JP2015225147A - ロッドレンズアレイ及び該ロッドレンズアレイを備えた結像光学装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光をより効率的にセンサに導くことができる結像光学装置および該光学装置に用いるロッドレンズアレイを提供する。【解決手段】半径方向に屈折率分布を有するロッドレンズを、その光軸が互いに平行となるように、二枚の基板の間に少なくとも1列に複数本配列したロッドレンズアレイであって、基板の少なくとも外表面の白度Wを25以上とする。【選択図】図2
Description
本発明は、ファクシミリ装置、複写機、プリンタ、スキャナなどの光学機器の画像伝送部に用いられる結像光学装置に関し、より具体的には、複数本のロッドレンズがアレイ状に配列されたロッドレンズアレイを備えた結像光学装置に関する。
ファクシミリ装置、複写機、プリンタ、スキャナなどの光学機器においては、原稿面の情報を電気信号に変換して読み取るために、各種の走査装置が用いられている。走査装置の一形式として図1に示されるような密着型がある。この密着型の走査装置は、照明12、等倍結像装置であるロッドレンズアレイ14、センサ16、カバーガラス18(透明基板)などの各部品をフレーム内に組み付けることによって構成されている。原稿は通常カバーガラス18の表面に密着され、照明12によって照明される。原稿は照明12からの光を反射し、この反射光がロッドレンズアレイ14によってセンサ16上に結像され、電気信号に変換され原稿画像を得る。例えば、特許文献1に、このような画像読取装置が公開されている。また、図1のような装置に用いられるロッドレンズアレイが、特許文献2や特許文献3に開示されている。
近年、ロッドレンズアレイを用いる機器の省電力化の要求から、光源から照射されて原稿で反射された光をより効率的にセンサに導くことができる光学装置が求められている。そこで、より多くの光を取り込むためには、ロッドレンズの口径を大きくすればよいが、レンズの口径を大きくすると焦点深度が浅くなり、原稿がカバーガラスから少しでも浮いてしまうと、形成される画像が不鮮明になってしまう、という課題があった。
ここで、ロッドレンズアレイは、半径方向に屈折率分布を有する複数本のロッドレンズを、二枚の基板の間に1列もしくは2列に配列することにより、等倍結像光学系としたものである。従来、ロッドレンズ間のクロストークや、ロッドレンズアレイからの光漏れにより、センサに迷光が照射され、得られる画像等が不鮮明になることを抑制するため、ロッドレンズアレイの基板としては、黒色のものを用いることが技術常識であった(特許文献2、3)。
しかしながら、本願発明者らは光源から照射された光を効率的に利用することを鋭意検討した結果、ロッドレンズアレイの基板の表面色を白色とすることで、光を効率的に利用できることを見出し、本願発明をなすに至ったものである。すなわち、本願発明にかかるロッドレンズアレイは、半径方向に屈折率分布を有するロッドレンズを、その光軸が互いに平行となるように、二枚の基板の間に少なくとも1列に複数本配列したロッドレンズアレイであって、前記基板の少なくとも外表面は、下記式(1)で表される白度Wが25以上であることを特徴とするものであるロッドレンズアレイが提供される。
(式中のWは白度、Lは明度、aは赤色度、bは黄色度を表す。)
(式中のWは白度、Lは明度、aは赤色度、bは黄色度を表す。)
本発明の一実施態様によれば、前記白度Wは50以上であることを特徴とする。また、本発明の別の一実施態様によれば、前記基板は紙エポキシ基板、ABS基板、ガラスエポキシ基板、紙フェノール基板のいずれかであることを特徴とする。
また、本発明の別の一実施態様によれば、前記ロッドレンズと前記基板とは接着剤により固定されており、前記接着剤は黒色であることを特徴とする。
また、本発明の別の一実施態様によれば、前記ロッドレンズは、隣接するロッドレンズ間が所定間隔となるように離間配置されており、前記ロッドレンズ間に接着剤が充填されていることを特徴とする。また、本発明の別の一実施態様によれば、前記接着剤は黒色であることを特徴とする。
また、本発明においては、上述の特徴の少なくとも一つを有するロッドレンズアレイを備えた結像光学装置が提供される。
本発明に係るロッドレンズアレイは、光を効率的に利用できより明るい像を提供することができる。また、該ロッドレンズアレイを備えることで結像光学装置の光の利用効率を高めることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
<ロッドレンズ>
