄表示部24の図柄が「3」になる。
これと同時に、当たり判定手段63に乱数判定手段57からの乱数信号と位置判別手段61からの位置信号とを入力し、この当たり判定手段63で当たりか否かをする。例えば、遊技球Bの入っていた入球部43が「3」以外の場合には、当たり判定手段63が外れと判定し、「3」の場合には、当たり判定手段63が当たりと判定する。そして、当たり判定手段63が外れと判定した場合には、分岐手段51の分岐爪52は図5の実線状態のままであり、支持板33の落下孔46から落下する遊技球Bを分岐通路49に案内して、その後、通常の入賞処理によって賞球の払い出し処理を行う。
また当たり判定手段63が当たりと判定した場合には、分岐手段51の分岐爪52が図5の実線から仮想線の状態に切り替わり、落下孔46から落下する遊技球Bを分岐通路50に案内する。そして、この分岐通路50の検出スイッチ56が遊技球Bを検出して当たりを確認すると、権利発生手段64が働く権利状態が発生する。
この権利状態が発生すれば、その後、右上入賞手段13に遊技球Bが1個入る毎に権利発生手段64が働いて、大入賞手段18の開閉板18a を所定時間だけ前方に開放するので、遊技盤5に沿って上方から落下する遊技球Bを開閉板18a により大入賞手段18内に案内する。そして、この大入賞手段18に入球する遊技球Bの球数に応じて、通常の入賞処理により賞球の払い出し処理を行って、遊技者に利益を還元する。
このようにすれば、変動図柄表示手段16の左右の図柄表示部22,23には、通常の乱数処理によって「3」「3」の図柄が表示され、また中央の図柄表示部24には振り分け手段26による遊技球Bの振り分け処理、つまり回転体35の回転位置の表示処理によって「3」の図柄が表示されるので、変動図柄表示手段16の各図柄表示部22,23,24には「3・3・3」の図柄が表示されることになる。従って、遊技者は、中央入賞手段17に遊技球Bが入球して、振り分け手段26の回転体35により遊技球Bが振り分けられた後、その遊技球Bが落下孔46から落下するまでの間、遊技者は遊技球Bの移動状況を窓31から目視により確認しながらゲームを行うことができ、しかも変動図柄表示手段16の図柄の変動処理に間接的に関与することができる。このため、従来の乱数処理によって変動図柄表示手段16の図柄を変動させる場合に比較して、遊技者の興趣が著しく向上し、遊技者は、中央入賞手段17に遊技球Bが入球した時には、その遊技球Bを追いつつその行方に期待しながらゲームを面白く行うことができる。
図8乃至図10は本発明の第2実施例を例示し、変動図柄表示手段16の左右の図柄表示部22,23間に、横軸心廻りに回転するドラム状の回転体35を配置し、この回転体35の外周面に数字図柄66を表示して、この回転体35の外周面の数字図柄66を中央の図柄表示部24として直接利用し、これらにより3個の図柄を横一列状に表示するようにしたものである。即ち、回転体35は内ドラム67と外ドラム68とを同心状に備え、その内外ドラム67,68間を放射状の隔壁69により区画して10個の入球部43が構成されている。回転体35は横方向の回転軸45を介してケース本体32に回転自在に支持されると共に、ステッピングモータ44により駆動される。回転体35の外ドラム68の外周面には、10個の各入球部43に対応するように0〜9までの10個の数字図柄が表示されている。
回転体35の各入球部43は、球案内板70上の遊技球Bが左右両側から入るように左右に貫通状に構成されると共に、各入球部43が球案内板70の下側に通過した時に、その内部の遊技球Bを左右の一側方、例えば左側に落下させるように方向性を持たせて構成されている。球案内板70は遊技盤5の前側の左右両側に案内壁71,72を有し、開閉手段27の入球口29から分配頂部39、左右の球案内通路36,37、傾斜通路40,41を経て球案内板70の左右に落下する遊技球Bを回転体35の左右両側に案内するように構成されている。
ケース本体32には球案内板70の上側で回転体35を前側から覆うようにカバー73が設けられており、このカバー73に、回転体35の外周面の1個の数字図柄66が見えるように、左右の各図柄表示部22,23間に対応して矩形状の窓孔74が形成されている。なお、変動図柄表示手段16は乱数処理用の図柄表示部22,23のみを備え、その各図柄表示部22,23にはドット表示式のものが用いられている。
球案内板70の下側で回転体35の左側には、回転体35の入球部43から落下する遊技球Bを検出する検出スイッチ55と、遊技球Bを左右の分岐通路49,50に分岐させる分岐手段51とが上下に配置されている。分岐手段51は支軸75に固定された分岐板76を有し、この分岐板76を支軸75廻りに回動させて遊技球Bを各分岐通路49,50に分岐させるようになっている。
