JP2015224012A - 衝突物潜り込み防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両が衝突物と衝突した際に、車両の下方への衝突物の潜り込みを防止する。作動後に部品交換することなく衝突物潜り込み防止装置を作動前の状態に復帰させる。
【解決手段】衝突物潜り込み防止装置10は、潜り込み防止部材15と左右のねじりばね21と左右のリンクアーム26とロック装置16と加速度センサ56とコントローラ57とを有する。潜り込み防止部材15は、ピボット軸37の回転軸を中心としてFUP6に回転自在に支持され、非作動時にはロック装置16によって収納位置に保持され、加速度センサ56とコントローラ57とがフロントバンパ5への歩行者の衝突を検知すると、収納位置への保持が解除されて展開位置へ傾動する。展開位置では、潜り込み防止部材15の延設部72がピボット軸37側の基端58から先端31に向かってFUP6の下方で直線状に延びる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両が衝突物と衝突した際に、車両の下方への衝突物の潜り込みを防止する衝突物潜り込み防止装置に関する。
特許文献1には、サイドメンバーの前部の下方に車両前後方向に回転自在に取り付けられるアームと、アームの下端部の車幅方向に延びるブロッカービームと、アクチュエータと、衝撃荷重検出センサと、制御回路とを備えた車両の前端部構造が記載されている。アクチュエータは、シリンダとピストンロッドとインフレータとを備える。
この車両の前端部構造では、衝撃荷重検出センサが衝撃荷重を検出すると制御回路がインフレータを作動させて高圧ガスを発生させる。シリンダ内に注入された高圧ガスがピストンロッドを進出させると、ピストンロッドに押圧されたアームの上端部が支持軸を中心に後方に回動するとともに、アームの下端部及びブロッカービームが支持軸を中心に車両前方に回動する。ブロッカービームは、衝撃荷重の入力の対象物を受け止めて、衝撃荷重の入力の対象物が車両下部に潜り込むのを防止する。
特開2007−22205号公報
特許文献1に記載の車両の前端部構造(衝突物潜り込み防止装置)では、インフレータが高圧ガスを発生することによって、アーム及びブロッカービームが車両前方へ回動する。このため、衝突物潜り込み防止装置を作動前の状態に復帰させるためには、車両を修理業者等に預けてインフレータの交換をする必要があり、衝突時の車体の損傷が小さい場合であっても、運転者がその場で衝突物潜り込み防止装置を作動前の状態に復帰させて車両を使用することが難しい。
そこで、本発明は、車両が衝突物と衝突した際に、車両の下方への衝突物の潜り込みを防止することができ、且つ作動後に部品交換することなく作動前の状態に復帰させることが可能な衝突物潜り込み防止装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、車体フレームの前部下方で車幅方向に延びるフロントアンダーランプロテクタを有する車両の衝突物潜り込み防止装置であって、衝突検知手段と潜り込み防止部材と付勢手段と保持手段とを備える。衝突検知手段は、車両の前部への衝突物の衝突を検知する。潜り込み防止部材は、車体フレームの下面よりも下方で車幅方向に延びる回転軸を中心としてフロントアンダーランプロテクタに対して回転自在に支持される支持部と、支持部側の基端から先端に向かって直線状に延設される延設部とを有する。延設部の延設方向に沿った回転軸から先端までの距離は、回転軸から車体フレームの下面までの距離よりも短く設定される。潜り込み防止部材は、延設部が基端側からフロントアンダーランプロテクタよりも下方に延びる展開位置と、延設部がフロントアンダーランプロテクタの後面に沿って基端側から上方へ延びて起立する収納位置との間を回転軸を中心として傾動可能である。付勢手段は、潜り込み防止部材を展開位置へ付勢する。保持手段は、潜り込み防止部材を付勢手段の付勢力に抗して収納位置に保持し、衝突検知手段が衝突物の衝突を検知した時に潜り込み防止部材の保持を解除する。衝突検知手段が衝突物の衝突を検知して保持手段が潜り込み防止部材の保持を解除すると、潜り込み防止部材が付勢手段の付勢力によって収納位置から展開位置へ傾動し、展開位置の潜り込み防止部材が前方からの車体フレームの下方への衝突物の潜り込みを防止する。
上記構成では、衝突検知手段が歩行者(衝突物)の衝突を検知すると、潜り込み防止部材が収納位置から展開位置へ傾動し、展開位置の潜り込み防止部材が前方からのフロントアンダーランプロテクタ(以下、FUPと称する)の下方への衝突物の潜り込みを防止するので、車両が歩行者と衝突した際に、FUPの下方への歩行者の潜り込みを防止することができる。
また、一度使用すると再使用することができない部品(例えば、インフレータ等)を必要としないので、作動後に部品交換をすることなく衝突物潜り込み防止装置を作動前の状態に復帰させて繰り返し使用することができ、車体の損傷が小さい場合には、運転者等が比較的容易に衝突物潜り込み防止装置を作動前の状態に復帰させて車両を使用することができる。また、作動前の状態に復帰させる際、部品の交換が必要な場合に比べて、復帰作業の作業性が向上する。
また、衝突検知手段が衝突物の衝突を検知するまでは、潜り込み防止部材が収納位置に保持され、収納位置の潜り込み防止部材が基端側から上方へ延びて起立するので、車両のアプローチアングルを確保することができる。
