以下、本発明を、パチンコ遊技機である遊技機1に適用した実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1、図2に示すように、遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2と、外枠Woと、前枠Wfと、ガラス枠を有している。一般的に、当該遊技機1を含むパチンコ遊技機は、後述する遊技価値検出ユニット80(所謂、サンドと呼ばれるユニット)を介して、紙幣やプリペイドカード(価値情報媒体)に記録された遊技価値(価値情報)を消費して、パチンコ球(遊技球)の貸与を受け、当該パチンコ球を用いて遊技を行うように構成されている。外枠Woは、遊技機1の外枠を構成し、前枠Wfは、外枠Woの前面に取り付けられている。そして、ガラス枠は、前記前枠Wfに開閉可能にヒンジで取り付けられている。
遊技盤2の縁には、外側誘導レール3及び内側誘導レール4が略円形に配置されている。そして、前記遊技盤2上には、遊技領域Rが、前記外側誘導レール3及び内側誘導レール4によって区画されている。当該遊技領域Rには、複数の誘導釘が遊技盤2表面に設けられており、遊技球を誘導する。
又、遊技機1は、発射装置30と、上側球受け皿32と、下側球受け皿33と、スピーカ35と、操作部36と、装飾ランプ等からなるランプ装置と、を当該遊技機1の前面に有している。発射装置30は、操作レバー31を用いた遊技者の発射操作に応じて、遊技球を前記遊技領域Rへ向けて弾発発射するための装置である。上側球受け皿32は、発射装置30へ供給する遊技球と、払い出された遊技球とを受けるための受け皿である。下側球受け皿33は、上側球受け皿32の満杯時に遊技球を受けるための受け皿である。スピーカ35は、遊技機1における遊技の進行状況に応じて、効果音等を発する。
図2に示すように、上側球受け皿32の周辺には、操作部36が配設されており、演出ボタン36Aと、選択ボタン36Bと、球貸ボタン36C(貸出手段)と、返却ボタン36Dと、残数表示部36Eとを有している。演出ボタン36Aは、予告演出の際に、遊技者によって操作可能なボタンスイッチである。選択ボタン36Bは、例えば、図柄表示装置10に複数の選択肢が表示された場合に、遊技者の任意に一の選択肢を選択する際に操作される。
球貸ボタン36Cは、遊技価値検出ユニット80(所定のユニット)を介して、遊技価値(紙幣若しくはプリペイドカードに記憶されたものをいう)を所定度数消費して、消費した度数(価値消費量)に対応する個数の遊技球の貸与を受ける際に使用される。当該球貸ボタン36Cが操作された場合、図25に示す球貸コマンドが出力される。本実施形態においては、球貸ボタン36Cが一回操作される毎に、遊技価値の度数を「5」消費して、5個の遊技球が貸し出される。
返却ボタン36Dは、遊技機1における遊技を終了する際に、遊技者が現在所持している遊技価値を精算し、遊技価値検出ユニット80に装着されているプリペイドカードの返却を要求する際に操作される。当該返却ボタン36Dが操作された場合、図25に示す返却コマンド(即ち「FFH00H」)が出力される。そして、残数表示部36Eは、遊技価値検出ユニット80に装着されたプリペイドカードに記録されている遊技価値の残り度数を表示する表示部である。
前記遊技領域Rの中心線上には、上部から下部に向かって順に、図柄表示装置10と、第1始動入賞口20と、大入賞口25と、アウト口27が配設されている(図1参照)。そして、第1始動入賞口20の右上には、第2始動入賞口21と、図柄変動開始用ゲート23が配設されており、第1始動入賞口20の左上には、風車22が配設されている。前記第1始動入賞口20と、第2始動入賞口21と、大入賞口25は、遊技盤2に形成された遊技領域R内を流下する遊技球が入賞(入球)可能な複数の入賞装置に相当し、各入賞口に遊技球が入賞(入球)して入賞(入球)が検出された場合、一の入賞球の検出に対して所定個数の賞品球(遊技球)が遊技者に払い出される。尚、一の入賞球の検出に対する賞品球(遊技球)の払出個数は、前記入賞口(入賞装置)毎に設定されている。
前記図柄表示装置10は、図柄等が表示可能なものであって、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成されている。当該図柄表示装置10は、当該図柄表示装置の外枠として配設された表示枠体の内側に、表示領域15を有しており、当該表示領域15内には、特別図柄表示部11と、普通図柄表示部が配置される。又、図柄表示装置10は、表示領域15内に、特別図柄保留球数及び普通図柄保留球数を表示する。特別図柄保留球数は、特別図柄表示部11における特別図柄の変動表示中に、前記第1始動入賞口20、第2始動入賞口21に対する遊技球の入賞回数を意味し、特別図柄に対する当否判定の保留を意味する。普通図柄保留球数は、図柄表示装置10における普通図柄の変動表示中に、前記図柄変動開始用ゲート23を遊技球が通過した回数を意味する。
そして、図柄表示装置10の特別図柄表示部11は、当否判定の結果を表示する為の特別図柄を変動表示可能な表示手段であり、左特別図柄と、中特別図柄と、右特別図柄とを、それぞれ変動表示し、所定時間変動表示した後、当否判定の結果に基づき左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄を停止表示する。特別図柄表示部11は、特別図柄に加え、背景画像(キャラクタ、背景、文字等を含む)を表示可能に構成されており、当該背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっていてもよい。又、本実施形態では、遊技機1は、入賞順を記憶し入賞順に変動を開始するように構成されている。
又、特別図柄は、上述したように左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄を含んでおり、それぞれ『1、2、3、4、5、6、7、8、9』の9通りの数字図柄によって構成されている。当該特別図柄は、大当たり後も低確率状態での遊技となる普通図柄(0、2、4、6、8)と、大当たり後、高確率遊技となる確変図柄(1、3、5、7、9)で構成されている。本実施形態においては、遊技の当否判定結果が大当たり(当たり)の場合には、前記特別図柄表示部11に大当たりの特別図柄組合せ(例えば、『1、1、1』(いわゆる‘1’のゾロ目)や『2、2、2』(いわゆる‘2’のゾロ目)等、同一数字の組合せ)で特別図柄が停止表示され、遊技者に有利な特典を付与する大当たり遊技(特別遊技)に移行する。遊技者に有利な特典は、本実施例では、遊技者による遊技球の獲得し易さ増大に設定されている。
図柄表示装置10における普通図柄表示部は、記号或いは絵(キャラクター)等の小当たり判定用普通図柄を変動表示及び停止表示する。当該普通図柄表示部に変動及び停止表示される普通図柄は、『○』と『×』の2種類からなり、小当たり(普通図柄当たり)の場合には、小当たり普通図柄『○』で停止表示される。一方、小当たり外れ(普通図柄外れ)の場合には、小当たり外れ普通図柄『×』で停止表示される。
又、前記遊技盤2の背面には、第1始動入賞口検出スイッチが入賞球用通路に設けられており、前記第1始動入賞口20への遊技球の入賞を検出する。前記第1始動入賞口20への遊技球の入賞検出は、乱数値の取得の起因および前記特別図柄の変動表示開始の起因とされ、更には、遊技者にとって有利となる大当たり状態となるか否かを判定する当否判定手段の判定を行うための判定条件の成立に設定されている。
又、前記特別図柄表示部11で特別図柄の変動表示中に、前記第1始動入賞口20に遊技球が入賞しても、直ちに新たな特別図柄の変動表示を開始することができない為、遊技機1は、前記第1始動入賞口20への入賞回数を特別図柄保留球数として記憶し、前記特別図柄表示部11における特別図柄の変動表示を一旦保留すると共に、前記特別図柄保留球数の記憶値を図柄表示装置10に表示する。そして、当該遊技機1は、前記特別図柄表示部11における前記特別図柄の変動開始によって、或いは変動終了による当否判定結果の表示によって、前記特別図柄保留球数の記憶値を減算すると共に、図柄表示装置10における特別図柄保留球数の表示個数を減らす。尚、前記第1始動入賞口20への入賞回数記憶値の上限値は、当該変動中の記憶を除いて4に設定されている。
尚、特別図柄保留球数が設定上限数まで記憶されている時には、前記第1始動入賞口検出スイッチがそれ以上遊技球の入賞を検出しても、特別図柄保留球数としては記憶されない無効球とされる。当該無効球については、遊技機1は、特別図柄の変動及び当否判定を行うことなく、入賞に対する賞品球(賞品遊技球)を所定数払い出す。
第2始動入賞口21は、大当たり状態時、或いは高確率状態時や時短状態時(変動時間が短縮し、開閉部材が高確率状態と同様に通常よりも開放し易い状態)に遊技領域Rの右側に向かって発射された遊技球を入賞可能に構成されており、2つの開閉部材を有している。第2始動入賞口21の開閉部材は、遊技機1背面に配設された第2始動入賞口用ソレノイドによって、略垂直で遊技球の入賞困難な閉状態(通常状態)と、略V字形(逆ハの字形)で遊技球の入賞可能な開状態との間を変化可能に制御されている。又、第2始動入賞口21は、開閉部材が閉状態の時は入賞出来ない或いは入賞が困難な状態となっているため、開状態にならないと入賞し難い構成になっている。第2始動入賞口21の開状態への移行は、前記普通図柄表示部で普通図柄が変動した後、小当たりを示す特定の普通図柄(本実施形態では『○』)で確定停止表示された時に行われる。
前記図柄変動開始用ゲート23は、前記遊技盤2背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチによって、図柄変動開始用ゲート23を通過する遊技球が検出された場合に、前記普通図柄表示部における普通図柄の変動を開始させる。又、当該遊技機1は、前記普通図柄の変動表示中に、前記図柄変動開始用ゲート23を遊技球が通過することによって発生する普通図柄の変動を、最高4回まで普通図柄保留球数として記憶すると共に、図柄表示装置10における普通図柄保留球数値を表示する。そして、遊技機1は、普通図柄の変動開始によって、普通図柄保留球数を減らし、図柄表示装置10における普通図柄保留球数の表示個数を減らす。
前記大入賞口25は、前記遊技盤2の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板26を備えている。大入賞口25は、通常、開閉板26によって閉塞された状態とされ、当否判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技(特別遊技)時に、所定ラウンド開放される。大入賞口25内には、入賞球数カウントスイッチが配設されており、大入賞口25に入賞した入賞球を検出する。尚、第1始動入賞口検出スイッチ、第2始動入賞口検出スイッチ、入賞球数カウントスイッチは、入賞装置に入賞した遊技球を検出する入賞検出手段に相当する。
発射装置30は、操作レバー31の操作により駆動する発射モータを、遊技機1裏側に有し、当該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射する。前記発射装置30により発射された遊技球は、前記遊技盤2表面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して、遊技領域Rに誘導される。前記遊技領域Rに誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口27から遊技盤2裏側へ排出される。