この第2実施例の場合には、回転体35の両側の各図柄表示部22,23の図柄が乱数処理により一致すると、回転体35がステッピングモータ44によって回転軸45廻りに回転し始める。この時の回転軸45の回転速度は、外ドラム68の外周面の図柄が目視により確認できる程度である。これと同時に開閉手段27が開閉動作を開始する。そして、開閉手段27の入球口29に遊技球Bが入球すると、その遊技球Bは左右何れかの球案内通路36,37、傾斜通路40,41から案内壁71,72を介して球案内板70上に落下し、この球案内板70上を転がって回転体35の側方へと移動して行った後、回転中の回転体35の何れかの入球部43に入る。
回転体35の入球部43に入った遊技球Bは、その入球部43が回転体35の回転によって球案内板70の下側に通過した時に左側に排出され、検出スイッチ55,56を経て分岐手段51の分岐爪52上に落下する。そして、検出スイッチ55が入球部43を検出すると、ステッピングモータ44に停止指令が入り、回転体35の外周面の図柄が左右の図柄表示部22,23と横一列状になるように回転体35を停止させる。
左右の各図柄表示部22,23の図柄が「7・7」の場合、「7」以外の図柄の位置で回転体35が停止すれば、遊技球Bを分岐手段51により外れ側の分岐通路49に案内する。また「7」の図柄の位置で回転体35が停止すれば、各図柄表示部22,23,24の図柄が「7・7・7」の当たり図柄の組み合わせになるので、分岐手段51が切り替わり、遊技球Bを当たり側の分岐通路50へと案内して行く。なお、この実施例の場合にも、回転体35の回転位置の検出は、ステッピングモータ44のパルス数を計数し、そのパルス処理により行うようになっている。
図11及び図12は本発明の第3実施例を例示し、回転体35を前後方向の軸心を有する回転軸45を介してステッピングモータ44により回転駆動すると共に、取り付け板28に、回転体35の外周を取り囲むように発光ダイオード48を配列し、回転体35の前側に左右方向に変動図柄表示手段16を設けたものである。
回転体35は外周側に12個の入球部43を有し、取り付け板28の中央に形成された円形の開口部80内に回転自在に配置されている。そして、回転体35は、常時、ステッピングモータ44により時計方向に回転駆動され、下部中央の球受取位置C で何れかの入球部43に遊技球Bを受け取った後、時計方向に回転して左側方の球排出位置D で遊技球Bを排出するようになっている。
取り付け板28の後側には、開閉手段27の入球口29から入球した遊技球Bを球受取位置C に案内するように左右一対の球落下通路36,37と、球排出位置D で回転体35の入球部43から排出された遊技球Bを球受取位置C の前側の検出スイッチ55に案内する案内通路81とが設けられている。検出スイッチ55の下側には遊技球B係止用のストッパー82の他、分岐手段51等が設けられている。
取り付け板28には、回転体35の12個の入球部43に対応する表示部83が開口部80の外周部に等間隔をおいて12個形成されると共に、この各表示部83とその間に夫々位置するように24個の発光ダイオード48が設けられている。なお、各表示部83には1〜12までの数字が付されている。
変動図柄表示手段16は、ドット表示式の3個の図柄表示部22,23,24を備え、回転体35の前側を左右に横切るように、開口部80の前側で取り付け板28に横方向に装着されている。そして、左右の図柄表示部22,23は、始動ゲート19に遊技球Bが入球した時の乱数処理により図柄を表示し、また中央の図柄表示部24は、回転体35の何れかの入球部43に遊技球Bが入球した時に、前述と同様にして、その入球部43に対応する図柄を表示するようになっている。
大入賞手段18は左右両側の左下入賞手段14、右下入賞手段15と共に取り付け板84に装着されている。即ち、大入賞手段18の入賞口を開閉する開閉板18a は取り付け板84に枢着されている。取り付け板84には、大入賞手段18の左右両側に障害用の突起部85、左下入賞手段14、右下入賞手段15が装着され、下縁部の左右に内レール86が円弧状に一体に形成されている。各内レール86は内部がアウト口20側に通じる通路87となっており、上方から左下入賞手段14、右下入賞手段15の外側に落下した遊技球Bをアウト口20側に案内するようになっている。
この第3実施例にも、左右両側の図柄表示部22,23の図柄が乱数処理により一致すると、回転体35がステッピングモータ44によって前後方向の回転軸45廻りに回転すると同時、開閉手段27が開閉動作を開始する。そして、開閉手段27の入球口29に遊技球Bが入球すると、その遊技球Bは左右何れかの球案内通路81から回転体35の下部中央の球受取位置C へと落下し、この球受取位置C で回転中の回転体35の何れかの入球部43に入る。