また、延設部が基端から先端に向かって直線状に延設され、延設部の延設方向に沿った回転軸から先端までの距離が回転軸から車体フレームの下面までの距離よりも短く設定され、収納位置の潜り込み防止部材の延設部がFUPの後面に沿って基端側から上方へ延びて起立するので、潜り込み防止部材をFUPの後面後方の狭い範囲に収納することができ、車体フレームの前部下方の省スペース化を図ることができる。
また、上記衝突物潜り込み防止装置は、第2の支持部と係合部とを有するリンク部材を備えてもよい。第2の支持部は、第2の回転軸を中心としてフロントアンダーランプロテクタに対して回転自在に支持される。係合部は、先端側と基端側との間を直線的にスライド移動可能に潜り込み防止部材の延設部に係合して連結される。回転軸は、フロントアンダーランプロテクタの後面よりも前方に配置される。先端側と基端側との間の係合部のスライド移動は、収納位置から展開位置への潜り込み防止部材の傾動に連動した通常位置から作動位置への第2の回転軸を中心としたリンク部材の傾動を許容する。付勢手段は、リンク部材を作動位置へ付勢する。
上記構成では、先端側と基端側との間の係合部のスライド移動が、収納位置から展開位置への潜り込み防止部材の傾動に連動した通常位置から作動位置への第2の回転軸を中心としたリンク部材の傾動を許容する。このため、付勢手段に付勢されてリンク部材が通常位置から作動位置へ傾動すると、リンク部材の係合部が潜り込み防止部材の先端側と基端側との間でスライド移動するとともに、潜り込み防止部材が収納位置から展開位置へ傾動する。
このように、リンク部材の係合部と潜り込み防止部材とがスライド移動可能に連結されるので、収納位置から展開位置へ傾動する間の潜り込み防止部材がリンク部材に支持される。このため、傾動中の潜り込み防止部材の動きが安定する。
また、付勢手段がリンク部材を付勢するので、付勢手段が潜り込み防止部材を付勢し潜り込み防止部材の傾動に追従してリンク部材が傾動する場合に比べて、傾動中の潜り込み防止部材の動きがさらに安定する。
また、回転軸がFUPの後面よりも前方に配置されるので、回転軸と潜り込み防止部材の前端との相対距離が変化しない場合には、回転軸を前方に配置する分だけ作動位置における潜り込み防止部材の前端を前方に配置することができ、作動位置における潜り込み防止部材の前端をFUPの前面よりも前方に配置し易い。作動位置における潜り込み防止部材の前端をFUPの前面よりも前方に配置すると、衝突物潜り込み防止装置の作動時に潜り込み防止部材をFUPの前面よりも前方で衝突物に当接させることができ、FUPよりも後方への衝突物の潜り込み防止の確実性を高めることができる。
また、潜り込み防止部材及びリンク部材の双方がFUPに対して支持されるので、FUPを車体に対して固定する前に、潜り込み防止部材及びリンク部材をFUPに組み付けて1つのユニットとすることができる。このように、FUPと、潜り込み防止部材及びリンク部材とをユニット化することによって、係るユニットを車体に対して固定すればよいので、潜り込み防止部材やリンク部材を車体フレームやFUPブラケット等に個別に組み付ける場合に比べて、車体に対する組み付け作業性が向上する。
また、上記衝突物潜り込み防止装置は、展開位置の潜り込み防止部材を該展開位置に保持する傾動規制手段を備えてもよい。
上記構成では、展開位置の潜り込み防止部材が展開位置に保持されるので、潜り込み防止部材の前方から衝突物が当接しても、潜り込み防止部材が後方へ傾動することなく、潜り込み防止部材よりも後方への衝突物の潜り込みを確実に防止することができる。
また、上記潜り込み防止部材の延設部は、先端側と基端側との間で直線状に延びてリンク部材の係合部がスライド移動自在に係合して連結される長孔状のガイド孔を有してもよく、上記傾動規制手段は、延設部のガイド孔から連続して形成され、作動位置のリンク部材の係合部と係合してリンク部材の作動位置からの傾動を阻止する係合凹部であってもよい。
上記構成では、付勢手段の付勢力によってリンク部材が通常位置から作動位置へ傾動すると、リンク部材の係合部は、潜り込み防止部材の延設部のガイド孔に沿って先端側と基端側との間でスライド移動する。潜り込み防止部材が展開位置に達すると、リンク部材の係合部が係合凹部と係合する。
また、展開位置の潜り込み防止部材の係合凹部は、潜り込み防止部材に対する係合部のスライド移動を規制し、リンク部材の作動位置からの傾動を阻止して潜り込み防止部材を展開位置に保持する。
このように、潜り込み防止部材に係合凹部を設けることによって潜り込み防止部材を展開位置に保持するので、部品点数の増加を抑えて且つ簡易な構造で潜り込み防止部材を展開位置に保持することができる。
本発明によれば、車両が衝突物と衝突した際に、車両の下方への衝突物の潜り込みを防止することができ、且つ作動後に部品交換することなく作動前の状態に復帰させることができる。
本実施形態に係る衝突物潜り込み防止装置を備えたトラックの前部の斜視図である。 本実施形態に係る衝突物潜り込み防止装置の要部の斜視図である。 本実施形態に係る衝突物潜り込み防止装置の要部の模式的な側面図である。 収納位置の潜り込み防止部材の要部の斜視図である。 展開位置の潜り込み防止部材の要部の模式的な側面図である。 図5のVI−VI矢視断面図である。 ねじりばねを車幅方向外側から視た側面図である。 図7のねじりばねをVIII方向から視た背面図である。 潜り込み防止部材及びリンクアームの要部の模式図であり、(a)は車幅方向外側から視た状態を、(b)は前方から視た状態を示す。 ロック装置の模式的な側面図であり、(a)はロック状態を、(b)はロック解除状態をそれぞれ示す。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