本発明のロッドレンズは、中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有する円柱状のレンズである。この屈折率分布としては、ロッドレンズの中心軸に垂直な断面において、ロッドレンズの半径rとしたとき、少なくとも中心軸から外周部に向かう0.3r〜0.7rの範囲における屈折率分布が、下記式(2)で規定される2次曲線分布に近似されることが好ましい。
(式中、n0はロッドレンズの中心軸における屈折率(中心屈折率)であり、Lはロッドレンズの中心軸からの距離(0≦L≦r)であり、gはロッドレンズの屈折率分布定数であり、n(L)はロッドレンズの中心軸からの距離Lの位置における屈折率である。)
本発明のロッドレンズは、中心から外周部に向かって屈折率が連続的に減少する屈折率分布を有する円柱状のレンズである。この屈折率分布としては、ロッドレンズの中心軸に垂直な断面において、ロッドレンズの半径rとしたとき、少なくとも中心軸から外周部に向かう0.3r〜0.7rの範囲における屈折率分布が、下記式(2)で規定される2次曲線分布に近似されることが好ましい。
(式中、n0はロッドレンズの中心軸における屈折率(中心屈折率)であり、Lはロッドレンズの中心軸からの距離(0≦L≦r)であり、gはロッドレンズの屈折率分布定数であり、n(L)はロッドレンズの中心軸からの距離Lの位置における屈折率である。)
本発明のロッドレンズの半径rは特に限定されないが、光学系のコンパクト化の観点から、半径rは小さいことが好ましく、ロッドレンズの加工時の取り扱いの観点からは、半径rが大きいことが好ましい。このため、ロッドレンズの半径rは、0.05〜1mmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5mmの範囲である。また、ロッドレンズの屈折率分布定数gも特に限定されるものではないが、光学系のコンパクト化や光学系の作動距離の確保や取り扱い性の観点から、0.2〜3mm−1の範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.5〜2mm−1の範囲である。
また、ロッドレンズは、中心軸から0.6r以上の外周部に、ロッドレンズを伝送する光のうち少なくとも一部の光を吸収する光吸収剤を含有する光吸収層を設けることが好ましい。これは、一般に、ロッドレンズでは、中心軸から離れるにつれて、屈折率分布が理想分布から外れた不整な部分が形成されやすく、これに起因する光学特性の低下を、ロッドレンズの外周部に光吸収層を設けることにより抑止するためである。光吸収層の厚みは50μm以上100μm以下が好ましい。光吸収層の厚みをこの範囲にすることにより、フレア光やクロストーク光を十分に除去できると共に、十分な透過光量を確保できる。
使用する光吸収剤としては、イメージセンサやLEDプリンタ等においては、一般に光源として400〜900nmの波長の光を出射する光源が用いられているので、400〜900nmのうち少なくとも一部の波長域の光を吸収するものを用いることが好ましい。このような光吸収剤としては、例えば、600nm〜近赤外線領域に吸収のある日本化薬製Kayasorb CY−10等、600〜700nmに吸収のある三菱化学製Diaresin Blue 4G等、550〜650nmに吸収のある日本化薬製Kayaset Blue ACR等、500〜600nmに吸収のある三井東圧染料製MS Magenta HM−1450等、400〜500nmに吸収のある三井東圧染料製MS Yellow HD−180等を例示することができる。また、400〜900nmのうち全波長域の光を吸収する光吸収剤としては、黒色染料等を挙げることができる。これら光吸収剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
<ロッドレンズの製造方法>
次に、上記のようなロッドレンズの製造方法について説明する。
ロッドレンズの屈折率分布の形成方法には制限はなく、付加反応法、共重合法、ゲル重合法、単量体揮発法、相互拡散法等のいずれの方法でもよいが、精度および生産性の点で相互拡散法が好ましい。
次に、上記のようなロッドレンズの製造方法について説明する。
ロッドレンズの屈折率分布の形成方法には制限はなく、付加反応法、共重合法、ゲル重合法、単量体揮発法、相互拡散法等のいずれの方法でもよいが、精度および生産性の点で相互拡散法が好ましい。
相互拡散法について説明する。
まず、硬化後の屈折率nがn1>n2>・・・・>nN(N≧3)となるN個の未硬化状物を、中心から外周部に向かって順次屈折率が低くなるような配置で、同心円状に積層した未硬化状の積層体(以下、「糸状体」という。)に賦形し、この糸状体の各層間の屈折率分布が連続的になるように隣接層間の物質の相互拡散処理を行いながら、または相互拡散処理を行った後、糸状体を硬化処理し、ロッドレンズ原糸を得る(紡糸工程)。なお、相互拡散処理とは、糸状体に窒素雰囲気下、10〜60℃、より好ましくは20〜50℃で数秒〜数分間の熱履歴を与えることをいう。