前記遊技機1の裏側には、複数の制御基板や装置等が配設されている。制御基板の主なものとしては、主制御基板40と、サブ制御基板50と、表示制御基板55と、音声制御基板60と、払出制御基板65と、発射制御基板70と、電源基板等を有している。又、装置としては、貸球払出装置66と、賞球払出装置67と、外部端子と、球無し検出スイッチと、球貯留タンクと、球誘導樋とを有している。又、各制御基板は、単独で又は複数まとめてケースに収納された状態で遊技機1の裏側に配置されている。
次に、遊技機1における制御系について、図3を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、当該遊技機1の裏側には、遊技系統の制御を行う主制御基板40と、サブ制御基板50と、及び当該主制御基板40の制御下で図柄表示装置10における特別図柄の可変表示を行う表示制御基板55と、音声制御を行う音声制御基板60と、払出制御基板65と、発射制御基板70と、ランプやLED等の発行体の制御を行うランプ制御基板等が配設されている。
主制御基板40は、遊技情報に従って遊技を制御すると共に、遊技情報を記憶する記憶手段を備えた遊技制御装置に相当し、CPU41、RAM、ROMおよび複数のカウンタを有するマイクロコンピュータを少なくとも備えている。当該主制御基板40は、サブ制御基板50、払出制御基板65と接続され、又、中継回路を介して第1始動入賞口20や大入賞口25等と接続されている。前記主制御基板40のCPU41は、後述する各種制御プログラムを実行して、遊技に関する制御を行う。
CPU41は、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、大当たりや小当たり(第2始動入賞口21の拡開開放を行う普通図柄当たり)に係る乱数等も生成し、又、各制御基板に対して制御コマンドを出力可能に構成されている。
そして、主制御基板40のRAMは、第1始動入賞口検出スイッチで検出された特別図柄保留球数及び普通図柄変動開始スイッチで検出された普通図柄用保留球数の記憶領域や、CPU41で生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU41の作業領域を備えている。主制御基板40のROMは、遊技上の制御プログラム(例えば、図4〜図19参照)や制御データと共に、大当たりや小当たりの数値等を記憶している。尚、主制御基板40は、電源基板から電源供給を受けて作動する。
サブ制御基板50は、サブCPU51、ROM、RAM、複数のカウンタを有するマイクロコンピュータと、前記主制御基板40とを結ぶ入出力回路と、表示制御基板55、音声制御基板60やランプ制御基板とを結ぶ入出力回路を備えている。前記サブ制御基板50において、サブCPU51は、前記主制御基板40から出力された制御信号、サブ制御基板50に係る制御プログラムに従って遊技の制御を行う。前記主制御基板40からの制御信号には、前記特別図柄表示部11に対する変動データや前記ランプ装置に対する制御信号等が含まれる為、サブCPU51は、その制御信号の内容に合わせて遊技の制御を行う。
前記サブ制御基板50のROMは、当該サブ制御基板50に係る制御プログラム(例えば、図20〜図24、図27、図30参照)やデータ定数、前記特別図柄表示部11での演出のデータ等を記憶している。又、サブ制御基板50のRAMは、各種データの記憶領域とサブCPU51による作業領域を有している。前記ランプ制御基板は、装飾ランプ等のランプ装置と接続されており、前記サブ制御基板50を介して、ランプ制御基板に送信された制御信号によって、ランプ装置の作動を制御する。前記サブ制御基板50は、電源基板から電源供給を受けて作動する。
表示制御基板55は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、当該マイクロコンピュータとサブ制御基板50を結ぶ入力回路と、前記マイクロコンピュータと図柄表示装置10を結ぶ出力回路等で構成され、前記サブ制御基板50から出力される制御信号に基づいて、前記図柄表示装置10における表示の制御を行う。前記表示制御基板55のROMは、表示制御用のプログラムを記憶している。前記表示制御基板55は、前記サブ制御基板50からの制御信号に基づいて、ROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて特別図柄表示部11に出力される。
音声制御基板60は、配線等の電気的接続手段により、主制御基板40と接続されており、主制御基板40から出力された制御信号に基づいてスピーカ35から発する音声を制御する。即ち、音声制御基板60は、前記サブ制御基板50から出力される制御信号により音声信号を合成し、アンプに出力する。アンプは、音声信号を増幅してスピーカ35に出力する。
払出制御基板65は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを有し、配線等による電気的接続手段によって、主制御基板40と、貸球払出装置66と、賞球払出装置67と接続されている。払出制御基板65は、前記主制御基板40から出力される制御信号を受信して、貸球払出装置66による遊技球の貸出、賞球払出装置67による賞球の払出に係る制御を実行する。前記払出制御基板65は、電源基板から供給される電源によって作動する。前記払出制御基板65のROMは、制御用のプログラムを記憶している。前記払出制御基板65のRAMは、種々の入賞口への入賞検出に基づいて、前記賞球払出装置67により払い出される賞品球(遊技球)の払出個数を、一の入賞球の検出に対する払出個数毎に記憶可能となっている。発射制御基板70は、前記発射装置30における発射モータの制御を行う。
電源基板は、遊技機1外部より供給された主電源から遊技機1に適する所定電圧の遊技機用電源を生成して、主制御基板40やサブ制御基板50、払出制御基板65等に供給する。前記主電源は、遊技店側で所定の電圧(例えば、直流(AC)24V)に変換されて供給される。
遊技価値検出ユニット80は、所謂、サンドと呼ばれる装置であり、遊技機1の近傍に配置されている。当該遊技価値検出ユニット80は、紙幣やプリペイドカードを挿入可能な差込口を有しており、操作部36の操作に基づく制御コマンドに応じた制御を司るCPUと、差込口に対する紙幣やプリペイドカードの挿入を検出する検出センサと、差込口に挿入されたプリペイドカードの記録内容(即ち、遊技価値の残り度数に関する情報)についての読み出し・書き込みを行う為のカードリーダ・ライタを有している。従って、球貸コマンドを受信した場合、遊技価値検出ユニット80は、プリペイドカードの記録内容を読み出して、所定個数の球貸しが可能であるか否かを判断する。本実施形態においては、球貸ボタン36Cが一回操作されると、5個の球貸しが可能であるか否かを判断する。球貸しが可能である場合、遊技価値検出ユニット80は、払出制御基板65に対して、5個の遊技球の貸出を指示すると同時に、貸し出した遊技球の個数に基づいて、プリペイドカードの記録内容(遊技価値の残り度数)を減算して書き込む。
続いて、遊技機1において、主制御基板40で実行される制御処理について、図面を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、遊技機1における制御処理の一部は、主制御基板40のCPU41によって、各種制御プログラム(図4〜図19参照)を実行することによって実現される。
先ず、遊技機1における主制御基板40のメイン処理について、図4を参照しつつ説明する。遊技機1に対する電源投入時には、主制御基板40のCPU41は、初期設定等を含むメインプログラムを実行する。
図4に示すように、メイン処理では、CPU41は、先ず、初期設定処理を実行する(S1)。初期設定処理(S1)においては、CPU41は、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等を実行する。尚、電源投入時のみに必要な処理は、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。
初期設定処理(S1)に続いて、CPU41は、割込み禁止処理(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)、割込み許可処理(S4)を実行し、その後、再び割込み禁止処理(S2)に処理を戻す。割込み許可処理(S4)の後、割込み禁止処理へ処理を戻すループ処理の過程で、CPU41は、割込み処理を実行する(S5)。
前記割込み禁止処理(S2)では、CPU41は、4msecごとに割込み処理(S5)が入ってきても、割込み許可となるまで、割込み処理の実行を禁止する。次の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)では、CPU41は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)毎に、種々の乱数に対して1加算し、乱数の設定上限値に至ると次に最小値に戻して、再び加算を行う。更新された乱数は、前記主制御基板40のRAMに記憶される。割込み許可処理(S4)では、CPU41は、4msec毎に入ってくる割込み処理(S5)の実行を許可する。
次に、メイン処理で実行される割込み処理(S5)の処理内容について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図5に示すように、割込み処理(S5)においては、CPU41は、出力処理(S11)、入力処理(S12)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S13)、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)、普通動作処理(S15)、特別動作処理(S16)、保留球数処理(S17)、電源断監視処理(S18)、その他の処理(S19)を順に実行する。
出力処理(S11)では、CPU41は、各処理で設定された出力用のコマンド(制御信号)を、各制御基板に送信する。続く入力処理(S12)では、CPU41は、遊技機1に取り付けられている各種センサが検知した場合の信号入力を実行する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S13)では、CPU41は、前記メイン処理におけるループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同様の処理を実行する。
始動入賞口スイッチ検出処理(S14)においては、CPU41は、第1始動入賞口20への入賞、図柄変動開始用ゲート23への入賞等を検出し、各種乱数値の取得を行う。ここで、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)の処理内容について、図6を参照しつつ詳細に説明する。図6は、始動入賞口スイッチ検出処理の処理内容を示すフローチャートである。
図6に示すように、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)では、CPU41は、前記第1始動入賞口20、第2始動入賞口21への入賞を検出したか否かを判断する(S21)。第1始動入賞口20、第2始動入賞口21への入賞を検出した場合(S21:YES)、CPU41は、S22に処理を移行し、第1始動入賞口20、第2始動入賞口21への入賞を検出しなかった場合(S21:NO)、CPU41は、S25に処理を移行する。
S22に移行すると、CPU41は、特別図柄保留球数が4以上であるか否かを判断する。4以上である場合(S22:YES)、CPU41は、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了する。一方、特別図柄保留球数が4未満である場合(S22:NO)、CPU41は、特別図柄保留球数に「1」加算し(S23)、大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値等を取得して、主制御基板40のRAMの対応する領域に記憶する(S24)。その後、CPU41は、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了する。