図1に示すように、本実施形態に係る衝突物潜り込み防止装置10を備えるトラック(車両)1は、キャブ2が概ねエンジン(図示省略)の上方に配置されるキャブオーバー型のトラック1であって、車体フレーム3(図2及び図3参照)と、キャブ2の前端部で略鉛直方向に起立するフロントパネル4と、フロントパネル4の下方で車幅方向に延びるフロントバンパ5と、車体フレーム3の前部下方で車幅方向に延びるフロントアンダーランプロテクタ6(以下、FUPと称する)とを有する。
図2及び図3に示すように、車体フレーム3は、車幅方向両側でトラック1の前後に亘って延びる左右のサイドフレーム8と、車幅方向に沿って延びて左右のサイドフレーム8を連結する複数のクロスフレーム9とを有する。なお、図2及び図3では、左右のサイドフレーム8の前端部を連結するクロスフレーム9のみを示している。
フロントバンパ5は、車体フレーム3を前方から覆うように配置されて車幅方向に延び、車体フレーム3の前端部14にボルト等(図示省略)によって固定される。
図2〜図5に示すように、FUP6は、トラック1の左右に亘って延びる中空状の棒状体であって、前板部63と、前板部63の上端縁から後方へ延びる上板部64と、上板部64よりも短く形成されて前板部63の下端縁から後方へ延びる下板部65と、前板部63よりも短く形成されて上板部64の後端縁から下方へ延びる後板部66と、下板部65の後端縁と後板部66の下端縁との間で斜め方向に延びる傾斜板部67と、車幅方向両端を塞ぐ左右1対の側板部12とを有する。FUP6の上板部64の上面は、左右のサイドフレーム8のそれぞれの前端部から下方へ延びる左右1対のフロントアンダーランプロテクタブラケット11(以下、FUPブラケットと称する)の下端に溶接やボルト(図示省略)等によって固定される。FUP6の左右の側板部12のうち、後板部66と傾斜板部67とが交叉する角部68の近傍には、後述する回転軸部材34が挿通する軸挿通孔13(図6参照)がそれぞれ貫通している。FUP6は、トラック1よりも車高が低い乗用車等の他の車両(図示省略)とトラック1とが衝突した際に、FUP6よりも後方への上記他の車両の移動を規制し、トラック1の車体フレーム3の下方への上記他の車両の潜り込みを防止する。
図3に示すように、衝突物潜り込み防止装置10は、潜り込み防止部材15と左右のねじりばね(付勢手段)21(図6参照)と左右のリンクアーム(リンク部材)26とロック装置(保持手段)16と加速度センサ(衝突検知手段)56とコントローラ(衝突検知手段)57とを有する。なお、この衝突物潜り込み防止装置10のねじりばね21とリンクアーム26とは、トラック1の左右に対称的に設けられて、ほぼ同様の構成を有するため、以下では左側について説明し、右側の説明を省略する。
図4及び図5に示すように、潜り込み防止部材15は、後述する複数の板体によってFUP6の車幅方向の長さと略同じ長さに形成される構造体であって、FUP6の下板部65と傾斜板部67とが交叉する角部69に配置されるピボット軸37の車幅方向に延びる回転軸を中心として、FUP6の後方に配置される収納位置(図4中の実線で示す位置)と、FUP6の下方に配置される展開位置(図5中の実線で示す位置)との間を傾動可能である。なお、以下の説明において、潜り込み防止部材15に関する前後方向及び上下方向は、特に説明のない限り、展開位置における前後及び上下を示す。
図5に示すように、潜り込み防止部材15は、上下方向に直線状に延設される延設部72と、延設部72の後上端部から後方へ突出する側面視略三角状の突出部(支持部)28とが一体形成される。潜り込み防止部材15は、車幅方向に延びてFUP6の下板部65の下面に当接する上板部17と、上板部17の前端縁から下方へ延びる前板部18と、車幅方向両端の左右1対の側板部20と、左右の側板部20の相互間に配置されて上板部17の下面と前板部18の後面とに固定される複数(本実施形態では、2箇所)の補強板19とを有する。上板部17の前後方向の長さは、FUP6の下板部65の前後方向の長さよりも長く設定され、上板部17の前端及び前板部18は、FUP6の前板部63の前面よりも前方に配置される。突出部28の後端部は、ピボット軸37の回転軸を中心としてFUP6に回転自在に支持される。すなわち、突出部28は、車体フレーム3の下面62よりも下方で車幅方向に延びるピボット軸37の回転軸を中心としてFUP6に回転自在に支持される。延設部72の延設方向(展開位置及び収納位置では上下方向)に沿ったピボット軸37の回転軸から潜り込み防止部材15の先端31までの距離L1は、ピボット軸37の回転軸から車体フレーム3の下面62までの距離L2よりも短く形成される(図3参照)。展開位置の延設部72は、ピボット軸37側(突出部28側)の基端58(図5中の上端)から先端31(図5中の下端)に向かってFUP6の下方で直線状に延び、収納位置の延設部72は、ピボット軸37側の基端58から先端31へ向かって直線状に上方へ延びて起立する。なお、潜り込み防止部材15の延設部72と突出部28とが一体形成されなくてもよく、別体の突出部を延設部に固定してもよい。