この未硬化状物を構成する物質としては、ラジカル重合性ビニル単量体、またはラジカル重合性ビニル単量体と該単量体に可溶な重合体とよりなる組成物などを用いることができる。
ラジカル重合性ビニル単量体の具体例としてはメチルメタクリレート(n=1.49)、スチレン(n=1.59)、クロルスチレン(n=1.61)、酢酸ビニル(n=1.47)、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート(n=1.37〜1.44)、屈折率1.43〜1.62の(メタ)アクリレート類たとえばエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ又はトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ、トリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他のジエチレングリコールビスアリルカーボネート、フッ素化アルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これら未硬化状物から糸状体を形成する際の未硬化状物の粘度調整を容易にするため、及び糸状体の中心から外周へ向かい連続的な屈折率分布を持たせるため、前記の未硬化状物はビニル系単量体と前記重合体とで構成されていることが好ましい。
前記重合体としては、前記のラジカル重合性ビニル単量体から生成する重合体と相溶性が良いことが必要であり、例えばポリメチルメタクリレート(n=1.49)、ポリメチルメタクリレート系共重合体(n=1.47〜1.50)、ポリ4−メチルペンテン−1(n=1.46)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(n=1.46〜1.50)、ポリカーボネート(n=1.50〜1.57)、ポリフッ化ビニリデン(n=1.42)、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体(n=1.42〜1.46)、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロペン共重合体(n=1.40〜1.46)、ポリフッ化アルキル(メタ)アクリレート重合体等が挙げられる。特に、ポリメチルメタクリレートは透明性に優れ及びそれ自体の屈折率も高いので本発明の屈折率分布型光伝送体を作成するに際して用いる重合体としては好適なものである。
粘度を調整するため、前記重合体として各層に同一の屈折率を有する重合体を用いることが、中心から外周に向かって連続的な屈折率分布を有するプラスチック光伝送体が得られるので好ましい。
前記未硬化状物より形成した糸状体を硬化するには、未硬化物中に熱硬化触媒あるいは光硬化触媒を添加し、熱硬化処理および/または光硬化処理を行う。熱硬化触媒としてはパーオキサイド系又はアゾ系の触媒等が用いられる。光硬化触媒としてはベンゾフェノン、ベンゾインアルキルエーテル、4'-イソプロピル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルメチルケタール、2,2-ジエトキシアセトフェノン、クロロチオキサントン、チオキサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N−メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
光硬化処理としては、光硬化触媒を含有させた未硬化状物に周囲から紫外線を照射することにより行うことができる。光硬化処理に用いる光源としては、150〜600nmの波長の光を発生する炭素アーク灯、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、キセノンランプ、レーザー光等が挙げられる。また、重合率を上げるためにこれらの光源を適宜組み合わせて使用してもよい。熱硬化処理としては、熱硬化触媒を含有させた未硬化状物を、一定の温度に制御された加熱炉等の硬化処理部で所定時間加熱することにより行うことが望ましい。
このようにして得られたロッドレンズ原糸は、延伸工程、緩和工程を経て、第1のプラスチック製ロッドレンズとなり、その後、ロッドレンズの熱収縮開始温度以上100℃以下、より好ましくは熱収縮開始温度以上80℃以下で熱処理することにより、熱収縮開始温度を高められる。