ここで、S24等で取得される大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値等の各種乱数値について説明する。大当たり乱数値は、特別図柄の大当たりを抽選する乱数値であり、0〜629の数値範囲をとる。大当たり乱数値は、遊技機1の電源投入時、0からスタートし、特別図柄主要乱数更新処理毎に1加算される。大当たり図柄乱数値は、大当たり図柄の選択に使用する乱数値であり、0〜9の数値範囲をとる。又、大当たり図柄乱数値が奇数値を示す場合、遊技機1における遊技は確変になる。リーチ乱数値は、当否判定の結果がはずれの場合に、リーチをするか否かの判定に使用する乱数値であり、0〜126の数値範囲をとる。尚、大当たりの場合は、必ずリーチを行うので、このリーチ乱数値が使用されることはない。演出乱数用カウンタは、第1〜第6変動パターンテーブル内で変動パターンを選択する際に用いられるものであり、0〜198の数値範囲の演出乱数値を備える。この演出乱数値は、電源投入時、0から始まり、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が198に至ると、次に0にされて再び加算を繰り返すようになっている。
第1始動入賞口20、第2始動入賞口21への入賞を検出しなかった場合(S21:NO)に移行するS25においては、CPU41は、前記図柄変動開始用ゲート23への遊技球の通過を検出したか否かを判断する。図柄変動開始用ゲート23への遊技球の通過を検出した場合(S25:YES)、CPU41は、S26に処理を移行する。一方、図柄変動開始用ゲート23への遊技球の通過を検出していない場合(S25:NO)、CPU41は、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了する。
S26においては、CPU41は、普通図柄保留球数が4以上であるか否かを判断する。普通図柄保留球数が4以上である場合(S26:YES)、CPU41は、そのまま始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了する。一方、4未満である場合(S26:NO)、CPU41は、普通図柄保留球数に1を加算し(S27)、その後、小当たり乱数値を取得して、取得した小当たり乱数値を主制御基板40のRAMにおける対応する領域に記憶する(S28)。小当たり乱数値を記憶した後、CPU41は、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了する。
上述したように、割込み処理において、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了すると、CPU41は、普通動作処理を実行する(図5参照)。ここで、普通動作処理(S15)の処理内容について、図7を参照しつつ詳細に説明する。
図7に示すように、普通動作処理(S15)に移行すると、CPU41は、先ず、第2始動入賞口21の開閉部材が開放中か否かを確認する(S31)。第2始動入賞口21の開閉部材が開放中である場合(S31:YES)、CPU41は、S39に処理を移行する。一方、前記第2始動入賞口21の開閉部材が閉鎖中である場合(S31:NO)、CPU41は、S32に処理を移行する。
S32では、CPU41は、普通図柄保留球数が0か否かを確認する。普通図柄保留球数が0である場合(S32:YES)、CPU41は、普通動作処理(S15)を終了する。一方、普通図柄保留球数が0でない場合(S32:NO)、CPU41は、主制御基板40のRAMに記憶されている小当たり乱数値をロードし(S33)、現在確変状態(高確率時短状態)中、又は、時短状態(低確率時短状態)中であるか否かを確認する(S34)。
確変状態(高確率時短状態)中、又は、時短状態(低確率時短状態)中ではない通常状態(低確率状態)中である場合(S34:NO)、CPU41は、取得した小当たり乱数値に基づいて、低確率状態での小当たりであるか否かを判断する(S35)。通常状態(低確率状態)での小当たりである場合(S35:YES)、CPU41は、開閉部材解放処理(S36)を実行し、第2始動入賞口21を開放時間0.3秒、開放回数1回で開放する。その後、CPU41は、普通動作処理(S15)を終了する。通常状態(低確率状態)での小当たりでない場合(S35:NO)、CPU41は、そのまま普通動作処理(S15)を終了する。
確変状態(高確率時短状態)中、又は、時短状態(低確率時短状態)中である場合(S34:YES)、CPU41は、取得した小当たり乱数値に基づいて、確変状態又は時短状態での小当たりであるか否かを判断する(S37)。確変状態又は時短状態での小当たりである場合(S37:YES)、CPU41は、開閉部材解放処理(S38)を実行し、第2始動入賞口21を開放時間2秒、開放回数3回で開放する。その後、CPU41は、普通動作処理(S15)を終了する。確変状態又は時短状態での小当たりでない場合(S37:NO)、CPU41は、そのまま普通動作処理(S15)を終了する。
S31において、第2始動入賞口21が開放中であると判断された場合(S31:YES)、CPU41は、第2始動入賞口21の開放処理時間が経過(終了)したか否かを判断する(S39)。開放処理時間が経過している場合(S39:YES)、CPU41は、開閉部材閉鎖処理(S40)を実行し、第2始動入賞口21の開閉部材を閉状態にする。その後、CPU41は、普通動作処理(S15)を終了する。一方、開放処理時間が経過していない場合(S39:NO)、CPU41は、そのまま普通動作処理(S15)を終了する。
上述したように、割込み処理において、普通動作処理(S15)を終了すると、CPU41は、特別動作処理(S16)を実行する(図5参照)。ここで、特別動作処理(S16)の処理内容について、図8を参照しつつ詳細に説明する。
図8に示すように、特別動作処理(S16)に移行すると、CPU41は、特別動作ステータスが1〜4の何れであるかを判断する(S41、S43、S45)。前記特別動作ステータスが1の場合(S41:YES)、CPU41は、特別図柄待機処理(S42)を実行する。前記特別動作ステータスが2の場合(S43:YES)、CPU41は、変動中処理(S44)を実行する。前記特別動作ステータスが3の場合(S45:YES)、CPU41は、特別図柄確定処理(S46)を実行する。特別動作ステータスが4の場合(S45:NO)、CPU41は、特別電動役物処理(S47)を実行する。特別図柄待機処理(S42)、変動中処理(S44)、特別図柄確定処理(S46)、特別電動役物処理(S47)の何れかを実行した後、CPU41は、特別動作処理(S16)を終了し、割込み処理における保留球数処理(S17)に処理を移行する。
特別動作ステータスが1の場合に行われる特別図柄待機処理(S42)の処理内容について、図9を参照しつつ詳細に説明する。特別図柄待機処理(S42)に移行すると、CPU41は、図9に示すように、特別図柄保留球数が0か否かを判断する(S51)。特別図柄保留球数が0でない場合(S51:NO)、CPU41は、特別図柄大当たり判定処理(S52)を実行する。特別図柄保留球数が0である場合(S51:YES)、CPU41は、S59に処理を移行する。
特別図柄大当たり判定処理(S52)の処理内容について、図10を参照しつつ詳細に説明する。図10に示すように、特別図柄大当たり判定処理(S52)に移行すると、CPU41は、先ず、主制御基板40のRAMから、取得している大当たり乱数値をロードし(S71)、現在確変状態中(高確率時短状態)であるか否かを確認する(S72)。
確変状態中(高確率時短状態)中ではない場合には(S72:NO)、CPU41は、ロードした大当たり乱数値に基づいて、低確率状態での大当たりであるか否かを判断する(S73)。具体的には、CPU41は、ロードした大当たり乱数値が3、397(奇数)の何れかであった場合に、低確率状態での大当たりであると判断する。低確率状態での大当たりである場合(S73:YES)、CPU41は、大当たりフラグをONにセットし(S75)、主制御基板40のRAMに形成された送信バッファに、大当たりを示す当たりコマンドを格納し(S76)、その後、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了する。一方、低確率状態での大当たりでない場合(S73:NO)、CPU41は、「特別図柄外れ」の外れコマンドを、主制御基板40のRAMに形成された送信バッファにセットし(S77)、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了する。
確変状態中(高確率時短状態)中である場合には(S72:YES)、CPU41は、ロードした大当たり乱数値に基づいて、高確率状態での大当たりであるか否かを判断する(S74)。具体的には、CPU41は、ロードした大当たり乱数値が3、397、33、53、59、113、173、227、281、337、449、503(奇数)の何れかであった場合に、高確率状態での大当たりであると判断する。高確率状態での大当たりである場合(S74:YES)、CPU41は、大当たりフラグをONにセットし(S75)、主制御基板40の送信バッファに、大当たりを示す当たりコマンドを格納する(S76)。その後、CPU41は、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了する。一方、高確率状態での大当たりでない場合(S74:NO)、CPU41は、「特別図柄外れ」の外れコマンドを、主制御基板40のRAMに形成された送信バッファにセットし(S78)、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了する。尚、特別図柄表示部11における特別図柄の組み合わせが大当たりとなる抽選確率は、低確率状態(時短状態、又は、通常状態)時は1/315であり、確変状態時は6/315の2種類である。
特別図柄待機処理(S42)において、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了すると、CPU41は、特別図柄選択処理(S53)を実行し、前記特別図柄表示部11で停止表示する特別図柄を決定する。ここで、特別図柄選択処理(S53)の処理内容について、図11を参照しつつ詳細に説明する。
図11に示すように、特別図柄選択処理(S53)に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMに形成された大当たりフラグがONであるか否かを判断する(S81)。大当たりフラグがONである場合(S81:YES)、CPU41は、S82に処理を移行する。大当たりフラグがONでない場合(S81:NO)、CPU41は、S83に処理を移行する。
S82においては、CPU41は、第1始動入賞口20、第2始動入賞口21への入賞時に取得した大当たり図柄乱数値を、主制御基板40の送信バッファに格納する。この時、CPU41は、左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が大当たり図柄乱数値と同じ特別図柄(ゾロ目)になるように格納する。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。