潜り込み防止部材15の側板部20のうちの延設部72側には、上下方向に直線状に延びる長孔状のスライドレール孔(ガイド孔)22が車幅方向に貫通し、スライドレール孔22の上端部には、前方へ向かって凹んだ係合凹部(傾動規制手段)49がスライドレール孔22から連続して形成される。係合凹部49は、後述するリンクアーム26のスライド軸27と係合可能な大きさを有する。側板部20及び補強板19の後面29は、ピボット軸37側から斜め前下方へ傾斜する傾斜領域70と、傾斜領域70の下端から略鉛直方向へ延びる鉛直領域71とを有する。潜り込み防止部材15が収納位置に配置された状態では、側板部20及び補強板19の後面29(図5中の2点鎖線における前面)の傾斜領域70がFUP6の傾斜板部67の後下面に当接し、鉛直領域71がFUP6の後板部66の後面に当接する。なお、収納位置の潜り込み防止部材15の側板部20等(補強板19を含む)の後面29がFUP6に当接することなく、近接していてもよい。
図6〜図8に示すように、FUP6の側板部12の軸挿通孔13には、車幅方向に延びる回転軸部材34が挿通されて回転自在に支持され、回転軸部材34に固定されるリンクアーム26が回転軸部材34の回転軸(第2の回転軸)を中心としてFUP6に対して回転自在に支持される。軸挿通孔13は、ピボット軸37よりも後上方(角部68の近傍)に配置される。FUP6の内部には、板状の軸支持部材32が固定される。軸支持部材32は、FUP6の後板部66の前面及び傾斜板部67の上面に沿って延びる固定板部23と、固定板部23の車幅方向外端縁から固定板部23に対して略垂直に延びる支持板部24とを有する。軸支持部材32の支持板部24は、FUP6の側板部12の軸挿通孔13と同軸に配置されて車幅方向に貫通する断面円形状の貫通孔33を有し、FUP6の側板部12との間に後述するねじりばね21を配置した状態で、FUP6の側板部12に車幅方向内側から相対向する。
回転軸部材34は、FUP6の側板部12の軸挿通孔13及び軸支持部材32の貫通孔33を挿通する略円柱体であって、軸挿通孔13及び貫通孔33のそれぞれの内周面と、回転軸部材34の外周面との間に配置されるベアリング(図示省略)を介して、FUP6の側板部12と軸支持部材32とに回転自在に支持される。回転軸部材34には、FUP6の側板部12よりも車幅方向内側にフランジ40が形成される。フランジ40は、回転軸部材34の外周面から円板状に突出し、その車幅方向外側面がFUP6の側板部12の車幅方向内側面に当接する。フランジ40とFUP6の側板部12との当接により、車幅方向外側への回転軸部材34の移動が規制される。回転軸部材34の車幅方向外端部には断面矩形状の嵌合部41が形成される。嵌合部41は、後述するリンクアーム26の嵌合孔42に挿入される。回転軸部材34の外周面のうちフランジ40よりも車幅方向内側の外周面には、棒体状の係止部36が後方へ突出している。
ねじりばね21は、回転軸部材34に対して螺旋状に巻回された中心部21aと、中心部21aの車幅方向内端側で中心部21aから前下方へ略直線上に延びる第1腕部21bと、中心部21aの車幅方向外端側で中心部21aから後下方へ延びて先端が下方に向かって開口する略U字状の第2腕部21cとを有し、FUP6の側板部12と軸支持部材32との間に配置される。ねじりばね21の第1腕部21bは、下方へ開口する断面U字状に形成された略板状の固定部材35とFUP6の傾斜板部67とに挟持された状態で、ネジによりFUP6の傾斜板部67に固定される。ねじりばね21の略U字状の第2腕部21cは、回転軸部材34の係止部36に係止される。なお、第1腕部21bを車幅方向外側に有し、第2腕部21cを車幅方向内側に有してもよい。
図6、図9(a)、及び図9(b)に示すように、リンクアーム26は、棒状体であって、回転軸部材34の嵌合部41に嵌合する断面矩形状の嵌合孔42(図6参照)が形成されて回転軸部材34に固定される一端側の軸支持部(第2の支持部)30と、他端側のスライド軸(係合部)27とを有する。FUP6の側板部12よりも車幅方向外側へ突出した回転軸部材34に座金47を装着した状態で、リンクアーム26の軸支持部30の嵌合孔42と回転軸部材34の嵌合部41とを嵌合させて、リンクアーム26と回転軸部材34とがボルト48で固定される。リンクアーム26と回転軸部材34とが固定されることにより、リンクアーム26の軸支持部30が回転軸部材34の回転軸を中心としてFUP6に対して回転自在に支持される。また、回転軸部材34の係止部36がねじりばね21の第2腕部21cに係止されるので、リンクアーム26がねじりばね21によって後述する車両前方の作動位置(図5中に実線で示す位置)へ付勢される。なお、リンクアーム26の嵌合孔42の中心(回転軸部材34の回転軸)からスライド軸27の軸心までの長さは、回転軸部材34の回転軸からピボット軸37の回転軸までの距離と、ピボット軸37の回転軸からスライドレール孔22の基端58側の端部までの距離との和よりも長く設定される。
図9(a)及び図9(b)に示すように、スライド軸27は、リンクアーム26の下端から車幅方向内側に向かって延びる棒状体であって、潜り込み防止部材15のスライドレール孔22に車幅方向外側からスライドレール孔22を挿通し、スライドレール孔22に沿ってスライド移動可能に潜り込み防止部材15に支持される。スライド軸27の車幅方向外側の端部にはフランジ50が形成され、スライド軸27がスライドレール孔22を挿通した状態でフランジ50の車幅方向内側面と、潜り込み防止部材15の側板部20の車幅方向外側面とが当接する。スライド軸27がスライドレール孔22を挿通した状態で、潜り込み防止部材15の側板部20よりも車幅方向内側へ突出したスライド軸27には、リング状のストッパ51が装着される。スライド軸27は、フランジ50とストッパ51とによって、車幅方向の移動が規制される。