延伸は公知の方法により行うことができる。例えば、硬化して得られたロッドレンズ原糸を第1ニップローラーで加熱炉に供給し、加熱炉を通過したロッドレンズを第2ニップローラーで第1ニップローラーよりも速い速度で引き取って延伸する方法等があげられる。延伸工程における雰囲気温度(延伸温度)はロッドレンズの材質等に応じて設定されるが、ロッドレンズ原糸のガラス転移温度(Tg)+20℃以上が好ましく、Tg+60℃以下が好ましい。なお、ロッドレンズが複数種類の材料で構成される場合それらのTgの最大値をロッドレンズのTgとする。また、延伸倍率は所望のロッドレンズ径により、決定され、第1及び第2ニップローラーの速度比により調節することができるが、1.1〜10倍が好ましく、2〜6倍がより好ましい。
緩和は、公知の方法により行うことができる。例えば、延伸されたロッドレンズ原糸を第3ニップローラーで加熱炉に供給し、加熱炉を通過したロッドレンズを第4ニップローラーで第3ニップローラーよりも遅い速度で引き取って緩和する方法等があげられる。緩和工程における雰囲気温度(緩和温度)は、ロッドレンズの材質等に応じて設定されるが、得られるロッドレンズを使用したロッドレンズアレイの光学特性を考慮すると、Tg以上、Tg+60℃以下が好ましく、Tg以上、延伸温度−5℃以下がより好ましい。また、緩和倍率は所望のロッドレンズ径により、決定され、第3及び第4ニップローラーの速度比により調節することができるが、0.5以上1倍未満が好ましく、0.6〜0.9倍がより好ましい。延伸工程はバッチ方式で行ってもよいし、連続的に行ってもよい。また、延伸工程と緩和工程は連続的に行ってもよいし、工程毎に分離して行ってもよい。生産性の観点からは連続的に行う方が好ましい。
延伸、緩和工程を経て、所望の径となった第1のロッドレンズは、連続的に所望の長さに切断してもよく、ボビン等に巻き取った後、切断を行ってもよい。ここまでの工程で得られる第1のロッドレンズの熱収縮開始温度は、45〜75℃程度であり、未だ十分な耐熱性が得られない。
本発明のロッドレンズ(第2のロッドレンズ)の製造方法においては、上記のようにして得られた第1のロッドレンズを、さらに、熱収縮開始温度以上、100℃以下で熱処理を行うことにより、耐熱性を向上させてもよい。熱処理の温度は、耐熱性を上げる効果を奏するために熱収縮開始温度以上である必要があり、ロッドレンズの変形を避けるために100℃以下にする必要がある。このような温度で熱処理を行うことにより、(第1の)ロッドレンズの熱収縮開始温度を高めることができ、高温環境下でも(第2の)ロッドレンズの変形を抑制し、レンズアレイの耐熱性を向上させることができる。
熱処理を行う時間に特に制限はないが、耐熱性をより向上させる点と生産性のバランスを考慮すると、0.5〜48時間行うことが好ましく、5〜30時間がより好ましく、18〜30時間が特に好ましい。
熱処理は(第1の)ロッドレンズに張力がかからない状態で実施することが特に好ましい。例えば、所定の長さに切断した状態であれば、天板の上にロッドレンズ同士が重ならないように平らに広げた状態にしてもよいし、コの字型の容器や、U字型の容器にロッドレンズを入れ、振動を加えることによりロッドレンズ同士が平行になるように整列させてもよい。また、ドラム等に巻き取った状態であれば、一定のピッチでトラバースすることによりロッドレンズを平行に巻き取る等の方法がある。
また、熱処理時の湿度は特に限定されないが、ロッドレンズにダメージを与えるような条件で無ければ良く、相対湿度で0〜90%程度が好ましい。相対湿度が90%を超えると、恒温恒湿機等からロッドレンズを取り出した時に(冷却による)結露が発生する場合がある。
また、熱処理時の湿度は特に限定されないが、ロッドレンズにダメージを与えるような条件で無ければ良く、相対湿度で0〜90%程度が好ましい。相対湿度が90%を超えると、恒温恒湿機等からロッドレンズを取り出した時に(冷却による)結露が発生する場合がある。
熱処理の方法は、ロッドレンズを均一に熱処理できる方法であれば特に制限されるものではなく、加熱オーブンや熱風乾燥機等の中で行ってもよく、また、相対湿度がコントロールされた恒温恒湿機中で行っても良い。また、ロッドレンズにダメージを与えない流動パラフィン等の液体の中で行ってもよい。また、温水に浸漬させてもよいし、超臨界二酸化炭素で処理してもよい。
<ロッドレンズアレイ>
本発明のロッドレンズアレイは、前記のようにして得られた複数本の(第2の)ロッドレンズが各ロッドレンズの光軸方向が互いに平行になるように2枚の基板の間に1列以上に配列されて構成される。ロッドレンズと基板との固定には接着剤が用いられる。隣接するロッドレンズは互いに密着していてもよいし、一定の隙間をおいて配列していてもよい。