S83に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMから、上記S24で取得した左・中・右図柄乱数値(以下、左図柄乱数値を特別図柄データ(1)、中図柄乱数値を特別図柄データ(2)・右図柄乱数値を特別図柄データ(3)と称する)をRAMから読み出し、S84に処理を移行する。尚、左・中・右図柄乱数値は、0〜9の数値範囲を取り、電源投入時、0から始まり、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が9に至ると、次に0にされて再び加算を繰り返すようになっている。
S84では、CPU41は、特別図柄データ(1)、特別図柄データ(2)、特別図柄データ(3)として取得した3つの乱数値が一致しているか否かを判断する。3つの乱数値が一致している場合(S84:YES)、CPU41は、S85に処理を移行する。3つの乱数値が一致していない場合(S84:NO)、CPU41は、S88に処理を移行する。
S85においては、CPU41は、第1始動入賞口20、第2始動入賞口21への入賞時取得したリーチ乱数値が予め設定されたリーチ成立乱数値と一致しているか否かを判断する。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致している場合(S85:YES)、CPU41は、特別図柄データ(2)に係る乱数値に1加算したものを中特別図柄として、主制御基板40の送信バッファに格納する(S86)。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。この時、左特別図柄、右特別図柄は同じ特別図柄であり、中特別図柄のみ異なる図柄となる為、所謂「リーチ外れ」の組み合わせを示す。
一方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致していない場合(S85:NO)、CPU41は、特別図柄データ(3)に係る乱数値に1加算したものを右特別図柄として、主制御基板40の送信バッファに格納する(S87)。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。この場合、左特別図柄、と右特別図柄が強制的に異なる特別図柄となる為、所謂「リーチなし外れ」の組み合わせを示す。
S88においては、CPU41は、左特別図柄に係る特別図柄データ(1)と、右特別図柄に係る特別図柄データ(3)が一致しているか否かを判断する。特別図柄データ(1)と特別図柄データ(3)が一致している場合(S88:YES)、CPU41は、S89に処理を移行する。特別図柄データ(1)と特別図柄データ(3)が一致していない場合(S88:NO)、CPU41は、S91に処理を移行する。
S89に移行すると、CPU41は、第1始動入賞口20、第2始動入賞口21への入賞時取得したリーチ乱数値が予め設定されたリーチ成立乱数値と一致しているか否かを判断する。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致している場合(S89:YES)、CPU41は、S83で取得した特別図柄データ(1)〜(3)を、主制御基板40の送信バッファにそのまま格納する(S90)。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。この場合、送信バッファには、所謂「リーチ外れ」の組み合わせを示すデータが格納される。
一方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致していない場合(S89:NO)、CPU41は、S87に処理を移行し、所謂「リーチなし外れ」の組み合わせを示す特別図柄データを、主制御基板40の送信バッファに格納する(S87)。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。
S91においては、CPU41は、第1始動入賞口20、第2始動入賞口21への入賞時取得したリーチ乱数値が予め設定されたリーチ成立乱数値と一致しているか否かを判断する。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致している場合(S91:YES)、CPU41は、右特別図柄に係る特別図柄データ(3)を、左特別図柄に係る特別図柄データ(1)と同値とし、中特別図柄に係る特別図柄データ(2)を、特別図柄データ(1)に1加算した値として、主制御基板40の送信バッファに格納する(S92)。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。
一方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致していない場合(S91:NO)、CPU41は、S90に処理を移行し、所謂「リーチ外れ」の組み合わせを示す特別図柄データを、主制御基板40の送信バッファに格納する。その後、CPU41は、その他の処理(S93)を実行し、特別図柄選択処理(S53)を終了する。
特別図柄待機処理(S42)において、特別図柄選択処理(S53)を終了すると、CPU41は、変動パターン選択処理(S54)を実行し、前記特別図柄表示部11における特別図柄の変動パターンを設定する。ここで、変動パターン選択処理(S54)の処理内容について、図12を参照しつつ詳細に説明する。
図12に示すように、変動パターン選択処理(S54)に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、通常状態であるか否かを判断する(S101)。通常状態である場合(S101:YES)、CPU41は、S102に処理を移行する。通常状態でなく確変状態中である場合(S101:NO)、CPU41は、S107に処理を移行する。
S102に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、大当たりフラグがONであるか否かを判断する。大当たりフラグがONである場合(S102:YES)、CPU41は、通常状態中の当たりに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第1変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S103)。その後、CPU41は、S112に処理を移行する。一方、大当たりフラグがONでない場合(S102:NO)、CPU41は、S104に処理を移行する。
S104では、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致しているか否かを判断する。リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致している場合(S104:YES)、CPU41は、通常状態中のリーチハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第2変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S105)。その後、CPU41は、S112に処理を移行する。一方、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致していない場合(S104:NO)、CPU41は、通常状態中のハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第3変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S106)。その後、CPU41は、S112に処理を移行する。
S107に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、大当たりフラグがONであるか否かを判断する。大当たりフラグがONである場合(S107:YES)、CPU41は、確変中の当たりに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第4変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S108)。その後、CPU41は、S112に処理を移行する。一方、大当たりフラグがONでない場合(S107:NO)、CPU41は、S109に処理を移行する。
S109では、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致しているか否かを判断する。リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致している場合(S109:YES)、CPU41は、確変中のリーチハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第5変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S110)。その後、CPU41は、S112に処理を移行する。一方、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致していない場合(S109:NO)、CPU41は、確変中のハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第6変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S111)。その後、CPU41は、S112に処理を移行する。
S112においては、CPU41は、選択した変動パターンに応じたコマンドを、主制御基板40の送信バッファにセットし、続いて、その他の処理(S113)を実行する。その後、CPU41は、変動パターン選択処理(S54)を終了し、特別図柄乱数シフト処理(S55)に処理を移行する。
特別図柄乱数シフト処理(S55)では、主制御基板40のRAMにおける特別図柄保留球数のデータ記憶領域において、ロード順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた特別図柄変動保留のデータが、先の処理でロードされて空席となることに起因して、CPU41は、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている特別図柄変動保留のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトを実行する。
ここで、特別図柄乱数シフト処理(S55)の処理内容について、図13を参照しつつ詳細に説明する。特別図柄乱数シフト処理(S55)に移行すると、CPU41は、先ず、当否判定の判定結果に基づく特別図柄の変動表示が実行されたことにより、前記主制御基板40のRAMに記憶されていた特別図柄保留球数から1減算する(S121)。その後、S122に移行すると、CPU41は、各保留に対応するデータを、各保留から1減算した保留のRAMアドレスにシフトする。続いて、CPU41は、最下位(ロード順位が最後)の保留に対応するRAMアドレスに0をセットする(S123)。その後、CPU41は、特別図柄乱数シフト処理(S55)を終了し、S56に処理を移行する。
S56に移行すると、CPU41は、特別図柄変動開始処理(S56)を実行し、特別図柄の変動開始に必要な処理を行う。次いで、CPU41は、特別動作ステータスを2に設定して(S57)、待機中を解除する(S58)。その後、CPU41は、特別図柄待機処理(S42)を終了する。