リンクアーム26は、回転軸部材34から斜め後上方へ延びてスライド軸27が潜り込み防止部材15の先端31側に配置された通常位置(図3中に2点鎖線で示す位置)と、回転軸部材34から斜め前下方へ延びてスライド軸27がスライドレール孔22の係合凹部49と係合する作動位置(図3中に実線で示す位置)との間を回転軸部材34の回転軸を中心として傾動可能である。リンクアーム26が通常位置に配置された状態では、潜り込み防止部材15が収納位置に配置され、リンクアーム26が作動位置に配置された状態では、潜り込み防止部材15が展開位置に配置される。すなわち、潜り込み防止部材15の基端58側と先端31側との間を直線状に延びるスライドレール孔22に沿った先端31側から基端58側へのスライド軸27のスライド移動は、通常位置から作動位置へ傾動するリンクアーム26と、収納位置から展開位置へ傾動する潜り込み防止部材15との連動を許容する。リンクアーム26と潜り込み防止部材15とがスライド移動可能に連結され、リンクアーム26と潜り込み防止部材15とが連動するので、リンクアーム26を作動位置へ付勢するねじりばね21は、リンクアーム26を付勢することによって潜り込み防止部材15を展開位置へ付勢する。
図10(a)及び図10(b)に示すように、ロック装置16は、ストッパ43とソレノイド44とを有し、FUP6の車幅方向中央部に固定される。ロック装置16は、ねじりばね21に付勢される潜り込み防止部材15をねじりばね21の付勢力に抗して収納位置にロックするロック状態(図10(a)参照)と、コントローラ57の制御によって潜り込み防止部材15の収納位置へのロックを解除するロック解除状態(図10(b)参照)とに設定可能である。
ストッパ43は、断面略L字状の板体であって、FUP6の上板部64の上面から上方へ突出するヒンジ45を介してFUP6に対して回転自在に支持される基端部48と、ロック状態で基端部48から後方へ延びる中板部52と、ロック状態で中板部52の先端から下方へ屈曲して延びて潜り込み防止部材15の前板部18を係止する爪部53とを有する。ヒンジ45には、ねじりばね(図示省略)が設けられ、該ねじりばねによってストッパ43がロック解除状態の解除位置側からロック状態のロック位置側へ付勢されている。
ソレノイド44は、ソレノイド本体54とソレノイド本体54にスライド移動自在に挿入されるプランジャ55とを有し、プランジャ55をFUP6の上面よりも上方へ突出させた状態でFUP6の後板部66の後面の上端部に固定される。ソレノイド44は、コントローラ57に制御されて非励磁状態から励磁状態になる。
ロック状態では、図10(a)に示すように、FUP6の後板部66の後面に沿って起立する収納位置の潜り込み防止部材15をロック装置16のストッパ43の爪部53が係止し、非励磁状態のソレノイド44のプランジャ55の先端がストッパ43の中板部52の下面に当接している。一方、ロック解除状態では、図10(b)に示すように、励磁状態のソレノイド44のプランジャ55がソレノイド本体54側から上方へ突出し、ヒンジ45に設けられたねじりばねの付勢力に抗してストッパ43を上方へ押し上げる。
加速度センサ56は、フロントバンパ5の車幅方向中央部の後面に設置され、トラック1のフロントバンパ5の前後方向の加速度を検出してコントローラ57へ逐次出力する(図3参照)。コントローラ57は、CUPやメモリ等(図示省略)によって構成され、加速度センサ56から入力された加速度が急激に減少したか否かを逐次判定し、加速度が急激に減少したときに、走行中のトラック1のフロントバンパ5に衝突物が衝突したと判断して、バッテリ電源(図示省略)からロック装置16のソレノイド44へ通電を開始する。すなわち、加速度センサ56とコントローラ57とは、トラック1の前部のフロントバンパ5への衝突物の衝突を検知する衝突検知手段として機能する。なお、本実施形態では、衝突検知手段(加速度センサ56及びコントローラ57)がフロントバンパ5への衝突物の衝突を検知したが、衝突物の衝突を回避できない状態を検知してもよい。また、本実施形態では、衝突検知手段がフロントバンパ5への衝突物の衝突を検知したが、これに限定されるものではなく、トラック1の前部への衝突物の衝突等(衝突物の衝突を回避できない状態を含む)を検知すればよく、例えば、フロントパネル4の後方に加速度センサ56を設け、フロントパネル4への衝突物の衝突等を検知してもよい。
次に、衝突物潜り込み防止装置10の動きを説明する。
加速度センサ56とコントローラ57とがフロントバンパ5への衝突物(本実施形態では、歩行者)の衝突を検知しない間、すなわち、衝突物潜り込み防止装置10の非作動時には、図4に示すように、潜り込み防止部材15が収納位置に配置された状態でロック装置16によりロックされて前方への傾動が規制され、リンクアーム26がねじりばね21の付勢力に抗した状態で通常位置に配置される。潜り込み防止部材15が収納位置に配置された状態では、潜り込み防止部材15の延設部72がピボット軸37側の基端58から先端31へ向かって直線状に上方へ延びて起立し、側板部20及び補強板19の後面29の傾斜領域70がFUP6の傾斜板部67の後下面に当接し、鉛直領域71がFUP6の後板部66の後面に当接する。