本発明のロッドレンズアレイは、前記のようにして得られた複数本の(第2の)ロッドレンズが各ロッドレンズの光軸方向が互いに平行になるように2枚の基板の間に1列以上に配列されて構成される。ロッドレンズと基板との固定には接着剤が用いられる。隣接するロッドレンズは互いに密着していてもよいし、一定の隙間をおいて配列していてもよい。
<基板>
本発明において、ロッドレンズアレイを構成する基板として、ロッドレンズアレイとして構成された時の少なくとも外表面が、下記のハンター白度の計算式により規定される白度Wの値が25以上となる略白色の基板が用いられる。
(式中のWは白度、Lは明度、aは赤色度、bは黄色度を表す。)
本発明において、ロッドレンズアレイを構成する基板として、ロッドレンズアレイとして構成された時の少なくとも外表面が、下記のハンター白度の計算式により規定される白度Wの値が25以上となる略白色の基板が用いられる。
(式中のWは白度、Lは明度、aは赤色度、bは黄色度を表す。)
例えば、図1に示されたロッドレンズアレイを用いた結像光学装置を例として考えてみると、光源12から照射された光のうち、矢印で示されたような、原稿面を照射し所定の位置で反射された光がロッドレンズ14に入射する。一方で、光源から照射される光は、このような光だけでなく、種々の方向に光が照射される。このような光を効果的に利用することについて、従来は特に何も鑑みられていなかった。本願発明においては、少なくとも表面が白色である基板を用いてロッドレンズアレイを作成しているため、図2に示されるように、矢印で示されたような、光源12から照射されたが原稿の所定の位置を照射しなかった光を、ロッドレンズアレイ14の基板で反射し、原稿の所定の位置を照射する光として有効に利用することができる。このように、図1のような光に加えて、図2のような光も有効に利用できることから、より光を有効に活用することができる。
従来、ロッドレンズ同士のクロストークやセンサ方向への光漏れにより、センサから得られる画像等が不鮮明になることを防止するために、ロッドレンズアレイの基板には黒色のものを用いることが技術常識であった。しかしながら、本願発明者らは、ロッドレンズアレイの基板として、少なくとも外表面の白度Wが25以上である基板を用いても、センサへの光漏れ等が発生しないことを見出した。さらに、基板の外表面の白度Wを25以上とすることで、従来は有効活用されていなかった光を、原稿面を照射する光として活用することができることを見出し、本願発明をなすに至ったものである。基板の白度Wは、25以上であることが好ましく、50以上であることがさらに好ましく、60以上であることが最も好ましい。基板の白度Wの上限は特に規定されないが、用いる原料の入手性等の観点から、Wは100以下であることが好ましい。
このように、本願発明によれば、従来の光学装置よりも光を有効活用できるために、光源の明かりを従来よりも暗く設定することが可能であり、より省電力な光学装置を提供することが可能となる。
本発明において用いられる基板は、基板の表面に着色されたもの、基板に白色の染料や顔料が混合されたもの、白色の材料を用いて形成されたもの、などを用いることができる。基板表面の着色や、基板に混合させる材料としては硫酸バリウム、チタン系白色顔料、酸化アルミニウム系白色顔料等、従来公知の白色材料を用いることができる。また、白色の材料を用いて形成されたものとしては、顔料を含有させずに形成されたABS樹脂板、紙エポキシ基板等があげられる。
<接着剤>
接着剤は、レンズアレイと基板あるいはレンズアレイ同士を貼着できる程度の粘着力を有するものであれば特に制限されるものではなく、薄膜状に塗布可能な接着剤や、スプレー式粘着剤、ホットメルト型粘着剤等を用いることができる。また、基板やレンズアレイへの接着剤の塗布方法としては、接着剤の種類に応じて、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法等の公知のコーティング法を用いることができる。なお、ロッドレンズ同士のクロストークや、ロッドレンズアレイからの光漏れ等を抑制する観点から、接着剤には黒色染料や黒色顔料などが混入され、硬化後に黒色となる接着剤を用いることが好ましい。
接着剤は、レンズアレイと基板あるいはレンズアレイ同士を貼着できる程度の粘着力を有するものであれば特に制限されるものではなく、薄膜状に塗布可能な接着剤や、スプレー式粘着剤、ホットメルト型粘着剤等を用いることができる。また、基板やレンズアレイへの接着剤の塗布方法としては、接着剤の種類に応じて、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法等の公知のコーティング法を用いることができる。なお、ロッドレンズ同士のクロストークや、ロッドレンズアレイからの光漏れ等を抑制する観点から、接着剤には黒色染料や黒色顔料などが混入され、硬化後に黒色となる接着剤を用いることが好ましい。