特別図柄待機処理(S42)において、特別図柄保留球数が0と判断された場合(S51:YES)、CPU41は、特別図柄表示部11が特別図柄の変動中ではない待機画面(待ち受け画面)中であるか否を判断する(S59)。待機画面(待ち受け画面)中である場合(S59:YES)、CPU41は、特別図柄待機処理(S42)を終了する。一方、待機画面(待ち受け画面)中ではない場合(S59:NO)、CPU41は、待機画面設定処理(S60)を実行し、特別図柄表示部11を待機画面(待ち受け画面)にすると共に、待機中をセットする。待機画面設定処理(S60)は、この設定処理(S60)がなされてから所定時間の間、前記第1始動入賞口20に遊技球が入賞しない場合に、待ち受け画面をセットするコマンドを出力する処理である。その後、CPU41は、この特別図柄待機処理(S42)を終了する。
次に、特別動作ステータスが2の場合に行われる変動中処理(S44)の処理内容について、図14を参照しつつ詳細に説明する。変動中処理(S44)に移行すると、CPU41は、先ず、特別図柄の変動時間(変動態様の変動時間)が終了したか否か(即ち、動作タイマの値が0であるか否か)を判断する(S131)。変動時間が終了している場合(S131:YES)、CPU41は、変動停止コマンドをセットし(S132)、特別動作ステータスを3にセットする(S133)。その後、CPU41は、その他の処理(S134)を実行し、変動中処理(S44)を終了する。一方、変動時間中である場合(S131:NO)、CPU41は、そのまま変動中処理(S44)を終了する。
続いて、特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S46)の処理内容について、図15を参照しつつ詳細に説明する。特別図柄確定処理(S46)に移行すると、CPU41は、先ず、主制御基板40のRAMを参照して、大当たりフラグがONか否か(即ち、大当たりか否か)を判断する(S141)。大当たりフラグがONである場合(S141:YES)、CPU41は、大当りフラグをOFFし(S142)、特別動作ステータスを4にセットする(S143)。その後、CPU41は、特別図柄確定処理(S46)を終了する。一方、大当たりフラグがONでない場合(S141:NO)、CPU41は、特別動作ステータスを1にセットし(S144)、その後、特別図柄確定処理(S46)を終了する。
特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S47)の処理内容について、図16を参照しつつ詳細に説明する。特別電動役物処理(S47)に移行すると、CPU41は、先ず、確変フラグをOFFにし(S151)、前記特別図柄表示部11で大当たりオープニングが実施されたか否かを確認する(S152)。大当たりオープニングが実施されていない場合(S152:NO)、CPU41は、大当たりオープニングを実施し(S153)、その後、S154に処理を移行する。一方、大当たりオープニングが実施済である場合(S152:YES)、CPU41は、そのままS154に処理を移行する。
S154においては、CPU41は、現在、大入賞口25が開放中か否かを判断する。大入賞口25が閉鎖中である場合(S154:NO)、CPU41は、大入賞口25の開放時間か否かを判断する(S155)。一方、大入賞口25が開放中である場合(S154:YES)、CPU41は、S157に処理を移行する。
大入賞口25の開放時間中である場合(S155:YES)、CPU41は、大入賞口開放処理(S156)を実行し、大入賞口25の開閉板26を動作させることで、大入賞口25を開放する。その後、CPU41は、特別電動役物処理(S47)を終了する。一方、大入賞口25の開放時間となっていない場合(S155:NO)、CPU41は、そのまま、特別電動役物処理(S47)を終了する。
大入賞口25が開放中であると判断された場合(S155:YES)に移行するS157においては、CPU41は、大入賞口25に10個遊技球が入賞したか否か(S158)、若しくは、ラウンド終了時間(例えば、30秒)経過したか否か(S158)の何れかであるか否かを判断する。10個の入賞でもなく、ラウンド終了時間も経過していない場合(S157:NO、S158:NO)、CPU41は、そのまま特別電動役物処理(S47)を終了する。一方、大入賞口25に遊技球が10個入賞した、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合(S157:YES又はS158:YES)、CPU41は、大入賞口閉鎖処理(S159)を実行し、大入賞口25の閉鎖を指示するコマンドを出力バッファにセットする。その後、CPU41は、ラウンドカウンタの値から1減算する(S160)。
続くS161においては、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照し、ラウンドカウンタが0か否かを判断する。ラウンドカウンタが0である場合(S161:YES)、CPU41は、大当たり終了処理(S162)を実行し、確変・非確変設定処理(S163)に処理を移行する。一方、ラウンドカウンタが0でない場合(S161:NO)、CPU41は、そのまま特別電動役物処理(S47)を終了する。
確変・非確変設定処理(S163)に移行すると、CPU41は、図17に示すように、先ず、停止図柄が確変図柄であるか否かを判断する(S171)。停止図柄が確変図柄である場合(S171:YES)、CPU41は、確変フラグをONにセットし(S172)、S174に処理を移行する。停止図柄が確変図柄でない場合(S171:NO)、CPU41は、確変フラグをOFFにセットし(S173)、S174に処理を移行する。S174では、CPU41は、特別動作ステータスを1にセットし、その後、特別電動役物処理(S47)を終了する。
図5に示すように、特別動作処理(S16)を終了すると、CPU41は、保留球数処理(S17)を実行する。保留球数処理(S17)においては、図18に示すように、CPU41は、先ず、現在の特別図柄保留球数と普通図柄保留球数をロードし(S181)、この特別図柄保留球数と普通図柄保留球数を出力バッファにセットする(S182)。特別図柄保留球数と普通図柄保留球数を、主制御基板40の送信バッファにセットした後、CPU41は、保留球数処理(S17)を終了し、電源断監視処理(S18)に処理を移行する。
電源断監視処理(S18)では、CPU41は、図19に示すように、先ず、電源断信号が入力されたか否か(例えば、電源断状態が12ms継続したか否か)を判断する(S191)。電源断信号が入力された場合(S191:YES)、CPU41は、現在の遊技状態等を示すデータを、主制御基板40のRAMに格納し(S192)、電源断フラグをONにセットする(S193)。その後、CPU41は、処理の進行を無限ループさせることで、遊技機1を待機状態にする。一方、電源断信号が入力されていない場合(S191:NO)、CPU41は、そのまま電源断監視処理(S18)を終了する。
電源断監視処理(S18)を終了すると、CPU41は、その他の処理(S19)を実行する。その他の処理(S19)では、CPU41は、遊技制御に必要なその他の処理を実行する。
次に、サブ制御基板50のサブCPU51によって実行されるサブ制御基板50のメイン処理プログラムについて、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る遊技機1における制御処理の他の一部は、サブ制御基板50のサブCPU51によって、各種制御プログラム(図20〜図24、図27、図30参照)を実行することによって実現される。
先ず、遊技機1におけるサブ制御基板50のメイン処理について、図20を参照しつつ説明する。サブ制御基板50におけるメイン処理においては、サブ制御基板50のサブCPU51は、先ず、初期化処理を実行する(S201)。当該初期化処理(S201)では、サブCPU51は、スタックの設定、定数設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。その後、サブCPU51は、S202に処理を移行する。
S202においては、サブCPU51は、電源断信号がONであり、且つ、サブ制御基板50のRAMの記憶内容が正常であるか判断する。電源断信号は、電源基板に電源を投入すると、電源基板からサブ制御基板50に送信される。電源断信号がONであり、RAMの記憶内容が正常である場合(S202:YES)、サブCPU51は、そのまま、S204に処理を移行する。一方、RAMの記憶内容が正常でない場合(S202:NO)、サブCPU51は、サブ制御基板50のRAMを初期化し、各種フラグ及びカウンタ値をリセットする(S203)。その後、サブCPU51は、S204に処理を移行する。尚、S201〜S203に係る処理は、電源投入後の最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されない
S201〜S203の処理を終了すると、サブCPU51は、割込み禁止処理(S204)、乱数シード更新処理(S205)、コマンド送信処理(S206)、割込み許可処理(S207)を実行し、その後、再び、割込み禁止処理(S204)に処理を戻す。割込み許可処理(S207)の後、割込み禁止処理(S204)へ処理を戻す過程で、サブCPU51は、所定の条件の下で、受信割込み処理(S208)、10msタイマ割り込み処理(S209)、2msタイマ割り込み処理(S210)を実行する。
割込み禁止処理(S204)では、サブCPU51は、割込み許可となるまで、受信割込み処理(S208)、10msタイマ割り込み処理(S209)、2msタイマ割り込み処理(S210)の実行を禁止する。その後、サブCPU51は、S205に処理を移行する。
S205に移行すると、サブCPU51は、乱数シード更新処理を実行する。乱数シード更新処理(S205)では、サブCPU51は、サブ制御基板50に設けられている各種カウンタや、予告内容を決定する為の予告乱数値を含む各種乱数値を更新する。乱数値は、設定最大値に至ると、最小値に戻り、再び更新処理(加算処理)の対象となる。
S206においては、サブCPU51は、コマンド送信処理を実行する。コマンド送信処理(S206)では、サブCPU51は、表示制御基板55、音声制御基板60、ランプ制御回路に対して、各種コマンドを送信する。その後、サブCPU51は、割込み許可処理(S207)を行い、その後、S204〜S207の処理を無限ループで繰り返す。
S204〜S207の処理を無限ループで繰り返す際に、主制御基板40からストローブ信号(STB信号)を受信すると、サブCPU51は、10msタイマ割込み処理(S209)、2msタイマ割込み処理(S210)に優先して、受信割込み処理(S208)を実行する。又、サブCPU51は、10msec周期の割込みパルスがサブ制御基板50に入力される度に、10msタイマ割込み処理(S209)を実行する。尚、サブCPU51は、2msタイマ割込み処理(S210)間の残余時間に割り込んで、10msタイマ割り込み処理(S209)を実行する。更に、サブCPU51は、2msec周期の割込みパルスがサブ制御基板50に入力される度に、2msタイマ割込み処理(S210)を実行する。尚、サブCPU51は、10msタイマ割込み処理(S209)より優先して、2msタイマ割り込み処理(S210)を実行する。
続いて、受信割込み処理(S208)の処理内容について、図21を参照しつつ詳細に説明する。図21に示すように、受信割込み処理(S208)に移行すると、先ず、サブCPU51は、ストローブ信号(STB信号)がONであるか否かを判断する(S211)。STB信号がONである場合(S211:YES)、サブCPU51は、主制御基板40からサブ制御基板50に対して送信された制御信号(変動態様や特別図柄当否判定に関するデータ、コマンド等)を取り込み、サブ制御基板50のRAMに格納する(S212)。その後、サブCPU51は、受信割込み処理(S208)を終了する。一方、STB信号がONでない場合(S211:NO)、サブCPU51は、そのまま受信割込み処理(S208)を終了する。