一方、加速度センサ56とコントローラ57とがフロントバンパ5への歩行者の衝突を検知した時、すなわち、衝突物潜り込み防止装置10の作動時には、コントローラ57がバッテリ電源(図示省略)からロック装置16のソレノイド44へ通電を開始する。ソレノイド44が励磁状態になると、図10(b)に示すように、ソレノイド44のプランジャ55がソレノイド本体54側から上方へ突出し、ヒンジ45に設けられたねじりばねの付勢力に抗してストッパ43を上方へ押し上げる。ストッパ43が上方へ押し上げられて前上方へ傾動すると、ストッパ43の爪部53による潜り込み防止部材15の前板部18の係止が解除されてロック解除状態となり、ピボット軸37の回転軸を中心とした潜り込み防止部材15の傾動の規制が解除されるとともに、リンクアーム26の通常位置から作動位置への傾動の規制も解除される。リンクアーム26の傾動の規制が解除され、リンクアーム26がねじりばね21の付勢力によって作動位置への傾動を開始すると、リンクアーム26のスライド軸27がスライドレール孔22に案内されて潜り込み防止部材15の先端31側から基端58側へのスライド移動を開始するとともに、潜り込み防止部材15が収納位置から前方の展開位置への傾動を開始する。潜り込み防止部材15の上板部17がFUP6の下板部65の下面に当接すると、潜り込み防止部材15の前方への傾動が規制され展開位置(図3中の実線で示す位置)に達する。作動位置では、リンクアーム26のスライド軸27がねじりばね21の付勢力によってスライドレール孔22の係合凹部49に入り込んで係合凹部49と係合し、潜り込み防止部材15の前板部18の前面がFUP6の前板部63の前面よりも前方に配置される(図9(a)参照)。
上記のように構成された衝突物潜り込み防止装置10では、加速度センサ56とコントローラ57とがフロントバンパ5への歩行者(衝突物)の衝突を検知すると、潜り込み防止部材15が収納位置から展開位置へ傾動する。展開位置では、潜り込み防止部材15の延設部72がFUP6の下方に配置されて基端58から下方へ延びるので、トラック1が歩行者と衝突して歩行者がトラック1の前方の路面7上に倒れた際に、路面7とFUP6との間からトラック1の下方への歩行者の潜り込みを展開位置の潜り込み防止部材15によって防止することができる。
また、トラック1との衝突後にトラック1の前方に倒れた歩行者に対して展開位置の潜り込み防止部材15が後方から当接し、後方への荷重が展開位置の潜り込み防止部材15に入力しても、リンクアーム26がねじりばね21の付勢力によって前方へ付勢された状態でスライドレール孔22の係合凹部49と係合しているので、潜り込み防止部材15の先端31側へのスライド軸27のスライド移動が規制され、後方への潜り込み防止部材15の傾動が規制される。このため、トラック1の車体フレーム3の下方への歩行者の潜り込みを確実に防止することができる。
また、潜り込み防止部材15に係合凹部49を設けることによって作動位置からのリンクアーム26の傾動を規制し、潜り込み防止部材15を展開位置に保持するので、部品点数の増加を抑えて且つ簡易な構造で潜り込み防止部材15を展開位置に保持することができる。
また、一度使用すると再使用することができない部品(例えば、インフレータ等)を必要としないので、作動後に部品交換をすることなく衝突物潜り込み防止装置10を作動前の状態に復帰させて繰り返し使用することができ、車体の損傷が小さい場合には、運転者等が比較的容易に衝突物潜り込み防止装置10を作動前の状態に復帰させてトラック1を使用することができる。また、作動前の状態に復帰させる際、部品の交換が必要な場合に比べて、復帰作業の作業性が向上する。
このように、本実施形態によれば、トラック1が歩行者(衝突物)と衝突した際に、トラック1の下方への歩行者の潜り込みを防止することができ、且つ作動後に部品交換することなく衝突物潜り込み防止装置10を作動前の状態に復帰させることができる。
また、加速度センサ56とコントローラ57とがフロントバンパ5への歩行者の衝突を検知するまでは、潜り込み防止部材15の延設部72がFUP6の後面に沿ってピボット軸19側の基端58から上方へ起立する収納位置に保持されているので、トラック1のアプローチアングルを確保することができる。
また、延設部72の延設方向(展開位置及び収納位置では上下方向)に沿ったピボット軸37の回転軸から潜り込み防止部材15の先端31までの距離L1を、ピボット軸37の回転軸から車体フレーム3の下面62までの距離L2よりも短く形成しているので、車体フレーム3や潜り込み防止部材15に切欠部等を設けることなく、収納位置の潜り込み防止部材15の延設部72をFUP6の後板部66の後面に沿って基端58から上方へ起立させることができる。このように、収納位置の潜り込み防止部材15の延設部72をFUP6の後板部66の後面に沿って基端58から上方へ起立させているので、潜り込み防止部材15をFUP6の後板部66の後面後方の狭い範囲に収納することができ、車体フレーム3の前部下方の省スペース化を図ることができる。
また、ピボット軸37の回転軸から潜り込み防止部材15の先端31までの距離L1を、ピボット軸37の回転軸から車体フレーム3の下面62までの距離L2よりも短く形成する分だけ、潜り込み防止部材15が傾動するためのスペースをピボット軸37の回転軸側へ小さくすることができる。
また、リンクアーム26のスライド軸27と潜り込み防止部材15とがスライド移動可能に連結されるので、収納位置から展開位置へ傾動する間の潜り込み防止部材15がリンクアーム26に支持される。このため、傾動中の潜り込み防止部材15の動きが安定する。