回転体35の入球部43に入った遊技球Bは、その入球部43が回転体35の回転によって球排出位置D 側へと移動した時に排出され、案内通路81を経て検出スイッチ55へと案内されて行く。そして、検出スイッチ55が遊技球Bを検出すると、遊技球Bが入っていた入球部43の位置を判別して、その入球部43に対応する図柄を中央の図柄表示部83に表示する。この以降の動作は前述と同様である。
この実施例では、遊技盤5に複数個の図柄表示部22,23,24を配置し、この各図柄表示部22,23,24の図柄を変動させて、各図柄表示部22,23,24の停止図柄が所定の当たり図柄の組み合わせになった時に利益を還元するようにした弾球遊機において、複数個の図柄表示部22,23,24を乱数処理により作動する乱数処理用の図柄表示部22,23と、遊技球Bの処理により作動する遊技球処理用の図柄表示部24とに分け、遊技盤5の盤面上を落下する遊技球Bが所定の入賞手段17に入球した時に、乱数処理と異なる遊技球Bの処理により遊技球処理用の図柄表示部24を作動させる制御手段65を備えているので、遊技盤5の盤面上を落下する遊技球Bが所定の入賞手段17に入球するか否かによって各図柄表示部22,23,24の図柄の組み合わせの成否が決まり、遊技者が間接的に図柄表示部22,23,24の図柄の変動停止に関与することができる。従って、各図柄表示部22,23,24に表示される図柄の表示制御に乱数処理と遊技球処理とを併用することによって、従来の乱数処理のみの場合に比較して、遊技者は興趣に優れたゲームを面白く行うことができる。
また入賞手段17は、複数個の入球部43の何れかに遊技球Bを振り分ける振り分け手段26を備え、この遊技球Bが入球した入球部43に対応する図柄を遊技球処理用の図柄表示部24に表示させるようにしており、振り分け手段26による遊技球Bの振り分け状況に応じて遊技球処理用の図柄表示部24の表示を変化させることができる。
振り分け手段26の入球部43が遊技球処理用の図柄表示部24に表示される図柄と同種類の図柄を有するので、振り分け手段26の各入球部43と図柄表示部24に表示される各図柄とを一致させることができる。しかも、振り分け手段26の遊技球Bを遊技者が目視できるように、入賞手段17の前側に窓31を設けているので、遊技者が入賞手段17に入球した遊技球Bを目視により追って確認しながらゲームを行うことができる。
また乱数処理用の図柄表示部22,23の表示図柄が所定の組み合わせとなった時に、入賞手段17に遊技球Bが入球可能になるように、該入賞手段17の入口側を開閉する開閉手段27を設けているので、乱数処理用の図柄表示部22,23の図柄が変動した後に、遊技球処理用の図柄表示部24の図柄を変動させることができる。また乱数処理用の図柄表示部22,23の表示図柄が所定の組み合わせになることを条件にして、入賞手段17における遊技球処理によって遊技球処理用の図柄表示部24の図柄を変動させるので、入賞手段17の振り分け手段26の振り分け数等を少なくしても、所定の組み合わせ図柄になる確率を一定以下にすることができ、従って、入賞手段17側の構造を簡単にすることができる。
更に振り分け手段26に、外周面に図柄を表示した回転体35を設けると共に、この回転体35を乱数処理用の図柄表示部22,23間に配置し、この回転体35の図柄66を遊技球処理用の図柄表示部24に利用するようにしているので、遊技球処理用の図柄表示部24等を含む全体の構造を簡単にすることができる。
以上、本発明の各実施例を例示したが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。例えば、中央入賞手段17、振り分け手段26は、各実施例以外の構成であっても良い。また開閉手段27により振り分け手段26に入る遊技球Bを規制する時の球数は、実施例では1個としているが、中央入賞手段17での入賞処理その他のゲーム構成の全体を考慮して決定すれば良く、2個以上の複数個にしても良い。
また実施例では、権利状態の発生後は、右上入賞手段13に遊技球Bが入る毎に、大入賞手段18の開閉板18a が間欠的に開閉動作を複数回繰り返すように構成しているが、右上入賞手段13、大入賞手段18等の構成は適宜に変更可能である。更に、ステッピングモータ44及び発光ダイオード47,48は、常時、駆動及び点滅させておいても良いし、開閉手段27の動作と共に駆動及び点滅させるようにしても良い。また実施例では、パチンコ機について例示したが、アレンジボール機でも同様に実施することが可能である。