次に、10msタイマ割込み処理(S209)について、図22を参照しつつ詳細に説明する。図22に示すように、10msタイマ割込み処理(S209)に移行すると、サブCPU51は、サブ制御基板50に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に、メインコマンド解析処理(S221)、ランプデータの作成やランプ演出の時間管理等を行うランプ処理(S222)、その他の受信コマンドに対応するその他の処理(S223)を実行する。その他の処理(S223)を終了すると、サブCPU51は、10msタイマ割込み処理(S209)を終了する。
メインコマンド解析処理(S221)では、サブCPU51は、当該遊技機1において、変動期間内に行われる予告演出の内容を設定する処理等を行う。続いて、当該メインコマンド解析処理(S221)の処理内容について、図23を参照しつつ詳細に説明する。
図23に示すように、メインコマンド解析処理(S221)に移行すると、サブCPU51は、受信コマンドが球貸コマンド、返却コマンド又は挿入コマンドの何れかであるか否かを判断する(S231)。受信コマンドが球貸コマンド、返却コマンド又は挿入コマンドの何れかである場合(S231:YES)、サブCPU51は、S232に処理を移行する。一方、受信コマンドが球貸コマンド、返却コマンド又は挿入コマンドの何れでもない場合(S231:NO)、サブCPU51は、S233に処理を移行する。
ここで、球貸コマンドは、上述したように、球貸ボタン36Cが操作されたことに基づいて、サブ制御基板50へ出力される制御コマンドであり、図25に示すように、貸し出される遊技球の個数(即ち、「払出:001」等)に応じて、個別に設定されている。又、返却コマンドは、返却ボタン36Dが操作されたことに基づいて、サブ制御基板50へ出力される制御コマンドであり、「FFH00H」と設定されている。そして、挿入コマンドは、カード挿入コマンドと紙幣挿入コマンドを含んで構成されている。カード挿入コマンドは、遊技価値検出ユニット80の差込口にプリペイドカードが挿入されたことを検出センサによって検出した場合に、遊技価値検出ユニット80から遊技機1のサブ制御基板50へ出力される。紙幣挿入コマンドは、遊技価値検出ユニット80の差込口に紙幣が挿入されたことを検出センサによって検出した場合に、遊技価値検出ユニット80からサブ制御基板50へ出力される。
S232においては、サブCPU51は、球貸・返却状況確認処理を実行する。ここで、S232で実行される球貸・返却状況確認処理の処理内容について、図24を参照しつつ詳細に説明する。
図24に示すように、球貸・返却状況確認処理(S232)に移行すると、サブCPU51は、先ず、受信コマンドがカード挿入コマンド又は紙幣挿入コマンドであるか否かを判断する(S241)。受信コマンドがカード挿入コマンド又は紙幣挿入コマンドである場合(S241:YES)、サブCPU51は、S242に処理を移行する。一方、受信コマンドがカード挿入コマンド又は紙幣挿入コマンドの何れでもない場合(S241:NO)、サブCPU51は、S244に処理を移行する。
図26に示すように、カード挿入コマンドは、遊技価値検出ユニット80の差込口にプリペイドカードが挿入された場合に出力される制御コマンドであり、遊技価値検出ユニット80のカードリーダ・ライタによって読み取られたプリペイドカードの記録内容(遊技価値の残数)とともに、遊技価値検出ユニット80からサブ制御基板50に対して出力される。紙幣挿入コマンドは、遊技価値検出ユニット80の差込口に紙幣が挿入された場合に出力される制御コマンドであり、紙幣の額面に対応する内容(遊技価値の残数)と共に、遊技価値検出ユニット80からサブ制御基板50に対して出力される。
S242においては、サブCPU51は、特殊振分発生契機値をクリアすると同時に、特殊振分カウンタの値をクリアする。ここで、特殊振分発生契機値とは、本発明における特殊期間を発生させるまでの開始条件となる値を示しており、後述するように、遊技価値検出ユニット80から取得した遊技価値の残数に基づいて設定される値である。具体的には、特殊振分発生契機値が0となった時点で、遊技機1は、本発明における特殊期間を開始するように構成されている。そして、特殊振分カウンタの値は、特殊期間の終了までを計数するカウンタであり、特殊振分テーブル(図29参照)を用いた予告演出の実行ごとに1ずつ減算される。
特殊振分発生契機値、特殊振分カウンタをクリアし、S243に移行すると、サブCPU51は、遊技価値検出ユニット80から受信した遊技価値の残り度数の1/2を、新たな特殊振分発生契機値に設定する。特殊振分発生契機値を、サブ制御基板50のRAMに格納した後、サブCPU51は、球貸・返却状況確認処理(S232)を終了する。
S244では、サブCPU51は、受信コマンドが球貸コマンド(図25参照)であるか否かを判断する。受信コマンドが球貸コマンドである場合(S244:YES)、サブCPU51は、S245に処理を移行する。一方、受信コマンドが球貸コマンドではない場合(S244:NO)、サブCPU51は、S249に処理を移行する。
S245に移行すると、サブCPU51は、球貸コマンドに基づいて、現在の特殊振分発生契機値から、今回の球貸に用いた遊技価値の数(即ち、貸し出した遊技球の数)である5を減算する。その後、S246において、サブCPU51は、S245で減算した特殊振分発生契機値が0であるか否かを判断する。即ち、サブCPU51は、当該遊技機1における遊技価値の消費量が所定の基準を満たし、本発明における特殊期間を開始するか否か(即ち、特殊振分発生条件を充足するか否か)を判断する。特殊振分発生契機値が0である場合(S246:YES)、サブCPU51は、S247に処理を移行する。一方、特殊振分契機値が0ではない場合(S246:NO)、サブCPU51は、そのまま球貸・返却状況確認処理(S232)を終了する。
S247に処理を移行すると、サブCPU51は、特殊振分発生契機値が0となり、特殊期間が開始されることに伴って、特殊振分カウンタを10回に設定する。従って、本実施形態において、特殊振分テーブルを用いた予告演出が10回実行されるまで、上記特殊期間が継続する。
特殊振分カウンタを10回に設定した後、S248では、サブCPU51は、遊技価値検出ユニット80から現時点における遊技価値の残数を取得し、取得した現時点における遊技価値の残数の1/2を、新たな特殊振分発生契機値に設定する。これにより、新たな特殊振分発生契機値は、特殊期間開始時における遊技価値の残り度数に対応した消費量として設定される。新たな特殊振分発生契機値を設定すると、サブCPU51は、そのまま球貸・返却状況確認処理(S232)を終了する。
S249においては、サブCPU51は、受信コマンドが返却コマンド(図25参照)であるか否かを判断する。受信コマンドが返却コマンドである場合(S249:YES)、サブCPU51は、返却コマンドに基づいて、遊技価値検出ユニット80からプリペイドカードが返却されることに伴い、現時点における特殊振分発生契機値及び特殊振分カウンタの値をクリアする(S250)。その後、球貸・返却状況確認処理(S232)を終了する。一方、受信コマンドが返却コマンドではない場合(S249:NO)、サブCPU51は、そのまま球貸・返却状況確認処理(S232)を終了する。
再び図23を参照しつつ、メインコマンド解析処理のS233以後の処理について説明する。メインコマンド解析処理のS233においては、サブCPU51は、受信コマンドが図柄表示装置10における特別図柄の変動を指示する変動コマンドであるか否かを判断する。受信コマンドが変動コマンドである場合(S233:YES)、サブCPU51は、S234に処理を移行する。一方、受信コマンドが変動コマンドでない場合(S233:NO)、サブCPU51は、S235に処理を移行する。
続くS234に移行すると、サブCPU51は、変動中予告設定処理を実行し、表示制御基板55により行われる特別図柄の変動表示用のコマンドのセット等を行う。ここで、変動中予告設定処理(S234)の処理内容について、図27を参照しつつ詳細に説明する。
図27に示すように、変動中予告設定処理(S234)に移行すると、サブCPU51は、特殊振分カウンタの値に基づいて、本発明における特殊期間中に相当する特殊振分発生中であるか否かを判断する(S261)。特殊振分発生中ではない場合(S261:NO)、サブCPU51は、S262に処理を移行する。一方、特殊振分発生中である場合(S261:YES)、サブCPU51は、S263に処理を移行する。
S262においては、サブCPU51は、サブ制御基板50のROMから通常振分テーブル(図28参照)を読み出して、予告内容抽選処理を実行する。具体的には、サブCPU51は、受信している変動コマンドに規定されている特別図柄の変動態様及び停止態様(結果)と、通常振分テーブルに基づいて、複数種類の予告演出の内から、一の予告演出を選択して設定する。通常振分テーブルを用いて、特別図柄の変動表示中に行われる予告演出の内容を設定した後、サブCPU51は、S265に処理を移行する。
ここで、S262で参照される通常振分テーブルについて、図28を参照しつつ説明する。図28に示すように、通常振分テーブルは、特別図柄の変動態様及び結果に対して、予告演出の内容(「ステップアップ予告(1)」〜「ステップアップ予告(5)」)を夫々対応付けて構成されている。
本実施形態においては、変動態様及び結果として、「大ハズレ(1)」「大ハズレ(2)」「大ハズレ(3)」「リーチハズレ」「SPリーチハズレ」「リーチ大当たり」「SPリーチ大当たり」が規定されている。「大ハズレ(1)」〜「大ハズレ(3)」は、特別図柄の変動表示の結果、特別図柄の種類が揃うことなく停止表示されハズレを示す。「リーチハズレ」は、特別図柄の変動表示において、通常リーチが発生し、その後、特別図柄の種類が揃うことなく停止表示されてハズレを示す。「SPリーチハズレ」は、特別図柄の変動表示において、通常リーチよりも大当たりに対する期待度の高いSPリーチが発生し、その後、特別図柄の種類が揃うことなく停止表示されてハズレを示す。「リーチ大当たり」は、特別図柄の変動表示において、通常リーチが発生し、その後、特別図柄の種類が揃って停止表示され、大当たりを示す。「SPリーチ大当たり」は、特別図柄の変動表示において、SPリーチが発生した後、特別図柄の種類が揃って停止表示され大当たりを示す。
そして、本実施形態における予告演出の内容は、「ステップアップ予告(1)」「ステップアップ予告(2)」「ステップアップ予告(3)」「ステップアップ予告(4)」「ステップアップ予告(5)」により構成されており、何れも、予告演出の時間経過に伴って、夫々に規定された期待度となるように、段階的に期待度の高い予告演出を行う。予告演出として最終的に示す大当たりに対する期待度は、「ステップアップ予告(1)」「ステップアップ予告(2)」「ステップアップ予告(3)」「ステップアップ予告(4)」「ステップアップ予告(5)」の順に高くなっている。図28等に示すように、「ガセ」「チャンス」「激アツ」「大当たり」の順に、大当たりに対する期待度の高さを示している。
図28に示すように、通常振分テーブルにおいては、変動態様及び結果に基づいて、選択され得る予告演出の種類が規定されており、選択され得る予告演出が選択される確率は、何れの予告演出についても略均等となるように設定されている。具体的には、例えば、変動態様及び結果が「SPリーチハズレ」である場合には、「ステップアップ予告(1)」〜「ステップアップ予告(4)」の4種類の内から、一の予告演出が選択されるように構成されており、いずれも、均等な確率(25%)で選択されるように設定されている。又、通常振分テーブルにおいて、変動態様及び結果が「SPリーチ大当たり」である場合、「ステップアップ予告(1)」〜「ステップアップ予告(5)」の5種類の内から、一の予告演出が選択されるように構成されており、いずれも、均等な確率(20%)で選択されるように設定されている。