また、ねじりばね21がリンクアーム26を付勢するので、ねじりばね21が潜り込み防止部材15を付勢し潜り込み防止部材15の傾動に追従してリンクアーム26が傾動する場合に比べて、傾動中の潜り込み防止部材15の動きがさらに安定する。
また、ピボット軸37の回転軸をFUP6の後面よりも前方に配置し、潜り込み防止部材15の上板部17の前後方向の長さをFUP6の下板部65の前後方向の長さよりも長く設定し、潜り込み防止部材15の前板部18をFUP6の前板部63の前面よりも前方に配置するので、衝突物潜り込み防止装置10の作動時に潜り込み防止部材15をFUP6の前面よりも前方で歩行者に当接させることができ、FUP6よりも後方への歩行者の潜り込み防止の確実性を高めることができる。
また、潜り込み防止部材15及びリンクアーム26の双方がFUP6に対して支持されるので、FUP6を車体に対して固定する前に、潜り込み防止部材15及びリンクアーム26をFUP6に組み付けて1つのユニットとすることができる。このように、FUP6と、潜り込み防止部材15及びリンクアーム26とをユニット化することによって、係るユニットを車体に対して固定すればよいので、潜り込み防止部材15やリンクアーム26を車体フレーム3やFUPブラケット11等に個別に組み付ける場合に比べて、車体に対する組み付け作業性が向上する。
なお、潜り込み防止部材15を複数の板体(上板部15、前板部16、左右の側板部20、及び複数の補強板19)によって形成したが、これに限定されるものではなく、展開位置でFUP6の下方への歩行者等の潜り込みを防止できればよい。例えば、ピボット軸19を介してFUP6に支持される左右1対のアームと、車幅方向に延びて該アームの先端部同士を連結するガードバーとを有する潜り込み防止部材であってもよい。または、ガードバーに替えて網状部材を有する潜り込み防止部材であってもよい。或いは、トラック1の車幅方向に沿って等間隔で設けられる複数の棒体状のアームのみによって構成される潜り込み防止部材であってもよい。
また、本実施形態では、潜り込み防止部材15の延設部72の後上端部から後方へ突出する突出部28を潜り込み防止部材15の支持部としたが、これに限定されるものではなく、支持部は、FUP6に回転自在に支持されるものであればよい。例えば、延設部72の角部に支持部を設け、延設部72の角部が直接FUP6に回転自在に支持されてもよい。
また、ピボット軸37や回転軸部材34の位置は、上記に限定されない。また、本実施形態では、回転軸及び第2の回転軸をピボット軸19及び回転軸部材34のそれぞれの回転軸としたが、これに限定されるものではなく、車幅方向に延びる回転軸を中心として潜り込み防止部材15及びリンクアーム26がFUP6に対して回転自在に支持されていればよい。
また、保持手段は、ロック装置16に限定されず、潜り込み防止部材15を収納位置に保持し、衝突検知手段が衝突を検知した時に潜り込み防止部材15の収納位置への保持を解除する保持手段であればよい。また、本実施形態では、ロック装置16が直接的に潜り込み防止部材15をロックして収納位置に保持したが、ロック装置16がリンクアーム26をロックすることにより間接的に潜り込み防止部材15を収納位置に保持してもよい。
また、本実施形態では、潜り込み防止部材15及びリンクアーム26がFUP6に直接的に回転自在に支持されたが、これに限定されるものではなく、例えば、潜り込み防止部材15やリンクアーム26を回転自在に支持するブラケット等をFUP6に固定し、該ブラケット等を介して間接的に潜り込み防止部材15及びリンクアーム26がFUP6に回転自在に支持されてもよい。
また、本実施形態では、衝突検知手段として加速度センサ56を用いたが、カメラやレーダセンサなどを用いてフロントバンパ5への衝突物の衝突を検知してもよい。また、フロントバンパ5への衝突物の衝突を回避できない状態をコントローラ57が検知してもよい。
また、本実施形態では、ガイド孔として潜り込み防止部材15の側板部20を車幅方向に貫通するスライドレール孔22を設けたが、潜り込み防止部材15の側板部20を貫通しなくてもよい。例えば、車幅方向外側に向かって開口するガイド孔を潜り込み防止部材15の側板部20に形成してもよい。
また、本実施形態では、リンク部材として棒体状のリンクアーム26を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば、回転軸部材34に固定される支持部と潜り込み防止部材15にスライド移動可能に連結される係合部とを有する板状部材等であってもよい。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲では適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、FUP6は、傾斜板部67を有することにより、後端下部が斜め方向に切り欠かれた形状であったが、これに限定されるものではなく、例えば、前板部、上板部、下板部、後板部、及び左右1対の側板部によって形成される断面矩形状であってもよい。この場合、潜り込み防止部材は、収納位置でFUPの下板部の下面及び後板部の後面に沿って延びる面を有する側面視L字状に形成されてもよい。
また、上記実施形態では、ねじりばね21がリンクアーム26を付勢し、リンクアーム26が潜り込み防止部材15を前方へ付勢したが、リンクアーム26を設けることなくピボット軸19側にねじりばねを設けて、該ねじりばねが潜り込み防止部材15を前方へ付勢してもよい。