以下、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
<色の測定>
分光光度計(U4000形:日立ハイテクノロジーズ製)を用い、150φ積分球付属装置にて、下記測定条件で基板表面の全反射率(正反射+拡散反射を含む)を測定した。
測色条件:測定波長範囲 380〜780nm
スリット幅 5nm
スキャン速度 300nm/min
光源:C光 2度視野
得られた測定値を、下記のハンター白度の計算式により白度の値を得た。
(式中のWは白度、Lは明度、aは赤色度、bは黄色度を表す。)
分光光度計(U4000形:日立ハイテクノロジーズ製)を用い、150φ積分球付属装置にて、下記測定条件で基板表面の全反射率(正反射+拡散反射を含む)を測定した。
測色条件:測定波長範囲 380〜780nm
スリット幅 5nm
スキャン速度 300nm/min
光源:C光 2度視野
得られた測定値を、下記のハンター白度の計算式により白度の値を得た。
(式中のWは白度、Lは明度、aは赤色度、bは黄色度を表す。)
<基板表面の色>
白色のリファレンスとして、硫酸バリウムの標準白色板を用いた。また、顔料等の色素を添加しないABS基板、顔料等の色素を添加しない紙エポキシ基板、カーボンブラック含有ベークライト基板について、それぞれ白度および反射率を測定した。測定結果を表1に示す。
白色のリファレンスとして、硫酸バリウムの標準白色板を用いた。また、顔料等の色素を添加しないABS基板、顔料等の色素を添加しない紙エポキシ基板、カーボンブラック含有ベークライト基板について、それぞれ白度および反射率を測定した。測定結果を表1に示す。
表1に示されたように、従来ロッドレンズアレイの基板として用いられていた黒色のベークライト基板は反射率が非常に低くなっている。このような基板をロッドレンズアレイの基板として用いた場合、光源から照射されたが原稿の所定の位置を照射しなかった光を有効に利用することが困難である。一方、ハンター白度Wがベークライトよりも高い基板は、反射率が50%以上と高い値になっている。このような基板をロッドレンズアレイの基板として利用することで、光源から照射されたが原稿の所定の位置を照射しなかった光を、ロッドレンズアレイの基板で反射し、原稿の所定の位置を照射する光として有効に利用することができる。
12 照明
14 ロッドレンズアレイ
16 センサ
18 カバーガラス
14 ロッドレンズアレイ
16 センサ
18 カバーガラス
Claims (7)
- 半径方向に屈折率分布を有するロッドレンズを、その光軸が互いに平行となるように、二枚の基板の間に少なくとも1列に複数本配列したロッドレンズアレイであって、前記基板の少なくとも外表面は、下記式(1)で表される白度Wが25以上であることを特徴とする、ロッドレンズアレイ。
(式中のWは白度、Lは明度、aは赤色度、bは黄色度を表す。) - 請求項1に記載のロッドレンズアレイであって、前記白度Wが50以上であることを特徴とするロッドレンズアレイ。
- 請求項1または2に記載のロッドレンズアレイであって、前記基板は紙エポキシ基板、ABS基板、ガラスエポキシ基板、紙フェノール基板のいずれかであることを特徴とするロッドレンズアレイ。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のロッドレンズアレイであって、前記ロッドレンズと前記基板とは接着剤により固定されており、前記接着剤は黒色であることを特徴とするロッドレンズアレイ。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のロッドレンズアレイであって、前記ロッドレンズは、隣接するロッドレンズ間が所定間隔となるように離間配置されており、前記ロッドレンズ間に接着剤が充填されていることを特徴とするロッドレンズアレイ。
- 請求項5に記載のロッドレンズアレイであって、前記接着剤は黒色であることを特徴とするロッドレンズアレイ。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のロッドレンズアレイを備えることを特徴とする、結像光学装置。
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2014
- 2014-05-27 JP JP2014108739A patent/JP2015225147A/ja active Pending
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