従って、S262においては、サブCPU51は、図28に示す通常振分テーブルを用いることで、変動コマンドにより特定される変動態様及び結果に従って特定された複数種類の予告演出から、略均等な確率で一の予告演出を選択・設定することができる。
図27に示すように、特殊振分中である場合に移行するS263では、サブCPU51は、サブ制御基板50のROMから特殊振分テーブル(図29参照)を読み出して、予告内容抽選処理を実行する。具体的には、サブCPU51は、受信している変動コマンドに規定されている特別図柄の変動態様及び停止態様(結果)と、特殊振分テーブルに基づいて、複数種類の予告演出の内から、一の予告演出を選択して設定する。特殊振分テーブルを用いて、特別図柄の変動表示中に行われる予告演出の内容を設定した後、サブCPU51は、S264に処理を移行する。
ここで、S264で参照される特殊振分テーブルについて、図29を参照しつつ説明する。特殊振分テーブルは、通常振分テーブルと同様に、特別図柄の変動態様及び結果に対して、予告演出の内容(「ステップアップ予告(1)」〜「ステップアップ予告(5)」)を夫々対応付けて構成されている(図29参照)。特殊振分テーブルは、通常振分テーブルと同様に、変動態様及び結果に基づいて、選択され得る予告演出の種類が規定されているが、選択され得る予告演出の選択確率が、通常テーブルとは異なる態様で設定されている。
図29に示すように、特殊振分テーブルにおいては、変動態様及び結果に基づいて特定された選択され得る予告演出は、大当たりに対する期待度が最も高い予告演出ほど、選択確率が高くなるように設定されている。具体的には、例えば、変動態様及び結果が「SPリーチハズレ」である場合には、「ステップアップ予告(1)」〜「ステップアップ予告(4)」の4種類の内から、一の予告演出が選択されるように構成されており、「ステップアップ予告(1)」〜「ステップアップ予告(3)」については、何れも、均等な確率(15%)で選択されるように設定されている。そして、最も期待度の高い「ステップアップ予告(4)」については、55%の確率で選択されるように設定されている。
又、特殊振分テーブルにおいて、変動態様及び結果が「SPリーチ大当たり」である場合、「ステップアップ予告(1)」〜「ステップアップ予告(5)」の5種類の内から、一の予告演出が選択されるように構成されており、「ステップアップ予告(1)」〜「ステップアップ予告(4)」については、何れも、略均等な確率(12%又は13%)で選択されるように設定されている。そして、最も期待度の高い「ステップアップ予告(5)」については、50%の確率で選択されるように設定されている。
従って、S263においては、サブCPU51は、図29に示す特殊振分テーブルを用いることで、変動コマンドにより特定される変動態様及び結果に従って特定された複数種類の予告演出から、一の予告演出を選択・設定することができる。この時、特殊振分テーブルでは、通常振分テーブルとは異なり、大当たりに対する期待度の高い予告演出の選択確率が高く設定されているので、特殊振分発生中においては、大当たりに対する期待度がより高い演出内容を高頻度で実行することができ、大当たりに対する遊技者の期待感を、より高め得る。
S264においては、サブCPU51は、特殊振分発生中に予告内容抽選処理(S263)を実行し、本発明における特殊演出を実行したことに基づいて、特殊振分カウンタの値を1減算する。特殊振分カウンタを1減算した後、サブCPU51は、S265に処理を移行する。
S265においては、サブCPU51は、予告・変動パターンコマンド送信処理を実行する。具体的には、サブCPU51は、通常振分テーブルを用いた予告内容抽選処理(S262)又は、特殊振分テーブルを用いた予告内容抽選処理(S263)の何れかで設定された一の予告演出、変動パターンを示す制御コマンドを、各制御基板に対して送信する。その後、サブCPU51は、変動中予告設定処理(S234)を終了する。
再び図23に戻り、図23に示すように、メインコマンド解析処理のS235以後の処理ついて説明する。受信コマンドが変動コマンドではなく(S233:NO)、S235に移行すると、サブCPU51は、受信コマンドが特図指定コマンドであるか否かを判断する。特図指定コマンドとは、図柄表示装置10に停止表示される特別図柄の種類を指定する制御コマンドである。受信コマンドが特図指定コマンドである場合(S235:YES)、サブCPU51は、特図指定コマンドに基づく特図指定情報を、サブ制御基板50のRAMに格納し(S236)、その後、メインコマンド解析処理(S221)を終了する。一方、受信コマンドが特図指定コマンドでない場合(S235:NO)、サブCPU51は、受信コマンドに対応するその他の設定処理(S237)を実行し、その後、メインコマンド解析処理(S221)を終了する。
続いて、2msタイマ割込み処理(S210)について、図30を参照しつつ詳細に説明する。図30に示すように、2msタイマ割込み処理(S210)に移行すると、サブCPU51は、先ず、入力処理を実行する(S271)。入力処理(S271)では、サブCPU51は、操作ボタン等の入力データを作成し、サブ制御基板50のRAMに入力する。その後、サブCPU51は、S272に処理を移行する。
S272においては、サブCPU51は、ランプデータ出力処理を実行する。ランプデータ出力処理(S272)では、サブCPU51は、10msタイマ割込み処理(S209)のランプ処理(S222)で作成したランプデータの出力を行う。その後、サブCPU51は、S273に処理を移行する。
S273に移行すると、サブCPU51は、駆動出力処理を実行し、可動演出ユニット(図示せず)を構成する駆動モータの駆動パターン等を示す駆動データの作成、及び当該駆動データの出力を行う。その後、サブCPU51は、駆動出力処理(S273)を終了すると共に、2msタイマ割込み処理(S210)を終了する。
上述のように構成した遊技機1において、遊技価値の消費量が増大することに伴って、特殊期間(特殊振分)の発生及び予告演出の設定に関し、図31に示す具体例をもって説明する。
図31に示すように、遊技機1における遊技を開始する際に、遊技者は、遊技価値検出ユニット80の差込口に対して、プリペイドカードを挿入する。この時、プリペイドカードに記録されている遊技価値の残り度数は100を示しているものとする。遊技価値検出ユニット80の差込口に、プリペイドカードを挿入すると、遊技機1において、主制御基板40のCPU41は、図26に示すカード挿入コマンドを、サブ制御基板50に対して送信する。上述したように、プリペイドカードの残り度数が100であるので、カード挿入コマンドとして、残数:100を示す「FFH64H」が送信される。カード挿入コマンドを受信すると、サブ制御基板50のサブCPU51は、カード挿入コマンドに係る残数:100を、サブ制御基板50のRAMに格納すると共に、遊技価値の残数である100の1/2である「50」を、特殊振分発生契機値として設定する(S243)。
続いて、遊技者は、遊技機1での遊技を行う為に、遊技価値を消費して遊技球の貸与を受けるべく、球貸ボタン36Cの操作を1回行う。本実施形態においては、球貸ボタン36Cを1回操作すると、遊技価値の度数を5消費して、5個の遊技球の貸与を受けることができる。球貸ボタン36Cが1回操作されると、主制御基板40のCPU41は、5個の遊技球の貸与を示す球貸コマンド(「FFH34H」)を、サブ制御基板50へ送信する。これにより、遊技機1においては、払出制御基板65の制御によって、5個の遊技球が遊技者に貸与される。そして、サブ制御基板50のサブCPU51は、上記球貸コマンドを受信すると(S244:YES)、現在設定されている特殊振分発生契機値「50」から、球貸コマンドによって貸与された遊技球に係る「5」を減算する(S245)。これにより、特殊振分発生契機値は、5個の遊技球の貸与に関する遊技価値の消費によって、「45」となる。
当該遊技機1においては、遊技者は、必要に応じて、球貸ボタン36Cを操作して、プリペイドカードに記録された遊技価値を対価として、所定数(5個)の遊技球の貸与を受け、当該遊技機1における遊技に興じる。説明の都合上、以下の説明においては、先程の特殊振分発生契機値が「45」である状態から、遊技を進行する上で球貸ボタン36Cを合計7回操作し、特殊振分発生契機値が「10」となったものとする。
この状態から、更に5個の遊技球の貸与を受けるために、遊技者が球貸ボタン36Cを1回操作すると、主制御基板40のCPU41は、上述の場合と同様に、球貸コマンド(「FFH34H」)を、サブ制御基板50に対して送信する。そして、サブ制御基板50のサブCPU51は、当該球貸コマンドを受信すると(S244:YES)、現在設定されている特殊振分発生契機値「10」から、球貸コマンドによって貸与された遊技球に係る「5」を減算し、特殊振分発生契機値「5」に更新する(S245)。その後、遊技者が球貸ボタン36Cを1回操作すると、主制御基板40のCPU41は、当該操作に基づいて、球貸コマンド(「FFH34H」)を、サブ制御基板50に対して送信する。そして、サブ制御基板50のサブCPU51は、当該球貸コマンドを受信すると(S244:YES)、特殊振分発生契機値「5」から、球貸コマンドによって貸与された遊技球に係る「5」を減算し、特殊振分発生契機値「0」に更新する(S245)。特殊振分発生契機値が「0」となり、特殊振分発生条件を充足するので(S246:YES)、サブCPU51は、特殊振分カウンタを10回に設定し(S247)、遊技価値検出ユニット80から現時点における遊技価値の残数を取得し、取得した現時点における遊技価値の残数の1/2を、新たな特殊振分発生契機値に設定する(S248)。
上述のように、特殊振分カウンタを10回に設定することで、当該遊技機1においては、次回の特別図柄の変動から所定回転(10回転)の間、特殊振分テーブル(図29参照)を用いた予告演出が実行される。この10回転の間(即ち、特殊期間)、当該遊技機1では、上述したように、通常時よりも、大当たりに対する期待度の高い予告演出が高頻度で実行されるようになるため、大当たりに対する遊技者の期待感を高めることができる。
その後、遊技機1での遊技を中止し、遊技機1から離れる場合に、遊技者は、返却ボタン36Dを操作し、遊技価値検出ユニット80の差込口から、プリペイドカードを回収する。この時、主制御基板40のCPU41は、返却ボタン36Dの操作に基づいて、図25に示す返却コマンド(「FFH00H」)を、サブ制御基板50に対して送信する。サブ制御基板50のサブCPU51は、当該返却コマンドを受信すると(S249:YES)、現時点で設定されている特殊振分発生契機値及び特殊振分カウンタの値をクリアする(S250)。
以上説明したように、本実施形態に係る遊技機1によれば、特別振分発生契機値=0になるまで、遊技価値を消費すると(S246:YES)、特別図柄の回転数が10回転するまでの間、図29に示す特殊振分テーブルを用いて、予告演出の内容を設定し(S263)、当該予告演出を実行する。ここで、特殊振分テーブルは、図28に示す通常振分テーブルよりも、大当たりに対する期待度がより高い予告演出が高い頻度で選択されるように構成されているので、当該遊技機1によれば、大当たりに対する期待度がより高い予告演出内容が高頻度で実行されることになり、大当たりに対する遊技者の期待感を、より高め得る。
又、当該遊技機1は、遊技価値検出ユニット80にプリペイドカードや紙幣を挿入した場合(S241:YES)に、その時点における遊技価値の残り度数に基づいて、本発明の基準値に相当する特殊振分発生契機値を設定する(S243)。これにより、この結果、当該遊技機1によれば、遊技価値の消費量に連動した特殊振分発生契機値が設定されることになるので、特殊振分の発生が単調になることを防止することができる。