また、上記実施形態では、スライドレール孔22の係合凹部49とリンクアーム26のスライド軸27とが係合することにより展開位置の潜り込み防止部材15の後方への傾動を規制したが、これに限定されるものではなく、例えば、ピボット軸37の回転軸を中心とした潜り込み防止部材15の回転移動を収納位置側から展開位置側への一方向に規制し、且つ該回転移動の規制を手動で解除できるギア等を設けてもよい。或いは、回転軸部材34の回転軸を中心としたリンクアーム26の回転移動を通常位置側から作動位置側への一方向に規制し、且つ該回転移動の規制を手動で解除できるギア等を設けてもよい。
また、付勢手段は、ねじりばね21に限定されず、例えば、回転軸部材34(嵌合孔42)よりも上方へ延びる延長部をリンクアーム26に設け、該延長部をコイルスプリング等によって後方へ付勢してもよい。或いは、回転軸部材34とねじりばね21とに替えて車幅方向内側の固定端と車幅方向外側の自由端とを有するトーションバーを備え、該トーションバーが第2の回転軸及び付勢手段として機能してもよい。トーションバーの固定端は、FUP6に対して固定され、トーションバーの自由端は、リンクアーム26に固定される。この場合、トーションバーが捩じり反力を有した状態でリンクアーム26が収納位置に保持され、収納位置への保持が解除されると、トーションバーの捩じり反力によりリンクアーム26が展開位置へ向かって傾動する。
1:トラック(車両)
3:車体フレーム
6:フロントアンダーランプロテクタ
10:衝突物潜り込み防止装置
15:潜り込み防止部材
16:ロック装置(保持手段)
21:ねじりばね(付勢手段)
22:スライドレール孔(ガイド孔)
26:リンクアーム(リンク部材)
27:スライド軸(係合部)
28:突出部(支持部)
30:軸支持部(第2の支持部)
31:延設部の先端
34:回転軸部材
37:ピボット軸
49:係合凹部(傾動規制手段)
56:加速度センサ(衝突検知手段)
57:コントローラ(衝突検知手段)
58:延設部の基端
62:車体フレームの下面
72:延設部

Claims (4)

  1. 車体フレームの前部下方で車幅方向に延びるフロントアンダーランプロテクタを有する車両の衝突物潜り込み防止装置であって、
    前記車両の前部への衝突物の衝突を検知する衝突検知手段と、
    前記車体フレームの下面よりも下方で車幅方向に延びる回転軸を中心として前記フロントアンダーランプロテクタに対して回転自在に支持される支持部と、前記支持部側の基端から先端に向かって直線状に延設される延設部とを有し、前記延設部の延設方向に沿った前記回転軸から前記先端までの距離が前記回転軸から前記車体フレームの前記下面までの距離よりも短く設定され、前記延設部が前記基端側から前記フロントアンダーランプロテクタよりも下方に延びる展開位置と、前記延設部が前記フロントアンダーランプロテクタの後面に沿って前記基端側から上方へ延びて起立する収納位置との間を前記回転軸を中心として傾動可能な潜り込み防止部材と、
    前記潜り込み防止部材を前記展開位置へ付勢する付勢手段と、
    前記潜り込み防止部材を前記付勢手段の付勢力に抗して前記収納位置に保持し、前記衝突検知手段が衝突物の衝突を検知した時に前記潜り込み防止部材の保持を解除する保持手段と、を備え、
    前記衝突検知手段が衝突物の衝突を検知して前記保持手段が前記潜り込み防止部材の保持を解除すると、前記潜り込み防止部材が前記付勢手段の付勢力によって前記収納位置から前記展開位置へ傾動し、前記展開位置の前記潜り込み防止部材が前方からの前記車体フレームの下方への前記衝突物の潜り込みを防止する
    ことを特徴とする衝突物潜り込み防止装置。
  2. 請求項1に記載の衝突物潜り込み防止装置であって、
    第2の回転軸を中心として前記フロントアンダーランプロテクタに対して回転自在に支持される第2の支持部と、前記先端側と前記基端側との間を直線的にスライド移動可能に前記潜り込み防止部材の前記延設部に係合して連結される係合部とを有するリンク部材を備え、
    前記回転軸は、前記フロントアンダーランプロテクタの前記後面よりも前方に配置され、
    前記先端側と前記基端側との間の前記係合部のスライド移動は、前記収納位置から前記展開位置への前記潜り込み防止部材の傾動に連動した通常位置から作動位置への前記第2の回転軸を中心とした前記リンク部材の傾動を許容し、
    前記付勢手段は、前記リンク部材を前記作動位置へ付勢する
    ことを特徴とする衝突物潜り込み防止装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の衝突物潜り込み防止装置であって、
    前記展開位置の前記潜り込み防止部材を該展開位置に保持する傾動規制手段を備える
    ことを特徴とする衝突物潜り込み防止装置。
  4. 請求項2に記載の衝突物潜り込み防止装置であって、
    前記展開位置の前記潜り込み防止部材を該展開位置に保持する傾動規制手段を備え、
    前記潜り込み防止部材の前記延設部は、前記先端側と前記基端側との間で直線状に延びて前記リンク部材の前記係合部がスライド移動自在に係合して連結される長孔状のガイド孔を有し、
    前記傾動規制手段は、前記延設部の前記ガイド孔から連続して形成され、前記作動位置の前記リンク部材の前記係合部と係合して前記リンク部材の前記作動位置からの傾動を阻止する係合凹部である
    ことを特徴とする衝突物潜り込み防止装置。
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