又、当該遊技機1は、本発明における特殊期間に相当する特殊振分が発生し(S246:YES)、当該特殊振分を開始する時点で、その時点における遊技価値の残り度数に基づいて、新たな特殊振分発生契機値を設定する(S248)。
当該遊技機によれば、前記演出実行手段は、当該特殊期間終了時における遊技価値の消費量を特定し、当該特殊期間終了時における遊技価値の消費量に基づいて、前記条件判断手段による次の基準値を設定するので、次の特殊期間への移行を、現時点における特殊期間開始時の状況に対応した適正な時機にすることができる。
そして、遊技機1においては、サブ制御基板50のROMには、通常振分テーブル(図28参照)と、特殊振分テーブル(図29参照)が記憶されている。当該遊技機1は、通常時においては、通常振分テーブルを用いて予告内容抽選処理(S262)を実行し、特殊振分発生中(特殊期間中)においては、特殊振分テーブルを用いて予告内容抽選処理(S263)を実行している。従って、当該遊技機1は、予告内容抽選処理において用いるテーブルを、通常振分テーブルと、特殊振分テーブルとの間で使い分けるだけで、特殊振分が発生している間、大当たりに対する期待度がより高い演出内容を、高頻度で選択・設定することができるので、遊技機1自体の制御負担を増大させることなく、大当たりに対する期待度がより高い演出内容を、高頻度で実行することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、本実施形態においては、本発明における特典として、大当たりを挙げていたが、この態様に限定されるものではない。特典の内容としては、確率変動状態への移行などの遊技状態が遊技者の有利になるように変化することや、賞球の払出等、遊技者にとって有益な内容であれば、種々の態様を採用し得る。
又、上述した実施形態においては、本発明における基準値に相当する特別振分発生契機値は、「或る時点における遊技価値の残り度数の1/2」として設定するように構成していたが、この態様に限定されるものではない。即ち、本発明における基準値は、「或る時点における遊技価値の残り度数」を基準としていれば、種々の態様を採用することができる。
更に、上述した実施形態においては、本発明の特殊期間に相当する「特殊振分の発生期間」は、特殊振分カウンタの値によって制御され、特別図柄の10回転分として規定されていたが、この態様に限定されるものではなく、種々の態様を採用することができる。例えば、特殊振分の発生期間を、特別図柄の回転数により規定する場合であれば、特別図柄の回転数を、10回転よりも少なく設定してもよいし、多く設定することもできる。更に、遊技価値の消費量等の遊技機1における遊技条件に応じて、適宜増減させて設定してもよい。
又、上述した実施形態においては、特殊振分発生契機値が0となった時点(S246:YES)で、その時点における遊技価値の残り度数に基づいて、次の特殊振分発生契機値の設定(S248)を実行するように構成していたが、この態様に限定されるものではなく、種々の態様を採用し得る。例えば、特殊振分カウンタの値が0となったことを検出し、特殊振分終了時における遊技価値の残り度数に基づいて、次の特殊振分発生契機値の設定を行うように構成することも可能である。
(付記)
また、本発明に係る遊技機を具体化した実施例について上記に説明したが、遊技機は以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
所定条件が成立したことに基づいて遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、前記遊技情報に基づいて特典を付与するか否かを判定する特典付与判定手段と、前記特典付与判定手段の判定結果に基づいて複数の演出態様から一の演出態様を選択して表示する演出態様表示手段と、を備え、所定のユニットに挿入された紙幣の価値情報又は価値情報媒体に記憶された価値情報が示す範囲内で、貸出手段の操作に応じて遊技媒体の貸し出しを行う遊技機において、前記所定のユニットから前記所定のユニットに挿入された紙幣の価値情報又は前記所定のユニットに挿入された状態にある前記価値情報媒体に記憶された価値情報を取得する価値情報取得手段と、前記貸出手段の操作に基づいて前記紙幣の価値情報又は価値情報媒体に記憶された価値情報の前記所定のユニットに挿入された後の価値消費量を取得する価値消費量取得手段と、を備え、前記演出態様表示手段は、前記価値消費量取得手段によって取得された前記価値消費量に応じて、前記特典が付与される期待度を表す複数の演出態様のうち、前記特典が付与される期待度が高い高期待度演出態様を選択する選択確率が高くなるように設定されていることを特徴とする。
上記構成を有する遊技機によれば、所定条件が成立したことに基づいて遊技情報を取得する遊技情報取得手段と、前記遊技情報に基づいて特典を付与するか否かを判定する特典付与判定手段と、前記特典付与判定手段の判定結果に基づいて複数の演出態様から一の演出態様を選択して表示する演出態様表示手段と、を備え、所定のユニットに挿入された紙幣の価値情報又は価値情報媒体に記憶された価値情報が示す範囲内で、貸出手段の操作に応じて遊技媒体の貸し出しを行う遊技機において、前記所定のユニットから前記所定のユニットに挿入された紙幣の価値情報又は前記所定のユニットに挿入された状態にある前記価値情報媒体に記憶された価値情報を取得する価値情報取得手段と、前記貸出手段の操作に基づいて前記紙幣の価値情報又は価値情報媒体に記憶された価値情報の前記所定のユニットに挿入された後の価値消費量を取得する価値消費量取得手段と、を備え、前記演出態様表示手段は、前記価値消費量取得手段によって取得された前記価値消費量に応じて、前記特典が付与される期待度を表す複数の演出態様のうち、前記特典が付与される期待度が高い高期待度演出態様を選択する選択確率が高くなるように設定されているため、遊技価値の消費量に応じて特典が付与される期待度が高い演出が表示される確率を高くすることが可能となる。
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記価値消費量取得手段によって取得された前記価値消費量が所定の基準価値消費量に達したか否かを判定する価値消費量判定手段を備え、前記演出態様表示手段は、前記価値消費量取得手段によって取得された前記価値消費量が前記基準価値消費量に達するまで、前記高期待度演出態様を通常選択確率で選択すると共に、前記価値消費量が前記基準価値消費量に達した場合には、前記高期待度演出態様を前記通常選択確率よりも高い選択確率で選択するように設定されていることを特徴とする。
上記構成を有する遊技機によれば、価値消費量取得手段によって取得された価値消費量が所定の基準価値消費量に達するまで、高期待度演出態様を通常選択確率で選択すると共に、価値消費量が基準価値消費量に達した場合には、高期待度演出態様を通常選択確率よりも高い選択確率で選択するように設定されている。これにより、貸出手段の操作を所定の基準価値消費量に達するまで行った場合には、特典が付与される期待度が高い演出が表示される確率が高くなるため、遊技者は、価値消費量が多くなるに従って、特典が付与される期待度が高い演出をより高い確率で体験することが可能となり、演出態様に対する趣向性を高めることが可能となる。
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記演出態様表示手段は、前記価値消費量が前記基準価値消費量に達した後、前記高期待度演出態様を前記通常選択確率よりも高い選択確率で所定の第1回数に達するまで連続して選択した後、前記高期待度演出態様を前記通常選択確率で選択するように設定されていることを特徴とする。
上記構成を有する遊技機によれば、高期待度演出態様を通常選択確率よりも高い選択確率で所定の第1回数に達するまで連続して選択された後、高期待度演出態様を通常選択確率で選択されるように設定されている。これにより、所定の第1回数に達するまで特典が付与される期待度が高い演出が表示される確率が高くなるため、遊技者の興味を表示された演出に惹きつけることが可能となり、演出態様に対する趣向性を高めることが可能となる。
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記価値消費量取得手段によって取得された前記価値消費量が所定の基準価値消費量に達した後の前記貸出手段の操作回数を取得する操作回数取得手段と、前記操作回数取得手段によって取得された前記貸出手段の操作回数が所定回数に達したか否かを判定する回数判定手段と、前記回数判定手段によって前記貸出手段の操作回数が所定回数に達したと判定された場合に、前記価値情報取得手段によって前記所定のユニットに挿入された紙幣の現時点における価値情報又は前記所定のユニットに挿入された状態にある前記価値情報媒体に記憶された現時点における価値情報を取得して、前記基準価値消費量を当該価値情報に基づいて第2基準価値消費量に再設定する再設定手段と、を備え、前記演出態様表示手段は、前記価値消費量取得手段によって取得された前記価値消費量が前記第2基準価値消費量に達するまで、前記高期待度演出態様を通常選択確率で選択すると共に、前記価値消費量が前記第2基準価値消費量に達した場合には、前記高期待度演出態様を前記通常選択確率よりも高い選択確率で選択するように設定されていることを特徴とする。
上記構成を有する遊技機によれば、価値消費量取得手段によって取得された価値消費量が所定の基準価値消費量に達した後、貸出手段の操作回数が所定回数に達したと判定された場合には、基準価値消費量が、所定のユニットに挿入された紙幣の現時点における価値情報又は所定のユニットに挿入された状態にある価値情報媒体に記憶された現時点における価値情報に基づいて第2基準価値消費量に再設定される。そして、価値消費量取得手段によって取得された価値消費量が第2基準価値消費量に達するまで、高期待度演出態様を通常選択確率で選択すると共に、価値消費量が第2基準価値消費量に達した場合には、高期待度演出態様を通常選択確率よりも高い選択確率で選択するように設定されている。
これにより、貸出手段の操作を第2基準価値消費量に達するまで行った場合には、特典が付与される期待度が高い演出が表示される確率が高くなるため、遊技者は、価値消費量が多くなるに従って、特典が付与される期待度が高い演出をより高い確率で体験することが可能となり、演出態様に対する趣向性を高めることが可能となる。
また、第5の構成は以下のとおりである。
前記演出態様表示手段は、前記価値消費量が前記第2基準価値消費量に達した後、前記高期待度演出態様を前記通常選択確率よりも高い選択確率で所定の第2回数に達するまで連続して選択した後、前記高期待度演出態様を前記通常選択確率で選択するように設定されていることを特徴とする。
上記構成を有する遊技機によれば、高期待度演出態様を通常選択確率よりも高い選択確率で所定の第2回数に達するまで連続して選択された後、高期待度演出態様を通常選択確率で選択されるように設定されている。これにより、所定の第2回数に達するまで特典が付与される期待度が高い演出が表示される確率が高くなるため、遊技者の興味を表示された演出に惹きつけることが可能となり、演出態様に対する趣向性を高めることが可能となる。
また、第6の構成は以下のとおりである。
前記第2基準価値消費量は、前記所定の基準価値消費量よりも少なくなるように設定されていることを特徴とする。
上記構成を有する遊技機によれば、第2基準価値消費量は、所定の基準価値消費量よりも少なくなるように設定されている。これにより、価値消費量が所定の基準価値消費量に達した後、貸出手段の操作回数が所定回数に達すると、変動表示回数のより早い時点で、特典が付与される期待度が高い演出が表示される確率が高くなるため、遊技者の興味を表示された演出に惹きつけることが可能となり、演出態様に対する趣向性を高めることが可能となる。